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JP7305335B2 - 蓄圧式スプレー用組成物及びこれを利用したスプレー製剤 - Google Patents

蓄圧式スプレー用組成物及びこれを利用したスプレー製剤 Download PDF

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Description

本発明は、ポンプスプレー、トリガースプレー等のスプレーに用いる蓄圧式スプレー用組成物に関し、詳しくは、揮発性有機化合物規制の問題が生じることなく、かつ良好なスプレー状態が得られる蓄圧式スプレー用組成物及びこれを利用したスプレー製剤に関する。
空気中に芳香を付与したり、悪臭を消臭するために、香料や消臭成分を噴霧する様々な噴霧型の芳香剤が提案されている。また、室内害虫等を殺虫、忌避するために、防虫成分、殺虫成分を噴霧する噴霧型の防虫剤も提案されている。このような噴霧型製剤では、有効成分を適切に溶解、懸濁し、良好な噴霧状態を得るために、種々の溶媒や活性剤等も配合されている。
ところで、このような噴霧型製剤では、製剤としての機能を発揮することと並んで、使用成分が、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds、以下、「VOC」と略記することがある)を含有する製品に関する規則に適合することが重要である。このVOC化合物とは、標準圧力で沸点が約260℃までの有機化合物を意味する。
このVOCに関し、様々な国で規制が存在し、その代表的な規制として、例えば、米国カリフォルニア州における一般消費者製品規則(第2項)(規則)が挙げられるが、この規制では、販売又は製造時に指定限界を超えてVOCを含有する消費者製品の販売、供給、販売の申込み、又は製造を禁止している。
そこで、このようなVOC規制に対応するための製品がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、(a)所定量のアルキレングリコール、(b)所定量の、少なくとも特定のHLBを持つものを含む界面活性剤、(c)所定量の、特定圧力となる圧縮ガス噴射剤、(d)所定量の緩衝系、 (e)所定量の芳香剤および(f)残部の水を含み、VOCを組成物中5.0%未満で、低分子量の1価アルコールを含まず、芳香剤が(i)界面活性剤、(ii)アルキレングリコール、又は(iii)これら両者によって可溶化され、組成物のpHが約4から約8であるエアゾール臭気処理水性組成物組成物が開示されている。
また、特許文献2には、特定量の界面活性剤と、特定量の活性剤と、特定量の圧縮ガス噴射剤及び水性キャリアを含む溶媒和活性剤が、これに含有される圧縮ガスによって加圧された水系組成物であって、この組成物の総重量に対し、活性剤に対する界面活性剤の重量比が約1:3~5:1である組成物が開示されている。
しかし、これらはいずれもLPガスやDMEなどの液化ガスを用いるスプレーのための組成物であり、ガスを用いないポンプスプレーにこの組成物を適用すると、噴霧された組成物の粒子が大きくなってしまうという問題がある。
また、液化ガスを用いるスプレーでは、容器の構造が複雑になり、さらに、揮発性有機化合物規制に対応できる組成物を作成してもガス自体を空間に放出するため、ガスを使わない状態と比較し、使用環境にとって好ましくないという問題点も有している。
特表2013―529971号公報 特表2011-522953号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液化ガスを使用せず、ポンプスプレー、トリガースプレー等の蓄圧式スプレーを用いながら、VOC規制に適合した組成で、消臭成分、香料、防虫成分、殺虫成分などの揮発性活性成分を安定して空気中に噴霧できる噴霧型用組成物の提供を課題とする。
本発明者らは、上記問題点の生じないスプレー組成物について鋭意研究を行った結果、特定のグリコールエーテル、特定のポリグリコール、揮発性活性成分及び界面活性剤を特定の割合で含有してなる組成物は、これを蓄圧式スプレー容器で噴霧することにより、スプレー組成物の上記問題点を解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は次の成分、(A)~(D)
(A) 一般式(I)
Figure 0007305335000001
(式中、R及びRは低級アルキル基を、Rは低級アルキル基又は水素原子
を、Rはヒドロキシ基又は水素原子を、Rは低級アルキル基または低級ヒ
ドロキシアルキル基を示す)
で表されるグリコールエーテル 5質量%~16.5質量%
(B)一般式(II)
Figure 0007305335000002
(式中、L及びLは同一または異なって、エチレン基又は分岐しても良い
プロピレン基、ブチレン基を示し、nは、1~4の数を意味する)
で表されるポリグリコール 44質量%~55質量%
(C)揮発性活性成分 5質量%~10質量%
(D)界面活性剤 0.5質量%~1質量%
および
(E)水 17.5質量%~30質量%
を含有してなる蓄圧式スプレー用組成物を提供するものである。
また本発明は、上記蓄圧式スプレー用組成物を、蓄圧式スプレー容器に充填してなるスプレー製剤である。
本発明の蓄圧用スプレー組成物は、VOC規制に適合しながら、液化ガスを使用しない蓄圧式スプレーによっても、香料、殺虫成分などの揮発性活性成分を安定して空気中に噴霧できるものである。
そして、上記組成物を蓄圧式スプレー容器に充填したスプレー製剤によれば、液化ガスを使わず経済的に、空気中あるいは環境中に揮発性活性成分を適切に噴霧することができる。
本発明において、蓄圧式スプレーとは、ポンプスプレー、トリガースプレー、圧縮空気によるスプレーなどの、噴霧剤(液化ガス)を用いない散布を意味し、蓄圧式スプレー用組成物とは、この散布に用いられる組成物を意味する。
本発明の蓄圧式スプレー組成物(以下、単に「本発明組成物」と略称することがある)は、前記成分(A)から(D)を含有するものである。
このうち成分(A)は、下式(I)で表されるグリコールエーテルである。
Figure 0007305335000003
(式中、R及びRは低級アルキル基を、Rは低級アルキル基又は水素原子
を、Rはヒドロキシ基又は水素原子を、Rは低級アルキル基または低級ヒ
ドロキシアルキル基を示す)
上記の式(I)の各基において、低級アルキル基とは炭素数が1~5のアルキル基をいい、低級ヒドロキシアルキル基とは、炭素数が1~5で、少なくとも1以上のヒドロキシ基を有するヒドロキシアルキル基をいう。
このグリコールエーテル(I)としては、具体的に、3-メトキシ-1-ブタノール、1-メトキシ-2-ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-ブチルアセテートなどを挙げることができる。これらのうち、油性の揮発性活性成分の分散性を高めるという点で、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールが好適に用いられる。
また、本発明組成物に配合される成分(B)は下式(II)で表されるポリグリコールである。
Figure 0007305335000004
(式中、L及びLは同一または異なって、エチレン基又は分岐しても良い
プロピレン基、ブチレン基を示し、nは、1~4の数を意味する)
このポリグリコール(II)としては、具体的に、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコールなどを挙げることができる。これらのうち、グリコールエーテル(成分(A))および後記揮発性活性成分(成分(C))との相溶性の点で、ジプロピレングリコールが好適に用いられる。
さらに、本発明の組成物に用いられる成分(C)揮発性活性成分としては、常温で揮発性を有し、環境空間において、所定の効果を奏する薬剤であり、例えば、消臭成分、香料、防虫成分、殺虫成分、防カビ成分、害虫忌避成分等が挙げられる。これらは、本発明組成物の利用分野、要求性能に応じて、単独であるいは二種以上併せて用いることができる。
このうち、消臭成分としては、天然精油由来の消臭成分を主成分とする揮発消臭性香料 エアリーデオ・フラグランス(AiryDeo(登録商標) Fragrance;高砂香料工業株式会社製)や安定化二酸化塩素等が挙げられる。
香料の例としては、例えば、麝香、霊猫香、竜延香等の動物性香料、アビエス油、アクジョン油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油、パーチ油、ボアバローズ油、カヤブチ油、ガナンガ油、カプシカム油、キャラウェー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、レモン油、レモングラス油、ナツメグ油、マンダリン油、ハッカ油、オレンジ油、セージ油、スターアニス油、テレピン油等の植物性香料を挙げることができる。
また、これらの天然香料に限らず、合成香料又は抽出香料等の人工香料を用いることもでき、例えば、ピネン、リモネン等の炭化水素系香料、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、βフェネチルアルコール等のアルコール系香料、アネトール、オイゲノール等のフェノール系香料、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド等のアルデヒド系香料、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、イオノン等のケトン系香料、γ―ブチルラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン系香料、オクチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル系香料等が挙げられる。さらに、上記香料の2種以上を混合した調合香料も使用することができる。
また、防虫成分、殺虫成分としては、エンペントリン、トランスフルスリン、アレスリン、フェノトリン、エミネンス、プロフルトリン等のピレスロイド系防虫・殺虫成分、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳、2-フェノキシエタノール等が例示でき、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
抗菌防カビ成分としては、特に他の必須成分に影響を与えにくい点で有機化合物系が望ましく、さらにpHの値からは中性から弱酸性のものが望ましい。具体的には、N-(フルオロジクロロメチルチオ)-フタルイミド、N-ジクロロフルオロメチルチオ-N',N'-ジメチル-N-フェニルスルファミド、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、パラクロロメタキシレノール、バラクロロメタクレゾール、ヒノキチオール、ヒバ油、アリルイソチオシアネート、オイゲノール、バニリン、イソボルネオール、サリチルアルデヒド等が好ましく、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
また、害虫忌避成分としては、N,N-ジエチル-m-トルアミド(DEET)やピカリジン(Picarigin)等が例示でき、これらを単独もしくは混合して用いることができる。
更にまた、本発明組成物の成分(D)として、界面活性剤が使用される。この成分(D)は、(A)~(C)成分を水に可溶させられるものであれば、特に限定されないが、好ましくはHLB値が10以上のノニオン系界面活性剤が好ましい。HLB値が10以上のノニオン系界面活性剤としては特にその種類によらず使用することができる。
具体的な成分(D)の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルや、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレン効果ヒマシ油などのポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
このうち、安全性が比較的高いこと、水にも溶剤にもある程度溶けること、本発明組成物を混合する際に混合しやすいこと、混合の作業性を向上させる常温で液体であること等に鑑み、好ましいものとして、ポリオキシエチレンラウリルエーテルやポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレートやポリエチレングリコールモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートやポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートやポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等が挙げられ、さらに好ましいものとして、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートが挙げられる。
また更に、本発明組成物の成分(E)として、水が使用されるが、この水としては特に制約はなく、水道水、脱イオン水、蒸留水等を利用することができる。
本発明組成物の調製は、常法に従い、上記した成分(A)ないし(D)を、必要に応じて溶媒、更には他の任意成分と混合、均一化し、製剤とすることにより行われる。
本発明組成物の製造にあたっての各成分の配合量は、以下のとおりである。すなわち、成分(A)の配合量は、全組成中、5~16.5質量%(以下、「%」と略称する)、好ましくは10~15%である。成分(A)の配合量が16.5%以上では、VOC規制の対象組成物となってしまい、また、5%以下では、成分(C)の溶解状態が悪くなることがある。
また、成分(B)の配合量は、全組成中、44~55%、好ましくは49~54%である。55%以上では、組成物全体の粘度が上がってしまうため、スプレー容器を用いて噴霧した際に芳香組成物を霧の状態にすることが難しくなる場合がある。一方、45%以下ではVOC規制の対象組成物となってしまう。
更に、成分(C)の配合量は、配合する揮発性活性成分に求められる作用効果の程度に応じて決めることができる。例えば、配合する揮発性活性成分が消臭剤や香料の場合、一般には組成物全体の5~10%が好ましく、7~10%がより好ましい。成分(C)の配合量が10%配合しても消臭効果の大きな差が見られず、5%より少ないと十分な消臭効果が発現しにくくなる場合がある。
また、配合する揮発性活性成分が防虫成分や、忌避成分の場合、一般には組成物全体の5~10%が好ましく、7~10%がより好ましい。成分(C)の配合量が10%配合しても防虫効果や忌避効果の大きな差が見られず、5%より少ないと十分な防虫効果や忌避効果が発現しにくくなる場合がある。
また更に、成分(D)の配合量は、全組成中、0.1~10%程度、好ましくは0.5~1%である。10%以上では、蓄圧式のポンプスプレーやトリガースプレーを用いて噴霧した際に、液が大きな粒子となって室内の壁、床、その他部分に飛び散り、べたつきが生じてしまうことがあり、これが皮膚等に付着すると不快に感じることがある。また、蓄圧式ポンプスプレー等のノズルの詰まり等の問題を生じることがある。
更にまた、成分(E)の水の配合量は、全組成中、17.5~30%、好ましくは、20~30%である。
本発明組成物の調製においては、上記した各必須成分の他、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で溶媒やその他の任意成分を用いることができる。
このような溶媒の例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、グリセリン等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキサイド等が挙げられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いることができる。
また、その他の任意成分の例としては、増粘剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、酸・アルカリ等の消臭成分、消泡剤、乳化剤等が挙げられる。
以上のようにして得られる本発明組成物は、蓄圧式スプレー容器、例えば、蓄圧式のポンプスプレー、トリガースプレー、圧縮空気によるスプレーなどの容器に充填し、スプレー製剤として使用することができる。特にポンプスプレー容器に充填とすることが好ましい。
このスプレー製剤としては、台所やトイレの家庭用消臭剤、部屋などの消臭・芳香剤、携帯型の消臭芳香剤、台所・室内での防虫殺虫剤、皮膚などの害虫忌避剤等として利用できる。
本発明のスプレー製剤の好ましい一態様としては、充填された蓄圧式スプレー用組成物の揮発性活性成分が、消臭成分または香料であり、スプレー容器が、ポンプスプレー容器であり、その外形が、携帯に適した形状、大きさ、例えば、長さ5~7cm程度、直径1.5~2.0cm程度の円柱状であるものを挙げることができる。このものであれば、常に携帯し、外出先のトイレやその他の場所で使用することが可能である。
かくして得られるスプレー製剤は、充填された本発明組成物自体が、VOC規制に適合するものであり、しかも、香料、殺虫成分などの揮発性活性成分を均一なこまかい霧として安定して空気中に噴霧できるものであるため、圧縮ガスを使わず経済的に、空気中あるいは環境中に揮発性活性成分を散布することが可能である。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
下記表1の処方にて各成分を混合し、液体の芳香組成物を調製した。得られた各芳香組成物をそれぞれ容量10mlのポンプスプレー容器に入れ、本発明品および比較品の芳香製剤を作成した。得られた各芳香製剤についてVOC規制への該当性、ポンプスプレーの押しやすさ評価、消臭程度、噴霧後のべたつきについて試験を行った。この結果を後記表2に示す。
Figure 0007305335000005
< ポンプの押しやすさ評価 >
8名の消費者モニターに各芳香組成物を入れた芳香製剤(ポンプスプレイヤー)を10回噴霧してもらい、ポンプの押しやすさについて下記基準で評価してもらった。この結果のうち、最も多くの回答のものを状態として評価した。
( 評価基準 )
状 態
ポンプが問題なく押せる 〇
ポンプが少し押しにくい △
ポンプがとても押しにくい ×
<VOC規制への対応>
米国カリフォルニア州における一般消費者製品規則(第2項)(規則)における指定限界(VOC該当物質として18wt%)を超えてVOCを含有するものは×、含有しないものは〇とした。
<消臭試験>
( 悪臭試料の調製 )
トイレで発生する悪臭の代表例としてアンモニアと硫化水素について感覚的消臭試験を実施した。まず、コック付き10Lのエアバッグ内にアンモニア及び硫化水素発生源を入れクリップで密封し、一定時間放置したものを悪臭試料とし、下記試験方法で試験を行った。
( 試験方法 )
活性炭とシリカゲルでろ過した無臭空気で満たした10Lのテドラーバッグを用意した。このテドラーバッグ中に、上記悪臭試料の調整で作成した悪臭を、ガラス製臭気補集用注射器を用いて抜き取り、臭気強度が下記臭気強度にて4.00程度、快・不快度にて-3程度になるように注入した。
この中に本発明品及び比較品の芳香製剤を1回噴霧し、15分置いたあとに、各テドラーバック中の臭気について、8名のパネラーにより、下記基準により臭気強度および快・不快度にて評価した。この評価結果から、悪臭のみの場合と本発明品及び比較品の結果を数値化し、8名のパネラーの平均値を算出して、悪臭のみの数値(ブランク)と本発明品及び比較品の数値を比較し、差の点数がプラス方向に0~1点となったものは×、1~2点となったものは〇として、効果を判定した。
( 評価基準 )
臭気強度;
においの程度 点 数
無 臭 0点
やっと感知できる臭い 1点
何のニオイであるか
わかる弱いにおい 2点
らくに感知できるにおい 3点
強いにおい 4点
強烈なにおい 5点
快・不快度;
状 態 点 数
極めて快い 4点
非常に快い 3点
快 い 2点
やや快い 1点
どちらでもない 0点
やや不快 -1点
不 快 -2点
非常に不快 -3点
極めて不快 -4点
<噴霧後のべたつき>
8名の消費者モニターに、本発明品及び比較品の芳香製剤を渡し、自宅のトイレで床面からの高さ1mで10回噴霧してもらった。噴霧1分後の床面のべたつきについて下記基準で評価してもらい、この結果のうち、最も多くの回答のものを状態として評価した。
( 評価基準 )
状 態 評 価
床面が濡れていない 〇
床面が濡れた状態である △
床面がべたべたである ×
Figure 0007305335000006
以上の結果より、本発明はいずれの評価項目においても良好な結果が得られた。これに対し、比較品1は噴霧のしやすさの点で、比較品2及び3はVOC規制への対応の点で、比較品4は噴霧後のべたつきの点でそれぞれ満足のいくものではなかった。
本発明の蓄圧スプレー用組成物は、VOC規制に適合するものであり、しかも圧縮ガスを使用しない噴霧器を用いて香料、殺虫成分などの揮発性活性成分を、こまかい霧として安定化された状態で空気中に噴霧できるものである。
従って、このスプレー用組成物を充填したスプレー製剤は、安全で経済的なものとして、芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤、忌避剤等のトイレタリー分野において広く利用し得るものである。

Claims (9)

  1. 次の成分、(A)~(D)
    (A) 一般式(I)
    Figure 0007305335000007
    (式中、R1及びR5は低級アルキル基を、R2は低級アルキル基又は水素原子
    を、R3はヒドロキシ基又は水素原子を、R4は低級アルキル基または低級ヒ
    ドロキシアルキル基を示す)
    で表されるグリコールエーテル 5質量%以上16.5質量%未満
    (B)一般式(II)
    Figure 0007305335000008
    (式中、L1及びL2は同一または異なって、エチレン基又は分岐しても良いプ
    ロピレン基、ブチレン基を示し、nは、1~4の数を意味する)
    で表されるポリグリコール 4質量%55質量%以下
    (C)揮発性活性成分 5質量%~10質量%
    (D)界面活性剤 0.5質量%~1質量%
    および
    (E)水 17.5質量%~30質量%
    を含有してなる蓄圧式スプレー用組成物(但し、グルコン酸塩を含有するものを除く)。
  2. 前記成分(A)のグリコールエーテルが、3-メトキシ-1-ブタノール、1-メトキシ-2-ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール及び3-メトキシ-3-メチル-ブチルアセテートの1種若しくは2種以上である請求項1に記載の蓄圧式スプレー用組成物。
  3. 前記成分(B)のポリグリコールが、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール及びテトラエチレングリコールの1種若しくは2種以上である請求項1または2に記載の蓄圧式スプレー用組成物。
  4. 前記成分(C)の揮発性活性成分が、消臭成分、香料、防虫成分、殺虫成分または防カビ成分または害虫忌避成分である請求項1ないし3の何れかに記載の蓄圧式スプレー用組成物。
  5. 前記成分(D)の界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤である請求項1ないし4の何れかに記載の蓄圧式スプレー用組成物。
  6. 前記成分(D)の界面活性剤が、ポリオキシエチレンモノラウレートである請求項1ないし5の何れかに記載の蓄圧式スプレー用組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれかの項記載の蓄圧式スプレー用組成物を、蓄圧式スプレー容器に充填してなるスプレー製剤。
  8. 前記蓄圧式スプレー容器が、ポンプスプレー容器またはトリガースプレー容器である請求項7記載のスプレー製剤。
  9. 充填された蓄圧式スプレー用組成物の揮発性活性成分が、消臭成分または香料であり、前記スプレー容器が、ポンプスプレー容器であり、携帯に適した形状、大きさである請求項7または8記載のスプレー製剤。
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