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JP7482118B2 - 癌の治療用のイソキノリン化合物 - Google Patents

癌の治療用のイソキノリン化合物 Download PDF

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JP7482118B2 JP2021517939A JP2021517939A JP7482118B2 JP 7482118 B2 JP7482118 B2 JP 7482118B2 JP 2021517939 A JP2021517939 A JP 2021517939A JP 2021517939 A JP2021517939 A JP 2021517939A JP 7482118 B2 JP7482118 B2 JP 7482118B2
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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月2日に出願された米国仮特許出願第62/740,269号に対する優先権の利益を主張するものであり、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
癌を治療する腫瘍学者により使用される主要な治療様式は、外科切除、放射線療法、及び古典的な化学療法薬である。残念ながら、外科切除は、多くの腫瘍又は癌の形態に対する、実現可能なオプションではない。更に、放射線療法及び化学療法薬は、疾患細胞のみを標的にするわけではないが故に、健常な細胞を損傷してしまう。より特異的に腫瘍細胞を標的にする治療薬が、腫瘍細胞内での、抗原の腫瘍特異的発現、又は、特異的タンパク質の不適切な発現若しくは活性化を利用することにより開発されているが、腫瘍細胞は変異しやすく、特異的に腫瘍細胞を標的にする薬剤に対して耐性を持つこととなり得る。
患者自身の免疫系を利用して、多くの癌が利用する免疫侵襲性方法を克服し、抗腫瘍免疫を増強させる新規の癌治療パラダイムが出現してきている。このような一方法は、通常、末梢性寛容を維持するように機能する免疫応答の負の制御因子を阻害して、腫瘍抗原が非自己要素として認識されることを可能にすることである。
造血前駆体キナーゼ1(HPK1)は、抗腫瘍免疫を増強することを標的可能な、樹状細胞活性化、並びにT及びB細胞応答の負の制御因子の例である。HPK1は、初期前駆体を含む造血細胞により、主に発現される。T細胞においては、Ser376にてSLP76(Di Bartolo et al.(2007)JEM 204:681-691)を、及び、Thr254にてGadsをリン酸化することにより、マイクロクラスターのシグナル伝達の持続を低下させることにより、HPK1が負にT細胞の活性化を制御し、これにより、リン酸化SLP76及びGadsに結合する14-3-3タンパク質の動員がもたらされ、LAT含有マイクロクラスターからSLP76-Gads-14-3-3複合体が放出される(Lasserre et al.(2011)J Cell Biol 195(5):839-853)と考えられている。HPK1もまた、プロスタグランジンE2に応答して活性化されることができ、これは多くの場合、腫瘍により分泌され、免疫系からの腫瘍細胞の逃亡に寄与している。
HPK1の阻害剤である3-カルボニルアミノイソキノリン化合物、これらの化合物を含有する組成物、並びに、免疫応答の増強方法、及び癌などのHPK1依存性障害の治療方法を開示する。
一態様において、本明細書で詳述するとおりの、式(I)の化合物、又はその任意の変形、又はその塩(例えば、その薬学的に許容され得る塩)を提供する。式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩、及び、薬学的に許容され得る担体又は賦形剤を含む医薬組成物もまた提供する。
別の態様では、対象の中でHPK1を、有効量の式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩と接触させることを含む、HPK1の阻害方法を提供する。免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法であって、当該対象に、有効量の式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法もまた提供する。
更に、HPK1依存性障害の治療方法であって、治療を必要とする対象に、有効量の式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。いくつかの実施形態において、HPK1依存性障害は、癌、例えば結腸直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、乳癌、膵癌、血液学的悪性腫瘍、及び腎細胞癌である。いくつかの実施形態において、方法は、化学療法剤を対象に投与することを更に含む。
HPK1の阻害方法、免疫応答の増強方法、又は、癌などのHPK1依存性障害の治療方法で使用するための、式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩もまた提供する。
本明細書で詳述する方法(例えば、癌などのHPK1依存性障害の治療)における、式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩の使用もまた提供する。
本明細書で詳述する方法(例えば、癌などのHPK1依存性障害の治療)で使用するための医薬を製造するための、式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩の使用もまた提供する。
HPK1依存性障害を治療するためのキットであって、式(I)の化合物、又は本明細書で詳述するその任意の変形、又はその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物;及び使用のための取扱説明書を含む、キットもまた提供する。
別の態様では、式(I)の化合物、又はその任意の変形の作製方法を提供する。式(I)の化合物、又はその任意の変形の合成において有用な、化合物中間体もまた提供する。
HPK1(造血前駆体キナーゼ1)の阻害剤又は制御因子である、式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのこれらの変形、並びにこれらの医薬組成物を本明細書で開示する。そのために、化合物及び組成物は、HPK1により媒介される疾患及び障害の治療に有用である。治療方法の一例は、癌を患う対象の場合である。化合物は癌と戦うために使用可能なだけでなく、免疫応答の増強を必要とする対象において、免疫応答を増強するためにも有利に使用することができる。
本明細書にて開示する主題をここで、以下にてより完全に記載する。しかし、本明細書で説明する、本明細書にて開示する主題の多くの修正及び他の実施形態が、前述の記載にて提示される教示の利益を有する、本明細書にて開示する主題が関係する当業者に想到されるであろう。したがって、本明細書にて開示する主題は、開示した特定の実施形態に限定されるべきではなく、修正及び他の実施形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれると意図されるものと考えられるべきである。すなわち、本明細書で記載される主題は、あらゆる代替物、修正物、及び等価物をカバーしている。組み込まれる文献、特許、及び同様の資料のうちの1つ以上が、本出願(定義される用語、用語の用法、記載される技法等を含むがそれらに限定されない)と異なるか、又は矛盾する場合は、本出願が優先される。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本分野の当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりその全体が援用される。
定義
本明細書で使用する場合、「アルキル」とは、指定された炭素原子数を有する、飽和直鎖(即ち非分岐)若しくは分岐の一価炭化水素鎖、又はそれらの組み合わせを意味する(即ち、C10とは、1~10個の炭素原子を意味する)。具体的なアルキル基は、1~20個の炭素原子を有するもの(「C20アルキル」)、1~8個の炭素原子を有するもの(「Cアルキル」)、1~6個の炭素原子を有するもの(「Cアルキル」)、2~6個の炭素原子を有するもの(「Cアルキル」)、又は、1~4個の炭素原子を有するもの(「C1-4アルキル」)である。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル;例えば、n-ペンチル基、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの同族体及び異性体などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「アルケニル」とは、少なくとも1つのオレフィン系不飽和の部位を有し(即ち、少なくとも1つの式C=Cの部分を有し)、かつ、指定された炭素原子数を有する不飽和直鎖(即ち非分岐)若しくは分岐の一価炭化水素鎖、又はそれらの組み合わせを意味する(即ち、C2-10は、2~10個の炭素原子を意味する)。アルケニル基は「cis」若しくは「「trans」構成、あるいは、「E」若しくは「Z」構成であることができる。具体的なアルケニル基は、2~20個の炭素原子を有するもの(「C20アルケニル」)、2~8個の炭素原子を有するもの(「C2-8アルケニル」)、2~6個の炭素原子を有するもの(「C2-6アルケニル」)、又は、2~4個の炭素原子を有するもの(「C2-4アルケニル」)である。アルケニル基の例としては、例えば、エテニル(又はビニル)、プロプ-1-エニル、プロプ-2-エニル(又はアリル)、2-メチルプロプ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2-メチルブタ-1,3-ジエニル、これらの同族体及び異性体などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「アルキニル」とは、指定された炭素原子数を有する、少なくとも1つのアセチレン系不飽和の部位を有する(即ち、少なくとも1つの式C≡Cの部分を有する)不飽和直鎖(即ち非分岐)若しくは分岐の一価炭化水素鎖、又はそれらの組み合わせを意味する(即ち、C2-10は、2~10個の炭素原子を意味する)。具体的なアルキニル基は、2~20個の炭素原子を有するもの(「C2-20アルキニル」)、2~8個の炭素原子を有するもの(「C2-8アルキニル」)、2~6個の炭素原子を有するもの(「C2-6アルキニル」)、2~4個の炭素原子を有するもの(「C2-4アルキニル」)である。アルキニル基の例としては、例えばエチニル(又はアセチレニル)、プロプ-1-イニル、プロプ-2-イニル(又はプロパルギル)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニル、これらの同族体及び異性体などの基が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「アルキレン」とは、アルキルと同じであるが、二価を有する残基を意味する。具体的なアルキレン基は、1~6個の炭素原子(「C1-6アルキレン」)、1~5個の炭素原子(「C1-5アルキレン」)を有するもの、1~4個の炭素原子(「C1-4アルキレン」)、又は1~3個の炭素原子(「C1-3アルキレン」)を有するものである。アルキレンの例としては、それだけに限らないが、メチレン(-CH-)、エチレン(-CH-CH-)、1,3-プロピレン(-CH-CH-CH-)、1,2-プロピレン(-CH(CH)-CH-)、1,4-ブチレン(-CH-CH-CH-CH-)などの基が挙げられる。
「アルキリデン」は、本明細書で使用する場合、アルキルと同じ残基であるが結合点において二価性を有し、二重結合を介して親構造に結合しているものを指す。具体的なアルキリデン基は、1~6個の炭素原子(「C1-6アルキリデン」)、1~5個の炭素原子(「C1-5アルキリデン」)を有するもの、1~4個の炭素原子(「C1-4アルキリデン」)、又は1~3個の炭素原子(「C1-3アルキリデン」)を有するものである。アルキレンの例としては、それだけに限らないが、メチリデン(=CH)、エチリデン(=CH-CH)、1-プロピリデン(=CH-CH-CH)、2-プロピリデン(=C(CH)、1-ブチリデン(=CH-CH-CH-CH)などの基が挙げられる。
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」とは、指定された炭素原子数を有する、非芳香族の飽和又は不飽和環式一価炭化水素構造を意味する(即ち、C10とは、3~10個の炭素原子を意味する)。シクロアルキルは、シクロヘキシルなどの一環、又はアダマンチルなどの複数環からなり得るが、アリール基は除外する。2つ以上の環を含むシクロアルキルは、縮合しているか、スピロであるか、若しくは架橋しているか、又はこれらの組み合わせであることができる。具体的なシクロアルキル基は、3~12個の環状炭素原子を有するものである。好ましいシクロアルキルは、3~8個の環状炭素原子(「C3-8シクロアルキル」)、又は3~6個の炭素原子(「C3-6アルキニル」)を有する環式炭化水素である。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロへプチル、ノルボニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する場合、「アリール」とは、1つの環(例えばフェニル)、又は、縮合環が芳香族であってもなくてもよい、複数の縮合環(例えばナフチル若しくはアントリル)を有する、不飽和芳香族炭素環基を意味する。具体的なアリール基は、6~14個の環状(即ち、環)炭素原子を有するもの(「C6-14アリール」)である。少なくとも1つの環が非芳香族である2つ以上の環を有するアリール基を、芳香環位置又は非芳香族環位置のいずれかにて、親構造に結合することができる。一変形において、少なくとも1つの環が非芳香族である2つ以上の環を有するアリール基は、芳香環位置にて親構造に結合している。
本明細書で使用する場合、「ヘテロアリール」とは、1~14個の環状(即ち、環)炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄などのヘテロ原子を含むがこれらに限定されない、少なくとも1個の環状へテロ原子を有する、不飽和芳香族環状基を意味する。ヘテロアリール基は、1つの環(例えばピリジル、フリル)、又は、縮合環が芳香族であってもなくてもよい、複数の縮合環(例えばインドリジニル、ベンゾチエニル)を有することができる。具体的なヘテロアリール基は、1~12個の環状(即ち、環)炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~6個の環状(即ち、環)ヘテロ原子を有する、5~14員環;1~8個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環状ヘテロ原子を有する、5~10員環;並びに、1~5個の環状炭素原子、並びに、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環状ヘテロ原子を有する、5、6、又は7員環である。一変形において、ヘテロアリールとしては、1~6個の環状炭素原子、並びに、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環状ヘテロ原子を有する、単環式芳香族の5、6、又は7員環が挙げられる。別の変形において、ヘテロアリールとしては、1~12個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~6個の環状ヘテロ原子を有する、多環式芳香環が挙げられる。少なくとも1つの環が非芳香族である2つ以上の環を有するヘテロアリール基を、芳香環位置又は非芳香族環位置のいずれかにて、親構造に結合することができる。一変形において、少なくとも1つの環が非芳香族である2つ以上の環を有するヘテロアリール基は、芳香環位置にて親構造に結合している。
本明細書で使用する場合、「複素環」、「複素環式」、又は「ヘテロシクリル」とは、1つの環又は複数の縮合環を有し、かつ、1~14個の環状(即ち、環)炭素原子、及び、例えば窒素、リン、硫黄、又は酸素などの1~6個の環状(即ち、環)ヘテロ原子を有する、飽和又は不飽和非芳香族環状基を意味する。2つ以上の環を含む複素環は、縮合しているか、スピロであるか、若しくは架橋しているか、又はこれらの任意の組み合わせであることができる。縮合環系において、1つ以上の縮合環はシクロアルキルであることができる。具体的なヘテロシクリル基は、1~13個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~6個の環状ヘテロ原子を有する、3~14員環;1~11個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~6個の環状ヘテロ原子を有する、3~12員環;1~9個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環状ヘテロ原子を有する、3~10員環;1~7個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環状ヘテロ原子を有する、3~8員環;並びに、1~5個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個の環状ヘテロ原子を有する、3~6員環である。一変形において、ヘテロシクリルとしては、1~2、1~3、1~4、1~5、又は1~6個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄からから独立して選択される、1~2、1~3、又は1~4個の環状ヘテロ原子を有する、単環式3、4、5、6、又は7員環が挙げられる。別の変形において、ヘテロシクリルとしては、1~12個の環状炭素原子、並びに、窒素、リン、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~6個の環状ヘテロ原子を有する、多環式非芳香環が挙げられる。
「ハロ」又は「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、及び/又はヨードを意味する。「ハロアルキル」とは、同一でも異なっていてもよい1つ以上のハロゲンで置換されたアルキル基を意味する。残基が2つ以上のハロゲンで置換される場合、その化合物は、結合したハロゲン部分の数に対応する接頭辞を用いて言及することができる。例えば、ジハロアリール、ジハロアルキル、トリハロアリールなどは、同じハロであり得るが、必ずしも同じである必要はない、2つ(「ジ」)又は3つ(「トリ」)のハロ基で置換された、アリール及びアルキルを意味する。故に、4-クロロ-3-フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内である。各水素がハロ基で置換されるアルキル基は、「ペルハロアルキル」とも呼ばれる。好ましいペルハロアルキル基は、トリフルオロアルキル(-CF)である。同様に「ペルハロアルコキシ」とは、ハロゲンが、炭化水素中の各Hにて生じ、アルコキシ基のアルキル部分を作製するアルコキシ基を意味する。ペルハロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシ(-OCF)である。
「カルボニル」とは、基C=Oを意味する。
「オキソ」とは、部分=Oを意味する。
「ジェミナル」とは、同じ原子に結合した2つの部分の関係を意味する。例えば、残基-CH-CR-において、R及びRはジェミナルであり、Rは、Rに対するジェミナルなR基と呼ばれることがある。
「ビシナル」とは、隣接する原子に結合した2つの部分の関係を意味する。例えば、残基-CHR-CHR-において、R及びRはビシナルであり、Rは、Rに対するビシナルなR基と呼ばれることがある。
別に明記されない限り、「任意に置換された」とは、ある基が置換されていなくてもよく、又は、その基に関して列挙された1つ以上(例えば、1、2、3、4、又は5個)の置換基(その置換基は同一であっても異なっていてもよい)により、置換されていてもよいことを意味する。一つの実施形態において、任意に置換された基は1つの置換基を有する。別の実施形態において、任意に置換された基は、2つの置換基を有する。別の実施形態において、任意に置換された基は、3つの置換基を有する。別の実施形態において、任意に置換された基は、4つの置換基を有する。いくつかの実施形態において、任意に置換された基は、1~2、1~3、1~4、又は1~5個の置換基を有する。
本明細書にて、言葉「阻害剤」を用いることは、HPK1の活性を阻害する分子を意味することが意図される。本明細書において、「阻害する」とは、標的酵素の活性を、阻害剤の不存在下におけるその酵素の活性と比較して低下させることを意味する。いくつかの実施形態において、用語「阻害する」とは、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の、HPK1活性の低下を意味する。別の実施形態において、「阻害する」とは、約5%~約25%、約25%~約50%、約50%~約75%、又は約75%~100%の、HPK1活性の低下を意味する。いくつかの実施形態において、「阻害する」とは、約95%~100%の、HPK1活性の低下、例えば、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の活性の低下を意味する。このような低下は、インビトロキナーゼアッセイを含む、当業者により認識可能であろう様々な技術を使用して測定することができる。
本明細書で使用する場合、「HPK1アンタゴニスト」又は「HPK1阻害剤」とは、HPK1の生物活性(例えば、セリン/スレオニンキナーゼ活性、TCR活性化の際の、TCR複合体への動員、SLP76などのタンパク質結合パートナーとの相互作用)の1つ以上を低下させるか、阻害するか、又は別様において減少させる分子である。HPK1アンタゴニストを用いる拮抗作用は必ずしも、HPK1活性の完全な除去を表すものではない。代わりに、活性は、例えば、適切な対照と比較して、HPK1の活性の、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、95%、又は100%の低下を含む、統計的に有意な量低下することができる。いくつかの実施形態において、HPK1アンタゴニストは、HPK1のセリン/スレオニンキナーゼ活性を低下させるか、阻害するか、又は別様において、減少させる。これらの実施形態のいくつかにおいて、HPK1アンタゴニストは、SLP76及び/又はGadsの、HPK1が媒介するリン酸化を低下させるか、阻害するか、又は別様において、減少させる。本明細書にて開示する化合物は、HPK1に直接結合し、そのキナーゼ活性を阻害する。
「特異的アンタゴニスト」とは、関係のない標的の活性よりも、定義された標的の活性を低下させるか、阻害するか、又は別様において減少させる剤を意図する。例えば、HPK1特異的アンタゴニストは、HPK1の少なくとも1つの生物活性を、任意の他のタンパク質のアンタゴニスト(例えば、他のセリン/スレオニンキナーゼ)の阻害効果よりも統計的に有意な量低下させる。いくつかの実施形態において、標的に対するアンタゴニストのIC50は、非標的に対するアンタゴニストのIC50の、約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、0.1%、0.01%、0.001%以下である。本明細書にて開示する化合物は、特異的HPK1アンタゴニストであっても、又はなくてもよい。特異的HPK1アンタゴニストは、HPK1の生物活性を、任意の他のタンパク質のアンタゴニスト(例えば、他のセリン/スレオニンキナーゼ)の阻害効果よりも統計的に有意な量低下させる。特定の実施形態において、HPK1アンタゴニストは、HPK1のセリン/スレオニンキナーゼ活性を特異的に阻害する。これらの実施形態のいくつかにおいて、HPK1に対するHPK1アンタゴニストのIC50は、別のセリン/スレオニンキナーゼ、又は他の種類のキナーゼ(例えばチロシンキナーゼ)に対するHPK1アンタゴニストのIC50の、約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、0.1%、0.01%、0.001%以下である
本明細書で使用されるとき、「治療」又は「治療する」は、臨床結果を含む有益な又は所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的に関して、有益な又は所望の臨床結果には、以下のうちの1つ以上が含まれるが、これらに限定されない:疾患に起因する1つ以上の症状の低下、疾患の程度の縮小、疾患の安定化(例えば、疾患の悪化の阻止若しくは遅延)、疾患の蔓延(例えば、転移)の阻止若しくは遅延、疾患の進行の遅延若しくは緩徐、疾患状態の回復、疾患の寛解(部分的若しくは完全にかかわらず)の提供、疾患の治療に必要とされる1つ以上の薬物の用量の減少、別の薬剤の効果の増強、疾患の進行の遅延、生活の質の増加、及び/又は生存の延長。「治療」には、癌の病理学的結果の減少もまた包含される。本発明の方法は、これらの治療の態様のいずれか1つ以上を企図する。
本明細書で使用する場合、癌の進展を「遅延すること」とは、疾患の進展を遅延、妨害、低速化、阻止、安定化、及び/又は延期させることを意味する。この遅延は、治療されている病歴及び/又は対象に応じて時間の長さが異なり得る。当業者に明らかであるように、十分又は著しい遅延は、対象が疾患を発症しないという点で、予防を事実上包含し得る。癌の進展を「遅延させる」方法は、方法を使用しないことと比較して、所与の時間枠における疾患の進展の可能性を低下させる、かつ/又は、所与の時間枠における疾患の程度を低下させる方法である。このような比較は典型的には、統計的に有意な数の対象を使用する、臨床研究に基づく。癌の進展は、日常的な身体検査、乳房撮影、イメージング、又は生検などの標準的な方法を使用して検出することができる。進展は、初期に検出不可能であり得る疾患の進行もまた意味することができ、発生、再発、及び開始を含む。
本明細書で使用する場合、「リスクのある」対象とは、癌の進展のリスクのある対象である。「リスクのある」対象は、検出可能な疾患を有しても、又は有してなくてもよく、本明細書で記載される治療方法に先だって、検出可能な疾患を示しても、示さなくてもよい。「リスクのある」とは、対象が、1つ以上のいわゆる危険因子を有することを意味し、これらは、癌の進展と相関する測定可能なパラメーターであり、本明細書で記載される。これらの危険因子の1つ以上を有する対象は、これらの危険因子を有しない対象よりも、癌が進展する可能性が高い。
本明細書で使用する場合、「併用療法」とは、2つ以上の異なる化合物を含む治療法を意味する。したがって、一態様では、本明細書で詳述する化合物、及び別の化合物を含む併用療法が提供される。いくつかの変形において、併用療法は任意に、1つ以上の薬学的に許容され得る担体若しくは賦形剤、非薬学的活性化合物、及び/又は不活性物質を含む。
本明細書で使用する場合、用語「有効量」とは、有効性及び毒性のパラメーターと組み合わせて、所与の治療形態で有効であるはずである、本発明の化合物のそのような量を意図する。当該技術分野において理解されるように、有効量は1回以上の用量であることができる、即ち、単回用量又は複数回用量が、所望の治療エンドポイントを達成するために必要であり得る。有効量は、1つ以上の治療薬の投与との関連で考慮され得、単剤は、1つ以上の他の薬剤と併せて、所望又は有益な結果が達成され得るか、又は達成される場合、有効量で与えられると見なされ得る。同時投与する化合物のいずれかの好適な用量は、化合物の併用作用(例えば相加又は相乗効果)により、任意に低くしてよい。様々な実施形態において、有効量の組成物又は治療法は、(i)癌細胞の数を減少させる;(ii)主要サイズを低下させる;(iii)癌細胞の、末梢器官への湿潤をある程度阻害、妨害、遅延する、好ましくは停止する;(iv)腫瘍転移を阻害する(例えばある程度遅延し、好ましくは停止する);(v)腫瘍増殖を阻害する;(vi)主要の発生及び/若しくは再発を防止若しくは遅延する;並びに/又は、(vii)癌と関連する1つ以上の症状をある低度軽減することができる。様々な実施形態において、量は、癌の症状の1つ以上を緩和、軽減、低減、及び/又は遅延するのに十分である。
当該技術分野において理解されるように、「有効量」は1回以上の用量であることができる、即ち、単回用量又は複数回用量が、所望の治療エンドポイントを達成するために必要であり得る。有効量は、1つ以上の治療薬、及び化合物、又はその薬学的に許容され得る塩の投与の文脈で考慮され得、1つ以上の他の剤と共に、望ましい又は有益な結果が達成され得る、又は達成される場合、有効量で与えられると見なされ得る。
「治療有効量」とは、所望の治療アウトカムを生み出すの(例えば、癌の重症度若しくは期間の低下/減少、癌の重症度の安定化、又は、癌の1つ以上の症状の除去)に十分な、化合物又はその塩の量を意味する。治療的使用に関して、有益な又は望ましい結果としては例えば、疾患の進展中に現れる合併症及び中間の病理学的表現型を含む、疾患により生じる1つ以上の(生化学的、組織学的、及び/若しくは行動的)症状の低下、疾患を患う対象の生活の質の増加、疾患の治療に必要な他の薬剤の用量の減少、別の薬剤の増強効果、疾患の進行の遅延、並びに/又は、患者の生残の延長が挙げられる。
「予防有効量」とは、癌にかかりやすい対象、及び/又は癌を進展し得る対象に投与されるときに、癌の1つ以上の将来的な症状の重症度を予防する又は低下させるのに十分な、化合物、又はその薬学的に許容され得る塩の量を意味する。予防的使用に関して、有益な又は望ましい結果としては例えば、リスクの除去若しくは低下、将来的な疾患の重症度の低下、又は、疾患の開始の遅延(例えば、疾患の将来的な進展の間に提示する、疾患、その合併症、及び中間の病理学的表現型の、生化学的、組織学的、及び/又は行動的症状の遅延)などの結果が挙げられる。
予防有効量を含む、有効量の化合物又はその薬学的に許容され得る塩は、アジュバント設定において対象に与えられ得ると理解されており、アジュバント設定とは、対象が癌の病歴を有し、一般に(但し必ずしもそうではないが)手術(例えば外科切除)、放射線療法、及び化学療法を含むがこれらに限定されない治療法に応答性である、臨床設定を意味する。しかし、癌の病歴が原因で、これらの対象は、癌の進展リスクがあるとみなされる。「アジュバント設定」における治療又は投与とは、治療の後続モードを意味する。
本明細書で使用する場合、「単位用量剤形」とは、単位用量として好適であり、各単位が、必要な医薬担体又は賦形剤と共同して、所望の治療効果を生み出すように計算された、所定量の活性成分を含有する、物理的に個別の単位を意味する。単位用量剤形は、単一又は併用療法を含有し得る。
本明細書で使用する場合、用語「制御放出」とは、薬剤の放出が即座のものでない、即ち、「制御放出」製剤を含み、投与が、薬剤の、吸収プールへの即座の放出をもたらさない、薬剤含有製剤又はその画分を意味する。この用語は、長期間にわたり薬剤化合物を徐々に放出するように設計された、デポー製剤を包含する。制御放出製剤は、一般に、薬剤化合物を、所望の放出特性(例えば、pH依存性又は非pH依存性の溶解性、異なる水溶性の度合いなど)を有する、担体、ポリマー、又はその他の化合物と混合すること、及び、その混合物を、所望の送達経路(例えば、コーティングしたカプセル、埋め込み型貯蔵容器、生分解性カプセルを含有する注射溶液など)に従い製剤化することを伴う、多種多様のドラッグデリバリーシステムを含むことができる。
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容され得る」、又は「薬理学的に許容され得る」とは、生物学的に、又は別様において望ましくないものではない材料を意味し、例えば、材料を、あらゆる望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、又は、それが含有される組成物のその他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物に組み込むことができる。薬学的に許容され得る担体又は賦形剤は、毒性及び製造試験で必要とされる基準を満たしているのが好ましく、かつ/又は、米国食品医薬品局により準備された不活性成分ガイドに含まれる。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物の塩は、薬学的に許容され得る塩である。「薬学的に許容され得る塩」とは、遊離(非塩)化合物の生物活性の少なくとも保持し、薬剤又は医薬品として対象に投与可能なそれらの塩である。そのような塩としては例えば、以下が挙げられる:(1)例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸で形成された;又は、例えば酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、コハク酸、マレイン酸、酒石酸などの有機酸で形成された酸付加塩;(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオンにより置き換えられるか、又は有機塩基と配位するかのいずれかであるときに形成される塩。許容され得る有機塩基としてはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。許容され得る無機塩基としては、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。薬学的に許容され得る塩は、製造工程にてin situで、又は、遊離酸又は塩基形態の、精製した本発明の化合物を、好適な有機又は無機塩基又は酸とそれぞれ、個別に反応させ、そのように形成した塩を、後続の精製中に単離することにより、調製することができる。
用語「賦形剤」とは、本明細書で使用する場合、薬剤又は医薬品の製造で使用可能な不活性(inert又はinactive)物質、例えば、本発明の化合物を活性成分として含有する錠剤を意味する。様々な物質が、非限定的に結合剤、崩壊剤、コーティング剤、圧縮/封入助剤、クリーム若しくはローション、潤滑剤、非経口的投与用溶液、咀嚼錠用材料、甘味料若しくは風味、懸濁/ゲル化剤、又は湿潤造粒剤として使用される任意の物質を含む、用語「賦形剤」により包含され得る。結合剤としては例えば、カルボマー、ポビドン、キサンタンガムなどが挙げられ;コーティング材としては例えば、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ジェランガム、マルトデキストリン、腸溶性コーティングなどが挙げられ;圧縮/封入材としては例えば、炭酸カルシウム、ブドウ糖、フルクトースdc(dc-「直接圧縮可能な」)、蜂蜜dc、乳糖(無水物又は一水和物;任意にアスパルテーム、セルロース、又は微結晶セルロースと組み合わされている)、デンプンdc、スクロースなどが挙げられ;崩壊剤としては例えば、クロスカルメロースナトリウム、ジェランガム、グリコール酸ナトリウムデンプンなどが挙げられ;クリーム又はローションとしては例えば、マルトデキストリン、カラギーナンなどが挙げられ;潤滑剤としては例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられ;咀嚼錠用材料としては例えば、デキストロース、フルクトースdc、ラクトース(一水和物、任意にアスパルテーム又はセルロースと組み合わせられている)などが挙げられ;懸濁/ゲル化剤としては例えば、カラギーナン、グリコール酸ナトリウムデンプン、キサンタンガムなどが挙げられ;甘味料としては例えば、デキストロース、フルクトースdc、ソルビトール、スクロースdcなどが挙げられ;湿潤造粒剤としては例えば、炭酸カルシウム、マルトデキストリン、微結晶セルロースなどが挙げられる。いくつかの場合において、「賦形剤」及び「担体」という用語は交換可能に使用される。
用語「対象」又は「患者」とは、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むがこれらに限定されない哺乳動物などの動物を意味する。特定の実施形態において、対象はヒト又はヒト患者である。
用語「異常細胞増殖」、「非制御細胞増殖」、及び「増殖過剰障害」は、本出願において同じ意味で用いられる。本明細書で使用する場合、「異常細胞増殖」とは、特に断りのない限り、通常の制御メカニズム(例えば、接触阻害の喪失)とは無関係な細胞増殖を意味する。
用語「癌」とは、非制御細胞増殖を特徴とする対象における条件を意味し、癌性細胞は、局部侵襲及び/又は非隣接部位への転移が可能である。本明細書で使用する場合、「癌細胞」、「癌性細胞」、又は「腫瘍細胞」とは、この非制御細胞増殖及び侵襲性を特徴とする細胞を意味する。用語「癌」は、癌、黒色腫、芽腫、肉腫、リンパ腫、及び白血病のあらゆる形態を含むがこれらに限定されない、癌のあらゆる種類を包含し、膀胱癌、膀胱癌、脳腫瘍、乳癌、子宮頚癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮体癌、肝細胞癌、喉頭癌、肺癌、骨肉腫、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、腎癌及び甲状腺癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、脳室上衣腫、ユーイング肉腫、グリア芽腫、髄芽腫、神経芽細胞腫、骨肉腫、横紋筋肉腫、桿状癌、並びに腎芽細胞腫(ウィルムス腫瘍)を含むがこれらに限定されない。
「化学療法剤」とは、癌の治療で有用な化学化合物又は生物学的製剤である。化学療法剤の例としては、チオテパ及びシクロホスファミド(CYTOXAN(登録商標))などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、及びウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチローロメラミンなどのエチレンイミン及びメチラメラミン;アセトゲニン(特にブラタシン及びブラタシノン);δ-9-テトラヒドロカンナビノール(ドロナビノール、MARINOL(登録商標));β-ラパコン;ラパコール;コルヒチン;ベツリン酸;カンプトテシン(合成類似体トポテカン(HYCAMTIN(登録商標))、CPT-11(イリノテカン、CAMPTOSAR(登録商標))、アセチルカンプトテシン、スコポレクチン、及び9-アミノカンプトテシン);ブリオスタチン;ペメトレキセド;カリスタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシン合成類似体を含む);ポドフィロトキシン;ポドフィリン酸;テニポシド;クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189及びCB1-TM1など);エリュテロビン;パンクラチスタチン;TLK-286;経口α-4インテグリン阻害剤のCDP323;サルコジクチイン;スポンギスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニマスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルマスティン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質(例えばカリケアマイシン、特にカリケアマイシンγ1I及びカリケアマイシンωI1(例えばNicolaou et al.,Angew.Chem Intl.Ed.Engl.,33:183-186(1994)を参照)などの抗生物質;ジネミシンAを含むジネミシン;エスペラミシン並びに、ネオカルチノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アントラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン(ADRIAMYCIN(登録商標)、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム注射剤(DOXIL(登録商標))及びデオキシドクソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、マイコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート、ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標))、テガフール(UFTORAL(登録商標))、カペシタビン(XELODA(登録商標))、エポチロン、及び5-フルオロウラシル(5-FU);デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジネン、ドキシフルリジン、エノシタビン、及びフロクシウリジンなどのピリミジン類似体;アミノグルテチミド、マイトテイン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フォリン酸などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトレキサート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エフロルニチン;エリプチニウムアセテート;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;メイタンシン及びアンサマイトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;マイトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン(ELDISINE(登録商標)、FILDESIN(登録商標));ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);チオテパ;タキソイド、例えばパクリタキセル(TAXOL(登録商標))、パクリタキセルのアルブミン組換ナノ粒子製剤(ABRAXANE(商標))、及びドセタキセル(TAXOTERE(登録商標));クロラムブシル;6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン(VELBAN(登録商標));白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトキサントロン;ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標));オキサリプラチン;フォリン酸;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;並びに、上記のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸、又は誘導体;並びに、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロンの併用療法の略称)、並びに、FOLFOX(5-FU及びフォリン酸と組み合わせた、オキサリプラチン(ELOXATIN(商標))による治療レジメンの略称)などの、上記の2つ以上の組み合わせが挙げられる。
化学療法剤の更なる例としては、癌の成長を促進し得るホルモンの有効性を制御、低減、遮断、又は阻害するために作用し、しばしば全身性又は体全体の治療の形態にある「抗ホルモン剤」が挙げられる。それらはそれ自体がホルモンであってもよい。例えば、抗エストロゲン剤及び選択的エストロゲン受容体制御物質(SERM)が挙げられ、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びトレミフェン(FARESTON(登録商標));抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方制御物質(ERD);フルベストラント(FASLODEX(登録商標))などのエストロゲン受容体アンタゴニスト;卵巣を抑制又は閉じる機能を果たす剤、例えば、酢酸ロイプロリド(LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標))、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリン、並びにトリプトレリンなどの黄色形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト;フルタミド、ニルタミド、及びビカルタミドなどの抗アンドロゲン剤;並びに、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGASE(登録商標))、エキセメスタン(AROMASIN(登録商標))、ホルメスタイン、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))、アナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))などの、副腎にてエストロゲン産生を制御する、酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤が挙げられる。更に、このような定義の化学療法剤としては、クロドロネート(例えばBONEFOS(登録商標)若しくはOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE-58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))、又はリセドロネート(ACTONEL(登録商標));並びにトロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、接着性細胞増殖にて示唆されるシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC-α、Raf、H-Ras、及び上皮成長因子受容体(EGF-R)など;THERATOPE(登録商標)ワクチン、及び遺伝子治療ワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン、及びVAXID(登録商標)ワクチンなどのワクチン;トポイソメラーゼ1阻害剤(例えばLURTOTECAN(登録商標));フルベストラントなどの抗エストロゲン剤;エルロチニブ又はセツキシマブなどのEGFR阻害剤;ベバシズマブなどの抗VEGF阻害剤;アリノテカン;rmRH(例えばABARELIX(登録商標));17AAG(熱ショックタンパク質(Hsp)90毒であるゲルダナマイシン誘導体)、並びに、上記のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸、又は誘導体が挙げられる。
「化学療法剤」の定義には、以下もまた含まれる:(i)タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);タモキシフェンクエン酸塩を含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTON(登録商標)(トレミフェンクエン酸塩)を含む、抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)などの腫瘍へのホルモン作用を調節又は阻害するように作用する抗ホルモン剤;(ii)副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、ホルメスタニ、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、及びARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca);(iii)抗アンドロゲン薬、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリン;及びトロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、例えば、PKC-アルファ、Ralf、及びH-Rasなどの、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの;(vii)VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))及びHER2発現阻害剤などのリボザイム;(viii)遺伝子療法ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、及びVAXID(登録商標)などのワクチン;PROLEUKIN(登録商標)rIL-2;LURTOTECAN(登録商標)などのトポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標),Genentech)などの抗血管新生剤;並びに(x)上記のうちのいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸、及び誘導体。
いくつかの実施形態において、化学療法剤は免疫療法薬である。本明細書で使用する場合、「免疫療法薬」とは、癌との戦いを、特異的又は非特異的に補助する、免疫系を増強させる化合物である。免疫治療薬としては、サイトカイン、インターロイキン(例えばIL-2、IL-7、IL-12、IL-15、IL-21)、インターフェロン(例えばIFN-α、IFN-β、IFN-γ)、GM-CSF、サリドマイド(THALOMID(登録商標),Celgene)、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標),Celgene)、ポマリドミド(POMALYST(登録商標),Celgene)、イミキモド(ZYCLARA(登録商標),Valeant)などの、免疫系をブーストするモノクローナル抗体及び非特異的免疫療法が挙げられる。化学療法剤として有用なモノクローナル抗体の非限定例としては、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標),Genentech)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標),Genentech)、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標),Bristol-Myers Squibb)、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標),Amgen)、イピリムマブ(YERVOY(登録商標),Bristol-Myers Squibb)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標),Genentech)、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標),Genzyme)、オファツムマブ(ARZERRA(登録商標),Genmab)、ゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標),Wyeth)、ブレンツキシマブベドチン(ADCETRIS(登録商標),Seattle Genetics)、90Y標識イブリツモマブチウキセタン(ZEVALIN(登録商標),Biogen Idec)、131I標識トシツモマブ(BEXXAR(登録商標),GlaxoSmithKline)、アド-トラスツズマブエムタンシン(KADCYLA(登録商標),Genentech)、ブリナツモマブ(BLINCYTO(登録商標),Amgen)、ペルツズマブ(PERJETA(登録商標),Genentech)、オビヌツズマブ(GAZYVA(登録商標),Genentech)、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標),Bristol-Myers Squibb)、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標),Merck)、ピディリズマブ(CureTech)、MPDL3280A(国際公開第2010/077634号に記載、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)、MDX-1105(国際公開第2007/005874号に記載、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)、並びに、MEDI4736(国際公開第2011/066389号及び米国特許出願公開第2013/034559号に記載、それぞれの全体が参照として本明細書に組み込まれる)が挙げられる。別の有用な免疫療法薬は、AMP-224である(国際公開第2010/027827号及び同第2011/066342号に記載、それぞれの全体が本明細書に組み込まれている)。
化合物
本明細書にて開示された化合物は、式(I)の3-カルボニルアミノイソキノリン化合物、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体である。これらの化合物は、HPK1の阻害剤として有用である。
一態様において、式(I)
Figure 0007482118000001
式中、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-4シクロアルキル、-O(C1-6アルキル)、又は-O(C1-6ハロアルキル)であり、
15は、-OR16、-SR16、-NR1718、又はDであり、
各R16は、独立してC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、又は3~14員のヘテロシクリルであり、R16のC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ独立して、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
17は、水素又はC1-6アルキルであり、
18は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリル;R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;若しくはR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されたC1-6アルキルであるか、
又は、R17及びR18は、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
Dは、
Figure 0007482118000002
であり、式中、波線は親構造への結合点を表し、
30、R31、R32、R33及びR34は、独立して水素又はR10であり、任意にR30、R31、R32、R33及びR34のうちの2つは、それらが結合する炭素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-8シクロアルキル又はR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~10員のヘテロシクリルを形成し、但し、R30、R31、R32、R33及びR34のうちの少なくとも1つは水素以外であり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~14員のヘテロシクリル、又は-ORであり、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
は、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換された5~14員のヘテロアリールであり、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール、3~14員のヘテロシクリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR8a8b、-OR、-OC(O)R、-OC(O)NR8a8b、-SR、-S(O)R、-S(O)、-S(O)NR8a8b、-P(O)R9a9b、-NR8a8b、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)NR8a8b、-N(R)S(O)、又は-N(R)S(O)NR8a8bであり、RのC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換され、
各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、RのC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
各Rは、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
各R8a及びR8bは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、若しくは3~12員のヘテロシクリルであり、R8a及びR8bのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換されるか、
又は、R8a及びR8bは、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
各Rは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
各R9a及びR9bは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、R9a及びR9bのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換されるか、
又は、R9a及びR9bは、それらが結合するリン原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
各R10は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OR、-OC(O)R、-OC(O)NR、-SR、-S(O)R、-S(O)、-S(O)(=NH)R、-S(O)NR、-NR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)NR、-N(R)S(O)、-N(R)S(O)NR、又は-P(O)Rであり、R10のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~14員のヘテロシクリルは、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、RのC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各R及びRは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、若しくは3~12員のヘテロシクリルであり、R及びRのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
各Rは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rは、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
各R及びRは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、R及びRのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
又は、R及びRは、それらが結合するリン原子と共に、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
各R11は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~8員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)Ra1、-C(O)ORb1、-C(O)NRc1d1、-ORb1、-OC(O)Ra1、-OC(O)NRc1d1、-SRb1、-S(O)Re1、-S(O)e1、-S(O)NRc1d1、-NRc1d1、-N(Rf1)C(O)Ra1、-N(Rf1)C(O)ORb1、-N(Rf1)C(O)NRc1d1、-N(Rf1)S(O)e1、-N(Rf1)S(O)NRc1d1、又は-P(O)Rg1h1であり、R11のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Ra1は、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、Ra1のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rb1は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、Rb1のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rc1及びRd1は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、若しくは3~8員のヘテロシクリルであり、Rc1及びRd1のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
又は、Rc1及びRd1は、それらが結合する窒素原子と共に、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~8員のヘテロシクリルを形成し、
各Re1は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、Re1のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rf1は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
各Rg1及びRh1は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~8員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、Rg1及びRh1のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
又は、Rg1及びRh1は、それらが結合するリン原子と共に、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~8員のヘテロシクリルを形成し、
各R12は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、3~6員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)Ra2、-C(O)ORb2、-C(O)NRc2d2、-ORb2、-OC(O)Ra2、-OC(O)NRc2d2、-S(O)e2、-S(O)NRc2d2、-NRc2d2、-N(Rf2)C(O)Ra2、-N(Rf2)C(O)ORb2、-N(Rf2)C(O)NRc2d2、-N(Rf2)S(O)e2、-N(Rf2)S(O)NRc2d2、又は-P(O)Rg2h2であり、R12のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Ra2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、又は3~6員のヘテロシクリルであり、Ra2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rb2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は3~6員のヘテロシクリルであり、Rb2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rc2及びRd2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、若しくは3~8員のヘテロシクリルであり、Rc2及びRd2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
又は、Rc2及びRd2は、それらが結合する窒素原子と共に、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~6員のヘテロシクリルを形成し、
各Re2は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、又は3~6員のヘテロシクリルであり、Re2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
各Rf2は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
各Rg2及びRh2は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、Rg2及びRh2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
又は、Rg2及びRh2は、それらが結合するリン原子と共に、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~6員のヘテロシクリルを形成し、かつ
各R13は、独立してオキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、-O(C1-6アルキル)、シアノ、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルである、
の化合物、又は、その塩(例えば薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば水和物)、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物は、表1Xの化合物及びその塩以外である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物などの本明細書の化合物は、表1Xにおける化合物番号1x~24xの1つ又は複数から選択される化合物以外である。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物などの本明細書の化合物は、表1Xにおける化合物番号25x~161xの1つ又は複数からから選択される化合物以外である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物、及び、本明細書で詳述する化合物を用いる方法は、表1Xに列挙するもの及びその塩を含む、式(I)の化合物のいずれかを包含する。
Figure 0007482118000003
Figure 0007482118000004
Figure 0007482118000005
Figure 0007482118000006
Figure 0007482118000007
Figure 0007482118000008
Figure 0007482118000009
Figure 0007482118000010
Figure 0007482118000011
Figure 0007482118000012
いくつかの実施形態において、化合物は、R15が-OR16、-SR16、-NR1718、又はDである式(I)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、代謝産物若しくは誘導体である。
いくつかの実施形態において、R15は-OR16又は-SR16であり、各R16は、独立してC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、又は3~14員のヘテロシクリルであり、R16のC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ独立して、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換される。これらの実施形態のいくつかにおいて、R15は-OR16である。これらの実施形態のいくつかにおいて、R15は-SR16である。
一態様において、式(IA)
Figure 0007482118000013
式中、
16は、C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、又は3~14員のヘテロシクリルであり、R16のC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ独立して、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、かつ
、R、R、R及びR10は、式(I)、又は本明細書で詳述する変形について定義されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物は式(IA)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、但し、化合物は、表1Xにおける化合物番号1x、25x及び161x、並びにその塩以外である。いくつかの実施形態において、化合物は式(IA)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、但し、化合物は、表1Xにおける化合物番号1x、及びその塩以外である。いくつかの実施形態において、化合物は式(IA)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、但し、化合物は、表1Xにおける化合物番号25x及び161x並びにその塩以外である。いくつかの実施形態において、R16はtert-ブチル及びメチル以外である。いくつかの実施形態において、R16はtert-ブチル以外である。いくつかの実施形態において、R16は、メチル以外である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)若しくは(IA)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、代謝産物若しくは誘導体であり、R16は、独立して、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキル;R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;又はR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、R16は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されたC1-6アルキル;R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;又はR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態において、R16は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリルである。これらの実施形態のいくつかにおいて、R16は、N、O及びSからなる群から独立して選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつR10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された4~10員のヘテロシクリルである。これらの実施形態のいくつかにおいて、R16は、N、O及びSからなる群から独立して選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつR10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された4~7員の単環式ヘテロシクリルである。これらの実施形態のいくつかにおいて、R16は、N、O及びSからなる群から独立して選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつR10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された6~10員の二環式ヘテロシクリルである。
いくつかの実施形態において、R16は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、R16は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換されたC3-8シクロアルキルである。
いくつかの実施形態において、R16は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキルである。これらの実施形態のいくつかにおいて、R16は、C1-6アルキル又はC1-6ハロアルキルである。これらの実施形態のいくつかにおいて、R16は、C1-6アルキル(例えば、ネオペンチル)である。これらの実施形態のいくつかにおいて、R16は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で置換されたC1-6アルキルである。一変形において、R16は、C1-6ハロアルキル(例えば、2,2,2-トリフルオロエチル)である。
これらの実施形態のいくつかにおいて、R16は-(C1-6アルキレン)-R19であり、R19は、C3-10シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール、3~14員のヘテロシクリル、シアノ、-OR、-NR8a8b、又は-S(O)であり、R19のC3-10シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ独立して、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換される。一変形において、R19は、R10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された5若しくは6員のヘテロアリール;又はR10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された3~10員のヘテロシクリルである。一変形において、R19は、R10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;又はR10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換されたフェニルである。別の変形において、R19はシアノ、-OR、-NR8a8b、又は-S(O)である。別の変形において、R19は-OCH、-NH、又は-S(O)CHである。
これらの実施形態のいくつかでは、R16は、
Figure 0007482118000014
Figure 0007482118000015
からなる群から選択され、波線は親構造への結合点を表す。
いくつかの実施形態において、R15は-NR1718であり、R17は水素又はC1-6アルキルであり、R18は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリル;R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;若しくはR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されたC1-6アルキルであり;又はR17及びR18は、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成する。
一態様において、式(IB)
Figure 0007482118000016
式中、
17は、水素又はC1-6アルキルであり、
18は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリル;R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;若しくはR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されたC1-6アルキルでいるか、
又は、R17及びR18は、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、かつ
、R、R、R及びR10は、式(I)、又は本明細書で詳述する変形について定義されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物は式(IB)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、但し、化合物は、表1Xにおける化合物番号2x~14x及び25x~160x並びにその塩以外である。いくつかの実施形態において、化合物は式(IB)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、但し、化合物は、表1Xにおける化合物番号2x~14x及びその塩以外である。いくつかの実施形態において、化合物は式(IB)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、但し、化合物は、表1Xにおける化合物番号25x~160x及びその塩以外である。いくつかの実施形態において、R17は水素又はC1-6アルキルであり、かつR18は、任意に置換されたピペリジニル及び任意に置換されたピペラジニル以外である。いくつかの実施形態において、R17は水素又はC1-6アルキルであり、かつR18は、任意に置換されたピペリジニル(例えば、1-アルキルピペリジン-4-イル)以外である。いくつかの実施形態において、Rは、任意に置換された5~6員の単環式ヘテロアリール(heteoaryl)以外である。
いくつかの実施形態において、化合物は、R17が水素又はC1-6アルキルである式(I)若しくは(IB)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、代謝産物若しくは誘導体である。これらの実施形態のいくつかにおいて、R17は水素である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)若しくは(IB)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、代謝産物若しくは誘導体であり、R18は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリル;R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;又はR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されたC1-6アルキルである。
一変形において、R18は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリルである。これらの実施形態のいくつかでは、R18は、
Figure 0007482118000017
からなる群から選択され、波線は親構造への結合点を表す。
いくつかの実施形態において、R18は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、R18は、
Figure 0007482118000018
からなる群から選択され、波線は親構造への結合点を表す。
いくつかの実施形態において、R18はC1-6ハロアルキル又は-(C1-6 アルキレン)-R19であり、R193-10シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール、3~14員のヘテロシクリル、シアノ、-OR、-NR8a8b、又は-S(O)であり、R19のC3-10シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ独立して、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換される。これらの実施形態のいくつかにおいて、R19は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、R19は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキルである。一変形において、R19は、任意に置換されたピラゾリル(例えば、1-メチルピラゾール-4-イル)、シクロプロピル、又はシアノである。
いくつかの実施形態において、R18は、
Figure 0007482118000019
からなる群から選択され、波線は親構造への結合点を表す。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)若しくは(IB)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、代謝産物若しくは誘導体であり、R17及びR18は、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成する。一変形において、4~12員のヘテロシクリルはピペラジニルを除外する。一変形において、4~12員のヘテロシクリルは4-メチルピペラジン-1-イル及び1-オキソテトラヒドロ-ピロロ[1,2-c]イミダゾール-2-イルを除外する。
いくつかの実施形態において、R15はDである。
一態様において、式(IC)
Figure 0007482118000020
式中、
Dは、
Figure 0007482118000021
であり、式中、波線は親構造への結合点を表し、
30、R31、R32、R33及びR34は、独立して水素又はR10であり、任意にR30、R31、R32、R33及びR34のうちの2つは、それらが結合する炭素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-8シクロアルキル又はR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~10員のヘテロシクリルを形成し、但し、R30、R31、R32、R33及びR34のうちの少なくとも1つは水素以外であり、
、R、R、R及びR10は、式(I)、又は本明細書で詳述する変形について定義されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(IC)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、但し、化合物は、表1Xにおける化合物番号15x~24x及びその塩以外である。いくつかの実施形態において、Dは1-フルオロシクロプロピル、2-フェニルシクロプロピル及び2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルを除外する。いくつかの実施形態において、R30はフルオロ以外である。いくつかの実施形態において、R30、R31、R32、R33及びR34のうちの少なくとも1つは、R11から独立して選択される1、2、3又は4個の置換基で任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。
いくつかの実施形態において、化合物は、R30が水素である式(I)若しくは(IC)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)、溶媒和物(例えば、水和物)、プロドラッグ、代謝産物若しくは誘導体である。いくつかの実施形態において、R31は、R11から独立して選択される1、2、3又は4個の置換基で任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。これらの実施形態のいくつかにおいて、R31は、R11から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された5又は6員のヘテロアリールである。一変形において、R31は1-メチルピラゾール-4-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、イミダゾール-4-イル又はイミダゾール-5-イルである。いくつかの実施形態において、R32、R33及びR34は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、シアノメチル、及びジメチルアミノメチルからなる群から独立して選択される。いくつかの実施形態において、各R32、R33及びR34は水素である。
いくつかの実施形態において、Dは、
Figure 0007482118000022
である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)、若しくは式(IA)、(IB)及び(IC)などのその変形の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、Rは、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された5~14員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された5~10員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された5又は6員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された5員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された6員のヘテロアリールである。
いくつかの実施形態において、Rは、
Figure 0007482118000023
であり、
波線は親構造への結合点を表し、
4a、R4b、及びR4cは、それぞれ独立して水素又はR10であるか、又は、2つのビシナルなR4(a-c)は、それらが結合する原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5若しくは6員のヘテロアリール、若しくは、R10から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5若しくは6員のヘテロシクリルを形成する。
いくつかの実施形態において、Rは、
Figure 0007482118000024
であり、
波線は親構造への結合点を表し、R4a、R4b及びR4cは、それぞれ独立して水素若しくはR10であるか、又は2つのビシナルなR4(a-c)は、それらが結合する原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5~10員のヘテロシクリル若しくはR10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合C5-8シクロアルキルを形成する。
これらの実施形態のいくつかでは、Rは、
Figure 0007482118000025
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Rは、
Figure 0007482118000026
であり、
4aはハロゲン、C1-6アルキル又はC3-6シクロアルキルであり;かつR4b及びR4cは、それらが結合する原子と共に、C1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5~10員のヘテロシクリル、又はC1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合C5-8シクロアルキルを形成する。
これらの実施形態のいくつかでは、Rは、
Figure 0007482118000027
からなる群から選択される。
これらの実施形態のいくつかでは、Rは、
Figure 0007482118000028
からなる群から選択される。
これらの実施形態のいくつかでは、Rは、
Figure 0007482118000029
からなる群から選択される。
式(I)、又は式(IA)、(IB)若しくは(IC)などのその変形について記載されるR15の各及びあらゆる変形は、各及びあらゆる組み合わせが具体的かつ個々に記載されたのと同様に、式(I)、(IA)、(IB)又は(IC)について記載されるRの各及びあらゆる変形と組み合わせられてよいことが意図及び理解される。例えば、いくつかの実施形態において、R15は(a)、(b)又は(c)である:
(a)-OR16[式中、R16は(i)、(ii)、(iii)、(iv)若しくは(v):
(i)N、O及びSからなる群から独立して選択される1若しくは2個のヘテロ原子を有し、かつR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された4~10員のヘテロシクリル、
(ii)R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル、
(iii)ネオペンチル、
(iv)C1-6ハロアルキル、若しくは
(v)-(C1-6アルキレン)-R19[式中、R19は、R10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された5若しくは6員のヘテロアリール;R10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された3~10員のヘテロシクリル;R10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;R10から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換されたフェニル;シアノ、-OR、-NR8a8b、若しくは-S(O)である]である]、
(b)-NR1718[式中、R17は水素であり、かつR18は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリル、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;C1-6ハロアルキル、若しくは-(C1-6 アルキレン)-R19[式中、R19は任意に置換されたピラゾリル(例えば、1-メチルピラゾール-4-イル)、シクロプロピル、又はシアノである]である]、又は
(c)
Figure 0007482118000030
であり、かつ
は、
Figure 0007482118000031
からなる群から選択される。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、
Figure 0007482118000032
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)、若しくは式(IA)、(IB)及び(IC)などのその変形の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、Rは水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-4シクロアルキル、-O(C1-6アルキル)、又は-O(C1-6ハロアルキル)である。いくつかの実施形態において、Rは水素、フルオロ、クロロ、C3-4シクロアルキル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-O(C1-6アルキル)又は-O(C1-6ハロアルキル)である。いくつかの実施形態において、Rは水素又はハロゲンである。一変形において、Rは水素、フルオロ、クロロ、又はC1-6アルキル(例えばメチル)である。別の変形において、Rは水素、フルオロ、又はメチルである。別の変形において、Rは水素又はフルオロである。別の変形において、Rは水素である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)のもの、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などの、それらの変形、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)であり、式中、Rは水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~14員のヘテロシクリル、又は-ORであり、式中、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Rは水素、フルオロ、クロロ、シアノ、ヒドロキシル、C3-4シクロアルキル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-O(C1-6アルキル)、又は-O(C1-6ハロアルキル)である。一変形において、Rは水素、フルオロ、シアノ、又はC1-6アルキル(例えばメチル)である。別の変形において、Rは水素又はフルオロである。別の変形において、Rは水素である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)、若しくは式(IA)、(IB)及び(IC)などのその変形の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)であり、Rは水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール、3~14員のヘテロシクリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR8a8b、-OR、-OC(O)R、-OC(O)NR8a8b、-SR、-S(O)R、-S(O)、-S(O)NR8a8b、-P(O)R9a9b、-NR8a8b、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)NR8a8b、-N(R)S(O)、又は-N(R)S(O)NR8a8bであり、RのC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Rは水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~14員のヘテロシクリル、-OR、-NR8a8b、又は-N(R)C(O)Rであり、式中、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換される。いくつかの実施形態において、Rは水素、フルオロ、クロロ、シアノ、ヒドロキシル、C3-4シクロアルキルC1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、-O(C1-6アルキル)、又は-O(C1-6ハロアルキル)である。一変形において、Rは水素、フルオロ、シアノ、又はC1-6アルキルである。別の変形において、Rは水素、フルオロ、又はクロロである。別の変形において、Rは水素である。別の変形において、Rはフルオロである。
式(I)、(IA)、(IB)、又は(IC)で記載するR、R、及びRのあらゆる変形を組み合わせることができるということが意図され、理解され、あたかも、あらゆる組み合わせが具体的かつ個別に記載されるようにも意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態において、Rは水素又はハロゲンであり、Rは水素であり、かつRは水素、フルオロ、又はクロロである。一変形において、Rは水素又はクロロであり、Rは水素であり、かつRはフルオロである。
式(I)に対して記載されているR15及びRの各及びあらゆる変形又はこれらの組み合わせは、各及びあらゆる組み合わせが具体的に及び個別的に記載されているのと同様に、式(I)、又は式(IA)、(IB)若しくは(IC)に対して記載されたR、R及びRの各及びあらゆる変形と組み合わせられてもよいことが更に意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態において、Rは水素又はクロロであり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、かつRは、式(I)、又は式(IA)、(IB)及び(IC)などのその変形について本明細書に詳述されるとおりである。式(I)の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)のいくつかの実施形態において、Rは水素又はクロロであり、Rは、上記に詳述される(a)、(b)又は(c)であり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、かつRは、
Figure 0007482118000033
からなる群から選択される。これらの実施形態のいくつかにおいて、Rは、
Figure 0007482118000034
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、化合物は、式(I)のもの、又は、適用可能な場合、式(IA)、(IB)、及び(IC)などの、それらの変形、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)であり、各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、RのC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rは、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rは、C1-6アルキル(例えばメチル)である。一変形において、Rは、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された3~12員のヘテロシクリルである。
式(I)の化合物、又は、適用可能な場合、式(IA)、(IB)、及び(IC)などの、それらの変形、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)のいくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rは水素、R10で任意に置換されたC1-6アルキルである。一変形において、RはC1-6アルキルである。一変形において、Rは3~12員のヘテロシクリルである。
式(I)のもの、又は、適用可能な場合、式(IA)、(IB)、及び(IC)などの、それらの変形、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、独立して水素又はC1-6アルキルであり;各R8a及びR8bは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、R8a及びR8bのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換されるか、又は、R8a及びR8bは、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成する。一変形において、Rは水素又はC1-6アルキル(例えばメチル)である。一変形において、各R8a及びR8bは、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、各R8a及びR8bは水素である。一変形において、R8a及びR8bは、それらが結合する窒素原子と共にR10で任意に置換された5~7員のヘテロシクリルを形成する。
式(I)の化合物、又は、適用可能な場合、式(IA)、(IB)、及び(IC)など、それらの変形、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)のいくつかの実施形態において、各Rは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rは、R10で任意に置換されたC1-6アルキル、又はR10で任意に置換されたC6-10アリールである。一変形において、Rは水素又はC1-6アルキル(例えばメチル)である。
式(I)の化合物、又は、適用可能な場合、式(IA)、(IB)、及び(IC)など、それらの変形、又はその塩(例えば薬学的に許容され得る塩)のいくつかの実施形態において、各R10は、独立してC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OR、-OC(O)R、-OC(O)NR、-SR、-S(O)R、-S(O)、-S(O)(=NH)R、-S(O)NR、-NR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)NR、-N(R)S(O)、又は-N(R)S(O)NRであり、式中、R10のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。
一変形において、R10は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)R、-C(O)NR、-OR、-S(O)、-S(O)NR、-NRであり、R10のC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3又は4個の置換基で任意に置換される。
一変形において、R10は、独立して、オキソ;R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキル;R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された5~10員のヘテロアリール;ハロゲン、-OR、-S(O)(=NH)R、-NR、-N(R)C(O)R、又は-N(R)S(O)NRである。
一変形において、R10は、独立して、オキソ、ハロゲン、シアノ、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキル、又は-ORである。
一変形において、R10は、独立して-NR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)NR、-N(R)S(O)、又は-N(R)S(O)NRである。
一変形において、R10は、独立してオキソ、-OR、-OC(O)R、-OC(O)NR、-SR、-S(O)R、-S(O)、-S(O)(=NH)R、又は-S(O)NRである。
一変形において、R10は、独立してC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NRであり、式中、R10のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。
一変形において、各R10は、独立して、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換された、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニルである。
一変形において、R10は、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキルである。一変形において、R10は、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換された3~12員のヘテロシクリルである。
一変形において、R10はハロゲン、シアノ、-NR、-C(O)NR、-OR、-S(O)、C1-6ハロアルキル、-(C1-6アルキレン)-OH、又は-(C1-6アルキレン)-OHである。
一変形において、R10はヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、-CHF、-CF、-NH、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)、-O(C1-6アルキル)、-SO(C1-6アルキル)、-S(O)NR、-C(O)NR、又は-N(R)C(O)Rである。
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、RのC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rは、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、Rは水素である。一変形において、RはC1-6アルキル(例えばメチル)である。
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rは、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、Rは水素である。一変形において、RはC1-6アルキル(例えばメチル)である。
いくつかの実施形態において、各R及びRは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり[式中、R及びRのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される];又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成する。一変形において、各R及びRは、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、R及びRの1つは水素であり、かつR及びRの他の1つはC1-6アルキルである。一変形において、各R及びRは水素である。一変形において、各R及びRは、独立してC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態において、各Rは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、式中、RのC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rは、独立してC1-6アルキル(例えばメチル)である。
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、Rは水素である。
いくつかの実施形態において、各R11は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~8員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)Ra1、-C(O)ORb1、-C(O)NRc1d1、-ORb1、-OC(O)Ra1、-OC(O)NRc1d1、-SRb1、-S(O)Re1、-S(O)e1、-S(O)NRc1d1、-NRc1d1、-N(Rf1)C(O)Ra1、-N(Rf1)C(O)ORb1、-N(Rf1)C(O)NRc1d1、-N(Rf1)S(O)e1、又は-N(Rf1)S(O)NRc1d1であり、式中、R11のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アルキル、5~14員のヘテロアリール、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。
一変形において、各R11は、独立して、オキソ、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキル、又は-ORb1である。
一変形において、各R11は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、又は-ORb1であり、式中、R11のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。
一変形において、R11は、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキルである。一変形において、R11は、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換された3~8員のヘテロシクリルである。
一変形において、R11はハロゲン、シアノ、-NRc1d1、-C(O)NRc1d1、-ORb1、-S(O)e1、C1-6ハロアルキル、-(C1-6アルキレン)-OH、又は-(C1-6アルキレン)-OHである。
一変形において、R11はヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、-CHF、-CF、-NH、-NH(C1-6アルキル)、-N(C1-6アルキル)、-O(C1-6アルキル)、-SO(C1-6アルキル)、-S(O)NRc1d1、-C(O)NRc1d1、又は-N(Rf1)C(O)Ra1である。
一変形において、R11はハロゲン、シアノ、-O(C1-6アルキル)、-O(C1-6アルキレン)-NH、又は-(C1-6アルキレン)-OHである。
いくつかの実施形態において、各Ra1は、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、式中、Ra1のC1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Ra1は、独立して水素又はC1-6アルキル(例えばメチル)である。
いくつかの実施形態において、各Rb1は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、式中、Rb1のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rb1は、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、Rb1は水素である。一変形において、Rb1はC1-6アルキル(例えばメチル)である。
いくつかの実施形態において、各Rc1及びRd1は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、式中、Rc1及びRd1のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換されるか、又は、Rc1及びRd1は、それらが結合する窒素原子と共に、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換された4~8員のヘテロシクリルを形成する。一変形において、各Rc1及びRd1は、独立して水素又はC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態において、各Re1は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、式中、Re1のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Re1は、独立してC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態において、各Rf1は、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、Rf1は水素である。
いくつかの実施形態において、各R12は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、3~6員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)Ra2、-C(O)ORb2、-C(O)NRc2d2、-ORb2、-OC(O)Ra2、-OC(O)NRc2d2、-S(O)e2、-S(O)NRc2d2、-NRc2d2、-N(Rf2)C(O)Ra2、-N(Rf2)C(O)ORb2、-N(Rf2)C(O)NRc2d2、-N(Rf2)S(O)e2、又は-N(Rf2)S(O)NRc2d2、であり、式中、R12のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される];
一変形において、各R12は、独立して、オキソ、ハロゲン、シアノ、-ORb2、又は、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキルである。一変形において、各R12は、独立してオキソ、ハロゲン、シアノ、又はヒドロキシルである。
一変形において、R12は、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換されたC1-6アルキルである。
一変形において、R12はオキソ、ヒドロキシル、C1-6アルキル、又は-O(C1-6アルキル)である。
いくつかの実施形態において、各Ra2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、又は3~6員のヘテロシクリルであり、式中、Ra2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Ra2は、独立して水素又はC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態において、各Rb2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は3~6員のヘテロシクリルであり、式中、Rb2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Rb2は水素である。
いくつかの実施形態において、各Rc2及びRd2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は3~8員のヘテロシクリルであり、式中、Rc2及びRd2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換されるか、又は、Rc2及びRd2は、それらが結合する窒素原子と共に、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換された4~6員のヘテロシクリルを形成する。一変形において、各Rc2及びRd2は、独立して水素又はC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態において、各Re2は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、又は3~6員のヘテロシクリルであり、式中、Re2のC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換される。一変形において、Re2は、独立してC1-6アルキルである。
いくつかの実施形態において、各Rf2は、独立して水素又はC1-6アルキルである。一変形において、Rf2は水素である。
いくつかの実施形態において、各R13は、独立してオキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、-O(C1-6アルキル)、シアノ、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルである。
一変形において、各R13は、独立してハロゲン、ヒドロキシル、-O(C1-6アルキル)、シアノ、又はC1-6アルキルである。
一変形において、R13はオキソ、ヒドロキシル、C1-6アルキル、又は-O(C1-6アルキル)である。
式(IA):
Figure 0007482118000035
式中、R、R、R、R及びR16は、式(I)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を更に提供する。
いくつかの実施形態において、式(IA-1):
Figure 0007482118000036
式中、R、R及びR16は、式(IA)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IA-2):
Figure 0007482118000037
式中、R4aはC1-6アルキルであり、R4b及びR4cは、独立して水素若しくはR10であるか、又はR4b及びR4cは、それらが結合する原子と共に、C1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5~10員のヘテロシクリル、又はC1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合C5-8シクロアルキルを形成し、かつR、R10及びR16は、式(IA)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。一変形において、R16は、N、O及びSからなる群から独立して選択される1又は2個のヘテロ原子を有し、かつR10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された5又は6員のヘテロシクリルであり、R4aはC1-6アルキル(例えば、メチル)であり、かつR4b及びR4cは、それらが結合する原子と共に、C1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3又は4個の置換基で任意に置換された縮合6員のヘテロシクリルを形成する。
式(IB):
Figure 0007482118000038
式中、R、R、R、R、R17及びR18は、式(I)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)も提供する。
いくつかの実施形態において、式(IB-1):
Figure 0007482118000039
式中、R、R、R、R及びR18は、式(IB)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IB-2):
Figure 0007482118000040
式中、R、R、R、R及びR18は、式(IB)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IB-3):
Figure 0007482118000041
式中、R4aはC1-6アルキルであり、R4b及びR4cは、独立して水素若しくはR10であるか、又はR4b及びR4cは、それらが結合する原子と共に、C1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5~10員のヘテロシクリル、又はC1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合C5-8シクロアルキルを形成し、かつR、R10及びR18は、式(IB)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。
式(IC):
Figure 0007482118000042
式中、R、R、R、R及びDは、式(I)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)も提供する。
いくつかの実施形態において、式(IC-1):
Figure 0007482118000043
式中、R4aはC1-6アルキルであり、R4b及びR4cは、独立して水素若しくはR10であるか、又はR4b及びR4cは、それらが結合する原子と共に、C1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5~10員のヘテロシクリル、又はC1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合C5-8シクロアルキルを形成し、かつR、R、R、R10、R30、R31、R32、R33及びR34は、式(IC)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IC-2):
Figure 0007482118000044
式中、R4aはC1-6アルキルであり、R4b及びR4cは、独立して水素若しくはR10であるか、又はR4b及びR4cは、それらが結合する原子と共に、C1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5~10員のヘテロシクリル、又はC1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合C5-8シクロアルキルを形成し、かつR、R10、R30、R31、R32、R33及びR34は、式(IC)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。
いくつかの実施形態において、式(IC-3):
Figure 0007482118000045
式中、R4aはC1-6アルキルであり、R4b及びR4cは、独立して水素若しくはR10であるか、又はR4b及びR4cは、それらが結合する原子と共に、C1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合5~10員のヘテロシクリル、又はC1-6アルキル、ヒドロキシル、ハロゲン及びシアノからなる群から独立して選択される1、2、3若しくは4個の置換基で任意に置換された縮合C5-8シクロアルキルを形成し、R30は、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換された5~14員のヘテロアリールであり、nは0、1、2、3又は4であり、各R31は、存在する場合、R10から独立して選択され、かつR、R10、R31及びR33は、式(IC)、又はその適用可能な変形について本明細書に詳述されるとおりである、
の化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。
代表的な化合物を表1に列挙する。個々のエナチオマー及びジアステレオマーは、化合物番号及び化合物名によって下の表に含まれており、それらの対応する構造は、それらから容易に決定することができることが理解される。場合によっては、エナンチオマー及びジアステレオマーは、それぞれの性質、例えば、キラルHPLCでの保持時間、又は生物活性により識別され、キラル中心の絶対立体構成は任意に割り当てられる。
Figure 0007482118000046
Figure 0007482118000047
Figure 0007482118000048
Figure 0007482118000049
Figure 0007482118000050
Figure 0007482118000051
Figure 0007482118000052
Figure 0007482118000053
Figure 0007482118000054
Figure 0007482118000055
Figure 0007482118000056
Figure 0007482118000057
Figure 0007482118000058
Figure 0007482118000059
Figure 0007482118000060
いくつかの実施形態において、表1の化合物番号101~142、201~207及び301-302から選択される化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。いくつかの実施形態において、化合物は表1の化合物番号101、102、103、104、105、106、106a、106b、107、107a、107b、108、108a、108b、109、109a、109b、110、110a、110b、111、112、113、114、114a、114b、115、116、116a、116b、117、118、119、120、121、122、122a、122b、123、123a、123b、124、125、126、126a、126b、127、127a、127b、128、128a、128b、129、129、130、131、132、133、134、134a、134b、135、135a、135b、136、136a、136b、137、138、139、140、141、142、201、201a、201b、202、203、203a、203b、204、205、206、206a、206b、207、301、301a、301b、301c、301d、302、302a及び302b、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)から選択される。
いくつかの実施形態において、表1の化合物番号101~142から選択される化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。いくつかの実施形態において、化合物は表1の化合物番号101、102、103、104、105、106、106a、106b、107、107a、107b、108、108a、108b、109、109a、109b、110、110a、110b、111、112、113、114、114a、114b、115、116、116a、116b、117、118、119、120、121、122、122a、122b、123、123a、123b、124、125、126、126a、126b、127、127a、127b、128、128a、128b、129、129、130、131、132、133、134、134a、134b、135、135a、135b、136、136a、136b、137、138、139、140、141及び142、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)から選択される。
いくつかの態様において、表1中の化合物番号201~207から選択される化合物又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)が提供される。いくつかの実施形態において、化合物は表1の化合物番号201、201a、201b、202、203、203a、203b、204、205、206、206a、206b及び207、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)から選択される。
いくつかの実施形態において、表1の化合物番号301~302から選択される化合物、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)を提供する。いくつかの実施形態において、化合物は表1の化合物番号301、301a、301b、301c、301d、302、302a及び302b、又はその塩(例えば、薬学的に許容され得る塩)から選択される。
本明細書に記載する式(I)の化合物又はその塩は、立体異性体で存在することができる(例えば、1つ以上の不斉炭素原子を含有する)。個別の立体異性体(エナンチオマー及びジアステレオマー)、並びにこれらの混合物は、本明細書にて開示する主題の範囲に含まれる。同様に、式(I)の化合物又は塩は、その式で示すもの以外の互変異性形態で存在することができ、これらもまた、本明細書にて開示する主題の範囲に含まれると理解されている。本明細書にて開示する主題は、本明細書で記載する具体的な基の組み合わせ及び部分集合を含むものと理解されるべきである。本明細書にて開示する主題の範囲は、立体異性体の混合物、及び、精製したエナンチオマー、又はエナンチオ的/ジアステレオ的に濃縮した混合物を含む。本明細書にて開示する主題は、本明細書で定義する具体的な基の組み合わせ及び部分集合を含むものと理解されるべきである。
本明細書にて開示する主題は、1つ以上の原子が、通常自然にて見いだされる原子質量又は質量数とは異なる、原子質量又は質量数を有する原子により置き換えられているという事実に関して、本明細書で記載する化合物の、同位体で標識した形態もまた含む。本明細書に記載する化合物、及びその薬学的に許容され得る塩に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、及び塩素の同位体、例えばH、H、11C、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iが挙げられる。
本明細書にて開示する主題は、式(I)の化合物のプロドラッグ、代謝産物、誘導体、及び薬学的に許容され得る塩を含む。式(I)の化合物の代謝産物としては、式(I)の化合物を、その代謝生成物を得るのに十分な時間、哺乳類に接触させることを含むプロセスにより作製される化合物が挙げられる。
式(I)の化合物が塩基である場合、所望の製薬上許容できる塩を、当該技術分野において利用可能な任意の好適な方法、例えば、遊離塩基を無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸など)、又は、有機酸(例えば酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(例えばグルクロン酸若しくはガラクツロン酸)、αヒドロキシ酸(例えばクエン酸若しくは酒石酸)、アミノ酸(例えばアスパラギン酸若しくはグルタミン酸)、芳香族酸(例えば安息香酸若しくはケイ皮酸)、スルホン酸(例えばp-トルエンスルホン酸若しくはエタンスルホン酸)など)で処理することによって、調製してよい。
式(I)の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容され得る塩は、任意の好適な方法、例えば、遊離酸を無機又は有機塩基、例えばアミン(第一級、第二級若しくは第三級)、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物などで処理することにより調製してよい。好適な塩の実例としては、アミノ酸(グリシン及びアルギニンなど)、アンモニア、第一級、第二級、及び第三級アミン、並びに環状アミン(ピペリジン、モルホリン及びピペラジンなど)に由来する有機塩、並びに、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム及びリチウムに由来する無機塩が挙げられるが、これらに限定されない。
式(I)の化合物は「プロドラッグ」の形態であることができ、これは、インビボで代謝されることが可能な部分を有する化合物を含む。一般に、プロドラッグは、エステラーゼにより、又は、活性薬剤に対する他のメカニズムにより、インビボで代謝される。プロドラッグの例、及びそれらの使用は当該技術分野において周知である(例えば、Berge et al.(1977)’’Pharmaceutical Salts’’,J.Pharm.Sci.66:1-19を参照のこと)。プロドラッグは、化合物の最終単離及び精製の間に、又は、精製した化合物をその遊離酸形態又はヒドロキシルで、好適なエステル化剤と個別に反応させることにより、in situで調製することができる。ヒドロキシル基は、カルボン酸で処理することによりエステルに変換することができる。プロドラッグ部分の例としては、置換及び非置換の、分岐又は非分岐低級アルキルエステル部分(例えばプロピオン酸エステル)、低級アルケニルエステル、ジ低級アルキルアミノ低級アルキルエステル(例えばジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキルエステル(例えばアセチルオキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステル(例えばピバロキシオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル)、アリール低級アルキルエステル(例えばベンジルエステル)、置換(例えばメチル、ハロ、又はメトキシ置換基による)アリール及びアリール低級アルキルエステル、アミド、低級アルキルアミド、ジ低級アルキルアミド、並びにヒドロキシアミドが挙げられる。他のインビボメカニズムによって活性形態に転化されるプロドラッグもまた、含まれる。複数の態様において、本発明の化合物類は、本明細書の式のいずれかを有するプロドラッグである。
式(I)の化合物は、本明細書に記載されるような一般的な合成方法、及び実施例において記載される手順の他に、当該技術分野において公知の方法により調製することができる。
一般的な合成方法
式(I)の化合物は、実施例における手順、並びに一般的に、スキーム1、2及び3(式中、R基は式(I)に記載したとおりであるか、又はその前駆体である)により調製することができる。
Figure 0007482118000061
スキーム1は、転じて式1(式中、Xはハロゲン(例えば、Cl、Br、又はI)である)の化合物から調製可能な式2の化合物から、式(I)の化合物を調製するための一般的な合成スキームを示し、式中、R、R、R、R及びR15は、本明細書で詳述するとおりである。Rの導入は、溶媒(例えば1,4-ジオキサンと水、又はアセトニトリルと水)中の塩基(例えば炭酸ナトリウム又は酢酸カリウム)の存在下において、パラジウム系触媒(例えばPd(dppf)Cl又は(PhP)Pd)を使用して、式1の化合物を、式R-B(OR)[式中、RはH、任意に置換されたC1-6アルキルであるか、又は、2つのOR基は、それらが結合するホウ素原子と共に、環(例えばボロン酸ピナコール)を形成する]の、対応するボロン酸又はボロン酸ピナコールエステルと鈴木カップリングすることにより達成することができる。式2の化合物の3-アミノ基は、塩基(例えば、ピリジン)及び溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下で式R15-C(O)-X(式中、Xは、Cl、Br又はIなどの脱離基である)のアシル化剤を用いてアシル化されてもよい。カルバメート(R15は-OR16である)の場合、式R15-C(O)-Xの化合物は、式R16-OC(O)Clのクロロホルメートであってもよい。尿素(R15は-NR1718である)の場合、式2の化合物を塩基(例えば、ピリジン)及び溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下でカルボニル化剤(例えば、ホスゲン又はトリホスゲンなどの同等物)及び式HNR1718のアミンと反応させて式(I)の化合物を形成させる。シクロプロパンカルボキサミド(R15は置換されたシクロプロピル基である)の場合、式「R15-C(O)-X」のアシル化剤(又は同等物)は、置換されたシクロプロパンカルボニルハロゲン化物又は活性化剤により活性化された置換されたシクロプロパンカルボン酸であってもよい。
Figure 0007482118000062
代替的に、式2の化合物を、任意に置換されたフェニルクロロホルメートとの反応により式2a(R’はH又はニトロ、例えば、4-ニトロである)の対応するフェニルカルバメートに変換させ、次いでそれを塩基(例えば、ピリジン)及び溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下でアルコール(R16-OH)又はアミン(HNR1718)と反応させて式(I)(R15は、それぞれ-OR16又は-NR1718である)の化合物を形成させることができる。任意に、任意の活性の官能基は処理の間に保護され、保護基が除去されて式(I)の化合物が形成される。式1の化合物のR、R及びRのうちの1つ又は複数がハロゲンである場合、Xは鈴木カップリングのためにより反応性のハロゲンである。例えば、式1の化合物のRがClである場合、XはBr又はIである。
Figure 0007482118000063
式(I):
[式中、R、R、R、R及びR15は、本明細書で詳述するとおりである]の化合物、又はその塩の作製方法であって、式2:
Figure 0007482118000064
[式中、R、R、R及びRは、式(I)、任意にその保護形態で定義されるとおりである]の化合物、又はその塩を、式R15-C(O)-X[式中、XはCl、Br、又はIである]の化合物と塩基(例えば、ピリジン)及び溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下で反応させることを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、R15は-OR16であり、かつ式R15-C(O)-Xの化合物は式R16-OC(O)Clのクロロホルメートである。いくつかの実施形態において、R15は-NR1718であり、式2の化合物を塩基(例えば、ピリジン)及び溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下でカルボニル化剤(例えば、ホスゲン又はトリホスゲンなどの同等物)及び式HNR1718のアミンと反応させて式(I)の化合物を形成させる。いくつかの実施形態において、R15は置換されたシクロプロピル基(D)であり、式「R15-C(O)-X」のアシル化剤又は同等物は、置換されたシクロプロパンカルボニルハロゲン化物又は活性化剤により活性化された置換されたシクロプロパンカルボン酸である。
式(I):
Figure 0007482118000065
(式中、R、R、R及びRは、本明細書に詳述されているとおりであり、R15は-OR16又は-NR1718である)の化合物、又はその塩の作製方法であって、
(1)式2:
Figure 0007482118000066
(R、R、R及びRは、式(I)、任意にその保護形態について定義されるとおりである)の化合物、又はその塩を、式R’-phenyl-C(O)Clの任意に置換されたフェニルクロロホルメート(例えば、フェニルクロロホルメート又は4-ニトロフェニルクロロホルメート)と反応させて、式2a:
Figure 0007482118000067
(R’は、H又はニトロ(例えば、4-ニトロ)である)の化合物、又はその塩を形成させること、並びに
(2)式2aの化合物、又はその塩を、(a)塩基(例えば、ピリジン)及び溶媒(例えば、ジクロロメタン)の存在下で式R16-OHのアルコールと反応させて式(I)(R15は-OR16である)の化合物(若しくは式(IA)の化合物)を形成させること、又は(b)式HNR1718のアミンと反応させて式(I)(R15は-NR1718である)の化合物(若しくは式(IB)の化合物)を形成させること、
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態において、方法は、式1:
Figure 0007482118000068
[式中、R、R及びRは式(I)又は式2、任意にその保護形態で定義されるとおりである。]の化合物、又はその塩を、式R-B(OR)[式中、RはH、任意に置換されたC1-6アルキルであるか、又は2つのOR基は、それらが結合するホウ素原子と共に、環(例えばボロン酸ピナコール)を形成する]と、鈴木カップリング用触媒(例えば、Pd(dppf)Cl又は(PhP)Pd)、塩基(例えば炭酸ナトリウム又は酢酸カリウム)、及び溶媒(例えば1,4-ジオキサンと水、又はアセトニトリルと水)の存在下で反応させ、式2の化合物を形成することを更に含む。いくつかの実施形態において、鈴木カップリング反応は高温、例えば約100~120℃で実施される。
Figure 0007482118000069
スキーム2は、式(I)の化合物が式(IA)の化合物であり、R、R、R及びR16が式(IA)について本明細書に詳述されるとおりである、スキーム1におけるような一般的な合成方法の例を示す。Rの導入は、溶媒(例えば、1,4-ジオキサン及び水又はアセトニトリル及び水)中で塩基(例えば、炭酸ナトリウム又は酢酸カリウム)の存在下でパラジウムベースの触媒(例えば、Pd(dppf)Cl又は(PhP)Pd)を使用して対応するボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(R-B(OR))との鈴木カップリングを介して達成することができる。カルバメート基は、塩基(例えば、DIEA)の存在下での適切なR16クロロホルメートとのアミノイソキノリン2の反応を介して導入することができる。代替的に、イソキノリン2を対応するフェニルカルバメート2aに変換させ、続いて塩基の存在下でR16アルコールと反応させてカルバミン酸結合を形成させることができる。保護基の除去は、酸(例えば、TFA)を用いる処理により達成することができる。
Figure 0007482118000070
スキーム3は、式(I)の化合物が式(IB)の化合物であり、R、R、R、R17及びR18が式(IB)について本明細書に詳述されるとおりである、スキーム1におけるような一般的な合成方法の例を示す。Rの導入は、溶媒(例えば、1,4-ジオキサン及び水又はアセトニトリル及び水)中で塩基(例えば、炭酸ナトリウム又は酢酸カリウム)の存在下でパラジウムベースの触媒(例えば、Pd(dppf)Cl又は(PhP)Pd)を使用して対応するボロン酸又はボロン酸ピナコールエステル(R-B(OR))との鈴木カップリングを介して達成することができる。尿素官能性は、塩基(例えば、DIEA)の存在下でトリホスゲンを用いて予備活性化させた適切なアミンとのアミノイソキノリン2の反応を介して導入することができる。代替的に、イソキノリン2を対応するフェニルカルバメート2aに変換させ、続いて塩基の存在下でアミンとカップリングさせて尿素を形成させることができる。保護基の除去は、酸(例えば、TFA)を用いる処理により達成することができる。
上記のような式(I)、(IA)又は(IB)の化合物を作製するための記載される方法により製造される、本明細書に記載されるような式(I)、(IA)若しくは(IB)の化合物、又はその塩を更に提供する。
医薬組成物及び製剤
本明細書にて開示する化合物を、薬学的に許容され得る担体又は賦形剤と共に、医薬組成物に製剤化することができる。
式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形は、医薬組成物として標準的な薬務に従い製剤化することができる。本態様に従い、薬学的に許容され得る賦形剤、希釈剤、又は担体と会合した、式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形を含む医薬組成物を提供する。
典型的な製剤は、式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、並びに担体、希釈剤、又は賦形剤を混合することにより調製される。好適な担体、希釈剤、及び賦形剤は当業者に周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は水膨潤性ポリマー、親水性又は疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、並びに水などの材料を含む。使用する具体的な担体、希釈剤、又は賦形剤は、式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形が適用される手段及び目的に左右される。溶媒は、一般的に哺乳動物に投与するために、安全(GRAS)であると当業者によって認識される溶媒に基づいて選択される。一般に、安全な溶媒は、水及び水に可溶性又は混和性である他の非毒性溶媒などの非毒性水性溶媒である。好適な水性溶媒としては、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)等、及びそれらの混合物を含む。製剤はまた、薬剤(すなわち、式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその医薬組成物)の的確な提示を提供するか、又は医薬品(すなわち、医薬)の製造を補助するために、1つ以上の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、香味剤及び他の既知の添加剤も含み得る。
製剤は、従来の溶解及び混合手順を使用して調製されてもよい。例えば、バルクの薬剤物質(即ち、式(I)の化合物、若しくは式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は式(I)の化合物、若しくは式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形の安定化形態(例えば、シクロデキストリン誘導体又は他の既知の錯化剤で錯体化した))を、上記の賦形剤の1種以上の存在下にて、好適な溶媒に溶解する。式(I)化合物は、典型的には、容易に制御可能な薬物用量を提供し、所定のレジメンで患者コンプライアンスを可能にするように薬学的剤形に製剤化される。
適用のための医薬組成物(又は製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて多様な方法で包装されてもよい。一般的に、分配用物品は、医薬製剤をその中に適した形態で配置した容器を含む。好適な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチック及びガラス)、小袋、アンプル、プラスチックバッグ、金属シリンダー等の材料が挙げられる。容器はまた、パッケージの内容物への不用意なアクセスを防止するための不正開封防止アセンブリを含んでもよい。それに加えて、容器は、容器の内容物を説明するラベルをその上に配置している。ラベルはまた、適切な注意書き含んでいてもよい。
薬物製剤は、様々な投与経路及び種類のために調製することができる。例えば、所望の純度を有する式(I)の化合物を任意に、凍結乾燥製剤、粉砕粉末、又は水溶液の形態で、薬学的に許容され得る希釈剤、担体、賦形剤、又は安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)16th edition,Osol,A.Ed.)と混合してよい。製剤は、周囲温度で、適切なpHで、及び所望の度合いの純度で、生理学的に許容され得る賦形剤又は担体、すなわち、用いられる用量及び濃度においてレシピエントに対して非毒性である賦形剤又は担体と混合することによって行われてもよい。製剤のpHは、具体的な用途及び化合物の濃度に主に依存するが、約3~約8の範囲であってもよい。pH5における酢酸緩衝液中での製剤が、好適な実施形態である。
式(I)の化合物は滅菌されていてよい。特に、インビボ投与に用いるための製剤は、滅菌されていなければならない。このような滅菌は、滅菌濾過膜を通す濾過により容易に達成される。
化合物は、通常、固体組成物、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保管され得る。
式(I)の化合物を含む医薬組成物を、良好な医事に一致する形式、即ち、量、濃度、スケジュール、過程、ビヒクル、及び投与経路で製剤化、用量化、及び投与することができる。これに関連して考慮すべき要因としては、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医療従事者に既知である他の要因が挙げられる。投与される化合物の「治療有効量」は、このような考慮によって投与され、凝固因子が媒介する障害を予防、改善、又は治療するために必要な最小の量である。いくつかの実施形態において、量は、宿主に対して毒性である量、又は、宿主を出血に対してより感受性にする量を下回る。
許容され得る希釈剤、担体、賦形剤及び安定化剤は、レシピエントに対し、用いられる投与量及び濃度で非毒性であり、リン酸、クエン酸及び他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール;メチル又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジンなどのアミノ酸;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);並びに/又はTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)若しくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。活性医薬成分はまた、例えばコアセルベーション技法又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロース若しくはゼラチン-マイクロカプセル及びポリ-(メチルメタチレート)マイクロカプセル中に、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロ乳濁液、ナノ粒子、及びナノカプセル)中に、又はマクロ乳濁液中に取り込まれても良い。そのような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.,1980に開示されている。
式(I)の化合物の徐放性製剤を調製することができる。徐放性製剤の好適な例としては、式(I)の化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは、例えば、フィルム又はマイクロカプセルなどの成型物品の形態である。持続放出性マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(米国特許第3773919号)、L-グルタミン酸とγ-L-グルタミン酸エチルとのコポリマー、非分解性エチレン酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性の乳酸-グリコール酸コポリマー(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射用ミクロスフェア)、並びにポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
製剤は、本明細書に詳述される投与経路に適したものを含む。製剤は、都合良く、単位剤形で提示されてもよく、薬学分野において周知の方法のいずれかによって調製され得る。技術及び製剤は一般に、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)に見いだされる。そのような方法は、活性成分を、1つ以上の副成分を構成する賦形剤又は担体と会合させる工程を含む。一般に、製剤は、活性成分を液体賦形剤若しくは担体、又は微粉化固体賦形剤若しくは担体、又はその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで、任意に、生成物を成形することによって調製される。
経口投与に適した式(I)の化合物の製剤は、ピル、カプセル、カシェ剤、又は錠剤などの個別単位として調製され得、各々、所定の量の式(I)の化合物を含有する。
圧縮された錠剤は、好適な機械内で、任意に、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、表面活性剤、又は分散剤などと混合された、粉末又は顆粒としての自由流動形態の活性成分を圧縮することより調製され得る。成形された錠剤は、好適な機械内で湿らせた粉末化活性成分と不活性液体希釈剤との混合物を成形することにより作製され得る。錠剤は、任意に、コーティングされるか、又は溝を入れられてもよく、任意に、それからの活性成分の緩徐化された、又は制御された放出を提供するように製剤化される。
錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末若しくは顆粒、乳濁剤、硬若しくは軟カプセル、例えば、ゼラチンカプセル、シロップ、又はエリキシル剤が経口使用のために調製され得る。経口使用が意図される式(I)の化合物の製剤は、医薬組成物の製造の分野において既知の任意の方法に従って調製されてもよく、そのような組成物は、口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤を含む1つ以上の剤を含有してもよい。錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容され得る賦形剤との混合物中に活性成分を含有する錠剤が容認される。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム若しくは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム若しくはリン酸ナトリウムなどの不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸などの顆粒化剤及び崩壊剤、デンプン、ゼラチン又はアカシアなどの結合剤、及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクなどの潤滑剤であり得る。錠剤はコーティングされていなくても、又は胃腸管での崩壊及び吸収を遅らせるためのマイクロカプセル化を含む既知の技法によりコーティングされてもよく、それにより、より長い期間にわたって持続作用を提供する。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を、単独で、又はワックスと共に用いることができる。
眼又は他の外部組織、例えば、口及び皮膚の治療のために、製剤は、好ましくは、0.075~20%w/wの量の活性成分を含有する局所軟膏又はクリームとして塗布される。軟膏中に製剤化される場合、活性成分は、パラフィン系又は水混和性軟膏基剤のいずれかと共に用いることができる。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム基剤と共にクリームに製剤化され得る。
所望する場合、クリーム基剤の水相は、多価アルコール、すなわち、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール(PEG400を含む)及びこれらの混合物など、2つ以上のヒドロキシル基を有するアルコールを含み得る。局所用製剤は、所望により、皮膚又は他の患部を通した活性成分の吸収又は浸透を増強する化合物を含み得る。そのような皮膚浸透促進剤の例としては、ジメチルスルホキシド及び関連類似体が挙げられる。
乳濁剤の油性相は、既知の様式で、既知の成分から構成され得る。相は単に乳化剤を含むこともできるものの、相は、少なくとも1種の乳化剤と、脂肪若しくは油、又は脂肪と油の両方との混合物もまた含むことができる。親油性乳化剤と共に含まれる親水性乳化剤が、安定化剤としての役割を果たし得る。まとめると、安定化剤を伴う、又は伴わない乳化剤は、いわゆる乳化ワックスを構成し、油及び脂肪と共にワックスは、クリーム製剤の油性分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を構成する。製剤に使用するのに好適な乳化剤及び乳化安定化剤としては、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
式(I)の化合物の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤と混合した活性材料を含有する。そのような賦形剤としては、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、及びアカシアガムなどの懸濁化剤、自然発生ホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)との縮合生成物、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコール(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)との縮合生成物、エチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトール由来の部分エステル(例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレエート)との縮合生成物などの分散剤又は湿潤剤が挙げられる。水性懸濁液はまた、1つ以上の防腐剤、例えば、エチル又はn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、及びスクロース又はサッカリンなどの1つ以上の甘味剤も含有する。
式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形の医薬組成物は、無菌注射可能な水性又は油性懸濁液などの、無菌注射可能な調製物の形態であることができる。この懸濁液は、上述されているこれらの好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、既知の技術に従って製剤化され得る。無菌注射可能な配合物は更に、無菌注射可能な、非経口的に許容され得る無毒性の希釈剤又は溶媒、例えば1,3-ブタンジオール中での溶液又は懸濁液であってよい。無菌注射可能な調製物は、凍結乾燥粉末としても調製することができる。用いられ得る許容され得るビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、減菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒として慣習的に用いられ得る。この目的に関して、合成モノ-又はジグリセリドを含む、任意のブランドの固定油が用いられ得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製において同様に使用され得る。
単一剤形を作製するために賦形剤又は担体材料と組み合わせることができる活性成分の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に依存して変化する。例えば、ヒトへの経口投与を意図した徐放性製剤は、総組成物の約5~約95%(重量:重量)まで変化し得る、適切かつ都合の良い量の賦形剤又は担体材料と配合される、およそ1~1000mgの活性材料を含有し得る。医薬組成物は、投与のために容易に測定可能な量を提供するように調製され得る。例えば、静脈内注入が意図される水溶液は、約30mL/時間の速度で好適な容量の注入が生じるために、1ミリリットルの溶液あたり約3~500μgの活性成分を含有し得る。
非経口投与に適した製剤には、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び製剤を対象とするレシピエントの血液で等張にする溶質を含有し得る水性及び非水性の等張滅菌注射溶液、並びに懸濁化剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性の滅菌懸濁液が含まれる。
眼への局所投与に適した製剤は、点眼液も含み、活性成分は、好適な賦形剤又は担体、特に活性成分のための水性溶媒に溶解又は懸濁される。活性成分は、好ましくは、約0.5~20%w/w、例えば、約0.5~10%w/w、例えば約1.5%w/wの濃度でかかる製剤中に存在する。
口の局所投与に適した製剤には、風味付けされた基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性成分を含むロゼンジ、ゼラチン及びグリセリンなどの不活性基剤又はスクロース及びアカシア中に活性成分を含む香錠、並びに好適な液体賦形剤又は担体中に活性成分を含む洗口剤が含まれる。
直腸投与のための製剤は、例えば、ココアバター又はサリチレートを含む好適な基剤と共に坐剤として提示され得る。
肺内又は鼻腔投与に適した製剤は、例えば、0.1~500ミクロンの範囲の粒径(0.5、1、30ミクロン、35ミクロン等のミクロンの単位で、0.1~500ミクロンの範囲の粒径を含む)を有し、これは、肺胞嚢に達するように、鼻孔からの迅速な吸入により、又は口からの吸入により投与される。好適な製剤としては、活性成分の水性又は油性溶液が挙げられる。エアロゾル又は乾燥粉末投与に適した製剤は、従来の方法に従い調製され得、以下に記載される障害の治療又は予防に今まで使用された化合物などの他の治療剤と共に送達され得る。
膣内投与に好適な製剤は、活性成分に加えて、適切であることが当技術分野において既知である賦形剤又は担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、又はスプレー製剤として提示することができる。
製剤は、単位用量又は複数回の用量容器、例えば、密封アンプル及びバイアルに包装されてもよく、使用直前に注射するために、例えば、水などの滅菌液体賦形剤又は担体を添加するだけでよいフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管されてもよい。即席の注射溶液及び懸濁液を、前述の種類の滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製する。好ましい単位投与量製剤は、活性成分の本明細書に上記した一日用量又は一日単位副用量、又はその適切な画分を含有するものである。
主題は更に、上で定義した少なくとも1つの活性成分と、活性成分用の獣医用賦形剤又は担体を共に含む、獣医用組成物を提供する。獣医用賦形剤又は担体は、組成物を投与する目的のために有用な物質であり、別様においては、獣医学の技術分野にて不活性であるか又は許容され、かつ活性成分と適合性のある、固体、液体、又は気体物質であることができる。これらの獣医用組成物は、非経口で、経口で、又は任意の他の所望の経路によって投与されてもよい。
特定の実施形態において、本明細書にて開示する化合物を含む医薬組成物は、化学療法剤を更に含む。これらのいくつかの実施形態において、化学療法剤は免疫療法薬である。
使用方法
本明細書にて開示する化合物は、酵素HPK1の活性の阻害に用途を見いだされる。分裂促進物質活性化プロテインキナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1又はMAP4K1とも呼ばれるHPK1は、Ste20関連セリン/トレオニンキナーゼの、胚中心キナーゼのメンバーである。HPK1は、MEKK1、MLK3、及びTAK1を含む、MAP3Kタンパク質をリン酸化及び活性化して、MAPK Jnkの活性化をもたらすことにより、MAP4Kとして機能する。
一実施形態において、本明細書にて開示する主題は、HPK1の阻害方法であって、HPK1を、有効量の、本明細書で記載する式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は医薬組成物と接触することを含む、方法に関する。
一実施形態において、本明細書にて開示する主題は、免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法であって、上記対象に、有効量の、本明細書で記載する式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。本実施形態のある種の態様では、対象のT細胞は、化合物又は医薬組成物の投与前と比較して、プライミングの向上、活性化の向上、移動の向上、増殖の向上、生残の向上、及び細胞溶解活性の向上のうちの少なくとも1つを有する。本実施形態のある種の態様では、T細胞の活性化は、化合物又は医薬組成物の投与前と比較して、γ-IFN+CD8 T細胞の頻度の増加、γ-IFN+CD4 T細胞の頻度の増加、又は、T細胞によるIL-2若しくはグランザイムB産生量の増加を特徴とする。本実施形態のある種の態様では、T細胞の数は、化合物又は医薬組成物の投与前と比較して増加する。本実施形態のある種の態様では、T細胞は抗原特異的CD8 T細胞である。本実施形態のある種の態様では、T細胞は抗原特異的CD4 T細胞である。本実施形態のある種の態様では、対象の抗原提示細胞は、化合物又は医薬組成物の投与前と比較して、増強された成熟及び活性化を有する。本実施形態のある種の態様では、抗原提示細胞は樹状細胞である。本実施形態のある種の態様では、抗原提示細胞の成熟は、CD83+樹状細胞の頻度の増加を特徴とする。本実施形態のある種の態様では、抗原提示細胞の活性化は、樹状細胞でのCD80及びCD86の発現の増加を特徴とする。いくつかの態様では、式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその医薬組成物は、追加免疫/抗ウイルス/腫瘍免疫生成のための、腫瘍又はウイルスに対する免疫応答(例えばワクチン)の一般的なプライミングを提供する。
本明細書に記載される方法において、式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその医薬組成物は、本明細書の他の場所に記載されている癌を有する対象に投与される。
一実施形態において、本明細書にて開示する主題は、HPK1依存性障害の治療方法であって、HPK1依存性障害の治療を必要とする対象に、有効量の、本明細書で記載する式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。本実施形態のある種の態様では、HPK1依存性障害は癌である。本実施形態のある種の態様では、癌は、結腸直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、乳癌、膵癌、血液学的悪性腫瘍、及び腎細胞癌からなる群から選択される少なくとも1種の癌を含む。本実施形態のある種の態様では、癌は、T細胞湿潤量が増加している。本実施形態のある種の態様では、対象における癌細胞は、化合物又は組成物の投与前と比較して、MHCクラスI抗原発現の発現が選択的に増加している。
本明細書に記載される方法において、方法は、上記対象に化学療法剤を投与することを更に含むことができる。本実施形態のある種の態様では、化学療法剤は、化合物又は組成物と同時に、対象に投与される。本実施形態のある種の態様では、化学療法剤は、化合物又は組成物の投与前に、対象に投与される。本実施形態のある種の態様では、化学療法剤は、化合物又は上記組成物の投与後に、対象に投与される。
HPK1ポリヌクレオチド及びポリペプチドは、当該技術分野において公知である(Hu et al.(1996)Genes Dev.10:2251-2264;参照により全体が本明細書に組み込まれる)。ヒトHPK1ポリヌクレオチドを含む特定のHPK1ポリヌクレオチド及びポリペプチドはアクセス可能であり、配列は既知である、例えば、GenBank寄託番号NM_007181.5のヌクレオチド141~2642、及びコードされたヒトHPK1ポリペプチド(寄託番号NP_009112.1);並びに、GenBank寄託番号NM_001042600.2のヌクレオチド141~2606、及びコードされたヒトHPK1ポリペプチド(寄託番号NP_001036065.1)である。
HPK1ポリペプチドは、様々な保存された構造モチーフを含む。HPK1ポリペプチドは、ATP結合部位を含む、アミノ末端Ste20様キナーゼドメインを含む。キナーゼドメインの後には、CrkL、Grb2、HIP-55、Gads、Nck、及びCrkなどの、SH3含有タンパク質に対する結合部位として機能する、4つのプロリンリッチな(PR)モチーフが続く。HPK1はTCR又はBCR刺激に応答してリン酸化され、活性化される。PR1とPR2との間に位置するチロシン残基を、TCR及びBCRの誘導によりリン酸化することで、SLP-76又はBLNK SH2ドメインを介して、T細胞内のSLP-76又はB細胞内のBLNKへの結合が媒介され、これは、キナーゼの活性化に必要である。HPK1のC末端で見いだされるシトロン相同性ドメインは、制御ドメインとして機能し得、巨大分子の相互作用に関与し得る。
本明細書にて開示する化合物は、HPK1に直接結合し、そのキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態において、本明細書にて開示する化合物は、SLP76及び/又はGadsの、HPK1が媒介するリン酸化を低下させるか、阻害するか、又は別様において減少させる。
本明細書にて開示する化合物は、特異的HPK1アンタゴニストであっても、又はなくてもよい。特異的HPK1アンタゴニストは、HPK1の生物活性を、任意の他のタンパク質のアンタゴニスト(例えば、他のセリン/スレオニンキナーゼ)の阻害効果よりも統計的に有意な量低下させる。特定の実施形態において、本明細書にて開示する化合物は、HPK1のセリン/スレオニンキナーゼ活性を特異的に阻害する。これらの実施形態のいくつかにおいて、HPK1に対するHPK1アンタゴニストのIC50は、別のセリン/スレオニンキナーゼ、又は他の種類のキナーゼ(例えばチロシンキナーゼ)に対するHPK1アンタゴニストのIC50の、約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、0.1%、0.01%、0.001%以下である
本明細書にて開示する化合物は、HPK1の阻害方法にて使用することができる。このような方法は、HPK1を、有効量の、本明細書にて開示する化合物と接触させることを含む。「接触する」とは、化合物を、単離したHPK1酵素、又はHPK1を発現する細胞(例えばT細胞、B細胞、樹状細胞)の十分近くに、その化合物が結合して、HPK1の活性を阻害することができるように、持ってくることを意図する。化合物は、その化合物を対象に投与することで、インビトロ又はインビボで、HPK1と接触することができる。
SLP76及びGadsなどの、HPK1のリン酸化標的に対して特異的な抗体を用いるインビトロキナーゼアッセイ、又は、リン酸化SLP7及びGadsへの、14-3-3タンパク質の動員、LAT含有マイクロクラスターからの、SLP76-Gads-14-3-3の放出、又はT若しくはB細胞の活性化などの、HPK1キナーゼ活性の下流生物学的影響の測定を含むHPK1のキナーゼ活性を測定する、当該技術分野において公知の任意の方法を使用して、HPK1が阻害されているか否かを測定することができる。
本明細書にて開示する化合物を使用して、HPK1依存性障害を治療することができる。本明細書で使用する場合、「HPK1依存性障害」とは、HPK1活性が、病状の発生又は継続に必要な病状である。いくつかの実施形態において、HPK1依存性障害は癌である。
本明細書にて開示する化合物は、免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法においても用途を見いだされる。このような方法は、有効量の、本明細書にて開示する化合物(即ち、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体)を投与することを含む。
本明細書で使用する場合、「免疫応答を増強すること」とは、抗原に対する任意の免疫原性応答の改善を意味する。抗原に対する免疫原性応答の改善の非限定例としては、樹状細胞の成熟又は移動の向上、T細胞(例えばCD4 T細胞、CD8 T細胞)の活性化の向上、T細胞(例えばCD4 T細胞、CD8 T細胞)増殖の向上、B細胞増殖の向上、T細胞及び/又はB細胞の生残の増加、抗原提示細胞(例えば樹状細胞)による抗原提示の改善、抗原クリアランスの改善、T細胞(例えばインターロイキン-2)によるサイトカインの産生の増加、プロスタグランジンE2誘発性免疫抑制に対する耐性の増加、並びに、CD8 T細胞のプライミング及び/又は細胞溶解活性の向上が挙げられる。
いくつかの実施形態において、対象のCD8 T細胞は、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体の投与前と比較して、プライミング、活性化、増殖、及び/又は細胞溶解活性の増加を有する。いくつかの実施形態において、CD8 T細胞のプライミングは、CD8 T細胞におけるCD44発現の増加、及び/又は細胞溶解活性の増強を特徴とする。いくつかの実施形態において、CD8 T細胞の活性化は、γ-IFNCD8 T細胞の頻度の増加を特徴とする。いくつかの実施形態において、CD8 T細胞は抗原特異的T細胞である。
いくつかの実施形態において、対象のCD4 T細胞は、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体の投与前と比較して、プライミング、活性化、増殖、及び/又は細胞溶解活性の増加を有する。いくつかの実施形態において、CD4 T細胞のプライミングは、CD4 T細胞におけるCD44発現の増加、及び/又は細胞溶解活性の増強を特徴とする。いくつかの実施形態において、CD4 T細胞の活性化は、γ-IFNCD4 T細胞の頻度の増加を特徴とする。いくつかの実施形態において、CD4 T細胞は抗原特異的T細胞である。
いくつかの実施形態において、対象の抗原提示細胞は、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体の投与前と比較して、増強された成熟性及び活性化を有する。いくつかの実施形態において、抗原提示細胞は樹状細胞である。いくつかの実施形態において、抗原提示細胞の成熟は、CD83樹状細胞の頻度の増加を特徴とする。いくつかの実施形態において、抗原提示細胞の活性化は、樹状細胞でのCD80及びCD86の発現の増加を特徴とする。
いくつかの実施形態において、対象における、サイトカインIL-10及び/又はケモカインIL-8、マウスKCのヒトホモログの血清濃度は、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体の投与前と比較して、低下している。
TCRの関与はHPK1の活性化をもたらし、これは、TCRが誘発するAP-1応答経路の負の制御因子として機能する。Ser376にてSLP76(Di Bartolo et al.(2007)JEM 204:681-691)を、及び、Thr254にてGadsをリン酸化することにより、マイクロクラスターのシグナル伝達の持続を低下させることにより、HPK1が負にT細胞の活性化を制御し、これにより、リン酸化SLP76及びGadsに結合する14-3-3タンパク質の動員がもたらされ、LAT含有マイクロクラスターからSLP76-Gads-14-3-3複合体が放出され、これにより、アネルギー及び消耗を含む、T細胞の機能障害がもたらされる(Lasserre et al.(2011)J Cell Biol 195(5):839-853)と考えられている。
免疫機能障害との関連での「機能障害」という用語は、抗原刺激への免疫応答性が低減した状態を指す。この用語には、抗原認識が生じ得るが、その後の免疫応答が感染又は腫瘍増殖速度の制御に無効である消耗及び/又はアネルギーの両方の共通要素が含まれる。
本明細書で使用される場合、「機能障害性」という用語には、抗原認識に対する不応性又は無応答性、具体的には、抗原認識を、増殖、サイトカイン産生(例えば、IL-2)、及び/又は標的細胞死滅などの下流T細胞エフェクター機能に翻訳する能力の障害も含まれる。
「アネルギー」という用語は、T細胞受容体を介して送達される不完全又は不十分なシグナルに起因する抗原刺激への不応答性の状態(例えば、ras活性化の不在下での細胞内Ca+2の増加)を指す。T細胞アネルギーは、共刺激の不在下での抗原での刺激時にも生じ得、結果的に共刺激との関連でも抗原によるその後の活性化に不応性になる。不応答状態は、多くの場合、インターロイキン-2の存在によって無効化され得る。アネルギーT細胞は、クローン増殖を経ず、かつ/又はエフェクター機能を獲得しない。
「消耗」という用語は、多くの慢性感染及び癌発症中に生じる持続的TCRシグナル伝達に起因するT細胞機能障害の状態としてのT細胞消耗を指す。これは、不完全な又は不十分なシグナル伝達ではく、持続的シグナル伝達に起因するという点で、アネルギーとは区別される。これは、機能的エフェクター又はメモリーT細胞とは異なるエフェクター機能不良、阻害性受容体の持続的発現、及び転写状態によって定義される。消耗は、感染及び腫瘍の最適な制御を妨げる。消耗は、外因性の負の制御性経路(例えば、免疫制御性サイトカイン)及び細胞内因性の負の制御性(共刺激)経路(PD-1、B7-H3、B7-H4など)の両方に起因し得る。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体を対象に投与することにより、T細胞機能の向上がもたらされる。いくつかの実施形態において、本明細書で記載されるHPK1阻害剤を投与することにより、免疫応答を向上/更新/再活性化するか、又はde novo免疫応答を活性化することができる。
「T細胞機能を増強する」とは、持続した若しくは増幅された生物学的機能を有するようにT細胞を誘導するか、引き起こすか、若しくは刺激すること、又は消耗された若しくは不活性のT細胞を再生若しくは再活性化することを意味する。T細胞機能の向上例としては、サイトカイン(例えばγ-インターフェロン、IL-2、IL-12、及びTNFα)の分泌の増加、増殖の増加、介入前のレベルと比較しての、抗原応答性(例えばウイルス、病原体、又は腫瘍クリアランス)の増加、及び、グランザイムBなどのCD8 T細胞又はCD4 T細胞による、エフェクター顆粒作製の増加が挙げられる。一実施形態において、増強のレベルは、少なくとも50%、代替的に60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、200%である。この増強を測定する様態は、当業者に知られている。
したがって、本明細書にて開示する式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体は、T細胞機能障害性障害の治療に有用である。「T細胞機能障害性障害」とは、抗原刺激への応答性の低下を特徴とするT細胞の障害又は状態である。特定の実施形態において、T細胞機能障害性障害は、HPK1のキナーゼ活性の増加と特異的に関連した障害である。別の実施形態において、T細胞機能障害性障害は、T細胞がアネルギーであるか、又はサイトカインを分泌するか、増殖するか、若しくは細胞溶解活性を実行する能力が低下した障害である。具体的な一態様では、応答性の低下により、免疫原を発現する病原体又は腫瘍の無効な制御がもたらされる。T細胞機能障害を特徴とするT細胞機能障害性障害の例としては、未解明の急性感染、慢性感染、及び腫瘍免疫が挙げられる。
したがって、本明細書にて開示する化合物は、癌治療のための腫瘍免疫原性の増加といった、免疫原性の増強が望まれる治療条件で使用することができる。
「免疫原性」とは、免疫応答を誘発する特定の物質の能力を指す。腫瘍は、免疫原性であり、腫瘍免疫原性の増強により、免疫応答による腫瘍細胞のクリアランスが支援される。ウイルスは免疫原性であることもまた可能であり、免疫原性の増強/活性化は、免疫応答によるウイルス粒子のクリアランスを補助し得る。
「腫瘍免疫」とは、腫瘍が免疫認識及びクリアランスを回避するプロセスを指す。したがって、治療的概念として、腫瘍免疫は、そのような回避が減弱し、腫瘍が免疫系によって認識かつ攻撃されるときに「治療される」。腫瘍認識の例としては、腫瘍結合、腫瘍収縮、及び腫瘍クリアランスが挙げられる。
一態様において、癌の治療を必要とする対象における、癌の治療方法であって、当該対象に、有効量の式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体を投与することを含む、方法を本明細書において提供する。いくつかの実施形態において、対象は黒色腫を有する。黒色腫は、早期又は後期であり得る。いくつかの実施形態において、対象は結腸直腸癌を有する。結腸直腸癌は、早期又は後期であり得る。いくつかの実施形態において、対象は非小細胞肺癌を有する。非小細胞肺癌は、早期又は後期であり得る。いくつかの実施形態において、対象は膵癌を有する。膵癌は、早期又は末期状態であり得る。いくつかの実施形態において、対象は血液学的悪性腫瘍を有する。血液学的悪性腫瘍は、早期又は後期であり得る。いくつかの実施形態において、対象は卵巣癌を有する。卵巣癌は、早期又は後期であり得る。いくつかの実施形態において、対象は乳癌を有する。乳癌は、早期又は後期であり得る。いくつかの実施形態において、対象は腎細胞癌を有する。腎細胞癌は、早期又は後期であり得る。いくつかの実施形態において、癌は、増加したT細胞浸潤レベルを有する。
一態様において、ウイルス感染症の治療を必要とする対象における、ウイルス感染症の治療方法であって、当該対象に、有効量の式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体を投与することを含む、方法を提供する。一態様では、ワクチン(癌ワクチン、若しくは個人化癌ワクチン(PCV))、又はCAR-T細胞両方に対する応答の増強又は追加免疫を必要とする対象における、応答の増強又は追加免疫方法であって、当該対象に、有効量の式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体を投与することを含む、方法を提供する。
本明細書にて開示する化合物は、当該技術分野において既知の任意の好適方法にて投与されてよい。いくつかの実施形態において、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体は静脈内、筋肉内、皮下、局所的、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、移植によって、吸入によって、髄腔内、心室内、腫瘍内、又は経鼻投与される。
いくつかの実施形態において、HPK1アンタゴニストは連続的に投与される。他の実施形態において、HPK1アンタゴニストは断続的に投与される。更に、有効量のHPK1アンタゴニストによる対象の治療は、1回の治療を含むことができ、又はひと続きの治療を含むことができる。
活性化合物の適切な用量は、当該技術分野の医師又は獣医の知識内の多数の因子に左右されると理解されている。活性化合物の用量は、例えば、対象の年齢、体重、総体的な健康、性別、及び食事、投与時期、投与経路、排泄速度、並びにあらゆる薬剤の組み合わせに応じて変化するであろう。
更に、治療に使用する、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体の有効用量は、特定の治療の過程にわたって増減し得ると理解されよう。用量の変化は結果をもたらし、診断アッセイの結果により明らかとなるであろう。
いくつかの実施形態において、HPK1アンタゴニストは対象に、約0.001μg/kg、約0.01μg/kg、約0.05μg/kg、約0.1μg/kg、約0.5μg/kg、約1μg/kg、約10μg/kg、約25μg/kg、約50μg/kg、約100μg/kg、約250μg/kg、約500μg/kg、約1mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約25mg/kg、約50mg/kg、約100mg/kg、及び約200mg/kgを含むがこれらに限定されない、約0.001μg/kg~約1000mg/kgの用量で投与される。
いくつかの実施形態において、癌の治療を必要とする対象における、癌の治療方法であって、当該対象に、有効量の式(I)の化合物、又は、式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又はその薬学的に許容され得る塩、プロドラッグ、代謝産物、若しくは誘導体を投与することを含み、更に、追加の治療法を投与することを含む、方法を提供する。追加の治療法は、放射線療法、手術(例えば腫瘍切除及び乳房切除)、化学療法、遺伝子治療、DNA療法、ウイルス療法、RNA療法、免疫療法、骨髄移植、ナノセラピー、モノクローナル抗体治療、又は前述の組み合わせであることができる。追加の治療法は、アジュバント療法又はネオアジュバント療法の形態であり得る。いくつかの実施形態において、追加の治療法は、抗転移剤を投与することである。いくつかの実施形態において、追加の治療法は、副作用制限剤(例えば、治療の副作用の発生及び/又は重症度を軽減するよう意図された薬剤、例えば、制嘔吐剤など)の投与である。いくつかの実施形態において、追加の治療法は放射線療法である。いくつかの実施形態において、追加の治療法は手術である。いくつかの実施形態において、追加の治療法は放射線療法と手術の組み合わせである。いくつかの実施形態において、追加の治療法はγ線照射である。いくつかの実施形態において、追加の治療法は、PI3K/AKT/mTOR経路、HSP90阻害剤、チューブリン阻害剤、アポトーシス阻害剤、及び/又は化学予防剤を標的にする治療法である。
追加の治療法は、化学療法剤の1つ以上であり得る。したがって、癌の治療法は、少なくとも1種の化学療法剤と共に、本明細書にて開示するHPK1アンタゴニストを投与することを含むことができる。
本明細書で使用する場合、「と共に」とは、ある治療様式を、別の治療様式と共に投与することを意味する。したがって、「と共に」とは、対象への1つの治療法の投与前、投与中、又は投与後の別の治療法の投与を指す。
例えば、HPK1アンタゴニスト及び化学療法剤は、連続して(異なる時間で)、又は同時に(同じ時間に)投与され得る。HPK1アンタゴニスト及び化学療法剤は、同じ投与経路で、又は異なる投与経路で投与されることができる。
特定の実施形態において、HPK1アンタゴニストは別の免疫療法と共に投与される。例えば、HPK1アンタゴニストを、PD-L1/PD-1経路を標的にする化学療法剤又は生物学的製剤と組み合わせることができる。既知の阻害チェックポイント経路は、PD-1受容体を通したシグナル伝達を伴う。プログラム細胞死1(PD-1)受容体、並びにそのリガンドであるPD-L1及びPD-L2は、CTLA-4の同時制御性分子と同じファミリーの一部である。-詳細についてはhttp://www.onclive.com/web-exclusives/the-role-of-anti-pd-l1-immunotherapy-in-cancer/2#sthash.cGfYa1T1.dpufを参照のこと。PD-L1の、PD-1及びCD80への結合を遮断する化学療法剤又は生物学的製剤は、T細胞活性化の、PD-L1が媒介する阻害/抑制を防ぐことができる。プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)は、抗原提示細胞(APC)及び他の免疫細胞にて、広範に発現する。これは、広範囲のヒトの癌由来の腫瘍細胞にて上方制御され、抗腫瘍T細胞免疫の阻害が示唆されている。PD-L1は、活性化T細胞、B細胞、及び他の骨髄細胞上で、受容体PD-1及びCD80に結合する細胞表面タンパク質である。活性化T細胞上での、PD-L1のPD-1への結合は、T細胞増殖と干渉し、免疫応答を阻害することが見いだされている。癌細胞上でのPD-L1の過剰発現により、これらの細胞が免疫検出及び除去を回避することが可能となり得る。腫瘍細胞上での、高レベルのPD-L1発現は、腫瘍の攻撃性及び予後不良の増加と関連している。PD-L1の、PD-1への結合を遮断する化学療法剤又は生物学的製剤としては、とりわけデュルバルマブ、ニボルマブ、ピドリズマブ、MPDL3280A、MK-3475、BMS-936559などの、抗PD-L1抗体が挙げられる。いくつかの実施形態において、HPK1アンタゴニストは、抗PD-1抗体などのPD-1アンタゴニスト、抗PD-L1抗体などのPD-L1アンタゴニスト、及び/又は、PD-L2抗体などのPD-L2アンタゴニストと共に投与される。抗PD-L1抗体の例としては、アベルマブ、アテゾリズマブ(MPDL3280Aとしても知られている)、ペムブロリズマブ(MK-3475としても知られている)、LY3300054(Eli Lilly)、STI-A1014(Sorrento)、KN035(Suzhou Alphamab)、及び、BMS-936559(Bristol Myers Squibb)が挙げられるが、これらに限定されない。抗PD-1抗体の例としては、ニボルマブ、ピドリズマブ、PDR001(Novartis)、REGN2810(Regeneron)、BGB-108(BeiGene)、BGB-A317(BeiGene)、JS-001(Shanghai Junshi)、STI-A1110(Sorrento)、INCSHR-1210(Incyte)、PF-06801591(Pfizer)、TSR-042(ANB011としても知られている;Tesaro/AnaptysBio)、AM0001(ARMO Biosciences)、及びENUM 244C8(Enumeral Biomedical Holdings)が挙げられるが、これらに限定されない。
別の例において、HPK1アンタゴニストを、TNFスーパーファミリーのメンバーである、OX40及びそのリガンドであるOX40Lを標的にする、化学療法剤又は生物学的製剤と組み合わせることができる。OX40は、活性化CD4(+)及びCD8(+)T細胞上、並びに、他のリンパ系及び非リンパ系細胞上で発現する。OX40から従来のT細胞への共刺激シグナルは、分裂及び生残を促進し、抗原に生成されているときに、エフェクター及びメモリー集団のクローン増殖を増加させる。OX40は更に、T制御性細胞の分化及び活性を抑制し、更にこのプロセスを増幅する。OX40及びOX40Lは、T細胞、抗原提示細胞、ナチュラルキラー細胞、及びナチュラルキラーT細胞からのサイトカイン産生もまた制御し、サイトカイン受容体シグナル伝達を制御する。T細胞を制御することが知られている、最も顕著な共刺激性分子の1つとして、刺激性OX40が、癌に対する治療的免疫付与法の標的であることが示されている。ある種のOX40アゴニストとしては、GBR 830、及び、Linch,et al.,Frontiers in Oncology,v.5,pp.1-10(2015)(その全体が本明細書に参考として組み込まれる)に開示されているものが挙げられる。
別の例において、HPK1アンタゴニストを、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、TLR、PD-L1軸、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、B7H4、CD96、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、IL-13、TIGIT、又はTGFβを標的にする、化学療法剤又は生物学的製剤と組み合わせることができる。別の例において、HPK1アンタゴニストを、PD-L1軸、CTLA-4、TIM-3、BTLA、VISTA、LAG-3、B7H4、CD96、TIGIT、CD226、プロスタグランジン、VEGF、エンドセリンB、IDO、アルギナーゼ、MICA/MICB、TIM-3、IL-10、IL-4、又はIL-13アンタゴニストと組み合わせることができる。別の例において、HPK1アンタゴニストを、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、CD40、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、2B4、IL-2、IL-12、IFNγ、IFNα、TNFα、IL-1、CDN、HMGB1、又はTLRアゴニストを含む免疫療法と組み合わせることができる。
別の例において、HPK1アンタゴニストをPCVと組み合わせることができる。別の例において、HPK1アンタゴニストを養子T細胞療法と組み合わせることができる。
HPK1の阻害方法であって、対象にて、HPK1を、有効量の、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は薬学的に許容され得るその塩;又は、化合物式(I)、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は薬学的に許容され得るその塩を含む医薬組成物と接触させることを含む、方法を提供する。
免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法であって、対象に、有効量の、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は薬学的に許容され得るその塩;又は、化合物式(I)、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は薬学的に許容され得るその塩を含む医薬組成物を投与することを含む、方法。
いくつかの実施形態において、上記対象は癌を有する。
HPK1依存性障害の治療方法であって、HPK1依存性障害の治療を必要とする対象に、有効量の、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は薬学的に許容され得るその塩;又は、化合物式(I)、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は薬学的に許容され得るその塩を含む医薬組成物を投与することを含む、方法もまた提供する。
いくつかの実施形態において、上記HPK1依存性障害は癌である。
いくつかの実施形態において、癌は、結腸直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、乳癌、膵癌、血液学的悪性腫瘍、及び腎細胞癌からなる群から選択される少なくとも1種の癌を含む。
いくつかの実施形態において、上記方法は、化学療法剤を上記対象に投与することを更に含む。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載したHPK1の阻害方法において、本明細書に記載した免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法において、及び/又は、本明細書に記載したHPK1依存性障害の治療方法において使用するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載したHPK1の阻害方法で使用するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載した免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法で使用するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載したHPK1依存性障害の治療方法で使用するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、HPK1を阻害するための医薬、免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答を増強するための医薬、及び/又は、HPK1依存性障害を治療するための医薬を製造するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、HPK1を阻害するための医薬を製造するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答を増強するための医薬を製造するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、HPK1依存性障害を治療する医薬を製造するための、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載したHPK1の阻害方法において、本明細書に記載した免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法において、及び/又は、本明細書に記載したHPK1依存性障害の治療方法における、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載したHPK1の阻害方法における、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載した免疫応答の増強を必要とする対象における、免疫応答の増強方法における、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載したHPK1依存性障害の治療方法における、本明細書に記載した、式(I)の化合物、又は式(IA)、(IB)、及び(IC)などのその変形、又は本明細書に記載した医薬組成物の使用もまた提供する。
いくつかの実施形態において、治療は、治療の休止後の対象における持続性応答をもたらす。「持続的応答」とは、治療の中止後の腫瘍増殖の低減への持続的効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、投与期の開始時のサイズと比較して同じままであるか、又はより小さくなる。いくつかの実施形態において、持続的応答は、治療期間と少なくとも同じ期間、治療期間の少なくとも1.5倍、2.0倍、2.5倍、又は3.0倍の期間を有する。
本明細書にて開示した治療方法は、部分的、又は完全奏功をもたらし得る。本明細書で使用する場合、「完全奏功」又は「CR」とは、あらゆる標的損傷の消失を意味し、「部分寛解」又は「PR」とは、ベースラインSLDを参照として、標的損傷の最長直径の和(SLD)の少なくとも30%の減少を意味し、「安定した疾患」又は「SD」とは、治療を開始してから、最も小さいSLDを参照として、PRとみなされる標的損傷の十分な収縮も、PDとみなされる標的損傷の十分増加な増加もないことを意味する。本明細書で使用する場合、「総奏効率」(ORR)とは、完全奏功(CR)率と、部分奏功(PR)率との和を意味する。
本明細書にて開示した治療方法は、HPK1アンタゴニストが投与された対象の、無進行生存期間及び全生存率の増加をもたらすことができる。本明細書で使用される場合、「無進行生存期間」(PFS)は、治療されている疾患(例えば、癌)が悪化しない、治療中及び治療後の時間の長さを指す。無進行生存期間は、患者が完全奏功又は部分奏功を経験した時間量、並びに患者が安定を経験した時間量を含んでもよい。
本明細書で使用される場合、「全生存率」は、特定期間後に生きている可能性が高い対象の、群における割合を指す。
いくつかの実施形態において、HPK1アンタゴニストが投与される対象は、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト、及びサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)などの哺乳動物である。いくつかの実施形態において、治療される対象はヒトである。
癌治療を必要とする対象は、癌の症状を示すヒト、癌と診断されているヒト、癌が寛解している対象、又は、癌が進行するリスク(例えば、遺伝的素因、特定の食事、若しくは環境曝露)が高い対象であることができる。
記載した方法のいずれかにおいて、一態様において、対象は、方法を必要とするヒトなどのヒトである。対象は、癌などのHPK1依存性障害を有すると診断されているか、又は有する疑いがあるヒトであり得る。個体は、検出可能な疾患を有しないが、癌が進行する1つ以上の危険因子を有するヒトであり得る。
本明細書に記載する1種以上の化合物、又は、本明細書に記載する化合物を含む医薬組成物を含む、本明細書で詳述する方法を実施するためのキットを更に提供する。キットは、本明細書にて開示された化合物のいずれかを用いることができる。一変形において、キットは、本明細書で記載される化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を用いる。キットは、本明細書で記載される使用のいずれか1つ以上に使用することができ、したがって、癌などのHPK1依存性障害の治療で使用するための取扱説明書を含有することができる。いくつかの実施形態において、キットは、癌の治療で使用するための取扱説明書を含有する。
キットは一般に、好適な包装を含む。キットは、本明細書で記載される任意の化合物を含む1つ以上の容器を含み得る。各成分(2種類以上の成分が存在する場合)は、個別の容器に包装されることができ、又は、いくつかの成分は、交差反応性及び貯蔵寿命が許容され得る1つの容器にて組み合わせることができる。キットの1種以上の成分は、滅菌されていることができる、及び/又は滅菌包装に含有されることができる。
キットは単位剤形、バルクパッケージ(例えば複数用量パッケージ)、又はサブ単位用量となっていることができる。例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、又はそれ以上のいずれかといった長時間にわたり、個体の有効な治療を提供する、HPK1依存性障害(例えば癌)に有用な、十分な用量(例えば、治療有効量)の本明細書で開示した化合物、及び/又は、第2の薬学的に活性な化合物を含有するキットを提供することができる。キットは、複数単位用量の化合物、及び使用のための取扱説明書もまた含むことができ、薬局(例えば病院の薬局、及び調合薬局)にて保管及び使用するのに十分な量で、包装されることができる。
キットは、ひとまとまりの取扱説明書、一般的には手書きの取扱説明書を任意に含み得るものの、本発明の方法の成分の使用に応じて、取扱説明書を含有する電子的ストレージ媒体(例えば磁気ディスク又は光学ディスク)もまた許容され得る。キットと共に含まれる取扱説明書は一般に、成分、及びそれらの対象への投与に関する情報を含む。
以下の実施例及び詳細な説明は、限定するものではなく、例証として提供されている。
Figure 0007482118000071
全ての試料をアキラルシステムにより事前精製し、純度をSFCキラル精製の前にチェックした。
一般的な分析方法
LCMS法
方法A:Agilent SunFire-C18 3.5μm、4.6x50カラム及び2.0ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1100 HPLCで行った実験。溶媒系は、0.05%のTFAを含む95%の水(溶媒A)、及び、0.05%のTFAを含む5%アセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.3分間での100%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.2分間一定に保持した。
方法B:Agilent SunFire-C18 3.5μm、4.6x50カラム及び2.0ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、0.01%のTFAを含む95%の水(溶媒A)、及び、0.01%のTFAを含む5%アセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.4分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.0分間一定に保持した。
方法C:Agilent Xbridge-C18、3.5μm、4.6x50 mmカラム及び1.8ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、10 mM NHHCOを含む95%の水(溶媒A)、及び5%のアセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.3分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.2分間一定に保持した。
方法D:Agilent Xbridge-C18、3.5μm、4.6x50 mmカラム及び1.8ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、10 mM NH4HCO3を含む95%の水(溶媒A)、及び5%のアセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.6分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1分間一定に保持した。
方法E:Agilent SunFire-C18 3.5μm、4.6x50カラム及び2.0ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、0.01%のTFAを含む95%の水(溶媒A)、及び、0.01%のTFAを含む5%アセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.5分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.0分間一定に保持した。
方法F:Agilent Xbridge-C18、3.5μm、4.6x50 mmカラム及び1.8ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、10 mM NHHCOを含む90%の水(溶媒A)、及び10%のアセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.5分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.0分間一定に保持した。
方法G:Agilent Xbridge-C18、3.5μm、4.6x50 mmカラム及び1.8ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、10 mM NH4HCO3を含む95%の水(溶媒A)、及び5%のアセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.4分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.0分間一定に保持した。
方法H:Gemini-Nx 3u、C18、3μm、4.6x50 mmカラム及び1.8ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、10 mM NH4HCO3を含む90%の水(溶媒A)、及び10%のアセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.5分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.0分間一定に保持した。
方法I:XBridge-C18、3.5μm、4.6x50 mmカラム及び1.8ml/分の流速を使用してイオン化源としてESIを使用してAgilent MSD質量分光計を用いてAgilent 1200 HPLCで行った実験。溶媒系は、10 mM NH4HCO3を含む95%の水(溶媒A)、及び5%のアセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、1.6分間での5%溶媒A及び95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に1.0分間一定に保持した。
方法J:実験は、イオン化源としてESI、Shim-Pack XR-ODS C18 2.2μm、3.0x50カラム、及び1.2mL/分の流速を使用して、Shimadzu LCMS2020質量分析計を備えたShimadzu 20AD HPLCで実施した。溶媒系は、0.05%のTFAを含む95%の水(溶媒A)、及び、0.05%のTFAを含む5%アセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、2.0分間での95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に0.7分間一定に保持した。
方法K:実験は、イオン化源としてESI、Shim-Pack XR-ODS C18 2.2μm、3.0x50カラム、及び1.2mL/分の流速を使用して、Shimadzu LCMS2020質量分析計を備えたShimadzu 20AD HPLCで実施した。溶媒系は、0.05%のTFAを含む95%の水(溶媒A)、及び、0.05%のTFAを含む5%アセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、2.0分間での95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に0.7分間一定に保持した。
方法L:実験は、イオン化源としてESI、Ascentis Express C18 2.7μm、2.1x50カラム、及び1.0mL/分の流速を使用して、Shimadzu LCMS2020質量分析計を備えたShimadzu 30AD HPLCで実施した。溶媒系は、0.05%のTFAを含む95%の水(溶媒A)、及び、0.05%のTFAを含む5%アセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、2.0分間での95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に0.7分間一定に保持した。
方法M:実験は、イオン化源としてESI、Poroshell HPH-C18 2.7μm、3.0x50カラム、及び1.2mL/分の流速を使用して、Shimadzu LCMS2020質量分析計を備えたShimadzu 20AD XR HPLCで実施した。溶媒系は、5mMの重炭酸アンモニウムを含む95%の水(溶媒A)、及び、5%アセトニトリル(溶媒B)から開始する勾配であり、2.0分間での95%溶媒Bへの勾配とした。最終の溶媒系を更に0.7分間一定に保持した。
方法N:イオン化源としてESIを使用してAgilent MSD(6140)質量分析計と連結したAgilent 1290 UHPLCで行った実験。LC分離には、0.4mL/分の流速で、Phenomenex XB-C18、1.7mm、50×2.1mmカラムを使用した。溶媒Aは、0.1%FAを含む水であり、溶媒Bは、0.1%FAを含むアセトニトリルであった。勾配は、7分にわたり2~98%の溶媒Bで構成され、1.5分間の平衡の後、1.5分間98%Bを保持した。LCカラム温度は40Cである。UV吸光度を220nm及び254nmにて収集し、全ての実験に、質量分析フルスキャンを適用した。
方法O:ESIイオン化を使用してWaters LCT Premier XE質量分析計を備えたWaters Acquity UPLCで行った実験。LC分離には、Acquity UPLC BEH C18、1.7mm、2.1×50mmカラム、及び0.6mL/分の流速を使用した。MPA(移動相A)は、0.05%TFAを含む水であり、MPB(移動相B)は、0.05%TFAを含むアセトニトリルであった。勾配は、5分にわたり2~98%のMPBで構成され、0.5分間の平衡の後、0.5分間98%Bを保持した。LCカラム温度は40Cである。UVデータを220nm及び254nmにて収集し、全ての実験に、質量分析フルスキャンを適用した。
合成例
以下は、一般的な方法及び表に記載の化合物を調製するために使用される中間体を調製するための手順である。
実施例1
中間体1:tert-ブチル8-メチル-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000072
工程1:tert-ブチル7-ブロモ-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000073
7-ブロモ-8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン(1g、4.37mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、LiHMDS(8.73mL、8.73mmol、1mol/L)を0Cで滴加した。得られた溶液を窒素下で、0.5時間0Cで撹拌した。次に、ジ-tert-ブチルジカーボネート(2.85g、13.07mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。反応物をメタノール(50mL)によりクエンチした。溶媒を真空下にて濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル、1/4)で精製し、tert-ブチル7-ブロモ-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(800mg、2.43mmol)黄色油として得た。LCMS(ESI)[M+H]=329.2.
工程2:tert-ブチル8-メチル-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000074
tert-ブチル7-ブロモ-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(6.2g、18.83mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(23.93g、94.22mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.76g、3.77mmol)、及び酢酸カリウム(5.55g、56.62mmol)の、1,4-ジオキサン(2mL)との混合物を窒素下にて、2.5時間90Cで撹拌した。溶媒を真空下にて濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(30%)で溶出するシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、tert-ブチル8-メチル-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(5g、13.29mmol)を黄色油として得た。LCMS(ESI)[M+H]=376.3.
実施例2
中間体2:7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロイソキノリン-3-アミン
Figure 0007482118000075
工程1:4-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-ベンゾニトリル
Figure 0007482118000076
4-アミノ-2-クロロベンゾニトリル(1.5g、9.83mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン(1.5g、5.25mmol)を添加した。溶液を25Cで2時間撹拌した。反応物に、NaHSOの飽和溶液(30mL)を添加してクエンチし、酢酸エチルで抽出した(50mL×2)。有機層を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%酢酸エチル)により精製し、4-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-ベンゾニトリル及び4-アミノ-5-ブロモ-2-クロロベンゾニトリルの混合物(850mg、位置異性体が5/2の比率、収率26%)を黄色固体として得、これを次工程にて直接使用した。H NMR(400 MHz,CDCl)δ 7.67(s,1H),7.38(d,J=8.4 Hz,2.6H),6.80(s,1H),6.65(d,J=8.4 Hz,2.6H),4.81(bs,5H),4.71(bs,2H).
工程2:3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードベンゾニトリル
Figure 0007482118000077
CuI(51.63g、271.74mmol)のアセトニトリル(300mL)懸濁液に、亜硝酸tert-ブチル(33.59g、326.09mmol)を添加した。混合物を65℃で10分間撹拌した。4-アミノ-3-ブロモ-2-クロロ-ベンゾニトリル及び4-アミノ-5-ブロモ-2-クロロベンゾニトリル(比率3/4、25g、108.7mmol)を添加し、反応混合物を65℃で12時間撹拌した。室温まで冷却したら、混合物をNa飽和溶液(30mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させてフィルタにかけた。濾液を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の5%酢酸エチル)により精製して、3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードベンゾニトリル(5g、収率31%)を黄色固体として得た。H NMR(400 MHz,CDCl)7.91(d,J=8.0 Hz,1H),7.30(d,J=8.0 Hz,1H).
工程3:(3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードフェニル)メタンアミン
Figure 0007482118000078
3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードベンゾニトリル(3g、8.76mmol)のTHF(30mL)溶液に、ボラン-THF(30mL、THF中に1M、30mmol)を添加した。混合物を65Cで3時間、N下で撹拌した。室温まで冷却したら、メタノール(10mL)及びHCl(12N、10mL)を添加して、混合物をクエンチした。反応物を濃縮乾固し、残渣を酢酸エチル(100mL)に取り込み、水で抽出した(50 mL x 2)。有機層を捨て、NaHCOの飽和水溶液を添加して、水層をpH9に調節した。混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、合わせた有機層を水(10mL×2)及びブライン(10mL)で洗浄して乾燥させ(NaSO)、フィルタにかけて濃縮し、(3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードフェニル)メタンアミン(3g、収率99%)を黄色油として得、これを次工程にて直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]=345.9.
工程4:N-(3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド
Figure 0007482118000079
(3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードフェニル)メタンアミン(2.5g、7.22mmol)のメタノール(20mL)溶液に、メチル2,2-ジエトキシアセトイミデート(3.75g、23.26mmol)を添加した。溶液を25Cで12時間撹拌した後、濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン(20mL)に溶解し、水及びブラインで洗浄してMgSOで乾燥させ、フィルタにかけて濃縮し、N-(3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド(3g、収率87%)を黄色固体として得、これを次工程にて直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]=474.9.
工程5:7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロイソキノリン-3-アミン
Figure 0007482118000080
硫酸(10mL)とN-(3-ブロモ-2-クロロ-4-ヨードベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド(3g、6.31mmol)の混合物を、60Cで12時間撹拌した。反応混合物を0Cまで冷却した後、NaOH溶液を添加してpHを9に調節した。得られた溶液をジクロロメタンで抽出した(100mL×3)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させてフィルタにかけ、濃縮して7-ブロモ-8-クロロ-6-フルオロイソキノリン-3-アミン(2.4g、収率99%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=382.8.H NMR(400 MHz,DMSO-d):δ 8.99(s,1H),8.32(s,1H),6.56(s,1H),6.49(s,2H).
実施例3
中間体3:8-クロロ-7-フルオロ-6-ヨードイソキノリン-3-アミン
Figure 0007482118000081
工程1:4アミノ-2-クロロ-3-フルオロベンゾニトリル
Figure 0007482118000082
封止した管にシアン化銅(I)(1.2g、13.37mmol)、4-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロアニリン(1g、4.46mmol)及び1-メチル-2-ピロリジノン(8mL)を添加した。混合物をマイクロ波反応器内で170Cで1時間加熱した。NHCl(20mL)の飽和溶液を添加して反応混合物をクエンチし、フィルタにかけた。濾液を酢酸エチルで抽出した(3×100mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(3×10mL)、NaSOで乾燥させ、シリカゲルのパッドを通してフィルタにかけ、濃縮乾固して4-アミノ-2-クロロ-3-フルオロベンゾニトリル(700mg、収率92%)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=171.1.
工程2:2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードベンゾニトリル
Figure 0007482118000083
CuI(3341mg、17.59mmol)のアセトニトリル(50mL)懸濁液に、亜硝酸tert-ブチル(1811mg、17.59mmol)を65CでN下で添加した。混合物を65℃で10分間撹拌した後、4-アミノ-2-クロロ-3-フルオロベンゾニトリル(2g、11.73mmol)を添加した。混合物を65℃で12時間撹拌した。室温まで冷却したら、混合物を、Na飽和水溶液(30mL)及びNHCl水溶液(30mL)でクエンチし、酢酸エチルで抽出した(3×300mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し(2×10mL)、NaSOで乾燥させてフィルタにかけた。濾液を濃縮して粗生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)で精製して2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードベンゾニトリル(1g、収率30%)を黄色固体として得た。H NMR(400 MHz,CDCl)δ 7.80(dd,J=5.6,8.2 Hz,1H),7.22(dd,J=1.4,8.2 Hz,1H).
工程3:(2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードフェニル)メタンアミン
Figure 0007482118000084
2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードベンゾニトリル(1g、3.55mmol)を、ボラン-THF(35.53mL、THF中に1M、35.53mmol)のTHF(30mL)溶液に0Cで添加した。次に、混合物を室温まで温めて一晩撹拌した。HCl溶液(6M、2mL)を滴加して反応溶液をクエンチした後、NaHCOの水溶液でpH=8まで中和し、ジクロロメタンで抽出した(2×200mL)。合わせた有機層を水(2×10mL)及びブライン(1×10mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、フィルタにかけて濃縮し、(2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードフェニル)メタンアミン(400mg、粗)を得、これを更に精製することなく次工程にて直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]=285.9.
工程4:N-(2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド
Figure 0007482118000085
メチル2,2-ジエトキシアセトイミデート(0.3g、1.88mmol)のメタノール(5mL)溶液に、(2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードフェニル)メタンアミン(250mg、0.88mmol)を添加した。反応混合物を25Cで12時間撹拌した後、濃縮乾固した。残留物をジクロロメタン(20mL)に入れ、水(2×10mL)、次いでブラインで洗浄し、乾燥させて(MgSO)フィルタにかけ、濃縮してN-(2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド(360mg、粗)を黄色固体として得、これを更に精製することなく次工程にて直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]=415.0.
工程5:8-クロロ-7-フルオロ-6-ヨードイソキノリン-3-アミン
Figure 0007482118000086
N-(2-クロロ-3-フルオロ-4-ヨードベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド(0.36g、0.87mmol)及び濃HSO(10mL、26.05mmol)の溶液を、60Cで12時間撹拌した。混合物を0Cまで冷却して、NaOH(10wt%)でpH=9に調節した後、ジクロロメタンで抽出した(5×100mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄して乾燥させ(NaSO)、フィルタにかけて濃縮し、8-クロロ-7-フルオロ-6-ヨードイソキノリン-3-アミン(0.25g、粗)を黄色固体として得、これを更に精製することなく直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]=322.9.H NMR(400MHz,CDOD)δ 9.00(s,1H),8.08(d,J=5.6 Hz,1H),6.70(s,1H).
実施例4
中間体4:6-ブロモ-7-フルオロイソキノリン-3-アミン
Figure 0007482118000087
工程1:(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メタンアミン
Figure 0007482118000088
4-ブロモ-3-フルオロ-ベンゾニトリル(5.0g、25mmol)の、BH・THF(80mL、1mol/L、80mmol)溶液を、60℃で3時間撹拌した。反応物をMeOH(20mL)及びHCl(20mL、12M)でクエンチした。得られた溶液をEtOAcで抽出し(3×200mL)、無水MgSOで乾燥させ、真空下にて濃縮して(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)メタンアミン(4.5g、粗)を得、これを精製することなく、次工程で直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]=204.
工程2:メチル2,2-ジエトキシアセトイミデート
Figure 0007482118000089
2,2-ジエトキシアセトニトリル(4.0g、30.97mmol)及びナトリウムメトキシド(1.2mL、5.4mol/L、6.19mmol)のメチルアルコール(40mL)溶液を25℃で3時間撹拌した後、濃縮乾固した。残渣をジクロロメタン(200mL)に入れて水(3×80mL)、及びブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥させ、真空下にてフィルタにかけて濃縮し、メチル2,2-ジエトキシアセトイミデート(5g、粗)を得、これを更に精製することなく、次工程で直接使用した。LCMS(ESI)[M+H]=162.
工程3:N-(4-ブロモ-3-フルオロベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド
Figure 0007482118000090
メチルアルコール(40mL)中の(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)メタンアミン(4.5g、粗)、メチル2,2-ジエトキシエタンイミデート(5g、粗)の溶液を25℃で3時間撹拌した。反応物を濃縮乾固し、残渣をジクロロメタンに入れた。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮してN-(4-ブロモ-3-フルオロベンジル)-2,2-ジエトキシアセトイミダミド(5.0g、粗)を得、これを更に精製することなく、次工程で使用した。LCMS(ESI)[M+H]=333.
工程4:6-ブロモ-7-フルオロイソキノリン-3-アミン
Figure 0007482118000091
SO(30mL)中のN-[(4-ブロモ-3-フルオロ-フェニル)メチル]-2,2-ジエトキシ-アセトアミジン(5.0g、粗)の溶液を60Cで12時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、NaOHを添加してpH=9に調節した。混合物をDCMで抽出した(3×150mL)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、フィルタにかけて濃縮乾固した。残渣を、EA/PE(3/7)で溶出するシリカゲルカラムで精製し、6-ブロモ-7-フルオロイソキノリン-3-アミンと6-ブロモ-5-フルオロイソキノリン-3-アミンの混合物(800mg、6:6a=5:1、3.32mmol)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=241.
実施例5
中間体5:2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボン酸
工程1:ジフェニル(プロピル)スルホニウムテトラフルオロボレート
Figure 0007482118000092
ジクロロメタン(20mL)中のテトラフルオロホウ酸銀(2g、10.31mmol)の溶液に0 ℃で1-ヨードプロパン(1.75g、10.31mmol)及び硫化ジフェニル(5.76g、30.93mmol)を加えた。反応物を35Cで15時間撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濾液を真空下で濃縮した。残渣をジクロロメタン-エーテルで洗浄してジフェニル(プロピル)スルホニウムテトラフルオロボレート(2g、6.32mmol)を白色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=229.
工程2:trans-tert-ブチル2--エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボキシレート
Figure 0007482118000093
1,2-ジメトキシエタン(30mL)及びジクロロメタン(3mL)中のジフェニル(プロピル)スルホニウムテトラフルオロボレート(1.50g、4.75mmol)の溶液に-78Cでリチウムジイソプロピルアミド(5.54ml、11.09mmol)を加えた。得られた混合物を1時間-78Cで撹拌した。次にtertブチル(Z)-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)プロパ-2-エノエート(330mg、1.58mmol)を加え、-78C~25℃で15時間撹拌した。反応物を水でクエンチした。得られた混合物をジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。フィルタにかけた後、濾液を真空下で濃縮してtrans-tert-ブチル2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボキシレートを、ピラゾールがエステルに対してトランスである4つの立体異性体の混合物(350mg、1.40mmol)として褐色油として得た。LCMS(ESI)[M+H]=251.
工程3:trans-2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボン酸
Figure 0007482118000094
ジクロロメタン(3mL)中のtrans-tert-ブチル2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボキシレート(350mg、1.4mmol)及び2,2,2-トリフルオロ酢酸(8mL)の溶液を25Cで1時間撹拌した。混合物を真空濃縮した。得られた残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のアセトニトリル0~40/0.1% HCl)で精製してtrans-2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボン酸(260mg、1.34mmol)を褐色油として得た。LCMS(ESI)[M+H]=195.
中間体6:2-メチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボン酸
工程1:エチルジフェニルスルファニウムテトラフルオロボレート
Figure 0007482118000095
ジクロロメタン(450mL)中のAgBF(37.48g、192.53mmol)の溶液に窒素下でヨードエタン(30g、192.35mmol)を加えた。溶液を室温で30分間撹拌した。フェニルスルファニル)ベンゼン(106.92g、573.99mmol)を加えた後、35Cで16時間撹拌した。混合物をフィルタにかけ、濾液を真空下で濃縮した。残基をジクロロメタン/エーテル(1/1)で洗浄してエチルジフェニルスルファニウムテトラフルオロボレート(25g、116.28mmol)をオフホワイト固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=215.
工程2:trans-tert-ブチル2--メチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボキシレート
Figure 0007482118000096
ジクロロメタン(2mL)及び1,2-ジメトキシエタン(20mL)中のエチル(ジフェニル)スルホニウム(1.55g、7.2mmol)の溶液に-78Cでリチウムジイソプロピルアミド(4.2mL、8.4mmol)を加えた。得られた溶液を1時間-78Cで撹拌した。tert-ブチル(E)-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)プロパ-2-エノエート(500mg、2.4mmol)を-78Cで加えた。混合物を25Cで6時間撹拌した。反応物を水でクエンチした後、ジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮してtrans-tert-ブチル2-メチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボキシレート(550mg、粗)を黄色油として得た。LCMS(ESI)[M+H]=237.
工程3:(±)-trans-tert-ブチル2-メチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボキシレート
Figure 0007482118000097
ジクロロメタン(3mL)及び2,2,2-トリフルオロ酢酸(4mL)中のtrans-tert-ブチル2-メチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボキシレート(500mg、粗)の溶液を25Cで2時間撹拌した。溶媒を真空下にて濃縮した。反応混合物を、メタノール中のアンモニア(7mol/L)でpH7に調節した。残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のアセトニトリル0~40/0.1% HCl)で精製して、ピラゾールがカルボン酸に対してtransである2-メチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボン酸の4つの立体異性体の混合物(180mg、0.99mmol)を黄色油として得た。LCMS(ESI)[M+H]=181.
実施例101
シクロプロピルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート(化合物101)
Figure 0007482118000098
工程1:シクロプロピルメチル2-クロロアセテート
Figure 0007482118000099
ジクロロメタン(5.0mL)中のトリホスゲン(1.5g、5.1mmol)の溶液を0℃でジクロロメタン(5.0mL)中のシクロプロピルメタノール(1.0g、13.9mmol)及びDIEA(2.2g、16.6mmol)の溶液に滴下で加えた。反応混合物を次に20℃で1時間撹拌した。得られた溶液を真空濃縮した。粗生成物を、いかなる精製も無しで次の工程で直接用いた。
工程2:tert-ブチル7-[3-(シクロプロピルメトキシカルボニルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000100
ジクロロメタン(4.0mL)中のtert-ブチル7-(3-アミノ-7-フルオロ-6-イソキノリル)-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2、3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(100mg、0.2mmol)、シクロプロピルメチル2-クロロアセテート(108.6mg、0.7mmol)及びDIEA(188.6mg、1.5mmol)の溶液を25℃で2時間撹拌した。得られた溶液を真空濃縮した。残渣を、石油エーテル/酢酸エチル(4/1)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル 7-[3-(シクロプロピルメトキシカルボニルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(19.0mg、0.04mmol、15.3%の収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=509.2.
工程3:シクロプロピルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート
Figure 0007482118000101
ジクロロメタン(4.0mL)中のtert-ブチル7-[3-(シクロプロピルメトキシカルボニルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(100mg、0.2mmol)及びトリフルオロ酢酸(1.0mL)の溶液を25℃で1時間撹拌した。反応溶液を真空下で濃縮した。残渣のpH値をメタノール中のアンモニア(7mol/L)でpH8に調節した。沈殿物を濾過により収集してN-[7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)-3-イソキノリル]カルバメート(36.9mg、0.091mmol、45.9%の収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=409.2、Rt=2.499分、方法=K.H NMR(300 MHz,DMSO-d)δ 10.25(s,1H),9.12(s,1H),8.23(s,1H),7.92-7.85(m,2H),7.38(s,1H),6.01-5.35(m,1H),4.31(s,2H),4.01(d,J=9.0 Hz,2H),3.36(s,2H),1.89(s,3H),1.21-1.14(m,1H),0.56(d,J=18 Hz,2H),0.33(d,J=6.0 Hz,2H).
実施例102
シクロプロピルメチル(6-(5-アミノ-4-メチルピリジン-3-イル)-7-フルオロイソキノリン-3-イル)カルバメート(化合物102)
Figure 0007482118000102
工程1:tert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-[3-(シクロプロピルメトキシカルボニルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-4-メチル-3-ピリジル]カルバメート
Figure 0007482118000103
ジクロロメタン(10mL)中のtert-ブチルN-[5-(3-アミノ-7-フルオロ-6-イソキノリル)-4-メチル-3-ピリジル]-N-tert-ブトキシカルボニル-カルバメート(150mg、0.3mmol)及びピリジン(126.5mg、1.6mmol)の溶液を0℃で10分間撹拌した。次にシクロプロピルメチルカルボノクロリデート(0.91mL、0.6mmol)を滴下で緩徐に加えた後、0℃で2時間撹拌した。得られた溶液を真空濃縮した。残渣を、石油エーテル/酢酸エチル(1/1)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-[3-(シクロプロピルメトキシカルボニルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-4-メチル-3-ピリジル]カルバメート(120mg、0.2mmol、66.1%の収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=567.2.
工程2:シクロプロピルメチル(6-(5-アミノ-4-メチルピリジン-3-イル)-7-フルオロイソキノリン-3-イル)カルバメート
Figure 0007482118000104
ジクロロメタン(4mL)中のtert-ブチルN-tert-ブトキシカルボニル-N-[5-[3-(シクロプロピルメトキシカルボニルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-4-メチル-3-ピリジル]カルバメート(120mg、0.2mmol)及びトリフルオロ酢酸(1.0mL)の溶液を20℃で1時間撹拌した。溶媒を真空下にて濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のアセトニトリル0~40/0.1% NHHCO)により精製してシクロプロピルメチル(6-(5-アミノ-4-メチルピリジン-3-イル)-7-フルオロイソキノリン-3-イル)カルバメート(61.1mg、0.167mmol、78.7%の収率)を白色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=367.2、Rt=2.137分、方法=K;H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.25(s,1H),9.13(s,1H),8.23(s,1H),8.03(s,1H),7.95(d,J=10.0 Hz,1H),7.89(d,J=7.1 Hz,1H),7.72(s,1H),5.40(s,2H),3.99(d,J=7.2 Hz,2H),1.92(d,J=1.7 Hz,3H),1.25-1.12(m,1H),0.60-0.51(m,2H),0.38-0.29(m,2H).
実施例103
(R)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)尿素及び(S)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)尿素
(化合物201a及び化合物201b)
Figure 0007482118000105
工程1:tert-ブチル 7-[7-フルオロ-3-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000106
ジクロロメタン(10mL)中のtert-ブチル7-(3-アミノ-7-フルオロ-6-イソキノリル)-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(150mg、0.4mmol)、ピリジン(288.7mg,3.7mmol)及び4-ニトロフェニルクロロホルメート(81mg、0.4mmol)の溶液を25Cで4時間撹拌した。混合物を次に真空下で濃縮し、石油エーテル/酢酸エチル(5/1)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(180mg、0.3mmol、85.6%の収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI,m/z)[M+H]=576.2.
工程2:tert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[1-(1-メチルピラゾール-4-イル)エチルカルバモイルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000107
ジクロロメタン(30mL)中のtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(200mg、0.40mmol)及びピリジン(0.08mL、1.0mmol)の溶液に0℃で1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エタンアミン(52.2mg、0.4mmol)を加えた。得られた溶液を25 °Cで4時間撹拌した。反応物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、真空濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[1-(1-メチルピラゾール-4-イル)エチルカルバモイルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(60mg、0.1mmol、30.7%の収率)を褐色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=562.2.
工程3:(R)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)尿素及び(S)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)尿素
Figure 0007482118000108
ジクロロメタン(20mL)中のtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[1-(1-メチルピラゾール-4-イル)エチルカルバモイルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(70mg、0.1mmol)及びトリフルオロ酢酸(5mL)の溶液を25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、分取HPLC(XBridge Prep OBD C18 Column 30×150mm 5μm;Water(10MMOL/L NHHCO):CHCN=20% Bから43% Bへ、7分;60mL/分)により精製してラセミ生成物を得た。ラセミ生成物をキラル-HPLCにより分離して2つのエナンチオマーを得た。絶対立体化学は任意に割り当てた。
エナンチオマー1(化合物201a)(13.2mg、22.9%の収率):保持時間:2.148分(Repaired Chiral-IA、0.46*10cm;5μm;MtBE(20mM NH・MeOH):EtOH=70:30、5分;1.0mL/分);LCMS(ESI)[M+H]=462.2、Rt=2.253分、方法=M;H NMR(300 MHz,Methanol-d)δ 9.02(s,1H),7.82(s,1H),7.74-7.72(m,2H),7.61(s,1H),7.51(s,1H),7.40(s,1H),5.05-5.03(m,1H),4.47-4.38(m,2H),3.89(s,3H),3.51(t,J=4.4 Hz,2H),2.02(d,J=1.8 Hz,3H),1.57(d,J=6.8 Hz,3H).
エナンチオマー2(化合物201b)(17.9mgl、31.1%の収率):保持時間:3.003分(Repaired Chiral-IA、0.46*10cm;5μm;MtBE(20mM NH・MeOH):EtOH=70:30、5分、1.0mL/分);LCMS(ESI)[M+H]=462.2、Rt=2.241分、方法=M;H NMR(300 MHz,Methanol-d)δ 9.02(s,1H),7.82(s,1H),7.74-7.72(m,2H),7.61(s,1H),7.51(s,1H),7.40(s,1H),5.05-5.03(m,1H),4.47-4.38(m,2H),3.89(s,3H),3.51(t,J=4.4 Hz,2H),2.02(d,J=1.8 Hz,3H),1.57(d,J=6.8 Hz,3H).
実施例104
1-(シクロプロピルメチル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素(化合物202)
Figure 0007482118000109
工程1:tert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000110
ジクロロメタン(4mL)中のtert-ブチル7-(3-アミノ-7-フルオロ-6-イソキノリル)-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(200mg、0.5mmol)、ピリジン(115.6mg、1.5mmol)及び4-ニトロフェニルクロロホルメート(147.3mg、0.7mmol)の溶液を室温で2時間撹拌した。得られた溶液を真空濃縮した。粗生成物を、いかなる精製も無しで次の工程で直接用いた。
工程2:tert-ブチル7-[3-(シクロプロピルメチルカルバモイルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000111
ジクロロメタン(3mL)中のtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(粗)、シクロプロパンメチルアミン(70mg、1.0mmol)及びピリジン(77.8mg、1.0mmol)の溶液を25°Cで2時間撹拌した。溶媒を真空下にて濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のアセトニトリル0~40/0.1% NHHCO)により精製してtert-ブチル7-[3-(シクロプロピルメチルカルバモイルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(150mg、0.3mmol、2工程で61%の収率)を黄色固体として得た。
工程3:1-(シクロプロピルメチル)-3-[7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)-3-イソキノリル]尿素
Figure 0007482118000112
ジクロロメタン(4mL)中のtert-ブチル7-[3-(シクロプロピルメチルカルバモイルアミノ)-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(150mg、0.3mmol)及びトリフルオロ酢酸(2.0mL、0.3mmol)の溶液を25℃で1h撹拌した。得られた混合物を真空濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のアセトニトリル0~40/0.1% NHHCO)により精製して1-(シクロプロピルメチル)-3-[7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)-3-イソキノリル]尿素(77.7mg、0.2mmol、64.5%)を白色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=408.1、Rt=2.477分、方法=L.H NMR(300 MHz,メタノール-d)δ 9.01(s,1H),7.80-7.65(m,3H),7.37(s,1H),4.44-4.35(m,2H),3.48(t,J=4.4 Hz,2H),3.18(d,J=6.9 Hz,2H),1.99(d,J=1.8 Hz,3H),1.14-0.99(m,1H),0.59-0.48(m,2H),0.28(dt,J=6.0,4.5 Hz,2H).
実施例105
(R)-1-(1-シアノプロパン-2-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素及び(S)-1-(1-シアノプロパン-2-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素
(化合物203a及び化合物203b)
Figure 0007482118000113
工程1:tert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3 ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000114
ジクロロメタン(4mL)中のtert-ブチル7-(3-アミノ-7-フルオロ-6-イソキノリル)-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(200mg、0.5mmol)、4-ニトロフェニルクロロホルメート(108mg、0.5mmol)及びピリジン(385mg、4.9mmol)の溶液を25℃で1時間撹拌した。粗生成物を、いかなる精製も無しで次の工程で直接用いた。
工程2:tert-ブチル7-[3-[(2-シアノ-1-メチル-エチル)カルバモイルアミノ]-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000115
ジクロロメタン(4mL)中のtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-[(4-ニトロフェノキシ)カルボニルアミノ]-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(粗)、3-アミノブタンニトリル(32.2mg、0.4mmol)及びピリジン(274.5mg、3.5mmol)の溶液を25℃で1.5h撹拌した。反応物を真空下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル7-[3-[(2-シアノ-1-メチル-エチル)カルバモイルアミノ]-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(130mg、0.2mmol、51%の収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=521.2.
工程3:(R)-1-(1-シアノプロパン-2-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素及び(S)-1-(1-シアノプロパン-2-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素
Figure 0007482118000116
ジクロロメタン(2mL)中のトリフルオロ酢酸(1.0mL)及びtert-ブチル7-[3-[(2-シアノ-1-メチル-エチル)カルバモイルアミノ]-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(120mg、0.2mmol)の溶液を25℃で1時間撹拌した。反応溶液を真空下で濃縮した。残渣のpH値をメタノール中のアンモニア(7mol/L)でpH10に調節した。得られた残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のアセトニトリル0~40/0.1% NHHCO)により精製してラセミ生成物を得た。ラセミ生成物をキラル-HPLCにより分離して2つのエナンチオマーを得た。絶対立体化学は任意に割り当てた。
エナンチオマー1(化合物203a)(42.5mg、0.1mmol、35%の収率):保持時間:3.516分(CHIRALPAK IC-3;0.46*10cm;3μm;MtBE(0.1%DEA):EtOH=70:30、18分;流速:10mL/分)。LCMS(ESI)[M+H]=421.1、Rt=1.277分、方法=J.H NMR(300 MHz,DMSO-d)δ 9.11(s,1H),9.07(s,1H),8.14(s,1H),7.89(d,J=10.1 Hz,1H),7.78(d,J=7.2 Hz,1H),7.37(s,1H),7.21(d,J=7.3 Hz,1H),5.72(s,1H),4.30(s,2H),4.15-3.88(m,1H),3.38(s,2H),2.82(dd,J=9.6,5.4 Hz,2H),1.92(d,J=1.8 Hz,3H),1.26(d,J=6.7 Hz,3H).
エナンチオマー2(化合物203b)(45.3mg、0.1mmol、36%の収率):保持時間:4.497分(CHIRALPAK IC-3;0.46*10cm;3μm;MtBE(0.1%DEA):EtOH=70:30、18分;流速:10mL/分)。LCMS(ESI)[M+H]=421.1、Rt=1.277分、方法=J.H NMR(300 MHz,DMSO-d)δ 9.11(s,1H),9.07(s,1H),8.14(s,1H),7.89(d,J=10.1 Hz,1H),7.78(d,J=7.2 Hz,1H),7.37(s,1H),7.21(d,J=7.3 Hz,1H),5.72(s,1H),4.30(s,2H),4.15-3.88(m,1H),3.38(s,2H),2.82(dd,J=9.6,5.4 Hz,2H),1.92(d,J=1.8 Hz,3H),1.26(d,J=6.7 Hz,3H).
実施例106
1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)尿素(化合物204)
Figure 0007482118000117
工程1:tert-ブチル7-[7-フルオロ-3-(テトラヒドロピラン-4-イルカルバモイルアミノ)-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000118
テトラヒドロフラン(30mL)中のtert-ブチル7-(3-アミノ-7-フルオロ-6-イソキノリル)-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(150mg、0.4mmol)、トリホスゲン(170mg、0.6mmol)及びピリジン(0.1mL、1.3mmol)の溶液を0°Cで10分間撹拌した。テトラヒドロ-2H-ピラン-4-アミン(370mg、3.6mmol)を加え、反応物を0°Cで2時間撹拌した。得られた混合物を真空濃縮した。残渣を、石油エーテル/酢酸エチル(1/5)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製してtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-(テトラヒドロピラン-4-イルカルバモイルアミノ)-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(100mg、0.19mmol、50.9%の収率)を褐色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=538.2.
工程2:1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)尿素
Figure 0007482118000119
ジクロロメタン(15mL)及びTFA(3mL)中のtert-ブチル7-[7-フルオロ-3-(テトラヒドロピラン-4-イルカルバモイルアミノ)-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(100mg、0.19mmol)の溶液を25℃で1時間撹拌した。得られた溶液を真空濃縮した。残渣をメタノールに溶解し、メタノール中のアンモニア(7mol/L)でpH8に調節した。得られた溶液を真空下で濃縮し、分取HPLC(YMC-Actus Triart C18 30*250、5μm;Water(10mmol/L NHHCO):CHCN=33% Bから58% Bへ、7分;60mL/分)により精製して1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)尿素(61.6mg、0.14mmol、75.7%の収率)を白色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=438.2、Rt=1.197分、方法=M.H NMR(300 MHz,DMSO-d)δ 9.06(s,1H),8.98(s,1H),8.12(s,1H),7.87(d,J=10.1 Hz,1H),7.75(d,J=7.2 Hz,1H),7.37(s,1H),7.05(d,J=7.4 Hz,1H),5.73(s,1H),4.30(s,2H),3.84(d,J=11.7 Hz,3H),3.41-3.45(m,4H),1.92(d,J=1.8 Hz,3H),1.87(s,1H),1.83(s,1H),1.51-1.32(m,2H).
実施例107
(1R,2S,3R)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2R,3S)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
(1S,2S,3S)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;及び
(1R,2R,3R)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
(化合物301a;化合物301b;化合物301c;及び化合物301d)
Figure 0007482118000120
工程1:trans-tert-ブチル7-[3-[[(1S,2S)-2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボニル]アミノ]-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート
Figure 0007482118000121
ホスホリルクロリド(590mg、3.9mmol)を0℃でジクロロメタン(10mL)及びピリジン(2mL)中のtrans-[(1S,3S)-2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボン酸(250mg、1.3mmol)及びtert-ブチル7-(3-アミノ-7-フルオロ-6-イソキノリル)-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(480mg、1.2mmol)の溶液に加えた。反応物を0℃で30分間撹拌した後、水の添加によりクエンチした。得られた溶液をジクロロメタンで抽出し、有機層を合わせた。合わせた有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、フィルタにかけて、真空下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ 石油エーテル(1/2)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製してtrans-tert-ブチル7-[3-[[(1S,2S)-2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボニル]アミノ]-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(500mg、0.9mmol、66.2%の収率)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=587.7.
工程2:(1R,2S,3R)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド、(1S,2R,3S)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド、(1S,2S,3S)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド及び(1R,2R,3R)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
Figure 0007482118000122
ジクロロメタン(5mL)中のtrans-tert-ブチル7-[3-[[(1S,2S)-2-エチル-3-(1-メチルピラゾール-4-イル)シクロプロパンカルボニル]アミノ]-7-フルオロ-6-イソキノリル]-8-メチル-2,3-ジヒドロピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-1-カルボキシレート(500mg、0.85mmol)及びトリフルオロ酢酸(3mL)の溶液を25℃で3時間撹拌した。反応溶液を真空下で濃縮した。残渣のpH値をメタノール中のアンモニア(7mol/L)でpH7に調節した。反応混合物を真空濃縮した。残渣を逆相クロマトグラフィー(水中のアセトニトリル0~40/0.1% NHHCO)により精製してラセミ混合物を得た。混合物をキラル-HPLCにより分離して4つの異性体を得た。ピラゾールはアミドに対してトランス;エチル相対立体化学は任意に割り当てた。全ての絶対立体化学は任意に割り当てた。
異性体1(化合物301a)(40mg、0.08mmol、9.6%の収率):保持時間:2.736(Repaired Chiral-IA、0.46*10cm;5μm;MtBE(0.1%DEA):MeOH=80:20、10分;1mL/分)。LCMS(ESI)[M+H]=487.2、Rt=2.372分、方法=J;H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.82(s,1H),9.14(s,1H),8.53(s,1H),7.93(d,J=10.0 Hz,1H),7.86(d,J=7.2 Hz,1H),7.52(s,1H),7.37(s,1H),7.25(s,1H),5.73(d,J=2.8 Hz,1H),4.30-4.20(m,2H),3.76(s,3H),3.40(s,2H)2.23-2.15(m,2H),1.92(s,3H),1.80-1.75(m,1H),1.62-1.55(m,1H),1.52-1.40(m,1H),0.92-0.90(m,3H).
異性体2(化合物301b)(39.7mg、0.08mmol、9.5%の収率):保持時間:3.219(Repaired Chiral-IA、0.46*10cm;5μm;MtBE(0.1%DEA):MeOH=80:20、10分;1mL/分)。LCMS(ESI)[M+H]=487.2、Rt=1.379分、方法=J;H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.82(s,1H),9.14(s,1H),8.53(s,1H),7.93(d,J=10.0 Hz,1H),7.86(d,J=7.2 Hz,1H),7.52(s,1H),7.37(s,1H),7.25(d,J=0.8 Hz,1H),5.73(d,J=2.7 Hz,1H),4.30-4.20(m,2H),3.76(s,3H),2.23-2.15(m,2H),2.30-2.10(m,2H),1.92(s,3H),1.75-1.65(m,1H),1.65-1.57(m,2H),0.92-0.80(m,3H).
異性体3(化合物301c)(38.5mg、0.08mmol、9.3%の収率):保持時間:3.921(Repaired Chiral-IA、0.46*10cm;5μm;MtBE(0.1%DEA):MeOH=80:20、10分;流速:1mL/分)。LCMS(ESI)[M+H]=487.2、Rt=1.377分、方法=J;H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.86(s,1H),9.16(s,1H),8.51(s,1H),7.94(d,J=10.0 Hz,1H),7.85(d,J=7.2 Hz,1H),7.53(s,1H),7.37(s,1H),7.29(s,1H),5.72(s,1H),4.30-4.20(m,2H),3.80(s,3H),3.40-3.30(m,2H),2.40-2.35(m,1H),2.19-2.10(m,1H),1.92(s,3H),1.58-1.46(m,1H),1.31-1.15(m,2H),0.89-0.80(m,3H).
異性体4(化合物301d)(38.4mg、0.078mmol、9.2%の収率):保持時間:4.813(Repaired Chiral-IA、0.46*10cm;5μm;MtBE(0.1%DEA):MeOH=80:20、10分;1mL/分)。LCMS(ESI)[M+H]=487.2、Rt=1.375分、方法=J;H NMR(400 MHz,DMSO-d6)δ 10.86(s,1H),9.16(s,1H),8.51(s,1H),7.94(d,J=10.0 Hz,1H),7.85(d,J=7.1 Hz,1H),7.53(s,1H),7.37(s,1H),7.29(s,1H),5.72(d,J=3.0 Hz,1H),4.30-4.25(m,2H),3.80(s,3H),3.40-3.30(m,2H),2.40-2.35(m,1H),2.19-2.15(m,1H),1.92(s,3H),1.59-1.46(m,1H),1.32-1.15(m,2H),0.89-0.80(m,J=7.3 Hz,3H).
実施例108
3-(3-((1S,2S,3S)-2-エチル-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド)-7-フルオロイソキノリン-6-イル)-4-メチルピリジン1-オキシド及び3-(3-((1S,2R,3S)-2-エチル-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド)-7-フルオロイソキノリン-6-イル)-4-メチルピリジン1-オキシド
(化合物302a及び化合物302b)
Figure 0007482118000123
工程1:3-ブロモ-4-メチル-1-オキシド-ピリジン-1-イウム
Figure 0007482118000124
ジクロロメタン(15mL)中の3-ブロモ-4-メチルピリジン(1g、5.8mmol)及びメタ-クロロペル安息香酸(1.5g、8.7mmol)の溶液を20℃で2時間撹拌した。反応溶液をチオ硫酸ナトリウムの溶液によりクエンチし、次に酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、フィルタにかけ、真空下で濃縮して3-ブロモ-4-メチル-1-オキシド-ピリジン-1-イウム(1g、粗)を黄色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=187.
工程2:7-フルオロ-6-(4-メチル-1-オキシド-ピリジン-1-イウム-3-イル)イソキノリン-3-アミン
Figure 0007482118000125
1,4-ジオキサン(20mL)及び水(2mL)中の3-ブロモ-4-メチル-1-オキシド-ピリジン-1-イウム(300mg、1.6mmol)、7-フルオロ-6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)イソキノリン-3-アミン(456mg、1.6mmol)、Pd(dppf)Cl(119mg、0.2mmol)及びKCO(223mg、1.6mmol)の溶液を90℃で2時間撹拌した。フィルタにかけた後、濾液を減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/メタノール(10/1)で溶出するシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して7-フルオロ-6-(4-メチル-1-オキシド-ピリジン-1-イウム-3-イル)イソキノリン-3-アミン(145mg、0.5mmol、33.7%)を褐色固体として得た。LCMS(ESI)[M+H]=270.1.
工程3:3-(3-((1S,2S,3S)-2-エチル-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド)-7-フルオロイソキノリン-6-イル)-4-メチルピリジン1-オキシド及び3-(3-((1S,2R,3S)-2-エチル-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド)-7-フルオロイソキノリン-6-イル)-4-メチルピリジン1-オキシド
Figure 0007482118000126
N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の7-フルオロ-6-(4-メチル-1-オキシド-ピリジン-1-イウム-3-イル)イソキノリン-3-アミン(50mg、0.2mmol)、2-エチル-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボン酸(38mg、0.20mmol)及びピリジン(29mg、0.4mmol)の溶液を室温で30分間撹拌した。プロピルホスホン酸無水物(88mg、0.3mmol)を0℃で緩徐に加えた。得られた溶液を50 ℃で4時間加熱した。得られた溶液を真空濃縮した。残渣を逆相カラム(水中のアセトニトリル/1% NHHCO=2/1)により精製して立体異性体の混合物を得た。混合物をキラルHPLCにより分離して2つの立体異性体を得た。ピラゾールはアミドに対してトランス;エチル相対立体化学を任意に割り当てた;全ての絶対立体化学を任意に割り当てた。
異性体1(化合物302a)(43mg、52%の収率):保持時間:2.628分(Repaired Chiral-IA、0.46*5cm;3μm;(Hex:DCM=1:1)(0.1%DEA):IPA=50:50、6分;1.0ml/分)。LCMS(ESI)[M+H]=446.2、Rt=1.453分、方法=J;H NMR(300 MHz,DMSO-d)δ 10.92(s,1H),9.21(s,1H),8.55(s,1H),8.31-8.20(m,2H),8.03(d,J=8.8 Hz,2H),7.54(s,1H),7.44(d,J=6.6 Hz,1H),7.30(s,1H),3.80(s,3H),2.36(dd,J=8.9,4.6 Hz,1H),2.20(t,J=4.8 Hz,1H),2.13(s,3H),1.61-1.46(m,1H),1.30-1.16(m,2H),0.90(t,J=7.3 Hz,3H).
異性体2(化合物302b)(2mg、2.4%の収率):保持時間:4.063分(Repaired Chiral-IA、0.46*5cm;3μm;(Hex:DCM=1:1)(0.1%DEA):IPA=50:50、6分;1.0ml/分)。LCMS(ESI)[M+H]=446.2、Rt=1.453分、方法=J;H NMR(300 MHz,DMSO-d)δ 10.92(s,1H),9.21(s,1H),8.55(s,1H),8.31-8.20(m,2H),8.03(d,J=8.8 Hz,2H),7.54(s,1H),7.44(d,J=6.6 Hz,1H),7.30(s,1H),3.80(s,3H),2.36(dd,J=8.9,4.6 Hz,1H),2.20(t,J=4.8 Hz,1H),2.13(s,3H),1.61-1.46(m,1H),1.30-1.16(m,2H),0.90(t,J=7.3 Hz,3H).
実施例109
テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート(化合物103)
Figure 0007482118000127
一般的な合成方法に従い、上述のものに類似の手順に従い合成した。LCMS(ESI)[M+H]=439.2、Rt=3.937分、方法=N;H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 10.22(s,1H),9.11(s,1H),8.21(s,1H),7.92(d,J=10.0 Hz,1H),7.85(d,J=7.3 Hz,1H),7.37(s,1H),5.72(t,J=2.7 Hz,1H),4.91(dq,J=8.9,4.4 Hz,1H),4.30(t,J=4.4 Hz,2H),3.89-3.84(m,2H),3.51-3.46(m,2H),3.38-3.35(m,3H),1.95(dd,J=12.9,4.0 Hz,2H),1.91(d,J=1.9 Hz,3H),1.66-1.58(m,2H).
実施例110
1-シクロプロピル-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素(化合物207)
一般的な合成方法に従い、上述のものに類似の手順に従い合成した。LCMS(ESI)[M+H]=394.2、Rt=2.006分、方法=J;H NMR(400 MHz,DMSO-d)δ 9.03(s,1H),8.90(s,1H),8.11(s,1H),7.86(s,1H),7.74(s,1H),7.35(s,1H),7.09(s,1H),5.71(s,1H),4.28(s,2H),1.89(s,3H),0.65(d,4H).
実施例111
本明細書で記載する一般的な合成方法に従い、及び、上記のものに類似の手順に従い、追加の化合物を合成した。LC/MS分析データを表A1に提供する。
Figure 0007482118000128
Figure 0007482118000129
Figure 0007482118000130
Figure 0007482118000131
Figure 0007482118000132
Figure 0007482118000133
Figure 0007482118000134
Figure 0007482118000135
生物学的実施例
式(I)の代表的な化合物を試験して、HPK-1の化合物阻害を評価した。
実施例B1:HPK1-FL HTRF酵素アッセイ(「HTRF」)
アッセイ原理:
1mM、及び様々な濃度の試験化合物における、ATPの存在下での、HPK-FL酵素リン酸化ビオチン-SLP-76。Eu-抗-pSLP76 Ab及びSA-XL665を使用するFRETにより、生成物を検出する。更なるHTRF技術情報については、www.cisbio.com/HTRFも参照のこと。
計装:Echo555化合物ディスペンサ;Agilent Bravo;Perkin Elmer Envision.
最終アッセイ条件:
HPK完全長、T165E S171E:0.125nM
ビオチン-SLP76:100nM
ATP:1mM(ATP Km=20μM)
Eu-抗pSLP76:2nM
SA-XL665:8.3nM
プレインキュベーション時間:30分
キナーゼ反応時間:60分
温度:周囲
合計体積:12μl
ATPapp Km:17.7μM
材料:
アッセイプレート:White ProxiPlate 384 F(PerkinElmer カタログ番号 6008289)
キナーゼ:HPK完全長二重変異体
基質:Biotin-SLP76
ATP:100mM ATP
BSG:2%BSG
DMSO:DMSO(Sigmaカタログ番号34869-100ML)
反応緩衝液:HO/50mM HEPES、pH 7.5/10mM MgCl/2mM TCEP/0.01% Brij-35/0.01% BSG
検出ミックス:Eu-抗-pSLP76/SA-XL665(Cisbio,#610SAXAC)
Ki測定のアッセイ手順:
80nLの化合物又はDMSOをスポットした、384ウェルProxiplateに、4μL/ウェルのキナーゼミックスを添加した。混合物を30分間プレインキュベートした後、4μL/ウェル基質ミックスを混合した。溶液を60分間インキュベートした後、4μL/ウェルの検出ミックスを添加した。溶液を更に60分間インキュベートした。次に、プレートをPerkin Elmer Envisionにロードし、TR-FRETシグナルを615及び665nmで測定した。665/620の比率を使用して、各濃度の化合物で、活性割合を計算した。
実施例B2:HPK1 Lantha結合アッセイ(「Lanth」)
Figure 0007482118000136
手順:
I.化合物の希釈:
Bravo液体処理プラットフォームを用いて、カラム2及び13に、12.5μL/ウェルの5mM化合物(100X)、カラム3~12、14~23に10μL/ウェルのDMSO、並びに、化合物プレートのウェルA1~H1及びI24~P24を調製することにより、試験化合物を希釈した。参照化合物に対しては、上部濃度を1mMとした。プレートに、ウェルJ1~P1及びA24~H24の10μL 2mMスタウロスポリンを添加した。11箇所の5倍化合物連続希釈を、Bravo液体処理プラットフォームを使用して実施した。カラム2及びカラム13の、2.5μLの溶液を、プレートから、カラム3及び14などの、10μLのDMSOに移した。化合物プレートを2500rpmで1分間遠心分離した。Echo液体ハンドラーシステムを使用して化合物プレートから80nlの化合物をアッセイプレートに移した。1つの化合物プレートにより、2つのアッセイプレートが作製される。各アッセイプレートを封止し、Nキャビネットに保管した。
II.アッセイ条件:
以下のアッセイ濃度及び時間を用いた:2nM HPK1、2nM Eu-抗-GST Ab、及び15nM Tracer222(60分のインキュベーション時間)。
III.HPK Lantha結合アッセイ:
結合アッセイのために、4μLの2X HPK1及びEu-抗-GST抗体を、Multidrop試薬ディスペンサを使用して、アッセイの各ウェルに添加した。溶液を23Cインキュベーターで1時間インキュベーションした。アッセイプレートの各ウェルに、4μLの2X Tracer-222を、Multidrop試薬ディスペンサを使用して添加した。溶液を再び、23℃のインキュベーターで1時間インキュベートした。アッセイ結果を、Envisionプレートリーダーを用いて、以下のパラメーターで読み取った:TR_FRET、340ex/615及び665em;100μ秒の遅延;及び200μ秒のインテグレーション。
IV.分析:
化合物のKiを、XL-適合のMorrison ki適合モデルを用いて分析した。
a.適合=(1-((((E+x)+(Ki*(1+(S/Kd))))-(((((E+x)+(Ki*(1+(S/Kd))))^2)-((4*E)*x))^0.5))/(2*E)))
res=(y-適合)
b.パラメーター:
E=酵素濃度
S=Tracer222濃度、Kd=Tracer222 Kd
同じ単位(nM)を使用して、全ての測定値を報告する。
例示化合物をHTRF結合アッセイで試験した。測定したK値を表B1に列挙する。
Figure 0007482118000137
Figure 0007482118000138
実施例B3:ヒトT細胞 IL2誘導アッセイ
アッセイ原理:抗CD3及び抗CD28は、初代ヒト汎T細胞中のTCRシグナル伝達を活性化してIL-2プロモーター誘導をもたらす。細胞培養上清で分泌したIL-2を、IL-2に対するキャプチャー抗体、及びSULFOタグで標識した抗IL-2抗体を使用する電気化学発光で検出する。更なる電気化学発光技術の情報に関しては、www.mesoscale.comも参照のこと。
アッセイ手順:様々な濃度の試験化合物で30分間、加湿したインキュベーター内で、37℃及び5% COで、初代ヒト汎T細胞をインキュベートする。細胞を、固定濃度の抗ヒトCD3(各ドナーロットに対して、個別の測定)でプレコートしたプレートに細胞を移し、可溶性抗ヒトCD28を添加する(終濃度=1μg/mL)。加湿したインキュベーター内で、37℃及び5% COで4時間、細胞を刺激する。25μLの上清を、抗ヒトIL-2抗体でプレコートしたMSDシングルスロットプレートに移す。MSDプレートを一晩4℃で、穏やかに震盪しながらインキュベートする。MSDプレートを洗浄緩衝液で4回洗浄する。1:50希釈した、スルホタグを付けた検出抗体を添加し、室温で振盪しながら2時間インキュベートする。MSDプレートを4回、洗浄緩衝液で洗浄し、150μL 2X MSD読み取り緩衝液を添加する。MSD機器で読み取りを行う。データを、刺激/未処理対象に対して正規化し、各濃度の化合物における活性割合を計算する。
材料:
凍結した初代ヒト汎T細胞(StemCell Technologies #70024)
抗ヒトCD3(OKT3クローン)(eBioscience #16-0037-81)
抗ヒトCD28(CD28.2クローン)(BD #555725)
96ウェルヒトIL-2組織培養キット(MSD #K151AHB-4)
計装:
液体処理用のBiomek FX(Beckman Coulter)
MSD SECTOR S 600(Meso Scale Discovery)
式(I)の代表的な化合物を、ヒトT細胞IL-2誘導アッセイで試験した。未処理細胞と比較して、試験化合物で処理した細胞における、IL-2に対して測定した増加割合を、特定の化合物に関して表B2に示す。
Figure 0007482118000139
実施例B4:pSLP76アッセイ
アッセイ原理:抗CD3は、ヒトJurkat細胞におけるTCRシグナル伝達を活性化させてHPK-1によるS376におけるSLP-76のリン酸化をもたらす。ホスホ-SLP76(S376)は、抗pSLP76(S376)捕捉抗体及びビオチン化抗SLP76検出抗体を使用してサンドイッチELISAにより検出される。
材料:
Jurkat、クローンE6-1(ATCC Cat# TIB-152)
抗CD3 DynaBeads(Invitrogen、Cat# 111.51D)
抗pSLP76(S376)ウサギモノクローナル(Genentech)
ビオチン化抗SLP76ウサギポリクローナル
(Thermo、ビオチン共役は自社で行った)
ストレプトアビジン-ホースラディッシュペルオキシダーゼ(GE、Cat# RPN4401V)
TMB基質(Cell Signaling、Cat# 7004)
STOP溶液(Cell Signaling、Cat# 7002)
アッセイ手順:
様々な濃度の試験化合物で30分間、加湿したインキュベーター内で、37℃及び5% COで、Jurkat細胞をインキュベートする。抗CD3 DynaBeadsを4:1のビーズ:細胞比で加える。加湿したインキュベーター内で、37℃及び5% COで10分間、細胞を刺激する。冷溶解緩衝液を加え、シェーカー上4℃で30分間インキュベートする。細胞溶解液を、捕捉抗体をコーティングした予備遮断したELISAプレートに移す。2時間振盪しながら室温にてインキュベートする。洗浄緩衝液でELISAプレートを5回洗浄し、0.5μg/mlの最終濃度で25μlのビオチン化検出抗体を加える。1時間振盪しながら室温にてインキュベートする。洗浄緩衝液でELISAプレートを5回洗浄し、1:8000の最終希釈で25μlのストレプトアビジン酵素コンジュゲートを加える。20分間振盪しながら室温にてインキュベートする。洗浄緩衝液でELISAプレートを5回洗浄し、25μlのTMB基質溶液を加える。20分間振盪しながら暗所において室温にてインキュベートする。25μlのSTOP溶液を加え、450nmでの吸光度をSoftMax Proで読み取る。
実施例B5:透過性アッセイ
American Type Culture Collection(Manassa、VA)から元々獲得され、Genentechにおいて生成された改変MDCKI(Madin-Darbyイヌ腎臓)であるgMDCKI細胞系において、目的の化合物の細胞透過性を評価した。細胞を使用の4日前に24ウェルMillicellプレート(Millipore、Billerca、MA)(ポリエチレンテレフタレート膜、1mmの細孔径)に2.5x10細胞/mLの播種密度で37℃にて5%のCO及び95%の湿度と共に播種した。試験物品を10μMで先端から基底(A-B)及び基底から先端(B-A)方向で試験した。試験化合物をハンクの平衡塩溶液及び10mMのHEPES(Invitrogen Corporation、Grand Island、NY)からなる輸送緩衝液に溶解させた。経上皮電気抵抗(TEER)及びルシファーイエロー(LY)透過性を使用して実験の開始及び終了時の単層完全性をそれぞれモニターした。試験物品をLC-MS/MSにより分析した。
先端でのA-B及びB-A方向における見かけの透過性(Papp)は、2時間のインキュベーション後に
app=(dQ/dt)・(1/AC
(式中、dQ/dt=レシーバー区画中の化合物出現速度;A=挿入物の表面積;C=Tにおける初期基質濃度)として算出される。流出比(ER)は、
(Papp、B-A/Papp、A-B)
として算出される。
実施例B6:肝細胞安定性アッセイ
化合物の代謝安定性を、肝細胞安定性アッセイを使用して評価する。10のドナープールからの凍結保存されたヒト肝細胞を37℃で急速に解凍し、予め温めたIn VitroGRO(商標)HT培地 に懸濁し、次に100×gで室温で10分間遠心分離する。上清を廃棄し、細胞を5mLのダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)培地に再懸濁する。懸濁液中での細胞生存能をHepatometer(登録商標)Vision(Lonza、NC)で計数し、生存細胞を次にDMEM中で1.0×10細胞/mLに調整する。化合物を最初にDMEM培地で2μMに希釈し、次に125μLの薬物含有培地のアリコートを96ウェル非コーティングプレートに移す。インキュベーションを125μLの肝細胞懸濁液の添加により開始して250μLの総インキュベーション体積を得る。各化合物の最終濃度は1μMであり、最終細胞密度は0.5×10細胞/mLである。インキュベーションを加湿インキュベーター中37℃で実行する。50μLのインキュベーション培地のアリコートを異なる時間間隔(0、60、120及び180分)で採取し、50nMのプロプラノロール(内部標準品)を含有する100μLの氷冷アセトニトリルと直ちに混合する。試料を次に10,000xgで10分間遠心分離し、80μLの上清を採取し、LC/MS-MS分析の前に160μLの水で希釈する。in vitro内在性クリアランス及びスケーリングした肝臓クリアランスをObach et al.J.Pharmacol.Exp.Ther.283:46-58(1997)に記載されるように決定した。
実施例B7:薬物動態(PK)研究
ラットにおける薬物動態研究:200g~300gの範囲内の体重を有するLingchang/Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.(Shanghai/Beijing,P.R.China)から得た雄Sprague DawleyラットをPK研究において使用した。3匹のラットの群に溶液製剤中の試験物品の1mg/kgの静脈内ボーラス(IV)用量を与え、3匹のラットの別の群に0.2%のTween 80(MCT)を含む0.5%のメチルセルロース懸濁液として又は溶液として試験物品の2又は5mg/kgの経口(PO)用量を与えた。血液試料(250μL/時点)をラットのそれぞれからIV又はPO投与の0.033、0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、及び8時間後に大腿動脈中のカテーテルを介して段階的に収集した。血液試料を、カリウム(K2)EDTAを含有する予備冷却したチューブに収集し、収集の1時間以内に3,200gで10分間2~8℃で遠心分離して血漿を回収した。血漿試料をLC/MS/MS分析まで-70℃で貯蔵した。各血漿試料中の濃度を非検証LC/MS/MSにより決定した。各化合物についてモニターした特有の転移と共に多重反応モニタリング(MRM)を使用してデータを獲得する。
薬物動態分析:薬物動態パラメーターをPhoenix(登録商標)WinNonlin(登録商標)バージョン 6.4(Certara L.P.)を使用してGibaldi及びPerrier (Gibaldi and Perrier,1982)に記載されるような非コンパートメント法により算出した。PO投与後に、各PO用量後に得られた無限(AUCinf)に外挿した血漿濃度-時間曲線下の用量正規化面積をIV注射により投薬された動物の平均用量正規化AUCinfで割ることによりパーセントバイオアベイラビリティ(% F)を各動物について決定した。全てのPKパラメーターは平均±標準偏差(SD)として提示される。
用語「a」又は「an」という構成要素は、1つ以上のその構成要素を意味することに注意されたい。例えば「ポリペプチド(a polypeptide)」とは、1つ以上のポリペプチドを表すものと理解される。そのために、用語「a」(又は「an」)、「1つ以上の」、又は「少なくとも1つの」は、本明細書で同じ意味で用いることができる。
本明細書で使用する技術及び科学用語は全て、同一の意味を有する。使用した数(例えば量、温度など)の正確性を確保するための努力はなされているが、いくつかの実験の誤差及びずれは存在する。
本明細書及び特許請求の範囲を通して、語句「を含む(comprise/comprises/comprising)」は、文脈で別様が必要とされる場合を除き、非排他的な意味で用いられる。本明細書で記載される実施形態は「からなる」及び/又は「から本質的になる」実施形態を含むものと理解される。
本明細書で使用する場合、用語「約」は、ある値を言及する場合、明記した量からの、いくつかの実施形態において±50%、いくつかの実施形態において±20%、いくつかの実施形態において±10%、いくつかの実施形態において±5%、いくつかの実施形態において±1%、いくつかの実施形態において±0.5%、及び、いくつかの実施形態において±0.1%の変化を、そのような変化が、開示した方法を実施する、又は開示した組成物を用いるのに適切であるために、包含するものと意味される。
ある範囲の値を提供する場合、文脈が別様に明確に示さないかぎり、その上限と下限との間における、下限の単位の十分の一までの、各介在値、及び、その記載された範囲内の介在値が、本発明に包含されることと理解される。より小さい範囲に独立して含まれ得る、これらの小さい範囲の上限及び下限もまた、記載された範囲内のいずれかの具体的に除外された制限に従うことを条件として、本発明に包含される。記載された範囲が制限の一方又は両方を含む場合は、包含された制限の一方又は両方を除いた範囲もまた、本発明に含まれる。
本明細書で説明される多くの変更、及び本発明のその他の実施形態は、これらの発明が、前述の記載及び添付図面に提示される教示の利益を有するものに属する分野の当業者に想到されるであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、変更及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、これらは、一般的で説明的な意味でのみ使用されており、限定を目的とするものではない。

Claims (21)

  1. 式(I)
    Figure 0007482118000140
    (式中、
    は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C3-4シクロアルキル、-O(C1-6アルキル)、又は-O(C1-6ハロアルキル)であり、
    15は、-OR16、-SR16、-NR1718、又はDであり、
    各R16は、独立してC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、又は3~14員のヘテロシクリルであり、R16の前記C1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ独立して、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
    17は、水素又はC1-6アルキルであり、
    18は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~14員のヘテロシクリル;R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-10シクロアルキル;又は、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されたC1-6アルキルであるか、
    又は、R17及びR18は、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
    Dは、
    Figure 0007482118000141
    であり、式中、波線は親構造への結合点を表し、
    30、R31、R32、R33及びR34は、独立して水素又はR10であり、任意にR30、R31、R32、R33及びR34のうちの2つは、それらが結合する炭素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換されたC3-8シクロアルキル又はR10から独立して選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で任意に置換された3~10員のヘテロシクリルを形成し、但し、R30、R31、R32、R33及びR34のうちの少なくとも1つは、水素以外であり、
    は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、3~14員のヘテロシクリル、又は-ORであり、Rの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、

    Figure 0007482118000142
    からなる群から選択され
    は、水素、ハロゲン、シアノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール、3~14員のヘテロシクリル、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR8a8b、-OR、-OC(O)R、-OC(O)NR8a8b、-SR、-S(O)R、-S(O)、-S(O)NR8a8b、-P(O)R9a9b、-NR8a8b、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)NR8a8b、-N(R)S(O)、又は-N(R)S(O)NR8a8bであり、Rの前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、5~14員のヘテロアリール及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4又は5個の置換基で任意に置換され、
    各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、Rの前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
    各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、Rの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
    各Rは、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
    各R8a及びR8bは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、若しくは3~12員のヘテロシクリルであり、R8a及びR8bの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、R8a及びR8bは、それらが結合する窒素原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
    各Rは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、Rの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、又は5個の置換基で任意に置換され、
    各R9a及びR9bは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、R9a及びR9bの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、R9a及びR9bは、それらが結合するリン原子と共に、R10から独立して選択される1、2、3、4、若しくは5個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
    各R10は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)NR、-OR、-OC(O)R、-OC(O)NR、-SR、-S(O)R、-S(O)、-S(O)(=NH)R、-S(O)NR、-NR、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)OR、-N(R)C(O)NR、-N(R)S(O)、-N(R)S(O)NR、又は-P(O)Rであり、R10の前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、Rの前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、Rの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各R及びRは、独立して水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、若しくは3~12員のヘテロシクリルであり、R及びRの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
    各Rは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~12員のヘテロシクリルであり、Rの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rは、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
    各R及びRは、独立してC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~12員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、R及びRの前記C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~12員のヘテロシクリルは、それぞれ、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、R及びRは、それらが結合するリン原子と共に、R11から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~12員のヘテロシクリルを形成し、
    各R11は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~8員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)Ra1、-C(O)ORb1、-C(O)NRc1d1、-ORb1、-OC(O)Ra1、-OC(O)NRc1d1、-SRb1、-S(O)Re1、-S(O)e1、-S(O)NRc1d1、-NRc1d1、-N(Rf1)C(O)Ra1、-N(Rf1)C(O)ORb1、-N(Rf1)C(O)NRc1d1、-N(Rf1)S(O)e1、-N(Rf1)S(O)NRc1d1、又は-P(O)Rg1h1であり、R11の前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~14員のヘテロアリール、及び3~14員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Ra1は、独立して水素、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、Ra1の前記C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rb1は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、Rb1の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rc1及びRd1は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、若しくは3~8員のヘテロシクリルであり、Rc1及びRd1の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、Rc1及びRd1は、それらが結合する窒素原子と共に、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~8員のヘテロシクリルを形成し、
    各Re1は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、又は3~8員のヘテロシクリルであり、Re1の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rf1は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
    各Rg1及びRh1は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、3~8員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、Rg1及びRh1の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール、5~10員のヘテロアリール、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、Rg1及びRh1は、それらが結合するリン原子と共に、R12から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~8員のヘテロシクリルを形成し、
    各R12は、独立してオキソ、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、3~6員のヘテロシクリル、ハロゲン、シアノ、-C(O)Ra2、-C(O)ORb2、-C(O)NRc2d2、-ORb2、-OC(O)Ra2、-OC(O)NRc2d2、-S(O)e2、-S(O)NRc2d2、-NRc2d2、-N(Rf2)C(O)Ra2、-N(Rf2)C(O)ORb2、-N(Rf2)C(O)NRc2d2、-N(Rf2)S(O)e2、-N(Rf2)S(O)NRc2d2、又は-P(O)Rg2h2であり、R12の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Ra2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、又は3~6員のヘテロシクリルであり、Ra2の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rb2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、又は3~6員のヘテロシクリルであり、Rb2の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rc2及びRd2は、独立して水素、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、若しくは3~8員のヘテロシクリルであり、Rc2及びRd2の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、Rc2及びRd2は、それらが結合する窒素原子と共に、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~6員のヘテロシクリルを形成し、
    各Re2は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、又は3~6員のヘテロシクリルであり、Re2の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、Cアリール、5~6員のヘテロアリール、及び3~6員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、又は4個の置換基で任意に置換され、
    各Rf2は、独立して水素又はC1-6アルキルであり、
    各Rg2及びRh2は、独立してC1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、若しくは-O-C1-6アルキルであり、Rg2及びRh2の前記C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、及び3~8員のヘテロシクリルは、それぞれ、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換されるか、
    又は、Rg2及びRh2は、それらが結合するリン原子と共に、R13から独立して選択される1、2、3、若しくは4個の置換基で任意に置換された4~6員のヘテロシクリルを形成し、かつ
    各R13は、独立してオキソ、ハロゲン、ヒドロキシル、-O(C1-6アルキル)、シアノ、C1-6アルキル、又はC1-6ハロアルキルである
    の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
  2. が、水素である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  3. 15が、-OR16である、請求項1又は2に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  4. 16が、
    Figure 0007482118000143
    Figure 0007482118000144
    (式中、波線は親構造への結合点を表す)
    からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  5. 15 が、-NR 17 18 であり、ここで、R 17 が、水素であり、18が、
    Figure 0007482118000145
    (式中、波線は親構造への結合点を表す)
    からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
  6. 18が、
    Figure 0007482118000146
    (式中、波線は親構造への結合点を表す)
    からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  7. 18が、
    Figure 0007482118000147
    (式中、波線は親構造への結合点を表す)
    からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  8. Dが、
    Figure 0007482118000148
    である、請求項1又は2に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  9. 前記化合物が、式(IA):
    Figure 0007482118000149
    (式中、R、R、R、R及びR16は、請求項1で定義されたとおりである)
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  10. 前記化合物が、式(IB):
    Figure 0007482118000150
    (式中、R、R、R、R、R17及びR18は、請求項1で定義されたとおりである)
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  11. 前記化合物が、式(IC):
    Figure 0007482118000151
    (式中、R、R、R、R及びDは、請求項1で定義されたとおりである)
    の化合物である、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩
  12. 前記化合物が
    シクロプロピルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    1-アセチルアゼチジン-3-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    1-(メチルカルバモイル)アゼチジン-3-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (3-フルオロピロリジン-3-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-(3-フルオロピロリジン-3-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-(3-フルオロピロリジン-3-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    ピロリジン-3-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-ピロリジン-3-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-ピロリジン-3-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    1-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-1-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-1-オキサ-7-アザスピロ[4.4]ノナン-3-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    ピロリジン-2-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-ピロリジン-2-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-ピロリジン-2-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-アミノプロピル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-2-アミノプロピル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-2-アミノプロピル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (4-フルオロピペリジン-4-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-アミノエチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    3-メトキシブチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-3-メトキシブチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-3-メトキシブチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    アダマンタン-2-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-(メチルスルホニル)エチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2,2,2-トリフルオロエチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-(ピリジン-2-イル)エチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    ネオペンチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-(2Aアザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-(2-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    6-アザスピロ[3.4]オクタン-1-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-6-アザスピロ[3.4]オクタン-1-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-6-アザスピロ[3.4]オクタン-1-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-(3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル)エチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    trans-2-シアノシクロヘキシル(8-クロロ-7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1S,2R)-2-シアノシクロヘキシル(8-クロロ-7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1R,2S)-2-シアノシクロヘキシル(8-クロロ-7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    trans-2-シアノシクロペンチル(8-クロロ-7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1R,2S)-2-シアノシクロペンチル(8-クロロ-7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1S,2R)-2-シアノシクロペンチル(8-クロロ-7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    trans-2-シアノシクロペンチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1R,2S)-2-シアノシクロペンチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1S,2R)-2-シアノシクロペンチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1R,5S,6s)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1R,5S,6r)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    1,1-ジオキシドチエタン-3-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    1-(N-メチルスルファモイル)アゼチジン-3-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-メチル-2-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル(7-フルオロ-6-(4-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    7-メチル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル(7-フルオロ-6-(4-メチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-1,5-ナフチリジン-3-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    6-アザスピロ[3.4]オクタン-2-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (2r,4s)-6-アザスピロ[3.4]オクタン-2-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (2s,4r)-6-アザスピロ[3.4]オクタン-2-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    ピペリジン-2-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-ピペリジン-2-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-ピペリジン-2-イルメチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (R)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (S)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-1-イル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2,6-ジメチルシクロヘキシル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-メトキシベンジル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    2-(トリフルオロメチル)ベンジル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    (1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    1-(ピリミジン-2-イル)エチル(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)カルバメート;
    1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)尿素;
    (R)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)尿素;
    (S)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)エチル)尿素;
    1-(シクロプロピルメチル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素;
    1-(1-シアノプロパン-2-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素;
    (R)-1-(1-シアノプロパン-2-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素;
    (S)-1-(1-シアノプロパン-2-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素;
    1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)尿素;
    1-(アゼチジン-3-イル)-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素;
    1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)尿素;
    (R)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)尿素;
    (S)-1-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(テトラヒドロフラン-3-イル)尿素;
    1-シクロプロピル-3-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)尿素;
    (1,3-trans)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
    (1R,2S,3R)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
    (1R,2R,3R)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
    (1S,2S,3S)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
    (1S,2R,3S)-2-エチル-N-(7-フルオロ-6-(8-メチル-2,3-ジヒドロ-1H-ピリド[2,3-b][1,4]オキサジン-7-イル)イソキノリン-3-イル)-3-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、薬学的に許容され得る添加剤とを含む、医薬組成物。
  14. 化学療法剤を更に含む、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 求項1~12のいずれか一項に記載の化合物はその薬学的に許容され得る塩又は請求項13若しくは14に記載の医薬組成物を含む、対象においてHPK1を阻害するための医薬
  16. 求項1~12のいずれか一項に記載の化合物はその薬学的に許容され得る塩又は請求項13若しくは14に記載の医薬組成物を含む、免疫応答の増強を必要とする対象において免疫応答を増強するための医薬
  17. 前記対象が癌を有する、請求項15又は16に記載の医薬
  18. 求項1~12のいずれか一項に記載の化合物はその薬学的に許容され得る塩又は請求項13若しくは14に記載の医薬組成物を含む、HPK1依存性障害を治療するための医薬
  19. 前記HPK1依存性障害が、癌である、請求項18に記載の医薬
  20. 前記癌が、結腸直腸癌、黒色腫、非小細胞肺癌、卵巣癌、乳癌、膵癌、血液学的悪性腫瘍、及び腎細胞癌からなる群から選択される少なくとも1種の癌を含む、請求項17又は19に記載の医薬
  21. 請求項1520のいずれか一項に記載の医製造における、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物はその薬学的に許容され得る塩、又は請求項13若しくは14に記載の医薬組成物の使用。
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