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JP7485379B2 - 排泄物貯留を制御するための刺激デバイス - Google Patents

排泄物貯留を制御するための刺激デバイス Download PDF

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Description

本開示は、概して、ヒトを含む動物の神経を刺激することによって、排尿及び排便、ならびに排尿・排便の自制を制御する方法に関する。
尿の貯留と排泄
下部尿路(LUT)は、尿の貯留と定期的な排尿に関与する。尿は、尿の貯留器として機能する膀胱に蓄えられ、尿の出口として機能する尿道から排出される。
尿貯留段階の間、膀胱は、増加する尿量に対応するために伸張することができるように弛緩を維持しなければならず、尿道は、尿の漏出(尿失禁とも呼ばれる)を防ぐために閉じたままでなければならない。膀胱弛緩は、仙骨脊髄における膀胱副交感神経反射経路の抑制、及び下腹部神経における遠心性交感神経軸索の活性化、ならびにβ3アドレナリン受容体刺激によって膀胱平滑筋弛緩を誘発することにより維持される。
尿道閉鎖は、下腹部神経の排出交感神経軸索によって促進される内尿道括約筋の尿道平滑筋収縮(収縮を誘発するαアドレナリン受容体刺激を介して)、及びニコチン性コリン作動性受容体活性化を介した陰部神経の排出性体性運動軸索によって促進される外尿道括約筋の横紋筋収縮の両方によって維持される。
膀胱に蓄積された尿の量が増えると、膀胱の伸展受容器が骨盤神経求心性線維に沿って仙骨脊髄にシグナルを送り、そこでそれらは腰部交感神経中枢に中継され、それが次に遠心性交感神経下腹神経活動を刺激して膀胱をさらに弛緩させ、内尿道括約筋を収縮させる。これらの膀胱伸展受容器はまた、遠心性体性運動陰部神経活動を活性化して、外尿道括約筋を引き締める。このように、膀胱が満たされるにつれて膀胱の弛緩及び尿道括約筋の収縮は共同して尿の貯留を促進する。
排尿が起こるべきところまで膀胱が伸ばされると、膀胱伸展受容器はこの感覚情報を、膀胱感覚と仙骨副交感神経排尿反射を抑制し尿貯留反射を促進している脳に中継する。行動的に適切な場合、脳は交感神経性及び体性尿貯留反射を抑制して尿道括約筋の弛緩を許し、仙骨副交感神経排尿反射を活性化して、膀胱を完全に空にするのに十分な強度及び持続時間の膀胱収縮を生じさせる。このように、尿道の弛緩と膀胱の収縮が共同して、効率的な排尿をもたらす。排尿(urine voiding)は、micturition又はurinationと呼ばれることもある。
糞便の貯留と排泄
LUTによる尿の貯留と排泄と同様に、下部消化管(GI)は、糞便(便とも呼ばれる)の貯留と定期的な排泄に関与する。糞便は糞便の貯留器として機能する下行結腸及びS状結腸に蓄えられ、糞便の出口として機能する直腸及び肛門を介して排泄される。
糞便貯留段階の間、下行結腸とS状結腸は、増加する糞便の量に対応するために伸張することができるように弛緩を維持しなければならず、直腸は、糞便の侵入を検出するために緊張を維持し、肛門は、糞便の漏出(便失禁とも呼ばれる)を防ぐために閉じられる。下行結腸及びS状結腸の弛緩は、下腹部神経の遠心性交感神経軸索の活動及びGI平滑筋を阻害するα2アドレナリン受容体の活性化によって維持される。肛門閉鎖は、α1アドレナリン受容体を介して下腹部神経の遠心性交感神経軸索によって促進される平滑筋収縮、及びニコチン性コリン作動性受容体を介して陰部神経の遠心性体性運動軸索によって促進される外肛門括約筋の横紋筋収縮の両方によって維持される。下行結腸及びS状結腸に溜まる糞便の量が増えると、伸展受容器が内因性及び外因性のGI反射経路を介してシグナルを送り、外肛門括約筋の平滑筋及び横紋筋を引き締め、仙骨副交感神経排便反射経路を阻害する。
糞便が蠕動を介して下行結腸及びS状結腸に推進されると、直腸が伸張を始める。これは下行結腸の蠕動を抑制し、直腸及び肛門括約筋を収縮させる。排便が起こるべきところまで直腸が伸ばされると、直腸伸展受容器はこの感覚情報を脳に中継する。脳は、排便が適切になるまで、結腸貯蔵反射を促進しながら、直腸感覚と仙骨副交感神経排便反射を抑制することができる。排便が適切な場合、仙骨副交感神経排便反射が活性化されて、横紋体外肛門括約筋を弛緩させ、S状結腸を収縮させ、糞便を直腸に推進する。直腸は、糞便を受け入れると同時に弛緩及び伸張する。直腸の伸張は、内肛門括約筋の平滑筋を弛緩させる直腸肛門抑制反射を活性化する。このように、肛門括約筋の弛緩と協調したS状結腸の収縮は、効率的な排便をもたらす。
自制及び排泄
したがって、健康な膀胱及びGI排泄行動は、以下の2つの態様で存在すると見なすことができる。(1)膀胱及び結腸が弛緩し、外尿道及び肛門の括約筋が収縮しているときの自制又は「貯留モード」、及び(2)膀胱又は結腸が収縮し、外尿道及び肛門の括約筋が弛緩しているときの「排泄モード」。
失禁
尿失禁及び便失禁は、それぞれ尿又は糞便の不随意喪失であり、排泄反射又は貯留反射のいずれか、あるいはそれらの両方の機能不全によって引き起こされ得る。腹圧性失禁は、身体運動(例えば、スポーツ活動、笑い、くしゃみ、咳)による不随意の尿や糞便の喪失であり、特に女性の間では、貯留反射及び括約筋機能の弱さと考えられている。切迫性失禁は、一時的な膀胱又は結腸の収縮及び/又は切迫感に関連する尿又は糞便の不随意の喪失であり、排泄反射の過活動と考えられている。一部の人は、腹圧性及び切迫性の尿失禁又は便失禁の組み合わせである混合性失禁と診断される。このような尿失禁及び便失禁は、生活の質及び社会的及び専門的活動への参加に影響を及ぼす。
機能不全による尿又は糞便の滞留
尿閉及び糞便滞留は、それぞれ、尿又は糞便を効率的に排泄することができないことであり、排泄反射又は貯留反射のいずれか、あるいはそれらの両方の機能不全によって引き起こされ得る。排泄反射の機能不全は、膀胱又は結腸の尿又は糞便をそれぞれ完全に空にするのに十分な強度又は持続時間の膀胱又は結腸の収縮を引き起こすことができない。貯留反射の機能不全は、排尿又は排便が望まれる場合、それぞれ尿又は糞便の通過を妨げる尿道括約筋及び肛門括約筋の収縮を引き起こし得る。一方では膀胱又は結腸の収縮と、他方では尿道又は肛門括約筋の弛緩との間のこの協調の欠如は、括約筋共同運動障害と呼ばれる。したがって、排泄反射又は貯留反射のいずれかの機能不全は、それぞれ膀胱内の残留尿及び結腸内の残留糞便をもたらす可能性がある。膀胱内の残留尿は、腎障害を引き起こし、尿路感染症を促進する可能性があり、どちらも生命を脅かす可能性がある。S状結腸に残留する糞便は宿便及び機能性便秘を助長し得る。
神経系の障害
神経系の損傷又は疾患(例えば、脊髄損傷(SCI)、二分脊椎、多発性硬化症)を患う多くの人では、尿及び糞便の両方の失禁及び滞留(すなわち、尿失禁及び尿閉及び/又は便失禁及び糞便滞留)の症状が現れる。この集団では、例えば、膀胱が不随意に収縮し、「抑制されていない、神経因性の、排尿しない膀胱収縮」を引き起こし、尿失禁を引き起こす尿道抵抗を克服するが、尿閉を引き起こす膀胱括約筋運動障害も示す。脳は排泄や貯留反射を制御及び調整できなくなるため、膀胱及び結腸は、滞留を防ぐために適切に空にするようには収縮せず、括約筋は失禁を防ぐように適切に収縮しない。同様の併存する排泄機能障害は、糖尿病性嚢胞症及び胃腸症を有する糖尿病患者、ならびに地域在住及び施設に収容された高齢者にも蔓延している。
尿閉治療
SCIの人の尿閉は非常に重症で独特の状態であるため、一般集団にとって不適切なリスクがあると考えられる治療法が使用されるが、成功は限られている。
括約筋の運動障害を排除するための現在の治療法(非特許文献1)は、ボツリヌス毒素の尿道内注射又は外科的括約筋切開術であり、それぞれ括約筋の半永久的又は永久的な麻痺を引き起こす。当然のことながら、括約筋の麻痺は括約筋の機能を妨げ、1日を通して不随意の尿漏れ(尿失禁)を悪化させる。膀胱から尿を排出する別のアプローチは、カテーテル法である。一部の患者は、尿道又は恥骨上切開を通して膀胱に留置カテーテルを挿入する必要がある。これにより、患者の脚に取り付けられた収集バッグに尿を継続的に排出できる。他の患者は間欠的膀胱カテーテル法を使用する。これは、患者の残りの人生の間、尿道を通って膀胱にカテーテルを1日に複数回通過させる必要がある。間欠的カテーテル挿入は明らかに不便であり、介護者の支援なしでは困難又は不可能(四肢麻痺患者にとって)である。両方の形態のカテーテル法は、カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)の主な原因でもあり、毎年16人に1人のSCI患者が入院している。尿路関連の入院に関連する医療費は、患者1人あたり年間12,000ドル以上、米国の総医療費は年間3億ドルから4億ドルと推定されている(非特許文献2、3)。今日、米国のSCIの人の数は、270,000人を超えている(National Spinal Cord Injury Statistical Center、アラバマ州バーミンガム、2013年)。したがって、括約筋切開術、ボツリヌス毒素注射、及び/又はカテーテル挿入の必要性を排除又は低減するために、括約筋の運動障害を阻止することができる安全で効果的な治療法に対する大きな医学的必要性がある。
SCIの人は、括約筋の運動障害と弱い膀胱収縮による排泄困難を抱えているだけでなく、抑制されていない神経因性膀胱収縮中の括約筋の断続的な弛緩による尿貯留困難又は尿失禁も抱えている。急性SCIは、尿が充満感や身体的排泄能力なしに蓄積する「無反射性」膀胱を引き起こす。時間の経過とともに、不随意の脊髄組織化された膀胱反射が発生する(非特許文献4)。残念ながら、これらの脊髄反射は、膀胱を空にしない弱い(しかし頻繁な)、短期間の神経因性膀胱収縮を引き起こすだけであるが、代わりに一日を通して少量の尿の漏出、すなわち尿失禁を引き起こす。したがって、SCIを有するほとんどの人は、尿失禁及び尿閉の両方を有する。
KoとKimによる研究(非特許文献5)は、フェノールを陰部(PUD)神経に注入すると、括約筋が弛緩し、その後排泄効率が向上することを示した。しかしながら、陰部神経のフェノール中毒は、括約筋活動の永久的な喪失をもたらし、それは失禁を促進し、したがって、陰部神経の一時的かつ可逆的な制御の目標を解決しない。
SCIの人に対する上記の治療法はいずれも、一般集団の腹圧性、切迫性、又は混合性失禁には適していない。現在、米国で利用可能な、有効性の十分な証拠がある唯一の治療法は骨盤底筋トレーニングであり、腹圧性失禁及び混合性失禁の第一選択治療と見なされている(非特許文献6)。抗ムスカリン剤及びβ3受容体拮抗薬は、切迫性失禁に使用できる。
尿道括約筋に損傷を与える根治的前立腺全摘除術を受けた男性では、人工尿道括約筋を外科的に植込むことがある。ただし、これらは時間とともに虚血と尿道びらんを引き起こすため、最も重症の場合にのみ限られている。
仙骨神経刺激は、無傷の脊髄を有する患者の切迫性失禁及び便失禁の治療に中程度に効果的であり、脛骨神経刺激、増量剤の肛門注射、及び高周波エネルギーは、便失禁の大きくはないが臨床的に有意な減少を示している(非特許文献7)。
尿閉の症例は、まれに、ファウラー症候群の女性や、骨盤底や括約筋を弛緩させることができないために子供に見られる。女性では、仙骨神経刺激が成功裏に使用されている(非特許文献8)。女性と子供の両方では、骨盤底バイオフィードバックトレーニングも試みられている。
糞便滞留治療
食事法、浣腸、及び手動抽出は、現在、糞便滞留を制御する主要な方法である。ボツリヌス毒素の肛門括約筋注射も、子供の糞便滞留の治療として報告されている(非特許文献9)。
電気刺激を用いて尿道括約筋の運動障害を制御する試みがなされてきた。麻酔をかけたネコの前臨床試験(非特許文献10~12、Kilgore and Bhadra,2014でレビューされた)は、陰部神経の遮断が尿道括約筋の弛緩と排泄の改善に非常に効果的であることを示した(非特許文献13、非特許文献14、Kilgore and Bhadra、2014年)。高周波(例えば、5~20kHz)刺激を用いて切断患者の神経痛及び背部神経痛を一時的に遮断することは、当技術分野で知られている(非特許文献15)。陰部神経を遮断するためにヒトにそのような高周波刺激を使用したという以前の報告はない。
特許文献1(Chancellor及びTai)では、1つの植込み電極を使用して陰部神経を興奮させて膀胱を収縮させ、第2及び任意選択で第3の電極を使用して陰部から外尿道括約筋への伝導を遮断して外尿道括約筋の収縮を防いでいる。
特許文献2(Creasey及びToong)では、膀胱の収縮と弛緩を制御する電気シグナルを送るために、背神経の上に皮膚パッチが適用されている。
特許文献3~5では、Boggsらは、陰部神経の標的領域に配置された電極を使用して1つの選択された周波数で求心性線維を刺激して膀胱収縮を引き起こし、第2の選択された周波数範囲を適用して膀胱収縮を抑制することを記載している。
特許文献6では、GauntとProchazkaは、尿道括約筋を開いて膀胱の排尿を可能にする高周波電気パルスでの刺激による陰部神経の遮断について記載している。膀胱が空になるまで膀胱を排尿させるために陰部神経が遮断される。
特許文献7では、Bhachaらは、尿道括約筋の収縮を低減するために刺激が適用される求心性神経に結合された第1の電極と、膀胱の収縮を刺激するために第2のパルスバースト刺激が適用される求心性又は遠心性神経に結合された第2の電極とを含み、これらにより膀胱の完全な排尿をもたらす膀胱制御の方法を記載している。
失禁は、一方では膀胱と結腸の過活動、及び/又は他方では尿道及び肛門の括約筋の活動低下から生じる。尿及び糞便の滞留は、一方では膀胱及び結腸の活動低下、及び/又は他方では尿道及び肛門の括約筋の過活動(括約筋運動障害)から生じる。したがって、尿及び糞便の貯留中に尿道及び肛門の括約筋の活動を増加させ、尿及び糞便の排泄中に尿道及び肛門の括約筋の活動を遮断する治療法が望まれる。
用語
膀胱内圧測定は、膀胱機能を評価するために使用される臨床診断手順である。具体的には、排尿時の膀胱の収縮力を測定する。//en.wikipedia.org/wiki/Cystometryを参照。膀胱内圧測定図(CMG)は、膀胱内圧測定手順から得られたフィジオグラフトレースである。
膀胱容量(BC)は、排尿や漏出なしに膀胱内に保持できる流体の量を指す。
膀胱漏出時圧(LPP)は、膀胱が収縮していない状態で、膀胱から尿道を通って流体が漏れる圧力である。
膀胱排尿圧(BVP)は、膀胱の収縮中に流体が膀胱から尿道を通って排出される圧力である。
筋電図(EMG)は、例えば肛門や尿道の横紋括約筋などの筋肉の電気的活動の測定したものである。
圧力測定は、流体のカラムに関して行われることが多い。この目的で使用される2つの一般的な流体は、水銀(Hg)及び水(H2O)である。水銀は水よりも密度が高いため、特定の圧力でHgよりも高いH2Oのカラムが支持される。したがって、1ミリメートルのHgは1.35951センチメートルのH2Oに相当する。
刺激応答曲線は、尿道、肛門、又は膀胱の圧力応答の相対的な変化をモニタリングしながら、刺激パルスの電流、パルス持続時間、又は周波数を段階的に増加させる効果を調べるものである。
閾値応答は、外尿道又は外肛門の括約筋の収縮を誘発するために必要な最小電流(IT)又はパルス幅(PW-T)であり、最大応答は、それ以上の電流又はパルス幅では外尿道又は外肛門の括約筋の収縮反応が増加しない、所定の電流(I-max)又はパルス幅(PW-max)で生じる応答である。
求心性ニューロン及び遠心性ニューロンは当技術分野でよく知られている。脳自体の中で、求心性及び遠心性の指定は文脈に基づいているが、それはここでは関係ない。本開示においては、求心性ニューロンは、末梢器官からの感覚情報を、脳又は脊髄などの中枢器官への神経インパルスとして運ぶ。求心性ニューロンは、感覚ニューロンと呼ばれることもある。遠心性ニューロンは、脳や脊髄から筋肉やその他の構造などの体の周辺に神経インパルスを伝達する。遠心性ニューロンは運動ニューロンと呼ばれることもある。
反対の明示がない限り、「又は」という単語は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」として解釈すべきである。したがって、「又は」のデフォルトの意味は、より扱いにくい「及び/又は」と同じであるべきである。
反対の明示がない限り、「セット」という言葉は、1つ以上の項目の群として解釈されるべきである。
平滑尿道括約筋又は内尿道括約筋として明示的に示されていない限り、「尿道括約筋」という句は、横紋外尿道括約筋として解釈されるべきである。
平滑肛門括約筋又は内肛門括約筋として明示的に示されていない限り、「肛門括約筋」という句は、横紋外肛門括約筋として解釈されるべきである。
多くの場合、工業プロセスを説明するときは、所与のパラメータが実質的に満たされていることに注意されたい。例は、実質的に平行、実質的に垂直、実質的に均一、及び実質的に平坦であり得る。この文脈では、「実質的にX」は、この工業プロセスの目的に関してXであることを意味する。したがって、完全に平行ではない場合であっても、すべての実用的な目的で平行であるものは実質的に平行である。同様に、実質的に均一な温度を有する混合空気は、その工業プロセスにとって重要ではない温度偏差を有し得る。
C.E.Equipment Co.v United States,13U.S.P.Q.2d 1363,1368(Cl.Ct.1989)で認識されているとおり、特許クレームの「実質的に」という単語は、ある程度の定義上の余裕を生じさせる。したがって、「実質的に」という単語は、達成しようとする結果に影響を及ぼさない小さな変更による侵害の回避を防止し得る。
「約」という用語は、量、パラメータ、形状、及びその他の特性が正確でなく、かつ正確である必要がないが、おおよその値であり、したがって、公差、換算係数、四捨五入、測定誤差、当業者に知られているその他の要因などを反映して、より大きい又は小さい場合があることを意味する。大抵の場合、量又は特性は、明示的に述べられているかどうかにかかわらず「約」又は「おおよそ」である。
さらに、「含む」、「本質的に~からなる」、「からなる」という移行句は、添付の特許請求の範囲で使用される場合、元の形式及び補正された形式において、記載されていない追加のクレーム要素又はステップ(もしあれば)がそのクレーム範囲から除外されるかに関してクレーム範囲を定義する。「含む」という用語は、包括的又はオープンエンドであることが意図されており、追加の記載されていない要素、方法、ステップ、又は材料を除外するものではない。「からなる」という用語は、特許請求の範囲で指定されたもの以外の要素、ステップ、又は材料を除外する。「本質的にからなる」という用語は、クレーム範囲を、特定された要素、ステップ、又は材料、及び特許請求の範囲に記載された発明の基本的で新規な特性に実質的に影響を与えないものに限定する。
患者という用語は、ほとんどの場合、本開示の教示に従って刺激デバイスから利益を得るであろうヒトを指す。患者という用語は、刺激デバイスを受け取った動物を含むように広範に解釈する必要がある。患者という用語には、刺激デバイスを受け取り、医者又は獣医、又は研究者によって使用される教育シミュレータも含まれる。
エンドユーザは、患者を含む一連の人々であり得る(陰部神経に刺激を提供する1つ以上の電極を持っている)。エンドユーザという用語には、患者や家族にケアを提供する看護師やその他の専門家など、ケアの提供を支援する可能性のある介護者が含まれる。
米国特許第9,623,243号明細書 米国特許出願公開第2016/0129248号明細書 米国特許第8,396,555号明細書 米国特許第7,047,078号明細書 米国特許第7,571,000号明細書 米国特許第9,072,866号明細書 米国特許第9,393,411号明細書
Leippold et al.,2003 Eur Urol.8月;44(2):165-74 Cardenas et al 2004 Archives Physical Medicine and Rehabilitation 85:1757-1763 DeVivo and Farris 2011 Top Spinal Cord Inj Rehabil,16:53-61 de Groat and Yoshimura,2012 Exp Neurol 235:123-132 Ko and Kim,Spinal Cord.1997年10月 35(10):690-3 Dumoulin and Hay-Smith 2010 Cochrane Database Syst Rev.1月20;(l):CD005654 Wald A;Curr Gastroenterol Rep.2018年3月26日;20(3):9 Kessler and Fowler 2008 Nat Clin Pract Urol.12月5(l2):657-66 Zar-Kessler et al.,2018 J Pediatr Surg.4月;53(4):693-697 Bhadra et al.2006 J Neural Eng.6月3(2):180-7 Gaunt et al.,2008 Neurorehabil Neural Repair.2009年7月-8月23(6):6l5-26 Wang et al.,2009 BJU Int.2月103(4):530-6 Tai et al.2004 J Urol.Nov 172(5Pt1):2069-72 Bhadra et al.2006 J Neural Eng.6月3(2):180-7 Kilgore and Bhadra,2014 Neuromodulation.4月17(3):242-54
本開示は、陰部神経への制御パルスを使用することで、いつどこで排泄するかを個人が自発的に制御できるようにするデバイス及び方法を説明し、前記パルスの送達は、個人又は個人の介護者の制御下にある。制御パルスは、電気的又は磁気的であり得る。これらのデバイス及び方法の使用は、尿失禁及び便失禁の発症を排除又は低減し、括約筋運動障害の結果である膀胱へのカテーテル挿入及び糞便の手動抽出の必要性を排除又は低減する。陰部神経の刺激は、単一の電極を介して遠心的に、及び求心的に達成され、外尿道括約筋及び外肛門括約筋の両方を収縮させ、膀胱及び結腸をそれぞれ弛緩させて、「貯留モード」制御を提供する。さらに、スイッチを介して同じ電極又は磁気コイルを使用して、膀胱又は結腸を生理学的、薬理学的、又は電気的に収縮させながら外尿道括約筋及び外肛門括約筋を弛緩させることによって膀胱及び結腸を完全に排泄させる「排泄モード」のシグナルを提供する。以下に述べるように、任意選択で、貯留モード及び排泄モードの刺激は、同じ電極又は磁気コイルから来る必要はない。
本開示に含まれる教示の態様は、出願時に本出願とともに提出された特許請求の範囲に記載されている。クレームの内容の冗長な言い換えを追加するのではなく、これらのクレームは参照によりこの概要に組み込まれていると見なされるべきである。
この概要は、本開示内の拡張された議論で提供される多くの教示及びそれらの教示の変形の網羅的なリストではなく、明細書内に開示される概念の紹介を提供することを意図している。したがって、この概要の内容は、添付のクレーム範囲を制限するために使用されるべきではない。
発明の概念は一連の実施例に示され、いくつかの実施例は複数の発明の概念を示している。個々の発明の概念は、特定の例で提供されるすべての詳細を実行することなく実施することができる。当業者は、特定の用途に対処するために様々な例に示される発明の概念を一緒に組み合わせることができることを認識するので、以下に提供する発明の概念のすべての可能な組み合わせの例を提供する必要はない。
開示された教示の他のシステム、方法、特徴及び利点は、以下の図面及び詳細な説明を検討することにより、当業者に直ちに明らかになるか、又は明らかになるであろう。そのようなすべての追加のシステム、方法、特徴及び利点は、付随する特許請求の範囲内に含まれ、それによって保護されることが意図されている。
本明細書では、本発明の特定の態様、実施形態、又は例に関連して説明される特定の特徴(例えば、整数、特性、値、使用、疾患、障害)は、互換性がない場合を除き、本明細書に記載されている他の任意の態様、実施形態、又は例に適用可能であると理解されるべきであることが意図される。任意の方法のステップ又は任意のデバイスの構成要素を含む、本明細書に開示される特徴のすべては、特徴又は構成要素の少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本発明は、開示された実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書に開示される特徴の任意の1つ又は任意の組み合わせ、あるいはそのように開示される任意の方法のステップ又はデバイス構成要素の任意の1つ又は任意の組み合わせに及ぶ。
以下の図を参照することにより、本開示をよりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに開示の原則を説明することに重点が置かれている。さらに、図では、同様の参照番号は異なる図面全体を通して対応する部分を示している。
陰部神経の電気刺激範囲内での電極の配置と、低周波刺激を使用して外肛門括約筋及び外尿道括約筋を収縮させる動作を示す概略図である。 膀胱/GI脊髄ニューロンを抑制又は興奮させて膀胱/結腸を弛緩又は興奮させるための低周波刺激の使用を示している。 外肛門括約筋及び外尿道括約筋を弛緩させて開いた状態に保つために、括約筋遠心性運動ニューロンから生理学的に生成された活動電位を遮断するための高周波刺激の使用を示している。 LFS刺激パルスのパターンの例を表したものである。 刺激デバイス200の基本的な構成要素を示している。 本開示の教示の1つの使用のためのプロセス1000の高レベルのフローチャートである。 陰部神経刺激の閾値電流(I-T)での外尿道及び外肛門括約筋の活性化を示すフィジオグラフトレースである。 陰部神経刺激のより高い電流での外尿道及び外肛門括約筋の活性化(すなわち、電流応答関係)を示すフィジオグラフトレースである。 陰部神経に適用されるパルスの様々な持続時間で尿道括約筋収縮を生成するために必要な電荷量の間の関係(すなわち、パルス幅応答関係)を比較するグラフを示す。 陰部神経刺激の周波数を増加させたときの外尿道括約筋の活性化(すなわち、周波数応答関係)を示すフィジオグラフトレースである。 外尿道及び肛門括約筋に対する陰部神経刺激の周波数応答関係を比較するフィジオグラフトレースを示している。 膀胱からの流体の放出を妨げた陰部神経刺激の前及び最中の膀胱圧、放出された流体の量、及び尿道圧のフィジオグラフトレースを示している。 陰部神経刺激の短い中断を伴う陰部神経刺激の前及び最中の膀胱圧、放出された流体の量、及び陰部神経刺激パルスのフィジオグラフトレースを示す。これは、陰部神経刺激が臨床的に有意な膀胱圧上昇の状況下で2時間以上流体の放出を防ぐことができることを示している。 陰部神経刺激の短い中断を伴う陰部神経刺激の前及び最中の肛門圧及び陰部神経刺激パルスのフィジオグラフトレースを示す。これは、陰部神経刺激が外肛門括約筋の疲労なしに肛門圧を2時間以上上昇できることを示している。 陰部神経刺激がある場合とない場合の、膀胱への流体注入中の膀胱圧、放出された流体の量、及び尿道圧のフィジオグラフトレースを示す。これは、陰部神経刺激は膀胱の活動を阻害し、膀胱から流体が漏れる前に膀胱に保持できる流体の量を増やすことができることを示している。 左右の陰部神経及び右のS1脊髄根に適用された尿道圧及び刺激パルスのフィジオグラフトレースを示す。これは、陰部神経のHFSが、括約筋を収縮させるためにLFSで陰部神経を刺激するのに使用された電極と同じものを用いたS1脊髄根刺激による外尿道括約筋の活性化を防ぐことができることを示している。
詳細な説明
ここに開示されている主題は、法定要件を満たすために具体的に説明されている。ただし、説明自体は、この特許の範囲を制限することを意図したものではない。むしろ、本発明者らは、請求された主題が他の方法で具体化されて、他の現在又は将来の技術と併せて、本明細書に記載されたものと同様の異なるステップ又は構成要素を含むことができると考えている。さらに、「ステップ」という用語は、使用される方法の異なる態様を暗示するために本明細書で使用され得るが、この用語は、個々のステップの順序が明示的に記載されている場合を除き、本明細書に開示される様々なステップ間の特定の順序を意味すると解釈されるべきではない。
明確性及び正確性のための簡潔さの確保
当業者は、本開示のための潜在的に有用な図解である図1、図2、及び図3が象徴的な表現であり、関連する解剖学的構造の詳細な表現ではないことを認識するであろう。例えば、これらの図面は、物のサイズ比を表すことを目的としていない。明確にするために、詳細な説明の前に、ここで次の要素を紹介する。
・104-陰部神経。この神経は、本開示の一部として個別に論じられる求心性軸索及び遠心性軸索の両方を含む。
・l20-括約筋運動ニューロン(前述のとおり、運動ニューロンは遠心性ニューロンとも呼ばれる)は、遠心性軸索を陰部神経104に、そして最終的には外尿道括約筋134及び外肛門括約筋124に与える。
・110-求心性ニューロン(感覚ニューロンと呼ばれることもある)は、感覚入力を受け取るために陰部神経104に求心性軸索を有する。
低周波刺激(LFS)
図1は、陰部神経括約筋の遠心性ニューロンの軸索において、低周波刺激(LFS)194を陰部神経104に送達し、活動電位(矢印108によって示される活動電位伝播の方向)を生成して、括約筋の収縮を引き起こすための、陰部神経104の電気刺激範囲内における電極192の配置を示す概略図である。より具体的には、陰部神経104の分岐内を運ばれる括約筋遠心性ニューロン120の軸索のLFS194は、尿道138内の外尿道括約筋134を実質的に閉じて、膀胱136を密封する。LFS194は、外肛門括約筋124の収縮を引き起こして、肛門管128を実質的に密封し、したがって結腸126を密封する。
図2は、陰部神経104を刺激するときのLFS194の第2の影響を示している。
LFS194は、仙骨脊髄140に中継される活動電位(矢印112によって示される活動電位伝播の方向)も生成する陰部求心性ニューロン110の軸索の刺激を引き起こす。刺激周波数が1~10Hzである場合、支配的な効果は、膀胱/GI遠心性ニューロン130を実質的に阻害し、膀胱136及びおそらく結腸126の弛緩をもたらすことである。刺激周波数が20~33Hzである場合、支配的な効果は、膀胱/GI遠心性ニューロン130を実質的に興奮させ、膀胱136及びおそらく結腸126の収縮を引き起こすことである。10~20Hzでは個人差により混合効果が得られる場合がある。当業者は、括約筋のより強力な収縮を引き起こすための周波数の増加の利益が膀胱抑制の喪失を打ち消すのに十分な利益を提供するかどうかを経験的に決定し得るであろう。
当業者は、陰部神経が実際には、体の右側に1つの陰部神経104及び体の左側に1つの陰部神経104を有する一対の神経であることを理解している。過度の乱雑さを回避するために、図1~3はそれぞれ、単一の陰部神経104を示しているが、表現は陰部神経104内のいくつかの分岐を含んでいる。
当業者は、皮膚を通して陰部神経104を刺激することが可能なことを認識するであろうが、これは、活動電位を開始するためにはるかに大きな電荷を必要とする。バッテリー寿命の低下など、様々な理由から、より高いレベルの電荷を使用することは望ましくない。したがって、ほとんどの場合、電極は、電極の配置中に陰部神経104の損傷の危険を冒すことがない限り、陰部神経104の可能な限り近くに配置されるべきである。
当業者はまた、磁気コイルを使用して、又は陰部神経のすぐ近くにマイクロコイル磁気刺激器を外科的に植込むことによって、皮膚を通して陰部神経を刺激することが可能なことを認識するであろう。
高周波刺激(HFS)
図3は、括約筋運動障害を仲介する仙骨脊髄140内の括約筋遠心性運動ニューロン120からの軸索における生理学的に生成された活動電位のブロック190(比喩的に大きなXによって表される)を生成するための高周波刺激(HFS)198の使用を示す。別の言い方をすれば、HFS198は、外尿道括約筋134の完全な弛緩を妨げる、外尿道括約筋134への逆効果となる神経シグナルを遮断する。完全な弛緩が欠如すると、外尿道括約筋134は、収縮する膀胱136によって駆動される排尿を妨げる可能性がある。
同様に、HFS198は、外肛門括約筋124が完全に弛緩するのを妨げる外肛門括約筋124への逆効果の神経シグナルを遮断する。この場合も、完全な弛緩が欠如すると、外肛門括約筋124は、収縮する結腸126によって駆動される排便を妨げる可能性がある。
したがって、HFSは、肛門管128内の外肛門括約筋124及び尿道138内の外尿道括約筋134が開いて、糞便及び尿の排泄のために開いたままであるのを助ける。
本明細書に記載の電極デバイスは、電気パルスを使用して、個人又は患者が、陰部神経活動を操作して、貯留モードから排泄モードに、又は排泄モードから貯留モードに切り替えることによって、排尿及び/又は排便のタイミングを制御できるようにする。本発明のデバイスは、尿又は糞便を貯留するときの個人又は患者の自制状態をさらに改善する。改善された自制状態と「オンデマンド」の排泄能力の組み合わせにより、患者又はその介護に責任のある個人は、不名誉かつ感染の可能性をもたらし得る侵入的な手段や副作用を引き起こす可能性のある薬物の使用によらずに、これらの重要な身体機能を制御できる。
陰部神経104は、オヌフ核に位置する仙骨括約筋運動ニューロン120から、外尿道括約筋134及び外肛門括約筋124へ、球海綿体筋及び坐骨海綿体筋へ、ならびに骨盤底の関連する横紋筋へ、体性遠心性神経刺激伝達を運ぶ(Thor et al.,1989 J Comp Neurol.1989年10月8;288(2):263-79、Yoo et al.,2008 Brain Res.12月30日1246:80-7;Barber et al.,Am J Obstet Gynecol.2002年7月;l87(1):64-71;Thor and de Groat,2010 Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol.8月299(2):R4l6-38)。陰部神経104は、横紋括約筋124及び134が収縮するために必要かつ十分である。したがって、尿及び糞便の貯留中に陰部神経104を継続的に刺激することにより、失禁を防ぐことができる。貯留中の個人又は患者による送達パルスの周波数の操作は、尿の貯留中の膀胱収縮をさらに抑制し、排泄プロセスを実行することが望ましいまで排泄を遅らせる能力とともに、自制状態の改善に寄与することができる。
対照的に、陰部神経104を一時的に遮断することにより、本発明のデバイスは、括約筋の運動障害を遮断し、必要に応じて結腸又は膀胱の排泄を妨げられることなく進行させることができる。
LFS
低周波数(1~16Hz)での陰部神経の電気刺激は、尿漏れや失禁を引き起こす可能性のある不随意の神経因性膀胱収縮を抑制する(Peters,2010 Neurourol Urodyn.9月29(7):1267-71;Martens et al.,2011 J Urol.9月186(3):798-804;Peters KM et al.,2005、Neurourol Urodyn.24(7):643-7)。膀胱136のこの抑制は、陰部神経104における求心性線維の刺激によって媒介される。会陰、外性器、尿道、及び直腸からの一次求心性線維は、陰部神経104を横断し、仙骨後角の表層で終結し、膀胱130、結腸126、及び生殖器の内臓感覚神経支配求心性線維と重なり(Thor et al.,1989)、その後、脊髄メカニズムを介して膀胱神経節前ニューロンを阻害する。生殖器求心性線維の刺激による膀胱130の抑制(Martens et al.,2011)は、性交中に膀胱収縮が起こるのを防ぐと考えられている。
陰部神経104求心性刺激の周波数が20~33Hzまで増加すると、刺激は興奮性仙骨反射を介して膀胱収縮を引き起こすと報告されている。10~20Hzでは、個人差により混合効果が得られる場合がある。注意深い読者は、外尿道括約筋134を閉じるのに有用な周波数の範囲が、膀胱/GI遠心性ニューロン130を興奮させて膀胱収縮を引き起こす周波数範囲の下限を超えていることに気付くであろう。したがって、膀胱136は、外尿道括約筋134が収縮したままである間、収縮のために刺激され得る。狭窄した外尿道括約筋134は、狭窄した膀胱136から排尿する圧力に打ち勝つが、これにより、患者は、膀胱136を空にすることに関して切迫感を感じる可能性がある。したがって、当業者は、括約筋のより強力な収縮を引き起こすための周波数の増加の利益が膀胱抑制の喪失を打ち消すのに十分な利益を提供するかどうかを経験的に決定し得るであろう。
本明細書に記載されているのは、高周波刺激(HFS)(例えば、5kHz~20kHz)陰部神経ブロック(排泄モード)から、陰部神経の遠心性及び求心性線維の低周波刺激(LFS)(例えば、1~50Hz)(貯留モード)への、植込まれたパルス発生器の単純な「スイッチの切り替え」で、失禁を防ぎ、排泄を可能することにより、それぞれ、非常に効率的な排泄と排泄間の失禁の抑制の両方を得る方法及びデバイスである。
一実施形態では、本明細書に記載の方法及びデバイスは、現在のデバイスよりも優れた排尿の自制を促進するために、求心性線維及び遠心性線維の両方の活性化を提供して、それぞれ膀胱136を阻害し、外尿道括約筋134を収縮させる。一実施形態では、本明細書に記載の方法及びデバイスは、外肛門括約筋124を収縮させ、任意選択でS状結腸126を弛緩させて、排便の自制を促進する。
さらなる実施形態において、これらの方法及びデバイスは、排泄効率をさらに改善するために、薬物誘発性排泄と組み合わされる。この併用療法により、脊髄損傷のある多くの個人の生涯にわたって現在1日に複数回必要とされている間欠的膀胱カテーテル法を排除するか、少なくとも大幅に減らすことができる。この併用療法はまた、糞便の指による抽出及び/又は浣腸及び坐剤の使用の必要性を排除又は大幅に低減する。
この開示文書内に記載されているのは、患者の生涯にわたって、排泄を可能にするために周期的な弛緩を伴いながら、陰部神経遠心性線維の低周波刺激(LFS)を使用して、外尿道括約筋134及び外肛門括約筋124を安全に、許容可能に、便利に、そして十分に収縮させて、失禁を予防する方法である。
本発明の方法及びデバイスにおける電気シグナルの主な特徴は、パルス周波数であり、これは、LFSパラメータにおいて、外尿道括約筋134及び外肛門括約筋124の抵抗を、膀胱136又は結腸126によって生成される生理学的に関連する圧力(例えば、10~40cmH2O)が、排泄の合間の期間、尿又は糞便を排出することができないところまで上昇させて維持する括約筋の緊張性収縮を提供する。
他の実施形態では、LFSパラメータは、外尿道括約筋134及び外肛門括約筋124の収縮力を定期的に増大させて、自発的な身体運動に関連する、又は咳やくしゃみの間に、一時的な腹筋収縮によって生成される生理学的に関連する圧力(例えば>100cmH2O)が、短時間(例えば1~10分)の間、尿又は糞便を排出できないところまで抵抗を増加させる。陰部神経のLFSの場合、これらのシグナルは、約0.1~50Hz、又は約0.5~50Hz、又は約1~50Hz、又は約2~50Hz、又は約5~50Hz、又は約10~50Hz、又は約0.1~20Hz、又は約0.5~20Hz、又は約1~20Hz、又は約2~20Hz、又は約5~20Hz、又は0.1~10Hz、又は約0.5~10Hz、又は約1~10Hz、又は約2~10Hz、又は約5~10Hzの範囲である。他の実施形態では、LFSは、LFS範囲(例えば、0.1~50Hz)で送達される高周波パルス(例えば、20~100Hz)の短い(例えば、10~100ミリ秒)トレインとして送達することができる。
図4
図4は、各刺激内のパルストレインとして適用されるLFS刺激194の例を表す。図4では、100msの間印加される40Hzパルス184の一連の短い(100μ秒)トレインが、刺激のない時間188(150ms)のギャップによって分離され、結果として4Hzのトレイン刺激速度をもたらす。1秒間にパルス184の刺激トレインが4つあるため、LFSの周波数は4Hzと言える。刺激のパルス184のトレイン内に、100msのトレイン持続期間の間の40Hzの二相パルスがあり、その結果、それぞれ100μ秒のパルス184のトレインが4つあることに留意されたい。図4は、LFS194に関して記載された様々な周波数の刺激トレインの役割を明らかにするために提供されている。
図4は、いくらか複雑なLFS刺激194を示すのに有用であり、LFS刺激194は、上記の範囲(50Hz未満)内で適用される刺激のいくつかの他のシーケンスであってもよく、パルストレイン184内でより高い周波数の活動を有する必要はない。個々のパルスは、パルストレイン184ではなく、単純な方形波であってもよい。
LFSの2番目の特徴は、パルス持続時間である。これは、バッテリーを維持し、副作用や神経損傷を防ぐために可能な限り短くする必要があるが、陰部神経軸索を脱分極させるには十分に長くする必要がある。いくつかの実施形態では、パルス持続時間は、10μ秒~500ミリ秒、又は10μ秒~1ミリ秒、又は10μ秒~0.5ミリ秒の範囲であり得る。
LFSの3番目の特性はパルス振幅であり、これは、バッテリーを維持し、副作用や神経損傷を防ぐために可能な限り小さくする必要があるが、陰部神経軸索を脱分極させるには十分に大きくする必要がある。いくつかの実施形態では、パルス振幅は、0.001~50mAmp又は0.01~20mAmpの範囲であり得、これは、0.05~20V又は0.1~10V又は0.5~10Vの電位を用いて達成することができる。
電気パルスの他の特性(例えば、限定するものではないが、極性、波形あたりの相数(単相、二相、三相など)、及び波形)は、パルス周波数、持続時間、及び電流が記載された範囲内に維持される限り、変化させてもよい。電荷平衡パルスは、理論的には非平衡パルスよりも神経損傷が少ないことが認識されており、単相波形を使用するのではなく、二相又は他の波形を使用して電荷平衡を可能にする動機付けを提供する。LFSについて記載された範囲は、記載された範囲内のすべての値及び範囲を含むことを意図している。
一実施形態では、上記のLFSについて選択された値は、外括約筋124及び134の抵抗が生理学的に関連する膀胱圧及び結腸圧によって生じる流れに抵抗するために必要なレベルを下回らない限り、陰部求心性線維110(図2)も刺激して膀胱136の収縮を引き起こす範囲内であり得る。
神経への最小量の総電荷送達で括約筋抵抗の最大の増加を提供する上記の範囲内の周波数、持続時間、及び電流の組み合わせは、パルス発生器によって送達されるLFSの「パルスパラメータ」又は「パルス特性」、すなわち「貯留モード」と呼ばれる。個人用のパルスパラメータは、個人又は担当介護者がこれらの範囲内で調整して、電極配置の個人間変動及び生理学的変動についてそれらを最適化することができる。この最適化により、括約筋の抵抗を臨床的に有用なレベルに維持しながら、神経損傷やその他の副作用を防ぐために最小限の電荷が送達されることが確保される。最小限の電荷を提供することの二次的な利点は、バッテリーからの電荷の流出を減らすことである。
本明細書に記載されているのは、膀胱及び結腸の機能の効果的かつ包括的な制御(すなわち、尿及び糞便の貯留及び排泄の両方の制御)を、各陰部神経の単一の電極と相互作用する単一の植込まれた制御可能なパルス発生器によって提供する方法である。患者又は患者の担当介護者は、(a)陰部神経求心性及び求心性線維の低周波刺激(LFS)を用いて失禁を抑制し、(b)高周波刺激(HFS)を用いて膀胱又は結腸の排泄を可能にする。
HFSの特性
HFSは、正弦波又は準正弦波の波形、又は約1kHz~50kHz、又は約1kHz~40kHz、又は約1kHz~30kHz、又は約1kHz~20kHz、又は約1kHz~10kHz、又は約1kHz~5kHz、又は約5kHz~50kHz、又は約5kHz~40kHz、又は約5kHz~30kHz、又は約5kHz~20kHz、又は約5kHz~10kHz又は約10kHz~50kHz、又は約10kHz~40kHz約10kHz~30kHz、又は約10kHz~20kHz、又は約15kHz~50kHz、又は約15kHz~30kHz又は約15kHz~20kHzの電荷平衡正方形パルスを用いて適用される。HFSについて記載された範囲は、記載された範囲内のすべての値及び範囲を含むことを意図している。
HFSの第2の特性は、方形波パルスのパルス持続時間である。これは、連続的なデューティサイクルを提供する持続時間に設定する必要がある(つまり、電流は交互する正又は負として連続的に印加される)。当業者は、一定のデューティサイクルで特定の周波数の刺激を達成するには、特定のパルス幅が必要であることを理解している。例えば、1kHzでの一定のデューティサイクル刺激には、1ミリ秒のパルス幅が必要であり、10kHzでの一定のデューティサイクル刺激には、100μ秒のパルス幅が必要であり、20kHzでの一定のデューティサイクル刺激には、50μ秒のパルス幅が必要であり、50kHzでの一定のデューティサイクル刺激には、20μ秒のパルス幅が必要である、等である。HFSは、パルスのない短い期間(例えば、50μ秒)でも、神経が活動電位を実行する能力を回復できるため、連続的なデューティサイクルを有する必要がある。
神経の損傷を防ぐために、パルスは電荷のバランスを取る必要がある。パルスは、陰部遠心性軸索と求心性ニューロンの軸索を脱分極させるのに十分である必要がある。二相電荷平衡パルスは、正方形パルス又は当技術分野で知られている他の形状であり得る。正と負の二相電荷平衡パルスは鏡像である必要はないが、副作用を制限するためにほぼ同じ総電荷を持つ必要がある。当業者は、正弦波もまた、刺激の周波数に依存し、本質的に電荷バランスが取られているパルス持続時間を有することを認識する。
HFSの第3の特徴は、パルス電流振幅である。これは、バッテリー寿命を節約し、副作用を制限し、神経損傷を軽減するために可能な限り小さくなければならないが、仙骨括約筋運動ニューロン120に関連する陰部遠心性及び求心性神経軸索を脱分極させるには十分でなければならない。いくつかの実施形態では、パルス振幅は、0.1mAmp~50mAmp又は0.5mAmp又は20mAmpの範囲であり得、これは、0.05~20V又は0.1~10V又は0.5~10Vの電位を使用して実現できる。Bhadraら、2006年によると、神経遮断の周波数が高いほど、完全な遮断に影響を与えるためにより高い電圧及び電流が必要になるため、使用する合計電荷を減らすために、完全な遮断を達成する最小周波数が決定され得る。
本明細書に記載のデバイス及び方法は、エンドユーザがオン及びオフにし、貯留モード(LFS)と排泄モード(HFS)との間で切り替えることができるパルス発生器を有する刺激デバイスを含む。いくつかの実施形態では、LFSパルスの周波数は、流体の漏出を潜在的に促進する可能性のある活動の予想に従って、エンドユーザによって一定期間括約筋収縮を増加させるために変更し、その後、周波数を低下させてバッテリーの寿命を延ばし、括約筋の疲労を防ぐことができる。
いくつかの実施形態では、刺激デバイスはプログラム可能であり、患者は、貯留モードでの指定された制限時間後に貯留モードから排泄モードへの自動切り替えを設定して、エンドユーザが例えば無能力の場合に損傷を引き起こし得る膀胱又は結腸の過度の伸張を防ぐために、尿又は糞便の放出を可能にする。貯留モードの時間は、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、又は約8時間に設定される。いくつかの実施形態では、アラートが任意選択で無線通信を介してプログラムされ、これは貯留モードで指定された制限時間後、デバイスを排泄モードに切り替えさせるために、患者、介護者、医師、又は救急隊員に送信される。いくつかの実施形態では、アラートは、携帯電話デバイス、又は家庭内の音声又は視覚アラームに送信され得る。
いくつかの実施形態では、パルス発生器は、膀胱、直腸、及び/又は腹部に植込まれた圧力感知デバイスと相互作用して、刺激周波数を増加させ、短時間(1~10分)の最大括約筋収縮を達成し、通常の生理学的圧力(例えば最大200mmHg)を一時的に超える可能性のある一時的な圧力上昇に対抗することができる。周波数は刺激の主要な推進力として知られているが、パルス振幅の増加又はパルス幅の増加は、刺激を増加させるための二次的な手段として使用できる。これにより、患者がベッドから車椅子に移動したり、くしゃみや運動中に発生するようなバルサルバ法を行ったりするときに発生し得る失禁を抑制することができる。
いくつかの実施形態では、パルス発生器をエンドユーザが制御して、刺激器をオフ及びオンにするか、車椅子からベッドへの移動などの身体的運動を見越して、又は咳やくしゃみを見越して、刺激パラメータを増加させ、短時間(1~10分)の最大括約筋収縮を達成し、膀胱又は直腸の緊張圧を一時的に超える可能性がある圧力の短い一時的又は相性の増加(例えば最大200mmHg)を打ち消すことができる。
実施例
例1.麻酔をかけた動物での研究
図7~図16は、一連の研究の結果を示している。これらの研究は、治療目的での外尿道及び外肛門括約筋の信頼できる生理学的に有意な収縮のパラメータを提供する。陰部神経刺激パルスの周波数、持続時間、又は電流を、他の2つを一定に保ったまま体系的に変化させ、尿道と肛門の圧力をモニタリングして刺激応答曲線(つまり、周波数、持続時間、及び電流応答曲線)を作成する。臨床的に関連する尿流動態変数(例えば、尿道圧、膀胱漏出点又は排泄圧、膀胱容量、及び排泄効率(慢性脊椎))に対する陰部神経刺激の影響も記録することができる。同様に、臨床的に関連する結腸直腸マノメータ変数(例えば、肛門直腸圧、肛門開口圧)に対する陰部刺激の効果を記録することができる。
A.実験計画と方法
経膀胱膀胱内圧測定のため、麻酔をかけた動物を用意し、膀胱のドームにカテーテルを挿入して、充填と膀胱圧(BP)の記録をできるようにする。カテーテルを尿道にも挿入して、生理食塩水を非常にゆっくりと注入して、尿道壁による圧力記録の閉塞を防ぎながら、先端を尿道中央レベル(すなわち、横紋筋線維分布の中間点)に配置して圧力を記録する。あるいは、先端にマイクロトランスデューサーが埋め込まれたカテーテルを尿道に挿入することもできる。動物に、流体で満たされたバルーンカテーテルを挿入して肛門の横紋筋肛門括約筋の中間点に配置するか、市販のマイクロトランスデューサーである直腸マノメトリーカテーテル(Mediwatch USA)を使用して、肛門管圧の記録用に準備する。結腸直腸バルーンカテーテルは、8~15mmHgのベースライン圧力に達するまで生理食塩水で徐々に満たされる。
電極を、刺激のために坐骨棘の両側の陰部神経に配置し、パルス発生器に取り付ける。記録電極は、EMGを記録するために尿道及び肛門のラブドスフィンクターに挿入することができる。急性脊髄動物では、椎弓切除術を行ってT10脊髄を視覚化し、脊髄を切除することができる。この準備は、二次脊髄反射効果が括約筋に対する陰部刺激の直接効果を変調するのを排除するのに役立つが、膀胱活動のPUD媒介阻害を評価するために必要な膨張誘発性のリズミカルな膀胱収縮を排除してしまう(以下のセクションCで説明する)。
B.括約筋を収縮させるためのLFS「貯留モード」パルスパラメータの最適化
選択された試験動物の陰部神経に対する活動電位を誘発するのに合理的な刺激パラメータの範囲は、過去の経験と文献から知られている(Danuser and Thor,1996 Br J Pharmacol.5月118(1):150-4;Tai et al,2004 J Urol.11月172(5Pt1):2069-72;Tai et al.2007 Neurourol Urodyn.26(4):570;Thor and de Groat,2010 Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol.8月299(2):R4l6-38)。最初に、すべての陰部刺激パラメータを、1分又は2分の連続刺激の期間にわたって評価した。0.5Hzの一定周波数と100μ秒のパルス持続時間で、刺激器によって供給される電気パルスの電流(I)の振幅は、尿道及び肛門括約筋の収縮が発生するまで増加した(尿道及び肛門圧の短時間の増加として記録された。図7のスパイクを参照)。括約筋の収縮を見るために陰部神経を刺激するために必要な最小量の電流を、閾値(I-T)と呼ぶ。電極と陰部神経の間の物理的空間的関係は、電極を神経上又は神経の近くに外科的に配置する際に変化する可能性が高いため、I-Tは経験的に決定する必要がある。このため、I-Tは個人の右神経と左神経の間、及び個人間で異なる可能性があると予想される。
図7
図7は、外尿道圧(上のトレース)、陰部刺激パルス(PUD STIM-0.5Hz、持続時間100μ秒、中央のトレース)、及び外肛門括約筋圧(下のトレース)のフィジオグラフトレースであり、50μAの閾値電流(I-T)を示している。これは両方の括約筋の活性化で実質的に同じである。横軸は時間で、キャリブレーションバー=2秒である。ここには示されていないが、以前の試験では、45μAの電流では収縮が発生しないことが判明した。
そのような研究に精通している当業者は、括約筋について記録された圧力が、カテーテルの先端にマイクロトランスデューサーを含むカテーテルを使用することによって、又はひずみゲージトランスデューサーに接続された流体充填バルーンカテーテルによって測定されることが分かるであろう。尿道及び肛門管の長さ内でのマイクロトランスデューサー又は流体充填バルーンの正確な配置、ならびに流体充填バルーンが拡張する能力は、これらの方法によって測定される圧力に影響を与える可能性があり、したがって絶対圧力を提供しないが、括約筋の収縮の強さに応じて増加又は減少が見られる相対的な圧力を提供する。圧力の読み取り値は、パルス特性(つまり、電流、パルス幅、及び周波数)と関連する括約筋の応答との関係の決定に使用されるため、相対圧力がこのタスクに適している。
括約筋収縮に必要な電流振幅(図7)は、閾値電流(I-T)を定義する。電流のさらなる増加が、括約筋圧をそれ以上増加させなくなるまで、電流を段階的に増加させる(例えば、I-T、2×I-T、4×I-T、6×I-T、8×I-T...)。この第2の電流レベルは、最大応答(I-max)として記録される。
図8
図8は、この一連の試験を実施する人によって見られるデータの例を提供する。より具体的には、図8は、外尿道括約筋(上のトレース)及び外尿道括約筋(下のトレース)における陰部神経刺激及び圧力上昇の電流応答関係を示すフィジオグラフトレースを示している。尿道括約筋及び肛門括約筋の両方の圧力が160μAで最大であることに留意されたい。これは、この動物では3.2×I-T(50μA)である。電流を200μAに増やしても、圧力応答はそれ以上増加しない。
I-maxの50%で刺激している間、パルス幅とも呼ばれるパルス持続時間(μ秒)を変化させて、括約筋収縮を誘発するための閾値パルス幅(PW-T)を決定した。最大応答(PW-max)を決定するために、パルス幅を段階的に増加させた(T、2T、4T、6T、8T...)。
図9
図9は、1セットのデータを示している。図9に表示されるデータは、陰部神経を刺激する場合、雄ネコで80μ秒、雌ネコで40μ秒のパルス幅(PW)が、より長いPWよりも単位電荷あたりの最大尿道圧を大きくすることを示している(1.5I-T、0.5Hz)。上記のように、I-maxは約3×I-T(閾値電流)であった。したがって、1.5I-TはI-maxの50%である。雄ネコの最大圧力は雌ネコのほぼ2倍であった。雌ネコは、より長いPWと比較して、最大圧力を達成するために必要な電流が40μ秒PWで大幅に少ないことを示したが、雄ネコでは差が小さかった。
50%I-max及び50%PW-maxで刺激している間、刺激の周波数を対数的に増加させ(0.5、1、2、5、10、20、50Hzなど)、刺激期間中にベースラインを超えて増加する尿道及び肛門の圧力についての閾値周波数(f-T)を決定した。特定の周波数での刺激テストの間に、0.5Hzでの刺激のベースライン期間があった。さらに、周波数は次の場合に記録される。
・1)PUDによって引き起こされた収縮の合計が最初に発生する場合(つまり、後続の各パルスが前のパルスよりも大きな圧力上昇を生成する場合;f-sum)、
・2)最大の維持された尿道及び肛門圧が観察されるとき(f-max)、及び
・3)収縮の疲労が、1分又は2分の間に最初に発生するとき(f-疲労)。
図10
図10は、実験からの周波数応答データを示している。陰部神経刺激の様々な周波数の効果を示す尿道圧の記録(1.5×I-T;100μ秒PW)。0.5Hzを超える周波数では、応答がプラトーに達するまで(つまり、各刺激が前後の刺激と同様の応答を生成するまで)、応答の疲労が発生するまで(つまり、最大の応答をもたらす刺激に続く各刺激が、次第に小さくなるまで)、刺激の開始とともに応答が促進された(つまり、最初の刺激に続く各刺激が徐々に大きくなる)ことに注意されたい。
1Hzを超える周波数では、刺激の開始に伴ってベースライン圧力が上昇したことに注意されたい。刺激中のベースライン圧力のこの上昇は、後続の刺激の応答(つまり、尿道圧の上昇)の合計が、圧力がベースラインに戻る前に前の刺激の応答に重ね合わされたためであった。疲労が合計を覆い隠しているため、上昇は2Hzと5Hzで小さく一時的であったが、合計は10Hzと20Hzで維持されていることに注意されたい。10Hzでのベースライン圧力は20Hzよりも小さかった(すなわち、約30cmH2O及び約80cmH2O)。合計がない間、パルス間で尿道圧が低レベルに低下すると、膀胱圧が尿道ベースライン圧よりも高い場合に、刺激パルス間で膀胱から流体が漏れる可能性がある。したがって、ベースライン圧力の上昇が好ましい。
この同じカフ電極が、図16のPUD神経を遮断するために使用され(以下で説明)、同じ電極を使用して陰部神経を刺激及び遮断できることを示したことに留意されたい。
続いて、周波数をf-maxで一定に保ち、パルス幅を50%maxに保ちながら、パルス電流をI-Tに減少させ、電流応答曲線を再構成した。同様に、周波数をf-maxで一定に保ち、電流を50%maxに保持して、パルス幅をPW-Tに減少させ、パルス持続時間応答曲線を再構成した。この反復プロセスを、3つのパラメータのバランスが、最小量の電荷で括約筋抵抗の望ましい増加、すなわち貯留モードパラメータをもたらすまで繰り返した。続いて、このバランスの取れたパルス特性(例えば、20Hzの周波数で適用される持続時間50μ秒の10μAパルス)を、尿道及び肛門の圧力を2時間にわたり記録しながら陰部神経に適用して、刺激パラメータが尿道及び肛門括約筋圧の安定した上昇を維持するようにした。圧力が2時間の試験期間の間維持されなかった場合、刺激の周波数を、尿道及び肛門括約筋の圧力の上昇が2時間の試験期間の間維持されるまで減少させた(2時間のデモンストレーションについては図13及び図14を参照)。
図11
図11は、ベースライン圧力を10分間維持するための様々な周波数の刺激の能力、ならびに肛門及び尿道括約筋の圧力に対する陰部神経刺激(PUD STIM)の周波数応答関係を調べるステップからのデータを示している。
A.0.5Hzでの低周波刺激は、肛門圧及び尿道圧の両方を一時的に上昇させるが、その後の刺激の前に圧力は元のベースラインまで低下した。
B.10Hzでは、尿道圧及び肛門圧の両方の合計(つまり、先行する刺激からの圧力応答は、後続の刺激の応答が発生する前にベースラインに戻らなかった)は、尿道ベースライン圧の小さな上昇と肛門ベースライン圧の大きな上昇を維持した。
C.10Hzでは、尿道括約筋及び肛門括約筋の収縮の合計は、両方のベースライン圧力の大きな上昇をもたらした。
尿道圧
当業者は、尿道圧を拡張期血圧よりも高くすると、尿道組織への血流が減少し、収縮期血圧を超えると、血液が尿道を灌流するのを妨げ、虚血を引き起こすことを理解している。したがって、臨床使用の場合、尿道圧を平均的な健康なヒトの収縮期/拡張期圧(例えば、通常120/80mmHg=163/108cmH2O)を超えて数分以上維持すると、尿道及び肛門括約筋が損傷する可能性があることが理解される。逆に、尿道及び肛門の圧力を、一般集団において遭遇すると予想される拡張期圧の最小範囲(すなわち、60mmHg=81cmH2O)未満に長期間(つまり、終日)安全に維持することで、尿道及び肛門管の適切な灌流が可能になる。当業者はまた、健康な人の随意排尿中の膀胱収縮が40cmH2Oまでの短時間(すなわち約2~3分)の圧力上昇を引き起こし、膀胱肥大のある人では収縮が80cmH2Oを超える圧力を引き起こし得ることを認識している。
短期間の収縮圧上昇の必要性
咳、くしゃみ、運動、又はベッドから車椅子へ及びまた戻る移動を見越して、腹圧の上昇(そして、圧力はその後膀胱と直腸に伝達される)をもたらす短時間の運動中、これらの短時間の間、尿道又は肛門の収縮圧を最大の力まで上昇させるのが実用的である。これらの値は、陰部神経刺激が、尿道圧を、図10、図11、及び図12に見られるように、100cmH2Oを超える圧力まで短時間(すなわち、2~10分)上昇させることができ、図13に見られるように、長期間(例えば2時間)にわたって膀胱からの漏れ圧力を40cmH2Oを超えて上昇させることができることを実証するための背景として有用である。
図12
図12は、20Hz又は30HzでのPUD刺激が、陰部神経刺激の間、尿道から液体を漏らすことなく(すなわち、排尿量トレースの勾配がゼロである)100cmH2Oの膀胱圧に達するまで膀胱を満たすことを可能にしたことを示す試験データを示す。膀胱を過剰に満たさないように、100cmH2Oで刺激を停止した。陰部神経刺激が停止すると、尿道から流体が放出された(つまり、排尿量トレースの傾きは時間とともに正になる)。10Hzでの刺激は、流体を放出させずに生理食塩水を継続的に注入した結果、膀胱圧が60cmH2Oに達するまで、流体が尿道から漏れるのを防いだ。陰部神経刺激がない場合、膀胱圧が30cmH2Oに達したときに、膀胱は注入されたのと同じ速度で流体を放出した。
LFS陰部神経刺激が特定の期間膀胱からの流体の漏出を防ぐことができることを実証する方法は、特定の期間膀胱圧を「クランプ」することである。「膀胱を圧力クランプする」ために、膀胱カテーテルの一端を、膀胱の高さより上の既知の高さに設定された流体リザーバに取り付け、他端を、圧力変換器に取り付けたままにする。カラムの高さを膀胱から60cmに調整すると、膀胱内に60cmH2Oの圧力が発生し、カラムの高さを膀胱から50cmに調整すると、膀胱内に50cmH2Oの圧力が発生し、カラムの高さを膀胱から40cmに調整すると、膀胱内に40cmH2Oの圧力が発生した、等々。
外尿道括約筋の収縮が、所定の圧力での膀胱からの流体の流れを妨げるのに十分強い場合、膀胱から流体が漏れることはなかったが、括約筋の収縮が所定の圧力での流体の流れに抵抗するのに十分に強くない場合、液体は尿道から漏れた。尿道から流体が漏れるか否か、及びその量を決定するために、流体を容器に収集し、容器及び液体の重量を、重量を収集容器に含まれる体積に変換するように較正されたひずみゲージトランスデューサーで測定した。この方法で記録された排泄量は、流体が放出されていないときはフィジオグラフトレース上に平坦な線を示し、放出が発生したときは放出される流体の速度に比例する勾配の増加を示す。(排泄流体が検出及び記録されたときの、排泄量トレースの傾斜の平坦線から傾斜線への変化を示す図13の矢印を参照されたい。)
図13
図13。陰部神経刺激が、膀胱圧の長時間(すなわち2時間以上)の上昇中に膀胱からの流体の漏出を防ぐことができることの実証。フィジオグラフトレースは、膀胱圧(上)、累積排泄/漏出量(中央)、及び陰部刺激パルス(下)を示している。まとめると、これらの3つのトレースは、膀胱漏出時圧(LPP)を>40cmH2Oに2時間維持する陰部刺激の能力を示している。以下は、図の番号付き矢印で示されている各時点についての、実験者の行動と各行動の効果のリストである。
1.PUD神経の両側の電気刺激を開始する(20Hz、3×I-T-左120μA、右150μA 100μ秒)(陰部刺激)。
2.1分後、膀胱圧を上昇させ、排尿筋を通して膀胱にカテーテルを配置し、それを60cmの高さに調整された生理食塩水の大きいリザーバに連結することにより、60cmH20で「クランプ」した。圧力は維持され、流体の漏れは発生しなかった。これは、LPPが>60cmH2Oであったことを示している。
3.10分後、陰部刺激を一時的にオフにし(2分)、次に再びオンにして、膀胱内でこの圧力に維持された流体が、陰部刺激なしで尿道を通して急速に排泄され、排尿量装置によって記録されることを実証した。
4.陰部刺激がオフになっている2分間に流体の急速な排泄が記録され、陰部刺激が再びオンになると流体の漏れが止まる。
5.陰部刺激を開始してから20分後、流体のゆっくりとした漏れが記録され、その時点でのLPPが<60cmH2Oであることを示している。
6.リザーバの高さが50cmに減少、つまり、膀胱圧が50cmH2Oに減少し、漏れが止まり、LPPが50~60cmH2Oであることを示している。
7.陰部刺激を開始してから65分後、#3と同様に陰部刺激を一時的にオフにした(3分)。
8.流体の急速な放出が再び観察され、陰部刺激がLPP>50cmH2Oの維持に関与していることを示している。
9.陰部刺激を開始してから75分後、流体のゆっくりとした漏れが3分間記録されたが、調査員がカラムを下げる前に、漏れは止まった。
10.陰部刺激を開始してから95分以上後、流体のゆっくりとした漏れがより長い時間(5分)記録され、その時点でのLPPが<50cmH2Oであったことを示している。
11.リザーバーの高さは40cmに減少した。すなわち、膀胱圧は40cmH2Oに減少し、漏れが止まり、LPPが40~50cmH2Oになったことを示している。これは、漏出時圧(LPP)の臨床的に有意な上昇と見なされ、1日を通して60cmH2Oを超える圧力は、1日を通して尿道への血流を減少させ、虚血と組織損傷を引き起こす可能性がある。120分間の陰部刺激の残りの間、膀胱からの流体のさらなる漏出は観察されなかった。
直腸圧
安静時の直腸圧は1.0~60cmH20の範囲であり、自発的な排便中は、腹筋を使って圧力を上げる意識的な「ベアリングダウン」(すなわちバルサルバ法)により、175cmH2O~250cmH2Oの範囲となり得る。このバルサルバ圧力は、膀胱にも受動的に伝達され得る。バルサルバ法では、バルサルバ法で息を止めてから1~2分後に必要となる吸入に必要な一時停止なしに、腹部、膀胱、及び直腸の圧力をこの高いレベルで2、3分以上維持することはできない。したがって、尿又は便の漏出を防ぐために、陰部刺激によって誘発される尿道及び肛門圧の上昇を、拡張圧より低いレベルで、しかし個人の安静時の尿道及び肛門圧よりは高いレベルで維持することは、一日のほとんどを通して失禁の発症を排除又は低減するはずである。
しかし、例えば咳、くしゃみ、運動、又はベッドから車椅子へ及びまた戻る移動を見越して、腹圧の上昇(そして、圧力はその後膀胱と直腸に伝達される)をもたらす短時間の運動中、これらの短時間の間、尿道又は肛門の収縮圧を最大の力まで上昇させるのが実用的である。
LFS陰部神経刺激が肛門括約筋圧を長期間上昇させることができることを実証する方法は、セクションAに記載されているように、特定の期間の肛門管圧を記録することによって簡単に行われる。
図14
図14は、LFS陰部神経刺激が外肛門括約筋圧の上昇を2時間以上維持できることを示している。肛門圧のフィジオグラフトレースは、両側陰部神経刺激(STIM;20Hz、3×閾値電流(左120μA、右150μA)0.1ミリ秒の過程で2時間以上、ベースラインを超えて安定して維持された。陰部神経刺激は、PUD刺激と略される場合がある。矢印#1で、PUD STIMを開始した。矢印#2で、PUD STIMを2分間停止した後再開し、圧力上昇を維持するためにPUD STIMが必要であることを実証した。矢印#3で、PUD STIMを3分間停止した後再開した。PUD STIMが中断されたときの直腸圧の低下に注意されたい。
C.括約筋を同時に収縮させながら膀胱も抑制するためのLFS「貯留モード」パルスパラメータの最適化
関心のある問題は、PUD遠心性線維を活性化して外尿道括約筋の収縮を引き起こし、したがって尿道圧を上昇させる(膀胱からの流体の漏出を十分に防ぐ)同じPUD刺激が、第2の利点を有するか否かである。第2の利点は、脊髄メカニズムを介して膀胱活動を阻害するPUD求心性線維を活性化することにより、非排泄収縮(non-voiding contraction、NVC)の発症を遅らせ、その規模を減少させることである。非排泄収縮(NVC)は、尿失禁の発症の原因であると考えられている。これらの2つの相乗効果の組み合わせにより、流体が漏れるまでに膀胱が保持できる流体の量が増えると考えられる。
膀胱活動の阻害を実証するために、空の膀胱から始めて、膀胱に2ml/分で注入しながら、排泄量の増加として排泄が観察されるまで、膀胱圧、排泄量、及び尿道圧を記録した。(排泄の開始は、図15の排泄量トレース上の矢印によって示されている。)括約筋圧に対する陰部刺激の効果を記録する上記のプロトコルと同様に、刺激応答曲線(電流、持続時間、及び周波数応答)を作成して、バランスの取れたパラメータのどのセットが膀胱収縮の抑制をもたらすかを決定した。
図15
図15は、この利点の組み合わせを正確に示すデータを示している。図15は、PUD遠心性線維を活性化して外尿道括約筋の収縮を引き起こし、したがって尿道圧を上昇させる(膀胱からの流体の漏出を十分に防止する)同じ刺激パラメータが、脊椎メカニズムを介して膀胱活動を阻害するPUD遠心性線維も活性化することで、尿失禁の発症の原因であると考えられている非排泄収縮(NVC)の発症を遅らせ、その規模を減少させ、したがって液体が漏れるまでに膀胱が保持できる流体の量を増やすことを示している。
図15では、データセットごとに3つのフィジオグラフトレースがある。PUD刺激なしの膀胱反応を示す1つのデータセットと、PUD刺激ありの膀胱反応を示す別のデータセットがある。3つのトレースは次のとおりである。
・上のトレースは膀胱圧を示す。
・中央のトレースは放出された流体の量を示す(「排泄量」)。
・下のトレースは膀胱内圧測定図(CMG)中の尿道圧を示す。
いずれの場合も、空の膀胱から始めて、膀胱に2ml/分で注入しながら、排泄量の増加によって排泄が観察されるまで、膀胱圧、排泄量、及び尿道圧を記録した。排泄の開始は、排泄量トレース上の矢印によって示されている。対照値を確立した後、貯留モードパラメータでの陰部刺激を用いて膀胱内圧測定を繰り返した。
PUD刺激なしのデータの所見
注入の1分後すぐに始まる頻繁な非排泄収縮(NVC)がある(すなわち、2mlの膀胱容量)。排泄は、5分30秒後(すなわち、膀胱容量11ml)に40cmH2Oの膀胱圧で発生した。
PUD刺激ありのデータの所見
PUD刺激が適用された(20Hz、0.1ms、3×I-T)。PUD刺激中のNVCは3分まで検出されず(すなわち6ml;PUD刺激なしと比較して3倍の増加)、流体の漏れは10分30秒(すなわち21mlの膀胱容積;PUD刺激なしの膀胱容量と比較して1.9倍の増加)、80cmH2Oの膀胱圧(すなわち、PUD刺激なしと比較して2倍の増加)まで検出されなかった。PUD刺激を停止すると、膀胱は急速に(<15秒)7mlを排出し(インジケータ矢印を参照)、膀胱圧はベースラインレベルまで低下した。時間スケールは、2つのデータセット間で一貫していることに注意されたい。
最適な膀胱抑制は5又は10Hzであり、これは20Hzであり得る最適な括約筋収縮を下回る可能性があり、両方を最適化できない場合がある。括約筋抵抗は、安全な生理的膀胱圧の最高範囲で流れを完全に遮断するように上昇させることができるため、括約筋制御が失禁を回避するための主要なツールであることから、最適化された括約筋収縮を達成するための刺激パラメータは最適化された膀胱抑制よりも優先される。言い換えれば、失禁を予防する方法は膀胱を阻害することなく機能し得る。しかし、尿意切迫感を予防するためには膀胱の活動を抑制し、括約筋を収縮させることの両方が好ましいであろう。したがって、図15に示されるように、括約筋収縮のための最適化された刺激パラメータは、失禁を防ぐために尿道抵抗の十分な上昇を提供し、かつ、いくらかの膀胱抑制を提供することができる。
D.最適化されたLFS「貯留モード」パルスパラメータならびにHFS「排泄モード」パラメータの両方を提供するための各陰部神経への単一電極の評価
セクションAで説明したように尿道圧を記録した。各陰部神経に配置された2つの電極に加えて、第3の電極をS1脊髄根に配置した。多くの陰部神経遠心性線維は、後肢神経に寄与する線維(坐骨神経など)とともに、S1根を通って脊髄から出る。脊髄根がS1脊柱から出た後、PUD線維はS1根から短い距離(例えば1~3cm)で分かれる。したがって、S1根の脊髄を出る陰部神経遠心性線維は、最初にS1脊髄根電極を通過し、分岐して陰部神経に結合した後、外尿道括約筋及び外肛門括約筋に続くときに陰部神経電極を通過する。したがって、S1根の電気刺激は、PUD遠心性線維に活動電位を生成する(PUD神経自体のより遠位に配置された電極での線維の刺激と同様に)。次に、これらの活動電位は陰部神経に沿って移動し、陰部神経電極を通過し、外尿道及び肛門括約筋の収縮を引き起こし、尿道圧スパイクを生じる。S1根誘発活動電位は、外尿道括約筋に到達する前に陰部神経電極を通過する必要があるため、陰部神経電極による活動電位の遮断は、S1根誘発活動電位が外尿道括約筋に到達するのを防ぎ、圧力スパイクは見られない。したがって、S1根刺激は、PUD神経に適用される高周波(すなわち25kHz)電気パルスの適用(HFS)が、活動電位の伝導が尿道括約筋に到達するのを遮断したかどうかを判断するための「モニター」を提供する。
図16
図16は、尿道圧(上のパネル)及び右及び左陰部神経(PUD、それぞれ第2及び第3のトレース)及び右S1仙骨根(下のパネル)に適用された刺激パルスのフィジオグラフトレースを示している。
このデータは、低周波刺激(すなわち、10~20Hz)を使用して、PUD遠心性及び求心性線維を刺激してそれぞれ括約筋を収縮させ、膀胱を抑制するために使用された同じ電極が、高周波(25kHz)の両側陰部刺激を適用して、陰部神経線維が活動電位を伝導するのをブロックし、外尿道括約筋を弛緩させるためにも使用できることを示している。
図16には、4つのフィジオグラフトレースのセットがある。4つのモニタリング項目は次のとおりである。
・上のトレース-尿道圧。
・上から2番目のトレース-右陰部神経(PUD)に適用された刺激パルス。
・下から2番目のトレース-左陰部神経(PUD)に適用された刺激パルス。
・下のトレース-S1仙骨根に適用された刺激パルス。
E.薬物誘発性排泄を改善するための陰部刺激「排泄モード」パラメータの評価
陰部刺激の使用は、薬物誘発性排泄と組み合わせることができる。この組み合わせたアプローチを評価することができる。この評価のプロセスは次のようになる。膀胱機能が低下し、完全な排尿が妨げられている(すなわち、排尿効率<100%)急性又は脊髄動物において、尿道閉塞を伴わずに、セクションAに記載されているように膀胱内圧測定を行う。膀胱内圧測定は、最初に、膀胱容積容量及び漏出時圧を確立するために、陰部刺激なしで行われる。膀胱及び尿道及び肛門括約筋の圧力を記録する。次に、膀胱を容量の70%まで満たし、流体充填バルーンを10~20mmHgのベースライン圧力で肛門結腸から直腸に挿入する(Maggi et al.,1988 Gen Pharmacol.19(4):517-23、Naitou et al.,2016 Physiol.2016 8月1;594(15):4339-50 Epub 2016 4月28日)。膀胱と結腸を活性化して排尿と排便を誘発する短時間作用型薬剤(例えば、[Lys、MeLeu、Nle10]-ニューロキニンA(4-10)などのNK2受容体アゴニストなどの膀胱及び結腸の運動促進剤)を投与し、膀胱及び結腸直腸バルーンから排出された流体の量、ならびに膀胱及び結腸直腸バルーン内の圧力を記録する。
膀胱及び結腸運動促進剤の最初の投与から回復させるのに十分な時間の後、膀胱及び結腸直腸バルーンを、それぞれ膀胱容量の70%の体積及び10~20mmHgの圧力まで再び膨張させる。運動促進剤の投与の1分前に、「排泄モード」パルスパラメータを用いた陰部刺激を適用する。運動促進剤を投与し、膀胱及び結腸直腸バルーンから排出された流体の量、ならびに膀胱及び結腸直腸バルーン内の圧力を記録する。
例2-長期評価
例2は、失禁を予防し、脊髄損傷を有する動物における薬物誘発性排泄を可能にするためのデバイスの臨床的利益の長期評価を検討するためのプロセスを示している。
A.失禁制御の方法
滅菌技術下で、麻酔をかけた動物をT10切離し、三極陰部電極(原理はシナプスシステムと同様であるが、動物のサイズに合わせて変更した電極)に接続されたシナプスシステムパルス発生器を植込む。植込み中に、会陰の目に見える単収縮を誘発するための閾値電流(I-T)を測定し、電流を上記の結果に基づいて閾値の倍数に増加させる。各試験日の前に、動物に単収縮を誘発するための閾値を測定し、それが変化した場合、作動電流を新しい閾値の倍数に調整する。術後の回復後、動物を代謝ケージに収容する。代謝ケージには、床に配置された「プラスチック気泡」充填材の裏地がある(褥瘡を防ぐため)。1日2回、動物の膀胱をクレーデ法によって空にする(朝と8~10時間後)。週末と休日を除く毎日が、臨床現場での植込み型のプログラム可能なパルス発生器の慢性的で継続的な使用をシミュレートする「試験日」である。
この動物モデルは、脊髄損傷の人の状態を多くの側面でシミュレートし、植込まれたパルス発生器を受け入れるのに十分な大きさである。行動研究では、低周波陰部刺激がある場合とない場合の失禁発生の頻度と尿量及び糞便の重量の臨床的に関連する測定値を使用し、「生理学的」及び「[Lys、MeLeu、Nle10]-ニューロキニンA(4-10)誘発性」排泄中の排泄効率の臨床的に関連するエンドポイントを、高周波陰部ブロックがある場合とない場合で測定する。
試験日(会陰の目に見える単収縮を誘発するための陰部刺激閾値電流をチェックした後)に、低周波陰部刺激を8時間の試験期間にわたって適用するか、又は(ランダム化された、盲検ベースで)動物の陰部刺激をオフにする。
B.測定
試験日に、ワットマン4ろ紙(メーカーが提供する3フィート幅のロールから切り取ったもの)の層をプラスチックバブルの上に置き、ケージの床を完全に覆い、動物から放出された尿を吸収する。ろ紙は、8時間の試験日を通して2時間間隔で交換され、尿スポットを視覚化するためUV光で検査する。尿スポットは、UV光下での尿の蛍光により唾液、水、又は糞便の液体スポットと簡単に区別される。スポットの数及び面積を測定する。蛍光スポットの面積は、経験的に作成した変換スケール(すなわち、紙に適用された既知の尿量=面積のあるスポット=xmm)を使用して体積に変換される。これは、10μlから10mlまで10%以内の精度である。便失禁の測定では、糞便の有無を記録し、存在する場合はその重量を測定する。
週単位で、グループ内のすべての動物の中で、失禁発生の平均数(スポットの数及び/又は糞便の存在)及び失禁の平均量(スポットの面積)及び糞便の重量を、低周波陰部刺激がある場合とない場合とで比較する。毎週、陰部刺激がある場合とない場合の発生の平均数及び体積/重量の違いを、t検定を使用して有意性について調べる。失禁発生の数及び体積/重量を、8週間の研究全体で毎週プロットする。週平均数及び体積/重量の差は、ANOVAを使用して有意性を評価した後、適切な事後テストを行って、有効性が経時的に一定であるかどうかを判断する。陰部刺激は、失禁発生の数及び体積/重量の両方を有意に減少させ、8週間にわたって有効性に一貫した変化はない。
C.排泄機能障害への効果を判断するための方法
同じ動物を使用して、排尿機能障害への効果を調べる。試験日に、動物はランダムなスケジュールで4つの処置のうちの1つを受ける。
・1)生理食塩水(1ml/秒)、
・2)生理食塩水+陰部ブロック(5分)、
・3)[Lys、MeLeu、Nle10]-ニューロキニンA(4-l0)、又は
・4)[Lys、MeLeu、Nle10]-ニューロキニンA(4-l0)+陰部ブロック(5分)。
排泄体積(VV)及び糞便重量を、処置後10分間測定する。排泄体積/重量を測定した後、ランダム化及び盲検化された基準で、残留体積(RV)をクレーデ又はクレーデ+陰部ブロックによって膀胱から排出する。クレーデのみで排泄させた動物には、続いてクレーデ+陰部ブロックを受けさせ、より多くの尿が放出されるかどうかを確認する。このようにして、すべての動物は毎日(週末と休日を除いて)陰部ブロックを受ける。VVとRVはVEの計算に使用される。
ニューロキニン2受容体アゴニスト、例えば[Lys、MeLeu、Nle10]-ニューロキニンA(4-l0)(Rupniak,et al,Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol.2018 3月;39l(3):299-308)を、8週間の期間を通して以前の研究に基づいて単回用量で投与する。覚醒している脊髄動物で試験する前に、健康でナイーブな動物でこの用量を試験し、覚醒している動物で用量が十分に許容されることを確認するために、用量の1/10から開始し、その後、最終用量の前に最終用量の1/3を試験する。ラット、イヌ、及びミニブタにおける広範な尿流動態及び覚醒排尿研究に基づくと、有効用量は3~100μg/kg(皮下、「s.c.」)であり、不快なGI効果の最初の兆候は100~300μg/kg s.c.の間で現れる。
毎週、すべての動物の中で、平均VEを計算し、t検定を使用して統計的有意性を決定する。クレーデの難易度は、クレーデ法を行う人によって5段階で評価される。毎週、陰部ブロックがある場合とない場合の平均VE及びクレーデ難易度の統計的差異をt検定で評価する。VE及びクレーデ難易度の平均を、8週間の研究全体で週単位でプロットする。週平均VE及び難易度の差を、ANOVAとそれに続く適切な事後検定を使用して有意性について評価する。陰部ブロックを使用した場合に、使用しない場合よりもクレーデが主観的にはるかに簡単であることが明らかになった場合(及び統計的に有意な場合)、残りの8週間、クレーデによって膀胱を空にする際に毎回陰部ブロックが使用される。
D.予想される結果
生理食塩水だけでは、8週間にわたって有意な量の尿を放出しない。陰部ブロックのみ(対照は生理食塩水)は、5分間の刺激中に少量の尿を放出する。[Lys、MeLeu、Nle10]-ニューロキニンA(4-l0)の投与のみで、観察可能な有害事象はなく、大量の尿(つまり、VE約50%)が8週間にわたって一貫して放出される。陰部ブロックを伴う[Lys、MeLeu、Nle10]-ニューロキニンA(4-l0)投与は、8週間にわたって一貫して副作用なしに100%VEをもたらす。
例3.臨床試験
A.陰部神経電極の植込み
低周波数(約10Hz)での陰部神経の電気刺激は、神経因性膀胱収縮を抑制することが示されており(Peters,2010 Neurourol Urodyn.9月29(7):1267-71;Martens et al,2011 J Urol.9月l86(3):798-804;Peters KM et al,2005,Neurourol Urodyn.24(7):643-7)、これは尿漏れにつながる可能性がある。そこに記載されている錫メッキされた電極の植込み方法を使用して、プログラマブルパルス発生器の植込みは、約30分で首尾よく完了することができる。カフ電極は陰部神経に対しては植込まれていないが、外科的植込み時間は30分より長くなると想定するのが妥当である。しかし、他の様々な外科的処置と比較すると依然として妥当である。
B.排泄/自制位置
短時間(1~20分、例えば5、10、又は15分)の高周波刺激はPUDをブロックする。このブロックは、患者又は介護者が排尿を希望する場合はいつでも適用される。通常、最も実用的なアプローチとして1日4~6回である。
この「排泄モード」でないときは、排泄の間の陰部(PUD)神経活動の継続的な(生涯にわたる)刺激が、尿失禁を防ぐ。1~20Hzの陰部遠心性及び求心性線維への低周波刺激は、それぞれ括約筋を緊張的に収縮させ、膀胱を阻害し得る。当業者は、いずれかのモードにあることが通常の動作形態である傾向があるが、モードの切り替え中に刺激がないという短いギャップは許容され得ることを認識するであろう。
当業者によって認識されるように、振幅(パルス強度、シグナル電圧又は電流の大きさ又はサイズを指す)、電圧、アンペア数、持続時間、周波数、極性、位相、二相性刺激における正及び負のパルスの相対的なタイミング及び対称性、及び/又は波形(例えば、正方形、正弦、三角形、鋸歯状、又はそれらのバリエーション又は組み合わせ)を含むがこれらに限定されない電気パルスの特性は、特定の患者又は患者のクラスの結果を最適化するために変化させてもよい。患者は、種、疾患/状態、性別、又はグループに一般化できるその他の要因によって分類できる。
C.特別な条件
任意選択で、患者が無能力になり、排泄モードに切り替えることができない場合、デバイスは、設定された時間(例えば、3時間)後に警告信号(患者により選択され、例えば、音、光、及び振動)を提供するようにプログラムされる。このプログラミングは、医師又は患者によって行われる。個人が事前設定された時間内(例えば、警告後1時間)に警告及び排泄に対処しない場合、デバイスは自動的に排泄モードに切り替わり、膀胱内の過度の圧力及び腎臓の損傷の可能性を防ぐ。結果として生じる失禁発生は望ましい結果ではないが、これは個人又は個人の介護者が警告に応答しなかった場合にのみ発生する。警告は、介護者の電話又はアラームにワイヤレスで送信できる。患者が本当に無能力である場合、この結果はそのような状況で自然に起こることと何ら変わりはない。
任意選択で、患者が尿又は糞便の放出を引き起こす可能性のある腹圧の一時的な増加を予期する場合(車椅子からベッドへの移動又は咳又はくしゃみに関連する身体運動など)、陰部刺激を増加させるトリガーをアクティブにして(ボタンを押すか、音声コマンドにより)、外尿道括約筋及び外肛門括約筋を一時的かつ強力に収縮させ、腹圧の増加に抵抗することができる。
任意選択で、トリガーは、圧力変換器又は骨盤又は腹筋のEMG活動の電気的活動を使用して、腹圧上昇の開始を検出するセンサによって自動的にアクティブにすることができる。
刺激デバイス
図5は、本開示の教示に従って使用され得る刺激デバイス200の基本的なコンポーネントを示している。当業者は、これが完全なデバイスを作製するために必要なすべてのコンポーネントの詳細な説明ではないことを認識するであろう。例えば、図5は電源を含まないが、医療用刺激器の従来の態様を当業者に伝える必要はない。同様に、電荷漏れを制限し、患者の安全を提供するための従来の回路は、当業者の技能の範囲内にあると想定され、ここでは詳述されない。
刺激デバイス200は、あるコンポーネントから別のコンポーネントにデジタル情報を伝達するための1つ以上の通信バス204のセットを含む。あるモードから別のモードに移動するための制御信号を提供するために、特定のコンポーネントに伝達される追加の制御信号があり得る。当業者は、刺激デバイス200のいくつかのコンポーネントが、有線接続ではなく無線接続によって他のコンポーネントに接続され得ることを理解するであろう。図5の簡略図の目的のために、1つ以上の通信バス204のセットは、そのような無線リンクを含むと見なされ得る。コンポーネント間の様々な有線及び無線リンクは従来型であり、設計に依存するため、ここに示す必要はない。
刺激デバイス200は、1つ以上のメモリデバイス208を有し、ここには、刺激デバイス200の動作のための命令及び場合によってはカスタマイズされた設定値が格納される。メモリデバイス208は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含み得る。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又は命令を格納する他の形態として格納できる。
メモリデバイス208は、後の分析のために特定の数のイベントを保存するために刺激デバイス200によって使用され得る。保存される情報の例には、モードが貯留から排泄に、又は排泄から貯留に変更された時間が含まれ得る。時間を保存すると、排泄状態の合間の異常な期間を記録できる。メモリデバイス208は、以下に説明するように、任意の圧力過渡及び刺激デバイス200からの応答をトリガーした過渡の時間を保存することができる。
刺激デバイス200は、本開示の教示を実施するために、命令又は入力を読み取り、それに基づいて動作する1つ以上のプロセッサ212を有し得る。
刺激デバイス200は、糞便及び尿の貯留を促進する第1の刺激モードから、糞便及び尿の排泄を促進する第2の刺激モードへの変更を可能にするために、エンドユーザによって使用される第1の入力デバイス216を有する可能性が高い。
刺激デバイス200は、取り外し可能な入力デバイス220に接続して刺激デバイス200とのより詳細な相互作用を可能にする第2の入力デバイス220又はポートを有し得る。これは、効果的な介入のために最小の刺激レベルを使用して患者に効果的に作用させるための刺激デバイス200の初期設定のための作業を含み得る。詳細な相互作用には、ソフトウェアの更新の提供、イベントログやその他の保存された履歴の確認、又はデジタル医療機器で有用であることが分かっているその他の相互作用が含まれ得る。
当業者は、設定のどのくらいの調整がエンドユーザに利用可能に残され、設定のどのくらいの調整が医療専門家による制御のために残されるかについては設計上の選択であることを認識するであろう。この選択は、エンドユーザインターフェース及び第1の入力デバイス216に提供される機能に影響を与えるであろう。当業者は、刺激デバイス200が、エンドユーザ及び医療専門家の両方から入力を受け取るのに役立つ単一の入力デバイス216を有し得ることを認識するであろう。
刺激デバイス200は、刺激デバイス200と、メモリ、試験装置、又は他のコンポーネントなどの外部装置との間の有線通信をサポートするために、少なくとも1つの通信ポート230を有し得る。
刺激デバイス200は、刺激デバイス200を超えた装置との無線相互作用を可能にするために、少なくとも1つの無線通信トランシーバ234を有し得る。この機能は、患者/介護者、他の家族、及び医療提供者に関連付けられた携帯電話にアラートを提供するために使用できる。アラートのフォーマットは、アラートシステムの分野で知られているように、テキストメッセージ、電子メール、又は音声メッセージであり得る。無線相互作用は、視覚的又は聴覚的警報を提供するために、患者の部屋又は車椅子に配置された警報装置との相互作用であり得る。当業者は、送信機及び受信機の両方として機能することができるトランシーバの代わりに、メッセージを送信するために送信機だけで実装され得るいくつかの設計を認識するであろう。
刺激デバイス200は、2つの陰部神経のそれぞれ(図1の104)に隣接して配置するための少なくとも2つの電極250及び252を有し得る。同じ電極250及び252を使用して、LFS及びHFSの両方を提供することができる。当業者は、刺激デバイス200に、LFSの適用に使用するための1つ以上の電極と、HFSを適用するための1つ以上の電極の別個のセットとを実装できることを認識するであろう。神経を刺激するために使用される電極250及び252は、患者へ植込みに適切であるように、白金又はステンレス鋼などの任意の組成物又は組成物の混合物であり得、単極、双極、三極、又は四極で、アノードとカソードの様々な配置を含めた、神経を刺激するための任意の構成であり得る。(Bhadra N,Kilgore KL.High-frequency electrical conduction block of mammalian peripheral motor nerve. Muscle Nerve.2005;32:782-90)。
刺激デバイス200は、LFS及びHFSを生成するためのパルス発生器254を有し得る。様々な例の考察に関連して上述したように、一連の異なる刺激シーケンスをLFSに使用することができる。刺激サイクルの周波数は比較的低い(50Hz未満)場合があるが、刺激サイクル内で適用される実際の活性パルスには、図4に示されるように、短いバーストのためのより高い周波数での刺激を含み得る。
様々な例の考察に関連して上述したように、一連の異なる刺激シーケンスをLFSに使用することができる。LFS及びHFSは、1つ以上のパラメータで調整可能である場合もあれば、患者/介護者が調整できないプリセット値である場合もある。当業者は、LFS又はHFSの保存されたサンプルが、パルス発生器254で刺激を生成する代わりに、電極に繰り返し送られ得ることを認識するであろう。
パルス発生器254は植込み型であり得る。植込み型パルス発生器は当技術分野で知られており、本発明のパルスパラメータを満たすLFS及びHFSパルスを送達することが知られている既存のデバイスに基づいてライセンス供与又は購入又は構築することができる(Nexeon、テキサス州ダラス;ReShape、カリフォルニア州サンクレメンテ;Nuvectra、テキサス州プレイノ;Minnetronix、ミネソタ州セントポール)。これらの発生器は、制御命令を植込み型パルス発生器に送信するように構成された無線通信システムをさらに含み得る。
刺激デバイス200は、タイマー258を含み得る。上記のように、刺激デバイス200は、所定の時間間隔の後に貯留モード(LFS)から排泄モード(HFS)に切り替わるように構成され得る。刺激デバイス200は、モードの切り替えが近づいていることについて患者/介護者に注意を喚起することができる。
タイマー258はまた、最後の排泄サイクルからの実行時間を維持するために使用することができる。これにより、患者/介護者が、臨床的に合理的な期間内に排泄サイクルの手動要求を実行しなかった場合、重大度を増加させる様々なステップが取られ得る。このステップは、患者/介護者に注意喚起を提供すること、他の当事者に注意喚起を提供すること、及び医療提供者に連絡して、所定の期間内に物質が排泄されていないことをその医療提供者に警告することであり得る。刺激デバイス200のプログラミングに応じて、他の動作が存在し得る。
刺激デバイス200は、膀胱内に植込まれた尿圧感知デバイス260を有し得る。刺激デバイス200は、直腸又は腹部に植込まれた糞便圧感知デバイス264を有し得る。尿圧感知デバイス260及び糞便圧感知デバイス264は、刺激デバイス200と無線通信することができる。無線植込み型膀胱圧モニターの例は、aptcenter.research.va.gov/programs/health-and-monitoring/bladder-pressure-monitor/(wwwプレフィックスは省略)に示されている。
刺激デバイス200は、圧力感知デバイス260又は264の1つによって検出された過剰圧力に対し、LFSを変更してより高いレベルの刺激を提供し、尿道138の外尿道括約筋134において、及び肛門管128の外肛門括約筋124において、より高いレベルの括約筋収縮を引き起こすことにより応答するようにプログラムされ得る。より高いレベルの刺激は、圧力の一時的な増加を克服するために限られた期間であり得る。括約筋の収縮の増加によって対抗されることを意図した圧力のスパイクは、運動又は車椅子からベッドへの、又はその逆の移動から生じ得る。圧力のスパイクは、くしゃみや咳から生じ得る。
刺激デバイス200は、刺激パルスの出力の一時的な増加を可能にするために、ユーザI/Oデバイス266を介してエンドユーザコマンドに応答するようにプログラムされ得る。エンドユーザコマンドは、リモートコントロールボタンのアクティブ化やリモートコントロール音声コマンドなど、既知の適切なユーザI/Oデバイス266と相互作用することによって開始され得る。より高いレベルの刺激は、圧力の一時的な増加を見越して、限られた期間である可能性が高い。高圧の予想は、運動や車椅子からベッドへの、又はその逆の移動の予想から、あるいはくしゃみや咳の予想から来る場合がある。
このユーザI/Oデバイス266は、エンドユーザがデバイスの動作を変更するために使用することができるより包括的な第1の入力デバイス216とは対照的に、迅速な入力のための単純なインターフェースであると予想される。当業者は、ユーザI/Oデバイス266の機能を第1の入力デバイス216に組み込むことができ、その結果、デバイスはこの使用のための別個のI/Oデバイスを有さないことを理解するであろう。
刺激デバイス200は、圧力感知デバイス260又は264の1つによって検出された長期の、潜在的に損傷を与える過剰な圧力に対し、LFSをLFSからHFSに切り替えて、尿道138の外尿道括約筋134及び肛門管128の外肛門括約筋124を弛緩させ、一時的又は長期の病的圧力が圧力を高めることによる膀胱又は腎臓の損傷を防ぐことにより応答するようにプログラムされ得る。特定の患者のための正確な設定は、その患者を担当する医療専門家によって設定され得るが、80mmHg(約109cmH2O)を超える圧力が10分を超えると、動作を実行するトリガーと見なされる場合がある。
刺激デバイス200は、ユーザ入力が排泄モードへの切り替えを要求することなく、排泄モードに切り替わる前の5分、7分、及び9分などのより短い期間の高圧の後に警告を伝達することができる。刺激デバイス200は、バスルームに到達するためにさらに数分が望まれる場合、エンドユーザが排泄モードへの切り替えを数分間遅らせる手段を有することができる。刺激デバイス200は、遅延要求がなされた場合に医療提供者に警告するように設定することができる。この警告により、医療提供者は迅速にエンドユーザに連絡して状況を確認し、排泄が迅速に発生することを確認するように求められる場合がある。エンドユーザに連絡できない場合、医療提供者は、エンドユーザの遅延要求を無効にする排泄モードへの切り替えを強制することができる。同様に、遅延を取得する能力は、測定された圧力が200mmHgなどの許容できないレベルに達した場合、刺激デバイス200又は医療提供者によって無効にされ得る。
使用方法
図6は、本開示の教示の1つの使用のためのプロセス1000の高レベルのフローチャートである。
ステップ1004-任意選択で、パルス発生器254を外科的に植込む。外科的植込み術は、当技術分野で知られている方法に従って行うことができる。パルス発生器254を電極250と共に植込むことには利点があるが、これは厳密には必要ではなく、電極250は、患者の皮膚を横断する有線接続を介して、又は当技術分野で知られている短距離無線接続を介してパルス発生器254によって制御され得る。様々な神経刺激デバイスに対して日常的に行われているように、一時的に電極を植込み、パルス発生器の恒久的な植込みの前に、患者に対する刺激の臨床的利益を試験することもできる。
ステップ1008-陰部神経の遠心性及び求心性軸索の近傍に電極を外科的に植込む。当業者は、電池寿命を節約するために、そして刺激が追加の意図しない結果をもたらさないように、より低いレベルの刺激で刺激を提供するために必要な近接性を認識するであろう。
ステップ1012-パルス発生器を電極に接続する。
ステップ1016-刺激デバイス200に貯留モードパラメータを入力する。当業者は、貯留モードパラメータが、植込み前に所与のクラスの患者に対して事前設定され、次いで必要に応じて調整され得ることを理解するであろう。
ステップ1020-この患者用に貯留モードパラメータを最適化する。
ステップ1024-刺激デバイス200に排泄モードパラメータを入力する。当業者は、排泄モードパラメータの初期推定値が、植込み前に刺激デバイス200にプログラムされている可能性があることを理解するであろう。
ステップ1028-この特定の患者用に刺激デバイス200の排泄モードパラメータを最適化する。
貯留モードパラメータは、排泄モードパラメータの前に入力及び最適化される可能性が高いが、これは厳密な要件ではないことに注意されたい。
貯留モードと排泄モードのパラメータを最適化するプロセスは、任意の臨床的に適切な方法で行うことができる。このプロセスは、上記の動物実験で説明されているように緻密なものであり得る。あるいは、LFSが適用されるときに、医師は直腸に指を挿入することもできる。次に、医師は、安全かつ効果的と見なされる範囲内でLFSの刺激パラメータを調整する。医師又は助手は、挿入した指で外肛門括約筋の収縮を感知するか、あるいは圧力感知バルーンで記録し、特定の変化が収縮の強さを増加させたか、収縮の強さを減少させたか、又は収縮の強さに影響を与えなかったかを記録する。目標は、収縮力を失うことなく、使用される電荷の総量を最小限に抑える方法を見つけることである。
排泄モードのパラメータは、外肛門括約筋を弛緩させるHFSを適用することで最適化できる。HFSの妥当性は、球海綿体筋反射をテストし、球海綿体筋反射をテストするための刺激に応答して外肛門括約筋の収縮を感知しないことによって試験できる。
動物実験では外尿道括約筋134(図1)を個別に試験したが、当業者は、外尿道括約筋134が外肛門括約筋124に実質的に対応する態様で挙動するため、外肛門括約筋124だけを使用して調整を行うことができることを認識している。
任意選択で、組織の治癒により電極からの刺激電流に対する抵抗が変化する可能性があるため、最適化プロセスを数週間後に繰り返すことができる。したがって、患者は2週間目、4週間目、3ヶ月目、6ヶ月目、及び1年目に戻って、最適な結果を提供する最小限の刺激を求めるために刺激をさらに微調整することができる。
ステップ1032-刺激デバイス200及び刺激デバイス200を制御するための入力デバイスの操作について、患者又は介護者に指示を与える。当業者は、刺激デバイス200が植込まれ、特定の患者向け調整される前に、いくつかの指示が提供され得ることを理解するであろう。
ステップ1036-エンドユーザ(患者又は介護者)に、刺激デバイス200の他の機能を制御するように指示する。これらの追加機能の例には、アラームが送信される前の排泄期間の合間の最大時間間隔の設定が含まれる。患者及び介護者は、排泄期間の時間間隔が様々な閾値を超えた場合に、アラート又は警告を受信する当事者の連絡先情報を入力することを希望するかもしれない。刺激デバイス200は、特定の時間間隔の後に自動的に排泄モードに切り替わるようにプログラムすることができ、これは、患者の衣服を汚す可能性はあるが、患者への害のリスクを防ぐことになる。刺激デバイスは、腹圧又はEMG活動の一時的な増加が検出されたときに刺激パラメータを増加又は変更するようにプログラムすることができる。刺激デバイスは、刺激の強度を増加又は変更するために、ユーザI/Oデバイス266を介してエンドユーザコマンドに応答するようにプログラムされ得る。ユーザ入力により、一時的な増加又は長期的な変更が必要になる場合がある。
ステップ1040-エンドユーザ(患者又は介護者)は、刺激デバイスを貯留モードにする。これにより、膀胱に尿を、結腸に糞便を保持するのを助けるLFSが提供される。
ステップ1044-患者は刺激デバイスを排泄モードにしてLFSの提供を停止し、HFSの提供を開始して、患者が尿を排出して膀胱を空にし、糞便を排出して結腸を空にするのを支援する。膀胱又は結腸の排泄は、HFSの作用を補完するために、ニューロキニン2受容体アゴニストなどの膀胱又は結腸平滑筋運動促進剤の投与を患者に提供することによって促進され得ることに留意されたい。運動促進剤は、鼻腔注入、舌下適用、及び皮下適用を含む当業者に知られている多くの速効型の形態のいずれかで提供することができる。
ステップ1048-患者は刺激デバイスを貯留モードに戻し、膀胱に尿を、結腸に糞便を保持するのを助けるLFSを再び提供する。
代替案及びバリエーション
LFS刺激のみによる保持の支援
上記の例は、物質の保持及び排泄を支援するためにLFS刺激194及びHFS刺激198の両方を提供したが、特定の患者は、自制を支援するためにLFS刺激194のみを実行する刺激デバイスから利益を得ることができる。これらの患者は、LFS刺激194のみを提供し、患者が排泄しようとするときは機能しない刺激デバイスから利益を得られる場合がある。
HFS刺激のみによる排泄の支援
特定の患者は、括約筋の運動障害を防ぎ、したがって外肛門括約筋124及び外尿道括約筋134を弛緩させて開いた状態に保つために、括約筋の遠心性運動ニューロンからの活動電位を遮断することによって排泄を支援するHFS刺激198のみから利益を得ることができる。排泄プロセスは、膀胱136又は結腸126に対して患者が行う制御によって駆動され得るか、又は膀胱136又は結腸126を収縮させるのを助けるための速効性薬物によって支援され得る。これらの患者は、自制を促進するためにいかなる援助も必要としない場合があり、刺激デバイスは、適用されたHFS刺激198の期間の合間はアイドル状態であり得る。
陰部神経を刺激又は遮断するための直流(DC)の使用
当業者は、直流(DC)パルスの適用が末梢神経の活動電位を誘発することができ、DC適用を徐々に増やすことで末梢神経の活動電位の伝導を遮断することができることを理解するであろう。DC電極の使用は、金属と組織の界面で発生する電気化学反応による毒性が懸念されるため、ヒトでは臨床的に広く適用されていないが、本明細書に記載されているように、理論的にはDCを提供する電極を使用して陰部神経を刺激又は遮断できる。
デュアルモードデバイスのシングルモード動作
当業者は、シングルモードデバイス(LFS又はHFS)が、デュアルモード(LFS及びHFS)として機能する能力を持たずに製造され得ることを理解するであろう。あるいは、刺激デバイスをプログラミングすることにより、デュアルモードデバイスをシングルモード用途(LFSのみ又はHFSのみ)で使用することもできる。
単一括約筋刺激
上記の例は、外肛門括約筋及び外尿道括約筋の両方に刺激制御を提供し、理想的には膀胱に何らかの刺激制御を提供したが、陰部神経分岐の遠位に電極を配置し、上記のようにLFS及びHFSを使用して、外肛門括約筋のみ又は外尿道括約筋のみを標的とすることができる。したがって、患者は、外尿道括約筋に作用する陰部神経の分岐に2つ、外肛門括約筋に作用する陰部神経の分岐に2つの合計4つの電極を受け取ることができる。
電極の1つのペアからの刺激が外尿道括約筋にのみ影響を与え、別の電極のペアからの刺激が外肛門括約筋に影響を与えるように、電極が陰部神経における関連する分割の後に配置された場合、圧力センサによって検出された圧力のスパイクに対する応答は、どちらか一方の括約筋を対象にすることができる。したがって、刺激デバイス200は、膀胱に植込まれた尿圧感知デバイス260で受け取られた圧力スパイクに、刺激を提供することによって反応して、外尿道括約筋134にのみ追加の閉鎖力を提供するのを助けることができる。同様に、刺激デバイス200は、直腸又は腹部に植込まれた糞便圧感知デバイス264で受け取られた圧力スパイクに、刺激を提供することによって反応して、外肛門括約筋124にのみ追加の閉鎖力を提供するのを助けることができる。
膀胱を制御するための陰部求心性線維のための別個の電極
追加の電極を配置して、陰部求心性神経と特異的に相互作用し、貯留モード(保持モードとも呼ばれる)中に膀胱を弛緩させることができる。同じ電極を使用して、排泄モード中に膀胱を収縮させることができる。この電極の配置は、外尿道括約筋134又は外肛門括約筋124のいずれの括約筋収縮にも影響を与えない。収縮を引き起こす刺激は、収縮を刺激するように最適化された第3の種類の刺激であり得、括約筋の運動障害を防ぐために使用される第2の種類の刺激とは異なり得る。
結腸を制御するための陰部求心性線維のための別個の電極
追加の電極を配置して、陰部求心性神経と特異的に相互作用し、貯留モード(保持モードとも呼ばれる)中に結腸を弛緩させることができる。同じ電極を使用して、排泄モード中に結腸を収縮させることができる。この電極の配置は、外尿道括約筋134又は外肛門括約筋124のいずれの括約筋収縮にも影響を与えない。収縮を引き起こす刺激は、収縮を刺激するように最適化された第3の種類の刺激であり得、括約筋の運動障害を防ぐために使用される第2の種類の刺激とは異なり得る。
片側刺激
上記の議論は、両側刺激を想定したものである。すなわち、体の右側と左側の両方の陰部神経の関連部分への刺激である。これが最も一般的な解決策である傾向があるが、本開示の内容のいずれも、体の片側の1つ以上の電極による陰部神経の片側刺激を除外すると解釈されるべきではない。このような解決策は、患者が神経系への片側の損傷を経験し、左右両方の陰部神経への刺激を必要としない場合に適切である可能性がある。
収縮圧力の誘発された一時的な増加
上記のように、咳、くしゃみ、運動、又はベッドから車椅子へ及びまた戻る移動を見越して、腹圧の上昇(及びその後の膀胱及び直腸への圧力の伝達)をもたらす短時間の運動中、これらの短時間の間、尿道又は肛門の収縮圧をおそらく最大の力まで上昇させるのが実用的である。
外括約筋力を増加させ、場合によっては最大力に移動するトリガーは、次の1つ以上であり得る。
・ボタンとして機能する入力画面の一部を含む、ユーザがアクティブにするボタン、
・音声コマンド、
・腹部、骨盤、又は肛門括約筋からの筋肉の収縮を示す電気シグナル、及び
・腹部、膀胱、又は直腸の圧力を記録する圧力変換器からの電気シグナル。
当業者は、様々な計画外の事象(咳又はくしゃみなど)及び車椅子からベッドへの移動などの計画された事象に応答するために、複数のトリガーが使用され得ることを理解するであろう。
LFSの誘導された停止と再アクティブ化
排泄物の漏れが問題にならない期間(睡眠中など)には、バッテリーの充電を節約するために刺激器を完全にオフにし(停止)、必要になった際にオンにする(再アクティブ化)ことが実用的である。
刺激器をオフにするトリガーは、次の1つ以上であり得る。
・ボタンとして機能する入力画面の一部を含む、ユーザがアクティブにするボタン、及び
・音声コマンド。
刺激器をオンにする(刺激器を再アクティブ化する)トリガーは、次のいずれかであり得る。
・ボタンとして機能する入力画面の一部を含む、ユーザがアクティブにするボタン、
・音声コマンド、
・腹部、骨盤、又は肛門括約筋からの筋肉の収縮を示す電気シグナル、及び
・腹部、膀胱、又は直腸の圧力を記録する圧力変換器からの電気シグナル。
当業者は、様々な計画外の事象(咳又はくしゃみなど)及び起床時のベッドから車椅子への移動などの計画された事象に応答するために、刺激器をオンにするための複数のトリガーが使用され得ることを理解するであろう。
当業者は、上記の代替の実装のいくつかが普遍的に相互に排他的ではなく、場合によっては、上記の2つ以上の変形の態様を使用する追加の実装を作成できることを認識するであろう。同様に、本開示は、本開示の様々な教示の理解を促進するために提供された特定の例又は特定の実施形態に限定されない。さらに、添付の特許請求の範囲は、当業者に知られているように、本明細書に記載の構成要素の変形、修正、及び代替の範囲を包含する。
上記の方法及び/又は事象が特定の事象及び/又は手順が特定の順序で発生することを示している場合、特定の事象及び/又は手順の順序を変更することができる。さらに、特定の事象及び/又は手順は、可能であれば並行プロセスで同時に実行され得、ならびに上記のように順次実行され得る。
特許請求の範囲に記載の発明の範囲の法的制限は、添付の特許請求の範囲に記載されており、それらの法的同等物を包含するように拡張されている。

Claims (14)

  1. 患者の排泄物貯留を制御するために使用するための刺激デバイスであって、
    外尿道括約筋及び外肛門括約筋の運動ニューロンの遠心性軸索、及び
    膀胱及び結腸の活動を制御する求心性軸索
    を有する陰部神経の全体を標的とするように、片側の陰部神経に少なくとも1つずつ配置されることで両側の陰部神経に配置されるように適合された少なくとも2つの電極のセット、
    陰部神経を刺激するために前記少なくとも2つの電極のセットによって使用される10Hzを超える刺激入力を提供するために前記少なくとも2つの電極のセットに接続されたパルス発生器、
    前記パルス発生器は、排泄物を患者内に貯留させるための第1の種類の刺激を提供するように適合されており、かつ、患者から排泄物を排出できるようにする排泄モードのために、第1の種類の刺激の適用を停止するように適合されていること、及び
    エンドユーザが貯留モードにするために第1の種類の刺激を適用することを選択できるようにする入力デバイス
    を含み、第1の種類の刺激は、
    膀胱からの尿の放出を防ぐため、外尿道括約筋;及び
    結腸からの糞便の放出を防ぐため、外肛門括約筋
    の両方の少なくとも10分間の同時維持収縮を直接促進するように、どちらの側の遠心性運動神経にも活動電位を生成するように適合されている、刺激デバイス。
  2. 前記パルス発生器は、排泄モードの間、第1の種類の刺激とは異なる第2の種類の刺激を提供するように適合されており、第2の種類の刺激は、括約筋運動障害を引き起こす神経インパルスを遮断することによって患者から排泄物を排泄できるように適合されている、請求項1に記載の刺激デバイス。
  3. 患者から排泄物を排泄させるための最新の排泄モードからの間隔が所定の排泄間隔を超えたときに、少なくとも1つの受信機にメッセージを送信するための無線通信送信機をさらに含む、請求項1に記載の刺激デバイス。
  4. 受信機は、患者の近くにある警報装置である、請求項3に記載の刺激デバイス。
  5. 受信機は、スマートフォンにメッセージを中継できる無線通信システムである、請求項3に記載の刺激デバイス。
  6. 前記刺激デバイスと通信し、かつ前記第1の種類の刺激の適用中に前記刺激デバイスを制御する尿圧感知デバイスをさらに含み、前記制御は、尿圧感知デバイスによって高圧が検出されると、前記第1の種類の刺激の周波数を増加させるシグナルが前記刺激デバイスに送られることで、外尿道括約筋の収縮を増大させるものである、請求項1に記載の刺激デバイス。
  7. 前記刺激デバイスと通信し、かつ前記第1の種類の刺激の適用中に前記刺激デバイスを制御する尿圧感知デバイスをさらに含み、前記制御は、尿圧感知デバイスによって長期の高圧が検出されると、前記第2の種類の刺激に切り替えるためのシグナルが前記刺激デバイスに送られることで、尿圧感知デバイスによって測定される長期の高圧の影響から患者を保護するために、外尿道括約筋を弛緩させるものである、請求項2に記載の刺激デバイス。
  8. 前記刺激デバイスと通信し、かつ前記第1の種類の刺激の適用中に前記刺激デバイスを制御する直腸圧感知デバイスをさらに含み、前記制御は、直腸圧感知デバイスによって高圧が検出されると、前記第1の種類の刺激の周波数を増加させるシグナルが前記刺激デバイスに送られることで、外肛門括約筋の収縮を増大させるものである、請求項1に記載の刺激デバイス。
  9. 前記刺激デバイスと通信し、かつ前記第1の種類の刺激の適用中に前記刺激デバイスを制御する直腸圧感知デバイスをさらに含み、前記制御は、直腸圧感知デバイスによって長期の高圧が検出されると、前記第2の種類の刺激に切り替えるためのシグナルが前記刺激デバイスに送られることで、直腸圧感知デバイスによって測定される長期の高圧の影響から患者を保護するために、外肛門括約筋を弛緩させるものである、請求項2に記載の刺激デバイス。
  10. 前記第1の種類の刺激の短時間の増加を誘発して患者内に排泄物を貯留し、外肛門括約筋及び外尿道括約筋の収縮を増大させるためのユーザ入力を伴う、請求項1に記載の刺激デバイス。
  11. モニタリング中の圧力変換器における筋肉収縮の上昇の兆候に応じて、前記第1の種類の刺激の短時間の増加を誘発して患者内に排泄物を貯留させる、請求項1に記載の刺激デバイス。
  12. モニタリング中の圧力変換器における筋肉収縮の上昇の兆候に応じて、前記第1の種類の刺激の短時間の増加を誘発して患者内に排泄物を貯留させる、請求項1に記載の刺激デバイス。
  13. 前記陰部神経の全体を標的とするように、片側の陰部神経に少なくとも1つずつ配置されることで両側の陰部神経に配置されるように適合された前記少なくとも2つの電極のセットは、前記両側のそれぞれの側で単一の電極のみを使用する、請求項1に記載の刺激デバイス。
  14. 前記少なくとも2つの電極のセットは、20~33Hzの刺激の周波数の刺激入力を提供する、請求項1に記載の刺激デバイス。
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