以下に、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。以下の図においては、説明の便宜上、一部の構成を省略することがある。また、以下の説明において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」は、各図において矢印で示した方向を基準として用いる。但し、以下の実施の形態での各構成の向きは、一例にすぎず、任意の向きに変更することができる。
図1は、実施の形態に係る搬送装置の平面図である。図2は、図1の正面図である。図3は、一部構成を省略した図1の左側面図である。図1及び図2に示すように、搬送装置1は、元容器としての製品番重T1が多段に重ねて搬入される段ばらし部2と、段ばらし部2から供給される製品番重T1を右から左方向に搬送する製品番重搬送部(搬出容器搬送部)3とを備えている。また、搬送装置1は、搬出容器としての出荷番重T2を後から前方へ搬送する出荷番重搬送部4(元容器搬送部、図3も参照)と、物品Wを保持して移送可能な移送部5と、物品Wを検出するための検出部6とを備えている。更に、搬送装置1は、製品番重搬送部3の左側に出荷番重供給部7を備えている。
特に限定されるものでないが、本実施の形態では、搬送対象となる物品Wを、弁当や惣菜等の調理品が収容された容器とし、利用者の把持等によって変形が生じる可撓性を有するものとする。段ばらし部2に搬入される製品番重T1には、複数の物品Wが収容されており、同一箇所に上下に複数段重ねて収容される場合もある。
本実施の形態において、製品番重T1及び出荷番重T2は、同一形態に形成されており、底壁及び周壁を備えて上部を開放する形状に設けられている。また、本実施の形態では、搬送装置1において、製品番重T1及び出荷番重T2は、上から見て短辺及び長辺を有する概略長方形状に形成され、各番重T1、T2の短辺が前後方向と平行に、長辺が左右方向と平行に配設されている。
図4は、図1の右側面図である。段ばらし部2は、不図示の筐体によって囲われ、該筐体の右側(図4の紙面手前側)には不図示の搬入扉が設けられる。図2に加え、図4にも示すように、段ばらし部2は、製品番重T1が複数段積みされて配置される上昇分離機構21と、上昇分離機構21の下方に配設されたセット用台車22及びコンベア23とを備えている。セット用台車22は床面(不図示)を走行し、コンベア23は床面より若干上方に離れた位置に配設され、セット用台車22によって搬送装置1の外部から複数段積みされた製品番重T1がコンベア23上に運搬される。なお、コンベア23の左側には、製品番重T1を上昇分離機構21に受け渡した後のセット用台車22を右側に押し込むプッシャ(不図示)を設置してもよい。
上昇分離機構21では、セット用台車22に複数段積みされた製品番重T1全てを保持してからコンベア23上に載置する。そして、上昇分離機構21は、コンベア23上に段積みされた製品番重T1のうち、最下段の製品番重T1から1段ずつばらして製品番重搬送部3に供給可能に構成される。なお、各図面において、上昇分離機構21は、簡略化して図示しており、詳細な構成の図示、説明は省略する。
図1及び図2に示すように、製品番重搬送部3は、上部に製品番重T1が配置される仕分元搬送路31及び受入位置搬送路32を備えている。仕分元搬送路31及び受入位置搬送路32は、左右方向に並んで設けられ、仕分元搬送路31が右側、受入位置搬送路32が左側に位置する。仕分元搬送路31及び受入位置搬送路32は、左右方向に製品番重T1を搬送するコンベア等によって構成され、右から左に向かう方向が製品番重搬送部3での搬送方向に設定される。かかる搬送方向は、製品番重T1の長辺の延出方向と平行に設定される。言い換えると、製品番重搬送部3の搬送方向と製品番重T1の長辺の延出方向とが揃うように製品番重T1が載置及び搬送される。
仕分元搬送路31及び受入位置搬送路32は、製品番重T1が搬送(配置)された状態で駆動停止すると共にクランプ(不図示)にて製品番重T1を挟み込むことで製品番重T1を位置決め可能に設けられる。また、受入位置搬送路32は、製品番重搬送部3の搬送方向と逆方向、つまり、左から右に向かう方向にも製品番重T1を搬送可能に構成される。
仕分元搬送路31は、不図示の筐体やフレームによって後述する投入位置搬送路41より上方に所定距離離れた高さ位置に支持される。製品番重搬送部3は、受入位置搬送路32を昇降させる受入位置昇降部33を更に備えている。受入位置昇降部33は、例えば、相対角度を変更可能に連結される脚部材と、該脚部材を駆動する駆動機構(不図示)とを用いて構成される。但し、受入位置昇降部33は、受入位置搬送路32を昇降させ、且つ、所定の上下位置にて位置決め可能であれば、任意の昇降機構に変更してもよい。受入位置昇降部33は、仕分元搬送路31と同じ高さ位置と、該高さ位置より下降した位置(具体的には後述)とに受入位置搬送路32を昇降可能に設けられる。
製品番重搬送部3において、仕分元搬送路31で位置決めされる製品番重T1の位置が仕分元位置31Aとされる。具体的には、仕分元位置31Aは、各図面にて図示した製品番重T1のうち、括弧書きで符号「31A」を併記した製品番重T1の位置とされる。
図2に示すように、受入位置搬送路32の左側に設けられた出荷番重供給部7は、段ばらし部2の上昇分離機構21及びコンベア23と同様の構成をなす上昇分離機構71及びコンベア73を備えている。出荷番重供給部7のコンベア73は、図2の状態にて、仕分元搬送路31及び受入位置搬送路32と同じ高さ位置に設けられる。出荷番重供給部7におけるコンベア73の上方には、物品W(図1参照)が未収容の空の出荷番重T2が複数段積みされて配置されている。上昇分離機構71は、複数段積みされた出荷番重T2のうち、最下段の出荷番重T2から1段ずつばらしてコンベア73に供給し、コンベア73から受入位置搬送路32に出荷番重T2を供給可能に構成される。なお、上昇分離機構71においても、各図面において、簡略化して図示しており、詳細な構成の図示、説明は省略する。
製品番重搬送部3は、仕分元搬送路31と段ばらし部2との間に設けられたリフタ搬送機構34を更に備えている。リフタ搬送機構34は、製品番重T1が載置されるリフタ用コンベア36と、リフタ用コンベア36を昇降させるシリンダ37と、シリンダ37におけるロッド37aの先端とリフタ用コンベア36とを連結する連結体38とを備えている。リフタ搬送機構34は、シリンダ37の駆動によってリフタ用コンベア36を昇降させる。かかる昇降におけるリフタ用コンベア36の上限位置は、仕分元搬送路31と同一高さとされ、下限位置(図2にて二点鎖線で図示)は段ばらし部2のコンベア23と同一高さとされる。従って、段ばらし部2のコンベア23から下限位置のリフタ用コンベア36に製品番重T1を左方向に搬送することができる。かかる搬送後、リフタ用コンベア36及び製品番重T1を上限位置に上昇し、リフタ用コンベア36から仕分元搬送路31に製品番重T1を左方向に搬送することができる。
図3に示すように、出荷番重搬送部4は、後から前方向に延びる直線方向に並ぶ投入位置搬送路41、仕分先搬送路42及びバッファ位置搬送路43を備えている。各搬送路41~43は、後から前に向かう方向に出荷番重T2を搬送するコンベア等によって構成され、かかる方向が出荷番重搬送部4での搬送方向に設定される。各搬送路41~43は、出荷番重T2が搬送(配置)された状態で駆動停止すると共にクランプ(不図示)にて出荷番重T2を挟み込むことで出荷番重T2を位置決め可能に設けられる。
また、出荷番重搬送部4は、投入位置搬送路41を昇降させる投入位置昇降部44と、仕分先搬送路42を昇降させる仕分先昇降部45と、バッファ位置搬送路43を昇降させるバッファ位置昇降部46とを更に備えている。投入位置昇降部44、仕分先昇降部45及びバッファ位置昇降部46においても、受入位置昇降部33と同様に構成でき、また、昇降対象となる搬送路41~43を昇降させ、且つ、所定の上下位置にて位置決め可能であれば、任意の昇降機構に変更できる。
投入位置搬送路41は仕分先搬送路42に、仕分先搬送路42はバッファ位置搬送路43に出荷番重T2を搬送する。従って、出荷番重搬送部4の搬送方向において、仕分先搬送路42の上流側に投入位置搬送路41が設けられ、仕分先搬送路42の下流側にバッファ位置搬送路43が設けられる。出荷番重搬送部4の各搬送路41~43の駆動によって出荷番重T2を搬送する場合、出荷番重T2が通過する搬送路41~43では、各昇降部44~46の駆動によって高さ位置が揃えられる。
出荷番重搬送部4は、投入位置搬送路41及び仕分先搬送路42に跨る位置に設けられた出荷番重段積部(搬出容器移動部、搬出容器段積部)47(図1及び図2では不図示)を更に備えている。出荷番重段積部47は、具体的な構成の図示及び説明を省略するが、出荷番重T2を左右方向から挟み込んで保持可能な挟持部と、該挟持部を前後方向に移動させる移動機構とを備えた構成を例示できる。よって、出荷番重段積部47は、投入位置搬送路41及び仕分先搬送路42の駆動とは別に、出荷番重搬送部4の搬送方向(前方向)に出荷番重T2を移動することができる。
出荷番重段積部47は、仕分先搬送路42にて出荷番重T2を上下に段積みすることができる。かかる段積みは、予め、仕分先搬送路42に配置された出荷番重T2を位置決めした状態で仕分先昇降部45を駆動し、仕分先搬送路42が投入位置搬送路41より出荷番重T2の高さ分より若干低くなるように配置しておく。この状態で、出荷番重段積部47によって投入位置搬送路41に配置された出荷番重T2を保持し、仕分先搬送路42に配置された出荷番重T2の上に移動させる。その後、仕分先昇降部45を駆動し、仕分先搬送路42に配置された出荷番重T2の上部に出荷番重段積部47で保持された出荷番重T2の下部を接触させて載置する。そして、出荷番重段積部47による出荷番重T2の保持を解除することで、仕分先搬送路42における出荷番重T2の段積みが完了する。
出荷番重段積部47で移動して載置する出荷番重T2や、該出荷番重T2が載置される出荷番重T2は、単一でもよいし複数段積みした状態としてもよい。例えば、仕分先搬送路42に1段(1体)の出荷番重T2が配置され、投入位置搬送路41に2段の出荷番重T2が配置される場合には、該2段の出荷番重T2を出荷番重段積部47で保持する。そして、仕分先搬送路42に配置された出荷番重T2の上に載置し、仕分先搬送路42に3段の出荷番重T2を段積みすることができる。
なお、図2及び図3において、配置される出荷番重T2の段積み数を、投入位置搬送路41で1段、仕分先搬送路42で2段、バッファ位置搬送路43で3段として図示したが、これは一例にすぎない。物品Wの移送計画や出荷番重T2の搬送計画等に基づいて出荷番重段積部47で段積みすることで、各搬送路41~43での出荷番重T2の段積み数が決定される。本実施の形態では、図3における投入位置搬送路41の高さ位置が各搬送路41~43における上限位置となり、バッファ位置搬送路43の高さ位置が各搬送路41~43における下限位置となる。よって、各搬送路41~43は、物品Wの移送及び出荷番重T2の搬送前の初期位置が上限位置に設定される。
投入位置搬送路41は、製品番重搬送部3における仕分元搬送路31の下方(直下)に配設される。言い換えると、仕分元搬送路31が出荷番重搬送部4の上方にて立体的に配設される。出荷番重搬送部4の延出方向及び搬送方向と製品番重搬送部3の延出方向及び搬送方向とは、上方から見て概略直交する方向に交差するよう異なって配設されている。しかも、製品番重搬送部3及び出荷番重搬送部4は異なる高さとして立体的に配設されるので、それらは立体的に交差する位置に配設される。
出荷番重搬送部4の搬送方向は、出荷番重T2の短辺の延出方向と平行に設定される。言い換えると、出荷番重搬送部4の搬送方向と出荷番重T2の短辺の延出方向とが揃うように出荷番重T2が載置及び搬送される。製品番重搬送部3で搬送される製品番重T1及び出荷番重搬送部4で搬送される出荷番重T2の上から見た向きは同一とされる。
ここで、製品番重搬送部3の上述した仕分元位置31Aは、製品番重搬送部3における出荷番重搬送部4との交差位置であり、投入位置搬送路41の上方になる。また、出荷番重搬送部4にて、仕分先搬送路42で位置決めされる出荷番重T2の位置が仕分先位置42Aとなり、仕分先位置42Aは、仕分元位置31Aに対し搬送方向となる前方に隣り合う位置となる。仕分先位置42Aは、各図面にて図示した出荷番重T2のうち、括弧書きで符号「42A」を併記した出荷番重T2の位置とされる。
移送部5は、本実施の形態では2台設けられ、図示省略したが床面上に設置されるベースによって支持される。2台の移送部5は、出荷番重搬送部4における仕分先位置42Aの左右両側であって、製品番重搬送部3の前方近傍に配設される。よって、2台の移送部5は、仕分先位置42A及び仕分元位置31Aの両方に対して近傍となる位置に配設される。
移送部5は、物品Wを上方から保持する保持部51と、保持部51を直交三軸方向及び回転方向に移動する移動機構52とを備えている。保持部51は、物品Wを保持できる限りにおいて、種々の構成を採用でき、物品Wの上面を吸着する機構や、物品Wを挟んで把持する機構等が例示できる。移動機構52は、複数のリンクを連結したアームを有する6軸多関節ロボットで構成されるが、シリンダや直動モータ、リニアモータ、送りねじ構造等を組み合わせた機構としてもよい。
移送部5は、保持部51で物品Wを保持してから移動機構52を駆動することで、物品Wを移送可能に設けられる。具体的には、製品番重搬送部3にて搬送されて仕分元位置31Aに位置する製品番重T1から、出荷番重搬送部4にて搬送されて仕分先位置42Aに位置する出荷番重T2へ物品Wを移送可能とされる(図3の太線矢印参照)。従って、移送部5は、製品番重搬送部3と出荷番重搬送部4とが立体的に交差する位置(仕分元位置31A)及びその周り(仕分先位置42A)にて物品Wを移送することができる。
検出部6は、カメラ等の撮像手段によってそれぞれ構成される収容状態検出部61及び保持状態検出部62を備えている。収容状態検出部61は、不図示の筐体やフレームによって仕分元位置31Aの上方に支持される。収容状態検出部61は、仕分元位置31Aの製品番重T1に収容された物品Wを撮像し、その物品Wの収容数及び収容位置を取得するための撮像データを出力する。
保持状態検出部62においても不図示の筐体やフレームによって支持される。保持状態検出部62は、前後方向において仕分元位置31Aと仕分先位置42Aとの間に配設され(図5参照)、上下方向においても仕分元位置31Aと仕分先位置42Aとの間に配設される(図4参照)。保持状態検出部62は、移送部5による移送にて仕分元位置31Aと仕分先位置42Aとの間を通過中の物品Wを下方から撮像し、その物品Wの保持された位置や向きを取得するための撮像データを出力する。
図5は、実施の形態に係る搬送システムの説明図である。図5では、段ばらし部2や出荷番重供給部7等の一部構成の図示を省略している。図5に示すように、搬送システム100においては、3台の搬送装置1を備えて構成されている。3台の搬送装置1は、出荷番重T2の搬送方向となる前後方向に並んで配設されており、ここでは、後から前方に向かって第1搬送装置1A、第2搬送装置1B、第3搬送装置1Cの順に配置される。
3台の搬送装置1A~1Cの各出荷番重搬送部4は、同一線上となる搬送ラインL上に並んで配設されている。搬送ラインLは後から前方向が延出方向となり、搬送方向となる。従って、搬送システム100では、第1搬送装置1Aから搬送される出荷番重T2は、第2搬送装置1B及び第3搬送装置1Cを通って搬送され、第2搬送装置1Bから搬送される出荷番重T2は、第3搬送装置1Cを通って搬送され。搬送ラインLにて前後に隣り合う搬送装置1間にて、上流側の搬送装置1のバッファ位置搬送路43と、下流側の搬送装置1の投入位置搬送路41とが接続された状態となる。
搬送システム100は、制御装置110を備えている。制御装置110は、中央処理装置(CPU)や、RAM、ROM等の記憶装置を含むコンピュータ等によって構成され、搬送システム100全体を制御する。
制御装置110は、記憶装置に記憶されるプログラムや搬送計画のデータに基づき、各搬送装置1A~1Cにおける段ばらし部2、製品番重搬送部3、出荷番重搬送部4、移送部5、出荷番重供給部7の駆動を制御する。制御装置110による搬送制御によって、記憶装置に記憶される搬送計画通りに出荷番重T2への物品Wの移送、出荷番重T2の段積み、出荷番重T2の搬送が実施される。また、制御装置110は、検出部6での検出結果に基づき、移送部5における物品Wの移送動作を調整するよう制御する。
なお、制御装置110は、搬送システム100に1体設ける構成に限定されず、各搬送装置1A~1Cのそれぞれ設ける構成にする等、種々の変更が可能である。また、図5において、制御装置110と該接続装置110との間で信号等を入出力する各構成との間を結ぶ線の図示を省略する。
次いで、本実施の形態の第1搬送装置1Aにおける搬送動作について、図6から図13を参照して説明する。図6は、第1搬送装置における搬送動作の流れを示すフローチャートである。図7から図13は、第1搬送装置の搬送動作の説明図である。
なお、制御装置110(図5参照)の記憶装置には、顧客毎に事前計画した搬送計画が予め記憶され、該搬送計画に基づいて各構成における駆動や動作が制御される。搬送計画には、第1搬送装置1Aから搬出される出荷番重T2内の物品Wの個数、収納位置及び出荷番重T2の段積数が含まれる。第1搬送装置1Aからの搬出を許容する状態にて、出荷番重T2を上下に複数段積みする場合だけでなく、出荷番重T2が段積されずに1体となる(段積数が1になる)場合もある。以下の説明では、かかる搬出を許容する状態の出荷番重T2について、その段積数に関わらず、出荷番重T2の「グループ」とし、第2搬送装置1B及び第3搬送装置1Cについても同様とする。出荷番重T2のグループは、搬送方向では複数にならずに単一となる。
図6のフローチャートにおいて、ステップST01では、図7に示すように、出荷番重供給部7から空の出荷番重T2を切り出して受入位置搬送路32に供給し、受入位置搬送路32上まで出荷番重T2を搬送して位置決めする。ステップST02では、投入位置昇降部44の駆動によって投入位置搬送路41を昇降し、投入位置搬送路41を上限位置に位置決めした状態とする。
ステップST03では、図8に示すように、受入位置昇降部33の駆動によって受入位置搬送路32を下降し、受入位置搬送路32を投入位置搬送路41の高さ位置に揃えて位置決めした状態とする。ステップST04では、受入位置搬送路32の駆動によって受入位置搬送路32上に配置される出荷番重T2を投入位置搬送路41に搬送(供給)する。そして、受入位置昇降部33の駆動によって受入位置搬送路32を上昇し、受入位置搬送路32を仕分元搬送路31の高さ位置に位置決めした図7の状態に戻す。
ステップST05では、出荷番重供給部7にて空の出荷番重T2をコンベア73上に切り出して出荷番重T2を待機した状態とする。
ステップST06では、図9に示すように、ステップST04にて投入位置搬送路41に搬送された出荷番重T2を投入位置搬送路41及び仕分先搬送路42の駆動によって搬送し、仕分先搬送路42上で出荷番重T2を位置決めした状態にする。言い換えると、仕分先搬送路42上となる仕分先位置42Aで出荷番重T2を待機した状態とする。
ステップST07では、ステップST01~ST06の動作中に、仕分元搬送路31に製品番重T1を搬送する。この搬送は、先ず、図10に示すように、段ばらし部2にて、上昇分離機構21によって最下段の製品番重T1から1段ずつばらした後、製品番重搬送部3のリフタ搬送機構34で仕分元搬送路31の高さ位置まで製品番重T1を上昇する。その後、仕分元搬送路31の駆動によって製品番重T1を仕分元位置31Aまで搬送してから位置決めした状態にする。言い換えると、仕分元搬送路31上となる仕分元位置31Aで製品番重T1を待機した状態とする。
ステップST08では、搬送計画に基づいて製品番重T1から出荷番重T2へ物品Wを移送する。この移送は、図3に示すように、仕分元位置31Aにて、製品番重T1における物品Wを収容状態検出部61によって撮像する。かかる撮像結果に応じ、移送部5の移動機構52を駆動し、仕分元位置31Aにおける製品番重T1内の物品Wを保持部51で保持する。かかる保持後、図3の太線矢印で示すように、移動機構52の駆動によって保持部51に保持された物品Wを仕分先位置42Aの出荷番重T2まで移送して収容する。この移送にて、移送中の物品Wが保持状態検出部62で下方から撮像され、かかる撮像結果に応じて移動機構52の駆動を制御することで保持された物品Wの位置や向きが補正される。これにより、出荷番重T2への物品Wの移送不良や収容不良が発生することが回避可能となる。
ステップST08の動作内で、製品番重T1内の物品Wが無くなって空になり次第、ステップST09に進む。ステップST09は、仕分元搬送路31上の空の製品番重T1を仕分元搬送路31及び受入位置搬送路32の駆動によって搬送し、受入位置搬送路32上で空の製品番重T1を位置決めした図7の状態にする。空の製品番重T1は出荷番重T2として利用される。ステップST09においては、かかる製品番重T1の動作と同時に、ステップST07の動作も行い、製品番重T1を仕分元位置31A(仕分元搬送路31)に搬送して位置決めする(図10参照)。
また、ステップST08の動作内で、搬送計画通りに出荷番重T2が物品Wで満杯或いは物品Wの予定数に達した場合、ステップST10に進む。ステップST10は、図11に示すように、仕分先昇降部45の駆動によって、仕分先搬送路42を下降する。そして、出荷番重T2の高さ分に応じて投入位置搬送路41より低い位置に仕分先搬送路42を位置決めした状態とする。
ステップST10では、仕分先搬送路42の下降と同時に、受入位置搬送路32上に出荷番重T2がなければ、出荷番重供給部7のコンベア73上に待機する空の出荷番重T2を受入位置搬送路32上に供給して位置決めする(図7参照)。受入位置搬送路32上に出荷番重T2があれば、その位置決め状態を維持する。その後、ステップST03、ST04の動作を行い、出荷番重T2を投入位置搬送路41に搬送する。
ステップST11では、図12に示すように、ステップST10にて投入位置搬送路41に搬送された空の出荷番重T2を出荷番重段積部47によって保持してから仕分先搬送路42の出荷番重T2の上に移動する。そして、出荷番重段積部47による出荷番重T2の保持を解除することで、仕分先搬送路42上にて出荷番重T2を2段に段積みした状態にする。図12の状態にて、最上位の出荷番重T2は、図9の段積みしていない仕分先位置42A(仕分先搬送路42)の出荷番重T2と同じ高さ位置に配置される。
ステップST12では、仕分先搬送路42に配置される出荷番重T2の段積数及び全ての出荷番重T2における物品Wの移送数が搬送計画に達しているか否かを判定する。搬送計画に達していない場合(ステップST12:No)、ステップST08に戻り、搬送計画に達している場合(ステップST12:Yes)、仕分先搬送路42にて出荷番重T2のグループが完成した状態となり、ステップST13に進む。
ステップST13では、図13に示すように、バッファ位置昇降部46の駆動によってバッファ位置搬送路43を昇降し、該バッファ位置搬送路43を仕分先搬送路42の高さ位置に揃えた状態とする。その後、仕分先搬送路42及びバッファ位置搬送路43の駆動によって、仕分先搬送路42における出荷番重T2のグループをバッファ位置搬送路43上に搬送して位置決めした状態にする。
その後、出荷番重T2のグループが搬出された仕分先搬送路42にて、次の出荷番重T2のグループを完成すべく、上記と同様の要領で出荷番重T2への物品Wの移送及び段積みが行われる。その間に、バッファ位置搬送路43上の出荷番重T2のグループを下流側の第2搬送装置1Bの投入位置搬送路41に搬送する。
次いで、第1搬送装置1Aの下流側に隣接する第2搬送装置1Bの搬送動作について、図14を参照して説明する。図14は、第2搬送装置における搬送動作の流れを示すフローチャートである。図14のフローチャートにおいて、ステップST21では、図15に示すように、第2搬送装置1Bにおける投入位置搬送路41及び仕分先搬送路42の高さを調整する。具体的には、第2搬送装置1Bにて投入位置昇降部44及び仕分先昇降部45を駆動し、各搬送路41、42を昇降する。この昇降によって第1搬送装置1Aにおけるバッファ位置搬送路43の高さ位置に、各搬送路41、42を揃えて位置決めした状態にする。ここでは、第1搬送装置1Aにおけるバッファ位置搬送路43から段積数が2段の出荷番重T2のグループが搬送される場合を一例として説明する。
ステップST22では、ステップST21の動作中、上記ステップST01と同様の動作を行い、受入位置搬送路32上まで出荷番重T2を搬送して位置決めする(図7参照)。ステップST22の具体的な動作説明は省略する。
ステップST23では、ステップST21、ST22の動作中、上記ステップST07と同様の動作を行い、仕分元搬送路31に製品番重T1を搬送する(図10参照)。ステップST23の具体的な動作説明は省略する。
ステップST24では、ステップST22、ST23の動作中、図16に示すように、仕分先搬送路42上に出荷番重T2を搬送する。具体的には、第1搬送装置1Aのバッファ位置搬送路43を駆動し、且つ、投入位置搬送路41及び仕分先搬送路42及びを駆動する。この駆動によって、第1搬送装置1Aから搬出される出荷番重T2のグループを、投入位置搬送路41を経て仕分先搬送路42上で位置決めした状態にする。
ステップST25では、上記ステップST08~ST13と同様の動作を行うことで、搬送計画に基づいて出荷番重T2への物品Wの移送及び段積みする。そして、図17に示すように、第2搬送装置1Bでの出荷番重T2のグループを完成し、バッファ位置搬送路43上に搬送して位置決めした状態にする。ここでは、3段の出荷番重T2のグループが搬送される場合を図示している。ステップST25の具体的な動作説明は省略する。
第2搬送装置1Bの下流側に隣接する第3搬送装置1Cの搬送動作においても、第2搬送装置1Bと同様とされる。なお、第2搬送装置1B及び第3搬送装置1Cにて、搬入される出荷番重T2のグループにおける搬送システム100全体の搬送計画が完了している場合がある。その場合には、それぞれの出荷番重搬送部4にて出荷番重T2のグループを搬送方向下流側に搬送移動するだけとなる。
続いて、本実施の形態の搬送システム100の搬送方法について、搬送計画の具体的な一例を挙げて説明する。店舗用に配送する物品として、物品A~Cの3種類があり、物品Aを第1搬送装置1A、物品Bを第2搬送装置1B、物品Cを第3搬送装置1Cで出荷番重に移送するものとする。また、製品番重及び出荷番重における物品A~Cの最大収容数は6個、出荷番重のグループにおける最大段積数を3段とする。
下記表1は、各店舗への物品A~Cの配送個数のリストである。例えば、店舗1には、物品Aを8個、物品Bを16個、物品Cを10個配送すべく出荷番重に収容する必要がある。かかる個数の総和から、出荷番重の数量と、出荷番重のグループ数とを搬送計画として求めることができ、表1にて併記している。
出荷番重の数量と、出荷番重のグループ数とから、各出荷番重への物品A~Cの収容計画を作成することができる。店舗1での収容計画を下記表2に示す。
表2の収容計画によれば、第1搬送装置1Aにて先頭となる出荷番重(1)に物品Aを6個収容し、出荷番重(1)の上に空の出荷番重(2)を段積みする。この状態で、出荷番重(2)に物品Aを2個収容した状態で、第1搬送装置1Aの出荷番重のグループが完成する。かかる出荷番重のグループは、第2搬送装置1Bに搬送され、最上位の出荷番重(2)に物品Aを4個収容し、出荷番重(2)の上に空の出荷番重(3)を段積みする。
この状態で、出荷番重(3)に物品Aを6個収容した状態で、最大段積数となる3段の出荷番重それぞれで満杯となり、第2搬送装置1Bを含む搬送システム100としての出荷番重のグループが完成する。かかる出荷番重のグループは、第3搬送装置1Cに搬送及び通過され、搬送システム100の後工程に供給される。
その後、第2搬送装置1Bにて出荷番重(4)に物品Bを6個収容し、第2搬送装置1Bの出荷番重のグループが完成する。かかる出荷番重のグループは、第3搬送装置1Cに搬送され、出荷番重(4)の上に空の出荷番重(5)を段積みしてから、出荷番重(5)に物品Cを6個収容する。そして、出荷番重(5)の上に空の出荷番重(6)を更に段積みしてから、出荷番重(6)に物品Cを4個収容する。これにより、第3搬送装置1Cを含む搬送システム100としての出荷番重のグループが完成し、搬送システム100の後工程に供給される。
上記においては、2つの出荷番重のグループを順に形成して供給したが、これらのグループ形成を同時に進行する搬送計画としてもよい。つまり、第1搬送装置1Aにおける出荷番重(1)への物品Aの収納及び段積みと、第2搬送装置1Bにおける出荷番重(4)への物品Bの収納及び搬出とを同時進行する等により、2つの出荷番重のグループをより短時間で供給することができる。この場合と、2つの出荷番重のグループを順に形成する場合とでは、グループの搬出順序が逆になるが、後工程での調整によって対応することができる。
ここで、上記実施の形態に対し、出荷番重を段積みする構造を省略した比較例のシステムと対比して検討する。なお、比較例においても、実施の形態に対応する構成については同一符号を付す。
かかる比較例では、第2搬送装置1Bにて製品番重(1)が通過する間に物品Bの移送が中断し、第3搬送装置1Cにて製品番重(1)~(4)が通過する間に物品Cの移送が中断する。この点、上記実施の形態では、第3搬送装置1Cにて出荷番重のグループが1回通過する際に物品Cの移送が中断するだけとなる。これにより、上記実施の形態の方が物品の移送が中断されることを少なくでき、その稼働率低下を抑制することができる。
しかも、上記実施の形態の搬送システム100では、出荷番重を複数段積みしたグループとして纏めた状態で搬出することができ、後工程での省力化、短時間化を図ることもできる。
また、上記実施の形態では、仕分先搬送路42を昇降可能としたので、出荷番重T2を段積みしても、仕分先搬送路42の最上位の出荷番重T2となる仕分先位置42Aの上下位置を同一高さ位置に保つことができる。これにより、出荷番重T2の段積みの有無に関わらず、移送部5で物品Wを保持する高さ位置を一定にでき、移送部5における移動制御の負担を軽減することができる。
また、上記実施の形態では、バッファ位置搬送路43を昇降可能とすることで、昇降する仕分先搬送路42とバッファ位置搬送路43との高さ位置を揃えることができる。これにより、グループとなる出荷番重T2の段積みに応じて仕分先搬送路42を昇降しても、出荷番重T2の高さを変えずに下流側の搬送装置1に搬出することができる。
また、投入位置搬送路41を昇降可能とする場合も、昇降する仕分先搬送路42と投入位置搬送路41との高さ位置を揃え、グループとなる出荷番重T2の高さを変えずに仕分先搬送路42へ搬送することができる。
また、受入位置搬送路32から投入位置搬送路41に出荷番重T2を搬送可能としたので、物品Wが移送されて空になった製品番重T1を出荷番重T2として利用することができる。これにより、出荷番重供給部7からの出荷番重T2の供給量を少なくでき、出荷番重供給部7に出荷番重T2を準備する負担を軽減することができる。
また、製品番重搬送部3と出荷番重搬送部4とが立体的に交差するので、その交差位置に仕分元位置31Aを設定し、仕分元位置31Aの隣に仕分先位置42Aを設定することができる。従って、図1のように上方から見て仕分元位置31A及び仕分先位置42Aを接近させ、物品Wの移送先及び移送元となる製品番重T1及び出荷番重T2を隣り合わせにすることができる。これにより、移送部5による物品Wの移送距離の短縮化を図ることができ(図3の太線矢印参照)、物品W1個あたりの移送時間を短くすることができる。その結果、移送効率を向上できる上、移送部5で物品Wを保持する時間も短くしたり、移送時の物品Wの加速を抑制したりすることができ、移送の安定化を図ることができる。しかも、各搬送部3、4の立体交差によって受入位置搬送路32と投入位置搬送路41とを近付けることができ、投入位置搬送路41への空の出荷番重T2の搬送時間を短縮化することができる。
また、製品番重搬送部3が出荷番重搬送部4の上方に配設されるので、図3に示すように、製品番重T1からの物品Wの取り出し時に一旦上昇するものの、該上昇移動量より下降移動量を大きくすることができる。これにより、移送部5にて、移動機構52に加わる移送の負荷や駆動に要する電力等を軽減することができる。
また、出荷番重搬送部4の搬送方向となる前後方向に仕分元位置31A及び仕分先位置42Aが隣り合い、かかる位置31A、42Aに配置された両方の番重T1、T2の短辺の延出方向を前後方向として上面視での向きを同一としている。このように、各番重T1、T2を短辺の延出方向に並べて物品Wを移送することで、例えば各番重T1、T2を長辺の延出方向に並べた場合に比べ、物品Wの最大移送距離を短くでき、これによっても移送の安定化を図ることができる。
また、上記のように移送距離を短くすることで、物品Wが外力によって変形しやすい可撓性を有する場合でも、移送の安定化を良好に実現することができる。
本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
上記実施の形態では、支持する物品Wを調理品用の容器としたが、移送部5によって移送できる物品であれば何ら限定されるものでない。例えば、サンドイッチやパン、弁当等の他の食品、各種の電気機器、装置、それらの部品としたり、弁当容器以外の箱やトレイによって梱包されたものとしたりしてもよい。更に、物品Wにおいて、保持部51による保持箇所は、上面に限られず、物品Wの側面や縁部、下面から側面に亘って形成される凹凸部分、傾斜部分、突出部分等とすることができる。
また、搬出容器及び元容器として番重T1、T2を用いた場合を説明したが、これに限られるものでなく、収容する物品等に応じて種々の容器を用いることができる。また、各番重T1、T2に収容される物品Wは上下に重ねた状態としても重ねていない状態としてもよい。
また、移送部5の保持部51による物品Wの最大保持個数は2個以上にする等、変更してもよい。
また、製品番重搬送部3及び出荷番重搬送部4は、上記実施の形態に対し、上下の位置関係を逆にして製品番重搬送部3が出荷番重搬送部4の下方に配設されるようにしてもよい。但し、上記実施の形態の方が、製品番重T1からの物品Wの取り出し時に、物品Wの下降移動量より上昇移動量を小さくできる点で有利となる。
また、製品番重搬送部3及び出荷番重搬送部4の延出方向は、湾曲する方向としてもよく、上から見たときの交差角度は、90°以外の角度に変更してもよい。
また、移送部5の設置位置は、床面に限定されずに天井や筐体(不図示)としてもよく、移送部5の設置数は2台に限定されず、1台あるいは3台以上としてもよい。
また、バッファ位置搬送路43は、仕分先搬送路42の下流側(前側)に設置する構成に限定されず、投入位置搬送路41の上流側(後側)に設置してもよい。これによっても、複数の搬送装置1を並設した搬送システム100において、バッファ位置搬送路43の上流側に仕分先搬送路42が配設され、バッファ位置搬送路43の下流側に投入位置搬送路41が配設される構成にすることができる。また、バッファ位置搬送路43は、投入位置搬送路41の搬送方向の長さを延長し、該搬送方向に出荷番重T2を2体以上並べて載置可能とすることで構成してもよい。
また、上記実施の形態では、搬送システム100における搬送装置1の台数を3台としたが、2台や4台以上の複数台としてもよい。