JP7403167B2 - 真空脱気機 - Google Patents
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- Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
Description
特許文献1には周縁上面に細隙円筒スクリーン壁を有する円盤と、その外周面について間隙を存して包囲し、該環状間隙の上部を閉塞すると共に該間隙の下部において前記円盤の外周との間に環状のまた別途通隙を形成させた案内円筒とを一体に結合し、これを真空状態に保持した処理容器内で円盤を回転するように設け案内円筒の下部周縁は下方に延長して下面を開放し、細隙スクリーン壁の内側に原料を供給して処理容器下部はロート状にしてその下端を排出口にして該ロート状部の内側に周囲の通隙を形成させて錘片を収容してなる真空式連続遠心脱泡機が記載されている。
第二に案内筒の周壁内面に層状になり遠心力の比重差を利用して脱泡される。
第三に案内円筒の下部周壁面に沿い薄膜状となって流下しその面積が大きくなったことにより脱泡される。これら第一から第三の効果で効率よく脱泡されるものであると記載されている。
そこで本発明は、液状等の流動性を有する処理物からより高度な脱気、脱泡、脱VOC等の脱ガスを行うことができる回転式真空脱気機の提供を図った。
また、前記スクリーンの貫通部の開口の最小直径が0.01mm以上1.00mm以下にすることにより脱気効果を高める機能を果たすものである。
また本発明は、内部が真空のベッセル内に回転するスクリーン付きローターを配し、液状の処理物を前記ローターに内側より導入してスクリーンを通過させ処理物を微細化して脱気を行う真空脱気機において、前記スクリーンは、その円周上に複数のスリットと、隣り合う前記スリット同士の間に位置するスクリーン部材とを備えたウェッジワイヤーであり、前記スクリーンは断面円形の筒状をなし、前記スクリーンの内壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流入開口とし、前記スクリーンの外壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流出開口とし、前記流入開口と前記流出開口との間の空間をスリット空間とし、
前記流出開口の円周方向の幅(So)及び前記流入開口の円周方向の幅(Si)は、前記スリット空間の円周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられたことを特徴とする微細化装置付き真空脱気機を提供することにより上記の課題を解決する。
また、前記スクリーンの複数のスリットの開口部最小幅が0.01mm以上1.00mm以下にすることにより脱気効果を高める機能を果たすものである。
また、前記真空のベッセルに温度調整機構が敷設されることにより精密な脱気性能が確保できる。
また本発明は、装置の小型化、低価格を提供できたものである。
(概要)
この微細化装置付き真空脱気機(以下単に脱気機100と呼ぶ。)は、内部を真空又は真空に近い減圧空間とするベッセル1の当該内部に流動性を有する処理物を導入して脱気を行った後に処理物をベッセル1外へ連続的に排出するものである(図1)。
この脱気機100において、ベッセル1の内部には、ベッセル1に対し回転するローター30(必要に応じて回転ローター30と呼ぶ。)と、ローター30に設けられた微細化装置31とが備えられている。処理物は、微細化装置31によって微細化され脱気が行われた後に排出口14から外部に排出される。
上記ベッセル1内において、上記微細化装置31は、上記ローター30に設けられてローター30の回転軸を取り囲む筒状のスクリーン3を1つ又は複数備える。
処理物を上記スクリーン3の内側へ導入して上記スクリーン3を通過させることにて、処理物と処理物中の気泡のうち一方又は双方を微細化し脱気を行う。
上記スクリーン3の少なくとも1つについて、各連絡部3aの流入開口3bと流出開口3cの間の少なくとも一部の区間は、処理物の微細化を促進する作用空間である。前記作用空間は、流入開口3b側から流出開口3c側へ向けて漸次断面積を小さくする。
以下各構成について更に詳しく述べる。
ベッセル1は、5Pa~0.1Pa程度の高真空に保たれる密閉性を備えた容器であって、この実施の形態では容器本体10とその上部に配置された蓋体13が開閉可能に接合されたものである。具体的には、容器本体10は、上部の円筒部11と、円筒部11下部へ設けられた底部12とを備える。この例では、底部12は、排出容易な勾配付き底部である。勾配付きの底部12の下端には脱気処理後の処理物を外部に排出する排出口14が設けられている。
蓋体13には、ベッセル1の内部を真空に保つための真空口15が設けられており、真空口15に接続された真空ポンプ52によって内部の気体が外部に排出されることにより、ベッセル1の内部が所定圧の真空状態となる。
ベッセル1には、ベッセル1外部にある上記処理物の供給源からベッセル1内の筒状のスクリーン3の内側へ導入する導入管16が備えられている。この例では、導入管16の吐出口16a(ベッセル1内への導入口)が、回転する筒状のスクリーン3の中心軸上に配置されている。この例では、蓋体13に、処理物をベッセル1の内部に投入する上記導入管16が設けられており、導入管16の下端の上記吐出口16aを上記中心軸上に配置し、当該導入管16を接続されたタンクなどの供給源51から、処理物をベッセル1内へ導入するのである。
容器本体10と蓋体13は両者に設けられたフランジ同士を対向させて減圧下での気密性を確保して固定されることによって一体的なベッセル1が構成されるが、ベッセル1はどの位置で2分化しても構わないし、その接合手段も適宜変更して実施することができる
微細化装置31は、容器本体10の円筒部11に対応する位置に配置されたもので、前述の回転ローター30(請求の範囲のローターに対応する。)と、スクリーン3とを備える(図1)。微細化装置31は、この例では第一スクリーン32と第二スクリーン33の2つのスクリーン3を備える(図1)。
筒状の第二スクリーン33の径は、筒状の第一スクリーン32の径より大きく、第一スクリーン32の外側へ第二スクリーン33が配設される。この例では、回転ローター30は、下側板30aと、上側板30bとを備える。上側板30bは、下側板30aの上方へ下側板30aと間隔を開けて配置される。下側板30aと上側板30bは何れも盤面を上下に向けて配置された円盤である。
上側板30bの下面中央には筒状の導入室30cが、上側板30bと同心となるように形成されている。筒状の導入室30cの上端は、上側板30bの下面と一体とされ、導入室30cの内部は、ドーナツ状の上側板30bの中空部分と連絡している。導入室30cの側部には、導入室30cの内外を連絡する開口30dが設けられている。導入室30cの下端中央は、下方へ隆起する隆起部30eを備える。
導入室30cの上記隆起部30eは、下側板30aの中空部へ、下側板30aに対し回転自在に嵌められ、下側板30aに対し滑って向きを変えることができるものとしてもよいが、この例では、隆起部30eは下側板30aに対し回転しないように取り付けられたものとする。
首部30fの内側へローター用電動機20の駆動軸21が通され、駆動軸21の先端(上端)が隆起部30eへ固定されている。
上下に伸びる筒状の第一スクリーン32及び第二スクリーン33の中心線上に、後述するローター用電動機20の駆動軸21が配置される。
一方、下側板30aは、隆起部30eとの接触により、隆起部30eから間接的に駆動軸21の駆動力を受けて回転する。
尚、上側板30bの径より下側板30aの径が大きいものとし、上側板30bへ第一スクリーン32を設け、下側板30aへ第二スクリーン33を設けるものとしてもよい。
また回転部の封止装置22が敷設されている。
この回転ローター30の内周側には、上述の通り導入管16が配置されており、導入管16の先端の投入口(吐出口16a)から、処理物が回転ローター30に向けて導入される。
遠心力によって回転ローター30の外周方向に進んだ処理物が環状に配置された第一スクリーン32と第二スクリーン33を通過することによって、脱泡効果が高められる。
図3(A)へ示す通り、この例では連絡部3aは、流入開口3bから流出開口3cへ向けて円錐台状即ちすり鉢状に窄まっている。
スクリーン3の上記複数の微細孔(連絡部3a)は、スクリーン3の表裏の面において、ランダムに分布するものとしてもよいが、縦横或いは斜めに配列された複数の列やその他の規則性を有して分布するものとしても実施できる。特に上記微細孔はスクリーン3において均一に分布するのが好ましい。
第一スクリーン32も、第二スクリーン33と同様上記作用空間を持つ連絡部3aを備えた独自の多孔板としてもよいが、この例では、第1スクリーン32は、既存のパンチングプレート(図2(A))やウェッジワイヤースクリーンを採用する。ここでは、第1スクリーン32をパンチングプレートとした。
第2スクリーン33において、前述の通り、貫通部(連絡部3a)は、流入開口3b側から流出開口3c側へ向けて漸次断面(流動体の移動方向と直交する面の断面)を小さくする、先窄みの空間となっている。
スクリーン3は、スクリーン主部Sと、上記複数の貫通部3aとを備える。
この例では、回転ローター30の回転方向と一致するスクリーン3の円周方向について隣り合う貫通部3同士の間の領域が、上記スクリーン主部Sである。
上記の通り、スクリーン3の内壁面に設けられた複数の貫通部(連絡部3aである微細孔)の開口を流入開口3bとし、前記スクリーンの外壁面に設けられた複数の上記貫通部の開口を流出開口3cとして(図3(A))、流入開口の開口面積(Ri)を、前記流出開口の開口面積(Ro)よりも大きくなるように設けられた微細孔を備える第二スクリーン33を用いることにより処理物の細分化を図る事ができ脱気性能が一段と増大する。
処理物が微粒子化される際、出来るだけ小さくするほど表面積の増大と中心部までの距離が小さくなるため完全な脱気が可能となる。逆にある程度大きな場合、表面積の減少と中心部の距離が大きくなること、またベッセル1内面までの飛行時間が短くなるため、脱気効果を求めるならば第二のスクリーン33の端面とベッセル1内面までの距離を大きくとる必要があり装置自体の大型化を免れない。その為、処理物の微粒化が大きな問題となり、本発明に行きついた。
本発明の技術を用いることにより圧力損失を低減化し、スムーズに液を通過させ処理物の微粒化を実現できた。
特に上記作用空間を備えたものも上記作用空間を備えないも、何れの場合もスクリーン3の貫通部(連絡部3a)の開口の最小直径が0.01mm以上1.00mm以下としておけばより一層上記効果を発揮する。
第一及び第二の何れのスクリーン32,33についても、板状の材料に穴加工を施しその後円筒状に加工しても良いし初めから円筒状の物に穴加工をしても構わない。また貫通孔の当該穴加工は、エッチングやエレクトロフォーミング加工、レーザー加工や切削加工で可能であるし、更に市販品を用いても構わないし、穴の形状が丸、四角、六角などの形状でも可能である。
連絡部3aは上記円錐台に代えて角錐台とすることもでき、図3(B)は連絡部3aを四角錐台とした例である。図3(B)へ示す連絡部3aにおいて、回転方向に対する前後1対の斜面が、上記奥側端3e及び手前側端3fであり、上記中心線に対する挟角を図3(A)の母線と同様とする。
最小断面部分3dを設ける場合、流出開口3cが流入開口3bより断面積の小さなものとしてもよいし、本発明の効果を得ることができる限り流入開口3bが流出開口3cより断面積の小さなものとしてもよい。
図3(C)の変更例として、図3(F)へ示す通り、流出開口3cを最小断面部分3dの終端(流出側端)としてもよい。
また連絡部3aの全区間の断面形状を四角形とする場合も、四角形の辺の比率が縦横変化するものとしてもよい(図3(E))。
図3(E)の連絡部3aは、穴としてもよいが、スリット(切欠部)として実施するのが適する。
ウェッジワイヤースクリーンを採用する場合はより最細の隙間を用いる必要がある。各ウェッジワイヤーはスクリーン3の円周方向rに伸びるものとしてもよいし(図2(C))、上下方向に伸びるものとしてもよい(図2(B)。)図2(B)へ示す例では、個々のウェッジワイヤーが前述のスクリーン主部Sである。
また図1の例では、ローター用電動機20といった動力部は、回転ローター30の下方に配置することによって、回転ローター30の上方から上記導入管16を回転ローター30の中心軸上に取り回すことを可能としているが、上記の通り導入管16を回転ローター30の中心軸上から外れた位置に配置することで、回転ローター30の上方へ上記動力部を配置することができる。動力部を回転ローター30の上方へ配置することで、駆動軸21を回転ローター30より下方へ延長した延設部(回転シャフト)を備えるものとし、当該延設部へ回転排出羽根を設けて、脱泡された処理物の排出口14からの連続排出機能を高めることもできる(図示しない)。
3 スクリーン
3a 連絡部
3b 流入開口
3c 流出開口
10 容器本体
11 円筒部
12 底部
13 蓋体
14 排出口
15 真空口
16 導入管
16a(導入管8の)吐出口
20 ローター用電動機
21 駆動軸
22 封止装置
23 ローター用動力伝達部
30 回転ローター(ローター)
30a 下側板
30b 上側板
30c 導入室
30d 開口
30e 隆起部
30f 首部
31 微細化装置
32 第一スクリーン
33 第二スクリーン
40 温度調整機構
51 供給源
52 真空ポンプ
100 (真空)脱気機
S スクリーン主部
Claims (6)
- 内部が真空のベッセル内に回転するスクリーン付きローターを配し、液状の処理物を前記ローターに内側より導入しスクリーンを通過させ処理物を微細化して脱気を行う真空脱気機において、
前記スクリーンは、断面円形の筒状をなし、前記筒状のスクリーンの少なくとも円周方向に貫通穴を多数開けられた多孔板形状のパンチングプレートであり、
前記スクリーン内壁面に設けられた複数の前記貫通穴の開口を流入開口とし、前記スクリーンの外壁面に設けられた複数の前記貫通穴の開口を流出開口とし、
前記貫通穴を、円錐台状又は四角錐台状として、前記流入開口の開口面積(Ri)は、前記流出開口の開口面積(Ro)よりも大きくなるように設けられ、前記流入開口の前記円周方向の幅(Si)は、前記流出開口の前記円周方向の幅(So)よりも大きくなるように設けられ、前記貫通穴の断面積は、前記流入開口から前記流出開口へ向けて漸次減少するものとし、前記スクリーンの回転方向を前後方向として、前記流入開口の中心と前記流出開口の中心を通る直線に対し、前記貫通穴の前後の面の夫々を傾斜させることにより、前記貫通穴の前記円周方向の幅を、前記流入開口から前記流出開口へ向けて漸次減少させることを特徴とする微細化装置付き真空脱気機。 - 前記スクリーンの貫通穴の開口の最小直径が0.01mm以上1.00mm以下である事を特徴とする請求項1記載の真空脱気機。
- 内部が真空のベッセル内に回転するスクリーン付きローターを配し、液状の処理物を前記ローターに内側より導入してスクリーンを通過させ処理物を微細化して脱気を行う真空脱気機において、
前記スクリーンは、その円周上に複数のスリットと、隣り合う前記スリット同士の間に位置するスクリーン主部であるウェッジワイヤーとを備えたウェッジワイヤースクリーンであり、
前記スクリーンは断面円形の筒状をなし、
複数の前記ウェッジワイヤーの夫々は、回転する前記筒状のスクリーンの軸方向に伸びるものであり、
前記スクリーンの内壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流入開口とし、前記スクリーンの外壁面に設けられた複数の前記スリットの開口を流出開口とし、前記流入開口と前記流出開口との間にスリット空間を備え、
前記流入開口の円周方向の幅(Si)は、前記スリット空間の円周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられ、前記流入開口から前記スリット空間へ至る区間において、前記スクリーンの回転方向を前後方向として、前記流入開口の中心と前記流出開口の中心を通る直線に対し、前記スリットの前後の面の夫々を傾斜させることにより、前記スリットは、前記流入開口から前記スリット空間へ向けて前記円周方向の幅を漸次減少させることを特徴とする微細化装置付き真空脱気機。 - 前記スクリーンの複数のスリットの開口部最小幅が0.01mm以上1.00mm以下である事を特徴とする請求項3記載の真空脱気機。
- 前記真空のベッセルに温度調整機構が敷設されたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の真空脱気機。
- 内部が真空のベッセル内に回転するスクリーン付きローターを配し、液状の処理物を前記ローターに内側より導入しスクリーンを通過させ処理物を微細化して脱気を行う真空脱気機において、
前記スクリーンは、断面円形の筒状をなし、前記筒状のスクリーンの少なくとも円周方向に貫通穴を多数開けられた多孔板形状のパンチングプレートであり、
前記スクリーン内壁面に設けられた複数の前記貫通穴の開口を流入開口とし、前記スクリーンの外壁面に設けられた複数の前記貫通穴の開口を流出開口とし、
前記貫通穴は、前記流入開口から流出開口へ至る区間の途中に前記流入開口よりも断面積の小さな最小断面部分を備え、
前記流入開口の開口面積(Ri)は、前記最小断面部分の断面積よりも大きくなるように設けられ、前記流入開口の前記円周方向の幅(Si)は、前記最小断面部分の前記円周方向の幅(Sm)よりも大きくなるように設けられ、前記貫通穴の断面積は、前記流入開口から前記最小断面部分へ向けて順次減少するものとし、前記スクリーンの回転方向を前後方向として、前記流入開口の中心と前記流出開口の中心を通る直線に対し、前記流入開口から前記最小断面部分に至る前記貫通穴の前後の面を何れも傾斜させることにより、前記貫通穴の前記周方向の幅を、前記流入開口から前記最小断面部分へ向けて順次減少させる微細化装置付き真空脱気機。
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