JP7321067B2 - 工作機械の反転誤差計測方法 - Google Patents
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Description
本発明は、工作機械において送り軸の反転誤差を計測する方法に関する。
工作機械の運動誤差は、加工される工作物に転写され、工作物の寸法誤差や形状誤差となる。この運動誤差の要因の一つとして、送り軸の反転誤差(ロストモーション)がある。反転誤差は、送り軸機構にあるバックラッシュなどのガタ要素や、送り方向に依存する姿勢誤差に起因した誤差であり、一方向に移動させた際の位置を基準としてその反対方向に送り軸を移動させた際に、送り軸の位置検出の基準位置に対して実際の位置が遅れて動作する運動誤差である。反転誤差は、送り機構の部品の摩耗により経時的に増大することがあり、送り軸が反転した箇所で段差として工作物に転写されることで問題となることが多い。反転誤差の対策として、メカ的な調整や補正制御により低減させる方法があるが、いずれにしても反転誤差の大きさを把握する必要がある。
従来の反転誤差の計測方法として、特許文献1のようなボールバー測定器を用いる方法がある。ボールバーは2球間の距離を測定できる測定器であり、各球を、磁石を内蔵した球面座を介して工作機械に取り付けて2つの球が相対的に円運動するように工作機械を制御し、測定された2球間距離の誤差軌跡から工作機械の運動誤差を診断できる測定器である。このボールバー測定では、反転誤差は、送り軸の反転位置にあたる誤差軌跡に段差として観測され、その段差の大きさから反転誤差の大きさを計測することができる。
他の計測方法として、非特許文献1のようなレーザ測長器を用いる方法もある。送り軸をプラス方向とマイナス方向とに動作させて、それぞれレーザ測長器により位置決め精度を測定すると、反転誤差が存在する場合、各方向の測定値はオフセットして観測される。このオフセット量から反転誤差の大きさを計測することができる。
従来の反転誤差の計測方法として、特許文献1のようなボールバー測定器を用いる方法がある。ボールバーは2球間の距離を測定できる測定器であり、各球を、磁石を内蔵した球面座を介して工作機械に取り付けて2つの球が相対的に円運動するように工作機械を制御し、測定された2球間距離の誤差軌跡から工作機械の運動誤差を診断できる測定器である。このボールバー測定では、反転誤差は、送り軸の反転位置にあたる誤差軌跡に段差として観測され、その段差の大きさから反転誤差の大きさを計測することができる。
他の計測方法として、非特許文献1のようなレーザ測長器を用いる方法もある。送り軸をプラス方向とマイナス方向とに動作させて、それぞれレーザ測長器により位置決め精度を測定すると、反転誤差が存在する場合、各方向の測定値はオフセットして観測される。このオフセット量から反転誤差の大きさを計測することができる。
JIS B6190-2:2016 (ISO230-2:2014) JIS規格「工作機械試験方法通則 第2部:数値制御による位置決め精度試験」レーザ測長器などを用いた位置決め精度測定の規格
特許文献1や非特許文献1の方法では、ボールバーやレーザ測長器のような特殊な測定器を用いる必要がある。このような測定器は高価であり、その取扱いには一定のスキルが必要となり、誰でも扱えない。このため、送り軸の反転誤差を簡単に測定することができないという課題がある。
そこで、本発明は、高価で特殊な測定器を用いることなく、且つ測定器操作のスキルがない機械操作者であっても、送り軸の反転誤差を簡単に測定することができる工作機械の反転誤差計測方法を提供することを目的としたものである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の第1の発明は、工具を装着して回転可能な主軸と、3つ以上の直進軸と、前記直進軸それぞれの位置を検出する位置検出器と、を有する工作機械において、前記直進軸の反転誤差を同定する誤差計測方法であって、
前記主軸に装着されたタッチプローブを、前記工作機械内に設置された基準器に対して所定のアプローチ方向から移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第1計測ステップと、
前記第1計測ステップでの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第1計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から移動させて前記タッチプローブを前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第2計測ステップと、
前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップをアプローチ方向を変えて複数回行い、得られた複数の検出位置から、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差同定ステップと、を実行することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記構成において、前記反転誤差同定ステップでは、各前記アプローチ方向毎に得られる前記第1計測ステップでの検出位置と、前記第2計測ステップでの検出位置と、前記アプローチ方向のベクトルとを用いて各前記アプローチ方向での前記検出位置間の幅をそれぞれ算出し、算出した各前記アプローチ方向の幅に基づいて前記反転誤差を求めることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記構成において、前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップを少なくとも3つの方向に対して行って得られた複数の検出位置から、少なくとも2つの前記直進軸の反転誤差を同定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記構成において、前記基準器が円もしくは球形状であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の第2の発明は、工具を装着して回転可能な主軸と、3つ以上の直進軸と、前記直進軸それぞれの位置を検出する位置検出器と、を有する工作機械において、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差計測方法であって、
前記主軸に装着されたタッチプローブを、前記工作機械内に設置された基準器に対して所定のアプローチ方向から移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記検出器の位置を取得する第1計測ステップと、
前記第1計測ステップでの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第1計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から移動させて前記タッチプローブを前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第2計測ステップと、
前記第1計測ステップにおける前記タッチプローブの姿勢とは異なる姿勢に前記タッチプローブを傾斜させ、前記第1計測ステップにおいて前記基準器に対して接触した前記タッチプローブの点が所定のアプローチ方向になるように前記主軸の角度を割り出し、当該アプローチ方向から前記タッチプローブを移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第3計測ステップと、
前記第3計測ステップにおける前記タッチプローブの姿勢のまま、前記第3計測ステップの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第3計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から前記タッチプローブを前記基準器に接触させて、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第4計測ステップと、
前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップと、前記第3計測ステップ及び前記第4計測ステップとをそれぞれアプローチ方向を変えて複数回行い、得られた複数の検出位置から、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差同定ステップと、を実行することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上記構成において、前記反転誤差同定ステップでは、各前記アプローチ方向毎に得られる前記第1計測ステップでの検出位置と、前記第2計測ステップでの検出位置と、前記第3計測ステップでの検出位置と、前記第4計測ステップでの検出位置と、前記アプローチ方向のベクトルとを用いて各前記アプローチ方向での前記検出位置間の幅をそれぞれ算出し、算出した各前記アプローチ方向の幅に基づいて前記反転誤差を求めることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、上記構成において、前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップを少なくとも3つの方向に対して行い、前記第3計測ステップ及び前記第4計測ステップを少なくとも2つの方向に対して行って得られた複数の検出位置から、少なくとも3つの前記直進軸の反転誤差を同定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、上記構成において、前記基準器が球形状であることを特徴とする。
前記主軸に装着されたタッチプローブを、前記工作機械内に設置された基準器に対して所定のアプローチ方向から移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第1計測ステップと、
前記第1計測ステップでの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第1計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から移動させて前記タッチプローブを前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第2計測ステップと、
前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップをアプローチ方向を変えて複数回行い、得られた複数の検出位置から、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差同定ステップと、を実行することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、上記構成において、前記反転誤差同定ステップでは、各前記アプローチ方向毎に得られる前記第1計測ステップでの検出位置と、前記第2計測ステップでの検出位置と、前記アプローチ方向のベクトルとを用いて各前記アプローチ方向での前記検出位置間の幅をそれぞれ算出し、算出した各前記アプローチ方向の幅に基づいて前記反転誤差を求めることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、上記構成において、前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップを少なくとも3つの方向に対して行って得られた複数の検出位置から、少なくとも2つの前記直進軸の反転誤差を同定することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、上記構成において、前記基準器が円もしくは球形状であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項5に記載の第2の発明は、工具を装着して回転可能な主軸と、3つ以上の直進軸と、前記直進軸それぞれの位置を検出する位置検出器と、を有する工作機械において、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差計測方法であって、
前記主軸に装着されたタッチプローブを、前記工作機械内に設置された基準器に対して所定のアプローチ方向から移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記検出器の位置を取得する第1計測ステップと、
前記第1計測ステップでの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第1計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から移動させて前記タッチプローブを前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第2計測ステップと、
前記第1計測ステップにおける前記タッチプローブの姿勢とは異なる姿勢に前記タッチプローブを傾斜させ、前記第1計測ステップにおいて前記基準器に対して接触した前記タッチプローブの点が所定のアプローチ方向になるように前記主軸の角度を割り出し、当該アプローチ方向から前記タッチプローブを移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第3計測ステップと、
前記第3計測ステップにおける前記タッチプローブの姿勢のまま、前記第3計測ステップの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第3計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から前記タッチプローブを前記基準器に接触させて、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第4計測ステップと、
前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップと、前記第3計測ステップ及び前記第4計測ステップとをそれぞれアプローチ方向を変えて複数回行い、得られた複数の検出位置から、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差同定ステップと、を実行することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、上記構成において、前記反転誤差同定ステップでは、各前記アプローチ方向毎に得られる前記第1計測ステップでの検出位置と、前記第2計測ステップでの検出位置と、前記第3計測ステップでの検出位置と、前記第4計測ステップでの検出位置と、前記アプローチ方向のベクトルとを用いて各前記アプローチ方向での前記検出位置間の幅をそれぞれ算出し、算出した各前記アプローチ方向の幅に基づいて前記反転誤差を求めることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、上記構成において、前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップを少なくとも3つの方向に対して行い、前記第3計測ステップ及び前記第4計測ステップを少なくとも2つの方向に対して行って得られた複数の検出位置から、少なくとも3つの前記直進軸の反転誤差を同定することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、上記構成において、前記基準器が球形状であることを特徴とする。
本発明によれば、高価で特殊な測定器を用いることなく、比較的安価であり、工作物や治具の機上計測のために多くの工作機械に装備されているタッチプローブと、基準球やリングゲージなどの基準器とを用いて、送り軸の反転誤差を計測することができる。また、基準器を設置するなどの簡単な作業だけで、半自動で計測を実行できるため、測定器操作のスキルがない機械操作者でも反転誤差を簡単に計測することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、工作機械の一例としての3軸立形マシニングセンタの模式図である。
主軸頭2は、直進軸であり互いに直交するX軸、Z軸によって並進2自由度の運動が可能である。テーブル3は、直進軸でありX・Z軸に直交するY軸により並進1自由度の運動が可能である。したがって、テーブル3に対して主軸頭2は並進3自由度を有する。各軸には、図示しない位置検出器が備わっており、各軸は、各位置検出器の検出値をもとに、図示しない数値制御装置により制御されるサーボモータにより駆動され、テーブル3に対する主軸頭2の相対的な位置が制御される。被加工物をテーブル3に固定し、主軸頭2の主軸2aに工具を装着して回転させ、工具を被加工物に干渉させながら所望の動作をさせることで、被加工物を任意の形状に加工する。
図1は、工作機械の一例としての3軸立形マシニングセンタの模式図である。
主軸頭2は、直進軸であり互いに直交するX軸、Z軸によって並進2自由度の運動が可能である。テーブル3は、直進軸でありX・Z軸に直交するY軸により並進1自由度の運動が可能である。したがって、テーブル3に対して主軸頭2は並進3自由度を有する。各軸には、図示しない位置検出器が備わっており、各軸は、各位置検出器の検出値をもとに、図示しない数値制御装置により制御されるサーボモータにより駆動され、テーブル3に対する主軸頭2の相対的な位置が制御される。被加工物をテーブル3に固定し、主軸頭2の主軸2aに工具を装着して回転させ、工具を被加工物に干渉させながら所望の動作をさせることで、被加工物を任意の形状に加工する。
図2は、第1の発明の反転誤差計測方法のフローチャートを示している。
ステップS1において、図3に示すように、先端が球形状のスタイラス12を備えたタッチプローブ11を主軸2aに装着する。
タッチプローブ11は、スタイラス12が対象物に接触すると信号を出力する装置であり、対象物に接触した際に信号を出力し、数値制御装置がその信号を検知して、信号を受けた時点もしくは遅れを考慮した時点での直進軸の位置検出器の検出位置を取得することで、対象物の位置を計測することができる。
ステップS2において、基準球13をテーブル3の上に設置する。なお、図1の工作機械とは異なり、テーブル3が固定され、主軸頭2が3つの直進軸により並進3自由度動作する工作機械の場合は、基準球13はテーブル3に固定せず別の構造体に設置されていてもよい。
ステップS1において、図3に示すように、先端が球形状のスタイラス12を備えたタッチプローブ11を主軸2aに装着する。
タッチプローブ11は、スタイラス12が対象物に接触すると信号を出力する装置であり、対象物に接触した際に信号を出力し、数値制御装置がその信号を検知して、信号を受けた時点もしくは遅れを考慮した時点での直進軸の位置検出器の検出位置を取得することで、対象物の位置を計測することができる。
ステップS2において、基準球13をテーブル3の上に設置する。なお、図1の工作機械とは異なり、テーブル3が固定され、主軸頭2が3つの直進軸により並進3自由度動作する工作機械の場合は、基準球13はテーブル3に固定せず別の構造体に設置されていてもよい。
次に、ステップS3において、基準球13にタッチプローブ11のスタイラス12の先端球を接触させる際に同一点で接触するよう主軸2aを割り出す。例えば、図4に示すように、基準球13の中心を通り、X,Y軸が成すX-Y平面において、タッチプローブ11を基準球13に接触させることを考える。スタイラス12-1aは、X軸プラス方向から基準球13の中心に向かってアプローチして接触させる場合であり、スタイラス12-1aの先端球内の白丸マーカに基準球13が接触するよう主軸2aの角度を180°に割り出す。
ここで、タッチプローブ11には、主軸2aに対しての振れ回りや、センサ特性の異方性があるため、主軸2aの角度を固定して計測を行うと、接触させる方向によって制御の基準となる主軸2aの回転中心と接触点との間の距離が異なる。この距離のばらつきは後述の反転誤差の同定演算に悪影響を及ぼすため、スタイラス12の先端球の常に同じ点で対象物と接触するように主軸2aを割り出すことで、主軸2aの回転中心と接触点との間の距離を一定にしている。
ここで、タッチプローブ11には、主軸2aに対しての振れ回りや、センサ特性の異方性があるため、主軸2aの角度を固定して計測を行うと、接触させる方向によって制御の基準となる主軸2aの回転中心と接触点との間の距離が異なる。この距離のばらつきは後述の反転誤差の同定演算に悪影響を及ぼすため、スタイラス12の先端球の常に同じ点で対象物と接触するように主軸2aを割り出すことで、主軸2aの回転中心と接触点との間の距離を一定にしている。
次に、ステップS4において、タッチプローブ11を基準球13に接触させ、接触時の直進軸の位置検出器の検出値を取得する(S3,S4:第1計測ステップ)。ここで、図4のようにスタイラス12の先端球の白丸マーカ付近が基準球13に接触する。
ステップS5において、ステップS3での主軸角度に対して180°の角度に主軸2aを割り出す。図4の12-1aに対して、12-1bのように主軸角度を0°に割り出す。
ステップS6において、タッチプローブ11を基準球13に接触させ、接触時の直進軸の位置検出器の検出値を取得する。図4の12-1bの場合、X軸マイナス方向から基準球13の中心に向かってアプローチして接触させる(S5,S6:第2計測ステップ)。
ステップS7において、所定のアプローチ方向からの計測が全て終了したかを判定し、終了していない場合はアプローチ方向を変えてステップS3からS6を実行する。
例えば、図4の場合、X軸に対して45°(θ2)の方向である12-2aと12-2b、X軸に対して90°方向(θ3)すなわちY軸と平行の12-3aと12-3b、X軸に対して135°(θ4)の方向である12-4aと12-4bの計測を行う。ここで、どのような順番で計測してもよく、例えば、12-1a、12-2a、・・12-4bのように反時計回りに計測するなどでもよい。
ステップS8において、ステップS4、S6の計測結果を用いて直進軸の反転誤差を同定する(反転誤差同定ステップ)。図4の計測の場合、X軸とY軸との反転誤差を同定できる。
ステップS5において、ステップS3での主軸角度に対して180°の角度に主軸2aを割り出す。図4の12-1aに対して、12-1bのように主軸角度を0°に割り出す。
ステップS6において、タッチプローブ11を基準球13に接触させ、接触時の直進軸の位置検出器の検出値を取得する。図4の12-1bの場合、X軸マイナス方向から基準球13の中心に向かってアプローチして接触させる(S5,S6:第2計測ステップ)。
ステップS7において、所定のアプローチ方向からの計測が全て終了したかを判定し、終了していない場合はアプローチ方向を変えてステップS3からS6を実行する。
例えば、図4の場合、X軸に対して45°(θ2)の方向である12-2aと12-2b、X軸に対して90°方向(θ3)すなわちY軸と平行の12-3aと12-3b、X軸に対して135°(θ4)の方向である12-4aと12-4bの計測を行う。ここで、どのような順番で計測してもよく、例えば、12-1a、12-2a、・・12-4bのように反時計回りに計測するなどでもよい。
ステップS8において、ステップS4、S6の計測結果を用いて直進軸の反転誤差を同定する(反転誤差同定ステップ)。図4の計測の場合、X軸とY軸との反転誤差を同定できる。
ステップS8におけるX軸とY軸との反転誤差の計算方法について説明する。
図4における12-1aと12-1bとの接触での計測について考える。この計測を方向1計測と呼ぶ。
12-1aの接触で取得したX,Y,Z軸の検出値を(Xa1,Ya1,Za1)、12-1bの接触で取得したX,Y,Z軸の検出値を(Xb1,Yb1,Zb1)とし、アプローチ方向のベクトルを(Vx1,Vy1,Vz1)とすると、方向1計測におけるアプローチ方向の幅W1(図5)は、次の数1から得られる。
[数1]
W1=(Xa1-Xb1)*Vx1+(Ya1-Yb1)*Vy1+(Za1-Zb1)*Vz1
図4における12-1aと12-1bとの接触での計測について考える。この計測を方向1計測と呼ぶ。
12-1aの接触で取得したX,Y,Z軸の検出値を(Xa1,Ya1,Za1)、12-1bの接触で取得したX,Y,Z軸の検出値を(Xb1,Yb1,Zb1)とし、アプローチ方向のベクトルを(Vx1,Vy1,Vz1)とすると、方向1計測におけるアプローチ方向の幅W1(図5)は、次の数1から得られる。
[数1]
W1=(Xa1-Xb1)*Vx1+(Ya1-Yb1)*Vy1+(Za1-Zb1)*Vz1
方向1計測のアプローチ方向はX軸と平行であるため、アプローチ方向ベクトルは(1,0,0)であり、幅W1は次の数2となる。
[数2]
W1=Xa1-Xb1
[数2]
W1=Xa1-Xb1
ここで、幅W1に含まれるX軸の反転誤差について述べる。
図5は、X軸に反転誤差がない場合の方向1計測の模式図である。X軸プラス方向からスタイラス12-1aが基準球13に接触した際、制御の基準となる主軸中心線を通る制御点22aは、位置検出器の検出位置21aと一致している。ここで、主軸2aを180°に割り出した接触点と主軸中心間の距離をrとする。
次に、X軸マイナス方向からスタイラス12-1bが基準球13に接触した際、制御の基準となる主軸中心線を通る制御点22bは、位置検出器の検出位置21bと一致している。主軸を0°に割り出すことで、接触点と主軸中心間の距離はrであり、基準球13の直径をDとすると、W1は次の数3となる。
[数3]
W1=D+2r
図5は、X軸に反転誤差がない場合の方向1計測の模式図である。X軸プラス方向からスタイラス12-1aが基準球13に接触した際、制御の基準となる主軸中心線を通る制御点22aは、位置検出器の検出位置21aと一致している。ここで、主軸2aを180°に割り出した接触点と主軸中心間の距離をrとする。
次に、X軸マイナス方向からスタイラス12-1bが基準球13に接触した際、制御の基準となる主軸中心線を通る制御点22bは、位置検出器の検出位置21bと一致している。主軸を0°に割り出すことで、接触点と主軸中心間の距離はrであり、基準球13の直径をDとすると、W1は次の数3となる。
[数3]
W1=D+2r
一方、図6は、X軸に反転誤差がある場合の方向1計測の模式図である。反転誤差をプラス方向に動作した際に発生する誤差とすると、X軸プラス方向の接触では図5と同様に制御点22aと検出位置21aとが一致している。しかし、X軸マイナス方向の接触では、検出位置21b’は制御点22bに対して反転誤差δxだけ遅れる。このため、反転誤差がある場合の幅W1’は、次の数4となる。
[数4]
W1’=D+2r-δx
[数4]
W1’=D+2r-δx
このようにアプローチ方向の幅の計測値に反転誤差が含まれる。しかし、接触点と主軸中心間の距離rには主軸2aの振れ回り量、センサ特性の異方性、センサ信号出力遅れによるスタイラスの倒れなどが含まれるため、rの正確な値を把握することは困難である。よって、以降の手法で反転誤差のみを取り出す。
複数のアプローチ方向で計測を行った結果から、それぞれのアプローチ方向の幅を求める。方向i計測(i=1,2,3,4)で取得したX,Y,Z軸の検出値をそれぞれ(Xai,Yai,Zai)、(Xbi,Ybi,Zbi)、アプローチ方向ベクトルを(Vxi,Vyi,Vzi)とすると、方向i計測のアプローチ方向の幅Wiは、次の数5から得られる。
[数5]
Wi=(Xai-Xbi)*Vxi+(Yai-Ybi)*Vyi+(Zai-Zbi)*Vzi
図4の各計測のアプローチ方向をXY平面におけるX軸からの角度θiで表すと、方向i計測のアプローチ方向ベクトルの各成分は、次の数6となる。
[数6]
Vxi=cosθi
Vyi=sinθi
Vzi=0
複数のアプローチ方向で計測を行った結果から、それぞれのアプローチ方向の幅を求める。方向i計測(i=1,2,3,4)で取得したX,Y,Z軸の検出値をそれぞれ(Xai,Yai,Zai)、(Xbi,Ybi,Zbi)、アプローチ方向ベクトルを(Vxi,Vyi,Vzi)とすると、方向i計測のアプローチ方向の幅Wiは、次の数5から得られる。
[数5]
Wi=(Xai-Xbi)*Vxi+(Yai-Ybi)*Vyi+(Zai-Zbi)*Vzi
図4の各計測のアプローチ方向をXY平面におけるX軸からの角度θiで表すと、方向i計測のアプローチ方向ベクトルの各成分は、次の数6となる。
[数6]
Vxi=cosθi
Vyi=sinθi
Vzi=0
数6を数5に代入すると、方向i計測のアプローチ方向の幅Wiは、次の数7となる。
[数7]
Wi=(Xai-Xbi)*cosθi+(Yai-Ybi)*sinθi
得られたn個(本例ではn=4)のWiを用いて次の数8からX軸の反転誤差δx、Y軸の反転誤差δyを求める。
[数7]
Wi=(Xai-Xbi)*cosθi+(Yai-Ybi)*sinθi
得られたn個(本例ではn=4)のWiを用いて次の数8からX軸の反転誤差δx、Y軸の反転誤差δyを求める。
上述の計測を、Y,Z軸が成すY-Z平面、Z,X軸が成すZ-X平面について同様に行い、計測結果を用いて同様な計算方法を行うことで、それぞれY,Z軸の反転誤差、Z,X軸の反転誤差を求めることができる。
なお、本例では、基準器として球形状の基準球を用いているが、円筒ブロックなどの円形状の基準器でもよい。また、リングゲージのような内径が計測対象になる基準器でもよい。内径計測の場合はアプローチ方向が逆符号になるだけで本質的な違いはなく、同様な計算方法で反転誤差を求めることができる。
なお、本例では、基準器として球形状の基準球を用いているが、円筒ブロックなどの円形状の基準器でもよい。また、リングゲージのような内径が計測対象になる基準器でもよい。内径計測の場合はアプローチ方向が逆符号になるだけで本質的な違いはなく、同様な計算方法で反転誤差を求めることができる。
このように、上記形態の反転誤差計測方法によれば、主軸2aに装着されたタッチプローブ11を、工作機械内に設置された基準球13(基準器)に対して所定のアプローチ方向から移動させて基準球13に接触させ、接触時の位置検出器の位置を取得する第1計測ステップと、第1計測ステップでの主軸2aの割出角度に対して180°の角度に主軸2aの角度を割り出し、第1計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から移動させてタッチプローブ11を基準球13に接触させ、接触時の位置検出器の位置を取得する第2計測ステップと、第1計測ステップ及び第2計測ステップを複数回行い、得られた複数の検出位置から、直進軸の反転誤差を同定する反転誤差同定ステップと、を実行する。
この構成により、高価で特殊な測定器を用いることなく、比較的安価であり、工作物や治具の機上計測のために多くの工作機械に装備されているタッチプローブ11と、基準球13とを用いて、送り軸の反転誤差を計測することができる。また、基準球13を設置するなどの簡単な作業だけで、半自動で計測を実行できるため、測定器操作のスキルがない機械操作者でも反転誤差を簡単に計測することができる。
この構成により、高価で特殊な測定器を用いることなく、比較的安価であり、工作物や治具の機上計測のために多くの工作機械に装備されているタッチプローブ11と、基準球13とを用いて、送り軸の反転誤差を計測することができる。また、基準球13を設置するなどの簡単な作業だけで、半自動で計測を実行できるため、測定器操作のスキルがない機械操作者でも反転誤差を簡単に計測することができる。
次に、X,Y,Z軸の反転誤差を同時に同定する方法について、図7のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1,S2については図2と同じであるため説明を省略する。
ここではステップS2の後のS10において、タッチプローブ11の姿勢を所定の角度に変更する。タッチプローブ11の姿勢の変更は、主軸2aの姿勢を変化させることができる工作機械を用いる、或いはタッチプローブ11自体に姿勢を変更できる機構を設ける、或いは姿勢の異なるタッチプローブを複数用いる、などの方法があり、いずれを用いてもよい。
j番目のタッチプローブの姿勢をY軸回りの角度βj、Z軸回りの角度γjとして、タッチプローブから見てβj、γjの順番で回転させることで決定する。
1番目の姿勢として、β1=0°、γ1=0°、すなわち、タッチプローブ11がX-Y平面に垂直な姿勢で計測する。このタッチプローブの姿勢を姿勢1と呼ぶ。姿勢1の計測は上述のX-Y平面での計測と同じものであり、ステップS3からS7は同じであるため説明を省略する。
ステップS1,S2については図2と同じであるため説明を省略する。
ここではステップS2の後のS10において、タッチプローブ11の姿勢を所定の角度に変更する。タッチプローブ11の姿勢の変更は、主軸2aの姿勢を変化させることができる工作機械を用いる、或いはタッチプローブ11自体に姿勢を変更できる機構を設ける、或いは姿勢の異なるタッチプローブを複数用いる、などの方法があり、いずれを用いてもよい。
j番目のタッチプローブの姿勢をY軸回りの角度βj、Z軸回りの角度γjとして、タッチプローブから見てβj、γjの順番で回転させることで決定する。
1番目の姿勢として、β1=0°、γ1=0°、すなわち、タッチプローブ11がX-Y平面に垂直な姿勢で計測する。このタッチプローブの姿勢を姿勢1と呼ぶ。姿勢1の計測は上述のX-Y平面での計測と同じものであり、ステップS3からS7は同じであるため説明を省略する。
S7で全方向の計測が完了した後、ステップS11において、所定の姿勢での計測が全て終了したかを判定し、終了していない場合はS10へ戻り、タッチプローブの姿勢を変えてステップS3からS7を実行する(第3、第4計測ステップ)。
例えば、2番目の姿勢としてβ2=90°、γ2=0°とし、図8のようにZ-X平面で4つの方向の計測を行う。
ステップS12において、複数の姿勢、方向の計測結果を用いてX軸,Y軸,Z軸の反転誤差を同定する。
例えば、2番目の姿勢としてβ2=90°、γ2=0°とし、図8のようにZ-X平面で4つの方向の計測を行う。
ステップS12において、複数の姿勢、方向の計測結果を用いてX軸,Y軸,Z軸の反転誤差を同定する。
ステップS12におけるX,Y,Z軸の反転誤差を同時に計算する方法について説明する。
m個の姿勢でそれぞれn個の方向で計測を行った場合、姿勢j(j=1,2・・m)での方向i計測(i=1,2・・n)で取得される検出値を(Xaji,Yaji,Zaji)、(Xbji,Ybji,Zbji)とし、各計測のアプローチ方向ベクトルを(Vxji,Vyji,Vzji)とすると、各アプローチ方向の幅Wjiは、次の数9で求める。
[数9]
Wji=(Xaji-Xbji)*Vxji+(Yaji-Ybji)*Vyji+(Zaji-Zbji)*Vzji
姿勢jの方向i計測の角度をθjiとするとアプローチ方向ベクトルの各成分は次の数10となる。
[数10]
Vxji=cosθji*cosβj*cosγj-sinθi*sinγj
Vyji=cosθji*cosβj*sinγj+sinθi*cosγj
Vzji=-cosθi*sinβj
m個の姿勢でそれぞれn個の方向で計測を行った場合、姿勢j(j=1,2・・m)での方向i計測(i=1,2・・n)で取得される検出値を(Xaji,Yaji,Zaji)、(Xbji,Ybji,Zbji)とし、各計測のアプローチ方向ベクトルを(Vxji,Vyji,Vzji)とすると、各アプローチ方向の幅Wjiは、次の数9で求める。
[数9]
Wji=(Xaji-Xbji)*Vxji+(Yaji-Ybji)*Vyji+(Zaji-Zbji)*Vzji
姿勢jの方向i計測の角度をθjiとするとアプローチ方向ベクトルの各成分は次の数10となる。
[数10]
Vxji=cosθji*cosβj*cosγj-sinθi*sinγj
Vyji=cosθji*cosβj*sinγj+sinθi*cosγj
Vzji=-cosθi*sinβj
得られたm×n個のWjiを用いて次の数11からX軸の反転誤差δx、Y軸の反転誤差δy、Z軸の反転誤差δzを求める。
姿勢jでの接触点と主軸中心間の距離をrjとした場合、次の数12で反転誤差を求める。
このように、上記形態の反転誤差計測方法によれば、第1、第2計測ステップに加えて、第1計測ステップにおけるタッチプローブ11の姿勢とは異なる姿勢にタッチプローブ11を傾斜させ、第1計測ステップにおいて基準球13に対して接触したタッチプローブ11の点が所定のアプローチ方向になるように主軸2aの角度を割り出し、当該アプローチ方向からタッチプローブ11を移動させて基準球13に接触させ、接触時の位置検出器の位置を取得する第3計測ステップと、第3計測ステップにおけるタッチプローブ11の姿勢のまま、第3計測ステップの主軸2aの割出角度に対して180°の角度に主軸2aの角度を割り出し、第3計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向からタッチプローブ11を基準球13に接触させて、接触時の位置検出器の位置を取得する第4計測ステップと、を実行するようになっている。
この構成により、3つの直進軸X,Y,Z軸での反転誤差を同時に同定することができる。
この構成により、3つの直進軸X,Y,Z軸での反転誤差を同時に同定することができる。
なお、本発明は、上記形態の立形マシニングセンタに限らず、横形マシニングセンタ等の他の工作機械にも適用可能である。
1・・ベッド、2・・主軸頭、2a・・主軸、3・・テーブル、11・・タッチプローブ、12・・スタイラス、13・・基準球。
Claims (8)
- 工具を装着して回転可能な主軸と、3つ以上の直進軸と、前記直進軸それぞれの位置を検出する位置検出器と、を有する工作機械において、前記直進軸の反転誤差を同定する誤差計測方法であって、
前記主軸に装着されたタッチプローブを、前記工作機械内に設置された基準器に対して所定のアプローチ方向から移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第1計測ステップと、
前記第1計測ステップでの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第1計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から移動させて前記タッチプローブを前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第2計測ステップと、
前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップをアプローチ方向を変えて複数回行い、得られた複数の検出位置から、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差同定ステップと、
を実行することを特徴とする工作機械の反転誤差計測方法。 - 前記反転誤差同定ステップでは、各前記アプローチ方向毎に得られる前記第1計測ステップでの検出位置と、前記第2計測ステップでの検出位置と、前記アプローチ方向のベクトルとを用いて、各前記アプローチ方向での前記検出位置間の幅をそれぞれ算出し、算出した各前記アプローチ方向の幅に基づいて前記反転誤差を求めることを特徴とする請求項1に記載の工作機械の反転誤差計測方法。
- 前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップを少なくとも3つの方向に対して行って得られた複数の検出位置から、少なくとも2つの前記直進軸の反転誤差を同定することを特徴とする請求項1又は2に記載の工作機械の反転誤差計測方法。
- 前記基準器が円もしくは球形状であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の工作機械の反転誤差計測方法。
- 工具を装着して回転可能な主軸と、3つ以上の直進軸と、前記直進軸それぞれの位置を検出する位置検出器と、を有する工作機械において、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差計測方法であって、
前記主軸に装着されたタッチプローブを、前記工作機械内に設置された基準器に対して所定のアプローチ方向から移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記検出器の位置を取得する第1計測ステップと、
前記第1計測ステップでの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第1計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から移動させて前記タッチプローブを前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第2計測ステップと、
前記第1計測ステップにおける前記タッチプローブの姿勢とは異なる姿勢に前記タッチプローブを傾斜させ、前記第1計測ステップにおいて前記基準器に対して接触した前記タッチプローブの点が所定のアプローチ方向になるように前記主軸の角度を割り出し、当該アプローチ方向から前記タッチプローブを移動させて前記基準器に接触させ、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第3計測ステップと、
前記第3計測ステップにおける前記タッチプローブの姿勢のまま、前記第3計測ステップの前記主軸の割出角度に対して180°の角度に前記主軸の角度を割り出し、前記第3計測ステップのアプローチ方向に対して反対方向から前記タッチプローブを前記基準器に接触させて、接触時の前記位置検出器の位置を取得する第4計測ステップと、
前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップと、前記第3計測ステップ及び前記第4計測ステップとをそれぞれアプローチ方向を変えて複数回行い、得られた複数の検出位置から、前記直進軸の反転誤差を同定する反転誤差同定ステップと、
を実行することを特徴とする工作機械の反転誤差計測方法。 - 前記反転誤差同定ステップでは、各前記アプローチ方向毎に得られる前記第1計測ステップでの検出位置と、前記第2計測ステップでの検出位置と、前記第3計測ステップでの検出位置と、前記第4計測ステップでの検出位置と、前記アプローチ方向のベクトルとを用いて、各前記アプローチ方向での前記検出位置間の幅をそれぞれ算出し、算出した各前記アプローチ方向の幅に基づいて前記反転誤差を求めることを特徴とする請求項5に記載の工作機械の反転誤差計測方法。
- 前記第1計測ステップ及び前記第2計測ステップを少なくとも3つの方向に対して行い、前記第3計測ステップ及び前記第4計測ステップを少なくとも2つの方向に対して行って得られた複数の検出位置から、少なくとも3つの前記直進軸の反転誤差を同定することを特徴とする請求項5又は6に記載の工作機械の反転誤差計測方法。
- 前記基準器が球形状であることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の工作機械の反転誤差計測方法。
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