JP7453848B2 - 切羽画像加工装置、切羽画像加工方法 - Google Patents
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Description
また、ブレーカーなどの重機を用いて実験的に鏡吹付けコンクリートにクラックを発生させることは可能であるが、得られるクラックパターンは限られてしまうという課題がある。
図1は、この発明の一実施形態による切羽監視システム1の構成を示す概略ブロック図である。
切羽監視システム1は、カメラ10と、端末装置20(端末装置20a、端末装置20b)と、操作端末30と、切羽画像加工装置40と、クラック検出装置50を有する。
ここで、切羽Fは、トンネルの掘削が行われることによって露出する地山に対して、厚みが数cm(センチメートル)程度となるようにコンクリートが吹付けられる「鏡吹付けコンクリート」が施工される。
カメラ10は、鏡吹付けコンクリートが施工された切羽を撮像し、切羽画像を出力する。また、カメラ10は、地山掘削、吹付けコンクリート、鋼製支保工建込などの、切羽施工の各種サイクル毎に切羽画像を撮像するようにしてもよい。
なお、ここでは端末装置20が2台(端末装置20a、端末装置20b)である場合について説明するが、1台のみであってもよいし、3台以上であってもよい。
第2の教師データは、鏡吹付けコンクリートの施工がなされた切羽を撮像した画像に対して、クラックが発生した場合にはどのような状態であるかを、経験や知識をもとに、技術者によって、クラック画像を操作端末30が操作されることで切羽画像に描画された合成画像を用いることができる。
図2は、鏡吹付けコンクリートの施工がなされた切羽を撮像した切羽画像にクラック画像を合成した場合の一例を示す図である。ここでは、クラック画像201、202、203、204、205、206、207、208、209に示すように複数のクラック画像が鏡吹付コンクリートの表面に対して合成される。ここでは、1つの切羽画像に対して複数のクラック画像が合成された場合が図示されているが、1つのみ合成するようにしてもよい。
第2の教師データを用いる場合、実際に発生したクラックを撮像した画像ではないものの、種々のクラックのパターンを描画することができ、学習に必要な枚数の画像を準備しやすいメリットがある。ここでは、合成画像におけるクラック画像は、技術者の経験や知識を反映させた上で描画することで、実際に発生したクラックを高い精度で再現するように描画することも可能である。また、クラックを表す画像は、鏡吹付けコンクリートの施工がなされた切羽が撮像された画像に対し、操作端末30から技術者によって操作入力されることで描画される。クラック画像は、切羽の状態や施工現場の環境を考慮して形状や色味等によって表現される。
クラック種類入力部403は、クラックの種類を選択する指示を入力する。
ここで、クラックが発生するとその部分に影が生じる。これを利用し、実際に発生したクラックを撮影した画像において、クラックの影の部分の色を抽出し、その抽出された色でクラックを描写し、クラック画像を生成することができる。
データ加工部405は、切羽画像に対してクラックを表す画像を操作端末30のキーボードやマウス等から入力される操作内容に応じて合成する。操作内容としては、クラック画像を合成する際の条件、クラックそのものを描画するための操作、等であってもよい。
データ加工部405が合成画像を生成する機能は、例えば、画像処理ソフトウェアを実行することで実現してもよい。切羽画像に対してクラック画像を合成する処理を行う画像処理ソフトウェアとしては、アドビシステムズ社(Adobe Systems Incorporated)のPhotoshop(登録商標)を用いてもよい。
データ加工部405は、クラック種類入力部403によって選択されたクラックの種類に応じたクラック画像を切羽画像に対して合成する。例えば、クラック画像の態様の選択肢を複数のパターンについて予め記憶部401に記憶しておき、そのクラック画像の態様のうち、操作端末30のマウス等を用いて選択されたパターンのクラック画像を用いて切羽画像に対して合成を行う(クラックパターン選択機能)。
また、クラックの長さについては、長さの最小値と最大値とを、実験結果を基に予め決めており、その長さの範囲のうちいずれの値にするかを操作端末30からの操作入力を受け付け、指定された長さに従ってクラック画像を生成する。
また、クラックの形状については、直線状、W字状(ジグザグ状)等、形状の特徴に応じた分類であってもよい。データ加工部405は、この分類のいずれにするかについて操作端末30からの操作入力を受け付け、指定された長さに従ってクラック画像を生成することができる。
また、クラックの影の濃さは、実験の結果、様々な場合があった。そのため、データ加工部405は、クラックの影の濃さ(不透明度)について、70%、50%、30%のように、複数の濃さのパターンのうち、いずれにするかについて操作端末30から操作入力を受け付け、指定されたクラックの影の濃さに基づいてクラック画像を生成する。
クラックの色は、色抽出部404によって抽出された色を適用することができる。ここでは、データ加工部405は、実際に生じたクラックが撮像された画像のクラックを示す画像を構成する画素の画素値を取得し、この画素値に応じてクラック画像を生成する。これにとり、実際に生じ得るクラックの色を元に、クラック画像を生成することができる。
また、このようにして生成されたクラック画像を、切羽画像のどの位置に配置するかについては、操作端末30から入力される配置する位置を指定する操作入力に応じて決定するようにしてもよい。
ラベル付与部406は、合成画像のうち、クラック画像に該当する画素のそれぞれに対して、「クラック」を表すラベルを付与するようにしてもよいし、クラック画像を構成する画像の領域に対してラベルを付与してもよい。
クラック検出装置50は、教師データ取得部500、学習部501、記憶部502、検出部503を含む。
学習部501は、鏡吹付けコンクリートが施工された切羽が撮像された切羽画像における画素のうち、吹付けコンクリートに存在するクラックに対応する画素に対してクラックを表すラベルが付与された教師データを用いて、切羽画像と当該切羽画像に含まれるクラックに対応する画素との関係を学習する。この教師データは、教師データ取得部500によって、切羽画像加工装置40から得られた教師データを利用することができる。
この学習には、AI(artificial intelligence:人工知能)技術を用いる。例えば、この学習には、セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)を用いる。セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)は、画像内の全画素にそれぞれラベルを付与するディープラーニング(Deep Learning)を用いたアルゴリズムである。
このセマンティックセグメンテーションでは、対象物を画素単位で検出できることから、線状に多数発生するクラックに対しても認識分解能が高く、また、施工時の作業者や重機の移動によって生じる画像の変化であるノイズに対しても高い識別性能を持っている。そのため、施工中の切羽をカメラ10によって動画撮影をするような条件下であっても効率的にクラックを識別することが可能となる。
セマンティックセグメンテーションでは、例えば、クラックに対応する画素の情報と、その画素の周辺の画素の情報との関係を学習する。
学習部501は、学習を行うことで、切羽画像と当該切羽画像に含まれるクラックに対応する画素との関係を学習した学習済モデルを生成する。
この記憶部502は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
出力部504は、検出部503によって、切羽画像にクラックに対応する領域があることを検出した場合には、クラックが検出されたことを示す情報を出力する。この出力としては、例えば、端末装置20a、端末装置20b等であってもよいし、切羽施工の現場を管理する管理者の端末装置に対して出力してもよい。これにより、これら端末装置からクラックが生じたことを示す警報音を出力したり、クラックが発生したことを示す警告メッセージを画面上に表示したりすることができる。出力部408は、クラックがあると検出された結果を端末装置20に送信することで、切羽崩落発生前に作業者に対して避難を促すことができる。
また、クラック検出装置50において、教師データ取得部500、学習部501、検出部503、出力部504は、CPU等の処理装置若しくは専用の電子回路で構成されてもよい。
切羽画像加工装置40の画像取得部400は、カメラ10によって撮像された切羽画像を取得し(ステップS101)、記憶部401に記憶する。ここで撮影される切羽については、施工された鏡吹付けコンクリートにおいてクラックが発生していない状態が撮像された切羽画像である。なお、鏡吹付けコンクリートにおいてクラックが発生している状態が撮像された切羽画像であってもよい。また、画像取得部400は、カメラ10によって撮影が行われる毎に切羽画像を取得し、記憶部401に記憶する。
一方、クラックが生じている状態の鏡吹付けコンクリートが撮像された切羽画像を対象として選択された場合には、既に発生しているクラックの状態を考慮し、さらにクラックが発生した場合には、どのようなクラックが発生しうるかを検討した結果を基に得られるクラック画像を合成した教師データを得ることができる。
クラックの色が抽出され、クラックの態様の指定入力を受け付けると、データ加工部405は、抽出された色、指定入力されたクラックの態様に応じたクラック画像を生成し(ステップS105)、生成されたクラック画像を切羽画像に合成する(ステップS106)。なお、クラック画像を切羽画像のどの位置に配置するかについては、操作端末30から指定される。
また、上述の実施形態によれば、ラベル付与部406がラベルを付与するようにしたので、本来必要なアノテーション作業(クラック部分を画像処理ソフトで選択し正解ラベルを付与する作業)を人手によって行う必要がないので、アノテーション作業にかかる時間を大幅に削減することができる。
また、上述した実施形態によれば、教師データの作成から学習済みモデルの作成までにかかる時間を大幅に短縮することができる。
Claims (7)
- 吹付コンクリートが施工された切羽を撮像した切羽画像を取得する取得部と、
クラックの種類を選択する指示を入力するクラック種類入力部と、
吹付けコンクリートにクラックがあることを示すクラック画像を前記切羽画像に対して合成することで合成画像を生成するデータ加工部と、
前記合成画像を出力する加工データ出力部と、
を有し、
前記クラック種類入力部は、
クラックの幅を指定するクラック幅、
クラックの影の濃さの度合いがいずれであるかを指定するクラック濃さ、
実際に生じたクラックが撮像された画像のクラックを示す画像を構成する画素の画素値に応じたクラック色、
のうち少なくともいずれか1つを取得し、
前記データ加工部は、前記クラック種類入力部によって選択されたクラックの種類に応じたクラック画像を前記切羽画像に対して合成する
切羽画像加工装置。 - 前記クラック種類入力部は、
前記クラック幅、
前記クラック濃さ、
前記クラック色、
クラックの長さを指定するクラック長さ、
クラックの形状の特徴に応じた分類のいずれであるかを指定するクラック形状、
のうち少なくともいずれか1つを取得する
請求項1に記載の切羽画像加工装置。 - 前記データ加工部は、
前記クラック種類入力部によって入力可能な複数の項目のうち、前記クラック種類入力部によって指示されたクラックの種類と、前記クラック種類入力部によって指示されなかった項目については過去に生成したクラック画像の値とを用いて、前記切羽画像に対してクラック画像を合成する
請求項1または請求項2に記載の切羽画像加工装置。 - 前記取得された切羽画像のうち、加工対象とする切羽画像を選択する指示を入力する切羽画像選択部を有し、
前記データ加工部は、前記切羽画像選択部によって選択された切羽画像に対してクラック画像を合成する
請求項1に記載の切羽画像加工装置。 - 前記データ加工部によって加工されたクラック画像に対してクラックを表すラベルを付与するラベル付与部
を有する請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の切羽画像加工装置。 - 吹付コンクリートに対して実際にクラックが生じている切羽を撮像した切羽画像において当該クラックに対して生じた影の表す画像領域の色を抽出する色抽出部を有し、
前記データ加工部は、前記切羽画像に対して、前記色抽出部によって抽出された色によってクラックを表したクラック画像を合成する
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の切羽画像加工装置。 - 取得部が、吹付コンクリートが施工された切羽を撮像した切羽画像を取得し、
クラック種類入力部が、クラックの種類を選択する指示を入力し、
データ加工部が、吹付けコンクリートにクラックがあることを示すクラック画像を前記切羽画像に対して合成することで合成画像を生成し、
加工データ出力部が、前記合成画像を出力し、
前記クラックの種類を選択する指示を入力することは、
クラックの幅を指定するクラック幅、
クラックの影の濃さの度合いがいずれであるかを指定するクラック濃さ、
実際に生じたクラックが撮像された画像のクラックを示す画像を構成する画素の画素値に応じたクラック色、
のうち少なくともいずれか1つを取得することを含み、
前記合成画像を生成することは、
前記クラック種類入力部によって選択されたクラックの種類に応じたクラック画像を前記切羽画像に対して合成することを含む
切羽画像加工方法。
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