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JP7376315B2 - コンクリート移送構造、コンクリート打設装置、及びコンクリート打設方法 - Google Patents

コンクリート移送構造、コンクリート打設装置、及びコンクリート打設方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート移送構造、コンクリート打設装置、及びコンクリート打設方法に関する。
特許文献1には、生コンクリートを移送するためのトレミー管を用いて、水中に生コンクリートを打設する技術が記載されている。トレミー管を用いた生コンクリートの打設においては、トレミー管の下端を打設中の生コンクリート中に挿入した状態でトレミー管内に生コンクリートを供給して打設箇所まで生コンクリートを移送する。
特開平9-217352号公報
トレミー管を用いた生コンクリートの打設においては、生コンクリートの供給開始時にトレミー管内に水が存在する場合がある。そのような場合、トレミー管内において、生コンクリートに先流れ現象が生じると、生コンクリート内に水が混入することによって生コンクリートに材料分離が生じ、当該生コンクリートが硬化して構成される構造物の品質低下につながるおそれがある。このため、トレミー管への生コンクリートの供給開始時において、トレミー管内の生コンクリートへの水の混入を回避することが望まれている。
ここで、たとえばスポンジボール等によってトレミー管内に栓をした状態にて生コンクリートを供給することにより、トレミー管内の生コンクリートへの水の混入を回避することも考えられる。しかしながら、スポンジボール等がコンクリート内に異物として残存してしまうと、硬化したコンクリートの強度を低下させ、当該コンクリートによって構成される構造物の品質を低下させるおそれがある。
本発明は、コンクリートによって構成される構造物の品質低下を抑制可能なコンクリート移送構造、コンクリート打設装置、及びコンクリート打設方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るコンクリート移送構造は、水中に打設される生コンクリートを通過させるコンクリート移送管と、外袋体と、外袋体の内部に充填された充填物と、を有し、コンクリート移送管の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管内に保持され、コンクリート移送管の上流側から生コンクリートが供給されたときに、コンクリート移送管の下流側に押し動かされる栓体と、コンクリート移送管の下流側の端部に設けられ、外袋体を破壊するための外袋体破壊部と、を備える。
このコンクリート移送構造においては、充填物が気体であってもよい。この構成では、コンクリート移送管の上流側から生コンクリートが供給されたときに、栓体が下流側に押し動かされる。栓体は、コンクリート移送管の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管内に保持されているので、生コンクリートが、栓体によって水と隔離された状態のままコンクリート移送管内を通過する。これにより、コンクリート移送管内において、生コンクリートへの水の混入が抑制される。また、栓体が、外袋体と当該外袋体の内部に充填された気体とを有し、コンクリート移送管の下流側の端部には外袋体を破壊するための外袋体破壊部が設けられている。例えば、外袋体破壊部によって外袋体が穿孔されるように破壊された場合には、穿孔箇所から排出された気体が外部空間に放出されて、栓体のうち外袋体が潰されたシート状の残骸が生コンクリート内に残存し得る。あるいは、外袋体破壊部によって外袋体が切り裂かれるように破壊された場合には、気体を保持できなくなった外袋体から分離した気体が外部空間に放出されて、外袋体の破片であるシート状の残骸が生コンクリート内に残存し得る。このように、打設された生コンクリート内には、ほぼ外袋体だけの体積に相当する(ほぼ厚みを持たない)シート状の残骸のみが異物として残存し得るので、硬化したコンクリートの強度低下が抑制される。以上により、コンクリートによって構成される構造物の品質低下を抑制できる。
このコンクリート移送構造においては、充填物が経時硬化性材料であってもよい。この構成では、コンクリート移送管の上流側から生コンクリートが供給されたときに、栓体が下流側に押し動かされる。栓体は、コンクリート移送管の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管内に保持されているので、生コンクリートが、栓体によって水と隔離された状態のままコンクリート移送管内を通過する。これにより、コンクリート移送管内において、生コンクリートへの水の混入が抑制される。また、栓体が、外袋体と当該外袋体の内部に充填された経時硬化性材料とを有し、コンクリート移送管の下流側の端部には外袋体を破壊するための外袋体破壊部が設けられている。外袋体が穿孔され、あるいは切り裂かれて外袋体と経時硬化性材料とが分離された場合には、外袋体は、潰される等によってシート状の残骸となる。また、経時硬化性材料は、生コンクリート内で経時的に硬化することにより強度を発揮する。あるいは、仮に、外袋体が破壊され損ねた場合には、生コンクリート内で外袋体の内部に充填されたまま、経時硬化性材料が経時的に硬化することにより栓体が強度を発揮する。このように、打設された生コンクリート内には、ほぼ外袋体だけの体積に相当する(ほぼ体積を持たない)シート状の残骸と、強度を発揮する硬化後の経時硬化性材料と、のみが異物として残存し得るので、硬化したコンクリートの強度低下が抑制される。以上により、コンクリートによって構成される構造物の品質低下を抑制できる。
外袋体破壊部は、コンクリート移送管の縁からコンクリート移送管の内側に向かって片持ちで延び、コンクリート移送管の上流に向かって突出していてもよい。この場合、外袋体が破壊されることで生じる残骸が外袋体破壊部に引っ掛かりやすくなるので、コンクリート移送管の撤去に伴って、外袋体の残骸を当該コンクリート移送管ごと排出し得る。
本発明の他の側面に係るコンクリート移送構造は、水中に打設される生コンクリートを通過させるコンクリート移送管と、外袋体と、外袋体の内部に充填された経時硬化性材料と、を有し、コンクリート移送管の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管内に保持され、コンクリート移送管の上流側から生コンクリートが供給されたときに、コンクリート移送管の下流側に押し動かされる栓体と、を備える。
本発明の一側面に係るコンクリート打設装置は、上記のいずれかのコンクリート移送構造と、コンクリート移送管の上流側の端部に接続され、生コンクリートをコンクリート移送管に圧送するコンクリート圧送機構と、を備える。
このコンクリート打設装置においては、生コンクリートが圧送によって供給されるので、栓体によって生コンクリートと水とを隔離した状態にて、コンクリート移送管に生コンクリートを通過させやすい。この場合、生コンクリートの圧送前の栓体は、コンクリート移送管内の所定位置に留まる必要がある。しかし、コンクリート圧送機構が存在することにより、コンクリート移送管の上流側は開放されていないので、上流側から吊る等して栓体を留めることは困難である。これに対し、本コンクリート移送構造においては、栓体がコンクリート移送管の内壁に保持されるので、生コンクリートの圧送前の栓体をコンクリート移送管内の所定位置に留めることができる。したがって、生コンクリートが圧送によって供給される構成において特に有利である。
コンクリート移送管は、コンクリート移送管内の空気を抜くためのバルブを有し、栓体がバルブよりも下流側のコンクリート移送管の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管内に保持された状態にて、コンクリート移送管への生コンクリートの圧送が開始されてもよい。この場合、圧送される生コンクリートと栓体との間に存在していた空気をバルブによってコンクリート移送管外に抜くことができるので、生コンクリートへの空気の混入が低減される。したがって、生コンクリートの材料分離がさらに抑制され、当該生コンクリートが硬化したコンクリートによって構成される構造物の品質低下をさらに抑制できる。
本発明の一側面に係るコンクリート打設方法は、水中に、生コンクリートを通過させるためのコンクリート移送管を配置する第1工程と、コンクリート移送管内に栓体を配置する第2工程と、コンクリート移送管内に生コンクリートを供給する第3工程と、を備え、栓体は、外袋体と、外袋体の内部に充填された充填物と、を有しており、コンクリート移送管の下流側の端部には、外袋体を破壊するための外袋体破壊部が設けられており、第3工程では、コンクリート移送管の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管内に保持された栓体が、コンクリート移送管の上流側から供給された生コンクリートによってコンクリート移送管の下流側に押し動かされる。
本発明によれば、コンクリートによって構成される構造物の品質低下を抑制可能なコンクリート移送構造、コンクリート打設装置、及びコンクリート打設方法を提供することができる。
図1は、第1実施形態に係るコンクリート打設装置の構成を示す概略側面図である。 図2は、図1のコンクリート移送管の内部を拡大して示す部分断面図である。 図3は、図1の外袋体破壊部を示す斜視図である。 図4は、第1実施形態に係るコンクリート打設方法の各工程を示す概略側面図である。 図5は、第1実施形態に係るコンクリート打設方法の各工程を示す概略側面図である。 図6は、第1実施形態に係るコンクリート打設方法の各工程を示す概略側面図である。 図7は、第2実施形態に係るコンクリート打設装置の構成を示す概略側面図である。 図8は、図7のコンクリート移送管の内部を拡大して示す部分断面図である。 図9は、外袋体破壊部の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
はじめに、第1実施形態に係るコンクリート打設装置について説明する。図1は、第1実施形態に係るコンクリート打設装置の構成を示す概略側面図である。図1に示すコンクリート打設装置1Aは、たとえば、建設現場においてコンクリート杭(いわゆる場所打ち杭)を構築するために用いられる。コンクリート杭の直径は、たとえば1.0m~数mである。コンクリート杭の長さは、たとえば10m~40mである。コンクリート杭は、地盤Gを掘削して形成された掘削孔H内に構築される。掘削孔Hの地盤表層部の孔壁Haには、口元管Kが設けられている。口元管Kの上端には、たとえばH形鋼等の横架材Sが架け渡されている。また、掘削孔H内には、孔壁Haに作用する地盤からの側方荷重に対し、孔壁Haを支持するための水W(いわゆる安定液)が収容されている。水Wは、たとえばベントナイト泥水である。水Wの水位は、たとえば地下水よりも高い水位に維持されている。なお、掘削孔H内には、鉄筋かご(不図示)等がさらに配置されていてもよい。
コンクリート杭は、水Wが満たされた掘削孔H内に生コンクリートC(図6(b)を参照)が打設されることによって構築される。コンクリート打設装置1Aは、水W中に生コンクリートCを打設するための装置である。コンクリート打設装置1Aは、コンクリート圧送機構2と、コンクリート移送構造3と、を備える。
コンクリート圧送機構2は、コンクリート移送構造3に生コンクリートCを供給する。コンクリート圧送機構2は、生コンクリートCが収容された収容部21と、収容部21に収容された生コンクリートCをコンクリート移送構造3に圧送する圧送部22と、を備える。収容部21は、たとえばコンクリートミキサー車である。圧送部22は、たとえば、コンクリートポンプ車である。圧送部22は、収容部21(たとえば、コンクリートミキサー車のドラム)に接続された配管(不図示)を介して生コンクリートCを受け取るとともに、ポンプの吐出圧力により、コンクリート移送構造3(具体的には、後述するコンクリート移送管5のテーパー管53)に接続された配管(不図示)を介してコンクリート移送構造3に生コンクリートCを圧送する。
コンクリート移送構造3は、掘削孔H内に打設される生コンクリートCを移送する。コンクリート移送構造3は、生コンクリートCを通過させるコンクリート移送管5と、コンクリート移送管5内に配置されたボール7(栓体)と、コンクリート移送管5の端部に設けられた外袋体破壊部9と、を備える。
コンクリート移送管5は、トレミー管51と、エルボ管52と、テーパー管53と、を有する。トレミー管51は、鋼製のパイプ(いわゆる鉛直管)であって、掘削孔H内において、掘削孔Hの延在方向(たとえば鉛直方向)に沿うように配置される。トレミー管51は、掘削孔H内において水W中に挿入されている。具体的には、トレミー管51は、下流側の一部を水W中に挿入させている。トレミー管51の下流側の端部は、掘削孔Hの底面よりも上方(たとえば0.2m~0.3m上方)に位置している。トレミー管51の上流側の端部は、掘削孔Hの開口よりも上方に突出している。
トレミー管51は、トレミー管用パイプ51aを有する。本実施形態において、トレミー管51は、複数のトレミー管用パイプ51aを有しており、当該複数のトレミー管用パイプ51aが掘削孔Hの延在方向に連結されることによってトレミー管51が構成されている。複数のトレミー管用パイプ51aは、互いに同じ内径を有する。各トレミー管用パイプ51aの内径は、200mm(呼び径8インチ)であってもよいし、250mm(呼び径10インチ)であってもよい。トレミー管用パイプ51aの数は、たとえば掘削孔Hの深さ(構築されるコンクリート杭の長さ)に応じて適宜設定される。トレミー管用パイプ51aは、生コンクリートCを通す本体管51bと、本体管51bの軸方向の両端部に設けられたフランジ51cと、を有する。各フランジ51cは、たとえば溶接等によって本体管51bの端部に接続されている。本実施形態において、本体管51bとフランジ51cとの接続箇所には、補強のためのリブ51dが接続されている。フランジ51cには、ボルトを挿通させる複数のボルト孔51h(図3を参照)が設けられている。掘削孔Hの延在方向に隣り合う2つのトレミー管用パイプ51aは、フランジ51c同士をボルト及びナットによって締結させることで互いに連結されている。また、最上段のトレミー管用パイプ51aの上流側の端部に設けられたフランジ51cは、横架材S上に載置されている。これにより、トレミー管51が横架材Sによって吊り支持されている。
エルボ管52及びテーパー管53は、トレミー管51とコンクリート圧送機構2(具体的には、圧送部22に接続された配管)とを連結する。エルボ管52は、L型のパイプである。エルボ管52は、トレミー管51の上流側の端部に接続されている。エルボ管52の内径は、たとえばトレミー管51の内径(すなわち、トレミー管用パイプ51aの内径)と同じである。
エルボ管52は、生コンクリートCを通す本体管52aと、本体管52aの軸方向の両端部に設けられたフランジ52bと、本体管52aの中間部に設けられたバルブ52cと、を有する。各フランジ52bは、たとえば溶接等によって本体管52aの端部に接続されている。エルボ管52とトレミー管51(最上段のトレミー管用パイプ51a)とは、フランジ52bとフランジ51cとをボルト及びナットによって締結させることで互いに連結されている。バルブ52cは、コンクリート移送管5内の空気を抜くために用いられる。バルブ52cは、開状態とすることによりエルボ管52の内部を外部空間に連通させるとともに、閉状態とすることによりエルボ管52の内部を外部空間から遮断する。
テーパー管53は、エルボ管52とコンクリート圧送機構2(具体的には、圧送部22に接続された配管)とを連結する。テーパー管53は、円錐状に先細りしたパイプである。テーパー管53の下流側の端部の内径は、エルボ管52の内径と同じである。テーパー管53の上流側の端部の内径は、圧送部22に接続された配管の内径と同じである。テーパー管53は、エルボ管52から離れるにつれて(換言すると、コンクリート圧送機構2に近づくにつれて)徐々に内径が狭くなっている。
テーパー管53は、生コンクリートCを通す本体管53aと、本体管53aの軸方向の両端部に設けられたフランジ53bと、を有する。各フランジ53bは、たとえば溶接等によって本体管53aの端部に接続されている。テーパー管53とエルボ管52とは、フランジ53bとフランジ52bとをボルト及びナットによって締結させることで互いに連結されている。
ボール7は、コンクリート移送管5の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5内に保持されている。図2は、図1のコンクリート移送管の内部を拡大して示す部分断面図である。ボール7は、コンクリート移送管5内の栓として機能する。ボール7は、外袋体71と、外袋体71の内部に充填された気体72(充填物)と、を有する。外袋体71は、伸縮可能な材質によって構成されている。外袋体71の材質の例としては、ゴム及び樹脂等が挙げられる。膨らんだ状態の外袋体71の形状は、たとえば球形状である。外袋体71の直径は、膨らんだ状態において、トレミー管51の内径よりも若干大きい。ただし、外袋体71の直径は、膨らんだ状態において、トレミー管51の内径と同じであってもよい。外袋体71は、内部に気体72を充填した状態で密閉されている。
本実施形態において、気体72はたとえば空気である。気体72は、外袋体71の内部に圧入されている。気体72は、充填圧によって外袋体71に対して内圧を作用させる。この気体72の充填圧(内圧)により、ボール7がコンクリート移送管5の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5内に保持されている。また、図2に示されるように、ボール7は、コンクリート移送管5の上流側から生コンクリートCが供給されたときに、コンクリート移送管5の下流側に押し動かされる。ボール7は、コンクリート移送管5の内壁面の全周に接した状態で、コンクリート移送管5内を移動する。ボール7は、生コンクリートCに下流側に向けて押されることにより、コンクリート移送管5内の水Wを下流側に押し出しながらコンクリート移送管5内を移動する。
ボール7の例としては、バレーボール用のボール(以下、単に「バレーボール」という。)が挙げられる。バレーボールのうち、外袋体71としてのゴムチューブ及び表皮を有する2層構造のものをボール7として用いてもよいし、当該2層構造のものから表皮を除去したものをボール7として用いてもよい。あるいは、バレーボールのうち、外袋体71としてのカバーゴムを有する1層構造のものをボール7として用いてもよい。たとえば、トレミー管51のトレミー管用パイプ51aの内径が200mmである場合(すなわち、トレミー管用パイプ51aとして、呼び径8インチのものを用いる場合)、バレーボールのうち、5号のボールをボール7として用いてもよいし、4号のボールを用いてもよい。5号のボールの直径は、207mm~213mmである。4号のボールの直径は、197~204mmである。ボール7として、たとえばソフトビニールボール(玩具)等のバレーボール以外のものが用いられてもよい。
外袋体破壊部9は、コンクリート移送管5の下流側の端部に設けられている。図3は、図1の外袋体破壊部を示す斜視図である。外袋体破壊部9は、ボール7の外袋体71を破壊(破損)するための部材である。外袋体破壊部9は、本体部91と、固定部92と、本体部91と固定部92とを連結する連結部93と、を有する。
本体部91は、トレミー管51の下流側の端部の縁からトレミー管51の内側に向かって片持ちで延び、トレミー管51の上流側に向かって突出している。本体部91は、トレミー管51の上流側を向くように形成された刃を有している。本体部91の先端は、トレミー管51の下流側の端部よりも上方に位置していてもよい。固定部92は、フランジ51cに沿うように延びる矩形平板状の部分である。固定部92には、厚み方向に貫通するボルト孔92hが設けられている。外袋体破壊部9は、フランジ51cと固定部92とをボルトB及びナットNによって締結させることで、トレミー管51(最下段のトレミー管用パイプ51a)に取り付けられている。本実施形態においては、鋼板を折り曲げ加工及び刃付け加工することによって外袋体破壊部9が形成されている。
次に、第1実施形態に係るコンクリート打設方法について説明する。図4~図6は、第1実施形態に係るコンクリート打設方法の各工程を示す概略側面図である。本実施形態においては、まず、図4(a)に示されるように、地盤Gを掘削することによって掘削孔Hを形成する。具体的には、口元管Kを地盤G内に圧入し、構築されるコンクリート杭に応じた規定深さまで口元管Kの内部を掘削する。その際、孔壁Haの崩壊を防止するために、掘削孔Hに水Wを注入する。
次に、図4(b)に示されるように、掘削孔H内の水W中に、コンクリート移送管5を配置する(第1工程)。具体的には、トレミー管51を配置する。このとき、配置されるトレミー管51には、エルボ管52及びテーパー管53がまだ接続されていない。トレミー管51を配置する前に、掘削孔H内に鉄筋かごを配置してもよい。掘削孔H内に鉄筋かごを配置した場合には、鉄筋かご内にトレミー管51を挿入する。ここでは、トレミー管51を掘削孔Hの上方から吊り下ろすことによって、掘削孔H内の水W中に、トレミー管51を配置する。
次に、図4(c)に示されるように、コンクリート移送管5内にボール7を装填する(第2工程)。具体的には、ボール7を、バルブ52cよりも下流側においてエルボ管52の内壁面の全周に接触させて、エルボ管52内にボール7が保持された状態とする。ここでは、エルボ管52の内部に外袋体71(しぼんだ状態の外袋体71)を配置した状態で外袋体71の内部に気体72(ここでは、空気)を充填してもよいし、外袋体71の内部に気体72を充填した状態でボール7をエルボ管52の内部に装填してもよい。ボール7は、エルボ管52の内壁面と外袋体71との摩擦力によってエルボ管52内の所定の位置に保持される。
ここで、外袋体71の内部に気体72を充填する際の充填圧について詳細に説明する。図5は、充填圧について説明するための図である。図5(a)は、コンクリート移送構造3の全体を示し、図5(b)は、図5(a)のコンクリート移送管5(トレミー管51)の一部を拡大して示している。図5に示されるように、充填圧pの気体72を有するボール7が、生コンクリートCの供給中にコンクリート移送管5内の鉛直方向に距離Xだけ移動した瞬間を考える。このとき、ボール7に生コンクリートCから作用する水頭圧Pだけではボール7が移動しない(ボール7が生コンクリートCを支持可能である)ためには、ボール7の外袋体71とコンクリート移送管5(ここでは、トレミー管51)の内壁との摩擦抵抗力Fが当該位置における水頭圧Pよりも大きいことが求められる。すなわち、下式(1)で表される水頭圧Pと、下式(2)で表される摩擦抵抗力Fと、が下式(3)を満たすことが求められる。本実施形態では、第2工程において、この式(3)を満たす充填圧p(ここでは、空気圧)を導出し、導出した充填圧pにてボール7に気体72が充填されるように充填圧pを調整する(充填圧調整工程)。
Figure 0007376315000001

Figure 0007376315000002

Figure 0007376315000003

w :生コンクリートCの単位体積重量
X :距離(すなわち、ボール7より上部に供給される生コンクリートCの高さ)
φ :コンクリート移送管5(ここでは、トレミー管51)の内径
μ :ボール7の外袋体71とトレミー管51の内壁との摩擦係数
p :ボール7の外袋体71に気体72を充填する際の充填圧
d :トレミー管51内に配置された状態のボール7の外径
l :ボール7とトレミー管51の内壁との接触幅
このとき、距離Xとして、コンクリート移送管5内において、生コンクリートCに先流れ現象が生じない値を設定してもよい。距離Xは、コンクリート移送管5の頂部(エルボ管52の頂面)と水Wの水面との距離(たとえば2~3m)であってもよいし、コンクリート移送管5の鉛直方向の全長であってもよい。また、たとえばボール7として汎用のバレーボールを用いた場合、充填圧(p)がバレーボールの競技用の適正内圧よりも所定の大きさだけ大きくなるように、ボール7の外袋体71に気体72が充填されてもよい。
エルボ管52の内部にボール7を装填した後、エルボ管52とトレミー管51とを互いに連結する。また、エルボ管52とテーパー管53とを互いに連結する。その状態で、テーパー管53とコンクリート圧送機構2(図1を参照)とを接続したら、コンクリート移送構造3への生コンクリートCの供給を開始する(第3工程)。具体的には、バルブ52cを開状態にするとともに、ボール7がバルブ52cよりも下流側のエルボ管52の内壁面の全周に接触してエルボ管52内に保持された状態にて、コンクリート圧送機構2によってコンクリート移送管5への生コンクリートCの圧送を開始する。
そして、エルボ管52内におけるバルブ52cが設けられた位置を生コンクリートCが通過したら、バルブ52cを閉状態に切り替える。エルボ管52内におけるバルブ52cが設けられた位置を生コンクリートCが通過したか否かは、たとえばバルブ52cからの空気の抜ける音等によって判断される。これにより、圧送される生コンクリートCがボール7に到達した状態で、生コンクリートCがコンクリート移送管5内を通過する。生コンクリートCの供給(圧送)により、図6(a)に示されるように、ボール7がコンクリート移送管5の下流側に押し動かされる。
その後、図6(b)に示されるように、コンクリート移送管5の下流側の端部において、ボール7の外袋体71が外袋体破壊部9によって破壊(破損)されるとともに、生コンクリートCの圧力によって外袋体71が潰される。外袋体71の内部の気体72は、外袋体71から排出され、水W中を通って外部空間に放出される。これにより、ボール7が栓として機能しなくなり、生コンクリートCがコンクリート移送管5内から掘削孔Hの底部に排出される。
掘削孔H内においては、常に、コンクリート移送管5(トレミー管51)の下流側が所定長さ(たとえば2m)だけ生コンクリートC内に埋まった状態で生コンクリートCが打設される。具体的には、水Wの水面の高さを常に計測し、水Wの水面の高さの変化値を、コンクリート移送管5の下流側のうち生コンクリートC内に埋まっている長さの変化値とみなして、打設状況を管理する。そして、トレミー管51における生コンクリートCに埋まった部分が所定長さを超えたら、コンクリート圧送機構2による生コンクリートCの圧送を一時中断し、トレミー管51の一部を引き抜いて、最上段のトレミー管用パイプ51aを撤去する(最上段のトレミー管用パイプ51aとエルボ管52との連結、及び最上段のトレミー管用パイプ51aとその下段のトレミー管用パイプ51aとの連結をそれぞれ解除する)。このとき、口元管Kの一部もトレミー管51とともに引き抜かれ撤去されてもよい。
以後、第2工程及び第3工程を繰り返し実行し、掘削孔H内に生コンクリートCが充填されたら、生コンクリートCの打設が完了する。なお、コンクリート移送管5の下流側の端部において、ボール7の外袋体71が外袋体破壊部9によって破壊された際に、潰れた外袋体71の残骸が外袋体破壊部9に引っ掛かった場合には、最下段のトレミー管用パイプ51aの撤去に伴って当該残骸を掘削孔H内から排出する。そして、打設完了した生コンクリートCの硬化によってコンクリート杭が構築される。
[作用効果]
第1実施形態に係るコンクリート移送構造3及びコンクリート打設方法においては、コンクリート移送管5の上流側から生コンクリートCが供給されたときに、ボール7が下流側に押し動かされる。ボール7は、コンクリート移送管5の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5内に保持されているので、生コンクリートCが、ボール7によって水Wと隔離された状態のままコンクリート移送管5内を通過する。これにより、コンクリート移送管5内において、生コンクリートCへの水Wの混入が抑制される。また、ボール7が、外袋体71と当該外袋体71の内部に充填された気体72とを有し、コンクリート移送管5の下流側の端部には外袋体71を破壊するための外袋体破壊部9が設けられている。例えば、外袋体破壊部9によって外袋体71が穿孔されるように破壊された場合には、穿孔箇所から排出された気体72が外部空間に放出されて、ボール7のうち外袋体71が偏平に潰されたシート状の残骸が生コンクリートC内に残存し得る。あるいは、外袋体破壊部9によって外袋体71が切り裂かれるように破壊された場合には、気体72を保持できなくなった外袋体71から分離した気体72が外部空間に放出されて、外袋体71の破片であるシート状の残骸が生コンクリートC内に残存し得る。このように、打設された生コンクリートC内には、ほぼ外袋体71だけの体積に相当する(ほぼ厚みを持たない)シート状の残骸のみが異物として残存し得るので、硬化したコンクリートの強度低下が抑制される。以上により、コンクリートによって構成される構造物の品質低下を抑制できる。
また、外袋体破壊部9の本体部91は、コンクリート移送管5の縁からコンクリート移送管5の内側に向かって片持ちで延び、コンクリート移送管5の上流に向かって突出している。この構成により、外袋体71が破壊されることで生じる残骸が外袋体破壊部9(本体部91)に引っ掛かりやすくなるので、コンクリート移送管5の撤去に伴って、外袋体71の残骸を当該コンクリート移送管5ごと排出し得る。
ここで、水中にコンクリート杭等のコンクリート構造物を構築する他の方法として、プランジャ式のトレミー工法が知られている。このトレミー工法においては、掘削孔内に打設される生コンクリートを移送するために、掘削孔内において、掘削孔の延在方向(たとえば鉛直方向)に沿うように配置されるトレミー管と、トレミー管の上端に接続されたホッパーと、トレミー管の内部に装填されるプランジャと、を備えたコンクリート移送構造が用いられる。プランジャは、シート状の樹脂によって形成され、上方に開口した容器である。プランジャは、トレミー管の内部において、生コンクリート内に水が混入することを防ぐために用いられる。プランジャ式のトレミー工法においては、このプランジャによって生コンクリートに材料分離が生じることを抑制する。
プランジャ式のトレミー工法においては、プランジャに針金を接続し、トレミー管の上方から当該針金を作業員が吊り支持した状態で、トレミー管の内部に生コンクリートが比較的静かに流し込まれる。そして、トレミー管の内部におけるプランジャの上方に生コンクリートが十分に溜まるまで(たとえば、トレミー管の内部におけるプランジャより2~3m上方に生コンクリートが満たされるまでであって、掘削孔内の水面にプランジャが接するまで)、プランジャは、針金を介して作業員に保持される。これにより、トレミー管内の生コンクリートに空隙等が形成されることを抑制している。換言すると、トレミー管内の生コンクリートに先流れ現象が生じにくくしている。トレミー管の内部に生コンクリートが十分に溜まった後、作業員が針金を放して生コンクリートがプランジャを押し下げ、トレミー管の下端からのプランジャの排出とともに掘削孔の底部への生コンクリートの打設が開始される。
しかしながら、たとえば狭隘な場所で作業する際にトレミー管として比較的大きい内径を有するものを用いると、内径の大きさに比例してトレミー管の重量も大きくなるので、トレミー管の運搬及び設置等が困難であり、作業性が損なわれる場合がある。また、トレミー管として比較的小さい内径を有するものを用いると、トレミー管の内部におけるプランジャより2~3m上方まで生コンクリートが満たされた状態であっても、プランジャを押し下げるための生コンクリートの水頭圧が足りずに、生コンクリートが流れていかない場合がある。
そこで、トレミー管内に生コンクリートを圧送することにより、生コンクリートの水頭圧が足りない場合であっても、ポンプの吐出圧力によって生コンクリートがプランジャを押し下げることができると考えられる。一方で、生コンクリートの圧送前のプランジャは、トレミー管内の所定位置に留まる必要がある。しかし、生コンクリートを圧送する場合、圧送のための機構が存在することにより、トレミー管の上流側は開放されていないので、上流側から吊る等してプランジャを留めることは困難である。さらに、プランジャに代えてスポンジボールを用いれば、トレミー管の上流側が開放されていない構成においても採用し得るが、スポンジボールが生コンクリート内に異物として残存してしまうと、硬化したコンクリートの強度を低下させ、当該コンクリートによって構成される構造物の品質を低下させるおそれがある。
これに対し、第1実施形態に係るコンクリート打設装置1Aは、上記のコンクリート移送構造3と、コンクリート移送管5の上流側の端部に接続され、生コンクリートCをコンクリート移送管5に圧送するコンクリート圧送機構2と、を備える。このコンクリート打設装置1Aにおいては、生コンクリートCが圧送によって供給されるので、ボール7を上記プランジャのように機能させ、ボール7によって生コンクリートCと水Wとを隔離した状態にて、コンクリート移送管5に生コンクリートCを通過させやすい。また、コンクリート移送構造3においては、ボール7がコンクリート移送管5の内壁に保持されるので、生コンクリートCの圧送前のボール7をコンクリート移送管5内の所定位置に留めることができる。したがって、生コンクリートCが圧送によって供給される構成においても採用し得る。さらに、上述したように、ボール7の外袋体71が破壊されて生じた残骸が打設された生コンクリートC内に異物として残ったとしても、硬化したコンクリートの強度低下が抑制されるので、例えばスポンジボールが用いられた場合と比較して特に有利である。
また、コンクリート打設装置1Aは、コンクリート杭の構築に用いられる。コンクリート杭は、たとえば防波堤等と比較して、単位長さ(深さ)あたりの体積が小さいため、異物等の残存によって強度が低下しやすい。一方で、コンクリート杭においては、支持力確保の観点から強度低下の抑制がより求められている。コンクリート打設装置1Aによれば、ほぼ外袋体71だけの体積に相当する(ほぼ厚みを持たない)シート状の残骸のみが異物として残存し得るので、コンクリート杭の構築においても、硬化したコンクリートの強度低下が十分に抑制される。
コンクリート移送管5は、コンクリート移送管5内の空気を抜くためのバルブ52cを有し、ボール7がバルブ52cよりも下流側のコンクリート移送管5(エルボ管52)の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5に保持された状態にて、コンクリート移送管5への生コンクリートCの圧送が開始される。この構成により、圧送される生コンクリートCとボール7との間に存在していた空気をバルブ52cによってコンクリート移送管5外に抜くことができるので、生コンクリートCへの空気の混入が低減される。したがって、生コンクリートCの材料分離がさらに抑制され、当該生コンクリートCが硬化したコンクリートによって構成されるコンクリート杭の品質低下をさらに抑制できる。
第1実施形態に係るコンクリート打設方法は、第2工程において、生コンクリートCの供給中にコンクリート移送管5内の鉛直方向に距離Xだけ移動したとき、ボール7に生コンクリートCから作用する水頭圧Pだけではボール7が移動しないように、外袋体71に気体72を充填する充填圧pを調整する充填圧調整工程を備える。この距離Xとして、コンクリート移送管5内において、生コンクリートCに先流れ現象が生じない値を設定することにより、ボール7の栓としての機能をより確実に確保できるので、生コンクリートCへの水Wの混入及びこれに伴う生コンクリートCの材料分離をより確実に抑制できる。
第1実施形態に係るコンクリート打設方法のボール7による栓としての機能について、上述した式(1)~(3)に基づいて検討した。ボール7としては、汎用のバレーボールを用いた。各値を以下のとおりとした。なお、充填圧pは、ボール7がコンクリート移送管5の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5内に保持されることが可能な程度の充填圧の一例として、バレーボールの競技用の適正内圧とした。ボール7の外袋体71とトレミー管51の内壁との摩擦係数μは、ゴムと鋼板との摩擦係数とした。
単位体積重量w :23.00kN/m
トレミー管51の内径φ :0.20m
距離X :3.00m
摩擦係数μ :0.75
充填圧p :0.0300N/mm~0.0325N/mm
ボール7の外径d :200mm
接触幅l :50mm~100mm
上述した式(1)により算出した水頭圧Pは、2.2kNであった。上述した式(2)により算出した摩擦抵抗力Fは、0.7kN~1.4kNであった。したがって、上述した式(3)を満たさないことがわかった。すなわち、バレーボールの競技用の適正内圧のまま(充填圧pを調整しないまま)では、トレミー管51の内径φが0.20mである場合に、コンクリート移送管5内の鉛直方向に3.00mだけ移動したボール7が水頭圧Pだけで移動する可能性があることがわかった。一方で、式(1)により算出した水頭圧Pと式(2)により算出した摩擦抵抗力Fとが互いに近い値であるともいえる。本検討により、充填圧pがバレーボールの競技用の適正内圧よりも大きくなるように(たとえば、0.0500N/mm~0.0600N/mm)、ボール7の外袋体71に気体72を充填するだけで、トレミー管51の内径φが0.20mである場合に、コンクリート移送管5内の鉛直方向に3.00mだけ移動したボール7が水頭圧Pだけでは移動しない構成を実現できることがわかった。
なお、生コンクリートCが、ボール7によって水Wと隔離された状態のまま(ボール7を下流側に押し動かしながら)コンクリート移送管5を移動するためには、水頭圧Pと生コンクリートCが圧送されることによる圧力との合力が摩擦抵抗力Fよりも大きいことが求められる。圧送部22がスクイーズ式のコンクリートポンプ車である場合のポンプの吐出圧力が2.5MPa(低速)~1.4MPa(高速)であるため、この場合の圧送の圧力は、44.0kN~78.5kNとなる。したがって、生コンクリートCが圧送されることによる圧力が摩擦抵抗力Fよりも十分に大きいので、生コンクリートCが、ボール7によって水Wと隔離された状態のままコンクリート移送管5を十分に移動できることがわかった。換言すると、ボール7がコンクリート移送管5内に保持されていても圧送に支障が生じにくいことがわかった。以上により、ボール7の外袋体71に気体72が充填する際には、上述した式(3)を満たすように充填圧pを調整すれば足りるといえる。
上述したプランジャ式のトレミー工法においては、施工基準(社団法人日本建設機械化協会・編「場所打ち杭設計・施工ハンドブック(第二版)」、社団法人日本建設機械化協会、技報堂出版、1984年11月発行、「3.6(2)プランジャ式」P68)により、トレミー管の内部におけるプランジャの1m上方に生コンクリートが満たされるまで、プランジャが作業員に保持されればよいことが規定されている。このため、コンクリート移送管5内にて、コンクリート移送管5内の鉛直方向に3.00mだけ移動したボール7が水頭圧Pだけでは移動しない構成が実現されるように充填圧(p)を調整することにより、コンクリート移送管5内の生コンクリートCに空隙等が形成されることが十分に抑制されると考えられる。したがって、コンクリート移送管5内の生コンクリートCに先流れ現象が生じることを十分に抑制できる。
さらに、距離Xを所望の値(たとえば、コンクリート移送管5の鉛直方向の全長)に設定した場合にも、設定した距離Xに応じて充填圧pを調整でき、種々の状況に応じて、ボール7による栓としての機能をより確実に発揮させることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るコンクリート打設装置について説明する。図7は、第2実施形態に係るコンクリート打設装置の構成を示す概略側面図である。図7に示すコンクリート打設装置1Bは、コンクリート移送構造3に代えてコンクリート移送構造4を備える点でコンクリート打設装置1Aと相違し、その他の点においてコンクリート打設装置1Aと同様に構成されている。コンクリート移送構造4は、ボール7に代えてボール8を備える点でコンクリート移送構造3と相違している。また、コンクリート移送構造4は、外袋体破壊部9を備えていない。コンクリート移送構造4は、その他の点において、コンクリート移送構造3と同様に構成されていてよい。以下、主に相違点について説明する。
ボール8は、コンクリート移送管5内に装填されている。図8は、図7のコンクリート移送管の内部を拡大して示す部分断面図である。ボール8は、コンクリート移送管5内の栓として機能する。ボール8は、外袋体81と、外袋体81の内部に充填された経時硬化性材料82(充填物)と、を有する。外袋体81は、たとえばボール7の外袋体71と同様に構成されている。外袋体81は、内部に経時硬化性材料82を充填した状態で密閉されている。
本実施形態において、経時硬化性材料82は、たとえば、経時的に硬化することにより生コンクリートCが硬化した状態と同程度以上の強度及び弾性力を発揮することが可能な材料である。経時硬化性材料82の例としては、セメントペースト、モルタル、生コンクリート、及びエポキシ樹脂等が挙げられる。本実施形態において、経時硬化性材料82は、生コンクリートCである。すなわち、経時硬化性材料82は、掘削孔H内に構築されるコンクリート杭と同じ材料であってもよい。経時硬化性材料82は、外袋体81の内部に圧入されている。経時硬化性材料82は、充填圧によって外袋体81に対して内圧を作用させる。この経時硬化性材料82の充填圧(内圧)により、ボール8がコンクリート移送管5の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5内に保持されている。
図8に示されるように、ボール8は、コンクリート移送管5の上流側から生コンクリートCが供給されたときに、コンクリート移送管5の下流側に押し動かされる。ボール8は、コンクリート移送管5の内壁の全周に接した状態で、コンクリート移送管5内を移動する。ボール8は、生コンクリートCに下流側に向けて押されることにより、コンクリート移送管5内の水Wを下流側に押し出しながらコンクリート移送管5内を移動する。また、上述したように、コンクリート移送構造4は外袋体破壊部9を備えていないので(図7参照)、ボール8は、コンクリート移送管5の下流側の端部に到達すると、破壊されることなく、コンクリート移送管5から排出される。
第2実施形態に係るコンクリート打設方法においては、第1実施形態に係るコンクリート打設方法と同様に行うことができる。ただし、第2実施形態に係る打設方法においては、上述した第1工程、第2工程及び第3工程を行った後、コンクリート移送管5の下流側の端部において、ボール8の外袋体81が破壊されずにコンクリート移送管5からボール8が排出される。これにより、ボール8が栓として機能しなくなり、生コンクリートCがコンクリート移送管5内から掘削孔Hの底部に排出される。ボール8は、掘削孔H内において、生コンクリートCに埋設される。
[作用効果]
第2実施形態に係るコンクリート打設装置1Bのコンクリート移送構造4及びコンクリート打設方法においては、コンクリート移送管5の上流側から生コンクリートCが供給されたときに、ボール8が下流側に押し動かされる。ボール8は、コンクリート移送管5の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5内に保持されているので、生コンクリートCが、ボール8によって水Wと隔離された状態のままコンクリート移送管5内を通過する。これにより、コンクリート移送管5内において、生コンクリートCへの水Wの混入が抑制される。また、ボール8が、外袋体81と当該外袋体81の内部に充填された経時硬化性材料82とを有する。このため、コンクリート移送管5の下流側の端部から破壊されることなく排出されたボール8は、外袋体81の内部に充填された経時硬化性材料82が経時的に硬化することにより強度を発揮する。あるいは、仮に、外袋体81が穿孔され、あるいは切り裂かれて外袋体81と経時硬化性材料82とが分離された場合には、外袋体81は、潰される等によってシート状の残骸となる。また、経時硬化性材料82である生コンクリートCは、打設された生コンクリートCに同化し、打設された生コンクリートCとともに経時的に硬化することにより強度を発揮する。このように、打設された生コンクリートC内には、ほぼ外袋体81だけの体積に相当する(ほぼ体積を持たない)シート状の残骸と、強度を発揮する硬化後の経時硬化性材料82と、のみが異物として残存し得るので、硬化したコンクリートの強度低下が抑制される。以上により、コンクリートによって構成される構造物の品質低下を抑制できる。
第2実施形態に係るコンクリート打設装置1Bは、上記のコンクリート移送構造4と、コンクリート移送管5の上流側の端部に接続され、生コンクリートCをコンクリート移送管5に圧送するコンクリート圧送機構2と、を備える。このコンクリート打設装置1Bにおいては、生コンクリートCが圧送によって供給されるので、ボール8を上記プランジャのように機能させ、ボール8によって生コンクリートCと水Wとを隔離した状態にて、コンクリート移送管5に生コンクリートCを通過させやすい。また、コンクリート移送構造4においては、ボール8がコンクリート移送管5の内壁に保持されるので、生コンクリートCの圧送前のボール8をコンクリート移送管5内の所定位置に留めることができる。したがって、生コンクリートCが圧送によって供給される構成においても採用し得る。さらに、上述したように、コンクリート移送管5から排出されたボール8が生コンクリートC内に異物として残ったとしても、硬化したコンクリートの強度低下が抑制されるので、例えばスポンジボールが用いられた場合と比較して特に有利である。
また、コンクリート打設装置1Bは、コンクリート杭の構築に用いられる。コンクリート杭は、たとえば防波堤等と比較して、単位長さ(深さ)あたりの体積が小さいため、異物等の残存によって強度が低下しやすい。一方で、コンクリート杭においては、支持力確保の観点から強度低下の抑制がより求められている。コンクリート打設装置1Bによれば、ほぼ外袋体81だけの体積に相当する(ほぼ厚みを持たない)シート状の残骸と、強度を発揮する硬化後の経時硬化性材料82と、のみが異物として残存し得るので、コンクリート杭の構築においても、硬化したコンクリートの強度低下が十分に抑制される。
第2実施形態に係るコンクリート打設方法は、第1実施形態に係るコンクリート打設方法と同様に、第2工程において、生コンクリートCの供給中にコンクリート移送管5内の鉛直方向に距離Xだけ移動したとき、ボール8に生コンクリートCから作用する水頭圧Pだけではボール8が移動しないように、外袋体81に経時硬化性材料82を充填する充填圧pを調整する充填圧調整工程を備える。この距離Xとして、コンクリート移送管5内において、生コンクリートCに先流れ現象が生じない値を設定することにより、ボール8の栓としての機能をより確実に確保できるので、生コンクリートCへの水Wの混入及びこれに伴う生コンクリートCの材料分離をより確実に抑制できる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について詳細に説明されたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。
たとえば、上記第1実施形態に係るコンクリート打設装置1Aでは、コンクリート移送構造3のボール7が、外袋体71の内部に充填された気体72を有していたが、外袋体71の内部に充填される充填物は気体72以外であってもよい。ボール7は、気体72に代えて、外袋体71の内部に充填された経時硬化性材料82を有していてもよい。
この構成においても、コンクリート移送管5の上流側から生コンクリートCが供給されたときに、ボール7が下流側に押し動かされる。ボール7は、コンクリート移送管5の内壁面の全周に接触してコンクリート移送管5内に保持されているので、生コンクリートCが、ボール7によって水Wと隔離された状態のままコンクリート移送管5内を通過する。これにより、コンクリート移送管5内において、生コンクリートCへの水Wの混入が抑制される。また、ボール7が、外袋体71と当該外袋体71の内部に充填された経時硬化性材料82とを有し、コンクリート移送管5の下流側の端部には、外袋体71を破壊するための外袋体破壊部9が設けられている。外袋体破壊部9によって外袋体71が穿孔され、あるいは切り裂かれて外袋体71と経時硬化性材料82とが分離された場合には、外袋体71は、潰される等によってシート状の残骸となる。また、生コンクリートCである経時硬化性材料82は、打設された生コンクリートCに同化し、打設された生コンクリートCとともに経時的に硬化することにより強度を発揮する。あるいは、仮に、外袋体71が破壊され損ねた場合には、生コンクリートC内で外袋体71の内部に充填されたまま、経時硬化性材料82が経時的に硬化することによりボール7が強度を発揮する。このように、打設された生コンクリートC内には、ほぼ外袋体71だけの体積に相当する(ほぼ体積を持たない)シート状の残骸と、強度を発揮する硬化後の経時硬化性材料82と、のみが異物として残存し得るので、硬化したコンクリートの強度低下が抑制される。以上により、コンクリートによって構成されるコンクリート杭の品質低下を抑制できる。
また、上記第1実施形態に係るコンクリート打設装置1Aにおいて、ボール7は、外袋体71の内部に充填された気体72及び経時硬化性材料82を有していてもよい。あるいは、上記第2実施形態に係るコンクリート打設装置1Bにおいて、ボール8は、外袋体81の内部に充填された気体72及び経時硬化性材料82を有していてもよい。換言すると、ボールの外袋体の内部には、気体と経時硬化性材料とを含む充填物が充填されていてもよい。あるいは、ボールの外袋体の内部には、気体及び経時硬化性材料のみからなる充填物が充填されていてもよい。
また、外袋体破壊部9の構成は、上記第1実施形態に係る構成に限定されない。図9は、外袋体破壊部の変形例を示す図である。図9に示される外袋体破壊部9Aは、外袋体破壊部9と同様に、コンクリート移送管5の下流側の端部に設けられる。図9(a)は、外袋体破壊部9Aを斜め上方から見た図であり、図9(b)は外袋体破壊部9Aを斜め下方から見た図である。外袋体破壊部9Aは、本体部91Aと、固定部92Aと、を有する。
本体部91Aは、トレミー管51の下流側の端部の縁からトレミー管51の内側に向かって片持ちで延び、トレミー管51の上流側に向かって突出している(図3を参照)。本変形例においては、先端が尖った丸鋼が折り曲げ加工されることで本体部91Aが形成されている。先端が尖った丸鋼としては、たとえば鉄釘が用いられる。鉄釘の例としては、比較的太径のもの(たとえば軸径5.2mm、軸方向の全長150mmのもの)が挙げられる。本体部91Aの先端は、トレミー管51の下流側の端部よりも上方に位置していてもよい。
また、図9(a)に示されるように、本体部91Aの中間部には、返し部94が形成されている。返し部94は、本体部91Aの先端の向きと異なる向きに突出している。固定部92Aは、フランジ51cに沿うように延びる矩形平板状の鋼材である。図9(b)に示されるように、固定部92Aの裏面に本体部91Aが溶接(たとえばフレアー溶接)によって取り付けられて外袋体破壊部9Aが形成されている。固定部92Aには、厚み方向に貫通するボルト孔92gが設けられている。外袋体破壊部9Aは、フランジ51cと固定部92AとをボルトB及びナットN(図3を参照)によって締結させることで、トレミー管51(最下段のトレミー管用パイプ51a)に取り付けられている。
外袋体破壊部9Aによれば、本体部91Aに、返し部94が形成されているので、外袋体71が破壊されることで生じる残骸が、外袋体破壊部9A(返し部94)に引っ掛かりやすい。このため、コンクリート移送管5の撤去に伴って、外袋体71の残骸を当該コンクリート移送管5ごと排出しやすくなる。
なお、外袋体破壊部9,9Aの本体部91,91Aは、トレミー管51の上流側に向けて突出していなくてもよい。また、外袋体破壊部9,9Aは、トレミー管51の下流側の端部にボルトB及びナットNによって締結されている場合に限定されない。たとえば、外袋体破壊部9,9Aは、トレミー管51の下流側の端部に溶接等によって固定されていてもよい。
また、コンクリート移送管5の下流側の端部と外袋体破壊部9との間に、外袋体71が破壊されることで生じる残骸を挟持する挟持部(たとえばヒンジクリップ)が設けられていてもよい。
また、ボール7及びボール8において、外袋体71,81の材質は上述したものに限定されない。たとえば、外袋体71の材質として、破損したときに水風船のように丸く縮みやすいものが用いられてもよい。あるいは、外袋体71の材質として、破損箇所が広がりにくいもの(たとえば繊維を含むもの)が用いられてもよい。これらの場合、コンクリート移送管5の下流側の端部において、ボール7の外袋体71が外袋体破壊部9,9Aによって破壊された際、潰れた外袋体71の残骸が本体部91,91Aに引っ掛かりやすい。このため、コンクリート移送管5の撤去に伴って、外袋体71の残骸を当該コンクリート移送管5ごと排出し得る。
また、ボール7及びボール8において、膨らんだ状態の外袋体71,81の形状は、球形状以外の形状であってもよい。コンクリート移送構造3及びコンクリート移送構造4は、ボール7,8以外の栓体を備えていてもよい。
また、トレミー管51、エルボ管52、及びテーパー管53の構成はそれぞれ一例であって、上記実施形態に係る構成に限定されない。たとえば、トレミー管51、エルボ管52、及びテーパー管53は、フランジ51c,52b,53bをそれぞれ有していなくてもよい。トレミー管51とエルボ管52と及びテーパー管53とが、たとえば溶接等によって互いに連結されていてもよい。
また、コンクリート移送構造3及びコンクリート移送構造4では、コンクリート移送管5がトレミー管51とエルボ管52とテーパー管53とを有していたが、コンクリート移送管5の構成はこれに限定されない。たとえば、コンクリート移送管5がエルボ管52とテーパー管53とを有していなくてもよい。コンクリート移送管5においては、トレミー管51の上流側の端部が外部空間に開放されていてもよい。この場合、コンクリート移送管5は、トレミー管51の上流側の端部に設置されたホッパー(不図示)をさらに有していてもよい。コンクリート打設装置1A及びコンクリート打設装置1Bにおいて、生コンクリートCは、コンクリート移送管5に圧送されなくてもよい。生コンクリートCは、たとえば、収容部21(コンクリートミキサー車)に接続された配管を通ってホッパーからトレミー管51に流し込まれてもよいし、圧送部22に接続された配管を通ってホッパーからトレミー管51に流し込まれてもよい。
また、本発明は、コンクリート杭を構築する場合以外であっても適用可能である。たとえば防波堤等の水中コンクリート構造物を構築する場合に本発明が適用されてもよい。
1A,1B…コンクリート打設装置、2…コンクリート圧送機構、3,4…コンクリート移送構造、5…コンクリート移送管、52c…バルブ、7,8…ボール(栓体)、71,81…外袋体、72…気体(充填物)、82…経時硬化性材料(充填物)、9,9A…外袋体破壊部、C…生コンクリート、W…水。

Claims (6)

  1. 水中に打設される生コンクリートを通過させるコンクリート移送管と、
    外袋体と、前記外袋体の内部に充填された充填物と、を有し、前記コンクリート移送管の内壁面の全周に接触して前記コンクリート移送管内に保持され、前記コンクリート移送管の上流側から前記生コンクリートが供給されたときに、前記コンクリート移送管の下流側に押し動かされる栓体と、
    前記コンクリート移送管の下流側の端部に設けられ、前記コンクリート移送管の内側に向かって片持ちで延び、尖った先端側が前記コンクリート移送管の上流に向かって突出するように折り曲げられた丸鋼を有し、前記外袋体を破壊するとともに前記外袋体の残骸を引っ掛けるための外袋体破壊部と、を備え
    前記外袋体破壊部には、前記丸鋼の外周面から径方向に突出する返し部が形成されている、コンクリート移送構造。
  2. 前記充填物が気体である、
    請求項1に記載のコンクリート移送構造。
  3. 前記充填物が経時硬化性材料である、
    請求項1に記載のコンクリート移送構造。
  4. 請求項1~のいずれか一項に記載のコンクリート移送構造と、
    前記コンクリート移送管の上流側の端部に接続され、前記生コンクリートを前記コンクリート移送管に圧送するコンクリート圧送機構と、を備える、
    コンクリート打設装置。
  5. 前記コンクリート移送管は、前記コンクリート移送管内の空気を抜くためのバルブを有し、
    前記栓体が前記バルブよりも下流側の前記コンクリート移送管の内壁面の全周に接触して前記コンクリート移送管内に保持された状態にて、前記コンクリート移送管への前記生コンクリートの圧送が開始される、
    請求項に記載のコンクリート打設装置。
  6. 水中に打設される生コンクリートを通過させるためのコンクリート移送管を配置する第1工程と、
    前記コンクリート移送管内に栓体を装填する第2工程と、
    前記コンクリート移送管内に前記生コンクリートを供給する第3工程と、
    前記コンクリート移送管を撤去する第4工程と、を備え、
    前記栓体は、外袋体と、前記外袋体の内部に充填された充填物と、を有しており、
    前記コンクリート移送管の下流側の端部には、前記コンクリート移送管の内側に向かって片持ちで延び、尖った先端側が前記コンクリート移送管の上流に向かって突出するように折り曲げられた丸鋼と前記丸鋼の外周面から径方向に突出する返し部とを有し、前記外袋体を破壊するとともに前記外袋体の残骸を引っ掛けるための外袋体破壊部が設けられており、
    前記第3工程では、前記コンクリート移送管の内壁面の全周に接触して前記コンクリート移送管内に保持された前記栓体が、前記コンクリート移送管の上流側から供給された前記生コンクリートによって前記コンクリート移送管の下流側に押し動かされ、前記外袋体破壊部が前記外袋体を破壊するとともに前記外袋体の残骸を引っ掛け、
    前記第4工程では、前記外袋体破壊部に引っ掛かった前記残骸が前記コンクリート移送管の撤去に伴って打設後の前記生コンクリートから排出される、コンクリート打設方法。
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