JP7328135B2 - X線分析装置、分析方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明に一見地にかかるX線分析装置は、粒子状物質から発生する蛍光X線を用いて粒子状物質の分析を行う装置である。X線分析装置は、試料台と、X線源と、検出器と、演算部と、を備える。
試料台には、粒子状物質が載置される。X線源は、試料台に載置された粒子状物質にX線を照射する。検出器は、粒子状物質にX線を照射することにより発生した二次X線を検出する。演算部は、検出器により検出された二次X線の強度に基づいて、粒子状物質の試料台における状態に関する状態情報を取得する。また、演算部は、粒子状物質から発生する二次X線に基づいて、粒子状物質に含まれる元素を分析する。
これにより、本発明に係るX線分析装置は、粒子状物質から発生する二次X線を用いて、試料台における粒子状物質の状態(状態情報)を簡単に把握することができる。また、この状態情報を用いて、測定対象試料である粒子状物質が蛍光X線分析を行うために適切か否かを判断できる。
これにより、低エネルギーを有する二次X線が物質の表面において発生するとの特性を用いて、試料台に載置された粒子状物質の表面状態を把握できる。
これにより、低エネルギーを有する二次X線が物質の表面において発生するとの特性を用いて、試料台に載置された粒子状物質の表面積を把握できる。
これにより、低エネルギーを有する二次X線が物質の表面において発生するとの特性を用いて、粒子状物質の粒子径を把握できる。
これにより、高エネルギーを有する二次X線が物質の内部からも発生するとの特性を用いて、試料台に載置された粒子状物質の厚みを把握できる。
これにより、粒子状物質に含まれる元素によらず、試料台に載置された粒子状物質の状態を把握できる。
これにより、試料台に載置された粒子状物質の状態を、より正確に把握できる。
切換部により校正用試料または開口部材のいずれをX線源と試料台との間に配置するかを切り換えることで、X線分析装置の校正と、試料台に載置された粒子状物質の分析とを容易に切り換えて実行できる。
これにより、試料台から粒子状物質を除去する際に、静電気により粒子状物質が試料台に残留することを抑制できる。
◎試料台に載置された粒子状物質にX線を照射するステップ。
◎粒子状物質にX線を照射することにより発生した二次X線を検出するステップ。
◎検出された二次X線の強度に基づいて、粒子状物質の試料台における状態に関する状態情報を取得するステップ。
◎粒子状物質から発生する二次X線に基づいて、粒子状物質に含まれる元素を分析するステップ。
これにより、粒子状物質から発生する二次X線を用いて、試料台における粒子状物質の状態情報を簡単に把握することができる。また、この状態情報を用いて、測定対象試料である粒子状物質が蛍光X線分析を行うために適切か否かを判断できる。
◎試料台に載置された粒子状物質にX線を照射するステップ。
◎粒子状物質にX線を照射することにより発生した二次X線を検出するステップ。
◎検出された二次X線の強度に基づいて、粒子状物質の試料台における状態に関する状態情報を取得するステップ。
◎粒子状物質から発生する二次X線に基づいて、粒子状物質に含まれる元素を分析するステップ。
これにより、粒子状物質から発生する二次X線を用いて、試料台における粒子状物質の状態情報を簡単に把握することができる。また、この状態情報を用いて、測定対象試料である粒子状物質が蛍光X線分析を行うために適切か否かを判断できる。
(1)X線分析装置
以下、第1実施形態に係るX線分析装置100を説明する。X線分析装置100は、X線を粒子状物質Pへ照射して発生する蛍光X線を検出し、蛍光X線スペクトルの測定又は試料に含有される元素を分析する蛍光X線分析を行うための装置である。なお、以下において、「元素分析」又は「分析」との用語は、元素の「定性」と「定量」とを含む意味で用いられる。
X線分析装置100は、例えば、測定対象の粒子状物質Pの発生源またはその近傍に配置され、発生源にて発生した粒子状物質Pに含まれる元素の特定とその含有量を、その場観察にて測定(インライン測定)できる。
インライン測定を実行するX線分析装置100は、例えば、焼却炉、各種工場から排出される排ガスの煙道に配置され、当該排ガスに含まれる粒子状物質P(例えば、重金属を含有する粒子など)を分析できる。
試料支持部1は、水平板状であり、測定対象である粒子状物質Pが載置されることによって、当該粒子状物質Pを支持する。試料支持部1は、基部13と、基部13に対して着脱が可能な着脱部12とを有している。基部13及び着脱部12は、共に貫通孔11が形成され、ほぼ平板状になっている。貫通孔11を塞ぐようにX線透過膜14が張られており、X線透過膜14は基部13と着脱部12とで挟まれて固定されている。着脱部12を外した状態で、基部13の貫通孔11にX線透過膜14を張り、着脱部12を基部13に装着することで、X線透過膜14が固定される。
試料台15は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの、炭素元素を含む樹脂又はプラスチックで構成された板状部材である。試料台15の少なくとも粒子状物質Pが載置される表面(上面)には、導電性の材料がコーティングされている。なお、導電性材料は、試料台15の全体にコーティングされていてもよい。
また、導電性コーティングに用いる材料は、X線を照射したときに、測定対象となる元素からの蛍光X線と同一かそれに近いエネルギーを有する蛍光X線を発生させないものとすることが好ましい。
これにより、試料台15に載置された粒子状物質Pの状態を、後述する撮像素子9により撮影できる。また、試料台15から電荷を逃がすことができる程度の導電性があればよいので、導電性コーティング膜は薄くできる。
他の実施形態において、試料台15は、所定の電位を印加するための電圧発生装置に接続されていてもよい。電圧発生装置は、粒子状物質Pが帯びる電位の極性(正電位、負電位)と同一の極性を有する電位を、試料台15に印加する。これにより、試料台15と粒子状物質Pとの間に反発力が働いて、静電気により粒子状物質Pが試料台15に残留することを抑制できる。
X線源2は、試料台15上に載置された粒子状物質Pの下面に対して斜め下側からX線を照射する位置に配置されている。X線源2は、X線管を用いて構成されており、X線の出射端を試料支持部1の貫通孔11へ向けて配置されている。
後述するように、本実施形態では、散乱X線を用いて、試料台15上に載置された粒子状物質Pの状態に関する情報(状態情報)を取得する。従って、粒子状物質Pから散乱X線を発生させるために、X線源2から出力されるX線は、10keV以下のエネルギーを有することが好ましい。このようなX線源2としては、例えば、パラジウムをターゲットとしたX線源、又は、ロジウムをターゲットとしたX線源を使用できる。
検出器3は、試料台15上に載置された粒子状物質Pの下面から斜め下方向へ放射された二次X線を検出することができる位置に配置されている。検出器3は、例えば、Si素子等のX線検出素子(例えば、シリコンドリフト検出器(SDD))を用いて構成されており、二次X線の入射端を試料支持部1の貫通孔11へ向けて配置されている。
開口部材4は、試料支持部1の直下、X線源2から試料支持部1までのX線の経路上に配置されている。開口部材4は、X線源2から出力されたX線が通過する開口を有する部材である。以下、図2を用いて、開口部材4の具体的構成を説明する。図2は、開口部材の構成を示す図である。
開口部材4は、例えばタンタル製の板状部材であり、X線が通過する径が異なる複数の開口41、42、43が形成されている。なお、開口の数は3個に限定されるものではなく、2個であってもよく4個以上であってもよい。複数の開口41、42、43は、水平面内で、X線源2及び検出器3が並んだ方向とは交差する方向に沿って並んでいる。
二次X線を用いるX線分析装置100において実行される校正には、粒子状物質Pから発生する蛍光X線のピーク位置が正しいエネルギー位置となるように装置を校正するエネルギー校正と、X線の強度を校正する強度校正と、がある。
その一方、強度校正は、試料台15に載置された粒子状物質Pから発生する二次X線を用いては実行できない。なぜなら、検出器3にて検出される二次X線の強度は、試料台15に載置される粒子状物質Pにより変動するからである。
X線源2と試料台15との間に開口41、42、43のいずれかが配置された場合、X線源2から発生したX線は、図3Aに示すように、X線源2と試料台15の間に配置された開口41、42、43のいずれかを通過する。これにより、X線源2から出力されたX線は、開口41、42、43の径に応じてビーム径(強度)が調整されて、試料台15に載置された粒子状物質Pに到達する。
遮蔽体5は、例えば、アルミニウム及び/又は銅にて構成された部材である。遮蔽体5は、X線源2と検出器3との中間の位置に配置される。
また、遮蔽体5は、開口部材4に結合している。従って、遮蔽体5は、開口部材4と共に移動するようになっている。さらに、開口部材4の校正用試料44が設けられた位置に対応する遮蔽体5の部分には、開口51(図3B)が設けられる。
一方、X線分析装置100の校正時には、X線源2の出射口21から出力されたX線は、校正用試料44にて散乱等され、上記の開口51を通過して検出器3に到達する。
演算部6は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM、ROM、ハードディスク、SSD(Soild State Disk)などの記憶装置と、表示部と、各種インターフェースと、などを有するコンピュータシステムである。
以下に説明する演算部6の各機能の一部又は全部は、上記のコンピュータシステムの記憶装置に記憶されたプログラムにより実現されていてもよい。また、演算部6の各構成要素の機能の一部又は全部の機能は、カスタムICなどの半導体装置により実現されていてもよい。
演算部6は、分析時には、例えば、検出器3にて検出した二次X線のスペクトル、粒子状物質Pに含まれる測定対象元素の含有量(含有量の時間的な推移、現在の含有量)などを、表示部8に表示する。
また、演算部6は、例えば、測定対象とする粒子状物質Pの種類、測定対象とする元素等を、表示部8にリスト表示する。
この場合、演算部6は、上記の超音波及び/又はレーザの強度等に基づいて、粒子状物質Pの体積厚み等を算出してもよい。
(8-1)全体動作
以下、図4を用いて、検出器3にて検出した二次X線により、粒子状物質Pを分析するまでの全体動作を説明する。図4は、X線分析装置の全体動作を示すフローチャートである。
X線分析装置100が動作を開始すると、まず、演算部6は、ステップS1において、X線源2に対してX線を出力するよう指令する。これにより、X線源2から出力されたX線が、試料台15に載置されている粒子状物質Pに照射される。
状態情報に基づいて、例えば、試料台15に十分な量の粒子状物質Pが載置されており、かつ、試料台15から粒子状物質Pの一部が浮いた状態でないと判断されたら(ステップS4で「Yes」)すなわち、粒子状物質Pの状態が元素分析にとって適切であると判断されたら、演算部6は、ステップS5において、粒子状物質Pの元素分析を実行する。
その後、演算部6は、ステップS6の実行により粒子状物質Pの状態が元素分析にとって適切となったか否かを確認するために、上記のステップS1~S4の処理を実行する。
他の実施形態において、演算部6は、ステップS6において、粒子状物質Pの分析を実行しないと決定してもよい。
(8-2-1)二次X線から得られる状態情報(概略)
以下、ステップS3において実行される状態情報の取得について説明する。まず、二次X線のスペクトルから得られる状態情報について、詳細に説明する。以下の説明では、図5に示すような二次X線のスペクトルが、ある特定の測定時に取得されたとする。図5は、二次X線のスペクトルの一例を示す図である。
図5では、粒子状物質Pから発生した二次X線のスペクトルを実線にて表し、粒子状物質Pが載置されていないときに検出されるX線(すなわち、X線源2から出力されるX線)のスペクトルを点線にて表している。
今回、試料台15に同一の粒子状物質Pを載置して二次X線のスペクトルを複数回取得したところ、図6に示すように、所定の閾値(第1エネルギーEtと呼ぶ)より大きいエネルギー範囲の二次X線(高エネルギー二次X線と呼ぶ)の強度がより大きく変動する場合が見られた。図6は、高エネルギー二次X線の強度が変化する場合の例を示す図である。
第1エネルギーEtの値は、例えば、3keVであった。
以下、図7を用いて、上記の考察を模式的に説明する。図7は、高エネルギー二次X線の強度と粒子状物質の厚みとの関係を模式的に示す図である。
上記の「所定の閾値」は、例えば、試料台15に粒子状物質Pを適切量載置したときに得られる高エネルギー二次X線の強度の実測値であってもよいし、理論計算により算出された理論値であってもよい。当該「所定の閾値」は、演算部6の記憶装置に記憶されている。
あるいは、演算部6は、粒子状物質Pの分析と状態情報の取得とを同時に実行し、当該状態情報から把握した粒子状物質Pの厚みが十分であるか否かの情報に基づいて、対応する粒子状物質Pの分析が適切であるか否かを判断してもよい。
また、試料台15に同一の粒子状物質Pを載置して二次X線のスペクトルを複数回取得したところ、図8に示すように、第1エネルギーEt以下のエネルギー範囲の二次X線(低エネルギー二次X線と呼ぶ)の強度がより大きく変動する場合があることも判明した。図8は、低エネルギー二次X線の強度が変化する場合の例を示す図である。
以下、図9を用いて、上記の考察を模式的に説明する。図9は、低エネルギー二次X線の強度と粒子状物質の試料台の近傍における状態との関係を模式的に示す図である。
低エネルギー側のX線は粒子状物質Pの内部まで伝搬しにくいとの性質があるため、
粒子状物質Pのごく表面にのみ低エネルギー側のX線が到達する。その結果、粒子状物質Pのごく表面からしか低エネルギー二次X線が発生しない。粒子状物質Pの試料台15に近い側の表面と検出器3との間の距離が大きいので、この場合に検出器3にて取得される低エネルギー二次X線の強度は、図9の(A)の場合に取得される低エネルギー二次X線の強度よりも小さくなる。
上記のように低エネルギー二次X線は粒子状物質Pのごく表面からしか発生せず、かつ、粒子状物質Pの試料台15に近い側の表面と検出器3との間の距離が小さいので、この場合に検出器3にて取得される低エネルギー二次X線の強度は、図9の(A)の場合に取得される低エネルギー二次X線の強度よりも大きくなる。
上記の「所定の閾値」は、例えば、試料台15に粒子状物質Pを密に載置したときに得られる低エネルギー二次X線の強度の実測値であってもよいし、理論計算により算出された理論値であってもよい。当該「所定の閾値」は、演算部6の記憶装置に記憶されている。
上記のように、第1実施形態に係るX線分析装置100は、試料台15に載置された粒子状物質Pから発生する二次X線のスペクトルを用いて、試料台15に載置された粒子状物質Pの厚みに関する情報、試料台15の近傍における粒子状物質Pの載置状態に関する情報を、容易に取得できる。すなわち、第1実施形態に係るX線分析装置100においては、試料台15における粒子状物質Pの厚みや載置状態を簡単に把握できる。
また、この状態情報を用いて、測定対象試料である粒子状物質Pが蛍光X線分析を行うために適切か否かを判断できる。
なぜなら、蛍光X線の強度は他の二次X線(散乱X線)の強度よりも大きいので、粒子状物質Pのより正確な状態情報を短時間に取得できるからである。
図5などに示す例においては、ターゲット由来の蛍光X線のエネルギー値は、エネルギー値E1~E3である。
なぜなら、散乱X線は粒子状物質Pに含まれる元素によらず発生するものであるので、粒子状物質Pに関する情報が少ない場合であっても、当該粒子状物質Pについての状態情報を取得できるからである。
例えば、撮像素子9により取得した粒子状物質Pの画像と、状態情報と、を用いて粒子状物質Pの状態を判断できる。また、粒子状物質Pの画像から、測定対象の粒子状物質P以外の不純物が含まれているか否かを判断できる。
また、二次X線に基づいた粒子状物質Pの厚みに関する情報と、他の方法(超音波、レーザ等)により測定した厚みと、を組み合わせて、粒子状物質Pの厚みを正確に判断できる。
上記の第1実施形態においては、粒子状物質Pから発生した二次X線に基づいて得られた状態情報を、粒子状物質Pの分析が適切に実行させるか否かの警告、及び、検出器3にて検出される二次X線の強度の補正に使用するかのいずれかであった。
上記のように、状態情報は、二次X線の発生箇所に関連して得られる情報であるので、試料台15に載置された粒子状物質Pの特性を測定する目的にも使用できる。
この原理を用いて、演算部6は、低エネルギー二次X線の強度に基づいて、試料台15に載置された粒子状物質Pの表面積に関する情報を取得できる。具体的には、低エネルギー二次X線の強度が大きい場合には表面積が大きいとの情報を取得でき、小さい場合には表面積が小さいとの情報を取得できる。
上記の表面積と低エネルギー二次X線の強度との関係を表す検量線は、予め決められた複数の表面積にて試料台15に粒子状物質Pを載置して複数の二次X線のスペクトルを取得し、取得した二次X線のうちの低エネルギー二次X線の強度と、そのときの表面積の値と、を関連付けて作成できる。
例えば、粒子状物質Pの粒子径がある程度揃っているとすると、試料台15の一定面積に載置される粒子状物質Pの充填率は、図10に示すように、その粒子径により変化する。
具体的には、粒子径が大きい場合には一定面積中の充填率が小さくなり(図10の(A))、粒子径が小さい場合には一定面積中の充填率が大きくなる(図10の(B))。
図10は、粒子状物質の粒子径と充填率との関係を模式的に示す図である。
その一方、小さな粒子径の粒子状物質Pが大きい充填率にて試料台15上に充填された場合には、試料台15の一定面積における粒子状物質Pの表面積は大きくなる。
図11は、粒子状物質の粒子径と低エネルギー二次X線の強度との関係を示す図である。
上記の粒子径と低エネルギー二次X線の強度との関係を表す検量線は、予め決められた異なる粒子径の粒子状物質Pを試料台15に載置して複数の二次X線のスペクトルを取得し、取得した二次X線のうちの低エネルギー二次X線の強度と、そのときの粒子状物質Pの粒子径と、を関連付けて作成できる。
また、粒子径を適切に算出するためには、少なくとも、測定対象の粒子状物質Pの粒子径よりも十分に大きな領域にX線を照射することが好ましい。
さらに、粒子径を正確に測定するためには、試料台15に載置された粒子状物質Pの広い範囲にX線を照射することが好ましい。
上記の厚さと高エネルギー二次X線の強度との関係を表す検量線は、予め決められた複数の厚みにて試料台15に粒子状物質Pを載置して複数の二次X線のスペクトルを取得し、取得した二次X線のうちの高エネルギー二次X線の強度と、そのときの厚みと、を関連付けて作成できる。
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)粒子状物質Pが載置されていない試料台15にX線を照射したときに発生する二次X線を、検出器3にて検出されるX線の強度の校正に使用してもよい。
X線源2から発生させるX線のエネルギーの最大値は、例えば、X線源2のターゲットに当てる電子の加速電圧を、発生させたいX線のエネルギーの最大値に対応する電圧とすることで変更できる。
これにより、上記の学習済みモデルである演算部6は、得られた二次X線スペクトルから、粒子状物質Pについての状態情報を自動的に取得できる。
これにより、学習済みモデルである演算部6は、得られた二次X線スペクトルと他の手段による情報とに基づいて、粒子状物質Pについての状態情報を自動的に取得できる。例えば、得られた二次X線スペクトルと粒子状物質Pの画像から、不純物が含まれているか否かを自動的に判断できる。
1 試料支持部
11 貫通孔
12 着脱部
13 基部
14 X線透過膜
15 試料台
2 X線源
21 出射口
3 検出器
31 入射口
4 開口部材
41~43 開口
44 校正用試料
45 窓部
5 遮蔽体
51 開口
6 演算部
7 切換部
71 シャフト
8 表示部
9 撮像素子
Et 第1エネルギー
P 粒子状物質
Claims (13)
- 試料から発生する蛍光X線を用いて前記試料を分析するX線分析装置であって、
前記試料が載置される試料台と、
前記試料台に載置された前記試料にX線を照射するX線源と、
前記試料に前記X線を照射することにより発生した二次X線を検出する検出器と、
前記検出器により検出された前記二次X線の強度に基づいて、前記試料の前記試料台における状態に関する状態情報を取得する演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記状態情報に基づいて前記試料の前記試料台における状態を判断し、前記試料の前記試料台における状態が適切か否かに基づいて、前記試料に含まれる元素を分析するか否かを決定し、
前記演算部は、前記二次X線のうち、前記試料台の近傍までしか伝搬しない低いエネルギーを有するX線が前記試料に照射されることにより前記試料台の近傍に存在する前記試料から発生する低エネルギー二次X線の強度に基づいて、前記試料台に載置された前記試料の表面状態に関する情報を取得する、
X線分析装置。 - 前記演算部は、前記低エネルギー二次X線の強度に基づいて、前記試料台に載置された前記試料の表面積に関する情報を取得する、請求項1に記載のX線分析装置。
- 前記演算部は、前記低エネルギー二次X線の強度に基づいて、前記試料台に載置された前記試料の粒子径に関する情報を取得する、請求項1又は2に記載のX線分析装置。
- 前記演算部は、前記二次X線のうち、第1エネルギーより大きいエネルギーを有する高エネルギー二次X線の強度に基づいて、前記試料台に載置された前記試料の厚みに関する情報を取得する、請求項1~3のいずれかに記載のX線分析装置。
- 前記演算部は、前記二次X線のうち、前記試料から発生する散乱X線の強度に基づいて、前記状態情報を取得する、請求項1~4のいずれかに記載のX線分析装置。
- 前記演算部は、前記二次X線のうち、前記試料に含まれる元素に由来する蛍光X線の強度に基づいて、前記状態情報を取得する、請求項1~5のいずれかに記載のX線分析装置。
- 前記検出器にて検出されるX線を校正するための校正用試料と、
前記X線源から発生するX線を通過させる開口が設けられた開口部材と、
前記校正用試料又は前記開口部材の開口を、前記X線源と前記試料台との間に切り換えて配置する切換部と、
をさらに備える、請求項1~6のいずれかに記載のX線分析装置。 - 前記試料台の少なくとも前記試料が載置される表面は導電性を有する、請求項1~7のいずれかに記載のX線分析装置。
- 前記試料台の表面は、導電性を有する材料にてコーティングされている、請求項8に記載のX線分析装置。
- 前記試料台の表面にコーティングされる材料は、導電性を有する金属、又は、ダイヤモンドライクカーボンである、請求項9に記載のX線分析装置。
- 前記試料台は導電性を有する金属又はグラファイトにて構成される、請求項8~10のいずれかに記載のX線分析装置。
- 試料台を備えるX線分析装置を用いた試料の分析方法であって、
前記試料台に載置された前記試料にX線を照射するステップと、
前記試料に前記X線を照射することにより発生した二次X線を検出するステップと、
検出された前記二次X線の強度に基づいて、前記試料の前記試料台における状態に関する状態情報を取得するステップと、
前記状態情報に基づいて前記試料の前記試料台における状態を判断し、前記試料の前記試料台における状態が適切か否かに基づいて、前記試料に含まれる元素を分析するか否かを決定するステップと、
を含み、
前記状態情報を取得するステップは、前記二次X線のうち、前記試料台の近傍までしか伝搬しない低いエネルギーを有するX線が前記試料に照射されることにより前記試料台の近傍に存在する前記試料から発生する低エネルギー二次X線の強度に基づいて、前記試料台に載置された前記試料の表面状態に関する情報を取得するステップを含む、
分析方法。 - 試料台に載置された試料にX線を照射するステップと、
前記試料に前記X線を照射することにより発生した二次X線を検出するステップと、
検出された前記二次X線の強度に基づいて、前記試料の前記試料台における状態に関する状態情報を取得するステップと、
前記状態情報に基づいて前記試料の前記試料台における状態を判断し、前記試料の前記試料台における状態が適切か否かに基づいて、前記試料に含まれる元素を分析するか否かを決定するステップと、
を含み、
前記状態情報を取得するステップが、前記二次X線のうち、前記試料台の近傍までしか伝搬しない低いエネルギーを有するX線が前記試料に照射されることにより前記試料台の近傍に存在する前記試料から発生する低エネルギー二次X線の強度に基づいて、前記試料台に載置された前記試料の表面状態に関する情報を取得するステップを含む、
分析方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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