JP7317301B2 - 有機半導体化合物及びその用途 - Google Patents
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Description
また、特許文献4ではDNTT骨格のチオフェン環に近い5,12位にアルキル基を導入することで溶解性は向上しているものの、分子配向が乱れることによりキャリア移動度が大幅に低下している。
即ち、本発明は、
[1]下記式(1)
[2]mが3でありnが2である前項[1]に記載の有機半導体化合物、
[3]Rがメチル基である前項[1]又は[2]に記載の有機半導体化合物、
[4]前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の有機半導体化合物を含む有機半導体材料、
[5]前項[4]に記載の有機半導体材料からなる有機薄膜、
[6]前項[5]に記載の有機薄膜を含む有機エレクトロニクスデバイス、及び
[7]前項[4]に記載の有機半導体材料の有機溶媒溶液を基板に塗布して有機半導体溶液層を設ける工程、及び該有機半導体溶液層から有機溶媒を除去する工程を含む有機薄膜の形成方法、
に関する。
本発明の有機半導体化合物は、上記一般式(1)で表される。
一般式(1)のmとしては、1乃至5が好ましく、2乃至4がより好ましく、3が更に好ましい。
一般式(1)のnとしては、1乃至5が好ましく、2乃至4がより好ましく、2が更に好ましい。
一般式(1)のRが表すアルキル基としては、直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、直鎖アルキルがより好ましい。また、Rが表すアルキル基の炭素数は1乃至6が好ましく1乃至3がより好ましく、1が更に好ましい。
一般式(1)のRが表す芳香族基としては、芳香族炭化水素基又は複素環基が好ましく、芳香族炭化水素基がより好ましい。
一般式(1)のRが表す芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基及びベンゾピレニル基等が挙げられ、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
一般式(1)のRが表す複素環基の具体例としては、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピロリル基、インドレニル基、イミダゾリル基、カルバゾリル基、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピリドニル基、ベンゾキノリル基、アントラキノリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基及びチエノチエニル基等が挙げられ、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチエニル基又はチエノチエニル基が好ましく、ピリジル基又はチエニル基がより好ましい。
一般式(1)のRが表す芳香族炭化水素基及び複素環基はアルキル基を置換基として有していてもよく、該置換基として有していてもよいアルキル基は直鎖、分岐鎖または脂環式の何れにも限定されない。
有機半導体材料中の式(1)で表される有機半導体化合物の含有量は特に限定されないが、通常は有機半導体材料中に50乃至100質量%程度である。
溶液プロセスとしてはたとえば、スピンコート法、ドロップキャスト法、ディップコート法、スプレー法、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷などの凸版印刷法、オフセット印刷法、ドライオフセット印刷法、パッド印刷法などの平板印刷法、グラビア印刷法などの凹版印刷法、スクリーン印刷法、謄写版印刷法、リングラフ印刷法などの孔版印刷法、インクジェット印刷法、マイクロコンタクトプリント法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。溶液プロセスで成膜する場合、上記の塗布、印刷したのち、溶媒を蒸発させて薄膜を形成することが好ましい。
一般に、有機トランジスタデバイスはゲート電極が絶縁膜で絶縁されている構造(Metal-InsuIator-Semiconductor MIS構造)がよく用いられる。絶縁膜に金属酸化膜を用いるものはMOS構造と呼ばれる。他には、ショットキー障壁を介してゲート電極が形成されている構造(すなわちMES構造)もあるが、有機トランジスタの場合、MIS構造がよく用いられる。
図1における各態様例において、1がソース電極、2が半導体層、3がドレイン電極、4が絶縁体層、5がゲート電極、6が基板をそれぞれ表す。尚、各層や電極の配置は、デバイスの用途により適宜選択できる。A乃至D及びFは基板と並行方向に電流が流れるので、横型トランジスタと呼ばれる。Aはボトムコンタクトボトムゲート構造、Bはトップコンタクトボトムゲート構造と呼ばれる。また、Cは半導体上にソース及びドレイン電極、絶縁体層を設け、さらにその上にゲート電極を形成しており、トップコンタクトトップゲート構造と呼ばれている。Dはトップ&ボトムコンタクトボトムゲート型トランジスタと呼ばれる構造である。Fはボトムコンタクトトップゲート構造である。Eは縦型の構造をもつトランジスタ、すなわち静電誘導トランジスタ(SIT)の模式図である。このSITは、電流の流れが平面状に広がるので一度に大量のキャリアが移動できる。またソース電極とドレイン電極が縦に配されているので電極間距離を小さくできるため応答が高速である。従って、大電流を流す、高速のスイッチングを行うなどの用途に好ましく適用できる。なお図1中のEには、基板を記載していないが、通常の場合、図1E中の1及び3で表されるソース又はドレイン電極の外側には基板が設けられる。
基板6は、その上に形成される各層が剥離することなく保持できることが必要である。例えば樹脂板やフィルム、紙、ガラス、石英、セラミックなどの絶縁性材料;金属や合金などの導電性基板上にコーティング等により絶縁層を形成した物;樹脂と無機材料など各種組合せからなる材料;等が使用できる。使用できる樹脂フィルムの例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、セルローストリアセテート、ポリエーテルイミドなどが挙げられる。樹脂フィルムや紙を用いると、デバイスに可撓性を持たせることができ、フレキシブルで、軽量となり、実用性が向上する。基板の厚さとしては、通常1μm乃至10mmであり、好ましくは5μm乃至5mmである。
またソース電極とドレイン電極間の距離(チャネル長)がデバイスの特性を決める重要なファクターであり、適正なチャネル長が必要である。チャネル長が短ければ取り出せる電流量は増えるが、コンタクト抵抗の影響などの短チャネル効果が生じ、半導体特性を低下させることがある。該チャネル長は、通常0.01乃至300μm、好ましくは0.1乃至100μmである。ソースとドレイン電極間の幅(チャネル幅)は通常10乃至5000μm、好ましくは40乃至2000μmとなる。またこのチャネル幅は、電極の構造をくし型構造とすることなどにより、さらに長いチャネル幅を形成することが可能で、必要な電流量やデバイスの構造などにより、適切な長さにする必要がある。
半導体層については複数の層を形成してもよいが、単層構造であることがより好ましい。半導体層2の膜厚は、必要な機能を失わない範囲で、薄いほど好ましい。A、B及びDに示すような横型の有機トランジスタにおいては、所定以上の膜厚があればデバイスの特性は膜厚に依存しないが、膜厚が厚くなると漏れ電流が増加してくることが多いためである。必要な機能を示すための半導体層の膜厚は、通常、1nm乃至1μm、好ましくは5nm乃至500nm、より好ましくは10nm乃至300nmである。
上記保護層の材料としては特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリオレフィン等の各種樹脂からなる膜;酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素等の無機酸化膜;及び窒化膜等の誘電体からなる膜;等が好ましく用いられ、特に、酸素や水分の透過率や吸水率の小さな樹脂(ポリマー)が好ましい。有機ELディスプレイ用に開発されているガスバリア性保護材料も使用が可能である。保護層の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を選択できるが、通常100nm乃至1mmである。
トラップ部位とは、未処理の基板に存在する例えば水酸基のような官能基をさし、このような官能基が存在すると、電子が該官能基に引き寄せられ、この結果としてキャリア移動度が低下する。従って、トラップ部位を低減することもキャリア移動度等の特性改良には有効な場合が多い。
これらの態様において、例えば基板層と絶縁膜層や絶縁膜層と有機半導体層等の各層を設ける方法としては、前記した真空プロセス、溶液プロセスが適宜採用できる。
本発明の有機トランジスタは、基板6上に必要な各種の層や電極を設けることで作製される(図2(1)参照)。基板としては上記で説明したものが使用できる。この基板上に前述の表面処理などを行うことも可能である。基板6の厚みは、必要な機能を妨げない範囲で薄い方が好ましい。材料によっても異なるが、通常1μm乃至10mmであり、好ましくは5μm乃至5mmである。また、必要により、基板に電極の機能を持たせるようにする事もできる。
基板6上にゲート電極5を形成する(図2(2)参照)。電極材料としては上記で説明したものが用いられる。電極膜を成膜する方法としては、各種の方法を用いることができ、例えば真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、熱転写法、印刷法、ゾルゲル法等が採用される。成膜時又は成膜後、所望の形状になるよう必要に応じてパターニングを行うのが好ましい。パターニングの方法としても各種の方法を用いうるが、例えばフォトレジストのパターニングとエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法等が挙げられる。また、シャドウマスクを用いた蒸着法やスパッタ法やインクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法、及びこれら手法を複数組み合わせた手法を利用し、パターニングすることも可能である。ゲート電極5の膜厚は、材料によっても異なるが、通常0.1nm乃至10μmであり、好ましくは0.5nm乃至5μmであり、より好ましくは1nm乃至3μmである。また、ゲート電極と基板を兼ねるような場合は上記の膜厚より大きくてもよい。
ゲート電極5上に絶縁体層4を形成する(図2(3)参照)。絶縁体材料としては上記で説明した材料が用いられる。絶縁体層4を形成するにあたっては各種の方法を用いることができる。例えばスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング、キャスト、バーコート、ブレードコーティングなどの塗布法、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット等の印刷法、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法、CVD法などのドライプロセス法が挙げられる。その他、ゾルゲル法やアルミニウム上のアルマイト、シリコン上の酸化珪素のように金属上に熱酸化法などにより酸化物膜を形成する方法等が採用される。尚、絶縁体層と半導体層が接する部分においては、両層の界面で半導体を構成する分子、例えば上記式(1)で表される有機半導体化合物の分子を良好に配向させるために、絶縁体層に所定の表面処理を行うこともできる。表面処理の手法は、基板の表面処理と同様のものを用いることができうる。絶縁体層4の膜厚は、その電気容量をあげることで取り出す電気量を増やすことができるため、できるだけ薄い膜であることが好ましい。このときに薄い膜になるとリーク電流が増えるため、その機能を損なわない範囲で薄い方が好ましい。通常0.1nm乃至100μmであり、好ましくは0.5nm乃至50μmであり、より好ましくは5nm乃至10μmである。
本発明の上記式(1)で表される有機半導体化合物を含む有機半導体材料は、有機半導体層の形成に使用される(図2(4)参照)。有機半導体層を成膜するにあたっては、各種の方法を用いることができる。具体的にはディップコート法、ダイコーター法、ロールコーター法、バーコーター法、スピンコート法等の塗布法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクト印刷法などの溶液プロセスによる形成方法が挙げられる。
更に、塗布方法に類似した方法として水面上に上記の組成物を滴下することにより作製した有機半導体層の単分子膜を基板に移し積層するラングミュアプロジェクト法、液晶や融液状態の材料を2枚の基板で挟んで毛管現象で基板間に導入する方法等も採用できる。
この方法により作製される有機半導体層の膜厚は、機能を損なわない範囲で、薄い方が好ましい。膜厚が厚くなると漏れ電流が大きくなる懸念がある。有機半導体層の膜厚は、通常1nm乃至1μm、好ましくは5nm乃至500nm、より好ましくは10nm乃至300nmである。
これらのドーピングの効果は、キャリア密度の増加あるいは減少による電気伝導度の変化、キャリアの極性の変化(p型、n型)、フェルミ準位の変化等が挙げられる。
ソース電極1及びドレイン電極3の形成方法等はゲート電極5の場合に準じて形成することができる(図2(5)参照)。また有機半導体層との接触抵抗を低減するために各種添加剤などを用いることが可能である。
有機半導体層上に保護層7を形成すると、外気の影響を最小限にでき、また、有機トランジスタの電気的特性を安定化できるという利点がある(図2(6)参照)。保護層の材料としては前記のものが使用される。保護層7の膜厚は、その目的に応じて任意の膜厚を採用できるが、通常100nm乃至1mmである。
保護層を成膜するにあたっては各種の方法を採用しうるが、保護層が樹脂からなる場合は、例えば、樹脂溶液を塗布後、乾燥させて樹脂膜とする方法;樹脂モノマーを塗布あるいは蒸着したのち重合する方法;などが挙げられる。成膜後に架橋処理を行ってもよい。保護層が無機物からなる場合は、例えば、スパッタリング法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法等の溶液プロセスでの形成方法も用いることができる。
有機トランジスタにおいては有機半導体層上の他、各層の間にも必要に応じて保護層を設けることができる。それらの層は有機トランジスタの電気的特性の安定化に役立つ場合がある。
実施例において、融点はStanford Research Systems社製のOptimelt MPA100、核磁気共鳴スペクトルはBruker社製のAvance500、HR-MSはJEOL社製のJMS-T100GCV、元素分析はYanaco社製のMT-6 CHN CORDERを用いて測定した。
尚、実施例における「部」は質量部を意味する。
(工程1)下記式1で表される化合物の合成
滴下漏斗を取り付け加熱乾燥した500mL四口フラスコ中で、窒素雰囲気下、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン(TMP)15.3mL(90mmol)をテトラヒドロフラン(THF)90mLに溶解させた。-80℃まで冷却した後、ノルマルブチルリチウム(n-BuLi)のモル濃度1.55Mヘキサン溶液58mL(溶液中のノルマルブチルリチウムのモル数;90mmol)をゆっくり滴下した。-80℃で10分間撹拌後、塩化亜鉛-テトラメチルエチレンジアミン錯体8.30部(22.5mmol)を加え、0℃まで昇温した。15分間撹拌後、再び-80℃まで冷却し、2-ブロモ-6-メトキシナフタレン7.11部(30.0mmol)を加えた。反応液を室温まで昇温して2時間撹拌後、ジメチルジスルフィド(MeS-SMe)16.0mL(180mmol)を加えた。17時間撹拌後、2N塩酸を加え、反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合物をろ取してロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた反応混合物をヘキサン:塩化メチレン8:2の混合溶媒を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記式1で表される化合物6.23部(22.0mmol、収率73%)を白色固体として得た。
m.p. 86.2-86.8℃
1H NMR (CDCl3, 400 MHz): δ (ppm) 7.85 (d, 1H, J = 1.6 Hz), 7.56 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 7.43 (dd, 1H, J = 8.8, 2.0 Hz), 7.32 (s, 1H), 7.03 (s, 1H), 3.99 (s, 3H), 2.53 (s, 3H).
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ (ppm) 154.63, 131.42, 130.40, 130.33, 128.52, 128.38, 128.07, 121.53, 117.59, 104.47, 55.93, 14.32.
HRMS (EI) m/z: Calcd for C12H11BrOS [M]+: 281.9714. Found: 281.9726.
Elemental analysis: Calcd for C12H11BrOS: C, 50.90; H, 3.92. Found: C, 50.73; H, 3.85.
500mL四口フラスコ中で、工程1で得られた式1で表される化合物5.66部(20.0mmol)を塩化メチレン150mLに溶解させた。0℃で三臭化ホウ素(BBr3)のモル濃度1.0M塩化メチレン溶液25mL(溶液中の三臭化ホウ素のモル数;25mmol)をゆっくり滴下した。9時間撹拌した後、氷水に注ぎ入れ、反応溶液を塩化メチレンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合物をろ取してロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた反応混合物を再結晶により精製し、下記式2で表される化合物5.28部(19.6mmol、98%)を白色固体として得た。
m.p. 123.4-123.7℃
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ (ppm) 152.87, 133.25, 132.37, 130.18, 129.92, 129.18, 128.09, 125.92, 117.40, 109.29, 19.53.
HRMS (EI) m/z: Calcd for C11H9BrOS [M]+: 267,9558. Found: 267.9574.
Elemental analysis: Calcd for C11H9BrOS: C, 49.09; H, 3.37. Found: C, 48.99; H, 3.38.
500mL四口フラスコ中で、工程2で得られた式2で表される化合物5.20部(19.3mmol)を塩化メチレン120mLに溶解させた。そこにトリエチルアミン6.4mL(46mmol)を添加して0℃まで冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物3.9mL(23mmol)をゆっくり滴下した。1時間撹拌後、1N塩酸を加え、反応溶液を塩化メチレンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合物をろ取してロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた反応混合物をヘキサン:塩化メチレン3:7の混合溶媒を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記式3で表される化合物7.59部(18.9mmol、収率98%)を白色固体として得た。
m.p. 73.2-74.6℃
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 7.95 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 7.68 (s, 1H), 7.65 (d, 1H, J = 9.0 Hz), 7.55 (dd, 1H, J = 8.5, 2.0 Hz), 7.53 (s, 1H), 2.59 (s, 3H).
HRMS (EI) m/z: Calcd for C12H8BrF3O3S2 [M]+: 399.9050. Found: 399.9065.
Elemental analysis: Calcd for C12H8BrF3O3S2: C, 35.92; H, 2.01. Found: C, 35.76; H, 2.09.
2L四口フラスコ中で、工程3で得られた式3で表される化合物22.47部(56.00mmol)を塩化メチレン1000mLに溶解させた。0℃まで冷却後、メタクロロ過安息香酸(mCPBA)の20質量%水溶液13.10部(水溶液中のメタクロロ過安息香酸のモル数;60.70mmol)をゆっくり加えた。6時間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合物をろ取してロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた反応混合物を塩化メチレン:酢酸エチル=19:1の混合溶媒を移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、下記式4で表される化合物22.81部(54.67mmol、98%)を白色固体として得た。
m.p. 122.0-122.4℃
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.42 (s, 1H), 8.19 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 7.83 (s, 1H), 7.81 (d, 1H, J = 9.0 Hz), 7.76 (dd, 1H, J = 8.5 Hz, 2.0 Hz), 2.90 (s, 3H).
HRMS (EI) m/z: Calcd for C12H8BrF3O4S2 [M]+: 415.9000. Found: 415.9023.
Elemental analysis: Calcd for C12H8BrF3O4S2: C, 34.55; H, 1.93. Found: C, 34.40; H, 1.98.
500mL四口フラスコ中で、工程4で得られた式4で表される化合物4.17部(10.0mmol)、2-トリメチルスタニル(ナフト[2,3-b]チオフェン)3.61部(10.4mmol)、塩化リチウム1.27部(30.0mmol)およびPd(PPh3)4 0.14部(0.20mmol)を1,4-ジオキサン125mLに溶解させた。前記で得られた混合溶液を50℃で48時間撹拌した後、水でクエンチし、反応溶液を塩化メチレンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、反応混合物をろ取してロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた反応混合物を再結晶により精製し、下記式5で表される化合物4.27部(94.5mmol、収率95%)を黄色固体として得た。
m.p. 262.9-264.9℃
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.56 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.20 (d, 1H, J = 1.5 Hz), 8.06 (s, 1H), 8.01-7.99 (m, 1H), 7.95-7.93 (m, 1H), 7.82 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.71 (dd, 1H, J = 8.5, 1,5 Hz), 7.61 (s, 1H), 7.55-7.49 (m, 2H), 2.55 (s, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100 MHz): δ (ppm) 143.62, 139.89, 139.08, 138.18, 133.92, 132.29, 131.81, 131.42, 131.31, 130.83, 130.58, 129.62, 128.58, 128.33, 127.31, 125.97, 125.49, 124.17, 123.95, 122.72, 122.14, 120.47, 42.14.
HRMS (EI) m/z: Calcd for C23H15BrOS2 [M]+: 449.9748. Found:449.9753.
Elemental analysis: Calcd for C23H15BrOS2: C, 61.20; H, 3.35. Found: C, 61.19; H, 3.36.
50mLフラスコに工程5で得られた式5で表される化合物226mg(0.500mmol)およびイートン試薬10mLを加えた。室温で4日間撹拌した後、氷水に注ぎ入れ、ろ過することで黄色固体を得た。この黄色固体をピリジン35mLに懸濁させ、20時間還流した。反応溶液を室温まで冷却し、メタノールに注ぎ入れ、ろ過することで黄色固体を得た。得られた反応混合物を加熱したクロロホルムを移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、さらに昇華精製することにより、下記式6で表される化合物140mg(0.343mmol、収率69%)を黄色微結晶として得た。
m.p. > 350℃
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.46 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.37 (s, 2H), 8.14 (s, 1H), 8.10-8.00 (br, 2H), 7.93 (d, 1H, J = 8.5 Hz), 7.62 (dd, 1H, J = 9.0 Hz, 2.0 Hz) 7.58-7.56 (br, 2H).
HRMS (EI) m/z: Calcd for C22H11BrS2 [M]+: 417.9486. Found: 417.9495.
Elemental analysis: Calcd for C22H11BrS2: C, 63.01; H, 2.64. Found: C, 62.90; H, 2.71.
30mL四口フラスコに、6mLのTHFと削り状マグネシウム194mg(8.0mmol)を加えて懸濁液とし、1,2-ジブロモエタンを数滴加えて攪拌した。続いて、1-ブロモ-4-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)ブタン1.02部(4.0mmol)を加えて50℃で12時間攪拌した。生じた反応液を20mLのTHFで希釈した(濃度0.09M)。調整したグリニャール試薬の内の7.0mL(0.63mmol)を30mL四口フラスコに測り取り、次いで工程6で得られた式6で表される化合物104mg(0.25mmol)と[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド7.3mg(0.01mmol)を加えた。混合物を還流下において30時間反応させた。反応液を室温まで冷ました後、100mLの水を加え、100mLのクロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過により硫酸マグネシウムを取り除き、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製と、続くクロロホルムとメタノールを用いた晶析により下記式7で表される本発明の有機半導体化合物104mg(0.202mmol、収率81%)を黄色固体として得た。
m.p. 348.7℃
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.41 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.04-8.01 (m, 1H), 7.95-7.93 (m, 2H), 7.69 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 7.54-7.51 (m, 2H), 7.38 (dd, J = 8.5, 1.5 Hz, 1H), 3.66-3.64 (m, 4H), 3.62-3.59 (m, 2H), 3.56-3.51 (m, 4H), 3.37 (s, 3H), 2.85 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.85-1.79 (m, 2H), 1.73-1.67 (m, 2H).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz): δ (ppm) 140.9, 140.8, 140.3, 133.9, 133.3, 132.5, 131.8 (two peaks seem to be overlapped) , 131.4, 131.3, 129.9, 128.3, 128.2, 127.5, 127.4, 125.8, 125.64, 125.61, 122.4, 121.8, 120.0, 119.9, 72.0, 71.3, 70.7, 70.6, 70.2, 59.0, 36.0, 29.4, 27.7.
HRMS (FD) m/z: [M]+ calcd for C31H30O3S2, 514.1636; found, 514.1637.
Elemental analysis: Calcd for C31H30O3S2: C, 72.34; H, 5.88. Found: C, 72.17; H, 5.85.
(工程8)
耐圧バイアル中に、工程6で得られた式6で表される化合物75mg(0.18mmol)、1.6Mのナトリウム2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エタン-1-オレート0.6mL(0.96mmol)、ヨウ化銅(I)8.6mg(0.045mmol)、N1,N2-ジフェネチルオキサラミド(DPEO)13.3mg(0.045mmol)およびTHF5mLを投入し、マイクロウェーブ反応器を用いて140℃で90分反応を行った。反応溶液に水20mLを加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。セライトろ過により固形分を除去したのち、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製と、続くクロロホルムとヘキサンによる晶析による精製を行い、下記式8で表される本発明の有機半導体化合物70mg(0.14mmol、収率77%)を黄色固体として得た。
m.p. 373.7℃
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.41 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.04-8.01 (m, 1H), 7.96-7.94 (m, 1H), 7.92 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 7.54-7.51 (m, 2H), 7.24 (dd, J = 8.5 Hz, 2.5 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 4.31 (t, J = 4.8 Hz, 2H), 3.97 (t, J = 5.0 Hz, 2H), 3.81-3.79 (m, 2H), 3.73-3.71 (m, 2H), 3.69-3.67 (m, 2H), 3.57-3.55 (m, 2H), 3.39 (s, 3H).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz): δ (ppm) 157.0, 141.6, 140.8, 134.0, 132.7, 132.55, 132.51, 131.4, 131.3, 130.7, 129.8, 128.3, 127.4, 127.2, 125.8, 125.6, 122.4, 120.9, 120.1, 119.8, 119.7, 105.6, 72.0, 71.0, 70.8, 70.7, 69.8, 67.6, 59.1.
HRMS (FD) m/z: [M]+ calcd for C29H26O4S2, 502.1273; found, 502.1273.
Elemental analysis: Calcd for C29H26O4S2: C, 69.30; H, 5.21. Found: C, 68.98; H, 5.26.
(工程9)
10mL四口フラスコ中に、工程6で得られた式6で表される化合物42mg(0.10mmol)、2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ-1-チオール54mg(0.30mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体5.2mg(0.005mmol)、4,5’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9’-ジメチルキサンテン(Xantphos)6.9mg(0.012mmol)、炭酸カリウム21mg(0.15mmol)およびp-キシレン2mLを投入し攪拌した。混合液にアルゴンガスを2分間バブリングすることで脱気を行い、加熱還流下14時間反応を行った。反応後、反応溶液に水20mLを加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。セライトろ過により固形分を除去したのち、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製と、続くクロロホルムとメタノールによる晶析を行い、下記式9で表される本発明の有機半導体化合物38mg(0.073mmol、収率73%)を黄色固体として得た。
元素分析の結果は、以下のとおりであった。
m.p. > 400℃
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.42 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.30 (s, 1H), 8.05-8.03 (m, 1H), 7.96-7.92 (m, 2H), 7.86 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.55-7.52 (m, 2H), 7.47 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 3.77 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.69-3.64 (m, 6H), 3.55-3.53 (m, 2H), 3.37 (s, 3H), 3.29 (t, J = 7.0 Hz, 2H).
13C NMR (CDCl3, 125 MHz): δ (ppm) 141.7, 140.8, 134.1, 133.82, 133.76, 132.3, 132.2, 131.7, 131.5, 131.3, 129.6, 128.8, 128.3, 127.4, 127.1, 126.0, 125.8, 125.7, 122.5, 121.5, 120.12, 120.0, 72.0, 70.69, 70.65, 70.57, 70.0, 59.1, 32.9.
HRMS (FD) m/z: [M]+ calcd for C29H26O3S3, 518.1044; found, 518.1044.
Elemental analysis: Calcd for C29H26O3S3: C, 67.15; H, 5.05. Found: C, 67.01; H, 5.05.
(工程10)
10mL四口フラスコ中に、工程6で得られた式6で表される化合物63mg(0.15mmol)、2-(5-(4-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)ブチル)チオフェン-2-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン173mg(0.45mmol)、酢酸ジパラジウム(II)0.7mg(0.003mmol)、S-Phos2.6mg(0.0063mmol)、リン酸カリウム184mg(0.8mmol)、トルエン4.5mL、および水0.5mLを投入し攪拌した。混合液にアルゴンガスを5分間バブリングすることで脱気を行い、加熱還流下12時間反応を行った。反応後、セライトろ過により固形分を濾別し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製と、続くクロロホルムとメタノールによる晶析を行い、下記式10で表される本発明の有機半導体化合物77mg(0.13mmol、収率86%)を黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.42 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.07 (d, J = 2.0 Hz, 1H) 8.06-8.03 (m, 1H), 8.01 (d, J = 8.5 Hz, 1H) 7.97-7.94 (m, 1H), 7.76 (dd, J = 8.5, 2.0 Hz, 1H), 7.55-7.52 (m, 2H), 7.31 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 3.68-3.66 (m, 4H), 3.63-3.61 (m, 2H), 3.57-3.52 (m, 4H), 3.38 (s, 3H), 2.90 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 1.85-1.79 (m, 2H), 1.75-1.70 (m, 2H).
13C NMR (CDCl3, 50 °C, 175 MHz): δ (ppm) 146.0, 141.9, 141.7, 141.0, 134.1, 133.9, 132.6, 132.5, 132.4, 131.9, 131.7, 131.5, 130.5, 128.9, 128.4, 127.4, 126.0, 125.7, 125.5, 124.3, 123.5, 122.9, 122.5, 122.4, 120.2, 120.0, 72.2, 71.2, 70.9, 70.7, 70.4, 59.0, 30.2, 29.3, 28.3.
HRMS (FD) m/z: [M]+ calcd for C35H32O3S3, 596.1514; found, 596.1515.
Elemental analysis: Calcd for C35H32O3S3: C, 70.44; H, 5.40. Found: C, 70.42; H, 5.45.
(工程11)
50mLシュレンク管に亜鉛粉末0.49部(7.5mmol)と塩化リチウム0.36部(8.6mmol)を加え、真空下で加熱乾燥した後、窒素置換した。アルゴン置換した耐圧バイアルに工程6で得られた式6で表される化合物132mg(0.315mmol)、(トリメチルシリルエチニル)トリブチルスズ182mg(0.469mmol)、Pd(PPh3)4 9.5mg(0.0082mmol)およびトルエン19mLを加え、マイクロウェーブ反応器で180℃1時間加熱した。反応溶液を、塩化メチレンを移動相とするシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、さらに昇華精製することにより、下記式11で表される比較用化合物99mg(0.228mmol、収率72%)を黄色固体として得た。
m.p. > 350℃
1H-NMR (CDCl3, 500 MHz): δ (ppm) 8.43 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 8.10 (d, 1H), 8.04 (dt, 1H, J = 4.5 Hz, 2.0 Hz), 7.96 (m, 1H), 7.95 (m, 1H) 7.55-7.35 (m, 3H), 0.311 (s, 9H).
13C NMR (C2D2Cl4, 120 °C, 100 MHz): δ (ppm) 141.77, 141.03, 134.52, 133.93, 133.15, 132.40, 131.82, 131.53, 131.33, 131.03, 130.77, 128.56, 128.31, 128.10, 127.33, 126.11, 125.08, 122.50, 122.26, 121.05, 120.24, 119.93, 105.67, 96.01, 0.04.
HRMS (EI) m/z: Calcd for C27H20S2Si [M]+: 436.0776. Found: 436.0779.
Elemental analysis: Calcd for C27H20S2Si: C, 74.27; H, 4.62. Found: C, 74.18; H, 4.71.
実施例1乃至4及び比較例1で得られた有機半導体化合物の粉末約1mgをバイアルに量り取り、正確に質量を測定した。そこにクロロホルムを加えていき、有機半導体化合物が完全に溶解した時点までに加えたクロロホルムの体積を確認した。有機半導体化合物の質量と前記クロロホルムの添加量から溶解度(有機半導体化合物の質量[g]/加えたクロロホルムの体積[L])を算出した。尚、完全に溶解した時点の見極めは目視確認により行った。比較例2は特許文献3に記載の下記式12で表される化合物の測定データをまた、比較例3は特許文献4に記載の下記式13で表される化合物の測定データを引用した。結果を表1に示した。
実施例1で得られた式7で表される有機半導体化合物にクロロホルムを加え、加熱することで3mg/mLの溶液を調製した。この溶液を用いて、オクチルトリメトキシシランにより表面処理を施したSiO2熱酸化膜付きnドープシリコウエハー上にスピンコート法により有機薄膜を作製し、次いで、前記で得られた有機薄膜上にシャドウマスクを用いてAuを真空蒸着してソース電極及びドレイン電極を作製することによりトップコンタクト型の有機トランジスタを得た。得られた有機トランジスタのチャネル長は20μm、チャネル幅は100μmであった。
図1Bはトップコンタクト型の有機トランジスタの構造を示すものである。尚、本実施例の有機トランジスタにおいては、nドープシリコンウェハー上の熱酸化膜が絶縁層4の機能を有し、nドープシリコンウェハーが基板6及びゲート電極5の機能を兼ね備えている。
実施例1で得られた式7で表される有機半導体化合物を、実施例2乃至4で表される式8乃至10で表される有機半導体化合物にそれぞれ変更した以外は実施例5に準じて、トップコンタクト型の有機トランジスタをそれぞれ得た。
実施例1で得られた式7で表される有機半導体化合物を、比較例3の式13で表される有機半導体化合物に変更した以外は実施例5に準じて、比較用のトップコンタクト型の有機トランジスタを得た。
有機トランジスタの性能は、ゲート電極に電位をかけた状態でソース電極とドレイン電極の間に電位をかけた時に流れた電流量に依存する。この電流値の測定結果を、有機半導体層中に生じるキャリア種の電気的特性を表現する下記式(a)に用いることにより、移動度を算出することができる。
Id=ZμCi(Vg-Vt)2/2L・・・(a)
式(a)中、Idは飽和したソース・ドレイン電流値、Zはチャネル幅、Ciは絶縁体の電気容量、Vgはゲート電位、Vtはしきい電位、Lはチャネル長であり、μは決定する移動度(cm2/Vs)である。Ciは用いたSiO2絶縁膜の誘電率、Z、Lは有機トランジスタデバイスのデバイス構造よりに決まり、Id、Vgは有機トランジスタデバイスの電流値の測定時に決まり、VtはId、Vgから求めることができる。式(a)に各値を代入することで、それぞれのゲート電位での移動度を算出することができる。
Claims (6)
- 下記式(1)
- Rがメチル基である請求項1に記載の有機半導体化合物。
- 請求項1又は2に記載の有機半導体化合物を含む有機半導体材料。
- 請求項3に記載の有機半導体材料からなる有機薄膜。
- 請求項4に記載の有機薄膜を含む有機エレクトロニクスデバイス。
- 請求項3に記載の有機半導体材料の有機溶媒溶液を基板に塗布して有機半導体溶液層を設ける工程、及び該有機半導体溶液層から有機溶媒を除去する工程を含む有機薄膜の形成方法。
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