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JP7335213B2 - 車両のルーフ構造 - Google Patents

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JP7335213B2 JP2020152334A JP2020152334A JP7335213B2 JP 7335213 B2 JP7335213 B2 JP 7335213B2 JP 2020152334 A JP2020152334 A JP 2020152334A JP 2020152334 A JP2020152334 A JP 2020152334A JP 7335213 B2 JP7335213 B2 JP 7335213B2
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Description

本発明は、車両のルーフ構造に関する。
車両のルーフ構造として、ルーフパネルの左右の側辺が下方かつ車幅方向の内側に折り曲げる傾斜面をサイドパネル(以下、ルーフサイドアウタパネルという)の同様の傾斜面に突き当てられた状態で車体外側からレーザーを照射し、母材を溶かして連続接合される構成が知られている。また、ルーフパネルの前辺、後辺も下方に折り曲げる結合面を形成する。
ここで、ルーフパネルは、例えば、前辺の結合面を形成する前縁フランジが前記傾斜面と一体にプレス成形されている。この下方かつ車幅方向の内側に折り曲げる傾斜面を例えば前縁フランジとともにプレス成形するために、前縁フランジの車幅方向の端部側に切欠(以下、凹部という)が必要となる。この凹部は、前縁フランジと前記傾斜面を有する側縁フランジとの間に配置される。
このため、前縁フランジと側縁フランジとの間の凹部と開口枠パネルとの間に隙間が形成される。この隙間は発泡材などで塞がれる。発泡材などの充填量を減らすために、開口枠パネル側に、前縁フランジ側に隆起する隆起部が形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6393304号公報
しかし、特許文献1の車両のルーフ構造は、開口枠パネル側に、前縁フランジ側に隆起する隆起部が形成される金型構造は複雑になるとともに、設計自由度が減少する。
本発明は、プレス成形金型を単純化できるとともに、設計自由度が高く、ルーフパネルとルーフサイドアウタパネルとの間に形成される隙間を十分に縮小できる車両のルーフ構造を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る車両のルーフ構造は、ルーフサイドアウタパネル(例えば、実施形態の左右側のルーフサイドアウタパネル16,18)と、前記ルーフサイドアウタパネルの車幅方向内側に設けられたルーフパネル(例えば、実施形態のルーフパネル15)と、前記ルーフパネルおよび前記ルーフサイドアウタパネルの車体前後方向の端部に設けられた開口枠パネル(例えば、ルーフサイドアウタパネルの車体前後方向の後端部の場合、開口枠パネルは、実施形態の左右側のリヤガータパネル17,19)と、が結合された車両のルーフ構造(例えば、実施形態のルーフ構造10)において、前記ルーフサイドアウタパネルは、前記ルーフパネルが突き当てられた状態において車体前後方向に結合されるルーフ結合面部(例えば、実施形態のルーフ結合面部22)と、前記ルーフ結合面部の下端(例えば、実施形態のルーフ結合面部の下辺22a)に形成され、前記開口枠パネルが上下方向に結合される上下方向結合面部(例えば、実施形態の上下方向結合面部23)と、前記上下方向結合面部および前記ルーフ結合面部において車体前後方向の端部に形成され、前記開口枠パネルに対して車体前後方向に結合される前後方向結合面部(例えば、実施形態の前後方向結合面部24)と、を連続して形成する。
この構成によれば、ルーフサイドアウタパネルにルーフ結合面部、上下方向結合面部、および前後方向結合面部を一体に連続して形成する。ルーフ結合面部には、ルーフパネルを突き当てた状態で車体前後方向に結合した。このルーフ結合面部の下端に上下方向結合面部を形成した。上下方向結合面部には、開口枠パネルを上下方向に結合した。
さらに、上下方向結合面部およびルーフ結合面部には、車体前後方向の端部に前後方向結合面部を形成した。前後方向結合面部には、開口枠パネルを車体前後方向に結合した。
すなわち、ルーフサイドアウタパネルにルーフ結合面部、上下方向結合面部、および前後方向結合面部の3面合わせ部を一体に連続して形成してルーフパネル、開口枠パネルを結合できる。
このように、ルーフサイドアウタパネルにルーフ結合面部、上下方向結合面部、および前後方向結合面部の3面合わせ部の強度剛性が向上するため、ルーフ結合面部に突き当てたルーフパネルから上下方向結合面部までの上下方向の距離を小さく抑えることができる。即ち、上下方向結合面部は上方に移動することで開口枠パネル、ルーフパネルとルーフサイドアウタパネルとの間に形成される隙間を十分に縮小できる。
さらに、このルーフ構造によれば、ルーフサイドアウタパネルにルーフ結合面部、上下方向結合面部、および前後方向結合面部を小さく設定できるため容易にプレス成形できる。
加えて、プレス成形金型を単純化できるとともに、設計自由度を高くできる。
(2)前記ルーフサイドアウタパネルは、前記ルーフ結合面、前記上下方向結合面部、および前記前後方向結合面部が互いに交差することにより形成された交差端角部(例えば、実施形態の後端角部25)を有していてもよい。
この構成によれば、ルーフ結合面、上下方向結合面部、および前後方向結合面部を互いに交差させることにより交差端角部を形成した。交差端角部は、3つの結合面部の交差により剛性が高く形成されている。よって、交差端角部によりルーフサイドアウタパネルの剛性を高めることができる。これにより、例えば、開口枠パネルから伝えられる上下振動による荷重を交差端角部で支持し、さらに交差端角部からルーフサイドアウタパネルの全域に分散できる。前記3面合わせ部も同様の作用効果を奏する。
(3)前記上下方向結合面部は、前記ルーフ結合面から外周縁(例えば、実施形態の傾斜縁27c)までの距離(例えば、実施形態の尖部距離W1)が前記交差端角部に向けて徐々に小さくなるように形成されている結合尖部(例えば、実施形態の結合尖部27)を有していてもよい。
ここで、交差端角部は、ルーフ結合面、上下方向結合面部、および前後方向結合面部を連続して互いに交差する部位であり、プレス成形が困難な部位である。
そこで、上下方向結合面部において、結合尖部をルーフ結合面から外周縁までの距離を交差端角部に向けて徐々に小さくなるように形成した。これにより、交差端角部(すなわち、ルーフ結合面、上下方向結合面部、および前後方向結合面部)をプレス成形で容易に形成できる。
(4)前記前後方向結合面部は、前記ルーフサイドアウタパネルのうち車体前後方向の端部から前記開口枠パネルに沿って接触するように張り出された張出フランジ(例えば、実施形態の張出フランジ31)と、前記張出フランジから前記ルーフサイドアウタパネルの端部の反対側に張り出され、前記開口枠パネルに結合される結合座部(例えば、実施形態の結合座部32)と、を有し、前記張出フランジは、前記ルーフサイドアウタパネルの前記ルーフ結合面部、前記上下方向結合面部、および前記前後方向結合面部をプレス成形可能な範囲において最小幅(例えば、実施形態の最小幅W2)に形成されていてもよい。
この構成によれば、ルーフ結合面部、上下方向結合面部、および前後方向結合面部をプレス成形可能な範囲において、前後方向結合面部の張出フランジを最小幅に形成した。これにより、ルーフ結合面部、上下方向結合面部、および前後方向結合面部のプレス成形の向上を図ることができる。加えて、張出フランジを最小幅に形成することにより軽量化を図ることができる。
(5)前記開口枠パネルは、前記前後方向結合面部が結合される縦壁(例えば、実施形態の縦壁52)と、前記縦壁から前記上下方向結合面部に沿って延び、前記上下方向結合面部に結合される水平壁(例えば、実施形態の水平壁53)と、を有していてもよい。
この構成によれば、開口枠パネルの縦壁を前後方向結合面に結合し、水平壁を上下方向結合面部に結合した。ここで、縦壁は上下方向を向いて配置され、水平壁は水平に配置されている。よって、縦壁および水平壁は互いに交差するように配置されている。これにより、開口枠パネルとルーフサイドアウタパネルとの結合強度を高めることができる。
(6)前記開口枠パネルは、前記ルーフサイドアウタパネルの外周縁(例えば、実施形態の外周縁31a、傾斜縁27c)に沿って段差形状に形成された段差部(例えば、実施形態の第1、第2の段差部54,55)を有していてもよい。
この構成によれば、開口枠パネルの段差部(ビードなど)をルーフサイドアウタパネルの外周縁に沿って段差形状に形成(賦形)した。これにより、段差形状の段差部に沿って開口枠パネルおよびルーフサイドアウタパネルを組み付けることができ、開口枠パネルおよびルーフサイドアウタパネルの組付け作業を容易にできる。
(7)前記開口枠パネルは、前記上下方向結合面部から離れて配置され、前記ルーフサイドアウタパネルに対して位置決めする座面部(例えば、実施形態の座面部56)を有していてもよい。
この構成によれば、ルーフサイドアウタパネルに対して位置決めする座面部を開口枠パネルに形成し、座面部を上下方向結合面部から離して配置した。これにより、座面部を利用することにより、開口枠パネルと上下方向結合面部との結合位置に正確に位置決めできる。
(8)前記ルーフパネルは、前記ルーフ結合面部に突き当てられた状態において車体前後方向に結合される突当結合部(例えば、実施形態の突当結合部37)と、前記開口枠パネルに対して車体前後方向に結合されるガータ結合面部(例えば、実施形態のガータ結合面部38)と、を有していてもよい。
この構成によれば、ルーフパネルの突当結合部をルーフサイドアウタパネルのルーフ結合面部に突き当てた状態で車体前後方向に結合した。さらに、ルーフパネルのガータ結合面部を開口枠パネルに対して車体前後方向に結合した。
これにより、ルーフサイドアウタパネル、ルーフパネル、および開口枠パネルなどで構成される車両のルーフ構造の強度、剛性を高めることができる。
本発明によれば、プレス成形金型を単純化できるとともに、設計自由度が高く、ルーフパネルとルーフサイドアウタパネルとの間に形成される隙間を十分に縮小できる。
本発明に係る一実施形態の車両のルーフ構造を備えた車両の平面図である。 一実施形態のルーフ構造を車体後の斜め上方からみた斜視図である。 図2のIII部を拡大した斜視図である。 一実施形態のルーフ構造を分解した斜視図である。 図4のV部を拡大した斜視図である。 図2のVI-VI線に沿って破断した断面図である。 図2のVII-VII線に沿って破断した斜視図である。 一実施形態のルーフ構造からルーフパネルを外した状態を示す斜視図である。 図4のリヤガータパネルを拡大した斜視図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る車両のルーフ構造を説明する。図面において、矢印FRは車両の前方、矢印UPは車両の上方、矢印LHは車両の左側方を示す。なお、車両は、用途や種類等は特に限定されないが、一実施形態として自動車を例に説明する。また、実施形態においては、車両のルーフ構造10を「ルーフ構造10」と略記して説明する。
<車両>
図1、図2に示すように、車両Veは、例えば、車両のルーフおよびルーフの周囲を構成するルーフ構造10を備えている。ルーフ構造10の車体後部により、例えば、車体11の後部にテールゲート開口部12の上部が構成されている。
テールゲート開口部12の上端部12aには、例えば、テールゲート(図示せず)の上端部がヒンジを介して開閉自在に支持される。テールゲート開口部12は、ヒンジを軸にしてテールゲートを上下方向に移動することにより開閉される。
<ルーフ構造>
ルーフ構造10は、例えば、ルーフパネル15と、左側のルーフサイドアウタパネル(ルーフサイドアウタパネル)16と、左側のリヤガータパネル(開口枠パネル)17と、右側のルーフサイドアウタパネル(ルーフサイドアウタパネル)18と、右側のリヤガータパネル(開口枠パネル)19とを備えている。
ルーフ構造10は、概ね左右対称に構成されている。よって、左側のルーフサイドアウタパネル16を「ルーフサイドアウタパネル16」、左側のリヤガータパネル17を「リヤガータパネル17」と略記して説明する。また、右側のルーフサイドアウタパネル18、右側のリヤガータパネル19の詳しい説明を省略する。
(ルーフサイドアウタパネル)
図3、図4に示すように、ルーフサイドアウタパネル16は、サイドアウタパネル本体21と、ルーフ結合面部22と、上下方向結合面部23と、前後方向結合面部24と、後端角部(交差端角部)25と、を有する。ルーフサイドアウタパネル16は、例えば、鋼板をプレス成形することにより、ルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、前後方向結合面部24、および後端角部25が一体に曲げ形成されている。
サイドアウタパネル本体21は、例えば、車体11の左側部の表面を形成する外装用のパネルである。サイドアウタパネル本体21の上縁21aに連続してルーフ結合面部22が形成されている。
ルーフ結合面部22は、サイドアウタパネル本体21の上縁21aに沿って車体前後方向に延びている。ルーフ結合面部22は、サイドアウタパネル本体21の上縁21aから車幅方向内側に向うに従って下方に向けて下り勾配に形成されている。
ルーフ結合面部22には、ルーフパネル15の突当結合部37(後述する)が突き当てられた状態において、例えばろう付けにより車体前後方向に向けて連続して結合されている。
ルーフ結合面部22の下辺(下端)22aに連続して上下方向結合面部23が形成されている。
上下方向結合面部23は、ルーフ結合面部22の下辺22aに沿って車体前後方向に延びている。上下方向結合面部23は、ルーフ結合面部22の下辺22aから車幅方向内側に向けて概ね水平に張り出されるように形成されている。上下方向結合面部23は、車体後端部に結合尖部27を有する。
図5、図6に示すように、結合尖部27は、尖部距離W1が基端部27aから後端角部25(すなわち、前後方向結合面部24)に向けて徐々に小さくなるように形成されている。尖部距離W1は、ルーフ結合面部22の下辺22aから傾斜縁27cまでの距離(例えば、車幅方向の幅)である。
結合尖部27の尖部距離W1を後端角部25に向けて徐々に小さくなるように形成する理由については後で詳しく説明する。
結合尖部27の下面27bには、リヤガータパネル17の水平壁53(後述する)が、例えばスポット溶接により上下方向に結合されている。
図3、図4に示すように、サイドアウタパネル本体21、上下方向結合面部23、およびルーフ結合面部22において車体前後方向の後端(端部)に連続して前後方向結合面部24が形成されている。
前後方向結合面部24は、リヤガータパネル17のうち縦壁52の上端部52a(後述する)に対して、例えばスポット溶接により車体前後方向に結合されている。前後方向結合面部24は、張出フランジ31と、結合座部(結合座面)32と、を有する。
張出フランジ31は、ルーフサイドアウタパネル16のうち車体前後方向の後端(端部)からリヤガータパネル17のうち縦壁52の上端部52aに沿って接触するように下方へ向けて張り出されている。張出フランジ31は、ルーフサイドアウタパネル16においてルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24をプレス成形可能な範囲において最小幅(最短幅)W2に形成されている。
すなわち、ルーフサイドアウタパネル16においてルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24を一体にプレス成形することは、例えば鋼板の展延性の観点から比較的困難である。そこで、張出フランジ31を、ルーフサイドアウタパネル16のルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24をプレス成形可能な範囲において最小幅W2に形成した。
これにより、ルーフサイドアウタパネル16においてルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24のプレス成形の向上を図ることができる。加えて、張出フランジ31を最小幅W2に形成することにより、ルーフサイドアウタパネル16の軽量化を図ることができる。
図2に示すように、張出フランジ31からルーフサイドアウタパネル16の後端の反対側に結合座部32が張り出されている。結合座部32は、リヤガータパネル17のうち縦壁52の上端部52a(後述する)に、例えばスポット溶接により結合されている。
図5に示すように、ルーフ結合面部22、上下方向結合面部23(具体的には、結合尖部27)、および前後方向結合面部24(具体的には、張出フランジ31)の3面合わせ部を一体に連続して形成した。3つの結合面部22,23,24は、連続して形成され、互いに交差することにより後端角部25が、例えば三角状の角部に形成されている。
後端角部25は、3つの結合面部22,23,24の交差により三角状の角部が形成されることにより剛性が高く確保されている。よって、後端角部25によりルーフサイドアウタパネル16の剛性が高められている。
ここで、後端角部25は、ルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24を連続して互いに交差する部位であり、例えば鋼板の展延性の観点からプレス成形が困難な部位である。
そこで、上下方向結合面部23の結合尖部27を後端角部25に隣接させた。結合尖部27は、ルーフ結合面部22の下辺22aから傾斜縁27cまでの尖部距離W1が後端角部25に向けて徐々に小さくなるように形成されている。よって、ルーフサイドアウタパネル16をプレス成形する際に鋼板の展延性を確保できる。これにより、後端角部25(すなわち、ルーフ結合面 、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24)をプレス成形で容易に形成できる。
(ルーフパネル)
図3、図4に示すように、ルーフサイドアウタパネル16の車幅方向内側にルーフパネル15が設けられている。
ルーフパネル15は、ルーフパネル本体35と、ルーフパネルフランジ36と、突当結合部37と、ガータ結合面部38と、を有する。ルーフパネル15は、例えば、鋼板をプレス成形することにより、ルーフパネルフランジ36、突当結合部37、およびガータ結合面部38が一体に曲げ形成されている。
ルーフパネル本体35は、例えば、車体11のルーフの表面を形成する外装用のパネルである。ルーフパネル本体35において車幅方向の左側辺に連続してルーフパネルフランジ36が形成されている。
ルーフパネルフランジ36は、ルーフパネル本体35の左側辺から車幅方向内側に向うに従って下方に向けて下り勾配にルーフ結合面部22に沿って形成されている。すなわち、ルーフパネルフランジ36は、ルーフパネル本体35の左側辺に沿って車体前後方向に延びている。
ルーフパネル本体35とルーフパネルフランジ36との交差部(すなわち、ルーフパネル本体35の左側辺)に、突当結合部37が形成されている。突当結合部37は、ルーフ結合面部22に車幅方向内側から突き当てられた状態において、ルーフ結合面部22に沿って車体前後方向に連続して延びている。突当結合部37は、例えば銅合金のろう付けによりルーフ結合面部22に車体前後方向に連続して結合されている。
また、ルーフパネル本体35において車体前後方向の後端35aに連続してガータ結合面部38が形成されている。
ガータ結合面部38は、ルーフパネル本体35の後端35aから、リヤガータパネル17の縦壁52(後述する)に沿って下方に向けて形成されている。ガータ結合面部38は、リヤガータパネル17の縦壁52に対して車体後方側から重ねられている。ガータ結合面部38は、リヤガータパネル17の縦壁52に対して車体前後方向において、例えばスポット溶接などにより結合部41が結合(点結合)されている。
さらに、ガータ結合面部38は、リヤガータパネル17のガータパネル本体51に、例えばスポット溶接などにより結合部42が結合(点結合)されている。
このように、ルーフパネル15の突当結合部37は、ルーフサイドアウタパネル16のルーフ結合面部22に突き当てられた状態で車体前後方向に連続して結合されている。さらに、ルーフパネル15のガータ結合面部38は、リヤガータパネル17の縦壁52に対して車体前後方向に結合されている。
これにより、ルーフサイドアウタパネル16、ルーフパネル15、およびリヤガータパネル17などで構成されるルーフ構造10の強度、剛性を高めることができる。
ここで、ルーフパネル15は、例えばプレス成形により、ルーフパネルフランジ36、突当結合部37、およびガータ結合面部38が曲げ形成されている。
このため、ルーフパネルフランジ36、突当結合部37、およびガータ結合面部38が連続して互いに交差することにより、例えばルーフパネル15の左側後端にルーフパネル角部45が形成されている。
ここで、ルーフパネル角部45をプレス成形する際に、プレス成形する鋼板の展延性を考慮して、ガータ結合面部38には凹部46が形成されている。凹部46については、後で詳しく説明する。
(リヤガータパネル)
図2、図7に示すように、ルーフサイドアウタパネル16およびルーフパネル15の車体前後方向の後端(端部)にリヤガータパネル17が結合されている。
すなわち、リヤガータパネル17は、例えば、ルーフサイドアウタパネル16の前後方向結合面部24(具体的には、張出フランジ31、結合座部32)に結合されている。また、リヤガータパネル17は、例えば、ルーフサイドアウタパネル16の結合尖部27に結合されている。
さらに、リヤガータパネル17は、例えば、ルーフパネル15のガータ結合面部38に結合されている。
図8、図9に示すように、リヤガータパネル17は、ガータパネル本体51と、縦壁52と、水平壁53と、第1段差部(段差部)54と、第2段差部(段差部)55と、座面部56と、を有する。リヤガータパネル17は、例えば、鋼板をプレス成形することにより、縦壁52、水平壁53、第1段差部54、第2段差部55、および座面部56が一体に曲げ形成されている。
ガータパネル本体51は、例えば、テールゲート開口部12の左上部の一部を構成するパネルである(図1も参照)。ガータパネル本体51の車体前方側の前辺51aに縦壁52が形成されている。
縦壁52は、ガータパネル本体51の前辺51aから立ち上げられることにより、上下方向を向いて配置されている。縦壁52の上端部52aには、前後方向結合面部24の張出フランジ31および結合座部32が車体後方から重ね合わせられている。縦壁52の上端部52aには結合座部32が、例えばスポット溶接により結合部61で車体前後方向において結合(点結合)されている。
また、縦壁52のうち車幅方向内側の内端に水平壁53が形成されている。
水平壁53は、縦壁52のうち車幅方向内側の内端から上下方向結合面部23の結合尖部27に沿って車体前方に向けて概ね水平に延びている。水平壁53は、結合尖部27の下面27b(図6参照)に接触した状態で水平に配置され、例えば結合尖部27に下方からスポット溶接により結合部62で上下方向において結合(点結合)されている。
ここで、縦壁52は上下方向を向いて配置され、水平壁53は水平に配置されている。よって、縦壁52および水平壁53は互いに交差するように配置されている。これにより、縦壁52の上端部52aに結合座部32が結合され、水平壁53に結合尖部27が結合されることにより、リヤガータパネル17とルーフサイドアウタパネル16との結合強度を高めることができる。
縦壁52のうち上端部52aの下方近傍には、第1段差部54が形成されている。
第1段差部54は、前後方向結合面部24の張出フランジ31の外周縁31a、および結合座部32の外周縁32aに沿って段差形状に形成(賦形)されている。具体的には、第1段差部54は、例えば、縦壁52のうち上端部52aの下方近傍において、車体後方に向けて隆起されたビードなどにより形成されている。第1段差部54は、張出フランジ31の外周縁31a、および結合座部32の外周縁32aに対向するように形成されている。
これにより、例えば、張出フランジ31の外周縁31a、および結合座部32の外周縁32aと第1段差部54とを容易に位置決めできる。
また、水平壁53には、第2段差部55が形成されている。
第2段差部55は、結合尖部27の傾斜縁(ルーフサイドアウタパネルの外周縁)27cの車幅方向内側において、結合尖部27の傾斜縁27cに沿って段差形状に形成(賦形)されている。具体的には、第2段差部55は、例えば、水平壁53のうち傾斜縁27cの車幅方向内側の傾斜辺53aから上方に向けて立ち上げられたビードなどにより形成されている。第2段差部55は、結合尖部27の傾斜縁27cに対向するように形成されている。
これにより、例えば、結合尖部27の傾斜縁27cと第2段差部55とを容易に位置決めできる。
なお、実施形態では、第1段差部54および第2段差部55としてビードを例に説明するが、第1段差部54および第2段差部55はビードに限らない。
このように、張出フランジ31の外周縁31a、および結合座部32の外周縁32aと第1段差部54とを位置決めし、結合尖部27の傾斜縁27cと第2段差部55とを位置決めすることができる。
よって、第1段差部54および第2段差部55を目安(基準)にしてリヤガータパネル17およびルーフサイドアウタパネル16を組み付けることができる。これにより、リヤガータパネル17およびルーフサイドアウタパネル16の組付け作業を容易にできる。
第2段差部55には、座面部56が形成されている。
座面部56は、例えば、第2段差部55から車幅方向内側に向けて概ね水平に突出されている。よって、座面部56は、結合尖部27の傾斜縁27cから車幅方向内側に離れるように配置され、傾斜縁27cの外側に位置する。さらに、座面部56は、ルーフパネル本体35に対して下方に間隔をおいて配置されている(図7参照)。
座面部56は、上下方向に貫通する位置決め穴65を有する。
位置決め穴65は、例えば、ルーフサイドアウタパネル16に対してリヤガータパネル17を位置決めするために利用する穴である。
これにより、座面部56の位置決め穴65を利用することにより、例えば、結合尖部27と水平壁53との結合位置に正確に位置決めできる。
以上説明したように、実施形態のルーフ構造10によれば、図3、図4に示すように、ルーフサイドアウタパネル16にルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24が一体に形成されている。
ルーフ結合面部22には、ルーフパネル15の突当結合部37が突き当てられた状態で車体前後方向に結合されている。このルーフ結合面部22の下辺22aに連続させて上下方向結合面部23が形成されている。上下方向結合面部23の結合尖部27には、リヤガータパネル17の水平壁53が上下方向に結合されている。
さらに、サイドアウタパネル本体21、ルーフ結合面部22、および上下方向結合面部23(結合尖部27)には、車体前後方向の後端に連続させて前後方向結合面部24が形成されている。前後方向結合面部24には、リヤガータパネル17のうち縦壁52の上端部52aが車体前後方向に結合されている。
加えて、リヤガータパネル17の縦壁52には、ルーフパネル15のガータ結合面部38が結合されている。
すなわち、ルーフサイドアウタパネル16にルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24を一体に形成することにより、それぞれの結合面部22,23,24にルーフパネル15、リヤガータパネル17を合わせて結合できる。
ここで、ルーフパネル15には、ルーフパネルフランジ36、突当結合部37、およびガータ結合面部38が連続して互いに交差することによりルーフパネル角部45がプレス成形されている。このルーフパネル角部45のプレス成形による鋼板の展延性を考慮して、ガータ結合面部38には凹部46が形成されている。
このため、ルーフパネル15、ルーフサイドアウタパネル16、およびリヤガータパネル17の3部品(パネル)15,16,17が合わせて結合された状態において、凹部46により隙間71が形成される。この隙間71が大きい場合、隙間71で止水することが難しく、止水対策として別部材のブラケットを用いることが考えられる。
そこで、ルーフ結合面部22の下辺22aに連続させて上下方向結合面部23を一体に形成し、上下方向結合面部23に連続させて前後方向結合面部24を一体に形成した。よって、3つの結合面部22,23,24の3面合わせ部の強度剛性が向上するため、上下方向結合面部23(すなわち、結合尖部27)を、上方に移動させてルーフパネル15の側に近づけることができる。
これにより、ルーフパネル15、ルーフサイドアウタパネル16、およびリヤガータパネル17の3部品(パネル)15,16,17を合わせて結合した状態において、隙間71の上下方向の距離H(図6も参照)を小さく抑えることができる。隙間71の上下方向の距離Hは、ルーフパネル15から結合尖部27までの上下方向の距離である。
このように、隙間71の上下方向の距離Hを小さく抑えることにより、ルーフパネル15と結合尖部27との間に形成される隙間71を十分に縮小でき、隙間71により止水を確保できる。
さらに、ルーフ構造10によれば、ルーフサイドアウタパネル16にルーフ結合面部22、上下方向結合面部23、および前後方向結合面部24を小さく設定できるため容易にプレス成形できる。
加えて、プレス成形金型を単純化できるとともに、設計自由度を高くできる。
さらに、図2、図7に示すように、ルーフ結合面部22、上下方向結合面部23(具体駅には、結合尖部27)、および前後方向結合面部24が連続して互いに交差することにより、剛性の高い後端角部25が形成されている。よって、後端角部25によりルーフサイドアウタパネル16の剛性が高められている。
これにより、例えば、リヤガータパネル17から伝えられる上下振動による荷重Fを後端角部25で支持し、さらに後端角部25からルーフサイドアウタパネル16の全域に分散できる。また、3つの結合面部22,23,24の3面合わせ部も同様の作用効果を奏する。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、車体前後方向の端部として後端にルーフ構造10を構成した例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、車体前後方向の前端などにルーフ構造を構成してもよい。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
Ve 車両
10 ルーフ構造(車両のルーフ構造)
11 車体
15 ルーフパネル
16,18 左右側のルーフサイドアウタパネル(ルーフサイドアウタパネル)
17,19 左右側のリヤガータパネル(開口枠パネル)
22 ルーフ結合面部
22a ルーフ結合面部の下辺(ルーフ結合面部の下端)
23 上下方向結合面部
24 前後方向結合面部
25 後端角部(交差端角部)
27 結合尖部
27c 傾斜縁(外周縁)
31 張出フランジ
31a 外周縁
32 結合座部
37 突当結合部
38 ガータ結合面部
52 縦壁
53 水平壁
54,55 第1、第2の段差部(段差部)
56 座面部
W1 尖部距離(ルーフ結合面から外周縁までの距離)
W2 最小幅

Claims (8)

  1. ルーフサイドアウタパネルと、前記ルーフサイドアウタパネルの車幅方向内側に設けられたルーフパネルと、前記ルーフパネルおよび前記ルーフサイドアウタパネルの車体前後方向の端部に設けられた開口枠パネルと、が結合された車両のルーフ構造において、
    前記ルーフサイドアウタパネルは、
    前記ルーフパネルが突き当てられた状態において車体前後方向に結合されるルーフ結合面部と、
    前記ルーフ結合面部の下端に形成され、前記開口枠パネルが上下方向に結合される上下方向結合面部と、
    前記上下方向結合面部および前記ルーフ結合面部において車体前後方向の端部に形成され、前記開口枠パネルに対して車体前後方向に結合される前後方向結合面部と、を連続して形成する、
    ことを特徴とする車両のルーフ構造。
  2. 前記ルーフサイドアウタパネルは、
    前記ルーフ結合面部、前記上下方向結合面部、および前記前後方向結合面部が互いに交差することにより形成された交差端角部を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両のルーフ構造。
  3. 前記上下方向結合面部は、
    前記ルーフ結合面部から外周縁までの距離が前記交差端角部に向けて徐々に小さくなるように形成されている結合尖部を有する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両のルーフ構造。
  4. 前記前後方向結合面部は、
    前記ルーフサイドアウタパネルのうち車体前後方向の端部から前記開口枠パネルに沿って接触するように張り出された張出フランジと、
    前記張出フランジから前記ルーフサイドアウタパネルの端部の反対側に張り出され、前記開口枠パネルに結合される結合座部と、を有し、
    前記張出フランジは、
    前記ルーフサイドアウタパネルの前記ルーフ結合面部、前記上下方向結合面部、および前記前後方向結合面部をプレス成形可能な範囲において最小幅に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。
  5. 前記開口枠パネルは、
    前記前後方向結合面部が結合される縦壁と、
    前記縦壁から前記上下方向結合面部に沿って延び、前記上下方向結合面部に結合される水平壁と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。
  6. 前記開口枠パネルは、
    前記ルーフサイドアウタパネルの外周縁に沿って段差形状に形成された段差部を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。
  7. 前記開口枠パネルは、
    前記上下方向結合面部から離れて配置され、前記ルーフサイドアウタパネルに対して位置決めする座面部を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。
  8. 前記開口枠パネルは、
    前記ルーフ結合面部に突き当てられた状態において車体前後方向に結合される突当結合部と、
    前記開口枠パネルに対して車体前後方向に結合されるガータ結合面部と、を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両のルーフ構造。
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