JP7302442B2 - 距離測定装置 - Google Patents
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Description
車両の周囲に関する情報を取得するセンサとして、光を照射し、物体からの反射光を受光することで、照射から受光までの時間を計測し、この時間に基づいて、光を反射した物体までの距離を測定する距離測定装置が知られている。
本開示は、距離測定精度を向上させることを目的とする。
受光アレイ部は、物体で反射した光を検出する複数の光検知器(31)が一つの画素を形成するように構成され、画素を1つ以上備える。
分割画素ヒストグラム作成部は、画素の受光面を分割した複数の分割領域毎に、分割領域を形成する複数の光検知器の検出結果に基づいて、タイミング情報と光量情報との関係を示すヒストグラムである分割画素ヒストグラムを作成するように構成される。
このように構成された本開示の距離測定装置は、一つの画素における複数の分割領域毎に、分割画素ヒストグラムを作成する。これにより、本開示の距離測定装置は、反射強度が互いに異なる複数の物体が近接して存在する領域に照射された光を受光アレイ部が受光することにより一画素ピーク波形の幅が広くなった場合に、反射強度が互いに異なる複数の物体のそれぞれに対応した分割画素ヒストグラムを作成することが可能となる。
以下に本開示の第1実施形態を図面とともに説明する。
本実施形態の距離測定装置1は、車両に搭載され、車両の周辺に存在する各種物体までの距離を測定する。
照射部2は、パルス状のレーザ光を、予め設定された間隔で繰り返し照射するとともに、その照射タイミングを信号処理部4に通知する。以下、レーザ光を照射する周期を、計測周期という。
信号処理部4は、CPU41、ROM42およびRAM43等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成された電子制御装置である。マイクロコンピュータの各種機能は、CPU41が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、ROM42が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムの実行により、プログラムに対応する方法が実行される。なお、CPU41が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、信号処理部4を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
そして、画素PXiに含まれるMi個の光検知器31は、パルス信号Pi1~PiMiをそれぞれ個別に信号処理部4へ出力する。例えば、画素PX1はパルス信号P11~P1M1を出力し、画素PX2はパルス信号P21~P2M2を出力し、画素PXkはパルス信号P11~P1Mkを出力する。
信号処理部4は、照射部2から通知された直近の照射タイミングを起点としてパルス信号Pijが入力したタイミングを示すタイミング情報と、入力したパルス信号Pijの出力元を示すパルス識別情報とにより構成されたパルス入力情報を、RAM43に一時的に記憶する。これにより、信号処理部4は、入力したパルス信号の出力元を特定した状態でパルス入力タイミングを記憶することができる。例えば、信号処理部4は、パルス信号Pijが入力した場合には、画素PXiにおけるj番目の光検知器31から出力されるパルス信号であることを特定することができる。
そしてCPU41は、S20にて、画素PXiにおける全体のヒストグラムを作成する。具体的には、CPU41は、まず、直近の照射タイミング以降にRAM43に記憶された複数のパルス入力情報の中から、出力元が画素PXiであるパルス入力情報を抽出する。そしてCPU41は、抽出した複数のパルス入力情報を集計して、直近の照射タイミングを起点とした時間を横軸とし、パルス信号の入力個数(以下、パルス入力個数)を縦軸として、パルス入力個数の時間変化を示すヒストグラムを一画素ヒストグラムとして作成する。
第1相似条件は、一画素ヒストグラムのピークタイミングと、右側分割画素ヒストグラムのピークタイミングと、左側分割画素ヒストグラムのピークタイミングとが、ほぼ一致していることである。具体的には、第1相似条件は、一画素ヒストグラムのピークタイミングを含むように設定された第1相似判定範囲内に、右側分割画素ヒストグラムのピークタイミングおよび左側分割画素ヒストグラムのピークタイミングが含まれていることである。
第3相似条件は、一画素ヒストグラムのピークタイミングと、上側分割画素ヒストグラムのピークタイミングと、下側分割画素ヒストグラムのピークタイミングとが、ほぼ一致していることである。具体的には、第3相似条件は、一画素ヒストグラムのピークタイミングを含むように設定された第3相似判定範囲内に、上側分割画素ヒストグラムのピークタイミングおよび下側分割画素ヒストグラムのピークタイミングが含まれていることである。
S110に移行すると、CPU41は、S20で作成された一画素ヒストグラムに基づき、光を反射した物体までの距離を算出して、算出した距離を示す全体距離情報を生成し、S140に移行する。
次に、一画素ヒストグラム、右側分割画素ヒストグラム、左側分割画素ヒストグラム、上側分割画素ヒストグラムおよび下側分割画素ヒストグラムの具体例を説明する。
図6のヒストグラムHG2は、矩形RC2で示すように画素の左半分で集計することにより作成される左側分割画素ヒストグラムである。
図6のヒストグラムHG4は、矩形RC4で示すように画素の上半分で集計することにより作成される上側分割画素ヒストグラムである。
ヒストグラムHG1におけるピーク波形PK1のピークタイミングと、ヒストグラムHG2におけるピーク波形PK2のピークタイミングと、ヒストグラムHG3におけるピーク波形PK3のピークタイミングとが、ほぼ一致している。すなわち、第1相似条件が成立している。
ヒストグラムHG1におけるピーク波形PK1ピークタイミングと、ヒストグラムHG4におけるピーク波形PK4のピークタイミングとが、ほぼ一致している。しかし、ヒストグラムHG1におけるピーク波形PK1のピークタイミングと、ヒストグラムHG5におけるピーク波形PK5のピークタイミングとが一致していない。すなわち、第3相似条件が成立していない。
このため、信号処理部4は、上側距離情報および下側距離情報を生成する。
図7のヒストグラムHG11は、矩形RC1で示すように画素全体で集計することにより作成される一画素ヒストグラムである。
図7のヒストグラムHG13は、矩形RC3で示すように画素の右半分で集計することにより作成される左側分割画素ヒストグラムである。
図7のヒストグラムHG15は、矩形RC5で示すように画素の下半分で集計することにより作成される下側分割画素ヒストグラムである。
ヒストグラムHG11におけるピーク波形PK11のピークタイミングと、ヒストグラムHG14におけるピーク波形PK14のピークタイミングとが一致していない。また、ヒストグラムHG11におけるピーク波形PK11のピークタイミングと、ヒストグラムHG15におけるピーク波形PK15のピークタイミングとが一致していない。すなわち、第3相似条件が成立していない。
このため、信号処理部4は、上側距離情報および下側距離情報を生成する。
図8のヒストグラムHG21は、矩形RC1で示すように画素全体で集計することにより作成される一画素ヒストグラムである。
図8のヒストグラムHG23は、矩形RC3で示すように画素の右半分で集計することにより作成される左側分割画素ヒストグラムである。
図8のヒストグラムHG25は、矩形RC5で示すように画素の下半分で集計することにより作成される下側分割画素ヒストグラムである。
ヒストグラムHG21におけるピーク波形PK21のピークタイミングと、ヒストグラムHG24におけるピーク波形PK24のピークタイミングと、ヒストグラムHG25におけるピーク波形PK25のピークタイミングとが、ほぼ一致している。すなわち、第3相似条件が成立している。
このため、信号処理部4は、全体距離情報を生成する。
照射部2は、物体に光を照射する。受光アレイ部3は、物体で反射した光を検出する複数の光検知器31が一つの画素PXiを形成するように構成され、k個の画素PXiを備える。
信号処理部4は、画素PXiの受光面を分割した2つの右側分割領域Rrおよび左側分割領域Rlのそれぞれについて、右側分割領域Rrおよび左側分割領域Rlを形成する複数の光検知器31の検出結果に基づいて、タイミング情報とパルス入力個数との関係を示す右側分割画素ヒストグラムおよび左側分割画素ヒストグラムを作成する。
以下に本開示の第2実施形態を図面とともに説明する。なお第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分を説明する。共通する構成については同一の符号を付す。
第2実施形態の距離測定処理は、S60,S70,S90,S100の代わりにS65,S75,S95,S105の処理が実行される点が第1実施形態と異なる。
第5相似条件は、右側分割画素ヒストグラムのピークタイミングと、左側分割画素ヒストグラムのピークタイミングとが、ほぼ一致していることである。具体的には、第5相似条件は、右側分割画素ヒストグラムのピークタイミングを含むように設定された第5相似判定範囲内に、左側分割画素ヒストグラムのピークタイミングが含まれていることである。
また、S80の処理が終了すると、CPU41は、S95にて、上側分割画素ヒストグラムと下側分割画素ヒストグラムとを比較する。具体的には、CPU41は、まず、上側分割画素ヒストグラムおよび下側分割画素ヒストグラムのそれぞれについて、ピーク最大値とピークタイミングとを検出する。
第7相似条件は、上側分割画素ヒストグラムのピークタイミングと、下側分割画素ヒストグラムのピークタイミングとが、ほぼ一致していることである。具体的には、第7相似条件は、上側分割画素ヒストグラムのピークタイミングを含むように設定された第7相似判定範囲内に、下側分割画素ヒストグラムのピークタイミングが含まれていることである。
信号処理部4は、分割判断条件が成立したか否かを判断する。分割判断条件は、右側分割画素ピーク波形と左側分割画素ピーク波形とが互いに相似していないことを含む。また分割判断条件は、上側分割画素ピーク波形と下側分割画素ピーク波形とが互いに相似していないことを含む。
本開示に記載の信号処理部4およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の信号処理部4およびその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の信号処理部4およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。信号処理部4に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
Claims (5)
- 物体に光を照射するように構成された照射部(2)と、
前記物体で反射した前記光を検出する複数の光検知器(31)が一つの画素を形成するように構成され、前記画素を1つ以上備える受光アレイ部(3)と、
前記画素を形成する複数の前記光検知器の検出結果に基づいて、前記照射部による前記光の照射タイミングからの経過時間を表す複数のタイミング情報と、複数の前記タイミング情報から特定される複数のタイミングのそれぞれにおいて前記画素で受光された光量を表す光量情報との関係を示すヒストグラムである一画素ヒストグラムを作成するように構成された一画素ヒストグラム作成部(S20)と、
前記一画素ヒストグラムにおけるピーク波形である一画素ピーク波形に基づいて、前記光を反射した前記物体までの距離である物体距離を算出するように構成された一画素距離算出部(S110)と、
前記画素の受光面を分割した複数の分割領域毎に、前記分割領域を形成する複数の前記光検知器の検出結果に基づいて、前記タイミング情報と前記光量情報との関係を示すヒストグラムである分割画素ヒストグラムを作成するように構成された分割画素ヒストグラム作成部(S50,S80)と、
複数の前記分割領域毎に、前記分割画素ヒストグラムにおける前記ピーク波形である分割画素ピーク波形に基づいて、前記物体距離を算出するように構成された分割画素距離算出部(S120,S130)と、
前記一画素ピーク波形の幅が広いことを示す予め設定された分割判断条件が成立したか否かを判断するように構成された分割判断部(S60,S90,S65,S95)と、
前記分割判断条件が成立していないと前記分割判断部が判断した場合には、前記物体距離の算出を前記一画素距離算出部に実行させ、前記分割判断条件が成立していると前記分割判断部が判断した場合には、前記物体距離の算出を前記分割画素距離算出部に実行させるように構成された算出切替部(S70,S100,S75,S105)と
を備える距離測定装置(1)。 - 請求項1に記載の距離測定装置であって、
前記分割判断条件は、複数の前記分割画素ピーク波形が互いに相似していないことを含む距離測定装置。 - 請求項1に記載の距離測定装置であって、
前記分割判断条件は、前記一画素ピーク波形と、複数の前記分割画素ピーク波形の少なくとも一つとが、互いに相似していないことを含む距離測定装置。 - 請求項1~請求項3の何れか1項に記載の距離測定装置であって、
前記一画素ピーク波形の高さが予め設定された高さ閾値未満である場合に、前記算出切替部による切り替えを実行させず、前記物体距離の算出を前記一画素距離算出部に実行させるように構成されたピーク高算出判断部(S40)を備える距離測定装置。 - 請求項1~請求項4の何れか1項に記載の距離測定装置であって、
前記一画素ピーク波形の幅が予め設定された幅閾値未満である場合に、前記算出切替部による切り替えを実行させず、前記物体距離の算出を前記一画素距離算出部に実行させるように構成されたピーク幅算出判断部(S30)を備える距離測定装置。
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