JP7335213B2 - 車両のルーフ構造 - Google Patents
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Description
このため、前縁フランジと側縁フランジとの間の凹部と開口枠パネルとの間に隙間が形成される。この隙間は発泡材などで塞がれる。発泡材などの充填量を減らすために、開口枠パネル側に、前縁フランジ側に隆起する隆起部が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
(1)本発明に係る車両のルーフ構造は、ルーフサイドアウタパネル(例えば、実施形態の左右側のルーフサイドアウタパネル16,18)と、前記ルーフサイドアウタパネルの車幅方向内側に設けられたルーフパネル(例えば、実施形態のルーフパネル15)と、前記ルーフパネルおよび前記ルーフサイドアウタパネルの車体前後方向の端部に設けられた開口枠パネル(例えば、ルーフサイドアウタパネルの車体前後方向の後端部の場合、開口枠パネルは、実施形態の左右側のリヤガータパネル17,19)と、が結合された車両のルーフ構造(例えば、実施形態のルーフ構造10)において、前記ルーフサイドアウタパネルは、前記ルーフパネルが突き当てられた状態において車体前後方向に結合されるルーフ結合面部(例えば、実施形態のルーフ結合面部22)と、前記ルーフ結合面部の下端(例えば、実施形態のルーフ結合面部の下辺22a)に形成され、前記開口枠パネルが上下方向に結合される上下方向結合面部(例えば、実施形態の上下方向結合面部23)と、前記上下方向結合面部および前記ルーフ結合面部において車体前後方向の端部に形成され、前記開口枠パネルに対して車体前後方向に結合される前後方向結合面部(例えば、実施形態の前後方向結合面部24)と、を連続して形成する。
さらに、上下方向結合面部およびルーフ結合面部には、車体前後方向の端部に前後方向結合面部を形成した。前後方向結合面部には、開口枠パネルを車体前後方向に結合した。
すなわち、ルーフサイドアウタパネルにルーフ結合面部、上下方向結合面部、および前後方向結合面部の3面合わせ部を一体に連続して形成してルーフパネル、開口枠パネルを結合できる。
加えて、プレス成形金型を単純化できるとともに、設計自由度を高くできる。
そこで、上下方向結合面部において、結合尖部をルーフ結合面から外周縁までの距離を交差端角部に向けて徐々に小さくなるように形成した。これにより、交差端角部(すなわち、ルーフ結合面、上下方向結合面部、および前後方向結合面部)をプレス成形で容易に形成できる。
これにより、ルーフサイドアウタパネル、ルーフパネル、および開口枠パネルなどで構成される車両のルーフ構造の強度、剛性を高めることができる。
図1、図2に示すように、車両Veは、例えば、車両のルーフおよびルーフの周囲を構成するルーフ構造10を備えている。ルーフ構造10の車体後部により、例えば、車体11の後部にテールゲート開口部12の上部が構成されている。
テールゲート開口部12の上端部12aには、例えば、テールゲート(図示せず)の上端部がヒンジを介して開閉自在に支持される。テールゲート開口部12は、ヒンジを軸にしてテールゲートを上下方向に移動することにより開閉される。
ルーフ構造10は、例えば、ルーフパネル15と、左側のルーフサイドアウタパネル(ルーフサイドアウタパネル)16と、左側のリヤガータパネル(開口枠パネル)17と、右側のルーフサイドアウタパネル(ルーフサイドアウタパネル)18と、右側のリヤガータパネル(開口枠パネル)19とを備えている。
ルーフ構造10は、概ね左右対称に構成されている。よって、左側のルーフサイドアウタパネル16を「ルーフサイドアウタパネル16」、左側のリヤガータパネル17を「リヤガータパネル17」と略記して説明する。また、右側のルーフサイドアウタパネル18、右側のリヤガータパネル19の詳しい説明を省略する。
図3、図4に示すように、ルーフサイドアウタパネル16は、サイドアウタパネル本体21と、ルーフ結合面部22と、上下方向結合面部23と、前後方向結合面部24と、後端角部(交差端角部)25と、を有する。ルーフサイドアウタパネル16は、例えば、鋼板をプレス成形することにより、ルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、前後方向結合面部24、および後端角部25が一体に曲げ形成されている。
ルーフ結合面部22は、サイドアウタパネル本体21の上縁21aに沿って車体前後方向に延びている。ルーフ結合面部22は、サイドアウタパネル本体21の上縁21aから車幅方向内側に向うに従って下方に向けて下り勾配に形成されている。
ルーフ結合面部22には、ルーフパネル15の突当結合部37(後述する)が突き当てられた状態において、例えばろう付けにより車体前後方向に向けて連続して結合されている。
ルーフ結合面部22の下辺(下端)22aに連続して上下方向結合面部23が形成されている。
結合尖部27の尖部距離W1を後端角部25に向けて徐々に小さくなるように形成する理由については後で詳しく説明する。
結合尖部27の下面27bには、リヤガータパネル17の水平壁53(後述する)が、例えばスポット溶接により上下方向に結合されている。
前後方向結合面部24は、リヤガータパネル17のうち縦壁52の上端部52a(後述する)に対して、例えばスポット溶接により車体前後方向に結合されている。前後方向結合面部24は、張出フランジ31と、結合座部(結合座面)32と、を有する。
これにより、ルーフサイドアウタパネル16においてルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24のプレス成形の向上を図ることができる。加えて、張出フランジ31を最小幅W2に形成することにより、ルーフサイドアウタパネル16の軽量化を図ることができる。
後端角部25は、3つの結合面部22,23,24の交差により三角状の角部が形成されることにより剛性が高く確保されている。よって、後端角部25によりルーフサイドアウタパネル16の剛性が高められている。
そこで、上下方向結合面部23の結合尖部27を後端角部25に隣接させた。結合尖部27は、ルーフ結合面部22の下辺22aから傾斜縁27cまでの尖部距離W1が後端角部25に向けて徐々に小さくなるように形成されている。よって、ルーフサイドアウタパネル16をプレス成形する際に鋼板の展延性を確保できる。これにより、後端角部25(すなわち、ルーフ結合面 、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24)をプレス成形で容易に形成できる。
図3、図4に示すように、ルーフサイドアウタパネル16の車幅方向内側にルーフパネル15が設けられている。
ルーフパネル15は、ルーフパネル本体35と、ルーフパネルフランジ36と、突当結合部37と、ガータ結合面部38と、を有する。ルーフパネル15は、例えば、鋼板をプレス成形することにより、ルーフパネルフランジ36、突当結合部37、およびガータ結合面部38が一体に曲げ形成されている。
ルーフパネルフランジ36は、ルーフパネル本体35の左側辺から車幅方向内側に向うに従って下方に向けて下り勾配にルーフ結合面部22に沿って形成されている。すなわち、ルーフパネルフランジ36は、ルーフパネル本体35の左側辺に沿って車体前後方向に延びている。
ガータ結合面部38は、ルーフパネル本体35の後端35aから、リヤガータパネル17の縦壁52(後述する)に沿って下方に向けて形成されている。ガータ結合面部38は、リヤガータパネル17の縦壁52に対して車体後方側から重ねられている。ガータ結合面部38は、リヤガータパネル17の縦壁52に対して車体前後方向において、例えばスポット溶接などにより結合部41が結合(点結合)されている。
さらに、ガータ結合面部38は、リヤガータパネル17のガータパネル本体51に、例えばスポット溶接などにより結合部42が結合(点結合)されている。
これにより、ルーフサイドアウタパネル16、ルーフパネル15、およびリヤガータパネル17などで構成されるルーフ構造10の強度、剛性を高めることができる。
このため、ルーフパネルフランジ36、突当結合部37、およびガータ結合面部38が連続して互いに交差することにより、例えばルーフパネル15の左側後端にルーフパネル角部45が形成されている。
ここで、ルーフパネル角部45をプレス成形する際に、プレス成形する鋼板の展延性を考慮して、ガータ結合面部38には凹部46が形成されている。凹部46については、後で詳しく説明する。
図2、図7に示すように、ルーフサイドアウタパネル16およびルーフパネル15の車体前後方向の後端(端部)にリヤガータパネル17が結合されている。
すなわち、リヤガータパネル17は、例えば、ルーフサイドアウタパネル16の前後方向結合面部24(具体的には、張出フランジ31、結合座部32)に結合されている。また、リヤガータパネル17は、例えば、ルーフサイドアウタパネル16の結合尖部27に結合されている。
さらに、リヤガータパネル17は、例えば、ルーフパネル15のガータ結合面部38に結合されている。
縦壁52は、ガータパネル本体51の前辺51aから立ち上げられることにより、上下方向を向いて配置されている。縦壁52の上端部52aには、前後方向結合面部24の張出フランジ31および結合座部32が車体後方から重ね合わせられている。縦壁52の上端部52aには結合座部32が、例えばスポット溶接により結合部61で車体前後方向において結合(点結合)されている。
また、縦壁52のうち車幅方向内側の内端に水平壁53が形成されている。
ここで、縦壁52は上下方向を向いて配置され、水平壁53は水平に配置されている。よって、縦壁52および水平壁53は互いに交差するように配置されている。これにより、縦壁52の上端部52aに結合座部32が結合され、水平壁53に結合尖部27が結合されることにより、リヤガータパネル17とルーフサイドアウタパネル16との結合強度を高めることができる。
第1段差部54は、前後方向結合面部24の張出フランジ31の外周縁31a、および結合座部32の外周縁32aに沿って段差形状に形成(賦形)されている。具体的には、第1段差部54は、例えば、縦壁52のうち上端部52aの下方近傍において、車体後方に向けて隆起されたビードなどにより形成されている。第1段差部54は、張出フランジ31の外周縁31a、および結合座部32の外周縁32aに対向するように形成されている。
これにより、例えば、張出フランジ31の外周縁31a、および結合座部32の外周縁32aと第1段差部54とを容易に位置決めできる。
第2段差部55は、結合尖部27の傾斜縁(ルーフサイドアウタパネルの外周縁)27cの車幅方向内側において、結合尖部27の傾斜縁27cに沿って段差形状に形成(賦形)されている。具体的には、第2段差部55は、例えば、水平壁53のうち傾斜縁27cの車幅方向内側の傾斜辺53aから上方に向けて立ち上げられたビードなどにより形成されている。第2段差部55は、結合尖部27の傾斜縁27cに対向するように形成されている。
これにより、例えば、結合尖部27の傾斜縁27cと第2段差部55とを容易に位置決めできる。
なお、実施形態では、第1段差部54および第2段差部55としてビードを例に説明するが、第1段差部54および第2段差部55はビードに限らない。
よって、第1段差部54および第2段差部55を目安(基準)にしてリヤガータパネル17およびルーフサイドアウタパネル16を組み付けることができる。これにより、リヤガータパネル17およびルーフサイドアウタパネル16の組付け作業を容易にできる。
座面部56は、例えば、第2段差部55から車幅方向内側に向けて概ね水平に突出されている。よって、座面部56は、結合尖部27の傾斜縁27cから車幅方向内側に離れるように配置され、傾斜縁27cの外側に位置する。さらに、座面部56は、ルーフパネル本体35に対して下方に間隔をおいて配置されている(図7参照)。
位置決め穴65は、例えば、ルーフサイドアウタパネル16に対してリヤガータパネル17を位置決めするために利用する穴である。
これにより、座面部56の位置決め穴65を利用することにより、例えば、結合尖部27と水平壁53との結合位置に正確に位置決めできる。
ルーフ結合面部22には、ルーフパネル15の突当結合部37が突き当てられた状態で車体前後方向に結合されている。このルーフ結合面部22の下辺22aに連続させて上下方向結合面部23が形成されている。上下方向結合面部23の結合尖部27には、リヤガータパネル17の水平壁53が上下方向に結合されている。
加えて、リヤガータパネル17の縦壁52には、ルーフパネル15のガータ結合面部38が結合されている。
すなわち、ルーフサイドアウタパネル16にルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24を一体に形成することにより、それぞれの結合面部22,23,24にルーフパネル15、リヤガータパネル17を合わせて結合できる。
このため、ルーフパネル15、ルーフサイドアウタパネル16、およびリヤガータパネル17の3部品(パネル)15,16,17が合わせて結合された状態において、凹部46により隙間71が形成される。この隙間71が大きい場合、隙間71で止水することが難しく、止水対策として別部材のブラケットを用いることが考えられる。
これにより、ルーフパネル15、ルーフサイドアウタパネル16、およびリヤガータパネル17の3部品(パネル)15,16,17を合わせて結合した状態において、隙間71の上下方向の距離H(図6も参照)を小さく抑えることができる。隙間71の上下方向の距離Hは、ルーフパネル15から結合尖部27までの上下方向の距離である。
このように、隙間71の上下方向の距離Hを小さく抑えることにより、ルーフパネル15と結合尖部27との間に形成される隙間71を十分に縮小でき、隙間71により止水を確保できる。
加えて、プレス成形金型を単純化できるとともに、設計自由度を高くできる。
これにより、例えば、リヤガータパネル17から伝えられる上下振動による荷重Fを後端角部25で支持し、さらに後端角部25からルーフサイドアウタパネル16の全域に分散できる。また、3つの結合面部22,23,24の3面合わせ部も同様の作用効果を奏する。
例えば、前記実施形態では、車体前後方向の端部として後端にルーフ構造10を構成した例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、車体前後方向の前端などにルーフ構造を構成してもよい。
10 ルーフ構造(車両のルーフ構造)
11 車体
15 ルーフパネル
16,18 左右側のルーフサイドアウタパネル(ルーフサイドアウタパネル)
17,19 左右側のリヤガータパネル(開口枠パネル)
22 ルーフ結合面部
22a ルーフ結合面部の下辺(ルーフ結合面部の下端)
23 上下方向結合面部
24 前後方向結合面部
25 後端角部(交差端角部)
27 結合尖部
27c 傾斜縁(外周縁)
31 張出フランジ
31a 外周縁
32 結合座部
37 突当結合部
38 ガータ結合面部
52 縦壁
53 水平壁
54,55 第1、第2の段差部(段差部)
56 座面部
W1 尖部距離(ルーフ結合面から外周縁までの距離)
W2 最小幅
Claims (8)
- ルーフサイドアウタパネルと、前記ルーフサイドアウタパネルの車幅方向内側に設けられたルーフパネルと、前記ルーフパネルおよび前記ルーフサイドアウタパネルの車体前後方向の端部に設けられた開口枠パネルと、が結合された車両のルーフ構造において、
前記ルーフサイドアウタパネルは、
前記ルーフパネルが突き当てられた状態において車体前後方向に結合されるルーフ結合面部と、
前記ルーフ結合面部の下端に形成され、前記開口枠パネルが上下方向に結合される上下方向結合面部と、
前記上下方向結合面部および前記ルーフ結合面部において車体前後方向の端部に形成され、前記開口枠パネルに対して車体前後方向に結合される前後方向結合面部と、を連続して形成する、
ことを特徴とする車両のルーフ構造。 - 前記ルーフサイドアウタパネルは、
前記ルーフ結合面部、前記上下方向結合面部、および前記前後方向結合面部が互いに交差することにより形成された交差端角部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフ構造。 - 前記上下方向結合面部は、
前記ルーフ結合面部から外周縁までの距離が前記交差端角部に向けて徐々に小さくなるように形成されている結合尖部を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両のルーフ構造。 - 前記前後方向結合面部は、
前記ルーフサイドアウタパネルのうち車体前後方向の端部から前記開口枠パネルに沿って接触するように張り出された張出フランジと、
前記張出フランジから前記ルーフサイドアウタパネルの端部の反対側に張り出され、前記開口枠パネルに結合される結合座部と、を有し、
前記張出フランジは、
前記ルーフサイドアウタパネルの前記ルーフ結合面部、前記上下方向結合面部、および前記前後方向結合面部をプレス成形可能な範囲において最小幅に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。 - 前記開口枠パネルは、
前記前後方向結合面部が結合される縦壁と、
前記縦壁から前記上下方向結合面部に沿って延び、前記上下方向結合面部に結合される水平壁と、を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。 - 前記開口枠パネルは、
前記ルーフサイドアウタパネルの外周縁に沿って段差形状に形成された段差部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。 - 前記開口枠パネルは、
前記上下方向結合面部から離れて配置され、前記ルーフサイドアウタパネルに対して位置決めする座面部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。 - 前記開口枠パネルは、
前記ルーフ結合面部に突き当てられた状態において車体前後方向に結合される突当結合部と、
前記開口枠パネルに対して車体前後方向に結合されるガータ結合面部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。
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