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JP7339909B2 - 従動プーリ装置 - Google Patents

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JP7339909B2 JP2020051177A JP2020051177A JP7339909B2 JP 7339909 B2 JP7339909 B2 JP 7339909B2 JP 2020051177 A JP2020051177 A JP 2020051177A JP 2020051177 A JP2020051177 A JP 2020051177A JP 7339909 B2 JP7339909 B2 JP 7339909B2
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    • F16H9/16Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by endless flexible members without members having orbital motion using belts, V-belts, or ropes engaging a pulley built-up out of relatively axially-adjustable parts in which the belt engages the opposite flanges of the pulley directly without interposed belt-supporting members using two pulleys, both built-up out of adjustable conical parts
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    • F16H55/56Pulleys or friction discs of adjustable construction of which the bearing parts are relatively axially adjustable

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Description

本発明は、無段変速機の従動プーリ装置に関する。
この種の装置として、従来、駆動プーリから出力されたトルクが無端状の動力伝達部材を介して伝達される従動プーリに、トルクカム機構が設けられた装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許第6605745号公報
しかしながら、特許文献1記載の装置では、トルクカム機構により、従動プーリを構成する可動プーリ半体と固定プーリ半体との間で変速時に回転方向の差動が生じるため、動力伝達部材に滑りが発生する。
本発明の一態様である従動プーリ装置は、回転軸に相対回転可能かつ軸方向に移動可能に支持される第1プーリ半体と、第1プーリ半体と同軸上に対向配置され、回転軸に相対回転可能かつ軸方向に移動可能に支持される第2プーリ半体とを有し、駆動プーリから出力されたトルクが無端状の動力伝達部材を介して伝達される従動プーリと、第1プーリ半体を第2プーリ半体に向けて付勢する付勢部材と、回転軸に対する第1プーリ半体の軸方向の相対移動および相対回転を規制する第1カム機構と、回転軸に対する第2プーリ半体の相対移動および相対回転を規制する第2カム機構と、第1プーリ半体および第2プーリ半体の軸方向への相対移動を許容し、かつ相対回転を禁止する第3カム機構と、を備える。第1カム機構は、第1プーリ半体に設けられ、軸方向と傾斜する方向に延びる第1カム溝と、回転軸と一体に回転するように設けられ、第1カム溝に係合する第1カムピンとを有し、第2カム機構は、第2プーリ半体に設けられ、軸方向と傾斜する第1方向および軸方向に対し第1方向と対称な第2方向に延びる第2カム溝と、回転軸と一体に回転するように設けられ、第2カム溝に係合する第2カムピンとを有し、第3カム機構は、第1プーリ半体および第2プーリ半体の一方に設けられ、軸方向に延びる第3カム溝と、第3カム溝に係合する第3カムピンとを有する。
本発明によれば、変速時における無端状の動力伝達部材の滑りを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る従動プーリ装置が適用される車両の駆動系の概略構成の一例を示すスケルトン図。 本発明の実施形態に係る従動プーリ装置の要部構成を概略的に示す図。 図2の第1トルクカム機構および第2トルクカム機構を上方から視た図。 図3の第1トルクカム機構を示す図。 図3の第2トルクカム機構を示す図。 図2の溝カム機構を上方から視た図。 本発明の実施形態に係る従動プーリ装置の変形例が適用される車両の駆動系の概略構成の一例を示すスケルトン図。 本実施形態の変形例に係る従動プーリ装置の要部構成を示す図。
以下、図1~図5を参照して本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る従動プーリ装置が適用される車両の駆動系の概略構成の一例を示すスケルトン図である。図1に示すように、エンジン(ENG)1のトルクは、トルクコンバータ2を介して無段変速機(CVTともいう)3に入力される。無段変速機3は、入力軸4を介してトルクコンバータ2からのトルクが入力される駆動プーリ50と、駆動プーリ50から径方向に離間して配置された従動プーリ60と、駆動プーリ50と従動プーリ60との間に巻き掛けられ、駆動プーリ50から従動プーリ60にトルクを伝達する無端状のVベルト(動力伝達部材)7とを有する。従動プーリ60に伝達されたトルクは、出力軸8およびギア機構9を介して駆動輪10に伝達され、これにより、車両が走行する。
駆動プーリ50は、入力軸4に相対回転不能かつ軸方向に移動不能に支持された固定プーリ半体51と、入力軸4に相対回転不能かつ固定プーリ半体51に対し軸方向に相対移動可能に支持された可動プーリ半体52とを有する。固定プーリ半体51と可動プーリ半体52とは、互いに対向する略円錐面形状の円錐面51a,52aを有し、Vベルト7の幅方向両側面は、これら円錐面51a,52aに当接する。固定プーリ半体51の円錐面51aと可動プーリ半体52の円錐面52aとは、その距離が外径側から内径側に向かって漸次減少し、固定プーリ半体51と可動プーリ半体52との間の溝は、略V字状に形成される。
従動プーリ60は、出力軸(回転軸)8と同軸上に設けられた第1プーリ半体61と、第1プーリ半体61と同軸上に対向配置される第2プーリ半体62とを有する。第1プーリ半体61は、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向に移動可能に支持されるとともに、第1トルクカム機構63により、出力軸8に対する相対回転および軸方向への移動が規制される。第1プーリ半体61と第2プーリ半体62とは、互いに対向する略円錐面形状の円錐面61a,62aを有し、Vベルト7の幅方向両側面は、これら円錐面61a,62aに当接する。第1プーリ半体61の円錐面61aと第2プーリ半体62の円錐面62aとは、その距離が外径側から内径側に向かって漸次減少し、第1プーリ半体61と第2プーリ半体62との間の溝は、略V字状に形成される。
駆動プーリ50の可動プーリ半体52の側方には、可動プーリ半体52を軸方向に移動させる不図示のアクチュエータが設けられる。アクチュエータは、例えば、油圧のピストン室により構成され、可動プーリ半体52はピストン室に供給される作動油の油圧に応じて軸方向に移動する。可動プーリ半体52が軸方向に移動することで固定プーリ半体51との相対距離が変化し、円錐面51a,52aに当接するVベルト7の巻き掛け半径が変化する。これにより、Vベルト7が径方向に移動される。
従動プーリ60の第1プーリ半体61の側方には、第1プーリ半体61を第2プーリ半体62に向かって軸方向に付勢する不図示の付勢部材が設けられる。付勢部材は、例えば、コイルばね等のばね部材により構成され、第1プーリ半体61は、ばね部材の付勢力に抗してあるいは付勢力により軸方向に移動する。第1プーリ半体61が軸方向に移動することで第2プーリ半体62との相対距離が変化し、円錐面61a,62aに当接するVベルト7の巻き掛け半径が変化する。これにより、Vベルト7が径方向に移動される。
例えば、駆動プーリ50の固定プーリ半体51と可動プーリ半体52との相対距離が短くなることで、駆動プーリ50側のVベルト7が外径側に移動され、これにより従動プーリ60側のVベルト7が駆動プーリ50側に引っ張られる。従動プーリ60側のVベルト7が駆動プーリ50側に引っ張られると、第1プーリ半体61がばね部材の付勢力に抗して第2プーリ半体62と離れる方向に移動し、第1プーリ半体61と第2プーリ半体62との相対距離が長くなる。これにより、従動プーリ60側のVベルト7が内径側に移動される。このようにして、無段変速機3では、変速比を無段階に変更することができる。
ところで、第1トルクカム機構63は、第1プーリ半体61をスムーズに移動させる等のために、出力軸8に対して第1プーリ半体61を相対回転させながら軸方向に移動させる。そのため、第2プーリ半体62が出力軸8に対して相対回転不能かつ軸方向に移動不能に設けられると、変速時に、第1プーリ半体61と第2プーリ半体62とに差動が生じ、Vベルト7に滑りが発生する。そこで、本発明の実施形態に係る従動プーリ装置では、Vベルト7に滑りが発生しないよう、以下のように構成する。
図2は、本発明の実施形態に係る従動プーリ装置6の要部構成を概略的に示す図である。図2に示すように、従動プーリ装置6は、従動プーリ60と、内筒66および外筒67と、ばね部材(付勢部材)68と、第1トルクカム機構(第1カム機構)63と、第2トルクカム機構(第2カム機構)64と、溝カム機構(第3カム機構)65とを備える。
従動プーリ60は、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される第1プーリ半体61と、第1プーリ半体61と同軸上に対向配置され、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される第2プーリ半体62とを有する。第1プーリ半体61および第2プーリ半体62については、上述と同様の構成であるため説明を省略する。
内筒66は、出力軸8と同軸の略円筒形状を有し、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される。内筒66の軸方向CLの一方側の端部には、第2プーリ半体62が一体に設けられ、内筒66と第2プーリ半体62とは、一体で、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される。
外筒67は、内筒66と同軸の略円筒形状を有し、内筒66に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される。すなわち外筒67は、内筒66を介して、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される。外筒67の軸方向CLの一方側の端部には、第1プーリ半体61が一体に設けられ、外筒67と第1プーリ半体61とは、一体で、内筒66に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される。すなわち、外筒67と第1プーリ半体61とは、一体で、内筒66を介して、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される。
ばね部材68は、外筒67と同軸上の略円筒形状を有し、外筒67の外周側に配置される。ばね部材68は、一方側の端部を第1プーリ半体61に当接させ、他方側の端部を外筒67の他方側の端部に設けられる不図示のストッパに当接させることで、第1プーリ半体61を一方側に付勢するように構成される。
図3は、図2の第1トルクカム機構63および第2トルクカム機構64を上方から視た図である。図3に示すように、出力軸8に対する第1プーリ半体61の軸方向CLの相対移動および相対回転を規制する第1トルクカム機構63と、出力軸8に対する第2プーリ半体62の軸方向CLの相対移動および相対回転を規制する第2トルクカム機構64とは、共通のカムピンにより動作するように設けられる。すなわち、第1トルクカム機構63および第2トルクカム機構64のそれぞれは、共通のカムピンにて動作するようにカム溝が設けられる。第1トルクカム機構63および第2トルクカム機構64を共通のカムピンで動作させるように設けることで、従動プーリ装置6の軸方向CLの長さを短くすることができ、従動プーリ装置6の小型化が可能になる。なお、第1トルクカム機構63および第2トルクカム機構64は、それぞれがカムピンおよびカム溝を有し、それぞれのカムピンにより動作する構成であってもよい。
図4Aは、図3の第1トルクカム機構63を示す図である。図4Aに示すように、第1トルクカム機構63は、第1プーリ半体61と一体の外筒67に設けられ、軸方向CLと傾斜する方向C0に延びる第1カム溝631と、出力軸8と一体で回転するように設けられる第1カムピン632とを備えて構成される。第1カム溝631は、第1カムピン632が係合可能な略直線状に形成され、第1カムピン632は、出力軸8から径方向外側に突設される。すなわち、第1トルクカム機構63は、第1カムピン632が第1カム溝631に沿って軸方向CLに傾斜する方向C0に直線状に移動可能に形成される。このような第1トルクカム機構63を設けることで、第1プーリ半体61に作用するスラスト力の一部が回転力となり、第1プーリ半体61を滑らかに移動させることができる。
図4Bは、図3の第2トルクカム機構64を示す図である。図4Bに示すように、第2トルクカム機構64は、第2プーリ半体62と一体の外筒67に設けられ、第2プーリ半体62に生じるミスアライメントを補正可能な形状に形成される第2カム溝641と、第2カム溝641に係合する第1カムピン632とを備えて構成される。第2カム溝641は、第1カムピン632が係合可能な屈曲形状に形成されており、第1カムピン632は、第1トルクカム機構63のカムピンと共通のカムピンである。第2カム溝641をミスアライメント補正形状となる屈曲形状(例えば、くの字形状)にすることで、第2トルクカム機構64を設けることによるミスアライメントを補正することができる。
より詳細には、第2カム溝641は、軸方向CLと傾斜する第1方向C1に延びる第1溝部641aと、軸方向CLに対し第1方向C1と対称な第2方向C2に延びる第2溝部641bとを有する。第1溝部641aおよび第2溝部641bのそれぞれは、第1カムピン632が係合可能な略直線状に形成され、第1溝部641aと第2溝部641bとは、軸方向CLを中心とした略V字状を構成する。すなわち、第2カム溝641は、中心部が軸方向CLの一方側に位置し、両端部が軸方向の他方側に位置する、軸方向CLを中心とした略V字状に形成される。言い換えると、第2カム溝641は、くの字形状に形成される。
第1溝部641aの軸方向CLの長さ(第2溝部641bの軸方向CLの長さ)は、ミスアライメントの補正量となる。すなわち、第1カム溝631の軸方向CLの長さは、第1プーリ半体61の軸方向CLのストローク量であり、第2プーリ半体62の回転は溝カム機構35により規制されている。そのため、第1プーリ半体61のストローク量の中で第2プーリ半体62を軸方向CLに往復移動させることで、ミスアライメント補正が可能になる。
第1溝部641aの軸方向CLの長さ(第2溝部641bの軸方向CLの長さ)は、約1mmであり、第1カム溝631の軸方向CLの長さ(約10mm)の約1/10の長さになっている。第2カム溝641の周方向の長さ(回転方向の長さ)は、第1カム溝631の周方向の長さ(回転方向の長さ)と略同じ長さに形成される。第2カム溝641の周方向の長さと第1カム溝631の周方向の長さとを同じにすることで、第1プーリ半体61および第2プーリ半体62の回転量が同じになり、Vベルト7の滑りを抑制可能になる。
図5は、図2の溝カム機構65を上方から視た図である。図5に示すように、溝カム機構65は、第1プーリ半体61および第2プーリ半体62の軸方向CLへの相対移動を許容し、かつ相対回転を禁止するするように形成される。より詳細には、溝カム機構65は、第1プーリ半体61と一体の外筒67に設けられ、軸方向CLに延びる第3カム溝651と、第3カム溝651に係合する第3カムピン652とを有する。第3カム溝651は、略直線状に形成され、第3カム溝651の軸方向CLの長さは、第1カム溝631の軸方向CLの長さ以上に形成される。第3カムピン652は、第2プーリ半体62と一体の内筒66から径方向外側に突設される。なお、溝カム機構65は、第3カム溝を第2プーリ半体62と一体の内筒66に設け、第3カムピンを第1プーリ半体61と一体の外筒67から第3カム溝に向けて突設させてもよい。
上述のように構成された無段変速機3では、低速走行状態においては、Vベルト7が駆動プーリ50の径方向の内側に位置するとともに、従動プーリ60の径方向の外側に位置する。この状態においては、第1トルクカム機構63の第1カムピン632は、第1カム溝631における低速側の端部(図4Aに示す第1カム溝631の右上端部)に位置し、第2トルクカム機構64の第1カムピン632は、第2カム溝641における低速側の端部(図4Bに示す第2カム溝641の右上端部)に位置する。
無段変速機3が低速走行状態から高速走行状態への移行を開始すると、不図示のアクチュエータにより、駆動プーリ50の可動プーリ半体52が軸方向CLの一方側に移動される。これにより、可動プーリ半体52と固定プーリ半体51との相対距離が短くなり、駆動プーリ50側のVベルト7が径方向の内側から径方向の外側へと移動する。駆動プーリ50側のVベルト7が径方向の外側に向けて移動すると、従動プーリ60側のVベルト7が駆動プーリ50側に引っ張られる。
従動プーリ60側のVベルト7が駆動プーリ50側に引っ張られると、従動プーリ60の第1プーリ半体61がばね部材68の付勢力に抗して、軸方向CLの他方側に移動を開始する。このとき第1プーリ半体61は、第1トルクカム機構63により、出力軸8に対して相対回転しながら軸方向CLの他方側に相対移動する。第1プーリ半体61が出力軸8に対して相対回転すると、溝カム機構65により、第2プーリ半体62が第1プーリ半体61に連れ回される。溝カム機構65により第2プーリ半体62に回転方向の力が作用すると、第2プーリ半体62は、第2トルクカム機構64により出力軸8に対して相対回転しながら、第2カム溝641に沿って軸方向CLの一方側に相対移動した後、軸方向CLの他方側に相対移動する。
第1トルクカム機構63の第1カムピン632が第1カム溝631における高速側の端部(図4Aに示す第1カム溝631の左下端部)まで移動すると、第1プーリ半体61および第2プーリ半体62の出力軸8に対する相対回転は停止する。すなわち、第1プーリ半体61および第2プーリ半体62(従動プーリ60)は、出力軸8とともに回転する。このとき第2トルクカム機構の第1カムピン632は、第2カム溝641における高速側の端部(図4Bに示す第2カム溝641の右下端部)に位置する。無段変速機3が高速走行状態から低速走行状態へ移行する場合には、上述と逆の動作が実行される。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される第1プーリ半体61と、第1プーリ半体61と同軸上に対向配置され、出力軸8に相対回転可能かつ軸方向CLに移動可能に支持される第2プーリ半体62とを有し、駆動プーリ50から出力されたトルクが無端状のVベルト7を介して伝達される従動プーリ60(図1)と、第1プーリ半体61を第2プーリ半体62に向けて付勢するばね部材68と、出力軸8に対する第1プーリ半体61の軸方向CLの相対移動および相対回転を規制する第1トルクカム機構63と、出力軸8に対する第2プーリ半体62の相対移動および相対回転を規制する第2トルクカム機構64と、第1プーリ半体61および第2プーリ半体62の軸方向CLへの相対移動を許容し、かつ相対回転を禁止する溝カム機構65と、を備える(図2)。
この構成により、第1プーリ半体61を第1トルクカム機構63により出力軸8に対して相対回転させながら相対移動させる場合においても、第2トルクカム機構64および溝カム機構65により、第2プーリ半体62が第1プーリ半体61に連れ回されるので、第1プーリ半体61と第2プーリ半体62とに差動が生じることを抑制することができる。そのため、Vベルト7に滑りが発生することを低減させることができる。これにより、Vベルト7の摩耗を抑制することができるとともに、Vベルト7から従動プーリ装置6へのトルクの伝達効率が低下することを抑制することができる。
(2)第1トルクカム機構63は、第1プーリ半体61に設けられ、軸方向CLと傾斜する方向C0に延びる第1カム溝631と、出力軸8と一体に回転するように設けられ、第1カム溝631に係合する第1カムピン632とを有し(図4A)、第2トルクカム機構64は、第2プーリ半体62に設けられ、軸方向CLと傾斜する第1方向C1および軸方向CLに対し第1方向C1と対称な第2方向C2に延びる第2カム溝641と、出力軸8と一体に回転するように設けられ、第2カム溝641に係合する第2カムピン(第1カムピン632)とを有し(図4B)、溝カム機構65は、第1プーリ半体61に設けられ、軸方向CLに延びる第3カム溝651と、第3カム溝651に係合する第3カムピン652とを有する(図5)。これにより、第2トルクカム機構64が第2プーリ半体62に生じるミスアライメントを補正可能な形状に形成されるので、アライメントずれを抑制可能となり、Vベルト7から従動プーリ装置6へのトルクの伝達効率およびVベルト7の耐久性を向上させることができる。例えば、第2トルクカム機構64により、第2プーリ半体62が軸方向CLに往復移動しながら相対回転するので、ミスアライメントが補正可能となる。
(3)第1トルクカム機構63のカムピンおよび第2トルクカム機構64のカムピンは、互いに共通の第1カムピン632により構成される(図2、図3)。これにより、従動プーリ装置6の軸方向CLの長さを短くすることができ、従動プーリ装置6の小型化が可能になる。
(4)第1トルクカム機構63および第2トルクカム機構64の第1カムピン632は、出力軸8から径方向外側に突設される(図2)。これにより、例えば、第1トルクカム機構63のカムピン、第2トルクカム機構64のカムピンまたは第1および第2トルクカム機構63,64に共通の第1カムピン632を出力軸8に支持させることができる。
図6は、本発明の実施形態に係る従動プーリ装置の変形例が適用される車両の駆動系の概略構成の一例を示すスケルトン図である。本実施形態の変形例に係る従動プーリ装置は、例えば、二輪車両の駆動系にも適用することができる。図6に示すように、エンジン(ENG)1Aのトルクは、入力軸4を介して無段変速機3Aに入力される。無段変速機3Aの駆動プーリ50に入力されたトルクは、無端状のVベルト7を介して従動プーリ60に伝達される。従動プーリ60に伝達されたトルクは、クラッチ69を介して出力軸8およびギア機構9に伝達され、これにより、車両が走行する。すなわち、変形例に係る車両の駆動系の一例では、トルクコンバータ2(図1参照)に代えてクラッチ69を用いてトルク伝達のオンオフを行う。
本実施形態の変形例に係る従動プーリ装置6Aは、従動プーリ60に伝達されたトルクがクラッチ69を介して出力軸8に伝達される点において、従動プーリ装置6と相違する。以下においては、従動プーリ装置6と相違する点を中心に説明し、従動プーリ装置6と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
図7は、本実施形態の変形例に係る従動プーリ装置6Aの要部構成を示す図である。図7に示すように、従動プーリ装置6Aは、従動プーリ60と、内筒66および外筒67と、ばね部材68と、第1トルクカム機構(第1カム機構)63Aと、第2トルクカム機構(第2カム機構)64Aと、溝カム機構(第3カム機構)65と、クラッチ69と、を備える。
第1トルクカム機構63Aは、第1カム溝631と、第1カム溝631に係合する第1カムピン632Aとを備えて構成される。第2トルクカム機構64Aは、第2カム溝641と、第1トルクカム機構63Aのカムピンと共通の、第2カム溝641に係合する第1カムピン632Aとを備えて構成される。第1カムピン632Aは、出力軸8に突設されておらず、第1カム溝631および第2カム溝641に摺動自在に支持される。すなわち、第1プーリ半体61(外筒67)および第2プーリ半体62(内筒66)は、クラッチ69により出力軸8と結合された場合に、一体で回転するように構成される。
クラッチ69は、遠心クラッチにより構成される。クラッチ69は、内筒66に固定されるクラッチプレート661と、出力軸8に固定され、クラッチプレート661と対向配置されるアウタープレート662とを有する。クラッチ69では、クラッチプレート661が回転すると、遠心力の働きでクラッチプレート661がアウタープレート662に結合される。これにより、第1プーリ半体61および第2プーリ半体62から、クラッチ69を介して出力軸8にトルクが伝達される。
本実施形態の変形例に係る従動プーリ装置6Aによれば、例えば、二輪車両の駆動系にも好適に適用することができる。特に、第1トルクカム機構63Aのカムピンおよび第2トルクカム機構64Aのカムピンを共通の第1カムピン632Aにより構成することで、従動プーリ装置6Aの小型化が可能となるので、レイアウト上の制約の大きな二輪車両にも好適に用いることができる。
上記実施形態では、溝カム機構65は、第1プーリ半体61と一体の外筒67に設けられる第3カム溝651と、第3カム溝651に係合する第3カムピン652とを有して構成したが、第2プーリ半体62と一体の内筒66に設けられる第3カム溝と、この第3カム溝に係合する第3カムピンとにより構成してもよい。この場合は、第3カムピンは、外筒67から内筒66に向かって突設するように、外筒67に設けてもよい。
上記実施形態では、ばね部材68を用いて第1プーリ半体61を一方側(第2プーリ半体62側)に付勢したが、ゴム等の弾性部材を用いて付勢してもよく、油圧で付勢する構成であってもよい。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
1 エンジン、3 無段変速機、4 入力軸、6 従動プーリ装置、7 Vベルト(動力伝達部材)、8 出力軸、50 駆動プーリ、60 従動プーリ、61 第1プーリ半体、62 第2プーリ半体、63 第1トルクカム機構(第1カム機構)、64 第2トルクカム機構(第2カム機構)、65 溝カム機構(第3カム機構)、68 ばね部材(付勢部材)、631 第1カム溝、632 第1カムピン、641 第2カム溝、651 第3カム溝、652 第3カムピン

Claims (3)

  1. 回転軸に相対回転可能かつ軸方向に移動可能に支持される第1プーリ半体と、前記第1プーリ半体と同軸上に対向配置され、前記回転軸に相対回転可能かつ軸方向に移動可能に支持される第2プーリ半体とを有し、駆動プーリから出力されたトルクが無端状の動力伝達部材を介して伝達される従動プーリと、
    前記第1プーリ半体を前記第2プーリ半体に向けて付勢する付勢部材と、
    前記回転軸に対する前記第1プーリ半体の軸方向の相対移動および相対回転を規制する第1カム機構と、
    前記回転軸に対する前記第2プーリ半体の前記相対移動および前記相対回転を規制する第2カム機構と、
    前記第1プーリ半体および前記第2プーリ半体の軸方向への前記相対移動を許容し、かつ前記相対回転を禁止する第3カム機構と、を備え
    前記第1カム機構は、前記第1プーリ半体に設けられ、軸方向と傾斜する方向に延びる第1カム溝と、前記回転軸と一体に回転するように設けられ、前記第1カム溝に係合する第1カムピンとを有し、
    前記第2カム機構は、前記第2プーリ半体に設けられ、軸方向と傾斜する第1方向および軸方向に対し前記第1方向と対称な第2方向に延びる第2カム溝と、前記回転軸と一体に回転するように設けられ、前記第2カム溝に係合する第2カムピンとを有し、
    前記第3カム機構は、前記第1プーリ半体および前記第2プーリ半体の一方に設けられ、軸方向に延びる第3カム溝と、前記第3カム溝に係合する第3カムピンとを有することを特徴とする従動プーリ装置。
  2. 請求項1に記載の従動プーリ装置において、
    前記第1カムピンおよび前記第2カムピンは、互いに共通のカムピンにより構成されることを特徴とする従動プーリ装置。
  3. 請求項1または2に記載の従動プーリ装置において、
    前記第1カムピンおよび前記第2カムピンは、それぞれ前記回転軸から径方向外側に突設されることを特徴とする従動プーリ装置。
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