実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム200の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)201と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)202は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)203と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
ここで、「通信端末装置」とは、移動可能な携帯電話端末装置などの移動端末装置だけでなく、センサなどの移動しないデバイスも含んでいる。以下の説明では、「通信端末装置」を、単に「通信端末」という場合がある。
移動端末202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン(以下、U-Planeと称する場合もある)、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局203で終端するならば、E-UTRANは1つあるいは複数の基地局203によって構成される。
移動端末202と基地局203との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局203と移動端末202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbor cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
基地局203は、1つあるいは複数のeNB207により構成される。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE-UTRAN201とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE-UTRAN201とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
eNB207は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS-GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS-GWを含むMME/S-GW部(以下「MME部」という場合がある)204とS1インタフェースにより接続され、eNB207とMME部204との間で制御情報が通信される。一つのeNB207に対して、複数のMME部204が接続されてもよい。eNB207間は、X2インタフェースにより接続され、eNB207間で制御情報が通信される。
MME部204は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB207と、移動端末(UE)202との接続を制御する。MME部204は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局203は、E-UTRAN201を構成する。
基地局203は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、移動端末202と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で移動端末202と無線通信を行う。1つの基地局203が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末202と通信可能に構成される。
図3は、3GPPにおいて議論されている5G方式の通信システム210の全体的な構成を示すブロック図である。図3について説明する。無線アクセスネットワークは、NG-RAN(Next Generation Radio Access Network)211と称される。UE202は、NR基地局装置(以下「NR基地局(NG-RAN NodeB:gNB)」という)213と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。また、コアネットワークは、5Gコア(5G Core:5GC)と称される。
UE202に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン(以下、U-Planeと称する場合もある)、例えばSDAP(Service Data Adaptation Protocol)、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とがNR基地局213で終端するならば、NG-RANは1つあるいは複数のNR基地局213によって構成される。
UE202とNR基地局213との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)の機能はLTEと同様である。RRCにおけるNR基地局213とUE202との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDと、RRC_INACTIVEとがある。
RRC_IDLE、RRC_CONNECTEDは、LTE方式と同様である。RRC_INACTIVEは5GコアとNR基地局213との間の接続が維持されつつ、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。
gNB217は、アクセス・移動管理機能(Access and Mobility Management Function:AMF)、セッション管理機能(Session Management Function:SMF)、あるいはUPF(User Plane Function)、あるいはAMF、SMFおよびUPFを含むAMF/SMF/UPF部(以下「5GC部」という場合がある)214とNGインタフェースにより接続される。gNB217と5GC部214との間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。NGインタフェースは、gNB217とAMFとの間のN2インタフェース、gNB217とUPFとの間のN3インタフェース、AMFとSMFとの間のN11インタフェース、および、UPFとSMFとの間のN4インタフェースの総称である。一つのgNB217に対して、複数の5GC部214が接続されてもよい。gNB217間は、Xnインタフェースにより接続され、gNB217間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。
NR基地局213も、基地局203同様、1つあるいは複数のセルを構成してもよい。1つのNR基地局213が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、UE202と通信可能に構成される。
gNB217は、中央ユニット(Central Unit;以下、CUと称する場合がある)218と分散ユニット(Distributed Unit;以下、DUと称する場合がある)219に分割されていてもよい。CU218は、gNB217の中に1つ構成される。DU219は、gNB217の中に1つあるいは複数構成される。CU218は、DU219とF1インタフェースにより接続され、CU218とDU219との間で制御情報および/あるいはユーザデータが通信される。
図4は、EPCに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成を示した図である。図4において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図4において、eNB223-1がマスタ基地局となり、gNB224-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、EN-DCと称する場合がある)。図4において、MME部204とgNB224-2との間のU-Plane接続がeNB223-1経由で行われる例について示しているが、MME部204とgNB224-2との間で直接行われてもよい。
図5は、NGコアに接続するgNBによるDCの構成を示した図である。図5において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図5において、gNB224-1がマスタ基地局となり、gNB224-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NR-DCと称する場合がある)。図5において、5GC部214とgNB224-2との間のU-Plane接続がgNB224-1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とgNB224-2との間で直接行われてもよい。
図6は、NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの構成を示した図である。図6において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図6において、eNB226-1がマスタ基地局となり、gNB224-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NG-EN-DCと称する場合がある)。図6において、5GC部214とgNB224-2との間のU-Plane接続がeNB226-1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とgNB224-2との間で直接行われてもよい。
図7は、NGコアに接続するeNBおよびgNBによるDCの、他の構成を示した図である。図7において、実線はU-Planeの接続を示し、破線はC-Planeの接続を示す。図7において、gNB224-1がマスタ基地局となり、eNB226-2がセカンダリ基地局となる(このDC構成を、NE-DCと称する場合がある)。図7において、5GC部214とeNB226-2との間のU-Plane接続がgNB224-1経由で行われる例について示しているが、5GC部214とeNB226-2との間で直接行われてもよい。
図8は、図2に示す移動端末202の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末202の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部301からの制御データ、およびアプリケーション部302からのユーザデータが、送信データバッファ部303へ保存される。送信データバッファ部303に保存されたデータは、エンコーダー部304へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部303から変調部305へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部304でエンコード処理されたデータは、変調部305にて変調処理が行われる。変調部305にて、MIMOにおけるプリコーディングが行われてもよい。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部306へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ307-1~307-4から基地局203に送信信号が送信される。図8において、アンテナの数が4つである場合について例示したが、アンテナ数は4つに限定されない。
また、移動端末202の受信処理は、以下のように実行される。基地局203からの無線信号がアンテナ307-1~307-4により受信される。受信信号は、周波数変換部306にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部308において復調処理が行われる。復調部308にて、ウェイト計算および乗算処理が行われてもよい。復調後のデータは、デコーダー部309へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部301へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部302へ渡される。移動端末202の一連の処理は、制御部310によって制御される。よって制御部310は、図8では省略しているが、各部301~309と接続している。図8において、移動端末202が送信に用いるアンテナ数と受信に用いるアンテナ数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図9は、図2に示す基地局203の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局203の送信処理を説明する。EPC通信部401は、基地局203とEPC(MME部204など)との間のデータの送受信を行う。5GC通信部412は、基地局203と5GC(5GC部214など)との間のデータの送受信を行う。他基地局通信部402は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部401、5GC通信部412、および他基地局通信部402は、それぞれプロトコル処理部403と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部403からの制御データ、ならびにEPC通信部401、5GC通信部412、および他基地局通信部402からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部404へ保存される。
送信データバッファ部404に保存されたデータは、エンコーダー部405へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部404から変調部406へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部406にて変調処理が行われる。変調部406にて、MIMOにおけるプリコーディングが行われてもよい。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部407へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ408-1~408-4より一つもしくは複数の移動端末202に対して送信信号が送信される。図9において、アンテナの数が4つである場合について例示したが、アンテナ数は4つに限定されない。
また、基地局203の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末202からの無線信号が、アンテナ408により受信される。受信信号は、周波数変換部407にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部409で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部410へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部403あるいは5GC通信部412あるいはEPC通信部401、他基地局通信部402へ渡され、ユーザデータは5GC通信部412、EPC通信部401および他基地局通信部402へ渡される。基地局203の一連の処理は、制御部411によって制御される。よって制御部411は、図9では省略しているが、各部401~410と接続している。図9において、基地局203が送信に用いるアンテナ数と受信に用いるアンテナ数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
図9は、基地局203の構成について示したブロック図であるが、基地局213についても同様の構成としてもよい。また、図8および図9について、移動端末202のアンテナ数と、基地局203のアンテナ数は、同じであってもよいし、異なってもよい。
図10は、MMEの構成を示すブロック図である。図10では、前述の図2に示すMME部204に含まれるMME204aの構成を示す。PDN GW通信部501は、MME204aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部502は、MME204aと基地局203との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部501から、ユーザプレイン通信部503経由で基地局通信部502に渡され、1つあるいは複数の基地局203へ送信される。基地局203から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部502から、ユーザプレイン通信部503経由でPDN GW通信部501に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部501から制御プレイン制御部505へ渡される。基地局203から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部502から制御プレイン制御部505へ渡される。
制御プレイン制御部505には、NASセキュリティ部505-1、SAEベアラコントロール部505-2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部505-3などが含まれ、制御プレイン(以下、C-Planeと称する場合もある)に対する処理全般を行う。NASセキュリティ部505-1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部505-2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部505-3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE-IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME204aは、1つまたは複数の基地局203に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME204aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME204aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME204aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME204aに接続されるeNB207のCSGの管理、CSG IDの管理、およびホワイトリストの管理は、アイドルステートモビリティ管理部505-3で行われてもよい。
図11は、5GCの構成を示すブロック図である。図11では、前述の図3に示す5GC部214の構成を示す。図11は、図5にて示す5GC部214に、AMFの構成、SMFの構成およびUPFの構成が含まれた場合について示している。Data Network通信部521は、5GC部214とData Networkとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部522は、5GC部214と基地局203との間のS1インタフェース、および/あるいは、5GC部214と基地局213との間のNGインタフェースによるデータの送受信を行う。Data Networkから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、Data Network通信部521から、ユーザプレイン通信部523経由で基地局通信部522に渡され、1つあるいは複数の、基地局203および/あるいは基地局213へ送信される。基地局203および/あるいは基地局213から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部522から、ユーザプレイン通信部523経由でData Network通信部521に渡され、Data Networkへ送信される。
Data Networkから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、Data Network通信部521からユーザプレイン通信部523経由でセッション管理部527へ渡される。セッション管理部527は、制御データを制御プレイン制御部525へ渡す。基地局203および/あるいは基地局213から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部522から制御プレイン制御部525に渡す。制御プレイン制御部525は、制御データをセッション管理部527へ渡す。
制御プレイン制御部525は、NASセキュリティ部525-1、PDUセッションコントロール部525-2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部525-3などを含み、制御プレイン(以下、C-Planeと称する場合もある)に対する処理全般を行う。NASセキュリティ部525-1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。PDUセッションコントロール部525-2は、移動端末202と5GC部214との間のPDUセッションの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部525-3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);RRC_IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末202のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
5GC部214は、1つまたは複数の基地局203および/あるいは基地局213に対して、ページング信号の分配を行う。また、5GC部214は、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility Control)を行う。5GC部214は、移動端末が待ち受け状態のとき、インアクティブ状態(Inactive State)および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。5GC部214は、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて通信端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。通信端末は、セルサーチを開始すると、ステップST601で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P-SS)、および第二同期信号(S-SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P-SSとS-SSとを合わせて、同期信号(Synchronization Signal:SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST602で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST601で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST603で、ステップST602までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST604で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがって、PBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST605で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL-SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST606で、通信端末は、ステップST605で受信したSIB1のTACと、通信端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
通信端末は、ステップST606で比較した結果、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST605で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、通信端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
図12に示す例においては、LTE方式におけるセルサーチから待ち受けまでの動作の例について示したが、NR方式においては、ステップST603において、ベストセルに加えてベストビームを選択してもよい。また、NR方式においては、ステップST604において、ビームの情報、例えば、ビームの識別子を取得してもよい。また、NR方式においては、ステップST604において、リメイニングミニマムSI(Remaining Minimum SI:RMSI)のスケジューリング情報を取得してもよい。NR方式においては、ステップST605において、RMSIを受信するとしてもよい。
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに通信端末から送られてくる該通信端末の識別番号(UE-IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、通信端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。通信端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、通信端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、通信端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
スマートフォンおよびタブレット型端末装置の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、カバレッジが比較的大きいセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、カバレッジが比較的小さいセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
マクロeNBは、例えば、非特許文献7に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献7に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
図13は、NRにおけるセルの構成の一例を示す。NRのセルでは、狭いビームを形成し、方向を変えて送信する。図13に示す例において、基地局750は、ある時間において、ビーム751-1を用いて移動端末との送受信を行う。他の時間において、基地局750は、ビーム751-2を用いて移動端末との送受信を行う。以下同様にして、基地局750はビーム751-3~751-8のうち1つあるいは複数を用いて移動端末との送受信を行う。このようにすることで、基地局750は広範囲のセルを構成する。
図13において、基地局750が用いるビームの数を8とする例について示したが、ビームの数は8とは異なっていてもよい。また、図13に示す例において、基地局750が同時に用いるビームの数を1つとしたが、複数であってもよい。
低遅延と高信頼性の通信(Ultra-reliable and Low Latency Communications;URLLC)の要件を満たす方法の例として、パケット複製が用いられてもよい。送信側装置は、PDCPレイヤにおいてPDCP PDUを複製し、受信側装置に送信してもよい。該パケット複製は、例えば、DCを用いたパケット複製であってもよいし、CAを用いたパケット複製であってもよい。前述において、送信側装置は基地局であってもよいし、UEであってもよい。また、受信側装置は、UEであってもよいし、基地局であってもよい。
しかし、パケット複製において、受信したパケットを上位レイヤに転送するタイミングについては規定されていない。このことにより、送信側装置から受信側装置に対するデータ送信において、レイテンシのばらつき(以下、ジッタと称する場合がある)が生じる。例えば、複製されたパケットの受信タイミングが両パケット間で異なる場合において、受信タイミングが先となるパケットの復号結果(例:CRC結果)によって、受信側装置がパケットを上位レイヤに転送するタイミングが異なる。このことにより、データ送信においてレイテンシのばらつきが生じ、その結果、ジッタ特性が悪化するといった問題が生じる。
前述の問題に対する解決策を以下に開示する。
基地局はUEに対し、複数のキャリアについて同じ時間リソースへのスケジューリングを行う。複数の該キャリアは、例えば、CAを用いたパケット複製において用いられるキャリアであってもよい。パケット複製に用いられるキャリアについて、同じ時間リソースに対してスケジューリングが行われるとしてもよい。例えば、キャリア間スケジューリングが用いられてもよい。
複数の該キャリアに対する同じ時間リソースへのスケジューリングの要否が、規格で予め決められてもよい。例えば、同じ時間リソースへのスケジューリングの要否が、QoSパラメータを用いて決められてもよい。ネットワークスライシングに関する情報(例:NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information))が用いられてもよい。該スケジューリングの要否は、PDUセッション毎に決められてもよいし、QoSフロー毎に決められてもよいし、ベアラ毎に決められてもよい。
QoSパラメータには、例えば、ユーザデータの送信周期(以下、Cycle Timeと称する場合がある)に関する情報が含まれてもよいし、ジッタの許容範囲に関する情報が含まれてもよい。ジッタの許容範囲に関する情報は、例えば、Cycle Timeに対する割合として与えられてもよいし、特定の時間単位(例:ミリ秒単位、マイクロ秒単位)で与えてもよい。
QoSパラメータには、ユーザデータの送信タイミングにおける、送信周期に対するオフセットに関する情報が含まれるとしてもよい。該オフセットに関する情報は、例えば、特定の時刻に関する情報として与えられてもよいし、スロット番号を用いた情報として与えられてもよい。該オフセットに関する情報について、サブフレーム番号が用いられてもよいし、シンボル番号が用いられてもよい。
QoSパラメータには、ジッタの許容範囲に関する情報のみが含まれるとしてもよい。前述において、ジッタの許容範囲に関する情報は、例えば、特定の時間単位(例:ミリ秒単位、マイクロ秒単位)で与えられてもよい。このことにより、例えば、ジッタ特性が要求される通信において、周期的なデータ送信が行われない場合においても、ジッタ特性を向上可能となる。
他の例として、複数の該キャリアに対する同じ時間リソースへのスケジューリングの要否を、上位NW装置が決めてもよい。上位NW装置は、例えば、AMFであってもよいし、SMFであってもよい。上位NW装置は、該スケジューリングの要否を、QoSパラメータを用いて決めてもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて決めてもよい。上位NW装置は、該スケジューリングの要否を、PDUセッション毎に決めてもよいし、QoSフロー毎に決めてもよいし、ベアラ毎に決めてもよい。上位NW装置は基地局に対し、複数キャリアに対する同じ時間リソースへのスケジューリング要否に関する情報を通知してもよい。該通知には、上位NW装置と基地局との間のインタフェースが用いられてもよい。このことにより、例えば、ジッタ特性を向上可能としつつ、基地局における処理時間を削減可能となる。
他の例として、複数の該キャリアに対する同じ時間リソースへのスケジューリングの要否を、基地局が決めてもよい。基地局は、該スケジューリングの要否を、QoSパラメータを用いて決めてもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて決めてもよい。基地局は、該スケジューリングの要否を、PDUセッション毎に決めてもよいし、QoSフロー毎に決めてもよいし、ベアラ毎に決めてもよい。
他の解決策を開示する。受信側装置は、パケット複製において後から受信したパケットの受信タイミングにおいて、受信したパケットを上位レイヤに転送する。該受信側装置は、基地局であってもよいし、UEであってもよい。すなわち、前述の方法が、上り通信において適用されてもよいし、下り通信において適用されてもよい。
受信側装置は、先に受信したパケットを保持してもよい。受信側装置は、先に受信したパケットを、例えば、後から来るパケットを受信するまでの間、保持してもよい。このことにより、例えば、UEは、先に受信したパケットの復号結果によらず、後から送信されたパケットの受信タイミングにおいて、受信パケットを上位レイヤに転送可能となる。その結果、ジッタを削減可能となる。
受信側装置における該パケットの保持は、パケット複製が設定されているベアラに対して適用するとしてもよい。このことにより、例えば、該パケットのジッタ特性を向上しつつ、他のデータの遅延増加を防止可能となる。他の例として、受信側装置における該パケットの保持は、パケット複製がアクティブとなっているベアラに対して適用するとしてもよい。このことにより、例えば、パケット複製が設定されているがデアクティベート(deactivate)されたベアラにおいて、受信側装置は受信データを迅速に上位レイヤに転送可能となる。
受信側装置における該パケットの保持は、例えば、PDCPレイヤにて行われてもよい。受信側装置のPDCPレイヤは、送信側装置のPDCPレイヤにおいて複製されたパケットの両方を受信したことを用いて、該パケットのうち片方を上位レイヤに転送してもよい。前述における片方の該パケットは、先に受信したパケットであってもよいし、後に受信したパケットであってもよい。受信側装置は、上位レイヤに転送しなかった他方のパケットを破棄してもよい。
他の例として、受信側装置における該パケットの保持が、RLCレイヤにおいて行われてもよい。例えば、パケット複製に用いられる論理チャネルのデータが保持されるとしてもよい。
他の例として、受信側装置における該パケットの保持が、MACレイヤにおいて行われてもよい。例えば、該パケットの送受信に用いられるトランスポートブロックのデータが保持されるとしてもよい。トランスポートブロックのデータの保持は、例えば、該トランスポートブロックに、該パケットの送受信に用いられる論理チャネルとは異なる論理チャネルがマッピングされていない場合において行われるとしてもよい。このことにより、例えば、受信側装置における処理が容易となる。
MACレイヤにおいて該パケットの保持を行う他の例として、該パケットの送受信に用いられる論理チャネルのデータが保持されるとしてもよい。受信側装置において受信したトランスポートブロックに多重された論理チャネルデータが保持されてもよい。受信側装置は、該トランスポートブロックに多重された論理チャネルデータのうち、前述の論理チャネルとは異なる論理チャネルのデータを、保持せずに、上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、該パケットの送受信に用いられる論理チャネルとは異なる論理チャネルにおけるレイテンシの増加を防止可能となる。
他の例として、受信側装置における該パケットの保持が、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)レイヤにて行われてもよいし、上位レイヤ、例えば、アプリケーションレイヤにて行われてもよい。例えば、受信側装置は、後から受信したパケットに関する情報を、SDAPレイヤに通知してもよいし、上位レイヤに通知してもよい。
受信側装置における該パケットの保持に関する他の例として、受信側装置は、該パケットを識別する情報のみを保持するとしてもよい。例えば、受信側装置は、該パケットのPDCPシーケンス番号のみを保持するとしてもよい。受信側装置は、後から受信するパケットの該情報を、保持している該情報と照合してもよい。受信側装置は、後から受信するパケットを上位レイヤに転送するとしてもよい。該転送は、例えば、後から受信するパケットを識別する情報が、受信側装置が保持している該情報に一致することをもって行われるとしてもよい。このことにより、例えば、受信側装置における該パケットの保持に用いられるメモリ量を削減可能となる。
受信側装置が、後から受信したパケットの受信タイミングにおいて上位レイヤへの転送を行うかどうかについて、基地局がUEに対して設定してもよい。該設定には、例えば、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。前述の設定に関する他の例として、上位NW装置が基地局経由でUEに対して設定してもよい。上位NW装置は、例えば、AMFであってもよいし、SMFであってもよい。該設定には、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。
該設定には、受信側装置が後から受信したパケットの受信タイミングにおいて上位レイヤへの転送を行うかどうかについての情報が含まれてもよいし、該パケットの送受信に用いられるベアラに関する情報が含まれてもよいし、該パケットの送受信に用いられる論理チャネルに関する情報が含まれてもよいし、該パケットが送受信されるQoSフローに関する情報が含まれてもよい。
基地局は、QoSパラメータを用いて前述の設定を行ってもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて該設定を行ってもよい。例えば、QoSパラメータに含まれるジッタ耐性が小さい場合において、受信側装置が後から受信したパケットの受信タイミングにおいて上位レイヤへの転送を行うとしてもよい。他の例として、上位NW装置は、QoSパラメータを用いて前述の設定を行ってもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて該設定を行ってもよい。QoSパラメータは、複数のキャリアについて同じ時間リソースへのスケジューリングを行う解決策において開示したQoSパラメータと同様としてもよい。
UEは、該設定を用いて、受信パケットを上位レイヤに転送するタイミングを切替えてもよい。例えば、UEは、下りパケットを上位レイヤに転送するタイミングを、先に受信したパケットの受信タイミングから、後に受信したパケットの受信タイミングに切替えてもよい。逆の切替えが行われてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて、ジッタ特性が求められる通信とジッタ特性が求められない通信とを柔軟に切替え可能となる。
受信側装置は、該設定によらず、受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。前述の転送は、例えば、パケット複製のデアクティベーション(deactivation)の指示が含まれるMACシグナリングを受信した場合において行われてもよい。受信側装置(例えば、UE)は、基地局から該MACシグナリングを受信した場合において、自UEにて保持している受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。該受信パケットは、例えば、パケット複製において先に受信したパケットであってもよい。このことにより、例えば、パケット複製停止後におけるメモリ蓄積量を削減可能となる。
図14は、本実施の形態1において、受信側装置が、複製されたパケットのうち後から送信されるパケットの受信タイミングにおいて、パケットを上位レイヤに転送する動作を示す図である。図14は、複製されたパケットがそれぞれ論理チャネル(Logical CHannel;LCH)#1および#2にマッピングされた場合について示している。また、図14は、パケット複製にCAを用いた場合について示している。また、図14において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。
図14において、受信側装置はLCH#1からのパケット1401およびLCH#2からのパケット1402を受信する。パケット1401および1402は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。図14において、受信側装置はパケット1401を先に受信する。受信側装置は、パケット1401を、LCH#2からのパケット1402を受信するまで保持する(図14において破線矢印を参照)。受信側装置は、パケット1402を受信したタイミングにおいて、パケット1401を上位レイヤに転送する(図14において太矢印を参照)。受信側装置は、後から受信したパケット1402を破棄する。
図14において、パケット1401、1402の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#1からのパケット1403およびLCH#2からのパケット1404を受信する。パケット1403および1404は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。受信側装置における動作は、前述のパケット1401、1402の受信時における動作と同様である。
図14において、パケット1403、1404の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#1からのパケット1405およびLCH#2からのパケット1406を受信する。パケット1405および1406は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。受信側装置における動作は、前述のパケット1401、1402の受信時における動作と同様である。
図14において、パケット1405、1406の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#1からのパケット1407およびLCH#2からのパケット1408を受信する。パケット1407および1408は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。図14に示す例において、受信側装置はパケット1408を先に受信する。受信側装置は、パケット1408を、LCH#1からのパケット1407を受信するまで保持する。受信側装置は、パケット1407を受信したタイミングにおいて、パケット1408を上位レイヤに転送する。受信側装置は、後から受信したパケット1407を破棄する。
図14において、パケット複製にCAを用いた例を示したが、パケット複製にDCが用いられてもよい。DCを用いたパケット複製の場合、図14におけるLCH#1、#2が、それぞれマスタ基地局、セカンダリ基地局において用いられてもよい。LCH#1、#2が、それぞれセカンダリ基地局、マスタ基地局において用いられてもよい。このことにより、例えば、UEと片方の基地局との間の通信経路が遮断(例えば、ブロッキングにより)された場合においても、UEと他方の基地局との間で通信を維持可能となる。その結果、通信の信頼性を向上可能となる。
図14において、受信側装置が、先に受信したパケットを保持する動作について示した。しかし、受信側装置は、先に受信したパケットの識別子のみを保持してもよい。該識別子は、例えば、PDCPシーケンス番号であってもよい。例えば、受信側装置は、先に受信したパケット1401のPDCPシーケンス番号を保持してもよい。受信側装置は、パケット1401のPDCPシーケンス番号以外の情報を破棄してもよい。受信側装置は、後から受信したパケット1402のPDCPシーケンス番号を、保持しているPDCPシーケンス番号と照合してもよい。例えば、PDCPシーケンス番号が、保持しているPDCPシーケンス番号と一致する場合において、受信側装置はパケット1402を上位レイヤに転送してもよい。パケット1403、1404についても、パケット1401、1402と同様としてもよい。パケット1405、1406についても、パケット1401、1402と同様としてもよい。パケット1408、1407についても、パケット1401、1402と同様としてもよい。前述において、受信側装置におけるパケット1401に関する動作をパケット1408に適用してもよいし、パケット1402に関する動作をパケット1407に適用してもよい。このことにより、例えば、受信側装置におけるメモリ使用量を削減可能となる。
受信側装置における前述の動作の適用にあたり、以下に示す問題が生じる。すなわち、受信側装置が、受信タイミングが後となるパケットを受信できない場合、例えば、該パケットの受信にあたり復号エラーが生じる場合、受信側装置は、該パケットの再送(例えば、HARQ再送)を待たないと、受信パケットを上位レイヤに転送することができない。このことにより、レイテンシが増大するとともに、ジッタ特性が悪化するといった問題が生じる。
前述の問題点を解決する方法を開示する。
受信側装置は、所定のタイミングにおいて受信パケットを上位レイヤに転送する。受信側装置は、先に受信したパケットを該タイミングまで保持してもよい。受信側装置は、後に受信したパケットを該タイミングまで保持してもよいし、破棄してもよい。受信側装置は、例えば、所定のタイミングが経過した場合において、先に受信したパケットを上位レイヤに転送してもよい。受信側装置において、所定のタイミング経過後の上位レイヤへの転送は、パケット受信後即時行われるとしてもよい。
受信側装置における該パケットの保持は、パケット複製が設定されているベアラに対して適用するとしてもよい。このことにより、例えば、該パケットのジッタ特性を向上しつつ、他のデータの遅延増加を防止可能となる。他の例として、受信側装置における該パケットの保持は、パケット複製がアクティブとなっているベアラに対して適用するとしてもよい。このことにより、例えば、パケット複製が設定されているがデアクティベート(deactivate)されたベアラにおいて、受信側装置は受信データを迅速に上位レイヤに転送可能となる。
受信側装置における該パケットの保持は、PDCPレイヤにて行われてもよいし、RLCレイヤにおいて行われてもよい。例えば、パケット複製に用いられる論理チャネルのデータが保持されるとしてもよい。
他の例として、受信側装置における該パケットの保持が、MACレイヤにおいて行われてもよい。例えば、該パケットの送受信に用いられるトランスポートブロックのデータが保持されるとしてもよい。トランスポートブロックのデータの保持は、例えば、該トランスポートブロックに、該パケットの送受信に用いられる論理チャネルとは異なる論理チャネルがマッピングされていない場合において行われるとしてもよい。このことにより、例えば、受信側装置における処理が容易となる。
MACレイヤにおいて該パケットの保持を行う他の例として、該パケットの送受信に用いられる論理チャネルのデータが保持されるとしてもよい。受信側装置において受信したトランスポートブロックに多重された論理チャネルデータが保持されてもよい。受信側装置は、該トランスポートブロックに多重された論理チャネルデータのうち、前述の論理チャネルとは異なる論理チャネルのデータを、保持せずに、上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、該パケットの送受信に用いられる論理チャネルとは異なる論理チャネルにおけるレイテンシの増加を防止可能となる。
他の例として、受信側装置における該パケットの保持が、SDAP(Servide Data Adaptation Protocol)レイヤにて行われてもよいし、上位レイヤ、例えば、アプリケーションレイヤにて行われてもよい。例えば、受信側装置は、後から受信したパケットに関する情報を、SDAPレイヤに通知してもよいし、上位レイヤに通知してもよい。
受信側装置は、所定のタイミングおよび後に受信したパケットの受信タイミングのうち、先に到来するタイミングにおいて該パケットを上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、受信側装置におけるメモリ消費量を削減可能となる。前述において、該上位レイヤは、所定のタイミングまで該パケットを保持するとしてもよい。該保持は、例えば、後に受信したパケットの受信タイミングが所定のタイミングよりも先に到来する場合において行われるとしてもよい。このことにより、例えば、該パケットの送受信におけるジッタ特性を向上可能となる。
該タイミングを、基地局が決定してもよい。基地局は、該タイミングに関する情報をUEに通知してもよい。基地局からUEに対する該タイミングの通知において、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。UEは、該情報を用いて、受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。UEにおける動作の他の例として、UEは、該情報を用いて、基地局に対して、複製したパケットを送信してもよい。例えば、UEは、基地局における受信パケットの上位レイヤへの転送が該タイミングに間に合うように、複製したパケットを基地局に対して送信してもよい。
他の例として、該タイミングを、上位NW装置が決定してもよい。上位NW装置は、AMFであってもよいし、SMFであってもよい。上位NW装置は、該タイミングに関する情報を、基地局経由でUEに通知してもよい。該通知には、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。
他の例として、該タイミングを、UEが判断してもよい。UEは、該タイミングに関する情報を、基地局に通知してもよい。基地局は、UEが判断した該タイミングを承認してもよいし、否認してもよい。他の例として、基地局は、UEが判断した該タイミングを上位NW装置に通知してもよい。上位NW装置は、UEが判断した該タイミングを承認してもよいし、否認してもよい。UEから基地局および/あるいは上位NW装置への該情報の通知において、NASシグナリングが用いられてもよいし、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、上りデータ送信時において、送信元となるUEが該タイミングを判断可能となる。その結果、通信システムにおける効率化が可能となる。
所定のタイミングに関する情報は、例えば、スロット番号で与えられてもよい。受信側装置は、与えられた番号に対応するスロットにおいて受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。他の例として、該情報は、ノンスロット(ミニスロットと称する場合もある)を識別する情報、例えば、ノンスロットの番号を用いて与えられてもよい。受信側装置は、与えられた番号に対応するノンスロットにおいて、受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。該情報が、シンボル単位で与えられてもよい。受信側装置は、与えられた番号に対応するシンボルにおいて受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、データの送受信が1スロットより短い単位でスケジューリングされている場合においても、ジッタ特性を向上可能となる。所定のタイミングに関する情報は、前述の番号の組み合わせで与えられてもよい。例えば、該情報が、スロット番号とシンボル番号の組み合わせにより与えられてもよい。このことにより、例えば、ジッタ耐性が要求される通信が1スロット周期で行われない場合においても、ジッタ特性を向上可能となる。
所定のタイミングに関する情報に、周期に関する情報が含まれてもよい。該情報は、例えば、非特許文献23(3GPP TR22.804 V16.1.0)に示すサイクルタイム(Cycle Time)であってもよい。該情報は、絶対時間、例えば、ミリ秒単位で与えられてもよいし、サブフレーム単位で与えられてもよいし、スロット単位で与えられてもよいし、シンボル単位で与えられてもよいし、ノンスロット単位で与えられてもよい。受信側装置は、該情報を用いて、受信パケットを上位レイヤに転送するタイミングを導出してもよい。受信側装置は、導出した該タイミングにおいて、受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、上位NW装置あるいは基地局がUEに対して、受信パケットを上位レイヤに転送するタイミングをパケット毎に通知することが不要となる。その結果、上位NW装置あるいは基地局と、UEとの間のシグナリング量を削減可能となる。
所定のタイミングに関する情報に、周期に関する情報とオフセットに関する情報の両方が含まれてもよい。オフセットに関する情報は、例えば、サブフレーム単位で与えられてもよいし、スロット単位で与えられてもよいし、シンボル単位で与えられてもよいし、ノンスロット単位で与えられてもよい。受信側装置は、該情報を用いて、受信パケットを上位レイヤに転送するタイミングを導出してもよい。受信側装置は、導出した該タイミングにおいて、受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、前述の効果に加え、受信側装置における該タイミングの導出処理における複雑性を回避可能となる。
受信側装置が所定のタイミングにおいて上位レイヤへの転送を行うかどうかについて、基地局がUEに対して設定してもよい。該設定には、例えば、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。前述の設定に関する他の例として、上位NW装置が基地局経由でUEに対して設定してもよい。上位NW装置は、例えば、AMFであってもよいし、SMFであってもよい。該設定には、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。
所定のタイミングに関する情報が、QoSパラメータに含まれてもよい。例えば、所定のタイミングに関する情報と、QoSパラメータの識別子との間の対応付けが行われるとしてもよい。QoSパラメータは、複数のキャリアについて同じ時間リソースへのスケジューリングを行う解決策において開示したQoSパラメータと同様としてもよい。
QoSパラメータを用いた前述の設定を、基地局がUEに対して行ってもよいし、上位NW装置が基地局経由でUEに対して行ってもよい。他の例として、上位NW装置が基地局に対し、QoSパラメータを通知してもよい。基地局は、該QoSパラメータを用いて、所定のタイミングに関する情報を抽出してもよい。基地局はUEに対し、所定のタイミングに関する該情報を通知してもよい。
UEは、該設定を用いて、受信パケットを上位レイヤに転送するタイミングを切替えてもよい。例えば、UEは、下りパケットを上位レイヤに転送するタイミングを、先に受信したパケットの受信タイミングから、所定のタイミングに切替えてもよい。逆の切替えが行われてもよい。他の例として、UEは、下りパケットを上位レイヤに転送するタイミングを、後に受信したパケットの受信タイミングから、所定のタイミングに切替えてもよい。逆の切替えが行われてもよい。他の例として、UEは、下りパケットの上位レイヤへの転送に用いる所定のタイミングを変更してもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて、ジッタ特性が求められる通信とジッタ特性が求められない通信とを柔軟に切替え可能となる。
受信側装置は、ジッタ許容範囲から外れた受信データを破棄してもよい。受信側装置は、例えば、QoSパラメータを用いて、受信データがジッタ許容範囲内か否かを判断してもよい。このことにより、例えば、通信システムを用いたサービスにおいて、ジッタ許容範囲外のデータによって発生する誤動作を防止可能となる。
基地局は、所定のタイミングを変更してもよい。例えば、送信周期を変更してもよいし、送信周期に対するオフセットを変更してもよい。基地局は、変更後の所定のタイミングを決定し、UEに通知してもよい。他の例として、UEが、変更後の所定のタイミングを判断し、基地局に通知してもよい。基地局は、UEから通知された該タイミングを決定してもよい。このことにより、例えば、通信システムにおけるジッタ特性を確保しつつ、スケジューリングの柔軟性を向上可能となる。
変更後のタイミングは、受信側装置における受信タイミングを用いて決められてもよい。例えば、変更後のタイミングは、受信側装置における受信タイミングの移動平均を用いて決められてもよい。変更後のタイミングの算出は、周期的に行われてもよいし、基地局あるいは上位NW装置からの指示を用いて行われてもよい。変更後のタイミングの算出を行う周期は、規格で定められていてもよいし、上位NW装置が基地局および/あるいはUEに通知してもよいし、基地局が判断してUEに通知してもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて実際に受信されるタイミングを用いて所定のタイミングを決定可能となり、その結果、ジッタ特性を向上可能となる。
所定のタイミングの通知に関する他の例として、送信側装置は、送信データの送信時刻に関する情報を通知してもよいし、受信側装置が受信すべき時刻に関する情報を通知してもよい。受信すべき該時刻は、例えば、受信側装置が上位レイヤにデータを転送すべき時刻であってもよい。該時刻は、例えば、ミリ秒単位の時刻であってもよいし、サブフレーム番号を用いた時刻であってもよいし、スロット番号を用いた時刻であってもよいし、ミニスロット番号を用いた時刻であってもよいし、シンボル番号を用いた時刻であってもよいし、前述のうち複数を組み合わせた時刻であってもよい。送信側装置は、例えば、該送信データにタイムスタンプを付与してもよい。該タイムスタンプは、前述の時刻と同様の情報であってもよい。該タイムスタンプは、上位レイヤにおいて付与されてもよいし、SDAPにおいて付与されてもよいし、PDCPにおいて付与されてもよいし、RLCにおいて付与されてもよいし、MACにおいて付与されてもよい。他の例として、該送信時刻に関する情報および/あるいは受信すべき該時刻に関する情報が、RRCシグナリングを用いて通知されてもよいし、MACシグナリングを用いて通知されてもよいし、L1/L2シグナリングを用いて通知されてもよい。受信側装置は、該送信時刻および/あるいは受信すべき該時刻に関する情報を用いて、所定の該タイミングを導出してもよい。受信側装置は、受信データにおける該タイムスタンプを除去してもよい。所定のタイミングの通知に関する該方法が、例えば、非周期的なデータの送受信に用いられてもよい。このことにより、例えば、非周期的なデータ送受信においても、レイテンシを一定に保持可能となる。すなわち、ジッタを削減可能となる。
受信側装置は、該設定によらず、受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。前述の転送は、例えば、パケット複製のデアクティベーション(deactivation)の指示が含まれるMACシグナリングを受信した場合において行われてもよい。受信側装置(例えば、UE)は、基地局から該MACシグナリングを受信した場合において、自UEにて保持している受信パケットを上位レイヤに転送してもよい。該転送の動作は、例えば、前述のタイミングより前において行われてもよい。このことにより、例えば、パケット複製停止後におけるメモリ蓄積量を削減可能となる。
受信側装置は、パケット複製において、受信結果が正常でない(例えば、復号エラー)パケットの再送を、送信側装置に対して要求しないとしてもよい。該再送は、例えば、HARQ再送であってもよいし、RLC再送であってもよい。前述の動作は、複製されたパケットのうち片方の復号結果が正常である場合に行うとよい。このことにより、通信システムにおける効率を向上可能となる。受信側装置のHARQエンティティは、受信結果が正常でないパケットの復号結果をOKとみなしてもよい。受信側装置のRLCレイヤは、該パケットをACKとみなしてもよい。例えば、受信側装置のRLCレイヤは、受信ウィンドウを進めてもよい。
図15は、本実施の形態1において、受信側装置が所定のタイミングにおいて受信パケットを上位レイヤに転送する動作を示す図である。図15は、複製されたパケットがそれぞれ論理チャネル(Logical CHannel;LCH)#1および#2にマッピングされた場合について示している。また、図15は、パケット複製にCAを用いた場合について示している。また、図15において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図15において、図14と共通する要素には同じ番号を付し、共通する説明を省略する。
図15において、受信側装置はパケット1401を先に受信する。受信側装置は、パケット1401受信直後となる所定のタイミング(図15において破線で示すタイミングを参照)において、パケット1401を上位レイヤに転送する。受信側装置は、パケット1402を受信する。受信側装置は、後から受信したパケット1402を破棄する。
図15において、パケット1401、1402の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はパケット1403、1404を受信する。受信側装置は、パケット1403を先に受信する。受信側装置は、パケット1403を保持し、後から送信されるパケット1404の受信を試みる。図15に示す例においては、受信側装置によるパケット1404の受信結果が復号エラーとなった場合について示している。受信側装置は、所定のタイミングにおいて、パケット1403を上位レイヤに転送する。その後、受信側装置は、HARQ再送がされたパケット1404を受信する。受信側装置は、後から受信されたパケット1404を破棄する。
図15において、パケット1403、1404の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はパケット1405、1406を受信する。受信側装置は、パケット1405を先に受信し、保持する。受信側装置は、後からパケット1406を受信する。受信側装置は、後から受信されたパケット1406を破棄する。図15に示す例においては、パケット1405、1406の受信タイミングの後に所定タイミングが存在する場合について示している。受信側装置は、所定のタイミングにおいてパケット1405を上位レイヤに転送する。
図15において、パケット1405、1406の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#1からのパケット1407およびLCH#2からのパケット1408を受信する。パケット1407および1408は、図15に示す例において、受信側装置はパケット1408を先に受信する。受信側装置は、パケット1408を保持する。受信側装置は、所定のタイミングにおいてパケット1408を上位レイヤに転送する。受信側装置は、後から送信されるパケット1407を受信し、破棄する。
図15において、パケット複製にCAを用いた例を示したが、図14と同様、パケット複製にDCが用いられてもよい。このことにより、例えば、UEと片方の基地局との間の通信経路が遮断(例えば、ブロッキングにより)された場合においても、UEと他方の基地局との間で通信を維持可能となる。その結果、通信の信頼性を向上可能となる。
本実施の形態1にて開示した解決策が、設定済みグラント(Configured grant)を用いた上り送受信に対して適用されてもよいし、設定済みスケジューリング割り当てを用いた下り送受信に対して適用されてもよい。上り通信において、パケット複製により複製されたパケットの両方ともが設定済みグラントを用いて送受信されてもよい。また、上り通信において、片方のパケットが設定済みグラントを用いて送受信され、他方のパケットが動的グラントを用いて送受信されてもよい。下り通信において、パケット複製により複製されたパケットの両方ともが設定済みスケジューリング割り当てを用いて送受信されてもよい。また、片方のパケットが設定済みスケジューリング割り当てを用いて送受信され、他方のパケットが動的スケジューリング割り当てを用いて送受信されてもよい。このことにより、例えば、パケット複製において基地局はスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てを用いたパケット複製において、受信側装置は、後から受信したパケットの受信タイミングにおいて、受信したパケットを上位レイヤに転送してもよい。受信側装置は、後から受信したパケットの受信結果(例えば、復号結果)によらず、受信したパケットを上位レイヤに転送してもよい。例えば、受信側装置は、後から受信したパケットが復号エラーである場合においても、先に受信したパケットを上位レイヤに転送してもよい。受信側装置は、後から受信するパケットを送受信する論理チャネルにおいて用いられる設定済みグラントあるいは設定済みスケジューリング割り当ての情報を用いて、後から送信されるパケットのタイミングを導出してもよい。前述の動作は、後から受信したパケットが上り通信においては設定済みグラントを用いて送受信される場合、あるいは、後から受信したパケットが下り通信においては設定済みスケジューリング割り当てを用いて送受信される場合に適用してもよい。また、前述の動作は、先に受信したパケットの受信結果が正常(例えば、復号結果が正常)である場合に行うとよい。このことにより、例えば、受信側装置において後から受信したパケットが復号エラーとなる場合においても、受信側装置はHARQ再送を待たずに上位レイヤへのパケットの転送が可能となる。その結果、ジッタ特性を向上可能となる。
受信側装置は、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てを用いたパケット複製において、受信結果が正常でない(例えば、復号エラー)パケットの再送を、送信側装置に対して要求しないとしてもよい。該再送は、例えば、HARQ再送であってもよいし、RLC再送であってもよい。前述の動作は、複製されたパケットのうち片方の復号結果が正常である場合に行うとよい。このことにより、通信システムにおける効率を向上可能となる。受信側装置のHARQエンティティは、受信結果が正常でないパケットの復号結果をOKとみなしてもよい。受信側装置のRLCレイヤは、該パケットをACKとみなしてもよい。例えば、受信側装置のRLCレイヤは、受信ウィンドウを進めてもよい。
図16は、本実施の形態1において、受信側装置が、複製されたパケットのうち後から送信されるパケットの受信タイミングにおいて、パケットを上位レイヤに転送する動作の他の例を示す図である。図16は、複製されたパケットがそれぞれ論理チャネル(Logical CHannel;LCH)#1および#2にマッピングされた場合について示している。図16は、LCH#1、#2に対してそれぞれ設定済みスケジューリング割り当てが行われている場合について示している。図16において、四角で囲った領域は設定済みスケジューリング割り当てによって割り当てられた時間リソースを示し、そのうち、左下がり斜線を付した領域は、複製されたパケットが送信されるタイミングを示す。また、図16は、パケット複製にCAを用いた場合について示している。また、図16において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図16において、図15と共通する要素には同じ番号を付し、共通する説明を省略する。
図16において、受信側装置はLCH#1より送信されるパケット1601とLCH#2より送信されるパケット1602を同時に受信する。パケット1601および1602は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。受信側装置は、パケット1601を上位レイヤに転送する。受信側装置は、パケット1602を破棄する。
図16において、パケット1601、1602の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#1からのパケット1603を、LCH#2からのパケット1604よりも先に受信する。パケット1603および1604は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。受信側装置は、パケット1603を保持する。受信側装置は、パケット1604の受信時において、パケット1603を上位レイヤに転送する。受信側装置は、パケット1604を破棄する。
図16において、パケット1603、1604の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#2からのパケット1606を、LCH#1からのパケット1605よりも先に受信する。パケット1605および1606は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。受信側装置は、パケット1606を保持する。受信側装置は、パケット1605の受信時において、パケット1606を上位レイヤに転送する。受信側装置は、パケット1605を破棄する。
図16において、パケット1605、1606の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#1からのパケット1607を、LCH#2からのパケット1608よりも先に受信する。パケット1607および1608は、パケット複製によって複製された互いに同一のパケットである。受信側装置は、パケット1607を保持する。受信側装置は、パケット1608の受信時において、パケット1607を上位レイヤに転送する。受信側装置は、パケット1608を破棄する。
図16において、パケット複製にCAを用いた例を示したが、図14および図15と同様、パケット複製にDCが用いられてもよい。このことにより、例えば、UEと片方の基地局との間の通信経路が遮断(例えば、ブロッキングにより)された場合においても、UEと他方の基地局との間で通信を維持可能となり、その結果、通信の信頼性を向上可能となる。
図16において、LCH#1、#2に対してそれぞれ設定済みスケジューリング割り当てが行われている場合について示した。しかし、LCH#1、LCH#2の片方に対して設定済みスケジューリング割り当てが行われ、他方に対して動的なスケジューリング割り当てが行われていてもよい。前述の割り当ては、下り通信に対して行われてもよい。他の例として、LCH#1、#2に対してそれぞれ設定済みグラントがなされていてもよい。あるいは、LCH#1、LCH#2の片方に対して設定済みグラントが行われ、他方に対して動的なグラントが行われていてもよい。前述のグラントは、上り通信に対して行われてもよい。このことにより、例えば、パケット複製において基地局はスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
図16において、パケット1601~1608の受信結果(例えば、復号結果)がいずれも正常である場合について示した。しかし、後から受信するパケットが受信エラー(例えば、CRCエラー)の場合においても、受信側装置は先に受信したパケットを上位レイヤに転送してもよい。前述の動作は、例えば、後から受信するパケットが設定済みスケジューリング割り当てを用いて送信された場合、または後から受信するパケットが設定済みグラントを用いて送信された場合に適用するとしてもよい。前述の場合において、受信側装置は送信側装置に対して、HARQ再送を要求しないとしてもよいし、RLC再送を要求しないとしてもよい。このことにより、例えば、ジッタ特性が向上可能となるとともに、通信システムにおける効率を向上可能となる。
複製された各パケットの送信に用いる設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てを、同じタイミングとしてもよい。該タイミングは、例えば、同じ周期としてもよいし、同じタイミングオフセットとしてもよい。該周期は、例えば、複製されるパケットの送信周期と同じとしてもよい。該タイミングオフセットは、例えば、前述の所定のタイミングと同じとしてもよい。このことにより、例えば、ジッタ削減を、通信システムにおいて少ない処理量で実行可能となる。
基地局間で、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが行われるタイミングに関する情報を通知してもよい。該通知には、例えば、周期に関する情報が含まれてもよいし、タイミングオフセットに関する情報が含まれてもよい。該通知は、例えば、DCを用いたパケット複製において行われてもよい。マスタ基地局が、該タイミングに関する情報をセカンダリ基地局に通知するとしてもよい。セカンダリ基地局は、該情報を用いて該タイミングを決定してもよい。
複製された両パケットの送受信が、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが行われるタイミングのうち一部において行われるとしてもよい。例えば、設定済みグラントおよび/あるいは設定スケジューリング割り当ての周期が、複製されたパケットの周期と異なる場合において、複製された両パケットの送受信が、該タイミングのうち一部を用いて行われるとしてもよい。このことにより、例えば、基地局とUEとの間の通信において、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てを、複製されたパケットの周期に合わせて確保できない場合においても、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てを用いた該パケットの送受信が可能となる。
前述の一部のタイミングに関する情報は、規格で予め決められてもよい。例えば、複製されたパケットの送受信における、前述の所定のタイミングに最も近い、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが行われるタイミングにおいて、複製されたパケットの送受信が行われるとしてもよい。あるいは、該送受信は、所定のタイミング以前の最も近いタイミングにおいて行われるとしてもよいし、所定のタイミング以降の最も近いタイミングにおいて行われるとしてもよい。
前述の方法が組み合わせて用いられてもよい。例えば、所定のタイミングの直近として、所定のタイミングの前後等間隔にそれぞれ、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが行われるタイミングが存在する場合において、所定のタイミングの前に存在する設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが用いられてもよい。他の例として、所定のタイミングの後に存在する設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが用いられてもよい。
他の例として、前述の一部のタイミングに関する情報を、基地局が決定してUEに通知してもよい。基地局からUEに対する通知には、例えば、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てのうち、複製されたパケットの送受信に用いるグラントおよび/あるいは割り当てに関する情報が含まれてもよい。該情報には、例えば、パケットの送受信に用いるグラントおよび/あるいは割り当てのパターンに関する情報が含まれてもよい。該パターンに関する情報は、例えば、パケットの送受信に用いられるか否かを示すビットマップの情報であってもよいし、他の形式の情報であってもよい。複製されたパケットの送受信に用いるグラントおよび/あるいは割り当てに関する情報の他の例として、該パターンの周期に関する情報が含まれてもよいし、該パターンの有効期間に関する情報が含まれてもよい。
一部のタイミングに関する情報の通知には、例えば、RRCシグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、基地局からUEに対して多くの情報を通知可能となり、その結果、通信システムにおける柔軟性を向上可能となる。他の例として、該通知には、MACシグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、多値変調により、基地局はUEに対して多くの情報を通知可能としつつ、基地局からUEに対して該情報を迅速に通知可能となる。他の例として、該情報の通知には、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、基地局からUEへの通知をさらに迅速に実行可能となる。
受信側装置が所定のタイミングにおいて受信パケットを上位レイヤに転送する動作を、設定済みグラントまたは設定済みスケジューリング割り当てが行われた場合に適用してもよい。受信側装置における動作、および、上位NW装置または基地局からUEに対する該タイミングの通知は、本実施の形態1にて開示した方法と同様としてもよい。UEから基地局または上位NW装置に対する該タイミングの通知についても、同様としてもよい。このことにより、例えば、ジッタ特性をさらに向上可能となる。
受信側装置は、所定のタイミングおよび後に受信したパケットの受信タイミングのうち、先に到来するタイミングにおいて該パケットを上位レイヤに転送する動作を、設定済みグラントまたは設定済みスケジューリング割り当てが行われた場合に適用してもよい。このことにより、例えば、受信側装置におけるメモリ消費量を削減可能となる。前述において、該上位レイヤは、所定のタイミングまで該パケットを保持するとしてもよい。該保持は、例えば、後に受信したパケットの受信タイミングが所定のタイミングよりも先に到来する場合において行われるとしてもよい。このことにより、例えば、該パケットの送受信におけるジッタ特性を向上可能となる。
図17は、本実施の形態1において、受信側装置が所定のタイミングにおいて受信パケットを上位レイヤに転送する動作の他の例を示す図である。図17は、複製されたパケットがそれぞれ論理チャネル(Logical CHannel;LCH)#1および#2にマッピングされた場合について示している。図17は、LCH#1、#2に対してそれぞれ設定済みスケジューリング割り当てが行われている場合について示している。図17において、四角で囲った領域は設定済みスケジューリング割り当てによって割り当てられた時間リソースを示し、そのうち、左下がり斜線を付した領域は、複製されたパケットが送信されるタイミングを示す。また、図17は、パケット複製にCAを用いた場合について示している。また、図17において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図17において、図16と共通する要素には同じ番号を付し、共通する説明を省略する。
図17におけるパケット1601、1602に関する受信側装置の動作は、図16と同様である。また、パケット1603、1604に関する受信側装置の動作は、図16と同様である。なお、図17において、受信側装置がパケット1601、1602を受信するタイミングは、所定のタイミングと一致する。また、受信側装置がパケット1604を受信するタイミングは、所定のタイミングと一致する。
図17において、パケット1603、1604の受信からCycle Time分の時間経過後、受信側装置はLCH#2からのパケット1606を、LCH#1からのパケット1605よりも先に受信する。図17において、受信側装置がパケット1606を受信するタイミングは、所定のタイミングと一致する。受信側装置は、パケット1606の受信と同時に、パケット1606を上位レイヤに転送する。受信側装置は、該タイミングの後においてパケット1605を受信する。受信側装置は、パケット1605を破棄する。
図17におけるパケット1607、1608に関する受信側装置の動作は、図16と同様である。なお、図17において、受信側装置がパケット1608を受信するタイミングは、所定のタイミングと一致する。
図17において、パケット複製にCAを用いた例を示したが、図14、図15および図16と同様、パケット複製にDCが用いられてもよい。このことにより、例えば、UEと片方の基地局との間の通信経路が遮断(例えば、ブロッキングにより)された場合においても、UEと他方の基地局との間で通信を維持可能となり、その結果、通信の信頼性を向上可能となる。
図17において、LCH#1、#2に対してそれぞれ設定済みスケジューリング割り当てが行われている場合について示した。しかし、図16と同様、両LCH#1、#2に対して設定済みグラントが行われてもよいし、片方のLCHにのみ設定済みスケジューリング割り当てあるいは設定済みグラントが行われてもよい。このことにより、例えば、パケット複製において基地局はスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
図17において、パケット1601~1608の受信結果(例えば、復号結果)がいずれも正常である場合について示した。しかし、図16と同様、後から受信するパケットが受信エラー(例えば、CRCエラー)の場合においても、受信側装置は先に受信したパケットを上位レイヤに転送してもよい。前述の動作は、例えば、後から受信するパケットが設定済みスケジューリング割り当てを用いて送信された場合、または後から受信するパケットが設定済みグラントを用いて送信された場合に適用するとしてもよい。前述の場合において、受信側装置は送信側装置に対して、HARQ再送を要求しないとしてもよいし、RLC再送を要求しないとしてもよい。このことにより、例えば、ジッタ特性が向上可能となるとともに、通信システムにおける効率を向上可能となる。
図17において、受信側装置におけるパケット1601、1602、1604、1606、1608の受信タイミングがそれぞれ所定のタイミングと一致する場合について示した。しかし、パケット1601、1602、1604、1606、1608の受信タイミングは、所定のタイミングと一致しなくてもよい。例えば、パケット1604の受信タイミングが所定のタイミングより前である場合において、受信側装置は、パケット1603を所定のタイミングまで保持してもよい。受信側装置はパケット1604を受信してもよい。受信側装置は、パケット1604を破棄してもよい。このことにより、例えば、ジッタ特性をさらに向上可能となる。
本実施の形態1において用いられるパケット複製は、例えば、サイドリンクを用いたものであってもよい。例えば、複製された片方のパケットがUuインタフェースを用いて送信されてもよいし、他方のパケットが端末間インタフェース(例:PC5インタフェース)を用いて送信されてもよい。他の例として、複製されたパケットの両方が端末間インタフェース(例:PC5インタフェース)を用いて送受信されてもよい。このことにより、例えば、サイドリンク通信においても、ジッタを低減可能となる。
本実施の形態1によって、基地局とUEとの通信における信頼性を確保しつつ、ジッタ特性を向上可能となる。
実施の形態1の変形例1.
実施の形態1においては、CAあるいはDCを用いたパケット複製におけるジッタ特性向上の方法について開示したが、同じキャリアを用いたパケット複製を用いてもよい。該パケット複製は、DCあるいはCAを用いるパケット複製とは異なる、新たなパケット複製として設けられてもよい。
複製された両パケットが、互いに異なるトランスポートブロックにマッピングされて送信されてもよい。各トランスポートブロックが同じキャリアにマッピングされて送信されてもよい。このことにより、例えば、1つのキャリアのみを用いる通信においても、信頼性を向上可能となる。
送信側装置は、複製された各パケットを異なるトランスポートブロックにマッピングしてもよい。送信側装置は、基地局であってもよいし、UEであってもよい。送信側装置は、各トランスポートブロックを符号化して生成した各物理チャネルデータを、互いに異なる周波数および/あるいは時間リソースに配置して送信してもよいし、MIMOにおける異なるレイヤに配置して送信してもよい。
受信側装置は、受信した信号を用いて、複製された両パケットより生成された各物理チャネル信号を抽出してもよい。受信側装置は、UEであってもよいし、基地局であってもよい。受信側装置は、前述の各物理チャネル信号を用いて、各トランスポートブロックへの復号を行ってもよい。受信側装置は、前述の各物理チャネル信号を用いて、複製された各パケットを生成してもよい。例えば、受信側装置は、前述の各トランスポートブロックを用いて、各パケットを生成してもよい。受信側装置は、複製された各パケットのうちいずれか1つを上位レイヤに転送してもよい。受信側装置は、複製された各パケットのうち、上位レイヤに転送したパケット以外のパケットを破棄してもよい。
受信側装置は、前述の各トランスポートブロックのうち片方のみのHARQ再送を要求しないとしてもよい。例えば、受信側装置において片方のトランスポートブロックの復号結果(例えば、CRC結果)が正常であり、他方のトランスポートブロックが復号NGであった場合において、受信側装置は送信側装置に対してHARQ-NACKを送信しないとしてもよい。受信側装置は該他方のトランスポートブロックに対してもHARQ-ACKとみなしてもよい。受信側装置は送信側装置に対し、該他方のトランスポートブロックに対するHARQ-ACKを送信するとしてもよい。他の例として、受信側装置は送信側装置に対し、該他方のトランスポートブロックに対するHARQ-NACKを送信するとしてもよい。送信側装置は、片方のトランスポートブロックに対するHARQ-ACKの受信、および、他方のトランスポートブロックに対するHARQ-NACKの受信を用いて、該他方のトランスポートブロックに対するHARQ再送を行わないとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける効率を向上可能となる。
受信側装置は、複製された各パケットのうち受信結果がNGであった片方のパケットについても受信結果をOKとみなしてもよい。該動作は、例えば、RLCレイヤにおいて行われてもよい。
基地局からUEに対し、同じキャリアを用いたパケット複製に関する設定を行ってもよい。該設定は、上位NW装置からUEに対して行われてもよい。
該設定は、同じキャリアを用いたパケット複製の実行有無を示す情報を含んでもよいし、同じキャリアを用いたパケット複製の開始あるいは停止に関する情報を含んでもよい。このことにより、例えば、同じキャリアを用いたパケット複製を柔軟に制御可能となる。
該設定は、受信側装置から基地局側装置に対するフィードバックに関する情報を含んでもよい。該情報は、例えば、QoSパラメータを用いて決められてもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて決められてもよい。
該情報は、受信側装置の処理に関する情報を含んでもよい。例えば、該情報は、復号NGであったトランスポートブロックに対するHARQ応答を行わないことを示す情報を含んでもよいし、該トランスポートブロックに対してHARQ-NACKの応答を行うことを示す情報を含んでもよいし、該トランスポートブロックに対してHARQ-ACKの応答を行うことを示す情報を含んでもよい。前述の情報は、片方のトランスポートブロックが復号OKであった場合に適用されるとしてもよい。受信側装置の処理に関する情報は、他の例として、前述のHARQ応答を、RLCのARQ応答に読み替えた情報を含んでもよい。このことにより、例えば、HARQ応答を行わないことにより、通信システムにおける効率を向上可能となる。
フィードバックに関する該情報は、送信側装置における処理に関する情報を含んでもよい。例えば、該情報は、送信側装置が、復号NGであったトランスポートブロックに対するHARQ再送を行わないことを示す情報を含んでもよいし、HARQ応答がなかったトランスポートブロックに対するHARQ再送を行わないことを示す情報を含んでもよい。前述の情報は、片方のトランスポートブロックに対するHARQ-ACKを受信した場合に適用されるとしてもよい。送信側装置の処理に関する情報は、他の例として、前述のHARQ再送を、RLC再送に読み替えた情報を含んでもよい。このことにより、例えば、HARQ再送を行わないことにより、通信システムにおける効率を向上可能となる。
該設定は、トランスポートブロックの配置方法に関する情報を含んでもよい。トランスポートブロックの配置方法に関する情報として、以下の(1)~(5)を開示する。
(1)周波数リソースを分けた配置。
(2)時間リソースを分けた配置。
(3)MIMOにおけるレイヤを分けた配置。
(4)コード多重におけるコードを分けた配置。
(5)上記(1)~(4)の組合せ。
前述の(1)の情報は、複製されたパケットの片方が配置される周波数リソースに関する情報を含んでもよい。該情報は、例えば、該パケットが配置される最初のRB(Resource Block)に関する情報を含んでもよいし、該パケットが配置されるRB数に関する情報を含んでもよいし、該パケットが配置される最後のRB番号に関する情報を含んでもよい。このことにより、例えば、該パケットの配置に関する情報の大きさを削減可能となる。その結果、通信システムの効率を向上可能となる。
前述の(1)の情報は、他の例として、複製されたパケットの片方が配置される周波数リソースの配置パターンに関する情報を含んでもよい。配置パターンに関する該情報は、例えば、配置パターンの周期に関する情報を含んでもよいし、該周期に対するオフセットに関する情報を含んでもよい。該オフセットにあたる周波数リソースにおいて、該片方のパケットの送信が行われるとしてもよい。他の例として、配置パターンを表すビットマップに関する情報が用いられてもよい。このことにより、例えば、複製されたパケットを周波数方向に離散的に配置可能となる。その結果、周波数ダイバーシチの効果を得ることが可能となる。
前述の(1)において、複製されたパケットの他方が配置される周波数リソースに関する情報は、前述の片方のパケットが配置される周波数リソースに関する情報と同様としてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて複製されたパケットの両方における周波数リソースの配置を柔軟に実行可能となる。
他の例として、前述の(1)において、複製されたパケットの他方が配置される周波数リソースに関する情報は、基地局よりグラントおよび/あるいはスケジューリング割り当てを受けている周波数および/あるいは時間リソースのうち、前述の片方のパケットが配置される周波数リソースを除いた周波数リソースとしてもよい。このことにより、例えば、基地局および/あるいは上位NW装置からUEに対するシグナリング量を削減可能となる。その結果、通信システムの効率を向上可能となる。
前述の(2)の情報は、複製されたパケットの片方が配置される時間リソースに関する情報を含んでもよい。該情報は、例えば、該パケットが配置される最初のシンボル番号に関する情報を含んでもよいし、該パケットが配置されるシンボル数に関する情報を含んでもよいし、該パケットが配置される最後のシンボル番号に関する情報を含んでもよい。このことにより、例えば、該パケットの配置に関する情報の大きさを削減可能となる。その結果、通信システムの効率を向上可能となる。
前述の(2)の情報は、他の例として、複製されたパケットの片方が配置される時間リソースの配置パターンに関する情報を含んでもよい。配置パターンに関する該情報は、例えば、配置パターンの周期に関する情報を含んでもよいし、該周期に対するオフセットに関する情報を含んでもよい。該オフセットにあたる時間リソースにおいて、該片方のパケットの送信が行われるとしてもよい。他の例として、配置パターンを表すビットマップに関する情報が用いられてもよい。このことにより、例えば、複製されたパケットを時間方向に離散的に配置可能となる。その結果、時間ダイバーシチの効果を得ることが可能となる。
前述の(2)において、複製されたパケットの他方が配置される時間リソースに関する情報は、前述の片方のパケットが配置される時間リソースに関する情報と同様としてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて複製されたパケットの両方における時間リソースの配置を柔軟に実行可能となる。
他の例として、前述の(2)において、複製されたパケットの他方が配置される時間リソースに関する情報は、基地局よりグラントおよび/あるいはスケジューリング割り当てを受けている周波数および/あるいは時間リソースのうち、前述の片方のパケットが配置される時間リソースを除いた時間リソースとしてもよい。このことにより、例えば、基地局および/あるいは上位NW装置からUEに対するシグナリング量を削減可能となる。その結果、通信システムの効率を向上可能となる。
前述の(3)の情報は、複製されたパケットの片方が配置されるレイヤに関する情報を含んでもよいし、複製されたパケットの他方が配置されるレイヤに関する情報を含んでもよい。このことにより、例えば、複製されたパケットの送受信において空間ダイバーシチの効果を得ることが可能となる。
前述の(4)の情報は、複製されたパケットの片方に適用されるコードに関する情報を含んでもよいし、他方のパケットに適用されるコードに関する情報を含んでもよい。前述のコードは、例えば、直交符号(例:アダマール符号、ZC(Zadoff-Chu)符号)であってもよいし、直交符号とは異なる符号であってもよい。このことにより、例えば、単一キャリア、単一レイヤを用いる場合においても、パケット複製を実行可能となる。その結果、信頼性を向上可能となる。
前述の(5)の情報は、例えば、前述の(1)の周波数リソース配置が開始されるタイミングに関する情報(例:シンボル番号)を含んでもよいし、該周波数リソース配置が継続される時間に関する情報(例:シンボル数)を含んでもよいし、該周波数リソース配置が終了されるタイミングに関する情報(例:シンボル番号)を含んでもよい。前述の情報は、複数設けられてもよい。例えば、該周波数リソース配置が、基地局よりグラントおよび/あるいはスケジューリング割り当てを受けている時間リソースにおいて複数回行われる場合において、前述の情報が、該複数回分設けられるとしてもよい。このことにより、例えば、スケジューリングにおける柔軟性を向上可能となるとともに、複製されたパケットの送受信において、時間および周波数ダイバーシチ効果を得ることが可能となる。
前述の(1)~(5)に示す情報の通知において、NASシグナリングが用いられてもよいし、RRCシグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、上位NW装置および/あるいは基地局からUEに対して多くの情報を通知可能となる。その結果、通信システムにおける柔軟性を向上可能となる。
該通知における他の例として、MACシグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、多値変調により多くの情報を送信可能としつつ、基地局からUEに対して迅速に該通知を実行可能となる。
該通知における他の例として、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。例えば、前述の(1)~(5)に示す情報が、グラントおよび/あるいはスケジューリング割り当てを通知するDCIに含まれてもよいし、異なるDCIに含まれてもよい。このことにより、例えば、基地局からUEに対してさらに迅速に該通知を実行可能となる。
該通知にL1/L2シグナリングを用いる他の例として、複製された各パケットに対してDCIが設けられてもよい。例えば、複製された各パケットに対してグラントおよび/あるいはスケジューリング割り当てが行われるとしてもよい。複製された各パケットに対するグラントおよび/あるいはスケジューリング割り当てが、各DCIに含まれて通知されてもよい。このことにより、例えば、スケジューリングにおける柔軟性を向上可能としつつ、通信システムの設計における複雑性を回避可能となる。
該通知に用いられるシグナリングとして、前述の複数が組み合わせて用いられてもよい。例えば、同じキャリアを用いたパケット複製の開始および/あるいは終了に関する情報の通知にMACシグナリングが用いられてもよいし、前述の(1)~(5)に示す情報の通知にL1/L2シグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、基地局からUEに通知可能な情報量を確保しつつ、迅速な通知が可能となる。
同じキャリアを用いたパケット複製において、設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが用いられてもよい。設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当てが用いられる場合における、基地局からUEへの設定は、前述において開示した内容と同様であってもよい。該設定は、例えば、基地局からUEに対する設定済みグラントおよび/あるいは設定済みスケジューリング割り当ての設定に含まれてもよいし、異なるシグナリングを用いて通知されてもよい。このことにより、例えば、同じキャリアを用いたパケット複製における周波数および/あるいは時間リソースの確保に関する設計の複雑性を回避可能となる。
複製された両パケットのそれぞれが、異なる周波数リソースにマッピングされて送信されてもよい。各パケットの送受信に用いられる各トランスポートブロックが、互いに異なる周波数リソースにマッピングされて送信されてもよい。複製された両パケットが、スケジューリングにより割り当てられた同じ時間リソースに割り当てられてもよい。このことにより、例えば、パケット複製において周波数ダイバーシチ効果が得られる。また、送信側装置は、複製した両パケットを同時に送信可能となり、その結果、例えば、パケットのHARQ再送によって発生するレイテンシの揺らぎ、すなわち、ジッタを低減可能となる。
各周波数リソースは、集中的に配置されてもよい。各パケットの送信に用いられる周波数リソースは、互いに隣接していてもよいし、互いに離れていてもよい。周波数リソースの設定は、例えば、RB単位で行われてもよいし、複数RB単位で行われてもよい。
基地局はUEに対し、各周波数リソースにマッピングされるパケットの情報を通知してもよい。UEは、該情報を用いて、複製されたパケットを各周波数リソースにマッピングして基地局に送信してもよい。あるいは、UEは、該情報を用いて、各周波数リソースにおいて受信した信号から、複製された各パケットを抽出してもよい。
図18は、複製したパケットを同じキャリア上で送受信する動作について示している。図18に示す例において、基地局からUEに対してグラントとして通知される周波数および時間リソースを太破線で示している。図18は、複製された片方のパケットがトランスポートブロック#1にマッピングされ、他方のパケットがトランスポートブロック#2にマッピングされる例について示す。図18は、複製された各パケットがマッピングされる各周波数リソースが集中的に、かつ、互いに隣接して配置される場合について示している。図18において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図18において、制御チャネルおよび/あるいは参照信号等の配置は省略している。
図18において、基地局よりグラントされた、あるいは割り当てられた時間および周波数リソース1801のうち、周波数が高い側の半分の領域1802に、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。リソース1801のうち、周波数が低い側の半分の領域1803に、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。
図18において、リソース1804、領域1805、領域1806については、それぞれ、リソース1801、領域1802、領域1803と同様である。図18において、リソース1807、領域1808、領域1809については、それぞれ、リソース1801、領域1802、領域1803と同様である。
図18において、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号を領域1802、1805、1808にマッピングし、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号を領域1803、1806、1809にマッピングする例について示した。しかし、マッピングされる領域がトランスポートブロック#1とトランスポートブロック#2とで入れ替わってもよい。例えば、トランスポートブロック#1が領域1803、1806、1809にマッピングされ、トランスポートブロック#2が領域1802、1805、1808にマッピングされてもよい。前述のマッピングは、時間毎に切替わってもよい。例えば、トランスポートブロック#1が領域1802、1806、1808にマッピングされ、トランスポートブロック#2が領域1803、1805、1809にマッピングされてもよい。このことにより、例えば、基地局はスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
図18において、トランスポートブロック#1がマッピングされる領域が、トランスポートブロック#2がマッピングされる領域と隣接している場合について示した。しかし、これらの領域は離れていてもよい。例えば、領域1802、1803が、互いに周波数方向に離れていてもよい。領域1805、1806についても、領域1808、1809についても、同様としてもよい。前述の場合において、リソース1801は、離散的に割り当てるとよい。リソース1804、1807についても、同様とするとよい。このことにより、例えば、基地局は、離れた2つの領域の間に他のチャネルを割り当て可能となり、その結果、スケジューリングにおける柔軟性が向上する。
他の例として、各周波数リソースは、離散的に配置されてもよい。周波数リソースの配置は、RB単位で行われてもよいし、複数のRBを単位として行われてもよいし、サブキャリア単位で行われてもよい。各パケットの送信に用いられる周波数リソースは、互いに隣接していてもよいし、互いに離れていてもよい。このことにより、例えば、複製された各パケットの送受信において周波数ダイバーシチ効果が得られ、その結果、通信の信頼性を向上可能となる。
図19は、複製したパケットを同じキャリア上で送受信する他の例について示している。図19において、基地局からUEに対してグラントとして通知される周波数および時間リソースを太破線で示している。図19は、複製された片方のパケットがトランスポートブロック#1にマッピングされ、他方のパケットがトランスポートブロック#2にマッピングされる例について示す。図19は、複製された各パケットがマッピングされる各周波数リソースが離散的に、かつ、互いに隣接して配置される場合について示している。図19において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図19において、制御チャネルおよび/あるいは参照信号等の配置は省略している。図19において、図18と同様の要素には同じ番号を付し、共通する説明を省略する。
図19において、基地局よりグラントされた、あるいは割り当てられた時間および周波数リソース1801のうち、左下がり斜線にて示す時間及び周波数の領域1902に、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。リソース1801のうち、右下がり斜線にて示す時間及び周波数の領域1903に、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。
図19において、リソース1804、領域1905、領域1906については、それぞれ、リソース1801、領域1902、領域1903と同様である。図19において、リソース1807、領域1908、領域1909については、それぞれ、リソース1801、領域1902、領域1903と同様である。
図19においても、図18と同様、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる領域は、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる領域と入れ替わってもよい。前述のマッピングは、時間毎に切替わってもよい。このことにより、例えば、基地局はスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
図19においても、図18と同様、トランスポートブロック#1がマッピングされる領域は、トランスポートブロック#2がマッピングされる領域と離れていてもよい。前述の場合において、リソース1801、1804、1807は、離散的に割り当てるとよい。このことにより、例えば、基地局は、離れた2つの領域の間に他のチャネルを割り当て可能となり、その結果、スケジューリングにおける柔軟性が向上する。
他の例として、片方のパケットの送信に用いられる周波数リソースが集中的に配置され、他方のパケットの送信に用いられる周波数リソースが分散的に配置されてもよい。分散的に配置された、片方の周波数リソースの間に、他方の周波数リソースが配置されてもよい。このことにより、例えば、基地局による周波数方向のスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
複製されたパケットのマッピングに関する他の方法を開示する。複製された両パケットのそれぞれが、異なる時間リソースにマッピングされて送信されてもよい。例えば、両パケットのそれぞれが、異なるシンボルにマッピングされてもよい。各パケットの送受信に用いられる各トランスポートブロックが、互いに異なる時間リソース(例えば、シンボル)にマッピングされて送信されてもよい。複製された両パケットが、スケジューリングにより割り当てられた同じ時間リソース内に割り当てられてもよい。このことにより、例えば、パケット複製において時間ダイバーシチ効果が得られる。また、送信側装置は、複製した両パケットを同じスケジューリングリソース内で送信可能となり、その結果、例えば、パケットのHARQ再送によって発生するレイテンシの揺らぎ、すなわち、ジッタを低減可能となる。
各時間リソースは、集中的に配置されてもよいし、分散的に配置されてもよい。該時間リソースは、例えば、シンボル単位で設定されてもよいし、ミニスロット単位で設定されてもよいし、他の単位で設定されてもよい。例えば、該時間リソースが集中的に配置されることにより、通信システムにおける処理量を削減可能となる。他の例として、分散的に配置されることにより、時間ダイバーシチ効果を向上可能となる。
基地局はUEに対し、各時間リソースにマッピングされるパケットの情報を通知してもよい。UEは、該情報を用いて、複製されたパケットを各時間リソースにマッピングして基地局に送信してもよい。あるいは、UEは、該情報を用いて、各時間リソースにおいて受信した信号から、複製された各パケットを抽出してもよい。
図20は、複製したパケットを同じキャリア上で送受信する他の例について示している。図20において、基地局からUEに対してグラントとして通知される周波数および時間リソースを太破線で示している。図20は、複製された片方のパケットがトランスポートブロック#1にマッピングされ、他方のパケットがトランスポートブロック#2にマッピングされる例について示す。図20は、複製された各パケットがマッピングされる各時間リソースが集中的に配置される場合について示している。図20において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図20において、制御チャネルおよび/あるいは参照信号等の配置は省略している。図20において、図18と同様の要素には同じ番号を付し、共通する説明を省略する。
図20において、基地局よりグラントされた、あるいは割り当てられた時間および周波数リソース1801のうち、左下がり斜線にて示す時間及び周波数の領域2002に、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。リソース1801のうち、右下がり斜線にて示す時間及び周波数の領域2003に、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。
図20において、リソース1804、領域2005、領域2006については、それぞれ、リソース1801、領域2002、領域2003と同様である。図20において、リソース1807、領域2008、領域2009については、それぞれ、リソース1801、領域2002、領域2003と同様である。
図20においても、図18と同様、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる領域は、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる領域と入れ替わってもよい。前述のマッピングは、時間毎に切替わってもよい。このことにより、例えば、基地局はスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
図20において、複製された各パケットがマッピングされる各時間リソースが集中的に配置される場合について示した。しかし、これらの時間リソースは分散的に配置されてもよい。例えば、マッピングされるパケットがシンボル毎に入れ替わってもよい。このことにより、例えば、両パケットの送信における時間ダイバーシチ効果を向上可能となる。
複製された両パケットのそれぞれを異なる時間リソースにマッピングする場合において、両パケットが同じスケジューリングリソースにおいて割り当てられる例について開示した。しかし、複製された両パケットは、異なるスケジューリングリソースにおいて割り当てられてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて、スケジューリングに関する設計の複雑性を回避可能となる。
複製されたパケットのマッピングに関する他の方法を開示する。複製された両パケットのそれぞれが、異なる時間および周波数リソースにマッピングされて送信されてもよい。例えば、ある時間リソース(例えば、シンボル)において、両パケットのそれぞれが、異なる周波数リソースにマッピングされ、他の時間リソースにおいて、各パケットが割り当てられる周波数リソースが切替るとしてもよい。複製された両パケットが、スケジューリングにより割り当てられた同じ時間リソース内に割り当てられてもよい。このことにより、例えば、パケット複製において周波数ダイバーシチ効果および時間ダイバーシチ効果が得られ、その結果、通信の信頼性を向上可能となる。また、送信側装置は、複製した両パケットを同じスケジューリングリソース内で送信可能となり、その結果、例えば、パケットのHARQ再送によって発生するレイテンシの揺らぎ、すなわち、ジッタを低減可能となる。
各時間リソースにおいて、各パケットに割り当てられる周波数リソースは、集中的に配置されてもよいし、分散的に配置されてもよい。例えば、集中的に配置されることにより、通信システムにおける処理量を削減可能となる。他の例として、分散的に配置されることにより、周波数ダイバーシチ効果を向上可能となる。
各周波数リソースにおいて、各パケットに割り当てられる時間リソースは、集中的に配置されてもよいし、分散的に配置されてもよい。例えば、集中的に配置されることにより、通信システムにおける処理量を削減可能となる。他の例として、分散的に配置されることにより、時間ダイバーシチ効果を向上可能となる。
基地局はUEに対し、各時間および周波数リソースにマッピングされるパケットの情報を通知してもよい。UEは、該情報を用いて、該時間リソースにおいて、複製されたパケットを該周波数リソースにマッピングして基地局に送信してもよい。あるいは、UEは、該情報を用いて、該時間リソースにおいて受信した信号から、複製された各パケットを抽出してもよい。
図21は、複製したパケットを同じキャリア上で送受信する他の例について示している。図21において、基地局からUEに対してグラントとして通知される周波数および時間リソースを太破線で示している。図21は、複製された片方のパケットがトランスポートブロック#1にマッピングされ、他方のパケットがトランスポートブロック#2にマッピングされる例について示す。図21は、各時間リソースにおいて、複製された各パケットがマッピングされる各周波数リソースが集中的に配置される場合について示している。図21において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図21において、制御チャネルおよび/あるいは参照信号等の配置は省略している。図21において、図18と同様の要素には同じ番号を付し、共通する説明を省略する。
図21において、基地局よりグラントされた、あるいは割り当てられた時間および周波数リソース1801のうち、左下がり斜線にて示す時間及び周波数の領域2102に、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。リソース1801のうち、右下がり斜線にて示す時間及び周波数の領域2103に、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる。図21に示す例においては、スケジューリングにおいてグラントされた、あるいは割り当てられた時間リソースの前半と後半で、トランスポートブロック#1にマッピングされる周波数リソースとトランスポートブロック#2にマッピングされるリソースが切替る。
図21において、リソース1804、領域2105、領域2106については、それぞれ、リソース1801、領域2102、領域2103と同様である。図21において、リソース1807、領域2108、領域2109については、それぞれ、リソース1801、領域2102、領域2103と同様である。
図21においても、図18と同様、トランスポートブロック#1より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる領域は、トランスポートブロック#2より生成された物理チャンネルの信号がマッピングされる領域と入れ替わってもよい。前述のマッピングの入れ替わりは、スケジュール割り当て毎に行われてもよい。このことにより、例えば、基地局はスケジューリングを柔軟に実行可能となる。
図21において、ある周波数リソースにおいて複製された各パケットがマッピングされる各時間リソースが集中的に配置される場合について示した。しかし、これらの時間リソースは分散的に配置されてもよい。例えば、マッピングされるパケットがシンボル毎に入れ替わってもよい。このことにより、例えば、両パケットの送信における時間ダイバーシチ効果を向上可能となる。
複製された両パケットのそれぞれを異なる時間リソースにマッピングする場合において、両パケットが同じスケジューリングリソースにおいて割り当てられる例について開示した。しかし、複製された両パケットは、異なるスケジューリングリソースにおいて割り当てられてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおいて、スケジューリングに関する設計の複雑性を回避可能となる。
複製されたパケットのマッピングに関する他の方法を開示する。複製された両パケットのそれぞれが、異なるレイヤに空間多重されて送信されてもよい。複製された両パケットのそれぞれが、異なるコードブックを用いて空間多重されて送信されてもよい。各パケットの送受信に用いられる各トランスポートブロックが、互いに異なるレイヤに空間多重されて送信されてもよいし、互いに異なるコードブックを用いて空間多重されて送信されてもよい。このことにより、各パケットに対する周波数および/あるいは時間リソースの割り当てが不要となり、その結果、通信システムにおける設計の複雑性を回避可能となる。また、送信側装置は、複製した両パケットを同時に送信可能となり、その結果、例えば、パケットのHARQ再送によって発生するレイテンシの揺らぎ、すなわち、ジッタを低減可能となる。
基地局はUEに対し、各パケットがマッピングされるレイヤに関する情報を通知してもよいし、各パケットに対して用いられるコードブックに関する情報を通知してもよい。UEは、該情報を用いて、複製されたパケットを各レイヤにマッピングして基地局に送信してもよい。あるいはUEは、該情報を用いて、基地局より受信した信号から、複製された各パケットを抽出してもよい。他の例として、UEは、基地局から通知されたコードブックに関する情報を用いて、複製されたパケットへの変調処理を行ってもよいし、基地局より受信した信号から、複製された各パケットを抽出してもよい。
複製されたパケットのマッピングに関する他の方法を開示する。複製された両パケットのそれぞれが符号多重されて送信されてもよい。該符号多重に用いられる符号は、例えば、直交符号(例:アダマール符号、ZC(Zadoff-Chu)符号)であってもよいし、直交符号とは異なる符号であってもよい。このことにより、例えば、単一キャリア、単一レイヤを用いる場合においても、パケット複製を実行可能となる。その結果、信頼性を向上可能となる。
複製されたパケットのマッピングに関する他の方法を開示する。例えば、ある時間リソース(例えば、シンボル)において、両パケットのそれぞれが、異なる周波数リソースにマッピングされ、他の時間リソースにおいて、各パケットが割り当てられる周波数リソースが切替るとしてもよい。複製された両パケットが、スケジューリングにより割り当てられた同じ時間リソース内に割り当てられてもよい。このことにより、例えば、パケット複製において周波数ダイバーシチ効果および時間ダイバーシチ効果が得られ、その結果、通信の信頼性を向上可能となる。また、送信側装置は、複製した両パケットを同じスケジューリングリソース内で送信可能となり、その結果、例えば、パケットのHARQ再送によって発生するレイテンシの揺らぎ、すなわち、ジッタを低減可能となる。
実施の形態1の本変形例1において開示した方法を、実施の形態1において開示した方法と組み合わせてもよい。例えば、同じキャリアにおいて、複数の設定済みグラントおよび/あるいは複数の設定済みスケジューリング割り当てを行ってもよい。パケット複製において複製された各パケットが、同じキャリアにおいて互いに異なる設定済みグラントおよび/あるいは互いに異なる設定スケジューリング割り当てにマッピングされて送信されてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける設計の複雑性を回避可能とするとともに、単一キャリアを用いる通信においても信頼性を向上可能となる。
実施の形態1の本変形例1において開示した方法を、ジッタ要件のない通信において用いてもよい。例えば、ジッタ要件のない通信において、同じキャリアを用いたパケット複製を行ってもよい。このことにより、例えば、単一キャリアを用いる通信においても信頼性を向上可能となる。
実施の形態1の本変形例1によって、単一キャリアを用いる通信においても、ジッタ特性を向上可能となる。
実施の形態1の変形例2.
実施の形態1および実施の形態1の変形例1においては、URLLCの要件を満たす方法の例としてパケット複製が用いられる場合について開示したが、レペティション(repetition)が用いられてもよい。
しかし、レペティションにおいて、受信側装置からのHARQフィードバック送信は、所定の反復回数の送信が終わった後に行われる。このことにより、受信側装置が、所定の反復回数の途中でデータを受信し、正しく復調および復号できた場合においても、受信側装置は、残りの回数分の受信を待ってからHARQフィードバックを行うこととなる。受信側装置における受信データの上位レイヤ(例:RLC)への転送についても同様である。その結果、該データの送信におけるレイテンシが悪化するという問題が生じる。
前述の問題に対する解決策を以下に開示する。
受信側装置は、レペティションが行われる送信において、データを正しく復号できた後にHARQ-ACKを送信する。受信側装置は送信側装置へHARQ-ACKを、所定の反復回数の途中で送信してもよい。このことにより、例えば、受信側装置はHARQ-ACKを迅速に送信側装置に通知可能となる。
受信側装置は、レペティションが行われる送信において、データを正しく復号できた後に該データを上位レイヤ(例:RLC)に転送してもよい。該転送は、例えば、所定の反復回数の途中で行われてもよい。このことにより、例えば、レペティションを用いた通信における信頼性を確保しつつ、レイテンシを低減可能となる。前述において、受信側装置から送信側装置に対するHARQ-ACK送信は、所定の反復回数の途中で行われてもよい。このことにより、例えば、受信側装置はHARQ応答を送信側装置に迅速に通知可能となる。前述における他の例として、受信側装置は、HARQ-ACK送信を、所定の反復回数が終了した後に行ってもよい。このことにより、例えば、HARQ-ACK送信用に確保される周波数および/あるいは時間リソースを削減可能となる。その結果、通信システムにおける効率を向上可能となる。
受信側装置は、復号結果がOKとなったデータ以降の該データのレペティションを受信しないとしてもよい。このことにより、例えば、受信側装置における消費電力を削減可能となる。
送信側装置は、HARQ-ACK受信後の該データのレペティションを送信しないとしてもよい。このことにより、例えば、送信側装置における消費電力を削減可能となるとともに、該データのレペティションに用いる時間および/あるいは周波数リソースを削減可能となる。
該HARQ-ACKの送信タイミングの候補は、規格で予め定められてもよい。例えば、所定の反復回数の毎回のタイミングが、HARQ-ACK送信タイミングの候補として定められてもよい。あるいは、所定の反復回数において複数回(例えば、2回)毎のタイミングが、HARQ-ACK送信タイミングの候補として定められてもよい。基地局は、HARQ-ACK送信の候補となるタイミングにおける周波数および時間リソースを確保してもよい。基地局はUEに対して、該周波数および時間リソースを通知してもよい。該通知は、前述の反復回数に関する情報を含んでもよいし、通信の上りおよび/あるいは下りに関する情報を含んでもよい。UEは、該通知に含まれる周波数および時間リソースにおいて、基地局に対してHARQ-ACKを送信してもよいし、基地局から送信されるHARQ-ACKを受信してもよい。基地局が該リソースを確保できない場合において、受信側装置はHARQ-ACKを送信しないとしてもよい。
該HARQ-ACKの送信タイミングの候補の決定に関する他の例として、基地局が該候補を決定してUEに通知してもよい。基地局が決定する該タイミングの候補は、前述の、規格で定められる該タイミング候補と同様としてもよいし、他の方法で決められてもよい。基地局はUEに対して、該周波数および時間リソースを通知してもよい。該通知は、前述の反復回数に関する情報を含んでもよいし、通信の上りおよび/あるいは下りに関する情報を含んでもよいし、該HARQ-ACK応答を適用する論理チャネルに関する情報を含んでもよいし、該応答に用いられるシーケンスに関する情報(例:巡回シフト(Cyclic shift))を含んでもよい。基地局は、該HARQ-ACK応答に用いられる周波数および/あるいは時間リソースを予め確保してもよい。UEは、該通知に含まれる周波数および時間リソースにおいて、基地局に対してHARQ-ACKを送信してもよいし、基地局から送信されるHARQ-ACKを受信してもよい。基地局が該リソースを確保できない場合において、受信側装置はHARQ-ACKを送信しないとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける柔軟なスケジューリングが可能となる。
該HARQ-ACKの送信タイミングの候補に関する他の例として、所定の反復回数において所定の待ち回数以降の毎回のタイミングが、HARQ-ACK送信タイミングの候補として定められてもよい。あるいは、所定の待ち回数以降(例えば、4回目以降)の複数回(例えば、2回)毎のタイミングが、HARQ-ACK送信タイミングの候補として定められてもよい。所定の待ち回数は、例えば、ジッタ要件が定められている周期的な通信において、適時の送受信となる回数であってもよい。適時の送受信とは、所定のレイテンシとなる、すなわち、ジッタが生じない、タイミングにおいて行われる送受信であってもよい(以下、同様としてもよい)。このことにより、例えば、受信側装置における上位レイヤへの転送タイミング、および/あるいは、HARQ-ACKの送信タイミングにおけるばらつきを縮小可能となる。その結果、基地局とUEとの通信におけるジッタを低減可能となる。前述の候補は、規格で定められてもよいし、基地局が決定してUEに通知してもよい。
基地局は、適時となる送受信タイミングを決定してもよい。基地局はUEに対し、適時となる送受信タイミングに関する情報を通知してもよい。該通知には、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。該情報は、例えば、送信周期に対するオフセットに関する情報であってもよいし、所定の送信周期において適時となる時刻に関する情報であってもよい。該情報は、周期に関する情報を含んでもよい。該オフセットに関する情報は、例えば、ミリ秒単位で与えられてもよいし、サブフレーム単位で与えられてもよいし、スロット単位で与えられてもよいし、シンボル単位で与えられてもよい。該オフセットに関する情報は、サブキャリア間隔に関する情報を含んでもよい。適時となる該時刻に関する情報は、例えば、ミリ秒単位の時刻として与えられてもよいし、サブフレーム番号で与えられてもよいし、スロット番号で与えられてもよいし、シンボル単位で与えられてもよい。UEは、該情報を用いて、適時となる送受信タイミングを導出してもよい。例えば、UEは、所定の送信周期において適時となる時刻に関する情報に、周期の整数倍を加算し、現在以降の送信周期において適時となる時刻を導出してもよい。他の例として、基地局はUEに対し、適時となる送受信時刻のみを通知するとしてもよい。該通知は、例えば、基地局とUEとの間で周期的な送信が行われない場合に適用してもよい。このことにより、例えば、UEは適時となる送受信タイミングを導出可能となる。
基地局からUEに対する、適時となる送受信タイミングの通知には、例えば、実施の形態1における所定の該タイミングに関する情報の通知方法が用いられるとしてもよい。
UEは、該通知に含まれる論理チャネルを含むトランスポートブロックに対して、本変形例2において開示したHARQ応答を行うとしてもよい。UEは、該論理チャネルを含まないトランスポートブロックに対して、本変形例2において開示したHARQ応答を適用しないとしてもよい。このことにより、例えば、UEにおける処理量を削減可能となる。
受信側装置が受信データを上位レイヤに転送するタイミングについても、HARQ-ACK同様、規格で定められてもよいし、基地局が決定してUEに通知してもよい。該通知は、例えば、HARQ-ACK応答タイミング候補に関する通知と同様の情報を含んでもよい。このことにより、例えば、データ送受信におけるレイテンシを低減可能となる。
図22は、受信側装置が、レペティションにおける所定の反復回数の途中で、HARQフィードバックおよび上位レイヤへの転送を行う動作を示す図である。図22は、送信データが4回繰り返されて送信される例について示している。また、図22において、送信側装置からデータが送信される周期をCycle Timeとして示している。図22は、受信側装置から送信側装置へのHARQ-ACK送信における前述の待ち回数を2とした場合について示す。また、図22において、所定のジッタ特性が要求される(以下、ジッタクリティカル(jitter-critical)と称する場合がある)通信において、所定の反復回数の途中でHARQ応答および上位レイヤへの転送の動作が適用される場合について示す。図22において、ジッタクリティカルな通信において適時となる受信タイミングを破線で示す。また、図22は、送信側装置が基地局であり、受信側装置がUEである場合について示す。
図22に示す最初の送信周期におけるデータ送信について、受信側装置は、2回目に送信されるデータ2501を復号結果OKとして受信する。データ2501は適時の受信タイミング以降に受信されるので、受信側装置はデータ2501を上位レイヤに転送する。受信側装置は、データ2501の受信結果が復号OKとなったことを用いて、送信側装置に対してHARQ-ACK信号2502を送信する。
図22に示す2番目の送信周期におけるデータ送信について、受信側装置は、3回目に送信されるデータ2503を復号結果OKとして受信する。データ2503は適時の受信タイミング以降に受信されるので、受信側装置はデータ2503を上位レイヤに転送する。受信側装置は、データ2503の受信結果が復号OKとなったことを用いて、送信側装置に対してHARQ-ACK信号2504を送信する。
図22に示す3番目の送信周期におけるデータ送信について、受信側装置は、1回目に送信されるデータ2505を復号結果OKとして受信する。データ2505は適時の受信タイミングより前に受信されるので、受信側装置は、適時受信タイミングまでデータ2505を保持する。受信側装置は、適時受信タイミング経過後にデータ2505を上位レイヤに転送する。また、受信側装置は、データ2505の受信結果が復号OKとなったことを用いて、送信側装置に対してHARQ-ACK信号2506を送信する。受信側装置はHARQ-ACK信号2506を、2回目のデータ受信に対するHARQ-ACK送信タイミングを待って、送信してもよい。
図22に示す4番目の送信周期におけるデータ送信について、受信側装置は、4回目に送信されるデータ2507を復号結果OKとして受信する。データ2507は適時の受信タイミング以降に受信されるので、受信側装置はデータ2507を上位レイヤに転送する。受信側装置は、データ2507の受信結果が復号OKとなったことを用いて、送信側装置に対してHARQ-ACK信号2508を送信する。
図22において、反復回数を4回とし、HARQ-ACKを送信するための所定の待ち回数を2回とした場合について示した。しかし、各種回数は他の値であってもよい。例えば、基地局とUEとの間の通信環境が悪い場合において、反復回数を4回よりも大きい値に設定してもよいし、待ち回数を2回より大きい値に設定してもよい。このことにより、例えば、レペティションを用いた通信において信頼性を向上可能となる。
図22において、送信側装置が基地局であり、受信側装置がUEである場合、すなわち、下り通信である場合について示した。しかし、送信側装置がUEであり、受信側装置が基地局である場合、すなわち、上り通信であっても、図22の例を応用可能である。他の例として、送信側装置も受信側装置もUEである場合、すなわち、サイドリンク通信であっても、図22の例を応用可能である。このことにより、例えば、下り通信のみならず、上り通信および/あるいはサイドリンク通信においても、ジッタ特性を向上可能となる。
図22において、受信側装置はHARQ-ACKを、所定の待ち回数以降の受信に対するHARQ-ACKとして送信する場合について示した。しかし、受信側装置は、復号OKとなった時点で、HARQ-ACKを送信するとしてもよい。このことにより、例えば、復号OKとなった以降のHARQ-ACK送信リソースを他の信号の送信に使用可能となる。その結果、通信システムにおける効率を向上可能となる。
HARQフィードバックが行われないとしてもよい。例えば、受信側装置は送信側装置に対し、HARQフィードバックを行わないとしてもよい。送信側装置は、送信したデータの全てが受信側装置において復号OKとなったとみなしてもよい。HARQフィードバックを行わない動作は、例えば、レペティションが行われている場合に適用されてもよい。このことにより、例えば、基地局とUEとの間におけるシグナリング量が削減可能となるとともに、受信側装置のHARQ処理における処理量を削減可能となる。また、このことにより、例えば、基地局はHARQフィードバックに用いる周波数および時間リソースを確保不要となり、その結果、通信システムにおける周波数および時間リソースの利用効率を向上可能となる。
HARQフィードバックに関する他の例として、HARQ-NACKのみがフィードバックされるとしてもよい。例えば、受信側装置は送信側装置に対し、HARQ-NACKのみを送信するとしてもよいし、HARQ-ACKを送信しないとしてもよい。送信側装置は、HARQフィードバックが無かったデータの全てが受信側装置において復号OKとなったとみなしてもよい。HARQ-NACKのみがフィードバックされる動作は、例えば、レペティションが行われている場合に適用されてもよい。このことにより、例えば、基地局とUEとの間におけるシグナリング量が削減可能となるとともに、受信側装置のHARQ処理における処理量を削減可能となる。また、このことにより、基地局とUEとの間の通信における信頼性を向上可能となる。
受信側装置から送信側装置に対するHARQフィードバック動作は、規格で予め定められてもよい。該フィードバック動作は、通信方法毎に定められてもよい。例えば、レペティション通信において、HARQ-NACKについてのみ、HARQフィードバックが行われるとしてもよい。また、パケット複製において、HARQフィードバックが行われるとしてもよい。
他の例として、受信側装置から送信側装置に対するHARQフィードバック動作は、基地局によって決定されて、UEに通知されてもよい。基地局は該フィードバックの動作を、通信方法毎に決めてもよい。例えば、レペティション通信において、HARQ-NACKについてのみ、HARQフィードバックが行われるとしてもよい。また、パケット複製において、HARQフィードバックが行われるとしてもよい。他の例として、基地局は該フィードバックの動作を、基地局とUEとの間の通信状況(例:QoS)を用いて決めてもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて決めてもよい。例えば、SINRが良い場合において、HARQフィードバックが行われないとしてもよい。また、SINRが悪い場合において、HARQ-NACKのみがフィードバックされるとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける効率化が可能となる。
基地局からUEに対する該通知において、RRCシグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、該通知における情報量を増大可能となる。他の例として、該通知において、MACシグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、HARQ再送による信頼性を確保しつつ、迅速な通知が可能となる。他の例として、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、基地局とUEとの間の通信状況を考慮した迅速な動作決定および迅速な通知が可能となる。
他の例として、受信側装置から送信側装置に対するHARQフィードバック動作は、上位NW装置によって決定されて、UEに対して通知されてもよい。該上位NW装置は、例えば、AMFであってもよいし、SMFであってもよい。上位NW装置は、該フィードバック動作を、例えば、UEとの通信におけるQoS要件を用いて決めてもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて決めてもよい。該通知は、基地局経由で行われてもよい。該通知において、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。このことにより、例えば、基地局とUEとの間でQoS要件に適った通信を実行可能となる。
実施の形態1の本変形例2により、レペティションを用いた通信における信頼性を確保しつつ、レイテンシを削減可能となる。また、ジッタを低減可能となる。
実施の形態1の変形例3.
所定のジッタ特性が要求される(以下、ジッタクリティカル(jitter-critical)と称する場合がある)通信におけるデータ送信と、他の通信におけるデータ送信との間の競合調整において、UEは、MACにおけるLCP(Logical Channel Prioritization)(非特許文献17参照)を用いてもよい。前述の動作は、上り通信において適用されてもよい。
しかし、LCPにおいて、優先度を示すパラメータは準静的に与えられる(非特許文献26(3GPP TS38.331 V15.2.1)参照)。このため、例えば、他に優先度の高い論理チャネルのデータが存在する場合において、UEは、ジッタクリティカルな論理チャネルよりも先に、優先度の高い該論理チャネルに、データを割り当てる。このことにより、ジッタクリティカルな論理チャネルにデータを割り当てることができない場合が発生し、その結果、ジッタ特性が悪化するといった問題が生じる。
前述の問題に対する解決策を以下に開示する。
UEは、ジッタクリティカルな論理チャネルにデータを優先的に割り当てる。例えば、UEのMACレイヤにおけるLCPにおいて、ジッタクリティカルな論理チャネルが、ジッタクリティカルでない論理チャネルよりも、優先的にデータが割り当てられるとしてもよい。
LCPにおける優先的な該割り当ての例として、UEが、ジッタクリティカルな論理チャネルにデータを優先度順に割り当て、残りの割り当て可能データサイズにおいて、ジッタクリティカルな論理チャネルにデータを優先度順に割り当てるとしてもよい。基地局はUEに対し、ジッタクリティカルな通信かどうかを示す情報を通知してもよい。該情報は、基地局からUEに送信されるRRC設定における、論理チャネル設定の中に含まれてもよい。UEは、該情報を用いて、設定された論理チャネルがジッタクリティカルか否かを判断してもよい。このことにより、例えば、UEは、ジッタクリティカルな論理チャネルを優先的に送信可能となり、その結果、ジッタを低減可能となる。
LCPにおける優先的な該割り当てに関する他の例として、ジッタクリティカルな論理チャネルに対して高い優先度が割り当てられるとしてもよい。ジッタクリティカルな論理チャネルに対して、LCPにおいて優先度を示すパラメータのうち最高優先度を表す値が割り当てられてもよい。あるいは、最高優先度から順に所定の数までの範囲の値のいずれかが、ジッタクリティカルな論理チャネルに対して、割り当てられるとしてもよい。このことにより、例えば、前述の効果に加えて、基地局はUEに対して、ジッタクリティカルな通信かどうかを示す情報を通知不要となり、その結果、通信システムにおける複雑性を回避可能となる。
他の解決策を開示する。UEは、ジッタクリティカルな論理チャネルについて、適時となる送信タイミングにおいて、該論理チャネルのデータを自UEのMACレイヤに転送する。UEは、適時となる送信タイミングまでの間、ジッタクリティカルな論理チャネルのデータをMACレイヤに転送せず保持するとしてもよい。このことにより、例えば、決定論的レイテンシ(deterministic latency)、すなわち、レイテンシを一定以上一定以内、といった形で求められる通信において、レイテンシを一定範囲内に収めることが可能となる。
基地局は、適時となる送受信タイミングを決定してもよい。基地局はUEに対し、適時となる送受信タイミングに関する情報を通知してもよい。該通知には、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。該情報は、例えば、送信周期に対するオフセットに関する情報であってもよいし、所定の送信周期において適時となる時刻に関する情報であってもよい。該情報は、周期に関する情報を含んでもよい。該オフセットに関する情報は、例えば、ミリ秒単位で与えられてもよいし、サブフレーム単位で与えられてもよいし、スロット単位で与えられてもよいし、シンボル単位で与えられてもよい。該オフセットに関する情報は、サブキャリア間隔に関する情報を含んでもよい。適時となる該時刻に関する情報は、例えば、ミリ秒単位の時刻として与えられてもよいし、サブフレーム番号で与えられてもよいし、スロット番号で与えられてもよいし、シンボル単位で与えられてもよい。UEは、該情報を用いて、適時となる送受信タイミングを導出してもよい。例えば、UEは、所定の送信周期において適時となる時刻に関する情報に、周期の整数倍を加算し、現在以降の送信周期において適時となる時刻を導出してもよい。他の例として、基地局はUEに対し、適時となる送受信時刻のみを通知するとしてもよい。該通知は、例えば、基地局とUEとの間で周期的な送信が行われない場合に適用してもよい。このことにより、例えば、UEは適時となる送受信タイミングを導出可能となる。
該転送の動作あるいは該保持の動作は、上位レイヤ(例えば、アプリケーションレイヤであってもよいし、サービスレイヤと称するレイヤであってもよい。)において行われてもよいし、SDAPにおいて行われてもよいし、PDCPにおいて行われてもよいし、RLCにおいて行われてもよい。
他の例として、MACレイヤ自身が該論理チャネルのデータを保持してもよい。例えば、LCPにおいて、所定のタイミングにおいてのみ、ジッタクリティカルな論理チャネルの割り当てが行われるとしてもよい。所定の該タイミングは、該論理チャネルにおいて適時な送信となるタイミングより前のタイミング範囲を含まないとしてもよい。このことにより、例えば、適時より前においてジッタクリティカルな論理チャネルが割り当てられるのを防止可能となり、その結果、ジッタ特性を向上可能となる。
所定の該タイミングは、規格で予め定められてもよい。例えば、所定の該タイミングは、ジッタ許容範囲となるタイミングと同一であってもよいし、ジッタ許容範囲となるタイミングの一部(例:適時から、ジッタ許容範囲の後端までのタイミング)であってもよい。基地局はUEに対し、所定の該タイミングを導出するための情報を通知してもよい。所定の該タイミングを導出するための情報は、例えば、QoSパラメータに含まれてもよいし、基地局からUEに送信されるRRC設定に含まれる論理チャネル設定に含まれてもよい。QoSパラメータは、実施の形態1において開示したQoSパラメータと同様であってもよい。所定の該タイミングを導出するための情報は、例えば、ジッタ許容範囲に関する情報であってもよい。ジッタ許容範囲に関する情報は、例えば、絶対時間(例:ミリ秒単位、マイクロ秒単位)で与えられてもよいし、サブフレーム数で与えられてもよいし、スロット数で与えられてもよい。あるいは、ジッタ許容範囲に関する情報は、該論理チャネルにおけるデータ送信周期(例えば、Cycle Time)を用いた情報(例:データ送信周期に対する割合)として与えられてもよい。あるいは、ジッタ許容範囲に関する情報は、他の方法で与えられてもよい。UEが所定の該タイミングを導出するための情報として、データ送信周期の情報が含まれてもよいし、適時送信となるタイミングに関する情報(例:スロット番号を用いた情報、シンボル番号を用いた情報)が含まれてもよい。このことにより、例えば、UEにおける所定の該タイミング導出に関して、基地局からUEへのシグナリング量を削減可能となる。
所定の該タイミングを、基地局が決定してUEに通知してもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける柔軟なスケジューリングが可能となる。
基地局はUEに対し、所定の該タイミングに関する情報を通知してもよい。該タイミングに関する情報は、例えば、前述の、UEが所定の該タイミングを導出するための情報と同様としてもよい。所定の該タイミングの通知には、例えば、実施の形態1において開示した方法が用いられるとしてもよい。
他の解決策を開示する。複数のジッタクリティカルな論理チャネル間の割り当てにおいて、ジッタ許容範囲が狭い順に割り当てを行うとしてもよい。このことにより、例えば、ジッタ許容範囲が広く優先度の高い論理チャネルと、ジッタ許容範囲が狭く優先度が低い論理チャネルが共存する場合において、ジッタ許容範囲が狭く優先度が低い論理チャネルへの割り当てが可能となる。その結果、ジッタ特性を満足可能となる。
他の例として、UEは、スケジューリング対象のタイミング(例:スロット、ミニスロット、シンボル)から、ジッタ許容範囲を満足可能な時間範囲の後端までの時間が短い順に、論理チャネルを割り当てるとしてもよい。このことにより、例えば、ジッタクリティカルな複数の論理チャネルが異なるタイミングに存在する場合においても、該論理チャネルのジッタ特性を満足可能となる。
他の例として、基地局は、ジッタ許容範囲が狭い論理チャネルに対し、高い優先度を設定するとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムの設計における複雑性を回避可能となる。
他の例として、UEは、各論理チャネルにおいて送信可能なデータのサイズを用いて論理チャネル割り当てを決定するとしてもよい。該サイズは、例えば、送信可能なRLC PDUのサイズであってもよいし、PDCP PDUのサイズであってもよいし、SDAP PDPのサイズであってもよいし、SDAP SDUのサイズであってもよいし、前述のうち複数の和であってもよい。UEは、例えば、該サイズが大きい順に論理チャネルを割り当てるとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおけるデータの滞留を減少可能となる。
ジッタクリティカルな論理チャネルとレイテンシ要件がある論理チャネルとの間の割り当てについて、前述の方法を適用してもよい。UEは、ジッタクリティカルな論理チャネルにおけるジッタ許容範囲を、レイテンシ要件に置き換えて適用してもよい。例えば、UEは、スケジューリング対象のタイミング(例:スロット、ミニスロット、シンボル)から、レイテンシ要件および/あるいはジッタ許容範囲を満足可能な時間範囲の後端までの時間が短い順に、論理チャネルを割り当てるとしてもよい。このことにより、例えば、ジッタクリティカルな論理チャネルにおけるジッタ特性と、レイテンシ要件がある論理チャネルのレイテンシ要件の両方を満足可能となる。
他の例として、基地局は、ジッタ許容範囲および/あるいはレイテンシ要件が狭い論理チャネルに対し、高い優先度を設定するとしてもよい。例えば、UEは、ジッタクリティカルな論理チャネルにおけるジッタ許容範囲を、レイテンシ要件に置き換えてもよい。該置き換えにおいて、例えば、ジッタ許容範囲の前端から後端までの時間を、ジッタクリティカルな該論理チャネルにおけるレイテンシ要件としてもよいし、ジッタ許容範囲の中央から後端までの時間を、該レイテンシ要件としてもよい。このことにより、例えば、通信システムの設計における複雑性を回避可能となる。
前述の、ジッタ許容範囲および/あるいはレイテンシ要件に関する情報は、QoSパラメータに含まれてもよいし、基地局からUEに送信されるRRC設定に含まれる論理チャネル設定に含まれてもよい。該QoSパラメータは、基地局からUEに通知されてもよいし、上位NW装置から基地局経由でUEに通知されてもよいし、上位NW装置から基地局に対して通知されてもよい。QoSパラメータは、実施の形態1において開示したQoSパラメータと同様であってもよい。
通信システムにおいて、所定の閾値よりも緩いレイテンシ要件については、レイテンシ要件がないとみなしてもよい。該閾値は、予め規格で定められてもよいし、基地局が決定してUEに通知してもよいし、上位NW装置が決定して基地局に通知してもよい。基地局は上位NW装置が決定した該閾値をUEに通知してもよいし、通知しないとしてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおける複雑性を回避可能となる。
レイテンシ要件がある複数論理チャネルの間の割り当てについて、前述の方法を適用してもよい。例えば、UEは、レイテンシ要件までの時間が短い順に、論理チャネルを割り当てるとしてもよい。レイテンシ要件に関する情報についても、前述と同様としてもよい。このことにより、例えば、該複数の論理チャネルにおいて、レイテンシ要件を満足可能となる。
図23は、ジッタクリティカルな論理チャネルとレイテンシ要件がある論理チャネルの両方が存在する場合のLCPの動作を示す図である。図23において、LCH#1は、レイテンシ要件がある論理チャネルであり、LCH#2は、ジッタクリティカルな論理チャネルである。
図23において、まず、スケジューリング単位2801への論理チャネルの割り当てを説明する。LCH#1における許容レイテンシは、LCH#2におけるジッタ許容範囲後端までの時間より短い。このことを用いて、UEは、LCH#1のデータ2802を、スケジューリング単位2801へ割り当てる。
図23において、スケジューリング単位2801の次のスケジューリング単位2803への論理チャネルの割り当てを説明する。LCH#2の他に、レイテンシ要件がある論理チャネル、および、ジッタクリティカルな論理チャネルのデータがない。このことから、UEは、LCH#2のデータ2804を、スケジューリング単位2803へ割り当てる。
他の解決策を開示する。優先度を可変としてもよい。例えば、ジッタクリティカルな通信において、ジッタ許容範囲における優先度を高めてもよい。例えば、UEは、非特許文献17に示されるプライオリティ(Priority)値から所定の値(以下、優先度のオフセットと称する場合がある)を減じることで、該論理チャネルにおける優先度を高めてもよい。
減じたプライオリティ値が所定の閾値未満とならないようにしてもよい。UEは、減じたプライオリティ値が所定の閾値未満となる場合において、減じたプライオリティ値を所定の閾値と同じ値としてもよい。所定の閾値は、規格で定められてもよいし、基地局が決定してUEに通知してもよい。このことにより、例えば、減じたプライオリティ値が規格で定められる範囲から外れることを防止可能となる。その結果、LCPにおける誤動作を防止可能となる。他の例として、優先度のオフセットにおいて、優先度を過剰に高くすることを防止可能となる。
優先度のオフセットは、ジッタ許容範囲内で一律の値であってもよい。このことにより、例えば、LCPにおける設計の複雑性を回避可能となる。
他の例として、優先度のオフセットを、ジッタ許容範囲内で可変としてもよい。例えば、ジッタ許容範囲内において、適時となる受信タイミング以降における優先度のオフセットを、適時となる受信タイミングより前における優先度のオフセットよりも、高い値としてもよい。このことにより、例えば、HARQ再送発生時においても、該再送を優先的に送信可能とし、その結果、ジッタ特性の向上可能となる。
優先度のオフセットを、スケジューリング単位となる時間毎に与えてもよい。例えば、ジッタ許容範囲内において、後の時間になるほど高い値の優先度のオフセットを設定してもよい。このことにより、例えば、前述の効果に加えて、LCPにおける論理チャネル割り当てを柔軟に実行可能となる。スケジューリング単位となる時間は、サブフレームであってもよいし、スロットであってもよいし、ミニスロットであってもよいし、シンボルであってもよい。
優先度のオフセットは、規格で予め定められてもよい。例えば、一律のオフセット量が定められてもよい。あるいは、スケジューリングタイミング毎のオフセット量が定められてもよい。あるいは、タイミングの範囲とオフセット量の対応付けが定められてもよい。タイミングの範囲とオフセット量の対応付けの例として、ジッタ許容範囲の前端から後端までの範囲を分割し、分割したそれぞれに対してオフセット量が定められるとしてもよい。例えば、ジッタ許容範囲の前端から中央までの範囲におけるオフセット量と、ジッタ許容範囲の中央から後端までの範囲におけるオフセット量が定められてもよい。
優先度のオフセットが適用される論理チャネルが、規格で予め定められてもよい。例えば、優先度のオフセットが、ジッタクリティカルな論理チャネル、および/あるいは、所定の閾値以下のレイテンシ要件を持つ論理チャネルに対して適用されるとしてもよい。このことにより、例えば、該論理チャネルの優先度を他の論理チャネルよりも高くすることが可能となる。その結果、ジッタ要件および/あるいはレイテンシ要件を満足可能となる。
他の例として、優先度のオフセットを基地局が決めてUEに通知してもよい。該通知には、例えば、RRCシグナリングが用いられてもよい。該通知は、論理チャネルに関する情報を含んでもよい。該情報は、オフセット量に関する情報を含んでもよい。UEは、該通知に含まれる論理チャネルに対して、該通知に含まれるオフセットを適用してもよい。オフセット量に関する該情報は、規格で予め定められるオフセット量と同様の情報であってもよい。このことにより、例えば、基地局はUEに対して多くの情報を通知可能となるため、優先度のオフセット設定における柔軟性を向上可能となる。
該通知に関する他の例として、MACシグナリングが用いられてもよい。該通知は、論理チャネルに関する情報を含んでもよいし、オフセットに関する情報を含んでもよい。オフセットに関する該情報は、規格で予め定められるオフセット量と同様の情報であってもよい。UEは、該通知に含まれる論理チャネルに対して、該通知に含まれるオフセットを適用してもよい。このことにより、例えば、UEは該オフセットを迅速に適用可能となる。
該通知に関する他の例として、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。該通知は、論理チャネルに関する情報を含んでもよいし、オフセットに関する情報を含んでもよい。該通知は、スケジューリンググラントを含むDCIに含まれてもよいし、異なるDCIに含まれてもよい。また、該通知は、異なるL1/L2シグナリングであってもよい。オフセットに関する該情報は、規格で予め定められるオフセット量と同様の情報であってもよいし、前述のグラントにおいて適用されるオフセット量であってもよい。このことにより、例えば、UEは該オフセットをさらに迅速に適用可能となる。
オフセット量に関する該情報が複数設けられてもよい。複数の該情報は、規格で定められてもよいし、基地局が決定してUEに通知してもよいし、上位NW装置が決定して基地局経由でUEに通知してもよい。基地局はUEに対し、複数の該情報のうち、使用される情報の識別子を通知してもよい。該識別子の通知には、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。該通知は、オフセットが適用される論理チャネルに関する情報を含んでもよい。UEは、該識別子を用いて、使用する情報を導出してもよい。基地局は、使用する情報の決定にあたり、上位NW装置からの設定、例えば、QoSパラメータを用いてもよいし、ネットワークスライシングに関する情報を用いて決めてもよい。このことにより、例えば、基地局からUEに対するシグナリング量を削減可能となる。
図24は、ジッタクリティカルな論理チャネルにおける優先度のオフセット付与について示した図である。図24は、ジッタ許容範囲内において優先度のオフセットをスケジューリング単位となる時間毎に設定する場合について示している。図24において、ジッタ許容範囲外においては、優先度のオフセット付与を行わない。
図24において、ジッタ許容範囲内の前端となるスケジューリングタイミングから、適時となるタイミングにおいて、優先度のオフセットが単調増加で設定されている。図24において、適時となるタイミングから、ジッタ許容範囲の後端となるスケジューリングタイミングにおいては、優先度のオフセットとして一律の値が設定されている。
図24において、優先度のオフセットをスケジューリング単位となる時間毎に設定する場合について示した。しかし、ジッタ許容範囲内の優先度のオフセットとして一律の値が設定されてもよい。このことにより、例えば、UEのLCPの処理における設計の複雑性を回避可能となる。
ジッタ許容範囲外においても、優先度にオフセットを与えるとしてもよい。例えば、ジッタ許容範囲外において優先度を下げてもよい。このことにより、ジッタ許容範囲外において、該論理チャネルが割り当てられる可能性を低下可能となり、その結果、ジッタ特性を向上可能となる。
他の例として、ジッタ許容範囲の前端より前において優先度を下げ、後端より後ろにおいて優先度を上げてもよい。ジッタ許容範囲の後端の直後から、次の送信周期におけるジッタ許容範囲の前端の直前までの範囲において、優先度のオフセットを単調減少で与えてもよい。このことにより、ジッタ特性を向上しつつ、該論理チャネルにおけるデータ滞留を防止可能となる。
図25は、ジッタクリティカルな論理チャネルにおける優先度のオフセット付与における他の例について示した図である。図25において、ジッタ許容範囲内における優先度のオフセットは、図24と同様である。
図25において、ジッタ許容範囲外においても優先度のオフセットが付与されている。ジッタ許容範囲外における優先度のオフセットは、優先度を下げる方向のオフセットである。図25において、ジッタ許容範囲外における優先度のオフセットとして、一律の値が設定されている。
図25において、図24と同様、ジッタ許容範囲内の優先度のオフセットとして一律の値が設定されてもよい。このことにより、例えば、UEのLCPの処理における設計の複雑性を回避可能となる。
図25において、ジッタ許容範囲外における優先度のオフセットを一律な値とする場合について示した。しかし、該オフセットをスケジューリング単位毎に可変としてもよい。例えば、ジッタ許容範囲の前端より前において優先度を下げ、後端より後ろにおいて優先度を上げてもよい。ジッタ許容範囲の後端の直後から、次の送信周期におけるジッタ許容範囲の前端の直前までの範囲において、優先度のオフセットを単調減少で与えてもよい。このことにより、ジッタ特性を向上しつつ、該論理チャネルにおけるデータ滞留を防止可能となる。
優先度へのオフセット付与を、レイテンシ要件がある論理チャネルに適用してもよい。レイテンシ要件がある論理チャネルにおけるオフセット量の設定方法および該設定の通知方法は、ジッタクリティカルな論理チャネルにおけるオフセットと同様としてもよい。タイミングの範囲とオフセット量の対応付けの例として、データ発生時から、レイテンシ要件を満たす後端の送信タイミングまでの範囲を分割し、分割したそれぞれに対してオフセット量が定められるとしてもよい。このことにより、例えば、レイテンシ要件のある論理チャネルに対しても、レイテンシ要件を満たした通信が可能となる。
図26は、レイテンシ要件がある論理チャネルにおける優先度のオフセット付与について示した図である。図26は、レイテンシ許容範囲内において、優先度のオフセットをスケジューリング単位となる時間毎に設定する場合について示している。図26において、レイテンシ許容範囲の起点となる時間は、上りデータ発生時間としている。
図26に示す例において、データ発生時におけるスケジューリングタイミングから、レイテンシ許容範囲の後端の3つ前のスケジューリングタイミングまでの区間において、優先度のオフセットが時間とともに増加するよう設定されている。図26において、レイテンシ許容範囲の後端の3つ前のスケジューリングタイミングから、レイテンシ許容範囲の後端までは、優先度のオフセットとして一律の値が設定されている。図26において、レイテンシ許容範囲外においては、優先度のオフセット付与を行わない。
図26において、優先度のオフセットをスケジューリング単位となる時間毎に設定する場合について示した。しかし、レイテンシ許容範囲内の優先度のオフセットとして一律の値が設定されてもよい。このことにより、例えば、UEのLCPの処理における設計の複雑性を回避可能となる。
図26において、優先度のオフセットを、レイテンシ許容範囲内においてのみ設定する例を示した。しかし、レイテンシ許容範囲以降において、優先度のオフセットを設定するとしてもよい。このことにより、例えば、レイテンシ許容範囲以降においてもUEはデータを迅速に基地局に送信可能となり、その結果、UEにおけるデータの滞留を防止可能となる。
優先度のオフセットが、設定済みグラントを用いたスケジューリングに適用されてもよい。設定済みグラントにおける優先度のオフセットの適用方法は、実施の形態1の本変形例3において開示した方法と同様としてもよい。このことにより、例えば、設定済みグラントを用いるスケジューリングにおいても、ジッタ特性を満足可能となる。
ジッタクリティカルな論理チャネルが、ジッタクリティカルでない論理チャネルに切替わってもよい。ジッタクリティカルでない論理チャネルが、ジッタクリティカルな論理チャネルに切替わってもよい。
該切替えの判断を基地局が行ってもよい。基地局はUEに対し、該切替えに関する情報を通知してもよい。該通知には、例えば、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。
他の例として、該切替えの判断を、上位NW装置が行ってもよい。上位NW装置はUEに対し、該切替えに関する情報を通知してもよい。該通知には、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。該切替えの通知は、基地局経由で行われてもよい。
他の例として、該切替えの判断を、UEが行ってもよい。UEは、該切替えに関する情報を、基地局に通知してもよいし、上位NW装置に通知してもよい。該切替えに関する決定を、基地局が行ってもよいし、上位NW装置が行ってもよい。基地局および/あるいは上位NW装置は、該決定に関する情報をUEに通知してもよい。
前述の切替えの通知は、論理チャネルに関する情報を含んでもよいし、切替え後のQoSに関する情報を含んでもよい。QoSに関する情報は、例えば、ジッタ特性に関する情報であってもよいし、レイテンシ要件に関する情報であってもよい。
実施の形態1の本変形例3によって、ジッタクリティカルな通信と他の通信の両方が存在する場合においても、ジッタ特性を向上可能となる。
実施の形態1の変形例4.
ジッタクリティカルな通信において、ジッタ許容範囲から外れたデータを破棄するとしてもよい。該破棄は、上り通信において行われてもよいし、下り通信において行われてもよい。レイテンシ要件がある通信においても、同様としてもよい。
該破棄において、ジッタ許容範囲とは異なる閾値が用いられてもよい。例えば、ジッタ許容範囲よりも広い範囲が設けられてもよい。該広い範囲から外れたデータが破棄されるとしてもよい。レイテンシ要件がある通信においても、同様としてもよい。
該破棄の動作は、送信側装置において行われてもよい。該破棄の動作は、送信側装置のアプリケーションレイヤが行ってもよいし、SDAPレイヤが行ってもよいし、PDCPレイヤが行ってもよい。PDCPレイヤが該破棄の動作を行うにあたり、PDCP SDUを破棄してもよい。PDCP SDUの破棄は、例えば、該PDCP SDUが下位レイヤ(例:RLCレイヤ)に転送される前において行われるとしてもよい。他の例として、PDCP PDUが破棄されるとしてもよい。PDCP PDUの破棄は、例えば、該PDCP PDUが下位レイヤ(例:RLCレイヤ)に転送済みである場合において行われるとしてもよい。PDCPレイヤがPDCP PDUの破棄を行うにあたり、該PDCP PDUの送達確認が取れたとみなしてもよい。PDCPレイヤにおける送信ウィンドウが進められてもよい。他の例として、PDCP SDUの破棄とPDCP PDUの破棄が組み合わせて用いられてもよい。
他の例として、該破棄の動作を、送信側装置のRLCレイヤが行ってもよい。RLCレイヤが該破棄の動作を行うにあたり、RLC SDUを破棄してもよい。RLC SDUの破棄は、例えば、該RLC SDUが下位レイヤ(例:MACレイヤ)に転送される前において行われるとしてもよい。他の例として、RLC PDUが破棄されるとしてもよい。RLC PDUの破棄は、例えば、該RLC PDUが下位レイヤ(例:MACレイヤ)に転送済みである場合において行われるとしてもよい。RLCレイヤがRLC PDUの破棄を行うにあたり、該RLC PDUの送達確認が取れたとみなしてもよい。RLCレイヤにおける送信ウィンドウが進められてもよい。他の例として、RLC SDUの破棄とRLC PDUの破棄が組み合わせて用いられてもよい。
他の例として、該破棄の動作を、送信側装置のMACレイヤが行ってもよい。MACレイヤが該破棄の動作を行うにあたり、LCPの処理において該破棄の動作が行われるとしてもよい。
送信側装置の各レイヤにおける該破棄の動作が組み合わせて用いられてもよい。例えば、PDCPレイヤがPDCP SDUおよびPDCP PDUを破棄し、RLCレイヤがRLC PDUを破棄するとしてもよい。このことにより、例えば、前述の各レイヤにおけるデータの滞留を防止可能となる。
他の例として、該破棄の動作は、受信側装置において行われてもよい。該破棄の動作は、受信側装置のアプリケーションレイヤが行ってもよいし、SDAPレイヤが行ってもよいし、PDCPレイヤが行ってもよい。PDCPレイヤが該破棄の動作を行うにあたり、PDCP PDUを破棄してもよい。PDCP PDUの破棄において、PDCPレイヤは該PDCP PDUを正常受信(ACK)とみなしてもよい。PDCPレイヤは該PDCP PDUの破棄にあたり、PDCPレイヤの受信ウィンドウを進めてもよい。
他の例として、該破棄の動作は、受信側装置のRLCレイヤにおいて行われてもよい。RLCレイヤが該破棄の動作を行うにあたり、RLC PDUを破棄してもよい。RLC PDUの破棄において、RLCレイヤは該RLC PDUを正常受信(ACK)とみなしてもよい。RLCレイヤは該RLC PDUの破棄にあたり、RLCレイヤの受信ウィンドウを進めてもよい。
他の例として、該破棄の動作は、受信側装置のMACレイヤにおいて行われてもよい。MACレイヤが該破棄の動作を行うにあたり、受信したトランスポートブロックを破棄してもよい。他の例として、該トランスポートブロックから抽出した論理チャネルデータを破棄してもよい。このことにより、例えば、ジッタクリティカルな論理チャネルと他の論理チャネルが同じトランスポートブロックに多重されている場合においても、他の論理チャネルの破棄によるパケットロスを防止可能となる。
該破棄の動作にあたり、受信側装置のMACレイヤは、破棄するトランスポートブロックにおけるHARQフィードバックとして、HARQ-ACKを送信してもよい。
受信側装置の各レイヤにおける該破棄の動作が組み合わせて用いられてもよい。このことにより、例えば、受信側装置の各レイヤにおけるデータの滞留を防止可能となる。
他の例として、該破棄の動作は、送信側装置と受信側装置の両方において行われてもよい。送信側装置と受信側装置の両方において該破棄の動作が行われるにあたり、実施の形態1の本変形例4において開示した方法が組み合わせて用いられてもよい。このことにより、例えば、通信システムにおけるメモリ使用量を削減可能となる。
該破棄の動作は、規格により予め定められてもよい。例えば、該破棄の有無が定められてもよいし、該破棄を行う主体(例:送信側装置および/あるいは受信側装置)が定められてもよい。
該破棄の動作が、QoSパラメータを用いて決められてもよい。QoSパラメータに含まれる情報は、例えば、ジッタ許容範囲に関する情報であってもよいし、レイテンシ要件に関する情報であってもよいし、前述の広い範囲に関する情報であってもよい。ネットワークスライシングに関する情報(例:NSSAI(Network Slice Selection Assistance Information))が用いられてもよい。
他の例として、該破棄の動作は、基地局において決められてUEに通知されてもよい。該通知には、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよいし、前述のうち複数の組み合わせが用いられてもよい。
他の例として、該破棄の動作は、上位NW装置において決められてUEに通知されてもよい。該通知は、基地局を経由して行われてもよい。該通知には、例えば、NASシグナリングが用いられてもよい。あるいは、該通知には、例えば、上位NW装置と基地局との間のインタフェースに用いられるシグナリングと、前述の、基地局からUEへの通知に用いられるシグナリングが組み合わせて用いられてもよい。
基地局および/あるいは上位NW装置からUEに対して通知される該情報は、該破棄の動作が行われるデータを識別する情報を含んでもよい。データを識別する該情報は、例えば、PDUセッションであってもよいし、ベアラであってもよいし、論理チャネルであってもよいし、QoSフローであってもよいし、ネットワークスライシングに関する情報であってもよいし、前述のうち複数の組み合わせであってもよい。
他の例として、該情報は、該破棄の動作が行われるQoSの条件(例:閾値)に関する情報を含んでもよい。UEは、該条件を満たすデータについて、該破棄の動作を行うとしてもよい。他の例として、UEは、該条件を満たさないデータについて、該破棄の動作を行うとしてもよい。
他の例として、該情報は、前述の広い範囲に関する情報を含んでもよい。
受信側装置は、ジッタが発生しないタイミングまでデータを保持するとしてもよい。受信側装置は、該タイミングにおいてデータを上位レイヤに転送してもよい。該データの保持は、例えば、アプリケーションレイヤにて行われてもよいし、アプリケーションレイヤへの入力端において行われてもよいし、SDAPにおいて行われてもよいし、PDCPレイヤにおいて行われてもよいし、RLCレイヤにおいて行われてもよいし、MACレイヤにおいて行われてもよい。レイテンシ要件があるデータについても、同様としてもよい。例えば、受信側装置は、所定のレイテンシとなるタイミングまでデータを保持するとしてもよい。受信側装置は、該タイミングにおいて受信データを上位レイヤに転送してもよい。このことにより、例えば、通信システムを通してのジッタ特性を向上可能となる。
基地局はUEに対し、該タイミングに関する情報を通知してもよい。該通知には、RRCシグナリングが用いられてもよいし、MACシグナリングが用いられてもよいし、L1/L2シグナリングが用いられてもよい。
送信側装置は、送信データの送信時刻に関する情報を通知してもよいし、受信側装置が受信すべき時刻に関する情報を通知してもよい。受信すべき該時刻は、例えば、受信側装置が上位レイヤにデータを転送すべき時刻であってもよい。該時刻は、例えば、ミリ秒単位の時刻であってもよいし、サブフレーム番号を用いた時刻であってもよいし、スロット番号を用いた時刻であってもよいし、ミニスロット番号を用いた時刻であってもよいし、シンボル番号を用いた時刻であってもよいし、前述のうち複数を組み合わせた時刻であってもよい。送信側装置は、例えば、該送信データにタイムスタンプを付与してもよい。該タイムスタンプは、前述の時刻と同様の情報であってもよい。該タイムスタンプは、上位レイヤにおいて付与されてもよいし、SDAPにおいて付与されてもよいし、PDCPにおいて付与されてもよいし、RLCにおいて付与されてもよいし、MACにおいて付与されてもよい。他の例として、該送信時刻に関する情報が、RRCシグナリングを用いて通知されてもよいし、MACシグナリングを用いて通知されてもよいし、L1/L2シグナリングを用いて通知されてもよい。受信側装置は、該送信時刻に関する情報を用いて、該タイミングを導出してもよい。受信側装置は、受信データにおける該タイムスタンプを除去してもよい。このことにより、例えば、データ送受信におけるレイテンシを一定に保持可能となる。すなわち、ジッタを削減可能となる。
実施の形態1の本変形例4によって、ジッタ許容範囲から外れたデータを破棄する。このことにより、通信システムにおける処理量を削減可能とするとともに、該論理チャネルにおけるデータの破棄を実行可能となる。
実施の形態2.
NRのセルにおいて、非特許文献24(TS36.321 V15.2.0)に示す休止(dormant)状態を適用してもよい。UEは、gNBからのMACシグナリングを用いて、該gNBのセルとの通信状態を休止状態に遷移させてもよいし、アクティブ状態に遷移させてもよい。
ところが、CAを用いたパケット複製用に設定されているセルが休止状態となっている場合において、gNBは、パケット複製の通信に先立ち、休止状態を解除するためのMACシグナリングをUEに対して通知する必要がある。このことにより、パケット複製の通信の開始が遅れ、レイテンシが増加するといった問題が生じる。
前述の問題に対する解決法を開示する。
パケット複製が設定されたセルについては、休止状態としない。休止状態を無効としてもよい。セルを暗黙的に休止状態に遷移させるために用いるタイマを無効としてもよい。休止SCellを暗黙的に通信停止させるために用いるタイマ(例えば、非特許文献24に示すdormantSCellDeactivationTimer)を無効としてもよい。
他の例として、パケット複製が設定されたセルについては、デアクティベート(deactivate)状態としない。パケット複製が設定されたセルについては、アクティベート(activate)状態あるいは休止状態のみを取るとしてもよい。このことにより、例えば、パケット複製を迅速に再開可能となる。
他の例として、パケット複製がアクティベートされたセルについては、休止状態としないとしてもよい。休止状態を無効としてもよい。セルを暗黙的に休止状態に遷移させるために用いるタイマを無効としてもよい。休止SCellを暗黙的に通信停止させるために用いるタイマを無効としてもよい。
他の例として、パケット複製がアクティベートされたセルについては、アクティベート状態としてもよい。該アクティベート状態への遷移は、セルアクティベートを指示するMACシグナリングなしに行われてもよい。このことにより、例えば、基地局からUEに対するシグナリング量を削減可能となる。
パケット複製の動作/停止を指示するMACシグナリングと、セルの休止/休止解除を指示するMACシグナリングと、セルのアクティベート/デアクティベートを指示するMACシグナリングとのうち、2つが統合されてもよいし、3つとも統合されてもよい。このことにより、例えば、基地局からUEに対するシグナリング量を削減可能となる。
他の例として、休止状態でないセルを用いてパケット複製が行われるとしてもよい。該セルは、例えば、アクティブ状態のセルであってもよい。このことにより、例えば、セルの休止解除が不要となり、その結果、パケット複製を迅速に実行可能となる。
UEは、パケット複製のMACシグナリングを、SCell休止/休止解除のMACシグナリングよりも優先させてもよい。他の例として、UEは、SCell休止/休止解除のMACシグナリングを、パケット複製のMACシグナリングよりも優先させてもよい。前述の優先の動作は、両者のMACシグナリングが同時に送信された場合に適用してもよいし、異なるタイミングで送信された場合に適用してもよい。基地局とUEとの間におけるセル状態の齟齬による誤動作を防止可能となる。
パケット複製の動作/停止を指示するMACシグナリングと、セルの休止/休止解除を指示するMACシグナリングと、セルのアクティベート/デアクティベートを指示するMACシグナリングとの組み合わせによる動作が定義されてもよい。このことにより、例えば、基地局とUEとの間におけるセル状態の齟齬による誤動作を防止可能となる。
SCell休止が、上り通信と下り通信のそれぞれにおいて適用されてもよい。例えば、上り通信においてSCellをアクティベートとし、下り通信においてSCellを休止状態としてもよい。SCellのアクティベート/デアクティベート、および、パケット複製についても、同様としてもよい。基地局からUEに対する、MACシグナリングにおいて、上りか下りかを示す識別子が付加されてもよい。このことにより、例えば、通信システムをより柔軟に運用可能となる。
本実施の形態2における動作を、LTEに対して適用してもよい。このことにより、例えば、LTEを用いたパケット複製においても、パケット複製を迅速に実行可能となる。
本実施の形態2により、UEは、休止セルに対してもパケット複製を迅速に実行可能となる。
実施の形態2の変形例1.
CAを用いるUEにおいて、SCellとの通信を休止してもよい。該SCellは、LTEのセルであってもよいし、NRのセルであってもよいし、更に次世代のセルであってもよい。SCellとの通信休止は、基地局がUEに対して明示的に指示してもよい。該指示には、例えば、MACシグナリングが用いられてもよい。他の例として、UEがSCellとの通信休止を、暗黙的に行ってもよい。UEが該休止を暗黙的に行う場合において、タイマが用いられてもよい。UEは、該タイマ満了時において、SCellとの通信を休止してもよい。SCellとの通信を休止したUEは、SCellとの通信を停止してもよい。
ところが、非特許文献24において、暗黙的(インプリシット;implicit)なSCellとの通信休止後に、SCellとの通信の暗黙的な停止を行う方法が開示されていない。このことにより、暗黙的なSCell通信休止後、さらに暗黙的なSCell通信停止を行うことができない。このことにより、UEにおける消費電力が増加するといった問題が生じる。
前述の問題点を解決する方法を開示する。UEは、暗黙的なSCell通信休止後、休止SCellの暗黙的な通信停止に用いるタイマを開始する。UEは、該タイマ満了時において、休止SCellとの通信を停止してもよい。該タイマは、基地局からの明示的な指示による、SCellの通信休止時に起動させるタイマ(例えば、非特許文献24に示すdormantSCellDeactivationTimer)と同じタイマであってもよい。このことにより、例えば、通信システム設計における複雑性を回避可能となる。
該タイマの値は、UEにおけるSCell通信休止が明示的に行われた場合と暗黙的に行われた場合とで、同じとしてもよいし、異なるとしてもよい。タイマの値が異なる場合の例として、UEは、該タイマの値から所定の値を減算した値を、該タイマの初期値として用いてもよい。例えば、UEにおけるSCell通信休止が暗黙的に行われた場合において、該タイマの初期値として、前述の減算した値が用いられてもよい。このことにより、例えば、UEが休止SCellとの通信停止を早く実行可能となり、その結果、UEにおける消費電力を低減可能となる。
他の例として、休止SCellとの暗黙的な通信停止に用いるタイマは、基地局からの明示的な指示による、SCellとの通信休止時に起動させるタイマと異なっていてもよい。このことにより、例えば、前述と同様の効果が得られる。
実施の形態2の本変形例1により、UEは、SCell休止への暗黙的な遷移後、さらにSCell停止への暗黙的な遷移を実行可能となる。その結果、基地局とUEとの間のシグナリング量を削減可能となるとともに、UEにおける消費電力を削減可能となる。
実施の形態2の変形例2.
UEは、RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEステートにおいても、セルの測定を行ってもよい。UEは、該測定結果を基地局に通知してもよい。
ところが、RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEステートのUEにおけるメジャメント方法および該メジャメント結果の通知方法が開示されていない。このため、該UEは該メジャメントを実行できず、また、該メジャメント結果を基地局に通知することができない。
実施の形態2の本変形例2では、前述の問題点を解決する方法を開示する。
RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEステートのUEは、SSブロックを測定するとしてもよい。
基地局はUEに対し、該UEが測定するSSブロックに関する情報を通知してもよい。該通知は、例えば、UEがRRC_CONNECTEDステートから、RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEステートに遷移する前において行われてもよい。
該情報は、測定対象のセルの識別子を含んでもよいし、測定対象のSSブロックの周波数に関する情報を含んでもよいし、該SSブロックの識別子を含んでもよいし、タイミングに関する情報を含んでもよいし、該SSブロックが測定されるサブキャリア間隔に関する情報を含んでもよい。前述のタイミングに関する情報は、例えば、UEが接続中のセルと測定対象のセルとの間のフレームタイミングオフセットに関する情報であってもよいし、該SSブロックが該セルのSSバーストにおいて含まれる時間方向の位置に関する情報であってもよい。該情報は複数設けられてもよい。例えば、該情報が、測定対象のセルおよび/あるいはビームの個数分設けられてもよい。UEは、該情報を用いて、SSブロックの測定を行ってもよい。このことにより、例えば、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVEステートのUEは迅速にSSブロックを測定可能となる。
他の例として、RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEステートのUEは、CSI-RSを測定するとしてもよい。基地局はUEに対し、該UEが測定するCSI-RSに関する情報を通知してもよい。該通知は、例えば、UEがRRC_CONNECTEDステートから、RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEステートに遷移する前において行われてもよい。
該情報は、測定対象のセルの識別子を含んでもよいし、CSI-RSの周波数に関する情報を含んでもよいし、タイミングに関する情報を含んでもよいし、周波数および時間リソースにおける配置に関する情報を含んでもよいし、該CSI-RSが測定されるサブキャリア間隔に関する情報を含んでもよいし、符号パターンに関する情報を含んでもよい。前述のタイミングに関する情報は、例えば、UEが接続中のセルと測定対象のセルとの間のフレームタイミングオフセットに関する情報であってもよい。該情報は複数設けられてもよい。例えば、該情報が、測定対象のセルおよび/あるいはビームの個数分設けられてもよい。UEは、該情報を用いて、CSI-RSの測定を行ってもよい。このことにより、例えば、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVEステートのUEは迅速にCSI-RSを測定可能となる。
他の例として、RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEステートのUEは、SSブロックとCSI-RSの両方を測定するとしてもよい。基地局からUEに対する通知は、SSブロックの測定において用いられる通知と、CSI-RSの測定において用いられる通知を組み合わせたものであってもよい。このことにより、例えば、基地局は該UEのRRC接続復帰を迅速に実行可能となる。
RRC_IDLEおよび/あるいはRRC_INACTIVEにおける測定イベント(measurement event)が設けられてもよい。該測定イベントは、セルの測定結果についてのイベントであってもよいし、ビームの測定結果に対するイベントであってもよい。該測定イベントは、例えば、RRC_CONNECTEDにおける測定イベントと同様のものであってもよい。他の例として、該測定イベントは、セル再選択(cell reselection)の条件を満足したときに発生するとしてもよい。基地局はUEに対し、該測定イベントに関する設定を行ってもよい。UEは、測定イベント発生により、基地局に対して測定結果を報告してもよい。このことにより、例えば、UEはセル測定結果を迅速に基地局に通知可能となる。
該報告は、例えば、RRCシグナリングを用いて行われてもよい。UEは、該報告にあたり、RRC_CONNECTEDに遷移してもよい。基地局は、該報告終了後において、UEに対し、RRC_INACTIVEあるいはRRC_IDLEへの遷移を指示してもよい。
UEは、基地局に対するRAN通知エリア更新(RAN Notification Area Update;RNAU)の通知に、メジャメント報告を含めてもよい。UEは、該RNAUの通知と併せて、メジャメント報告を通知するとしてもよい。このことにより、例えば、UEは、メジャメント報告のみを通知するために、RRC_INACTIVEからRRC_CONNECTEDへ遷移不要となる。その結果、UEにおける消費電力を削減可能となる。
他の例として、UEは、基地局に対するトラッキングエリア更新(Tracking Area Update;TAU)の通知に、メジャメント報告を含めてもよい。UEは、該TAUの通知と併せて、メジャメント報告を通知するとしてもよい。このことにより、例えば、UEは、メジャメント報告のみを通知するために、RRC_IDLEからRRC_CONNECTEDへ復帰不要となる。その結果、UEにおける消費電力を削減可能となる。
基地局からUEへのRRC_CONNECTED遷移指示において、RRC_IDLEあるいはRRC_INACTIVEへの遷移前に設定済みのRRCパラメータを通知しないとしてもよい。該RRCパラメータは、例えば、PDUセッションに関する設定であってもよいし、ベアラ設定であってもよいし、論理チャネル設定であってもよい。該RRCパラメータは、SDAP設定であってもよいし、PDCP設定であってもよいし、RLC設定であってもよいし、MAC設定であってもよいし、PHY設定であってもよい。UEは、RRC_IDLEまたはRRC_INACTIVE遷移後において、設定済みのRRCパラメータを保持するとしてもよい。このことにより、基地局からUEに対するシグナリング量を削減可能となる。その結果、UEから基地局に対して迅速な測定結果報告が可能となる。
実施の形態2の本変形例2により、UEは、RRC_IDLEあるいはRRC_INAVTIVE状態における測定結果の通知を、少ない消費電力で実行可能となる。
実施の形態3.
3GPPにおいて、D2D(Device to Device)通信、V2V(Vehicle to Vehicle)通信のため、サイドリンク(SL:Side Link)がサポートされている(非特許文献1参照)。SLはPC5インタフェースによって規定される。
SLに用いられる物理チャネル(非特許文献1参照)について説明する。物理サイドリンク報知チャネル(PSBCH:Physical sidelink broadcast channel)は、システムと同期に関連する情報を運び、UEから送信される。
物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH:Physical sidelink discovery channel)は、UEからサイドリンクディスカバリメッセージを運ぶ。
物理サイドリング制御チャネル(PSCCH:Physical sidelink control channel)は、サイドリンク通信とV2Xサイドリンク通信のためのUEからの制御情報を運ぶ。
物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH:Physical sidelink shared channel)は、サイドリンク通信とV2Xサイドリンク通信のためのUEからのデータを運ぶ。
SLに用いられるトランスポートチャネル(非特許文献1参照)について説明する。サイドリンク報知チャネル(SL-BCH:Sidelink broadcast channel)は、予め決められたトランスポートフォーマットを有し、物理チャネルであるPSBCHにマッピングされる。
サイドリンクディスカバリチャネル(SL-DCH:Sidelink discovery channel)は、固定サイズの予め決められたフォーマットの周期的報知送信を有する。また、UE自動リソース選択(UE autonomous resource selection)とeNBによってスケジュールされたリソースアロケーションの両方をサポートする。UE自動リソースセレクションでは衝突リスクが有り、UEがeNBによって個別リソースをアロケーションされた時は、衝突は無い。また、HARQコンバイニングをサポートする。ただし、HARQフィードバックはサポートしない。SL-DCHは物理チャネルであるPSDCHにマッピングされる。
サイドリンク共有チャネル(SL-SCH:Sidelink shared channel)は、報知送信をサポートする。UE自動リソース選択(UE autonomous resource selection)とeNBによってスケジュールされたリソースアロケーションの両方をサポートする。UE自動リソースセレクションでは衝突リスクが有り、UEがeNBによって個別リソースをアロケーションされた時は、衝突は無い。また、HARQコンバイニングをサポートする。ただし、HARQフィードバックはサポートしない。また、送信電力、変調、コーディングを変えることによって、動的リンクアダプテーションをサポートする。SL-SCHは物理チャネルであるPSSCHにマッピングされる。
SLに用いられる論理チャネル(非特許文献1参照)について説明する。サイドリンク報知制御チャネル(SBCCH;Sidelink Broadcast Control Channel)は、一つのUEから他のUEにサイドリンクシステム情報を報知するためのサイドリンク用チャネルである。SBCCHはトランスポートチャネルであるSL-BCHにマッピングされる。
サイドリンクトラフィックチャネル(STCH;Sidelink Traffic Channel)は一つのUEから他のUEにユーザ情報を送信するための1対多のサイドリンク用トラフィックチャネルである。STCHはサイドリンク通信能力を有するUEとV2Xサイドリンク通信能力を有するUEによってのみ用いられる。2つのサイドリンク通信能力を有するUE間の1対1通信もまたSTCHで実現される。STCHはトランスポートチャネルであるSL-SCHにマッピングされる。
3GPPのNRにおいてもV2X通信のサポートが検討されている。NRにおけるV2X通信の検討が、LTEシステム、LTE-Aシステムを基にして進められているが、以下の点についてLTEシステム、LTE-Aシステムからの変更および追加が行われている。
LTEではSLのV2V通信はブロードキャスト(broadcast)のみであった。NRでは、SLのV2V通信として、ブロードキャストに加え、ユニキャスト(unicast)とグループキャスト(groupcast)のサポートが検討されている(非特許文献22(3GPP RP-182111)参照)。
図27および図28はSL通信の概念図である。図27はブロードキャスト通信を示し、図28はユニキャスト通信を示している。図27のブロードキャスト通信では、UE#1からUE#2、UE#3、UE#4へ送信が行われる。図28のユニキャスト通信では、UE#1からUE#2へ、また、UE#2からUE#1へ通信が行われる。UE#1とUE#2の間で双方向の通信が行われる。UE#1とUE#2の間の通信は、例えば、データであってもよいし、HARQのフィードバック(Ack/Nack)、CSI報告等であってもよい。
このように、NRではSLの通信にユニキャストのサポートが検討されている。ユニキャストでは、ブロードキャストと異なり双方向の通信が必要となる。たとえば、2つのUE(UE#1、UE#2)間で、UE#1からUE#2へ送信するだけでなく、UE#2からUE#1への送信が必要となる。LTEでのSLの通信はブロードキャストであったため、UE#2からUE#1への送信は不要であった。
SLの通信では通信用リソースの設定が必要となる。LTEでは、SLの通信はブロードキャストのみであったため、UE#1からUE#2への送信用リソースの設定のみあれば良かった。しかし、NRでユニキャストが行われる場合、UE#1からUE#2への送信用リソースの設定のみならず、UE#2からUE#1への送信用リソースの設定も必要となる。NRにおいてユニキャストを行うためのUE#2からUE#1への送信用リソースの設定方法は未だ決まっておらず、該設定が無いと、双方向の通信ができなくなってしまう。
本実施の形態3ではこのような問題を解決する方法を開示する。
gNBがSLでの通信用のリソースのスケジューリングを行わない場合について開示する。いいかえると、UEがスケジューリングを行う場合について開示する。
一つのUEが、ユニキャスト通信用のリソース設定を行う。一つのUEは、双方向通信用のリソース設定を行う。リソース設定は、リソースのセンシング、送信用リソースの選択、送信用リソースのリザベーションを含んでもよい。
一つのUEは、たとえば、最初にデータ送信を行うUEであってもよい。最初にデータ送信を行うUEが該データ送信を実施する前に予め、自UEの送信用のリソース設定と、ユニキャスト通信を行うUEからの送信用のリソース設定とを行う。
各UEからの送信用リソースは、各UEから送信されるデータ用リソースであってもよいし、HARQのフィードバック(Ack/Nack)、CSI報告等用のリソースであってもよい。また、各UEからの送信用リソースは、各UEから送信されるサウンディング用の信号あるいはチャネルのリソースであってもよい。データ用リソースは、初送データ用のリソース、再送データ用のリソースを含んでもよい。
ユニキャスト通信用のリソース設定を行う1つのUEは、たとえば、最初に制御用の信号あるいはチャネルを送信するUEであってもよい。制御用の信号あるいはチャネルではなく、制御用のシグナリングが送信されてもよい。すなわち、ユニキャスト通信用のリソース設定を行う1つのUEは、たとえば、最初に制御用のシグナリングを送信するUEであってもよい。
ユニキャスト通信の方法として、最初にユニキャスト通信の接続設立を開始するための制御信号あるいはチャネルあるいはシグナリングを送信してもよい。このような場合に、最初に接続設立を開始するための制御信号あるいはチャネルあるいはシグナリングを送信するUEが、ユニキャスト通信用にリソースの設定を行うとよい。
このようにすることで、ユニキャストを実施する一つのUEが双方向通信用のリソース設定を行うことになるので、リソース設定制御を簡易にすることが可能となる。また、一つのUEがユニキャスト通信のためのリソース設定を行うことになるので、リソース設定を行うUE数を低減させることが可能となる。このため、他のUEが使用するリソースとの衝突を低減させることが可能となる。
ユニキャスト通信において、HARQフィードバックに、どのデータに対するHARQフィードバックかを示す情報を付随させてもよい。HARQフィードバックに、対応するデータを特定するための情報を含めてもよい。このようにすることで、データを送信したUEは、HARQフィードバックがどのデータに対するHARQフィードバックなのかを認識することが可能となる。また、前述のように、最初にデータを送信するUEが、データに対するHARQフィードバックのリソースのリソース設定を行う場合、該データとHARQフィードバックのリソースとを関連付けておくとよい。どのデータに対するHARQフィードバックかを示す情報を省略できる。
他の方法を開示する。送信するUEが送信用のリソース設定を行う。ユニキャスト通信を行うUE各々が、自UEが送信するためのリソース設定を行う。自UEが送信するためのリソースは、データ用リソースであってもよいし、HARQのフィードバック(Ack/Nack)、CSI報告等用のリソースであってもよい。また、自UEが送信するためのリソースは、自UEが送信するサウンディング用の信号あるいはチャネルのリソースであってもよい。データ用リソースは、初送データ用のリソース、再送データ用のリソースを含んでもよい。また、自UEが送信するためのリソースは、ユニキャスト通信のための接続設立を開始するための制御信号あるいはチャネルの送信用リソースであってもよい。
HARQフィードバックの場合、HARQフィードバックを送信するUEがリソース設定を行う。このため、送信したHARQフィードバックが、どのデータに対するHARQフィードバック情報なのかを、データ送信したUEが認識できなくなる。
このような問題を解決するため、HARQフィードバックを送信する場合、該フィードバックに、対応するデータを特定するための情報を含めるとよい。情報の含め方として、たとえば、フィードバックと該データを特定するための情報とを合わせた情報を設けてもよい。あるいは、フィードバックに該データを特定するための情報をスクランブリングしてもよい。対応するデータを特定するための情報は、例えば、データを送信したUEを特定する情報、たとえば、UE識別子であってもよい。データを送信したUEは、自UEの識別子が検出されたフィードバックを、自UEが送信したデータに対するフィードバック情報であるとして認識可能となる。
他の例として、たとえば、送信するUEが、データ送信時に送信する制御情報に、データに関連付ける特定の識別子を含めておく。該データを受信したUEが、送信するHARQフィードバックに、該識別子を含めてもよい。データを送信したUEは、該識別子が検出されたフィードバックを、自UEが送信したデータに対するフィードバック情報であるとして認識可能となる。
このようにすることで、たとえHARQフィードバックを送信するUEが該フィードバック用リソースの設定を実施したとしても、データ送信UEは、データ受信UEからのHARQフィードバック情報を受信可能となる。
このようにすることで、一つのUEが他のUEの送信用リソース設定を行う必要が無くなる。このため、UE間で、送信用リソース設定に関する情報、たとえばリソースアロケーション情報等が通知不要となる。SL通信においてUE間のシグナリングを削減可能となる。また、各UEは、自UEによる送信に必要なリソース量に適したリソース設定を実施可能となる。このため、リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
他の方法を開示する。ユニキャスト通信において、所定の信号あるいはチャネルの送信用リソースと、それに対して行われるフィードバックあるいは報告等の送信用リソースとを、同一のUEが設定するとよい。所定の信号あるいはチャネルを送信するUEが、リソース設定を行ってもよい。ユニキャスト通信の遅延時間を削減可能となる。
たとえば、HARQフィードバック用リソースについては、該フィードバックに関連するデータを送信するUEが、リソース設定を実施する。例えば、UE#1がUE#2に対してデータを送信し、UE#2がUE#1に対して該データに対するHARQフィードバックを送信する。この場合、UE#1がHARQフィードバック用のリソース設定を行う。UE#1が、データ送信用リソース設定と、該データ送信に対するHARQフィードバック用リソース設定とをあわせて行う。
双方向でデータ通信が行われるような場合、たとえば、UE#1がUE#2に対してデータを送信し、UE#2がUE#1に対して該データに対するHARQフィードバックを送信し、さらに、UE#2がUE#1に対してデータを送信し、UE#1がUE#2に対して該データに対するHARQフィードバックを送信する。この場合、UE#1が送信するデータと、該データに対してUE#2が送信するHARQフィードバック用のリソース設定とは、UE#1が行う。UE#2が送信するデータと、該データに対してUE#1が送信するHARQフィードバック用のリソース設定とは、UE#2が行う。
このようにすることで、HARQフィードバックの前にHARQフィードバックを送信するUEがリソース設定を行う必要がなくなる。このため、データ送信からHARQフィードバック送信までの期間を短縮可能となる。ユニキャスト通信の遅延時間を削減可能となる。
CSI報告用のリソースについて、該CSI報告に関連する信号あるいはチャネルを送信するUEが、リソース設定を実施してもよい。例えば、UE#1がUE#2に対してCSI-RSを送信し、UE#2がUE#1に対して、CSI-RS受信結果から導出されるCSI報告を送信する。この場合、UE#1がCSI報告用のリソース設定を行う。UE#1が、CSI-RS送信用リソース設定と該CSI-RSに対するCSI報告用リソース設定とをあわせて行う。双方向の場合も同様である。
このようにすることで、CSI報告の前にCSI報告を送信するUEがリソース設定を行う必要がなくなる。このため、CSI-RS送信からCSI報告送信までの期間を短縮可能となる。ユニキャスト通信の遅延時間を削減可能となる。
他の方法を開示する。自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かを設定可能とする。自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かの判断指標として以下に5つの具体例を開示する。
(1)サービス種類。
(2)QoS。
(3)リソーススケジューリング種類。
(4)送信データ種類。
(5)送信プロトコル。
前述の(1)では、ユニキャストで通信するサービス種類に応じて、自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かを判断する。たとえば、ユニキャストで通信するサービスが、非周期的にデータ送信が行われるサービスの場合、自UEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。一方、非周期的ではなく周期的にデータ送信が行われるサービスの場合、一つのUEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。
データ送信が周期的に行われる場合、データ送信の発生タイミングを導出しやすくなる。このため、送信用リソースの設定を一つのUEが行うことが容易になり、制御を簡易にすることが可能となる。
前述の(2)では、ユニキャストで通信するサービスのQoSに応じて、自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かを判断する。たとえば、ユニキャストで通信するサービスのQoSとして要求される低遅延特性が所定の閾値よりも大きい場合、自UEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。一方、要求される低遅延特性が所定の閾値以下の場合、一つのUEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。
低遅延特性が要求されるサービスの場合、一つのUEが送信用リソース設定を行うことで、低遅延特性をより向上させることが可能となる。低遅延特性が要求されないサービスの場合、自UEが送信用リソース設定を行うことで、リソース使用効率をより向上させることが可能となる。
QoSとして低遅延特性を例示した。しかし、他の例として、QoSは、パケットエラーレート等の信頼性、補償ビットレート等のスルーレート、パケット毎の優先順位等の優先順位などであってもよい。パケット毎の優先順位は、たとえば、PPPP(ProSe Per Packet Priority)であってもよい。
前述の(3)では、SLでの通信に用いるリソーススケジューリング種類に応じて、自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かを判断する。たとえば、リソーススケジューリングがダイナミックスケジューリングの場合、自UEが送信用リソースの設定を実施し、SPS(semi-persistent scheduling)や、設定済グラント(configured grant)のように予めリソーススケジューリングタイミングが設定されている場合、一つのUEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。
リソーススケジューリングがダイナミックに行われる場合、自UEが送信用リソースの設定を行うことで、リソースの使用効率を向上させることが可能となる。一方、リソーススケジューリングタイミングが設定されるような場合、該送信リソースの設定を一つのUEが行うことが容易になり、制御を簡易にすることが可能となる。
前述の(4)では、送信データ種類に応じて、自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かを判断する。たとえば、制御プレインの送信、制御情報の送信、あるいは制御シグナリングの送信の場合、自UEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。一方、ユーザプレインの送信、あるいはデータの送信の場合、一つのUEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。
制御に関する送信の場合、該送信の発生タイミングはダイナミックに生じる場合が多い。このため、自UEが送信用リソースの設定を行うことで、リソースの使用効率を向上させることが可能となる。一方、データ送信の場合、該送信の発生タイミングは予め設定されている場合が多い。このため、一つのUEが送信用リソースの設定を行うことが容易になり、制御を簡易にすることが可能となる。
前述の(5)では、送信プロトコルスタックに応じて、自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かを判断する。たとえば、RRCによる送信の場合、自UEが送信用リソースの設定を実施し、PHYあるいはMACによる送信の場合、一つのUEが送信用リソースの設定を実施するとしてもよい。
RRCによる送信の場合、送信回数が複数回になる場合や、送信のために要求される遅延特性が緩い場合がある。このため、自UEが送信用リソースの設定を行うことも可能である。一方、PHYあるいはMACによる送信の場合、送信回数が少なく、低遅延特性が要求される場合がある。このため、一つのUEが送信用リソースの設定を行うことで、低遅延特性を得ることが可能となる。
前述は単に例示であってこれに限らず該判断指標に応じて適宜設定を行ってもよい。
自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かの設定は、予め規格等で静的に決めておいてもよい。また、該設定をgNBがUEに対して通知してもよい。通知方法は、報知であってもよいし、個別の通知であってもよい。個別に通知する場合、たとえば、RRCシグナリング、MACシグナリング、あるいは、L1/L2制御シグナリングを用いてもよい。また、自UEが送信用リソースの設定を実施するか否かが、UE内に予め設定されてもよい。たとえば、設定情報がUE内SIMに予め設定(pre-configured)されてもよい。また、設定方法をUE間で通知してもよい。
前述の方法を適宜組み合わせてもよい。たとえば、ユニキャスト通信を実施するにあたって、接続要求処理では送信を行うUEの各々が送信用のリソース設定を行い、データ送信とフィードバック送信処理では一つのUEがリソース設定を行う。このようにすることで、各処理や送信する信号やチャネル毎に適した効果を得ることが可能となる。
このようにすることで、UEがスケジューリングする場合に、ユニキャスト通信用に対向する各UEからの送信用リソースの設定が可能となり、双方向の通信を可能とする。UEがスケジューリングすることで、UEがgNBのカバレッジ内に存在している場合も、カバレッジ内に存在していない場合にも、開示した方法を適用することができる。それにより、ユニキャスト通信用に対向する各UEからの送信用リソースの設定が可能となり、双方向の通信を可能とする。
gNBがSLのスケジューリングを行う場合について開示する。
gNBが、送信する各UEに対して送信用のリソース設定を通知する。各UEは、gNBから通知されたリソース設定に従ってリソースを設定し、該リソースで送信を行う。
ユニキャスト通信を行うUEはgNBに対して、SRおよび/あるいはBSRを送信してもよい。gNBは、各UEから受信したSRおよび/あるいはBSRに応じて、UEに対して送信用リソースの設定を行う。各UEからgNBに送信するSRおよび/あるいはBSRは、Uuインタフェース上で行われる。gNBは予めUEに対して、SRおよび/あるいはBSR送信用のリソース設定を通知しておくとよい。このようにすることで、ユニキャストを行う各UEに対して、送信用リソースの設定が可能となる。
SLにおける制御信号/チャネルあるいは制御シグナリングの送信用のリソース設定を、予めgNBがユニキャスト通信を行うUEに対して通知しておいてもよい。たとえば、ユニキャスト通信において、UE間で接続要求処理が実施される場合、該接続要求用の制御信号/チャネルあるいは制御シグナリングの送信用のリソース設定を、予めgNBがUEに対して通知する。このようにすることで、ユニキャストのデータ送信が実施される前の処理用にリソースを設定可能とする。
他の方法を開示する。gNBが一つのUEに対して、双方向の送信用のリソース設定を通知する。gNBは該UEに対して、ユニキャスト通信の送信先UEを示す情報を送信してもよい。gNBは該UEに対して、送信用リソース設定と、該送信を行うUEの識別子とを関連付けて送信してもよい。該リソース設定を通知されたUEは、ユニキャスト通信の送信先UEに対して、gNBから通知されたリソース設定を通知する。各UEは、通知されたリソース設定に従ってリソースを設定し、該リソースで送信を行う。
ユニキャスト通信を行うUEはgNBに対して、SRおよび/あるいはBSRを送信してもよい。UEはgNBに対して、ユニキャスト通信の送信先UEを示す情報を送信してもよい。該情報はUE識別子であってもよい。該情報はSRおよび/あるいはBSRに含めて通知してもよい。SRおよび/あるいはBSRの送信方法は前述の方法を適用してもよい。gNBは、SRおよび/あるいはBSRを送信したUEから、ユニキャスト通信を行う対向するUEを検出し、どちらか1つのUEに対して双方向の送信用のリソース設定を通知するとよい。
ユニキャスト通信の送信先UEの送信用リソース設定は、ブラインドで設定してもよい。UEが該設定を、送信先UEからBSRを受信するまでの間、ブラインドで設定してもよい。gNBが送信先UEのSRおよび/あるいはBSRを受信しなくても、送信用リソースの設定が可能となる。言い換えると、送信先UEからのSRおよび/あるいはBSRを不要とする。ユニキャスト通信の制御を簡略化でき、また、シグナリング量を削減できる。
このようにすることで、ユニキャストを行う各UEに対して送信用リソースの設定が可能となる。
本実施の形態3で開示した方法とすることで、ユニキャスト通信における各UEの送信用リソースの設定が可能となる。このため、ユニキャスト通信を可能とする。また、データ送信や所定の信号あるいはチャネルの送信用リソースと、それに対して行われるフィードバックあるいは報告等の送信用リソースとを、設定可能となる。このため、ユニキャスト通信の通信品質を向上させることが可能である。
UEは、SLでの通信に使用可能なリソースを判断するため、リソースのセンシングを行う(非特許文献27)。従来のLTEのSLはブロードキャストのみであったため、初送(繰返し送信(repetition)を含む)しかなく再送が無かった。しかし、ユニキャスト通信では再送が発生する。このように、再送が発生するような場合のセンシング方法は不明であり、ユニキャスト通信を可能とするため新たなセンシング方法が求められる。ここでは、ユニキャスト通信用のリソースセンシング方法を開示する。
リソースセンシングにおいて、ユニキャスト通信に用いるリソースの候補から除外するリソースとして、初送用のリソースに加え再送用のリソースを含める。また、初送用のリソースに加えてフィードバック用のリソースを含めてもよい。また、他の信号あるいはチャネルあるいはシグナリング用のリソースを含めてもよい。
リソースセンシングにおいて、前述のような、初送用、再送用、フィードバック用、他の信号/チャネルあるいはシグナリング用に設定されているリソースを全て除外しなくてもよい。たとえば、除外のための閾値を設けてもよい。たとえば、受信電力の閾値を設ける。UEは、これらリソースの受信電力を測定し、測定値が該閾値よりも大きいリソースを除外してもよい。測定する指標を受信電力としたが、受信強度としてもよい。これに限らず他の指標を用いてもよい。
閾値はリソース用途毎に決められてもよい。たとえば、初送用リソースと再送用リソースの除外用閾値を同じとし、フィードバック用リソースの除外用閾値を異ならせてもよい。たとえば、FB信号は閾値を低くしてUE間の干渉を低減してもよい。このようにすることで、他UEからの干渉を信号によって異ならせることが可能となる。
UEはSLでの送信時、CR(Channel occupied Ratio)を評価する(非特許文献27)。CRはUEが使用するリソースの割合である。具体的には、CRは、送信決定前後合わせた所定の数のサブフレームにおいて、送信に用いられた/用いるサブチャネルの割合である。従来のLTEのSLはブロードキャストのみであったため、初送(繰返し送信(repetition)を含む)しかなく再送が無かった。このため、CRでは初送に用いられた/用いるサブチャネルの割合が導出された。
しかし、ユニキャスト通信では再送が発生する。このように、再送が発生するような場合のCR評価方法は不明であり、ユニキャスト通信を可能とするため新たなCR評価方法が求められる。ここでは、ユニキャスト通信用のCR評価方法を開示する。
CRを評価するUEについて開示する。ユニキャスト通信においては対向するUE間で双方向の通信が行われる。ユニキャスト通信においては、データあるいはフィードバック等を送信するUEが、CRの評価を行う。このようにすることで、UEは、設定したあるいは設定されたリソースで、データあるいはフィードバック等をどの程度送信したらよいかを判断可能となる。CRに関連して予め設定された通信量となるよう送信を制御可能となる。
他の方法を開示する。ユニキャスト通信においては、リソース設定を行うUEがCRを評価する。このようにすることで、リソース設定時に、CRに関連して予め設定された通信量となるよう、リソースの選択あるいはリソースリザベーションを実施可能となる。このようにCRを導出することで、リソース設定時のUE間の混雑回避を実行可能となる。
CRの導出方法について開示する。ユニキャスト通信においては、初送(繰返し送信を含む)に用いられた/用いるサブチャネルの割合を導出する。ユニキャスト通信では再送が発生することになるが、再送を行うか否かは通信品質に左右される。常時再送が発生するとは限らず、将来(たとえば送信決定後)の発生回数は不確定になる。このように再送を含めないことで、不確定な要素を削減することが可能となる。
CRを用いた送信制御において、UEはCRに関連して予め設定された通信量となるよう送信を制御する。再送あるいはフィードバックの影響については、該CRに関連して予め設定される通信量に入れ込むようにしてもよい。たとえば、将来の送信においては、平均再送回数あるいは最大再送回数、平均フィードバック回数あるいは最大フィードバック回数に用いるサブチャネルの割合を考慮して、該CRに関連して予め設定される通信量を設定するとよい。このようにすることで、再送あるいはフィードバックの影響を入れ込むことができる。
他の方法を開示する。初送かつ再送に用いられた/用いるサブチャネルの割合を導出する。または、初送かつフィードバックに用いられた/用いるサブチャネルの割合を導出してもよい。または、初送かつ再送かつフィードバックに用いられた/用いるサブチャネルの割合を導出してもよい。将来の再送あるいはフィードバックについては、リソースリザベーションされたサブチャネルとしてもよい。
あるいは、再送あるいはフィードバックの将来の発生回数については、所定の回数を予め設定してもよい。該所定の回数は、たとえば、平均再送回数あるいは最大再送回数、平均フィードバック回数あるいは最大フィードバック回数としてもよい。また、たとえば、通信品質に応じて将来の発生回数を設定してもよい。たとえば、通信品質が所定の値よりも悪い場合は将来の発生回数の回数を大きく設定し、通信品質が所定の値よりも良い場合は将来の発生回数を小さく設定する。
このようにすることで、CR導出時に再送あるいはフィードバックの影響を入れ込むことができるため、制御を容易にすることができる。ユニキャスト通信において、このようなCR評価方法を用いることで、再送が発生するような場合にもCR評価が可能となり、UE間の混雑回避の制御を可能とする。
NRではパケット複製がサポートされる。ここでは、ユニキャスト通信を用いたパケット複製の方法を開示する。ユニキャスト通信において対向するUEの各々が、ユニキャスト通信用のリソース設定を行う。たとえば、データを送信するUEがリソース設定を行うとともに、データを受信するUEがリソース設定を行う。これら2つのリソース設定を用いてデータ送信を行う。UEはこれら2つのリソース設定を用いてパケット複製によるデータ送信を行う。
たとえば、UE#1がUE#2にデータ送信を行う場合について開示する。UE#1はデータ送信用のリソース設定を行う。また、UE#1はUE#2に対して、データ送信用のリソース設定を要求する。データ送信用リソース設定要求シグナリングを設けて通知してもよい。この要求はUE#1がデータ送信用リソース設定を行う前に実施してもよい。該要求に、リソース設定に必要な情報を含めるとよい。
リソース設定に必要な情報として、QoS、優先順位、データ発生タイミング、データ発生周期、バッファステータス等がある。また、該情報に、要求を送信したUEの識別子を含めてもよい。リソース設定要求を受信したUE#2は、該情報を用いてリソース設定を行う。UE#2は、設定したリソース設定をUE#1に通知する。
このようにすることで、UE#1は、自UEと、対向するUE#2とが設定したリソース設定を認識可能となる。UE#1は、PDCPでパケット複製を行う。UE#1は、複製したパケットの一つを自UEが設定したリソースで送信し、他のパケットをUE#2が設定したリソースで送信する。リソース設定毎にLCHを設定してもよい。UE#1は、複製したパケットを異なるLCHにマッピングし、一つのLCHを自UEが設定したリソースで送信し、他のLCHをUE#2が設定したリソースで送信する。
このようにすることで、UE#1からUE#2に送信するデータをパケット複製し、複製したパケットを、UE#1が設定したリソースと、UE#2が設定したリソースとを用いて送信することが可能となる。
UE#1でのリソース設定において、UE#1がリソースセンシングおよびリソース選択を行う。また、UE#2でのリソース設定において、UE#2がリソースセンシングおよびリソース選択を行う。UE#1がリソースセンシングおよびリソース選択したリソースは、UE#2がリソースセンシングおよびリソース選択したリソースと異なる。これは、UE#1とUE#2の位置が異なるため、周辺の他のUEの存在状況が異なることが一因である。周辺の他のUEの存在状況が異なるため、使用されているリソースの状況も、UE#1とUE#2とで異なるためである。
したがって、UE#1が設定したリソースと、UE#2が設定したリソースとでは、通信品質が異なることになる。これら通信品質の異なるリソースを、パケット複製されたデータ送信に用いることによって、複製されたパケットデータの送達確率を高めることが可能となる。通信の信頼性を向上させることが可能となる。
実施の形態3の変形例1.
LTEではSLの通信はブロードキャストのみであり、ユニキャストと異なり2つのUE間で通信をするわけでは無かった。いいかえると、LTEでは2つのUE間の通信は接続無し(Connectionless)の通信であった。NRではSLの通信としてユニキャストが検討されている。SLのユニキャスト用に2つのUE間で接続を設立して通信することが提案されているが、しかし、その接続設立方法は不明である。このためユニキャスト通信までの処理が不明である。本変形例1ではこのような問題を解決するための方法を開示する。
ユニキャストでの通信内容の例について開示する。ユニキャスト通信は、一方向のデータあるいはRSの送信と、それに対する応答送信のみで構成されてもよい。該データ送信はユーザプレインのデータ送信としてもよい。たとえば、データとそれに対するフィードバック、あるいはデータとSRS、あるいはCSI-RSとそれに対するCSI報告、あるいはSRSとそれに対するSRIなどによって、ユニキャスト通信が構成されてもよい。これらを組合せてもよい。
ユニキャストでの通信内容の他の例について開示する。ユニキャスト通信は、双方向のデータあるいはRSの送信と、それに対する応答送信で構成されてもよい。該データ送信はユーザプレインのデータ送信としてもよい。たとえば、双方向のデータとそれに対するフィードバック、あるいは双方向のデータとSRS、あるいは双方向のCSI-RSとそれに対するCSI報告、あるいは双方向のSRSとそれに対するSRIなどによって、ユニキャスト通信が構成されてもよい。これらを組合せてもよい。
SLのユニキャスト用に2つのUE間でのユニキャスト通信までの処理方法を開示する。UEが送信の意思を示すための信号/チャネルを設ける。UEが送信の意思を示すためのシグナリングを設けてもよい。制御用の信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。制御プレインの信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。SLでの送信が発生したUEは、送信の意思を示すための信号/チャネルを送信する。該信号/チャネルはブロードキャストで送信してもよい。該信号/チャネルに含める情報として以下に6つの具体例を示す。
(1)送信の意思を示す情報。
(2)サービスに関する情報。
(3)ターゲットUE(双方向通信の対向するUE)に関する情報。
(4)ソースUE(自UE)に関する情報。
(5)応答用リソース設定に関する情報。
(6)(1)から(5)の組合せ。
前述の(2)のサービスに関する情報は、サービスを特定するための識別子であってもよい。前述の(2)の情報は、サービスのQoSに関する情報を含んでもよい。前述の(2)の情報は、優先順位に関する情報を含んでもよい。
前述の(3)のターゲットUEに関する情報は、UEの識別子であってもよい。前述の(3)の情報は、双方向通信の対向するUEを特定するための情報であればよい。前述の(3)の情報は、一つまたは複数のターゲットUEに関する情報を含んでもよい。前述の(3)の情報は、ターゲットUEが含まれるグループの情報であってもよい。たとえば、グループの識別子であってもよい。
前述の(4)のソースUEに関する情報は、UEの識別子であってもよい。前述の(4)の情報は、該信号/チャネルを送信するUEを特定するための情報であればよい。前述の(4)の情報は、UEの状態を示す情報であってもよい。該情報は、たとえば、UEの位置情報、移動速度情報などであってもよい。前述の(4)の情報は、グループ情報であってもよい。該情報は、ソースUEが含まれるグループの情報であってもよい。該情報は、たとえば、グループの識別子であってもよい。
前述の(5)の応答用リソース設定に関する情報は、該信号/チャネルに対してターゲットUEからソースUEに対して送信する応答信号/チャネル用のリソース設定情報とするとよい。前述の(5)の情報は、リソースアロケーションなどのスケジューリング情報を含んでもよい。応答用リソース設定をターゲットUEが実施する場合は、該情報を省略してもよい。
送信の意思を示すための信号/チャネルを新たに設けてもよい。他の方法として、D2D通信で用いられていたPSBCHを用いてもよい。PSBCHの報知情報として、前述の情報を含めてもよい。SLでの送信が発生したUEは、送信の意思を示すため、前述の情報を含めたPSBCHを送信する。
他の方法として、D2D通信で用いられていたPSDCHを用いてもよい。PSDCHに前述の情報を含めてもよい。SLでの送信が発生したUEは、送信の意思を示すため、前述の情報を含めたPSDCHを送信する。
送信の意思を示すための信号/チャネルは、周期的に送信してもよい。該信号/チャネルは、所定の期間あるいは回数だけ周期的に送信してもよい。所定の期間あるいは回数送信しても、該信号/チャネルに対する応答信号/チャネルを受信しなかった場合、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信を停止してもよい。あるいは、再度所定の期間あるいは回数だけ周期的に送信してもよい。所定の再送回数あるいは再送のための期間、該信号/チャネルに対する応答信号/チャネルを受信しなかった場合、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信を停止してもよい。また、該信号/チャネルに対する応答信号/チャネルを受信した場合は、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信を停止してもよい。
送信の意思を示すための信号/チャネルの送信を停止する条件として、該信号/チャネルに対する応答信号/チャネルを受信しなかった場合を例示したが、対向UEを検出できなかった場合を該停止条件としてもよい。複数のUEが存在を示すための信号/チャネルを送信し、ソースUEが対向UEを該UEの中から検出するような場合に有効である。
該周期、該所定の期間あるいは回数、所定の再送回数あるいは再送のための期間は、規格等であらかじめ静的に決めてもよい。あるいは、該周期等をgNBがUEに対して通知してもよい。あるいは、UEが該周期等を決定してもよい。UEにおいて上位レイヤが該周期等を決定してもよい。
UEが存在を示すための信号/チャネルを設ける。UEが存在を示すためのシグナリングを設けてもよい。制御用の信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。制御プレインの信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。UEは、ソースUEからの送信の意思を示すための信号/チャネルを受信し、該信号/チャネルに含まれる情報から、ソースUEを対向するUEであると判断した場合、該信号/チャネルに対する応答信号/チャネルとして、UEの存在を示すための信号/チャネルを送信する。UEの存在を示すための信号/チャネルはブロードキャストで送信してもよい。UEの存在を示すための信号/チャネルに含める情報として以下に5つの具体例を示す。
(1)存在を示す情報。
(2)サービスに関する情報。
(3)ターゲットUE(自UE)に関する情報。
(4)ソースUE(双方向通信の対向するUE)に関する情報。
(5)(1)から(4)の組合せ。
前述の(1)の存在を示す情報は、送信の意思を示すための信号/チャネルのターゲットとなるUEであることを示す情報としてもよい。該情報を明示して通知することで信頼性を向上させることができる。前述の(3)のターゲットUEは自UEである。前述の(4)のソースUEは双方向通信の対向するUE、言い換えると送信の意思を示すための信号/チャネルを送信したUEである。
前述の(3)のターゲットUE(自UE)に関する情報は、UEの識別子であってもよい。前述の(3)の情報は、該信号/チャネルを送信するUEを特定するための情報であればよい。前述の(3)の情報は、UEの状態を示す情報であってもよい。該情報は、たとえば、UEの位置情報、移動速度情報などであってもよい。前述の(3)の情報は、グループ情報であってもよい。該情報は、自UEが含まれるグループの情報であってもよい。該情報は、たとえば、グループの識別子であってもよい。
前述の(4)のソースUEに関する情報は、UEの識別子であってもよい。前述の(4)の情報は、双方向通信の対向するUEを特定するための情報であればよい。前述の(4)の情報は、グループ情報であってもよい。該情報は、ソースUEが含まれるグループの情報であってもよい。該情報は、たとえば、グループの識別子であってもよい。
UEが存在を示すための信号/チャネルを新たに設けてもよい。他の方法として、PSCCHを用いてもよいし、PSSCHを用いてもよい。PSCCHとPSSCHをあわせて用いてもよい。たとえば、UEの存在を示すための信号/チャネルに含める情報を、PSCCHに含めて送信してもよい。また、たとえば、UEの存在を示すための信号/チャネルに含める情報の一部または全部を、PSSCHに含めて送信し、該PSSCHのスケジューリング情報と、UEの存在を示すための信号/チャネルに含める情報の残りとを、PSCCHに含めて通知してもよい。
該信号/チャネルの送信のためのリソース設定は、送信の意思を示すための信号/チャネルに含まれる応答用リソース設定に関する情報を用いてもよい。または、ターゲットUEが該信号/チャネル用にリソース設定を行ってもよい。応答用リソース設定に関する情報が含まれない場合に有効である。
接続要求のためのシグナリングを設ける。接続要求のための信号/チャネルを設けてもよい。制御用の信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。制御プレインの信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。SLでの送信が発生したUEは、ユニキャストを行う対向するUEに対して、ユニキャストのための接続要求シグナリングを送信する。接続要求に含める情報として以下に6つの具体例を示す。
(1)接続要求であることを示す情報。
(2)サービスに関する情報。
(3)ターゲットUE(双方向通信の対向するUE)に関する情報。
(4)ソースUE(自UE)に関する情報。
(5)接続要求応答用リソース設定に関する情報。
(6)(1)から(5)の組合せ。
前述の(3)のターゲットUEに関する情報は、UEの識別子であってもよい。前述の(3)の情報は、双方向通信の対向するUEを特定するための情報であればよい。前述の(3)の情報は、一つのターゲットUEに関する情報とするとよい。
前述の(5)の接続要求応答用リソース設定に関する情報は、接続要求に対してターゲットUEからソースUEに対して送信する接続要求応答シグナリングのリソース設定情報とするとよい。前述の(5)の情報は、リソースアロケーションなどのスケジューリング情報を含んでもよい。接続要求応答用リソース設定をターゲットUEが実施する場合は、該情報を省略してもよい。
接続要求のための信号/チャネルを新たに設けてもよい。他の方法として、PSCCHを用いてもよいし、PSSCHを用いてもよい。PSCCHとPSSCHをあわせて用いてもよい。たとえば、接続要求に含める情報を、PSCCHに含めて送信してもよい。
あるいは、接続要求に含める情報を、RRCシグナリングで通知してもよいし、MACシグナリングで通知してもよい。たとえば、接続要求に含める情報の一部または全部を、PSSCHに含めて送信し、該PSSCHのスケジューリング情報と、接続要求に含める情報の残りとを、PSCCHに含めて通知してもよい。
接続要求シグナリングの送信方法に、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信方法を適用してもよい。
接続要求応答シグナリングを設ける。接続要求応答のための信号/チャネルを設けてもよい。制御用の信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。制御プレインの信号/チャネルあるいはシグナリングを設けてもよい。ユニキャストの対向するUEは、ソースUEからの接続要求シグナリングを受信した場合、接続要求応答シグナリングを送信する。接続要求応答に含める情報として以下に7つの具体例を示す。
(1)接続要求応答に関する情報。
(2)サービスに関する情報。
(3)ターゲットUE(自UE)に関する情報。
(4)ソースUE(双方向通信の対向するUE)に関する情報。
(5)スケジューリングリクエスト(SR)。
(6)BSR(Buffer Status Report)。
(7)(1)から(6)の組合せ。
前述の(1)の接続要求応答に関する情報として、許可応答、あるいは、拒絶応答などがある。前述の(1)の情報は、理由情報を含んでもよい。あるいは、前述の(1)の情報は、Ack、Nack情報としてもよい。拒絶応答、あるいは、Nack情報を設けることで、ターゲットUEの負荷状況やケーパビリティに応じて、ターゲットUEが接続を実施するか否かを判断することが可能となる。
前述の(5)のスケジューリングリクエストは、ターゲットUEからソースUEに対して送信するデータが存在する場合、あるいは発生する可能性が有る場合に通知するとよい。
前述の(6)のBSRについては、ターゲットUEからソースUEに対して送信するデータが存在する場合、あるいは発生する可能性が有る場合、バッファしているデータ容量を通知するとよい。あるいは、送信を必要とするデータ量を通知してもよい。バッファしているデータ容量として、SL用のユーザプレインのプロトコルにバッファしているデータ容量を利用するとよい。たとえば、SL用のPDCPおよび/またはSL用のRLCでバッファしているデータ容量を利用するとよい。
前述の(5)および/あるいは(6)を受信したソースUEは、ターゲットUEに対して、データ送信用のリソース設定を実行するか否か判断可能となる。また、ソースUEは、リザベーションするリソース量を判断可能となる。
接続要求応答のための信号/チャネルを新たに設けてもよい。他の方法として、PSCCHを用いてもよいし、PSSCHを用いてもよい。PSCCHとPSSCHをあわせて用いてもよい。たとえば、接続要求応答に含める情報を、PSCCHに含めて送信してもよい。
あるいは、接続要求応答に含める情報を、RRCシグナリングで通知してもよいし、MACシグナリングで通知してもよい。たとえば、接続要求応答に含める情報の一部または全部を、PSSCHに含めて送信し、該PSSCHのスケジューリング情報と、接続要求応答に含める情報の残りとを、PSCCHに含めて通知してもよい。
接続要求応答のためのリソース設定に、接続要求シグナリングに含まれる接続要求応答用リソース設定に関する情報を用いてもよい。または、ターゲットUEが接続要求応答用にリソース設定を行ってもよい。接続要求応答用リソース設定に関する情報が含まれない場合に有効である。
データ送信用スケジューリングのための信号/チャネルを設ける。SLでの送信が発生したUEは、データ送信用スケジューリングのための信号/チャネルを送信する。該信号/チャネルに含める情報として以下に5つの具体例を示す。
(1)データおよび/あるいはフィードバック送信用リソーススケジューリング情報。
(2)サービスに関する情報。
(3)ターゲットUE(双方向通信の対向するUE)に関する情報。
(4)ソースUE(自UE)に関する情報。
(5)(1)から(4)の組合せ。
前述の(1)のデータおよび/あるいはフィードバック送信用リソーススケジューリング情報として、ソースUEからターゲットUEへの送信用リソースアロケーション情報、および/あるいは、ターゲットUEからソースUEへの送信用リソースアロケーション情報を含めるとよい。該リソースアロケーション情報として、データ送信用のリソースアロケーション情報、および/あるいは、フィードバックあるいは報告等の送信用リソースアロケーション情報を含めてもよい。データ送信は、初送データの送信に限らず、繰返し送信、再送データの送信であってもよい。これらの情報を適宜組合せて、データおよび/あるいはフィードバック送信用スケジューリング情報に含めるとよい。
データ送信用スケジューリング情報を送信するための信号/チャネルを新たに設けてもよい。他の方法として、PSCCHを用いてもよい。たとえば、接続要求応答に含める情報を、PSCCHに含めて送信してもよい。
あるいは、接続要求応答に含める情報を、RRCシグナリングで通知してもよいし、MACシグナリングで通知してもよい。たとえば、接続要求応答に含める情報の一部または全部を、PSSCHに含めて送信し、該PSSCHのスケジューリング情報と、接続要求応答に含める情報の残りとを、PSCCHに含めて通知してもよい。
データ送信用スケジューリング情報の送信方法に、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信方法を適用してもよい。
データ送信用信号/チャネルを設ける。SLでの送信が発生したUEは、データ送信用信号/チャネルを送信する。データ送信用信号/チャネルの送信は、データ送信用スケジューリング情報に従って行われてもよい。データ送信用信号/チャネルに含める情報として以下に7つの具体例を示す。
(1)データ。
(2)RS。
(3)Ack/Nack。
(4)CSI。
(5)SR。
(6)BSR。
(7)(1)から(6)の組合せ。
前述の(2)のRSは、データ復調用のRSであってもよい。あるいは、前述の(2)のRSは、チャネル評価用のRSであってもよく、たとえば、CSI-RS、SRSであってもよい。あるいは、前述の(2)のRSは、ポジショニング用のRSであってもよい。RSは、データが含まれるチャネルとは別に送信してもよい。(3)のAck/Nack、(4)のCSI、(5)のSR、(6)のBSRはそれぞれ、単独で送信してもよいし、データと組み合わせて送信してもよい。(3)のAck/Nack等をデータとピギーバックして、データ送信用チャネルで送信してもよい。
データ送信用信号/チャネルを新たに設けてもよい。他の方法として、PSSCHを用いてもよい。
図29は、SLのユニキャスト用の2つのUE間でのユニキャスト通信までのシーケンスの第1例である。図29は、UE_Aにおいて、UE_BへのSLでの送信データが発生した場合について示している。UE_AとUE_Bとの間でユニキャストの双方向通信が行われる。ユニキャスト通信までのシーケンスとして、対向UE検出フェーズと、接続設立フェーズと、データ送信フェーズとを設けてもよい。
図29の例では、対向UE検出フェーズは、ステップST5103からステップST5106までのシーケンスからなる。接続設立フェーズはステップST5107からステップ5108までのシーケンスからなる。データ送信フェーズはステップST5110からステップST5112までのシーケンスからなる。データ送信フェーズでユニキャスト通信が行われる。
対向UE検出フェーズおよび/または接続設立フェーズは、制御プレインの処理としてもよい。対向UE検出フェーズおよび/または接続設立フェーズの通信には、制御プレインのシグナリングを用いてもよい。SL用のRRCプロトコルを設けてもよい。対向UE検出フェーズおよび/または接続設立フェーズは、SL用RRCプロトコルでの処理としてもよい。このように制御用の処理とすることで、2つのUE間でのユニキャスト通信までの制御処理を容易にすることができる。
ステップST5101で、UE_Aにおいて、UE_BへのSLでの送信データが発生する。ステップST5102で、UE_Aは、送信の意思を示すための信号/チャネル送信用のリソースのセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行う。この際、UE_Aは、存在を示すための信号/チャネル用のリソースのセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行ってもよい。
ステップST5103で、UE_Aは送信の意思を示すための信号/チャネルを送信する。UE_Aは該信号/チャネルをブロードキャストで送信してもよい。これにより、UE_Aは送信データがあることを示すことができる。ステップST5104で、UE_Bは、UE_Aからの送信の意思を示すための信号/チャネルを受信し、それに含まれる情報から、UE_Aがターゲットあるいはターゲット候補であることを検出する。
ステップST5105で、UE_BはUE_Aに対して存在を示すための信号/チャネルを送信する。該信号/チャネルにソースUEの識別子情報を含めることで、該信号/チャネルがUE_Aに対する送信であることを示してもよい。あるいは、存在を示すための信号/チャネルの送信用リソースの設定に、ステップST5103で通知された存在応答用のリソース設定情報を用いることで、該信号/チャネルがUE_Aに対する送信であることを示してもよい。
複数のUEがターゲット候補となってもよく、複数のUEがUE_Aに対して存在を示すための信号/チャネルを送信してもよい。
ステップST5106で、UE_Aはユニキャストの双方向通信の対向UEを検出する。UE_Aは一度検出したUEを記憶しておいてもよい。UE_Aは一度検出したUEを、所定の期間、記憶してもよい。たとえば、UE_Aは、所定の期間内に対向UEを検出できなかった場合は、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信を停止してもよい。前述の方法を適用してもよい。また、UE_Aは、対向UEを検出した場合、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信を停止してもよい。
ステップST5107で、UE_Aは、対向するUE_Bに対して接続要求を送信する。該接続要求を受信したUE_Bは、ステップST5108でUE_Aに対して接続要求応答を送信する。図29の例では、UE_Bは接続要求応答として接続許可情報を通知する。接続要求用のリソースとして、ステップST5102でリザーブしたリソースを用いてもよい。接続要求応答用のリソースとして、ステップST5102でリザーブした存在応答用のリソースを用いてもよい。接続設立処理のためのリソース設定処理を省略することが可能となる。
UE_Aは、接続要求を送信する前に、新たに、接続要求用のリソースおよび接続要求応答用のリソースのセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行ってもよい。接続設立処理に適したリソース設定が可能となる。
ステップST5110で、UE_AはUE_Bに対して、データ送信用スケジューリングのための信号/チャネルを送信する。データ送信用スケジューリング情報を、PSCCHに含めて通知する。ステップST5111で、UE_Bは、自UE宛のデータ送信用スケジューリング情報が含まれるPSCCHを検出する。ステップST5112で、UE_Bは、検出したPSCCHに含まれるデータ送信用スケジューリング情報に従って、UE_Aからのデータを受信する。
また、ステップST5112で、UE_Bは、UE_Aから受信したデータに対するHARQフィードバックを、UE_Aに対して送信してもよい。UE_Bは、検出したPSCCHに含まれるフィードバック用スケジューリング情報に従って、フィードバックを送信する。
この他に、ステップST5112で、UE_BはUE_Aに対して、CSI報告を送信してもよい。また、UE_BはUE_Aに対して、データを送信してもよい。UE_Bは、検出したPSCCHに含まれる、UE_BからUE_Aへのリソーススケジューリング情報に従って、より具体的にはCSI報告用リソーススケジューリング情報、あるいは、データ送信用リソーススケジューリング情報に従って、CSIあるいはデータを送信する。UE_AからUE_Bに対して送信するHARQフィードバックやCSI報告、あるいは再送データも同様に送信するとよい。
UE_Aは、データ送信用リソーススケジューリング情報を送信する前に、新たに、ステップST5109で、ステップST5110のデータ送信用リソーススケジューリング用のリソース、および、ステップST5112のユニキャスト通信用のリソースのセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行ってもよい。ユニキャスト通信に適したリソース設定が可能となる。
データ送信用リソーススケジューリング用のリソースおよびユニキャスト通信用のリソースに、ステップST5102や接続要求前にリザーブしたリソースを用いてもよい。リソース設定処理を省略することが可能となる。
一つのUEがリソース設定を行う場合について、データ送信用スケジューリング方法を開示する。
UE_AはUE_Bに対して、初送データ送信に関連するPSCCHで、UE_AからUE_Bへ送信するための初送用のリソーススケジューリング情報と、フィードバック用のリソーススケジューリング情報と、再送用のリソーススケジューリング情報とを通知する。
また、UE_AはUE_Bに対して、UE_BからUE_Aへ送信するための初送用のリソーススケジューリング情報と、フィードバック用のリソーススケジューリング情報と、再送用のリソーススケジューリング情報とを通知する。これらの情報は、UE_AからUE_Bに対して行われる初送データ送信に関連するPSCCHで通知してもよい。
UE_BからUE_Aへ送信するための初送用のリソーススケジューリング情報と、フィードバック用のリソーススケジューリング情報と、再送用のリソーススケジューリング情報について、UE_BからUE_Aに対してSRあるいはBSRが通知された後に、UE_AからUE_Bにリソース設定および/または通知が行われてもよい。UE_Bで送信データ発生が無いときにリソース設定を行わなくて済む。このため、リソース使用効率を向上させることが可能となる。
一つのUEが双方向の送信用リソース設定を行い、対向するUEに通知することで、実施の形態3で開示した効果と同様の効果を得ることができる。
データを送信する各UEがリソース設定を行う場合について、データ送信用スケジューリング方法を開示する。
UE_AはUE_Bに対して、初送データ送信に関連するPSCCHで、UE_AからUE_Bへ送信するための初送用のリソーススケジューリング情報と、フィードバック用のリソーススケジューリング情報と、再送用のリソーススケジューリング情報とを通知する。
また、UE_BはUE_Aに対して、初送データ送信に関連するPSCCHで、UE_BからUE_Aへ送信するための初送用のリソーススケジューリング情報と、フィードバック用のリソーススケジューリング情報と、再送用のリソーススケジューリング情報とを通知する。
データを送信する各UEが送信用リソース設定を行い、対向するUEに通知することで、実施の形態3で開示した効果と同様の効果を得ることができる。
前述に開示した方法では、再送用のリソーススケジューリング情報を、初送データ送信に関連するPSCCHに含めて通知することを示した。他の方法として、再送用のリソーススケジューリング情報を、再送データ送信に関連するPSCCHに含めて通知してもよい。このようにすることで、再送発生後にリソース設定を通知可能となる。たとえば、通信品質が良好で再送が発生しない場合に、再送用にリソースリザベーションを行う必要がなく、リソース使用効率を向上できる。
リソーススケジューリング情報に含める情報として以下に7つの例を開示する。
(1)リソースアロケーション情報。
(2)MCS情報。
(3)初送か再送かを示す情報。
(4)リダンダンシーバージョン(RV)情報。
(5)ターゲットUEに関する情報。
(6)サービスに関する情報。
(7)(1)から(6)の組合せ。
前述したデータ送信用スケジューリングのための信号/チャネルに含める情報と重複している情報は、どちらかの情報のみとしてもよい。重複する情報を省略することで情報量の削減が図れる。
前述の(1)のリソースアロケーション情報は、リソースの時間(タイミング)情報、リソースの周波数情報、リソースのオフセット情報等を含むとよい。リソースの時間情報は、周期情報であってもよい。
フィードバック用リソースのオフセット情報は、たとえば、データ送信タイミングからの時間オフセットであってもよい。該データ送信タイミングは、初送データ送信タイミングであってもよいし、または、再送データ送信タイミングであってもよい。時間の単位は、秒だけでなく、スロット、サブフレーム、ミニスロット、TTI等であってもよい。
このようにすることで、データ送信からフィードバックまでのタイミングオフセットを、データ送信に関連してフィードバックを送信するUEに通知することが可能となる。また、初送データ送信タイミングからのオフセットと、再送データ送信タイミングからのオフセットとを設けることで、初送に対するフィードバックのタイミングと、再送に対するフィードバックのタイミングを個別に設定可能となる。
再送用のリソースのオフセット情報は、たとえば、データ送信タイミングからの時間オフセットであってもよい。データ送信タイミングは、初送データ送信タイミングであってもよいし、または、フィードバック送信タイミングであってもよいし、または、再送データ送信タイミングであってもよい。時間の単位は、秒だけでなく、スロット、サブフレーム、ミニスロット、TTI等であってもよい。
たとえば、再送用スケジューリング情報を送信するタイミングを再送データを送信するタイミングと異ならせてもよく、このような場合、再送用リソースのオフセット情報を通知することで、再送データを受信可能となる。柔軟なスケジューリングが可能となる。
このようにすることで、データ送信、それに対するフィードバック、および再送の一連の送信用リソースの設定と、対向するUEへの通知を行うことが可能となる。それにより、HARQフィードバック制御が可能となり、ユニキャスト通信の通信品質を向上させることが可能となる。
フィードバック用リソースの設定および通知方法について、他の方法を開示する。フィードバック用リソースのタイミング情報と周波数情報を、関連するデータ送信元であるUE_Aが設定してもよい。UE_Aがリソース設定を行うとよい。あるいは、フィードバック用リソースのタイミング情報のみUE_Aが設定し、フィードバック用リソースの周波数情報は、フィードバック送信元であるUE_Bが設定するとよい。UE_AからUE_Bに対して、フィードバック用リソースのタイミング情報を通知するとよい。UE_Bが、UE_Aから通知されたタイミング情報を用いて、リソース設定を行うとよい。
フィードバック用リソース設定のため、所定のリソースセンシング期間を設けてもよい。該期間は、データ用リソース設定のためのセンシング期間と別に設けるとよい。それらの期間を別々に設けることで、たとえば、フィードバック用のリソースが設けられた場合など、該フィードバック用のリソースのセンシングのみを行うことが可能となる。このため、センシング処理を簡略化可能となる。
フィードバック用リソースのタイミングとして、最小オフセットを設定してもよい。オフセット情報は、たとえば、データ送信タイミングからの時間オフセットとしてもよい。時間の単位は、秒だけでなく、スロット、サブフレーム、ミニスロット、TTI等であってもよい。最小オフセットはUEケーパビリティ情報に含めて、ユニキャスト通信を行う対向するUEに通知しておいてもよい。あるいは、最小オフセットはgNBに通知しておいてもよい。このようにすることで、フィードバック送信タイミングとして、データ送信から最適なオフセットを設定可能となる。
このようにすることで、SLにおいて対向するUE(UE_AとUE_B)間でユニキャスト通信用の接続設立が可能となる。このため、対向するUE間でのユニキャスト通信が可能となる。
接続設立フェーズ以前において、ユニキャスト通信用のリソースリザベーションを実施してもよい。ユニキャスト通信用のリソース設定を、該リザベーションしたリソースから選択して設定するとよい。データ送信、それに対するフィードバック、および再送の一連の送信用リソースのリソース設定において、接続設立フェーズ以前においてリザベーションしたリソースを用いるとよい。
このようにすることで、たとえば、一つのユニキャスト接続において複数のユニキャスト通信を行うような場合に、ユニキャスト通信毎にリソースのリザベーションを行わなくて済む。リソース設定の処理を簡略化できる。
たとえば、接続設立フェーズ以前においてリザベーションするリソースを、ユニキャスト通信でリザベーションするリソースよりも広い周波数範囲で設定する。UE_Aは、接続設立フェーズ以前においてリザベーションしたリソースで、チャネル評価用の信号を送信してもよい。チャネル評価用の信号はCSI-RSであってもよい。あるいは、DMRSを用いてもよい。UE_Bは、チャネル評価用信号を測定して、チャネル状態をUE_Aに報告する。チャネル状態の報告をCSIとしてもよい。
このようにすることで、UE_Aは、データ送信に用いているリソースよりも広い周波数範囲のCSIを、UE_Bから受信できる。このため、UE_Aは、データ送信に用いているリソースの通信品質が悪化した場合に、データ送信に用いているリソースを変更可能となる。より良好な通信品質のリソースをデータ通信用にリソース設定することが可能となり、通信品質を向上させることが可能となる。
逆方向の通信品質測定においても同様である。たとえば、UE_Aは、接続設立フェーズ以前においてリザベーションしたリソースで、サウンディング用に信号、たとえばSRSのリソース設定を行う。UE_Bは該リソースでSRSを送信する。このようにすることで、UE_Aは、データ送信に用いているリソースよりも広い周波数範囲のSRSを、UE_Bから受信できる。このため、UE_Aは、UE_Bからのデータ送信に用いているリソースの通信品質が悪化した場合に、データ送信に用いているリソースを変更可能となる。より良好な通信品質のリソースをデータ通信用にリソース設定することが可能となり、通信品質を向上させることが可能となる。
前述に、ユニキャスト通信までの処理を開示した。次にユニキャスト通信を終了する処理を開示する。ユニキャスト通信の終了処理を実行する条件を設ける。ユニキャスト通信終了処理実行条件として以下に3つの例を開示する。
(1)送信データが無くなった場合。たとえば、送信が所定の期間あるいは回数連続で無くなった場合、送信データが無くなったと判断してもよい。
(2)サービスが終了された場合。
(3)上位レイヤから終了が通知された場合。
ユニキャスト通信終了処理について開示する。UEは、接続終了シグナリングを設けて対向UEに通知する。該通知を受信したUEは、ユニキャスト通信用にリザベーションしていたリソースを解放する。たとえば、SL用のPHY、MAC、RLC、PDCPおよび/またはSDAPで設定をリセットするとしてもよい。
ユニキャスト通信終了の完了を示すシグナリングを設けてもよい。ユニキャスト通信用にリザベーションしていたリソースを解放したUEは、ユニキャスト通信終了の完了を示すシグナリングを対向するUEに通知する。ユニキャスト通信終了完了シグナリングを受信したUEは、ユニキャスト通信用にリザベーションしていたリソースを解放する。同様に、たとえば、SL用のPHY、MAC、RLC、PDCPおよび/またはSDAPで設定をリセットするとしてもよい。
このようにすることで、ユニキャスト通信終了処理を実施可能となる。このため、ユニキャスト通信用にリザベーションしていたリソースを解放することが可能となる。他のUEが解放されたリソースを使用することが可能となるため、リソースの使用効率を向上させることができる。
ユニキャスト接続を維持したままユニキャスト通信を終了してもよい。たとえば、再度ユニキャスト通信を実施する場合は、データ送信フェーズから行ってもよい。後述する図35で開示するような方法を用いてもよい。また、ユニキャスト通信が中断するような場合でも、ユニキャスト接続を維持したままとしてもよい。たとえば、ユニキャスト通信が中断するような場合として、長期間データ通信が行われないような場合、あるいは、UE間での同期がはずれたような場合がある。
SLにおいてリンクフェイラを設けてもよい。所定の期間UE間で所定の信号/チャネルを受信できない場合にリンクフェイラとする。このようなユニキャスト通信においてリンクフェイラが生じるような場合も、所定の期間ユニキャスト接続を維持してもよい。所定の期間を過ぎてもなおリンクフェイラ状態が続いた場合は、ユニキャスト接続を終了するとしてもよい。
このようにすることで、ユニキャスト接続処理が頻繁に生じるのを回避できる。ユニキャスト接続処理の回数を低減できるため、UE間のシグナリングを低減可能となる。ユニキャスト接続に使用されるリソースを低減可能となり、他のUEが利用可能なリソースを増大させることができる。リソース使用効率を向上できる。また、ユニキャスト接続処理が頻繁に生じるのを回避できるため、UEでの処理が簡易になる。
図30は、SLのユニキャスト用の2つのUE間でのユニキャスト通信までのシーケンスの第2例である。図30において、図29と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。図30は、図29に比べて、存在を示すための信号/チャネルの送信を削減した例である。存在を示すための信号/チャネルの送信の代わりに、接続要求を送信するとよい。
ステップST5103で、UE_Aは送信の意思を示すための信号/チャネルを送信する。該信号/チャネルは、存在を示すための信号/チャネル送信用リソース設定ではなく、接続要求用リソース設定を含むとよい。ステップST5104で、UE_Bは、UE_Aからの送信の意思を示すための信号/チャネルを受信し、それに含まれる情報から、UE_Aがターゲットあるいはターゲット候補であることを検出する。
ターゲットUE(UE_B)からソースUE(UE_A)への接続要求を示すための信号/チャネルを設ける。ステップST5201で、UE_BはUE_Aに対して、接続要求を示すための信号/チャネルを送信する。接続要求を示すための信号/チャネルは、存在を示すための信号/チャネルに含める情報に加え、SR、BSRなどの情報を含んでもよい。UE_BからUE_Aに対して送信するデータが存在する場合に、SR、BSRなどを、接続要求を示すための信号/チャネルに含めて送信するとよい。また、存在を示す情報のかわりに、接続要求であることを示す情報を、接続要求を示すための信号/チャネルに含めてもよい。
このようにすることで、存在を示す情報の送信ステップを削減できる。また、UE_AからUE_Bへの接続要求送信ステップも削減可能となる。このため、接続設立に要するシグナリング量を削減することが可能となる。また、図30の例は、SR、BSRなどを含めることが可能な接続要求となるため、複数のUEがターゲットUEとなる場合よりも一つのUEがターゲットUEとなる場合により適している。
図31は、SLのユニキャスト用の2つのUE間でのユニキャスト通信までのシーケンスの第3例である。図31において、図29と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。図31は、図29に比べて、送信の意思を示すための信号/チャネル、および、存在を示すための信号/チャネルの送信を削減した例である。ステップST5101においてSLでの送信データが発生したUE_Aは、ステップST5301において、接続要求送信用および/あるいは接続要求応答用のリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行い、ステップST5107において接続要求シグナリングを送信する。
このように、図31に開示した方法は、対向UE検出フェーズを省略した方法である。接続設立フェーズで、対向UEの検出をあわせて実施する。複数のUEがターゲットUEとなる場合よりも一つのUEがターゲットUEとなる場合により適している。
UEは、一度ユニキャスト接続を実施したUEを記憶しておいてもよい。UEは、一度ユニキャスト接続を実施したUEを、所定の期間、記憶しておいてもよい。UEは、一度ユニキャスト接続を実施したUEに対して優先的に接続処理を行うとしてもよい。このような場合、対向UE検出フェーズを省略してもよい。UE_Aは、接続要求を実施し、接続応答を受信できない場合は、対向UE検出フェーズを行うとしてもよい。一度ユニキャスト接続したUEは、近傍に存在する可能性が高いため、対向UE検出フェーズを行わずに接続設立処理を実施可能となる可能性が高い。したがって、対向UE検出フェーズを省略できる可能性は高く、UE間でのシグナリングを低減可能となる。他UEが対向UE検出フェーズ用のリソースを使用できる場合が生じるため、リソース使用効率を向上できる。
図32は、SLのユニキャスト用の2つのUE間でのユニキャスト通信までのシーケンスの第4例である。図32において、図29、図31と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。図32の例では、ターゲットとなるべきUEが最初に、存在を示すための信号/チャネルを送信する。SLでの送信データが発生したUEは、他のUEから送信されている存在を示すための信号/チャネルを受信して、ターゲットUEを検出する。
ステップST5401で、UE_Bが、存在を示すための信号/チャネル送信用のリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを実施する。ステップST5402でUE_Bは、存在を示すための信号/チャネルを送信する。該信号/チャネルはブロードキャストで送信するとよい。存在を示すための信号/チャネルの送信方法には、前述の送信の意思を示すための信号/チャネルの送信方法を適用するとよい。停止条件としては、存在を示すための信号/チャネルのかわりに、接続要求を用いればよい。
ステップST5101で、SLでの送信データが発生したUE_Aは、他のUEから送信されている存在を示すための信号/チャネルを受信して(ステップST5402)、ターゲットUEを検出する(ステップST5106)。ステップST5301でUE_Aは、接続要求送信用および/あるいは接続要求応答用のリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行い、ステップST5107で接続要求シグナリングを送信する。
このようにすることで、SLでの送信データが発生したUEが送信の意思を示すための信号/チャネルを送信しなくて済む。このため、SLでの送信データ発生から接続設立フェーズまでの遅延時間を削減可能となる。
SLでの通信をできない状態のUEは、存在を示すための信号/チャネルを送信しないとしてもよい。ユニキャスト通信またはユニキャスト接続できない状態のUEは、存在を示すための信号/チャネルを送信しないとしてもよい。SLでの通信をできない状態のUEは、たとえば、SL通信のケーパビリティの無いUEである。また、たとえばUEにおける許容通信処理負荷を超えてしまうような場合、UEはSLでの通信をできない状態にある。このようにすることで、存在を示すための信号/チャネルを送信するUEを限定することが可能となる。UE間の信号/チャネルあるいはシグナリングを低減可能となる。UE間の信号/チャネルあるいはシグナリングに用いられるリソースの使用量を低減できる。
図33は、SLのユニキャスト用の2つのUE間でのユニキャスト通信までのシーケンスの第5例である。図33において、図29、図30と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。図33の例では、ターゲットとなるべきUEが最初に、接続要求シグナリングを送信する。SLでの送信データが発生したUEは、他のUEから送信されている接続要求シグナリングを受信して、ターゲットUEを検出する。図33は図32に比べて、存在を示すための信号/チャネルの送信を削減した例である。存在を示すための信号/チャネルの送信の代わりに、接続要求を送信するとよい。
ステップST5501で、UE_Bが、接続要求シグナリング送信用のリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを実施する。ステップST5201で、UE_Bは、接続要求を示すための信号/チャネルを送信する。該信号/チャネルはブロードキャストで送信してもよい。接続要求を示すための信号/チャネルに含める情報は、存在を示すための信号/チャネルに含める情報に加え、SR、BSRなどの情報を含んでもよい。UE_BからUE_Aに対して送信するデータが存在する場合に、SR、BSRなどを、接続要求を示すための信号/チャネルに含めて送信するとよい。また、存在を示す情報のかわりに、接続要求であることを示す情報を、接続要求を示すための信号/チャネルに含めてもよい。
接続要求シグナリングの送信方法には、前述の送信の意思を示すための信号/チャネルの送信方法を適用するとよい。停止条件としては、存在を示すための信号/チャネルのかわりに、データ送信用リソーススケジューリングを用いればよい。
ステップST5101で、SLでの送信データが発生したUE_Aは、他のUEから送信されている接続要求シグナリングを受信して(ステップST5201)、ターゲットUEを検出する。ステップST5109でUE_Aは、データ送信用リソーススケジューリング用および/あるいはユニキャスト通信用のリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行い、ステップST5110でデータ送信用スケジューリングを送信する。
このようにすることで、SLでの送信データが発生したUEが送信の意思を示すための信号/チャネルを送信しなくて済む。また、接続要求の前に、存在を示すための信号/チャネルを送信することも不要となる。このため、SLでの送信データ発生からデータ送信フェーズまでの遅延時間を削減可能となる。
図34は、SLのユニキャスト用の2つのUE間でのユニキャスト通信までのシーケンスの第6例である。図34において、図29、図32と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。図34の例では、ターゲットとなるべきUEが最初に、存在を示すための信号/チャネルを送信する。SLでの送信データが発生したUEは、他のUEから送信されている存在を示すための信号/チャネルを受信して、ターゲットUEを検出する。
また、図34の例では図32の例に比べて、接続設立フェーズが省略されている。SLでの送信データが発生したUEは、ターゲットUE検出後、データ送信用スケジューリングを送信する。SLでの送信データが発生したUEは、ターゲットUE検出後、データ送信フェーズの処理を実施する。
ステップST5401で、UE_Bが、存在を示すための信号/チャネル送信用のリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを実施する。ステップST5402でUE_Bは、存在を示すための信号/チャネルを送信する。該信号/チャネルはブロードキャストで送信するとよい。存在を示すための信号/チャネルの送信方法には、前述の送信の意思を示すための信号/チャネルの送信方法を適用するとよい。停止条件としては、存在を示すための信号/チャネルのかわりに、データ送信用スケジューリングを用いればよい。
ステップST5101で、SLでの送信データが発生したUE_Aは、他のUEから送信されている存在を示すための信号/チャネルを受信して(ステップST5402)、ターゲットUEを検出する(ステップST5106)。ステップST5109でUE_Aは、データ送信用スケジューリング送信用リソースと、ユニキャスト通信用リソースのリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行い、ステップST5110でデータ送信用スケジューリングを送信する。
このようにすることで、接続設立フェーズを省略することが可能となる。このため、SLでの送信データ発生からデータ送信フェーズまでの遅延時間を削減可能となる。
図35は、SLのユニキャスト用の2つのUE間でのユニキャスト通信までのシーケンスの第7例である。図35において、図29と共通するステップについては同じステップ番号を付し、共通する説明を省略する。図35の例では、SLでの送信データが発生したUEは、データ送信用スケジューリングを送信する。図35は、図29に比べて、送信の意思を示すための信号/チャネルの送信から接続要求応答までの処理を省略した例である。また、図35は、対向UE検出フェーズ、接続設立フェーズを省略した例である。データ送信フェーズで、対向UEの検出をあわせて実施する。複数のUEがターゲットUEとなる場合よりも一つのUEがターゲットUEとなる場合により適している。
ステップST5101で、SLでの送信データが発生したUE_Aは、ステップST5109でデータ送信用スケジューリング送信用リソースと、ユニキャスト通信用リソースのリソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行い、ステップST5701でデータ送信用スケジューリングを送信する。データ送信用スケジューリングはブロードキャストで送信してもよい。ステップST5111で、UE_Bは、自UE宛のデータ送信用スケジューリング情報が含まれるPSCCHを検出する。ステップST5112で、UE_Bは、検出したPSCCHに含まれるデータ送信用スケジューリング情報に従って、UE_Aからのデータを受信する。
ステップST5112で、UE_Bは、UE_Aから受信したデータに対するHARQフィードバックやCSI報告、および/あるいは、データを、UE_Aに対して送信してもよい。
このようにすることで、対向UE検出フェーズ、接続設立フェーズを省略することが可能となる。このため、SLでの送信データ発生からデータ送信フェーズまでの遅延時間を削減可能となる。
UEは、一度ユニキャスト通信を実施したUEを記憶しておいてもよい。UEは、一度ユニキャスト通信を実施したUEを、所定の期間、記憶しておいてもよい。UEは、一度ユニキャスト通信を実施したUEに対して優先的に接続処理を行うとしてもよい。このような場合、対向UE検出フェーズ、接続設立フェーズを省略してもよい。UE_Aは、データ送信用リソーススケジューリングを送信し、フィードバックを受信できない場合は、対向UE検出フェーズ、あるいは、接続設立フェーズを行うとしてもよい。一度ユニキャスト通信したUEは、近傍に存在する可能性が高いため、対向UE検出フェーズおよび/あるいは接続設立フェーズを行わずに接続設立処理を実施可能となる可能性が高い。したがって、対向UE検出フェーズ、接続設立フェーズが省略できる可能性は高く、UE間でのシグナリングを低減可能となる。他UEが対向UE検出フェーズ、接続設立フェーズ用のリソースを使用できる場合が生じるため、リソース使用効率を向上できる。
データ送信フェーズにおいて、初送あるいは再送のデータ送信はブロードキャスト通信で実施し、フィードバックや報告等はユニキャスト通信で実施するようにしてもよい。データ送信時にターゲットUEを検出できていないような場合に初送あるいは再送のデータ送信をブロードキャスト通信で実施することで、該送信データをターゲットUEが検出可能となる。また、ターゲットUEは該送信データ(データ送信用リソーススケジューリングを含む)を受信することで、どのUEにフィードバックや報告等を送信するかを特定できるので、フィードバックや報告等はユニキャスト通信で実施するとよい。
実施の形態3の本変形例1で開示したような方法とすることで、SLにおいて対向するUE(UE_AとUE_B)間でユニキャスト通信が可能となる。
UEが複数のユニキャスト通信を行う場合、たとえば、複数のユニキャスト通信において送受信タイミングが同じになった場合、ハーフデュプレクス(Half-Duplex)通信のため、一つを除いて送受信不可能になってしまう。ここでは、このような課題を解決する方法を開示する。
UEは一つのユニキャスト通信のための接続のみを行う。二つ以上のユニキャスト通信のための接続を禁止するとしてもよい。以降ユニキャスト通信のための接続をユニキャスト接続と称する場合もある。
既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、他のユニキャスト接続を行わない。また、既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、存在を示す信号/チャネルを送信しないとしてもよい。また、既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、二つ目のユニキャスト接続要求に対して拒否(reject)を応答してもよい。また、既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、データ送信用リソーススケジューリングを検索しないとしてもよい。
このようにすることで、UEが二つ以上のユニキャスト通信を不可能とし、送受信不可能となる状態を避けることができる。
他の方法を開示する。優先順位が高いユニキャスト接続を優先する。
既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、より優先順位の高い他のユニキャスト接続を行う。この場合、元のユニキャスト接続は終了する。また、既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、より優先順位の高い他のユニキャスト接続において、存在を示す信号/チャネルを送信してもよい。この場合、元のユニキャスト接続は終了する。
また、既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、二つ目のユニキャスト接続の優先順位がより高い場合、該二つ目のユニキャスト接続要求に対して、承諾応答を通知してもよい。この場合、元のユニキャスト接続は終了する。なお、優先順位が低い場合は拒否(reject)を応答してもよい。また、既に一つのユニキャスト接続を行っているUEは、より優先順位の高い他のユニキャスト接続に対するデータ送信用リソーススケジューリングを検索するとしてもよい。この場合、元のユニキャスト接続は終了する。
このようにすることで、UEが二つ以上のユニキャスト通信を不可能としつつ、より優先順位の高いユニキャスト通信の接続を実施可能となる。より優先順位の高いサービスを優先して通信することが可能となる。
前述のユニキャスト通信のための接続を、ユニキャスト通信と読み替えてもよい。たとえば、UEは一つのユニキャスト通信のみを行うとしてもよい。二つ以上のユニキャスト通信を禁止するとしてもよい。このようにすることで、同様に、複数のユニキャスト通信に起因するリソースの重複によって送受信不可能となる状態を避けることができる。たとえば、ユニキャスト通信のための接続設立フェーズを省略するような場合に有効となる。
前述では、UEが各種判断を行うことを示したが、gNBが各種判断を行ってUEを制御してもよい。gNBがリソースをスケジューリングするような場合に有効である。
他の方法を開示する。複数のユニキャスト接続を実施する。同一のUE間で複数のユニキャスト接続を行う。同一のUE間で複数のユニキャスト接続を禁止しない。たとえば、UE_AとUE_Bとで複数のユニキャスト接続を実施してもよい。たとえば、図29で開示したユニキャスト通信までの処理において、接続設立フェーズからの処理の複数を並行して行うとよい。
UE_Aおよび/またはUE_Bは、複数のユニキャスト接続が実施されることを認識している。UE_Aおよび/またはUE_Bは、各ユニキャスト通信で使用するリソースを認識可能となる。UE_Aおよび/またはUE_Bは各々、同一タイミングで送受信の重複が無いように、各ユニキャスト通信で使用するリソースを調整すると良い。このようにすることで、リソースの重複によって送受信不可能となる状態を避けつつ、複数のユニキャスト通信を可能とすることができる。
他の方法を開示する。複数のユニキャスト接続を実施する。UEは、異なるUEとの間でユニキャスト接続を行ってもよい。たとえば、UE_AとUE_Bとでユニキャスト接続を実施し、UE_CとUE_Bとでユニキャスト接続を実施してもよい。このような場合にはリソースの重複によって送受信不可能となる状態が生じるが、このような課題を解決する方法を開示する。
リソースの再設定を要求するシグナリングを設ける。
一つのUEが複数のユニキャスト接続を行う場合、該UEと各ユニキャスト通信において対向するUEがリソースセンシングを行う。該対向するUEがリソース設定を行うとしてもよい。たとえば、前述の例においては、UE_Bが複数のユニキャスト接続を行うことになる。この例では、UE_AとUE_Cとがリソースセンシングを行う。
リソースセンシングにより、UE_Bが送受信するリソースタイミングが重複した場合は、リソース設定を行ったUEに対して、リソース再設定要求を行う。この例では、UE_BがUE_Aへ、あるいは、UE_BがUE_Cへリソース再設定要求を通知する。リソース再設定要求は、リソースタイミングの再設定要求であってもよい。
リソース再設定要求を受信したUEは、リソースを再設定する。たとえば、UE_AがUE_Bからリソース再設定要求を受信した場合、UE_Aは、たとえばリソースタイミングを変更するなどして、リソース再設定を行う。UE_Aは、再設定したリソース再設定を、UE_Bに通知するとよい。リソース再設定要求シグナリングに、変更を要求するリソースタイミングを含めてもよい。UE_Aは、リソースを再設定する際に該リソースタイミングを避けることが可能となる。
リソースタイミングが重複したUE、この例ではUE_Bが、リソース設定を変更するユニキャスト通信のリソースタイミングを変えて、リソース設定を行ってもよい。UE_Bは、タイミングを変えて設定したリソース設定を、該ユニキャスト通信の対向するUEに対して通知する。たとえば、UE_Aとのユニキャスト通信のリソースタイミングを変更してリソース設定した場合は、UE_BはUE_Aに対して該リソース設定を通知する。UE_Aは該リソース設定でUE_Bとのユニキャスト通信を行う。
UE_BがUE_AあるいはUE_Cのどちらにリソース再設定を要求するかの判断例を開示する。たとえば、UE_Bは、後からリソース設定を通知されたUEに対して、リソース再設定を要求するものとする。あるいは、UE_Bは、後から接続要求の通知されたUEに対して、リソース再設定を要求するものとしてもよい。あるいは、UE_Bは、後から接続設立処理を行ったUEに対して、リソース再設定を要求するものとしてもよい。あるいは、UE_Bは、後からユニキャスト通信用リソーススケジューリングを通知されたUEに対して、リソース再設定を要求するものとしてもよい。あるいは、UE_Bは、優先順位の低いユニキャスト接続の対向するUEに対して、リソース再設定を要求するものとしてもよい。あるいは、UE_Bは、要求される低遅延特性が大きいユニキャスト接続の対向するUEに対して、リソース再設定を要求するものとしてもよい。あるいは、UE_Bは、要求される信頼性が低いユニキャスト接続の対向するUEに対して、リソース再設定を要求するものとしてもよい。
このようにすることで、リソースの重複によって送受信不可能となる状態を避けることができ、複数のユニキャスト通信が可能となる。
他の方法を開示する。UEは、リソースセンシングの処理において、対向するUEへのPSCCHが存在するか否かを検出する。たとえば、PSCCHのSCIにターゲットUEの識別子が含まれる場合は、UEは、対向するUEと同じUE識別子が含まれるか否かを検出する。対向するUEと同じUE識別子が含まれる場合は、UEは、該PSCCHの中のリソースタイミングのリソースを、リソース選択候補から除外する。対向するUEと同じUE識別子が含まれない場合、UEは、通常のリソースセンシング処理、リソース選択処理、リソースリザベーション処理を実施すると良い。
このようにすることで、リソースの重複によって送受信不可能となる状態を避けることができ、複数のユニキャスト通信が可能となる。
一つのUEが複数のユニキャスト接続を行う場合、該UEがリソースセンシングを行う。該UEがリソース設定を行うとしてもよい。たとえば、前述の例においては、UE_Bが複数のユニキャスト接続を行うことになる。この例では、UE_Bがリソースセンシングを行う。
複数接続となることを示す情報を設ける。UE_BがUE_AあるいはUE_Cへ、UE_Bが複数接続となることを示す情報を通知する。たとえば、UE_Bは、後からユニキャスト接続処理を行うUEに対して、複数接続となることを示す情報を通知してもよい。たとえば、後からユニキャスト接続処理を行うUEがUE_Cの場合、UE_BはUE_Cに、複数接続となることを示す情報を通知する。
たとえば、存在を示す信号あるいは接続要求応答に、複数接続となることを示す情報を含めて通知してもよい。たとえば、UE_BがUE_Cに対して、存在を示す信号あるいは接続要求応答を通知するような場合に、UE_Bは、複数接続となることを示す情報を、存在を示す信号あるいは接続要求応答に含めて、通知してもよい。このようにすることで、シグナリング量が増大するのを防ぐことが可能となる。
複数接続となることを示す情報を受信したUEは、複数のユニキャスト接続を行うUEに対して、リソース設定を要求する。たとえば、複数接続となることを示す情報を受信したUE_Cは、UE_Bに対して、リソース設定の要求を通知する。たとえば、複数接続となることを示す情報が含まれる存在を示す信号あるいは接続要求応答を受信したUE_Cは、UE_Bに対して、リソース設定要求のシグナリングを通知する。
このようにすることで、リソースの重複によって送受信不可能となる状態を避けることができ、複数のユニキャスト通信が可能となる。
UEが接続可能な最大ユニキャスト接続数を設けてもよい。該最大ユニキャスト接続数は、あらかじめ規格等で決められても良いし、gNBからUEに対して通知してもよいし、UEに予め設定されてもよい。最大ユニキャスト接続数をgNBがUEに対して通知する場合は、該最大ユニキャスト接続数を、報知情報に含めて通知してもよいし、RRC個別シグナリング通知してもよい。
UEが接続可能な最大ユニキャスト接続数を、UE個別に設定してもよい。UEが接続可能な最大ユニキャスト接続数を、UE個別に設定するような場合、SLでの通信を用いて、UE間で通知してもよい。また、該最大ユニキャスト接続数をUEがgNBに通知してもよい。UEが接続可能な最大ユニキャスト接続数を、ケーパビリティ情報に含めてもよい。UEは、UEが接続可能な最大ユニキャスト接続数を、ケーパビリティ情報に含めて、他のUEに対して、または、gNBに対して通知してもよい。
このようにすることで、UEが接続可能な最大ユニキャスト接続数を設定でき、UEの能力を超えたユニキャスト接続処理を行わなくて済む。複数のユニキャスト通信を安定して実施可能となる。
一つのユニキャスト通信に対して、一つのユニキャスト接続を実施することを示した。また、一つのユニキャスト接続に対して、一つのユニキャスト通信を行うことを示した。複数のユニキャスト通信に対して、一つのユニキャスト接続を実施してもよい。一つのユニキャスト接続に対して一つのユニキャスト通信を行ってもよい。一つのユニキャスト接続を維持しながら、複数のユニキャスト通信処理を行うと良い。ユニキャスト通信毎にユニキャスト接続設立処理を実施しなくて済むため、ユニキャスト通信までの処理を簡略化可能となる。ユニキャスト通信を実施するまでの遅延時間を削減可能となる。たとえば、低遅延特性が要求されるV2V通信においては有効となる。
一つのサービスによる通信を、一つのユニキャスト通信で実施してもよい。一つのユニキャスト通信に対して、一つのサービスの通信を行う。複数のサービスによる通信を、サービス毎に、一つのユニキャスト通信で実施するようにしてもよい。サービス毎のユニキャスト通信ではなく、アプリケーション毎のユニキャスト通信を実施してもよい。一つのアプリケーションによる通信を、一つのユニキャスト通信で実施してもよい。このようにすることで、サービス毎のリソース設定が可能となる。要求されるサービス毎に適したユニキャスト通信が可能となる。
複数のサービスによる通信を、一つのユニキャスト通信で実施してもよい。サービス毎にユニキャスト通信までの処理を実施しなくて済むため、ユニキャスト通信までの処理を簡略化可能となる。ユニキャスト通信を実施するまでの遅延時間を削減可能となる。たとえば、低遅延特性が要求されるV2V通信においては有効となる。
複数のサービスによる通信を、一つのユニキャスト通信で実施する例を開示する。
サービスに要求されるQoS毎にユニキャスト通信を行う。ユニキャスト通信は所定のQoSに対応して設けられる。各サービスは、そのQoSに応じて、対応するユニキャスト通信で行われる。QoSが同じならば、同一のユニキャスト通信となる。QoS毎のユニキャスト通信ではなく、複数のQoSからなるQoSグループ毎のユニキャスト通信を実施してもよい。QoS毎にユニキャスト通信を行うことで、QoSに適したユニキャスト通信の設定が可能となる。たとえば、QoSに適したリソース設定が可能となる。
サービスに要求される優先順位毎に、ユニキャスト通信を行う。優先順位は、例えば、PPPPであってもよい。ユニキャスト通信は所定の優先順位に対応して設けられる。各サービスは、その優先順位に応じて、対応するユニキャスト通信で行われる。優先順位が同じならば、同一のユニキャスト通信となる。優先順位毎のユニキャスト通信ではなく、複数の優先順位からなる優先順位グループ毎のユニキャスト通信を実施してもよい。優先順位グループ内の最も高い優先順位に従って、ユニキャスト通信を実施してもよい。優先順位毎にユニキャスト通信を行うことで、優先順位に適したユニキャスト通信の設定が可能となる。たとえば、優先順位に適したリソース設定が可能となる。
他の例を開示する。要求される低遅延特性毎に、ユニキャスト通信を行ってもよい。サービスグループ毎に、ユニキャスト通信を行ってもよい。PDUセッション毎に、ユニキャスト通信を行ってもよい。ネットワークスライシング毎に、ユニキャスト通信を行ってもよい。ネットワークスライシングのために用いられる識別情報であるネットワークスライスセレクションアシスタンス情報(NSSAI)毎に、ユニキャスト通信を行ってもよい。同様に、各々に適したユニキャスト通信の設定が可能となる。
どのサービスによる通信かを示すための識別子を設けるとよい。該識別子は、サービス識別子であってもよいし、サービスグループ識別子であってもよい。同一のユニキャスト通信内で複数のサービスによる通信を行う際に、該識別子を用いると良い。同一のユニキャスト通信内でどのサービスかを特定可能となる。
識別子として以下に7つの例を開示する。
(1)どのサービスによる通信かを示す識別子。
(2)どのQoSの通信かを示すための識別子。
(3)どの優先順位の通信かを示すための識別子。
(4)どの低遅延特性の通信かを示すための識別子。
(5)どのPDUセッションの通信かを示すための識別子。
(6)どのネットワークスライシングの通信かを示すための識別子。
(7)どのNSSAIの通信かを示すための識別子。NSSAIを用いてもよい。
前述の(1)~(7)はそれぞれ、グループを示す識別子であってもよい。このようにすることで、一つのユニキャスト通信で複数のサービスなどに通信を実施可能となる。
該識別子は、接続要求シグナリングに含められてもよいし、データ送信用リソーススケジューリング情報に含められてもよい。該識別子は、ユニキャスト通信までの処理において、制御信号/チャネルあるいは制御シグナリングに含められて通知されてもよい。たとえば、該識別子は、接続要求のためのRRCシグナリングに含められて通知されてもよい。たとえば、該識別子は、データ送信用リソーススケジューリング情報に含められてもよい。該識別子は、SCIに含められてPSCCHで送信されてもよい。また、該識別子は、フィードバック用リソーススケジューリング情報に含められてもよい。該識別子は、SCIに含められてPSCCHで送信されてもよい。
また、該識別子をデータおよび/またはフィードバックに多重してもよい。多重方法として、FDM、TDM、CDMを用いるとよい。
前述では、ユニキャスト通信について開示したが、ユニキャスト接続であってもよい。これらの方法をユニキャスト接続に適用することで、一つのユニキャスト接続で、複数サービスの通信が可能となる。サービス毎にユニキャスト接続設立処理を実施しなくて済むため、ユニキャスト通信までの処理を簡略化可能となる。ユニキャスト通信を実施するまでの遅延時間を削減可能となる。たとえば、低遅延特性が要求されるV2V通信においては有効となる。
一つのユニキャスト接続で、複数のリソース設定を行ってもよい。たとえば、一つのユニキャスト通信で、一つのリソース設定を行う。一つのユニキャスト接続で、複数のユニキャスト通信を行う。このようにすることで、一つのユニキャスト接続で、複数のリソース設定を行うことが可能となる。リソース設定は、SPS、設定済グラントであってもよい。複数のリソース設定を行うことで、たとえば、複数のサービスに対して、サービス毎に適したリソース設定を可能とする。サービス毎に適したユニキャスト接続を実施可能となる。
一つのユニキャスト通信で、複数のリソース設定を行ってもよい。リソース設定は、SPS、設定済グラントであってもよい。一つのユニキャスト通信で複数のリソース設定を行うことで、たとえば、複数のサービスに対して、サービス毎に適したリソース設定を可能とする。サービス毎に適したユニキャスト通信を実施可能となる。
一つのユニキャスト接続で、複数のSRおよび/またはBSRを設けてもよい。たとえば、一つのユニキャスト通信で、一つのSRおよび/またはBSRを設ける。一つのユニキャスト接続で、複数のユニキャスト通信を行う。このようにすることで、一つのユニキャスト接続で、複数のSRおよび/またはBSRの設定を行うことが可能となる。複数のSRおよび/またはBSR設定を行うことで、たとえば、複数のサービスに対して、サービス毎に適したSRおよび/またはBSR設定を可能とする。サービス毎に適したユニキャスト接続を実施可能となる。
一つのユニキャスト通信で、複数のSRおよび/またはBSRを設けてもよい。一つのユニキャスト通信で、複数のSRおよび/またはBSR設定を行うことで、たとえば、複数のサービスに対して、サービス毎に適したSRおよび/またはBSR設定を可能とする。サービス毎に適したユニキャスト通信を実施可能となる。
実施の形態4.
NRではSLの通信としてユニキャストが検討されている。SLでのユニキャスト通信では、HARQのフィードバック(Ack/Nack)のサポートが検討されている。しかし、HARQフィードバックの送信方法については不明である。このため、SLで他のUEからデータを受信したUEは、データを送信した該他のUEに対してHARQフィードバックを送信できないという問題が生じる。
本実施の形態4はこのような問題を解決する方法を開示する。
HARQフィードバックとして、送信されたデータを受信できた場合に送信するAckと、送信されたデータを受信できなかった場合に送信するNackがある。SLでのユニキャスト通信におけるHARQフィードバックとして、AckとNackの両方をサポートする。これによって、データを送信したUEは明示的にAckあるいはNackを受信できるため、通信の信頼性を向上させることができる。
他の方法として、Ackのみをサポートしてもよい。データを送信したUEはAckを受信しなかった場合に再送を行う。Ackを受信した場合は再送を停止する。Nackを不要とするので、UE間のシグナリング負荷を低減できる。また、UEによるNack送信が不要となるので消費電力を削減可能となる。
他の方法として、Nackのみをサポートしてもよい。データを送信したUEはNackを受信した場合に再送を行う。Nackを受信しなかった場合は再送を停止する。このようにすることで、UE間のシグナリング負荷を低減できる。また、UEによるAck送信が不要となるので消費電力を削減可能となる。
Ack、あるいは、Nackを受信するための所定の期間を設けておくとよい。該所定の期間を経過した場合は、Ack、あるいは、Nackを受信しなかったとするとよい。また、Ack,あるいは、Nackを受信するタイミングを予め決めておいてもよい。該所定の期間、あるいは、受信タイミングは、予め規格等で静的に決められてもよいし、データ送信するUEがターゲットとするUEに対して通知してもよい。該所定の期間、あるいは、受信タイミングを制御情報として、PSCCHに含めて通知してもよい。このようにすることで、データを送信したUEがAck、Nackを待ち続けることを回避することができる。
HARQフィードバック方法として、TTI(Transmission Time Interval)毎にAckあるいはNackを判断して通知してもよい。あるいは、コードブロックグループ(CBG;Code Block Group)毎にAckあるいはNackを判断して通知してもよい。コードブロック毎の再送を行ってもよい。また、NRでのSLの通信において、繰返し送信(repetition)が検討されているが、繰返し送信受信後のCBG毎にAckあるいはNackを判断して通知してもよい。このように、CBG毎のフィードバック方法とすることで、再送用のリソースを削減可能となる。リソース使用効率を向上可能となる。特に、UE間でリソース衝突が発生しやすいSL通信において有効となる。
NRでのSLの通信において、繰返し送信(repetition)が検討されている。繰返し通信が行われた場合のHARQフィードバック送信方法については不明である。ここでは繰返し通信が行われた場合のHARQフィードバック送信方法について開示する。
繰返し送信の1回の送信毎にHARQフィードバックが送信される。データ送信するUEが送信を1回行うたびに、受信側UEが該データ送信に対するフィードバック送信を行う。このようにすることで、フィードバック送信を早期に実施可能となり、電波伝搬環境が良好な場合はデータスループットを向上させることが可能となる。
他の方法として、繰返し送信の全送信に対してHARQフィードバックが送信される。データ送信するUEが繰り返し送信の全送信を行った後に、受信側UEが該全データ送信に対するフィードバック送信を行う。このようにすることで、フィードバック送信に用いるリソースを削減可能となる。SLにおいてリザベーション必要とするリソース量を削減可能となる。リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
前述では繰返し送信1回毎にHARQフィードバックが送信されるとしたが、繰返し送信n回(nは正の整数)の送信毎にHARQフィードバックが送信されるとしてもよい。データ送信するUEが送信をn回行うたびに、受信側UEが該データ送信に対するフィードバック送信を行う。nの値は予め規格等で決められても良いし、送信側UEが受信側UEに通知してもよい。nの値を制御情報として、初送データのPSCCHに含めて通知してもよい。このようにすることで、電波伝搬環境やリソース使用量に応じて適宜最適なフィードバック制御を可能とする。
繰り返し送信の1回の送信毎にHARQフィードバックが送信される場合、各繰返し送信に対するHARQフィードバックのリソースをどのように設定するかが不明となる。このような問題を解決する方法を開示する。繰返し送信からHARQフィードバックまでのタイミングを、各繰返し送信に対するHARQフィードバックで同じにするとよい。これにより、どの繰返し送信に対するフィードバックかを送信側UEは認識可能となる。
また、各繰返し送信に対するHARQフィードバックの周波数リソースを同じにしてもよい。たとえば同じ番号のRBを利用する。あるいは、たとえば同じ番号のサブキャリア範囲を利用してもよい。このようにすることで、周波数軸上のリソースのリザベーションを容易にできる。
他の方法として、各繰返し送信に対するHARQフィードバックのリソースを変えてもよい。送信側UEが、各繰返し送信に対するHARQフィードバック用に異なるリソースをリザベーションして、受信側UEに通知してもよい。このようにすることで、フェージング等の影響を抑制することが可能となる。
送信データに対するHARQフィードバックのマッピング方法について開示する。HARQフィードバックをスロットの最後のシンボルにマッピングしてもよい。UuのULにおいて、ショートPUCCHが採用されている。ショートPUCCHと同様のマッピングを利用してもよい。
他の方法として、スロットの最初のシンボルにHARQフィードバックをマッピングしてもよい。あるいは、最初から所定の数のシンボル内にHARQフィードバックをマッピングしてもよい。このようにすることで、送信データに対するフィードバック送信までの期間を削減可能となる。
他の方法として、HARQフィードバックをSCIに含めて送信してもよい。HARQフィードバックを含むSCIは、データを送信するUEが送信するのではなく、データを受信したUEが送信する。したがって、HARQフィードバックを含むSCIをどのように送信するのかが問題となる。
データが付随しないSCIを設けてもよい。PSSCHが付随しないPSCCHを設けて、該PSCCHにSCIをマッピングしてもよい。該SCIにはPSSCHのスケジューリング情報を含めない。データが付随しないSCIに、HARQフィードバックを含める。このようにすることで、少ない情報量で、HARQフィードバックを含むSCIがマッピングされたPSCCHを送信可能となる。
なお、データが付随しないSCIを開示したが、該SCIに、CSI報告情報を含めてもよい。あるいは、該SCIにSRを含めてもよい。あるいは、該SCIにBSRを含めてもよい。このようにすることで、これらの情報を送信するためにPSSCHを用いる必要が無くなり、また、少ない情報量のSCIでPSCCHを送信可能となる。リソースの使用効率を向上させることができる。
他の方法として、所定の位置の複数のシンボルにHARQフィードバックをマッピングしてもよい。UuのULにおいて、ロングPUCCHが採用されている。ロングPUCCHと同様のマッピングを利用してもよい。あるいは、1スロットの全シンボルにHARQフィードバックをマッピングしてもよい。あるいは、1スロットのRSがマッピングされているシンボルを除いたシンボルに、HARQフィードバックをマッピングしてもよい。このようにすることで、シンボル数を多く送信可能となるため、フィードバックの通信品質を向上させることが可能となる。
各データ送信からHARQフィードバックまでのタイミングおよび/あるいは周波数リソースを、規格等で静的に決めておいてもよい。シグナリングを必要としないため、シグナリング負荷を低減可能となり、また、制御が容易になる。
他の方法として、各データ送信に対するHARQフィードバックのタイミングおよび/あるいは周波数リソースを変えてもよい。該タイミングおよび/あるいは周波数リソースに関する情報を、送信側UEが受信側UEに通知してもよい。該タイミングおよび/あるいは周波数リソースに関する情報を、あらかじめRRCシグナリングで通知してもよい。あるいは、該タイミングおよび/あるいは周波数リソースに関する情報を制御情報として、各送信データのPSCCHに含めて通知してもよい。たとえば、データ送信からKスロット後にHARQフィードバックを送信する。該KスロットをPSCCHに含めてもよい。スロット単位に限らず、たとえば、シンボル単位であってもよいし、ノンスロット単位であってもよい。このようにすることで、電波伝搬環境やリソース使用量に応じて適宜最適なフィードバック制御を可能とする。
HARQフィードバック用のリソースのセンシングにおける測定方法について開示する。センシング用のRSRPあるいはRSSI等の測定を、PSCCHで行うとよい。あるいは、該測定をPSCCHとPSSCHとをあわせて行ってもよい。あるいは、該測定をシンボル単位で行ってもよい。RSRPあるいはRSSI等の測定をシンボル単位で行うことで、シンボル単位でのリソースリザベーションを可能とし、前述に開示したシンボル単位でのリソースマッピングを可能とできる。
SLでCAがサポートされた場合のHARQフィードバックの方法を開示する。各コンポーネントキャリア上で送信されたデータに対するHARQフィードバックは、該データが送信されたコンポーネントキャリア上で送信する。このようにすることで、リソースリザベーションを同じキャリア上で実施可能となるため、リソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションの処理を簡易にすることが可能となる。
他の方法として、SLでアクティブなコンポーネントキャリアの内、いずれか一つのコンポーネントキャリア上で、HARQフィードバックを送信する。あるいは、アクティブなコンポーネントキャリアを複数のグループに分け、該グループ内でいずれか一つのコンポーネントキャリア上で、HARQフィードバックを送信する。このようにすることで、各キャリアでリソースのリザベーションを実施する必要が無くなる。このため、リソース使用効率を向上させることが可能となる。
NRではSLの通信においてグループキャスト(groupcast)のサポートが検討されている。一つのUEが複数のUEにデータを送信する。複数のUEがグループとなる。しかし、グループキャストのHARQフィードバック方法についてはなんら開示されていない。ここではグループキャストのHARQフィードバック方法について開示する。グループキャストにおいて、HARQフィードバックは複数のUEから送信される。
複数のUEが、HARQフィードバック用に、どのリソースを用いるかが問題となる。複数のUEのHARQフィードバック用のリソース設定を、予め行ってもよい。リソース設定の方法は実施の形態3を適用してもよい。このようにすることで、データ送信を行ったUEは、複数のUEからのHARQフィードバックを認識可能となる。
他の方法を開示する。複数のUEのHARQフィードバックに異なるサイクリックシフトを用いる。UE毎に異なるサイクリックシフトを用いる。どのサイクリックシフトを用いるかは、データを送信するUEが、複数のUEに対して、個別に、あらかじめ制御信号/チャネルあるいは制御シグナリングで通知してもよい。どのサイクリックシフトを用いるかの情報を、SCIに含めて、PSCCHで通知してもよい。
他の方法を開示する。複数のUEのHARQフィードバックをコード多重する。たとえば、複数のUEのHARQフィードバックを、UE毎に異なるスクランブリングコードで、スクランブリングする。どのスクランブリングコードを用いるかは、データを送信するUEが、複数のUEに対して、個別に、あらかじめ制御信号/チャネルあるいは制御シグナリングで通知してもよい。どのスクランブリングコードを用いるかの情報を、SCIに含めて、PSCCHで通知してもよい。スクランブリングコードとして、フィードバックを送信するUEの識別子を用いてもよい。
このようにすることで、データをグループキャスト送信したUEは、複数のUEからのHARQフィードバックを分別して受信可能となる。複数のUEからHARQフィードバックを受信したUEは、送信したグループのUEの少なくとも一つがAckでなければ再送を行う。再度グループキャストで再送を行う。Nackを受信したUEは、再送を受信する。Ackを送信したUEは、再送を受信しなくてもよい。あるいは、Ackを送信したUEは、Ackが送達されたか不明のため、再送を受信してもよい。複数のUEは、再送の受信結果によって、フィードバックを送信する。このようにすることで、グループキャスト通信における通信品質を向上できる。
他の方法として、複数のUEからHARQフィードバックを受信したUEは、AckではないUEに対して、再送をユニキャスト送信してもよい。すなわち、初送のみグループキャスト通信を行い、再送からはユニキャスト通信を行ってもよい。このようにすることで、複数のUEに対して各UE毎の通信品質を向上可能となる。
本実施の形態4で開示したような方法でHARQのフィードバック(Ack/Nack)を行うことで、SLでのユニキャスト通信におけるHARQフィードバックが可能となる。このため、SLでのユニキャスト通信における通信品質を向上させることが可能となる。SLにおいて所望のQoSを得る通信を行うことが可能となる。
実施の形態5.
LTEではSLでの通信用にセミパーシステント送信(semi-persistent transmission)がサポートされている(非特許文献25(RP-161788)参照)。セミパーシステント送信では、データ送信用リソースが周期的にリザベーションされ、該リソースでデータ送信可能となる(非特許文献27の14.2.1章)。NRにおいてもSLでの通信用に設定済グラント(Configured grant)を用いた送信が検討されている。
LTEではSLの通信はブロードキャストのみであった。このためLTEではHARQのフィードバックを用いた再送制御は行われなかった。NRでは、SLの通信として、ブロードキャストに加え、ユニキャストとグループキャストのサポートが検討されている(非特許文献22(3GPP RP-182111)参照)。このためNRではHARQのフィードバック送信の検討がなされている。したがって、NRにおいてはSLの通信として、HARQフィードバックを用いた再送制御が可能となる。
しかし、NRにおけるSLの通信での再送制御方法については不明である。また、リソースリザベーションを用いた送信方法において、再送制御におけるリソースリザベーション方法についても不明である。このため、再送制御ができず、再送制御による通信品質の向上が図れなくなってしまう。
本実施の形態5ではこのような問題を解決するための方法を開示する。
SLでの初送および/あるいは再送に用いられるリソースがリザベーションされる。UEが、SLでの初送および/あるいは再送に用いるリソースをリザベーションしてもよい。リザベーションするリソースは周期的であってもよい。セミパーシステント送信あるいは設定済グラント送信のためのリソースリザベーション方法を適用してもよい。SLでの送信データが発生したUEが、該リソースをリザベーションするとしてもよい。
あるいは、gNBが、SLでの該リソースをリザベーションして、リザベーションしたリソースをSLでの送信を実施するUEに通知してもよい。gNBは該UEに対して、リザベーションしたリソースを、SLでのリソースのスケジューリング情報として通知してもよい。該通知にUuにおけるPDCCHを用いてもよい。
たとえば、UEは、SLでの初送および/あるいは再送用に、1セットの周期的リソースをリザベーションする。UEは該周期的リソースで初送あるいは再送を行う。UEは、初送データを送信後、HARQフィードバックでNackを受信したら、次の周期的リソースで再送データを送信する。なお、HARQフィードバックでNackを受信したら再送を行うことを開示したが、HARQフィードバックでAckを受信できなかったら再送を行うとしてもよい。
図36は、SLでの初送および/あるいは再送に用いるリソースをリザベーションする方法の一例を示す概念図である。SLでの初送および/あるいは再送用に、1セットの周期的リソースがリザベーションされる。図36において、上段はデータ送信用のリソースを示しており、下段は該データに対するHARQフィードバック信号を示している。RRI(Resource Reservation Interval)はリソースのリザベーションの周期である。リソースのリザベーションがRRI周期で行われる。
図36では、リザベーションする時間軸方向のリソースを1スロットとしているが、複数のスロットがリザベーションされてもよい。また、時間軸方向の単位をスロット単位としているが、スロット単位に限らない。たとえば、時間軸方向の単位は、ノンスロット(ミニスロット)単位であってもよいし、シンボル単位であってもよい。図36では、リザベーションするリソースの周波数軸方向について記載していないが、周波数軸方向の単位は、RB単位としてもよいし、RE単位としてもよい。連続したリソースをリザベーションしてもよいし、非連続したリソースをリザベーションしてもよい。
SLでの送信データが発生したUE(ソースUE)は、図36に示すように、1セットの周期RRIの周期的リソースをリザベーションする。該UEは、リザベーションしたリソース7101で初送データを送信する。対向するUE(ターゲットUE)が該初送データを受信できない場合、対向するUEはHARQフィードバック信号として、リソース7102でNackを送信する。Nackを受信したソースUEは、再送データをリザベーションしたリソース7103で送信する。
ソースUEが、リザベーションしたリソース7105で再送を行う、ターゲットUEが該再送データを受信できた場合、ターゲットUEはHARQフィードバック信号としてAckをリソース7106で送信する。Ackを受信したソースUEは、次に発生した初送データを、リザベーションしたリソース7107で送信する。このような方法を繰返して再送制御を行う。
リザベーションしたリソースが所定の回数経過した場合、リザベーションするリソースの再選択を行ってもよい。初送に加えて再送も含まれるため、リソース再選択までの所定の回数を最大75回より大きい値としてもよい。リソース再選択までの所定の回数は、RRIの値や最大再送回数の値に応じて複数設定してもよい。
ターゲットUEがソースUEに対して、リソースの再選択を要求してもよい。リソースの再選択要求のための信号あるいはチャネルを新たに設けてもよい。あるいは、リソース再選択要求をPSCCHに含めて送信してもよい。あるいは、リソース再選択要求をPSSCHに含めて送信してもよい。リソース再選択要求をPSSCHでデータと多重して送信してもよい。
他の方法として、リソース再選択要求を、HARQフィードバック(Ack/Nack)に含めて送信してもよい。リソース再選択要求を、HARQフィードバック(Ack/Nack)を送信するチャネルに含めて送信してもよい。該チャネル内でリソース再選択要求をAckあるいはNackと多重して送信してもよい。
他の方法として、HARQフィードバックのAckを受信できない回数が、所定の回数連続して発生したら、リソース再選択を行うとしてもよい。所定の回数は、予め規格等で静的に決められていてもよいし、gNBからUEに対して通知してもよい。所定の回数は、報知情報として報知してもよいし、RRCシグナリングで個別に通知してもよい。あるいは、所定の回数をUEが選択してもよい。
最大再送回数を設けてもよい。再送が最大再送回数を超えた場合、再送を停止してもよい。最大再送回数は、あらかじめ規格などで静的に決められていてもよいし、gNBからUEに通知してもよい。最大再送回数は、報知情報として報知してもよいし、RRCシグナリングで個別に通知してもよい。再送が最大再送回数を超えた場合、リソース再選択を実施するとしてもよい。
このようにすることで、たとえば、リザベーションしたリソースの電波伝搬環境の悪化や他UEとの干渉によりデータが送達されないような場合に、リソースの再選択によりリザベーションするリソースを変えることが可能となる。このため、SLでの通信品質を向上させることが可能となる。
また、例えば、サービスのQoSに適した周期を設定してもよい。たとえば、高信頼、低遅延特性が要求されるサービスでは、周期を短くすることで、HARQによる通信品質の向上による高信頼性能と、短周期での再送による低遅延特性とを、得ることが可能となる。
他の方法を開示する。SLでの初送および/あるいは再送に用いられるリソースが複数セット、リザベーションされる。UEが、SLでの初送および/あるいは再送に用いるリソースを複数セット、リザベーションしてもよい。リザベーションする各セットのリソースは周期的であってもよい。セミパーシステント送信あるいは設定済グラント送信のためのリソースリザベーション方法を適用してもよい。SLでの送信データが発生したUEが、該リソースをリザベーションするとしてもよい。
あるいは、gNBが、SLでの該リソースをリザベーションして、リザベーションしたリソースをSLでの送信を実施するUEに通知してもよい。gNBは該UEに対して、リザベーションしたリソースをSLでのリソースのスケジューリング情報として通知してもよい。該通知にUuにおけるPDCCHを用いてもよい。
たとえば、UEは、SLでの初送および/あるいは該初送に対する再送を1セットとして、セット毎に周期的リソースをリザベーションし、それにより複数セットのリソースをリザベーションする。UEは該1セットの周期的リソースで初送あるいは該初送に対する再送を行う。UEは、初送データを送信後、HARQフィードバックでNackを受信したら、同一セット内の次の周期的リソースで再送データを送信する。なお、HARQフィードバックでNackを受信したら再送を行うことを開示したが、HARQフィードバックでAckを受信できなかったら再送を行うとしてもよい。UEは、HARQフィードバックでAckを受信したら再送を停止する。また、UEは、同一セット内の次の周期的リソースで新たな初送を行ってもよい。
このような周期的リソースの設定を複数セット設けて、UEはセット毎にSLでの初送および/あるいは該初送に対する再送を行う。設定するセット数をHARQプロセス数と対応づけてもよい。複数のセットの周期的リソースを、時間分割多重してもよいし、あるいは、周波数分割多重してもよいし、あるいは、時間-周波数分割多重してもよい。このようにすることで、複数の初送とそれに対応する再送とを実施することが可能となる。
リザーブする周期的リソースのセット数に最大値を設けてもよい。該最大値は、予め規格等で静的に決められてもよいし、gNBからUEに通知してもよい。該最大値は、報知情報として報知してもよいし、RRCシグナリングで個別に通知してもよい。実際にリザーブする周期的リソースのセット数は該最大値以下で設定するとよい。実際にリザーブする周期的リソースのセット数は、UEが決定してもよいし、gNBが決定してもよい。あるいは、実際にリザーブする周期的リソースのセット数は、UE内に予め設定されていてもよい。
リザーブする周期的リソースの周期を、セット毎に異ならせてもよい。このことを複数のサービスに適用してもよい。すなわち、サービス毎に異なる周期を設定するとよい。例えば、サービス毎のQoSに適した周期を設定することで、サービス毎のQoS要求を達成可能となる。
リソースの選択は、リソースのセット毎に行ってもよい。リソースのセット毎に、リソース設定を行ってもよい。たとえば、リソースのセットを追加するたびに、リソースの選択を行ってもよい。このようにすることで、必要に応じてリソースリザベーションを実施可能となるため、リソース使用効率を向上させることが可能となる。
リソースの選択は、全リソースのセット、あるいは複数のリソースセットグループ毎に行ってもよい。全リソースのセット、あるいは複数のリソースセットグループ毎に、リソース設定を行ってもよい。たとえば、最初のリソースのセットのリソース選択を行うタイミングで、必要とするリソースのセット数を決定し、該リソースのセットのためのリソース選択を実施する。このようにすることで、リソース選択の処理を多数実施する必要が無くなり、制御を簡易にできる。
リソース再選択までの回数(あるいは時間)を、リソースのセット毎に設定してもよい。リソース再選択までの回数(あるいは時間)を、リソースのセット毎に設定可能となる。たとえば、リソースのセット毎の、リザーブするリソースの周期に応じて、リソース再選択までの回数を設定してもよい。リソース再選択までの回数については前述の方法を適用してもよい。このようにすることで、リソースのセット毎に適したリソース再選択までの回数を設定できる。
リソース再選択までの回数(あるいは時間)を、全リソースのセットで同じに設定してもよい。該設定は、たとえば、全リソースのセットのリソース選択を同じタイミング実施するような場合に適用してもよい。このようにすることで、リソース再選択のタイミングを全リソースのセットで同じにすることができる。このため、リソース再選択の処理を多数実施する必要が無くなり、制御を簡易にできる。
図37は、SLでの初送および/あるいは再送用に、複数セットの周期的リソースをリザベーションする方法の一例を示す概念図である。
図37は、2つのセットの周期的リソースを時間分割多重した場合について示している。各セットにおいてリザベーションされたリソースの周期をRRI-1、RRI-2としている。
SLでの送信データが発生したUE(ソースUE)は、まず1つ目のセットとして、周期RRI-1の周期的リソースをリザベーションする。UEは、リザベーションしたリソース7201で初送データを送信する。1つ目のセットの次のリソースタイミングが来る前に、該UEにさらに送信データが発生した場合、2つ目のセットとして、周期RRI-2の周期的リソースをリザベーションする。UEは、リザベーションしたリソース7204で、発生した初送データを送信する。このように、複数セットの周期的リソースをリザベーションすることで、次の初送を早期に開始可能となる。
各セットにおけるリザベーションした周期的リソースでの送信方法は、図36で開示した方法と同様なので説明を省略する。
他の方法を開示する。SLでの初送に用いられるリソースと再送に用いられるリソースとが個別にリザベーションされる。UEが、SLでの初送に用いるリソースと再送に用いるリソースとを個別にリザベーションしてもよい。初送に用いるリソースを1セット、リザベーションし、該初送に対する再送に用いるリソースを1セット、リザベーションする。これら2セットの組合せを複数、リザベーションしてもよい。
リザベーションする初送用および再送用の各セットのリソースは周期的であってもよい。セミパーシステント送信あるいは設定済グラント送信のためのリソースリザベーション方法を適用してもよい。SLでの送信データが発生したUEが、該リソースをリザベーションするとしてもよい。
あるいは、gNBが、SLでの該リソースをリザベーションして、リザベーションしたリソースをSLでの送信を実施するUEに通知してもよい。gNBは該UEに対して、リザベーションしたリソースをSLでのリソースのスケジューリング情報として通知してもよい。該通知にUuにおけるPDCCHを用いてもよい。
たとえば、UEは、SLでの初送用に1セットの周期的リソースをリザベーションし、該初送に対する再送用に1セットの周期的リソースをリザベーションする。UEは、初送用の1セットの周期的リソースで初送を行い、再送用の1セットの周期的リソースで再送を行う。
初送用の周期的リソースの周期は、再送用の周期的リソースの周期と異なってもよい。たとえば、初送データの発生タイミングが再送データの発生タイミングと異なる場合、これらの周期を異ならせることによって、各データの発生タイミングに適した周期とすることが可能となる。
UEは、初送用の周期的リソースで初送データを送信後、HARQフィードバックでNackを受信したら、再送用の周期的リソースで再送データを送信する。UEは、HARQフィードバックでAckを受信したら、再送を停止する。また、再送停止後、初送用の周期的リソースで新たな初送を行ってもよい。
たとえば、初送の発生タイミングが再送のタイミングより長周期の場合、初送の発生タイミングに応じて初送用リソースの周期をリザベーションし、再送タイミングに応じて再送用リソースをリザベーションする。このようにすることで、短い周期で再送を実施できる。
リソース再選択までの回数(あるいは時間)を、初送のリソースに対して設定してもよい。リソース再選択までの回数を超えたら、初送および再送のリソースのセットの再選択を実施する。このようにすることで、リソース再選択の処理を簡易にすることができる。
リソース再選択までの回数(あるいは時間)を、初送のリソースのセットに対して設定し、再送のリソースのセットに対しても設定してもよい。初送用リソースのセットと、再送用リソースのセットで、リソース再選択までの回数として、異なる回数を設定してもよい。初送用リソース再選択までの回数を超えたら、初送用のリソースのセットの再選択を実施する。再送用リソース再選択までの回数を超えたら、再送用のリソースのセットの再選択を実施する。このようにすることで、初送と再送とで個別に適したリソース再選択までの回数を設定できる。
リソース再選択までの回数(あるいは時間)を、初送のリソースのセットに対して設定し、再送のリソースのセットに対しても設定してもよい。初送用リソースのセットと、再送用リソースのセットで、リソース再選択までの回数として、異なる回数を設定してもよい。初送用リソース再選択までの回数を超えたら、初送用のリソースのセットと再送用のリソースのセットの両方の再選択を実施する。再送用リソース再選択までの回数を超えたら、再送用のリソースのセットのみの再選択を実施する。このようにすることで、不要な再送用のリソースのリザベーションを低減させることが可能となる。リソース使用効率を向上させることで可能となる。
図38は、SLでの初送に用いられるリソースと再送に用いられるリソースとを個別にリザベーションする方法の一例を示す概念図である。
図38は、初送用の周期的リソースが1セット、リザベーションされ、再送用の周期的リソースが1セット、リザベーションされる場合について示している。初送用の周期的リソースと再送用の周期的リソースの多重方法として、時間分割多重、周波数分割多重、時間-周波数分割多重がある。図38は、周波数分割多重の場合について示している。初送用の周期的リソースの周期を初送用RRI(RRI for initial TX)とし、再送用の周期的リソースの周期を再送用RRI(RRI for re-TX)としている。
SLでの送信データが発生したUE(ソースUE)は、初送用の周期的リソース(周期はRRI for initial TX)を1セット、リザベーションし、再送用の周期的リソース(周期はRRI for re-TX)を1セット、リザベーションする。ソースUEは、リザベーションした初送用のリソース7301で初送データを送信する。対向するUE(ターゲットUE)が該初送データを受信できない場合、対向するUEはHARQフィードバック信号としてリソース7302でNackを送信する。Nackを受信したソースUEは再送データを、再送用にリザベーションしたリソース7303で送信する。
ソースUEが、再送用にリザベーションしたリソース7305で再送を行い、ターゲットUEが該再送データを受信できた場合、ターゲットUEはHARQフィードバック信号としてAckをリソース7306で送信する。Ackを受信したソースUEは、次に発生した初送データを、初送用にリザベーションしたリソース7308で送信する。このような方法を繰返して再送制御を行う。
このような方法とすることで、前述の1セットで初送と再送を行う方法に比べ、初送の発生タイミングが長周期の場合でも再送の周期を短く設定することが可能となる。それにより、再送までにかかる時間を低減可能となる。このため、低遅延な送信が可能となる。
他の方法を開示する。SLでの初送と再送に用いられるリソースのグループがリザベーションされる。UEが、SLでの初送と再送に用いるリソースのグループをリザベーションしてもよい。初送と再送に用いられるリソースのグループが1セット、リザベーションされてもよい。UEが、SLでの初送と再送に用いるリソースのグループを1セット、リザベーションしてもよい。
これらのセットを複数、リザベーションしてもよい。初送と再送のグループを複数、同時に送信可能となる。一つのグループを一つのHARQプロセスに対応させてもよい。複数のHARQプロセスを同時に送信可能となる。
リザベーションするリソースグループにおいて、再送用のリソースは周期的であってもよい。リザベーションするリソースグループの各セット間で対応するリソースは、周期的であってもよい。セミパーシステント送信あるいは設定済グラント送信のためのリソースリザベーション方法を適用してもよい。SLでの送信データが発生したUEが、該リソースをリザベーションするとしてもよい。
あるいは、gNBが、SLでの該リソースをリザベーションして、リザベーションしたリソースをSLでの送信を実施するUEに通知してもよい。gNBは該UEに対して、リザベーションしたリソースをSLでのリソースのスケジューリング情報として通知してもよい。該通知にUuにおけるPDCCHを用いてもよい。
たとえば、UEは、SLでの初送用のリソースと再送用の周期的リソースとからなるリソースグループをリザベーションする。また、UEは、1セットの周期的リソースグループをリザベーションする。UEは、リソースグループの初送用のリソースで初送を行い、リソースグループの再送用の周期的リソースで再送を行う。
リソースグループの再送用のリソースの周期は、リソースグループの初送用のリソースの周期と異なってもよい。たとえば、初送データの発生タイミングが再送データの発生タイミングと異なる場合、これらの周期を異ならせることによって、各データの発生タイミングに適した周期とすることが可能となる。
UEは、リソースグループの初送用のリソースで初送データを送信後、HARQフィードバックでNackを受信したら、リソースグループの再送用の周期的リソースで再送データを送信する。UEは、HARQフィードバックでAckを受信したら、再送を停止する。UEは、周期的リソースグループの初送用のリソースで新たな初送を行ってもよい。
たとえば、初送の発生タイミングが再送のタイミングより長周期の場合、初送の発生タイミングに応じてリソースグループを周期的にリザベーションし、再送タイミングに応じてリソースグループの再送用リソースを周期的にリザベーションする。このようにすることで、再送を短い周期で実施できる。
また、リソースグループにおいて再送用にリザベーションするリソースの数を限定してもよい。たとえば、再送用にリザベーションするリソースの数を、最大再送回数と同じ値に制限する。このようにすることで、不要なリソースのリザベーションを抑制することが可能となる。リソース使用効率を向上させることができる。
リソース再選択までの回数(あるいは時間)は、前述の、初送用の周期的リソースが1セット、リザベーションされ、再送用の周期的リソースが1セット、リザベーションされる場合で開示した方法を適用してもよい。同様の効果を得ることができる。
図39は、SLでの初送と再送に用いられるリソースのグループをリザベーションする方法の一例を示す概念図である。
図39は、リソースグループとして、初送用の一つのリソースと再送用の周期的リソースとがリザベーションされ、1セットのリソースグループが周期的にリザベーションされる場合について示している。リソースグループの初送用のリソースと再送用の周期的リソースの多重方法として、時間分割多重、周波数分割多重、時間-周波数分割多重がある。また、リソースグループ間の多重方法として、時間分割多重、周波数分割多重、時間-周波数分割多重がある。図39では、リソースグループの再送用の周期的リソースの周期を再送用RRI(RRI for re-TX)とし、リソースグループの周期的リソースの周期を送信グループ用RRI(RRI for TX group)としている。
SLでの送信データが発生したUE(ソースUE)は、リソースグループの初送用のリソースと再送用の周期的リソース(周期はRRI for re-TX)をリザベーションする。また、ソースUEは、該リソースグループを周期的(周期はRRI for TX group)に1セット、リザベーションする。ソースUEは、リザベーションしたリソースグループの初送用のリソース7401で初送データを送信する。対向するUE(ターゲットUE)が該初送データを受信できない場合、対向するUEはHARQフィードバック信号としてリソース7402でNackを送信する。Nackを受信したソースUEは再送データを、再送用にリザベーションしたリソース7403で送信する。
ソースUEが、再送用にリザベーションしたリソース7405で再送を行い、ターゲットUEが該再送データを受信できた場合、ターゲットUEはHARQフィードバック信号としてAckをリソース7406で送信する。Ackを受信したソースUEは、再送を停止する。ソースUEは、次に発生した初送データを、リソースグループの初送用にリザベーションしたリソース7407で送信してもよい。このような方法を繰返して再送制御を行う。
このような方法とすることで、初送の発生タイミングが長周期の場合でも再送の周期を短く設定することが可能となる。それにより、再送までにかかる時間を低減可能となる。このため、低遅延な送信が可能となる。また、リソースグループの再送用にリザベーションするリソースの数を限定することで、リソース使用効率を向上させることができる。また、リソースグループのセットを複数、リザベーションしてもよい。複数の初送と再送のグループを同時に送信可能となるため、低遅延で高速な通信が可能となる。
他の方法を開示する。SLでの再送に用いられるリソースは再送時にリザベーションされる。UEが、SLでの再送に用いるリソースを、再送時にリザベーションしてもよい。リザベーションする再送用のリソースは周期的であってもよい。セミパーシステント送信あるいは設定済グラント送信のためのリソースリザベーション方法を適用してもよい。SLで再送が発生したUEが、該リソースをリザベーションするとしてもよい。
あるいは、SLでの再送時、gNBが、再送用リソースをリザベーションして、リザベーションしたリソースを、SLでの送信を実施するUEに通知してもよい。gNBは該UEに対して、リザベーションしたリソースをSLでの再送用リソースのスケジューリング情報として通知してもよい。該通知はUuにおけるPDCCHを用いてもよい。gNBがスケジューリングすることで、SLにおける他UEとのリソースの衝突を抑制可能となる。
UEがgNBに対して、再送用リソースが必要である旨を通知してもよい。該通知を再送用リソース要求としてもよい。前述のgNBが再送用リソースをリザベーションする方法に、再送用リソース要求を用いてもよい。再送が必要となったUEは、gNBに対して再送用リソース要求を通知する。UEからの再送用リソース要求受信したgNBは、SLでの再送用のリソースをリザベーションする。gNBは、リザベーションした再送用リソースのスケジューリング情報を、UEに対して通知する。このようにすることで、gNBが、再送発生時にUEに対して再送用のリソースをリザベーション可能となる。
UEがgNBに対して送信する再送用リソース要求は、UuでUEからgNBに送信するSRを利用してもよい。あるいはBSRを利用してもよい。あるいは、再送用リソース要求を、PUCCHに含めて通知してもよい。gNBはUEに対して予め、SR用のリソース、あるいはBSR用のリソース、あるいはPUCCH用のリソースの設定を実施しておくとよい。
SLでの初送に用いられるリソースについては個別にリザベーションされてもよい。UEが、SLでの初送に用いるリソースを個別にリザベーションしてもよい。初送に用いるリソースを1セット、リザベーションする。該初送に対する再送に用いるリソースとして、前述の再送時にリザベーションしたリソースを用いるとよい。
再送用にリザベーションするリソースは周期的であってもよい。初送に用いるリソースは周期的であってもよい。再送用にリザベーションする周期的リソースの数を限定してもよい。たとえば、再送用にリザベーションする周期的リソースの数を、最大再送回数と同じ値に制限してもよい。リソースの使用効率を向上できる。
たとえば、UEは、SLでの初送用の周期的リソースをリザベーションする。また、UEは、再送時、再送用の周期的リソースをリザベーションする。UEは、初送用の周期的リソースで初送を行い、再送が生じたときにリザベーションした再送用の周期的リソースで再送を行う。
初送用の周期的リソースの周期は、再送用の周期的リソースの周期と異なってもよい。たとえば、初送データの発生タイミングが再送データの発生タイミングと異なる場合、これらの周期を異ならせることによって、各データの発生タイミングに適した周期とすることが可能となる。
UEは、初送用のリソースで初送データを送信後、HARQフィードバックでNackを受信したら、再送用の周期的ソースをリザベーションする。UEは、リザベーションした再送用の周期的リソースで、再送データを送信する。UEは、HARQフィードバックでAckを受信したら、再送を停止する。UEは、初送用の周期的リソースで新たな初送を行ってもよい。
たとえば、初送の発生タイミングが再送のタイミングより長周期の場合、初送の発生タイミングに応じて初送用の周期的リソースをリザベーションし、再送タイミングに応じて再送用の周期的リソースをリザベーションする。このようにすることで、再送を短い周期で実施できる。
リソース再選択までの回数(あるいは時間)は、前述の、初送用の周期的リソースが1セット、リザベーションされ、再送用の周期的リソースが1セット、リザベーションされる場合で開示した方法を適用してもよい。同様の効果を得ることができる。
図40は、SLでの再送に用いられるリソースを再送時にリザベーションする方法の一例を示す概念図である。図40は、初送用に1セットの周期的リソースがリザベーションされ、再送用の周期的リソースが再送時にリザベーションされる場合について示している。初送用のリソースと再送用のリソースの多重方法として、時間分割多重、周波数分割多重、時間-周波数分割多重がある。図40では、初送用の周期的リソースの周期をRRIとし、再送用の周期的リソースの周期を再送用RRI(RRI for re-TX)としている。
SLでの送信データが発生したUE(ソースUE)は、初送用に1セットの周期RRIの周期的リソースをリザベーションする。ソースUEは、リザベーションした初送用のリソース7501で初送データを送信する。対向するUE(ターゲットUE)が該初送データを受信できない場合、対向するUEはHARQフィードバック信号としてNackをリソース7502で送信する。Nackを受信したソースUEは、再送のための周期的リソース(周期はRRI for re-TX)をリザベーションする。ソースUEは、リザベーションした再送用の周期的リソース7503で再送を行う。
ソースUEが、再送用にリザベーションしたリソース7505で再送を行い、ターゲットUEが該再送データを受信できた場合、ターゲットUEはHARQフィードバック信号としてAckをリソース7506で送信する。Ackを受信したソースUEは、再送を停止する。ソースUEは、次に発生した初送データを、初送用にリザベーションしたリソース7508で送信してもよい。このような方法を繰返して再送制御を行う。
再送時に再送用のリソースをリザベーションするため、リソースのセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを予め実施するとよい。初送の送信あるいは再送の送信と並行して、リソースセンシング、リソース選択、リソースリザベーションを行ってもよい。ただし、ハーフデュプレクス(Half Duplex)通信の場合は送信と受信を同時にできないため、初送あるいは再送を行っている期間はセンシングあるいはリソース選択を中断するようにしてもよい。
図40の例では、ソースUEが、初送と並行して、符号7521、7523、7525で示す期間においてリソースセンシングを行う。また、ソースUEがターゲットUEからNackを受信し、再送が発生した場合、符号7522、7524で示す期間において、ソースUEはリソースの選択およびリソースリザベーションを行う。ソースUEは、リザベーションしたリソースで再送を行う。再送が発生するたびに、再送用リソースのためのリソース選択およびリソースリザベーションが行われてもよい。図40の例では、再送用のリソースを周期的(周期はRRI for re-TX)にリザベーションしている。このようにすることで、その後に再送が発生した場合も、該周期的リソースを使用可能となる。このため、リソース選択、リソースリザベーションの回数を低減することができる。再送用リソースのリザベーション処理を簡易にすることが可能となる。
このような方法とすることで、再送が発生してから再送用のリソースをリザベーションすればよいので、再送用のリソースを予めリザベーションしておく必要が無くなる。このため、たとえば、ターゲットUEが初送データを受信できたような場合に、既に再送用のリソースをリザベーションしているために該リソースが無駄になってしまうということはない。リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
他の方法を開示する。SLでの再送に用いられるリソースは再送時にリザベーションされる。UEが、SLでの再送に用いるリソースを、再送時にリザベーションしてもよい。リザベーションする再送用のリソースは周期的であってもよい。セミパーシステント送信あるいは設定済グラント送信のためのリソースリザベーション方法を適用してもよい。SLで再送が発生したUEが、該リソースをリザベーションするとしてもよい。
前述で、gNBが、初送用あるいは再送用のリソースをリザベーションして、リザベーションしたリソースをUEに通知することを開示した。gNBが再送用のリソースをリザベーションしてUEに通知する場合のみHARQ再送をサポートする、としてもよい。このようにすることで、UEが再送用リソースをリザベーションする必要は無くなる。このため、リザベーションするリソース量を低減することが可能となる。このため、他UEが使用するリソースとの衝突を低減させることが可能となる。SLにおけるユニキャスト通信を高品質、高信頼性で実施することが可能となる。
本実施の形態5では、初送用、再送用、フィードバック用のリソースが周波数方向に連続である例を開示した。これに限らず、初送用、再送用、フィードバック用のリソースは周波数方向に離散的としてもよい。また、本実施の形態5では、初送用、再送用、フィードバック用のリソースは時間方向に1スロットである例を開示した。これに限らず、初送用、再送用、フィードバック用のリソースは時間方向に複数スロット連続としてもよい。
本実施の形態5で開示した方法とすることで、SLにおけるHARQフィードバックでAckを受信できなかった場合の再送用リソースの設定方法が明確となる。このため、HARQフィードバック制御が可能となり、SLにおけるユニキャスト通信を高品質、高信頼性で実施することが可能となる。
UEがリソースリザベーションを行った場合、リソース再選択を実施するまでは該リソースをリザベーションしたままになる。UEはリソース設定において、リソースセンシング、リソース選択を実施する。この際、他のUEがリザベーションしたリソースは使用できない場合が生じる。このため、不要なリソースをリザベーションしておくのは、リソース使用効率を低下させることになる。ここでは、このような課題を解決する方法を開示する。
新たな送信データが無くなったUEは、初送用リソーススケジューリング情報を含むSCIを送信しない。該UEは、次にリザベーションされている初送用リソースでPSCCHを送信しないとしてもよい。対向するUEは、次にリザベーションされている初送用リソースでPSCCHあるいは該SCIが無いことを確認し、送信データが無いことを認識できる。他のUEは、リソースセンシングにおいて、PSCCHあるいは該SCIを受信できないため、リザーブされた初送用リソースが使用されていないことを認識する。
リザーブされた初送用リソースが使用されていないことを認識したUEは、リソースセンシングにおいて、該リソースを、リザベーションするリソース候補として選択可能となる。このようにすることで、他のUEがリソースを使用することが可能となり、リソース使用効率を向上させることができる。
他の方法を開示する。新たな送信が無いことを示す情報を設ける。新たな送信データが無くなったUEは、新たな送信が無いことを示す情報を、初送用リソーススケジューリング情報用のSCIに含めて、通知する。該UEは、次にリザベーションされている初送用リソースのPSCCHで新たな送信が無いことを通知してもよい。対向するUEは、次にリザベーションされている初送用リソースのPSCCHあるいは該SCIに、新たな送信が無いことを示す情報が含まれているか否かを確認し、該情報が含まれている場合は、送信データが無いことを認識できる。他のUEは、リソースセンシングにおいて、PSCCHあるいは該SCIに、新たな送信が無いことを示す情報が含まれているか否かを確認し、該情報が含まれている場合は、リザーブされた初送用リソースが使用されていないことを認識する。
リザーブされた初送用リソースが使用されていないことを認識したUEは、リソースセンシングにおいて、該リソースを、リザベーションするリソース候補として選択可能となる。このようにすることで、他のUEがリソースを使用することが可能となり、リソース使用効率を向上させることができる。新たな送信が無いことを示す情報を設けることで、UEは明示的に、送信データが無いこと、あるいは、リザーブされた初送用リソースが使用されないことを認識可能となる。明示的な通知によって、誤動作の発生を低減させることができる。
UEが新たな送信データが無くなったと判断する方法を開示する。UEは、所定の期間(回数)連続でデータを送信しない場合、送信データが無くなったと判断する。UEは、所定の期間、送信データバッファにデータが無い場合、送信データが無くなったと判断してもよい。UEは、上位レイヤから送信データが無くなったことを示す情報を通知された場合、送信データが無くなったと判断してもよい。UEは、上位レイヤからサービス終了を示す情報を通知された場合、送信データが無くなったと判断してもよい。このようにすることで、UEは、新たな送信データが無くなったことを判断可能になる。
3GPPでは、ユニキャスト通信において、従来行われていなかったHARQの再送が実施されることが検討されている。HARQの再送が行われる場合について開示する。HARQの再送では、UEがAck受信した後に、再送データは送信されない。このため、再送用にリザベーションしたリソースはAck受信後に使用されないことになる。
UEは、リソース設定を実施する際に再送用にリザベーションしたリソースを除外する場合がある。このため、他のUEが再送用にリザベーションしたリソースを使用できない場合が生じる。したがって、不要な再送用リソースをリザベーションしておくのは、リソース使用効率を低下させることになる。ここでは、このような課題を解決する方法を開示する。
HARQフィードバックのAckを受信したUEは、再送用リソーススケジューリング情報を含むSCIを送信しない。該UEは、次にリザベーションされているリソースでPSCCHを送信しないとしてもよい。対向するUEは、次にリザベーションされているリソースでPSCCHあるいは該SCIが無いことを確認し、送信データが無いことを認識できる。他のUEは、リソースセンシングにおいて、PSCCHあるいは該SCIを受信できないため、リザーブされた再送用リソースが使用されていないことを認識する。
リザーブされた再送用リソースが使用されていないことを認識したUEは、リソースセンシングにおいて、該リソースを、リザベーションするリソース候補として選択可能となる。このようにすることで、他のUEがリソースを使用することが可能となり、リソース使用効率を向上させることができる。
他の方法を開示する。再送が無いことを示す情報を設ける。HARQフィードバックのAckを受信したUEは、再送が無いことを示す情報を、再送用リソーススケジューリング情報用のSCIに含めて通知する。該UEは、次にリザベーションされているリソースのPSCCHで再送が無いことを通知してもよい。対向するUEは、次にリザベーションされているリソースのPSCCHあるいは該SCIに、再送が無いことを示す情報が含まれているか否かを確認し、該情報が含まれている場合は、再送データが無いことを認識できる。他のUEは、リソースセンシングにおいて、PSCCHあるいは該SCIに、再送が無いことを示す情報が含まれているか否かを確認し、該情報が含まれている場合は、リザーブされた再送用リソースが使用されていないことを認識する。
リザーブされた再送用リソースが使用されていないことを認識したUEは、リソースセンシングにおいて、該リソースを、リザベーションするリソース候補として選択可能となる。このようにすることで、他のUEがリソースを使用することが可能となり、リソース使用効率を向上させることができる。再送が無いことを示す情報を設けることで、UEは明示的に、再送データが無いこと、あるいは、リザーブされた再送用リソースが使用されないことを認識可能となる。明示的な通知によって、誤動作の発生を低減させることができる。
このようにすることで、HARQフィードバックがサポートされた場合でも、リソース使用効率を向上させることが可能となる。
HARQのフィードバック用リソースについて開示する。前述の再送用リソースについて開示した方法を適用すると良い。再送用のリソースが使用されているか否かで、フィードバック用リソースも使用されているか否かを判断する。たとえば、再送用のリソースが使用されている場合は、フィードバック用のリソースも使用されていると判断する。再送用のリソースが使用されていない場合は、フィードバック用にリソースも使用されていないと判断する。
このようにすることで、他のUEが、使用されていないフィードバック用リソースを、リザベーションするリソース候補として選択可能となる。このため、さらに、リソース使用効率を向上させることが可能となる。
ユニキャスト通信あるいはグループキャスト通信を行っているUEが移動するなどによって、ターゲットUEがソースUEのカバレッジ内から出てしまう場合が発生する。このような場合、対向するUE間で通信はできなくなるが、UEがリソース再選択を実施するまでは該リソースをリザベーションしたままになる。
UEはリソース設定において、リソースセンシング、リソース選択を実施する。この際、他のUEがリザベーションしたリソースは使用できない場合が生じる。このため、不要なリソースをリザベーションしておくのは、リソース使用効率を低下させることになる。ここでは、このような課題を解決する方法を開示する。
ソースUEは、ターゲットUEからの所定の信号/チャネルあるいはシグナリングを所定の時間(回数)受信できない場合、ソースUEのカバレッジ外へ移動したと判断する。所定の信号/チャネルあるいはシグナリングとして以下に6つの例を開示する。
(1)フィードバック。該フィードバックはHARQフィードバックであってもよい。
(2)CSI。
(3)PSSCH。
(4)RS。RSとして、SRS、DMRS、PTRSなどがある。
(5)ターゲットUEからソースUEへの応答シグナリング。
(6)(1)から(5)の組合せ。
所定の信号/チャネルあるいはシグナリングは、周期的に送信されるとよい。所定の信号/チャネルあるいはシグナリングは、所定の期間、周期的に送信されてもよい。このようにすることで、ソースUEは、ターゲットUEがソースUEのカバレッジ外へ移動したことを判断可能となる。
ソースUEが、ターゲットUEがカバレッジ外へ移動したと判断した場合の処理方法を開示する。初送用および/または再送用リソーススケジューリング情報を含むSCIを送信しない。次にリザベーションされているリソースでPSCCHを送信しないとしてもよい。他のUEは、リソースセンシングにおいて、PSCCHあるいは該SCIを受信できないため、リザーブされたリソースが使用されていないことを認識する。
リザーブされたリソースが使用されていないことを認識したUEは、リソースセンシングにおいて、該リソースを、リザベーションするリソース候補として選択可能となる。このようにすることで、他のUEがリソースを使用することが可能となり、リソース使用効率を向上させることができる。
他の方法を開示する。新たな送信が無いことを示す情報を設ける。新たな送信データが無くなったUEは、新たな送信が無いことを示す情報を、初送用および/または再送用リソーススケジューリング情報用のSCIに含めて通知する。該UEは、次にリザベーションされているリソースのPSCCHで新たな送信が無いことを通知してもよい。他のUEは、リソースセンシングにおいて、PSCCHあるいは該SCIに、新たな送信が無いことを示す情報が含まれているか否かを確認し、該情報が含まれている場合は、リザーブされたリソースが使用されていないことを認識する。このようにすることで、他のUEがリソースを使用することが可能となり、リソース使用効率を向上させることができる。
このようにすることで、ターゲットUEが、ソースUEのカバレッジ外へ移動した場合のリソース使用効率を向上させることが可能となる。
ソースUEは、ターゲットUEがソースUEのカバレッジ外へ移動した場合、該ターゲットUEとの間で実施していたユニキャスト通信のための設定をリセットしてもよい。該ユニキャスト通信のみがユニキャスト接続で行われている場合、ユニキャスト通信も終了してもよい。ユニキャスト接続における設定をリセットしてもよい。このようにすることで、ソースUEにおける無線リソースを他のサービスや通信に解放することが可能となる。
ターゲットUEが、ソースUEのカバレッジ外へ移動したか否かの判断方法を開示する。ターゲットUEは、ソースUEからの所定の信号/チャネルあるいはシグナリングを所定の期間(回数)受信できない場合、送信カバレッジ外へ移動したと判断する。所定の信号/チャネルあるいはシグナリングとして以下に4つの例を開示する。
(1)PSCCH。
(2)PSSCH。
(3)RS。RSとして、DMRS、CSI-RS、PTRSなどがある。
(4)(1)から(3)の組合せ。
所定の信号/チャネルあるいはシグナリングは、周期的に送信されるとよい。所定の信号/チャネルあるいはシグナリングは、所定の期間、周期的に送信されてもよい。このようにすることで、ターゲットUEは、ソースUEのカバレッジ外へ移動したことを判断可能となる。
ターゲットUEが、ソースUEのカバレッジ外へ移動したと判断した場合の処理方法は、前述の方法、具体的には、ソースUEが、ターゲットUEがソースUEのカバレッジ外へ移動したと判断した場合の処理方法を適用するよい。該方法は、ターゲットUEがリソース設定を行うような場合に適用すると良い。
また、ターゲットUEは、ソースUEのカバレッジ外へ移動した場合、該ソースUEとの間で実施していたユニキャスト通信のための設定をリセットしてもよい。該ユニキャスト通信のみがユニキャスト接続で行われている場合、ユニキャスト通信も終了してもよい。ユニキャスト接続における設定をリセットしてもよい。このようにすることで、ターゲットUEにおける無線リソースを他のサービスや通信に解放することが可能となる。
前述に開示した方法において、ソースUEおよび/またはターゲットUEは、リザベーションしたリソースを使用しないことを、gNBに通知してもよい。ソースUEおよび/またはターゲットUEは、リソースを解放したことを、gNBに通知してもよい。たとえば、該通知を、gNBがスケジューリングする場合に適用することで、gNBは、使用されていないリソースを他のUEのスケジューリングに用いることが可能となる。リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
実施の形態3から実施の形態5では、SLでのユニキャスト通信における再送をSLで行うことを示した。UE間のSLの通信品質が悪い状態が継続するような場合、SLでは再送が送達されなくなってしまう問題が生じる。このような問題を解決する方法を開示する。
再送データを、Uuを用いて送信する。UEは再送データをgNBに対して送信し、gNBは該再送データを、再送データの送信先であるターゲットUEに対して送信する。該方法はHARQフィードバックの再送に適用してもよい。たとえば、HARQ処理が行われるプロトコルで、PC5からUuへの再送データの切替えを行うとよい。前述の方法はRLC再送に適用してもよい。たとえば、RLC再送が行われるプロトコルで、PC5からUuへの再送データの切替えを行うとよい。前述の方法はパケットデータの再送に対して適用してもよい。たとえば、PDCPプロトコルでPC5からUuへの再送データの切替えを行うと良い。
再送データを送信するUEは、SLの通信品質状態を評価し、SLの通信品質状態が所定の期間連続して所定の閾値よりも悪い場合に、PC5からUuへ再送データの切替えを行うとしてもよい。このようにすることで、SLの通信品質が悪い状態が続くような場合であっても、Uuを用いることでV2V通信を可能とする。
前述の各実施の形態およびその変形例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において、各実施の形態およびその変形例を自由に組合せることができる。また各実施の形態およびその変形例の任意の構成要素を適宜変更または省略することができる。
例えば、前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレームは、第5世代基地局通信システムにおける通信の時間単位の一例である。スケジューリング単位であってもよい。前述の各実施の形態およびその変形例において、サブフレーム単位として記載している処理を、TTI単位、スロット単位、サブスロット単位、ミニスロット単位として行ってもよい。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。