以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非遊技区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか)、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[10.第2の遊技機]
続いて、図36~図43を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。なお、図36~図40の各図の説明では、適宜、図中に示すx軸及びy軸を利用して説明する。なお、図36~図40の各図の説明にないパチスロ機1の構成の全ては、図1~図35の各図で説明された実施形態が適用される。
[10.1.スピーカ装置の概略構成]
第2の遊技機において使用するスピーカ装置400は、出音する音波の帯域が同じ2つのスピーカユニット(第1スピーカユニット500、第2スピーカユニット600)を同軸上に並べたスピーカ装置であり、以下、スピーカ装置400の概略について図36(a)~(c)を参照して説明する。
スピーカ装置400は、図36(a)に示すように、図36(b)に示す円形状の開口部411が形成されている筐体(図1参照の「キャビネットG」)401に収容(取付)された第1スピーカユニット500及び第2スピーカユニット600を備える。第1スピーカユニット500と第2スピーカユニット600とは、出音する音波の帯域が同じであり、第1スピーカユニット500及び第2スピーカユニット600に同じ形状の波形を出力する同一構造のダイナミックスピーカユニットを用いる。なお、第2の遊技機では、スピーカ装置400を筐体401に収容しているが、スピーカ装置400を開口部411相当の開口部が形成されている前扉(図1参照の「上ドア機構UD」、又は、「下ドア機構DD」)に収容(取付)してもよい。
第1スピーカユニット500は、一般的なダイナミックスピーカユニットの構造をしており、以下、第1スピーカユニット500の概略について図36(c)を参照して簡単に説明する。
第1スピーカユニット500は、中心軸501を中心軸とする円板状の部分502aと中心軸501を中心軸とする円柱状の部分502bとからなるヨーク(継鉄)502を有する。第1スピーカユニット500では、ヨーク502の部分502bに、電磁コイル(「ボイスコイル」とも称する)503が巻かれた、中心軸501を中心軸とする筒状のボビン504が配置されており、ボビン504の周囲に、それぞれが中心軸501を中心軸とする、筒状の磁石505、筒状のプレート506、及び、筒状のリング507が配置されている。また、第1スピーカユニット500には、ボビン504とリング507とに接続されたダンパー508が設けられている。また、第1スピーカユニット500には、リング507に取り付けられたフレーム509が設けられており、フレーム509は、第1スピーカユニット500を中心軸501の一の方向から見た平面視で、中心軸501を中心軸とする円環状をしている。また、第1スピーカユニット500には、ボビン504に取り付けられたコーン紙(振動板)510が設けられており、コーン紙(振動板)510は、第1スピーカユニット500を中心軸501の一の方向から見た平面視で、中心軸501を中心軸とする円環状をしている。また、第1スピーカユニット500には、センターキャップ511が設けられており、センターキャップ511は、第1スピーカユニット500を中心軸501の一の方向から見た平面視で、中心軸501を中心軸とする円形状をしている。また、第1スピーカユニット500には、フレーム509とコーン紙(振動板)510との間にエッジ512が設けられており、エッジ512は、第1スピーカユニット500を中心軸501の一の方向から見た平面視で、中心軸501を中心軸とする円環状をしている。上記構造の第1スピーカユニット500では、電磁コイル503に電流を流すと、コーン紙(振動板)510が振動して音波が出音される。
第2スピーカユニット600は、図36(c)に示す第1スピーカユニット500の構造と同じ、一般的なダイナミックスピーカユニットの構造をしている。
筐体401には、図36(a)に示すように、中心軸450を中心軸とする円筒状の部分と中心軸450を中心軸とする円錐状の部分とからなるケース402が配置されている。第1スピーカユニット500は、図36(c)の中心軸501が図36(a),(b)に示す円形状の開口部410の中心軸450に一致するように中心軸450上に配置されて、ケース402に収容されている。
また、第2スピーカユニット600は、音波を放射する方向に第1スピーカユニット500が存在するように、且つ、図36(c)の中心軸501が図36(a),(b)に示す円形状の開口部410の中心軸450と一致するように、中心軸450上に配置されて、筐体401内に収容されている。
なお、図36(a),(b)では、図示が省略されているが、第1スピーカユニット500は、筐体401に、第2スピーカユニット600が出音する音波の放射を阻害しないサイズの複数(2~6)本のフレームで支持されて固定してある。また、第2スピーカユニット600に複数(2~6)本のフレームで、第1スピーカユニット500を固定し、第1スピーカユニット500と第2スピーカユニット600とを1つのスピーカユニットとして、筐体401に収容してもよい。
第1スピーカユニット500が出音した音波は、開口部411のうち、図36(b)に示す中心軸450を中心軸とする円形状の第1開口部分412から筐体401の外部に出力されるようになっている。また、第2スピーカユニット600が出音した音波は、開口部411のうち、図36(b)に示す中心軸450を中心軸とする円環状の第2開口部分413から筐体401の外部に出力されるようになっている。
なお、第2スピーカユニット600により出音される音波はスピーカ装置400の内部構造により音色が変化するため、第2スピーカユニット600側に音声信号又は音声データを出力する第2アンプ802又はサブCPU201の制御によりFIR(Finite Impulse Response)フィルタやイコライザ(Equalizer)等を使用して、第1スピーカユニット500により放射される音波と第2スピーカユニットにより放射される音波との音色の整合性を実現することが好ましい。
[10.2.指向性]
第2の遊技機では、スピーカ装置400は、第1スピーカユニット500と第2スピーカユニット600とのうちの音波を出音するスピーカユニットの制御、及び、第1スピーカユニット500による音波の出音タイミングと第2スピーカユニット600による音波の出音タイミングとの制御により、図37(a)~(c)の各指向性を実現可能になっている。なお、図37(a)の指向性を「収束の指向性」と記載し、図37(b)の指向性を「拡散の指向性」と記載し、図37(c)の指向性を「通常の指向性」と記載する。
なお、各指向性を実現可能とする音波の出音タイミングの制御及び音波を出音するスピーカユニットの制御は、サブCPU201により制御されるため、サブCPU201は制御手段を構成する。具体的には、図33のS304、S306、及び、S307の各演出制御実行処理のサウンド制御処理(不図示)の制御に基づいて処理が行われ、サブCPU201は、第1スピーカユニット500と第2スピーカユニット600に対して、同じ音声データを出力する。
以下では、説明の便宜上、中心軸450を含む一つの面(xy平面)でスピーカ装置400をカットした平面カットモデルにより説明する。なお、平面カットモデルにおける図36(b)の円形状の第1開口部分412に相当する部分を第1開口部分420と記載し、図36(b)の円環状の第2開口部分413に相当する部分のうちの一方を上側第2開口部分421と記載し、他方を下側第2開口部分422と記載する。また、平面カットモデルを用いた説明では、第1スピーカユニット500により出音されて第1開口部分420から筐体401の外部に出力される第1音波を第1音波550と記載し、第2スピーカユニット600により出音される第2音波を第2音波650と記載し、上側第2開口部分421から筐体401の外部に出力される第2音波650を上側第2音波651と記載し、下側第2開口部分422から筐体401の外部に出力される第2音波650を下側第2音波652と記載する。
平面カットモデルの説明では、便宜上、第1音波550は、第1スピーカユニット500の先端部分の中心でもある第1開口部分420の中心軸450上の点P101(以下、「第1音波出力点P101」と記載する。図39、図40参照)を中心にして半円状に一様に拡がるとする。また、上側第2音波651は、上側第2開口部分421のy軸方向での中心点P102(以下、「上側第2音波出力点P102」と記載する。図38~図40参照)を中心にして半円状に一様に拡がるとし、下側第2音波652は、下側第2開口部分422のy軸方向での中心点P103(以下、「下側第2音波出力点P103」と記載する。図38~図40参照)を中心にして半円状に一様に拡がるとする。なお、実際は、第1音波550は第1開口部分412から略球面状に拡がり、第2音波650は第2開口部分413から略ドーナッツ状に拡がる。また、第1音波550と第2音波650とは同一波長(同一周波数)であるとする。
また、スピーカ装置400が中心軸450に対して対称な構造をしているので、上側第2音波651が上側第2開口部分421から筐体401の外部に出力されるタイミングと、下側第2音波652が下側第2開口部分422から筐体401の外部に出力されるタイミングとは同じである。また、x軸の正方向で、上側第2音波651の先進面が進む距離と、下側第2音波652の先進面が進む距離とは同じである。
[10.2.1.指向性の概略]
以下、スピーカ装置400により実現可能な各指向性の概略について図37(a)~(c)を参照して説明する。図37(a)~(c)における各音波550,651,652の矢印の先端は、あるタイミングでの各音波550,651,652の先進面のx軸方向での先端を模式的に示している。
[10.2.1.1.収束の指向性の概略]
図37(a)の収束の指向性では、x軸の正の方向で、上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面が、第1音波550の先進面よりも、進行するようにする。さらに、上側第2音波651の先進面と下側第2音波652の先進面とが交わる中心軸450上で、第1音波550の先進面が、上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面に交わるようにする。
このようにすると、第1音波550が略中心軸450上で上側第2音波651及び下側第2音波652と同位相(合成)になって強め合い、この強め合う部分が、時間の経過に伴い、略中心軸450上でx軸の正方向に進むことになる(図39(a)の矢印710参照)。この場合、中心軸450付近で、音が最も大きくなる。
第1音波550の先進面と上側第2音波651の先進面と下側第2音波652の先進面とを繋ぐ線が、図37(a)にイメージを示す内向きの指向波面700となる。
[10.2.1.2.拡散の指向性の概略]
図37(b)の拡散の指向性では、x軸の正の方向で、第1音波550の先進面が、上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面よりも、進行するようにする。さらに、スピーカ装置400を中心軸450の一の方向から見た平面視で上記の上側第2音波出力点P102(上側第2開口部分421のy軸方向での中心点)のy軸の値よりもy軸の値が大きい点で、第1音波550の先進面が、上側第2音波651の先進面に交わるようにする。スピーカ装置400を中心軸450の一の方向から見た平面視で上記の下側第2音波出力点P103(下側第2開口部分422のy軸方向での中心点)のy軸の値よりもy軸の値が小さい点で、第1音波550の先進面が、下側第2音波652の先進面に交わるようにする。なお、第1音波550の先進面が上側第2音波651の先進面に交わる点と、第1音波550の先進面が下側第2音波652の先進面に交わる点とは、中心軸450に対して対称の位置関係にある。
このようにすると、第1音波550が第1音波550の先進面と上側第2音波651の先進面とが交わる点で上側第2音波651と同位相(合成)になって強め合い、この強め合う部分700Aが、時間の経過に伴い、x軸の値が大きくなっていき、且つ、y軸の値が大きくなっていく方向に進むことになる(図40(a)の矢印710A参照)。この強め合う部分700A付近で、音が最も大きくなる。また、第1音波550が第1音波550の先進面と下側第2音波652の先進面とが交わる点で下側第2音波652と同位相(合成)になって強め合い、この強め合う部分700Bが、時間の経過に伴い、x軸の値が大きくなっていき、且つ、y軸の値が小さくなっていく方向に進むことになる(図40(a)の矢印710B参照)。この強め合う部分700B付近で、音が最も大きくなる。
[10.2.1.3.通常の指向性の概略]
図37(c)の通常の指向性では、第1スピーカユニット500により第1音波550を出音して、第1音波550を第1開口部分420から筐体401の外部に出力されるようにする。一方で、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音が行われず、上側第2開口部分421から筐体401の外部に上側第2音波651が出力されないようにし、下側第2開口部分422から筐体401の外部に下側第2音波652が出力されないようにする。
このようにすると、一つのダイナミックスピーカユニットによる音波の指向性と同様に、第1音波550は半円状に一様に拡がる。
[10.2.2.指向性の制御]
以下、図37(a)~(c)の各指向性を実現する制御について説明する。
[10.2.2.1.2波(上側第2音波、下側第2音波)の干渉]
図37(a)~(c)の各指向性を実現する制御を説明する前に、上側第2開口部分421から筐体401の外部に出力される上側第2音波651と、下側第2開口部分422から筐体401の外部に出力される下側第2音波652との干渉について、図38を参照して説明する。なお、図38では、疎密波である第2音波650、上側第2音波651及び下側第2音波652に関して、疎密波の密に当たる部分を実線で、疎密波の疎に当たる部分を点線で図示している。
第2スピーカユニット600により出音された第2音波650が、上側第2開口部分421と下側第2開口部分422とから筐体401の外部に出力される。同じタイミングで、上側第2開口部分421から筐体401の外部に出力される第2音波650(上側第2音波651)の位相と、下側第2開口部分422から筐体401の外部に出力される第2音波650(下側第2音波652)の位相とは同じになる。
上側第2音波651と下側第2音波652とが干渉し、強め合ったり、弱め合ったりする。例えば、上側第2音波651と下側第2音波652とが同位相で重なり合うと両音波651,652の合成波は最も強くなり、上側第2音波651と下側第2音波652とが逆位相で重なり合うと両音波651,652の合成波は最も弱くなる。中心軸450上の各点では、上側第2開口部分421の上側第2音波出力点P102からの距離と、下側第2開口部分422の下側第2音波出力点P103からの距離とが等しいため、上側第2音波651と下側第2音波652とは同位相で重なり合って、両音波651,652の合成波は最も強くなる。
上側第2音波651と下側第2音波652との干渉でできる干渉縞に関して、上側第2音波651と下側第2音波652とが同位相で重なり合う点P201,P203a,P203bでは、上側第2音波651と下側第2音波652との合成波のエネルギーが大きくなる(干渉縞の波形の腹となる)。また、上側第2音波651と下側第2音波652とが逆位相で重なり合う点P202a,P202bでは合成波のエネルギーが小さくなる(干渉縞の波形の節となる)。また、点P201から点P202aにかけて合成波のエネルギーが小さくなっていき、点P202aから点P203aにかけて合成波のエネルギーが大きくなっていく。また、点P201から点P202bにかけて合成波のエネルギーが小さくなっていき、点P202bから点P203bにかけて合成波のエネルギーが大きくなっていく。また、音波は進行すると減衰していくので、点P203a,P203bの合成波のエネルギーは点P201の合成波のエネルギーよりも小さくなる。
なお、上側第2音波651と下側第2音波652とが同位相で重なり合う干渉縞の腹は、Y=n×L×λ/dで与えられる。但し、第1音波出力点P101(第1音波出力点P101は上側第2音波出力点P102と下側第2音波出力点P103との中間点となっている。)を(x,y)=(0,0)とする。Yは、腹のy軸の値である。nは整数である。dは、上側第2音波出力点P102と下側第2音波出力点P103との距離(以下、「第2開口部分間距離」と記載する。)である。Lは、干渉縞の第1音波出力点P101からのx軸の正方向の距離である。λは、上側第2音波651及び下側第2音波652の波長である。Lはdより十分大きいとする。なお、点P201,P203a,P203bそれぞれのy軸の値Yは、Y=0,L×λ/d,-L×λ/dとなる。また、第2開口部分間距離dが小さい程、干渉縞の隣り合う2つの腹の間隔が大きくなる。
[10.2.2.2.収束の指向性の制御]
図37(a)の収束の指向性に関わる制御について図39(a)を参照して説明する。
第2スピーカユニット600により出音されて上側第2開口部分421から筐体401の外部に出力される第2音波650(上側第2音波651)の先進面と、第2スピーカユニット600により出音されて下側第2開口部分422から筐体401の外部に出力される第2音波650(下側第2音波652)の先進面とは、中心軸450上で交わる。中心軸450上の各点では、上側第2開口部分421の上側第2音波出力点P102からの距離と、下側第2開口部分422の下側第2音波出力点P103からの距離とが等しいため、上側第2音波651と下側第2音波652とは同位相で重なり合って、両音波651,652の合成波は最も強くなる。
上側第2音波651及び下側第2音波652と波形の形状が同じ第1音波550の先進面が、上側第2音波651の先進面と下側第2音波652の先進面とに、中心軸450上の第1波面合成点P301で交わるようにする。つまり、第1音波550が、中心軸450上の第1波面合成点P301で、上側第2音波651及び下側第2音波652と同位相で重なり合うようにする。このようにすると、第1音波550と上側第2音波651と下側第2音波652との3波の合成波は、中心軸450上の第1波面合成点P301で最も強くなる。
第1音波550の先進面と上側第2音波651の先進面と下側第2音波652の先進面とを繋ぐ線が指向波面となるため、図37(a)にイメージを示す内向きの指向波面700となり、図37(a)の収束の指向性が実現される。
収束の指向性を実現する制御では、中心軸450上の第1波面合成点P301で第1音波550と上側第2音波651と下側第2音波652との3つの音波を同位相とするために、中心軸450上の第1波面合成点P301で、第1音波550の先進面が上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面とに交わるように、言い換えると、中心軸450上の第1波面合成点P301に、第1音波550が上側第2音波651及び下側第2音波652と同時に到来するように、サブCPU201は、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングを、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングよりも遅延させるための制御を行う。
第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングを、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングよりも遅延させる遅延時間TA(ms)の一具体について図39(b)を参照して説明する。ここでは、第1音波出力点P101と、第2スピーカユニット600の先端部分のy軸方向の中心である第2音波出力点P104との距離をE(mm)とする。第1音波出力点P101と上側第2音波出力点P102との距離、及び、第1音波出力点P101と下側第2音波出力点P103との距離をD(mm)とする。
第1音波出力点P101からのx軸方向での距離がF(mm)であり、y軸方向での距離が0(mm)である点を、第1音波550の先進面を上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面に交わるようにする上記の中心軸450上の第1波面合成点P301であるとする。
第2音波650が筐体401の外部に出力されるまでに進行する距離(第2音波出力点P104と上側第2音波出力点P102との距離、第2音波出力点P104と下側第2音波出力点P103との距離)R(mm)は、R=(D2+E2)1/2となる。
第2音波650(上側第2音波651)が筐体401の外部に出力されてから第1波面合成点P301に到達するまでに進行する距離(上側第2音波出力点P102と第1波面合成点P301との距離)S(mm)と、第2音波650(下側第2音波652)が筐体401の外部に出力されてから第1波面合成点P301に到達するまでに進行する距離(下側第2音波出力点P103と第1波面合成点P301との距離)S(mm)とは、S=(D2+F2)1/2となる。第1音波550が筐体401の外部に出力されてから第1波面合成点P301に到達するまでに進行する距離(第1音波出力点P101と第1波面合成点P301との距離)T(mm)は、T=Fとなる。このため、筐体401の外部では、上側第2音波651及び下側第2音波652は、第1音波550よりも、S-T=(D2+F2)1/2-F分多く進行する。したがって、上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面が、第1音波550の先進面よりも、x軸の正方向に進行している距離Y(mm)は、Y=(D2+F2)1/2-Fとなる。
第1音波550の先進面を上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面に第1波面合成点P301で交わるようにするには、第2音波650が第1音波550よりもR+Y=(D2+E2)1/2+((D2+F2)1/2-F)分多く進行する必要がある。
したがって、音速をv(mm/ms)とすると、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングを、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングよりも遅延させる遅延時間TA(ms)は、TA=(R+Y)/v=((D2+E2)1/2+((D2+F2)1/2-F))/vとなる。なお、v=340(mm/ms)である。
なお、上記の収束の指向性に関わる制御では、或る波長で第1音波550の先進面が第1波面合成点P301で上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面に交わるようにするための遅延時間がTAである場合、他の波長で第1音波550の先進面が同一の第1波面合成点P301で上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面に交わるようにするための上記の遅延時間は同じTAになる。このため、第1音波550及び第2音波650の帯域の各波長で同じ遅延時間TAを利用することができる。
なお、図39(a)において、上側第2音波651と下側第2音波652とが同位相になって強め合う図38の干渉縞における上側第2音波651と下側第2音波652とが同位相で重なり合う点P203a,P203bでは、第1音波550が上側第2音波651及び下側第2音波652と略逆位相になる。このため、上側第2音波651及び下側第2音波652に第1音波550が加わることにより、第1音波550と上側第2音波651及び下側第2音波652との干渉でできる干渉縞の波形の腹を広くできる。
[10.2.2.3.拡散の指向性の制御]
図37(b)の拡散の指向性に関わる制御について図40(a)を参照して説明する。
上側第2音波651及び下側第2音波652と波形の形状が同じ第1音波550の先進面が、上側第2音波651の先進面に、スピーカ装置400を中心軸450の一の方向から見た平面視で、上側第2音波出力点P102のy軸の値よりもy軸の値が大きい上側第2波面合成点P302Aで交わるようにする。つまり、第1音波550が、上側第2波面合成点P302Aで、上側第2音波651と同位相で重なり合うようにする。このようにすると、第1音波550と上側第2音波651との2波の合成波は、上側第2波面合成点P302Aで最も強くなる。なお、図40(a)では、上側第2音波出力点P102を通るy軸の値が一定の線を点線451で示ししている。
第1音波550の先進面が上側第2音波651の先進面に上側第2波面合成点P302Aで交わるようにした場合、第1音波550の先進面が、下側第2音波652の先進面に、スピーカ装置400を中心軸450の一の方向から見た平面視で、中心軸450に対して上側第2波面合成点P302Aと対称の位置関係にある、下側第2音波出力点P103のy軸の値よりもy軸の値が小さい下側第2波面合成点P302Bで交わる。この場合、第1音波550と下側第2音波652との2波の合成波は、下側第2波面合成点P302Bで最も強くなる。なお、図40(a)では、下側第2音波出力点P103を通るy軸の値が一定の線を点線452で示ししている。
なお、実際のスピーカ装置400では、第1開口部分412から筐体401の外部に出力される第1音波550の先進面と、第2開口部分413から筐体401の外部に出力される第2音波650の先進面とは、スピーカ装置400を中心軸450の一の方向から見た平面視で、円環状の第2開口部分413の外周円と内周円との円状の中間線よりも外側の円状の波面合成線(中間線により形成される円の半径よりも波面合成線により形成される円の半径は大きい。)で交わることになる。この場合、第1音波550と第2音波650とは上記の波面合成線で強め合うことになる。
拡散の指向性を実現する制御では、上側第2波面合成点P302Aで第1音波550と上側第2音波651との2つの音波を同位相とし、下側第2波面合成点P302Bで第1音波550と下側第2音波652との2つの音波を同位相とするために、上側第2波面合成点P302Aで第1音波550の先進面が上側第2音波651の先進面に交わり、下側第2波面合成点P302Bで第1音波550の先進面が下側第2音波652の先進面に交わるように、サブCPU201は、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを調整するための制御を行う。言い換えると、第1音波550が上側第2波面合成点P302Aに上側第2音波651と同時に到来し、第1音波550が下側第2波面合成点P302Bに下側第2音波652と同時に到来するように、サブCPU201は、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを調整するための制御を行う。
第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとの調整の一具体例について図40(b)を参照して説明する。図40(b)を参照した説明では、上側第2音波651及び下側第2音波652のうち上側第2音波651を採り挙げて説明するが、下側第2音波652に関しても同様の説明が成り立つ。ここでは、第1音波出力点P101と第2音波出力点P104との距離をE(mm)とし、第1音波出力点P101と上側第2音波出力点P102との距離をD(mm)とする。
第1音波出力点P101からのx軸方向での距離がG(mm)であり、第1音波出力点P101からのy軸方向での距離がH(mm)である点を、第1音波550の先進面を上側第2音波651の先進面に交わるようにする上記の上側第2波面合成点P302Aであるとする。
第2音波650が筐体401の外部に出力されるまでに進行する距離(第2音波出力点P104と上側第2音波出力点P102との距離)R(mm)は、R=(D2+E2)1/2となる。
第2音波650(上側第2音波651)が筐体401の外部に出力されてから上側第2波面合成点P302Aに到達するまでに進行する距離(上側第2音波出力点P102と上側第2波面合成点P302Aとの距離)U(mm)は、U=(G2+(H-D)2)1/2となる。第1音波550が筐体401の外部に出力されてから上側第2波面合成点P302Aに到達するまでに進行する距離(第1音波出力点P101と上側第2波面合成点P302Aとの距離)W(mm)は、W=(G2+H2)1/2となる。このため、筐体401の外部では、第1音波550は上側第2音波651よりも、W-U=((G2+H2)1/2-(G2+(H-D)2)1/2)分多く進行する。したがって、第1音波550の先進面が、上側第2音波651の先進面よりも、x軸の正方向に進行している距離Z(mm)は、Z=(G2+H2)1/2-(G2+(H-D)2)1/2となる。
第1音波550の先進面を上側第2音波651の先進面に上側第2波面合成点P302Aで交わるようにするには、R-Z<0の場合、第1音波550が第2音波650よりもZ-R=((G2+H2)1/2-(G2+(H-D)2)1/2)-(D2+E2)1/2分多く進行する必要がある。したがって、音速をv(mm/ms)とすると、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングを、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングよりも遅延させる遅延時間TB1(ms)は、TB1=(Z-R)/v=(((G2+H2)1/2-(G2+(H-D)2)1/2)-(D2+E2)1/2)/vとなる。
R-Z>0の場合、第2音波650が第1音波550よりもR-Z=(D2+E2)1/2-((G2+H2)1/2-(G2+(H-D)2)1/2)分多く進行する必要がある。したがって、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングを、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングよりも遅延させる遅延時間TB2(ms)は、TB2=(R-Z)/v=((D2+E2)1/2‐((G2+H2)1/2-(G2+(H-D)2)1/2))/vとなる。
R-Z=0の場合、第1音波550が進む距離と第2音波650が進む距離とを同じにする必要がある。したがって、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを同タイミングにする。
なお、上記の拡散の指向性に関わる制御では、或る波長で第1音波550の先進面が上側第2波面合成点P302Aで上側第2音波651の先進面に交わるようにするための第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとの時間差が、R-Z<0の場合にはTB1、R-Z>0の場合にはTB2、R-Z=0の場合には0(時間差なし)であるとすれば、他の波長で第1音波550の先進面が同一の上側第2波面合成点P302Aで上側第2音波651の先進面に交わるようにするための時間差は、R-Z<0の場合にはTB1、R-Z>0の場合にはTB2、R-Z=0の場合には0(時間差なし)になる。このため、第1音波550及び第2音波650の帯域の各波長で同じ時間差を利用することができる。
[10.2.2.4.通常の指向性の制御]
図37(c)の通常の指向性に関わる制御では、サブCPU201は、第1スピーカユニット500により第1音波550が出音されるようにするが、第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されないようにするための制御を行う。
[10.2.3.指向性の制御に関わる回路例]
以下、図37(a)~(c)の各指向性の制御に関わる回路例について図41を参照して説明する。図41の回路例では、第2の遊技機が図36のスピーカ装置400を第2の遊技機を正面から見て左右に2つ有しており、左右のスピーカ装置400夫々は第2の遊技機で遊技を行う遊技者に向けて配置されている。なお、左側のスピーカ装置400の第1スピーカユニット500及び第2スピーカユニット600を第1スピーカユニット(左)500L及び第2スピーカユニット(左)600Lと記載し、右側のスピーカ装置400の第1スピーカユニット500及び第2スピーカユニット600を第1スピーカユニット(右)500R及び第2スピーカユニット(右)600Rと記載する。
第2の遊技機では、複数の演出のうち第1演出の実施時にスピーカ装置400の指向性を図37(a)の収束の指向性にする制御が行われ、複数の演出のうち第2演出の実施時にスピーカ装置400の指向性を図37(b)の拡散の指向性にする制御が行われ、複数の演出のうち第3演出の実施時にスピーカ装置400の指向性を図37(c)の通常の指向性にする制御が行われる。第1演出は、主に第2の遊技機で遊技を行っている遊技者に向けた演出であり、第1演出の例としてボーナス役の当選の示唆演出、AT状態での押し順ナビの演出などを挙げることができる。第2演出は、主に第2の遊技機付近にいる遊技者以外の他の人に向けた演出であり、第2演出の例としてメダルの払出が絶好調であることの報知演出、ボーナス遊技状態であることの報知演出、AT状態であることの報知演出など、遊技店が他の人にアピールすることを目的とした報知演出などを挙げることができる。第3演出は、第2の遊技機で遊技を行っている遊技者及び第2の遊技機付近にいる遊技者以外の他の人など、第2の遊技機周辺の人に向けた演出であり、第3演出の例としてメダルの払出が絶好調であることの報知演出、ボーナス遊技状態であることの報知演出、AT状態であることの報知演出などを挙げることができる。なお、第2演出と第3演出の具体例は重複しているが、例えば、メダルの払出が絶好調であることの報知演出に拡散の指向性が用いられ、ボーナス遊技状態であることの報知演出及びAT状態であることの報知演出に通常の指向性が用いられるようにする。
図41の回路例では、サブCPU201がデータ線901に音声データを出力してから第1スピーカユニット500により第1音波550が出音されるまでの時間と、サブCPU201がデータ線904に音声データを出力してから第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されるまでの時間とは、同一であるとする。
[10.2.3.1.収束の指向性の制御]
収束の指向性の制御では、図39(a)を用いて説明したように、第1音波550の先進面が中心軸450上の第1波面合成点P301で上側第2音波651の先進面及び下側第2音波652の先進面に交わるように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングを、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングよりも遅延時間TA(ms)分遅延させる。
サブCPU201は、第1アンプ800に設定する増幅度に関わる制御信号及び第2アンプ801に設定する増幅度に関わる制御信号を制御線900に出力する。これにより、第1アンプ800及び第2アンプ801に増幅度が設定される。具体的には、副制御回路200に備えられたボリュームスイッチ(不図示)、又は、遊技者が操作して音量を選択(5段階)した音量に基づいて、選択された音量をサブCPU201が、第1アンプ800及び第2アンプ801に増幅度として出力する。また、サブCPU201の起動時(電源投入時)に、予め定められた増幅度を出力して設定し、サブCPU201がデータ線901及びデータ線904に出力する音声データに増幅度を含めて送信してもよい。
サブCPU201は、第2の遊技機を正面から見て左側のスピーカ装置400用の第2音声データ(左)と、第2の遊技機を正面から見て右側のスピーカ装置400用の第2音声データ(右)とをデータ線904に出力する。データ線904に出力された第2音声データ(左)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(左)をチャネルch0から信号線(スピーカラインL)905に出力し、第2スピーカユニット(左)600Lは信号線905に出力された第2音声信号(左)から第2音波650を出音する。また、データ線904に出力された第2音声データ(右)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(右)をチャネルch1から信号線(スピーカラインR)906に出力し、第2スピーカユニット(右)600Rは信号線906に出力された第2音声信号(右)から第2音波650を出音する。
サブCPU201は、第2音声データ(左)と第2音声データ(右)とをデータ線904に出力してから、図39(b)で説明したモデルでは上記の遅延時間TA(ms)に相当する遅延サンプル数SampleA分経過すると、第2の遊技機を正面から見て左側のスピーカ装置400用の第1音声データ(左)と第2の遊技機を正面から見て右側のスピーカ装置400用の第1音声データ(右)をデータ線901に出力する。第1音声データ(左)は第2音声データ(左)と同じ音声データであり、第1音声データ(右)は第2音声データ(右)と同じ音声データである。ここで、遅延サンプル数SampleAは、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleA=TA×Rateとなる。なお、48kHzのシステムでは、Rate=48(sample/ms)である。データ線901に出力された第1音声データ(左)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(左)をチャネルCH0から信号線(スピーカラインL)902に出力し、第1スピーカユニット(左)500Lは信号線902に出力された第1音声信号(左)から第1音波550を出音する。また、データ線901に出力された第1音声データ(右)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(右)をチャネルCH1から信号線(スピーカラインR)903に出力し、第1スピーカユニット(右)500Rは信号線903に出力された第1音声信号(右)から第1音波550を出音する。
上記の処理により、第1スピーカユニット(左)500L及び第1スピーカユニット(右)500Rによる第1音波550の出音は、第2スピーカユニット(左)600L及び第2スピーカユニット(右)600Rによる第2音波650の出音よりも、遅延時間TA分遅れる。
[10.2.3.2.拡散の指向性の制御]
拡散の指向性の制御では、図40(a)を用いて説明したように、第1音波550の先進面が、スピーカ装置400を中心軸450の一の方向から見た平面視で、上側第2音波出力点P102のy軸の値よりもy軸の値が大きい上側第2波面合成点P302Aで上側第2音波651の先進面に交わるように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとの調整が行われる。
図40(b)を用いて説明したモデルにおいて、R-Z<0の場合は、次のようになる。サブCPU201は、第1音声データ(左)と第1音声データ(右)とをデータ線901に出力する。データ線901に出力された第1音声データ(左)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(左)をチャネルCH0から信号線902に出力し、第1スピーカユニット(左)500Lは信号線902に出力された第1音声信号(左)から第1音波550を出音する。また、データ線901に出力された第1音声データ(右)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(右)をチャネルCH1から信号線903に出力し、第1スピーカユニット(右)500Rは信号線903に出力された第1音声信号(右)から第1音波550を出音する。
サブCPU201は、第1音声データ(左)と第1音声データ(右)とをデータ線901に出力してから、図40(b)で説明したモデルでは上記の遅延時間TB1(ms)に相当する遅延サンプル数SampleB1分経過すると、第2音声データ(左)と第2音声データ(右)とをデータ線904に出力する。第2音声データ(左)は第1音声データ(左)と同じ音声データであり、第2音声データ(右)は第1音声データ(右)と同じ音声データである。ここで、遅延サンプル数SampleB1は、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleB1=TB1×Rateとなる。データ線904に出力された第2音声データ(左)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(左)をチャネルch0から信号線905に出力し、第2スピーカユニット(左)600Lは信号線905に出力された第2音声信号(左)から第2音波650を出音する。また、データ線904に出力された第2音声データ(右)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(右)をチャネルch1から信号線906に出力し、第2スピーカユニット(右)600Rは信号線906に出力された第2音声信号(右)から第2音波650を出音する。
上記の処理により、第2スピーカユニット(左)600L及び第2スピーカユニット(右)600Rによる第2音波650の出音は、第1スピーカユニット(左)500L及び第1スピーカユニット(右)500Rによる第1音波550の出音よりも、遅延時間TB1分遅れる。
図40(b)を用いて説明したモデルにおいて、R-Z>0の場合は、次のようになる。サブCPU201は、第2音声データ(左)と第2音声データ(右)とをデータ線904に出力する。データ線904に出力された第2音声データ(左)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(左)をチャネルch0から信号線905に出力し、第2スピーカユニット(左)600Lは信号線905に出力された第2音声信号(左)から第2音波650を出音する。また、データ線904に出力された第2音声データ(右)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(右)をチャネルch1から信号線906に出力し、第2スピーカユニット(右)600Rは信号線906に出力された第2音声信号(右)から第2音波650を出音する。
サブCPU201は、第2音声データ(左)と第2音声データ(右)とをデータ線904に出力してから、図40(b)で説明したモデルでは上記の遅延時間TB2(ms)に相当する遅延サンプル数SampleB2分経過すると、第1音声データ(左)と第1音声データ(右)とをデータ線901に出力する。第1音声データ(左)は第2音声データ(左)と同じ音声データであり、第1音声データ(右)は第2音声データ(右)と同じ音声データである。ここで、遅延サンプル数SampleB2は、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleB2=TB2×Rateとなる。データ線901に出力された第1音声データ(左)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(左)をチャネルCH0から信号線902に出力し、第1スピーカユニット(左)500Lは信号線902に出力された第1音声信号(左)から第1音波550を出音する。また、データ線901に出力された第1音声データ(右)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(右)をチャネルCH1から信号線903に出力し、第1スピーカユニット(右)500Rは信号線903に出力された第1音声信号(右)から第1音波550を出音する。
上記の処理により、第1スピーカユニット(左)500L及び第1スピーカユニット(右)500Rによる第1音波550の出音は、第2スピーカユニット(左)600L及び第2スピーカユニット(右)600Rによる第2音波650の出音よりも、遅延時間TB2分遅れる。
図40(b)を用いて説明したモデルにおいて、R-Z=0の場合は、次のようになる。サブCPU201は、第1音声データ(左)と第1音声データ(右)とをデータ線901に出力する。データ線901に出力された第1音声データ(左)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(左)をチャネルCH0から信号線902に出力し、第1スピーカユニット(左)500Lは信号線902に出力された第1音声信号(左)から第1音波550を出音する。また、データ線901に出力された第1音声データ(右)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(右)をチャネルCH1から信号線903に出力し、第1スピーカユニット(右)500Rは信号線903に出力された第1音声信号(右)から第1音波550を出音する。
サブCPU201は、第1音声データ(左)と第1音声データ(右)とをデータ線904に出力したタイミングと同じタイミングで、第2音声データ(左)と第2音声データ(右)とをデータ線904に出力する。第2音声データ(左)は第1音声データ(左)と同じ音声データであり、第2音声データ(右)は第1音声データ(右)と同じ音声データである。データ線904に出力された第2音声データ(左)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(左)をチャネルch0から信号線905に出力し、第2スピーカユニット(左)600Lは信号線905に出力された第2音声信号(左)から第2音波650を出音する。また、データ線904に出力された第2音声データ(右)は第2アンプ801で増幅され、第2アンプ801は増幅等により得られた第2音声信号(右)をチャネルch1から信号線906に出力し、第2スピーカユニット(右)600Rは信号線906に出力された第2音声信号(右)から第2音波650を出音する。
上記の処理により、第1スピーカユニット(左)500L及び第1スピーカユニット(右)500Rによる第1音波550の出音と、第2スピーカユニット(左)600L及び第2スピーカユニット(右)600Rによる第2音波650の出音とは、同じタイミングに行われる。
[10.2.3.3.通常の指向性の制御]
通常の指向性の制御では、第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されず、第1スピーカユニット500により第1音波550が出音される。
サブCPU201は、第1音声データ(左)と第1音声データ(右)とをデータ線901に出力する。データ線901に出力された第1音声データ(左)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(左)をチャネルCH0から信号線902に出力し、第1スピーカユニット(左)500Lは信号線902に出力された第1音声信号(左)から第1音波550を出音する。また、データ線901に出力された第1音声データ(右)は第1アンプ800で増幅され、第1アンプ800は増幅等により得られた第1音声信号(右)をチャネルCH1から信号線903に出力し、第1スピーカユニット(右)500Rは信号線903に出力された第1音声信号(右)から第1音波550を出音する。
サブCPU201により、第1音声データ(左)と同じ第2音声データ(左)、及び、第1音声データ(右)と同じ第2音声データ(右)は、データ線904に出力されることはない。これにより、第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されることはない。
[10.2.4.指向性の制御に関わる回路の変形例1]
以下、図37(a)~(c)の各指向性の制御に関わる回路の変形例1について図42を参照して説明する。図42の回路の変形例1では、第2の遊技機が図36のスピーカ装置400を1つ有しており、スピーカ装置400は第2の遊技機で遊技を行う遊技者に向けて配置されている。
図42の回路例では、アンプ810が信号線912に音声信号を出力してから第1スピーカユニット500により第1音波550が出音されるまでの時間と、アンプ810が信号線913に音声信号を出力してから第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されるまでの時間とは、同一であるとする。
[10.2.4.1.収束の指向性の制御]
サブCPU201は、アンプ810に設定する増幅度に関わる制御信号、チャネルCh0から出力する音声データを遅延させる遅延時間に相当する第1遅延サンプル数に関わる制御信号、及び、チャネルCh1から出力する音声データを遅延させる遅延時間に相当する第2遅延サンプル数に関わる制御信号を制御線910に出力する。これにより、アンプ810に、増幅度、第1遅延サンプル数、及び、第2遅延サンプル数が設定される。
図39(b)を用いて説明したモデルにおける収束の指向性の制御では、サブCPU201は、第1遅延サンプル数が第2遅延サンプル数よりも上記の遅延時間TAに相当する遅延サンプル数SampleA分大きくなるように、第1遅延サンプル数及び第2遅延サンプル数をアンプ810に設定する。ここで、遅延サンプル数SampleAは、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleA=TA×Rateとなる。
サブCPU201は音声データをデータ線911に出力する。データ線911に出力された音声データはアンプ810に入力され、アンプ810は入力された音声データを増幅する。
アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第2遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh1から信号線913に出力する。第2スピーカユニット600は信号線913に出力された音声信号から第2音波650を出音する。また、アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第1遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh0から信号線912に出力する。チャネルCh0から信号線912への音声信号の出力タイミングは、チャネルCh1から信号線913への音声信号の出力タイミングよりも、遅延時間TAに相当する遅延サンプル数SampleA分遅れる。第1スピーカユニット500は、信号線912に出力された音声信号から第1音波550を出音する。この処理により、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音は、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音よりも、遅延時間TA分遅れる。
[10.2.4.2.拡散の指向性の制御]
図40(b)を用いて説明したモデルにおける拡散の指向性の制御では、R-Z<0の場合、次のようになる。サブCPU201は、第2遅延サンプル数が第1遅延サンプル数よりも上記の遅延時間TB1に相当する遅延サンプル数SampleB1分大きくなるように、第1遅延サンプル数及び第2遅延サンプル数をアンプ810に設定する。ここで、遅延サンプル数SampleB1は、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleB1=TB1×Rateとなる。
サブCPU201は音声データをデータ線911に出力する。データ線911に出力された音声データはアンプ810に入力され、アンプ810は入力された音声データを増幅する。
アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第1遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh0から信号線912に出力する。第1スピーカユニット500は信号線912に出力された音声信号から第1音波550を出音する。また、アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第2遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh1から信号線913に出力する。チャネルCh1から信号線913への音声信号の出力タイミングは、チャネルCh0から信号線912への音声信号の出力タイミングよりも、遅延時間TB1に相当する遅延サンプル数SampleB1分遅れる。第2スピーカユニット600は信号線913に出力された音声信号から第2音波650を出音する。この処理により、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音は、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音よりも、遅延時間TB1分遅れる。
図40(b)を用いて説明したモデルにおいて、R-Z>0の場合、次のようになる。サブCPU201は、第1遅延サンプル数が第2遅延サンプル数よりも上記の遅延時間TB2に相当する遅延サンプル数SampleB2分大きくなるように、第1遅延サンプル数及び第2遅延サンプル数をアンプ810に設定する。ここで、遅延サンプル数SampleB2は、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleB2=TB2×Rateとなる。
サブCPU201は音声データをデータ線911に出力する。データ線911に出力された音声データはアンプ810に入力され、アンプ810は入力された音声データを増幅する。
アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第2遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh1から信号線913に出力する。第2スピーカユニット600は信号線913に出力された音声信号から第2音波650を出音する。また、アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第1遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh0から信号線912に出力する。チャネルCh0から信号線912への音声信号の出力タイミングは、チャネルCh1から信号線913への音声信号の出力タイミングよりも、遅延時間TB2に相当する遅延サンプル数SampleB2分遅れる。第1スピーカユニット500は信号線912に出力された音声信号から第1音波550を出音する。この処理により、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音は、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音よりも、遅延時間TB2分遅れる。
図40(b)を用いて説明したモデルにおいて、R-Z=0の場合、次のようになる。サブCPU201は、同数の第1遅延サンプル数と第2遅延サンプル数とをアンプ810に設定する。
サブCPU201は音声データをデータ線911に出力する。データ線911に出力された音声データはアンプ810に入力され、アンプ810は入力された音声データを増幅する。
アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第1遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh0から信号線912に出力する。第1スピーカユニット500は信号線912に出力された音声信号から第1音波550を出音する。また、アンプ810は、増幅等により得られた音声信号を第2遅延サンプル数分遅延させてチャネルCh1から信号線913に出力する。チャネルCh1から信号線913への音声信号の出力タイミングは、チャネルCh0から信号線912への音声信号の出力タイミングと同じタイミングになる。第2スピーカユニット600は信号線913に出力された音声信号から第2音波650を出音する。この処理により、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音と、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音とは、同じタイミングに行われる。
[10.2.4.3.通常の指向性の制御]
通常の指向性の制御では、サブCPU201は音声データをデータ線911に出力する。データ線911に出力された音声データはアンプ810に入力され、アンプ810は入力された音声データを増幅し、アンプ810は、増幅等により得られた音声信号をチャネルCh0から信号線912に出力する。第1スピーカユニット500は信号線912に出力された音声信号から第1音波550を出音する。アンプ810は増幅等により得られた音声信号をチャネルCh1から信号線913に出力することはなく、第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されることはない。
[10.2.5.指向性の制御に関わる回路の変形例2]
以下、図37(a)~(c)の各指向性の制御に関わる回路の変形例2について図43を参照して説明する。図43の回路の変形例2では、第2の遊技機が図36のスピーカ装置400を1つ有しており、スピーカ装置400は第2の遊技機で遊技を行う遊技者に向けて配置されている。
図43の回路例では、サブCPU201がデータ線921に音声データを出力してから第1遅延回路851に入力されるまでの時間と、サブCPU201がデータ線921に音声データを出力してから第2遅延回路852に入力されるまでの時間とは、同一であるとする。また、第1遅延回路851がデータ線923に音声データを出力してから第1スピーカユニット500により第1音波550が出音されるまでの時間と、第2遅延回路852がデータ線924に音声データを出力してから第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されるまでの時間とは、同一であるとする。
[10.2.5.1.収束の指向性の制御]
サブCPU201は、スイッチ830のオンとオフの設定に関わる制御信号、音声データを第1遅延回路851で遅延させる遅延時間に相当する第1遅延サンプル数に関わる制御信号、音声データを第2遅延回路852で遅延させる遅延時間に相当する第2遅延サンプル数に関わる制御信号、及び、第1アンプ821に設定する増幅度に関わる制御信号、第2アンプ822に設定する増幅度に関わる制御信号を制御線920に出力する。これにより、スイッチ830がオン又はオフに設定され、第1遅延回路851に第1遅延サンプル数が設定され、第2遅延回路852に第2遅延サンプル数が設定され、第1アンプ821に増幅度が設定され、第2アンプ822に増幅度が設定される。
図39(b)を用いて説明したモデルにおける収束の指向性の制御では、サブCPU201は、スイッチ830をオンに設定する。また、サブCPU201は、第1遅延サンプル数が第2遅延サンプル数よりも上記の遅延時間TAに相当する遅延サンプル数SampleA分大きくなるように、第1遅延サンプル数を第1遅延回路851に設定し、第2遅延サンプル数を第2遅延回路852に設定する。ここで、遅延サンプル数SampleAは、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleA=TA×Rateとなる。
サブCPU201は音声データをデータ線921に出力する。データ線921に出力された音声データは、第1遅延回路851に入力され、スイッチ830を介してデータ線922から第2遅延回路852に入力される。
第2遅延回路852は、入力された音声データを第2遅延サンプル数分遅延させてデータ線924に出力する。データ線924に出力された音声データは第2アンプ822で増幅され、第2アンプ822は増幅等により得られた音声信号を信号線926に出力し、第2スピーカユニット600は信号線926に出力された音声信号から第2音波650を出音する。また、第1遅延回路851は、入力された音声データを第1遅延サンプル数分遅延させてデータ線923に出力する。第1遅延回路851からデータ線923への音声データの出力タイミングは、第2遅延回路852からデータ線924への音声データの出力タイミングよりも、遅延時間TAに相当する遅延サンプル数SampleA分遅れる。データ線923に出力された音声データは第1アンプ821で増幅され、第1アンプ821は増幅等により得られた音声信号を信号線925に出力し、第1スピーカユニット500は信号線925に出力された音声信号から第1音波550を出音する。この処理により、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音は、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音よりも、遅延時間TA分遅れる。
[10.2.5.2.拡散の指向性の制御]
図40(b)を用いて説明したモデルにおける拡散の指向性の制御では、R-Z<0の場合、次のようになる。サブCPU201は、スイッチ830をオンに設定する。また、サブCPU201は、第2遅延サンプル数が第1遅延サンプル数よりも上記の遅延時間TB1に相当する遅延サンプル数SampleB1分大きくなるように、第1遅延サンプル数を第1遅延回路851に設定し、第2遅延サンプル数を第2遅延回路852に設定する。ここで、遅延サンプル数SampleB1は、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleB1=TB1×Rateとなる。
サブCPU201は音声データをデータ線921に出力する。データ線921に出力された音声データは、第1遅延回路851に入力され、スイッチ830を介してデータ線922から第2遅延回路852に入力される。
第1遅延回路851は、入力された音声データを第1遅延サンプル数分遅延させてデータ線923に出力する。データ線923に出力された音声データは第1アンプ821で増幅され、第1アンプ821は増幅等により得られた音声信号を信号線925に出力し、第1スピーカユニット500は信号線925に出力された音声信号から第1音波550を出音する。また、第2遅延回路852は、入力された音声データを第2遅延サンプル数分遅延させてデータ線924に出力する。第2遅延回路852からデータ線924への音声データの出力タイミングは、第1遅延回路851からデータ線923への音声データの出力タイミングよりも、遅延時間TB1に相当する遅延サンプル数SampleB1分遅れる。データ線924に出力された音声データは第2アンプ822で増幅され、第2アンプ822は増幅等により得られた音声信号を信号線926に出力し、第2スピーカユニット600は信号線926に出力された音声信号から第2音波650を出音する。この処理により、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音は、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音よりも、遅延時間TB1分遅れる。
図40(b)を用いて説明したモデルにおいて、R-Z>0の場合、次のようになる。サブCPU201は、スイッチ830をオンに設定する。また、サブCPU201は、第1遅延サンプル数が第2遅延サンプル数よりも遅延時間TB2に相当する遅延サンプル数SampleB2分大きくなるように、第1遅延サンプル数を第1遅延回路851に設定し、第2遅延サンプル数を第2遅延回路852に設定する。ここで、遅延サンプル数SampleB2は、サンプリングレートをRate(sample/ms)とすると、SampleB2=TB2×Rateとなる。
サブCPU201は音声データをデータ線921に出力する。データ線921に出力された音声データは、第1遅延回路851に入力され、スイッチ830を介してデータ線922から第2遅延回路852に入力される。
第2遅延回路852は、入力された音声データを第2遅延サンプル数分遅延させてデータ線924に出力する。データ線924に出力された音声データは第2アンプ822で増幅され、第2アンプ822は増幅等により得られた音声信号を信号線926に出力し、第2スピーカユニット600は信号線926に出力された音声信号から第2音波650を出音する。また、第1遅延回路851は、入力された音声データを第1遅延サンプル数分遅延させてデータ線923に出力する。第1遅延回路851からデータ線923への音声データの出力タイミングは、第2遅延回路852からデータ線924への音声データの出力タイミングよりも、遅延時間TB2に相当する遅延サンプル数SampleB2分遅れる。データ線923に出力された音声データは第1アンプ821で増幅され、第1アンプ821は増幅等により得られた音声信号を信号線925に出力し、第1スピーカユニット500は信号線925に出力された音声信号から第1音波550を出音する。この処理により、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音は、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音よりも、遅延時間TB2分遅れる。
図40(b)を用いて説明したモデルにおいて、R-Z=0の場合、次のようになる。サブCPU201は、スイッチ830をオンに設定する。また、サブCPU201は、第1遅延サンプル数を第1遅延回路851に設定し、第1遅延サンプル数と同数の第2遅延サンプル数を第2遅延回路852に設定する。
サブCPU201は音声データをデータ線921に出力する。データ線921に出力された音声データは、第1遅延回路851に入力され、スイッチ830を介してデータ線922から第2遅延回路852に入力される。
第1遅延回路851は、入力された音声データを第1遅延サンプル数分遅延させてデータ線923に出力する。データ線923に出力された音声データは第1アンプ821で増幅され、第1アンプ821は増幅等により得られた音声信号を信号線925に出力し、第1スピーカユニット500は信号線925に出力された音声信号から第1音波550を出音する。また、第2遅延回路852は、入力された音声データを第2遅延サンプル数分遅延させてデータ線924に出力する。第2遅延回路852からデータ線924への音声データの出力タイミングは、第1遅延回路851からデータ線923への音声データの出力タイミングと同じタイミングになる。データ線924に出力された音声データは第2アンプ822で増幅され、第2アンプ822は増幅等により得られた音声信号を信号線926に出力し、第2スピーカユニット600は信号線926に出力された音声信号から第2音波650を出音する。この処理により、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音と、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音とは、同じタイミングに行われる。
[10.2.5.3.通常の指向性の制御]
通常の指向性の制御では、サブCPU201はスイッチ830をオフに設定する。サブCPU201は音声データをデータ線921に出力し、データ線921に出力された音声データは第1遅延回路851に入力される。第1遅延回路851は、入力された音声データを遅延させてデータ線923に出力する。データ線923に出力された音声データは第1アンプ821で増幅され、第1アンプ821は増幅等により得られた音声信号を信号線925に出力し、第1スピーカユニット500は信号線925に出力された音声信号から第1音波550を出音する。
一方で、スイッチ830がオフであるので、第2遅延回路852には音声データが入力されない。これにより、第2スピーカユニット600により第2音波650が出音されることがない。
[10.3.第2の遊技機の効果]
上記に説明した第2の遊技機によれば、中心軸450上に第1スピーカユニット500と第2スピーカユニット600とを並べた構造のスピーカ装置400は、複数個のスピーカユニットをアレイ状に配置する場合に比べて、第2の遊技機の左右方向のサイズ又は上下方向のサイズの制約を受けにくくなっている。このようなスピーカ装置400を用い、第1音波550と第2音波650とが筐体401の外部の波面合成箇所に同時に到来するように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを調整するだけの簡単な制御で、スピーカ装置400で所望の指向性を実現できる。
特に、第1音波550と第2音波650とが円形状の開口部411の中心軸450上の第1波面合成点P301に同時に到来するように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングを第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングより遅延させるという簡単な制御で、スピーカ装置400で収束の指向性を実現できる。
また、第1音波550と第2音波650とが、中心軸450の一の方向から第1開口部分412及び第2開口部分413を見た平面視で第2開口部分413の内周円と外周円との間の中間線よりも外側にある円状をした波面合成線(波面合成線上には、上側第2波面合成点P302A及び下側第2波面合成点P302Bが存在する。)に、同時に到来するように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを調整するという簡単な制御で、スピーカ装置400で拡散の指向性を実現できる。
また、第2スピーカユニット600により第2音波は600が出音されず、第1スピーカユニット500により第1音波550が出音されるようにするという簡単な制御で、スピーカ装置400で通常の指向性を実現できる。
また、ボーナス役の当選の示唆演出、AT状態での押し順ナビの演出など、主に第2の遊技機で遊技を行っている遊技者に向けた第1演出の実施に、収束の指向性が利用される。これにより、遊技者が集中して楽しむことを望むと思われる第1演出で、遊技者は、第2の遊技機付近にいる他の人に知られて覗かれるなど邪魔されずに、集中して第1演出を楽しむことができる。
また、メダルの払出が絶好調であることの報知演出、ボーナス遊技状態であることの報知演出、AT状態であることの報知演出など、遊技店が第2の遊技機付近にいる遊技者以外の他の人にアピールすることを目的とした演出など、主に第2の遊技機付近にいる遊技者以外の他の人に向けた第2演出の実施に、拡散の指向性が利用される。これにより、遊技店が第2の遊技機付近にいる遊技者以外の他の人にアピールすることを目的とした第2演出の内容を効果的に他の人に伝達でき、遊技店は例えば第2の遊技機の稼働率の向上を期待できる。
また、メダルの払出が絶好調であることの報知演出、ボーナス遊技状態であることの報知演出、AT状態であることの報知演出など、第2の遊技機で遊技を行っている遊技者及び第2の遊技機付近にいる遊技者以外の他の人などに向けた第3演出の実施に、通常の指向性が利用される。これにより、第2の遊技機付近にいる遊技者を含む人全てに第3演出の内容を伝達できる。
[10.4.第2の遊技機の変形例]
上記の図36~図43を参照して説明した第2の遊技機では、スピーカ装置400は、図37(a)の収束の指向性、図37(b)の拡散の指向性、図37(c)の拡散の指向性の3つの指向性を実現するとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、スピーカ装置400は、これら3つの指向性の実現に加えて、第1音波550を出音せずに、第2音波650を出音して第2開口部分413から筐体401の外部に出力されるようにし、スピーカ装置400による音波が略ドーナッツ状に拡がる指向性を実現するようにしてもよい。また、スピーカ装置400は、これら4つの指向性のうちの一部の指向性を実現するようにしてもよい。
また、上記の図39(a)の収束の指向性の制御では、第1波面合成点P301に、第1音波550が上側第2音波651及び下側第2音波652と同時に到来するように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングを、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングよりも遅延させるとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1音波550と上側第2音波651及び下側第2音波652とが第1波面合成点P301に同時以外の第1時間差内で到来するように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを調整するようにしてもよい。なお、第1時間差と後述する第2時間差は、2つの音波による音声を人間の聴覚が別の音声と認識しない最大の時間差である。
また、上記の図40(a)の拡散の指向性の制御では、上側第2波面合成点P302Aに、第1音波550が上側第2音波651と同時に到来し、下側第2波面合成点P302Bに、第1音波550が下側第2音波652と同時に到来するように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと、第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを調整するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、第1音波550と上側第2音波651とが上側第2波面合成点P302Aに同時以外の第2時間差内で到来し、第1音波550と下側第2音波652とが下側第2波面合成点P302Bに同時以外の第2時間差内で到来するように、第1スピーカユニット500による第1音波550の出音タイミングと第2スピーカユニット600による第2音波650の出音タイミングとを調整するようにしてもよい。
また、第2の遊技機が図36のスピーカ装置400を複数有する場合に、複数のスピーカ装置400を同じ期間に異なる指向性に制御するようにしてもよい。例えば、第2の遊技機が図36のスピーカ装置400を2つ有する場合に、一方を収束の指向性に制御し、他方を拡散の指向性に制御するなどである。
また、第2の遊技機が図36のスピーカ装置400を複数有する場合に、各スピーカ装置400での指向性の制御を、他のスピーカ装置400での指向性の制御と独立して行われるようにしてもよい。
[11.第3の遊技機]
続いて、図44~図59を参照して、パチスロ機1の設定変更及び設定確認に関する仕様について、これを「第3の遊技機」として説明する。なお、図44~図59の各図の説明にないパチスロ機1の構成の全ては、図1~図35の各図で説明された実施形態が適用される。
[11-1.コマンド]
以下、主制御回路100から副制御回路200へ送信される初期化コマンド([4-9.コマンド]などで記載されている初期化コマンド)及び周期コマンド(「無操作コマンド」と記載することもある。)について、[11.第3の遊技機]の説明に必要な部分を中心に説明し、それ以外の部分については簡単に記載するか説明を省略する。なお、周期コマンド(無操作コマンド)は上記の[6-2.定期割込処理]などでは入力状態コマンドと記載している。
[11-1-1.コマンドの構成]
主制御回路100から副制御回路200へ送信される初期化コマンド及び周期コマンド(無操作コマンド)の構成について説明する。
[11-1-1-1.初期化コマンドの構成]
主制御回路100から副制御回路200へ送信される初期化コマンドの構成について図44を参照して説明する。
図44に示すように、初期化コマンドは、データサイズがそれぞれ1バイト(8ビット)であるビット群D00~D07を含む計8バイトで構成される。ビット群D00の種別はコマンドを識別するための「ID」であり、ビット群D00には「初期化コマンドID(01h)」がセットされる。ビット群D01の種別は「設定値」であり、ビット群D01にはメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に記憶されている「設定値」(「0」~「5」)がセットされる。ビット群D02の種別は初期化コマンドのステータスを示す「ステータス」であり、ビット群D02には初期化コマンドのステータスを示す値(「1(01h)」(変更・開始)、「2(02h)」(変更・終了)、「3(03h)」(確認・開始)、「4(04h)」(確認・終了))がセットされる。ビット群D03の種別はクリアの種類を示す「クリア種別」であり、ビット群D03にはクリアの種類を示す値(「0(00h)」(なし)、「1(01h)」(変更時)、「2(02h)」(RWM異常時))がセットされる。ビット群D04、D05の種別は「未使用」であり、ビット群D04、D05には固定値「00h」がセットされる。ビット群D06の種別は「遊技状態」であり、ビット群D06には「遊技状態」(「通常(01h)」、「BB中(02h)」、「再遊技(80h)」など)がセットされる。ビット群D07の種別は「サム」であり、ビット群D07には「ビット群D00~D06のチェックコード」(ビット群D00~D06の加算結果)がセットされる。なお、加算結果の他に、減算、排他的論理和などの演算結果がセットされるようにしてもよい。
なお、以下では、(1)ビット群D00に「初期化コマンドID(01h)」がセットされ、ビット群D02に「1」(変更・開始)がセットされた初期化コマンドを「初期化コマンド(変更・開始)」と記載し、(2)ビット群D00に「初期化コマンドID(01h)」がセットされ、ビット群D02に「2」(変更・終了)がセットされた初期化コマンドを「初期化コマンド(変更・終了)」と記載し、(3)ビット群D00に「初期化コマンドID(01h)」がセットされ、ビット群D02に「3」(確認・開始)がセットされた初期化コマンドを「初期化コマンド(確認・開始)」と記載し、(4)ビット群D00に「初期化コマンドID(01h)」がセットされ、ビット群D02に「4」(確認・終了)がセットされた初期化コマンドを「初期化コマンド(確認・終了)」と記載する。
また、(1)を第2開始コマンド、(2)を第2終了コマンド、(3)を第1開始コマンド、(4)を第1終了コマンドと称する。
さらに、ビット分D00を「初期化コマンドID(01h)」の共通としているが、例えば、ビット群D00で分類する方法もある。例えば、「初期化コマンド(変更・開始)」の場合、ビット群D00に「設定変更・開始(F1h)」、「初期化コマンド(変更・終了)」の場合、ビット群D00に「設定変更・終了(F2h)」、「初期化コマンド(確認・開始)」の場合、ビット群D00に「設定確認・開始(F3h)」、「初期化コマンド(確認・終了)」の場合、ビット群D00に「設定確認・終了(F4h)」とすればよい。
[11-1-1-2.周期コマンド(無操作コマンド)の構成]
主制御回路100から副制御回路200へ送信される周期コマンド(無操作コマンド)の構成について図45を参照して説明する。
図45(a)に示すように、周期コマンド(無操作コマンド)は、データサイズがそれぞれ1バイト(8ビット)であるビット群D10~D17を含む計8バイトで構成される。ビット群D10の種別はコマンドを識別するための「ID」であり、ビット群D10には「周期コマンドID(80h)」がセットされる。ビット群D11~D13の種別は「入力ポートP1」~「入力ポートP3」であり、ビット群D11~D13には図45(b)に示す入力ポート割り付け表に従って値がセットされる。ビット群D14、D15の種別は「未使用」であり、ビット群D14、D15には固定値「00h」がセットされる。ビット群D16の種別は「遊技状態」であり、ビット群D16には「遊技状態」(「通常」、「BB中」、「再遊技」など)がセットされる。ビット群D17の種別は「サム」であり、ビット群D17には「ビット群D10~D16のチェックコード」(ビット群D10~D16の加算結果)がセットされる。なお、加算結果の他に、減算、排他的論理和などの演算結果がセットされるようにしてもよい。
入力ポートP0に関する入力ポート割り付け表は、図45(b)に示す通りである。ビットB7にはスタートスイッチ7Sの状態(スタートレバー7の操作中のオン状態又はスタートレバー7の非操作中のオフ状態)がセットされる。ビットB6、B5、B4にはストップスイッチ8Sのうちのストップボタン8Rに対応するストップスイッチSW3の状態(オン状態又はオフ状態)、ストップボタン8Cに対応するストップスイッチSW2の状態(オン状態又はオフ状態)、ストップボタン8Lに対応するストップスイッチSW1の状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB3、B2にはベットスイッチ6SのうちのMAXベットボタン6aに対応するMAXベットスイッチの状態(オン状態又はオフ状態)、1ベットボタン6bに対応する1ベットスイッチの状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB1には精算スイッチ9Sの状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB0は未使用のビットである。
入力ポートP1に関する入力ポート割り付け表は、図45(b)に示す通りである。ビットB7~B5には、リール3R,3C,3Lに対応するインデックスセンサのリールインデックスの検出結果(検出又は未検出)がセットされる。ビットB4,B3には、メダル通過センサM1,M2(不図示)の検出結果(検出又は未検出)がセットされ、ビットB2にはメダル通過スイッチ(不図示)の状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB1~B0は未使用のビットである。
入力ポートP2に関する入力ポート割り付け表は、図45(b)に示す通りである。ビットB7にはドア開閉監視スイッチ56の状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB6には設定用鍵型スイッチ52の状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB5にはリセットスイッチ53の状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB4にはメダルの払出を検知する払出通過スイッチ(不図示)の状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB3にはメダル補助収納庫スイッチ33Sの状態(オン状態又はオフ状態)がセットされる。ビットB2~B0は未使用のビットである。
なお、図45(b)の入力ポート割り付け表は、そのまま、メインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)のビット割り付け表となる。
図45に示す無操作コマンドのデータは、メインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)の格納内容などを基に作成される。
また、メインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)は、図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)により、入力ポートP0~P2のポート状態が格納される。
[11-1-2.コマンドの送信タイミング]
主制御回路100から副制御回路200へ送信されるコマンドの送信タイミングについて図46を参照して説明する。
図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)は、無操作コマンドや初期化コマンドなどの各コマンドのデータ(1コマンド分のデータ)を送信するのに、送信時間T1を要する。この送信時間T1は、1コマンドのデータのビット数及び通信回路(不図示)の送信ボーレート(bps)により定まり、例えば、4.6464msec(ミリ秒)である。
図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)は、送信周期T2に基づいてコマンドのデータを副制御回路200へ送信する。この送信周期T2は、送信時間T1と、図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)が通信を行っていないレディ状態に図32の割込みにより実行される定期割込処理の実行回数などとから定めることができ、例えば、図32の割込みにより実行される定期割込処理の7回又は8回に一度のタイミングである7.8204msec(ミリ秒)又は8.9376msec(ミリ秒)となる。
主制御回路100のメインCPU101は図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)が通信を行っていないレディ状態である場合に、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に遊技者や遊技店の係員などによる有効な操作に対応するメダル投入コマンドやスタートコマンドなどの遊技の進行に関するコマンドのデータ及び初期化コマンドのデータの何れも格納されていなければ、メインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に格納されている格納内容などを基に無操作コマンドのデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、メインCPU101は、送信周期T2に基づき、通信回路(不図示)を介して無操作コマンドのデータを副制御回路200へ送信する。
また、主制御回路100のメインCPU101は図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)がレディ状態である場合に、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に遊技者や遊技店の係員などによる有効な操作に対応するメダル投入コマンドやスタートコマンドなどの遊技の進行に関するコマンドのデータ及び初期化コマンドのデータの何れかが格納されていれば(無操作コマンド以外のコマンドのデータが格納されていれば)、格納されている無操作コマンド以外のコマンドのデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、メインCPU101は、送信周期T2に基づき、通信回路(不図示)を介して無操作コマンド以外のコマンドのデータを副制御回路200へ送信する。
なお、通信回路(不図示)が通信中であるビジー状態である場合には図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に新たなコマンドのデータが設定されることはない。
図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)は、通信方式として、非同期シリアル通信方式を用いるとするが、これに限定されるものではなく、例えば、同期シリアル通信方式や、パラレル通信方式を用いることができる。
また、初期化コマンドなどのデータは、一旦メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された後に、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において図3の主制御回路100に内蔵されている通信回路(不図示)に格納されて副制御回路200に送信される構成とするが、例えば、初期化コマンドなどのデータは、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納することなく、主制御回路100に内蔵されている通信回路(不図示)に直接格納されて、副制御回路200に送信される構成としてもよい。
[11-2.設定用鍵型スイッチの状態(オン状態又はオフ状態)]
設定用鍵型スイッチ52の状態(オフ状態又はオン状態)について図47を参照して説明する。
図47(a)に示す例では、遊技店の係員などが時間TA1に設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ52をオン状態にし、時間TB1に設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ52をオフ状態にする。
主制御回路100側において、メインCPU101は、図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)において、設定用鍵型スイッチ52の状態(オン状態又はオフ状態)をチェックしてチェック結果をメインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に反映する。時間TA1での設定用鍵型スイッチ52のオン状態がメインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に反映されるタイミングは、図47(b)に示すように、設定用鍵型スイッチ52が実際にオン状態になった後に、割込周期T11で割込む図32の定期割込処理における入力ポートチェック処理(S202)が行われる時間TA2であり、設定用鍵型スイッチ52が実際にオン状態になってから図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)が行われるまでの時間分遅れる。また、時間TB1での設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がメインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に反映されるタイミングは、図47(b)に示すように、設定用鍵型スイッチ52が実際にオフ状態になった後に、割込周期T11で割込む図32の定期割込処理における入力ポートチェック処理(S202)が行われる時間TB2であり、設定用鍵型スイッチ52が実際にオフ状態になってから図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)が行われるまでの時間分遅れる。なお、割込周期T11を1.1172msec(ミリ秒)とするが、例えば、上記の[6-2.定期割込処理]で記載した変形例を利用することも可能である。
図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、レディ状態である図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に無操作コマンド以外のコマンド(初期化コマンドなど)のデータが格納されていれば無操作コマンドのデータよりも優先して格納し、当該通信回路(不図示)は無操作コマンド以外のコマンド(初期化コマンドなど)のデータを送信周期T2に基づいて副制御回路200へ送信する。また、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、レディ状態である図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に無操作コマンド以外のコマンド(初期化コマンドなど)のデータが格納されていなければメインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に格納されている格納内容などを基に設定用鍵型スイッチ52の状態(オン状態又はオフ状態)を含む無操作コマンドのデータを図3の主制御回路100に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は無操作コマンドのデータを送信周期T2に基づいて副制御回路200へ送信する。
副制御回路200のサブCPU201は、主制御回路100から送信される無操作コマンドに含まれる設定用鍵型スイッチ52の状態(オン状態又はオフ状態)に基づいて、設定用鍵型スイッチ52の状態(オン状態又はオフ状態)を認識する。サブCPU201は、時間TA2でメインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に反映された設定用鍵型スイッチ52のオン状態を、図47(c)に示すように、時間TA2より時間T12分遅れた時間TA3に認識する。また、サブCPU201は、時間TB2でメインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に反映された設定用鍵型スイッチ52のオフ状態を、図47(c)に示すように、時間TB2より時間T13分遅れた時間TB3に認識する。時間T12、T13は、送信周期T2(図46参照)と送信時間T1(図46参照)とに起因する時間差と、送信周期T2(図46参照)に基づく送信タイミングと図32の定期割込処理の割込周期に基づく割込みの実行タイミングとの時間差などに起因する。
[11-3.設定変更及び設定確認に関する処理]
以下、主制御回路100により実行される設定変更及び設定確認に関する処理について説明する。ここでは、設定変更及び設定確認に関する処理として、第1パターンから第3パターンの3パターンを説明する。
図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサや各種スイッチ(設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、スタートスイッチ7S、ドア開閉監視スイッチ56など)に対応する入力ポートの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行い、例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合には、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)に入力状態の変化の内容を格納し、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に入力状態をそのまま格納する。従って、図32の定期割込処理を1回分待つことによって、待った1回分の定期割込処理で各種センサや各種スイッチ(設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、スタートスイッチ7S、ドア開閉監視スイッチ56など)に対応する入力ポートの入力状態(オン状態又はオフ状態)が入力ポート格納領域0,1(不図示)に反映される。なお、「図32の定期割込処理を1回分待つ」ことを、[11.第3の遊技機]の説明では、記載の簡略化のために「1割込みWaitを行う」と記載する。
[11-3-1.設定変更及び設定確認に関する処理:第1パターン]
主制御回路100により実行される設定変更及び設定確認に関する処理の第1パターンについて説明する。第1パターンは、設定変更に関する処理(設定変更処理)と設定確認に関する処理(設定確認処理)とを異なるプログラムで実行するものであって、設定変更処理及び設定確認処理それぞれにおいてドア(下ドア機構DD)の開閉を条件としないものである。
[11-3-1-1.第1パターンの設定変更処理(設定変更処理(ドア開閉条件なし))]
第1パターンの設定変更処理(設定変更処理(ドア開閉条件なし))について図48を参照して説明する。第3の遊技機での電源投入時処理は、図24の電源投入時処理においてステップS22~S27を図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)に置き換えたものであり、サブルーチンとしての図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)を呼び出し、これにより図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)が実行されるようになっている。電源投入時処理において図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)を呼び出すときにメインRAM103の所定の領域に「設定変更」が書き込まれ、図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)を終了して図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)の呼び出し元に戻るときにメインRAM103の所定の領域から「設定変更」が消去される。
主制御基板71において、主制御回路100のメインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否か、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否かを判定する(S501)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態でない、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S501がNO)、図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)を終了して呼び出し元に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態である、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であると判定された場合には(S501がYES)、メインCPU101は、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンド(変更・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・開始)生成格納処理を行う(S502)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・開始)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・開始)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS502の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から設定値を取得する設定値取得処理と、取得した設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S503)、ステップS504の処理に進む。メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から取得した設定値を表示用の設定値に変換する処理では、取得した設定値が「0」の場合には表示用の設定値を「1」に、取得した設定値が「1」の場合には表示用の設定値を「2」に、・・・、取得した設定値が「5」の場合には表示用の設定値を「6」に変換する。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。なお、払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイ以外の7セグメントディスプレイは消灯した状態である。
なお、第3の遊技機では、表示用の設定値の表示に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイを用いるとするが、これに限定されるものではなく、例えば、クレジットランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイを用いるようにしてもよい。
メインCPU101は1割込みWaitを行い(S504)、ステップS505の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、押しボタン式のリセットスイッチ53の状態がオン状態であるか否か(オフ状態からオン状態に変化したか否か)を判定する(S505)。リセットスイッチ53の状態がオン状態でない(オフ状態からオン状態に変化していない)と判定された場合には(S505がNO)、ステップS508の処理に進む。
リセットスイッチ53の状態がオン状態である(オフ状態からオン状態に変化した)と判定された場合には(S505がYES)、メインCPU101は、設定値を更新する設定値更新処理を行う(S506)。設定値更新処理では、設定値が「0」の場合には設定値を「1」に、・・・・、設定値が「4」の場合には設定値を「5」に、設定値が「5」の場合には設定値を「0」に更新する。なお、この時点では、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納されている設定値は、更新されない。
ステップS506の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS506で更新された後の設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S507)、ステップS508の処理に進む。更新された後の設定値を表示用の設定値に変換する処理では、更新された後の設定値が「0」の場合には表示用の設定値を「1」に、更新された後の設定値が「1」の場合には表示用の設定値を「2」に、・・・、更新された後の設定値が「5」の場合には表示用の設定値を「6」に変換する。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定値の確定操作に対応するスタートスイッチ7Sの状態がオン状態であるか否かを判定する(S508)。スタートスイッチ7Sの状態がオン状態でないと判定された場合には(S508がNO)、ステップS504の処理に戻る。
スタートスイッチ7Sの状態がオン状態であると判定された場合には(S508がYES)、メインCPU101は、更新後の設定値(リセットスイッチ53が一度もオン状態になることなくスタートスイッチ7Sがオン状態になった場合にはステップS503で取得した設定値)をメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納する設定値格納処理を行い(S509)、ステップS510の処理に進む。
メインCPU101は、図24の電源投入時処理の設定変更時の初期化処理(S23)と同じ処理内容の設定変更時の初期化処理を行い(S510)、ステップS511の処理に進む。設定変更時の初期化処理は、図24の電源投入時処理の設定変更時の初期化処理(S23)で説明したように、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアするものであり、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
なお、図24の電源投入時処理でメインRAM103のデータに異常があった場合には(S28がNO)、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)及び特定の格納領域(不図示)を除いた、メインRAM103の初期化範囲の全てがクリアされる。例えば、設定値格納領域(不図示)がメインRAM103のアドレスF000Hであり、特定の格納領域(不図示)がメインRAM103のアドレスF001H~F010Hの場合、クリアされる範囲は、メインRAM103のアドレスF011H以降となる。
メインCPU101は、1割込みWaitを行い(S511)、ステップS512の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定する(S512)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態でないと判定された場合には(S512がNO)、ステップS511の処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S512がYES)、メインCPU101は、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンド(変更・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・終了)生成格納処理を行う(S513)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・終了)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・終了)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS513の処理に続いて、メインCPU101は、遊技結果に応じて払い出されたメダルの払出数を格納するメインRAM103の払出数格納領域(不図示)から払出数を取得する払出数取得処理と、取得した払出数を払出数ランプに表示するための払出数表示処理を行う(S514)。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、払出数を基に払出数ランプの各位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより、払出数ランプでの表示用の設定値の表示が終了し、払出数ランプに払出数が表示されることになる。ステップS514の処理の後、図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)を終了して呼び出し元に戻る。
[11-3-1-2.第1パターンの設定確認処理(設定確認処理(ドア開閉条件なし))]
第1パターンの設定確認処理(設定確認処理(ドア開閉条件なし))について図49を参照して説明する。図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)は、1遊技終了後からスタートレバー7の押下条件成立前(ベットがない、前遊技でリプレイ入賞していないなど)までの間で呼び出されるものである。第3の遊技機では、メダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)は、サブルーチンとしての図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)を呼び出し、これにより図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)が実行されるようになっている。メダル受付・スタートチェック処理のメダル投入チェック処理(S46)において図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)を呼び出すときにメインRAM103の所定の領域に「設定確認」が書き込まれ、図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)を終了して図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)の呼び出し元に戻るときにメインRAM103の所定の領域から「設定確認」が消去される。
主制御基板71において、主制御回路100のメインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したか否か、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化したか否かを判定する(S551)。ここで、設定用鍵型スイッチ52のオフ状態からオン状態の変化とは、1回前の図32の定期割込処理での設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態で、今回の図32の定期割込処理での割込みでの設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であることを意味し、設定用鍵型スイッチ52に対応する入力ポートの入力状態が設定用鍵型スイッチ52のオフ状態からオン状態に変化するエッジを検出したことを意味する。なお、上述したように、図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)では、設定用鍵型スイッチ52に対応する入力ポートの入力状態に変化があった場合にはメインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)に入力状態の変化の内容を格納し、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に入力状態をそのまま格納するので、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)に設定用鍵型スイッチ52に対応してオフ状態からオン状態への変化が格納されている場合に、ステップS551の判定ステップでは設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したと判定される。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化していない、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化していないと判定された場合には(S551がNO)、図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)を終了して呼び出し元に戻る。
一方、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化した、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化したと判定された場合には(S551がYES)、メインCPU101は、副制御回路200に送信する設定確認処理が開始されたことを示す初期化コマンド(確認・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(確認・開始)生成格納処理を行う(S552)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(確認・開始)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(確認・開始)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS552の処理に続いて、メインCPU101は、上記のステップS503の設定値取得処理及び設定値表示処理と同じである、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から設定値を取得する設定値取得処理と、取得した設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S553)、ステップS554の処理に進む。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は、1割込みWaitを行い(S554)、ステップS555の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定する(S555)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態でないと判定された場合には(S555がNO)、ステップS554の処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S555がYES)、メインCPU101は、副制御回路200に送信する設定確認処理が終了したことを示す初期化コマンド(確認・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(確認・終了)生成格納処理を行う(S556)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(確認・終了)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(確認・終了)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS556の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の払出数格納領域(不図示)から払出数を取得する払出数取得処理と、取得した払出数を払出数ランプに表示する払出数を表示するための払出数表示処理を行う(S557)。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、払出数を基に払出数ランプの各位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより、払出数ランプでの表示用の設定値の表示が終了し、払出数ランプに払出数が表示されることになる。ステップS557の処理の後、図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)を終了して呼び出し元に戻る。
[11-3-2.設定変更及び設定確認に関する処理:第2パターン]
主制御回路100により実行される設定変更及び設定確認に関する処理の第2パターンについて説明する。第2パターンは、設定変更に関する処理(設定変更処理)と設定確認に関する処理(設定確認処理)とを異なるプログラムで実行するものであって、設定変更処理及び設定確認処理それぞれにおいてドア(下ドア機構DD)の開閉を条件とするものである。
[11-3-2-1.第2パターンの設定変更処理(設定変更処理(ドア開閉条件あり))]
第2パターンの設定変更処理(設定変更処理(ドア開閉条件あり))について図50を参照して説明する。第3の遊技機での電源投入時処理は、図24の電源投入時処理においてステップS22~S27を図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)に置き換えたものであり、サブルーチンとしての図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)を呼び出し、これにより図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)が実行されるようになっている。電源投入時処理において図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)を呼び出すときにメインRAM103の所定の領域に「設定変更」が書き込まれ、図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)を終了して図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)の呼び出し元に戻るときにメインRAM103の所定の領域から「設定変更」が消去される。
主制御基板71において、主制御回路100のメインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオン状態(開状態)であるか否かを判定する(S601)。ドア開閉監視スイッチ56がオン状態(開状態)でないと判定された場合には(S601がNO)、図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
ドア開閉監視スイッチ56がオン状態(開状態)であると判定された場合には(S601がYES)、メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否か、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否かを判定する(S602)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態でない、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S602がNO)、図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態である、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であると判定された場合には(S602がYES)、メインCPU101は、初期化コマンド(変更・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・開始)生成格納処理を行う(S603)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・開始)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・開始)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS603の処理に続いて、メインCPU101は、上記のステップS503の設定値取得処理及び設定値表示処理と同じである、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から設定値を取得する設定値取得処理と、取得した設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S604)、ステップS605の処理に進む。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は1割込みWaitを行い(S605)、ステップS606の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、リセットスイッチ53の状態がオン状態であるか否かを判定する(S606)。リセットスイッチ53の状態がオン状態でないと判定された場合には(S606がNO)、ステップS609の処理に進む。
リセットスイッチ53の状態がオン状態であると判定された場合には(S606がYES)、メインCPU101は、上記のステップS506の設定値更新処理と同じである、設定値を更新する設定値更新処理を行い(S607)、ステップS608の処理に進む。なお、この時点では、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納されている設定値は、更新されない。
メインCPU101は、上記のステップS507の設定値表示処理と同じである、ステップS607で更新された後の設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S608)、ステップS609の処理に進む。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、スタートスイッチ7Sの状態がオン状態であるか否かを判定する(S609)。スタートスイッチ7Sの状態がオン状態でないと判定された場合には(S609がNO)、ステップS605の処理に戻る。
スタートスイッチ7Sの状態がオン状態であると判定された場合には(S609がYES)、メインCPU101は、更新後の設定値(リセットスイッチ53が一度もオン状態になることなくスタートスイッチ7Sがオン状態になった場合にはステップS604で取得した設定値)をメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納する設定値格納処理を行い(S610)、ステップS611の処理に進む。
メインCPU101は、図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)の設定変更時の初期化処理(S510)と同じ処理内容の設定変更時の初期化処理を行い(S611)、ステップS612の処理に進む。
メインCPU101は、1割込みWaitを行い(S612)、ステップS613の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定する(S613)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態でないと判定された場合には(S613がNO)、ステップS612の処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S613がYES)、メインCPU101は、初期化コマンド(変更・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・終了)生成格納処理を行う(S614)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・終了)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・終了)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS614の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の払出数格納領域(不図示)から払出数を取得する払出数取得処理と、取得した払出数を払出数ランプに表示するための払出数表示処理を行う(S615)。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、払出数を基に払出数ランプの各位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより、払出数ランプでの表示用の設定値の表示が終了し、払出数ランプに払出数が表示されることになる。ステップS615の処理の後、
図50の設定変更処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
[11-3-2-2.第2パターンの設定確認処理(設定確認処理(ドア開閉条件あり))]
第2パターンの設定確認処理(設定確認処理(ドア開閉条件あり))について図51を参照して説明する。図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)は、1遊技終了後からスタートレバー7の押下条件成立前(ベットがない、前遊技でリプレイ入賞していないなど)までの間で呼び出されるものである。第3の遊技機では、メダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)は、サブルーチンとしての図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)を呼び出し、これにより図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)が実行されるようになっている。メダル受付・スタートチェック処理のメダル投入チェック処理(S46)において図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)を呼び出すときにメインRAM103の所定の領域に「設定確認」が書き込まれ、図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)の呼び出し元に戻るときにメインRAM103の所定の領域から「設定確認」が消去される。
主制御基板71において、主制御回路100のメインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したか否か、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化したか否かを判定する(S651)。ステップS651の判定の処理方法は、図49の設定確認処理(ドア開閉条件なし)のステップS551の判定の処理方法と同じである。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化していない、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化していないと判定された場合には(S651がNO)、図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
一方、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化した、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化したと判定された場合には(S651がYES)、メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオン状態(開状態)であるか否かを判定する(S652)。ドア開閉監視スイッチ56がオン状態(開状態)でないと判定された場合には(S652がNO)、図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
ドア開閉監視スイッチ56がオン状態(開状態)であると判定された場合には(S652がYES)、メインCPU101は、初期化コマンド(確認・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(確認・開始)生成格納処理を行う(S653)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(確認・開始)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(確認・開始)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS653の処理に続いて、メインCPU101は、上記のステップS503の設定値取得処理及び設定値表示処理と同じである、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から設定値を取得する設定値取得処理と、取得した設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S654)、ステップS655の処理に進む。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は、1割込みWaitを行い(S655)、ステップS656の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定する(S656)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態でないと判定された場合には(S656がNO)、ステップS655の処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S656がYES)、メインCPU101は、初期化コマンド(確認・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(確認・終了)生成格納処理を行う(S657)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(確認・終了)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(確認・終了)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS657の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の払出数格納領域(不図示)から払出数を取得する払出数取得処理と、取得した払出数を払出数ランプに表示する払出数を表示するための払出数表示処理を行う(S658)。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、払出数を基に払出数ランプの各位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより、払出数ランプでの表示用の設定値の表示が終了し、払出数ランプに払出数が表示されることになる。ステップS658の処理の後、図51の設定確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
[11-3-3.設定変更及び設定確認に関する処理:第3パターン]
主制御回路100により実行される設定変更及び設定確認に関する処理の第3パターンについて説明する。第3パターンは、設定変更に関する処理(設定変更処理)と設定確認に関する処理(設定確認処理)とを共通のプログラムで実行するものであって、設定変更処理及び設定確認処理それぞれにおいてドア(下ドア機構DD)の開閉を条件とするものである。
[11-3-3-1.第3パターンの設定変更・確認処理(設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり))]
第3パターンの設定変更・確認処理(設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり))について図52を参照して説明する。
第3の遊技機での電源投入時処理は、図24の電源投入時処理においてステップS22~S27を図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)に置き換えたものであり、サブルーチンとしての図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を呼び出し、これにより図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)が実行されるようになっている。電源投入時処理において図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を呼び出すときにメインRAM103の所定の領域に「設定変更」が書き込まれ、図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)の呼び出し元に戻るときにメインRAM103の所定の領域から「設定変更」が消去される。
また、図52の設定・変更確認処理(ドア開閉条件あり)は、1遊技終了後からスタートレバー7の押下条件成立前(ベットがない、前遊技でリプレイ入賞していないなど)までの間で呼び出されるものである。第3の遊技機では、メダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)は、サブルーチンとしての図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を呼び出し、これにより図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)が実行されるようになっている。メダル受付・スタートチェック処理のメダル投入チェック処理(S46)において図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を呼び出すときにメインRAM103の所定の領域に「設定確認」が書き込まれ、図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して図52の設定確認処理(ドア開閉条件あり)の呼び出し元に戻るときにメインRAM103の所定の領域から「設定確認」が消去される。
主制御基板71において、主制御回路100のメインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオン状態(開状態)であるか否かを判定する(S701)。ドア開閉監視スイッチ56がオン状態(開状態)でないと判定された場合には(S701がNO)、図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
ドア開閉監視スイッチ56がオン状態(開状態)であると判定された場合には(S701がYES)、メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否かを判定する(S702)。なお、電源投入時処理において図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)が呼び出された場合、ステップS702では電源投入時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否かを判定することになる。また、メダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)において図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)が呼び出された場合、ステップS702では電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したか否かを判定することになる。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態でない(電源投入時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態でない、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化していない)と判定された場合には(S702がNO)、図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態である(電源投入時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態である、電源投入後の設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化した)と判定された場合には(S702がYES)、メインCPU101は、呼出し元が電源投入時処理であるときには(メインRAM103の所定領域に「設定変更」が格納されているときには)、初期化コマンド(変更・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納し、呼出し元がメダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)であるときには(メインRAM103の所定領域に「設定確認」が格納されているときには)、初期化コマンド(確認・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・開始/確認・開始)生成格納処理を行う(S703)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・開始)のデータ又は初期化コマンド(確認・開始)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・開始)のデータ又は初期化コマンド(確認・開始)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS703の処理に続いて、メインCPU101は、上記のステップS503の設定値取得処理及び設定値表示処理と同じである、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から設定値を取得する設定値取得処理と、取得した設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S704)、ステップS705の処理に進む。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は、図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)の呼出し元に基づいて(メインRAM103の所定領域の格納内容に基づいて)、設定変更に関する処理であるか否かを判定する(S705)。設定変更に関する処理でない(呼出し元がメダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)である(メインRAM103の所定領域に「設定確認」が格納されている))と判定された場合には(S705がNO)、ステップS713の処理に進む。
設定変更に関する処理である(呼出し元が電源投入時処理である(メインRAM103の所定領域に「設定変更」が格納されている))と判定された場合には(S705がYES)、ステップS706の処理に進む。
メインCPU101は1割込みWaitを行い(S706)、ステップS707の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、リセットスイッチ53の状態がオン状態であるか否かを判定する(S707)。リセットスイッチ53の状態がオン状態でないと判定された場合には(S707がNO)、ステップS710の処理に進む。
リセットスイッチ53の状態がオン状態であると判定された場合には(S707がYES)、メインCPU101は、上記のステップS506の設定値更新処理と同じである、設定値を更新する設定値更新処理を行い(S708)、ステップS709の処理に進む。なお、この時点では、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納されている設定値は、更新されない。
メインCPU101は、上記のステップS507の設定値表示処理と同じである、ステップS708で更新された後の設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S709)、ステップS710の処理に進む。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、スタートスイッチ7Sの状態がオン状態であるか否かを判定する(S710)。スタートスイッチ7Sの状態がオン状態でないと判定された場合には(S710がNO)、ステップS706の処理に戻る。
スタートスイッチ7Sの状態がオン状態であると判定された場合には(S710がYES)、メインCPU101は、更新後の設定値(リセットスイッチ53が一度もオン状態になることなくスタートスイッチ7Sがオン状態になった場合にはステップS704で取得した設定値)をメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納する設定値格納処理を行い(S711)、ステップS712の処理に進む。
メインCPU101は、図48の設定変更処理(ドア開閉条件なし)の設定変更時の初期化処理(S510)と同じ処理内容の設定変更時の初期化処理を行い(S712)、ステップS713の処理に進む。
メインCPU101は、1割込みWaitを行い(S713)、ステップS714の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定する(S714)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態でないと判定された場合には(S714がNO)、ステップS713の処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S714がYES)、メインCPU101は、呼出し元が電源投入時処理であるときには(メインRAM103の所定領域に「設定変更」が格納されているときには)、初期化コマンド(変更・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納し、呼出し元がメダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)であるときには(メインRAM103の所定領域に「設定確認」が格納されているときには)、初期化コマンド(確認・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・終了/確認・終了)生成格納処理を行う(S715)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・終了)のデータ又は初期化コマンド(確認・終了)のデータを図3の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・終了)のデータ又は初期化コマンド(確認・終了)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
ステップS715の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の払出数格納領域(不図示)から払出数を取得する払出数取得処理と、取得した払出数を払出数ランプに表示するための払出数表示処理を行う(S716)。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、払出数を基に払出数ランプの各位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより、払出数ランプでの表示用の設定値の表示が終了し、払出数ランプに払出数が表示されることになる。ステップS716の処理の後、図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼び出し元に戻る。
なお、設定変更に関する処理(設定変更処理)と設定確認に関する処理(設定確認処理)とを共通のプログラムで実行するものであって、設定変更処理及び設定確認処理それぞれにおいてドア(下ドア機構DD)の開閉を条件としない、設定変更・確認処理(ドア開閉条件なし)であってもよく、この場合、例えば、図52の設定変更・確認処理(ドア開閉条件あり)からステップS701の処理を除いた処理フローを用いることができる。
また、第3の遊技機では、図32の定期割込処理の入力チェックポート処理(S202)で各種センサや各種スイッチそれぞれに対応する入力ポートの状態をチェックしてチェック結果を入力ポート格納領域0,1(不図示)に格納し、図48~図52などでは入力ポート格納領域0,1(不図示)の格納内容を参照して各種センサや各種スイッチの状態を確認する仕組みとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、図48~図52などで各種センサや各種スイッチそれぞれに対応する入力ポートの状態を直接参照して各種センサや各種スイッチの状態を確認する仕組みとしてもよい。この場合は、図48~図52の1割込みWaitを行わなくてもよくなる。
また、図50~図52では、ドア開閉監視スイッチ56がドア(下ドア機構DD)の開状態でオン状態、閉状態でオフ状態となるスイッチである場合を対象として説明したが、これに限定されるものではなく、ドア(下ドア機構DD)の閉状態でオン状態、開状態でオフ状態となるスイッチである場合を対象とすることも可能であり、この場合、図50~図52においてドア開閉監視スイッチ56に関する部分では、「オン状態」を「オフ状態」に、「オン状態」を「オフ状態」に置き換えればよい。
[11-4.メンテナンスに関する処理]
以下、副制御回路200により実行されるメンテナンスに関する処理について説明する。ここでは、メンテナンスに関する処理として、第1パターンと第2パターンの2パターンを説明する。メンテナンスに関する処理は、遊技店側の係員が1又は複数の項目の内容の確認や1又は複数の項目の内容の設定を行うことを可能にする処理である。なお、第3の遊技機での「メンテナンスメニュー」は[8-2.遊技店側]のホールメニューに対応する。
サブRAM203は揮発性メモリ(DRAMなど)と不揮発性メモリ(SRAM、FRAM(登録商標)など)を含むように構成されている。
[11-4-1.メンテナンスに関する処理:第1パターン(メンテナンス処理(ドア開閉条件なし)]
副制御回路200により実行されるメンテナンスに関する処理の第1パターン(メンテナンス処理(ドア開閉条件なし))について図53を参照して説明する。図33のサブ側制御処理(概要)は、サブルーチンとしての図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)を呼び出し、これにより図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)が実行されるようになっている。
サブRAM203の不揮発性メモリには、メンテナンス処理(ドア開閉条件なし)の実行状態を維持するための状態維持フラグが格納されており、状態維持フラグのオン状態が「メンテナンス処理(ドア開閉条件なし)の実行状態の維持」である。また、サブRAM203の不揮発性メモリには、図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)が、主制御回路100側での設定変更に関する処理及び設定確認に関する処理のいずれの処理に対応するかを示すメンテナンス種別フラグが格納されている。
サブCPU201は、サブRAM203に格納されている状態維持フラグにオン状態がセットされているか否かを判定する(S801)。状態維持フラグにオン状態がセットされていると判定された場合には(S801がYES)、ステップS804の処理に進む。ステップS801の判定ステップで「YES」となるのは、状態維持フラグにオン状態がセットされているときに電源がオフになって図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)が途中で終了又は正常に終了しなかった場合に、電源がオンになった後に図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)が再開される場合である。
状態維持フラグにオン状態がセットされていないと判定された場合には(S801がNO)、サブCPU201は、初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れかを受信したか否かを判定する(S802)。初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れも受信していないと判定された場合には(S802がNO)、図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)を終了して呼出し元に戻る。
初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れかを受信していると判定された場合には(S802がYES)、サブCPU201は、サブRAM203に格納されている状態維持フラグに「オン状態」をセットし、サブRAM203に格納されているメンテナンス種別に初期化コマンド(変更・開始)を受信していたときには「設定変更」をセットし、初期化コマンド(確認・開始)を受信していたときには「設定確認」をセットし(S803)、ステップS804の処理に進む。
サブCPU201は、メンテナンスメニュー画面(第3の遊技機では、図55(a)に示すメンテナンスメニュートップ画面)をサブ表示装置220に表示し(S804)、ステップS805の処理に進む。
サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドにおけるビット群D11(入力ポートP0)のビットB7(図45参照)にスタートスイッチ7Sのオン状態がセットされているか否かを判定する(S805)。当該ビット群D11(入力ポートP0)のビットB7にスタートスイッチ7Sのオン状態がセットされていると判定された場合には(S805がYES)ステップS807の処理に進み、一方、当該ビット群D11(入力ポートP0)のビットB7にスタートスイッチ7Sのオン状態がセットされていないと判定された場合には(S805がNO)ステップS806の処理に進む。
サブCPU201は、サブRAM203に格納されているメンテナンス種別フラグに「設定確認」がセットされているか否かを判定する(S806)。メンテナンス種別フラグに「設定確認」がセットされていると判定された場合には(S806がYES)、ステップS807の処理に進み、一方、メンテナンス種別に「設定確認」がセットされていない、つまり、「設定変更」がセットされていると判定された場合には(S806がNO)、ステップS808の処理に進む。
サブCPU201は、サブRAM203に格納されている状態維持フラグにオフ状態をセットし(S807)、ステップS808の処理に進む。なお、ステップS805がYES、及び、ステップS807は、主制御回路100側の設定変更に対応して実行される図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)において、後述のステップS812でスタートレバー7が操作されたこと(スタートスイッチ7Sがオン状態になったこと)をステップS812の「YES」となる条件の一つとするものである。また、ステップS805のNO、ステップS806がYES、及び、ステップS807は、主制御回路100側の設定確認に対応して実行される図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)において、メインCPU101側での設定確認に関する処理ではスタートレバー7の操作が条件とならないので、後述のステップS812でスタートレバー7が操作されたこと(スタートスイッチ7Sがオン状態になったこと)をステップS812の「YES」となる条件の一つとしないようにするものである。
サブCPU201は、メンテナンスメニュー画面(図55(a)に示すメンテナンスメニュートップ画面など)、並びに、メンテナンスメニュー画面の項目に対応した内容確認用の画面(図55(b)~(d)に示すトータルメダル情報画面、設定変更・確認履歴画面、エラー情報履歴画面など)及び内容設定用の画面(時刻設定用の画面など)などの画面(以下、適宜、「項目画面」と記載する。)のうちのサブ表示装置220に表示されている画面に対して係員がサブ演出表示部22を構成するタッチパネルを用いて操作を行ったか否かを判定する(S808)。係員による操作が行われていないと判定された場合には(S808がNO)、ステップS811の処理に進む。
なお、第3の遊技機では、メンテナンスメニュー画面や項目画面に対する係員による操作にタッチパネルを用いるとするが、これに限定されるものではなく、例えば、操作キー(十字キー及びエンタ-キー)、PUSHボタン、CHANCEボタンを用いるようにしたり、ストップボタン8L,8C,8Rを用いるようにしたりしてもよい。
係員による操作が行われたと判定された場合には(S808がYES)、サブCPU201は、係員による操作内容を特定する操作特定処理を行い(S809)、特定した係員による操作内容に対応する画面をサブ表示装置220に表示する操作別画面表示処理を行い(S810)、ステップS811の処理に進む。
サブCPU201は、初期化コマンド(変更・終了)及び初期化コマンド(確認・終了)の何れかを受信したか否かを判定する(S811)。初期化コマンド(変更・終了)及び初期化コマンド(確認・終了)の何れかを受信したと判定された場合には(S811がYES)、ステップS813の処理に進む。
初期化コマンド(変更・終了)及び初期化コマンド(確認・終了)の何れも受信していないと判定された場合には(S811がNO)、サブCPU201は、サブRAM203に格納されている状態維持フラグにオフ状態がセットされており、且つ、主制御回路100から受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされているか否かを判定する(S812)。なお、ステップS812の条件は、第3の遊技機が主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態になるという第3の遊技機で所定の事象が発生していることを条件とするものである。
状態維持フラグにオフ状態がセットされ、且つ、当該ビット群D13のビットB6に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされていると判定された場合には(S812がYES)、ステップS813の処理に進む。一方、状態維持フラグにオフ状態がセットされていない、又は、当該ビット群D13のビットB6に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされていないと判定された場合には(S812がNO)、ステップS805の処理に戻る。なお、状態維持フラグにオフ状態がセットされていない、又は、当該ビット群D13のビットB6に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされていないと判定された場合に(S812がNO)、ステップS804の処理に戻るようにしてもよい。
サブCPU201は、サブRAM203に格納されたメンテナンス種別の初期化を行ったり、メンテナンスメニュー画面及び項目画面のうちのサブ表示装置220に表示中の画面の表示を終了してメンテナンスメニュー画面及び項目画面のいずれもサブ表示装置220に表示されないようにしたりするメンテナンス終了処理を行い(S813)、図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)を終了して呼出し元に戻る。
ステップS811のYES及びステップS813は、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理の終了時に送信される初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信して行われる通常のメンテナンス終了処理である。
また、ステップS811のNO、ステップS812のYES及びステップS813は、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理の終了時に送信される初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信していないが、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態に第3の遊技機がある場合に行われる、通信異常などの何らかの異常の発生により初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信できなかったと想定される場合の異常対策用のメンテナンス終了処理である。
なお、メインCPU101側で設定確認に関する処理が行われている場合、ステップS811の判定ステップで初期化コマンド(確認・終了)を受信していないと判定された場合には(S811がNO)、ステップS812の判定ステップで、メインCPU101側での設定確認に関する処理ではスタートレバー7の操作は無関係なので、サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされているか否かを判定し、オフ状態がセットされていると判定された場合には(S812がYES)ステップS813の処理に進み、オフ状態がセットされていないと判定された場合には(S812がYES)ステップS805に戻るようにしてもよい。
[11-4-2.メンテナンスに関する処理:第2パターン(メンテナンス処理(ドア開閉条件あり)]
副制御回路200により実行されるメンテナンスに関する処理の第2パターン(メンテナンス処理(ドア開閉条件あり))について図54を参照して説明する。図33のサブ側制御処理(概要)は、サブルーチンとしての図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)を呼び出し、これにより図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)が実行されるようになっている。
サブCPU201は、初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れかを受信したか否かを判定する(S851)。初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れも受信していないと判定された場合には(S851がNO)、図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼出し元に戻る。
初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れかを受信していると判定された場合には(S851がYES)、サブCPU201は、メンテナンスメニュー画面(第3の遊技機では、図55(a)に示すメンテナンスメニュートップ画面)をサブ表示装置220に表示し(S852)、ステップS853の処理に進む。
サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB7(図45参照)にドア開閉監視スイッチ56のオフ状態(閉状態)がセットされており、且つ、主制御回路100から受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされているか否かを判定する(S853)。なお、ステップS853の条件は、第3の遊技機が主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態になるという第3の遊技機で所定の事象が発生していることを条件とするものである。
なお、ドア(下ドア機構DD)の開閉状態の判定に、主中継基板73を介して主制御基板71に接続されたドア開閉監視スイッチ56を用いるようにしているが、これに限定されるものではなく、副中継基板74を介して副制御基板72に接続された24hドア監視ユニット61を用いるようにしてもよい。
当該ビット群D13のビットB7にドア開閉監視スイッチ56のオフ状態(閉状態)がセットされており、且つ、当該ビット群D13のビットB6に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされていると判定された場合には(S853がYES)、ステップS852の処理に戻る。なお、ステップS853がYESの場合、ステップS852及びステップS853の処理が繰り返し行われ、ステップS853がNOとならず、メンテナンスメニュートップ画面から項目画面に遷移することはない。一方、当該ビット群D13のビットB7にドア開閉監視スイッチ56のオフ状態(閉状態)がセットされていない、又は、当該ビット群D13のビットB6に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされていないと判定された場合には(S853がNO)、ステップS854の処理に進む。
サブCPU201は、メンテナンスメニュー画面及び項目画面のうちのサブ表示装置220に表示されている画面に対して係員がサブ演出表示部22を構成するタッチパネルを用いて操作を行ったか否かを判定する(S854)。操作が行われていないと判定された場合には(S854がNO)、ステップS857の処理に進む。
係員による操作が行われたと判定された場合には(S854がYES)、サブCPU201は、係員による操作内容を特定する操作特定処理を行い(S855)、特定した係員による操作内容に対応する画面をサブ表示装置220に表示する操作別画面表示処理を行い(S856)、ステップS857の処理に進む。
サブCPU201は、初期化コマンド(変更・終了)及び初期化コマンド(確認・終了)の何れかを受信したか否かを判定する(S857)。初期化コマンド(変更・終了)及び初期化コマンド(確認・終了)の何れも受信していないと判定された場合には(S857がNO)、ステップS853の処理に戻る。
初期化コマンド(変更・終了)及び初期化コマンド(確認・終了)の何れかを受信したと判定された場合には(S857がYES)、サブCPU201は、メンテナンスメニュー画面及び項目画面のうちのサブ表示装置220に表示中の画面の表示を終了してメンテナンスメニュー画面及び項目画面のいずれもサブ表示装置220に表示されないようにしたりするメンテナンス終了処理を行い(S858)、図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)を終了して呼出し元に戻る。
ステップS857のYES及びステップS858は、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理の終了時に送信される初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信して行われる通常のメンテナンス終了処理である。
また、ステップS853のYES、ステップS852は、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理の終了時に送信される初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信していないが、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態に第3の遊技機がある場合に行われる、通信異常などの何らかの異常の発生により初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信できなかったと想定される場合の異常対策用の処理である。
[11-4-3.メンテナンス処理中の表示画面]
図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)中のステップS804及びステップS808~S10及び図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)中のステップS852及びステップS854~S856においてサブ表示装置220に表示されるメンテナンスメニュー画面及び項目画面について図55を参照して説明する。
設定変更操作(設定用鍵型スイッチ52をオン状態で電源を投入する操作)又は設定確認操作(電源が投入されている状態で設定用鍵型スイッチ52をオン状態にする操作)が行われた場合、つまり、副制御回路200が初期化コマンド(変更・開始)又は初期化コマンド(確認・開始)を受信した場合、図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)中のステップS804又は図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)中のステップS852において、図55(a)のメンテナンスメニュートップ画面が表示される。
図55(a)のメンテナンスメニュートップ画面を含むメンテナンスメニュー画面は、メンテナンスに関わる項目(遊技店側の係員が内容の確認を行い得る項目、遊技店側の係員が内容の設定を行い得る項目など)を表示するメニュー画面である。遊技店側の係員が内容の確認を行い得る項目には、「トータルメダル情報」、「設定変更・確認履歴」、「エラー情報履歴」、「監視履歴」などがある。また、遊技店側の係員が内容の設定を行い得る項目には、「時刻設定」、「警告設定」、「省電力モード設定」、「打ち止め設定」、「自動精算設定」などがある。
メンテナンスメニュートップ画面には、図55(a)に示すように、現在の「年/月/日/(曜日) 時:分」を示す現在日時情報A11が表示される。現在日時情報A11は、メンテナンス処理(ドア開閉条件なし/ドア開閉条件あり)中であることが分かるように、メンテナンス処理(ドア開閉条件なし/ドア開閉条件あり)以外で呼び出されて表示されるときの表示色(例えば、白色、黒色)とは異なる表示色(例えば、赤色)で表示される。なお、後述する図56から図58の処理においてエラー状態フラグにエラー情報がセットされている場合には、現在日時情報A11を、エラー状態フラグにエラー情報がセットされていることが分かるように、他と異なる表示色で表示するようにしてもよい。
メンテナンスメニュートップ画面には、図55(a)に示すように、遊技店側の係員が内容の設定を行い得る項目である「時刻設定」A12が表示され、遊技店側の係員が内容の確認を行い得る項目である「トータルメダル情報」A13、「設定変更・確認履歴」A14、「エラー情報履歴」A15、「監視履歴」A16が表示され、「次へ」A17が表示される。係員がタッチパネル上で「時刻設定」A12をタッチすると時刻設定用の時刻設定画面(不図示)が表示され、「トータルメダル情報」A13をタッチすると図55(b)のトータルメダル情報画面が表示され、「設定変更・確認履歴」A14をタッチすると図55(c)の設定変更・確認履歴画面が表示され、「エラー情報履歴」A15をタッチすると図55(d)のエラー情報履歴画面が表示され、「監視履歴」A16をタッチすると監視履歴画面(不図示)が表示される。また、係員がタッチパネル上で「次へ」A17をタッチすると、遊技店側の係員が内容の設定を行い得る他の項目や遊技店側の係員が内容の確認を行い得る他の項目が表示されるメンテナンスメニュー画面(不図示)が表示される。
トータルメダル情報画面には、図55(b)に示すように、「総ゲーム数」、「総投入枚数」、「総払出枚数」、「差枚数」及び「出玉率」を含む「トータルメダル情報」A21が表示される。「トータルメダル情報」A21に含まれる「総ゲーム数」、「総投入枚数」及び「総払出枚数」には、サブRAM203に格納されている総ゲーム数、総投入枚数及び総払出枚数が表示され、「トータルメダル情報」A21に含まれる「差枚数」及び「出玉率」には、トータルメダル情報画面の表示時にサブRAM203に格納されている総投入枚数と総払出枚数とを用いて算出される差枚数及び出玉率が表示される。なお、総ゲーム数、総投入枚数及び総払出枚数を電源がオフになった後も保存できるようにサブRAM203の不揮発性メモリに格納される。
なお、単位遊技の開始時(スタートレバー7の操作時)に、例えば、主制御回路100からスタートコマンドを受信したときに、総ゲーム数を算出してサブRAM203に格納する。単位遊技のベット時に、例えば、主制御回路100からメダル投入コマンド(ベット数などを特定可能なパラメータ含む。)を受信したときに、総投入枚数を算出してサブRAM203に格納する。総払出枚数は単位遊技の終了時に、例えば、主制御回路100から入賞作動コマンド(表示役の種類や付与される特典の内容などを特定可能なパラメータを含む。)を受信したときに、総払出枚数を算出してサブRAM203に格納する。
トータルメダル情報画面には、図55(b)に示すように、「戻る」A22が表示されており、係員がタッチパネル上で「戻る」A22をタッチすると図55(a)のメンテナンスメニュートップ画面の表示に戻る。
トータルメダル情報画面には、図55(b)に示すように、「データ クリア」A23が表示されており、係員がタッチパネル上で「データ クリア」A23をタッチするとサブRAM203に格納されている総ゲーム数、総投入枚数及び総払出枚数がクリア(消去)される。
なお、トータルメダル情報画面を表示するときに差枚数と出玉率とを算出する代わりに、例えば単位遊技の終了時にサブRAM203に格納されている総投入枚数と総払出枚数とから差枚数と出玉率とを算出して算出した差枚数と出玉率とをサブRAM203に格納して、「トータルメダル情報」A21に含まれる「差枚数」及び「出玉率」にサブRAM203に格納されている差枚数及び出玉率が表示されるようにしてもよい。この場合には、差枚数及び出玉率を電源がオフになった後も保存できるようにサブRAM203の不揮発性メモリに格納し、係員により「データ クリア」A23がタッチされるとサブRAM203に格納されている差枚数及び出玉率がクリア(消去)されるようにする。
設定変更・確認履歴画面には、図55(c)に示すように、「No」、「設定変更・確認日時」、「操作」及び「設定」を含む「設定変更・確認履歴」A31が表示される。「設定変更・確認履歴」A31には、サブRAM203に格納されている5件分の設定変更・確認情報(設定変更・確認日時、操作内容及び設定値を含む。)が表示される。「設定変更・確認履歴」A31の「設定変更・確認日時」、「操作」及び「設定」には、設定変更・確認情報に含まれる設定変更・確認日時、操作内容及び設定値が表示される。なお、設定変更・確認情報(設定変更・確認日時、操作内容及び設定値を含む。)を電源がオフになった後も保存できるようにサブRAM203の不揮発性メモリに格納される。また、サブRAM203に格納される設定変更・確認情報の最大数は設定変更・確認情報のデータサイズとサブRAM203の設定変更・確認情報を格納する領域の容量に応じて定まり、例えば150である。
設定変更・確認情報に含まれる設定変更・確認日時は、初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信した時刻(受信時にRTC(リアルタイムクロック)から取得する日時(年月日 時分秒:yyyy/mm/dd hh/mm/ss))である。
設定変更・確認情報に含まれる設定値は、初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)のビット群D01にセットされた設定値(「0」~「5」)である。「設定変更・確認履歴」A31の「設定」には、設定変更・確認情報に含まれる設定値が「0」である場合には「1」が表示され、「1」である場合には「2」が表示され、・・・、「5」である場合には「6」が表示される。このように、「設定変更・確認履歴」A31の「設定」に表示される設定値は、主制御回路100側で払出数ランプに表示される設定値に揃えている。
設定変更・確認情報に含まれる操作内容は、「変更」、「確認」、「閲覧」の何れかである。「変更」は、設定変更に関する処理が行われ、当該設定変更に関する処理においてスタートレバー7が操作されるまでに(ビット群D11のビットB7にスタートスイッチ7Sのオン状態がセットされた無操作コマンドを受信するまでに)、少なくとも1回はリセットスイッチ53がオン状態になった場合に(少なくとも1回はビット群D13のビットB5にリセットスイッチ53のオン状態がセットされた無操作コマンドを受信した場合に)格納される。「閲覧」は、設定変更に関する処理が行われ、当該設定変更に関する処理においてスタートレバー7が操作されるまでに(ビット群D11のビットB7にスタートスイッチ7Sのオン状態がセットされた無操作コマンドを受信するまでに)、1回もリセットスイッチ53がオン状態にならなかった場合に(1回もビット群D13のビットB5にリセットスイッチ53のオン状態がセットされた無操作コマンドを受信しなかった場合に)格納される。「確認」は、設定変更に関する処理が行われた場合に格納される。
設定変更・確認履歴画面には、図55(c)に示すように、「前ページ」A32及び「次ページ」A33が表示されており、係員がタッチパネル上で「前ページ」A32をタッチすると現在表示されている設定変更・確認情報の前の5件分の設定変更・確認情報が「設定変更・確認履歴」A31に表示され、係員がタッチパネル上で「次ページ」A33をタッチすると現在表示されている設定変更・確認情報の次の5件分の設定変更・確認情報が「設定変更・確認履歴」A31に表示される。
設定変更・確認履歴画面には、図55(c)に示すように、「戻る」A34が表示されており、係員がタッチパネル上で「戻る」A34をタッチすると図55(a)のメンテナンスメニュートップ画面の表示に戻る。
設定変更・確認履歴画面には、図55(c)に示すように、「データ クリア」A35が表示されており、係員がタッチパネル上で「データ クリア」A35をタッチするとサブRAM203に格納されている設定変更・確認情報(設定変更・確認日時、操作内容及び設定値を含む。)がクリア(消去)される。
エラー情報履歴画面には、図55(d)に示すように、「No」、「エラー内容」、「発生日時」及び「解除日時」を含む「エラー情報履歴」A41が表示される。「エラー情報履歴」A41には、サブRAM203に格納されている5件分のエラー情報(エラー内容、発生日時及び解除日時)が表示される。「エラー情報履歴」A41の「エラー内容」、「発生日時」及び「解除日時」には、エラー情報に含まれるエラー内容、発生日時及び解除日時が表示される。なお、エラー情報(エラー内容、発生日時及び解除日時)を電源がオフになった後も保存できるようにサブRAM203の不揮発性メモリに格納される。また、サブRAM203に格納されるエラー情報の最大数はエラー情報のデータサイズとサブRAM203のエラー情報を格納する領域の容量に応じて定まり、例えば150である。
エラー情報に含まれるエラー内容は発生したエラーに割り当てたエラーコードである。
エラー情報に含まれる発生日時及び解除日時は、主制御基板71側のエラーの場合には、次の日時である。主制御基板71側でエラーが発生した場合にはエラー内容を特定可能なエラーコマンドが主制御回路100から副制御回路200へ送信される。エラーが解除された場合にもエラーコマンドが主制御回路100から副制御回路200され、主制御基板71側では複数のエラーが同時に発生することはなく、サブCPU201は発生中のエラーを認識しているためどのエラーが解除されたか分かる。エラー情報に含まれる発生日時及び解除日時は、エラーの発生に関わるエラーコマンドを受信した時刻(受信時にRTCから取得する日時(年月日 時分秒:yyyy/mm/dd hh/mm/ss))及びエラーの解除に関わるエラーコマンドを受信した時刻(受信時にRTCから取得する日時(年月日 時分秒:yyyy/mm/dd hh/mm/ss))である。また、エラー情報に含まれる発生日時及び解除日時は、副制御基板72側のエラーの場合には、例えば後述する図56~図58で検知されるエラーの場合には、エラーがサブ表示装置220に表示される開始時刻(開始時にRTCから取得する日時(年月日 時分秒:yyyy/mm/dd hh/mm/ss))及びエラーを解除した時刻(解除時にRTCから取得する日時(年月日 時分秒:yyyy/mm/dd hh/mm/ss))である。
エラー情報履歴画面には、図55(d)に示すように、「前ページ」A42及び「次ページ」A43が表示されており、係員がタッチパネル上で「前ページ」A42をタッチすると現在表示されているエラー情報の前の5件分のエラー情報が「エラー情報履歴」A41に表示され、係員がタッチパネル上で「次ページ」A43をタッチすると現在表示されているエラー情報の次の5件分のエラー情報が「エラー情報履歴」A41に表示される。
エラー情報履歴画面には、図55(d)に示すように、「戻る」A44が表示されており、係員がタッチパネル上で「戻る」A44をタッチすると図47(a)のメンテナンスメニュートップ画面の表示に戻る。
エラー情報履歴画面には、図55(d)に示すように、「データ クリア」A45が表示されており、係員がタッチパネル上で「データ クリア」A45をタッチするとサブRAM203に格納されているエラー情報(エラー内容、発生日時及び解除日時を含む。)がクリア(消去)される。
[11-5.設定変更及び確認に関するエラーの検出処理]
以下、副制御回路200により実行される設定変更及び確認に関するエラーの検出処理について説明する。
[11-5-1.設定変更・確認エラー検出処理]
副制御回路200により実行される設定変更・確認エラー検出処理について図56を参照して説明する。設定変更・確認エラー検出処理は、一定周期(例えば、1周期が2msec(ミリ秒)~10msec(ミリ秒)の間の何れかの時間)の割込処理で読みだされて設定変更及び確認に関するエラーを常時検出する処理である。
サブCPU201は、図57を用いて後述する設定キー情報生成処理を行い(S901)、ステップS902の処理に進む。
サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされているか否かを判定する(S902)。当該ビット群13のビットB6に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされていないと判定された場合には(S902がNO)、図56の設定変更・確認エラー検出処理を終了して呼出し元に戻る。一方、当該ビット群13のビットB6に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされていると判定された場合には(S902がYES)、ステップS903の処理に進む。
サブCPU201は、サブRAM203に格納されているONエッジフラグにオン状態がセットされているか否かを判定する(S903)。なお、ONエッジフラグにオン状態は、今回の設定変更・確認エラー検出処理(図56)の設定キー情報作成処理(S901)で設定用鍵型スイッチ52のオンエッジを検出した(電源投入時に設定用鍵型スイッチ52がオン状態であることを検出した、又は、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52がオフ状態からオン状態に変化したこと検出した)ことを示す。なお、ONエッジフラグは例えばサブRAM203の不揮発性メモリに格納される。
ONエッジフラグにオン状態がセットされていると判定された場合には(S903がYES)、設定キーに関する(設定用鍵型スイッチ52に関する)エラーの確認及びエラー確認したエラー情報の設定を行うために、ステップS905の処理に進む。一方、ONエッジフラグにオン状態がセットされていないと判定された場合には(S903がNO)、以前のステップS903が「YES」で行われたS905~S913で設定されたエラー情報を報知するために、ステップS904の処理に進む。
ステップS904において、サブCPU201は、図58を用いて後述する設定エラー報知処理を行い(S904)、図56の設定変更・確認エラー検出処理を終了して呼出し元に戻る。
ステップS905において、サブCPU201は、サブRAM203に格納されているエラー状態フラグをクリアし(エラー未登録状態にし)(S905)、ステップS906の処理に進む。なお、エラー状態フラグは例えばサブRAM203の不揮発性メモリに格納される。
サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB7(図45参照)にドア開閉監視スイッチ56のオフ状態(閉状態)がセットされているか否かを判定する(S906)。
なお、ドア(下ドア機構DD)の開閉状態の判定に、主中継基板73を介して主制御基板71に接続されたドア開閉監視スイッチ56を用いるようにしているが、これに限定されるものではなく、副中継基板74を介して副制御基板72に接続された24hドア監視ユニット61を用いるようにしてもよい。
当該ビット群D13のビットB7にドア開閉監視スイッチ56のオフ状態(閉状態)がセットされていると判定された場合には(S906がYES)、ステップS907の処理に進む。一方、当該ビット群D13のビットB7にドア開閉監視スイッチ56のオフ状態(閉状態)がセットされていないと判定された場合には(S906がNO)、ステップS910の処理に進む。
ステップS907において、サブCPU201は、サブRAM203に格納されている設定キー操作フラグに「変更操作」がセットされているか否かを判定する(ステップS907)。なお、設定キー操作フラグは例えばサブRAM203の不揮発性メモリに格納される。
設定キー操作フラグに「変更操作」がセットされていると判定された場合には(S907がYES)、ドア(下ドア機構DD)が閉状態で電源投入時の設定用鍵型スイッチ52のオン状態を検知するという設定キーの操作に関連するエラーを検知したので、サブCPU201はサブRAM203に格納されているエラー状態フラグに当該エラーを特定可能な「設定変更操作エラー」をセットし(S908)、ステップS914の処理に進む。
一方、設定キー操作フラグに「変更操作」がセットされていない、つまり、「確認操作」がセットされていると判定された場合には(S907がNO)、ドア(下ドア機構DD)が閉状態で電源投入後の設定用鍵型スイッチ52のオン状態への変化を検知するという設定キーの操作に関連するエラーを検知したので、サブCPU201は、サブRAM203に格納されるエラー状態フラグに当該エラーを特定可能な「設定キーエラー」をセットし(S909)、ステップS914の処理に進む。
ステップS910において、初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れも受信していないか否かを判定する(S910)。初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れかを受信したと判定された場合には(S910がNO)、ステップS914の処理に進む。
初期化コマンド(変更・開始)及び初期化コマンド(確認・開始)の何れも受信していないと判定された場合には(S910がYES)、サブCPU201は、サブRAM203に格納されている設定キー操作フラグに「変更操作」がセットされているか否かを判定する(ステップS911)。
設定キー操作フラグに「変更操作」がセットされていると判定された場合には(S911がYES)、初期化コマンド(変更・開始)を受信していない状態で電源投入時の設定用鍵型スイッチ52のオン状態を検知するという設定キーの操作に関連するエラーを検知したので、サブCPU201は、サブRAM203に格納されるエラー状態フラグに当該エラーを特定可能な「現在設定変更不可エラー」をセットし(S912)、ステップS914の処理に進む。
一方、設定キー操作フラグに「変更操作」がセットされていない、つまり、「確認操作」がセットされていると判定された場合には(S911がNO)、初期化コマンド(変更・開始)を受信していない状態で電源投入後の設定用鍵型スイッチ52のオン状態への変化を検知するという設定キーの操作に関連するエラーを検知したので、
サブCPU201は、サブRAM203に格納されるエラー状態フラグに当該エラーを特定可能な「設定確認エラー」をセットし(S913)、ステップS914の処理に進む。
ステップS914において、サブCPU201はONエッジフラグにオフをセットし(S914)、図56の設定変更・確認エラー検出処理を終了して呼出し元に戻る。
[11-5-1-1.設定キー情報作成処理]
図56の設定変更・確認エラー検出処理における設定キー情報作成処理(S901)について図57を参照して説明する。
サブCPU201は、主制御回路100から電源投入後に送信される無操作コマンドを初めて受信し、当該初めて受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされているか否かを判定する(S951)。
主制御回路100から電源投入後に送信される無操作コマンドを初めて受信し、当該初めて受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされていると判定された場合には(S951がYES)、ステップS953の処理に進む。一方、主制御回路100から電源投入後に送信される無操作コマンドを初めて受信し、当該初めて受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされていると判定されなかった場合には(S951がNO)、ステップS952の処理に進む。
ステップS952において、サブCPU201は、連続して受信した2つの無操作コマンドのペアにおいて、先に受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされ、後に受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされているか否か(設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したか否か)を判定する(S952)。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したと判定された場合には(S952がYES)、ステップS953の処理に進む。一方、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したと判定されなかった場合には(S952がNO)、図57の設定キー情報作成処理を終了して図56の設定変更・確認エラー検出処理に戻る。
ステップS953において、サブCPU201は、サブRAM203に格納されているONエッジフラグにオン状態をセットし(S953)、ステップS954の処理に進む。
サブCPU201は、主制御回路100から電源投入後に送信される無操作コマンドを初めて受信し、当該初めて受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされているか否かを判定する(S954)。
主制御回路100から電源投入後に送信される無操作コマンドを初めて受信し、当該初めて受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされていると判定された場合には(S954がYES)、ステップS955の処理に進む。一方、主制御回路100から電源投入後に送信される無操作コマンドを初めて受信し、当該初めて受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされていると判定されなかった場合には(S954がNO)、ステップS956の処理に進む。
ステップS955において、サブCPU201は、サブRAM203に格納されている設定キー操作フラグに「変更操作」をセットし(S955)、図57の設定キー情報作成処理を終了して図56の設定変更・確認エラー検出処理に戻る。
ステップS956において、サブCPU201は、連続して受信した2回分の無操作コマンドにおいて、先に受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオフ状態がセットされ、後に受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされているか否か(設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したか否か)を判定する(S956)。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したと判定された場合には(S956がYES)、ステップS957の処理に進む。一方、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したと判定されなかった場合には(S956がNO)、図57の設定キー情報作成処理を終了して図56の設定変更・確認エラー検出処理に戻る。
ステップS957において、サブCPU201は、サブRAM203に格納されている設定キー操作フラグに「確認操作」をセットし(S957)、図57の設定キー情報作成処理を終了して図56の設定変更・確認エラー検出処理に戻る。
[11-5-1-2.設定エラー報知処理]
図56の設定変更・確認エラー検出処理における設定エラー報知処理(S904)について図58を参照して説明する。
サブCPU201は、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態で予め定められた時間(第3の遊技機では、2秒とするが、これに限定されるものではない。)以上経過したか否かを判定する(S971)。設定変更に関しては、電源が投入されて最初に受信した無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされており、且つ、電源が投入されて最初に無操作コマンドを受信してから2秒以上経過するまでの間に受信する各無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされている場合に、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態で2秒以上経過したと判定される。また、設定変更に関しては、図57の設定キー情報作成処理のステップS953でONエッジフラグにオン状態がセットされてから2秒以上経過するまでの間に受信する各無操作コマンドにおけるビット群D13(入力ポートP2)のビットB6(図45参照)に設定用鍵型スイッチ52のオン状態がセットされている場合に、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態で2秒以上経過したと判定される。なお、2秒以上の時間の計測に、一定周期で送られてくる無操作コマンドの受信回数に基づく計測、サブCPU201のソフトタイマによる計測、一定周期で行われる設定変更・確認エラー検出処理(図56)の実行回数に基づく計測などを用いることができる。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態で2秒以上経過していないと判定された場合には(S971がNO)、図58の設定エラー報知処理を終了して図56の設定変更・確認エラー検出処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態で2秒以上経過したと判定された場合には(S971がYES)、サブCPU201は、サブRAM203に格納されているエラー状態フラグにエラー情報(「設定変更操作エラー」、「設定キーエラー」、「現在設定変更不可エラー」、「設定確認エラー」)がセットされているか否かを判定する(S972)。エラー状態フラグにエラー情報がセットされていないと判定された場合には(S972がNO)、図58の設定エラー報知処理を終了して図56の設定変更・確認エラー検出処理に戻る。
エラー状態フラグにエラー情報がセットされていると判定された場合には(S972がYES)、サブCPU201は、エラー状態フラグにセットされているエラー情報を報知するための図59に示す設定操作異常のエラー画面をサブ表示装置220に表示し(S973)、ステップS974の処理に進む。
設定操作異常のエラー画面には、図59に示すように、「係員をお呼びください。」A51、及び、「エラー状態フラグの内容」」A52が表示される。「エラー状態フラグの内容」にはエラー状態フラグにセットされているエラー情報(「設定変更操作エラー」、「設定キーエラー」、「現在設定変更不可エラー」、「設定確認エラー」)が表示される。
なお、設定操作異常のエラー画面は、設定操作系エラー専用の異常報知(警告)画面であり、通常エラーの異常報知(警告)画面とは異なる。通常エラーの場合、副制御基板72側での表示だけではなく、主制御基板71側でもエラーの発生と発生中のエラーを表すコードを表示し、主制御基板71側でのエラーであれば、払出数ランプ(情報表示装置14)にコードを表示し、副制御基板72側の演出用のランプ・LED類(上部ランプ23等)をエラー発生中を意味する発光パターンで発光させ、スピーカ35a,35bからエラー発生用のエラー音を出音する。一方で、設定操作異常のエラー画面は、払出数ランプの表示がないなど主制御基板71側での表示はなく、副制御基板72側での演出用のランプ・LED類(上部ランプ23等)の発光やスピーカ35a,35bの音声出力もない。なお、副制御基板72側で演出用のランプ・LED類(上部ランプ23等)を通常エラーと同じ発光パターンで発光させ、スピーカ35a,35bから同じエラー音を出音するようにしてもよいし、演出用のランプ・LED類(上部ランプ23等)を専用の発光パターンで発光させ、スピーカ35a,35bから専用のエラー音を出力するようにしてもよい。
サブCPU201は、サブRAM203に格納されているエラー情報履歴(図55(d)に示すエラー情報履歴画面のエラー情報履歴A41に表示される内容)に、エラー状態フラグにセットされたエラー情報と当該エラー情報の表示開始時刻(開始時にRTCから取得する日時(年月日 時分秒:yyyy/mm/dd hh/mm/ss))とを対応付けて登録し(S974)、図58の設定エラー報知処理を終了して図56の設定変更・確認エラー検出処理に戻る。
なお、図54及び図56では、ドア開閉監視スイッチ56がドア(下ドア機構DD)の開状態でオン状態、閉状態でオフ状態となるスイッチである場合を対象として説明したが、これに限定されるものではなく、ドア(下ドア機構DD)の閉状態でオン状態、開状態でオフ状態となるスイッチである場合を対象とすることも可能であり、この場合、図46及び図56においてドア開閉監視スイッチ56に関する部分では、「オン状態」を「オフ状態」に、「オン状態」を「オフ状態」に置き換えればよい。
[11-6.効果]
[11-6-1.メンテナンス処理(ドア開閉条件あり)の効果]
図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)によれば、主制御基板71の主制御回路100のメインCPU101側での設定確認に関する処理及び設定変更に関する処理のそれぞれの終了により、副制御基板72の副制御回路200のサブCPU201側でメニュー画面及び項目画面の何れも表示部に表示されないようにしてメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)を終了するので、設定確認に関する処理及び設定変更に関する処理のそれぞれの終了後に項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定などを防止できる。
ところで、サブCPU201が通信異常などの何らかの異常の発生により主制御基板71側から送信された初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信できない場合、何らの対策も施さなければ、サブCPU210はメニュー画面及び項目画面の何れも表示部に表示されないようにして、メンテナンス処理を終了することができない。このように、メインCPU101が設定確認に関する処理及び設定変更に関する処理のそれぞれの終了後も項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定などを行うことが可能になるという問題が発生する。図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)では、所定の事象(第3の遊技機では、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態に第3の遊技機がなっている状況)を、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオフ状態(閉状態)であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態である状況とし、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオフ状態(閉状態)であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定し(S852)、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオフ状態(閉状態)であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であれば(S853がYES)、メンテナンスメニュートップ画面の表示を行い(S852)、ステップS852、ステップS853、ステップS853が「YES」を繰り返す。これにより、メンテナンスメニュートップ画面での操作を受け付けないようになり(操作を無効にし)、サブCPU201が通信異常などの何らかの異常の発生により主制御基板71側から初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定などを回避可能にすることができる。
なお、所定の事象は、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態に第3の遊技機がなっている状況であれば、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオフ状態(閉状態)であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態である状況以外の第3の遊技機の状況であってもよい。
また、サブCPU201は、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオフ状態(閉状態)であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定し(S852)、ドア開閉監視スイッチ56の状態がオフ状態(閉状態)であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態であると判定すれば(S853がYES)、メンテナンスメニュートップ画面の表示を行い(S852)、ステップS852、ステップS853、ステップS853が「YES」を繰り返すという簡易な処理及び制御で項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定を防止できる。
また、サブCPU201が、ドア(下ドア機構DD)の開閉状態の検知に、メインCPU101がドア(下ドア機構DD)の開閉状態の検知に使用する主制御基板71に接続されているドア開閉監視スイッチ56を用いることにより、図54のメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)に起因する部品点数の増大を抑えることが可能になる。
また、主制御基板71側から副制御基板72側へ主制御基板71に接続されたドア開閉監視スイッチ56の状態(オン状態又はサブ状態)を含む無操作コマンド(図45参照)を送信するという簡易な仕組みで、サブCPU201は主制御基板71に接続されたドア開閉監視スイッチ56の状態(オン状態又はサブ状態)を認識可能になる。
また、サブCPU201は、ドア(下ドア機構DD)の開閉状態の検知に、主制御基板71に接続されているドア開閉監視スイッチ56を用いる代わりに、副制御基板72に接続されている24hドア監視ユニット61を用いるようにしてもよく、この場合、サブCPU201がドア(下ドア機構DD)の開閉状態を取得するためにメインCPU101など他の制御部との通信に異常があってもドア(下ドア機構DD)の開閉状態を取得することができる。
また、主制御基板71側から副制御基板72側へ主制御基板71に接続された設定用鍵型スイッチ52の状態(オン状態又はサブ状態)を含む無操作コマンド(図45参照)を送信するという簡易な仕組みで、サブCPU201が、主制御基板71に接続された設定用鍵型スイッチ52の状態(オフ状態又はオン状態)を認識可能になる。
[11-6-2.メンテナンス処理(ドア開閉条件なし)の効果]
図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)によれば、主制御基板71の主制御回路100のメインCPU101側での設定確認に関する処理及び設定変更に関する処理のそれぞれの終了により、副制御基板72の副制御回路200のサブCPU201側でメニュー画面及び項目画面の何れも表示部に表示されないようにしてメンテナンス処理(ドア開閉条件あり)を終了するので、設定確認に関する処理及び設定変更に関する処理のそれぞれの終了後に項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定などを防止できる。
ところで、サブCPU201が通信異常などの何らかの異常の発生により主制御基板71側から送信された初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信できない場合、何らの対策も施さなければ、サブCPU210はメニュー画面及び項目画面の何れも表示部に表示されないようにして、メンテナンス処理を終了することができない。このように、メインCPU101が設定確認に関する処理及び設定変更に関する処理のそれぞれの終了後も項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定などを行うことが可能になるという問題が発生する。図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)では、所定の事象(第3の遊技機では、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態に第3の遊技機がなっている状況)を、状態維持フラグがオフ状態であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態である状況とし、状態維持フラグがオフ状態であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定し(S812)、状態維持フラグがオフ状態であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であれば(S812がYES)、メニュー画面及び項目画面の何れも表示部に表示されないようにして図53のメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)を終了する(S813)。これにより、サブCPU201が通信異常などの何らかの異常の発生により主制御基板71側から初期化コマンド(変更・終了)又は初期化コマンド(確認・終了)を受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定などを回避可能にすることができる。
なお、所定の事象は、主制御回路100側で設定変更に関する処理又は設定確認に関する処理を終了した可能性がある状態に第3の遊技機がなっている状況であれば、状態維持フラグがオフ状態であり、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態である状況以外の第3の遊技機の状況であってもよい。
また、サブCPU201は、状態維持フラグにオフ状態が設定されており、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定し(S812)、状態維持フラグにオフ状態が設定されており、且つ、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定すれば(S812がYES)、メンテナンスメニュー画面及び項目画面の何れもサブ表示部220に表示されないようにしてメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)を終了する(S813)という簡易な処理及び制御で項目画面の内容の不正な閲覧や項目画面の内容の不正な設定を防止できる。
また、主制御基板71側から副制御基板72側へ主制御基板71に接続されたスタートスイッチ7Sの状態(オン状態又はサブ状態)を含む無操作コマンド(図45参照)を送信するという簡易な仕組みで、サブCPU201が、主制御基板71に接続されたスタートスイッチ7Sの状態(オフ状態又はオン状態)を認識可能になる。
また、主制御基板71側から副制御基板72側へ主制御基板71に接続された設定用鍵型スイッチ52の状態(オン状態又はサブ状態)を含む無操作コマンド(図45参照)を送信するという簡易な仕組みで、サブCPU201が、主制御基板71に接続された設定用鍵型スイッチ52の状態(オフ状態又はオン状態)を認識可能になる。
また、状態維持フラグを用いることにより、設定値の確認に係る処理に対応する所定の事象の発生の判定処理と設定値の変更に係る処理に対応する所定の事象の発生の判定処理とを共通化しながら、設定値の変更に係る処理に対応する所定の事象が発生したとの判定にスタートスイッチ7Sの状態がオン状態になったことを含め、設定値の確認に関する処理に対応する所定の事象が発生したとの判定にスタートスイッチ7Sの状態がオン状態になったことを含めないようにすることができる。
また、状態維持フラグを用いることにより、電源がオフになって中断したメンテナンス処理(ドア開閉条件なし)を、電源が投入された後に改めて行うことが可能になる。
[11-7.付記]
[11-7-1.付記1]
従来の遊技機において、主制御基板側で係員が設定キーを用いて設定用鍵型スイッチをオン状態にした後に電源投入することにより設定変更処理が開始されると、又は、係員が電源投入された状態で設定キーを用いて設定用鍵型スイッチをオン状態にすることにより設定確認処理が開始されると、これに連動して副制御基板側で液晶表示器の表示領域にメンテナンスのためのメニュー画面が表示され、係員が操作キーを操作してメニュー画面に表示された「エラー情報履歴」項目を選択することで液晶表示器の表示領域にエラー情報履歴画面が表示される遊技機がある(例えば、特許文献(特開2014-30542号公報(例えば、段落0124、図82、83など)参照)。
しかしながら、主制御基板側で設定変更処理又は設定確認処理が終了した後も、副制御基板側でメニュー画面に含まれる項目に対応する項目画面の内容の閲覧を継続して行うことができるのは、不正の観点から好ましくない。
付記1に係る遊技機は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技制御部側で設定値表示処理又は設定値変更処理が終了した後に、メニュー画面に含まれる項目に対応する項目画面の内容の不正な閲覧を防止可能な遊技機を提供することを目的とする。
付記1に係る遊技機(a1)は、
遊技の進行に関する制御を行う遊技制御部(71)と、前記遊技制御部の進行状態に応じて演出に関する制御を行う演出制御部(72)と、前記遊技制御部に接続された第1スイッチ(52)と、前記遊技制御部に接続された第2スイッチ(53)と、前記演出制御部に接続された表示部(220)と、前記演出制御部に接続された操作部(22)とを備える遊技機において、
前記遊技制御部は、
遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値が格納される設定値格納部(103)を備え、
電源が投入された後に前記第1スイッチの状態が変化することを条件に前記設定値格納部に格納されている前記設定値に関わる表示を行う設定値表示処理(図51、図52、S205)と、
電源投入時に前記第1スイッチが前記設定値格納部に格納されている前記設定値を変更することが可能な状態であることを条件に前記設定値格納部に格納されている前記設定値の変更を前記第2スイッチの状態の変化に基づいて行う設定値変更処理(図50、図52、S205)と
を行い、
前記遊技制御部は、
前記設定値表示処理において、
前記設定値に関わる表示を開始するときに第1開始コマンドを前記演出制御部へ送信し(S653、S703、S204)、
前記設定値に関わる表示を終了するときに第1終了コマンドを前記演出制御部へ送信し(S657、S715、S204)、
前記設定値変更処理において、
当該設定値変更処理において行われる前記設定値に関わる表示を開始するときに第2開始コマンドを前記演出制御部へ送信し(S603、S703、S204)、
前記設定値に関わる表示を終了するときに第2終了コマンドを前記演出制御部へ送信し(S614、S715、S204)、
前記演出制御部は、前記操作部を用いて選択可能な複数の項目を含むメニュー画面を前記表示部に表示し、前記複数の項目それぞれに対応して設けられた項目画面のうち、前記メニュー画面において前記操作部を用いて選択された前記項目に対応する前記項目画面を前記表示部に表示する画面表示処理を行い(図54)、
前記演出制御部は、
前記画面表示処理において、
前記第1開始コマンド又は前記第2開始コマンドを受信したことを契機として、前記メニュー画面の表示を開始し(S852)、
前記第1終了コマンド又は前記第2終了コマンドの受信により、前記メニュー画面及び前記項目画面の何れも前記表示部に表示されないようにする(S858)
ことを特徴としている。
これによれば、遊技制御部側での設定値表示処理及び設定値変更処理のそれぞれの終了により演技制御部側でメニュー画面及び項目画面の何れも表示部に表示されないようにするので、設定値表示処理及び設定値変更処理のそれぞれの終了後に項目画面の内容の不正な閲覧を防止できる。
遊技機(a2)は、上記の遊技機(a1)において、
前記演出制御部は、前記画面表示処理において、前記第1終了コマンド又は前記第2終了コマンドの受信とは異なる所定の事象の発生により、前記項目画面が前記表示部に表示されないように前記項目画面の表示を制限する表示制限処理を行う(S853,S853がYES,S852)
としてもよい。
ところで、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第1終了コマンド又は第2終了コマンドを受信できない場合には、演出制御部は画面表示処理を終了することができず、遊技制御部側での設定値表示処理又は設定値変更処理の終了後も項目画面の内容の不正な閲覧を行うことが可能になるという問題が発生する。
上記の遊技機(a2)によれば、演出制御部は所定の事象の発生により項目画面が表示部に表示されないように項目画面の表示を制限するため、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第1終了コマンド又は第2終了コマンドを受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧を回避可能にすることができる。
遊技機(a3)は、上記の遊技機(a2)において、
前記演出制御部は、前記表示制限処理において、前記所定の事象の発生により、前記メニュー画面を前記表示部に表示し、当該演出制御部を当該メニュー画面での前記操作部を用いた前記項目の選択操作を受け付けない状態に制御する(S853,S853がYES,S852)
としてもよい。
これによれば、簡易な処理及び制御で項目画面の内容の不正な閲覧を防止できる。
遊技機(a4)は、上記の遊技機(a2)又は(a3)において、
前記演出制御部は、遊技機本体(G)に開閉自在に取り付けられた前扉(DD)の開状態又は閉状態を検知する開閉検知センサ(56,61)の検知結果に基づいて前記所定の事象が発生しているか否かを判定する(S853)
としてもよい。
これによれば、演出制御部は前扉の開閉状態に関わる所定の事象の発生により項目画面が表示部に表示されないように項目画面の表示を制限するため、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第1終了コマンド又は第2終了コマンドを受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧を回避可能にすることができる。
遊技機(a5)は、上記の遊技機(a4)において、
前記開閉検知センサ(56)は前記遊技制御部に接続されているとしてもよい。
これによれば、演出制御部が前扉の開閉状態の検知に、遊技制御部が前扉の開閉状態の検知に使用する当該遊技制御部に接続された開閉検知センサを用いることにより、部品点数の増大を抑えることが可能になる。
遊技機(a6)は、上記の遊技機(a5)において、
前記遊技制御部は、前記開閉検知センサ(56)により検知された前記前扉の開状態又は閉状態を示す前扉開閉情報を含む入力状態コマンドを前記演出制御部へ送信するとしてもよい。
これによれば、遊技制御部から演出制御部へ前扉開閉情報を含む入力状態コマンドを送信するという簡易な仕組みで、演出制御部は遊技制御部に接続された開閉検知センサにより検知された前扉の状態(開状態又は閉状態)を認識可能になる。
遊技機(a7)は、上記の遊技機(a4)において、
前記開閉検知センサ(61)は前記演出制御部に接続されているとしてもよい。
これによれば、演出制御部が前扉の開閉状態の検知に当該演出制御部に接続された開閉検知センサを用いることにより、遊技制御部など他の制御部との通信に異常が発生しても前扉の開閉状態を取得できる。
遊技機(a8)は、上記の遊技機(a2)乃至(a7)の何れかにおいて、
前記演出制御部は、前記第1スイッチの状態に基づいて前記所定の事象が発生しているか否かを判定する(S853)
としてもよい。
これによれば、演出制御部は第1スイッチの状態に関わる所定の事象の発生により項目画面が表示部に表示されないように項目画面の表示を制限するため、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第1終了コマンド又は第2終了コマンドを受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧を回避可能にすることができる。
遊技機(a9)は、上記の遊技機(a6)に従属する上記の遊技機(a8)において、
前記遊技制御部は、前記第1スイッチの状態を示す第1スイッチ状態情報を含む前記入力状態コマンドを前記演出制御部へ送信するとしてもよい。
これによれば、遊技制御部から演出制御部へ第1スイッチ状態情報を含む入力状態コマンドを送信するという簡易な仕組みで、演出制御部は遊技制御部に接続された第1スイッチの状態を認識可能になる。
遊技機(a10)は、上記の遊技機(a6)、上記の遊技機(a6)に従属する上記の遊技機(a8)、又は、上記の遊技機(a9)において、
前記遊技制御部は前記入力状態コマンドを周期的に送信するとしてもよい。
これによれば、演出制御部は周期的に入力状態コマンドに含まれる情報を取得可能になる。
付記1に係る遊技機によれば、設定値の確認と設定値の変更の履歴をホール店員等の閲覧権限を有する人以外の人が不正に閲覧することを防止できる遊技機を提供できる。
[11-7-2.付記2]
従来の遊技機において、主制御基板側で係員が設定キーを用いて設定用鍵型スイッチをオン状態にした後に電源投入することにより設定変更処理が開始されると、又は、係員が電源投入された状態で設定キーを用いて設定用鍵型スイッチをオン状態にすることにより設定確認処理が開始されると、これに連動して副制御基板側で液晶表示器の表示領域にメンテナンスのためのメニュー画面が表示され、係員が操作キーを操作してメニュー画面に表示された「エラー情報履歴」項目を選択することで液晶表示器の表示領域にエラー情報履歴画面が表示される遊技機がある(例えば、特許文献(特開2014-30542号公報(例えば、段落0124、図82、83など)参照)。
しかしながら、主制御基板側で設定変更処理又は設定確認処理が終了した後も、副制御基板側でメニュー画面に含まれる項目に対応する項目画面の内容の閲覧を継続して行うことができるのは、不正の観点から好ましくない。
付記2に係る遊技機は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技制御部側で設定値表示処理又は設定値変更処理が終了した後に、メニュー画面に含まれる項目に対応する項目画面の内容の不正な閲覧を防止可能な遊技機を提供することを目的とする。
本実施形態に係る遊技機(b1)は、
遊技の進行に関する制御を行う遊技制御部(71)と、前記遊技制御部の進行状態に応じて演出に関する制御を行う演出制御部(72)と、前記遊技制御部に接続された第1スイッチ(52)と、前記遊技制御部に接続された第2スイッチ(53)と、前記演出制御部に接続された表示部(220)と、前記演出制御部に接続された操作部(22)とを備える遊技機において、
前記遊技制御部は、
遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値が格納される設定値格納部(103)を備え、
電源が投入された後に前記第1スイッチの状態が変化することを条件に前記設定値格納部に格納されている前記設定値に関わる表示を行う設定値表示処理(図49、S205)と、
電源投入時に前記第1スイッチが前記設定値格納部に格納されている前記設定値を変更することが可能な状態であることを条件に前記設定値格納部に格納されている前記設定値の変更を前記第2スイッチの状態の変化に基づいて行う設定値変更処理(図48、S205)と
を行い、
前記遊技制御部は、
前記設定値表示処理において、
前記設定値に関わる表示を開始するときに第1開始コマンドを前記演出制御部へ送信し(S552、S204)、
前記設定値に関わる表示を終了するときに第1終了コマンドを前記演出制御部へ送信し(S556、S204)、
前記設定値変更処理において、
当該設定値変更処理において行われる前記設定値に関わる表示を開始するときに第2開始コマンドを前記演出制御部へ送信し(S503、S204)、
前記設定値に関わる表示を終了するときに第2終了コマンドを前記演出制御部へ送信し(S513、S204)、
前記演出制御部は、前記操作部を用いて選択可能な複数の項目を含むメニュー画面を前記表示部に表示し、前記複数の項目それぞれに対応して設けられた項目画面のうち、前記メニュー画面において前記操作部を用いて選択された前記項目に対応する前記項目画面を前記表示部に表示する画面表示処理を行い(図53)、
前記演出制御部は、
前記画面表示処理において、
前記第1開始コマンド又は前記第2開始コマンドを受信したことを契機として、前記メニュー画面の表示を開始し(S804)、
前記第1終了コマンド又は前記第2終了コマンドの受信により、前記メニュー画面及び前記項目画面の何れも前記表示部に表示されないようにする(S813)
ことを特徴としている。
これによれば、遊技制御部側での設定値表示処理及び設定値変更処理のそれぞれの終了により演技制御部側でメニュー画面及び項目画面の何れも表示部に表示されないようにするので、設定値表示処理及び設定値変更処理のそれぞれの終了後に項目画面の内容の不正な閲覧を防止できる。
遊技機(b2)は、上記の遊技機(b1)において、
前記演出制御部は、前記画面表示処理において、前記第1終了コマンド又は前記第2終了コマンドの受信とは異なる所定の事象の発生により、前記項目画面が前記表示部に表示されないように前記項目画面の表示を制限する表示制限処理を行う(S812,S812がYES,S813)
としてもよい。
ところで、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第1終了コマンド又は第2終了コマンドを受信できない場合には、演出制御部は画面表示処理を終了することができず、遊技制御部側での設定値表示処理又は設定値変更処理の終了後も項目画面の内容の不正な閲覧を行うことが可能になるという問題が発生する。
上記の遊技機(b2)によれば、演出制御部は所定の事象の発生により項目画面が表示部に表示されないように項目画面の表示を制限するため、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第1終了コマンド又は第2終了コマンドを受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧を回避可能にすることができる。
遊技機(b3)は、上記の遊技機(b2)において、
前記演出制御部は、前記表示制限処理において、前記所定の事象の発生により、前記メニュー画面及び前記項目画面の何れも前記表示部に表示されないようにして当該画面表示処理を終了する(S813)
としてもよい。
これによれば、簡易な処理及び制御で項目画面の内容の不正な閲覧を防止できる。
遊技機(b4)は、上記の遊技機(b2)又は(b3)において、前記第2開始コマンドの受信による前記画面表示処理での前記表示制御処理では、前記遊技制御部に接続され、遊技者の操作開始を受け付けるスタートレバー(7)に対する操作を検知するスタートスイッチ(7S)の状態に基づいて前記所定の事象が発生しているか否かを判定する(S811)
としてもよい。
これによれば、演出制御部はスタートレバーの操作状態に関わる所定の事象の発生により項目画面が表示部に表示されないように項目画面の表示を制限するため、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第2終了コマンドを受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧を回避可能にすることができる。
遊技機(b5)は、上記の遊技機(b4)において、
前記遊技制御部は、前記スタートスイッチの状態を示すスタートスイッチ情報を含む入力状態コマンドを前記演出制御部へ送信するとしてもよい。
これによれば、遊技制御部から演出制御部へスタートスイッチ情報を含む入力状態コマンドを送信するという簡易な仕組みで、演出制御部は遊技制御部に接続されたスタートスイッチの状態を認識可能になる。
遊技機(b6)は、上記の遊技機(b2)乃至(b5)の何れかにおいて、
前記演出制御部は、前記第1スイッチの状態に基づいて前記所定の事象が発生しているか否かを判定する(S853)
としてもよい。
これによれば、演出制御部は第1スイッチの状態に関わる所定の事象の発生により項目画面が表示部に表示されないように項目画面の表示を制限するため、演出制御部が通信異常などの何らかの異常の発生により遊技制御部から送信された第1終了コマンド又は第2終了コマンドを受信できなくても、通信異常などの何らかの異常の発生時に項目画面の内容の不正な閲覧を回避可能にすることができる。
遊技機(b7)は、上記の遊技機(b5)に従属する上記の遊技機(b6)において、
前記遊技制御部は、前記第1スイッチの状態を示す第1スイッチ状態情報を含む前記入力状態コマンドを前記演出制御部へ送信するとしてもよい。
これによれば、遊技制御部から演出制御部へ第1スイッチ状態情報を含む入力状態コマンドを送信するという簡易な仕組みで、演出制御部は遊技制御部に接続された第1スイッチの状態を認識可能になる。
遊技機(a8)は、上記の遊技機(b5)、上記の遊技機(b5)に従属する上記の遊技機(b6)、又は、上記の遊技機(b7)において、
前記遊技制御部は前記入力状態コマンドを周期的に送信するとしてもよい。
これによれば、演出制御部は周期的に入力状態コマンドに含まれる情報を取得可能になる。
前記遊技機(b9)は、上記の遊技機(b4)乃至(b8)の何れかにおいて、
前記演出制御部は、第1情報を格納する第1情報格納部(203)と、第2情報を格納する第2情報格納部(203)とを備え、
前記演出制御部は、前記画面表示処理において、
前記第1開始コマンド又は前記第2開始コマンドを受信したか否かを判定し(S802)、
前記第1開始コマンドを受信したと判定すると、前記第1情報格納部に格納されている前記第1情報に当該画面表示処理の維持を設定し、前記第2情報格納部に格納されている前記第2情報に前記設定値表示処理に関わる設定値表示情報を設定し(S802がYES、S802、S803がYES、S803)、
前記第2開始コマンドを受信したと判定すると、前記第1情報格納部に格納されている前記第1情報に当該画面表示処理の維持を設定し、前記第2情報格納部に格納されている前記第2情報に前記設定値変更処理に関わる設定値変更情報を設定し(S802がYES、S802、S803がYES、S803)、
前記スタートスイッチの状態が前記スタートレバーに対する操作を検知する状態になると前記第1情報格納部に格納されている前記第1情報に前記画面表示処理を維持しないことを設定し(S805、S805がYES、S807)、
前記第2情報格納部に格納されている前記第2情報に前記設定値表示処理が設定されていれば前記第1情報格納部に格納されている前記第1情報に前記画面表示処理を維持しないことを設定し(S806、S806がYES、S807)、
前記スタートスイッチの状態に基づいて前記所定の事象が発生しているか否かの判定に前記第1情報格納部に格納されている前記第1情報を用いる(S812)
としてもよい。
これによれば、設定値表示処理に対応する所定の事象の発生の判定処理と設定値変更処理に対応する所定の事象の発生の判定処理とを共通化しながら、設定値変更処理に対応する所定の事象が発生したとの判定にスタートスイッチの状態がスタートレバーに対する操作を検知したことを含め、設定値表示処理に対応する所定の事象が発生したとの判定にスタートスイッチの状態がスタートレバーに対する操作を検知したことを含めないようにすることができる。
前記遊技機(b10)は、上記の遊技機(b9)において、
前記第1情報格納手段は不揮発性のメモリで構成されており、
前記演出制御部は、前記画面表示処理において、
前記第1開始コマンド又は前記第2開始コマンドを受信したか否かを判定する前に、前記第1情報格納手段に格納されている前記第1情報に前記画面表示処理の維持が設定されているか否かを判定し(S801)、
前記第1情報格納手段に格納されている前記第1情報に前記画面表示処理の維持が設定されていると判定した場合には、前記メニュー画面の表示を開始する(S801がYES、S804)
としてもよい。
これによれば、電源がオフになって中断した画面表示処理を、電源が投入された後に改めて行うことが可能になる。
付記2に係る遊技機によれば、設定値の確認と設定値の変更の履歴をホール店員等の閲覧権限を有する人以外の人が不正に閲覧することを防止できる遊技機を提供できる。
[11-8.第3の遊技機の変形例1の遊技機]
続いて、図60~図72を参照して、パチスロ機1の設定変更及び設定確認に関する仕様の変形例について、これを「第3の遊技機の変形例1の遊技機」(以下では、単に、「変形例1の遊技機」と記載することもある。)として説明する。なお、図60~図72の各図の説明にないパチスロ機1の構成の全ては、図1~図35の各図で説明された実施形態が適用される。
[11-8-1.変形例1の遊技機の構成]
以下、変形例1の遊技機の構成について図60を参照して説明する。
第1の遊技機には下ドア機構DDの開閉状態の監視に用いられるドア開閉監視スイッチ56が設けられているが、上ドア機構UDの開閉状態の監視に用いられるスイッチは設けられていない(図3参照)。これに対して、変形例1の遊技機には、図60(a)に示すように、下ドア機構DDの開閉状態の監視に用いられる下ドア開閉監視スイッチ56dが設けられているとともに、上ドア機構UDの開閉状態の監視に用いられる上ドア開閉監視スイッチ56uが設けられており、下ドア開閉監視スイッチ56d及び上ドア開閉監視スイッチ56uの各々は、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続されている。
下ドア開閉監視スイッチ56dは、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。下ドア開閉監視スイッチ56dは、下ドア機構DDが開放状態(開状態)となったときにオン状態となり、閉鎖状態(閉状態)となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉状態を監視する。なお、下ドア開閉監視スイッチ56dがオン状態となると下ドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。なお、上述したように、設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53は主制御基板71(より詳細には主制御基板ケース上)に設けられるように構成し、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる下部空間に主制御基板71が収容されている。
上ドア開閉監視スイッチ56uは、例えば、上ドア機構UDの開閉側(右側)に設けられる。なお、上ドア機構UDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。上ドア開閉監視スイッチ56uは、上ドア機構UDが開放状態(開状態)となったときにオン状態となり、閉鎖状態(閉状態)となったときにオフ状態となることで、上ドア機構UDの開閉状態を監視する。なお、上ドア開閉監視スイッチ56uがオン状態となると上ドア開放エラーが発生する。この場合、上ドア機構UDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
変形例1の遊技機は、上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせとして、
(ドア開閉組み合わせ1)上ドア機構UDが開放状態(開状態)且つ下ドア機構DDが開放状態(開状態)、
(ドア開閉組み合わせ2)上ドア機構UDが閉鎖状態(閉状態)且つ下ドア機構DDが開放状態(開状態)、及び、
(ドア開閉組み合わせ3)上ドア機構UDが閉鎖状態(閉状態)且つ下ドア機構DDが閉鎖状態(閉状態)
の3通りとなるように、構成されている。なお、下ドア機構DDが開放状態(開状態)である場合に、設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53に対する操作が可能になっている。
第1の遊技機には、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が設けられている(図3参照)。これに対して、変形例1の遊技機には、図60(a)に示すように、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成するスピーカ35a,35b,35c,35d等のスピーカ群が設けられており、スピーカ35a,35b,35c,35d等のスピーカ群は、副中継基板74を介して副制御基板72に電気的に接続されている。
変形例1の遊技機は、図60(a)に示すように、第1の遊技機には設けられていない選択用ボタン40l,40r等の選択用ボタン群を備えており、選択用ボタン40l,40r等の選択用ボタン群は、副中継基板74を介して副制御基板72に電気的に接続されている。選択用ボタン40l,40rは、例えば、演出用ボタン10aとともに、後述する図66~図72の各画面における操作に用いられるものであり、選択用ボタン40l,40r及び演出用ボタン10aの一構成例を図60(b)に示す。なお、後述する図66~図72の各画面における選択用ボタン40l,40rと演出用ボタン10aとの操作内容の詳細については後述する。
変形例1の遊技機は、図60(a)に示すように、第1の遊技機には設けられていない可動役物41を備える。可動役物41は、副中継基板74を介して副制御基板72に電気的に接続されて副制御基板72のサブCPU201により可動制御が行われるものであり、例えばボーナス当選の示唆演出などの演出に用いられる。
[11-8-2.コマンド]
以下、主制御回路100から副制御回路200へ送信される初期化コマンド([4-9.コマンド]などで記載されている初期化コマンド)及び周期コマンド(「無操作コマンド」と記載することもある。)について、[11-8.第3の遊技機の変形例1の遊技機]の説明に必要な部分を中心に説明し、それ以外の部分については簡単に記載するか説明を省略する。なお、周期コマンド(無操作コマンド)は上記の[6-2.定期割込処理]などでは入力状態コマンドと記載している。
初期化コマンドは、コマンドを識別するためのIDであって初期化コマンドに割り当てられた初期化コマンドID、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)に記憶されている設定値、及び、初期化コマンドのステータスなどを含み、ステータスとして、「変更・開始」、「変更・終了」、「確認・開始」、「確認・終了」がある。なお、以下では、(1)IDに「初期化コマンドID」がセットされ、ステータスに「変更・開始」がセットされたコマンドを「初期化コマンド(変更・開始)」と記載し、(2)IDに「初期化コマンドID」がセットされ、ステータスに「変更・終了」がセットされたコマンドを「初期化コマンド(変更・終了)」と記載し、(3)IDに「初期化コマンドID」がセットされ、ステータスに「確認・開始」がセットされたコマンドを「初期化コマンド(確認・開始)」と記載し、(4)IDに「初期化コマンドID」がセットされ、ステータスに「確認・終了」がセットされたコマンドを「初期化コマンド(確認・終了)」と記載する。
周期コマンド(無操作コマンド)は、コマンドを識別するためのIDであって周期コマンド(無操作コマンド)に割り当てられた周期コマンドID、入力ポート(入力ポートP0~P3)に関わる各種センサや各種スイッチ(設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、スタートスイッチ7S、下ドア開閉監視スイッチ56d、上ドア開閉監視スイッチ56uなど)の入力状態(検出又は未検出、オン状態又はオフ状態)、及び、遊技状態などを含み、遊技状態として、「通常」、「BB中」、「再遊技」などがある。
メインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)には、図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)により、入力ポートP0~P2のポート状態(各種センサや各種スイッチ(設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、スタートスイッチ7S、下ドア開閉監視スイッチ56d、上ドア開閉監視スイッチ56uなど)の入力状態(検出又は未検出、オン状態又はオフ状態))が格納される。周期コマンド(無操作コマンド)は、メインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に格納されている入力ポートP0~P2のポート状態(各種センサや各種スイッチ(設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、スタートスイッチ7S、下ドア開閉監視スイッチ56d、上ドア開閉監視スイッチ56uなど)の入力状態(検出又は未検出、オン状態又はオフ状態))などを基に作成される。
図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)は、送信周期に基づいてコマンドのデータを副制御回路200へ送信する。
主制御回路100のメインCPU101は図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)が通信を行っていないレディ状態である場合に、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に遊技者や遊技店の係員などによる有効な操作に対応するメダル投入コマンドやスタートコマンドなどの遊技の進行に関するコマンドのデータ及び初期化コマンドのデータの何れも格納されていなければ、メインRAM103の入力ポート格納領域0,1(不図示)に格納されている格納内容などを基に無操作コマンドのデータを図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、メインCPU101は、送信周期に基づき、通信回路(不図示)を介して無操作コマンドのデータを副制御回路200へ送信する。
また、主制御回路100のメインCPU101は図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)がレディ状態である場合に、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に遊技者や遊技店の係員などによる有効な操作に対応するメダル投入コマンドやスタートコマンドなどの遊技の進行に関するコマンドのデータ及び初期化コマンドのデータの何れかが格納されていれば(無操作コマンド以外のコマンドのデータが格納されていれば)、格納されている無操作コマンド以外のコマンドのデータを図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、メインCPU101は、送信周期に基づき、通信回路(不図示)を介して無操作コマンド以外のコマンドのデータを副制御回路200へ送信する。
なお、通信回路(不図示)が通信中であるビジー状態である場合には図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に新たなコマンドのデータが設定されることはない。
初期化コマンドなどのデータは、一旦メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された後に、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において図60(a)の主制御回路100に内蔵されている通信回路(不図示)に格納されて副制御回路200に送信される構成とするが、例えば、初期化コマンドなどのデータは、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納することなく、主制御回路100に内蔵されている通信回路(不図示)に直接格納されて、副制御回路200に送信される構成としてもよい。
[11-8-3.設定変更及び設定確認に関する処理]
以下、主制御回路100により実行される設定変更及び設定確認に関する処理について説明する。変形例1の遊技機は、設定変更に関する処理(設定変更処理)と設定確認に関する処理(設定確認処理)とを異なるプログラムで実行するものであって、設定変更処理及び設定確認処理それぞれにおいてドア(下ドア機構DD、上ドア機構UD)の開閉状態を条件とするものである。
図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサや各種スイッチ(設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、スタートスイッチ7S、下ドア開閉監視スイッチ56d、上ドア開閉監視スイッチ56uなど)に対応する入力ポートの入力状態(検出又は未検出、オン状態又はオフ状態)のチェックを行い、例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合には、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)に入力状態の変化の内容を格納し、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に入力状態をそのまま格納する。従って、図32の定期割込処理を1回分待つことによって、待った1回分の定期割込処理で各種センサや各種スイッチ(設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、スタートスイッチ7S、下ドア開閉監視スイッチ56d、上ドア開閉監視スイッチ56uなど)に対応する入力ポートの入力状態(検出又は未検出、オン状態又はオフ状態)が入力ポート格納領域0,1(不図示)に反映される。なお、「図32の定期割込処理を1回分待つ」ことを、[11-8.第3の遊技機の変形例1]の説明では、記載の簡略化のために「1割込みWaitを行う」と記載する。
[11-8-3-1.設定変更処理]
変形例1の設定変更に関する処理(設定変更処理)について図61を参照して説明する。変形例1での電源投入処理は、図24の電源投入時処理においてステップS22~S27を図61の設定変更処理に置き換えたものであり、サブルーチンとしての図61の設定変更処理を呼び出し、これにより図61の設定変更処理が実行されるようになっている。
変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。主制御基板71において、主制御回路100のメインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れかであるか否かを判定する(S1001)。(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れでもないと判定された場合には(S1001がNO)、図61の設定変更処理を終了して呼び出し元に戻る。一方、(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れかであると判定された場合には(S1001がYES)、ステップS1002の処理に進む。なお、「ステップS1001がYES」となるのは、上ドア機構UDと下ドア機構DDとが取り得る開閉状態の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3))のうちの上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態である組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ3))以外の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ2))の場合である。ここで、上記した(ドア開閉組み合わせ3)以外の組み合わせの場合に設定変更処理を進める理由は、両方のドア(上ドア機構UD、下ドア機構DD)が閉められている状態で設定変更が行われる状態は、店側が本来所持しているドアキーが使用されていない状態で設定用鍵型スイッチ52が操作されている状態が考えられ、遊技機のキャビネットに穴があけられて設定用鍵型スイッチ52が操作されるゴト行為の可能性があり、ゴト行為を未然に防ぐためである。
なお、変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。このため、ステップS1001の判定処理に関する部分を、メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)であるか否かを判定し、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であると判定された場合に図61の設定変更処理を終了して呼び出し元に戻り、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)であると判定された場合にステップS1002の処理に進む処理に置き換えることが可能である。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否か、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であるか否かを判定する(S1002)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態でない、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S1002がNO)、図61の設定変更処理を終了して呼び出し元に戻る。なお、設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であることが「設定値の変更を許容する状態であること」に相当する。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態である、つまり、電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であると判定された場合には(S1002がYES)、メインCPU101は、初期化コマンド(変更・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・開始)生成格納処理を行う(S1003)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・開始)のデータを図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・開始)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
また、ステップS1002がYESであると判定された場合、メインCPU101は、ベットボタン(例えば、MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)と対応して配置された発光手段(例えば、LED)の発光制御として、ステップS1002がYESとなってからステップS1014がYESとなるまでの状態と後述するステップS1051がYESとなってからステップS1056がYESとなるまでの状態などを除く、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bに対する操作やスタートレバーに対する操作などを受け付けて遊技者が遊技を行い得る状態(遊技可能な状態)での発光手段の発光制御と異なる発光制御を用い、当該異なる発光制御によりベットボタンと対応して配置された発光手段を発光させる。例えば、遊技可能な状態での発光制御で発光しない色(例えば、赤色)で発光させる。
ステップS1003の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から設定値を取得する設定値取得処理と、取得した設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S1004)、ステップS1005の処理に進む。メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から取得した設定値を表示用の設定値に変換する処理では、取得した設定値が「0」の場合には表示用の設定値を「1」に、取得した設定値が「1」の場合には表示用の設定値を「2」に、・・・、取得した設定値が「5」の場合には表示用の設定値を「6」に変換する。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。なお、払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイ以外の7セグメントディスプレイは消灯した状態である。
メインCPU101は1割込みWaitを行い(S1005)、ステップS1006の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、リセットスイッチ53の状態がオン状態であるか否かを判定する(S1006)。リセットスイッチ53の状態がオン状態でないと判定された場合には(S1006がNO)、ステップS1009の処理に進む。
リセットスイッチ53の状態がオン状態であると判定された場合には(S1006がYES)、メインCPU101は、設定値を更新する設定値更新処理を行い(S1007)、ステップS1008の処理に進む。設定値更新処理では、設定値が「0」の場合には設定値を「1」に、・・・・、設定値が「4」の場合には設定値を「5」に、設定値が「5」の場合には設定値を「0」に更新する。なお、この時点では、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納されている設定値は、更新されない。
メインCPU101は、ステップS1007で更新された後の設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S1008)、ステップS1009の処理に進む。更新された後の設定値を表示用の設定値に変換する処理では、更新された後の設定値が「0」の場合には表示用の設定値を「1」に、更新された後の設定値が「1」の場合には表示用の設定値を「2」に、・・・、更新された後の設定値が「5」の場合には表示用の設定値を「6」に変換する。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、スタートスイッチ7Sの状態がオン状態であるか否かを判定する(S1009)。スタートスイッチ7Sの状態がオン状態でないと判定された場合には(S1009がNO)、ステップS1005の処理に戻る。
スタートスイッチ7Sの状態がオン状態であると判定された場合には(S1009がYES)、メインCPU101は、更新後の設定値(リセットスイッチ53が一度もオン状態になることなくスタートスイッチ7Sがオン状態になった場合にはステップS1004で取得した設定値)をメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に格納する設定値格納処理を行い(S1010)、ステップS1011の処理に進む。
メインCPU101は、図24の電源投入時処理の設定変更時の初期化処理(S23)と同じ処理内容の設定変更時の初期化処理を行い(S1011)、ステップS1012の処理に進む。
メインCPU101は、1割込みWaitを行い(S1012)、ステップS1013の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定する(S1013)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態でないと判定された場合には(S1013がNO)、ステップS1012の処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S1013がYES)、メインCPU101は、初期化コマンド(変更・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(変更・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(変更・終了)生成格納処理を行う(S1014)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(変更・終了)のデータを図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(変更・終了)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
また、ステップS1013がYESであると判定された場合、メインCPU101は、ベットボタンに対応する発光手段の発光制御として、上記した遊技可能な状態での発光手段の発光制御を用い、当該発光制御によりベットボタンと対応して配置された発光手段を発光させる。
ステップS1015の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の払出数格納領域(不図示)から払出数を取得する払出数取得処理と、取得した払出数を払出数ランプに表示するための払出数表示処理を行う(S1015)。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、払出数を基に払出数ランプの各位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより、払出数ランプでの表示用の設定値の表示が終了し、払出数ランプに払出数が表示されることになる。ステップS1015の処理の後、図61の設定変更処理を終了して呼び出し元に戻る。
[11-8-3-2.設定確認処理]
変形例1の設定確認に関する処理(設定確認処理)について図62を参照して説明する。図62の設定確認処理は、1遊技終了後からスタートレバー7の押下条件成立前(ベットがない、前遊技でリプレイ入賞していないなど)までの間で呼び出されるものである。変形例1の遊技機では、メダル受付・スタートチェック処理(図25)のメダル投入チェック処理(S46)は、サブルーチンとしての図62の設定確認処理を呼び出し、これにより図62の設定確認処理が実行されるようになっている。
主制御基板71において、主制御回路100のメインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したか否か、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化したか否かを判定する(S1051)。なお、上述したように、図32の定期割込処理の入力ポートチェック処理(S202)では、設定用鍵型スイッチ52に対応する入力ポートの入力状態に変化があった場合にはメインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)に入力状態の変化の内容を格納し、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に入力状態をそのまま格納するので、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)に設定用鍵型スイッチ52に対応してオフ状態からオン状態への変化が格納されている場合に、ステップS1051の判定ステップでは設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したと判定される。なお、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化することが「設定用鍵型スイッチ52(設定キースイッチ)の状態が他の表示手段(払出数ランプ)に設定値の表示を許容する状態に変化すること」に相当する。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化していない、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化していないと判定された場合には(S1051がNO)、図62の設定確認処理を終了して呼び出し元に戻る。一方、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化した、つまり、電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態に変化したと判定された場合には(S1051がYES)、ステップS1052の処理に進む。
変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れかであるか否かを判定する(S1052)。(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れでもないと判定された場合には(S1052がNO)、図62の設定確認処理を終了して呼び出し元に戻る。一方、(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れかであると判定された場合には(S1052がYES)、ステップS1053の処理に進む。なお、「ステップS1052がYES」となるのは、上ドア機構UDと下ドア機構DDとが取り得る開閉状態の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3))のうちの上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態である組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ3))以外の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ2))の場合である。
なお、変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。このため、ステップS1052の判定処理に関する部分を、メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)の格納内容を参照して、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)であるか否かを判定し、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であると判定された場合に図62の設定確認処理を終了して呼び出し元に戻り、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)であると判定された場合にステップS1053の処理に進む処理に置き換えることが可能である。
メインCPU101は、初期化コマンド(確認・開始)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・開始)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(確認・開始)生成格納処理を行う(S1053)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(確認・開始)のデータを図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(確認・開始)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
また、ステップS1052がYESであると判定された場合、メインCPU101は、ベットボタンに対応する発光手段の発光制御として、上記した遊技可能な状態での発光手段の発光制御と異なる発光制御を用い、当該異なる発光制御によりベットボタンと対応して配置された発光手段を発光させる。例えば、遊技可能な状態での発光制御で発光しない色(例えば、赤色)で発光させる。
ステップS1053の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から設定値を取得する設定値取得処理と、取得した設定値を払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示する表示用の設定値に変換して表示用の設定値を表示するための設定値表示処理を行い(S1054)、ステップS1055の処理に進む。メインRAM103の設定値格納領域(不図示)から取得した設定値を表示用の設定値に変換する処理では、取得した設定値が「0」の場合には表示用の設定値を「1」に、取得した設定値が「1」の場合には表示用の設定値を「2」に、・・・、取得した設定値が「5」の場合には表示用の設定値を「6」に変換する。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、表示用の設定値を基に払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイに表示用の設定値が表示される。なお、払出数ランプの最下位に対応する7セグメントディスプレイ以外の7セグメントディスプレイは消灯した状態である。
メインCPU101は、1割込みWaitを行い(S1055)、ステップS1056の処理に進む。
メインCPU101は、メインRAM103の入力ポート格納領域0、又は、1(不図示)の格納内容を参照して、設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であるか否かを判定する(S1056)。設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態でないと判定された場合には(S1056がNO)、ステップS1055の処理に戻る。
設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態であると判定された場合には(S1056がYES)、メインCPU101は、初期化コマンド(確認・終了)のデータを生成し、生成した初期化コマンド(確認・終了)のデータをメインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納する初期化コマンド(確認・終了)生成格納処理を行う(S1057)。メインCPU101は、図32の定期割込処理の通信データ送信処理(S204)において、メインRAM103の通信データ格納領域(不図示)に格納された初期化コマンド(確認・終了)のデータを図60(a)の主制御回路100内に内蔵されている通信回路(不図示)に格納し、当該通信回路(不図示)は初期化コマンド(確認・終了)のデータを送信周期に基づいて副制御回路200へ送信する。
また、ステップS1056がYESであると判定された場合、メインCPU101は、ベットボタンに対応する発光手段の発光制御として、上記した遊技可能な状態での発光手段の発光制御を用い、当該発光制御によりベットボタンと対応して配置された発光手段を発光させる。
ステップS1057の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の払出数格納領域(不図示)から払出数を取得する払出数取得処理と、取得した払出数を払出数ランプに表示する払出数を表示するための払出数表示処理を行う(S1058)。図32の定期割込処理の7セグLED駆動処理(S205)において、メインCPU101は、払出数を基に払出数ランプの各位に対応する7セグメントディスプレイの各セグメントの出力ポートに点灯用の値又は消灯用の値を設定し、これにより、払出数ランプでの表示用の設定値の表示が終了し、払出数ランプに払出数が表示されることになる。ステップS1058の処理の後、図62の設定確認処理を終了して呼び出し元に戻る。
なお、変形例1の遊技機では、図32の定期割込処理の入力チェックポート処理(S202)で各種センサや各種スイッチそれぞれに対応する入力ポートの状態をチェックしてチェック結果を入力ポート格納領域0,1(不図示)に格納し、図61~図62などでは入力ポート格納領域0,1(不図示)の格納内容を参照して各種センサや各種スイッチの状態を確認する仕組みとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、図61~図62などで各種センサや各種スイッチそれぞれに対応する入力ポートの状態を直接参照して各種センサや各種スイッチの状態を確認する仕組みとしてもよい。この場合は、図61~図62の1割込みWaitを行わなくてもよくなる。
[11-8-4.メンテナンスに関する処理]
以下、副制御回路200により実行されるメンテナンスに関する処理について説明する。変形例1の遊技機は、設定変更中に実施するメンテナンスに関する処理(設定変更中メンテナンス処理)と設定確認中に実施するメンテナンス処理(設定確認中メンテナンス処理)とを異なるプログラムで実行するものである。メンテナンスに関する処理は、遊技店側の係員が1又は複数の項目の内容の確認や1又は複数の項目の内容の設定などを行うことを可能にする処理である。なお、変形例1の遊技機での「メンテナンスメニュー」は[8-2.遊技店側]のホールメニューに対応する。
[11-8-4-1.設定変更中メンテナンス処理]
副制御回路200により実行される設定変更中メンテナンス処理(所定のメンテナンス処理)について図63を参照して説明する。図33のサブ側制御処理(概要)は、サブルーチンとしての図63の設定変更中メンテナンス処理を呼び出し、これにより図63の設定変更中メンテナンス処理が実行されるようになっている。
サブCPU201は、初期化コマンド(変更・開始)を受信したか否かを判定する(S1101)。初期化コマンド(変更・開始)を受信していないと判定された場合には(S1101がNO)、図63の設定変更中メンテナンス処理を終了して呼出し元に戻る。一方、初期化コマンド(変更・開始)を受信したと判定された場合には(S1101がYES)、ステップS1102の処理に進む。ここで、初期化コマンド(変更・開始)を受信するのは、(a)電源が投入された時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であり、且つ、(b)上ドア機構UDと下ドア機構DDとが取り得る開閉状態の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3))のうちの上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態である組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ3))以外の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ2))であるときである。
サブCPU201は、設定変更中であることを報知するための設定変更中画面(図65に具体例を示す文字「設定変更中」210aが表示されている設定変更中画面)をメイン表示装置210に表示し(S1102)、ステップS1103の処理に進む。
サブCPU201は、初期化コマンド(変更・終了)を受信したか否かを判定する(S1103)。初期化コマンド(変更・終了)を受信していないと判定された場合には(S1103がNO)、ステップS1105の処理に進む。一方、初期化コマンド(変更・終了)を受信したと判定された場合には(S1103がYES)、サブCPU201は、設定変更中画面の表示を終了して、最初のステップS1102で設定変更中画面が表示される前の通常画面をメイン表示装置210に表示したりする設定変更中画面表示終了処理を行い(S1104)、図63の設定変更中メンテナンス処理を終了して呼出し元に戻る。
変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドに含まれる、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態(オン状態、オフ状態)をセットするビット(以下、適宜、「下ドア開閉監視スイッチ状態セット用ビット」と記載する。)のセット内容、及び、上ア開閉監視スイッチ56uの状態(オン状態、オフ状態)をセットするビット(以下、適宜、「上ドア開閉監視スイッチ状態セット用ビット」と記載する。)のセット内容を参照して、上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であるか否かを判定する(S1105)。上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であると判定されなかった場合には(S1105がNO)、ステップS1103の処理に戻る。一方、上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であると判定された場合には(S1105がYES)、ステップS1106の処理に進む。
なお、変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。このため、ステップS1105の判定処理に関する部分を、サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドに含まれる下ドア開閉監視スイッチ状態セット用ビットのセット内容を参照して、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であるか否かを判定し、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であると判定されなかった場合にはステップS1103の処理に戻り、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオフ状態(下ドア閉)であると判定された場合には、ステップS1106の処理に進む処理に置き換えることが可能である。
ステップS1106において、サブCPU201は、変形例1の遊技機で実施可能なメンテナンスのうちの設定変更中に実施するように設定されているメンテナンス(所定のメンテナンス:以下、適宜、「設定変更中メンテナンス」と記載する。)に対応するメンテナンスメニュー画面(所定のメンテナンスメニュー画面:図66(a)に具体例を示すメンテナンスメニュー画面:以下、適宜、「設定変更中メンテナンスメニュー画面」と記載する。)をメイン表示装置210に表示し(S1106)、ステップS1107の処理に進む。設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a))の表示は、初期化コマンド(変更・開始)を受信した後に、下ドア機構DDの状態が開放状態(開状態)から閉鎖状態(閉状態)になったときに開始される。
サブCPU201は、設定変更中メンテナンスメニュー画面(変形例1の遊技機では、図66(a)~(d))のうちのメイン表示装置210に表示されている設定変更中メンテナンスメニュー画面に対して係員が選択用ボタン40l,40r及び演出用ボタン10aの何れかを用いて操作を行ったか否かを判定する(S1107)。選択用ボタン40l,40r及び演出用ボタン10aの何れかを用いた操作が行われていないと判定された場合には(S1107がNO)、ステップS1110の処理に進む。一方、選択用ボタン40l,40r及び演出用ボタン10aの何れかを用いた操作が行われたと判定された場合には(S1107がYES)、サブCPU201は、係員による操作内容を特定する操作特定処理を行い(S1108)、特定した係員による操作内容に対応するメンテナンス(設定変更中)処理を行い(S1109)、ステップS1110の処理に進む。なお、ステップS1106~S1109の処理の詳細については図66を用いて後述する。
変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドに含まれる下ドア開閉監視スイッチ状態セット用ビットのセット内容、及び、上ドア開閉監視スイッチ状態セット用ビットのセット内容を参照して、(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れかであるか否かを判定する(S1110)。(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れでもないと判定された場合には(S1110がNO)、ステップS1111の処理に進む。一方、(1)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)、及び、(2)上ドア開閉監視スイッチ56uの状態がオン状態(上ドア開)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)の何れかであると判定された場合には(S1110がYES)、ステップS1102の処理に進む。なお、「ステップS1110がYES」となるのは、上ドア機構UDと下ドア機構DDとが取り得る開閉状態の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3))のうちの上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態である組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ3))以外の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ2))の場合である。
設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a)~(d))がメイン表示装置210に表示されているときに、下ドア機構DDが閉鎖状態(閉状態)から解放状態(開状態)になると、メイン表示装置210の表示内容は設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a)~(d))から設定変更中画面(図65)に切り替わる。
なお、変形例1の遊技機での上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせは上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りである。このため、ステップS1110の判定処理に関する部分を、サブCPU201は、主制御回路100から受信した無操作コマンドに含まれる下ドア開閉監視スイッチ状態セット用ビットのセット内容を参照して、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)であるか否かを判定し、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)でないと判定された場合にはステップS1111の処理に進み、下ドア開閉監視スイッチ56dの状態がオン状態(下ドア開)であると判定された場合にはステップS1102の処理に戻る処理に置き換えることが可能である。
サブCPU201は、初期化コマンド(変更・終了)を受信したか否かを判定する(S1111)。初期化コマンド(変更・終了)を受信していないと判定された場合には(S1111がNO)、ステップS1107の処理に戻る。一方、初期化コマンド(変更・終了)を受信したと判定された場合には(S1111がYES)、サブCPU201は、設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a)~(d))のうちのメイン表示装置210に表示中の設定変更中メンテナンスメニュー画面の表示を終了して、最初のステップS1102で設定変更中画面(図65)が表示される前の通常画面をメイン表示装置210に表示したりする設定変更中メンテナンス終了処理を行い(S1112)、図63の設定変更中メンテナンス処理を終了して呼出し元に戻る。
[11-8-4-2.設定確認中メンテナンス処理]
副制御回路200により実行される設定確認中メンテナンス処理(特定のメンテナンス処理)について図64を参照して説明する。図33のサブ側制御処理(概要)は、サブルーチンとしての図64の設定確認中メンテナンス処理を呼び出し、これにより図64の設定確認中メンテナンス処理が実行されるようになっている。
サブCPU201は、初期化コマンド(確認・開始)を受信したか否かを判定する(S1151)。初期化コマンド(確認・開始)を受信していないと判定された場合には(S1151がNO)、図64の設定確認中メンテナンス処理を終了して呼出し元に戻る。一方、初期化コマンド(確認・開始)を受信したと判定された場合には(S1151がYES)、ステップS1152の処理に進む。ここで、初期化コマンド(確認・開始)を受信するのは、(a)電源が投入された後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化し、且つ、(b)上ドア機構UDと下ドア機構DDとが取り得る開閉状態の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3))のうちの上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態である組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ3))以外の組み合わせ(上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ2))であるときである。
サブCPU201は、変形例1の遊技機で実施可能なメンテナンスのうちの設定確認中に実施するように設定されているメンテナンス(特定のメンテナンス:以下、適宜、「設定確認中メンテナンス」と記載する。)に対応するメンテナンスメニュー画面(特定のメンテナンスメニュー画面:図67(a)に具体例を示すメンテナンスメニュー画面:以下、適宜、「設定確認中メンテナンスメニュー画面」と記載する。)をメイン表示装置210に表示し(S1152)、ステップS1153の処理に進む。ここで、ステップS1152の処理による設定確認中メンテナンスメニュー画面(図67(a))の表示は、初期化コマンド(確認・開始)を受信すれば下ドア機構DDの開閉状態の変化を条件とすることなく開始される。
サブCPU201は、設定確認中メンテナンスメニュー画面(図67~図71の各(a))及び設定確認中に実施可能なメンテナンスの実施又は確認を行う画面(図67の各(b)~(c)、図68の各(b)~(d)、図69~図71の各(b)に具体例を示す画面:以下、適宜、「設定確認中メンテナンス画面」と記載する。)のうちのメイン表示装置210に表示されている画面に対して係員が選択用ボタン40l,40r及び演出用ボタン10aの何れかを用いて操作を行ったか否かを判定する(S1153)。選択用ボタン40l,40r及び演出用ボタン10aの何れかを用いた操作が行われていないと判定された場合には(S1153がNO)、ステップS1156の処理に進む。一方、選択用ボタン40l,40r及び演出用ボタン10aの何れかを用いた操作が行われたと判定された場合には(S1153がYES)、サブCPU201は、係員による操作内容を特定する操作特定処理を行い(S1154)、特定した係員による操作内容に対応するメンテナンス(設定確認中)処理を行い(S1155)、ステップS1156の処理に進む。なお、ステップS1152~S1155の処理の詳細については図67から図71を用いて後述する。
サブCPU201は、初期化コマンド(確認・終了)を受信したか否かを判定する(S1156)。初期化コマンド(確認・終了)を受信していないと判定された場合には(S1156がNO)、ステップS1153の処理に戻る。一方、初期化コマンド(確認・終了)を受信したと判定された場合には(S1156がYES)、サブCPU201は、設定確認中メンテナンスメニュー画面(図67~図71の各(a))及び設定確認中メンテナンス画面(図67の各(b)~(c)、図68の各(b)~(d)、図69~図71の各(b))のうちのメイン表示装置210に表示されている画面の表示を終了して、ステップS1152で設定確認中メンテナンスメニュー画面(図67(a))が表示される前の通常画面をメイン表示装置210に表示したりする設定確認中メンテナンス終了処理を行い(S1157)、図64の設定確認中メンテナンス処理を終了して呼出し元に戻る。
[11-8-4-3.設定変更中メンテナンス処理の具体例]
以下、図63の設定変更中メンテナンス処理の具体例について図66を参照して説明する。ここで説明する主な内容は、図63の設定変更中メンテナンス処理におけるステップS1106~S1109での係員の操作内容と当該操作内容に対応するサブCPU201による処理内容である。なお、メイン表示装置210に図65から図66に示す各画面を表示するための画像データがロムカートリッジ基板202に記憶されており、サブCPU201はロムカートリッジ基板202に記憶されている画像データを用いてメイン表示装置210への画面表示を行う。なお、以下では、適宜、選択用ボタン40lを「左選択用ボタン40l」と記載し、選択用ボタン40rを「右選択用ボタン40r」と記載する。
図63の設定変更中メンテナンス処理では、サブCPU201は、初期化コマンド(変更・開始)を受信すると(S1101、S1101がYES)、図65に示す文字「設定変更中」210aが表示されている設定変更中画面をメイン表示装置210に表示する(S1102)。また、「設定変更中」210aの背景画像は、エラーが発生した場合と同じ背景画像が使用される。なお、エラーが発生した場合と同じ背景画像を使用する必要はなく、別途「設定変更中」210a専用の背景画像を使用するようにしてもよい。
メイン表示装置210に図65の設定変更中画面が表示されている状態で、上ドア機構UDの状態が閉状態で下ドア機構DDの状態が閉状態になれば(S1105、S1105がYES)、サブCPU201は、メイン表示装置210の表示内容を、図65に示す設定変更中画面から、図66(a)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面に切り替える(S1106)。
図66(a)及び後述する図66(b)~(d)に示す各設定変更中メンテナンスメニュー画面には、設定変更中メンテナンスメニュー画面であることを報知するための文字「設定変更中メンテナンスメニュー」210bが表示されているとともに、設定変更中メンテナンスに関する選択可能な項目として「スピーカ確認ON」210b1(第1の所定のメンテナンス)、「スピーカ確認OFF」210b2、「演出用ボタン確認」210b3(第2の所定のメンテナンス)、「可動役物確認」210b4が含まれている。
図65の設定変更中画面から切り換わる図66(a)の設定変更中メンテナンスメニュー画面では、「スピーカ確認ON」210b1が選択中であり、強調表示(拡大表示)されている。なお、強調表示は拡大表示に限定されるものではなく、例えば反転表示であってもよい。
「スピーカ確認ON」210b1が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1107~S1108)、メンテナンス(設定変更中)処理(S1109)として、スピーカ35a~35dから正常に音声が出力されるか否かを確認するためのスピーカ出力確認処理を行う。スピーカ出力確認処理では、例えば、(1)スピーカ35aから所定時間(例えば1秒間)音を出力してその後音の出力が停止し、(2)スピーカ35bから所定時間(例えば1秒間)音を出力してその後音の出力を停止し、(3)スピーカ35cから所定時間(例えば1秒間)音を出力してその後音の出力を停止し、(4)スピーカ35dから所定時間(例えば1秒間)音を出力してその後音の出力を停止し、(5)スピーカ35cおよびスピーカ35dの両方から所定時間(例えば20秒間)の音楽を繰り返し出力する、(1)~(5)の処理を順次行う。スピーカ出力確認処理でスピーカ35a~35dからの音声出力中に、左選択用ボタン40lや右選択用ボタン40rが係員に操作されて選択中の項目が移動してもスピーカ35a~35dからの音声出力は継続される。
「スピーカ確認ON」210b1が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1107~S1108)、メンテナンス(設定変更中)処理(S1109)として、「スピーカ確認OFF」210b2を選択中とし、カーソル(選択対象)を「スピーカ確認OFF」210b2に移動して拡大表示した図66(b)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。また、「スピーカ確認ON」210b1が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a))で係員が左選択用ボタン40lを操作すると、サブCPU201の処理により、「可動役物確認」210b4が選択中とされ、後述する図66(d)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
「スピーカ確認OFF」210b2が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(b))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1107~S1108)、メンテナンス(設定変更中)処理(S1109)として、上記したスピーカ出力確認処理を終了する処理を行う。これにより、スピーカ35a~35dの出力確認のための音声出力が終了する。なお、(1)~(5)のいずれの処理中であっても演出用ボタン10aが操作されたタイミングでスピーカ出力確認処理が終了する。
「スピーカ確認OFF」210b2が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(b))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1107~S1108)、メンテナンス(設定変更中)処理(S1109)として、「演出用ボタン確認」210b3を選択中にし、カーソルを「演出用ボタン確認」210b3に移動して拡大表示した図66(c)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。なお、「スピーカ確認OFF」210b2が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(b))で係員が左選択用ボタン40lを操作した場合には、サブCPU201の処理により、「スピーカ確認ON」210b1が選択中とされ、図66(a)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
「演出用ボタン確認」210b3が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(c))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1107~S1108)、メンテナンス(設定変更中)処理(S1109)として、演出用ボタン10aのバイブレーション機能が正常に動作するか否かを確認するために、演出用ボタン10aを所定時間(例えば3秒間)振動させるボタンバイブレーション作動処理を行う。バイブレーション機能とは、演出用ボタン10aを小刻みに振動させる機能であり、例えば、ボーナス当選の示唆演出中に演出用ボタン10aを振動させて遊技者にボーナスに当選している可能性が高いことをボーナス確定報知前に報知する機能である。なお、ボタンバイブレーション作動処理はスピーカ出力確認処理中であっても実行可能になっている。例えば、スピーカ35a~35dからの音声出力中に「演出用ボタン確認」210b3が選択中の状態で演出用ボタン10aが操作された場合に、スピーカ35a~35dからの音声出力を継続したまま、演出用ボタン10aを振動させるようにする。
「演出用ボタン確認」210b3が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(c))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1107~S1108)、メンテナンス(設定変更中)処理(S1109)として、「可動役物確認」210b4を選択中にし、カーソルを「可動役物確認」210b4に移動して拡大表示した図66(d)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。なお、「演出用ボタン確認」210b3が選択中になっている設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(c))で係員が左選択用ボタン40lを操作した場合には、サブCPU201の処理により、「スピーカ確認OFF」210b2が選択中とされ、図66(b)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
「可動役物確認」210b4が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(d))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1107~S1108)、メンテナンス(設定変更中)処理(S1109)として、可動役物41が正常に動作するか否かを確認するための可動役物テスト作動処理を行う。可動役物41は電源投入時に所定のシーケンスに基づく動作を行うようになっており、可動役物テスト作動処理では、例えば、当該所定のシーケンスに基づいて可動役物41を動作させる。可動役物41は、遊技演出に用いられる役物で、例えば、ボーナス当選の示唆演出中の所定のタイミングで可動役物を作動させることで、遊技者にボーナスに当選している可能性が高いことをボーナス確定報知前に報知するものである。なお、可動役物テスト作動処理はスピーカ出力確認処理中であっても実行可能になっている。例えば、スピーカ35a~35dからの音声出力中に「可動役物確認」210b4が選択中の状態で演出用ボタン10aが操作された場合に、スピーカ35a~35dからの音声出力を継続したまま、可動役物41を動作させるようにする。
「可動役物確認」210b4が選択中の設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(d))で係員が左選択用ボタン40lを操作した場合、サブCPU201の処理により、「演出用ボタン確認」210b3が選択中とされ、図66(c)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示され、係員が右選択用ボタン40rを操作した場合、サブCPU201の処理により、「スピーカ確認ON」210b1が選択中とされ、図66(a)に示す設定変更中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
なお、サブCPU201は、設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a)~(d))が表示されている状態で、上ドア機構UDと下ドア機構DDの取り得る開閉状態の組み合わせ((ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3))のうちのドア開閉組み合わせ2(上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが開状態)又はドア開閉組み合わせ1(上ドア機構UDが開状態で下ドア機構DDが開状態)になった場合には、メイン表示装置210の表示内容は、設定変更中メンテナンスメニュー画面(図66(a)~(d))から設定変更中画面(図65)に切り替わる(S1110、S1102)。したがって、設定変更中では、ドア開閉組み合わせ3(上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態)でなければ、設定変更中メンテナンスメニュー画面は表示されず、設定変更中メンテナンスメニュー画面を用いた設定変更中メンテナンスは行えないようになっている。
[11-8-4-4.設定確認中メンテナンス処理の具体例]
以下、図64の設定確認中メンテナンス処理の具体例について図67~図71を参照して説明する。ここで説明する主な内容は、図64の設定確認中メンテナンス処理におけるステップS1152~S1155での係員の操作内容と当該操作内容に対応するサブCPU201による処理内容である。なお、メイン表示装置210に図67から図71に示す各画面を表示するための画像データがロムカートリッジ基板202に記憶されており、サブCPU201はロムカートリッジ基板202に記憶されている画像データを用いてメイン表示装置210への画面表示を行う。
図64の設定確認中メンテナンス処理では、サブCPU201は、初期化コマンド(確認・開始)を受信すると(S1501、S1501がYES)、サブCPU201は、図67(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する(S1152)。
図67(a)及び後述する図67から図71の各(a)に示す各設定確認中メンテナンスメニュー画面には、設定確認中メンテナンスメニュー画面であることを報知するための文字「設定確認中メンテナンスメニュー」210cが表示されているとともに、設定確認中メンテナンスに関する選択可能な項目として「最大・標準音量設定」210c1、「時刻設定」210c2、「エコモード設定」210c3、「エラー履歴」210c4、「設定変更履歴」210c5が含まれている。
初期化コマンド(確認・開始)の受信により表示される図67(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面では、「最大・標準音量設定」210c1が選択中であり、「最大・標準音量設定」210c1が選択中であることを報知するために「最大・標準音量設定」210c1が強調表示(拡大表示)されている。なお、強調表示は拡大表示に限定されるものではなく、例えば反転表示であってもよい。
「最大・標準音量設定」210c1が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図67(a))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、図67(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面から図67(b)に示す最大・標準音量設定画面(設定確認中メンテナンス画面の一つ)に切り替える。
図67(b)及び後述する図67(c)に示す各最大・標準音量設定画面には、スピーカ35a,35b,35c,35dの最大音量及び標準音量の設定用の画面であることを報知するための文字「最大・標準音量設定」210c1aが表示されているとともに、最大音量を設定するための「最大音量設定」210c1b(第1の特定のメンテナンス)の領域及び標準音量を設定するための「標準音量設定」210c1c(第2の特定のメンテナンス)の領域が含まれている。「最大音量設定」210c1bの領域は、係員が後述する図72(b)の音量設定画面でユーザー(遊技者)が設定できる最大音量を音量レベル1から音量レベル6の中から設定するための領域であり、音量レベルの値が大きい程音量が大きい。「最大音量設定」210c1bの領域では、四角内の値(「1」~「6」)が音量レベルの値であり、設定される最大音量の音量レベルは、その下の四角内の斜線なし又は斜線あり表示により、具体的には、設定される音量レベル以下の音量レベルに対応する四角内が斜線あり、設定される音量レベルを超える音量レベルに対応する四角内が斜線なしになるようにして表示される。例えば、設定される音量レベルが音量レベル3の場合、図67(b)に示すように、音量レベル1から音量レベル3それぞれに対応する四角内が斜線あり、音量レベル4から音量レベル6それぞれに対応する四角内が斜線なしになるように表示される。また、「標準音量設定」210c1cの領域は、一定時間遊技されなかった場合や設定変更時に設定される音量(以下、「標準音量」と記載する。)を音量レベル1から音量レベル6の中から設定するための領域であり、音量レベルの値が大きい程音量が大きい。「標準音量設定」210c1cの領域では、四角内の値(「1」~「6」)が音量レベルの値であり、設定される標準音量の音量レベルは、その下の四角内の斜線なし又は斜線あり表示により、具体的には、設定される音量レベル以下の音量レベルに対応する四角内が斜線あり、設定される音量レベルを超える音量レベルに対応する四角内が斜線なしになるようにして表示される。例えば、設定される音量レベルが音量レベル2の場合、図67(c)に示すように、音量レベル1から音量レベル2それぞれに対応する四角内が斜線あり、音量レベル3から音量レベル6それぞれに対応する四角内が斜線なしになるように表示される。なお、最大音量及び標準音量夫々の音量レベルは音量レベル1から音量レベル6以外であってもよい。
図67(a)の設定確認中メンテナンスメニュー画面から切り換わる図67(b)の最大・標準音量設定画面では、「最大音量設定」210c1bの領域が選択中であり、強調表示(拡大かつ太枠表示)されている。なお、強調表示は拡大かつ太枠表示に限定されるものではなく、例えば拡大表示であってもよい。また、「最大音量設定」210c1bに表示される最大音量の音量レベルは当該画面の切り替わり時にサブRAM203の最大音量記憶領域(不図示)に記憶されている音量レベル(図67(b)の例では音量レベル3)であり、「標準音量設定」210c1cに表示される標準音量の音量レベルは切り替わり時にサブRAM203の標準音量記憶領域(不図示)に記憶されている音量レベル(図67(b)の例では音量レベル2)である。
「最大音量設定」210c1bが選択中の最大・標準音量設定画面(図67(b))で係員が左選択用ボタン40lを操作する。この場合、サブCPU201は、左選択用ボタン40lの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、最大音量の音量レベルを1段階下げて音量レベル2とし、「最大音量設定」210c1bの領域における音量レベルの表示が音量レベル2である最大・標準音量設定画面をメイン表示装置210に表示する。また、「最大音量設定」210c1bが選択中の最大・標準音量設定画面(図67(b))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、最大音量の音量レベルを1段階上げて音量レベル4とし、「最大音量設定」210c1bの領域における音量レベルの表示が音量レベル4である最大・標準音量設定画面をメイン表示装置210に表示する。
「最大音量設定」210c1bが選択中の最大・標準音量設定画面(図67(b))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、サブRAM203の最大音量記憶領域(不図示)に格納されている最大音量の音量レベルを、左選択用ボタン40lや右選択用ボタン40rを用いて選択された最大音量の音量レベル(左選択用ボタン40lや右選択用ボタン40rに対する係員の操作が行われることなく演出用ボタン10aが操作された場合は設定確認中メンテナンスメニュー画面から最大・標準音量設定画面に切り替わる前のサブRAM203の最大音量記憶領域(不図示)に格納されている最大音量の音量レベル)に更新する。また、サブCPU201は、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「標準音量設定」210c1cを選択中とし、「標準音量設定」210c1cを拡大かつ太枠表示した図67(c)に示す最大・標準音量設定画面をメイン表示装置210に表示する。なお、係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う前に、初期化コマンド(確認・終了)を受信したかの確認を行うようにして、係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う前に、初期化コマンド(確認・終了)を受信した場合は、最大音量の音量レベルを更新せずにメンテナンス(設定変更中)処理を終了するようにしてもよい。
「標準音量設定」210c1cが選択中の最大・標準音量設定画面(図67(c))で係員が左選択用ボタン40lを操作する。この場合、サブCPU201は、左選択用ボタン40lの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、標準音量の音量レベルを1段階下げて音量レベル1とし、「標準音量設定」210c1cの領域における音量レベルの表示が音量レベル1である最大・標準音量設定画面をメイン表示装置210に表示する。また、「標準音量設定」210c1cが選択中の最大・標準音量設定画面(図67(c))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、標準音量の音量レベルを1段階上げて音量レベル3とし、「標準音量設定」210c1cの領域における音量レベルの表示が音量レベル3である最大・標準音量設定画面をメイン表示装置210に表示する。
「標準音量設定」210c1cが選択中の最大・標準音量設定画面(図67(c))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、サブRAM203の標準音量記憶領域(不図示)に格納されている標準音量の音量レベルを、左選択用ボタン40lや右選択用ボタン40rを用いて選択された標準音量の音量レベル(左選択用ボタン40lや右選択用ボタン40rに対する係員の操作が行われることなく演出用ボタン10aが操作された場合は設定確認中メンテナンスメニュー画面から最大・標準音量設定画面に切り替わる前のサブRAM203の標準音量記憶領域(不図示)に格納されている標準音量の音量レベル)に更新する。また、サブCPU201は、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、図67(c)に示す最大・標準音量設定画面から図67(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面に切り替える。
「最大・標準音量設定」210c1が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図67(a))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「時刻設定」210c2を選択中とし、カーソルを「時刻設定」210c2に移動して拡大表示した図68(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。また、「最大・標準音量設定」210c1が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図67(a))で係員が左選択用ボタン40lを操作すると、サブCPU201の処理により、「設定変更履歴」210c5が選択中とされ、後述する図71(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
「時刻設定」210c2が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図68(a))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、図68(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面から図68(b)に示す時刻設定画面(設定確認中メンテナンス画面の一つ)に切り替える。
図68(b)及び後述する図68(c)~(d)に示す各時刻設定画面には、時刻設定用の画面であることを報知するための文字「時刻設定」210c2aが表示されているとともに、変形例1の遊技機が有する時計の時刻を設定するための「時刻設定」210c2bの領域、時計の時刻の設定の際に操作される「決定」210c2c、時計の時刻の設定のキャンセルの際に操作される「キャンセル」210c2dが含まれている。「時刻設定」210c2bの領域では、時計の設定時刻として、「年(西暦の下2桁)」、「月」、「日」、「時」、「分」を設定可能になっている。
図68(a)の設定確認中メンテナンスメニュー画面から切り換わる図68(b)の時刻設定画面では、「時刻設定」210c2bの領域の時刻は当該画面の切り替わり時の時計の時刻であり、年(西暦の下2桁)が選択中となっており、四角で囲まれている。また、この画面が切り替わった直後は左・右選択用ボタン40l,40rを用いて「時刻設定」210c2bの領域の「年(西暦の下2桁)」などや「決定」210c2c、「キャンセル」210c2dなどの項目を選択する状態になっている。
「年(西暦の下2桁)」が選択中で項目を選択する状態にある図68(b)の時刻設定画面で、係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、選択中の「年(西暦の下2桁)」の値を設定する状態にする。「年(西暦の下2桁)」を設定する状態にある図68(b)の時刻設定画面で、係員が左選択用ボタン40l又は右選択用ボタン40rを操作し、サブCPU201は、左選択用ボタン40l又は右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、左選択用ボタン40lであれば「年(西暦の下2桁)」の値を1小さくし、右選択用ボタン40rであれば「年(西暦の下2桁)」の値を1大きくする。「年(西暦の下2桁)」を設定する状態にある図68(b)の時刻設定画面で、係員が演出用ボタン10aを操作し、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、項目を選択する状態に戻し、このときの選択中の項目は「年(西暦の下2桁)」である。
「年(西暦の下2桁)」が選択中で項目を選択する状態にある図68(b)の時刻設定画面で、係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「時刻設定」210c2bの領域の「月」を選択中とし、カーソルを「月」に移動して四角の枠で囲んだ図68(c)に示す時刻設定画面をメイン表示装置210に表示する。また、「年(西暦の下2桁)」が選択中で項目を選択する状態にある図68(b)の時刻設定画面で、係員が左選択用ボタン40lを操作する。この場合、サブCPU201は、左選択用ボタン40lの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「キャンセル」210c2dを選択中とし、カーソルを「キャンセル」210c2dに移動して強調表示(拡大表示)した時刻設定画面をメイン表示装置210に表示する。なお、強調表示は拡大表示に限定されるものではなく、例えば反転表示であってもよい。
「月」が選択中の図68(c)の時刻設定画面、「日」が選択中の図68(c)の時刻設定画面、「時」が選択中の時刻設定画面、「分」が選択中の時刻設定画面での演出用ボタン10a、左・右選択用演出ボタン0l,40rの操作に対するサブCPU201の処理内容は、「年(西暦の下2桁)」で説明した演出用ボタン10a、左・右選択用演出ボタン0l,40rの操作に対するサブCPU201の処理内容に対応している。なお、「月」が選択中で項目を選択する状態にある図68(c)の時刻設定画面で、左選択用ボタン40lが操作された場合には「年(西暦の下2桁)」が選択対象となり、右選択用ボタン40rが操作された場合には「日」が選択対象となる。また、「日」が選択中で項目を選択する状態にある時刻設定画面で、左選択用ボタン40lが操作された場合には「月」が選択対象となり、右選択用ボタン40rが操作された場合には「時」が選択対象となる。また、「時」が選択中で項目を選択する状態にある時刻設定画面で、左選択用ボタン40lが操作された場合には「日」が選択対象となり、右選択用ボタン40rが操作された場合には「分」が選択対象となる。また、「分」が選択中で項目を選択する状態にある時刻設定画面で、左選択用ボタン40lが操作された場合には「時」が選択対象となり、右選択用ボタン40rが操作された場合には「決定」210c2cが選択対象となり拡大表示される(図68(d)参照)。
「決定」210c2cが選択中の時刻設定画面(図68(d))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「時刻設定」210c2bの領域に設定されている時刻(年月日時分)を時計にセットし、メイン表示装置210の表示内容を、図68(d)に示す時刻設定画面から図68(a)に示す設定確認中メンテナンスメニューに切り替える。
「決定」210c2cが選択中の時刻設定画面(図68(d))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、「キャンセル」210c2dを選択中とし、カーソルを「キャンセル」210c2dに移動して拡大表示した時刻設定画面をメイン表示装置210に表示する。また、「決定」210c2cが選択中の時刻設定画面(図68(d))で係員により左選択用ボタン40lが操作されると、「時刻設定」210c2bの領域の「分」が選択対象となる。
「キャンセル」210c2dが選択中の時刻設定画面で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「時刻設定」210c2bの領域に設定されている時刻(年月日時分)を時計にセットすることなく、メイン表示装置210の表示内容を、時刻設定画面から図68(a)に示す設定確認中メンテナンスメニューに切り替える。
「キャンセル」210c2dが選択中の時刻設定画面(図68(d))で係員により左選択用ボタン40lが操作されると「決定」210c2cが選択対象となり(図68(d)参照)、係員により右選択用ボタン40rが操作されると「時刻設定」210c2bの領域の「年(西暦の下2桁)」が選択対象となる(図68(b)参照)。
「時刻設定」210c2が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図68(a))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「エコモード設定」210c3を選択中とし、カーソルを「エコモード設定」210c3に移動して拡大表示した図69(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。また、「時刻設定」210c2が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図68(a))で係員が左選択用ボタン40lを操作すると、サブCPU201の処理により、「最大・標準音量設定」210c1が選択中とされ、図67(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
「エコモード設定」210c3が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図69(a))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、設定確認中メンテナンスメニュー画面から図69(b)に示すエコモード設定画面(設定確認中メンテナンス画面の一つ)に切り替える。
図69(b)に示すエコモード設定画面には、エコモードの設定用の画面であることを報知するための文字「エコモード設定」210c3aや処理内容を問う文字(例えば、「エコモードをONにしますか?」210c3b)が表示されているとともに、エコモードを設定にするための「ON」210c3cと「OFF」210c3dとが含まれている。
エコモードは、変形例1の遊技機の消費電力を抑える機能であり、エコモードがONに設定されると、遊技中や待機中に所定の条件を満たすと、例えば、メイン表示装置210、リールランプ、下パネル照明などが消灯または減灯される。変形例1の遊技機はエコモード記憶領域(不図示)の記憶内容が「ON」である場合にエコモードとなり、「OFF」である場合にエコモードとならない(消費電力を抑えないモードとなる)。
図69(a)の設定確認中メンテナンスメニュー画面から切り換わる図69(b)のエコモード設定画面では、サブRAM203のエコモード記憶領域(不図示)の記憶内容が「OFF」である場合、「エコモードをONにしますか?」210c3bが表示され、「OFF」210c3dが選択中であり、強調表示(拡大表示)されている。なお、サブRAM203のエコモード記憶領域(不図示)の記憶内容が「ON」である場合、「エコモードをOFFにしますか?」が表示され、「ON」210c3cが選択中であり、強調表示(拡大表示)されたものとなる。なお、強調表示は拡大表示に限定されるものではなく、例えば反転表示であってもよい。
「OFF」210c3dが選択中のエコモード設定画面(図69(b))で係員が左・右選択ボタン40l,40rの何れかを操作する。この場合、サブCPU201は、左・右選択ボタン40l,40rの何れかの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「ON」210c3cを選択中とし、カーソルを「ON」210c3cに移動して拡大表示し、「エコモードをOFFにしますか?」を表示したエコモード設定画面をメイン表示装置210に表示する。
「ON」210c3cが選択中のエコモード設定画面で係員が左・右選択ボタン40l,40rの何れかを操作する。この場合、サブCPU201は、左・右選択ボタン40l,40rの何れかの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「OFF」210c3dを選択中とし、カーソルを「OFF」210c3dに移動して拡大表示し、「エコモードをONにしますか?」を表示したエコモード設定画面(図69(b))をメイン表示装置210に表示する。
「OFF」210c3dが選択中のエコモード設定画面(図69(b))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、サブRAM203のエコモード記憶領域(不図示)の記憶内容を「OFF」にし、メイン表示装置210の表示内容を、図69(b)に示すエコモード設定画面から図69(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面に切り替える。
「ON」210c3cが選択中のエコモード設定画面で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、サブRAM203のエコモード記憶領域(不図示)の記憶内容を「ON」にし、メイン表示装置210の表示内容を、エコモード設定画面から図69(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面に切り替える。
「エコモード設定」210c3が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図69(a))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「エラー履歴」210c4を選択中とし、カーソルを「エラー履歴」210c4に移動して拡大表示した図70(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。また、「エコモード設定」210c3が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図69(a))で係員が左選択用ボタン40lを操作すると、サブCPU201の処理により、「時刻設定」210c2が選択中とされ、図68(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
「エラー履歴」210c4が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図70(a))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、図70(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面から図70(b)に示すエラー履歴画面(設定確認中メンテナンス画面の一つ)に切り替える。
図70(b)に示すエラー履歴画面には、エラー履歴確認用の画面であることを報知するための文字「エラー履歴」210c4aが表示されているとともに、エラー履歴表示領域210c4bが含まれている。エラー履歴表示領域210c4bには、6回分のエラー情報(エラーコード、エラー名、エラー日時)が表示される。なお、6回分のエラー情報が表示されるとしたが、さらに多くのエラー情報が表示されるようにしてもよい。
図70(a)の設定確認中メンテナンスメニュー画面から切り換わる図70(b)のエラー履歴画面では、サブCPU201は、サブRAM203のエラー格納領域(不図示)に格納されている直近6回分のエラー情報をエラー履歴表示領域210c4bに記憶される。なお、サブCPU201はメインCPU101からのエラー情報を含むエラーコマンドを受信した場合に、当該エラーコマンドに含まれるエラー情報をサブRAM203のエラー格納領域(不図示)に格納する。なお、左選択用ボタン40lが操作された場合には表示中のエラー情報より前の6回分のエラー情報が、右選択用ボタン40rが操作された場合には表示中のエラー情報より後の6回分のエラー情報が、サブRAM203のエラー格納領域(不図示)から読み出されてエラー履歴表示領域210c4bに表示される。また、サブRAM203のエラー格納領域(不図示)には最大150回分のエラー情報が記憶可能になっており、記憶可能な最大回数は150以外であってもよい。
図70(b)のエラー履歴画面で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、図70(b)に示すエラー履歴画面から図70(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面に切り替える。
「エラー履歴」210c4が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図70(a))で係員が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、「設定変更履歴」210c5を選択中とし、カーソルを「設定変更履歴」210c5に移動して拡大表示した図71(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。また、「エラー履歴」210c4が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図70(a))で係員が左選択用ボタン40lを操作すると、サブCPU201の処理により、「エコモード」210c3が選択中とされ、図69(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
「設定変更履歴」210c5が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図71(a))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、図71(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面から図71(b)に示す設定変更履歴画面(設定確認中メンテナンス画面の一つ)に切り替える。
図71(b)に示す設定変更履歴画面には、設定変更履歴の確認用の画面であることを報知するための文字「設定変更履歴」210c5aが表示されているとともに、設定変更履歴表示領域210c5bが含まれている。設定変更履歴表示領域210c5bには、6回分の設定変更情報(変更後設定値、変更日時)が表示される。なお、6回分の設定変更情報が表示されるとしたが、さらに多くのエラー情報が表示されるようにしてもよい。
図71(a)の設定確認中メンテナンスメニュー画面から切り換わる図71(b)の設定変更履歴画面では、サブCPU201は、サブRAM203の設定変更格納領域(不図示)に格納されている直近6回分の設定変更情報を設定変更履歴表示領域210c5bに記憶される。なお、サブCPU201はメインCPU101からの初期化コマンド(変更・終了)を受信した場合に、当該初期化コマンド(変更・終了)に含まれる設定値を変更後設定値とし、当該初期化コマンド(変更・終了)を受信した日時を変更日時としてサブRAM203の設定変更格納領域(不図示)に格納する。なお、左選択用ボタン40lが操作された場合には表示中の設定変更情報より前の6回分の設定変更情報が、右選択用ボタン40rが操作された場合には表示中の設定変更情報より後の6回分の設定変更情報が、サブRAM203の設定変更履歴表示領域210c5bから読み出されて設定変更履歴表示領域210c5bに表示される。また、サブRAM203の設定変更格納領域(不図示)には最大30回分の設定変更情報が記憶可能になっており、記憶可能な最大回数は30以外であってもよい。
設定変更履歴画面(図71(b))で係員が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し(S1153~S1154)、メンテナンス(設定確認中)処理(S1155)として、メイン表示装置210の表示内容を、図71(b)に示す設定変更履歴画面から図71(b)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面に切り替える。
「設定変更履歴」210c5が選択中の設定確認中メンテナンスメニュー画面(図71(a))で係員が左選択用ボタン40lを操作した場合、サブCPU201の処理により、「エラー履歴」210c4が選択中とされ、図70(c)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示され、係員が右選択用ボタン40rを操作した場合、サブCPU201の処理により、「最大・標準音量設定」210c1が選択中とされ、図67(a)に示す設定確認中メンテナンスメニュー画面がメイン表示装置210に表示される。
[11-8-5.ユーザーメニュー等の具体例]
以下、変形例1の遊技機でのユーザーメニュー画面及び当該ユーザーメニューから遷移する音量調整画面の具体例について図72を参照して説明する。
例えば、遊技者が遊技を終了してから所定時間(例えば、5秒)経過した後に演出ボタン10aを操作する。サブCPU201は、演出ボタン10aの操作を検知して、メイン表示装置210の表示内容を、通常画面から、ユーザーによる確認又は設定などの項目を含む図72(a)に示すユーザーメニュー画面に切り替える。
図72(a)に示すユーザーメニュー画面には、ユーザーメニュー画面であること報知するための文字「ユーザーメニュー」210dが表示されているとともに、各リール3L,3C,3Rの図柄配列210d1と遊技履歴210d2とが表示され、ユーザーにより音量調整の際に操作される「音量調整」210d3とユーザーによりユーザーメニュー画面から通常画面に切り替える際に用いられる「終了」210d4の項目とが含まれている。
図72(a)に示すように、図柄配列210d1はメイン表示装置210の画面の左側に表示され、左リール3L、中リール3C,右リール3Rそれぞれの所定個(例えば、20個)の図柄が表示される。また、遊技履歴210d2は、メイン表示装置210の画面の中央部に表示され、遊技履歴の表示内容としては、例えば、遊技回数、大当り回数(ボーナス回数)、大当り確率(ボーナス確率)などの情報である。メイン表示装置210の遊技履歴の表示領域の下方には、「音量調整」210d3と、「終了」210d4とが横並びに表示される。
通常画面から切り替わる図72(a)のユーザーメニュー画面では、「音量調整」210d3が選択中であり、強調表示(拡大表示)されている。なお、強調表示は拡大表示に限定されるものではなく、例えば反転表示であってもよい。
「音量調整」210d3が選択中のユーザーメニュー画面(図72(a))で遊技者が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し、メイン表示装置210の表示内容を、図72(a)に示すユーザーメニュー画面から図72(b)に示す音量調整画面に切り替える。
図72(b)に示す音量調整画面はスピーカ35a,35b,35c,35dから出力される音声の音量をユーザーが調整できる画面であり、音量調整画面にはスピーカ35a,35b,35c,35dの出力音量の設定用の画面であることを報知するための文字「音量調整」210d3aが表示されているとともに、出力音量を設定するための「出力音量設定」210d3bの領域が含まれ、「出力音量設定」210d3bの領域の上側に最大・標準音量設定画面(図67(b))で設定された最大音量を指し示すマーカー210d3c及び「出力音量設定」210d3bの領域の下側に最大・標準音量設定画面(図67(b))で設定された標準音量を指し示すマーカー210d3dが表示されている。「出力音量設定」210d3bの領域は、遊技者がスピーカ35a,35b,35c,35dの出力音量を音量レベル1から最大・標準音量設定画面(図67(b))で設定された最大音量の音量レベルの中から設定するための領域であり、音量レベルの値が大きい程音量が大きい。「出力音量設定」210d3bの領域では、四角内の値(「1」~「6」)が音量レベルの値であり、設定される出力音量の音量レベルは、その下の四角内の斜線なし又は斜線あり表示により、具体的には、設定される音量レベル以下の音量レベルに対応する四角内が斜線あり、設定される音量レベルを超える音量レベルに対応する四角内が斜線なしになるようにして表示される。例えば、設定される音量レベルが音量レベル3の場合、図72(b)に示すように、音量レベル1から音量レベル3それぞれに対応する四角内が斜線あり、音量レベル4から音量レベル6それぞれに対応する四角内が斜線なしになるように表示される。
図72(a)のユーザーメニュー画面から切り換わる図72(b)の音量調整では、「出力音量設定」210c1bに表示される出力音量の音量レベルは当該画面の切り替わり時にサブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に記憶されている音量レベル(図72(b)の例では音量レベル3)であり、マーカー210d3cが指し示す最大音量の音量レベルは当該画面の切り替わり時にサブRAM203の最大音量記憶領域(不図示)に記憶されている音量レベル(図72(b)の例では音量レベル3)であり、マーカー210d3dが指し示す標準音量の音量レベルは当該画面の切り替わり時にサブRAM203の標準音量記憶領域(不図示)に記憶されている音量レベル(図72(b)の例では音量レベル3)である。
出力音量の音量レベルが音量レベル3である音量調整画面(図72(b))で遊技者が左選択用ボタン40lを操作する。この場合、サブCPU201は、左選択用ボタン40lの操作を検知し、出力音量の音量レベルを1段階下げて音量レベル2とし、「出力音量設定」210d3bの領域における音量レベルの表示が音量レベル2である音量調整画面をメイン表示装置210に表示する。なお、出力音量の音量レベルが音量レベル1である音量調整画面でサブCPU201が遊技者による左選択用ボタン40lの操作を検知した場合、出力音量の音量レベルを1段階下げることなく音量レベル1のままにする。
出力音量の音量レベルが最大音量の音量レベル未満である音量調整画面でサブCPU201が遊技者による右選択用ボタン40rの操作を検知した場合、出力音量の音量レベルを1段階上げ、「出力音量設定」210d3bの領域における音量レベルの表示が音量レベルを1段階上げた音量レベルとなった音量調整画面をメイン表示装置210に表示する。また、出力音量の音量レベルが最大音量の音量レベル3である音量調整画面(図72(b))で遊技者が右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、右選択用ボタン40rの操作を検知し、出力音量の音量レベルを1段階上げると最大音量の音量レベル3を超えてしまうので、出力音量の音量レベルを1段階上げることなく音量レベル3のままにする。
音量調整画面(図72(b))で遊技者が演出用ボタン10aを用いて決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し、サブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納されている出力音量の音量レベルを、左選択用ボタン40lや右選択用ボタン40rを用いて選択された出力音量の音量レベル(左選択用ボタン40lや右選択用ボタン40rに対する遊技者の操作が行われることなく演出用ボタン10aが操作された場合はユーザーメニューから音量調整画面に切り替わる前のサブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納されている出力音量の音量レベル)に更新する。また、サブCPU201は、メイン表示装置210の表示内容を、図72(b)に示す音量調整画面から、「音量調整」210d3を選択中とし、「音量調整」210d3を拡大表示した図72(a)に示すユーザーメニュー画面に切り替える。
「音量調整」210d3が選択中のユーザーメニュー画面(図72(a))で遊技者が左選択用ボタン40lまたは右選択用ボタン40rを操作する。この場合、サブCPU201は、左選択用ボタン40lまたは右選択用ボタン40rの操作を検知し、「終了」210d4を選択中とし、カーソルを「終了」210d4に移動して拡大表示したユーザーメニュー画面をメイン表示装置210に表示する。
「終了」210d4が選択中のユーザーメニュー画面で遊技者が演出用ボタン10aを用いた決定操作を行う。この場合、サブCPU201は、演出用ボタン10aの操作を検知し、メイン表示装置210の表示内容を、ユーザーメニュー画面から通常画面に切り替える。なお、ユーザーメニュー画面で演出用ボタン10a等の操作が特定時間(例えば、30秒)行われなかった場合、ユーザーメニュー画面から通常画面に切り替えるようにしてもよく、また、通常画面に切り替えるのではなくデモ画面に切り替えるようにしてもよい。
なお、ユーザーメニュー画面は、遊技が終了して所定時間(例えば、5秒)経過した後であって、次の遊技の開始操作があるまでは表示可能であり、例えば、ベットの待機中やベット後も表示可能である。また、再遊技役に当籤した後であって、次の遊技(リプレイ遊技)の開始待ち状態でも表示可能である。なお、次の遊技の開始操作があった場合は、ユーザーによる通常画面への切り替え操作がなくても、強制的に通常画面に切り替えられる。
ここで、サブCPU201によるスピーカ35a~35dの出力音量の音量レベルの制御について記載する。サブCPU201の制御によるスピーカ35a~35dの出力音量の音量レベルはサブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納された出力音量の音量レベルである。
サブCPU201は、遊技者により上述した図72(b)の音量調整画面を用いて出力音量の調整が行われた場合、スピーカ35a~35dの出力音量の音量レベルを、図72(b)の音量調整画面を用いた出力音量の調整によりサブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納された出力音量の音量レベル(遊技者が設定した音量レベル)に制御する。
また、サブCPU201は、遊技が一定時間行われなかった場合、サブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納されている出力音量の音量レベルを、図67(c)の最大・標準音量設定画面を用いた標準音量の設定によりサブRAM203の標準音量記憶領域(不図示)に格納された標準音量の音量レベルに更新し、スピーカ35a~35dの出力音量の音量レベルを更新後のサブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納された出力音量の音量レベル(係員が設定した標準音量の音量レベル)に制御する。
また、サブCPU201は、電源投入時に、初期化コマンド(変更・開始)を受信した場合(主制御基板71側で、電源投入時に行われる図61の設定変更処理でステップS1001がYESとなり、ステップS1002がYESとなって、リセットスイッチ53の状態変化を受け付けて設定値の変更を行える状態(設定変更状態)になった場合)、サブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納されている出力音量の音量レベルを、図67(c)の最大・標準音量設定画面を用いた標準音量の設定によりサブRAM203の標準音量記憶領域(不図示)に格納された標準音量の音量レベルに更新し、スピーカ35a~35dの出力音量の音量レベルをサブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納された更新後の出力音量の音量レベル(係員が設定した標準音量の音量レベル)に制御する。
また、サブCPU201は、電源投入時に、初期化コマンド(変更・開始)を受信しなかった場合(主制御基板71側で、電源投入時に行われる図61の設定変更処理でステップS1001がNO、及びステップS1002がNOのいずれかとなって、リセットスイッチ53の状態変化を受け付けて設定値の変更を行える設定変更状態にならなかった場合)、サブRAM203の出力音量記憶領域(不図示)に格納された出力音量の音量レベルを、サブRAM203の標準音量記憶領域(不図示)に格納された標準音量の音量レベルに更新せずに、維持する。この場合、電源投入後のスピーカ35a~35dの出力音量の音量レベルは、電断前のスピーカ35a~35dの出力音量の音量レベルと同じになる。
[11-8-6.効果]
上記の変形例1の遊技機によれば、係員は、下ドア機構DDを開放にする作業と設定用鍵型スイッチ52をオン状態にしてから電源投入する作業とを行うと設定値を変更することができ、さらにドア機構(下ドア機構DD、上ドア機構UD)が閉鎖する作業を行うと設定変更中メンテナンスメニュー画面が表示されて設定変更中メンテナンスを実施することができるので、係員は設定値の変更と設定変更中メンテナンスの実施とを連続して行うことができ、これらの作業効率の向上を図ることができる。
また、係員は、下ドア機構DDを開放する作業と電源が投入されてから設定用鍵型スイッチ52をオン状態にする作業とを行うと設定値を確認することができるとともに、設定確認中メンテナンスメニュー画面が表示されて設定確認中メンテナンスを実施することができるので、係員は設定値の確認と設定確認中メンテナンスの実施とを連続して行うことができ、これらの作業効率の向上を図ることができる。
変形例1の遊技機で実施可能なメンテナンスのうちの設定変更中メンテナンスに対応する設定変更中メンテナンスメニュー画面のメイン表示装置210への表示の条件に、初期化コマンド(変更・開始)を受信するという受信条件を含めている。当該受信条件の成立に基づいて、メイン表示装置210にメンテナンスメニュー画面として遊技機において実施可能な複数種類のメンテナンスのうちの一部である設定変更中メンテナンスに対応する設定変更中メンテナンスメニュー画面が表示されるので、表示される情報を少なくしてメンテナンスメニュー画面を見やすくさせることができる。
また、何らかの不具合や何らかの不正によってメインCPU101が電源投入時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であると認識してしまっても上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態と認識していれば、主制御回路71から副制御回路72へ初期化コマンド(変更・開始)が送信されることはなく、サブCPU201が初期化コマンド(変更・開始)を受信したと判定することはない、このため、何らかの不具合や何らかの不正によってメインCPU101が電源投入時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であると認識したことに起因してサブCPU201が設定変更中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示しまうことを防止できる。
また、設定変更中メンテナンスメニュー画面のメイン表示装置210への表示の条件に、初期化コマンド(変更・開始)を受信するという受信条件に加えて、ドア機構(上ドア機構UD、下ドア機構DD)の状態が閉状態になるというドア開閉条件を含めるようにしている。このため、何らかの不具合や何らかの不正により、サブCPU201が、初期化コマンド(変更・開始)を受信したと認識してしまっても、上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態の組み合わせ以外であると認識していれば、設定変更中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示してしまうことを防止できる。
また、変形例1の遊技機で実施可能なメンテナンスのうちの設定確認中メンテナンスに対応する設定変更中メンテナンスメニュー画面のメイン表示装置210への表示の条件に、初期化コマンド(確認・開始)を受信するという受信条件を含めている。当該受信条件の成立に基づいて、メイン表示装置210にメンテナンスメニュー画面として遊技機において実施可能な複数種類のメンテナンスのうちの一部であって設定変更中メンテナンスと異なる設定確認中メンテナンスに対応する設定確認中メンテナンスメニュー画面が表示されるので、表示される情報を少なくしてメンテナンスメニュー画面を見やすくさせることができる。
また、何らかの不具合や何らかの不正によってメインCPU101が電源投入後に設定用鍵型スイッチ52がオフ状態からオン状態に変化したと認識してしまっても上ドア機構UDが閉状態で下ドア機構DDが閉状態と認識していれば、主制御回路71から副制御回路72へ初期化コマンド(確認・開始)が送信されることはなく、サブCPU201が初期化コマンド(確認・開始)を受信したと判定することはない、このため、何らかの不具合や何らかの不正によってメインCPU101が電源投入後に設定用鍵型スイッチ52がオフ状態からオン状態に変化したと認識したことに起因してサブCPU201が設定確認中メンテナンスメニュー画面をメイン表示装置210に表示しまうことを防止できる。
また、設定確認中メンテナンスメニュー画面のメイン表示装置210への表示条件に、初期化コマンド(確認・開始)を受信するという受信条件を含めるが、初期化コマンド(確認・開始)の受信後のドア機構(上ドア機構UD、下ドア機構DD)の開閉状態の変化を含めないようにしている。このため、メンテナンスメニュー画面の表示条件を所定のメンテナンスメニュー画面と特定のメンテナンスメニュー画面とで異ならせるようにすることで、どちらのメンテナンスメニュー画面を用いてメンテナンスが行われているか分かりやすくすることができる。
また、初期化コマンド(変更・開始)の受信に基づく設定変更中メンテナンスメニュー画面と初期化コマンド(確認・開始)の受信に基づく設定確認中メンテナンスメニュー画面とを用意することにより、一つのメンテナンスメニュー画面(設定変更中メンテナンスメニュー画面、設定確認中メンテナンスメニュー画面)で表示されるメンテナンスの数を減らすことができ、係員は、設定変更中メンテナンスメニュー画面や設定確認中メンテナンスメニュー画面を用いて実施したいメンテナンス(設定変更中メンテナンス、設定確認中メンテナンス)を容易に実施できる。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDの両方が閉められている状態で設定変更が行われる状態は、店側が本来所持しているドアキーが使用されていない状態で設定用鍵型スイッチ52が操作されている状態が考えられ、遊技機のキャビネットに穴があけられて設定用鍵型スイッチ52が操作されているゴト行為の可能性があることが考えられるが、電源投入時の設定用鍵型スイッチ52の状態がオン状態であると認識してしまっても、上ドア機構UDと下ドア機構DDの何れもが閉状態になっていると認識していることにより、ゴト行為による設定値の変更を防止できる。
また、上述のように遊技機のキャビネットに穴があけられて設定キースイッチが操作されるゴト行為により電源投入後に設定用鍵型スイッチ52の状態がオフ状態からオン状態に変化したと認識してしまっても、上ドア機構DD及び下ドア機構UDの何れもが閉状態になっていると認識することにより、ゴト行為による設定値の表示(設定値の確認)を防止できる。
また、ベットボタン(例えば、MAXベットボタン6a又は1ベットボタン6b)と対応して配置された発光手段(例えば、LED)の発光状態を確認することにより、係員は遊技機が設定変更状態(電源投入時に行われる図61の設定変更処理でステップS1001がYESとなり、ステップS1002がYESとなって、リセットスイッチ53の状態変化を受け付けて設定値の変更を行える状態になってから、ステップS1014がYESとなるまでの状態)にあることを把握できる。
これによれば、スピーカの出力確認に関するメンテナンス(スピーカ確認)と演出用ボタン10aの動作確認に関するメンテナンス(演出用ボタン確認)を並行して行うことにより、係員による設定変更中メンテナンスに関する作業時間を短縮することができる。
また、遊技者が設定可能な最大音量を設定することで、遊技者間で発生し得る音量の問題を未然に防止できるとともに、一定時間遊技されなかった場合や設定変更状態(主制御基板71側で、電源投入時に行われる図61の設定変更処理でステップS1001がYESとなり、ステップS1002がYESとなって、リセットスイッチ53の状態変化を受け付けて設定値の変更を行える状態)になった場合に設定可能な標準音量を設定することで、これらの場合になった後に店側が所望する標準音量に自動で設定できる。
また、主制御基板71側で、電源投入時に行われる図61の設定変更処理でステップS1001がNO及びステップS1002がNOのいずれかとなって、リセットスイッチ53の状態変化を受け付けて設定値の変更を行える設定変更状態にならなかった場合には標準音量に設定しないので、停電やエラーを処理するために一度電源を落とす必要が発生した場合などで、遊技者が、電断が発生する前の設定音量に再度設定し直すなどの煩わしい作業を遊技者にかすことを防止できる。
[11-8-7.第3の遊技機の変形例1の遊技機の変形例]
上述した変形例1の遊技機を例えば下記の(A)~(E)のように変形してもよい。
(A)設定変更中メンテナンス処理は、図63の設定変更中メンテナンス処理からステップS1110を削除し、ステップS1107の判定処理において「YES」であるときの行き先、及び、ステップS1109の処理後の行き先をステップS1111とするものであってもよい。変形した当該設定変更中メンテナンス処理では、図63の設定変更中メンテナンス処理とは異なり、一旦設定変更中メンテナンス画面(図66)が表示されると設定変更中メンテナンス処理の終了まで設定変更中メンテナンス画面(図66)の表示が継続されることになる。このため、設定変更中に実施可能なメンテナンスの実施が可能な遊技機の状態が多くなって、係員に対してメンテナンスの実施に関する便宜を図ることができる。
(B)変形例1の遊技機では、上ドア機構UDの開閉状態と下ドア機構DDの開閉状態の組み合わせとして、上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)の3通りであるとしたが、これに限定されず、例えば、上記した(ドア開閉組み合わせ1)~(ドア開閉組み合わせ3)と、(ドア開閉組み合わせ4)上ドア機構UDが開放状態(開状態)且つ下ドア機構DDが閉鎖状態(閉状態)との4通りがあるとしてもよい。この場合、図61~図64の処理は例えば次の(B-1)、(B-2)であってもよい。
(B-1)図61の設定変更処理において、ステップS1001の判定処理を、「上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であるか否かを判定する」判定処理に置き換え、上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であると判定されなかった場合にステップS1002の処理に進み、上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であると判定された場合に設定変更処理を終了して呼び出し元に戻るようにしてもよい。また、図62の設定確認処理において、ステップS1052の判定処理を、「上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であるか否かを判定する」判定処理に置き換え、上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であると判定されなかった場合にステップS1053の処理に進み、上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であると判定された場合に設定確認処理を終了して呼び出し元に戻るようにしてもよい。また、図63の設定変更中メンテナンス処理において、ステップS1110の判定処理を、「上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であるか否かを判定する」判定処理に置き換え、上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であると判定されなかった場合にステップS1102の処理に戻り、上ドア開閉監視スイッチ56uがオフ状態(上ドア閉)且つ下ドア開閉監視スイッチ56dがオフ状態(下ドア閉)であると判定された場合にステップS1111の処理に進むようにしてもよい。なお、図63の設定変更中メンテナンス処理において、ステップS1105の判定処理を変更しないようにしてもよい。
(B-2)図61の設定変更処理のステップS1001の判定処理の内容、図62の設定確認処理のステップS1052の判定処理の内容、図63の設定変更中メンテナンス処理のステップS1105の判定処理、ステップS1110の判定処理の内容を変更せずに、図61の設定変更処理、図62の設定確認処理、図63の設定変更中メンテナンス処理をそのまま用いるようにしてもよい。
(C)図61~図63では、下ドア開閉監視スイッチ56dが下ドア機構DDの開状態でオン状態、閉状態でオフ状態となるスイッチであり、上ドア開閉監視スイッチ56uが上ドア機構UDの開状態でオン状態、閉状態でオフ状態となるスイッチである場合を対象として説明したが、これに限定されるものではなく、下ドア機構DDの閉状態でオン状態、開状態でオフ状態となるスイッチであり、上ドア機構UDの閉状態でオン状態、開状態でオフ状態となるスイッチである場合を対象とすることも可能であり、この場合、図61~図63において下ドア開閉監視スイッチ56dに関する部分及び上ドア開閉監視スイッチ56uに関する部分では、「オン状態」を「オフ状態」に、「オン状態」を「オフ状態」に置き換えればよい。
(D)サブCPU201は、設定変更中であることを報知するための設定変更中画面をメイン表示装置210に表示している場合に、「ドアを閉めたらメンテナンスメニューを表示します」等を同時に表示させるようにしてもよい。また、スピーカ35a~35dから出力する音声によりドアを閉めたらメンテナンスメニューが表示されることを報知するようにしてもよい。
(E)設定確認中メンテナンス処理で行える設定確認中メンテナンスは上述したものに限られず、例えば、(E-1)光量設定等を含むようなものであってもよい。例えば、光量設定では、「最大・標準音量設定」と同様に、遊技者が設定できる最大光量を設定する最大光量設定と、一定時間遊技されなかった場合や設定変更時に設定される標準光量を設定する標準光量とを設けるようにしてもよい。
(E-2)設定確認中メンテナンス処理で行える設定確認中メンテナンスとして、遊技者が音量の設定をできなくなるように音量切替不可設定を設けるようにしてもよい。音量切替不可設定で遊技者による音量の設定をできなくした場合に、ユーザーメニュー画面で「音量設定」210d3の項目を表示させないようにするのが好ましい。
[11-8-8.付記]
従来の遊技機において、係員が設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ(設定キースイッチ)をオン状態にした後に電源投入することにより、又は、係員が電源投入された状態で設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ(設定キースイッチ)をオン状態にすることにより、これに連動して液晶表示装置の表示領域に遊技機において実施可能なメンテナンスに関わるメンテナンスメニュー画面が表示される遊技機がある(例えば、特開2018-183205号公報(例えば、段落0997~1059、図132~137など)参照)。
ところで、遊技機において実施可能なメンテナンスは多岐にわたり、メンテナンスの効率等を考えると現状のメンテナンスの処理制御には改善の余地がある。
付記の遊技機は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技機において実施可能なメンテナンスの処理制御が向上した遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、付記に係る遊技機によれば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
付記に係る遊技機(1)は、
表示手段(210)と、
前記遊技機において実施可能なメンテナンスに関わるメンテナンス処理を実施するメンテナンス処理手段(201)と
を備え、
前記メンテナンス処理手段は、前記メンテナンス処理において、所定の条件の成立に基づいて、前記表示手段にメンテナンスメニュー画面として前記遊技機において実施可能な複数種類のメンテナンスのうちの一部である所定のメンテナンスに対応する所定のメンテナンスメニュー画面を表示する所定のメンテナンス処理を行う(図63又は図64)
ことを特徴としている。
これによれば、所定の条件の成立に基づいて、表示手段にメンテナンスメニュー画面として遊技機において実施可能な複数種類のメンテナンスのうちの一部である所定のメンテナンスに対応する所定のメンテナンスメニュー画面が表示されるので、表示される情報を少なくしてメンテナンスメニュー画面を見やすくさせることができる。
遊技機(2)は、上記の遊技機(1)において、
前記メンテナンス処理手段は、前記メンテナンス処理において、特定の条件の成立に基づいて、前記表示手段に前記メンテナンスメニュー画面として前記遊技機において実施可能な複数種類のメンテナンスのうちの一部であり、前記所定のメンテナンスとは異なる特定のメンテナンスに対応する特定のメンテナンスメニュー画面を表示する特定のメンテナンス処理を行う(図64又は図63)
としてもよい。
これによれば、特定の条件の成立に基づいて、表示手段にメンテナンスメニュー画面として遊技機において実施可能な複数種類のメンテナンスのうちの一部であり、所定のメンテナンスとは異なる特定のメンテナンスに対応する特定のメンテナンスメニュー画面が表示されるので、表示される情報を少なくしてメンテナンスメニュー画面を見やすくさせることができる。また、所定の条件の成立に基づいて表示される所定のメンテナンスに対応する所定のメンテナンスメニュー画面と特定の条件の成立に基づいて表示される特定のメンテナンスに対応する特定のメンテナンスメニュー画面とを用意することにより、一つのメンテナンスメニュー画面(所定のメンテナンスメニュー画面、特定のメンテナンスメニュー画面)で表示されるメンテナンスの数を減らすことができ、係員は所定のメンテナンスメニュー画面や特定のメンテナンスメニュー画面を用いて実施したいメンテナンスを容易に実施できる。
遊技機(3)は、上記の遊技機(1)または上記の遊技機(2)において、
遊技機本体に開閉自在に取り付けられたドア機構(DD)と、
前記ドア機構の開閉状態を検知する開閉検知手段(56d)と
をさらに備え、
前記メンテナンス処理手段は、前記所定のメンテナンス処理において、
前記所定の条件が成立していても、前記開閉検知手段による検知結果が前記ドア機構の開状態である場合には、前記所定のメンテナンスメニュー画面を前記表示手段に表示せず(S1101、S1101がYES、S1105、S1105がNO)、
前記所定の条件が成立しており、前記開閉検知手段による検知結果が前記ドア機構の閉状態である場合には、前記所定のメンテナンスメニュー画面を前記表示手段に表示する(S1101、S1101がYES、S1105、S1105が、YES、S1106)
としてもよい。
これによれば、メンテナンス処理手段が何らかの不具合や何らかの不正によって所定の条件が成立していると認識してしまっても、ドア機構が開状態であると認識していれば、所定のメンテナンスメニュー画面を表示手段に表示してしまうことを防止できる。
遊技機(4)は、上記の遊技機(2)に従属する上記の遊技機(3)において、
前記メンテナンス処理手段は、前記特定のメンテナンス処理において、前記特定の条件が成立していれば、前記ドア機構の開閉状態の変化を条件とすることなく、前記特定のメンテナンスメニュー画面を前記表示手段に表示する(S1151、S1151がYES、S1152)
としてもよい。
これによれば、メンテナンスメニュー画面の表示条件を所定のメンテナンス画面と特定のメンテナンス画面とで異ならせるようにすることで、どちらのメンテナンスが行われているか分かりやすくすることができる。
遊技機(5)は、上記の遊技機(3)または上記の遊技機(4)において、
遊技機本体に開閉自在に取り付けられた他のドア機構(UD)と、
前記他のドア機構の開閉状態を検知する他の開閉検知手段(56u)と、
遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値を格納する設定値格納部(103)と、
前記設定値格納部に格納されている前記設定値の変更に関わる設定値変更処理(図61)を行う設定値変更手段(101)と、
設定キースイッチ(52)と、
設定値変更スイッチ(53)と
を備え、
前記所定の条件は、電源投入時に前記設定キースイッチの状態が前記設定値の変更を許容する状態であること、かつ、前記ドア機構と前記他のドア機構とが取り得る開閉状態の組み合わせのうち、前記開閉検知手段による検知結果が前記ドア機構の閉状態で前記他の開閉検知手段による検知結果が前記他のドア機構の閉状態である組み合わせ以外の組み合わせであることであり、
前記設定値変更手段は、前記設定値変更処理において、
前記設定値変更スイッチの状態変化に基づいて前記設定値の変更を行い(S1001、S1001がYES、S1002、S1002がYES、S1004~1010)、
前記所定の条件が成立していない場合には前記設定値変更スイッチの状態変化に基づく前記設定値の変更を行わない(S1001、S1001がNO、S1002、S1002がNO)
としてもよい。
ドア機構及び他のドア機構の両方が閉められている状態で設定変更が行われる状態は、店側が本来所持しているドアキーが使用されていない状態で設定キースイッチが操作されている状態が考えられ、遊技機のキャビネットに穴があけられて設定キースイッチが操作されているゴト行為の可能性があることが考えられるが、これによれば、設定値変更手段が電源投入時の設定キースイッチの状態が設定値の変更を許容する状態であると認識してしまっても、ドア機構及び他のドア機構の何れもが閉状態であると認識することにより、ゴト行為による設定値の変更を防止できる。
遊技機(6)は、上記の遊技機(2)に従属する上記の遊技機(3)、または、上記の遊技機(4)において、
他の表示手段(14)と、
遊技機本体に開閉自在に取り付けられた他のドア機構(UD)と、
前記他のドア機構の開閉状態を検知する他の開閉検知手段(56u)と、
遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値を格納する設定値格納部(103)と、
前記設定値格納部に格納されている前記設定値の前記他の表示手段への表示に関わる設定値表示処理(図61)を行う設定値表示手段(101)と、
設定キースイッチと
を備え、
前記特定の条件は、電源が投入された後に前記設定キースイッチの状態が前記他の表示手段に前記設定値の表示を許容する状態に変化すること、かつ、前記ドア機構と前記他のドア機構とが取り得る開閉状態の組み合わせのうち、前記開閉検知手段による検知結果が前記ドア機構の閉状態で前記他の開閉検知手段による検知結果が前記他のドア機構の閉状態である組み合わせ以外の組み合わせであることであり、
前記設定値表示手段は、前記設定値表示処理において、
前記特定の条件が成立している場合に前記設定値に関わる前記他の表示手段への表示を行い(S1051、S1051がYES、S1052、S1052がYES、S1054)、
前記特定の条件が成立していない場合には前記設定値に関わる前記他の表示手段への表示を行わない(S1051、S1051がNO、S1052、S1052がNO)
としてもよい。
これによれば、上述のように遊技機のキャビネットに穴があけられて設定キースイッチが操作されるゴト行為により電源投入後に設定キースイッチの状態が他の表示手段に設定値の表示を許容する状態に変化したと認識してしまっても、ドア機構及び他のドア機構の何れもが閉状態になっていると認識することにより、ゴト行為による設定値の表示を防止できる。
遊技機(7)は、上記の遊技機(1)ないし上記の遊技機(6)のいずれかの遊技機において、
遊技者が遊技でのベット数を設定する際に用いるベットボタン(6aまたは6b)と、
前記ベットボタンに対応する発光手段と、
前記発光手段の発光制御を行う発光制御手段(101)と
をさらに備え、
前記発光制御手段は、前記所定の条件の成立に基づいて、遊技可能な状態での前記発光手段の発光制御とは異なる、前記発光手段の発光制御を用いる
としてもよい。
これによれば、ベットボタンに対応する発光手段の発光状態を確認することにより係員は遊技機が所定の条件を満たした状態にあることを把握できる。
遊技機(8)は、上記の遊技機(1)ないし上記の遊技機(7)のいずれかの遊技機において、
スピーカ(35a~35d)と、
遊技者の演出用の操作を受付ける演出用ボタン(10a)と
をさらに備え、
前記所定のメンテナンスには、前記スピーカの出力確認に関する第1の所定のメンテナンス(210b1)と前記演出用ボタンの動作確認に関する第2の所定のメンテナンス(210b3)とが少なくとも含まれており、
前記メンテナンス処理手段は、前記第1の所定のメンテナンスの実行中に前記第2の所定のメンテナンスの実行が可能である
としてもよい。
これによれば、スピーカの出力確認に関する第1の所定のメンテナンスと演出用ボタンの動作確認に関する第2の所定のメンテナンスを並行して行うことにより、係員による所定のメンテナンスに関する作業時間を短縮することができる。
遊技機(9)は、上記の遊技機(2)、または、上記の遊技機(2)に従属する遊技機(3)、または、上記の遊技機(4)、または、上記の遊技機(6)において、
スピーカ(35a~35d)をさらに備え、
前記特定のメンテナンスには、遊技者が設定可能な前記スピーカの最大音量の設定に関する第1の特定のメンテナンス(210c1b)と、特別の条件の成立により前記スピーカの出力音量として用いられる標準音量の設定に関する第2の特定のメンテナンス(210c1c)とが含まれている
としてもよい。
これによれば、遊技者が設定可能な最大音量を設定することで、遊技者間で発生し得る音量の問題を未然に防止できるとともに、特別の条件が成立した場合に設定可能な標準音量を設定することで、特別の条件が成立した場合に店側が所望する音量に自動で設定できる。
遊技機(10)は、上記の遊技機(9)において、
前記スピーカから出力する音量を設定する出力音量設定手段(201)をさらに備え、
前記出力音量設定手段は、電源が投入された時に前記所定の条件を満たしていれば前記スピーカの出力を前記標準音量に新たに設定し、電源が投入された際に前記所定の条件を満たしていなければ前記スピーカの出力を前記標準音量に新たに設定しない
としてもよい。
これによれば、電源が投入された際に所定の条件を満たしていなければ標準音量に設定しないので、停電やエラーを処理するために一度電源を落とす必要が発生した場合などで、遊技者が、電断が発生する前の設定音量に再度設定し直すなどの煩わしい作業を遊技者にかすことを防止できる。
付記に係る遊技機によれば、遊技機において実施可能なメンテナンスの処理制御が向上した遊技機を提供できる。
なお、上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記した各実施形態では、スロットマシンを対象として説明したが、これに限定されるものではなく、パチンコ機などの他の遊技機にも適用できる。
また、上記の実施形態及び上記の変形例等の内容を適宜組み合わせることができる。