JP7331661B2 - スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 - Google Patents
スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7331661B2 JP7331661B2 JP2019214243A JP2019214243A JP7331661B2 JP 7331661 B2 JP7331661 B2 JP 7331661B2 JP 2019214243 A JP2019214243 A JP 2019214243A JP 2019214243 A JP2019214243 A JP 2019214243A JP 7331661 B2 JP7331661 B2 JP 7331661B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- alkali metal
- agent
- mol
- hydrogen sulfide
- sulfidating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
Description
少なくとも、アルカリ金属ハロゲン化物、チオフェノール誘導体およびスルフィド化剤を含む水溶液(b)に酸を加えてpHを5.5超以上から8以下までの範囲に調整して、少なくとも硫化水素を生成させる工程(2)、
生成した硫化水素を回収する工程(3)、および、
回収した硫化水素とアルカリ金属水酸化物とを反応させる工程(4)、
前記スルフィド化剤が、アルカリ金属硫化物およびアルカリ金属水硫化物からなる群から選ばれる少なくとも1つであること、
を有することを特徴とする、スルフィド化剤の製造方法、に関する。
また、本発明は[3]少なくとも、ポリアリーレンスルフィド樹脂、アルカリ金属ハロゲン化物およびスルフィド化剤を含む混合物(a)は、
非プロトン性極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、スルフィド化剤とを反応させた後に得られる、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂、アルカリ金属ハロゲン化物、前記非プロトン性極性溶媒、チオフェノール誘導体およびスルフィド化剤を含む粗反応混合物であるか、または当該粗反応混合物から前記非プロトン性極性溶媒を固液分離させて得られた反応混合物である、前記[1]または[2]記載の製造方法に関する。
また本発明は[4]非プロトン性極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、スルフィド化剤とを反応させる際に用いる前記スルフィド化剤は、少なくとも非プロトン性極性溶媒の存在下で、含水スルフィド化剤を脱水する脱水工程を経て得られたものである、前記[3]記載の製造方法、に関する。
少なくとも、アルカリ金属ハロゲン化物、チオフェノール誘導体およびスルフィド化剤を含む水溶液(b)に酸を加えてpHを5超以上から8以下までの範囲に調整して、少なくとも硫化水素を生成させる工程(2)、
生成した硫化水素を回収する工程(3)、および、
回収した硫化水素とアルカリ金属水酸化物とを反応させる工程(4)、を有することを特徴とする。
1)アルカリ金属カルボン酸塩またはハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法、
2)芳香族ポリハロゲン化合物等の分岐剤を使用する方法、
3)少量の水の存在下に重合反応を行い次いで水を追加してさらに重合する方法、
4)アルカリ金属硫化物と芳香族ジハロゲン化合物との反応中に、反応釜の気相部分を冷却して反応釜内の気相の一部を凝縮させ液相に還流させる方法、
5)ポリハロ芳香族化合物の存在下、アルカリ金属硫化物、又は、含水アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物と、脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムとを、脱水させながら反応させて固形のアルカリ金属硫化物を含むスラリーを製造する工程、該スラリーを製造した後、更にNMPなどの極性有機溶媒を加え、水を留去して脱水を行う工程、次いで、脱水工程を経て得られたスラリー中で、ポリハロ芳香族化合物と、アルカリ金属水硫化物と、前記脂肪族環状構造を有するアミド、尿素またはラクタムの加水分解物のアルカリ金属塩とを、NMPなどの極性有機溶媒1モルに対して反応系内に現存する水分量が0.02モル以下で反応させて重合を行う工程を必須の製造工程として有するポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法、が挙げられる。
ポリフェニレンスルフィド樹脂は島津製作所製フローテスター、CFT-500Dを用い、300℃、荷重:1.96×106Pa、L/D=10(mm)/1(mm)にて、6分間保持した後に測定した。
ビーカーにサンプル0.5gを精秤し、次いで純水を70ml、1wt%水酸化ナトリウム水溶液を4ml加え、撹拌しながら、電位差自動滴定装置を用いて、0.02mol/L硝酸銀水溶液で滴定した。
ビーカーにサンプルを10g精秤し、次いで純水を70ml加え、撹拌しながら、電位差自動滴定装置を用いて、0.1mol/L塩酸で滴定した。
横河電機株式会社製の「パーソナルpHメーターPH72」を使用。pH4、pH7標準液によるpH校正後、廃水に付属電極「PH72」を浸漬させてpHを測定した。
サンプルの110倍希釈水溶液を90g精秤し、撹拌しながら、電位差自動滴定装置を用いて、0.5mol/L塩酸で中和滴定を行い、第1当量点の滴定量より硫化ソーダ濃度を算出し、次に、第2当量点の滴定量と第1当量点の滴定量の差より水硫化ソーダ濃度を算出した。水硫化ソーダおよび/または硫化ソーダ(スルフィド化剤)の回収率(%)は、(脱水時に飛散した硫化水素のモル部及び水硫化ソーダ回収液へ移行したスルフィド化剤のモル部)÷(廃水中のスルフィド化剤のモル部)×100として算出した。
蓋付バイアル瓶にサンプル0.5g、メチルイソブチルケトン2.5gを精秤し、次いで5M塩酸1.5gを氷浴下でゆっくり滴下する。同バイアル内にモノクロロベンゼン0.1g、アセトン8gを加え、蓋をして、内容物を十分攪拌する。得られたスラリーの上澄み液のチオフェノール濃度を、島津製作所製ガスクロマトグラフ装置を用いて測定した。チオフェノールの回収率(%)は、(水硫化ソーダ回収液へ移行したチオフェノールのモル部)÷(廃水中のチオフェノール誘導体のモル部)×100として算出した。
<実施例(1-1)> PPS重合及び廃水の製造
予め15wt%水酸化ナトリウム水溶液3.00kgを仕込んだガス吸収瓶を接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-ジクロロベンゼン(以下、p-DCBと略す)33.20kg(226モル)、NMP2.28kg(23.00モル)、47.23質量%NaSH水溶液27.30kg(硫黄原子230モル、ナガオ株式会社製「水硫化ソーダ(液体)45%品」)、及び49.21質量%NaOH水溶液18.34kg(228モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水27.21kgを留出させた。脱水時に飛散した硫化水素をガス吸収瓶により水酸化ナトリウム水溶液に吸収させて、硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(1)を得た。硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(A)を硝酸銀滴定(測定法2)した。結果を表1に示す。
撹拌機、pHメーター、ガス導入管、滴下ロートを備えた密閉容器に実施例(1-1)で得られた硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(1)が入ったガス吸収瓶を連結した。その密閉容器に廃水(1)209kgを仕込み、N2ガス(50ml/分)を導入しながら撹拌し、廃水(1)中の第1中和点(測定法3)+硫黄分1モル当り0.90モルに相当する塩酸を滴下してpH(測定法4)を5.6に調整し、60分間撹拌を行い、硫化水素ガスを発生させた。発生した硫化水素ガスは水酸化ナトリウム水溶液(1)に吸収させ、水硫化ソーダ回収液(1)を得た。得られた水硫化ソーダ回収液(1)を測定して水硫化ソーダ濃度および硫化ソーダ濃度からスルフィド化剤量(モル)を求めた(測定法5、6)。結果を表2に示す。
水酸化ナトリウム水溶液が入ったガス吸収瓶が接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-DCB216.53g(1.47モル)、NMP14.87g(0.15モル)、47.23質量%NaSH水溶液172.70g(1.46モル)、得られた水硫化ソーダ回収液(1)15.19g(4.50×10-2モル、全水硫化ソーダの仕込みモルに対しての回収水硫化ソーダ使用割合は、3.0mol%、チオフェノール量はNaSH1モル当り2.93×10-4モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液119.10g(1.47モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水186.62gを留出させた。
<実施例(2-1)> PPS重合及び廃水の製造
予め仕込むガス吸収瓶内の15wt%水酸化ナトリウム水溶液の仕込量を3.00kgから2.70kgに変更したこと以外は、実施例(1-1)と同一の操作を行った。なお、実施例(2-1)で得られた硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液を、硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(2)と称する。また、実施例(2-1)で得られた廃水を、廃水(2)と称する。結果を表1に表す。
実施例(2-1)で得られた廃水(2)に、廃水(2)中の第1中和点(測定法3)+硫黄分1モル当り0.80モルに相当する塩酸を滴下してpH(測定法4)を6.2に調整したこと以外は、実施例(1-2)と同一の操作を行った。得られた水硫化ソーダ回収液を水硫化ソーダ回収液(2)と称する。
水硫化ソーダ回収液(2)を測定した(測定法5、6)。結果を表2に表す。
水酸化ナトリウム水溶液が入ったガス吸収瓶が接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-DCB216.53g(1.47モル)、NMP14.87g(0.15モル)、47.23質量%NaSH水溶液172.70g(1.46モル)、得られた水硫化ソーダ回収液(2)15.44g(4.50×10-2モル、全水硫化ソーダの仕込みモルに対しての回収水硫化ソーダ使用割合は、3.0mol%、チオフェノール量はNaSH1モル当り1.42×10-4モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液119.10g(1.47モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水186.81gを留出させた。
それ以降、実施例(1-3)と同一の操作を行った。得られたPPS樹脂の溶融粘度は69Pa・sであった(測定法1)。結果を表3にまとめた。
<実施例(3-1)> PPS重合及び廃水の製造
実施例(2-1)と同一の操作を行った。なお、実施例(3-1)で得られた硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液を、硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(3)と称する。また、実施例(3-1)で得られた廃水を、廃水(3)と称する。結果を表1に表す。
実施例(2-2)と同一の操作を行った。得られた水硫化ソーダ回収液を水硫化ソーダ回収液(3)と称する。
水硫化ソーダ回収液(3)を測定した(測定法5、6)。結果を表2に表す。
水酸化ナトリウム水溶液が入ったガス吸収瓶が接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-DCB216.53g(1.47モル)、NMP14.87g(0.15モル)、47.23質量%NaSH水溶液165.58g(1.40モル)、得られた水硫化ソーダ回収液(3)36.02g(1.50×10-1モル、全水硫化ソーダの仕込みモルに対しての回収水硫化ソーダ使用割合は、7.0mol%、チオフェノール量はNaSH1モル当り3.31×10-4モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液119.10g(1.47モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水199.30gを留出させた。
それ以降、実施例(1-3)と同一の操作を行った。得られたPPS樹脂の溶融粘度は55Pa・sであった(測定法1)。結果を表3にまとめた。
<実施例(4-1)> PPS重合及び廃水の製造
予め仕込むガス吸収瓶内の15wt%水酸化ナトリウム水溶液の仕込量を3.00kgから0.950kgへ変更したこと以外は、実施例(1-1)と同一の操作を行った。なお、実施例(4-1)で得られた硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液を、硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(4)と称する。また、実施例(4-1)で得られた廃水を、廃水(4)と称する。結果を表1に表す。
実施例(4-1)で得られた廃水(4)に、廃水(4)中の第1中和点(測定法3)+硫黄分1モル当り0.25モルに相当する塩酸を滴下してpH(測定法4)を7.0に調整したこと以外は、実施例(1-2)と同一の操作を行った。得られた水硫化ソーダ回収液を水硫化ソーダ回収液(4)と称する。
水硫化ソーダ回収液(4)を測定した(測定法5、6)。結果を表2に表す。
水酸化ナトリウム水溶液が入ったガス吸収瓶が接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-DCB216.53g(1.47モル)、NMP14.87g(0.15モル)、47.23質量%NaSH水溶液124.63g(1.05モル)、得られた水硫化ソーダ回収液(4)153.05g(4.50×10-1モル、全水硫化ソーダの仕込みモルに対しての回収水硫化ソーダ使用割合は、30.0mol%、チオフェノール量はNaSH1モル当り3.33×10-4モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液119.10g(1.47モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水270.40gを留出させた。
それ以降、実施例(1-3)と同一の操作を行った。得られたPPS樹脂の溶融粘度は55Pa・sであった(測定法1)。結果を表3にまとめた。
<実施例(5-1)> PPS重合及び廃水の製造
予め仕込むガス吸収瓶内の15wt%水酸化ナトリウム水溶液の仕込量を3.00kgから0.550kgに変更したこと以外は、実施例(1-1)と同一の操作を行った。なお、実施例(5-1)で得られた硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液を、硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(5)と称する。また、実施例(5-1)で得られた廃水を、廃水(5)と称する。結果を表1に表す。
実施例(5-1)で得られた廃水(5)に、廃水(5)中の第1中和点(測定法3)+硫黄分1モル当り0.15モルに相当する塩酸を滴下してpH(測定法4)を7.5に調整したこと以外は、実施例(1-2)と同一の操作を行った。得られた水硫化ソーダ回収液を水硫化ソーダ回収液(5)と称する。
水硫化ソーダ回収液(5)を測定した(測定法5、6)。結果を表2に表す。
水酸化ナトリウム水溶液が入ったガス吸収瓶が接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-DCB216.53g(1.47モル)、NMP14.87g(0.15モル)、得られた水硫化ソーダ回収液(5)499.58g(1.50モル、全水硫化ソーダの仕込みモルに対しての回収水硫化ソーダ使用割合は、100.0mol%、チオフェノール量はNaSH1モル当り9.36×10-5モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液119.10g(1.47モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水480.21gを留出させた。47.23質量%NaSH水溶液は仕込まなかった。
それ以降、実施例(1-3)と同一の操作を行った。得られたPPS樹脂の溶融粘度は73Pa・sであった(測定法1)。結果を表3にまとめた。
<比較例(1-1)> PPS重合及び廃水の製造
予め仕込むガス吸収瓶内の15wt%水酸化ナトリウム水溶液の仕込量を3.00gから3.30kgへ変更したこと以外は、実施例(1-1)と同一の操作を行った。なお、比較例1-1で得られた硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液を、硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(C1)と称する。また、比較例(1-1)で得られた廃水を、廃水(C1)と称する。結果を表1に表す。
比較例(1-1)で得られた廃水(C1)に、廃水(C1)中の第1中和点(測定法3)+硫黄分1モル当り1.30モルに相当する塩酸を滴下してpH(測定法4)を3.0に調整したこと以外は、実施例(1-1)と同一の操作を行った。得られた水硫化ソーダ回収液を水硫化ソーダ回収液(C1)と称する。
得られた水硫化ソーダ回収液(C1)を測定した(測定法5、6)。結果を表2に表す。
水酸化ナトリウム水溶液が入ったガス吸収瓶が接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-DCB216.53g(1.47モル)、NMP14.87g(0.15モル)、47.23質量%NaSH水溶液172.70g(1.46モル)、得られた水硫化ソーダ回収液(2)14.79g(4.50×10-2モル、全水硫化ソーダの仕込みモルに対しての回収水硫化ソーダ使用割合は、3.0mol%、チオフェノール量はNaSH1モル当り4.68×10-4モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液119.10g(1.47モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水186.45gを留出させた。
それ以降、実施例(1-3)と同一の操作を行った。得られたPPS樹脂の溶融粘度は40Pa・sであった(測定法1)。結果を表3に表す。
<比較例(2-1)> PPS重合及び廃水の製造
予め仕込むガス吸収瓶内の15wt%水酸化ナトリウム水溶液の仕込量を3.00kgから3.30kgへ変更したこと以外は、実施例(1-1)と同一の操作を行った。なお、比較例(2-1)で得られた硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液を、硫化水素を吸収した水酸化ナトリウム水溶液(C2)と称する。また、比較例(2-1)で得られた廃水を、廃水(C2)と称する。結果を表1に表す。
比較例(2-1)で得られた廃水(C2)に、廃水(C2)中の第1中和点(測定法3)+硫黄分1モル当り1.15モルに相当する塩酸を滴下してpH(測定法4)を4.8に調整したこと以外は、実施例(1-2)と同一の操作を行った。得られた水硫化ソーダ回収液を水硫化ソーダ回収液(C2)と称する。
得られた水硫化ソーダ回収液(C2)を測定した(測定法5、6)。結果を表2に表す。
水酸化ナトリウム水溶液が入ったガス吸収瓶が接続したコンデンサ、圧力計、温度計、デカンタ、精留塔を連結した撹拌翼付きオートクレーブにp-DCB216.53g(1.47モル)、NMP14.87g(0.15モル)、47.23質量%NaSH水溶液172.70g(1.46モル)、得られた水硫化ソーダ回収液(2)15.13g(4.50×10-2モル、全水硫化ソーダの仕込みモルに対しての回収水硫化ソーダ使用割合は、3.0mol%、チオフェノール量はNaSH1モル当り4.30×10-4モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液119.10g(1.47モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水186.55gを留出させた。
それ以降、実施例(1-3)と同一の操作を行った。得られたPPS樹脂の溶融粘度は45Pa・sであった(測定法1)。結果を表3にまとめた。
Claims (8)
- 少なくとも、ポリアリーレンスルフィド樹脂、アルカリ金属ハロゲン化物およびスルフィド化剤を含む混合物(a)と水とを接触させた後、ポリアリーレンスルフィド樹脂を分離、除去して、少なくとも、アルカリ金属ハロゲン化物、チオフェノール誘導体およびスルフィド化剤を含む水溶液(b)を得る工程(1)、
少なくとも、アルカリ金属ハロゲン化物、チオフェノール誘導体およびスルフィド化剤を含む水溶液(b)に酸を加えてpHを5.5超から8以下までの範囲に調整して、少なくとも硫化水素を生成させる工程(2)、
生成した硫化水素を回収する工程(3)、および、
回収した硫化水素とアルカリ金属水酸化物とを反応させる工程(4)、
前記スルフィド化剤が、アルカリ金属硫化物およびアルカリ金属水硫化物からなる群から選ばれる少なくとも1つであること、
を有することを特徴とする、スルフィド化剤の製造方法。 - 前記工程(3)において回収されるチオフェノールの割合が、前記工程(2)において該水溶液(b)中に含まれるチオフェノール誘導体100モルに対して、70モル以下の範囲である、請求項1記載のスルフィド化剤の製造方法。
- 少なくとも、ポリアリーレンスルフィド樹脂、アルカリ金属ハロゲン化物およびスルフィド化剤を含む混合物(a)は、
非プロトン性極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、スルフィド化剤とを反応させた後に得られる、少なくともポリアリーレンスルフィド樹脂、アルカリ金属ハロゲン化物、前記非プロトン性極性溶媒、チオフェノール誘導体およびスルフィド化剤を含む粗反応混合物であるか、または当該粗反応混合物から前記非プロトン性極性溶媒を固液分離させて得られた反応混合物である、請求項1又は2記載の製造方法。 - 非プロトン性極性溶媒中で、ポリハロ芳香族化合物と、スルフィド化剤とを反応させる際に用いる前記スルフィド化剤は、少なくとも非プロトン性極性溶媒の存在下で、含水スルフィド化剤を脱水する脱水工程を経て得られたものである、請求項3記載の製造方法。
- 回収した硫化水素とアルカリ金属水酸化物とを反応させる工程(4)の後に、未反応のアルカリ金属水酸化物に対して、硫化水素を加えて、該硫化水素と未反応のアルカリ金属水酸化物とを反応させる工程(5)を有する、請求項1記載の製造方法。
- 前記請求項4に記載の脱水工程において生成した硫化水素を回収した後、アルカリ金属水酸化物と反応させてスルフィド化剤を得る工程、を含むことを特徴とする請求項4記載の製造方法。
- アルカリ金属水酸化物と反応させてアルカリ金属水硫化物及び/又はアルカリ金属硫化物を得る工程の後に、未反応のアルカリ金属水酸化物に対して、硫化水素を加えて、該硫化水素と未反応のアルカリ金属水酸化物とを反応させる工程を有する、請求項6記載のスルフィド化剤の製造方法。
- 有機アミド溶媒の存在下で含水スルフィド化剤を脱水して得られたスルフィド化剤を、有機アミド溶媒の存在下でポリハロ芳香族化合物と反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法において、含水スルフィド化剤またはスルフィド化剤の少なくとも一部として前記請求項1~5の何れか一項記載の製造方法により得られたスルフィド化剤および/または前記請求項6または7の製造方法により得られたスルフィド化剤を加える工程を有することを特徴とする、ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019214243A JP7331661B2 (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019214243A JP7331661B2 (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021084952A JP2021084952A (ja) | 2021-06-03 |
JP7331661B2 true JP7331661B2 (ja) | 2023-08-23 |
Family
ID=76086882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019214243A Active JP7331661B2 (ja) | 2019-11-27 | 2019-11-27 | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7331661B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7380278B2 (ja) * | 2020-02-06 | 2023-11-15 | Dic株式会社 | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
JP7453617B2 (ja) * | 2020-02-06 | 2024-03-21 | Dic株式会社 | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000247609A (ja) | 1999-02-25 | 2000-09-12 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 無水アルカリ金属硫化物の製造方法 |
JP2013540703A (ja) | 2010-08-26 | 2013-11-07 | 東レ・ファインケミカル株式会社 | ジシクロヘキシルジスルフィドの製造方法 |
JP2015218214A (ja) | 2014-05-15 | 2015-12-07 | Dic株式会社 | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
US20160075832A1 (en) | 2014-09-11 | 2016-03-17 | Solvay Sa | Process for Preventing Thiophenol Formation and/or Accumulation During Production of Poly(Arylene Sulfide) |
US20160145393A1 (en) | 2014-11-21 | 2016-05-26 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Process for production of poly(arylene sulfide) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2800209B2 (ja) * | 1988-12-14 | 1998-09-21 | 東レ株式会社 | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 |
JPH11169870A (ja) * | 1997-12-16 | 1999-06-29 | Dainippon Ink & Chem Inc | ポリアリーレンスルフィド製造時の排水処理方法 |
KR102131164B1 (ko) * | 2016-11-14 | 2020-07-07 | 주식회사 엘지화학 | 폴리페닐렌 설파이드의 제조방법 및 이로부터 제조된 저염소 폴리페닐렌 설파이드 |
-
2019
- 2019-11-27 JP JP2019214243A patent/JP7331661B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000247609A (ja) | 1999-02-25 | 2000-09-12 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 無水アルカリ金属硫化物の製造方法 |
JP2013540703A (ja) | 2010-08-26 | 2013-11-07 | 東レ・ファインケミカル株式会社 | ジシクロヘキシルジスルフィドの製造方法 |
JP2015218214A (ja) | 2014-05-15 | 2015-12-07 | Dic株式会社 | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
US20160075832A1 (en) | 2014-09-11 | 2016-03-17 | Solvay Sa | Process for Preventing Thiophenol Formation and/or Accumulation During Production of Poly(Arylene Sulfide) |
US20160145393A1 (en) | 2014-11-21 | 2016-05-26 | Chevron Phillips Chemical Company Lp | Process for production of poly(arylene sulfide) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021084952A (ja) | 2021-06-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6402971B2 (ja) | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP5794468B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
KR101470723B1 (ko) | 폴리아릴렌술피드의 제조 방법 및 폴리아릴렌술피드 | |
KR101109955B1 (ko) | 폴리아릴렌 술피드 및 그의 제조 방법 | |
WO2004060973A1 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法及び洗浄方法、並びに洗浄に使用した有機溶媒の精製方法 | |
JP6003345B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP7331661B2 (ja) | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP6136292B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP7172020B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP6120054B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP2014141615A (ja) | 架橋型ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP7380278B2 (ja) | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP7413820B2 (ja) | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP5888142B2 (ja) | カルボキシアルキルアミノ基含有化合物および非プロトン性極性溶媒を含む溶液の製造方法ならびにアルカリ金属含有無機塩および非プロトン性極性溶媒を含む組成物の製造方法 | |
JP7453617B2 (ja) | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP6003346B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP6003347B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP6256734B2 (ja) | ポリアリーレンスルフィドの製造方法 | |
JP2022161191A (ja) | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP2022161190A (ja) | スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP6390079B2 (ja) | 分岐型ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP5888143B2 (ja) | アルカリ金属含有無機塩を含む水溶液の製造方法ならびにカルボキシアルキルアミノ基含有化合物およびポリハロ芳香族化合物を含む組成物の製造方法 | |
JP6194566B2 (ja) | アルカリ金属含有無機塩を含む水溶液の製造方法およびカルボキシアルキルアミノ基含有化合物と非水溶性溶液を含む溶液の製造方法 | |
JP2024021679A (ja) | ポリアリーレンスルフィドオリゴマー混合物の製造方法、及びポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 | |
JP2024021682A (ja) | ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20210415 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220927 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230616 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230620 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230627 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230711 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230724 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7331661 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |