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JP7495263B2 - 放射線検出装置、エネルギー校正方法及びプログラム - Google Patents

放射線検出装置、エネルギー校正方法及びプログラム Download PDF

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JP7495263B2 JP2020068313A JP2020068313A JP7495263B2 JP 7495263 B2 JP7495263 B2 JP 7495263B2 JP 2020068313 A JP2020068313 A JP 2020068313A JP 2020068313 A JP2020068313 A JP 2020068313A JP 7495263 B2 JP7495263 B2 JP 7495263B2
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Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、放射線検出装置、エネルギー校正方法及びプログラムに関する。
PETイメージングにおいて、入射するガンマ線のエネルギーの関数としての検出器の応答は、線形応答からずれ、非線形応答を有する場合がある。
非線形応答が生じる例として、例えばシリコン光電子増倍管(SiPM)を検出器として用いた場合が挙げられる。また、非線形応答が生じる別の例として、閾値超過時間(ToT)を用いて入射ガンマ線のエネルギーを推定する場合が挙げられる。
従って、かかる場合、精度よくエネルギーの校正が行われるのが望ましい。
米国特許第6150655号明細書
本明細書及び図面の開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、精度よくエネルギーの校正を行うことである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態に係る放射線検出装置は、取得部と、校正部とを備える。取得部は、検出器が校正源から放射を受けるときに、検出器に入射する放射線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得する。校正部は、ニューラルネットワークへの入力およびエネルギースペクトルの物理ベースモデルへの入力のうち少なくとも1つにエネルギースペクトルを適用することにより、エネルギー校正を行う。
図1Aは、一実施形態による、別々のマイクロセルに2つの光学光子が入射するシリコン光電子増倍管(SiPM)検出器の図である。 図1Bは、一実施形態による、別々のマイクロセルに6つの光学光子が入射するSiPM検出器の図である。 図1Cは、一実施形態による、SiPM検出器の非線形エネルギー応答を示す図である。 図2Aは、一実施形態による、閾値超過時間(Time-Over-Threshold:TOT)測定値のプロット図である。 図2Bは、一実施形態による、閾値に対するピーク高さの比の関数としてのTOTのプロット図である。 図3は、一実施形態による、1つのチャネル検出イベントでの未処理測定エネルギーが、2つのチャネル検出イベントでの未処理測定エネルギーの合計と、どのように異なるかを示す図である。 図4は、一実施形態による、TOT信号の関数としてプロットされた、ルテチウム同位体176(Lu-176)のスペクトルの図である。 図5は、一実施形態による、エネルギー校正の実施、およびポジトロン放射断層撮影(PET)画像を再構成する方法100のフローチャートである。 図6は、一実施形態による、エネルギー校正データに対して、曲線フィッティングされたエネルギー校正モデルのプロット図である。 図7Aは、結晶Aで得られるエネルギー校正スペクトルのプロット図である。 図7Bは、結晶Bで得られるエネルギー校正スペクトルのプロット図である。 図7Cは、結晶Cで得られるエネルギー校正スペクトルのプロット図である。 図8は、一実施形態による、結晶AからCのエネルギー校正データに対して、曲線フィッティングされたエネルギー校正モデルのプロット図である。 図9は、一実施形態による、深層学習(Deep-Learning:DL)ネットワークを訓練するために使用される、訓練データセットの拡張方法900のフローチャートである。 図10Aは、測定データセットのパラメータ2に対するパラメータ1の非線形分布のプロット図である。 図10Bは、拡張データセットが、測定データセットよりもより広い範囲を示している拡張データセットのパラメータ2に対して、非線形性パラメータ1の分布をプロットした図である。 図11は、一実施形態による、Lu-176スペクトルの物理的ベースモデルにおける、Lu-176のエネルギー準位図である。 図12は、一実施形態による、Lu-176スペクトルに寄与する崩壊経路/放射プロセスに対するスペクトルのプロット図である。 図13は、一実施形態による、エネルギー校正を実施して、PET画像を再構成する方法100の物理的ベースモデル実施形態のフローチャートである。 図14Aは、物理的ベースモデルを用いて曲線フィッティングされた第1結晶の測定Lu-176スペクトルのプロット図である。 図14Bは、物理的ベースモデルを用いて曲線フィッティングされた第2結晶の測定Lu-176スペクトルのプロット図である。 図15Aは、一実施形態による、PETスキャナの斜視図である。 図15Bは、一実施形態による、PETスキャナの概略図である。 図16は、一実施形態による、DLネットワークを訓練するためのプロセス130のフローチャートである。 図17は、一実施形態による、DLネットワークの図である。 図18は、一実施形態による、入力の事前スケーリングおよび、出力の再スケーリングを伴うDLネットワークのフローチャートである。 図19Aは、一実施形態による、X軸スケーリング前の測定スペクトルのプロット図である。 図19Bは、一実施形態による、図19Aのスペクトルの累積合計のプロット図である。 図19Cは、一実施形態による、X軸スケーリング後の測定スペクトルのプロット図である。 図20は、一実施形態による、単一エネルギーの放射線を放射する放射線源がある場合の、イメージングスキャナにおける散乱プロセスの略図である。 図21Aは、検出器のエネルギー分解能が正確である場合に、図20に示されている種々の散乱プロセスによってもたらされる吸収放射線のプロット図である。 図21Bは、検出器のエネルギー分解能に限度がある場合に、図20に示されている種々の散乱プロセスによってもたらされる吸収放射線のプロット図である。 図22は、一実施形態による、エネルギー校正を生成する単一のネットワーク手法の図である。 図23は、一実施形態による、エネルギー校正を生成する細分化ネットワーク手法のフローチャートである。 図24Aは、一実施形態による、エネルギー校正を生成する細分化ネットワーク手法における第1の細分化ネットワークの図である。 図24Bは、一実施形態による、細分化ネットワーク手法における第2の細分化ネットワークの図である。 図24Cは、一実施形態による、細分化ネットワーク手法における第3の細分化ネットワークの図である。 図24Dは、一実施形態による、細分化ネットワーク手法における第4の細分化ネットワークの図である。 図24Eは、一実施形態による、細分化ネットワーク手法において、どの出力がどの入力に送られるかを示す図である。
以下、図面を参照しながら、放射線検出装置、エネルギー校正方法及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。
まずはじめに、図15A及び図15Bを用いて、実施形態に係る放射線検出装置の構成について簡単に説明する。
図15Aおよび15Bは、円環形状に配置される検出器モジュール(すなわち、ガンマ線検出器(Gamma-Ray Detector:GRD))で構成されているPETスキャナ200の非限定的な例を示す。各検出器モジュールは、検出器素子のいくつかのアレイを含む場合がある。GRDはガンマ線を(例えば、光学の、赤外のおよび紫外の波長での)シンチレーション光子に変換するためのシンチレータ結晶アレイを含み、それらシンチレーション光子は、光検出器により検出される。図15Aおよび15Bに示す非限定的な例では、光検出器は、それぞれのシンチレータ結晶素子よりも非常に大きい光電子増倍管(PMT)である。好ましい一実施形態では、光検出器は、個々のシンチレータ結晶素子の断面積に近い、検出断面を有して、結晶と光検出器との間で1対1の対応関係を作り出すことができるシリコン光電子増倍管(SiPM)である。単一の光検出器が複数の結晶からの光信号を検出するために使用されるように、光検出器が結晶よりも大きい場合、アンガー算術を使用して配置を決定することができる。しかし、結晶と光検出器との間で1対1の対応関係がある場合、アンガー算術は、必ずしも必要とされるというわけではない。
図15Aおよび図15Bは、方法100および160を実行することができるPETスキャナ200の非限定的な例を示す。PETスキャナ200は、矩形の検出器モジュールとしてそれぞれが構成される、いくつかのガンマ線検出器(GRD)(例えば、GRD1、GRD2からGRDN)を含む。一実施形態によれば、検出器リングは、40個のGRDを含む。別の実施形態では、48個のGRDがあり、より多くの数のGRDが使用されると、より大きな内径寸法のPETスキャナ200が作られる。
各GRDは、ガンマ線を吸収して、シンチレーション光子を放射する個々の検出器結晶の2次元アレイを含むことができる。シンチレーション光子は、GRDに配置される光電子増倍管(PMT)の2次元アレイによっても検出することができる。ライトガイドが、検出器結晶アレイとPMTとの間に配置可能である。
あるいは、シンチレーション光子は、シリコン光電子増倍管(SiPM)のアレイによって検出され得、個々の検出器結晶のそれぞれは、対応するSiPMを有することができる。
各光検出器(例えば、PMTまたはSiPM)は、いつシンチレーションイベントが発生するかを、および検出イベントを起こすガンマ線のエネルギーを示すアナログ信号を生成できる。さらに、1つの検出器結晶から放射される光子は、2つ以上の光検出器によって検出することができ、検出イベントに対応する検出器結晶は、各光検出器で生成されるアナログ信号に基づいて、例えば、アンガー論理および結晶復号を使用して判断することができる。
図15Bは、対象物OBJから放射されたガンマ線を検出するように構成されたガンマ線(ガンマ線)光子計数検出器(GRD)を有するPETスキャナシステムの概略図を示す。GRDは、各ガンマ線検出器に対応するタイミング、位置、およびエネルギーを測定することができる。一実施形態では、ガンマ線検出器は、図15Aおよび15Bに示されるようなリング内に配置される。検出器結晶は、シンチレータ結晶とすることができ、そのシンチレータ結晶は、2次元アレイに配置された個々のシンチレータ素子を有し、該シンチレータ素子は、任意の既知のシンチレーション物質とすることができる。PMTは、各シンチレータ素子からの光が、複数のPMTによって検出されて、アンガー算術およびシンチレーションイベントの結晶復号を可能にするように、配置可能である。
図15Bは、PETスキャナ200の配置の一例を示し、この例では、画像化される対象物OBJが台216上に置かれており、GRD1からGRDNのGRDモジュールが、物体OBJおよび台216の周りに円周方向に配置されている。GRDは、ガントリ240に固定結合されている環状コンポーネント220に固定結合される場合がある。ガントリ240は、PET撮影装置の多数の部品を収容する。PET撮像装置のガントリ240は、対象物OBJおよび台216が通過できる開口部も含んでおり、また、対消滅イベントにより対象物OBJから反対方向に放射されるガンマ線がGRDにより検出可能であり、かつ、タイミング情報およびエネルギー情報を使用してガンマ線対の同時発生を決定することができる。
図15Bでは、ガンマ線検出データを取得、記憶、処理、および共有する電子回路およびハードウェアも示されている。これらの回路およびハードウェアは、処理回路270、ネットワークコントローラ274、メモリ278、およびデータ収集システム(Data Acquisition System:DAS)276、を含んでいる。PET撮像装置は、GRDからの検出測定結果をDAS276に送るデータチャネル、処理回路270、メモリ278、およびネットワークコントローラ274も含んでいる。データ収集システム276は、検出器からの検出データの取得、デジタル化、および送出を制御することができる。一実施形態では、DAS276は、台216の動きを制御する。処理回路270は、本明細書で論じるように、検出データからの画像の再構成、検出データの再構成前処理、および画像データの再構成後処理を含む機能等を実施する。
すなわち、後述の取得機能、構成機能、生成機能、学習機能等の各処理機能(図示しない)は、コンピューターによって実行可能なプログラムの形態でメモリ278へ記憶されている。処理回路270はプログラムをメモリ278から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路270は、取得機能、校正機能、生成機能、学習機能等の各処理機能を有することになる。なお、取得機能、校正機能、生成機能、学習機能は、それぞれ取得部、校正部、生成部、学習部の一例である。
処理回路270は、本明細書に記載される方法100および160の種々のステップおよびその変形形態を実施するように構成することができる。処理回路270は、個別論理ゲート、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、または他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)として実装されることがあるCPUを含むことができる。FPGAまたはCPLDの実施形態は、VHDL、Verilog、または任意のその他のハードウェア記述言語で符号化されてもよく、かつ、その符号は、FPGAまたはCPLD内の電子メモリ内に直接記憶されるか、または別個の電子メモリとして記憶されてよい。
さらに、メモリは、ROM、EPROM、EEPROMまたはFLASHメモリのような非揮発性メモリであってもよい。メモリは、スタティックまたはダイナミックRAMなどの揮発性メモリであり得、電子メモリおよびGPFAまたはCPLDとメモリとの間の相互動作を管理するために、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサなどの処理回路が設けられてもよい。
別の方法として、処理回路270中のCPUは、方法100および160の種々のステップを実施するコンピュータ可読命令のセットを含むコンピュータプログラムを実行することもでき、このプログラムは、上述の非一時的電子メモリおよび/またはハードディスクドライブ、CD、DVD、FLASHドライブまたは任意のその他の既知の記憶媒体のいずれかに記憶される。さらに、このコンピュータ可読命令は、実用アプリケーション、バックグラウンドデーモン、またはオペレーティングシステムのコンポーネント、またはそれらの組み合わせとして提供されてもよく、米国インテル社のXenon(登録商標)プロセッサ、または米国AMD社のOpteron(登録商標)プロセッサなどの処理回路、ならびに、MicrosoftVISTA(登録商標)、UNIX(登録商標)、Solaris(登録商標)、LINUX(登録商標)、Apple(登録商標)、MAC-OS(登録商標)および当業者に既知の他のオペレーティングシステムなどのオペレーティングシステムと共に実行される。さらに、CPUは、命令を実施するために並行して協動する複数の処理回路として実装されることがある。
メモリ278は、ハードディスクドライブ、CD-ROMドライブ、DVDドライブ、FLASHドライブ、RAM、ROMまたは当技術分野において既知の、任意のその他の電子記憶装置とすることができる。
米国インテル社のインテルイーサーネット(登録商標)PROネットワークインターフェースカードなどのネットワークコントローラ274が、PET撮像装置の種々の部品間仲介することができる。追加として、ネットワークコントローラ274は、外部のネットワークとも仲介することができる。理解されるように、この外部ネットワークは、インターネット(登録商標)などの公共ネットワーク、またはLANまたはWANネットワークなどの私的ネットワーク、またはそれらの組み合わせとすることができ、かつ、PSTNまたはISDNサブネットワークも含むことができる。この外部ネットワークは、イーサネット(登録商標)ネットワークのような有線方式、またはEDGE、3Gおよび4G無線セルラーシステムを含むセルラーネットワークのような無線方式とすることもできる。この無線ネットワークは、WiFi、Bluetooth(登録商標)、または既知の任意のその他の無線形式の通信とすることもできる。
続いて、実施形態に係る背景について簡単に説明する。
PETおよびSPECTイメージングの両方の特定の実施形態(例えば、TOF(Time-Of-Flight)PET)は、検出されたガンマ線の位置、時間およびエネルギーを特定する能力によって決まる場合がある。例えば、時間およびエネルギーウィンドウ操作を使用して、散乱したガンマ線およびランダムなガンマ線と、同じ陽電子消滅イベントから同時に生じるガンマ線とは弁別される場合がある。したがって、同時発生弁別の信頼性はタイミングおよびエネルギー校正の精度によって決まる場合がある。
したがって、ガンマ線検出器のエネルギー校正の改良が望まれる。しかし、これらの改良された方法は、可能であれば、エネルギー校正の時間および費用が増大することを回避する必要がある。例えば、改良された方法は、可能であれば、エネルギー校正源の数、および校正操作の手順数を減らす必要がある。すなわち、改良された校正方法は、より正確なエネルギー校正を提供するのと共に、時間およびコストの両方に対してもより効率的であることを目指すものである必要がある。
さらに、放射線検出器のエネルギー校正は、医用イメージングの他のモダリティおよび電離放射線検出の他の用途に有益である場合がある。校正方法は、PETおよびSPECT医用イメージングの非限定的な形態で例示されるが、本明細書に記載の方法は、電離放射線検出器のエネルギー校正による利点を他の用途にも応用することができる。例えば、電離放射線検出器は、(例えば、入国時などの、セキュリティーチェックポイントでの)核拡散防止検出およびモニタリングのために使用することができる。電離放射線検出器は、国土安全保障への応用に加えて、油井検層または他の商業的、産業的用途で使用することができる。これらの用途向けの電離放射線検出器は、本明細書に記載の方法を使用して、エネルギー校正による有益をもたらす場合があり、これらの用途向けの電離放射線検出器のエネルギー校正は、本開示の範囲内に入るものである。
例えば、医用イメージングでは、X線断層撮影(Computed Tomography:CT)は、間接的な検出か(例えば、X線がシンチレータ結晶と相互作用して光学光子を生成し、その光学光子は光検出器を使用して電気信号に変換される)、または直接的な検出((例えば、テルル化カドミウム亜鉛(Cadmium Zinc Telluride:CZT))を用いて実施される。下記の実例で述べられるガンマ線検出器のように、本明細書に記載の方法を単純に一般化することによって、これらのX線検出器が調整され得ることを、当業者であれば理解されるであろう。
上述のように、入力エネルギー(すなわち、入射/一次ガンマ線の実際のエネルギー)の関数としての検出器応答/出力は、種々の実用的な問題点のために、理想的な線形応答から逸脱する場合がある。したがって、記載されている方法および装置は、改良された手法および技法を適用して、エネルギー測定を補正し、実質的に線形である補正したエネルギー値を生成する。
ガンマ線検出器プロセスには、多くの非線形性因子が存在する場合がある。例えば、シンチレータベースのガンマ線検出器の光センサとしてのシリコン光電子増倍管(SiPM)の使用、および振幅推定向けの閾値超過時間(ToT)方法の両方は、著しいエネルギー非線形性をもたらす場合がある。この非線形性の補正は、コンプトン散乱および光電吸収の組み合わせを通して複数の結晶内にエネルギーを付与するガンマ線に関して、正確なエネルギー情報および十分なエネルギー分解能を実現するために重要である。
商用のポジトロン放出断層撮影(PET)システムは、シンチレータ結晶アレイを使用して、陽電子・電子対消滅によって生成される511keVのエネルギーを有するガンマ線を検出することができる。これらのPETシステムでは、エネルギー情報と位置情報の両方を得ることができる。時折、ガンマ線のエネルギーは、結晶間散乱(例えば、コンプトン散乱)により、2つの結晶に分配される場合がある。単一のガンマ線からのエネルギーが、複数の結晶/チャネルで検出される場合、検出イベントは「マルチチャネル検出」と称される場合がある。散乱イベントの総エネルギーは、関連するすべての結晶(それぞれの結晶とそれに対応する光検出器、増幅器、および電子装置は「チャネル」と呼ばれることがある)から個々のエネルギーを合計するとによって補償することができる。合計処理は、読出し装置および電子装置の選択によって決まるアナログまたはデジタル方法を介して行うことができる。
結晶に付与されるエネルギーは電気信号に変換され、かつその電気信号はデジタル化することができる。このデジタル化プロセスは、各種方法によって実施可能である。ガンマ線のエネルギー測定をデジタル化する方法の中で、閾値超過時間(TOT)方法は、非常にコスト効率が良いといった利点があり、高チャネル密度を必要とする用途にも容易に適用することができる。TOT値は、所定のチャネルにおける吸収エネルギーの単調増加関数であるが、TOTと実際のエネルギーとの関係は完全に線形であることから逸脱する場合がある。この非線形検出器応答および/または他の非線形検出器応答は、本明細書に記載の方法を使用して補正することができる。
上述のように、ポジトロン放射断層撮影(PET)または単一光子放射断層撮像(SPECT)を用いた画像再構成の精度は、ガンマ線検出器のエネルギー校正の分解能およびエネルギー校正の精度によって決まる場合がある。本明細書に記載の方法は、ガンマ線検出器のエネルギー校正のための改良した方法である。
検出器の感光素子が結晶アレイの場合、結晶間散乱、光の分配、電荷の分配により、複数の結晶間/読出しチャネル間で、ガンマ線の入射のエネルギーが分配される場合がある。すなわち、エネルギーを分配する各チャネルが、ガンマ線の総エネルギーの一部分を検出する。したがって、エネルギー値を測定できる範囲全体をカバーするために、ガンマ線検出器のエネルギー校正は、陽電子放射ガンマ線のエネルギー(すなわち、511keV)から、より低いエネルギーまでに広がる範囲におよぶものでなければならない(例えば、検出器の校正範囲は、信号がノイズであるとみなされて無視される最小検出閾値まで広げることができる)。かかる広げられた対象範囲にわたる校正は、上述の電荷の分配メカニズム(例えば、コンプトン散乱)から生じるマルチチャネル検出の間に検出されたエネルギー値の正確な表示を可能にする。
一般的に、ガンマ線検出器のエネルギー応答は、ある程度の非線形性を呈する。広範囲のエネルギーにわたる検出器のエネルギー応答を校正する1つの方法は、異なるエネルギーを放射する複数の線源(例えば、異なる放射性同位体)を使用することである。例えば、外部のガンマ線源または結晶由来の放射線バックグラウンドを使用して、異なるエネルギーを有する複数のガンマ線を用意することができる。
第1の校正方法であるマルチソース校正方法とは対照的に、第2の校正方法である本明細書に記載の方法は、多数の異なるエネルギー(例えば、多くの不連続的なエネルギーおよび/またはエネルギーの連続体)におよぶ、エネルギー特徴を有する電離放射線源を使用する。したがって、広範囲のエネルギーのエネルギー校正は、単一の放射線源を使用して、または一部の実施形態では、いくつかの放射線源(例えば、2つの放射線源)を使用して、実施することが可能である。エネルギー範囲にわたって、多くのスペクトル特徴を含むので、Lu-176によってできるスペクトルは、このような校正に適切である。ルテチウムは、一般にシンチレータ材料で知られる元素である。天然存在比の小さいルテチウムは、放射性同位体Lu-176である。ルテチウムがシンチレータ材料の構成要素の1つとして使用される場合、Lu-176の崩壊には、バックグラウンド・スペクトルが生じる。この場合、Lu-176がシンチレータ自体に含まれるので、このバックグラウンド・スペクトルを生じている放射線はしばしば内在性放射線と呼ばれる。しかしながら、校正源は、外部ガンマ線源であってもよい。
シリコン光電子増倍管および閾値超過時間振幅推定を用いるガンマ線検出器は、著しいエネルギー非線形性を呈する。特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、非限定的な実施形態に従って、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network:ANN)を使用して、非線形性補正係数を単一のLu-176バックグラウンド・スペクトルから抽出する。
本明細書に記載の方法の特定の実施形態では、ANNは、訓練データセットを使用して訓練され、この際の入力データは、Lu-176バックグラウンド・スペクトル、および複数の個々の放射性同位体スペクトルから導き出される複数のピーク位置のターゲットデータである。この方法には、ルテチウム(Lu)ベースのシンチレータを用いるポジトロン放射断層撮影(PET)検出器にとって、いくつかの利点がある。
第1に、エネルギー校正がLu-176バックグラウンド・スペクトルだけを使用して実施されるときに、本明細書に記載の方法は、外部の放射線源を必要としない。第2に、ANNは、非常に高速で実施することができる。第3に、本明細書に記載の方法は、マルチパラメータ関数にフィッティングする従来の最小二乗法よりも良好な定量的結果を提供することができる。
ここで、図面を参照すると、いくつかの図の全体を通して、同じ参照番号は、同一または対応する要素を意味する。図1Aから1Cは、シリコン光電子増倍管(SiPM)で生じる第1の非線形性の因子について示している。図2Aおよび2Bは、閾値超過時間(TOT)値がガンマ線エネルギーの尺度として使用される場合に生じる第2の非線形性の因子について示している。
図1Aは、2次元(2D)アレイである35個のマクロセル(すなわち、5個のマイクロセル×7個のマイクロセル)中、2個のマイクロセルに、2つの光子が入射する、低フラックスの場合のSiPM検出器を示す。多くの場合、SiPM検出器は、数千のマイクロセルを有するが、本明細書では、説明の便宜上簡略化された例として、マイクロセルの数を減じたものを使用する。
図1Bは、35個のうち6個のマイクロセルに、6つの光子が入射する、中フラックスの場合のSiPM検出器を示す。SiPMは、マイクロセルと呼ばれる、極小ガイガーモード・アバランシェフォトダイオード(Geiger-Mode Avalanche Photodiode:G-APD)素子の2次元アレイとして形成される光検出器である。この構造により、SiPMの出力パルスの振幅が、デバイスの表面に入射する光子の数に(ある範囲の輝度にわたって)比例するので、単一のG-APDについての不利な点を克服する。しかし、2つの光子が同じマイクロセルに入射する確率が無視できなくなるほど、光子フラックスが十分に高くなると、入射する光子の数の関数として、信号が変換されて、非線形になる。この非線形性は、図1Cに図示されており、図中の横軸に沿って示されるガンマ線エネルギーは、SiPMに入射する光学光子の数に比例する。PET検出器では、光学光子フラックスが高くなり(例えば、511keVのガンマ線当たりに、何千もの光学光子が発生する)、SiPM向けに大きなダイナミックレンジが必要となることがある。
前述したように、SiPMの出力信号は、受光するマイクロセルの信号の合計であり、したがって、出力信号は、入射する光子の数と相関する。ダイナミックレンジは、デバイス内のセルの数によって決定されて、SiPMセルごとに、2つ以上の光学光子が相互作用しない限り、光の強度によるSiPM信号の直線性は、保持される。この状態を妨害する、より高い光の強度の場合、入射光レベルによって非線形性をもたらす、信号の飽和が起こることになる。PETのケースでは、このことにより、検出器信号とシンチレータに付与されたエネルギーとの間で非線形性をもたらすことになり、例えば、エネルギー損失に基づいたコンプトン散乱する消滅光子を阻止する能力、または同時に同じシンチレータ素子で相互作用する2つの消滅光子に起因するパルス・パイルアップを阻止する能力を損なうことになる。
図2Aは、縦軸に沿ってプロットされた電圧と、横軸に沿ってプロットされた時間を用いる、ガンマ線検出によるパルスのプロット図を示す。さらに、図2Aは、約1.2ミリボルトの所定の閾値、およびパルスがこの閾値を超える時間の長さであるTOT値が示されている。図2Bに図示されているように、TOT値は、検出されたガンマ線のエネルギーに単調に関連付けられ、パルスの曲線下領域、またはパルスの振幅によって表される場合がある。閾値未満の信号については、信号/検出は、示されていない。
先に説明した、検出器の飽和による非線形性およびTOTの非線形性に加えて、PET検出器は、非線形性の別の因子が存在する場合がある。本明細書に記載の校正方法は、非線形性の因子または種類に関係なく包括的なものであり、非線形性の因子に関係なくあらゆる検出器の非線形性に適用することができる。すなわち、検出器の飽和およびTOTの非線形性を、本明細書において例証の目的のために使用するが、PET検出非線形性のこれらの例は、限定的なものではない。
単一のガンマ線からのエネルギーが分配されて、複数の検出器素子の間で検出されるときに起こるマルチチャネル検出イベント(例えば、コンプトン散乱、光学的クロストークなど)によって、非線形性による誤差は増す場合がある。しかし、どの検出イベントが、マルチチャネルイベントであるかを判断することによって、総エネルギーを補償することができ、さらに、同じガンマ線から生じるマルチチャネルイベントのグループを、(例えば、同時発生するそれらの、検出時間、空間距離、および/または対応するエネルギーに基づいて)識別することが可能である。次いで、同じガンマ線から生じる全イベントから測定されたエネルギーを合計して、分配されたエネルギーを集約し、元のガンマ線の総エネルギーを再構成することができる。すなわち、エネルギーがその中で分配された検出器からの、それぞれのエネルギーが合計されて、ガンマ線の総エネルギーが決定される。非線形性を補正せずに未処理のエネルギー信号を合計すると、図3に示すような、シングルチャネル検出イベントとしてエネルギーが測定された場合、異なる総エネルギー値(例えば、より大きい値)が示される。
特に、図3は、シングルチャネルイベントとマルチチャネル検出イベントとを比較した、TOT測定によって起こる非線形性のケースを示している。イベント1は、511keVの全ガンマ線エネルギーが単一の結晶に付与される、シングルチャネル検出イベントである。右の図は、陽電子・電子対消滅によるガンマ線の511keVのエネルギーを軸としたエネルギーウィンドウを示している。イベント2およびイベント3は、ガンマ線の全エネルギー511keVのうち一部を、2つの結晶がそれぞれ検出する、2チャネル検出イベントに相当する。
イベント2では、第1結晶によって171keVが検出され、第2結晶によって340keVが検出されている(すなわち、総エネルギーは、171keV+340keV=511keVである)。イベント番号3では、第1および第2結晶は、それぞれ255keVと256keVのエネルギーを吸収/検出している。図3の右側に示すように、非線形性補正を用いない場合、各イベント番号2および番号3のエネルギーの合計は、所定のエネルギーウィンドウの範囲から外れる。両方のイベントは、合計で511keVとなるが、測定信号に対して非線形性の補正をしないと、それらの合計信号は、511keVのシングルチャネル検出で示されるものよりも大きくなるために、そのイベントは無効になり、結果として感度が低下することになる。
例えば、シングル結晶/シングルチャネル検出イベントとなる、65%のシンチレータおよびSiPMベースのガンマ線検出器内の検出イベント、それと共に、コンプトン散乱が原因の、検出されるガンマ線のうち30%の2チャネル検出イベント、および5%の3チャネル検出イベントとなることは珍しくない。この場合、マルチチャネル検出イベントを除外すると、シングルの計数率は65%の効率に低下し、同時発生の計数率は42%の効率に低下する。PETイメージングは、応答線(LOR)を測定する同時発生検出によって左右されるので、マルチチャネル検出イベントを除外すると、全体の感度が50%以上低下する。
本明細書において「エネルギー」という用語は、実際のまたは真のエネルギーに線形的に関連付けられた校正エネルギーを意味するとは限らない。概して、「エネルギー」という用語は、本明細書において用いる場合、実際のまたは真のエネルギーを表し、かつそれに単調に関連付けられたエネルギー座標を規定するものである。したがって、用語「エネルギー」は、特に明記しない限り、必ずしも、実際のまたは真のエネルギーを意味するわけではない。
例えば、エネルギーを合計することが、本明細書で論じられる場合、この合計は、実際のエネルギーに線形的に関連付けられた校正された値の代わりに、「エネルギー座標」に対して行うことができる。測定/未処理エネルギーEraw(すなわち「エネルギー座標」)の関係は、非線形関数Etrue=f(Eraw)によって、真のエネルギーEtrueに関連付け、かつEraw=f-1(Etrue)に従って逆関数を適用して、測定未処理エネルギー値に真のエネルギーをマップすることができる。測定未処理エネルギーと真のエネルギーとの関係が非線形であるので、2チャネル検出によって、測定された2つのエネルギーf-1(E1)およびf-1(E2)の合計は、相当するシングルチャネル検出の測定/未処理エネルギーと等しくない。すなわち、f-1(E1)+f-1(E2)≠f-1(E1+E2)であり、この際、E1+E2=Etotalであり、ETotalは、入射する真のエネルギー、例えば、511keVである。したがって、マルチチャネル検出とシグナルチャネル検出のエネルギーを正確に比較するために、マルチチャネル検出のエネルギーを合計する前に、それぞれのエネルギーに、エネルギー校正および補正が別個に適用される。処理回路270は、生成機能により、放射データにおける、マルチチャネル検出で生成されたエネルギーを合計して、マルチチャネル検出ごとに総エネルギーを算出し、放射データで補正エネルギーを生成し、放射データからのPET画像を再構成する。
上述のように、本明細書に記載の方法は、エネルギー校正のために多くの離散的な線源および放射性同位体を用いる関連する校正方法と比較することによって、より理解することができる。例えば、非線形性を校正するこれらの関連する方法は、複数の放射性同位体を用いる測定を行い、使用目的の範囲をカバーする複数のエネルギーのスペクトル位置を導き出すことを必要とする。複数の放射性同位体を頻繁に置き換えることは高価であり、かつ測定には時間がかかり冗長であるので、製造または臨床現場において、この方法の使用は望ましくない。
関連する多線源校正方法の制限を克服するために、本明細書に記載の方法は、PETスキャナがルテチウム(Lu)ベースのシンチレータを使用して製造される場合があるという事実を活用する。シンチレータに存在するLu-176は、校正および/または日々の品質管理のために使用されることがあるバックグラウンド放射線源である。エネルギー非線形性校正のために、Lu-176バックグラウンド・スペクトルを使用することは、複数の放射性同位体を使用する通常のエネルギー非線形性校正と置き換えることができる。
図4は、TOT値が、横軸に沿って表されて、カウント数が縦軸に沿って表される、Lu-176バックグラウンド・スペクトルのプロット図を示す。示されるように、Lu-176バックグラウンド・スペクトルはかなり多くの構造を有する。したがって、非線形性校正のための1つの手法は、フィッティング技法を使用して、測定スペクトルとパラメータ化モデルとの間の最良の整合を提供するパラメータ値(その一部は、非線形性を描く)を決定することである。この手法により直面するいくつかの課題は、この手法が、時間がかかる場合があることであり、この手法が堅牢であるために、パラメータ化されたモデルは、すべての条件に適切にフィッティングする必要があることである。これらの課題は、測定Lu-176スペクトルから非線形性補正係数を学習する人工ニューラルネットワーク(ANN)を使用することによって、より高速で、より堅牢な手法を実現することで克服される。
図5は、(i)オフライン訓練のプロセス110、(ii)エネルギー校正を行うためのプロセス140、(iii)未処理放射データにエネルギー補正を適用して、補正された放射データからPET画像を再構成するプロセス150の3つのプロセスを有する、方法100のフローチャートを示す。プロセス110は、プロセス140より少ない頻度で実施することができ、かつプロセス140は、プロセス150よりも少ない頻度で実施することができる。例えば、非限定的な一実施形態では、プロセス110が1回実施されて、結果として生じるDLネットワーク135を、いくつかの異なるPETスキャナで使用することができる。また、非限定的な一実施形態では、プロセス140が、異なるPETスキャナのそれぞれに対して1回実施されて、結果として生じるエネルギー校正パラメータ148を、それぞれのPETスキャナによっていくつかの異なるスキャンの際に、使用することができる。
方法100のプロセス110は、DLネットワーク135のオフライン訓練を実施する。プロセス110のプロセス130では、入力データ115およびターゲットデータ120が、DLネットワーク135を訓練する訓練データとして使用されて、結果として、DLネットワーク135はプロセス130から出力される。例えば、入力データ115は、取得されたLu-176スペクトルである場合があり、ターゲットデータ120は、エネルギー校正モデルのパラメータである場合がある。図6は、閾値超過時間(TOT)技法における非線形性の補正を目的としたエネルギー校正モデルの一例を示す。この場合、データにフィッティングするように選択される関数形式は、E=f(x、p)=α(β+ex/γ)であり、ここで、xはTOT値であり、ベクトルp={α、β、γ}は、関数形式のパラメータであり、これは最良なフィッティングを得るために調整される。この場合、方法100は、ターゲットデータがエネルギー校正モデルのベクトルパラメータpである非限定的な例を使用して図示される。方法100は、上記の特定の関数形式を用いるエネルギー校正モデルに制限されない。その他の実施形態では、ターゲットデータは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の形態をとることができる。
換言すると、エネルギースペクトルEは、上述したように、測定信号の関数fとしての、放射線のカウント数や強度を表す。ここで、測定信号は、閾値超過時間(ToT)信号xである。当該関数は、エネルギー校正モデルfである。
プロセス130では、入力データ115の対応するLu-176スペクトルが、入力としてDLネットワーク135に適用されて、DLネットワーク135からの出力として、対応するパラメータのセットが算出される。バックプロパゲーション方法などの、繰り返し訓練プロセスを使用して、DLネットワーク135の係数が調整、かつ訓練されて、ターゲットデータ120の対応するパラメータと一致するパラメータのセットを生成する。
方法100のプロセス140では、ステップ145において、エネルギースペクトルであるエネルギー校正データ143を、入力として訓練されたDLネットワーク135に適用して、エネルギー校正パラメータ148を生成する。すなわち、処理回路270は、校正機能により、DLネットワーク135への入力にエネルギースペクトルを適用することにより、エネルギー校正を行う。なお、別の例として、処理回路270は、校正機能により、校正源スペクトルの物理ベースモデルへの入力にエネルギースペクトルを適用することにより、エネルギー校正を行う。
ステップ145で、エネルギースペクトルである1つまたは複数の校正スペクトル143は、未処理データ153に適用される。例えば、測定Lu-176スペクトル143が、入力としてDLネットワーク135に適用されて、エネルギー校正パラメータ148(例えば、エネルギー校正モデルfのベクトルパラメータp)が生成される。すなわち、処理回路270は、校正機能により、DLネットワーク135を使用して、与えられたエネルギースペクトルを、ニューラルネットワークに適用することによってそれぞれのエネルギースペクトルからマッピングの値を出力する。
方法100のプロセス150で、処理回路270は、取得機能により、検出器が校正源から放射を受けるときに、検出器に入射する放射線、例えばガンマ線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得する。すなわち、処理回路270は、取得機能により、医用イメージングスキャナを使用して放射データを取得する。当該医用イメージングスキャナは、(i)ポジトロン放射断層撮影スキャナ、(ii)単一光子放射断層撮影スキャナ(iii)X線断層撮影スキャナから選択される。続いて、エネルギー校正パラメータ148を用いて、ステップ155で、検出器に入射したガンマ線の、収集された放射データである未処理データ153が補正される。次いで、ステップ160で、マルチチャネルイベントのエネルギーが(任意選択で)合計される。最後に、ステップ170で、画像再構成プロセス(例えば、逆ラドン変換)を使用して、補正された放射データから、PET画像175が再構成される。
ステップ155で、エネルギー校正は、未処理データ153に適用される。例えば、DLネットワーク135によって生成されるベクトルパラメータpは、入力としてエネルギー校正モデルfに、エネルギー信号x(また、エネルギー座標と呼ばれる)と共に適用されて、校正エネルギー値E=f(x,p)を生成する。
図6は、エネルギーに対する非線形検出器反応を、パラメータ化した曲線の非限定的な例を示す。示すように、いくつかのパラメータ(例えば、変数、α、β、およびγ)によって規定される関数形式をとることによって、非線形検出器反応は、パラメータ化でき、次いで、データを曲線フィッティングして、エネルギー校正モデルfは、データと最もよく一致するパラメータ値を(例えば、エネルギー校正モデルfと校正データの間の平均二乗誤差を最小化することによって)求める。
非線形応答の形状は、いくらかの変形を伴うが、全般的に、各検出器素子/チャネルの間で類似する。これらの変形を明確にするために、パラメータは、読出しチャネル/モジュールごとに校正することができる。
上述のように、エネルギー校正モデルfは、E=f(x、p)=α(β+ex/γ)の関数形式に制限されない。例えば、関数形式パラメータ化に代わるものとして、パラメータ化は、ルックアップテーブル(Look-Up-Table:LUT)のパラメータを使用して、表すことができる。一実施形態では、例えば、LUTは、マッピングE=f(x)での不連続位置同士を関連させてよく、補間を使用して、各不連続位置の間の位置のマッピングを決定することができる。
したがって、特定の実施形態では、関数形式を使用するよりはむしろ、非線形性補正はLUTによって規定されてよく、その際、LUTは固有信号レベルに対応する補正係数を規定する。LUT内に存在しない信号レベルの補正係数は、LUT内に存在する値から、補間または補外を行うことによって決定することができる。補間の様々な方法(例えば、スプライン、線形、キュービック)が、精度および計算量の制約に応じて使用することができる。同様に、LUTの信号レベルの数は、精度および計算量の制約に依存し得る。全般的に、より大きな値は、エネルギー分解能(すなわち、補正の精度)の向上をもたらすことになる。LUT手法の場合、LUTのどの補正係数も、エネルギー校正によって決定される、対応するパラメータであることがある。
上述のように、エネルギー校正は、TOT非線形性補正を含むことができるが、TOT非線形性補正に限定されない。加えて、エネルギー校正は、電荷の分割、閾値設定および他の非線形作用に起因する非線形性を考慮する場合がある。さらに、エネルギー校正は、非線形補正を表す式のパラメータを得るために、それぞれの検出器素子の位置/識別情報(Identity:ID)によって割り出されるルックアップテーブルであることがある。したがって、エネルギー校正のパラメータ化は、検出器素子ごとに、検出器素子に対して実施することができる。
ステップ160で、マルチチャネルイベントに対応する検出イベントは弁別され、次いで、各マルチチャネル検出イベントの総エネルギーを決定するために、エネルギーが合計される。このプロセスの一実施形態に関する詳細を、以下に記載する。ステップ160は、任意選択であり、特定の実施形態では省略することができる。
ステップ170で、PET画像175は、任意の既知の再構成法を使用して、補正PETデータから再構成される。例えば、PETデータ153を使用して、放射能レベル(例えば、トレーサ密度)の画像を、ボクセル位置の関数として再構成することができる。画像再構成は、当業者として理解されるように、逆投影法、フィルタ処理逆投影法、フーリエ変換ベースの画像再構成法、逐次的画像再構成法、行列反転再構成法、統計的画像再構成法、リスト・モード法、もしくは他の再構成法またはそれらの組み合わせを用いて実施することができる。例えば、FBP再構成PET画像で初期化される、順序サブセット期待値最大化法(Ordered Subset Expectation Maximization:OS-EM)アルゴリズムを使用して、PET画像175を再構成することができる。
ステップ160に戻り、未処理データ153は、ガンマ線検出イベントに対応するエネルギー、時間および位置を含む場合がある。例えば、検出イベントは、目的OBJ内で起こっている陽電子・電子対消滅イベントの間に放射されるガンマ線対に対応する場合がある。検出イベントは、複数の検出器素子のいずれか1つで検出する場合がある。マルチチャネル検出が起こるときに、単一のガンマ線からのエネルギーは2つ以上の検出器素子の間で分配されて、検出される。これらの2つ以上の検出器素子は、単一の検出器モジュール(例えば、隣接する検出器素子)の中にあるか、または2つ以上の検出器モジュールで分配される場合がある。例えば、コンプトン散乱では、散乱するガンマ線は、コンプトン散乱が発生した第1の検出器素子から離れている第2の検出器素子で吸収される前に、いくつかの検出器素子を横断する場合がある。
ステップ160で、マルチチャネル検出イベントは、エネルギー補正放射データ153のマルチチャネル検出イベントから識別されて、次いで、識別されたマルチチャネル検出イベントはイベントごとにグループ化される。すなわち、グループのそれぞれは、単一の一次ガンマ線に対応する。一次散乱では、各グループは、コンプトン散乱が発生した第1の結晶で検出されたエネルギーとなる1つの衝突、および散乱したガンマ線が光電吸収を介して吸収される第2の結晶で検出されるエネルギーとなるもう1つの衝突の2つの衝突を含むことになる。同様に、二次散乱イベントの各グループは、3つの衝突(すなわち、一次ガンマ線の1つと、2つの散乱したガンマ線のそれぞれ)および、その他のもの(例えば、三次散乱などに対応するグループでの4つの衝突)を含むことになる。
マルチチャネルイベントは、例えば、検出信号の時間的な近接性に基づいて、検出信号の空間的な近接性に基づいて、信号のエネルギーの合計に基づいて、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて選択される場合がある。例えば、ガンマ線源が、既知のエネルギー(例えば、陽電子消滅からのガンマ線の場合511keV)を有している場合、信号の合計が既知のエネルギーに近いほど、信号は、同じマルチチャネルイベントに一致する可能性が高くなる。さらに、時間的に近接して同時に発生する信号は、同じマルチチャネルイベントに一致する可能性がより高く、かつ空間的に近接して同時に発生する信号は、同じマルチチャネルイベントに一致する可能性がより高い。さらに、上記の3つの条件(すなわち、エネルギー、時間および空間)すべてが満たされるときに、信号は同じマルチチャネルイベントに一致する可能性がより高くなる。したがって、多変量統計解析を使用して、信号をマルチチャネルイベントにグループ化する処理を実施することができる。
エネルギー校正モデルfのパラメータが、DLネットワーク135から直接出力される、上記の実施形態に加えて、エネルギー校正は、DLネットワーク135が、エネルギー(例えば、選択された放射性同位体によって放射されるガンマ線のエネルギー)の特定のセットに対応するエネルギー信号値(例えば、エネルギー座標)を出力する、第2の実施形態を使用して実施することができる。当該エネルギー信号値は、ベクトル値を持つ。次いで、次のステップで、エネルギー座標を使用して、エネルギー校正モデルfを、DLネットワーク135から出力されるエネルギー信号/座標値に、曲線フィッティングすることによって、ベクトルパラメータpを決定する。
この方法は、多線源エネルギー校正で使用される従前のプロセスを活用することができる。例えば、多線源エネルギー校正では、多くの放射性同位体エネルギーのスペクトルを、測定して、各放射性同位体(2以上の放射性同位体)のスペクトルのピークに対するエネルギー信号/座標値を決定してもよい。各放射性同位体のスペクトルのピークに対するエネルギー信号/座標値を決定するために、多くの放射性同位体エネルギーのスペクトルを、測定できる。これは、図7Aから7Cに図示されており、(i)結晶A、結晶Bおよび結晶Cの、それぞれ、3つの異なる検出器素子に対して、6つの異なるものを用いて、取得されたエネルギースペクトルを示す。これらのプロット図は、TOT信号(すなわち、エネルギー座標)が横軸に沿って示され、カウントが縦軸に沿って表されている。使用した放射性同位体(および、それらのエネルギー)は、Am-241(59.5keV)、Ba-133(81および356keV)、Co-57(122keV)、Lu-176(202および307keV)、Ge-68(511keV)およびCs-137(662keV)であった。これらの放射性同位体は、511keVガンマ線およびそれらのコンプトン散乱相互作用の対象領域をカバーするように選択された。エネルギー校正に対する多線源手法では、放射性同位体(すなわち、Am-241、Ba-133、Co-57、Lu-176、Ge-68およびCs137)の既知のエネルギー(すなわち、59.5、81、122、202、307、356、511および662keV)に関する8つのエネルギーピークに対応するTOT値を曲線フィッティングすることによって、エネルギー校正モデルfのベクトルパラメータpは生成される。
エネルギー校正に対するDLネットワーク手法の一実施形態では、DLネットワーク135は、入力データ143のLu-176スペクトルを使用して訓練され、ターゲットデータは多くの異なる放射性同位体のピーク値である。したがって、DLネットワーク135は、通常、多くのスペクトルを測定することによってのみ取得される情報を、単一スペクトルから生成するように訓練される。DLネットワーク135が訓練された後に、それは、入力として新たに取得されたLu-176スペクトルを適用することによって使用されて、8つのピークに対応するTOT値を生成し、次いで、これらのTOT値を使用して、エネルギー校正モデルfを曲線フィッティングし、それによってベクトルパラメータpを生成する。
この方法を説明するために、校正データを、35,000の結晶に対して取得した。データは、訓練、検証、およびテストセットに分けられた。検証結果の改善が止まったときに、訓練は終了した。DLネットワーク135を、上記8つのピークに対する推定位置を生成するために訓練させた。これらの8つのピークを、3つのパラメータ関数にフィッティングさせた。図8は、図7Aから7Cからの、結晶A、B、およびCのフィッティングを示す。この3パラメータフィッティングを、計算処理的に効率が良い方式で高速で実行して、エネルギー補正テーブルを生成することができる。特定の実施形態では、検出器アレイの所与の検出器に対するベクトルパラメータpを決定する曲線フィッティングは、他の検出器の中で、単独で実施することができる。したがって、それぞれの検出器のエネルギー校正は、並列化されて(すなわち、並列処理を用いて実施されて)、マルチプロセッサまたはマルチコアマシン(例えば、グラフィック処理装置またはマルチコア中央演算処理装置)上で高速な校正を実現することが可能である。
35,000個の結晶の訓練データセットは、訓練データセット内の結晶特徴の分布が、DLネットワーク135が使用されて校正される場合の、それらの結晶と同様のものである限り、適切であるはずである。しかし、結晶および光センサ製造工程は、将来的に変更される可能性があるために、より拡張された訓練データセットが望まれる可能性があり、その結果、DLネットワーク135は、経験に基づいて測定されたシンチレータ結晶および検出器の現在のセット内にあるものよりも、非線形応答のより広い範囲を使用して訓練される可能性がある。図9は、拡張/拡大訓練データセットを生成する方法900のフローチャートを示す。方法900では、訓練データセット内の元の測定値で示されるものよりも広い範囲の非線形性の変形形態を示すために、測定データセットは、拡張/拡大される。したがって、拡張訓練データセットは、既存の結晶/検出器の測定から得ることが可能なものよりも広い範囲の非線形応答を示す、算出されたLu-176スペクトルおよびピーク位置を含む。この拡大データセットを使用して、DLネットワーク135を訓練することは、既存の結晶/検出器によって示される非線形性の範囲(例えば、統計プロファイル)とは異なり、かつその範囲外にある、将来の検出器の潜在的範囲に対してDLネットワーク135をより堅牢にすることになる。
本明細書で論じ、かつ図9に示す特定の実施形態は、非限定的なものであり、堅牢性を促進するデータ拡張の方法の趣旨を逸脱しない範囲で、その変形形態を使用することができる。PET校正方法を開発する際に常に存在する課題は、現在得られている知見が将来のシステムにおいて、想定される動作の全範囲をカバーしない可能性があることである。上述のように、経験に基づく訓練データは、約35,000個の結晶から計測されたが、検出器コンポーネントの製造の変更によって起こる、非線形性係数の今後の変化に対して堅牢である校正方法が望ましい。したがって、広範囲の非線形性パラメータを用いる算出訓練データを提供するようにデータを拡張した。
データ拡張プロセスの非限定的な一実施形態は、以下のように機能した。この非限定的なケースでは、データは、元のデータセットごとに5つの新しいデータセットを生成することにより拡張され(この際、元の各データセットは、1つの結晶に対応する)、それによって、元のサンプル数の6倍に、費やされるデータセットを生成している。すべての結晶に対して、測定ピーク位置をフィッティングすることによって、3つの非線形性パラメータを決定する。共分散行列が、3つのパラメータの対応するペア間で算出される。
図10Aは、共分散行列によって描かれることがある、パラメータ1と2との間の散布プロットを示す。次に、共分散行列は、パラメータの明らかな変動を増加させるために、スケール/拡張される。各結晶に対して、元の3つの非線形性パラメータが使用され、Lu-176 ToTスペクトルがエネルギースペクトルに変換される。次いで、スケーリングされた共分散行列を使用して、3つの新しい非線形性パラメータの5つのセットが、ランダムに選択され、測定データ(すなわち、スケーリングされた共分散領域と称される、スケーリングされた共分散行列にわたる範囲)よりも広い範囲をカバーする。例えば、これは、パラメータのセットをランダムに選択することによって実施することができ、いくらかのパラメータが位相空間の所定の領域(図10Bのスケーリングされた共分散領域と称される)から外れる、パラメータのセットを除外する。次いで、ランダムに選択したパラメータのセットを、図10Bに示すような位相空間の所定の領域にすべて入るまで保持する。Lu-176エネルギースペクトルに新しい非線形性パラメータの各セットを適用して、それを新しいToTスペクトル(訓練データセットの新しい入力データ)に変換することによって、新しいデータセットを生成し、同じ変換を、8つのピーク位置に適用して、訓練データセットの新しいターゲットデータを生成する。測定非線形性パラメータの分布が、図10Aに示され、拡張非線形性パラメータの分布が図10Bに示されている。
図9に戻り、方法900のステップ910では、測定データセットが取得される。方法900のステップ920では、測定非線形性(ベクトル)パラメータpmeasが決定される。例えば、他の放射性同位体(すなわち、Am-241、Ba-133、Co-57、Lu-176、Ge-68およびCs137)を用いる測定を使用して、測定非線形性パラメータpmeasを生成できる。
ステップ930では、新しいパラメータ(すなわち、拡張非線形性パラメータ)が、測定非線形性パラメータpmeasの分散プロファイルを超えて拡張する分散(例えば、共分散行列によって表される統計プロファイル)を有するように、算出される。
方法900のステップ940では、測定非線形性パラメータpmeas、および測定Lu-176スペクトルxmeas (Lu-176)を使用して、フォワードマッピング
Figure 0007495263000001
を実施し、校正Lu-176スペクトルE(Lu-176)を決定する。同じプロセスを、基準ピークのTOT値x(ref.)に適用して、校正エネルギーE(ref.)を生成することができる。ステップ950では、拡張された非線形性(ベクトル)パラメータpcalcを使用して、バックワードマッピング
Figure 0007495263000002
および
Figure 0007495263000003
が実施され、DLネットワーク135を訓練するための入力データの拡張データセット
Figure 0007495263000004
、およびターゲットデータが生成され、さらに広範囲の検出器非線形性の将来の可能性に対してより堅牢に
Figure 0007495263000005
する。
ステップ960では、DLネットワーク135は、拡張データセットを使用して訓練することによって、さらに訓練/更新される。次いで、更新されたDLネットワーク135は、上述のように、方法100のステップ155で使用できる。
このように、処理回路270は、学習機能により、訓練データセットを拡張して、拡張訓練データを生成する。処理回路270は、学習機能により、測定信号をエネルギーに関連付ける、追加のパラメータを決定する。当該追加のパラメータは、ターゲットデータに対応するパラメータの分布よりも大きい拡張された分布内にある。処理回路270は、学習機能により、追加のパラメータに基づいて、追加の測定信号にエネルギーをマップする。処理回路270は、学習機能により、追加の測定信号および訓練データセットの測定信号を含む拡張訓練データセットを生成し、訓練データセットを含む拡張訓練データセットを使用して、DLネットワーク135を訓練する。
上述した実施形態では、DLネットワーク135は、入力としてLu-176スペクトルを受け取って、基準ピークのそれぞれに対応するTOT値を出力する。上記の実施形態では、基準ピークのこれらのTOT値を使用して、エネルギー校正モデルfを曲線フィッティングし、それによりパラメータpを生成した。代替的な一実施形態では、基準ピークが、パラメータpとして直接的に使用されてよく、TOT値および基準ピークの既知のエネルギーを用いて、それぞれのTOT値に対応する校正エネルギー値を補間/補外することにより、図8に示す曲線と同様の曲線を得ることができる。補間の任意の方法としては、例えば、線形、二次、キュービック、およびスプライン補間方法などを使用することができる。さらに、特定の実施形態では、基準値は、ピーク以外の他のエネルギーにも対応する。
特定の実施形態では、エネルギー校正は、ルックアップテーブル(LUT)として記憶される。例えば、エネルギー校正モデルが特定の関数形式を有するときであっても、それぞれの測定エネルギー信号に対応するエネルギー値(例えば、TOT値)は、事前計算されて、高速参照用のLUTに記憶されてよく、LUT補間に記録されたそれらの間に入る測定エネルギー信号については、対応する校正エネルギー値を決定するために使用することができる。
さらに、特定の実施形態では、DLネットワーク135は、スペクトルの複合物理的ベースモデルである、物理的ベースモデル135によって置き換えることができる。この代替的手法では、人工ニューラルネットワークを使用する代わりに、入力スペクトルは、スペクトルの複合物理的特性ベースモデルにフィッティングされる。モデルは、非線形性を描く調整可能なパラメータを含む。データへの最良なフィッティングは、他のパラメータの中で、非線形性係数を提供する。
図11は、Lu-176のエネルギー準位と放射経路のレベル図を示す。図11に示すように、Lu-176は、ベータ放射によって崩壊し、ガンマ線のカスケードがその後に続く。ベータ放射およびガンマカスケードは、本質的に同時に起こる。すなわち、検出システムの分解能よりも、はるかに近い時間で起こる。
図12は、物理的モデルに基づいて、いくつかの関連する放射性崩壊プロセスからのスペクトルの重ね合わせとして、Lu-176スペクトルをモデル化できることを示している。
図11に鑑みて、物理的ベースモデルは、いくつかの仮定の単純化を考慮することによって、よりよく理解することができる。第1に、ベータ放射では、すべての崩壊が99.1%の経路を通して発生すると想定することができる。
第2に、ベータエネルギーは、本質的に常にシンチレータ内で完全に捕捉される。したがって、100%のベータ粒子が、それらが生じる結晶にそれらのエネルギーすべてを付与すると想定することができる。
第3に、ガンマ線(88、202および307keV)は、捕捉されるか、またはエスケープする可能性がある。確率は、エネルギーおよびシンチレータサイズによって決まる。したがって、ベータスペクトルは、数回複製され、全体のスペクトルは複製されたスペクトルの合計である。例えば、88keVおよび307keVのガンマ線が捕捉される場合の崩壊は、(88+307=395keV)だけシフトされるベータスペクトルを生成する。したがって、3つのガンマ線のそれぞれのエスケープの確率は、3つの確率(P88、P202、P307)で表すことができると、想定することができ、その際、P88は、88keVのガンマ線がエスケープする確率であり、P202は、202keVのガンマ線がエスケープする確率であり、P307は、307keVのガンマ線がエスケープする確率であり、P88<P202<P307である。実際には、エスケープの確率はシンチレータ内で発生する放射性崩壊の位置に左右され、その一方で、ここでは、各エネルギーについて、エスケープの確率は、結晶の位置および幾何学的形状に応じて変化するものではなく、一定であると想定されるので、これは、単純化される。
Figure 0007495263000006
第4に、そのそれぞれがエスケープまたは捕捉される可能性がある3つのガンマ線に対して、2=8の考えられるベータスペクトルレプリカがある。3つのガンマ線がエスケープするかしないかに従う8つの考えられる順列のそれぞれに対して、確率が表1に示されている。左側のデータレプリカ番号は、図12に示されるベータレプリカ番号に対応する。例えば、88keVと202keVの両方のガンマ線が捕捉される場合、スペクトルはシフトされ(すなわち、88+202=290keV)、図12に示すようなベータレプリカ5のスペクトルが形成される。さらに、このシナリオに与えられる確率(重み)は、(1-P88)*(1-P202)*P307で示されている。
第5に、他のシンチレータ素子(同じ検出器ブロックの他のシンチレータピクセル、またはPET検出器リングの他の検出器)の存在下では、1つの検出器からのエスケープ(主に202および307keV)は、他の検出器で検出される場合があり、追加のピークをもたらす。物理的モデルを単純化するために、他の検出器素子からの202および307keVのエスケープだけが、全体のスペクトルに対して、著しい寄与要因となると想定することができる。
第6に、スペクトルの特徴は、全体の検出システム(シンチレータ、光センサおよび電子装置の組み合わせ)のエネルギー分解能によって修正される。物理的モデルを単純化するために、エネルギー分解能は、単一のパラメータによって説明することができると想定することができる。例えば、511keVでの分解能(Eres (511keV))は、1つのパラメータとして使用され得、所与のエネルギーEでのエネルギー分解能は、
Figure 0007495263000007
によって求められると想定することができる。上記の、エネルギー分解能は、エネルギーの平方根によってスケーリングされると想定される。
ベータレプリカのそれぞれは、パラメータ化された形状関数Bによって表される場合があり、B(E00, Eres (511keV))として表され、ここで、E00は、同時に吸収されるガンマ線によるレプリカのエネルギーシフトである。振幅が、振幅換算係数Aおよび関連する振幅係数によって決定され、それは、表1の右端の列に示されている。一例として、表1の6の行に示されているレプリカ(すなわち、エネルギー88および307keVのガンマ線が捕捉される)について、エネルギーシフトは、E00=88+307=395keVであり、ベータレプリカ6のβの全体のレプリカは、β6=A×(1-P88)×P202×(1-P307)×B(395、Eres (511 keV))となる。全体のエネルギースペクトルは、図12に示すように、8つのベータレプリカの合計、および他の検出器素子からのエスケープの吸収から生じる2つのガンマピーク(202および307keV)である。検出経路(例えば、シンチレータ、光センサ、読出し電子装置)に沿ったリンクの効果をモデル化するために、追加の式を適用することができる。例えば、光センサの量子効率は、エネルギーの関数として変化する可能性がある。
次に、検出器の非線形性は、パラメータ化された式によって表される。例えば、閾値超過時間(ToT)方法を使用して読み出される検出器については、4つのパラメータ、C、a、E0およびToT511を使用して、非線形性を表すことができる。エネルギーEは、
Figure 0007495263000008

Figure 0007495263000009
、および、
Figure 0007495263000010
によって表され、ここで、ToTは、測定信号である。
上記の仮定のすべてをまとめて、全体のLu-176スペクトルは、
1.ベータレプリカの全体の換算係数「A」
2.511keVでのエネルギー分解能「Eres_511」
3.88keVのエスケープの確率「P88」
4.202keVのエスケープの確率「P202」
5.307keVのエスケープの確率「P307」
6.202keVのピーク(他の検出器からのエスケープ)の振幅「A202」
7.307keVのピーク(他の検出器からのエスケープ)の振幅「A307」
8.非線形性パラメータ番号1「C」
9.非線形性パラメータ番号2「a」
10.非線形性パラメータ番号3「E0」
11.非線形性パラメータ番号4「ToT511」
の11の自由パラメータを用いる物理的モデルによって表される。
したがって、これらの11のパラメータを測定スペクトルに最適に一致するように調整することで、非線形検出器応答を規定する4つのパラメータ(C、a、E0およびToT511)を生成する。これらの11のパラメータは、当業者には既知のフィッティング方法によって決定することができる。例えば、それらパラメータは、最小二乗ペナルティ関数を使用するシンプレックス探索を使用して決定することができる。すなわち、処理回路270は、校正機能により、物理的ベースモデルの自由パラメータを調整して、エネルギースペクトルと、物理的ベースモデルによって生成されたスペクトルとの間のフィッティングを最適化する。物理的ベースモデルの自由パラメータは、エネルギー校正のパラメータを含む。
図13は、DLネットワークではなく、物理的ベースモデルを使用して、エネルギー校正プロセス140のエネルギー補正ステップ145を実施する方法100の実施形態を示す。ステップ155では、プロセス140からのエネルギー校正パラメータ148が、図5のフローチャートで説明されているように、未処理データ153に適用される。すなわち、処理回路270は、生成機能により、エネルギー校正を放射データである未処理データ153に適用して、放射データの検出イベントのエネルギーを生成する。さらに、ステップ160および170は、図5と同じである。違いは、オフライン訓練のプロセス110が、物理的ベースモデルでは必須ではないということである。特定の実施形態では、パラメータの過フィッティングおよび/または非物理値(例えば、確率P88、P202、およびP307の適切な値の範囲があり、この範囲以外の値は、非物理的なものである)を回避するために、物理的ベースモデルの自由パラメータに正規化および/または制約を適用することができる。
図14Aおよび14Bは、測定Lu-176スペクトル、および示されているコンポーネントの各ベータレプリカおよびガンマ線スペクトルを用いた物理的ベースモデルを使用して得られる曲線フィッティングの2つの例を示す。
上記の実施形態に加えて、エネルギー校正データ143は、Lu-176スペクトルに加えて別の放射線源からのスペクトルを含むために拡張することができる。Lu-176スペクトルは、ルテチウムベースシンチレータ結晶に存在するので、好都合であり、したがって、校正のために特に放射線源を導入しない場合であっても、PETスキャナ内のバックグラウンド放射線を使用して生成することができる。しかし、エネルギー校正のために特に他の放射線源を使用することは、校正の精度を向上するために利用することができる。したがって、校正は、少なくとも3つの既知のエネルギーピーク(すなわち、Lu-176スペクトルからの2つと、他の放射性同位体の追加のスペクトルからの少なくともあと1つのピーク)を含むスペクトルを用いて実施することができる。この実施形態では、他の放射性同位体は、例えば、ゲルマニウム同位体68(Ge-68)とすることができる。もう1つの選択肢として、他の放射性同位体は、バリウム同位体133(Ba-133)またはセシウム同位体137(Cs-173)とすることができる。
さらに、本明細書に記載の方法は、Lu-176スペクトルを使用せずに実施することができる。単一のフルエネルギーピークだけではなく、より詳細な特徴を有する他のスペクトルを使用することができる。Cs-137は、対象の範囲全体にわたるエネルギーを生成するので、方法100において、Cs-137は、Lu-176と置き換える論理的選択である。上記の説明には、エネルギー校正データ向けのLu-176およびGe-68スペクトルの組み合わせを使用する例示的例が含まれる。この特定の組み合わせは、これらの2つのスペクトルが通常、容易に入手可能であるので、便宜上使用されるが、他の放射線スペクトルも使用可能である。すなわち、Lu-176およびGe-68スペクトルの組み合わせを使用して、上記と同じ技法を2つの他のスペクトル(例えば、Ba-133およびCs-173)に適用することができる。概して、方法100は、エネルギー校正データ143向けのスペクトルとして、Ba-133およびCs-173の組み合わせを使用することで、実施することができる。
本明細書に記載の方法は、エネルギー校正に関連する方法にわたって、いくつかの利点を有する。第1に、校正は、単一のバックグラウンド・スペクトル、またはごく少数のスペクトル(例えば、追加の放射性同位体からの別の1つのスペクトル)を使用して実施できる。
第2に、実質的な時間量がDLネットワークを訓練するために必要である可能性があるが、このトレーニングは、一旦、オフラインで実施することができる。その後、ステップ145のエネルギー校正を、DLネットワークを用いて極めて高速で実施することができる。例えば、PETスキャナは、数万個の結晶を含むことがあり、DLネットワーク135は、PETスキャナ内の数万個の結晶のすべてに対して全エネルギー校正を2、3ミリ秒で実施することができる。1つだけではなく、2つの校正スペクトル(例えば、Lu-176およびGe-68)を使用することは、エネルギー校正の改良された精度のために速さが犠牲になることがある。速さが犠牲になるものの、エネルギー校正は、依然として比較的高速で実施される。
次に、DLネットワークの訓練(例えばプロセス130)について、より詳細な説明を提供する。ここで、ターゲットデータ120は、エネルギー校正モデルのパラメータである。代替的な一実施形態では、ターゲットデータ120は、基準エネルギー座標(例えば、複数の放射性同位体Am-241、Ba-133、Co-57、Lu-176、Ge-68およびCs-137に対応するスペクトルピークの測定値)であり、入力データ115は、1つの放射性同位体(例えば、Lu-176)を使用して、または2つの放射性同位体(例えば、Lu-176およびGe-68)を使用して、生成されるエネルギー座標(例えば、TOT値)の関数としての校正スペクトルである。換言すると、複数の放射線源から得られたエネルギーピーク(スペクトルピーク)に基づいて、ニューラルネットの訓練データが取得される。説明を簡単にするため、プロセス130は、モデルパラメータとなるターゲットデータ120の例を用いて示されている。
図16は、訓練プロセス130の一実施形態のフローチャートを示す。プロセス130では、入力データ115およびターゲットデータ120が、DLネットワーク135を訓練する訓練データとして使用されて、結果として、プロセス130のステップ138で出力される、訓練されたDLネットワーク135になる。オフラインDL訓練プロセス130では、ターゲットデータ120の対応する基準信号と対となる多数の入力スペクトル115を使用して、DLネットワーク135を訓練し、ターゲットモデルパラメータ120と類似のモデルパラメータを生成する。
プロセス130では、処理回路270は、学習機能により、訓練データのセットを取得して、ネットワーク135は、誤差を減らすために、(例えば、損失関数によって生成される値に)繰り返し更新される。DLネットワークは、訓練データによって暗に示されるマッピングを推測し、コスト関数が、ターゲットモデルパラメータ120と、入力スペクトル115にDLネットワーク135の現在の具現化されたものを適用することで生成された結果との間の不整合に関連付けられた誤差値を生成する。例えば、特定の実施形態では、コスト関数は、平均二乗誤差を使用して、平均二乗誤差を最小化する場合がある。多層パーセプトロン(Multilayer Perceptron:MLP)ニューラルネットワークの場合は、(確率的)勾配降下法を使用して、平均二乗誤差ベースのコスト関数を最小化することによってネットワークを訓練するために、バックプロパゲーションアルゴリズムを使用する場合がある。
プロセス130のステップ132では、DLネットワーク135の係数に対する最初の推測が生成される。追加として、最初の推測は、LeCunの初期化、Xavierの初期化、およびKaimingの初期化の1つに基づき得る。
プロセス130のステップ132から138は、DLネットワーク135を訓練するための最適化方法の非限定的な例を示している。
ターゲットモデルパラメータ120と、入力スペクトル115をネットワーク135の現在のバージョンに適用することによって生成されたネットワークからの出力との間の差異の大きさ(例えば、距離尺度)を表す誤差を、(例えば、損失関数またはコスト関数を使用して)算出する。この誤差は、上述したコスト関数を含む既知コスト関数または画像データ間の距離尺度を使用して算出することができる。さらに、特定の実施形態では、誤差/損失関数は、ヒンジ損失およびクロスエントロピー損失のうちの1つまたは複数を使用して、算出することができる。特定の実施形態では、損失関数は、ターゲットデータと、入力データをDLネットワーク135に適用した結果との間の差異のlノルムとすることができる。lノルムの「p」の異なる値を使用して、ノイズの異なる態様を強調することができる。
特定の実施形態では、ネットワーク135は、バックプロパゲーションを使用して訓練される。バックプロパゲーションは、ニューラルネットワークの訓練に使用されてよく、勾配降下最適化方法と共に使用することができる。フォワードパス中、アルゴリズムが現在のパラメータθに基づいてネットワークの予測を計算する。次にこれらの予測が損失関数に入力され、この関数によりこれらの予測は、対応するグラウンドトゥルースラベル(すなわち、高品質ターゲットデータ120)と比較される。バックワードパス中、モデルは現在のパラメータに対する損失関数の勾配を計算し、それに続いて最小化損失の方向に所定のサイズだけ1ステップ進めることによりパラメータを更新する(例えば、Nesterov慣性法および種々の適応手法などの加速法では、より早く収束して損失関数を最適化するように1ステップのサイズが選択される場合がある)。
逆投影法を実施することによる最適化方法は、勾配降下法、バッチ勾配降下法、確率的勾配降下法およびミニバッチ確率的勾配降下法のうちの1つまたは複数を使用することがある。フォワードおよびバックワードパスは、ネットワークの対応する層を通して、逐次的に実施されることがある。フォワードパスでは、実行は、最初の層により入力を供給することから開始し、それにより次の層のための出力活性化を生成する。このプロセスは、最後の層において損失関数に到達するまで繰り返される。バックワードパス中、最後の層は、それ自体の学習可能パラメータ(ある場合)に対する、また、それ自体の入力に対する勾配を計算し、これは、前の層の上流導関数としての役割を果たす。このプロセスは、入力層に到達するまで繰り返される。
図16に戻り、プロセス130のステップ134は、ネットワークの変化の関数としての誤差の変化(例えば、誤差勾配)が算出可能であると判断し、誤差のこの変化を使用して、DLネットワーク135の重み/係数の次の変化に対する方向およびステップサイズを選択することができる。この方法で誤差の勾配を算出することは、勾配降下最適化方法の特定の実施形態と一致する。特定の他の実施形態では、当業者によって理解されるとおり、このステップは省略することが可能であり、および/または、別の最適化アルゴリズム(例えば、擬似焼きなまし法または遺伝的アルゴリズムのような非勾配降下最適化アルゴリズム)に従う別のステップで置き換えることも可能である。
プロセス130のステップ134では、DLネットワーク135向けに新しい係数のセットが決定される。例えば、重み/係数は、ステップ134で、勾配降下最適化方法または過緩和加速法で算出された変化を使用して更新することができる。
プロセス130のステップ136では、DLネットワーク135の更新された重み/係数を使用して新しい誤差値を算出する。
ステップ138では、所定の中止基準を使用してネットワークの訓練が完了したか否かを決定する。例えば、所定の中止基準は、新しい誤差、および/または遂行された繰り返しの合計回数が所定の値を超えたか否かを評価することができる。例えば、新しい誤差が所定の閾値を下回るかまたは繰り返しの最大回数に到達した場合に、中止基準は満たされ得る。中止基準が満たされない場合、プロセス130で実施される訓練プロセスは、ステップ134に戻り、かつ新しい重みおよび係数を使用してステップ134を繰り返すことで、繰り返しループの開始点に戻って継続することになる(繰り返しループは、ステップ134、136、および138を含む)。中止基準が満たされたとき、プロセス130において実行される訓練プロセスは終了する。
このようにして、処理回路270は、学習機能により、重み係数を繰り返し調整して、ニューラルネットワークが損失関数の値を最適化することによって、ニューラルネットワークを訓練し、当該損失関数は、ニューラルネットワークからのマッピングの出力値と、ターゲットデータからのマッピングの対応する値との間の誤差を測定する。
図17は、DLネットワーク135における層間の相互結合の一例を示す。DLネットワーク135は、完全に結合された、畳み込み層およびプーリング層を含む場合があり、これらのすべてを以下に説明する。DLネットワーク135の特定の好ましい実施形態では、畳み込み層は入力層の近くに置かれるが、その一方で、高いレベルの論理的思考を行う完全に結合された層は、損失関数の方向にアーキテクチャがかなり下がったところに配置される。プーリング層は畳み込み後に挿入することができ、かつ、フィルタの空間的広がり、ひいては学習可能なパラメータの量を低減する縮小を提供する。非線形性を導入し、かつ、ネットワークが複雑な予測関係を学習することができるように、活性化関数も種々の層に組み込まれる。活性化関数は、飽和活性化関数(例えば、シグモイドまたは双曲線正接活性化関数)または正規化活性化関数(例えば、前述の第1および第2の例において適用された正規化線形関数(Rectified Linear Unit:ReLU))とすることができる。DLネットワーク135の層は、上述した第1および第2の例において示したようにバッチ正規化も含み得る。
図17は、N個の入力、K個の隠れ層、および3個の出力をもつ一般的な人工ニューラルネットワーク(ANN)の例を示す。各層はノード(ニューロンとも呼ばれる)から構成されており、そして、各ノードは入力の重み付け合計を行い、かつ、重み付け合計の結果を閾値と比較して出力を生成する。ANNは関数の集合を作成するが、この場合、この集合の要素は閾値、結合重み、またはノードの個数および/またはそれらの結合性などのアーキテクチャの詳細を変更することにより得られる。ANN中のノードはニューロン(またはニューロンノード)と呼ばれることがあり、また、これらのニューロンはANNシステムの異なる層の間で相互結合を有する場合がある。シナプス(すなわち、ニューロン間の結合部)は、この算出においてデータを処理する「重み」と呼ばれる値(同じ意味で「係数」または「重み付け係数」とも呼ばれる)を記憶する。ANNの出力は、(i)ニューロンの異なる層間の相互結合パターン、(ii)相互結合部の重みを更新するための学習プロセス、および(iii)ニューロンの重み付けられた入力をその出力活性化に変換する活性化関数の3種類のパラメータに依拠する。
数学的に、ニューロンのネットワーク関数m(x)は他の関数n(x)の合成として定義され、この他の関数n(x)はさらに他の関数の合成として定義され得る。これは、図17に示すように変数間の依存関係を表す矢印をもつネットワーク構造として便宜上、表現されることがある。例えば、ANNは、非線形重み付け合計を使用することがあり、ここで、m(x)=K(Σ(x))であり、K(通例、活性化関数と呼ばれる)は、双曲線正接などのいくつかの所定の関数である。
図17では、ニューロン(すなわち、ノード)は、閾値関数の周りの円として描かれている。図17に示されている非限定的な例の場合、入力は線形関数の周りの円として描かれており、また、矢印はニューロン間の有向結合を示している。
図18は、ネットワーク135が、拡張されて、入力層の前の入力事前スケーリング、および出力層の後の再スケーリングを含む、代替的な一実施形態を示す。この拡張により、より一貫した結果を伴うより堅牢な実施形態を提供できる。ANNを訓練する前に入力およびターゲット出力をスケーリングすることは、良好な方法である。例えば、訓練データ内の各入力の最小および最大値が、-1から1の範囲に収まるように、入力を線形的に変換することができる。あるいは、各入力が、平均0と、標準偏差1を有するように、入力を線形的に変換することができる。同様に、出力の再スケーリングに関しては、ターゲット出力を、訓練のために変換して、次いで、出力値をそれらの元のターゲット範囲に戻すために、逆変換を訓練されたネットワークの出力に適用する。
上記の、訓練前の入力値および出力値のスケーリングに加えて、特定の実施形態では、未測定スペクトルの「X軸」にスケーリングを適用することで、入力データを事前スケーリングして、入力データを生成することができる。この「X軸」スケーリングは、2つの好ましい結果を達成する。第1に、製造プロセスの変形形態に起因して、未測定スペクトルが、特徴の位置で実質的に変化する場合があるが、このスケーリングにより、この変形形態に対して堅牢なプロセスを構築することができる。第2に、このスケーリングを実施することによって、プロセスが、製造工程または、例えばクロック速度の変更などの電子装置設定における、将来的変更に対してより堅牢になる。「X軸」スケーリングに鑑みて、例えば、クロック速度設定の変化が、測定スペクトルの「X軸」を拡大または圧縮する場合、ネットワークは、再訓練する必要がない。特徴が入力スペースのより狭い範囲にわたって全体的に発生するように、「X軸」をスケーリングすることによって、精度を犠牲にすることなく、入力の数および隠れニューロンを減らすことができる。これにより、訓練時間および、良好なパフォーマンスを達成するのに必要とされる訓練データの数を減らすことにもなる。
図19AからCは、X軸再スケーリングの非限定的な例を示す。図19Aでは、異なるX軸スケーリングを用いる未処理入力スペクトルの2つの例を示し、スペクトルが変化する可能性のある範囲を示している。この「X軸」スケーリングを適用する1つの方法が本明細書で記載されるが、当業者であれば理解されるように、他の方法も使用可能である。この例の場合、ANNへの入力はLu-176スペクトルであり、出力は各スペクトルの特定のエネルギーに対応するToT値である。まず、単一の値、ToTminが、識別される。ここで、ToTminは、すべての測定スペクトルにおいて、明らかに変化が少ないか、まったく変化がない値として定義される(例えば、この値は測定値の中で最小ToT値に設定することができる)。特定の実施形態では、可能なToT測定値の最大値として第2の値、ToTmaxを、識別することができる。
次に、図19Bに示すように、相対的累積和(すなわち最大値が1であるように、正規化される累積和)が、スペクトルごとに算出される。次いで、相対的な累積和が0.90以上である値として、第1のToT値がスペクトルごとに定義される。この値は、ToT90%(i)で表され、ここで、添字iは、スペクトルインデックスを意味する。続いて、ToT90%(i)に一定値(1.20のような)を乗算し、最も近い整数値に丸めることによって、スペクトルごとに最大ToT値(ToTmax(i))が算出される。次いで、スペクトルごとに、換算係数、ToTscalefactor(i)=ToTmax/ToTmax(i)が算出される。
次に、(特定のエネルギーのToT値を表す)元のターゲット出力データが、換算係数によって乗算されて、図19Cに示すような、スケーリングされたターゲット出力が生成される。スペクトルごとのこの換算係数は、ANNの出力を再スケーリングするのに使用され、最終出力値を生成するように、メモリ内に記憶される。「X軸」スケーリング入力データ(図19Cを参照)は、ToTminからToTmax(i)まで線形に間隔をあけたN値(ここで、Nは入力層のニューロンの数に等しい)で、元のスペクトル(図19A)のそれぞれを線形に補間することによって生成される。
方法100の上記の実施形態は、Lu-176のスペクトルを使用して、主に例示されている。Lu-176スペクトルは、それらが非常に多くの不連続および連続スペクトル特徴を呈するので、非線形エネルギー校正にとって有利である。しかし、Ge-68などの単一ピークスペクトルからのスペクトルもまた、検出器結晶におけるコンプトン散乱および他の物理プロセスに起因する不連続および連続スペクトル特徴を生成する場合がある。特徴は、図20、21Aおよび21Bに図示されているように、コンプトン後方散乱ピーク、コンプトンエッジおよび様々なエスケープピークを含む場合がある。
図20は、単一のエネルギー放射線源から生じる種々の物理的プロセスの略図を示す。ここで、Ge-68は、511keVでガンマ線を放射する。しかし、リング表面の結晶からの後方散乱は、リングの左下領域の検出器によって吸収されることが示されている。さらに、図20は、マルチコンプトン散乱に起因して吸収されるガンマ線エネルギー、およびX線エスケープがある場合に吸収されるエネルギーを示している。
図21Aは、Ge-68から放射される511keVのガンマ線の検出から生じる吸収スペクトルを示し、上記の散乱プロセスに対応する様々なスペクトル特徴を含む。図21Aでは、垂直線には対数目盛が使用されて、種々の特徴をより良好に分析するために、完全な検出器分解能を想定して、吸収スペクトルが示されている。
図21Bでは、縦軸に線形尺度が使用され、限度のある検出器分解能が想定されている。Ge-68が、単一エネルギーのみを有するガンマ線を放射する場合であっても、吸収エネルギーは、(例えば、後方散乱ピークおよびコンプトンエッジに起因する)多くの異なるスペクトル特徴を示す。したがって、放射線源が、放射線の単一エネルギーのみを放射する場合であっても、検出プロセスは、多くのスペクトル特徴をもたらす場合がある。このことから、本明細書に記載の方法は、複数のエネルギーで放射線を放射するLu-176のような放射線源を用いて使用できることに加えて、単一エネルギーで放射線を放射するGe-68のような放射線源からのスペクトルを用いて使用することができる。
図20、21Aおよび21Bに示される様々な散乱プロセスの物理的ベースモデルは、散乱プロセスの公知の分析および数式を使用して適用することができる。したがって、DLネットワーク実施形態または物理的ベースモデル実施形態は、1つまたは2つのエネルギーのみで放射する放射線源から取得される吸収スペクトルに適用することができる。
図22は、DLネットワーク135が、入力として2つのフルスペクトル(例えば、Lu-176に対応する第1のスペクトルおよびGe-68に対応する第2のスペクトル)を受け取る実施形態を示す。この実施形態では、60、81、122、202、307、356、511および662keVのエネルギーに対応するTOT値に対して、8つの出力が生成される。入力数の多さが起因して、ネットワーク内のノード数が多くなり、これにより、ネットワークの訓練が遅くなる可能性がある。
図23は、DLネットワーク135が、一連の小さなDLネットワーク135A、135B、135Cおよび135Dに細分化されている代替的な一実施形態を示す。これらのネットワークのそれぞれは、図22に示されている実施形態よりも入力が少ないので、細分化DLネットワーク135A、135B、135Cおよび135Dの訓練をより高速で実施することができる。さらに、細分化DLネットワーク135A、135B、135Cおよび135Dのそれぞれがより高速で実現できるので、細分化DLネットワーク135A、135B、135Cおよび135Dのすべてのパフォーマンスを含む、全DLネットワーク135のより高速なパフォーマンスをもたらす。
図23および24Aは、Ge-68の一部が511keVのピークに対応するToT値を決定するために使用される場合があることを示す。図23および24Bは、DLネットワーク135Aからの511keVのピークに対応するToT値と共にフルLu-176スペクトルが、入力としてDLネットワーク135Bに適用されて、60、81、122、202、307、356および662keVのエネルギーに対応するTOT値に対応する7つの出力が生成される。同様に、図23および24Cでは、DLネットワーク135Aからの511keVのピークに対応するToT値と共にフルGe-68スペクトルが、入力としてDLネットワーク135Cに適用されて、60、81、122、202、307、356および662keVのエネルギーに対応するTOT値に対応する7つの出力が生成される。最後に、DLネットワーク135A、135Bおよび135Cのそれぞれからの出力の組み合わせが、入力としてDLネットワーク135Dに適用されて、それにより、60、81、122、202、307、356、511および662keVのエネルギーに対応するTOT値に対応する8つの出力が生成される。
図24は、細分化DLネットワーク135A、135B、135Cおよび135Dを組み合わせて、相互に関連付けして、60、81、122、202、307、356、511および662keVのエネルギーに対応するTOT値を生成する方法の別の図を示している。これは、DLネットワーク135の実施形態における変形形態を使用して、DLネットワーク135の訓練および使用の両方のパフォーマンスを加速して、エネルギー校正を生成する方法の一例である。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、精度よくエネルギーの構成を行うことができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
検出器が校正源から放射を受けるときに、前記検出器に入射する放射線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得し、
ニューラルネットワークへの入力および前記エネルギースペクトルの物理ベースモデルへの入力のうち少なくとも1つに前記エネルギースペクトルを適用することによって、エネルギー校正を行うように構成されている処理回路を含む、放射線検出装置。
(付記2)
前記放射線は、電離放射線であってもよい。前記エネルギースペクトルは、校正スペクトルであってもよい。
前記校正スペクトルは、所定のエネルギー範囲にわたる前記電離性放射線のエネルギーに単調に関連付けられた測定信号の関数として、前記電離性放射線のカウントまたは強度を表してもよい。
校正データは、ニューラルネットワークに入力されて、エネルギー校正パラメータを生成してもよい。
測定Lu-176スペクトルは、校正データであってもよい。
エネルギー校正モデルfのパラメータpは、エネルギー校正パラメータであってもよい。
エネルギースペクトルEは、測定信号の関数fとしての、放射線のカウント数や強度を表してもよい。
測定信号は、閾値超過時間(ToT)信号xである。
当該関数は、エネルギー校正モデルfである。
E=f(x、p)=α(β+ex/γ)、ここで、
Eはエネルギースペクトルであり、xはToT(閾値超過時間)値であり、p={α、β、γ}は、エネルギー校正パラメータである。
(付記3)
前記放射線は、ガンマ線を含み、
前記処理回路は、前記検出器に入射する前記ガンマ線の放射データを取得し、前記エネルギー校正を前記放射データに適用して、前記放射データの検出イベントのエネルギーを生成する。
前記放射データは、前記所定のエネルギー範囲にわたる前記ガンマ線のエネルギーに単調に関連付けられた取得信号を含んでもよく、
前記処理回路は、前記エネルギー校正を前記取得信号に適用して、前記放射データの検出イベントのエネルギーを生成する。
未処理データが、エネルギー校正パラメータを用いて、補正される。ニューラルネットワークにより生成されたパラメータは、超過閾値信号(ToT)xまたはエネルギー座標と共に、エネルギー校正モデルfの入力として適用されて、校正エネルギーE=f(x、p)を生成生成する。
マルチチャネルイベントのエネルギーは合計されてもよい。
画像再構成法を使用して、補正放射データからPET画像が再構成されてもよい。
未処理データは検出器に入射するガンマ線の、収集された放射データであってもよい。
前記エネルギースペクトルが入力として前記ニューラルネットワークに適用される。
前記ニューラルネットワークは、入力データおよびターゲットデータを含む訓練データセットを使用して訓練されており、前記入力データは、前記校正源を使用して取得された放射線スペクトルを含み、前記ターゲットデータは、測定信号とエネルギーとのマッピングの値を含む。
前記マッピングの値は、第1の校正方法とは異なる、第2の校正方法を使用して導き出される。
複数の放射線源から得られたエネルギーピーク(スペクトルピーク)に基づいて、ニューラルネットの訓練データが取得される。
入力データ及びターゲットデータは訓練データとして使用されて、ニューラルネットワークを訓練してもよい。
入力データは、収集Lu-176スペクトルであってもよい。ターゲットデータはエネルギー校正モデルのパラメータであってもよい。
ターゲットデータは基準エネルギー座標(例えば、複数の放射性同位体Am-241、Ba-133、Co-57、Lu-176、Ge-68およびCs-137に対応するスペクトルピークの測定値)であってもよい。
入力データは、一つの放射性同位体を使用することにより生成されたエネルギー座標(例えば、ToT値)の関数としての校正スペクトルであってもよいし、二つの放射性同位体(例えば、Lu-176及びGe-68)を使用することにより生成されたエネルギー座標であってもよい。
第1の校正方法は、マルチソース校正方法であってもよい。
第2の校正方法は、複数の異なるエネルギーにおよぶエネルギー特徴を有する電離放射線源を使用する方法であってもよい。
(付記4)
エネルギースペクトルが、入力として校正源の物理ベースモデルに適用される。
処理回路は、物理的ベースモデルの自由パラメータを調整して、エネルギースペクトルと物理的ベースモデルによって生成された算出されたスペクトルとの間のフィッティングを最適化する。物理的ベースモデルの自由パラメータは、エネルギー校正のパラメータを含む。
(付記5)
校正源は、吸収放射線エネルギーの関数として複数の構造を有するスペクトルを生成する1つの放射性同位体を含む。
(付記6)
校正源は、検出器の材料に内在する。
校正源は、ルテチウム同位体176(Lu-176)である。
校正源は、外部ガンマ線源であってもよい。
(付記7)
校正データは、当該校正源とは異なるもう1つの校正源から取得される1つの他のスペクトルを含み、当該異なるもう1つの校正源は、主に1つのエネルギーピークでガンマ線を放射する。
(付記8)
当該校正源の放射性同位体は、ルテチウムベースシンチレータ結晶に内在するルテチウム同位体176(Lu-176)である。
当該異なるもう1つの校正源は、セシウム同位体137およびゲルマニウム同位体68からなる群から選択される放射性同位体を含む。
(付記9)
処理回路は、
訓練データセットを取得し、前記入力データの前記それぞれの放射線スペクトルは、前記ターゲットデータの前記マッピングの対応する値と対になるものであり、前記マッピングの値は、測定信号をエネルギーに関連付けるパラメータであり、
前記ニューラルネットワークを使用して、与えられたエネルギースペクトルを、前記ニューラルネットワークに適用することによって前記それぞれのエネルギースペクトルから前記マッピングの値を出力し、
重み係数を繰り返し調整して、前記ニューラルネットワークが損失関数の値を最適化することによって、前記ニューラルネットワークを訓練するようにさらに構成されており、前記損失関数は、前記ニューラルネットワークからの前記マッピングの出力値と、前記ターゲットデータからの前記マッピングの対応する値との間の誤差を測定するものである。
(付記10)
エネルギースペクトルは、測定信号の関数として、放射線のカウントまたは強度を表す。
測定信号は、閾値超過時間信号であるか、または検出器に入射する放射線の強度に対して検出器から出力される測定信号の非線形応答を有する検出器からの信号である。
(付記11)
処理回路は、放射データにおけるマルチチャネル検出で生成されたエネルギーを合計して、マルチチャネル検出ごとに総エネルギーを算出し、放射データで補正エネルギーを生成し、
放射データからのポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)画像を再構成するようにさらに構成されている。
(付記12)
処理回路は、医用イメージングスキャナを使用して放射データを取得するようにさらに構成される。
医用イメージングスキャナは、(i)ポジトロン放射断層撮影スキャナ、(ii)単一光子放射断層撮影スキャナ、(iii)X線断層撮影スキャナから選択される。
(付記13)
マッピングの値が既知のエネルギーでの測定信号の値であるときに、既知のエネルギーは、複数の放射性同位体に対応するそれぞれのエネルギースペクトルのピークであり、損失関数は、ニューラルネットワークから出力されたマッピング値と、複数の放射性同位体に対応する測定されたエネルギースペクトルのピークの値であるターゲットデータからのマッピングの値との差を表す。
(付記14)
処理回路は、訓練データセットを拡張して、拡張訓練データセットを生成し、かつ訓練データセットを拡張する。
処理回路は、
測定信号をエネルギーに関連付ける、追加のパラメータを決定し、追加のパラメータは、ターゲットデータに対応するパラメータの分布よりも大きい拡張された分布内にあり、
追加のパラメータに基づいて、追加の測定信号にエネルギーをマップし、
追加の測定信号および訓練データセットの測定信号を含む拡張訓練データセットを生成するようにさらに構成されており、
処理回路は、訓練データセットを含む拡張訓練データセットを使用して、ニューラルネットワークを訓練するようにさらに構成されている。
(付記15)
検出器が校正源から放射を受けるときに、前記検出器に入射する放射線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得する方法。
ニューラルネットワークへの入力および校正源の物理ベースモデルへの入力のうち少なくとも1つにエネルギースペクトルを適用することによって、エネルギー校正を行う。
ニューラルネットワークへの入力および前記校正源の物理ベースモデルへの入力のうち少なくとも1つにエネルギースペクトルを適用することによって、エネルギー校正を行う。
校正スペクトルは、所定のエネルギー範囲にわたる電離性放射線のエネルギーに単調に関連付けられた測定信号の関数として、電離性放射線のカウントまたは強度を表すものである。
(付記16)
放射線は、ガンマ線を含む。
当該方法は、
検出器に入射するガンマ線の放射データを取得し、エネルギー校正を取得信号に適用して、放射データの検出イベントのエネルギーを生成する。
放射データは、所定のエネルギー範囲にわたるガンマ線のエネルギーに単調に関連付けられた取得信号を含む。
(付記17)
校正スペクトルが入力としてニューラルネットワークに適用されるときに、ニューラルネットワークを取得するステップは、ニューラルネットワークが、入力データおよびターゲットデータを含む訓練データセットを使用して訓練されていることをさらに含み、入力データは、校正源を使用して取得された放射線スペクトルを含み、ターゲットデータは、測定信号とエネルギーとのマッピングの値を含む。
マッピングの値は、第1の校正方法とは異なる、第2の校正方法を使用して導き出されることをさらに含む。
(付記18)
校正スペクトルが入力として校正源の物理ベースモデルに適用されるときに、方法は、
校正スペクトルと、物理的ベースモデルによって生成された算出されたスペクトルとの間のフィッティングを最適化するために、物理的ベースモデルの自由パラメータを調整することをさらに含み、物理的ベースモデルの自由パラメータは、エネルギー校正のパラメータを含む。
(付記19)
前記校正データを取得するステップは、校正源が、吸収放射線エネルギーの関数としての複数の構造を有するスペクトルを生成する1つ以下の放射性同位体を含む。
(付記20)
回路によって実行されると、回路に上記記載の方法を実施させる、実行可能命令を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(付記21)
ニューラルネットワークは、特定のセットに対応するエネルギー信号値(エネルギ―座標)を出力してもよい。
当該エネルギー信号値は、ベクトル値を持つ。
2以上の放射性同位体から放射されたそれぞれのガンマ線のエネルギーは、エネルギーの当該特定のセットであってもよい。
エネルギー座標を使用して、エネルギー校正モデルfを、ニューラルネットワークから出力されるエネルギー信号/座標値に、曲線フィッティングすることによって、ベクトルパラメータpが決定されてもよい。
多くの放射性同位体エネルギーのスペクトルを、測定して、各放射性同位体のスペクトルのピークに対するエネルギー信号/座標値を決定してもよい。
放射性同位体(および、それらのエネルギー)は、Am-241(59.5keV)、Ba-133(81および356keV)、Co-57(122keV)、Lu-176(202および307keV)、Ge-68(511keV)およびCs-137(662keV)であってもよい。
放射性同位体は、511keVガンマ線およびそれらのコンプトン散乱相互作用の対象領域をカバーしてもよい。
既知のエネルギーに関するエネルギーピークに対応するTOT値を曲線フィッティングすることによって、エネルギー校正モデルfのベクトルパラメータpが生成されてもよい。
115 入力データ
120 テーゲットデータ
135 DLネットワーク
143 校正スペクトル
148 校正パラメータ
153 未処理PETデータ
175 PET画像

Claims (14)

  1. 検出器が校正源から放射を受けるときに、前記検出器に入射する放射線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得する取得部と、
    ニューラルネットワークへの入力に前記エネルギースペクトルを適用することにより、エネルギー校正を行う校正部を含み、
    前記ニューラルネットワークは、入力データおよびターゲットデータを含む訓練データセットを使用して訓練されており、前記入力データは、前記校正源を使用して取得された放射線スペクトルを含み、前記ターゲットデータは、エネルギー校正データに対して曲線フィッティングされたエネルギー校正モデルのパラメータである、放射線検出装置。
  2. 前記放射線は、ガンマ線を含み、
    前記取得部は、前記検出器に入射する前記ガンマ線の放射データを取得し、
    前記エネルギー校正を前記放射データに適用して、前記放射データの検出イベントのエネルギーを生成する生成部を更に備える、請求項1に記載の放射線検出装置。
  3. 前記校正源は、吸収放射線エネルギーの関数として複数の構造を有するスペクトルを生成する1つの放射性同位体を含む、請求項1又は2に記載の放射線検出装置。
  4. 前記校正データは、前記校正源とは異なる1つの校正源から取得される1つの他のスペクトルを含み、前記異なる1つの校正源は、1つのエネルギーピークでガンマ線を放射するものである、請求項1~3のいずれか一つに記載の放射線検出装置。
  5. 前記訓練データセットを取得する学習部を更に備え、
    前記ターゲットデータは、測定信号とエネルギーとのマッピングの値を含み、
    前記入力データのそれぞれの前記放射線スペクトルは、前記ターゲットデータの前記マッピングの対応する値と対になるものであり、前記マッピングの値は、測定信号をエネルギーに関連付けるパラメータであり、
    前記校正部は、前記ニューラルネットワークを使用して、与えられたエネルギースペクトルを、前記ニューラルネットワークに適用することによってそれぞれの前記エネルギースペクトルから前記マッピングの値を出力し、
    前記学習部は、重み係数を繰り返し調整して、前記ニューラルネットワークが損失関数の値を最適化することによって、前記ニューラルネットワークを訓練し、前記損失関数は、前記ニューラルネットワークからの前記マッピングの出力値と、前記ターゲットデータからの前記マッピングの対応する値との間の誤差を測定するものである、請求項1に記載の放射線検出装置。
  6. 前記エネルギースペクトルは、測定信号の関数として、前記放射線のカウントまたは強度を表すものであり、
    前記測定信号は、閾値超過時間信号であるか、または検出器に入射する放射線の強度に対して、前記検出器から出力される前記測定信号が非線形応答となる信号である、請求項1~5のいずれか一つに記載の放射線検出装置。
  7. 前記生成部は、
    前記放射データにおける、マルチチャネル検出で生成されたエネルギーを合計して、前記マルチチャネル検出ごとに総エネルギーを算出し、前記放射データで補正エネルギーを生成し、
    前記放射データからのポジトロン放射断層撮影(Positron Emission Tomography:PET)画像を再構成する、請求項2に記載の放射線検出装置。
  8. 前記取得部は、医用イメージングスキャナを使用して放射データを取得し、前記医用イメージングスキャナは、(i)ポジトロン放射断層撮影スキャナ、(ii)単一光子放射断層撮影スキャナ、(iii)X線断層撮影スキャナから選択される、請求項1に記載の放射線検出装置。
  9. 前記ターゲットデータは、測定信号とエネルギーとのマッピングの値を含み、
    前記マッピングの値が既知のエネルギーでの前記測定信号の値であるときに、前記既知のエネルギーは、複数の放射性同位体に対応するそれぞれのエネルギースペクトルのピークであり、前記損失関数は、前記ニューラルネットワークから出力されたマッピング値と、前記複数の放射性同位体に対応する測定されたエネルギースペクトルのピークの値である前記ターゲットデータからのマッピングの値との差を表す、請求項5に記載の放射線検出装置。
  10. 前記学習部は、前記訓練データセットを拡張して、拡張訓練データセットを生成し、
    前記学習部は、
    測定信号をエネルギーに関連付ける、追加のパラメータを決定し、
    前記追加のパラメータは、前記ターゲットデータに対応する前記パラメータの分布よりも大きい拡張された分布内にあり、
    前記追加のパラメータに基づいて、追加の測定信号にエネルギーをマップし、
    前記追加の測定信号および前記訓練データセットの前記測定信号を含む拡張訓練データセットを生成し、
    前記学習部は、前記訓練データセットを含む前記拡張訓練データセットを使用して、前記ニューラルネットワークを訓練する、請求項5に記載の放射線検出装置。
  11. 検出器が校正源から放射を受けるときに、前記検出器に入射する放射線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得する取得部と、
    ニューラルネットワークへの入力および前記エネルギースペクトルの物理ベースモデルへの入力のうち少なくとも1つに前記エネルギースペクトルを適用することにより、エネルギー校正を行う校正部を含み、
    前記校正源は、吸収放射線エネルギーの関数として複数の構造を有するスペクトルを生成する1つの放射性同位体を含み、
    前記校正源は、前記検出器の材料に内在するものである、及びルテチウム同位体176(Lu-176)のうち少なくとも一方である、放射線検出装置。
  12. 検出器が校正源から放射を受けるときに、前記検出器に入射する放射線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得する取得部と、
    ニューラルネットワークへの入力および前記エネルギースペクトルの物理ベースモデルへの入力のうち少なくとも1つに前記エネルギースペクトルを適用することにより、エネルギー校正を行う校正部を含み、
    前記校正データは、前記校正源とは異なる1つの校正源から取得される1つの他のスペクトルを含み、前記異なる1つの校正源は、1つのエネルギーピークでガンマ線を放射するものであり、
    前記校正源の放射性同位体は、ルテチウムベースシンチレータ結晶に内在するルテチウム同位体176(Lu-176)であり、前記異なる1つの校正源は、セシウム同位体137およびゲルマニウム同位体68からなる群から選択される放射性同位体を含む、放射線検出装置。
  13. 検出器が校正源から放射を受けるときに、前記検出器に入射する放射線のエネルギースペクトルを含む校正データを取得し、
    ニューラルネットワークへの入力に前記エネルギースペクトルを適用することにより、エネルギー校正を行い、
    前記ニューラルネットワークは、入力データおよびターゲットデータを含む訓練データセットを使用して訓練されており、前記入力データは、前記校正源を使用して取得された放射線スペクトルを含み、前記ターゲットデータは、エネルギー校正データに対して曲線フィッティングされたエネルギー校正モデルのパラメータである、エネルギー校正方法。
  14. 請求項13に記載の前記エネルギー校正方法を計算機に実行させるプログラム。
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