JP7478256B2 - 物標検知システム - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1の段落0015では、「・・・、トランスポンダを各車両に搭載するように義務づけておき、駐停車中でもトランスポンダが作動するようにしておけば、夜間、路肩に停止している車両を、路肩の設置物であると誤認することなく確実に車両であると認識して、その車両への接近を回避したり、衝突の危険を警告する等、走行の安全性を確保する上で、的確な車両制御を行わせることができる。」と記載されており、各車両のトランスポンダを利用することで夜間の車両認識性能を向上させた障害物検知システムが開示されている。
図2は、自車V0の物標検知システム100の構成を示す機能ブロック図である。なお、他車V1にも同等構成の物標検知システム100が搭載されているが、以下では、原則として、自車V0の物標検知システム100について説明するものとする。
レーダ送信アンテナ11は、ミリ波を送信するアンテナであり、レーダ受信アンテナ12は、自車V0の周辺物標で反射したミリ波を受信するアンテナである。これらのアンテナを用いることで、自車V0のレーダ1は、自車V0の周辺物標(例えば、図1の他車V1)を検出することができる。
トランスポンダアンテナ13は、他車のトランスポンダアンテナ13との間で車両間通信を行うためのアンテナである。このアンテナを用いることで、自車V0の物標検知システム100は、他車のレーダ1が検知した物標(図1の環境下では、他車V1が検知した他車V2)の情報を受信することができる。
図3は、レーダ制御部20の詳細構成を示す。上記したように、レーダ制御部20は、物標検知部21、警報部22、通信部23を備えているが、これらは更に、図3のように展開できる。すなわち、物標検知部21は、レーダ送信部21a、レーダ受信部21b、障害車選定部21cからなり、警報部22は、自車進路推定部22a、物標統合部22b、警報判定部22cからなり、通信部23は、質問・応答信号作成部23a、送信車判定部23b、他車物標演算部23cからなる。
まず、図5と図6のフローチャートを用いて、自車V0の物標検知システム100で実行される処理を説明する。なお、本実施例の物標検知システム100では、自車V0の4隅に搭載したレーダ1の夫々について並行して図5と図6の処理を実行するが、以下では、説明簡略化のため1つのレーダ1に着目して説明することとする。
まず、ステップS1では、レーダ制御部20の物標検知部21は、自車周辺に物標が存在するかを確認する。具体的には、まず、物標検知部21のレーダ送信部21aは、レーダ送信アンテナ11から所定方向にミリ波を照射する。その後、レーダ受信部21bは、レーダ受信アンテナ12が受信した反射波に基づいて、周辺物標の、相対位置、相対速度、相対向きを検知する。そして、物標が存在すれば、ステップS2に進み、物標が存在しなければ、ステップS1に戻る。
次に、ステップS2では、物標検知部21の障害車選定部21cは、レーダ受信部21bが検知した物標が車両であるかを、大きさや移動の有無に基づいて判断する。そして、車両であれば、ステップS3に進み、車両でなければ、ステップS1に戻る。
ステップS3では、レーダ制御部20の警報部22は、自車V0の進行路(以下、「自車進路」と称する)を推定する。具体的には、警報部22の自車進路推定部22aは、車両制御装置2から取得した自車V0の加速情報、制動情報、操舵情報、方向指示灯情報等に基づいて、自車進路を推定する。そして、自車進路の推定後、そこに他車が進行してきたら衝突事故になる可能性がある危険エリアを設定する。例えば、図1の環境下では、自車V0の自車進路は優先道路の手前車線を左方向に進行するものと推定されるため、優先道路の手前車線を右から走行してくる他車との衝突を避けるべく、自車V0の右前方向が危険エリアに設定される。
ステップS4では、障害車選定部21cは、ステップS2で検知した他車が危険エリアに死角領域を作り出す車両であるかを判断する。具体的には、障害車選定部21cが、レーダ受信部21bが検知した車両の中から、危険エリアに死角領域を作る他車(図1の例では、自車V0の右側の他車V1)を選定する。そして、そのような他車が存在すれば、ステップS5に進み、存在しなければ、ステップS1に戻る。
ステップS5では、危険エリア側のレーダ1(図1では、自車V0の右前のレーダ1)は、死角領域を作る他車(図1では、他車V1)から、危険エリアの物標情報を取得する。以下、図6のフローチャートを用いて、ステップS5の詳細を説明する。
ステップS6では、警報部22の物標統合部22bは、自車V0のレーダ1が検知した物標情報と、自車V0のレーダ1の死角部分の物標情報に相当する、他車の応答信号から取得した物標情報と、を統合する。これにより、統合後の物標情報には、自車V0のレーダ1では検知できない物標の相対位置、相対速度、相対向き情報が含まれるため、例えば図1の環境下であれば、他車V1による死角領域を走行している他車V2の相対位置や相対速度を検知することができる。
ステップS7では、警報部22の警報判定部22cは、自車V0のレーダ1が直接検知した物標の相対位置と相対速度、および、他車のレーダ1を介して間接的に検知した物標の相対位置と相対速度を考慮し、推測した自車進路上での衝突可能性があるかを判断する。そして、衝突可能性があればステップS8に進み、衝突可能性が無ければステップS1に戻る。
ステップS8では、警報判定部22cは、自車進路上での衝突可能性があることを車両制御装置2に通知し、通知を受けた車両制御装置2は、衝突可能性を考慮した処理を実行する。例えば、車両制御装置2は、車内に設置されたディスプレイやスピーカーを介して、運転手に衝突可能性を警報しても良いし、もしくは、自車V0の制動系を直接制御して車両を自律停止させても良い。
次に、図7のフローチャートを用いて、自車V0の物標検知システム100からの質問信号を受信した、他車V1の物標検知システム100で実行される処理を説明する。
まず、ステップS11では、他車V1のトランスポンダ制御部30の受信信号判定部32は、自車V0からの質問信号を受信したかを判定する。そして、自車V0からの質問信号を受信した場合はステップS12に進み、質問信号を受信しない場合はステップS11に戻る。
ステップS12では、他車V1の受信信号判定部32は、質問信号がどの方向の車両から来たかを特定する。なお、他車V1の物標検知システム100でも、上記した図5と図6の処理を逐次実行しており、例えば図1の環境下であれば、他車V1の左隣に自車V0が一時停止していることは他車V1にとって既知であるため、他車V1の受信信号判定部32は、質問信号の送信源が左隣に一時停止している自車V0であると素早く特定できる。
ステップS13では、他車V1のトランスポンダ制御部30の応答用検知物標形成部33は、質問信号が来た方向とは逆方向のレーダ1が検知した物標情報を、車両制御装置2を介して取得し、質問信号が来た方向のレーダ1から応答信号として返信する。例えば図1の環境下であれば、自車V0からの質問信号は左方向から届くため、他車V1は右前と右後の2つのレーダ1が検知した物標情報を応答信号に含めて、左前のレーダ1から返信する。この場合、他車V1のトランスポンダ制御部30は、質問信号を送信した自車V0との距離等に基づいて、自車V0にとっての死角領域の方向を計算し、応答信号に反映させるレーダ1を、例えば図1の環境下であれば、他車V1の右前のレーダ1だけに限定するのが好ましい。これは、仮に他車V1の右後のレーダ1が検知した物標情報を応答信号に反映させても、右後方が死角でない自車V0にとって有用でないからである。
Claims (4)
- 自車に搭載した複数の第一物標検知装置と他車に搭載した複数の第二物標検知装置を連携させた物標検知システムであって、
前記第一物標検知装置は、
自車周辺の第一物標情報を検知する第一物標検知部と、
自車の進行路を推定する警報部と、
前記第二物標検知装置と通信する第一トランスポンダ制御部と、を備え、
前記第二物標検知装置は、
他車周辺の第二物標情報を検知する第二物標検知部と、
前記第一物標検知装置から質問信号を受信した場合、前記第二物標情報を含む応答信号を返信する第二トランスポンダ制御部と、を備えており、
前記第一物標検知部が自車周辺の第一物標情報を検知し、前記警報部が自車の進行路を推定するとともに、前記他車が進行してきたら衝突事故になる可能性がある危険エリアを設定し、前記第一物標検知部が前記危険エリアに死角領域を作る他車を選定するものであり、
前記第一物標検知装置は、さらに、前記第一物標検知部が検知した第一物標情報と、前記死角領域を作る他車に搭載した前記第二物標検知装置から取得した第二物標情報を統合する物標統合部を備え、
自車に搭載した複数の第一物標検知装置のうち前記危険エリア側の第一物標検知装置は、前記死角領域を作る他車に搭載した複数の第二物標検知装置のうち前記危険エリア側の第二物標検知装置から、前記危険エリアの前記第二物標情報を取得することを特徴とする物標検知システム。 - 請求項1に記載の物標検知システムにおいて、
前記第一物標検知装置は、さらに、前記物標統合部で統合された物標情報に基づいて、前記自車の衝突可能性があるかを判定する警報判定部を備えており、
該警報判定部は、前記自車の衝突可能性がある場合は、車両制御装置を介して、運転手に衝突可能性を警報することを特徴とする物標検知システム。 - 請求項1に記載の物標検知システムにおいて、
前記第一物標検知装置および前記第二物標検知装置は、ミリ波レーダ、超音波センサ、LiDARの何れかであり、
前記第一トランスポンダ制御部は、前記第一物標検知部が前記第一物標情報を検知するタイミングと同期して、前記質問信号を送信することを特徴とする物標検知システム。 - 請求項1に記載の物標検知システムにおいて、
前記他車は複数の前記第二物標検知装置を搭載しており、
前記第二トランスポンダ制御部は、前記第一物標検知装置から質問信号を受信したときに、前記自車と逆方向の前記第二物標検知装置が検知した前記第二物標情報を含む応答信号を返信することを特徴とする物標検知システム。
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