JP7303015B2 - 樹脂複合体の製造方法、及び変性セルロース繊維 - Google Patents
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(1)変性セルロースナノファイバーと、樹脂とを含有する樹脂複合体であって、前記変性セルロースナノファイバーは、平均繊維長0.7~1.3mmおよび長径が3mm以上の凝集物数が乾燥重量0.5gあたり30個以下の変性セルロース繊維が混練機内で解繊されてなるものである、樹脂複合体。
(2)前記変性セルロースナノファイバーは、アセチル化セルロースナノファイバーであり、前記アセチル化セルロースナノファイバーは、アセチル基置換度が0.4~1.3である(1)記載の樹脂複合体。
また、本発明の樹脂複合体は、粉砕機の回転刃で径1mm以上、5mm以下のスクリーンに対して変性セルロース繊維を押し付けながら粉砕し、前記スクリーンを通過させる粉砕工程と、前記粉砕工程において前記スクリーンを通過した前記変性セルロース繊維および樹脂を混練機に投入する投入工程と、前記投入工程で投入された前記変性セルロース繊維と前記樹脂とを混練しつつ、前記変性セルロース繊維を解繊し、変性セルロースナノファイバーおよび前記樹脂を含有する樹脂複合体を得る工程とを含む製造方法により、製造することができる。
粉砕工程に用いる粉砕機の概略を図1に示す。図1に示す粉砕機2は、被粉砕材料を投入するための投入口4を有する本体6、本体6に固定された固定刃8、投入口4から投入された被粉砕材料を粉砕室10に引き込むブレード12aを有する回転刃12、粉砕された材料の排出粒度を調整するスクリーン14を備えている。
本発明に用いる変性セルロース繊維は、セルロース原料に対して各種の化学変性を行うことで得られる。化学変性の種類としては、アシル化、リン酸化等のエステル化、酸化(カルボキシル化)、カルボキシメチル化、シランカップリング、フッ素化、カチオン化等が挙げられる。中でも、アシル化によるエステル化が好ましく、アシル基の中でも、アセチル基を用いるアセチル化がより好ましい。
本発明において、セルロース原料とは、セルロースを主体とした様々な形態の材料をいい、リグノセルロースを含むものであり、パルプ(晒又は未晒木材パルプ、晒又は未晒非木材パルプ、精製リンター、ジュート、マニラ麻、ケナフ等の草本由来のパルプなど)、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロース、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等の何らかの溶媒に溶解した後に紡糸された再生セルロース、及び上記セルロース原料に加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル等の機械的処理等をすることによってセルロースを解重合した微細セルロースなどが例示される。
(エステル化)
本発明において、セルロース原料をエステル化して、エステル化セルロース繊維を得る方法は、特に限定されないが例えば、セルロース原料にアシル基やリン酸基を導入する方法が挙げられ、疎水化が容易で、樹脂と混ざりやすくなる観点から、アシル基を導入する方法(アシル化)が好ましい。
アシル化セルロース繊維としては、セルロース表面に存在する水酸基が低級アシル基で置換されていることが好ましい。なお、上記「低級」は「炭素数が1~5である」ことを示す。アシル基(R-CO-)で、「低級アシル基」と言う場合、そのRは炭素数が1~5のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基(ピバル基)、ペンチル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。
本発明において、セルロース原料の酸化(カルボキシル化)は公知の方法を用いて行うことができ、特に限定されるものではないが、セルロース繊維の絶乾重量に対して、カルボキシル基の量が0.5mmol/g~3.0mmol/gになるように調整することが好ましい。
本発明において、セルロース原料をカルボキシメチル化してカルボキシメチル化セルロース繊維を得る方法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではないが、セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシメチル基置換度が0.01~0.50となるように調整することが好ましい。その一例として次のような製造方法を挙げることができるが、従来公知の方法で合成してもよく、市販品を使用してもよい。セルロースを発底原料にし、溶媒に3~20重量倍の水及び/又は低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、N-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、N-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、又は2種以上の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60~95重量%である。マーセル化剤としては、発底原料の無水グルコース残基当たり0.5~20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。発底原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0~70℃、好ましくは10~60℃、かつ反応時間15分~8時間、好ましくは30分~7時間、マーセル化処理を行う。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05~10.0倍モル添加し、反応温度30~90℃、好ましくは40~80℃、かつ反応時間30分~10時間、好ましくは1時間~4時間、エーテル化反応を行う。
本発明において、セルロース原料のカチオン化は公知の方法を用いて行うことができ、カチオン化により例えば、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、これらアンモニウム、ホスホニウムまたはスルホニウムを有する基をセルロース分子に有することができるが、アンモニウムを有する基が好ましく、特に、四級アンモニウムを含む基が好ましい。具体的なカチオン化の方法としては、特に限定されるものではないが、一例として、セルロース原料にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハイドライト又はそのハロヒドリン型などのカチオン化剤と触媒である水酸化アルカリ金属(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)を水及び/又は炭素数1~4のアルコールの存在下で反応させることによって、四級アンモニウムを含む基を有する、カチオン変性されたセルロース繊維を得ることができる。
上記のようにして得られた変性セルロース繊維がナトリウム塩等の塩型である場合には、酸添加処理を行って、酸型の変性セルロース繊維とすることにより、疎水性とすることができ、樹脂と混ざりやすい観点から好ましい。酸添加処理とは、変性セルロース繊維の分散液中に酸を添加する処理である。酸は、無機酸でも有機酸でもよい。無機酸としては例えば、硫酸、塩酸、硝酸、亜硫酸、亜硝酸、リン酸、二酸化塩素発生装置の残留酸などの鉱酸が挙げられ、好適には塩酸である。有機酸としては例えば、酢酸、乳酸、蓚酸、クエン酸、蟻酸などが挙げられる。酸処理時のpHは、通常2以上であり、3以上が好ましい。上限は6以下が好ましく、5以下が好ましい。従ってpHは、2~6が好ましく、2~5がより好ましく、3~5が更に好ましい。酸の添加量に特に制限はなく、変性セルロース繊維が凝集して半透明のゲル状物質が沈殿した時点で酸の添加を終了すればよい。
化学変性により得られた変性セルロース繊維は、変性処理後(必要に応じて酸添加処理後)に、水などを用いた洗浄処理を行うことが好ましい。
洗浄処理においては必要に応じて脱水を行ってもよい。脱水は例えば、遠心分離法による脱水が挙げられる。脱水は、溶媒中の固形分が25~50%程度になるまで行うことが好ましい。
本発明に用いる変性セルロース繊維は、粉砕工程に用いる前に、乾燥させることが好ましい。乾燥は、例えば、送風乾燥機や真空乾燥機を用いて行うことができる。乾燥は、変性セルロース繊維の含水率が1~5%程度になるまで行うことが好ましい。
投入工程においては、粉砕工程でスクリーンを通過した変性セルロース繊維および樹脂を混練機に投入する。混練機に投入する際には、フィーダーを用いることが好ましい。また、投入前に、変性セルロース繊維および樹脂を混合しておくことが好ましい。本発明においては、粉砕工程でスクリーンを通過した変性セルロース繊維を用いるため、混練機に投入する際に、変性セルロース繊維の繊維塊が適度に解れており、投入口(シュート部)におけるブリッジ(詰まり)の発生を抑制することができる。また、混練機のスクリューへの食い込みが良好なものとなる。
投入工程で用いる混練機の概略を図2に示す。図2に示す混練機16は、ケーシング18内に平行に配設した一対の混練軸20を等速で回転駆動する二軸型の混練機である。各混練軸20には混練部材としての小判型のパドル22が取り付けられている。この混練機16においては、各混練軸20のパドル22の回転領域の一部が重なって、パドル22の尖端部がケーシング18の内面に付着する混練物を掻き取るとともに、一方のパドル22の尖端部が他方のパドル22の表面に付着した混練物を掻き取る構造となっている。本発明では、上記パドルの形状としてニーダーやローターといった被混練材料に高せん断力を付与できるピースを1つ以上設定されていることが好ましく、2つ以上が連続して設定されていることがより好ましい。
上記投入工程において混練機16に投入された変性セルロース繊維と樹脂は、溶融混練され、この溶融混練時に発生するせん断力により変性セルロース繊維が解繊され、変性セルロースナノファイバーおよび樹脂を含有する本発明の樹脂複合体を製造することができる。
本発明に用いる樹脂(以下、「マスターバッチ用樹脂」ということがある)としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド(以下「PA」とも記す、またナイロン樹脂とも記す)、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とエステルとの共重合樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、(熱可塑性)ポリウレタン、ポリアセタール、アセタールとオキシエチレンとの共重合体、ビニルエーテル樹脂、セルロース系樹脂(ジアセチル化セルロース等)等を好ましく使用することができる。中でも、ポリアミド(PA)は、分子構造内に極性の高いアミド結合を有するため、セルロース系材料との親和性が高いため、好ましく使用することができる。
本発明においては、上記の通り、変性セルロース繊維と樹脂とを混練機内で溶融混練しつつ、変性セルロース繊維を解繊することで、変性セルロースナノファイバーと樹脂を含有する樹脂複合体を調製することができる。
セルロースナノファイバーは、繊維径が4~1000nm程度、アスペクト比が100以上の微細繊維である。
上記の製造方法により得られる本発明の樹脂複合体は、変性セルロースナノファイバーを含むため、曲げ強度に優れる。また、上記の製造方法により得られる変性セルロースナノファイバーおよび樹脂を含有する樹脂複合体は、さらに希釈用樹脂で希釈して用いることもできる。
(逆滴定方法によるDSの測定)
アセチル化セルロース繊維の試料を乾燥し、0.5g(A)を正確に秤量した。そこにエタノール75mL、0.5NのNaOH 50mL(0.025mol)(B)を加え、3~4時間撹拌した。これを濾過、水洗、乾燥し、濾紙上の試料のFT-IR測定を行い、エステル結合のカルボニルに基づく吸収ピークが消失していること、つまりエステル結合が加水分解されていることを確認した。
濾液を下記の逆滴定に用いた。
濾液には加水分解の結果生じた酢酸ナトリウム塩及び過剰に加えられたNaOHが存在する。このNaOHの中和滴定を1NのHClを用いて行った(指示薬にはフェノールフタレインを使用)。
=セルロースなどの水酸基にエステル結合していたアセチル基のモル数(C)
・(セルロース繰り返しユニット分子量162
×セルロース繰り返しユニットのモル数(未知(D))
+(アセチル基の分子量43×(C))
=秤量した試料0.5g(A)
上記式より、セルロースの繰り返しユニットのモル数(D)を算出した。
・DS=(C)/(D)
変性セルロース繊維の平均繊維長は、変性セルロース繊維0.1gを500mLの水で撹拌・離解した懸濁液を準備し、Lorentzen & Wettre社製のFiber Testerにて測定した。変性セルロース繊維中の凝集物数は、90℃の送風乾燥機で3時間以上乾燥した変性セルロース繊維0.5gを採取し、この中で長軸の長さが3mm以上、短軸の長さが1mm以上の塊の数を数え評価を行った。
実施例および比較例において、操業性の指標として、変性セルロース繊維および樹脂の混合物を混練機に対して、フィーダーを用いて投入する際の、混練機シュート部での詰まりの回数を計測した。混練機シュート部での詰まりは、7時間の連続運転を3回実施し、発生する詰まり回数の平均を求めた。結果を表1及び2に示す。
実施例および比較例で得られたペレット状の樹脂複合体150gを小型成形機(Xplore Instruments社製「MC15」)に投入し、加熱筒(シリンダー)の温度250℃、金型温度は40℃の条件で、バー試験片を成形した。(厚さ4mm、並行部長さ80mm)得られた試験片について、精密万能試験機(島津製作所(株)製「オートグラフAG-Xplus」を用いて、試験速度10mm/分、標点間距離は64mmで、曲げ強度を測定した。
希釈用樹脂のみを用いて上記と同様にバー試験片を成形し、得られた試験片について上記と同様に曲げ強度を測定し、PA6ニート樹脂およびPPニート樹脂の曲げ強度として、それぞれ85MPa、50MPaを得た。
上記測定で得られた実施例および比較例の試験片の曲げ強度の値を、樹脂複合体を製造する際に用いた希釈用樹脂(PA6ニート樹脂又はPPニート樹脂)の試験片の曲げ強度の値で除することにより補強率を算出し、下記基準で評価した。結果を表1及び2に示す。
〇:ニート樹脂に対する補強率が1.35以上
△:ニート樹脂に対する補強率が1.20以上、1.35未満
×:ニート樹脂に対する補強率が1.20未満
なお、実施例1-6、及び比較例1、2については、希釈用樹脂としてPA6樹脂を用いたため、PA6ニート樹脂の曲げ強度の値を用い、実施例7及び比較例3については、希釈用樹脂としてPP樹脂を用いたため、PPニート樹脂の曲げ強度の値を用い、それぞれ補強率を算出した。
(粉砕機1)
(株)ホーライ製「UGO3-280XKFT」
回転刃形式:オープンストレートカッタ
(粉砕機2)
不二パウダル(株)製「パワーミルFL-200」
回転刃形式:フラッシュミル
(株)テクノベル製「MFU15TW-45HG-NH」二軸混練機
スクリュー径:15mm、L/D:45、処理速度:300g/時
スクリュー回転数は、通常200rpmで運転した。混練温度は200~220℃で運転した。
(アセチル化セルロース繊維の調製)
含水針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)8.0kg(固形分4.0kg)を、撹拌機(日本コークス工業(株)製「FM150L」)に投入した後、撹拌を開始し、50℃で減圧脱水した。次いで、無水酢酸4.0kgを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、水で洗浄し変性セルロース繊維としてのアセチル化セルロース繊維(アセチル化修飾NUKP)を得た。次いでアセチル化セルロース繊維を乾燥機に投入し、60~70℃で減圧乾燥した。得られたアセチル化セルロース繊維の含水率を、赤外水分計で測定した。含水率は、2.3重量%であった。アセチル化セルロース繊維のアセチル基置換度(DS)は0.7であった。
この時点で上記アセチル化セルロース繊維は綿状の繊維塊となっていた。この繊維塊を解す目的で粉砕機による処理を実施した。粉砕機はスクリーンに回転刃全体で押し付けるタイプの粉砕機として、粉砕機1を用い、径が1mmのスクリーンを通したアセチル化セルロース繊維を準備した。
(a)変性セルロース繊維(アセチル化セルロース繊維)
(b)マスターバッチ用樹脂
・PA6:(宇部興産(株)製PA6 P1011F)
(c)希釈用樹脂
・PA6:(宇部興産(株)製PA6 1011FB)
(d)酸化防止剤:BASF製「Irganox 1010」
上記の粉砕機による処理を行ったアセチル化セルロース繊維(絶対乾燥物として930g)、マスターバッチ用樹脂(PA6:1200g)及び酸化防止剤(70g)を、ポリエチレン製の袋に入れ、振り交ぜて混合した。得られた混合物2200gを前述の二軸混練機に付属するフィーダー((株)テクノベル製)を用いて混練機に投入、加熱温度下で混練し、(a)アセチル化セルロース繊維に由来するアセチル化セルロースナノファイバー、(b)マスターバッチ用樹脂、及び(d)酸化防止剤を含むマスターバッチAを製造した。
得られたマスターバッチA60gと希釈用樹脂(PA6)120gとを混合し、前記二軸混練機にて加熱温度下で混練した。次いで溶融混練物をペレタイザーを用いてペレット化し、(a)アセチル化セルロース繊維に由来するアセチル化セルロースナノファイバー、(b)マスターバッチ用樹脂、(c)希釈用樹脂及び(d)酸化防止剤を含むペレット状の樹脂複合体(成形体)Aを得た。
径が1mmのスクリーンに代えて、径が3mmのスクリーンを通したアセチル化セルロース繊維を準備し、これを用いたこと以外は、実施例1と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
径が1mmのスクリーンに代えて、径が5mmのスクリーンを通したアセチル化セルロース繊維を準備し、これを用いたこと以外は、実施例1と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
使用するアセチル化セルロース繊維の反応時間を1時間としてDSを0.4で調整した以外は、実施例2と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
使用するアセチル化セルロース繊維の反応時間を10時間としてDSを1.0で調整した以外は、実施例2と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
使用するアセチル化セルロース繊維の反応時間を15時間としてDSを1.3で調整した以外は、実施例2と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
スクリーンに回転刃全体で被粉砕物を押し付けるタイプの粉砕機1に代えて、スクリーンに刃全体で被粉砕物を押し付けないタイプの粉砕機2(S/C目穴φ3mm)にて処理したアセチル化セルロース繊維を準備し、これを用いたこと以外は、実施例1と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
乾燥後のアセチル化セルロース繊維に対して、粉砕処理を行わず、この未粉砕のアセチル化セルロース繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
径が1mmのスクリーンに代えて、径が3mmのスクリーンを通したこと以外は実施例1と同様に粉砕機による処理を行ったアセチル化セルロース繊維を準備し、使用する樹脂を以下のように変更してマスターバッチBおよび樹脂複合体Bの製造を行った。
(マスターバッチB及び樹脂複合体Bの製造に使用した材料)
(a)変性セルロース繊維(アセチル化セルロース繊維)
(b)マスターバッチ用樹脂
・PA6:(宇部興産(株)製PA6 P1011F)
・ PP:(日本ポリプロ(株)製PP MA04Aを凍結粉砕により粉末としたもの)
(c)希釈用樹脂
・ PP:(日本ポリプロ(株)製PP MA04A)
(d)酸化防止剤:BASF製「Irganox 1010」
上記の粉砕機による処理を行ったアセチル化セルロース繊維(絶対乾燥物として930g)、マスターバッチ用樹脂(PA6:600g)、マスターバッチ用樹脂(PP:600g)及び酸化防止剤(70g)を、ポリエチレン製の袋に入れ、振り交ぜて混合した。得られた混合物2200gを前述の二軸混練機に付属するフィーダー((株)テクノベル製)を用いて混練機に投入、加熱温度下で混練し、(a)アセチル化セルロース繊維に由来するアセチル化セルロースナノファイバー、(b)マスターバッチ用樹脂、及び(d)酸化防止剤を含むマスターバッチBを製造した。
得られたマスターバッチB60gと希釈用樹脂(PP)120gとを混合し、前記二軸混練機にて加熱温度下で混練した。次いで溶融混練物をペレタイザーを用いてペレット化し、(a)アセチル化セルロース繊維に由来するアセチル化セルロースナノファイバー、(b)マスターバッチ用樹脂、(c)希釈用樹脂及び(d)酸化防止剤を含むペレット状の樹脂複合体(成形体)Bを得た。
乾燥後のアセチル化セルロース繊維に対して、粉砕処理を行わず、この未粉砕のアセチル化セルロース繊維を用いたこと以外は、実施例7と同様に、マスターバッチおよび樹脂複合体の製造を行った。
Claims (3)
- 変性セルロースナノファイバーと、樹脂とを含有する樹脂複合体の製造方法であって、
平均繊維長0.7~1.3mmおよび長径が3mm以上の凝集物数が乾燥重量0.5gあたり30個以下の変性セルロース繊維と、樹脂とを含む混合物を混練機で混練する工程を含み、
前記変性セルロースナノファイバーは、前記変性セルロース繊維が前記混練機内で解繊されてなるものである、樹脂複合体の製造方法。 - 前記変性セルロースナノファイバーは、アセチル化セルロースナノファイバーであり、前記アセチル化セルロースナノファイバーは、アセチル基置換度が0.4~1.3である請求項1記載の樹脂複合体の製造方法。
- 樹脂複合体に用いられる変性セルロース繊維であって、
平均繊維長0.7~1.3mmおよび長径が3mm以上の凝集物数が乾燥重量0.5gあたり30個以下である、変性セルロース繊維。
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