JP7327565B2 - 文書処理システム、文書処理装置、及び、文書処理プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、文書処理システム、文書処理装置、及び、文書処理プログラムに関する。
従来、電子文書の処理(編集あるいは管理など)を行う種々の文書処理アプリケーションが知られている。特に、処理対象の電子文書に対して複数種類のオブジェクト(例えばスタンプや付箋など)を付与することが可能な文書処理アプリケーションが知られている。例えば、非特許文献1には、現実に机の上に並んだ紙文書を扱うような感覚で、電子文書に対する、複数種類のオブジェクトの付与を含む処理が可能な文書処理アプリケーションが開示されている。
また、従来、文書処理アプリケーションの表示画面には、処理対象の電子文書に複数種類のオブジェクトのそれぞれを付与する命令が割り当てられた複数のオブジェクト付与ボタンが表示される場合がある。このような複数のオブジェクト付与ボタンに対応する複数のオブジェクトを利用者が任意にカスタマイズ可能となっている場合もある。例えば、特許文献1には、オブジェクトの付与命令が割り当てれたオブジェクト付与ボタンを表示する文書処理アプリケーションであって、オブジェクト付与ボタンに割り当てられたオブジェクトの付与命令を利用者がより好適にカスタマイズできる文書処理アプリケーションが開示されている。
DocuWorks 8,富士ゼロックス,"http://www.fujixerox.co.jp/product/catalog/pdf/docuworks8_1307_7.pdf"
利用者は、複数の装置で文書処理アプリケーションを利用する場合がある。その一例としては、パーソナルコンピュータで文書処理アプリケーションを実行して処理対象の電子文書に対する処理を行い、外出先でも当該電子文書に対して処理を行うべく、モバイル端末で当該文書処理アプリケーションを実行する場合がある。
ここで、文書処理アプリケーションを実行する複数の装置間において性能の差がある場合がある。装置の性能の差とは、表示部の画面サイズの差、及び、文書処理アプリケーションにおいて付与可能なオブジェクトの種類の差を含むものである。なお、文書処理アプリケーションにおいて付与可能なオブジェクトの種類の差は、例えば、各装置のOS(Operation System)の違いに起因して生じ得る。
第1装置と、第1装置よりも性能が劣る第2装置で文書アプリケーションを実行する場合を例に考える。第1装置と第2装置間の性能の差に起因して、第1装置における文書処理アプリケーションの表示画面(以下単に「第1装置の表示画面」と記載する、第2装置についても同様)に表示される複数のオブジェクト付与ボタンの全てを第2装置の表示画面に表示させた場合、利用者が第2装置において当該文書処理アプリケーションを快適に利用することができなくなる場合がある。
第1に、第2装置の表示部の画面サイズが、第1装置の表示部の画面サイズよりも小さい場合に、利用者が第2装置において当該文書処理アプリケーションを快適に利用することができなくなる場合がある。詳しくは、第1装置においては、表示画面が広いために、複数のオブジェクト付与ボタンを表示しても十分な広さの文書表示領域(処理対象の電子文書が表示される領域)を確保でき、電子文書の視認性が十分に得られる一方、第2装置においては、表示画面が狭いために、当該複数のオブジェクト付与ボタンを全て表示させると、文書表示領域が圧迫されるか、あるいは、処理対象の電子文書に重なって複数のオブジェクト付与ボタンが表示されることになってしまい、電子文書の視認性が低下する場合がある。
第2に、第2装置で文書処理アプリケーションを実行した場合に当該文書処理アプリケーションの機能が制限され、第2装置で実行された文書アプリケーションにおいて処理対象の電子文書に付与可能なオブジェクトの種類が、第1装置で当該文書処理アプリケーションを実行した場合に処理対象の電子文書に付与可能なオブジェクトの種類よりも少ない場合(すなわち第1装置においては付与可能であって第2装置においては付与できないオブジェクトの種類がある場合)、利用者が第2装置において当該文書処理アプリケーションを快適に利用することができなくなる場合がある。詳しくは、第1装置の表示画面に表示された複数のオブジェクト付与ボタンを第2装置の表示画面に全て表示させると、第2装置で実行された文書処理アプリケーションにおいて、処理対象の電子文書に付与できない種類のオブジェクトに対応するオブジェクト付与ボタンが表示されてしまう場合がある。この場合、第2装置において、付与できない種類のオブジェクトに対応するオブジェクト付与ボタンを利用者が選択しても、利用者が意図するオブジェクトを付与できないこととなり、利用者を混乱させることになる。
上記問題を解決すべく、第1装置の表示画面に表示される複数のオブジェクト付与ボタンのうちの一部を第2装置の表示画面に表示することが考えられる。しかしながら、単に表示するオブジェクト付与ボタンの数を減らすのではなく、第1装置の表示画面に表示される複数のオブジェクト付与ボタンに対応する複数種類のオブジェクトのうち、利用者の要求に応じて選択された選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを第2装置の表示画面に表示するのが望ましい。
本発明の目的は、文書処理アプリケーションを実行可能な第1装置よりも性能が劣る第2装置において当該文書処理アプリケーションを実行する場合に、第1装置に表示された複数のオブジェクト付与ボタンに対応する複数種類のオブジェクトのうち、第2装置の性能及び利用者の要求に応じて選択された選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを表示することにある。
請求項1に係る発明は、文書処理アプリケーションを実行可能な第1装置と第2装置とを備える文書処理システムであって、前記第1装置は、前記文書処理アプリケーションにおいて、処理対象の電子文書と、前記電子文書に付与可能な複数種類のオブジェクトそれぞれの付与命令が割り当てられた複数のオブジェクト付与ボタンを第1表示部に表示するよう制御する第1表示制御部と、ユーザの指示に応じて、電子文書毎に、前記複数のオブジェクト付与ボタンに対応する前記複数種類のオブジェクトのうちの一部のオブジェクトである選択オブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、前記電子文書の識別情報と前記選択オブジェクトの組み合わせを示す選択オブジェクト情報を前記第2装置へ向けて送信する送信部と、を有し、前記第2装置は、前記第1表示部よりもサイズが小さい第2表示部に前記電子文書を表示した場合に、前記選択オブジェクト情報に基づいて、前記選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを前記第2表示部に表示するよう制御する第2表示制御部と、を有する第2装置と、を備えることを特徴とする文書処理システムである。
請求項2に係る発明は、前記第2表示制御部は、処理対象の電子文書が表示される文書表示領域内に、前記選択オブジェクト付与ボタンを表示する、ことを特徴とする請求項1に記載の文書処理システムである。
請求項3に係る発明は、実行した文書処理アプリケーションにおいて、処理対象の電子文書と、前記電子文書に付与可能な複数種類のオブジェクトそれぞれの付与命令が割り当てられた複数のオブジェクト付与ボタンを第1表示部に表示するよう制御する第1表示制御部と、ユーザの指示に応じて、電子文書毎に、前記複数のオブジェクト付与ボタンに対応する前記複数種類のオブジェクトのうちの一部のオブジェクトである選択オブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、前記電子文書の識別情報と前記選択オブジェクトの組み合わせを示す選択オブジェクト情報を、前記第1表示部よりもサイズが小さい第2表示部に前記電子文書を表示した場合に、前記選択オブジェクト情報に基づいて、前記選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを前記第2表示部に表示するよう制御する第2装置へ向けて送信する送信部と、を備えることを特徴とする文書処理装置である。
請求項4に係る発明は、コンピュータを、実行した文書処理アプリケーションにおいて、処理対象の電子文書と、前記電子文書に付与可能な複数種類のオブジェクトそれぞれの付与命令が割り当てられた複数のオブジェクト付与ボタンを第1表示部に表示するよう制御する第1表示制御部と、ユーザの指示に応じて、電子文書毎に、前記複数のオブジェクト付与ボタンに対応する前記複数種類のオブジェクトのうちの一部のオブジェクトである選択オブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、前記電子文書の識別情報と前記選択オブジェクトの組み合わせを示す選択オブジェクト情報を、前記第1表示部よりもサイズが小さい第2表示部に前記電子文書を表示した場合に、前記選択オブジェクト情報に基づいて、前記選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを前記第2表示部に表示するよう制御する第2装置へ向けて送信する送信部と、として機能させることを特徴とする文書処理プログラムである。
請求項1、3、又は4に係る発明によれば、第1装置よりも表示部のサイズが小さい第2装置において文書処理アプリケーションを実行する場合に、第1装置に表示された複数のオブジェクト付与ボタンに対応する複数種類のオブジェクトのうち、第2装置の性能及び利用者の要求に応じて選択された選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを表示することができる。
請求項2に係る発明によれば、処理対象の電子文書の種類に応じた選択オブジェクトが割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを第2装置における表示画面に表示させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る文書処理システム10の構成概略図である。文書処理システム10は、第1装置あるいは他の装置としてのPC(Personal Computer)12、第2装置あるいは文書処理装置としてのモバイル端末14、及び、コンピュータからなるサーバ16を含んで構成される。PC12、モバイル端末14、及びサーバ16は、LAN(Local Area Network)あるいはインターネットなどを含む通信回線18を介して互いに通信可能に接続される。なお、PC12及びモバイル端末14は、有線あるいは無線通信によって直接通信可能となっていてもよい。その場合においては、文書処理システム10は、必ずしもサーバ16を含む必要はない。
図1は、第1実施形態に係る文書処理システム10の構成概略図である。文書処理システム10は、第1装置あるいは他の装置としてのPC(Personal Computer)12、第2装置あるいは文書処理装置としてのモバイル端末14、及び、コンピュータからなるサーバ16を含んで構成される。PC12、モバイル端末14、及びサーバ16は、LAN(Local Area Network)あるいはインターネットなどを含む通信回線18を介して互いに通信可能に接続される。なお、PC12及びモバイル端末14は、有線あるいは無線通信によって直接通信可能となっていてもよい。その場合においては、文書処理システム10は、必ずしもサーバ16を含む必要はない。
また、第1実施形態においては、第1装置としてPC12、第2装置としてモバイル端末14が用いられているが、第1装置及び第2装置としてはその他の装置であってもよい。第1実施形態においては、第1装置及び第2装置は、後述の文書処理アプリケーションを実行でき、且つ、第2装置の表示部のサイズが第1装置の表示部のサイズよりも小さい限りにおいて、種々の装置を利用することができる。
図2は、PC12の構成概略図が示されている。
記憶部20は、例えばハードディスク、ROM(Read Only Memory)、あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。記憶部20には、処理対象となる電子文書あるいはPC12における処理結果などが記憶される。また、PC12には、電子文書に対する処理を行う文書処理アプリケーション22がインストールされ、それにより記憶部20に文書処理アプリケーション22が記憶される。なお、文書処理アプリケーション22の詳細については後述する。さらに、記憶部20には、文書処理アプリケーション22を実行すると共にPC12の各部を動作させるためのプログラムが記憶される。
通信部24は、例えばネットワークアダプタ、Lightning(登録商標)インターフェース、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス、あるいはブルートゥース(登録商標)インターフェースなどを含んで構成される。通信部24は、通信回線18を介して、モバイル端末14及びサーバ16と通信する機能を発揮する。あるいは、通信部24は、モバイル端末14と直接接続するためのインターフェースの機能を発揮する。これにより、例えば、文書処理アプリケーション22により処理済みの電子文書などをサーバ16に送信したり、モバイル端末14に送信することができる。
操作受付部26は、例えばマウスあるいはキーボードなどを含んで構成される。操作受付部26は、利用者(ユーザ)からのPC12への命令、特に、PC12で実行される文書処理アプリケーション22への命令を入力するための操作を受け付ける。
第1表示部としての表示部28は、例えば液晶パネルなどを含んで構成される。表示部28は、種々の画面、特に、文書処理アプリケーション22の表示画面を表示する。表示部28の画面サイズは、モバイル端末14の表示部(後述)の画面サイズよりも大きくなっている。
制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)などを含んで構成される。制御部30は、記憶部20に記憶されたプログラムに従って、PC12の各部を制御するものである。また、制御部30は、インストールされた文書処理アプリケーション22を実行することで、処理実行部32、及び、アノテーション選択部34としての機能も発揮する。
処理実行部32は、文書処理アプリケーション22を実行する処理を行う。具体的には、処理実行部32は、表示部28に文書処理アプリケーション22の表示画面(以下単に「PC12の表示画面」と記載する)を表示させる処理を実行する。このように、処理実行部32は、第1表示制御部としても機能する。また、処理実行部32は、PC12で実行される文書処理アプリケーション22において、処理対象の電子文書に付与可能な複数種類のアノテーションそれぞれの付与命令が割り当てられた、複数のオブジェクト付与ボタンとしての複数のアノテーション付与ボタンをPC12の表示画面に表示させる。
アノテーションとは、処理対象の電子文書に付与されるオブジェクトである。文書処理アプリケーション22においては、処理対象の電子文書を複数のレイヤを含むレイヤ構造で処理することができる。例えば、電子文書本体がレイヤ1に配置され、文書処理アプリケーション22により付与されるアノテーションは、電子文書本体とは異なるレイヤであるレイヤ2に配置される。したがって、アノテーションとは、電子文書本体とは異なるレイヤに配置(付与)されるオブジェクトということができる。
処理実行部32は、操作受付部26が受け付けたユーザの操作に応じて、文書処理アプリケーション22が実行可能な各機能を実行する。特に、処理実行部32は、PC12の表示画面に表示された複数のアノテーション付与ボタンのいずれかがユーザにより選択された場合に、選択されたアノテーション付与ボタンに対応するアノテーションを処理対象の電子文書に付与する処理を実行する。このように、処理実行部32は、第1オブジェクト付与部としても機能する。
アノテーション選択部34は、表示部28に表示された複数のアノテーション付与ボタンに対応する複数種類のアノテーションの中から、一部の種類のアノテーションを選択する。このように選択されたアノテーションを選択アノテーションと記載する。文書処理アプリケーション22と同じ文書処理アプリケーションがモバイル端末14で実行された場合に、当該文書処理アプリケーションの表示画面に、選択アノテーションが割り当てられた選択アノテーション付与ボタン(後述)が表示される。アノテーション選択部34は、ユーザの指示に応じて選択アノテーションを選択する。
以下、文書処理アプリケーション22の詳細と共に、処理実行部32及びアノテーション選択部34が実行する処理の詳細を説明する。
図3は、PC12の表示画面の例を示す図である。PC12の表示画面は、メニューバー40、1又は複数のツールバー42が表示されるツールバー領域44、及び、処理対象の電子文書46が表示される文書表示領域48を含んで構成される。なお、PC12の表示画面には、上述の各領域の他、例えば、PC12のフォルダツリーを表示するフォルダ領域などが含まれていてもよい。また、各領域の大きさ(サイズ)は、ユーザによって変更可能となっていてもよい。
PC12の表示画面には、ユーザによる操作受付部26の操作に応じて画面上を移動するカーソル50が表示される。具体的には、マウスの操作などによりカーソル50の位置が変更される。
メニューバー40は、「ファイル」「編集」「表示」などの大項目を有するメインメニューを含むものである。それぞれの大項目にカーソル50を合わせて選択(これは例えばマウスの左クリックなどで実現される)するとドロップダウンリストで詳細な命令が表示され、表示された詳細な命令を選択することで、ユーザが文書処理アプリケーション22に命令を入力することができる。
ツールバー42は、PC12で実行される文書処理アプリケーション22が実行可能な各機能を実行する命令が割り当てられたアイコン付きのボタン52を含む帯状の領域である。一例として、ツールバー42は、メニューバー40の大項目に対応して設けられる。すなわち、1つのツールバー42に含まれる各ボタン52は、1つの大項目に含まれる各命令が割り当てられたものとなる。例えば、大項目「ファイル」に対応するツールバー42には、大項目「ファイル」から選択可能な命令である「ファイル(電子文書)を開く」あるいは「保存」などに対応するボタン52が含まれる。あるいは、複数の大項目からユーザによって任意に選択された複数の命令が割り当てられた複数のボタン52を含むツールバー42が表示されてもよい。
ツールバー領域44に表示される複数のツールバー42の中には、複数種類のアノテーションを電子文書46に付与するために用いられるアノテーションツールバー42aが含まれる。アノテーションツールバー42aは、複数種類のアノテーションそれぞれを電子文書46に付与する付与命令が割り当てられた複数のアノテーション付与ボタン52aを含む。なお、図3には示されていないが、各アノテーション付与ボタン52aには、対応するアノテーションを示すアイコン(図柄)が付されている。
複数種類のアノテーションは、例えば、基本アノテーション、スタンプアノテーション、及び、図形アノテーションといったカテゴリに分類される。各カテゴリには、それぞれ複数種類のアノテーションが分類される。例えば、基本アノテーションには、テキストや付箋などの各種アノテーションが含まれ、スタンプアノテーションには、重要、承認、回覧、社外秘、検、済などの各種アノテーションが含まれ、図形アノテーションには、矩形、円形、直線、雲型などの各種アノテーションが含まれる。
ユーザは、アノテーションツールバー42aに含まれるいずれかのアノテーション付与ボタン52aを選択し、文書表示領域48内において、アノテーションを付与したい位置をカーソル50で指定することで、指定位置に当該アノテーションを付与することができる。このように、文書処理アプリケーション22は、電子文書46に複数種類のアノテーションを付与可能となっている。
また、図3に示す通り、処理実行部32は、1又は複数のアノテーション付与ボタン52aを文書表示領域48内に表示させることができる。本実施形態においては、アノテーション付与ボタン52aを含むツールボックス54を文書表示領域48内に表示可能となっている。なお、本実施形態においては、複数のアノテーション付与ボタン52aを含むツールボックス54が文書表示領域48内に表示可能となっているが、アノテーション付与ボタン52aの表示態様はこれに限られるものではない。
また、図3に示す通り、本実施形態では、複数のツールボックス54が文書表示領域48内に表示される。本実施形態においては、各ツールボックス54は、アノテーションの各カテゴリに対応するものとなっている。例えば、1つ目のツールボックス54には基本アノテーションの各種アノテーションに対応するアノテーション付与ボタン52aが含まれ、2つ目のツールボックス54にはスタンプアノテーションの各種アノテーションに対応するアノテーション付与ボタン52aが含まれ、3つ目のツールボックス54には図形アノテーションの各種アノテーションに対応するアノテーション付与ボタン52aが含まれる。なお、ツールボックス54に含まれる各アノテーション付与ボタン52aにも、対応するアノテーションを示すアイコン(図柄)が付されている。
各ツールボックス54に含まれるアノテーション付与ボタン52aに対応するアノテーションは、ユーザが任意に選択(カスタマイズ)することができるようになっていてもよい。これにより、例えば、ユーザがよく使うアノテーションをアノテーション付与ボタン52aに対応付けるようにすることができる。
アノテーション付与ボタン52aが文書表示領域48に表示された場合、電子文書46に付与するアノテーションの選択と付与位置の指定を行う際に、ツールバー領域44に配置されたアノテーションツールバー42aに含まれるアノテーション付与ボタン52aを利用する場合に比して、カーソル50の移動量を低減させることができる。すなわち、より簡易な操作で処理が可能になる。また、複数のアノテーションに対応する複数のアノテーション付与ボタン52aを含むツールボックス54が電子文書46の近傍に表示されることで、ユーザは、現実世界において、種々の筆記具などが入れられた筆箱を紙文書の横に置いた状態で紙文書に書き込みあるいは押印をする感覚(操作感)でアノテーション付与処理を行うことができる。
図4は、選択アノテーションを選択する画面の例を示す図である。ユーザは、所定の操作を行うことで、PC12の表示画面に選択アノテーションを選択するための選択ウィンドウ60を表示することができる。選択ウィンドウ60には、PC12で実行される文書処理アプリケーション22において、電子文書46に付与可能な複数種類のアノテーションが表示される。ユーザは、表示された複数種類のアノテーションのうちの一部の種類のアノテーションを選択アノテーションとして選択する。上述の通り、あるいは詳しくは後述するように、選択アノテーションは、文書処理アプリケーション22と同じ文書処理アプリケーションがモバイル端末14で実行された場合に、モバイル端末14で実行された文書処理アプリケーションの表示画面に表示される選択アノテーション付与ボタンに対応するアノテーションとなる。
本実施形態においては、選択ウィンドウ60には、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54に対応する複数のアノテーションのカテゴリが表示され、ユーザは、その中から一部のアノテーションのカテゴリを選択する。図4の例では、各アノテーションのカテゴリの横に表示されるチェックボックスにチェックを入れることで当該カテゴリを選択することができるようになっている。本実施形態においては、各ツールボックス54が各カテゴリに対応したものとなっているから、選択ウィンドウ60においてアノテーションのカテゴリを選択することは、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54のうちの一部のツールボックス54を選択することと同義である。
また、選択ウィンドウ60においては、PC12で実行された文書処理アプリケーション22でユーザが最近使った(付与した)アノテーションを選択アノテーションとして選択することができる。最近使ったアノテーション(ここではN個あるとする)とは、現時点を基準に、前回電子文書46に付与されたアノテーションからN回前に電子文書46に付与されたアノテーションまでを含むものである。なお、文書処理アプリケーション22においては、ユーザによりアノテーションの付与命令を受け付ける度に、当該アノテーションを最近使ったアノテーションとして記憶部20に一時保持しておく。最近使ったアノテーションはある一定数のみ記憶され、それ以上の数のアノテーションが付与された場合は、記憶部12に記憶された最近使ったアノテーションはFIFO(First In First Out)で更新される。
また、選択ウィンドウ60においては、電子文書46の種類毎に選択アノテーションを選択することが可能となっていてもよい。図4の例では、選択ウィンドウ60に含まれるチェックボックス62をチェックすると、選択ウィンドウ60で選択した選択アノテーションは、現在の処理対象である電子文書46の種類のみに適用されるものとなる。
なお、電子文書の種類としては、例えば、図面、契約書、説明資料、報告書、申請書、議事録、あるいは伝票などがある。
もちろん、上記方法は、選択アノテーションを電子文書46の種類毎に選択する方法の一例であり、その他の方法によって、電子文書46の種類毎に選択アノテーションを選択するようにしてもよい。
さらに、選択ウィンドウ60において、電子文書46毎に個別に選択アノテーションを選択することが可能となっていてもよい。電子文書46毎に個別に選択アノテーションを選択する方法としては、例えば、選択ウィンドウ60に含まれるチェックボックスをチェックすると、選択ウィンドウ60で選択した選択アノテーションが、現在の処理対象である電子文書46のみに適用されるものとする方法を用いることができる。
選択ウィンドウ60においてユーザが選択アノテーションを選択し、OKボタンを押してこれを確定すると、アノテーション選択部34は、当該ユーザを示すユーザ識別情報(これはPC12がユーザ認証を実行することで取得される)と、当該ユーザが選択した選択アノテーションを示す選択アノテーション情報とをサーバ16に送信する。選択ウィンドウ60において最近使ったアノテーションが選択された場合は、ユーザ識別情報と、記憶部20に記憶されている複数の最近使ったアノテーションを示す選択アノテーション情報とをサーバ16に送信する。
電子文書46の種類毎に選択アノテーションが選択された場合には、アノテーション選択部34は、ユーザ識別情報と、電子文書の種類と選択アノテーションの組み合わせを示す選択アノテーション情報とをサーバ16に送信する。また、電子文書46毎に個別に選択アノテーションが選択された場合には、ユーザ識別情報と、電子文書の識別情報と選択アノテーションの組み合わせを示す選択アノテーション情報とをサーバ16に送信する。
サーバ16は、受信した識別情報と選択アノテーション情報を関連付けて記憶する。すなわち、サーバ16は選択アノテーション情報をユーザ毎に管理する。また、文書処理システム10がサーバ16を有さない場合には、アノテーション選択部34は、ユーザ識別情報と選択アノテーション情報とを関連付けて記憶部20に記憶させる。
図5は、モバイル端末14の構成概略図が示されている。
記憶部70は、例えば、ROMあるいはRAMなどを含んで構成される。記憶部70には、処理対象となる電子文書あるいはモバイル端末14における処理結果などが記憶される。また、モバイル端末14には、PC12にインストールされた文書処理アプリケーション22と同じ文書処理アプリケーション72がインストールされ、それにより記憶部70に文書処理アプリケーション72が記憶される。以後、PC12で実行される文書処理アプリケーションを文書処理アプリケーション22と、モバイル端末14で実行される文書処理アプリケーションを文書処理アプリケーション72と符号で区別して記載する。さらに、記憶部70には、文書処理アプリケーション72を実行すると共にモバイル端末14の各部を動作させるための文書処理プログラムが記憶される。
通信部74は、例えばネットワークアダプタ、Lightningインターフェース、USBインターフェイス、あるいはブルートゥースインターフェースなどを含んで構成される。通信部74は、通信回線18を介して、PC12及びサーバ16と通信する機能を発揮する。あるいは、通信部74は、PC12と直接接続するためのインターフェースの機能を発揮する。これにより、例えば、電子文書などをサーバ16から受信したり、PC12から受信することができる。
操作受付部76は、例えばタッチパネルなどを含んで構成される。操作受付部76は、ユーザからのモバイル端末14への命令、特に、文書処理アプリケーション72への命令を入力するための操作を受け付ける。
第2表示部としての表示部78は、例えば液晶パネルなどを含んで構成される。表示部78は、種々の画面、特に、文書処理アプリケーション72の表示画面を表示する。表示部78の画面サイズは、PC12の表示部28の画面サイズよりも小さくなっている。
制御部80は、例えばCPUなどを含んで構成される。制御部80は、記憶部70に記憶されたプログラムに従って、モバイル端末14の各部を制御するものである。また、制御部80は、インストールされた文書処理アプリケーション72を実行することで、処理実行部82としての機能も発揮する。
処理実行部82は、文書処理アプリケーション72を実行する処理を行う。具体的には、処理実行部82は、表示部78に文書処理アプリケーション72の表示画面(以下単に「モバイル端末14の表示画面」と記載する)を表示させる処理を実行する。このように、処理実行部82は、第2表示制御部としても機能する。特に、処理実行部82は、モバイル端末14の表示画面において、上述の選択アノテーションの付与命令が割り当てられた選択アノテーション付与ボタンを表示させる。選択アノテーション付与ボタンの表示処理の詳細については後述する。
また、処理実行部82は、操作受付部76が受け付けたユーザの操作に応じて、文書処理アプリケーション72が実行可能な各機能を実行する。特に、処理実行部32は、文書処理アプリケーション72が付与可能なアノテーションを処理対象の電子文書に付与する処理を実行する。このように、処理実行部82は、第2オブジェクト付与部としても機能する。
以下、文書処理アプリケーション72の詳細と共に、処理実行部82が実行する選択アノテーション付与ボタンの表示処理の詳細を説明する。
図6は、モバイル端末14の表示画面の例を示す図である。モバイル端末14の表示画面は、処理対象の電子文書90が表示される文書表示領域92及びメニューバー94を含んで構成される。
文書表示領域92に表示される電子文書90は、PC12からサーバ16へ送信された電子文書とすることができる。この場合、ユーザは、モバイル端末14を用いてサーバ16へアクセスし、ユーザ認証を行う。その上で、サーバ16に記憶された所望の電子文書90をモバイル端末14にダウンロードする。その際、当該ユーザに対応する選択アノテーション情報も一緒にダウンロードされる。また、文書表示領域92に表示される電子文書90は、PC12から直接受信した電子文書とすることができる。この場合、モバイル端末14は、PC12の記憶部20に記憶された所望の電子文書90を受信する。その際、当該ユーザに対応する選択アノテーション情報も一緒にPC12から受信する。
メニューバー94は、「プリント」「操作」「編集」などの大項目に対応するボタンを有する。それぞれの大項目を選択(これは例えばボタンをタップすることなどで実現される)すると、メニューバー94が表示されていた位置に、選択された大項目に含まれる各命令が割り当てられた複数のボタンを含む新たなバーが表示される。図7には、大項目「編集」が選択された場合に、メニューバー94に代えて、大項目「編集」に含まれる各命令が割り当てられた複数のボタン96を含む編集バー98が表示された様子が示されている。編集バー98には、電子文書90にアノテーションを付与する命令が割り当てられたアノテーション付与ボタン96aが含まれていてもよい。
図8は、モバイル端末14の表示画面に選択アノテーション付与ボタン100が表示された例を示す図である。モバイル端末14の表示部78の画面サイズが、PC12の表示部28の画面サイズよりも小さい場合に、編集バー98に含まれる複数のボタン96のうちの1つのボタン96bがユーザによって選択されると、処理実行部82は、サーバ16から、あるいはPC12から直接受信した、当該ユーザに対応する選択アノテーション情報に基づいて、モバイル端末14の表示画面に、当該ユーザが選択した上述の選択アノテーションの付与命令が割り当てられた1又は複数の選択アノテーション付与ボタン100を表示させる。
PC12の表示部28の画面サイズと、モバイル端末14の表示部78の画面サイズとの大きさの比較方法としては以下の方法を採用することができる。例えば、サーバ16に、現在流通している、あるいは過去に流通していたモニタの画面サイズとを関連付けたモニタサイズ一覧を記憶しておく。そして、PC12から電子文書がサーバ16に送信される際に、PC12の表示部28(モニタ)を識別するモニタ識別情報を一緒に送信する。その上で、処理実行部82は、サーバ16に記憶された当該電子文書をダウンロードする際に、サーバ16に記憶されたモニタサイズ一覧と当該電子文書をサーバ16に送信したPC12に関するモニタ識別情報とに基づいて、表示部28のサイズを特定し、モバイル端末14の表示部78の画面サイズと比較するという方法を用いることができる。
PC12とモバイル端末14とが直接通信することによって、PC12からモバイル端末14に電子文書が送信される場合には、PC12とモバイル端末14とが接続された際に、PC12の表示部28の画面サイズを示す情報がモバイル端末14に送信される。処理実行部82は、当該情報により表示部28のサイズを特定し、モバイル端末14の表示部78の画面サイズと比較する。
本実施形態においては、処理実行部82は、文書表示領域92内に選択アノテーション付与ボタン100を表示させる。選択アノテーション付与ボタン100を文書表示領域92内に表示させることで、ユーザはより簡易な操作でアノテーション付与処理が可能になる。
上述の通り、本実施形態においては、ユーザは、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54に対応する複数のアノテーションのカテゴリの中から一部のアノテーションのカテゴリを選択している。すなわち、ユーザは、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54のうちの一部のツールボックス54を選択している。したがって、本実施形態においては、モバイル端末14の表示画面には、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54のうちの一部のツールボックスと同内容のツールボックス102が表示されることになる。図8の例では、PC12に表示画面に表示された、基本アノテーションのツールボックス54、スタンプアノテーションのツールボックス54、及び、図形アノテーションのツールボックス54のうち、スタンプアノテーションのツールボックス54と同内容のツールボックス102がモバイル端末14の表示画面に表示されている。
選択アノテーションが電子文書の種類毎に設定され、選択アノテーション情報が電子文書の種類と選択アノテーションの組み合わせを示す場合は、処理実行部82は、ユーザによりボタン96bが選択された際に、電子文書90の種類に応じた選択アノテーションの付与命令が割り当てられた選択アノテーション付与ボタン100を表示する。
電子文書90の種類の判定方法としては、以下の方法を採用することができる。例えば、電子文書90のファイル名に基づいて、当該電子文書90の種類を判定する方法を用いることができる。例えば、電子文書90のファイル名に「図」あるいは「図面」などの文字列を含むのであれば、当該電子文書90の種類は図面であると判断できる。あるいは、サーバ16あるいはPC12が電子文書を種類毎に区別して管理しておくという方法を用いることができる。例えば、サーバ16あるいはPC12は、電子文書の各種類に応じた複数のフォルダを予め用意しておき、電子文書の種類に応じたフォルダに当該電子文書を格納する。その上で、モバイル端末14の処理実行部82は、電子文書90のダウンロード元(フォルダ)に基づいて、電子文書の種類を判断するようにしてもよい。
また、選択アノテーションが電子文書毎に個別に設定され、選択アノテーション情報が電子文書の識別情報と選択アノテーションの組み合わせを示す場合は、処理実行部82は、ユーザによりボタン96bが選択された際に、選択アノテーション情報に含まれる電子文書の識別情報に基づいて、電子文書90に応じた選択アノテーションの付与命令が割り当てられた選択アノテーション付与ボタン100を表示する。
なお、選択アノテーション付与ボタン100は、電子文書90が表示された際や、メニューバー94の「編集」ボタンが選択された際など、ボタン96bが選択された場合に限らず、あらゆるタイミングで表示されてもよい。また、電子文書90が表示されている際に、常時表示されていてもよいし、表示する電子文書90の種類が切り替わるごとに、電子文書の種類に対応付けられた選択アノテーション付与ボタン100が切り替わって表示されてもよい。
以上説明した通り、第1実施形態においては、モバイル端末14の表示部78の画面サイズがPC12の表示部28の画面サイズよりも小さい場合に、PC12の表示画面に表示された複数のアノテーション付与ボタン52aに対応するアノテーションの一部のアノテーションの付与命令が割り当てられた選択アノテーション付与ボタン100が表示される。本実施形態では、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54のうちの一部のツールボックスと同内容のツールボックス102がモバイル端末14の表示画面に表示される。これにより、モバイル端末14の表示画面において、文書表示領域の圧迫が抑制され、あるいは、文書表示領域92にツールボックス102が重なる領域が小さくなるから、電子文書90の視認性の低下を防ぐことができる。しかも、選択アノテーション付与ボタン100に対応するアノテーションは、ユーザにより選択されたアノテーションであるから、モバイル端末14の表示画面において、当該ユーザがよく使用するアノテーションに対応する選択アノテーション付与ボタン100を表示させることができる。
なお、本実施形態においては、アノテーション選択部34の機能はPC12のみが有しているが、モバイル端末14がアノテーション選択部34を有していてもよい。すなわち、ユーザは、モバイル端末14にて選択アノテーションを選択できるようにしてもよい。この場合は、モバイル端末14の表示画面に選択ウィンドウ60(図4参照)が表示され、モバイル端末14のアノテーション選択部は、選択ウィンドウ60に対するユーザの指示に応じて選択アノテーションを選択する。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る文書処理システム10、PC12、及びモバイル端末14の構成は第1実施形態と同様である。また、PC12の表示画面及びモバイル端末14の表示画面も第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態の説明で用いた図1~図8を用いて第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第2実施形態に係る文書処理システム10、PC12、及びモバイル端末14の構成は第1実施形態と同様である。また、PC12の表示画面及びモバイル端末14の表示画面も第1実施形態と同様である。したがって、第1実施形態の説明で用いた図1~図8を用いて第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の部分については説明を省略する。
第1実施形態においては、モバイル端末14の表示部78の画面サイズがPC12の表示部28の画面サイズよりも小さくなっていたが、第2実施形態においては必ずしもそうである必要はない。その一方で、第2実施形態においては、モバイル端末14の処理実行部82は、文書処理アプリケーション72において、処理対象の電子文書に、PC12の処理実行部32が文書処理アプリケーション22において付与可能な複数種類のアノテーションの内の一部の種類のアノテーションを付与可能となっている。すなわち、文書処理アプリケーション72は、文書処理アプリケーション22に対して機能が制限されており、電子文書に付与可能なアノテーションの種類が文書処理アプリケーション22よりも少なくなっている。
文書処理アプリケーション72の機能の制限は、PC12のOSとモバイル端末14のOSの違いによって生じる。本実施形態では、PC12のOSはWindows(登録商標)あるいはmacOS(登録商標)などであり、これらのOS上で動作する文書処理アプリケーション22は、機能の制限を受けることなく実行可能となっている。一方、モバイル端末14のOSはAndroid(登録商標)あるいはiOS(登録商標)などであり、これらのOS上で動作する文書処理アプリケーション72は、一部の機能が制限される。具体的には、電子文書に対して付与可能なアノテーション種類が制限される。
なお、第2実施形態においても、第1装置としてPC12、第2装置としてモバイル端末14が用いられているが、第1装置及び第2装置としてはその他の装置であってもよい。第2実施形態においては、第1装置及び第2装置は、文書処理アプリケーションを実行でき、且つ、第2装置上で動作する文書処理アプリケーションが付与可能なアノテーションの種類が、第1装置上で動作する文書処理アプリケーションが付与可能なアノテーションの種類よりも少ない限りにおいて、種々の装置を利用することができる。
図8を用いて、第2実施形態における処理実行部82の選択アノテーション付与ボタン100の表示処理を説明する。第2実施形態においては、処理実行部82は、モバイル端末14のOSに起因して文書処理アプリケーション72が付与可能なアノテーションの種類が制限されている場合、例えば、モバイル端末14のOSがAndroidやiOSである場合に以下の処理を実行する。
ユーザによってボタン96bが選択されると、処理実行部82は、サーバ16又はPC12から受信した当該ユーザに対応する選択アノテーション情報を参照し、当該ユーザが選択した選択アノテーションを特定する。さらに、処理実行部82は、選択アノテーションから文書処理アプリケーション72で電子文書90に付与できないアノテーションを省いて、残った1又は複数の選択アノテーションの付与命令が割り当てられた1又は複数の選択アノテーション付与ボタン100を表示する。
第2実施形態においても、ユーザは、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54に対応する複数のアノテーションの中から一部のアノテーションのカテゴリを選択している。すなわち、ユーザは、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54のうちの一部のツールボックス54を選択している。したがって、第2実施形態においては、モバイル端末14の表示画面には、PC12の表示画面に表示された複数のツールボックス54のうちの一部のツールボックスに含まれるアノテーション付与ボタン52aに対応するアノテーションのうち、文書処理アプリケーション72で付与可能なアノテーションの付与命令が割り当てられた選択アノテーション付与ボタン100を含むツールボックス102が表示されることになる。
なお、選択アノテーション付与ボタン100は、電子文書90が表示された際や、メニューバー94の「編集」ボタンが選択された際など、ボタン96bが選択された場合に限らず、あらゆるタイミングで表示されてもよい。また、電子文書90が表示されている際に、常時表示されていてもよい。
なお、第2実施形態においては、処理実行部82が、ユーザにより選択された選択アノテーションの中から、文書処理アプリケーション72で付与可能なアノテーションを選抜していたが、PC12あるいはモバイル端末14の表示画面に表示される選択ウィンドウ60(図4参照)において、最初から文書処理アプリケーション72で付与可能なアノテーションのみを選択候補として表示するようにしてもよい。
以上説明した通り、第2実施形態においては、文書処理アプリケーション72で電子文書90に付与可能なアノテーションが制限されている場合に、PC12の表示画面に表示された複数のアノテーション付与ボタン52aに対応するアノテーションの一部のアノテーションであって、文書処理アプリケーション72で付与可能なアノテーションの付与命令が割り当てられた選択アノテーション付与ボタン100が表示される。すなわち、文書処理アプリケーション72で付与できないアノテーションの付与命令が割り当てられたボタンが表示されないから、ユーザを混乱させることがなくなる。しかも、選択アノテーション付与ボタン100に対応するアノテーションはユーザにより選択されたアノテーションであるから、モバイル端末14の表示画面において、当該ユーザがよく使用するアノテーションに対応する選択アノテーション付与ボタン100を表示させることができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 文書処理システム、12 PC、14 モバイル端末、16 サーバ、18 通信回線、20,70 記憶部、22,72 文書処理アプリケーション、24,74 通信部、26,76 操作受付部、28,78 表示部、30,80 制御部、32,82 処理実行部、34 アノテーション選択部、40,94 メニューバー、42 ツールバー、42a アノテーションツールバー、44 ツールバー領域、46,90 電子文書、48,92 文書表示領域、50 カーソル、52,96,96b ボタン、52a,96a アノテーション付与ボタン、54,102 ツールボックス、60 選択アノテーション選択ウィンドウ、62 チェックボックス、98 編集バー、100 選択アノテーション付与ボタン。
Claims (4)
- 文書処理アプリケーションを実行可能な第1装置と第2装置とを備える文書処理システムであって、
前記第1装置は、
前記文書処理アプリケーションにおいて、処理対象の電子文書と、前記電子文書に付与可能な複数種類のオブジェクトそれぞれの付与命令が割り当てられた複数のオブジェクト付与ボタンを第1表示部に表示するよう制御する第1表示制御部と、
ユーザの指示に応じて、電子文書毎に、前記複数のオブジェクト付与ボタンに対応する前記複数種類のオブジェクトのうちの一部のオブジェクトである選択オブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、
前記電子文書の識別情報と前記選択オブジェクトの組み合わせを示す選択オブジェクト情報を前記第2装置へ向けて送信する送信部と、
を有し、
前記第2装置は、
前記第1表示部よりもサイズが小さい第2表示部に前記電子文書を表示した場合に、前記選択オブジェクト情報に基づいて、前記選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを前記第2表示部に表示するよう制御する第2表示制御部と、
を有する第2装置と、
を備えることを特徴とする文書処理システム。 - 前記第2表示制御部は、処理対象の電子文書が表示される文書表示領域内に、前記選択オブジェクト付与ボタンを表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の文書処理システム。 - 実行した文書処理アプリケーションにおいて、処理対象の電子文書と、前記電子文書に付与可能な複数種類のオブジェクトそれぞれの付与命令が割り当てられた複数のオブジェクト付与ボタンを第1表示部に表示するよう制御する第1表示制御部と、
ユーザの指示に応じて、電子文書毎に、前記複数のオブジェクト付与ボタンに対応する前記複数種類のオブジェクトのうちの一部のオブジェクトである選択オブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、
前記電子文書の識別情報と前記選択オブジェクトの組み合わせを示す選択オブジェクト情報を、前記第1表示部よりもサイズが小さい第2表示部に前記電子文書を表示した場合に、前記選択オブジェクト情報に基づいて、前記選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを前記第2表示部に表示するよう制御する第2装置へ向けて送信する送信部と、
を備えることを特徴とする文書処理装置。 - コンピュータを、
実行した文書処理アプリケーションにおいて、処理対象の電子文書と、前記電子文書に付与可能な複数種類のオブジェクトそれぞれの付与命令が割り当てられた複数のオブジェクト付与ボタンを第1表示部に表示するよう制御する第1表示制御部と、
ユーザの指示に応じて、電子文書毎に、前記複数のオブジェクト付与ボタンに対応する前記複数種類のオブジェクトのうちの一部のオブジェクトである選択オブジェクトを選択するオブジェクト選択部と、
前記電子文書の識別情報と前記選択オブジェクトの組み合わせを示す選択オブジェクト情報を、前記第1表示部よりもサイズが小さい第2表示部に前記電子文書を表示した場合に、前記選択オブジェクト情報に基づいて、前記選択オブジェクトの付与命令が割り当てられた選択オブジェクト付与ボタンを前記第2表示部に表示するよう制御する第2装置へ向けて送信する送信部と、
として機能させることを特徴とする文書処理プログラム。
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