JP7398350B2 - 立軸ポンプ - Google Patents
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Description
この立軸ポンプ装置では、給水タンクと給水ポンプと給水管と冷却制御部とを備えており、給水タンクに貯水された冷却水が給水ポンプによって汲み上げられ、給水管及び給水路を経由して保護管の下端から供給されるようになっている。
従来の特許文献1及び2に記載の技術では、潤滑水を水道水等の他圧水として供給するために外部にポンプを設置する必要があり、高コストになってしまうという不都合があった。また、ポンプを水中モータとの一体構造とする方法もあるが、水中モータは耐久性に劣り、高価であるため、やはりコストが増大してしまう。さらに、水道管が設置されていないところでは、水道水を潤滑水として供給することが困難であった。
また、セラミックス軸受・樹脂軸受を使用する立軸斜流ポンプ等では、一般的に無注水軸受と呼ばれた方式である原水を利用した自己循環により使用されてきたが、豪雨等の洪水時で大量の土砂が原水(河川水)と共に内部に流入した場合、軸受が破損してしまう問題があった。すなわち、主軸を支持する軸受本体の溝に泥水となった原水中の土砂が堆積し、水循環が絶たれて過熱し破損する問題があった。
すなわち、この立軸ポンプでは、濾過水加圧ポンプ部が、主軸の外周面に設けられた螺旋状溝又は回転フィンを有しているので、主軸が回転すると濾過水加圧ポンプ部の螺旋状溝又は回転フィンも回転して周囲の原水を加圧して排出流路に押し出すことができる。
すなわち、この立軸ポンプでは、複数の原水導入流路が、主軸の回転方向に軸線を傾けて開口しているので、主軸が回転すると原水導入流路に周囲の原水が入ると共に加圧され、排出流路に導かれる。
すなわち、この立軸ポンプでは、ケーシングが、内部に羽根車より上の主軸及び軸受を内側に配して保護する保護管を備え、原水供給機構が、濾過後の原水を保護管内に供給するので、保護管内に供給された原水が軸受を冷却すると共に主軸下部の濾過水加圧ポンプ部まで流れるので、別途軸受に対する原水の供給管を設ける必要がない。
すなわち、この立軸ポンプでは、排出流路が、吸水口内に配され下端部に原水を吸水口の中心軸に対して上面視で右回り方向に向けて排出する複数の排出口を周方向に有した旋回流発生部を備えているので、旋回流発生部により吸水口下方で発生させる右回りの旋回流により、吸水時に発生し易い左回りの旋回流を相殺させて、渦の発生を抑制することができる。
すなわち、この立軸ポンプでは、内部に排出流路を有すると共に吸水口から下方に突出していると共に下方に向けて原水を排出する下方噴出管を備えているので、吸水口の中心下方に堆積し易い土砂を、下方噴出管から下方に向けてジェット噴流として噴射される原水により攪拌し吹き飛ばし、安定した排水を継続可能とすることができる。
すなわち、本発明の立軸ポンプによれば、原水供給機構が、軸受に供給する前に原水中のゴミ又は泥を除去し濾過する濾過器と、主軸の下部に設けられ軸受に供給される前又は供給された後の原水を主軸の回転によって加圧する濾過水加圧ポンプ部と、濾過水加圧ポンプ部で加圧された原水をケーシング内からケーシング外に排出可能な排出流路とを備えているので、主軸が回転すると濾過水加圧ポンプ部によって加圧された原水を排出流路から外部に押し出すことができる。
したがって、本発明の立軸ポンプでは、外部ポンプが不要で低コストで構成でき、水道管が配設されていない場所でも原水を軸受に供給して冷却することが可能になると共に、土砂による軸受の破損を防止可能となる。
なお、本実施形態の立軸ポンプ1は、羽根車2から吐出される流れが主軸3の中心線を軸とする円錐面内にある斜流ポンプである。
本実施形態では、図2に示すように、ねじポンプである螺旋状溝8aを主軸3の外周面に有した濾過水加圧ポンプ部8が採用されている。
すなわち、本実施形態の濾過水加圧ポンプ部8は、主軸3の下部(シャフトスリーブ部分)に深溝を掘って又は螺旋状のフィンを設けて螺旋状溝8aを形成したねじポンプであり、主軸3の回転に伴って回転することで原水を排出流路9に押し出すスクリューポンプとして機能する。
濾過水加圧ポンプ部8で加圧、増圧された原水は、下方のセラミックス軸受4を介して濾過水加圧ポンプ部8下方の濾過水排水用空間9aに送り込まれる。
上記排出流路9は、濾過水排水用空間9aに一端が接続され他端がケーシング5外に接続されている。このため、濾過水排水用空間9aに送り込まれた原水は、排出流路9を介してケーシング5外に排出される。
上記外側ケーシング部5Bは、複数の筒状体が軸線方向に連結されて構成されている。
すなわち、外側ケーシング部5B内の上部に一端が接続され外側ケーシング部5B内で羽根車2により吐き出される原水を外部に導き出す導出配管6aと、導出配管6aの他端に接続された濾過器(ストレーナ)7と、濾過器7に接続され濾過された原水中の泥等を除去するフィルタ6bと、フィルタ6bを通った原水を保護管5A内の上部に供給する供給配管6cとを備えている。
上記濾過器7は、原水中の大きめなゴミを主に除去するストレーナであり、上記フィルタ6bは、原水中の泥等の細かい粒子を主に除去する機能を有している。
また、濾過器7内のゴミや泥等は、第1排出管6eにより取水槽へ排出される。
さらに、外側ケーシング部5Bには、空気弁6fを介して空気抜き管6gの一端が接続され、空気抜き管6gの他端が取水槽に接続されている。
なお、図中において二点鎖線の矢印線で原水の流れを示している。
なお、本実施形態の立軸ポンプ1では、上部に屋外立軸全閉外扇電動機Mを設置して主軸3を回転駆動している。このように地上型設置の電動機Mを採用することで、羽根車直上に水中モータを設置する場合に比べて信頼性と寿命とが向上する。
また、この保護管5Aは、ケーシング5内の排水(原水)と保護管5A内の濾過済みの原水との混濁を防いでいる。なお、保護管5Aの内外は、簡易なシール(ラビリンス、グラントパッキン、簡易メカニカルシール)などで遮断されている。
上記羽根車(インペラ)2は、主軸3の下部に固定されたインペラボス2aの外周面に設けられている。
羽根車2の上方には、案内羽根2bが外側ケーシング部5Bの内側に設けられている。
また、濾過水加圧ポンプ部8が、主軸3の外周面に設けられた螺旋状溝又は回転フィンを有しているので、主軸3が回転すると濾過水加圧ポンプ部8の螺旋状溝又は回転フィンも回転して周囲の原水を加圧して排出流路9に押し出すことができる。
上記複数の原水導入流路28bは、原水導入口28aにおいて主軸3の回転方向に軸線を傾けて開口している。
排出流路29は、複数の原水導入流路28bが接続され主軸3内に設けられた主軸内流路29aと、主軸3の下端に同軸上に配されて主軸内流路29aが接続されケーシング5内の下部に支持板5gを介して固定された排出管29bとを備えている。
また、排出流路29は、吸水口5a内に配され下端部に原水を吸水口5aの中心軸に対して上面視で右回り方向に向けて排出する複数の排出口27cを周方向に有した旋回流発生部27を備えている。
上記旋回流発生部27は、図4の(b)に示すように、排出管29bの下端に接続された上部筒部27aと、上部筒部27aの下部に設けられ下部筒部27bとを備えている。
複数の旋回流用羽根27eは、中心の上部筒部27aから半径方向外方に向かって、かつ右回りに曲がりながら延在しており、排出管29bから送り出される原水を複数の旋回流用羽根27eがガイドすることで、上面視で右回り方向に向けて原水を複数の排出口27cから排出可能となっている。
なお、濾過水加圧ポンプ部28の外径を大きくする程、下方から排出する水量を増やすことができる。
なお、底部から吸水口5aまでの距離は、吸水口5aの内径Dと同じに形成され、下方噴出管39a下端と底部までの距離は、0.5D程度に設定される。
上記噴出管39aは、主軸3の下端に同軸上に配されて主軸内流路29aが接続されケーシング5内の下部に支持板5gを介して固定されている。
また、噴出管39aの上部には、主軸3の下端が内側に挿入されているが、回転する主軸3が摺動しないように主軸3との間に隙間を設けている。
なお、濾過水加圧ポンプ部8で加圧された原水は、第1実施形態と同様に、排水流路9を介して側方からケーシング5外に排出される。
外側ケーシング部5B内で吸い上げられる原水の一部は、案内羽根2bの内側の内壁5dに設けられた流通孔5bを介して、流通孔5bの内側に形成された内側空間5fから噴出用ポンプ部48の外周であってインペラボス2a内に設けられたボス内空間48a内に供給される。
なお、内側空間5fとボス内空間48aとは、連通している。また、主軸内流路29aと下方噴出管39aとは、連通している。
すなわち、流通孔5b,内側空間5f,ボス内空間48a,原水導入流路28b及び主軸内流路29aは、噴流用流路5eを構成している。
上記フィルタ5cは、流通孔5bに嵌め込まれたメッシュ板である。
なお、下方噴出管39aの下部を旋回流発生部27に変更する事で下方で発生させる右回りの旋回流により、吸水時に発生し易い左回りの旋回流を相殺させて、渦の発生を抑制することもできる。また、噴出用ポンプ部48の外径を大きくする程、下方から排出する水量を増やすことができる。
Claims (4)
- 下端に羽根車が取り付けられ回転駆動される主軸と、
軸受を介して前記主軸を回転可能に支持し原水を吸い上げる吸水口を端部に有したケーシングと、
前記軸受に前記原水を供給する原水供給機構とを備え、
前記原水供給機構が、前記軸受に供給する前に前記原水中のゴミ又は泥を除去し濾過する濾過器と、
前記主軸の下部に設けられ前記軸受に供給される前又は供給された後の前記原水を前記主軸の回転によって加圧する濾過水加圧ポンプ部と、
前記濾過水加圧ポンプ部で加圧された前記原水を前記ケーシング内から前記ケーシング外に排出可能な排出流路とを備え、
前記排出流路が、前記主軸の内部に前記主軸に沿って形成され、
前記濾過水加圧ポンプ部が、前記主軸の内部に形成され前記主軸の外周面に一端が開口していると共に他端が前記排出流路に接続された複数の原水導入流路を備え、
前記複数の原水導入流路が、前記主軸の回転方向に軸線を傾けて開口していることを特徴とする立軸ポンプ。 - 下端に羽根車が取り付けられ回転駆動される主軸と、
軸受を介して前記主軸を回転可能に支持し原水を吸い上げる吸水口を端部に有したケーシングと、
前記軸受に前記原水を供給する原水供給機構とを備え、
前記原水供給機構が、前記軸受に供給する前に前記原水中のゴミ又は泥を除去し濾過する濾過器と、
前記主軸の下部に設けられ前記軸受に供給される前又は供給された後の前記原水を前記主軸の回転によって加圧する濾過水加圧ポンプ部と、
前記濾過水加圧ポンプ部で加圧された前記原水を前記ケーシング内から前記ケーシング外に排出可能な排出流路とを備え、
前記排出流路が、前記吸水口内に配され下端部に前記原水を前記吸水口の中心軸に対して上面視で右回り方向に向けて排出する複数の排出口を周方向に有した旋回流発生部を備えていることを特徴とする立軸ポンプ。 - 請求項2に記載の立軸ポンプにおいて、
前記濾過水加圧ポンプ部が、前記主軸の外周面に設けられた螺旋状溝又は回転フィンを有していることを特徴とする立軸ポンプ。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の立軸ポンプにおいて、
前記ケーシングが、内部に前記羽根車より上の前記主軸及び前記軸受を内側に配して保護する保護管と、
前記保護管を前記主軸と共に内側に収納した外側ケーシング部とを備え、
前記原水供給機構が、前記濾過後の前記原水を前記保護管内に供給することを特徴とする立軸ポンプ。
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