JP7305936B2 - キッチンペーパー、キッチンロール及びキッチンペーパーの製造方法 - Google Patents
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具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] 繊維状セルロースは、アニオン基を有する[1]に記載のキッチンペーパー。
[3] アニオン基は、カルボキシル基、カルボキシル基に由来する置換基、リン酸基及びリン酸基に由来する置換基から選択される少なくとも1種である[2]に記載のキッチンペーパー。
[4] アニオン基は、リン酸基及びリン酸基に由来する置換基から選択される少なくとも1種である[2]又は[3]に記載のキッチンペーパー。
[5] 繊維状セルロースは、Ag、Au、Pt、Pd、Cu及びZnから選択される少なくとも1種の金属成分を担持する[1]~[4]のいずれかに記載のキッチンペーパー。
[6] 繊維状セルロースの含有量は、0.05~15g/m2である[1]~[5]のいずれかに記載のキッチンペーパー。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載のキッチンペーパーをロール状としたキッチンロール。
本発明は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースを含有するキッチンペーパーに関する。キッチンペーパーは、所定の大きさにカットされた薄葉紙であってもよい。このような薄葉紙は、所定枚数が外装容器に収容されて流通する。また、本発明は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースを含有するキッチンペーパーを巻き取ってなるキッチンロールに関するものでもある。なお、本明細書において、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースのことを、微細繊維状セルロースともいう。
本発明は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースを含有するキッチンペーパーをロール状としたキッチンロールに関するものでもある。キッチンロールにおいては、上述したキッチンペーパーを巻芯紙管に巻き取ることで形成されるものであることが好ましい。
なお、キッチンロールの直径は、100mm以上であることが好ましく、105mm以上であることがより好ましく、110mm以上であることがさらに好ましい。また、キッチンロールの直径は、300mm以下であることが好ましい。
なお、巻芯紙管にも微細繊維状セルロースが含まれていてもよい。
キッチンペーパーは、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロース(微細繊維状セルロース)を含む。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交差する繊維の幅を目視で読み取る。このようにして、少なくとも互いに重なっていない表面部分の観察画像を3組以上得る。次いで、各画像に対して、直線X、直線Yと交差する繊維の幅を読み取る。これにより、少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。そして、読み取った繊維幅の平均値を、繊維状セルロースの平均繊維幅とする。
リン酸基又はリン酸基に由来する置換基は、たとえば下記式(1)で表される置換基である。
ここで、単位mmol/gは、アニオン基の対イオンが水素イオン(H+)であるときの繊維状セルロースの質量1gあたりの置換基量を示す。
すなわち、下記計算式によってカルボキシル基導入量を算出する。
カルボキシル基導入量(C型)=カルボキシル基量(酸型)/{1+(W-1)×(カルボキシル基量(酸型))/1000}
W:陽イオンCの1価あたりの式量(例えば、Naは23、Alは9)
微細繊維状セルロースは、セルロースを含む繊維原料から製造される。セルロースを含む繊維原料としては、とくに限定されないが、入手しやすく安価である点からパルプを用いることが好ましい。パルプとしては、たとえば木材パルプ、非木材パルプ、および脱墨パルプが挙げられる。木材パルプとしては、とくに限定されないが、たとえば広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)および酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)およびケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)およびサーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられる。非木材パルプとしては、とくに限定されないが、たとえばコットンリンターおよびコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わらおよびバガス等の非木材系パルプが挙げられる。脱墨パルプとしては、とくに限定されないが、たとえば古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。本実施態様のパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
上記パルプの中でも、入手のしやすさという観点からは、たとえば木材パルプおよび脱墨パルプが好ましい。また、木材パルプの中でも、セルロース比率が大きく解繊処理時の微細繊維状セルロースの収率が高い観点や、パルプ中のセルロースの分解が小さく軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースが得られる観点から、たとえば化学パルプがより好ましく、クラフトパルプ、サルファイトパルプがさらに好ましい。
微細繊維状セルロースがリン酸基を有する場合、微細繊維状セルロースの製造工程は、リン酸基導入工程を含む。リン酸基導入工程は、セルロースを含む繊維原料が有する水酸基と反応することで、リン酸基を導入できる化合物から選択される少なくとも1種の化合物(以下、「化合物A」ともいう)を、セルロースを含む繊維原料に作用させる工程である。この工程により、リン酸基導入繊維が得られることとなる。
反応の均一性を向上させる観点から、化合物Bは水溶液として用いることが好ましい。また、反応の均一性をさらに向上させる観点からは、化合物Aと化合物Bの両方が溶解した水溶液を用いることが好ましい。
微細繊維状セルロースがカルボキシル基を有する場合、微細繊維状セルロースの製造工程は、カルボキシル基導入工程を含む。カルボキシル基導入工程は、セルロースを含む繊維原料に対し、オゾン酸化やフェントン法による酸化、TEMPO酸化処理などの酸化処理やカルボン酸由来の基を有する化合物もしくはその誘導体、またはカルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物もしくはその誘導体によって処理することにより行われる。
本実施形態における微細繊維状セルロースの製造方法においては、必要に応じてアニオン基導入繊維に対して洗浄工程を行うことができる。洗浄工程は、たとえば水や有機溶剤によりアニオン基導入繊維を洗浄することにより行われる。また、洗浄工程は後述する各工程の後に行われてもよく、各洗浄工程において実施される洗浄回数は、とくに限定されない。
微細繊維状セルロースを製造する場合、アニオン基導入工程と、後述する解繊処理工程との間に、繊維原料に対してアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えばアルカリ溶液中に、リン酸基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
アニオン基導入繊維を解繊処理工程で解繊処理することにより、微細繊維状セルロースが得られる。解繊処理工程においては、たとえば解繊処理装置を用いることができる。解繊処理装置は、特に限定されないが、たとえば高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなどを使用することができる。上記解繊処理装置の中でも、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミネーションのおそれが少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーを用いるのがより好ましい。
微細繊維状セルロースは、Ag、Au、Pt、Pd、Cu及びZnから選択される少なくとも1種の金属成分を担持するものであることが好ましい。このような金属成分は、Ag、Cu及びZnから選択される少なくとも1種であることが好ましく、Agであることが特に好ましい。上述した金属成分は、例えば、リン酸基を有する微細繊維状セルロースに含まれるリン酸基と、配位結合、水素結合、またはイオン結合することで担持される。このような結合の状態は、たとえばX線光電子分光分析もしくは赤外分光分析により解析できる。
微細繊維状セルロースに金属成分を担持させる方法としては、アニオン基を有する微細繊維状セルロースに対して金属化合物水溶液を接触させる方法を挙げることができる。例えば、アニオン基を有する微細繊維状セルロースの分散液に対して金属化合物の水溶液を添加してもよく、アニオン基を有する微細繊維状セルロースを含む繊維層に対して金属化合物の水溶液を滴下して含浸させてもよい。金属化合物の水溶液としては、たとえば金属塩または有機金属化合物の水溶液を用いることができる。金属塩としては、たとえば金属成分の錯体(錯イオン)、ハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、および酢酸塩が含まれる。なお、金属塩は水溶性であることが好ましい。
キッチンペーパーの製造方法は、金属成分を担持した微細繊維状セルロースを含むキッチンペーパーを得る工程を含むことが好ましい。
<微細繊維状セルロースの作製>
[リン酸化]
原料パルプとして、王子製紙製の針葉樹クラフトパルプ(固形分93質量%、坪量208g/m2シート状、離解してJIS P 8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)が700ml)を使用した。この原料パルプに対してリン酸化処理を次のようにして行った。まず、上記原料パルプ100質量部(絶乾質量)に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を添加して、リン酸二水素アンモニウム45質量部、尿素120質量部、水150質量部となるように調整し、薬液含浸パルプを得た。次いで、得られた薬液含浸パルプを105℃の乾燥機で乾燥し、水分を蒸発させてプレ乾燥させた。その後、140℃に設定した送風乾燥機で、10分間加熱し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入し、リン酸化パルプを得た。
次いで、得られたリン酸化パルプに対して洗浄処理を行った。洗浄処理は、リン酸化パルプ100g(絶乾質量)に対して10Lのイオン交換水を注いで得たパルプ分散液を、パルプが均一に分散するよう撹拌した後、濾過脱水する操作を繰り返すことにより行った。ろ液の電気伝導度が100μS/cm以下となった時点で、洗浄終点とした。
洗浄後のリン酸化パルプに対して、さらに上記リン酸化処理、上記洗浄処理をこの順に1回ずつ行った。
次いで、洗浄後のリン酸化パルプに対して中和処理を次のようにして行った。まず、洗浄後のリン酸化パルプを10Lのイオン交換水で希釈した後、撹拌しながら1Nの水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ添加することにより、pHが12以上13以下のリン酸化パルプスラリーを得た。次いで、当該リン酸化パルプスラリーを脱水して、中和処理が施されたリン酸化パルプを得た。
これにより得られたリン酸化パルプに対しFT-IRを用いて赤外線吸収スペクトルの測定を行った。その結果、1230cm-1付近にリン酸基に基づく吸収が観察され、パルプにリン酸基が付加されていることが確認された。
また、得られたリン酸化パルプを供試して、X線回折装置にて分析を行ったところ、2θ=14°以上17°以下付近と2θ=22°以上23°以下付近の2箇所の位置に典型的なピークが確認され、セルロースI型結晶を有していることが確認された。
得られたリン酸化パルプにイオン交換水を添加し、固形分濃度が2質量%のスラリーを調製した。このスラリーを、湿式微粒化装置(スギノマシン社製、スターバースト)で200MPaの圧力にて2回処理し、微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液(1)を得た。X線回折により、この微細繊維状セルロースがセルロースI型結晶を維持していることが確認された。また、微細繊維状セルロースの繊維幅を透過型電子顕微鏡を用いて測定したところ、4nmであった。なお、後述する測定方法で測定されるリン酸基量(強酸性基量)は、1.00mmol/gだった。
微細繊維状セルロースの繊維幅は下記の方法で測定した。
湿式微粒化装置にて処理をして得られた微細繊維状セルロース分散液(1)の上澄み液を、微細繊維状セルロースの濃度が0.01質量%以上0.1質量%以下となるように水で希釈し、親水化処理したカーボングリッド膜に滴下した。これを乾燥した後、酢酸ウラニルで染色し、透過型電子顕微鏡(日本電子社製、JEOL-2000EX)により観察した。
微細繊維状セルロースのリン酸基量は、対象となる微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液(1)をイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈して作製した繊維状セルロース含有スラリーに対し、イオン交換樹脂による処理を行った後、アルカリを用いた滴定を行うことにより測定した。
イオン交換樹脂による処理は、上記繊維状セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024;オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った後、目開き90μmのメッシュ上に注いで樹脂とスラリーを分離することにより行った。
また、アルカリを用いた滴定は、イオン交換樹脂による処理後の繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を、30秒に1回、50μLずつ加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測することにより行った。リン酸基量(mmol/g)は、計測結果のうち図2に示す第1領域に相当する領域において必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して算出した。
得られた微細繊維状セルロース分散液(1)をイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈した後、イオン交換樹脂による処理を行った。イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%の微細繊維状セルロース分散液に体積比で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024:オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。次いで、硝酸銀(I)をリン酸基導入量の2倍等量となるように添加し、30分攪拌を行い、金属成分として銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を得た。
次いで、得られたスラリー(1)の濾過洗浄を行い、系内に残留する硝酸イオンの除去を実施した。具体的には、ガラスフィルターの上に1.0μm孔径のPTFE製メンブランフィルターを載せ、フィルターをIPAで湿らせた後、スラリーを注ぎ、減圧度-0.09MPa(絶対真空度10kPa)にて減圧濾過を実施した。PTFE製メンブランフィルターの上に、銀イオンを担持した微細繊維状セルロースの堆積物が形成されたことを確認した後、元のスラリーと同量の水を注ぎ、減圧濾過する工程を2度繰り返した。得られた銀イオンを担持した微細繊維状セルロースの堆積物をイオン交換水で含有量が1.0質量%となるように希釈し、銀イオンを担持した洗浄済みの微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を得た。
キッチンペーパー原紙として、2プライのキッチンペーパー(1プライの坪量22.0g/m2、2プライの厚さ550μm)を用いた。銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を乾燥後の固形分量が0.1g/m2となるようにキッチンペーパー原紙の片面にロール塗工した。静置して自然乾燥を行い、微細繊維状セルロースを含有するキッチンペーパーを得た。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を、乾燥後の固形分量が0.5g/m2となるように塗工した以外は例1と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を、乾燥後の固形分量が1.0g/m2となるように塗工した以外は例1と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を、乾燥後の固形分量が5.0g/m2となるように塗工した以外は例1と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を、乾燥後の固形分量が10.0g/m2となるように塗工した以外は例1と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を塗工しなかった以外は例1と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
(臭気)
ビニール袋(10L)にろ紙を入れ、ろ紙に10%アンモニア水を1ml含浸させた。次にビニール袋中のろ紙と接触しないように、ビニール袋にキッチンペーパー(2プライ、幅230mm、縦200mm)を入れ、ビニール袋を密閉した。密閉してから5分後、ビニール袋を開封し、下記の5段階でビニール袋中の臭気を評価した。被験者10名で評価を行い、10名の平均値を評価値とした。結果を表1に示す。
5:全く臭いを感じなかった
4:ほとんど臭いを感じなかった
3:やや臭いを感じた
2:臭いを感じた
1:強く臭いを感じた
[TEMPO酸化]
乾燥質量100質量部相当の未乾燥の針葉樹晒クラフトパルプと2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)1.6質量部と、臭化ナトリウム10質量部とを水10000質量部に分散させた。次いで、13質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1.0gのパルプに対して3.8mmolになるように加えて反応を開始した。反応中は0.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10以上10.5以下に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なした。
微細繊維状セルロースのカルボキシル基量は、対象となる微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液(2)をイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈して作製した繊維状セルロース含有スラリーに対し、イオン交換樹脂による処理を行った後、アルカリを用いた滴定を行うことにより測定した。
イオン交換樹脂による処理は、上記繊維状セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024;オルガノ株式会社、コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った後、目開き90μmのメッシュ上に注いで樹脂とスラリーを分離することにより行った。
また、アルカリを用いた滴定は、イオン交換樹脂による処理後の繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を30秒に1回、50μLずつ加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測することにより行った。カルボキシル基量(mmol/g)は、計測結果のうち図3に示す第1領域に相当する領域において必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して算出した。
得られた微細繊維状セルロース分散液(2)に対して、例1と同様の方法でイオン交換処理及び金属イオン担持を行った。また、例1と同様の方法で洗浄を行い、銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(2)の調製を行った。
キッチンペーパー原紙として、2プライのキッチンペーパー(1プライの坪量22.0g/m2、2プライの厚さ550μm)を用いた。銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(2)を乾燥後の固形分量が0.1g/m2となるようにキッチンペーパー原紙の片面にロール塗工した。静置して自然乾燥を行い、微細繊維状セルロースを含有するキッチンペーパーを得た。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(2)を、乾燥後の固形分量が0.5g/m2となるように塗工した以外は例7と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(2)を、乾燥後の固形分量が1.0g/m2となるように塗工した以外は例7と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(2)を、乾燥後の固形分量が5.0g/m2となるように塗工した以外は例7と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(2)を、乾燥後の固形分量が10.0g/m2となるように塗工した以外は例7と同様にしてキッチンペーパーを作製した。
上述した臭気評価の方法で例7~例11の評価を行った。
2プライのキッチンペーパー(2プライの厚さ550μm、幅230mm)の片面に、銀イオンを担持した微細繊維状セルロース含有スラリー(1)を乾燥後の固形分量が0.1g/m2となるようにロール塗工した。ドライヤーで乾燥後、巻芯紙管(外径40mm)にキッチンペーパーをロール状に巻き取った。このようにして、2プライのキッチンペーパーを含むキッチンロール(巻長さ22m、巻径112mm)を得た。
例12で得たキッチンロールについても、消臭効果を上述した方法と同様にして評価した。
10 巻芯紙管
20 キッチンペーパー
21 エンボス
Claims (3)
- 繊維幅が2nm以上10nm以下の繊維状セルロースを含有するキッチンペーパーの製造方法であって、
前記繊維幅が2nm以上10nm以下の繊維状セルロースを含有するスラリーを得る工程と、
キッチンペーパー原紙に前記スラリーを噴霧、塗工もしくは含浸させる工程と、を含み、
前記繊維状セルロースは、リン酸基及びリン酸基に由来する置換基から選択される少なくとも1種を有する、キッチンペーパーの製造方法。 - 前記繊維状セルロースは、Ag、Au、Pt、Pd、Cu及びZnから選択される少なくとも1種の金属成分を担持する、請求項1に記載のキッチンペーパーの製造方法。
- 前記キッチンペーパーにおける前記繊維状セルロースの含有量が、0.05~15g/m 2 である請求項1又は2に記載のキッチンペーパーの製造方法。
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