JP7408145B2 - ヒートシンク及び該ヒートシンクの製造方法並びに該ヒートシンクを用いた電子部品パッケージ - Google Patents
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Description
このようなヒートシンクでは、前記凸部を大きくしたり、前記凸部の形状を複雑にしたりして、その表面積を拡大することにより、放熱性能を向上することが求められる。
そこで、前記凸部を前記基板部とは独立した別体の部品として、比較的大きな形状や複雑な形状等に加工した後、この凸部を前記基板部に接続することが提案される。
一方の面を電子部品に接触させるための電子部品接触面にするとともに他方の面に筒状突部を突設した板状のベース部材と、前記筒状突部に挿入された内側部材と、前記筒状突部に環状に嵌り合う止着孔を有する外側部材とを備え、前記筒状突部の内側面が前記内側部材の外側面に圧接され、前記筒状突部の突端側が前記外側部材に圧接され、前記内側部材と前記外側部材のうちの少なくとも一方が、放熱フィンを構成していることを特徴とするヒートシンク。
第1の特徴は、一方の面を電子部品に接触させるための電子部品接触面にするとともに他方の面に筒状突部を突設した板状のベース部材と、前記筒状突部に挿入された内側部材と、前記筒状突部に環状に嵌り合う止着孔を有する外側部材とを備え、前記筒状突部の内側面が前記内側部材の外側面に圧接され、前記筒状突部の突端側が前記外側部材に圧接され、前記内側部材と前記外側部材のうちの少なくとも一方が、放熱フィンを構成している(図1~図6参照)。
すなわち、この発明の一つは、ヒートシンクであって、一方の面を電子部品に接触させるための電子部品接触面にするとともに他方の面に筒状突部を突設した板状のベース部材と、前記筒状突部に挿入された内側部材とを備え、前記筒状突部の内側面が前記内側部材の外側面に圧接され、前記内側部材が、前記筒状突部よりも突出して放熱フィンを構成している。
この発明によれば、内側部材と筒状突部とを互いに圧接して、これら二つの部材の接続強度を向上することができる。
さらに他の発明は、上記ヒートシンクの製造方法であって、前記筒状突部内に前記内側部材を挿入する内側挿入工程と、この工程の後に、前記筒状突部をその突出方向側から押圧して径方向の内側へ塑性変形させて前記内側部材に圧接するカシメ工程とを含む。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
外側部材装着面12は、平坦状の面に、外側部材30側へ突出する複数の筒状突部13を有する。
より詳細に説明すれば、この筒状突部13は、外側部材30の各々に対応するようにして、外側部材30毎に複数(図示例によれば二つ)設けられる。
この筒状突部13の内部は、ベース部材10を厚さ方向へ貫通する貫通孔状に形成される。
そして、各筒状突部13の内側面(内周面)は、内側部材20の外側面(外周面)に圧接され、各筒状突部13の突端側は、止着孔31aの外部側で、径方向外側へカシメられ変形して底片部31の上面に圧接される(図4(f)参照)。この筒状突部13の加工方法については、後に詳述する。
この内側部材20は、一端側(図示例によれば上端側)を筒状突部13外へ露出した状態で、他端側を筒状突部13に内在している。そして、内側部材20の前記他端側の端部は、ベース部材10の電子部品接触面11と、略面一にある。この構成によれば、凹凸のない電子部品接触面11を電子部品Xに接触させて、電子部品Xの熱を当該ヒートシンク1に効率良く伝達することができる。
この底片部31には、ベース部材10の一辺に沿って直線上に並ぶ複数の筒状突部13に対応するように、複数の貫通状の止着孔31a(図2参照)が設けられる。各止着孔31aには、筒状突部13が貫通状に挿通されている。
各突片部32は、矩形平板状に形成され、底片部31に対し略直交している。
また、ベース部材10、内側部材20及び外側部材30の各々は、単一材料から形成してもよいし、二つ以上の異なる材料を一体的に組み合わせた複合材料から形成してもよい。
この製造方法では、平板状原材に筒状突部13を加工してベース部材10とする工程(図3(a)(b)参照)と、筒状突部13の内側に内側部材20を挿入して、ベース部材10に貫通させた内側部材20の端部と電子部品接触面11とを平坦面状の台Tに当接する内側挿入工程(図3(c)参照)と、筒状突部13を止着孔31aに挿通するようにして外側部材30をベース部材10に装着する外側装着工程(図3(d)参照)と、これらの工程の後に、筒状突部13をその突出方向側から押圧して径方向の内側へ塑性変形させて内側部材20に圧接するとともに、同筒状突部13の突端側を径方向外側へ塑性変形させて外側部材30に圧接するカシメ工程(図4(e)(f))とを含む。
そして、図3(b)に示すように、前記凸部の突端壁をプレス加工等により打ち抜くことで、筒状突部13を形成する。これらの加工工程の少なくとも一部には、例えば特許文献1に記載される加工方法を適用することが可能である。
台Tは、例えば、金属材料等の硬質材料から直方体状に形成される。この台Tの上面は、平坦状であり、ベース部材10の電子部品接触面11に接触する。
この際、筒状突部13は、止着孔31a内にて圧縮変形して、その内周面を、内側部材20の外周面に圧接する。
さらに、この筒状突部13は、その突端側であって止着孔31aよりも外側の部分を、径方向の外側へ塑性変形して、止着孔31aの周囲側にて外側部材30の底片部31の外面に圧接する。
しかも、前記二か所の圧接を略同時に行うようにしているため、生産性が良好である。
次に、本発明に係るヒートシンクにおける他の実施態様について説明する。
以下に示す実施態様は、上記ヒートシンク1の一部を変更したものであるため、主のその変更部分について詳述し、同様の部分にはヒートシンク1と同一の符号を付け、重複する詳細説明を省略する。
このベース部材10’の筒状突部13は、外側部材40の止着孔41aに対応するように、その数及び配置が設定される。
各止着孔41aには、筒状突部13が貫通状に挿通される。
この電子部品パッケージBによれば、表面積の比較的大きい形状の放熱フィン(外側部材40)がベース部材10’に一体化されているため、電子部品Xによる発熱を、効果的に放熱することができる。
上記構成において、内側部材20は、図7(b)に示す内側部材20’に置換することが可能である。
内側部材20’は、上記内側部材20に対し、その外周面に凹部21’を設けたものである。
凹部21’は、筒状突部13内に位置するように、ベース部材10の厚み方向(図示の上下方向)の寸法が設定されている。
この凹部21’は、図示例によれば、内側部材20’の全周にわたる環状の溝状に形成される。
上記実施の形態によれば、特に好ましい態様として、筒状突部13内の孔を貫通孔状に形成したが、他例としては、筒状突部13内の孔を、電子部品接触面11側を底部とした有底孔状に形成することも可能である。
さらに他例としては、外側部材30(又は40)と内側部材20(又は20’)との双方を、放熱フィンとして構成することも可能である。
10:ベース部材
11:電子部品接触面
12:外側部材装着面
13:筒状突部
20,20’:内側部材
30:外側部材(放熱フィン)
31:底片部
31a:止着孔
32:突片部
40:外側部材(放熱フィン)
41:底片部
41a:止着孔
42:支柱部
43:板状部
J:治具
T:台
X:電子部品
Claims (9)
- 一方の面を電子部品に接触させるための電子部品接触面にするとともに他方の面に筒状突部を突設した板状のベース部材と、前記筒状突部に挿入された内側部材と、前記筒状突部に環状に嵌り合う止着孔を有する外側部材とを備え、
前記筒状突部の内側面が前記内側部材の外側面に圧接され、
前記筒状突部の突端側が前記外側部材に圧接され、
前記内側部材と前記外側部材のうちの少なくとも一方が、放熱フィンを構成していることを特徴とするヒートシンク。 - 前記筒状突部内が、前記ベース部材を貫通する貫通孔状に形成され、
前記電子部品接触面と前記内側部材の端面とが、略面一であることを特徴とする請求項1記載のヒートシンク。 - 前記外側部材は、前記他方の面に接するとともに前記筒状突部の突出量よりも厚みの小さい板状の底片部を有し、この底片部に前記止着孔を形成しており、
前記筒状突部は、前記止着孔に貫通状に挿通されて、その突端側が変形して前記底片部の外面に圧接されていることを特徴とする請求項1又は2記載のヒートシンク。 - 前記外側部材は、前記底片部から前記筒状突部の突出方向へ突出する突片部を具備して前記放熱フィンを構成していることを特徴とする請求項3記載のヒートシンク。
- 前記外側部材は、前記底片部から前記筒状突部の突出方向へ突出した支柱部と、前記支柱部の突端側で前記突出方向に対する交差方向へ延設された板状部とを具備して、前記放熱フィンを構成していることを特徴とする請求項3記載のヒートシンク。
- 前記内側部材の外側面に凹部が設けられ、この凹部に前記筒状突部の内側面が嵌り合っていることを特徴とする請求項1~5何れか1項記載のヒートシンク。
- 前記筒状突部内に前記内側部材を挿入する内側挿入工程と、前記筒状突部を前記止着孔に挿通するようにして前記外側部材を前記ベース部材に装着する外側装着工程と、これらの工程の後に、前記筒状突部をその突出方向側から押圧して径方向の内側へ塑性変形させて前記内側部材に圧接するとともに、同筒状突部の突端側を径方向外側へ塑性変形させて前記外側部材に圧接するカシメ工程とを含むことを特徴とする請求項1~6何れか1項記載のヒートシンクの製造方法。
- 前記カシメ工程の前に、前記ベース部材に貫通させた前記内側部材の端部と前記電子部品接触面とを、平坦面状の台に当接する工程を含むことを特徴とする請求項7記載のヒートシンクの製造方法。
- 前記電子部品接触面に接触するように、電子部品を具備したことを特徴とする請求項1~6何れか1項記載のヒートシンクを用いた電子部品パッケージ。
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