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JP7486017B2 - 印刷装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

印刷装置、および、コンピュータプログラム Download PDF

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Description

本明細書は、主走査を行いつつ印刷ヘッドからインクを吐出して印刷媒体にドットを形成する部分印刷と、副走査と、を、印刷実行部に複数回に亘って実行させる印刷装置、および、コンピュータプログラムに関する。
特許文献1には、印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつインクを吐出する主走査と主走査方向と交差する副走査方向に印刷媒体を搬送する副走査とを行って、印刷画像を形成する印刷装置が開示されている。この印刷装置は、前回の主走査時に画像が形成される領域の端部と、今回の主走査時に画像が形成される領域の端部と、を重ねるオーバーラップ印刷を実行できる。重ねられた領域には、前回の主走査と今回の主走査との両方で画像が形成される。この印刷装置は、2つの領域の境界部が高濃度である場合には、オーバーラップ印刷を行ってバンディングを抑制し、該境界部が低濃度である場合には、オーバーラップ印刷を行わずに印刷速度を向上させている。
特開2017-13407号公報 特開2010-120267号公報 特開2005-205849号公報
しかしながら、上記技術では、オーバーラップ印刷を行ってバンディングを抑制しているに過ぎず、オーバーラップ印刷を行わない場合に画質を向上することについては何ら工夫されていない。このために、バンディングの抑制を優先すれば印刷速度が低下し、印刷速度の低下を優先すればバンディングを抑制できずに画質が低下する可能性があった。
本明細書は、印刷速度の低下を抑制しつつ、画質の低下を抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]印刷実行部と制御装置とを備える印刷装置であって、前記印刷実行部は、インクを吐出する複数個のノズルであって副走査方向の位置が互いに異なる前記複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、印刷媒体に対して前記副走査方向と交差する主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、前記印刷ヘッドに対して前記副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、を備え、前記制御装置は、複数個の画素で構成される対象画像を示す対象画像データを取得し、前記対象画像データを解析して前記対象画像が特定条件を満たすか否かを判断し、前記対象画像データを用いて、前記印刷媒体にドットを形成するために、前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出させる部分印刷と、前記副走査と、を、前記印刷実行部に複数回に亘って実行させ、複数回の前記部分印刷は、第1部分印刷と前記第1部分印刷の次に実行される第2部分印刷とを含み、前記特定条件が満たされる場合に、前記制御装置は、前記対象画像のうちの第1部分に対応する複数個の第1ドットを形成し、前記対象画像のうちの第2部分に対応する複数個の第2ドットを形成しないように、前記第1部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間に、前記第1量の前記副走査を前記印刷実行部に実行させ、前記複数個の第2ドットを形成し、前記複数個の第1ドットを形成しないように、前記第2部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、前記第1部分は、前記第2部分に対して前記副走査方向の下流側に隣接する部分であり、前記特定条件が満たされない場合に、前記制御装置は、前記複数個の第1ドットの少なくとも一部を形成するように、前記第1部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間に、前記第1量とは異なる第2量の前記副走査を前記印刷実行部に実行させ、前記複数個の第2ドットを形成するように、前記第2部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、前記第1量は、前記複数個の第2ドットのうち、前記副走査方向の端に前記主走査方向に沿って並ぶ複数個の第2端ドットが、前記副走査方向の基準位置よりも前記副走査方向の下流側に位置する第1目標位置に形成されるように決定される量であり、前記第2量は、前記複数個の第2端ドットが、前記第1目標位置よりも前記副走査方向の上流側に位置する第2目標位置に形成されるように決定される量であり、前記基準位置は、前記複数個の第1ドットのうち、前記副走査方向の上流側の端に前記主走査方向に沿って並ぶ複数個の第1端ドットから、基準間隔だけ前記副走査方向の上流側に離れた位置であり、前記基準間隔は、1回の前記部分印刷によって形成すべき複数個のドットの前記副走査方向の間隔であり、前記複数個のノズルの前記副走査方向の間隔に基づく間隔であり、前記特定条件は、前記複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重なる場合に表現される色と、前記複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重ならない場合に表現される色と、の相違に関する指標が基準以下である場合に満たされる条件である、印刷装置。
上記構成によれば、特定条件が満たされる場合には、第1部分印刷だけで第1部分に対応する複数個の第1ドットが形成され、第2部分印刷だけで第2部分に対応する複数個の第2ドットが形成される。この結果、特定条件が満たされる場合には、印刷速度の低下を抑制できる。さらに、特定条件が満たされる場合には、第2部分印刷にて形成される第2端ドットが、基準位置よりも副走査方向の下流側に位置する第1目標位置に形成されるように特定移動量が第1量に設定される。この結果、特定条件が満たされる場合には、特定条件が満たされない場合よりも、第2端ドットが、第1部分印刷にて形成される第1端ドットから過度に離れて形成されることを抑制することができる。この結果、特定条件が満たされる場合には、第2端ドットと第1端ドットとの間に白筋が現れることを抑制することができる。また、第2端ドットが、基準位置よりも副走査方向に位置する第1目標位置に形成されると、複数個の第1端ドットと複数個の第2端ドットとが重なりやすいが、特定条件が満たされる場合には、複数個の第1端ドットと複数個の第2端ドットとが重なる場合に表現される色と、複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重ならない場合に表現される色と、の相違が基準以下である。この結果、複数個の第1端ドットと複数個の第2端ドットとが重なったとしても黒筋が目立ち難い。この結果、印刷速度の低下を抑制しつつ、画質の低下を抑制できる。さらに、特定条件が満たされない場合には、第2端ドットが、第1目標位置よりも副走査方向の反対方向に位置する第2目標位置に形成されるように特定移動量が第2量に設定される。この結果、特定条件が満たされない場合には、特定条件が満たされる場合よりも、第2端ドットが、第1部分印刷にて形成される第1端ドットに過度に近づいて形成されることを抑制することができる。この結果、特定条件が満たされない場合には、第2端ドットと第1端ドットとが重なって黒筋が現れることを抑制することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の印刷装置であって、
前記制御装置は、前記対象画像データのうち、前記第1部分のうちの前記複数個の第1端ドットに対応する部分と、前記第2部分のうちの前記複数個の第2端ドットに対応する部分と、の少なくとも一方を示す部分データを解析することによって、前記特定条件が満たされるか否かを判断する、印刷装置。
[適用例3]
適用例2に記載の印刷装置であって、
前記制御装置は、前記部分データが、特定のインクの色を示す画素データと、前記印刷媒体の色で表現されるべき色を示す画素データと、のみを含む場合に、前記特定条件を満たすと判断する、印刷装置。
[適用例4]
適用例3に記載の印刷装置であって、
前記特定のインクの色を示す画素データは、黒色を示す画素データであり、
前記印刷媒体の色で表現されるべき色を示す画素データは、白色を示す画素データである、印刷装置。
[適用例5]
適用例1~4のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
前記制御装置は、前記対象画像データを、画素ごとに前記ドットの形成状態を示すドットデータに変換し、前記ドットデータを用いて前記複数回の部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記対象画像データは、前記ドットデータによって示される前記ドットの形成状態の階調数よりも階調数が多い多階調値を用いて、画素ごとの色を示す多階調データであり、
前記制御装置は、前記多階調データを解析して前記特定条件を満たすか否かを判断する、印刷装置。
[適用例6]
適用例1~5のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記特定条件が満たされない場合に、前記制御装置は、
前記第1量よりも前記副走査方向に短い前記第2量に決定し、
前記第1部分印刷にて、前記複数個の第1ドットのうち、前記複数個の第1端ドットの一部を含み全部を含まない複数個のドットを形成させ、前記複数個の第1ドットのうち、残りの複数個のドットを形成させず、
前記第2部分印刷にて、前記複数個の第1ドットのうち、前記第1部分印刷にて形成させない複数個のドットと、前記複数個の第2ドットと、を形成させる、印刷装置。
[適用例7]
適用例1~6のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御装置は、さらに、
前記印刷媒体の種類を特定し、
前記印刷媒体が第1種の印刷媒体である場合には、第1判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断し、
前記印刷媒体が第2種の印刷媒体である場合には、第2判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断する、印刷装置。
[適用例8]
適用例7に記載の印刷装置であって、
特定の印刷データに基づいて前記第1種の印刷媒体に印刷される画像の色は、前記特定の印刷データに基づいて前記第2種の印刷媒体に印刷される画像の色より薄く、
前記第1判断基準は、前記第2判断基準よりも前記特定条件が満たされ難い基準である、印刷装置。
[適用例9]
適用例1~6のいずれかに記載の印刷装置であって、
前記制御装置は、第1印刷モードでの印刷と、第2印刷モードでの印刷と、を前記印刷実行部に実行させることが可能であり、
前記制御装置は、前記第1印刷モードで印刷を実行すべき場合には、第1判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断し、前記第2印刷モードで印刷を実行すべき場合には、第2判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断する、印刷装置。
[適用例10]
適用例9に記載の印刷装置であって、
前記第1印刷モードは、前記第2印刷モードよりも低速で高画質な印刷が要求されるモードであり、
前記第1判断基準は、前記第2判断基準よりも前記特定条件が満たされ難い基準である、印刷装置。

なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、印刷装置、印刷装置の制御方法、画像処理方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
実施例の構成を示すブロック図。 印刷機構100の概略構成を示す図。 -Z側(図2における下側)から見た印刷ヘッド110の構成を示す図。 印刷処理のフローチャート。 印刷画像PIの一例を示す図。 パスデータ出力処理のフローチャート。 重複領域設定処理のフローチャート。 分配パターンデータPDと、ヘッド位置P1~P3での部分印刷の記録率と、を示す図。 写真領域について、対象画像と印刷画像との一例を示す図。 文字領域について、対象画像と印刷画像との一例を示す図。 比較例の印刷画像の一例を示す図。
A.第1実施例:
A-1:プリンタ200の構成
次に、実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施例の構成を示すブロック図である。
プリンタ200は、例えば、印刷機構100と、印刷機構100のための制御装置としてのCPU210と、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置220と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの揮発性記憶装置230と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部260と、液晶ディスプレイなどの表示部270と、通信部280と、を備えている。プリンタ200は、通信部280を介して、外部装置、例えば、ユーザの端末装置(図示省略)と通信可能に接続される。
揮発性記憶装置230は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231を提供する。不揮発性記憶装置220には、コンピュータプログラムCPが格納されている。コンピュータプログラムCPは、本実施例では、プリンタ200を制御するための制御プログラムであり、プリンタ200の出荷時に不揮発性記憶装置220に格納されて提供され得る。また、コンピュータプログラムCPは、サーバからダウンロードされる形態で提供される。これに代えて、コンピュータプログラムCPは、DVD-ROMなどに格納される形態で提供されてもよい。CPU210は、コンピュータプログラムCPを実行することにより、例えば、印刷機構100を制御して後述する印刷処理を実行する。
印刷機構100は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各インク(液滴)を吐出して印刷を行う。印刷機構100は、印刷ヘッド110とヘッド駆動部120と主走査部130と搬送部140とを備えている。
図2は、印刷機構100の概略構成を示す図である。印刷機構100は、さらに、複数枚の印刷前のシートSが重ねられて収容される給紙トレイ20と、印刷済みのシートが排出される排紙トレイ21と、印刷ヘッド110のノズル形成面111と対向して配置されたプラテン50と、を備えている。
搬送部140は、給紙トレイ20から、印刷ヘッド110とプラテン50との間を通って、排紙トレイ21に至る搬送経路TRに沿って、シートSを搬送する。搬送経路TRは、図2のX方向に沿って見た場合に湾曲した部分である湾曲経路VRを含んでいる。湾曲経路VRは、搬送経路TR上における後述するピックアップローラ143と上流側ローラ対141との間に配置されている。X方向は、搬送方向ARと垂直で、かつ、搬送されるシートSの印刷面と平行な方向である。搬送経路TRの上流側を、単に、上流側と呼び、搬送経路TRの下流側を、単に、下流側と呼ぶ。
搬送部140は、搬送経路TRに沿ってシートSをガイドする外側ガイド部材18、内側ガイド部材19と、搬送経路TR上に設けられたピックアップローラ143と、上流側ローラ対141と、下流側ローラ対142と、を備えている。
外側ガイド部材18と内側ガイド部材19とは、湾曲経路VRに配置されている。外側ガイド部材18は、湾曲経路VRにおいて、シートSが湾曲された状態で、シートSを外側の面(印刷面)側から支持する部材である。内側ガイド部材19は、湾曲経路VRにおいて、シートSが湾曲された状態で、シートSを内側の面(印刷面とは反対の面)側から支持する部材である。
ピックアップローラ143は、軸AX1を中心に回動可能なアーム16の先端に取り付けられ、給紙トレイ20との間でシートSを挟むことで、シートSを保持する。換言すれば、ピックアップローラ143は、上流側ローラ対141よりも搬送経路TRの上流側に設けられ、シートSを保持する。ピックアップローラ143は、給紙トレイ20に収容される複数枚のシートSから、1枚のシートSを分離して搬送経路TR上に送る。
上流側ローラ対141は、図示しないモータによって駆動される駆動ローラ141aと、駆動ローラ141aの回転に従って回転する従動ローラ142bと、を含む。同様に、下流側ローラ対142は、駆動ローラ142aと従動ローラ142bとを含む。下流側ローラ対142の従動ローラ142bは、同軸上に配置された複数個の薄板状の拍車を備えるローラである。これは、シートS上に印刷された印刷画像を傷つけないためである。駆動ローラ141aと、従動ローラ141bと、駆動ローラ142aと、は、例えば、円筒状のローラである。
上流側ローラ対141は、印刷ヘッド110より上流側でシートSを保持する。下流側ローラ対142は、印刷ヘッド110よりも下流側でシートSを保持する。なお、図2の搬送方向ARは、印刷ヘッド110とプラテン50との間におけるシートの搬送方向(+Y方向)である。
主走査部130は、印刷ヘッド110を搭載するキャリッジ133と、キャリッジ133を主走査方向(X軸方向)に沿って往復動可能に保持する摺動軸134と、を備えている。主走査部130は、図示しない主走査モータの動力を用いて、キャリッジ133を摺動軸134に沿って往復動させる。これによって、印刷ヘッド110を主走査方向に沿って印刷ヘッド110を往復動させる主走査が実現される。
図3は、-Z側(図2における下側)から見た印刷ヘッド110の構成を示す図である。図3に示すように、印刷ヘッド110のプラテン50と対向するノズル形成面111には、複数のノズルからなる複数のノズル列、すなわち、上述したC、M、Y、Kの各インクを吐出するノズル列NC、NM、NY、NKが形成されている。各ノズル列は、複数個のノズルNZを含んでいる。複数個のノズルNZは、搬送方向ARの位置が互いに異なり、搬送方向に沿って所定のノズル間隔NTで並ぶ。ノズル間隔NTは、複数のノズルNZの中で搬送方向ARに隣り合う2個のノズルNZ間の搬送方向の長さである。これらのノズル列を構成するノズルのうち、最も上流側(-Y側)に位置するノズルNZを、最上流ノズルNZuとも呼ぶ。また、これらのノズルのうち、最も下流側(+Y側)に位置するノズルNZを、最下流ノズルNZdと呼ぶ。最上流ノズルNZuから最下流ノズルNZdまでの搬送方向ARの長さに、さらに、ノズル間隔NTを加えた長さを、ノズル長Dとも呼ぶ。
ヘッド駆動部120は、搬送部140によって搬送されるシートS上において、主走査部130によって往復動する印刷ヘッド110を駆動する。すなわち、印刷ヘッド110は、印刷ヘッド110の複数個のノズルNZからインクを吐出させて、シートS上にドットを形成する。これによって、シートS上に画像が印刷される。
A-2. 印刷処理
プリンタ200のCPU210(図1)は、ユーザからの印刷指示に基づいて、印刷処理を実行する。印刷指示には、印刷すべき画像を示す画像データの指定が含まれる。図4は、印刷処理のフローチャートである。S10では、CPU210は、印刷指示によって指定される画像データを、外部装置や揮発性記憶装置230から取得する。画像データは、例えば、JPEG圧縮された画像データや、ページ記述言語で記述された画像データなどの各種のフォーマットを有する画像データである。
S20では、CPU210は、取得された画像データに対して、ラスタライズ処理を実行して、RGB値で画素ごとの色を表すRGB画像データを生成する。これによって、本実施例の対象画像データとしてのRGB画像データが取得される。RGB値は、例えば、赤(R)と緑(G)と青(B)との3個の成分値を含む色値である。
S30では、CPU210は、用いられるべき印刷モードが、高速モードであるか、高画質モードであるかを判断する。高画質モードは、高速モードよりも低速で高画質が要求される印刷モードである。印刷モードの選択指示は、例えば、操作部260を介してユーザによって入力され、該選択指示を示す情報は、例えば、印刷指示に含まれている。例えば、高画質モードでは、低速モードと比較して、主走査方向の解像度(ドットの密度)が高くされる。このために、高画質モードでは、低速モードと比較して、主走査の速度が低速にされる。また、高画質モードでは、例えば、部分的にインタレース印刷(マルチパス印刷)を行うことで、部分的に副走査方向の解像度を高めることで、高速モードよりも低速で高画質を実現するモードであっても良い。
印刷モードが低速モードである場合には(S30:NO)、S40にて、CPU210は、印刷に用いられるシートSの種類を特定し、該シートSが純正紙であるか否かを判断する。シートSの種類は、例えば、予めユーザによって入力される用紙情報に基づいて特定される。例えば、純正紙は、プリンタ200の製造者が提供するシートであり、プリンタ200による印刷に適した特性を有している。これに対して、純正紙とは異なるシート(例えば、リサイクル紙やプリンタ200の製造者とは異なる第三者が提供するシート)は、プリンタ200による印刷に適した特性を有しているとは限らない。例えば、純正紙とは異なるシートは、純正紙と比較して、インクIkがシートの内部に侵入しやすく、インクIkがシートの表面に残存し難い。このために、特定の印刷データに基づいて純正紙とは異なるシートに印刷される画像の色は、当該特定の印刷データに基づいて純正紙と印刷される画像の色と比較して、薄くなる。
印刷に用いられるシートSが純正紙である場合には(S40:YES)、S50にて、CPU210は、黒色を示す画素(以下、黒画素とも呼ぶ)を、RGB値が(0、0、0)である画素とRGB値が(1、1、1)である画素とに設定する。
印刷モードが高画質モードである場合(S30:YES)、および、印刷に用いられるシートSが純正紙とは異なる場合には(S40:NO)、S60にて、CPU210は、黒画素を、RGB値が(0、0、0)である画素のみに設定する。
S50、S60で実行される黒画素の設定は、後述するパスデータ出力処理において用いられる。
S70では、CPU210は、RGB画像データ(対象画像データ)を用いて、パスデータ出力処理を実行する。具体的には、CPU210は、ドットデータのうち、後述する1回の部分印刷SP分のデータ(パスデータ)を生成し、該パスデータに各種の制御データを付加して、印刷機構100に出力する。制御データには、部分印刷SP後に実行すべきシートSの搬送の搬送量を指定するデータが含まれる。詳細は後述するが、パスデータ出力処理において、CPU210は、複数回の部分印刷SPに対応する複数のパスデータを印刷機構100に出力する。
これによって、CPU210は、印刷機構100に印刷画像を印刷させることができる。具体的には、CPU210は、複数のパスデータを印刷機構100に出力することによって、ヘッド駆動部120と主走査部130と搬送部140とを制御して、部分印刷SPとシート搬送Tとを、交互に繰り返し複数回に亘って実行させる。1回の部分印刷SPでは、シートSをプラテン50上に停止した状態で、1回の主走査を行いつつ、印刷ヘッド110のノズルNZからシートS上にインクを吐出することによって、印刷画像PIの一部分を構成する複数個のドットがシートSに形成される。1回のシート搬送Tは、所定の搬送量だけシートSを搬送方向ARに移動させる搬送である。本実施例では、CPU210は、m回(mは、2以上の整数)の部分印刷SPmを印刷機構100に実行させる。
図5は、本実施例の印刷画像PIの一例を示す図である。図5の印刷画像PIは、ドットによって構成される画像データである。印刷画像PIは、対象画像データ(RGB画像データ)に基づいて印刷される画像であるので、図5は、対象画像RIを示す図とも言うことができる。対象画像RIは、複数個の画素で構成される画像である。図5に示すように、対象画像RIは、複数個の文字TXと、写真POと、白色の背景BGと、を含んでいる。
図5には、印刷画像PIが印刷されるシートSが図示されている。さらに、図5には、ヘッド位置P、すなわち、シートSに対する印刷ヘッド110の搬送方向の相対的な位置が、部分印刷SPごと(すなわち、主走査ごと)に図示されている。複数回の部分印刷SPに対して、実行順に、パス番号k(kは、1以上m以下の整数)を付し、k回目の部分印刷SPを、部分印刷SPkとも呼ぶ。そして、部分印刷SPkを行う際のヘッド位置Pを、ヘッド位置Pkと呼ぶ。そして、k回目の部分印刷SPkと、(k+1)回目の部分印刷SP(k+1)と、の間に行われるシート搬送Tを、k回目のシート搬送Tkとも呼ぶ。図5には、1~5回目の部分印刷SP1~SP5に対応するヘッド位置P1~P5と、シート搬送T1~T5と、が図示されている。また、部分印刷SPkにて印刷可能な領域を部分領域RAkとする。図5には、部分印刷SP1~SP5に対応する部分領域RA1~RA5が図示されている。
なお、図5において、シートS上に形成される印刷画像PIは、複数個の1パス領域NA1~NA5(図5のハッチングされていない領域)と、複数個の重複領域SA1、SA2(図5のハッチングされた領域、2パス領域とも呼ぶ)と、を含む。重複領域SA1、SA2の搬送方向ARの長さHは、例えば、対象画像RIにおける5~10画素分の長さである。
1パス領域NA1~NA5内のドットは、それぞれ、1回の部分印刷にて形成される。具体的には、1パス領域NAk内のドットは、k回目の部分印刷SPk、すなわち、ヘッド位置Pkで行われる部分印刷SPkのみで形成される。
重複領域SA1、SA2内のドットは、2回の部分印刷にて形成される。具体的には、重複領域SAk内のドットは、k回目の部分印刷SPkと(k+1)回目の部分印刷SP(k+1)とにて形成される。すなわち、重複領域SAk内のドットは、ヘッド位置Pkで行われる部分印刷SPkと、ヘッド位置P(k+1)で行われる部分印刷SP(k+1)と、にて形成される。
図5の例では、2個の1パス領域NA1、NA2の間に、重複領域SA1が配置されている。同様に、2個の1パス領域NA2、NA3の間に、重複領域SA2が配置されている。また、2個の1パス領域NA3、NA4の間、および、2個の1パス領域NA4、NA5の間には、重複領域は配置されない。このような印刷を実現するためのパスデータ出力処理(図4のS70)について説明する。
図6は、パスデータ出力処理のフローチャートである。S20にて生成されるRGB画像データ(対象画像データ)によって示される対象画像RI(図5)は、複数本のラスタラインRLを含んでいる。ここで、対象画像RIの2次元座標系における図5の上下方向は、印刷時の搬送方向ARに対応する方向であり、左右方向は、印刷時の主走査方向に対応する方向である。このために、対象画像データによって示される対象画像RIにおける上下方向を、対象画像RIにおける搬送方向とも呼び、対象画像RIにおける左右方向を、対象画像RIにおける主走査方向とも呼ぶ。なお、以下では、搬送方向ARの下流側(図5の上側)を単に下流側とも呼び、搬送方向ARの上流側(図5の下側)を単に上流側とも呼ぶ。
ラスタラインRLは、例えば、図5のラスタラインRL1~RL3のように、主走査方向に沿って延びるラインであり、複数個の画素によって構成される。S200では、CPU210は、複数本のラスタラインRLから、1本の注目ラスタラインを選択する。注目ラスタラインは、搬送方向ARの下流側から上流側に向かって(すなわち、図5の上側から下側に向かって)1本ずつ順次に選択される。ここで、注目ラスタラインに対応するドットを形成する部分印刷を注目部分印刷とも呼ぶ。ただし、注目ラスタラインが2回の部分印刷で印刷される場合、すなわち、注目ラスタラインが、重複領域内に位置する場合には、2回の部分印刷のうち、先に行われる部分印刷を注目部分印刷とする。例えば、ラスタラインRL1~RL3が、注目ラスタラインである場合には、注目部分印刷は、ヘッド位置P1で行われる部分印刷SP1である。注目部分印刷にて印刷可能な領域を注目部分領域とも呼ぶ。注目部分印刷が部分印刷SP1である場合には、注目部分領域は部分領域RA1である。
S202では、CPU210は、注目ラスタラインが重複候補領域の下流端に位置するか否かを判断する。本実施例では、図5を参照して上述したように、注目部分領域の上流側の端部に重複領域が設定される場合とされない場合とがある。重複候補領域は、重複領域が設定される場合に、重複領域とされる領域である。すなわち、重複候補領域は、注目部分領域の上流端を含む領域であり、搬送方向ARの長さHの帯状の領域である。例えば、注目ラスタラインが図5のラスタラインRL2、RL4である場合には、注目ラスタラインが重複候補領域の下流端に位置すると判断される。
注目ラスタラインが重複候補領域の下流端に位置する場合には(S202:YES)、S204にて、CPU210は、重複領域設定処理を実行する。重複領域設定処理では、注目部分印刷と、その次に実行される部分印刷と、によって印刷されるべき重複領域を設定する否かが決定される。重複領域設定処理では、その決定結果に応じて、注目部分印刷の直後に実行すべきシート搬送Tの搬送量が決定される。注目ラスタラインが重複候補領域の下流端に位置しない場合には(S202:NO)、S204の重複領域設定処理はスキップされる。
図7は、重複領域設定処理のフローチャートである。S300では、CPU210は、注目ラスタラインを含む重複候補領域の複数本のラスタラインを解析する。例えば、注目ラスタラインが図5のラスタラインRL2である場合には、ラスタラインRL2からラスタラインRL3までの複数本のラスタラインが解析される。注目ラスタラインが図5のラスタラインRL4である場合には、ラスタラインRL4からラスタラインRL5までの複数本のラスタラインが解析される。
S310では、CPU210は、解析対象の複数本のラスタラインが白画素と黒画素のみで構成されるか否かを判断する。白画素は白色を示す画素であり、RGB値が(255、255、255)である画素である。黒画素は、図4のS50、S60のいずれかで設定される画素であり、RGB値が(0、0、0)である画素とRGB値が(1、1、1)である画素とである場合と、RGB値が(0、0、0)である画素のみである場合と、がある。
解析対象の複数本のラスタラインが写真PO(図5)を示す部分を含む場合には、解析対象の複数本のラスタラインは、白画素と黒画素のみでは構成されない。一般的に、写真POは、様々な色の画素を含むためである。したがって、解析対象の複数本のラスタラインが、図5のラスタラインRL2からラスタラインRL3までの複数本のラスタラインである場合には、解析対象の複数本のラスタラインが白画素と黒画素のみでは構成されないと判断される。
解析対象の複数本のラスタラインが、黒色の文字TXを示す部分と白色の背景BGを示す部分のみを含む場合には、解析対象の複数本のラスタラインは、白画素と黒画素のみで構成され得る。一般的に、黒色の文字TXは、黒画素のみで構成され、白色の背景BGは、白画素のみで構成されるためである。したがって、解析対象の複数本のラスタラインが、図5のラスタラインRL4からラスタラインRL5までの複数本のラスタラインである場合には、解析対象の複数本のラスタラインが白画素と黒画素のみで構成されると判断される。
解析対象の複数本のラスタラインが白画素と黒画素のみで構成される場合には(S310:YES)、S320にて、CPU210は、注目部分領域の上流側の端部に重複領域を設定しないことを決定する。この場合には、S330にて、CPU210は、注目部分印刷の直後に実行すべきシート搬送Tの搬送量を、第1量(D-α)に設定する。第1量は、上述したノズル長D(図3)から、αだけ減じた量である。αは、調整量であり、例えば、ノズル間隔NTの0.2倍~2倍程度の値である。本実施例では、αは、ノズル間隔NTの0.5倍の値である。
解析対象の複数本のラスタラインが白画素と黒画素のみで構成されない場合には(S310:NO)、S340にて、CPU210は、注目部分領域の上流側の端部に重複領域を設定することを決定する。すなわち、上述した搬送方向ARの長さHを有する重複候補領域が重複領域として設定される。この場合には、S350にて、CPU210は、注目部分印刷の直後に実行すべきシート搬送Tの搬送量を、第2量(D-H)に設定する。第2量は、上述したノズル長D(図3)から、重複領域の搬送方向ARの長さHだけ減じた量である。例えば、本実施例では、重複領域の搬送方向ARの長さHは6画素分である。1画素分の長さは、ノズル間隔NTと等しいので、本実施例では、H=(6×NT)である。長さHは、上述した調整量αよりも長いので、第2量(D-H)は、第1量(D-α)よりも短い。
S330、S350のいずれかが実行されると、重複領域設定処理は終了される。例えば、図5の例に示すように、部分領域RA1と部分領域RA2との間と、部分領域RA2と部分領域RA2との間には、写真POが配置されているので、重複領域SA1、SA2がそれぞれ設定される。また、部分領域RA3と部分領域RA4との間、および、部分領域RA4と部分領域RA5との間には、文字TXと背景BGのみが配置されているので、重複領域は設定されていない。図5のシート搬送T1、T2の搬送量は、第2量(D-H)であり、シート搬送T3、T4の搬送量は、第1量(D-α)である。
図6に戻って説明を続ける。図6のS206では、CPU210は、注目ラスタラインに対して色変換処理を実行する。色変換処理は、注目ラスタラインを構成する複数個の画素のRGB値をCMYK値に変換する処理である。CMYK値は、印刷に用いられるインクIkに対応する成分値(本実施例では、C、M、Y、Kの成分値)を含む色値である。色変換処理は、例えば、公知のルックアップテーブルを参照して実行される。
S208では、CPU210は、色変換済みの注目ラスタラインに対してハーフトーン処理を実行する。ハーフトーン処理は、注目ラスタラインを構成する複数個の画素のCMYK値を、ドットデータに変換する処理である。ドットデータは、CMYKのそれぞれの色成分について、ドット形成状態を画素ごとに表す。例えば、ドットデータの各画素の値は、例えば、「ドット無し」と「ドット有り」の2階調、あるいは、「ドット無し」「小」「中」「大」の4階調のドットの形成状態を示す。ハーフトーン処理は、ディザ法や誤差拡散法などの公知の手法を用いて実行される。
S210では、CPU210は、注目ラスタラインが、重複領域内に位置するか否かを判断する。上述したS204の重複領域設定処理において、注目部分領域に重複領域が設定されている場合には、注目ラスタラインが重複領域内に位置する場合がある。重複領域設定処理において、注目部分領域に重複領域が設定されていない場合には、注目ラスタラインが重複領域内に位置する場合はない。
注目ラスタラインが重複領域内に位置する場合には(S210:YES)、S215にて、CPU210は、注目ラスタラインに対応する分配パターンデータPDを取得する。図8は、分配パターンデータPDと、ヘッド位置P1~P3での部分印刷の記録率と、を示す図である。図8(A)に示すように、分配パターンデータPDは、注目ラスタラインの各画素に対応する値を有する二値データである。分配パターンデータPDの値「0」は、その画素に対応するドットが、注目部分印刷にて形成されるべきであることを示している。分配パターンデータPDの値「1」は、その画素に対応するドットが、注目部分印刷の次の部分印刷にて形成されるべきであることを示している。
ここで、図8(B)の記録率R1、R2、R3は、それぞれ、ヘッド位置P1、P2、P3での部分印刷SP1、SP2、SP3における記録率である。図8(B)では、搬送方向ARの位置に対する各記録率R1~R3が示されている。1パス領域NA1(図5)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R1は、100%である。同様に、1パス領域NA2、NA3(図5)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R2、R3は、100%である。
重複領域SA1(図5)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R1は、搬送方向ARの上流側(図8(B)の下側)に向かうに連れて、直線的に減少する。重複領域SA1(図5)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R2は、搬送方向ARの下流側(図8(B)の上側)に向かうに連れて、直線的に減少する。重複領域SA1(図5)に対応する搬送方向ARの範囲では、記録率R1と記録率R2との和は、100%である。重複領域SA2(図5)に対応する搬送方向ARの範囲における記録率R2、R3についても同様である。
分配パターンデータPDは、重複領域における搬送方向ARの位置に応じて、上述した記録率が実現されるように、生成される。
S220では、CPU210は、分配パターンデータPDに従って、注目ラスタラインについて生成されたドットデータ(注目ドットデータとも呼ぶ)を、出力バッファと、一次保存バッファとに分配して格納する。すなわち、注目ドットデータのうち、注目部分印刷にて形成すべきドットを示すデータは、出力バッファに格納され、注目部分印刷の次の部分印刷にて形成すべきドットを示すデータは、一次保存バッファに格納される。
注目ラスタラインが重複領域内に位置しない場合には(S210:NO)、注目ラスタラインに含まれる複数個の画素に対応するドットは、全て注目部分印刷にて形成されるべきである。したがって、この場合には、S225にて、CPU210は、注目ドットデータを出力バッファに格納する。
S230では、CPU210は、注目部分印刷分のラスタラインが、注目ラスタラインとして全て処理されたか否かを判断する。例えば、図5のヘッド位置P1にて行われる部分印刷SP1が、注目部分印刷である場合において、ヘッド位置P1に対応する複数本のラスタラインRLのうち、搬送方向ARの最上流に位置するラスタラインRL3が、注目ラスタラインである場合には、注目部分印刷分のラスタラインを全て処理したと判断される。
注目部分印刷分のラスタラインが全て処理された場合には(S230:YES)、この時点で、出力バッファに、注目部分印刷分のドットデータが格納されている。したがって、この場合には、S235にて、CPU210は、注目部分印刷分のドットデータを、パスデータとして印刷機構100に出力する。その際に、出力されるパスデータには、注目部分印刷の後に行うべきシート搬送Tの搬送量を示す制御データが付加される。注目部分印刷の後に行うべきシート搬送Tの搬送量は、上述したS204の重複領域設定処理にて決定済みである。
S240では、CPU210は、出力済みのパスデータを出力バッファから消去して、一次保存バッファに格納されたデータを、出力バッファにコピーする。例えば、図5のヘッド位置P1に対応する最後のラスタラインRL3が処理された時点で、ヘッド位置P2に対応する複数本のラスタラインのうち、重複領域SA1内のラスタラインは、既に処理済みである。そして、これらの処理済みのラスタラインに対応するラスタデータのうち、ヘッド位置P2にて行われる部分印刷SP2にて用いられるデータは、一次保存バッファに格納済みである。本ステップでは、これらのデータが出力バッファにコピーされる。
注目部分印刷分の未処理のラスタラインがある場合には(S230:NO)、CPU210は、S235とS240をスキップする。
S245では、CPU210は、対象画像RI内の全てのラスタラインを注目ラスタラインとして処理したか否かを判断する。未処理のラスタラインがある場合には(S245:NO)、CPU210は、S200に戻って、未処理のラスタラインを注目ラスタラインとして選択する。全てのラスタラインが処理された場合には(S245:YES)、CPU210は、パスデータ出力処理を終了する。
以上説明した本実施例によってシートS上に印刷される印刷画像PIについて、図5を参照して、さらに、説明する。
図9は、写真領域について、対象画像と印刷画像との一例を示す図である。図9(A)には、対象画像RIのうち、写真POを示す写真領域の一部が示されている。図9(A)において、複数個の矩形は、対象画像RIに含まれる複数個の画素PXを示している。図9(A)の主走査方向に延びる複数本のラスタラインのうち、搬送方向ARの中央部分のラスタラインは、図5のラスタラインRL3である。図9(A)に示す写真領域のうち、ラスタラインRL3と、ラスタラインRL3よりも搬送方向ARの下流側のラスタラインと、から成る部分を下流部分DP1とする。図9(A)に示す写真領域のうち、ラスタラインRL3よりも搬送方向ARの上流側のラスタラインから成る部分を上流部分UP1とする。下流部分DP1は、上流部分UP1に対して、搬送方向ARの下流側に隣接する部分である。
図9(B)には、印刷画像PIのうち、図9(A)に示す写真領域に対応する部分が示されている。印刷画像PIは、複数個のドットDTによって構成される。図9(A)の複数個のドットDTのうち、図9(A)の下流部分DP1に対応するドットを下流ドットDD1と呼び、図9(A)の上流部分UP1に対応するドットを上流ドットUD1と呼ぶ。
ここで、図9(A)の写真POを構成する複数個の画素PXは、白や黒とは異なる中間色を示す中間色画素MDを含む(図9(A))。このために、図9(B)の印刷画像PIの写真POに対応する部分は、ヘッド位置P1にて実行される部分印刷SP1と、ヘッド位置P2にて実行される部分印刷SP2と、の両方でドットが形成される重複領域SA1を含む(図7のS340)。重複領域SA1は、上述したように、例えば、6本のラスタライン分の領域であるが、図9(B)では、図の煩雑を避けるために、重複領域SA1は、2本のラスタライン分の領域として図示されている。
このために、下流ドットDD1のうちの重複領域SA1に位置する複数個のドットは、部分印刷SP1にて形成されるドットと、部分印刷SP2にて形成されるドットと、を含む。部分印刷SP1にて形成されるドットは、図9(B)にて黒丸で示されるドットであり、部分印刷SP2にて形成されるドットは、図9(B)にて四角で示されるドットである。なお、図9(B)にて白丸は、対象画像の複数個の画素に対応する位置のうち、ドットが形成されない位置を示している。
下流ドットDD1のうちの重複領域SA1に位置しない複数個のドットは、部分印刷SP1にて形成されるドット(黒丸)である。全ての上流ドットUD1は、部分印刷SP2にて形成されるドット(四角)である。
ここで、重複領域SA1が設けられる場合には、複数個の下流ドットDD1の端ドット形成位置DLaと、複数個の上流ドットUD1の端ドット形成位置ULaと、の間の間隔の目標値は、ノズル間隔NTである。ノズル間隔NTは、1回の部分印刷によって形成すべき複数個のドットの搬送方向ARの間隔であり、複数個のノズルの搬送方向ARの間隔に基づく間隔である。下流ドットDD1の端ドット形成位置DLaは、複数個の下流ドットDD1のうち、最も上流側に主走査方向に沿って並ぶ複数個のドットが形成されるべき搬送方向ARの位置である。上流ドットUD1の端ドット形成位置ULaは、複数個の上流ドットUD1のうち、最も下流側に主走査方向に沿って並ぶ複数個のドットが形成されるべき搬送方向ARの位置である。端ドット形成位置DLaと端ドット形成位置ULaとの間の間隔の目標値をノズル間隔NTとすることは、部分印刷SP1の直後に実行されるシート搬送T1の搬送量を第2量(D-H)に設定することによって実現される(図7のS350)。
図10は、文字領域について、対象画像と印刷画像との一例を示す図である。図10(A)には、対象画像RIのうち、文字TXを示す文字領域の一部が示されている。図10(A)において、複数個の矩形は、図9(A)と同様に、対象画像RIに含まれる複数個の画素PXを示している。図10(A)の主走査方向に延びる複数本のラスタラインのうち、搬送方向ARの中央部分のラスタラインは、図5のラスタラインRL5である。図10(A)に示す文字領域のうち、ラスタラインRL5と、ラスタラインRL5よりも搬送方向ARの下流側のラスタラインと、から成る部分を下流部分DP2とする。図10(A)に示す文字領域のうち、ラスタラインRL5よりも搬送方向ARの上流側のラスタラインから成る部分を上流部分UP2とする。下流部分DP2は、上流部分UP2に対して、搬送方向ARの下流側に隣接する部分である。
図10(B)には、印刷画像PIのうち、図10(A)に示す文字領域に対応する部分が示されている。図10(A)の複数個のドットDTのうち、図10(A)の下流部分DP2に対応するドットを下流ドットDD2と呼び、図10(A)の上流部分UP2に対応するドットを上流ドットUD2と呼ぶ。
ここで、図10(A)の文字TXを構成する複数個の画素PXは、白画素WPと黒画素BPのみを含む(図10(B))。このために、図10(B)の印刷画像PIの文字TXに対応する部分は、重複領域を含まない(図7のS320)。
このために、全ての下流ドットDD2は、ヘッド位置P4にて実行される部分印刷SP4にて形成されるドットである。全ての上流ドットUD2は、ヘッド位置P5にて実行される部分印刷SP5にて形成されるドットである。部分印刷SP4にて形成されるドットは、図10(B)にて黒丸で示されるドットであり、部分印刷SP5にて形成されるドットは、図10(B)にて四角で示されるドットである。なお、図10(B)にて白丸は、図9(B)と同様に、対象画像の複数個の画素に対応する位置のうち、ドットが形成されない位置を示している。
ここで、重複領域が設けられない場合には、複数個の下流ドットDD2の端ドット形成位置DLbと、複数個の上流ドットUD2の端ドット形成位置ULbと、の間の間隔の目標値は、ノズル間隔NTよりも調整量αだけ短い値(NT-α)である。下流ドットDD2の端ドット形成位置DLbは、複数個の下流ドットDD2のうち、最も上流側に主走査方向に沿って並ぶ複数個のドットが形成されるべき搬送方向ARの位置である。上流ドットUD2の端ドット形成位置ULbは、複数個の上流ドットUD2のうち、最も下流側に主走査方向に沿って並ぶ複数個のドットが形成されるべき搬送方向ARの位置である。端ドット形成位置DLbと端ドット形成位置ULbとの間の間隔の目標値を(NT-α)とすることは、部分印刷SP4の直後に実行されるシート搬送T4の搬送量を第1量(D-α)に設定することによって実現される(図7のS330)。
以上説明した本実施例によれば、CPU210は、対象画像データとしてのRGB画像データを取得し(図4のS10、S20)、対象画像データを解析して対象画像RIが特定条件を満たすか否かを判断する(図7のS300、S310)。図7のS310に示すように、本実施例の特定条件は、重複候補領域内の複数個の画素が白画素と黒画素のみで構成される場合に満たされる。
特定条件が満たされる場合に(図7のS310にてYES)、CPU210は、対象画像RIのうちの下流部分DP2(図10(A))に対応する複数個の下流ドットDD2を形成し(図10(B))、対象画像RIのうちの上流部分UP2(図10(A))に対応する複数個の上流ドットUD2(図10(B))を形成しないように、ヘッド位置P4(図10(A))での部分印刷SP4を印刷機構100に実行させる(図10(B)、図7のS320等)。また、特定条件が満たされる場合に、CPU210は、部分印刷SP4と、ヘッド位置P5(図10(B))での部分印刷SP5と、の間に、第1量(D-α)の副走査(シート搬送T4(図5))を印刷機構100に印刷実行部に実行させる(図7のS330)。また、特定条件が満たされる場合に、CPU210は、複数個の上流ドットUD2を形成し、複数個の下流ドットDD2を形成しないように、部分印刷SP5を印刷機構100に実行させる。すなわち、この場合には、図10に示すように、部分印刷SP4と部分印刷SP5との両方でドットを形成させる重複領域が設定されない。この結果、重複領域を設定する場合と比較して、シート搬送T4を長くできるため、印刷画像PIを印刷するための部分印刷の回数を低減し得るので、印刷速度の低下を抑制できる。
ここで、特定条件が満たされる場合に、シート搬送T4を第1量(D-α)に設定する意義について、比較例を参照しながら説明する。図11は、比較例の印刷画像の一例を示す図である。図11には、図10(A)に示す対象画像RIの文字領域を印刷する際に、シート搬送T4がノズル長Dに設定された場合に印刷される印刷画像が示されている。この場合には、複数個の下流ドットDD2の端ドット形成位置DLxと、複数個の上流ドットUD2の端ドット形成位置ULxと、の間の間隔の目標値は、ノズル間隔NTである。複数個の上流ドットUD2の端ドット形成位置ULxは、理想的なドットの形成位置であるので、端ドット形成位置ULxを基準位置Prxとも呼ぶ(図11)。ノズル間隔NTを基準間隔とも呼ぶ。
実際の印刷では、シート搬送T4の搬送量にはバラツキがある。このために、複数個の下流ドットDD2の端ドット形成位置DLxと、複数個の上流ドットUD2の端ドット形成位置ULxと、の間の実際の間隔は、上述した間隔の目標値より大きくなる場合がある。比較例の場合には、間隔の目標値はノズル間隔NTであるので、実際の間隔がノズル間隔NTより大きくなってしまう場合がある。この場合には、複数個の下流ドットDD2の端ドットと、複数個の上流ドットUD2の端ドットと、の間の間隔が過度に大きくなり、白筋が現れる場合がある。
これに対して本実施例では、端ドット形成位置DLbと端ドット形成位置ULbとの間の間隔の目標値は、ノズル間隔NTより小さな(NT-α)である。この場合には、シート搬送T4の搬送量のバラツキによって、実際の間隔が(NT-α)より大きくなったとしても、複数個の下流ドットDD2の端ドットと、複数個の上流ドットUD2の端ドットと、の間の間隔が過度に大きくなることが抑制される。これによって、白筋が現れることを抑制することができる。
なお、本実施例では、複数個の下流ドットDD2の端ドット形成位置DLbと、複数個の上流ドットUD2の端ドット形成位置ULbと、の間の間隔の目標値が(NT-α)であるので、比較例と比較して、複数個の下流ドットDD2の端ドットと、上流ドットUD2の端ドットと、の重なりが大きくなりやすい。また、シート搬送T4の搬送量にはバラツキによって、複数個の下流ドットDD2の端ドット形成位置DLbと、複数個の上流ドットUD2の端ドット形成位置ULbと、の間の実際の間隔が、目標値(NT-α)よりもさらに小さくなる場合もある。この場合には、複数個の下流ドットDD2の端ドットと、上流ドットUD2の端ドットと、の重なりがさらに大きくなり得る。しかしながら、本実施例では、特定条件が見たされる場合には、下流ドットDD2の端ドットと上流ドットUD2の端ドットとによって表現すべき色は、黒である。黒は、最も濃度が高い色であるので、下流ドットDD2の端ドットと上流ドットUD2の端ドットとの重なりが大きくなったとしても、該重なりの部分が、さらに濃い色の筋(いわゆる黒筋)として目立つことはない。
以上の説明から解るように、本実施例によれば、シート搬送T4の搬送量である第1量は、上流ドットUD2の端ドットが図11の基準位置Prxよりも搬送方向ARの下流側(図10の上側)に位置する端ドット形成位置DLbに形成されるように決定される量(D-α)である。このために、下流ドットDD2の端ドットと上流ドットUD2の端ドットの部分に、重複領域を設定することなく、白筋を抑制できる。この結果、印刷速度の低下を抑制しつつ、白筋が発生することが抑制することができる。
さらに、本実施例では、特定条件が満たされない場合に(図7のS310にてNO)、CPU210は、対象画像RIのうちの下流部分DP1(図9(A))に対応する複数個の下流ドットDD1(図9(A))の少なくとも一部を形成するように、ヘッド位置P1での部分印刷SP1を印刷機構100に実行させる(図9(B)、図7のS340等)。また、特定条件が満たされない場合に、CPU210は、部分印刷SP1と、ヘッド位置P2(図9(B))での部分印刷SP2と、の間に、第2量(D-H)の副走査(シート搬送T1(図5))を印刷機構100に印刷実行部に実行させる(図7のS350)。また、特定条件が満たされない場合に、CPU210は、複数個の上流ドットUD1を形成するように、部分印刷SP2を印刷機構100に実行させる。
ここで、特定条件が満たされない場合におけるシート搬送T1の搬送量である第2量(D-H)は、図9(B)に示すように、複数個の下流ドットDD1の端ドット形成位置DLaと、複数個の上流ドットUD1の端ドット形成位置ULaと、の間の間隔が、ノズル間隔NTとなるように設定される。複数個の上流ドットUD1の端ドット形成位置ULaは、理想的なドットの形成位置であるので、端ドット形成位置ULaを基準位置Praとも呼ぶ(図9)。端ドット形成位置ULa(基準位置Pra)は、複数個の下流ドットDD1の端ドットと複数個の上流ドットUD1の端ドットの間隔が(NT-α)となるような目標位置Pt(図9)よりも搬送方向ARの上流側(図9の下側)に位置する。
このように、特定条件が満たされない場合の搬送量である第2量は、複数個の上流ドットUD1の端ドットが、下流ドットDD1の端ドットの間隔が(NT-α)となるような目標位置Ptよりも上流側(本実施例では基準位置Pra)に形成されるように決定されている。仮に、下流ドットDD1の端ドットと上流ドットUD1の端ドットとの間隔が(NT-α)になるように、第2量が設定されると、下流ドットDD1の端ドットと上流ドットUD1の端ドットとが重なって黒筋が目立つ可能性がある。特定条件が満たされない場合には、下流ドットDD1の端ドットと上流ドットUD1の端ドットによって表現される色は、黒とは異なる色を含む。このために、ドットの重なりが過度に生じると、当該重なりの部分の色が本来表現すべき色よりも濃くなるためである。
本実施例の特定条件、すなわち、重複候補領域内の複数個の画素が白画素と黒画素のみで構成されるか否かは、下流ドットDD1、DD2の端ドットと上流ドットUD1、UD2の端ドットとが重なる場合に黒筋が目立たない条件である、と言うことができる。黒筋が目立たない条件は、下流ドットDD1、DD2の端ドットと上流ドットUD1、UD2の端ドットとが重なる場合に表現される色と、これらのドットが重ならない場合に表現される色との相違に関する指標(例えば、濃度差)が基準以下である場合に満たされる条件である。
以上の説明から解るように、本実施例によれば、特定条件が満たされる場合には、印刷速度の低下を抑制しつつ、画質の低下を抑制できる。さらに、特定条件が満たされない場合には、黒筋が現れることを抑制することができる。
さらに、本実施例によれば、CPU210は、対象画像データのうち、下流ドットDD1、DD2の端ドットに対応する部分データ、すなわち、重複候補領域内の画像を示す部分データを解析することによって、特定条件が満たされるか否かを判断する(図7のS300、S310)。この結果、搬送量のバラツキによってドットの重なりが変化する可能性がある部分のデータを解析することで、特定条件が満たされるか否かを直接的に適切に判断することができる。
上述のように、最も濃い色である黒色の部分に、さらに、他のドットが重なった形成されたとしても濃度が変化し難い。このために、黒色の部分において、下流ドットDD2の端ドットと上流ドットUD2の端ドットとが重なっても、これらの端ドットが重ならない場合と比較して、該黒色の部分の濃度は変化し難い。これを踏まえて、本実施例では、CPU210は、重複候補領域内の画像を示す部分データが、黒画素のデータと、白画素のデータと、のみを含む場合に、特定条件を満たすと判断する(図7のS300、S310)。この結果、下流ドットDD1、DD2の端ドットと上流ドットUD1、UD2の端ドットとが重なる場合に、黒筋が目立つか否かを適切に判断できる。
さらに、本実施例では、CPU210は、ドットデータによって示されるドットの形成状態の階調数(例えば、3階調や4階調)よりも階調数が多い多階調値であるRGB値(例えば、256階調)を用いて画素ごとの色を示すRGB画像データを解析して特定条件を満たすか否かを判断する(図7のS310)。例えば、仮にドットデータを解析する場合には、ドットによって表現される色が、黒であるか、黒より薄いグレーであるか、判別できない場合がある。黒のドットによって表現される色は、黒のみに限らず、グレーである場合もあるためである。本実施例では、ドットデータに変換される前のRGB画像データを解析するので、特定条件を満たすか否かを精度良く判断することができる。
さらに、本実施例では、特定条件が満たされない場合に、CPU210は、第1量(D-α)よりも搬送方向ARに短い第2量(D-H)に決定する(図7のS350)。そして、CPU210は、例えば、図9(B)に示すように、ヘッド位置P1にて実行される部分印刷SP1にて、複数個の下流ドットDD1のうち、端ドットの一部を含み全部を含まない複数個のドットを形成させ、残りの複数個のドットを形成させない。CPU210は、ヘッド位置P2にて実行される部分印刷SP2にて、下流ドットDD1のうち、部分印刷SP1にて形成させない複数個のドットと、上流ドットUD1と、を形成させる。すなわち、特定条件がみたさない場合には、重複領域SA1が設定され、下流ドットDD1のうち、重複領域SA1内のドットは、部分印刷SP1と部分印刷SP2とに分配して形成される。
特定条件が満たされない場合に、仮に、重複領域を設けないとすると、搬送量のばらつきに起因して、下流ドットDD1の端ドットと上流ドットUD1の端ドットとの間隔が過度に広がる場合や過度に狭くなる場合がある。この場合には、上述した白筋や黒筋が発生し得る。本実施例では、特定条件が満たされない場合には、重複領域を設けることで、上述した白筋や黒筋の発生を抑制できる。重複領域内では、1個のラスタライン上のドットが2回の部分印刷で形成されるので、1個のラスタライン上の全ドットが、他のラスタライン上の全ドットに対して、同じようにずれることを抑制できるためである。この結果、特定条件が満たされない場合には、印刷される画像において、下流ドットDD1の端ドットと上流ドットUD1の端ドットと形成される部分に、白筋や黒筋が発生することを抑制できる。
さらに、本実施例では、CPU210は、シートSが純正紙である場合には(図4のS40にてYES)、第1判断基準を用いて特定条件が満たされるか否かを判断し、シートSが純正紙とは異なるシートである場合には(図4のS40にてNO)、第2判断基準を用いて特定条件が満たされるか否かを判断する。この結果、印刷媒体に応じて、異なる判断基準を用いることで、特定条件が満たされるか否かを適切に判断することができる。
具体的には、高速モードでの印刷において、シートSが純正紙である場合には、RGB値が(0、0、0)である画素とRGB値が(1、1、1)である画素とを黒画素として、特定条件が満たされるか否かが判断され(図4のS50)、シートSが純正紙とは異なるシートである場合には、RGB値が(0、0、0)である画素のみを黒画素として、特定条件が満たされるか否かが判断される(図4のS60)。このように、印刷される画像の色が薄くなりやすいシートが用いられる場合には、純正紙よりも黒筋が目立ちやすいことを考慮して、純正紙が用いられる場合の基準よりも特定条件が満たされ難い基準が用いられる。この結果、印刷される画像の色が薄くなりやすいシートが用いられる場合に、印刷される画像において黒筋が目立つことを抑制できる。
さらに、本実施例では、CPU210は、高画質モードで印刷を実行すべき場合には(図4のS40にてYES)、第1判断基準を用いて特定条件が満たされるか否かを判断し、高速モードで印刷を実行すべき場合には(図4のS40にてNO)、純正紙が用いれることを条件に、第2判断基準を用いて特定条件が満たされるか否かを判断する。この結果、印刷モードに応じて、特定条件が満たされるか否かを適切に判断することができる。
具体的には、高速モードよりも低速で高画質な印刷が要求される高画質モードでは、高速モードが用いられる場合の基準よりも特定条件が満たされ難い基準が用いられる。この結果、印刷速度よりも高画質が要求される場合に、印刷される画像において黒筋が目立つことをより抑制できる。
以上の説明から解るように、実施例の搬送方向ARは、副走査方向の例であり、純正紙は、第2種の印刷媒体の例であり、純正紙とは異なるシートは、第1種の印刷媒体の例であり、高画質モードは、第1印刷モードの例であり、高速モードは、第2印刷モードの例である。また、部分印刷SP1、SP4は、第1部分印刷の例であり、部分印刷SP2、SP5は、第2部分印刷の例である。また、下流部分DP1、DP2は、第1部分の例であり、上流部分UP1、UP2は、第2部分の例であり、下流ドットDD1、DD2は、第1ドットの例であり、上流ドットUD1、UD2は、第2ドットの例である。端ドット形成位置ULbは、第1目標位置の例であり、端ドット形成位置ULaは、第2目標位置の例である。また、搬送部140は、副走査部の例である。
B.変形例
(1)上記実施例の図7の重複領域設定処理(図7)は、一例であり、適宜に変更され得る。例えば、特定条件が満たされない場合には、注目部分領域の上流側の端部に重複領域が設定される(図7のS340)。これに代えて、特定条件が満たされない場合であっても重複領域を設定しなくても良い。この場合には、例えば、S350にて、注目部分印刷の直後のシート搬送Tの搬送量は、ノズル長Dに決定されても良い。もしくは、S350にて、注目部分印刷の直後のシート搬送Tの搬送量は、(D-β)に決定されても良い。この場合には、調整量βは、調整量αよりも小さな値(例えば、ノズル間隔NTの0.1倍)に設定される。シート搬送Tの搬送量は(D-β)とすれば、シート搬送Tの搬送量が(D-α)に決定される場合と比較して、白筋が発生しやすいが、シート搬送Tの搬送量がDに決定される場合と比較して、白筋の発生を抑制することができる。
(2)上記実施例の重複領域設定処理では、特定条件として、重複候補領域内の複数個の画素が黒画素と白画素のみからなるか否かが判断される。これに限らず、複数個の下流ドットDD1、DD2の端ドットと上流ドットUD1、UD2の端ドットとが重なる場合に表現される色と、複数個の下流ドットDD1、DD2の端ドットと上流ドットUD1、UD2の端ドットが重ならない場合に表現される色と、の相違に関する指標(例えば、濃度、彩度、明度)が基準以下である場合に満たされる他の条件が用いられても良い。
例えば、黒画素と、黒とは異なるインクに対応する色(例えば、シアン、マゼンタ)の画素と、白画素と、のみからなるか否かが判断されても良い。あるいは、特定の基準濃度より濃い色の画素と、白画素と、のみからなるか否かが判断されても良い。
また、特定条件を満たすか否かは、RGB画像データに代えてドットデータを用いて判断されても良い。例えば、重複候補領域内に形成されるドットが黒の大ドットのみであって、全てのドット形成可能位置に占める黒の大ドットの形成率が閾値(例えば、90%)以上であるか否かが判断されても良い。
また、黒画素として設定される画素は、RGB値が(0、0、0)、(1、1、1)である画素に加えて、他の画素を含んでも良い。例えば、特定の色を表現するドットが他のドットと重なったとしても、当該重なりによる色の変化が小さく、当該重なりの部分が濃い色の筋(黒筋)として目立ち難い場合には、当該特定の色を有する画素が、他の画素として加えられる。例えば、RGB値が上述の条件を満たす所定範囲内のRGB値を有する画素、具体的には、RGB値が(2、2、2)である画素やRGB値が(1、2、2)である画素が、他の画素として加えられても良い。
さらに、特定条件を満たすか否かの判断は、下流ドットDD1、DD2の端ドットに対応する部分を含む重複候補領域内の画素のみに基づいて判断されているが、これに限られない。重複候補領域内の画素に代えて、あるいは、重複候補領域内の画素とともに、上流ドットUD1、UD2の端ドットに対応する画素、すなわち、注目部分印刷の次に実行される部分印刷にて形成される端ドットに対応する部分の画素に基づいて、特定条件が判断されても良い。もしくは、CPU210は、注目部分領域のうち、重複候補領域よりも下流側に位置する画素に基づいて、重複候補領域内の画素の色が黒画素であるか否かを推定し、重複候補領域内の画素の色が黒画素であると推定される場合に、特定条件が満たされると判断しても良い。
また、CPU210は、対象画像データを解析して、対象画像RIに示されるオブジェクトの種類と位置を特定し、重複候補領域内に位置するオブジェクトが文字のみである場合には、特定条件が満たされると判断し、重複候補領域内に位置するオブジェクトが文字とは異なるオブジェクトを含む場合には、特定条件が満たされないと判断しても良い。
(3)上記実施例の重複領域設定処理では、純正紙とは異なるシートが用いられる場合に、純正紙が用いられる場合よりも満たされ難い基準を用いて、特定条件が満たされるか否かを判断している。これに限らず、例えば、光沢紙、上質紙、インクジェット専用紙などの特定種類の印刷媒体とは異なる印刷媒体が用いられる場合に、特定種類の印刷媒体が用いられる場合よりも満たされ難い基準を用いて、特定条件が満たされるか否かを判断しても良い。
(4)また、シートの種類や印刷モードに限らず、他の印刷に関連する条件に応じて、特定条件が満たされるか否かの判断基準を変えても良い。例えば、印刷ヘッド110の温度が閾値よりも高い場合には、例えば、印刷ヘッド110の温度が閾値よりも低い場合と比較して、インクの粘度が低下するために、ノズルNZから吐出される1ドット当たりのインク量が多くなる。このために、印刷ヘッド110の温度が閾値よりも高い場合には、例えば、印刷ヘッド110の温度が閾値よりも低い場合と比較して、印刷される画像の濃度が高くなる。したがって、印刷ヘッド110の温度が閾値よりも高い場合には、印刷ヘッド110の温度が閾値よりも低い場合よりも満たされやすい基準を用いて、特定条件が満たされるか否かが判断されても良い。
(5)さらには、CPU210は、シートの種類や印刷モードに拘わらずに、常に同一の判断基準を用いて、特定条件が満たされるか否かを判断しても良い。
(6)印刷媒体として、シートSに代えて、他の媒体、例えば、OHP用のフィルム、CD-ROM、DVD-ROM、綿や化繊の織物などの布地、スマートフォンの樹脂製のケースが採用されても良い。
(7)上記実施例の印刷機構100では、副走査部としての搬送部140は、シートSを搬送することによって、印刷ヘッド110に対してシートSを搬送方向AR(副走査方向)に相対的に移動させている。これに代えて、副走査部は、固定されたシートSに対して、印刷ヘッド110を副走査方向と反対方向に移動させることによって、印刷ヘッド110に対してシートSを副走査方向に相対的に移動させる構成であっても良い。また、副走査部は、例えば、印刷ヘッド110のノズル形成面111と対向する位置において印刷媒体としてのスマートフォンのケースを支持するステージと、当該ステージを副走査方向に移動させる機構(例えば、モータやギヤを含む機構)と、を備える構成であっても良い。
(8)上記実施例では、主走査方向は、搬送方向AR(副走査方向)と直角に交差する方向である。これに代えて、主走査方向は、搬送方向ARと斜めに交差する方向であっても良い。
(9)上記実施例では、図4の印刷処理を実行する制御装置は、CPU210である。これに代えて、図4の印刷処理を実行する制御装置は、ASICなどの専用のハードウエア回路であっても良く、CPUと専用のハードウエア回路とを組み合わせた制御回路であっても良い。すなわち、実施例では、図4の印刷処理は、ソフトウェアによって実現されているが、印刷処理の一部あるいは全部は、ハードウエア回路によって実現されても良い。
(10)図4の印刷処理は、プリンタ200と通信可能な他の装置、例えば、図示しないユーザの端末装置によって実行されても良い。この場合には、例えば、端末装置は、ドライバプログラムを実行することによってプリンタドライバとして動作し、該プリンタドライバとしての機能の一部として印刷実行部としてのプリンタを制御して、図4の印刷処理を実行する。この場合には、端末装置は、パスデータと搬送量を示す制御データとを含む印刷ジョブを、プリンタに供給することによって、プリンタに印刷を実行させる。
また、図4の印刷処理は、例えば、プリンタや端末装置から画像データを取得して該画像データを用いて印刷ジョブを生成するサーバによって実行されても良い。このようなサーバは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機であっても良い。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100…印刷機構,110…印刷ヘッド,111…ノズル形成面,120…ヘッド駆動部,130…主走査部,133…キャリッジ,134…摺動軸,140…搬送部,141…上流側ローラ対,141a…駆動ローラ,141b…従動ローラ,142…下流側ローラ対,142a…駆動ローラ,142b…従動ローラ,143…ピックアップローラ,16…アーム,18…外側ガイド部材,19…内側ガイド部材,20…給紙トレイ,200…プリンタ,21…排紙トレイ,210…CPU,220…不揮発性記憶装置,230…揮発性記憶装置,231…バッファ領域,260…操作部,270…表示部,280…通信部,50…プラテン,AR…搬送方向,CP…コンピュータプログラム,D…ノズル長,DD1…下流ドット,DD2…下流ドット,DP1…下流部分,DP2…下流部分,DT…ドット,Ik…インク,NT…ノズル間隔,NZ…ノズル,PI…印刷画像,PX…画素,S…シート

Claims (10)

  1. 印刷実行部と制御装置とを備える印刷装置であって、
    前記印刷実行部は、
    インクを吐出する複数個のノズルであって副走査方向の位置が互いに異なる前記複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    印刷媒体に対して前記副走査方向と交差する主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    複数個の画素で構成される対象画像を示す対象画像データを取得し、
    前記対象画像データを解析して前記対象画像が特定条件を満たすか否かを判断し、
    前記対象画像データを用いて、前記印刷媒体にドットを形成するために、前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出させる部分印刷と、前記副走査と、を、前記印刷実行部に複数回に亘って実行させ、
    複数回の前記部分印刷は、第1部分印刷と前記第1部分印刷の次に実行される第2部分印刷とを含み、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記制御装置は、
    前記対象画像のうちの第1部分に対応する複数個の第1ドットを形成し、前記対象画像のうちの第2部分に対応する複数個の第2ドットを形成しないように、前記第1部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間に、第1量の前記副走査を前記印刷実行部に実行させ、
    前記複数個の第2ドットを形成し、前記複数個の第1ドットを形成しないように、前記第2部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1部分は、前記第2部分に対して前記副走査方向の下流側に隣接する部分であり、
    前記特定条件が満たされない場合に、前記制御装置は、
    前記複数個の第1ドットの少なくとも一部を形成するように、前記第1部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間に、前記第1量とは異なる第2量の前記副走査を前記印刷実行部に実行させ、
    前記複数個の第2ドットを形成するように、前記第2部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1量は、前記複数個の第2ドットのうち、前記副走査方向の端に前記主走査方向に沿って並ぶ複数個の第2端ドットが、前記副走査方向の基準位置よりも前記副走査方向の下流側に位置する第1目標位置に形成されるように決定される量であり、
    前記第2量は、前記複数個の第2端ドットが、前記第1目標位置よりも前記副走査方向の上流側に位置する第2目標位置に形成されるように決定される量であり、
    前記基準位置は、前記複数個の第1ドットのうち、前記副走査方向の上流側の端に前記主走査方向に沿って並ぶ複数個の第1端ドットから、基準間隔だけ前記副走査方向の上流側に離れた位置であり、
    前記基準間隔は、1回の前記部分印刷によって形成すべき複数個のドットの前記副走査方向の間隔であり、前記複数個のノズルの前記副走査方向の間隔に基づく間隔であり、
    前記特定条件は、前記複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重なる場合に表現される色と、前記複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重ならない場合に表現される色と、の相違に関する指標が基準以下である場合に満たされる条件であり、
    前記制御装置は、
    前記対象画像データのうち、前記第1部分のうちの前記複数個の第1端ドットに対応する部分と、前記第2部分のうちの前記複数個の第2端ドットに対応する部分と、の少なくとも一方を示す部分データの色値が特定値である場合に、前記特定条件を満たすと判断する、印刷装置。
  2. 請求項に記載の印刷装置であって、
    前記制御装置は、前記部分データの色値が、特定のインクの色を示す第1の特定値と、前記印刷媒体の色で表現されるべき色を示す第2の特定値と、のみを含む場合に、前記特定条件を満たすと判断する、印刷装置。
  3. 請求項に記載の印刷装置であって、
    前記第1の特定値は、黒色を示す色値であり、
    前記第2の特定値は、白色を示す色値である、印刷装置。
  4. 請求項1~のいずれかに記載の印刷装置であって、さらに、
    前記制御装置は、前記対象画像データを、画素ごとに前記ドットの形成状態を示すドットデータに変換し、前記ドットデータを用いて前記複数回の部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記対象画像データは、前記ドットデータによって示される前記ドットの形成状態の階調数よりも階調数が多い多階調値を用いて、画素ごとの色を示す多階調データであり、
    前記制御装置は、前記多階調データを解析して前記特定条件を満たすか否かを判断する、印刷装置。
  5. 請求項1~のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記特定条件が満たされない場合に、前記制御装置は、
    前記第1量よりも前記副走査方向に短い前記第2量に決定し、
    前記第1部分印刷にて、前記複数個の第1ドットのうち、前記複数個の第1端ドットの一部を含み全部を含まない複数個のドットを形成させ、前記複数個の第1ドットのうち、残りの複数個のドットを形成させず、
    前記第2部分印刷にて、前記複数個の第1ドットのうち、前記第1部分印刷にて形成させない複数個のドットと、前記複数個の第2ドットと、を形成させる、印刷装置。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記制御装置は、さらに、
    前記印刷媒体の種類を特定し、
    前記印刷媒体が第1種の印刷媒体である場合には、第1判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断し、
    前記印刷媒体が第2種の印刷媒体である場合には、第2判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断する、印刷装置。
  7. 請求項に記載の印刷装置であって、
    特定の印刷データに基づいて前記第1種の印刷媒体に印刷される画像の色は、前記特定の印刷データに基づいて前記第2種の印刷媒体に印刷される画像の色より薄く、
    前記第1判断基準は、前記第2判断基準よりも前記特定条件が満たされ難い基準である、印刷装置。
  8. 請求項1~のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記制御装置は、第1印刷モードでの印刷と、第2印刷モードでの印刷と、を前記印刷実行部に実行させることが可能であり、
    前記制御装置は、前記第1印刷モードで印刷を実行すべき場合には、第1判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断し、前記第2印刷モードで印刷を実行すべき場合には、第2判断基準を用いて前記特定条件が満たされるか否かを判断する、印刷装置。
  9. 請求項に記載の印刷装置であって、
    前記第1印刷モードは、前記第2印刷モードよりも低速で高画質な印刷が要求されるモードであり、
    前記第1判断基準は、前記第2判断基準よりも前記特定条件が満たされ難い基準である、印刷装置。
  10. 印刷実行部を制御するためのコンピュータプログラムであって、
    前記印刷実行部は、
    インクを吐出する複数個のノズルであって副走査方向の位置が互いに異なる前記複数個のノズルを有する印刷ヘッドと、
    印刷媒体に対して前記副走査方向と交差する主走査方向に沿って前記印刷ヘッドを移動させる主走査を実行する主走査部と、
    前記印刷ヘッドに対して前記副走査方向に沿って前記印刷媒体を移動させる副走査を実行する副走査部と、
    を備え、
    前記コンピュータプログラムは、
    複数個の画素で構成される対象画像を示す対象画像データを取得する取得機能と、
    前記対象画像データを解析して前記対象画像が特定条件を満たすか否かを判断する判断機能と、
    前記対象画像データを用いて、前記印刷媒体にドットを形成するために、前記主走査を行いつつ前記印刷ヘッドからインクを吐出させる部分印刷と、前記副走査と、を、前記印刷実行部に複数回に亘って実行させる実行機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    複数回の前記部分印刷は、第1部分印刷と前記第1部分印刷の次に実行される第2部分印刷とを含み、
    前記特定条件が満たされる場合に、前記実行機能は、
    前記対象画像のうちの第1部分に対応する複数個の第1ドットを形成し、前記対象画像のうちの第2部分に対応する複数個の第2ドットを形成しないように、前記第1部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間に、第1量の前記副走査を前記印刷実行部に実行させ、
    前記複数個の第2ドットを形成し、前記複数個の第1ドットを形成しないように、前記第2部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1部分は、前記第2部分に対して前記副走査方向の下流側に隣接する部分であり、
    前記特定条件が満たされない場合に、前記実行機能は、
    前記複数個の第1ドットの少なくとも一部を形成するように、前記第1部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1部分印刷と前記第2部分印刷との間に、前記第1量とは異なる第2量の前記副走査を前記印刷実行部に実行させ、
    前記複数個の第2ドットを形成するように、前記第2部分印刷を前記印刷実行部に実行させ、
    前記第1量は、前記複数個の第2ドットのうち、前記副走査方向の端に前記主走査方向に沿って並ぶ複数個の第2端ドットが、前記副走査方向の基準位置よりも前記副走査方向の下流側に位置する第1目標位置に形成されるように決定される量であり、
    前記第2量は、前記複数個の第2端ドットが、前記第1目標位置よりも前記副走査方向の上流側に位置する第2目標位置に形成されるように決定される量であり、
    前記基準位置は、前記複数個の第1ドットのうち、前記副走査方向の上流側の端に前記主走査方向に沿って並ぶ複数個の第1端ドットから、基準間隔だけ前記副走査方向の上流側に離れた位置であり、
    前記基準間隔は、1回の前記部分印刷によって形成すべき複数個のドットの前記副走査方向の間隔であり、前記複数個のノズルの前記副走査方向の間隔に基づく間隔であり、
    前記特定条件は、前記複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重なる場合に表現される色と、前記複数個の第1端ドットと前記複数個の第2端ドットとが重ならない場合に表現される色と、の相違に関する指標が基準以下である場合に満たされる条件であり、
    前記判断機能は、
    前記対象画像データのうち、前記第1部分のうちの前記複数個の第1端ドットに対応する部分と、前記第2部分のうちの前記複数個の第2端ドットに対応する部分と、の少なくとも一方を示す部分データの色値が特定値である場合に、前記特定条件を満たすと判断する、コンピュータプログラム。
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