以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るショベルの全体構成について説明する。図1は本発明の実施形態に係るショベル(掘削機)の側面図である。
図1に示されるように、ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が旋回可能に搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端には、アーム5が取り付けられ、アーム5の先端には、エンドアタッチメントとしてのバケット6が取り付けられている。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、アタッチメントの一例としての掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3には、運転室であるキャビン10が設けられ、且つエンジン11等の動力源が搭載される。
キャビン10内には、コントローラ30が設置されている。コントローラ30は、ショベルの駆動制御を行う主制御部として機能する。本実施形態では、コントローラ30は、CPU、RAM、ROM等を含むコンピュータで構成されている。コントローラ30の各種機能は、例えば、ROMに格納されたプログラムをCPUが実行することで実現される。
次に、図2を参照して、図1のショベルの駆動系の構成について説明する。図2は、図1のショベルの駆動系の構成例を示すブロック図である。図2中、機械的動力系、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気制御系をそれぞれ二重線、太実線、破線、及び一点鎖線で示している。
図2に示されるように、ショベルの駆動系は、主に、エンジン11、レギュレータ13、メインポンプ14、パイロットポンプ15、コントロールバルブ17、操作装置26、吐出圧センサ28、操作圧センサ29、コントローラ30、比例弁31等を含む。
エンジン11は、ショベルの駆動源である。本実施形態では、エンジン11は、例えば所定の回転数を維持するように動作するディーゼルエンジンである。また、エンジン11の出力軸は、メインポンプ14及びパイロットポンプ15の入力軸に連結されている。
メインポンプ14は、高圧油圧ラインを介して作動油をコントロールバルブ17に供給する。本実施形態では、メインポンプ14は、斜板式可変容量型油圧ポンプである。
レギュレータ13は、メインポンプ14の吐出量を制御する。本実施形態では、レギュレータ13は、コントローラ30からの制御指令に応じてメインポンプ14の斜板傾転角を調節することによってメインポンプ14の吐出量を制御する。
パイロットポンプ15は、パイロットラインを介して操作装置26及び比例弁31を含む各種油圧制御機器に作動油を供給する。本実施形態では、パイロットポンプ15は、固定容量型油圧ポンプである。
コントロールバルブ17は、ショベルにおける油圧システムを制御する油圧制御装置である。コントロールバルブ17は、制御弁171~176、及びブリード弁177を含む。コントロールバルブ17は、制御弁171~176を通じ、メインポンプ14が吐出する作動油を1又は複数の油圧アクチュエータに選択的に供給できる。制御弁171~176は、メインポンプ14から油圧アクチュエータに流れる作動油の流量、及び油圧アクチュエータから作動油タンクに流れる作動油の流量を制御する。油圧アクチュエータは、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左側走行用油圧モータ1A、右側走行用油圧モータ1B、及び旋回用油圧モータ2Aを含む。ブリード弁177は、メインポンプ14が吐出する作動油のうち、油圧アクチュエータを経由せずに作動油タンクに流れる作動油の流量(以下、「ブリード流量」とする。)を制御する。ブリード弁177は、コントロールバルブ17の外部に設置されていてもよい。
操作装置26は、操作者が油圧アクチュエータの操作のために用いる装置である。本実施形態では、操作装置26は、パイロットラインを介して、パイロットポンプ15が吐出する作動油を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する制御弁のパイロットポートに供給する。パイロットポートのそれぞれに供給される作動油の圧力(パイロット圧)は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダル(図示せず。)の操作方向及び操作量に応じた圧力である。
吐出圧センサ28は、メインポンプ14の吐出圧を検出する。本実施形態では、吐出圧センサ28は、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作圧センサ29は、操作装置26を用いた操作者の操作内容を検出する。本実施形態では、操作圧センサ29は、油圧アクチュエータのそれぞれに対応する操作装置26のレバー又はペダルの操作方向及び操作量を圧力(操作圧)の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作装置26の操作内容は、操作圧センサ以外の他のセンサを用いて検出されてもよい。
比例弁31は、コントローラ30が出力する制御指令に応じて動作する。本実施形態では、比例弁31は、コントローラ30が出力する電流指令に応じてパイロットポンプ15からコントロールバルブ17内のブリード弁177のパイロットポートに導入される二次圧を調整する電磁弁である。比例弁31は、例えば、電流指令が大きいほど、ブリード弁177のパイロットポートに導入される二次圧が大きくなるように動作する。
次に、図3を参照して、ショベルに搭載される油圧回路の構成例について説明する。図3は、図1のショベルに搭載される油圧回路の構成例を示す概略図である。図3は、図2と同様に、機械的動力系、高圧油圧ライン、パイロットライン、及び電気制御系を、それぞれ二重線、太実線、破線、及び一点鎖線で示している。
図3の油圧回路は、エンジン11によって駆動されるメインポンプ14L、14Rから、管路42L、42Rを経て作動油タンクまで作動油を循環させている。メインポンプ14L、14Rは、図2のメインポンプ14に対応する。
管路42Lは、コントロールバルブ17内に配置された制御弁171、173、175L及び176Lのそれぞれをメインポンプ14Lと作動油タンクとの間で並列に接続する高圧油圧ラインである。管路42Rは、コントロールバルブ17内に配置された制御弁172、174、175R及び176Rのそれぞれをメインポンプ14Rと作動油タンクとの間で並列に接続する高圧油圧ラインである。
制御弁171は、メインポンプ14Lが吐出する作動油を左側走行用油圧モータ1Aへ供給し、且つ、左側走行用油圧モータ1Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁172は、メインポンプ14Rが吐出する作動油を右側走行用油圧モータ1Bへ供給し、且つ、右側走行用油圧モータ1Bが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁173は、メインポンプ14Lが吐出する作動油を旋回用油圧モータ2Aへ供給し、且つ、旋回用油圧モータ2Aが吐出する作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁174は、メインポンプ14Rが吐出する作動油をバケットシリンダ9へ供給し、且つ、バケットシリンダ9内の作動油を作動油タンクへ排出するためのスプール弁である。
制御弁175L、175Rは、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油をブームシリンダ7へ供給し、且つ、ブームシリンダ7内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
制御弁176L、176Rは、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油をアームシリンダ8へ供給し、且つ、アームシリンダ8内の作動油を作動油タンクへ排出するために作動油の流れを切り換えるスプール弁である。
ブリード弁177L1、177L2は、メインポンプ14Lが吐出する作動油に関するブリード流量を制御するスプール弁である。ブリード弁177L1とブリード弁177L2とは、並列に配置されている。ブリード弁177R1、177R2は、メインポンプ14Rが吐出する作動油に関するブリード流量を制御するスプール弁である。ブリード弁177R1とブリード弁177R2とは、並列に配置されている。ブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2は図2のブリード弁177に対応する。
ブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2は、例えば、最小開口面積(開度0%)の第1弁位置と最大開口面積(開度100%)の第2弁位置とを有する。ブリード弁177L、177Rは、第1弁位置と第2弁位置との間で無段階に移動可能である。ブリード弁177L1の最大開口面積は、ブリード弁177L2の最大開口面積よりも小さくなっている。換言すれば、ブリード弁177L1は、微小な開口変化の制御が可能な弁である。ブリード弁177L2の最大開口面積は、ブリード弁177L1の最大開口面積よりも大きくなっている。換言すれば、ブリード弁177L2は、大きな開口変化が可能な弁である。ブリード弁177R1の最大開口面積は、ブリード弁177R2の最大開口面積よりも小さくなっている。換言すれば、ブリード弁177R1は、微小な開口変化の制御が可能な弁である。微小な開口変化に特化する。ブリード弁177R2の最大開口面積は、ブリード弁177R1の最大開口面積よりも大きくなっている。換言すれば、ブリード弁177R2は、大きな開口変化が可能な弁である。
レギュレータ13L、13Rは、メインポンプ14L、14Rの斜板傾転角を調節することによって、メインポンプ14L、14Rの吐出量を制御する。レギュレータ13L、13Rは、図2のレギュレータ13に対応する。コントローラ30は、例えば、メインポンプ14L、14Rの吐出圧の増大に応じてメインポンプ14L、14Rの斜板傾転角をレギュレータ13L、13Rで調節して吐出量を減少させる。吐出圧と吐出量との積で表されるメインポンプ14の吸収馬力がエンジン11の出力馬力を超えないようにするためである。
アーム操作レバー26Aは、操作装置26の一例であり、アーム5を操作するために用いられる。アーム操作レバー26Aは、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁176L、176Rのパイロットポートに導入させる。具体的には、アーム操作レバー26Aは、アーム閉じ方向に操作された場合に、制御弁176Lの右側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、アーム操作レバー26Aは、アーム開き方向に操作された場合には、制御弁176Lの左側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁176Rの右側パイロットポートに作動油を導入させる。
ブーム操作レバー26Bは、操作装置26の一例であり、ブーム4を操作するために用いられる。ブーム操作レバー26Bは、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量に応じた制御圧を制御弁175L、175Rのパイロットポートに導入させる。具体的には、ブーム操作レバー26Bは、ブーム上げ方向に操作された場合に、制御弁175Lの右側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの左側パイロットポートに作動油を導入させる。また、ブーム操作レバー26Bは、ブーム下げ方向に操作された場合には、制御弁175Lの左側パイロットポートに作動油を導入させ、且つ、制御弁175Rの右側パイロットポートに作動油を導入させる。
吐出圧センサ28L、28Rは、吐出圧センサ28の一例であり、メインポンプ14L、14Rの吐出圧を検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
操作圧センサ29A、29Bは、操作圧センサ29の一例であり、アーム操作レバー26A、ブーム操作レバー26Bに対する操作者の操作内容を圧力の形で検出し、検出した値をコントローラ30に対して出力する。操作内容は、例えば、レバー操作方向、レバー操作量(レバー操作角度)等である。
左右走行レバー(又はペダル)、バケット操作レバー、及び旋回操作レバー(何れも図示せず。)はそれぞれ、下部走行体1の走行、バケット6の開閉、及び、上部旋回体3の旋回を操作するための操作装置である。これらの操作装置は、アーム操作レバー26A、ブーム操作レバー26Bと同様に、パイロットポンプ15が吐出する作動油を利用し、レバー操作量(又はペダル操作量)に応じた制御圧を油圧アクチュエータのそれぞれに対応する制御弁の左右何れかのパイロットポートに導入させる。これらの操作装置のそれぞれに対する操作者の操作内容は、操作圧センサ29A、29Bと同様に、対応する操作圧センサによって圧力の形で検出され、検出値がコントローラ30に対して出力される。
コントローラ30は、操作圧センサ29A、29B等の出力を受信し、必要に応じてレギュレータ13L、13Rに対して制御指令を出力し、メインポンプ14L、14Rの吐出量を変化させる。また、必要に応じて比例弁31L1、31L2、31R1、31R2に対して電流指令を出力し、ブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2の開口面積を変化させる。
比例弁31L1、31L2、31R1、31R2は、コントローラ30が出力する電流指令に応じてパイロットポンプ15からブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2のパイロットポートに導入される二次圧を調整する。比例弁31L1、31L2、31R1、31R2は、図2の比例弁31に対応する。
比例弁31L1は、ブリード弁177L1を第1弁位置と第2弁位置の間の任意の位置で停止できるように二次圧を調整可能である。比例弁31L2は、ブリード弁177L2を第1弁位置と第2弁位置の間の任意の位置で停止できるように二次圧を調整可能である。比例弁31R1は、ブリード弁177R1を第1弁位置と第2弁位置の間の任意の位置で停止できるように二次圧を調整可能である。比例弁31R2は、ブリード弁177R2を第1弁位置と第2弁位置の間の任意の位置で停止できるように二次圧を調整可能である。
次に、図3の油圧回路で採用されるネガティブコントロール制御(以下、「ネガコン制御」とする。)について説明する。
管路42Lには、最も下流にあるブリード弁177L1、177L2と作動油タンクとの間にネガコン絞り18Lが配置されている。管路42Rには、最も下流にあるブリード弁177R1、177R2と作動油タンクとの間にネガコン絞り18Rが配置されている。ブリード弁177L1、177L2を通過して作動油タンクに至る作動油の流れは、ネガコン絞り18Lで制限される。ブリード弁177R1、177R2を通過して作動油タンクに至る作動油の流れは、ネガコン絞り18Rで制限される。そして、ネガコン絞り18L、18Rは、レギュレータ13L、13Rを制御するための制御圧(以下、「ネガコン圧」とする。)を発生させる。ネガコン圧センサ19L、19Rは、ネガコン圧を検出するためのセンサであり、検出した値をコントローラ30に対して出力する。
本実施形態では、ネガコン絞り18L、18Rは、開口面積が変化する可変絞りである。ネガコン絞り18L、18Rは、但し、ネガコン絞り18L、18Rは、固定絞りであってもよい。
コントローラ30は、ネガコン圧に応じてメインポンプ14L、14Rの斜板傾転角を調節することによって、メインポンプ14L、14Rの吐出量を制御する。以下では、ネガコン圧とメインポンプ14L、14Rの吐出量との関係を「ネガコン特性」という。ネガコン特性は、例えば、参照テーブルとしてROM等に記憶されていてもよく、所定の計算式で表現されていてもよい。コントローラ30は、例えば、所定のネガコン特性を表すテーブルを参照し、ネガコン圧が大きいほどメインポンプ14L、14Rの吐出量を減少させ、ネガコン圧が小さいほどメインポンプ14L、14Rの吐出量を増大させる。
具体的には、図3で示されるように油圧アクチュエータが何れも操作されていない待機状態の場合、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油は、ブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2を通ってネガコン絞り18L、18Rに至る。そして、ブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2を通過する作動油の流れは、ネガコン絞り18L、18Rの上流で発生するネガコン圧を増大させる。その結果、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの吐出量を所定の許容最小吐出量まで減少させ、吐出された作動油が管路42L、42Rを通過する際の圧力損失(ポンピングロス)を抑制する。待機状態におけるこの所定の許容最小吐出量は、ブリード流量の一例であり、以下では、「スタンバイ流量」という。
一方、何れかの油圧アクチュエータが操作された場合、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油は、操作対象の油圧アクチュエータに対応する制御弁を通って操作対象の油圧アクチュエータに流れ込む。そのため、ブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2を通ってネガコン絞り18L、18Rに至るブリード流量は減少し、ネガコン絞り18L、18Rの上流で発生するネガコン圧は低下する。その結果、コントローラ30は、メインポンプ14L、14Rの吐出量を増大させ、操作対象の油圧アクチュエータに十分な作動油を供給し、操作対象の油圧アクチュエータの駆動を確かなものとする。なお、以下では、油圧アクチュエータに流れ込む作動油の流量を「アクチュエータ流量」という。この場合、メインポンプ14L、14Rが吐出する作動油の流量は、アクチュエータ流量とブリード流量の合計に相当する。
上述のような構成により、図3の油圧回路は、油圧アクチュエータを作動させる場合には、メインポンプ14L、14Rから必要十分な作動油を作動対象の油圧アクチュエータに確実に供給できる。また、待機状態においては、油圧エネルギの無駄な消費を抑制できる。ブリード流量をスタンバイ流量まで低減させることができるためである。
ところで、ショベルの操作性を向上するため、ブリード弁177の微小開口のコントロール性が求められている。また、油圧アクチュエータ(ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左側走行用油圧モータ1A、右側走行用油圧モータ1B、旋回用油圧モータ2A)の減速時には、メインポンプ14から吐出される作動油を速やかに作動油タンクに導く必要があり、ブリード弁177の最大開口を大きくすることが求められている。
そこで、本実施形態では、メインポンプ14Lから作動油タンクに接続する管路42Lには、並列に配置されたブリード弁177L1とブリード弁177L2を有している。同様に、メインポンプ14Rから作動油タンクに接続する管路42Rは、並列に配置されたブリード弁177R1とブリード弁177R2を有している。ブリード弁177L1、177R1は、小流量のブリード弁であって、開口面積の制御分解能が高くなっている。ブリード弁177L2、177R2は、大流量のブリード弁であって、大きな最大開口面積を有している。
コントローラ30は、ブリード弁開口面積決定部301と、電流値生成部302と、記憶部303と、を備えている。
ブリード弁開口面積決定部301は、油圧アクチュエータ(ブームシリンダ7、アームシリンダ8、バケットシリンダ9、左側走行用油圧モータ1A、右側走行用油圧モータ1B、旋回用油圧モータ2A)の操作量に基づいて、ブリード弁177L1、177L2、177R1、177R2の開口面積を決定する。
電流値生成部302は、比例弁31(比例弁31L1、31L2、31R1、31R2)に出力する電流指令を生成する。比例弁31は、コントローラ30が出力する電流指令に応じてブリード弁177のパイロットポートに導入される二次圧を調整する。ブリード弁177は、パイロットポートに導入される二次圧に基づいて、スプールが移動し、開口面積を変化させる。
記憶部303には、制御に用いるテーブル等が記憶されている。なお、記憶部303に記憶されるテーブルについて、図5を用いて後述する。
ここで、参考例に係るショベルと対比しつつ、本実施形態に係るショベルにおけるブリード弁開口面積制御について説明する。
まず、参考例に係るショベルについて説明する。本実施形態に係るショベルは、管路42L(42R)に対して、それぞれ2つのブリード弁177L1、177L2(177R1、177R2)が設けられているのに対し、参考例に係るショベルは、管路42L(42R)に対して、それぞれ1つのブリード弁を備える点で異なっている。その他の構成は同様であり、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、作業者がブーム操作レバー26Bを操作して、ショベルにブーム4の上げ動作をさせる場合を例に説明する。
作業者がブーム操作レバー26Bをブーム上げ方向に操作すると、レバー操作量に応じた制御圧(以下、「ブーム上げパイロット圧」ともいう。)が制御弁175L、175Rのパイロットポートに導入される。また、ブーム上げパイロット圧は、操作圧センサ29Bで検出され、コントローラ30に入力される。
図4(a)は、ブーム上げパイロット圧とブリード弁開口面積との関係を示すグラフである。参考例に係るコントローラ30には、図4(a)に示すように、ブーム上げパイロット圧とブリード弁開口面積とを対応付けしたテーブルが格納されている。ここで、ブーム上げパイロット圧の制御範囲に対応して、ブリード弁開口面積の最大開口面積をS1とする。参考例に係るコントローラ30は、操作圧センサ29Bで検出したブーム上げパイロット圧と、テーブルと、に基づいて、ブリード弁開口面積を決定する。
図4(b)は、参考例のブリード弁におけるブリード弁2次圧とブリード弁開口面積との関係を示すグラフである。参考例に係るコントローラ30には、図4(b)に示すように、ブリード弁の特性情報として、ブリード弁の2次圧とブリード弁開口面積とを対応付けしたテーブルが格納されている。参考例に係るコントローラ30は、決定したブリード弁開口面積と、テーブルと、に基づいて、ブリード弁2次圧を決定する。
例えば、図4に示すように、ブーム上げパイロット圧P1の場合、ブリード弁2次圧C1とする。ブーム上げパイロット圧P2の場合、ブリード弁2次圧C2とする。ブーム上げパイロット圧P3の場合、ブリード弁2次圧C3とする。
また、参考例に係るコントローラ30には、比例弁31の特性情報として、電流指令値と比例弁31の開口面積(「ブリード弁2次圧」に相当。)とを対応付けしたテーブル(図示せず)が格納されている。参考例に係るコントローラ30は、決定したブリード弁2次圧と、テーブルと、に基づいて、比例弁31への電流指令値を決定する。例えば、ブーム上げパイロット圧P1の場合、ブリード弁2次圧C1となるように比例弁31の開口面積を決定し、決定した比例弁31の開口面積とテーブルに基づいて、比例弁31への電流指令値を決定する。ブーム上げパイロット圧P2,P3の場合についても同様に、比例弁31への電流指令値を決定する。
以上の様に、コントローラ30は、各種テーブルを参照して、ブーム上げパイロット圧から比例弁31の電流指令値を決定する。コントローラ30は、決定した電流指令値を比例弁31に出力することで、ブリード弁177を制御する。
ここで、参考例に係るショベルは、図4(b)に示すように、1つのブリード弁で最大開口面積S1から開口面積0までを制御可能に構成されている。このため、参考例に係るショベルのブリード弁は、ブリード弁2次圧の制御範囲に対して、開口面積0から最大開口面積S1までが対応するので、ブリード弁開口面積の制御の分解能を高くすることが困難である。
次に、本実施例に係るショベルについて説明する。ここでは、管路42Lのブリード弁177L1、177L2の制御を例に説明する。管路42Rのブリード弁177R1、177R2の制御は、同様であり重複する説明は省略する。
本実施例に係るショベルは、管路42Lに対して、それぞれ2つのブリード弁177L1、177L2が設けられている。また、ブリード弁177L1、177L2は、比例弁31L1、31L2を介して、個別に開口面積が制御可能に構成されている。また、以下の説明において、作業者がブーム操作レバー26Bを操作して、ショベルにブーム4の上げ動作をさせる場合を例に説明する。
作業者がブーム操作レバー26Bをブーム上げ方向に操作すると、レバー操作量に応じた制御圧(ブーム上げパイロット圧)が制御弁175L、175Rのパイロットポートに導入される。また、ブーム上げパイロット圧は、操作圧センサ29Bで検出され、コントローラ30に入力される。
図5(a)は、ブーム上げパイロット圧とブリード弁開口面積との関係を示すグラフである。本実施例に係るコントローラ30には、図5(a)に示すように、ブーム上げパイロット圧とブリード弁開口面積とを対応付けしたテーブルが格納されている。なお、図5(a)に示すテーブルは、図4(a)に示すテーブルと同じものである。本実施例に係るコントローラ30は、操作圧センサ29Bで検出したブーム上げパイロット圧と、テーブルと、に基づいて、ブリード弁開口面積を決定する。
図5(b)は、本実施例の微小開口用のブリード弁177L1におけるブリード弁2次圧とブリード弁開口面積との関係を示すグラフである。図5(c)は、本実施例の大流量用のブリード弁177L2におけるブリード弁2次圧とブリード弁開口面積との関係を示すグラフである。本実施例に係るコントローラ30には、微小開口用のブリード弁177L1の特性情報として、図5(b)に示すブリード弁の2次圧とブリード弁開口面積とを対応付けしたテーブルが格納されている。また、本実施例に係るコントローラ30には、大流量用のブリード弁177L2の特性情報として、図5(c)に示すブリード弁の2次圧とブリード弁開口面積とを対応付けしたテーブルが格納されている。本実施例に係るコントローラ30は、決定したブリード弁開口面積と、テーブルと、に基づいて、ブリード弁177L1及びブリード弁177L2のブリード弁2次圧を決定する。
例えば、図5に示すように、ブーム上げパイロット圧P1の場合、ブリード弁177L1のブリード弁2次圧A1とし、ブリード弁177L2のブリード弁2次圧B0(弁全閉)とする。ブーム上げパイロット圧P2の場合、ブリード弁177L1のブリード弁2次圧A2とし、ブリード弁177L2のブリード弁2次圧B0(弁全閉)とする。ブーム上げパイロット圧P3の場合、ブリード弁177L1のブリード弁2次圧A3とし、ブリード弁177L2のブリード弁2次圧B0(弁全閉)とする。ブーム上げパイロット圧P4の場合、ブリード弁開口面積はS4(図5(a)参照)となる。ここでは、ブリード弁177L1の開口面積をS3とし、ブリード弁177L2の開口面積をS4-S3として、ブリード弁177L1及びブリード弁177L2の開口面積の合計がS3となるようにする。即ち、ブリード弁177L1のブリード弁2次圧A4とし、ブリード弁177L2のブリード弁2次圧B4とする。
ここで、開口面積S3は、微小開口用のブリード弁177L1のみを用いて開口面積を制御するか、微小流量用のブリード弁177L1及び大流量用のブリード弁177L2の両方を用いて開口面積を制御するか、の閾値である。開口面積S3は、ブリード弁177L1の最大開口面積としてもよく、ブリード弁177L1の最大開口面積よりも小さい値に設定してもよい。
また、本実施例に係るコントローラ30には、比例弁31の特性情報として、電流指令値と比例弁31の開口面積(「ブリード弁2次圧」に相当。)とを対応付けしたテーブル(図示せず)が格納されている。本実施例に係るコントローラ30は、決定したブリード弁2次圧と、テーブルと、に基づいて、比例弁31への電流指令値を決定する。例えば、ブーム上げパイロット圧P1の場合、ブリード弁177L1の2次圧がブリード弁2次圧A1となるように比例弁31L1の開口面積を決定し、決定した比例弁31L1の開口面積とテーブルに基づいて、比例弁31L1への電流指令値を決定する。ブリード弁177L2の2次圧がブリード弁2次圧B0となるように比例弁31L2の開口面積を決定し、決定した比例弁31L2の開口面積とテーブルに基づいて、比例弁31L2への電流指令値を決定する。ブーム上げパイロット圧P2~P4の場合についても同様に、比例弁31L1,31L2への電流指令値を決定する。
さらに、本実施例に係るコントローラ30には、ネガコン圧センサ19Lが検出した圧力の値が入力される。コントローラ30は、この検出されたネガコン圧センサ19Lの値を用いて、決定されたブリード弁2次圧になるようにブリード弁177L1を制御する。
以上の様に、コントローラ30は、各種テーブルを参照して、ブーム上げパイロット圧から比例弁31の電流指令値を決定する。コントローラ30は、決定した電流指令値を比例弁31に出力することで、ブリード弁177を制御する。
ここで、本実施例に係るショベルは、図5(b)に示すように、微小開口用のブリード弁177L1は、開口面積S3から開口面積0を制御可能に構成されている。このため、本実施例に係るショベルのブリード弁は、ブリード弁2次圧の制御範囲に対して、開口面積0から開口面積S3が対応するので、参考例と比較して、ブリード弁開口面積の制御の分解能を高くすることができる。
図6は、2つのブリード弁177L1、177L2の開口面積の決定方法の一例を説明するフローチャートである。
ステップS101において、コントローラ30は、ブーム上げパイロット圧及び図5(a)に示すテーブルに基づいて、ブリード弁開口面積S(=ブリード弁177L1の開口面積とブリード弁177L2の開口面積との和)を決定する。
ステップS102において、コントローラ30は、決定したブリード弁開口面積Sが、開口面積S3以下であるか否かを判定する。決定したブリード弁開口面積Sが開口面積S3以下である場合(S102・Yes)、コントローラ30の処理はステップS103に進む。決定したブリード弁開口面積Sが開口面積S3以下でない場合(S102・No)、コントローラ30の処理はステップS105に進む。
ステップS103において、コントローラ30は、微小開口用のブリード弁177L1の開口面積をステップS101で決定した開口面積Sとして、図5(b)に示すテーブルに基づいて、ブリード弁177L1の2次圧を決定する。
ステップS104において、コントローラ30は、大流量用のブリード弁177L2の開口面積を0として、図5(c)に示すテーブルに基づいて、ブリード弁177L2の2次圧を決定する。そして、コントローラ30の処理はステップS107に進む。
ステップS105において、コントローラ30は、微小開口用のブリード弁177L1の開口面積を開口面積S3として、図5(b)に示すテーブルに基づいて、ブリード弁177L1の2次圧を決定する。
ステップS106において、コントローラ30は、大流量用のブリード弁177L2の開口面積をステップS101で決定した開口面積Sと微小開口用のブリード弁177L1の開口面積S3との差(S-S3)として、図5(c)に示すテーブルに基づいて、ブリード弁177L2の2次圧を決定する。これにより、微小開口用のブリード弁177L1の開口面積と大流量用のブリード弁177L2の開口面積との合計が、ステップS101で決定した開口面積Sとなる。そして、コントローラ30の処理はステップS107に進む。
ステップS107において、コントローラ30は、ブリード弁177L1、177L2のそれぞれの2次圧に基づいて、比例弁31L1、31L2に出力する電流指令値を決定する。
ステップS108において、コントローラ30は、比例弁31L1、31L2に電流指令値を出力する。
このような構成により、例えば、操作レバー26Bが中立状態においては、ブリード弁開口面積はS1(図5参照)と決定され、微小開口用のブリード弁177L1の開口面積S3、大流量用のブリード弁177L2の開口面積S1-S3となるように、それぞれのブリード弁2次圧が決定される。操作レバー26Bを中立状態から倒すことにより、まずは、微小開口用のブリード弁177L1の開口面積はS3のまま、大流量用のブリード弁177L2の開口面積が小さくなっていく(S102・No、S105、S106参照)。
そして、さらに操作レバー26Bを倒して、ステップS101で決定されたブリード弁開口面積がS3となると、微小開口用のブリード弁177L1の開口面積はS3のまま、大流量用のブリード弁177L2が閉じる。そして、さらに操作レバー26Bを倒すことにより、大流量用のブリード弁177L2が閉じたまま、微小開口用のブリード弁177L1の開口面積が小さくなっていく(S102・Yes、S103、S104参照)。
図7は、本実施例及び参考例に係るショベルにおけるレバー操作量と、油圧アクチュエータに供給される作動油の圧力との関係を示すグラフである。理想値700におけるグラフを二点鎖線で示す。
ここでは、ブリード弁2次圧の制御分解能による誤差によって、ブリード弁開口面積が理想値よりもずれているものとする。参考例に係るショベルにおいて、ブリード弁2次圧の誤差によってブリード弁開口面積が理想値よりも小さくなった場合を破線711で示す。また、参考例に係るショベルにおいて、ブリード弁2次圧の誤差によってブリード弁開口面積が理想値よりも大きくなった場合を破線712で示す。図4(b)に示すように、ブリード弁2次圧の誤差に対して、ブリード弁開口面積が大きく変動する。このため、図7に示すように、レバー操作量に対する圧力のずれも大きくなる。
これに対し、本実施例に係るショベルでは、大流量用のブリード弁177L2を閉じて、微小開口用のブリード弁177L1で開口面積を制御するので、ブリード弁開口面積の分解能を高くすることができる。本実施例に係るショベルにおいて、ブリード弁2次圧の誤差によってブリード弁開口面積が理想値よりも小さくなった場合を実線701で示す。また、本実施例に係るショベルにおいて、ブリード弁2次圧の誤差によってブリード弁開口面積が理想値よりも大きくなった場合を実線702で示す。図7に示すように、レバー操作量に対する圧力を理想値700に近づけることができる。これにより、レバー操作量に対して油圧アクチュエータが好適に動作するので、ショベルの操作性が向上する。
本実施例に係るショベルは、微小開口用のブリード弁と大流量用のブリード弁とを備えるものとして説明したが、これに限られるものではない。大流量用のブリード弁に替えて、リリーフ弁を用いてもよい。
図8は、ショベルに搭載される油圧回路の他の構成例を示す概略図である。図9(a)は、他の構成例のブリード弁177L1、177R1におけるブリード弁2次圧とブリード弁開口面積との関係を示すグラフである。図9(b)は、他の構成例のリリーフ弁177L3、177R3におけるリリーフ弁2次圧とブリード弁開口面積との関係を示すグラフである。
図8に示すように、大流量用のブリード弁177L2、177R2に替えて、リリーフ弁177L3、177R3を備えている。その他の構成は、図3に示す構成例と同様であり、重複する説明は省略する。
微小開口用のブリード弁177L1、177R1は、開口面積S5から開口面積0を制御可能に構成されている。このため、他の構成例に係るショベルのブリード弁は、ブリード弁2次圧の制御範囲に対して、開口面積0から開口面積S5が対応するので、参考例と比較して、ブリード弁開口面積の制御の分解能を高くすることができる。
なお、開口面積S5は、ブリード弁177L1、177R1のみを用いて開口面積を制御するか、ブリード弁177L1、177R1及びリリーフ弁177L3、177R3の両方を用いるか、の閾値である。開口面積S5は、ブリード弁177L1、177R1の最大開口面積としてもよく、ブリード弁177L1、177R1の最大開口面積よりも小さい値に設定してもよい。
リリーフ弁177L3、177R3は、比例弁31L2、R2によって制御される2次圧が導入されることにより、開閉する弁である。図9(b)に示すように、リリーフ弁177L3、177R3は、最大開口面積S1と開口面積0をとることができるようになっている。
また、他の構成例において微小開口用のブリード弁177L1、177R1は、図3に示す構成例よりも開口面積S5(S5>S3)を大きくしてもよい。これにより、制御範囲を拡大することができる。
他の構成例によれば、ブリード弁177L1、177R1と並列に配置される弁を開口面積制御が可能なスプール弁(制御弁)に替えてリリーフ弁(開閉弁)を用いることができるので、コストを低減することができる。また、占有空間を削減することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
例えば、図3では、メインポンプ14Lから油圧アクチュエータに向かう作動油の流れを制御する制御弁171、173、175L及び176Lのそれぞれは、メインポンプ14Lと作動油タンクとの間で互いに並列に接続されている。しかしながら、制御弁171、173、175L及び176Lのそれぞれは、メインポンプ14Lと作動油タンクとの間で直列に接続されていてもよい。この場合、各制御弁を構成するスプールが何れの弁位置に切り換えられていたとしても、管路42Lは、スプールで遮断されることなく、下流側に配置された隣接する制御弁に作動油を供給できる。
同様に、メインポンプ14Rから油圧アクチュエータに向かう作動油の流れを制御する制御弁172、174、175R及び176Rのそれぞれは、メインポンプ14Rと作動油タンクとの間で互いに並列に接続されている。しかしながら、制御弁172、174、175R及び176Rのそれぞれは、メインポンプ14Rと作動油タンクとの間で直列に接続されていてもよい。この場合、各制御弁を構成するスプールが何れの弁位置に切り換えられていたとしても、管路42Rは、スプールで遮断されることなく、下流側に配置された隣接する制御弁に作動油を供給できる。
また、制御弁171、173、175L及び176Lのそれぞれがメインポンプ14Lと作動油タンクとの間で直列に接続され、制御弁172、174、175R及び176Rのそれぞれがメインポンプ14Rと作動油タンクとの間で直列に接続される場合、センターバイパス管路40L、40R及びパラレル管路42L、42Rを有する構成であってもよい。
また、上述の実施形態では、操作装置26として油圧式操作装置が採用されているが、電気式操作装置が採用されてもよい。図10は、電気式操作装置を含む操作システムの構成例を示す。具体的には、図10の操作システムは、ブーム操作システムの一例であり、主に、パイロット圧作動型のコントロールバルブ17と、電気式操作レバーとしてのブーム操作レバー26Bと、コントローラ30と、ブーム上げ操作用の電磁弁60と、ブーム下げ操作用の電磁弁62とで構成されている。図10の操作システムは、アーム操作システム、バケット操作システム等にも同様に適用され得る。
パイロット圧作動型のコントロールバルブ17は、図3に示すように、ブームシリンダ7に関する制御弁175L、175Rを含む。電磁弁60は、パイロットポンプ15と制御弁175Lの右側(上げ側)パイロットポート及び制御弁175Rの左側(上げ側)パイロットポートのそれぞれとを繋ぐ油路の流路面積を調整できるように構成されている。電磁弁62は、パイロットポンプ15と制御弁175Rの右側(下げ側)パイロットポートとを繋ぐ油路の流路面積を調整できるように構成されている。
手動操作が行われる場合、コントローラ30は、ブーム操作レバー26Bの操作信号生成部が出力する操作信号(電気信号)に応じてブーム上げ操作信号(電気信号)又はブーム下げ操作信号(電気信号)を生成する。ブーム操作レバー26Bの操作信号生成部が出力する操作信号は、ブーム操作レバー26Bの操作量及び操作方向に応じて変化する電気信号である。
具体的には、コントローラ30は、ブーム操作レバー26Bがブーム上げ方向に操作された場合、レバー操作量に応じたブーム上げ操作信号(電気信号)を電磁弁60に対して出力する。電磁弁60は、ブーム上げ操作信号(電気信号)に応じて流路面積を調整し、制御弁175Lの右側(上げ側)パイロットポートと制御弁175Rの左側(上げ側)パイロットポートとに作用するパイロット圧を制御する。同様に、コントローラ30は、ブーム操作レバー26Bがブーム下げ方向に操作された場合、レバー操作量に応じたブーム下げ操作信号(電気信号)を電磁弁62に対して出力する。電磁弁62は、ブーム下げ操作信号(電気信号)に応じて流路面積を調整し、制御弁175Rの右側(下げ側)パイロットポートに作用するパイロット圧を制御する。
自動制御を実行する場合、コントローラ30は、ブーム操作レバー26Bの操作信号生成部が出力する操作信号の代わりに、補正操作信号(電気信号)に応じてブーム上げ操作信号(電気信号)又はブーム下げ操作信号(電気信号)を生成する。補正操作信号は、コントローラ30が生成する電気信号であってもよく、コントローラ30以外の外部の制御装置等が生成する電気信号であってもよい。