JP7375436B2 - 記録装置 - Google Patents

Description

本発明は、記録装置に関する。

従来、媒体に液体を吐出して記録を行うプリンターなどの記録装置が知られている。また、下部にプリンターユニットを備え、上部にスキャナーユニットを備えた複合機として構成される記録装置もある。このような記録装置では、装置の正面側に挿抜可能な給紙トレイを備え、装置の背面側に手差しで用紙を傾斜姿勢でセットする背面側給紙トレイを備えるものもある。背面側給紙トレイは、例えば、特許文献１に示すように、記録装置の背面から斜め後側で上方に傾斜するように構成されており、その上面に複数の用紙を支持することができる。

特開２０１５－６６７８９号公報

しかしながら、特許文献１のような複合機の場合、ユーザーが複合機の正面側から背面側給紙トレイに用紙をセットする際、背面側給紙トレイの給紙口などはユーザーからは目視することができないため、装置背面と背面側給紙トレイとの間に構成される構造部に当接するなどして意図しない位置に用紙をセットしてしまうなど、用紙のセット性が悪いことが課題であった。

記録装置は、傾斜姿勢で媒体を載置する給紙トレイ、前記媒体を給送する給送ローラー、および前記給紙トレイと前記給送ローラーとの隙間に前記媒体がセットされる給紙口を有する給紙装置と、当該給紙装置から給紙された前記媒体に記録を行う記録部と、を備える記録装置であって、前記記録装置の本体の上部に配置されて原稿を読取る読取装置を有し、前記給紙トレイに前記媒体を載置する場合、前記読取装置が前記記録装置の本体に対して閉塞された状態で、前記読取装置の前記給紙トレイ側の側面から、水平より下方に前記給紙トレイに向けて傾斜面が位置する誘導部材を備えていることを特徴とする。

上記の記録装置において、前記誘導部材は、前記給紙口が延びる方向となる幅方向の長さと同様の長さを有して矩形状に形成される誘導板と、前記誘導板の前記幅方向の両端部の下側に設置されて前記幅方向に軸方向を有する第１回動軸と、前記両端部の上側に設置されて前記幅方向に軸を有する摺動軸と、を備え、前記読取装置の前記給紙トレイ側には、上下方向に前記摺動軸を摺動させる摺動案内部を備え、前記誘導部材は、前記第１回動軸を中心に回動すると共に、前記摺動案内部に沿って前記摺動軸が摺動することにより、前記読取装置の開放動作に連動して退避位置に移動し、閉塞動作に連動して前記給紙トレイに向けて前記傾斜面が位置する誘導位置に移動することが好ましい。

上記の記録装置は、前記給送ローラーを軸支して幅方向に掛け渡されて前記給送ローラーを回転させるローラー軸と、前記幅方向に掛け渡されて前記ローラー軸を覆うカバー部材と、前記誘導部材には、前記誘導板の前記幅方向の前記両端部に設置される前記第１回動軸と同軸で前記第１回動軸の間に設置される第２回動軸と、前記カバー部材には、前記第１回動軸を軸支する第１軸支部を備えると共に、前記第２回動軸を軸支する第２軸支部と、を備えることが好ましい。

上記の記録装置において、前記給紙トレイと前記誘導板の下端部との間に前記媒体が挿入される挿入部が形成されることが好ましい。

上記の記録装置において、前記読取装置の前記給紙トレイ側には、前記読取装置の上面に載置された異物の前記給紙装置への侵入を防止する捕捉部を備え、前記捕捉部は、前記幅方向に延設されて前記異物を受ける受部材と、前記受部材に回動可能に接続すると共に、前記読取装置の前記上面に対して高さ方向に突出して、前記受部材の前記異物の捕捉を補助する補助部材と、前記受部材に対して前記補助部材を開放する方向に付勢するバネ部材と、を備えることが好ましい。

上記の記録装置において、前記記録装置の本体に対して回動することに従動させて前記給紙トレイを回動させ、前記給紙口を塞ぐトレイ用カバーを備え、前記補助部材は、前記受部材に対して幅方向に軸方向を有する一対の回動軸を有し、前記受部材は、前記一対の回動軸を軸支する一対の軸支部を有し、前記バネ部材は、いずれかの前記回動軸を中心として前記補助部材と前記受部材とに掛け渡されて設置され、前記補助部材は、前記トレイ用カバーの回動に従動して前記給紙トレイが回動して前記給紙口を塞ぐ場合、回動する前記トレイ用カバーに当接され、前記バネ部材の付勢力に抗して前記受部材側に回動することが好ましい。

本実施形態に係る記録装置を示す斜視図。 記録装置の記録ユニットを中心とした領域の概略構成を示す断面図。 記録装置の給紙トレイを中心とした領域の概略構成を示す断面図。 記録装置の第３給送ローラーを中心とした領域の概略構成を示す断面図。 誘導部材を示す分解斜視図。 誘導部材を示す斜視図。 給紙装置が展開された状態で、第２読取装置が第１読取装置に対して開放された場合の状態を示す断面図。 給紙装置が展開された状態で、第１読取装置が記録装置の本体に対して開放された場合の状態を示す断面図。 捕捉部を示す分解斜視図。 第１読取装置、第２読取装置が記録装置の本体に対して閉塞された状態で、給紙装置が閉塞される場合における誘導部材および捕捉部の状態を示す断面図。

１．実施形態
本実施形態に係る記録装置の概略について説明する。記録装置の一例として、インクジェット式の記録装置（以下、記録装置１と言う）を例に挙げて説明する。
図１は、本実施形態に係る記録装置１を示す斜視図である。図２は、記録装置１の記録ユニット２０を中心とした領域の概略構成を示す断面図である。図３は、記録装置１の給紙トレイ３０を中心とした領域の概略構成を示す断面図である。図４は、記録装置１の第３給送ローラー２２３を中心とした領域の概略構成を示す断面図である。

各図においては、ＸＹＺ座標系を用いて示している。Ｘ方向は、記録が行われる媒体としての用紙Ｓの幅方向であり、記録ヘッド２４１の走査方向となる。Ｙ方向は、記録装置１の奥行き方向であり用紙Ｓの長さ方向となる。Ｚ方向は、重力方向であり、記録装置１の高さ方向となる。

また、記録装置１の正面側または前面側を＋Ｙ方向とし、記録装置１の後側または背面側を－Ｙ方向とする。また、記録装置１を正面側から見た場合、記録装置１の左側または左方向を＋Ｘ方向、記録装置１の右側または右方向を－Ｘ方向とする。また、記録装置１の上側（上方、上部、上面等を含む）を＋Ｚ方向、記録装置１の下側（下方、下部、下面等を含む）を－Ｚ方向とする。

なお、以降の説明において、記録装置１内部で、用紙Ｓが搬送されて行く方向を「下流側」という。また、下流側とは反対の方向で、用紙Ｓが搬送されて来る方向を「上流側」という。

図１、図２を参照して、記録装置１の概要を説明する。
図１に示すように、本実施形態の記録装置１は、記録ユニット２０と、記録ユニット２０の上部に配置された読取装置としてのスキャナーユニット１０とを備えている。言い換えると、読取装置は記録装置１の本体の上部に配置されている。記録装置１は、いわゆる複合機として構成されている。

スキャナーユニット１０は、第１読取装置１１と、第１読取装置１１の上部に配置された第２読取装置１２とを備えている。第１読取装置１１は、フラットベッドタイプのスキャナーであり、コンタクトイメージセンサー（図示省略）を有している。ユーザーは、第２読取装置１２を第１読取装置１１に対して開いた状態とすることで、第１読取装置１１の上面となる原稿載置面（図示省略）を露出させる。次に、読み取らせる原稿を第１読取装置１１の露出した原稿載置面に載置して第２読取装置１２を閉じ、操作部２６から所定のスイッチ操作を行う。これにより、第１読取装置１１は、原稿載置面に載置された原稿に描かれた文字や記号、図画などを画像として読み取り、画像データとして変換することができる。

第２読取装置１２は、原稿供給ユニット１２１を有している。原稿供給ユニット１２１は、原稿載置トレイ１２２に載置された原稿を第２読取装置１２内に供給する。第２読取装置１２は、ＡＤＦ（Auto Document Feeder）を備え、供給された原稿を画像として読み取り、読み取った原稿を原稿排紙トレイ１２３に排出する。

記録装置１の正面側には、記録装置１を操作するための操作部２６が設けられる。操作部２６は、Ｘ方向に沿った方向に横長のパネルであり、記録装置１をオン又はオフする際に操作される電源ボタン２６１や、各種の操作情報を入力する際に操作される操作ボタン２６２や、操作状態などを表示可能な表示パネル２６３が設けられる。表示パネル２６３は、例えば液晶パネルである。

記録装置１の下部には、用紙カセット２１が着脱可能に設置される。用紙カセット２１は、用紙Ｓを積層状態で収容可能な収容部である。用紙カセット２１は、本実施形態では、Ａ４サイズの用紙Ｓを収容する用紙カセット２１１と、Ａ３サイズの用紙Ｓを収容する用紙カセット２１２とが設けられている。

図２に示すように、記録ユニット２０は、二点鎖線で示す搬送経路Ｒが設定され、搬送方向Ｄに用紙Ｓが搬送される。記録ユニット２０は、内部に、用紙カセット２１、給送部２２、搬送部２３、記録部２４、排出部２５、制御部（図示省略）などを備えて構成されている。また、記録ユニット２０は、背面側に、ユーザーによる用紙Ｓの補給が可能な給紙装置３が設置されている。なお、給紙装置３（後述する給紙トレイ３０）へ載置できる（補給できる）用紙Ｓは、Ａ４サイズ、Ａ３サイズの用紙Ｓをはじめ、いわゆるＡ３ノビサイズなどの用紙Ｓも載置することができる。

給送部２２は、用紙カセット２１に収容された用紙Ｓを搬送部２３に給送する。給送部２２は、用紙カセット２１に積層状態で収容された用紙Ｓのうち、最上位の用紙Ｓを送り出すピックアップローラーとして、用紙カセット２１１用には第１給送ローラー２２１を備え、用紙カセット２１２用には第２給送ローラー２２２を備えている。また、第１給送ローラー２２１は第１揺動軸２２１ａを軸として、第２給送ローラー２２２は第２揺動軸２２２ａを軸として、揺動可能に構成され、用紙カセット２１１，２１２に収容される複数枚の用紙Ｓの最上位の用紙Ｓにそれぞれ接触するように構成されている。

給送部２２は、第１給送ローラー２２１、第２給送ローラー２２２の下流側に中間ローラー２２４を備えている。また、中間ローラー２２４には、中間ローラー２２４の外周に沿う形態で、上流側から第１従動ローラー２２５、第２従動ローラー２２６、第３従動ローラー２２７が設置され、給送モーター（図示省略）の駆動による中間ローラー２２４の回転に従動回転する。

第１給送ローラー２２１、中間ローラー２２４がそれぞれの給送モーター（図示省略）により駆動した場合、用紙カセット２１１から用紙Ｓが１枚ずつ給送される。用紙Ｓは、用紙カセット２１１から第１給送ローラー２２１により装置背面側（－Ｙ方向）に送られ、駆動モーター（図示省略）によって駆動される中間ローラー２２４と、第１従動ローラー２２５、第２従動ローラー２２６、第３従動ローラー２２７とによって順次ニップされると共に湾曲されて装置正面側（＋Ｙ方向）に送られる。また、用紙カセット２１２に収容される用紙Ｓに対しても、用紙カセット２１１に収容される用紙Ｓと同様に、第２給送ローラー２２２によって装置背面側に送られ、中間ローラー２２４と、第１従動ローラー２２５、第２従動ローラー２２６、第３従動ローラー２２７とによって順次ニップされ、湾曲されて装置正面側に送られる。

なお、用紙Ｓの搬送ルートＲを２点鎖線で示している。また、用紙カセット２１１から給送される用紙Ｓの搬送ルートＲを搬送ルートＲ１とし、用紙カセット２１２から給送される用紙Ｓの搬送ルートＲを搬送ルートＲ２とした場合、搬送ルートＲ１，Ｒ２は、中間ローラー２２４と第１従動ローラー２２５のニップ位置の手前（上流側）で合流している。

搬送部２３は、給送された用紙Ｓを記録部２４に搬送する。搬送部２３は、用紙Ｓを案内する搬送ガイド部材２３１と、搬送モーター（図示省略）の駆動に伴って回転する搬送ローラー対２３２とを備えている。搬送ガイド部材２３１は、中間ローラー２２４と第３従動ローラー２２７とのニップ位置から直近の下流側に設置されている。搬送ガイド部材２３１は、中間ローラー２２４と第３従動ローラー２２７とから送出された用紙Ｓを案内して搬送ローラー対２３２に搬送する。搬送ローラー対２３２は、搬送ガイド部材２３１の下流側に設置され、搬送された用紙Ｓをニップしてプラテン２４５に向けて搬送する。

記録部２４は、インクを用紙Ｓに向けて吐出する記録ヘッド２４１、記録ヘッド２４１を搭載して用紙Ｓの搬送方向Ｄと交差する幅方向となる走査方向に移動可能に構成されるキャリッジ２４２、記録ヘッド２４１にインクを供給するインクカートリッジ２４３を備えている。また、記録部２４は、キャリッジ２４２を走査方向（幅方向）に往復移動可能に支持するガイド軸２４４を備えている。また、記録部２４には、搬送経路Ｒを挟んで記録ヘッド２４１と対向する位置にプラテン２４５が設置されている。なお、搬送ローラー対２３２から搬送された用紙Ｓは、プラテン２４５の支持面（上面）に吸着された状態で搬送される。

記録部２４は、プラテン２４５に支持されて搬送される用紙Ｓに対して、記録データ（印刷データ）に基づいて記録ヘッド２４１からインクを吐出することにより、インクを付着させて記録データに基づく画像を形成することにより記録（印刷）を行う。記録データとは、用紙Ｓに記録するテキストデータやイメージデータなどの画像データに基づき生成された、記録装置１に記録を実行させるためのデータである。なお、記録が行われた用紙Ｓは、搬送部２３によって搬送され、記録ヘッド２４１の搬送方向Ｄ下流側に設けられた排出部２５に送られる。

排出部２５は、排出トレイ２５０、排紙ローラー対２５１などを備えている。排出トレイ２５０は、用紙Ｓを排出する際、記録ユニット２０本体から装置正面側に伸び出てセットされる。排出部２５は、記録が終了した用紙Ｓを排紙ローラー対２５１でニップして、排出口２５２から排出トレイ２５０に排出する。なお、用紙Ｓを連続して記録および排出する場合には、排出された用紙Ｓは、前回に排出された用紙Ｓの上に順次積み重ねられて積層される。

制御部（図示省略）は、給送部２２、搬送部２３、記録部２４、排出部２５などの駆動制御を行う。制御部は、スキャナーユニット１０に備わるスキャナー制御部（図示省略）とも連携して記録装置１として統括制御を行う。本実施形態の記録装置１は、用紙Ｓの反転機構などを備えて両面印刷が可能に構成されている。

次に、本実施形態の給紙装置３に関して説明する。
本実施形態の給紙装置３は、図３、図４に示すように、用紙Ｓを傾斜姿勢で載置する給紙トレイ３０と、給紙トレイ３０に載置した用紙Ｓを中間ローラー２２４に給送する給送ローラーとしての第３給送ローラー２２３とを備えている。また、給紙装置３は、給紙トレイ３０と第３給送ローラー２２３との隙間に用紙Ｓがセットされる給紙口３１Ａと、第３給送ローラー２２３と対向して設けられ、用紙Ｓを分離（重送を防止）する分離部４０などを備えて構成されている。

給紙トレイ３０は、図３に示すように、概板状で、第１支持部３１と、第１支持部３１の背面側で第１支持部３１の用紙Ｓを載置する面に並行にスライド可能に収容される第２支持部３２、第３支持部３３と、第３支持部３３に設けられたヒンジ（図示省略）によって第３支持部３３の上端部に展開する第４支持部３４とで構成されている。

給紙トレイ３０を使用する場合には、図３、図４に示すように、給紙トレイ３０を覆ってカバーするトレイ用カバー９０が、第２支持部３２から第４支持部３４までを収容している第１支持部３１を覆う状態（図１０参照）からトレイ用カバー９０を後側に回動することで、用紙Ｓを傾斜姿勢で載置する所定の角度に第１支持部３１を位置させる。その後、第２支持部３２、第３支持部３３を、順次第１支持部３１に平行で、斜め後側で上方向に引き出してセットする。また、第４支持部３４は、第３支持部３３に対して回転させて展開する。

給紙トレイ３０を使用しない場合には、第４支持部３４を第３支持部３３の上面３３１に、ヒンジにより回転させ、折り返して収容する。そして、第３支持部３３を第２支持部３２に平行に押し込むことで収容する。次に、第２支持部３２を第１支持部３１に平行に押し込むことで、第２支持部３２から第４支持部３４までを第１支持部３１の内部に収容することができる。そして、トレイ用カバー９０を前方に回動させることで、第１支持部３１はトレイ用カバー９０に覆われて収容される。

第１支持部３１には、概板状で、揺動支点（図示省略）を中心に揺動可能に設置されるホッパー３１１が構成されている。また、第１支持部３１には、載置する用紙Ｓの幅方向の両端部の位置を決めるエッジガイド３１２が左右方向に設置されている。

ホッパー３１１は、用紙Ｓが載置されて揺動することにより、支持する用紙Ｓを第３給送ローラー２２３に圧接させる圧接姿勢と、第３給送ローラー２２３から離間させる離間姿勢とに切り換わる。ホッパー３１１は、図４に示すように、下方で幅方向に平面を有し、載置される用紙Ｓの下端部を支持する下端支持部３１３を備えている。下端支持部３１３により、載置される用紙Ｓの長さ方向の位置を決める。

分離部４０は、図４に示すように、第３給送ローラー２２３と接触可能に設置されて所定の回転抵抗が与えられる分離ローラー４１と、分離ローラー４１を支持して揺動支点（図示省略）を中心に揺動可能に設置される分離ローラーホルダー４２とを備えている。また、分離部４０は、分離ローラー４１が第３給送ローラー２２３に接するように、分離ローラーホルダー４２を揺動方向に付勢する付勢手段（図示省略）を備えている。

ホッパー３１１が圧接姿勢となり、下端支持部３１３に支持された用紙Ｓの下端部を給紙口３１Ａ側に押し出し、給紙口３１Ａに用紙Ｓを滑り落とす場合、第３給送ローラー２２３と分離ローラー４１との間に用紙Ｓがないか、或いは１枚だけ存在する場合には、分離ローラー４１は、第３給送ローラー２２３に対して従動回転する。逆に、第３給送ローラー２２３と分離ローラー４１との間に用紙Ｓが２枚以上存在する場合には、分離ローラー４１は第３給送ローラー２２３に対して従動回転しない。分離ローラー４１の上述する動作により、給送されるべき最上位の用紙Ｓにつられて重送されようとする２枚目以降の用紙Ｓの下端部が、分離ローラー４１に留まり、用紙Ｓの重送が防止され、１枚ずつ適正に中間ローラー２２４へ給送される。

図２に示すように、第３給送ローラー２２３と分離ローラー４１とにより給送される用紙Ｓの搬送ルートＲを搬送ルートＲ３とした場合、搬送ルートＲ３は、中間ローラー２２４と第３従動ローラー２２７のニップ位置の手前（上流側）で合流する。

上述した図４は、本実施形態の誘導部材５を示す断面図でもある。なお、図４は、給紙装置３を使用する場合の基本的な状態を示しており、スキャナーユニット１０は閉じた状態となっている。図５は、誘導部材５を示す分解斜視図である。なお、図５では、後述する捕捉部７を省略している。図６は、誘導部材５を示す斜視図である。詳細には、図６は、誘導部材５を背面側から見た斜視図である。
図４から図６を参照して、誘導部材５に関して説明する。

本実施形態の誘導部材５は、板状の誘導板５０で構成される。誘導板５０は、給紙口３１Ａが延びる方向となる幅方向の長さと同様の長さを有して矩形状に形成される。言い換えると、誘導板５０の幅方向の長さは、用紙Ｓの幅以上の長さを有している。誘導板５０は、長手方向が幅方向となり、短手方向が高さ方向となる。また、誘導板５０は、高さ方向の略中央部で幅方向にわたって湾曲して形成される。湾曲した上側の板状領域を上側誘導部５０ａとし、湾曲した下側の板状領域を下側誘導部５０ｂとし、湾曲した領域を湾曲部５０ｃとする。

下側誘導部５０ｂの下側で幅方向の両端部には、幅方向に共通の軸を有して突出する第１回動軸５１が形成されている。なお、第１回動軸５１は、下側誘導部５０ｂの背面側の面（後述する背面５０ｄ）よりも若干背面側にずれている。ここで、上側誘導部５０ａ、湾曲部５０ｃ、下側誘導部５０ｂを含む誘導板５０の背面側の面を背面５０ｄとし、上側誘導部５０ａ、湾曲部５０ｃ、下側誘導部５０ｂを含む誘導板５０の前面側の面を前面５０ｅとして以降使用する。

下側誘導部５０ｂの下側には、第１回動軸５１と同軸となり第１回動軸５１の間に設置される第２回動軸５２が形成されている。なお、第２回動軸５２は、下側誘導部５０ｂの幅方向の中央部に形成される。第２回動軸５２は、軸方向の両端部を側面視でテーパー形状に形成される回動軸支持部５３に支持されて、下側誘導部５０ｂの背面５０ｄとは離間している。また、回動軸支持部５３の間には、同様にテーパー形状に形成される補助支持部５４が形成されている。
上側誘導部５０ａの上側で幅方向の両端部には、幅方向に共通の軸を有する摺動軸５５が形成されている。

第３給送ローラー２２３は、ローラー軸２２３Ａに軸支されている。ローラー軸２２３Ａは、幅方向に掛け渡されて第３給送ローラー２２３を回転させる。詳細には、ローラー軸２２３Ａは、記録ユニット２０内の本体フレーム２０１の幅方向に掛け渡されて、記録ユニット２０内部に設置される駆動モーター（図示省略）の回転により回転する。

第３給送ローラー２２３は、ローラー軸２２３Ａの中央部の外周に、ローラー部２２３Ｂが設置されることで構成されている。ローラー部２２３Ｂは、管状のゴム部材と、ゴム部材を保持してローラー軸２２３Ａに嵌め込まれる環状のゴム保持部とを有して形成される。このように構成される第３給送ローラー２２３は、ローラー軸２２３Ａの回転に伴ってローラー部２２３Ｂが回転することにより、用紙Ｓを中間ローラー２２４に給送する。

ローラー軸２２３Ａを覆うカバー部材６が設置されている。カバー部材６は、記録ユニット２０の本体フレーム２０１の幅方向に掛け渡されて形成され、ローラー軸２２３Ａの上側及び背面側を覆う。図５に示すように、カバー部材６は、ローラー軸２２３Ａの上側及び背面側を覆うカバー本体６０で構成されている。そして、カバー本体６０の幅方向の中央部で、第３給送ローラー２２３に相対する領域には開口部６１が形成され、第３給送ローラー２２３が露出する。

カバー部材６は、カバー本体６０の幅方向の両端部から背面側に延出する延出部６２が形成されている。相対する延出部６２の双方の内側の面には、誘導板５０の第１回動軸５１を軸支する第１軸支部６３がそれぞれ形成されている。また、カバー本体６０の幅方向の中央部で、開口部６１の背面側には、誘導板５０の第２回動軸５２を軸支する第２軸支部６４が形成されている。

第２読取装置１２を構成する外装ケース１２５の背面１２５ａにおいて、左右方向の側面１２５ｂから内側に入り、給紙トレイ３０に相対する領域には、前面側に入り込み、上面視で、背面１２５ａに対して概ね凹形状に形成される誘導部材設置部１２６が形成されている。ここで、誘導部材設置部１２６の左右方向の側面に対して、左方向（＋Ｘ方向）の側面を側面１２６ａとし、右方向（－Ｘ方向）の側面を側面１２６ｂとし、前方向（＋Ｙ方向）の側面を側面１２６ｃとする。

誘導部材設置部１２６の左右の側面１２６ａ，１２６ｂには、誘導板５０の摺動軸５５を摺動させる摺動案内部１２７がそれぞれ上下方向（Ｚ方向）に形成されている。側面１２６ａ，１２６ｂに対してそれぞれ溝状に形成される摺動案内部１２７は、互いに対称に形成されている。摺動案内部１２７は、詳細には、Ｚ方向に沿って溝状に形成される第１摺動案内部１２７ａと、第１摺動案内部１２７ａの下部から背面側で斜め下方向に傾斜して溝状に形成される第２摺動案内部１２７ｂとで構成されている。

誘導部材５の設置に関して説明する。
誘導部材５は、カバー部材６、および第２読取装置１２の外装ケース１２５で誘導部材設置部１２６の側面１２６ａ，１２６ｂに設置される。誘導板５０は、２つの第１回動軸５１を、カバー部材６の対応する２つの第１軸支部６３にそれぞれ挿入される。この場合、誘導板５０の下側誘導部５０ｂを若干撓ませることで、第１軸支部６３にそれぞれ挿入させる。併せて、誘導板５０は、誘導板５０の第２回動軸５２を、カバー部材６の対応する第２軸支部６４に対して上方向から押し込むことで係合される。

そして、誘導板５０は、摺動軸５５を、外装ケース１２５の誘導部材設置部１２６の側面１２６ａ，１２６ｂに形成する摺動案内部１２７に係合される。この場合、誘導板５０の上側誘導部５０ａを若干撓ませることで、摺動案内部１２７に係合させる。以上により、誘導部材５は、カバー部材６、および外装ケース１２５の側面１２６ａ，１２６ｂへ設置される。

なお、図４に示すように、誘導部材５が設置された場合、誘導板５０の上側誘導部５０ａが下側誘導部５０ｂよりも前方向に出る形態で設置される。また、図４に示すように、誘導部材５が設置された場合、誘導板５０の下端部となる下側誘導部５０ｂの下端部と給紙トレイ３０との間となる隙間には、給紙口３１Ａにつながり、用紙Ｓが挿入される挿入部３１Ｂが形成される。

図４に示すように、スキャナーユニット１０が記録装置１の本体（記録ユニット２０）に対して閉塞された状態（閉じた状態）で、給紙装置３が展開された場合での誘導部材５の状態を説明する。なお、図４に示す状態が、給紙装置３から給送される用紙Ｓに対して、印刷を行う場合の基本姿勢となる。

この状態では、誘導部材５は、摺動軸５５が摺動案内部１２７の第１摺動案内部１２７ａの下部に摺動し、第２読取装置１２の給紙トレイ３０側の側面となる誘導部材設置部１２６の前方向の側面１２６ｃから、水平より下方に給紙トレイ３０に向けて傾斜面となる誘導板５０の背面５０ｄが位置する。なお、言い換えると、スキャナーユニット１０が記録装置１の本体に対して閉塞する動作（閉塞動作）を行った場合、誘導部材５は、スキャナーユニット１０の閉塞動作に連動して給紙トレイ３０に向けて傾斜面が位置する誘導位置に移動する。

これにより、ユーザーが、給紙口３１Ａが見えない状態で、給紙トレイ３０に用紙Ｓをセットする場合、用紙Ｓは、誘導位置に移動した誘導部材５の傾斜面としての背面５０ｄに沿って当接しながら給紙トレイ３０に向けて誘導される。また、第２回動軸５２を支持する回動軸支持部５３もテーパー形状に形成されているため、用紙Ｓが当接しても、給紙トレイ３０に向けて誘導される。また、ユーザーは、用紙Ｓを誘導板５０に誘導させた後、挿入部３１Ｂを介して挿入することができるため、容易に給紙トレイ３０に用紙Ｓを載置することができる。その結果、用紙Ｓは給紙トレイ３０に正しく載置されてセットされる。

図７は、給紙装置３が展開された状態で、第２読取装置１２が第１読取装置１１に対して開放された場合の状態を示す断面図である。なお、「第２読取装置１２が第１読取装置１１に対して開放された場合」とは、言い換えると、「第２読取装置１２が記録装置１の本体に対して開放された場合」と言える。

この状態は、第１読取装置１１を使用する場合の動作となる。第２読取装置１２を第１読取装置１１に対して開放することにより、露出する第１読取装置１１の原稿載置面に原稿を載置した後、第２読取装置１２を閉塞して原稿の読取り及び印刷を行う。
給紙装置３が展開された状態で、第２読取装置１２が第１読取装置１１に対して開放された場合での誘導部材５の状態を説明する。

この状態では、誘導部材５は、第２読取装置１２が第１読取装置１１に対して開放される開放動作に連動して、第１回動軸５１、第２回動軸５２が第１軸支部６３、第２軸支部６４を回動すると共に、摺動軸５５が摺動案内部１２７を上方向に摺動して第１摺動案内部１２７ａの上部まで摺動する。なお、第２読取装置１２が第１読取装置１１に対して開放される開放動作に連動して、誘導部材５が移動する位置が、第２読取装置１２が第１読取装置１１または記録装置１の本体に対して開放された場合における退避位置となる。このような退避位置においては、誘導部材５は、周りの部材に対して干渉することがない。

図８は、給紙装置３が展開された状態で、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放された場合の状態を示す断面図である。
給紙装置３が展開された状態で、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放された場合での誘導部材５の状態を説明する。なお、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放される場合、それに伴って、第１読取装置１１の上部に設置される第２読取装置１２も開放される。

この状態は、記録ユニット２０の内部のメンテナンスを行う場合の動作となる。具体的には、第１読取装置１１を開放する（スキャナーユニット１０を開放する）ことにより、記録ユニット２０の内部のインクカートリッジ２４３の交換や、用紙Ｓの紙詰まりの除去などを行うことができる。

この状態では、誘導部材５は、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放される開放動作に連動して、第１回動軸５１、第２回動軸５２が第１軸支部６３、第２軸支部６４を回動すると共に、摺動軸５５が摺動案内部１２７を上方向に摺動して第１摺動案内部１２７ａの上部まで摺動する。なお、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放される開放動作に連動して、誘導部材５が移動する位置が、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放された場合における退避位置となる。

この状態における誘導部材５は、下側誘導部５０ｂは、第１読取装置１１の外装ケース１１１の背面１１１ａに隙間を開けて略平行に位置し、上側誘導部５０ａは、第２読取装置１２の外装ケース１２５の誘導部材設置部１２６の側面１２６ｃに隙間を開けて略平行に位置した状態となる。この誘導部材５の退避位置においては、図７に示す誘導部材５の退避位置に比べて隙間が少なくなっている。しかし、誘導部材５は、背面１１１ａ、側面１２６ｃを含めて周りの部材に対して干渉することがない。なお、言い換えると、誘導部材５は、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放された場合、背面１１１ａ、側面１２６ｃ、および給紙トレイ３０により構成される隙間に収まる形状に形成されている。

ここで、スキャナーユニット１０において、第２読取装置１２を第１読取装置１１に対して開放して、露出する第１読取装置１１の原稿載置面に厚手の原稿が載置され、第２読取装置１２を閉塞した場合、第２読取装置１２は、上方向に移動するように構成されている。このような場合に、誘導部材５は、第２読取装置１２の上方向への移動に従動して、摺動軸５５が、摺動案内部１２７の第２摺動案内部１２７ｂを摺動する構成となっている。これにより、第１読取装置１１の原稿載置面に厚手の原稿が載置された場合であっても、誘導部材５の誘導位置が確保される。

次に、本実施形態の捕捉部７に関して説明する。
図９は、捕捉部７を示す分解斜視図である。なお、前述した図４は、給紙装置３が展開された状態で、第１読取装置１１、第２読取装置１２が記録装置１の本体に対して閉塞されている場合における捕捉部７の状態を示す断面図でもある。

本実施形態の捕捉部７は、図９、図４に示すように、概略、受部材７１と補助部材７２とバネ部材７３とで構成されている。
捕捉部７は、第２読取装置１２の外装ケース１２５において、側面視で、誘導部材設置部１２６の側面１２６ｃ上部から背面側に向けて構成されている。また、捕捉部７は、上面視で、外装ケース１２５の上面１２５ｃの背面側で、上面１２５ｃの右側端部から誘導部材設置部１２６の側面１２６ａにかけて幅方向に延びて構成されている。

受部材７１は、外装ケース１２５の上面１２５ｃの背面側で、上面１２５ｃの右側端部に対応する誘導部材設置部１２６の側面１２６ｃから誘導部材設置部１２６の側面１２６ａにかけて幅方向に延設され、また、背面側に突出して構成されている。受部材７１は、誘導部材５の設置される位置よりも上部に形成されている。図９では、受部材７１の断面を破線で図示している。

補助部材７２は、受部材７１に相対して形成されており、幅方向が長手方向となり、高さ方向が短手方向となる矩形の板状に形成されている。補助部材７２の下部で幅方向の両端部には、幅方向に共通の軸を有して突出する一対の回動軸としての補助用回動軸７２１が形成されている。なお、補助用回動軸７２１において、左側の補助用回動軸７２１を左側補助用回動軸７２１ａとし、右側の補助用回動軸７２１を右側補助用回動軸７２１ｂとする。

左側補助用回動軸７２１ａに対応して、誘導部材設置部１２６の側面１２６ａには、左側補助用回動軸７２１ａを回動可能に軸支する左側補助用軸支部１２８が形成されている。なお、受部材７１の右端部には、上方向に突出する突出部７１１が形成されている。突出部７１１には、補助部材７２の右側補助用回動軸７２１ｂを回動可能に軸支する右側補助用軸支部７１２が形成されている。左側補助用軸支部１２８、右側補助用軸支部７１２が、一対の補助用回動軸７２１を軸支する一対の軸支部となる。

バネ部材７３は、ねじりコイルバネで構成されている。バネ部材７３は、コイル部７３１と、コイル部７３１の一端部から伸びる一方のアーム部７３２、コイル部７３１の他端部から伸びる他方のアーム部７３３とで構成される。

補助部材７２の右側補助用回動軸７２１ｂを、受部材７１の突出部７１１に形成される右側補助用軸支部７１２に挿入する際の手順を説明する。最初に、バネ部材７３のコイル部７３１を右側補助用回動軸７２１ｂに挿通し、一方のアーム部７３２を受部材７１の固定孔（図示省略）に挿入し、他方のアーム部７３３を補助部材７２の内面側（受部材７１に相対する面側）に固定する。このように、バネ部材７３は、右側補助用回動軸７２１ｂを中心として補助部材７２と受部材７１とに掛け渡されて設置される。

その後、この状態を維持して、右側補助用回動軸７２１ｂを右側補助用軸支部７１２に挿入する。また、併せて、補助部材７２の左側補助用回動軸７２１ａを、誘導部材設置部１２６の側面１２６ａの左側補助用軸支部１２８に挿通する。これにより、受部材７１をベースとして、バネ部材７３および補助部材７２が組み立てられて、捕捉部７が完成する。

捕捉部７において、補助部材７２は、バネ部材７３により、受部材７１に回動可能に接続する。バネ部材７３は、受部材７１に対して補助部材７２を開放する方向に付勢する。そして、給紙装置３が展開された状態において、捕捉部７は、補助部材７２がバネ部材７３の付勢力により、受部材７１に対して開放され、第２読取装置１２の上面１２５ｃに対して高さ方向に突出した状態となる。

前述した図７は、給紙装置３が展開された状態で、第２読取装置１２が第１読取装置１１に対して開放（記録装置１の本体に対して開放）されている場合における捕捉部７の状態を示す断面図でもある。図４に示す状態である第２読取装置１２、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して閉塞している状態から、図７に示す状態である第２読取装置１２が記録装置１の本体に対して開放される状態となった場合の、第２読取装置１２の上面１２５ｃに載置された異物Ｐの動作を説明する。なお、図７では、異物Ｐを二点鎖線で示している。

第２読取装置１２が記録装置１の本体に対して開放された場合、第２読取装置１２の上面１２５ｃに載置された異物Ｐは、上面１２５ｃを背面側に滑り又は転がり、上面１２５ｃの背面側端部から下方へ落下する。そして、落下する異物Ｐは、第２読取装置１２の開放の速度や開放の角度、異物Ｐの材質などにより、直接、受部材７１に落下して捕捉されるか、又は受部材７１に対して開放している補助部材７２に当接して受部材７１に捕捉されることになる。

ここで、補助部材７２は、上面１２５ｃを滑り落ちる又は転がり落ちる異物Ｐを当接させて、受部材７１が異物Ｐを捕捉するのを補助する。なお、補助部材７２は、上面１２５ｃに対して高さ方向に突出しているため、落下する異物Ｐを確実に捕捉することができ、また、ある程度の大きさの異物Ｐも捕捉することができる。

前述した図８は、給紙装置３が展開された状態で、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放されている場合における捕捉部７の状態を示す断面図でもある。図８に示すように、捕捉部７において、第１読取装置１１が記録装置１の本体に対して開放された場合でも、第２読取装置１２の上面１２５ｃに載置された異物Ｐ（図７参照）は、前述したと同様に、上面１２５ｃを滑り又は転がり、受部材７１に捕捉される。

捕捉部７は、受部材７１と補助部材７２とが協働して、異物Ｐを捕捉する。このように捕捉部７が動作することで、上面１２５ｃに載置された異物Ｐが、給紙装置３の内部に侵入して、電気的、機械的な不具合を発生させることを防止する。

図１０は、第１読取装置１１、第２読取装置１２が記録装置１の本体に対して閉塞された状態で、給紙装置３が閉塞される場合における誘導部材５および捕捉部７の状態を示す断面図である。

給紙装置３が開放された状態から、図１０に示すように、給紙装置３が閉塞された状態とするには、最初に、給紙トレイ３０の展開されている第４支持部３４から第２支持部３２までを上述したように第１支持部３１の内部に収容する。次に、トレイ用カバー９０を前面側に押圧することにより、支軸（図示省略）を中心としてトレイ用カバー９０が前面側に回動する。その回動に従動して、ホッパー３１１を除く第１支持部３１が支軸（図示省略）を中心として前面側に回動する。この動作により、図１０に示すように、トレイ用カバー９０が、第２支持部３２から第４支持部３４までを収容している第１支持部３１を覆う状態となり、トレイ用カバー９０の先端部９１が外装ケース１２５の背面側の上面１２５ｃに固定される。

この状態において、誘導部材５は、図４に示すように、トレイ用カバー９０を後側に回動させ、用紙Ｓを傾斜姿勢で載置する所定の角度に第１支持部３１を位置させた状態の位置と同様となっている。

また、前述したようにトレイ用カバー９０が前面側に回動することにより、トレイ用カバー９０の先端部９１が捕捉部７の補助部材７２の上部の背面側に当接し、バネ部材７３の付勢力に抗して、補助部材７２を前面側に押圧して回転させる。

この動作により、補助部材７２は、図１０に示すように、トレイ用カバー９０の先端部９１の下側に位置する状態となる。言い換えると、補助部材７２は、トレイ用カバー９０の回動に従動して給紙トレイ３０が回動して給紙口３１Ａを塞ぐ場合、回動するトレイ用カバー９０に当接され、バネ部材７３の付勢力に抗して受部材７１側に回動する。なお、トレイ用カバー９０が、図１０に示す状態から背面側に回動して給紙装置３を開放させる場合には、補助部材７２は、バネ部材７３の付勢力により、図４に示すように、開放される。

本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。

本実施形態の記録装置１は、傾斜姿勢で用紙Ｓを載置する給紙トレイ３０、用紙Ｓを給送する第３給送ローラー２２３、および給紙トレイ３０と第３給送ローラー２２３との隙間に用紙Ｓがセットされる給紙口３１Ａを有する給紙装置３と、給紙装置３から給紙された用紙Ｓに記録を行う記録部２４と、を備える記録装置１である。そして、記録装置１の本体の上部に配置されて原稿を読取る読取装置としてのスキャナーユニット１０を有し、給紙トレイ３０に用紙Ｓを載置する場合、スキャナーユニット１０が記録装置１の本体に対して閉塞された状態で、スキャナーユニット１０の給紙トレイ３０側の側面となる誘導部材設置部１２６の側面１２６ｃから、水平より下方に給紙トレイ３０に向けて傾斜面としての背面５０ｄが位置する誘導部材５を備えている。
このように、スキャナーユニット１０の給紙トレイ３０側の側面１２６ｃから、水平より下方に給紙トレイ３０に向けて傾斜面としての背面５０ｄが位置する誘導部材５を備えることにより、給紙口３１Ａが見えないまま用紙Ｓをセットする場合に、用紙Ｓがこの誘導部材５の背面５０ｄに沿って給紙トレイ３０に向けて誘導される。そのため、従来、読取装置の給紙トレイ側の側面などに有する例えば凹凸部で引っ掛かるなどの不具合を防止でき、用紙Ｓを給紙トレイ３０に適正に載置することができる。これにより、給紙トレイ３０に用紙Ｓをセットする際の、用紙Ｓのセット性を向上させることができる。

本実施形態の記録装置１において、誘導部材５は、給紙口３１Ａが延びる方向となる幅方向の長さと同様の長さを有して矩形状に形成される誘導板５０と、誘導板５０の幅方向の両端部の下側に設置されて幅方向に軸方向を有する第１回動軸５１と、幅方向の両端部の上側に設置されて前記幅方向に軸を有する摺動軸５５と、を備えている。また、スキャナーユニット１０の第２読取装置１２において、第２読取装置１２の給紙トレイ３０側には、上下方向に摺動軸５５を摺動させる摺動案内部１２７を備えている。そして、誘導部材５は、第１回動軸５１を中心に回動すると共に、摺動案内部１２７に沿って摺動軸５５が摺動することにより、スキャナーユニット１０の開放動作に連動して退避位置に移動し、閉塞動作に連動して給紙トレイ３０に向けて傾斜面（背面５０ｄ）が位置する誘導位置に移動する。
このように、誘導部材５は、スキャナーユニット１０が閉塞された状態から開放される状態に移行する動作（開放動作）に連動して、第１回動軸５１を中心に回動すると共に、摺動案内部１２７に沿って摺動軸５５が上下方向に摺動して誘導部材５の位置を退避位置に移動して変化させる。また、スキャナーユニット１０が開放された状態から閉塞される状態に移行する動作（閉塞動作）に連動して、第１回動軸５１を中心に回動すると共に、摺動案内部１２７に沿って摺動軸５５が上下方向に摺動して誘導部材５の位置を給紙トレイ３０に向けて傾斜面（背面５０ｄ）が位置する誘導位置に移動して変化させる。従って、誘導部材５は、誘導位置では、用紙Ｓを給紙トレイ３０に適正に載置できることで、用紙Ｓを給紙口３１Ａに適正にセットすることができ、用紙Ｓの給紙トレイ３０へのセット性を向上させる。また、誘導部材５は、退避位置では、他の構成部材に当接しない（干渉しない）位置とすることができ、誘導部材５をコンパクトに構成することができ、給紙装置３の大型化を抑制する。

本実施形態の記録装置１は、第３給送ローラー２２３を軸支して幅方向に掛け渡されて第３給送ローラー２２３を回転させるローラー軸２２３Ａと、幅方向に掛け渡されてローラー軸２２３Ａを覆うカバー部材６と、を備えている。また、誘導部材５には、誘導板５０の幅方向の両端部に設置される第１回動軸５１と同軸で第１回動軸５１の間に設置される第２回動軸５２を備えている。そして、カバー部材６には、第１回動軸５１を軸支する第１軸支部６３を備えると共に、第２回動軸５２を軸支する第２軸支部６４を備えている。
このように、カバー部材６に、第１回動軸５１を軸支する第１軸支部６３と、第２回動軸５２を軸支する第２軸支部６４とを設けている。これにより、第２読取装置１２の摺動案内部１２７、誘導部材５、カバー部材６において、摺動案内部１２７と摺動軸５５との係合、第１回動軸５１と第１軸支部６３との係合、第２回動軸５２と第２軸支部６４との係合、などの作用により、幅方向に掛け渡されてローラー軸２２３Ａを覆うカバー部材６の重力方向への撓みを防止する（剛性を向上させる）ことができる。そのため、例えば、カバー部材６の剛性が不足して撓むことにより、ローラー軸２２３Ａに当接して回転に影響を与えることや異音を発生させることなどを防止することができる。また、この構成により、カバー部材６をより軽量化することができる。

本実施形態の記録装置１において、給紙トレイ３０と誘導板５０の下端部との間に用紙Ｓが挿入される挿入部３１Ｂが形成されている。
これにより、ユーザーは、用紙Ｓを給紙トレイ３０に載置する際、用紙Ｓを誘導板５０に誘導させた後、挿入部３１Ｂを介して挿入することができるため、容易に給紙トレイ３０に用紙Ｓを載置することができる。

本実施形態の記録装置１において、第２読取装置１２の給紙トレイ３０側には、第２読取装置１２の上面１２５ｃに載置された異物Ｐの給紙装置３への侵入を防止する捕捉部７を備えている。捕捉部７は、幅方向に延設されて異物Ｐを受ける受部材７１と、受部材７１に回動可能に接続すると共に、第２読取装置１２の上面１２５ｃに対して高さ方向に突出して、受部材７１の異物Ｐの捕捉を補助する補助部材７２と、受部材７１に対して補助部材７２を開放する方向に付勢するバネ部材７３と、を備えている。
このように、第２読取装置１２の上面１２５ｃに対して高さ方向に突出して補助部材７２が備えられるため、上面１２５ｃに対して高さ方向に突出していない場合に比べて、第２読取装置１２が開放して傾いた場合に、上面１２５ｃの異物Ｐを捕捉しやすくなる。また、受部材７１に対して補助部材７２を開放する方向に付勢するバネ部材７３を備えるため、何かに当たって閉塞する方向に押された場合にも、開放する方向に常に付勢することで、その範囲で最大限に開放させることができ、異物Ｐを捕捉することができる。

本実施形態の記録装置１において、トレイ用カバー９０を備えて、トレイ用カバー９０が記録装置１の本体に対して回動することに従動させて給紙トレイ３０を回動させて給紙口３１Ａを塞ぐ。補助部材７２は、受部材７１に対して幅方向に軸方向を有する一対の補助用回動軸７２１を有している。また、受部材７１は、一対の補助用回動軸７２１を軸支する一対の軸支部（左側補助用軸支部１２８、右側補助用軸支部７１２）を有している。また、バネ部材７３は、右側補助用回動軸７２１ｂを中心として補助部材７２と受部材７１とに掛け渡されて設置される。そして、補助部材７２は、トレイ用カバー９０の回動に従動して給紙トレイ３０が回動して給紙口３１Ａを塞ぐ場合、回動するトレイ用カバー９０に当接され、バネ部材７３の付勢力に抗して受部材７１側に回動する。
これにより、異物Ｐの給紙装置３への侵入を防止することができると共に、給紙口３１Ａを閉塞する場合には、補助部材７２がバネ部材７３の付勢力に抗して受部材７１側に回動することにより、上面１２５ｃから外観上突出することを回避することを含めて、捕捉部７をコンパクトに構成することができる。

２．変形例１
本実施形態の記録装置１において、誘導部材５を構成する誘導板５０は、上側誘導部５０ａ、下側誘導部５０ｂ、湾曲部５０ｃで構成されている。しかし、これには限られず、誘導板５０は、１枚の平坦な部材や１枚の湾曲した部材などで構成されていてもよく、給紙トレイ３０側の側面から、給紙トレイ３０に向けて傾斜面が位置するように構成されていればよい。

３．変形例２
本実施形態の記録装置１において、スキャナーユニット１０は、第１読取装置１１、第２読取装置１２の２つの読取装置で構成されている。しかし、これには限られず、１つの読取装置で構成されていてもよい。

以下に、上記実施形態および変形例から導き出される内容を記載する。

記録装置は、傾斜姿勢で媒体を載置する給紙トレイ、前記媒体を給送する給送ローラー、および前記給紙トレイと前記給送ローラーとの隙間に前記媒体がセットされる給紙口を有する給紙装置と、当該給紙装置から給紙された前記媒体に記録を行う記録部と、を備える記録装置であって、前記記録装置の本体の上部に配置されて原稿を読取る読取装置を有し、前記給紙トレイに前記媒体を載置する場合、前記読取装置が前記記録装置の本体に対して閉塞された状態で、前記読取装置の前記給紙トレイ側の側面から、水平より下方に前記給紙トレイに向けて傾斜面が位置する誘導部材を備えていることを特徴とする。

この構成によれば、読取装置の給紙トレイ側の側面から、水平より下方に給紙トレイに向けて傾斜面が位置する誘導部材を備えることにより、給紙口が見えないまま媒体をセットする場合に、媒体がこの誘導部材の傾斜面に沿って給紙トレイに向けて誘導される。そのため、従来、読取装置の給紙トレイ側の側面などに有する例えば凹凸部で引っ掛かるなどの不具合を防止でき、媒体を給紙トレイに適正に載置することができる。これにより、給紙トレイに媒体をセットする際の、媒体のセット性を向上させることができる。

上記、記録装置において、前記誘導部材は、前記給紙口が延びる方向となる幅方向の長さと同様の長さを有して矩形状に形成される誘導板と、前記誘導板の前記幅方向の両端部の下側に設置されて前記幅方向に軸方向を有する第１回動軸と、前記両端部の上側に設置されて前記幅方向に軸を有する摺動軸と、を備え、前記読取装置の前記給紙トレイ側には、上下方向に前記摺動軸を摺動させる摺動案内部を備え、前記誘導部材は、前記第１回動軸を中心に回動すると共に、前記摺動案内部に沿って前記摺動軸が摺動することにより、前記読取装置の開放動作に連動して退避位置に移動し、閉塞動作に連動して前記給紙トレイに向けて前記傾斜面が位置する誘導位置に移動することが好ましい。

この構成によれば、誘導部材は、読取装置が閉塞された状態から開放される状態に移行する動作（開放動作）に連動して、第１回動軸を中心に回動すると共に、摺動案内部に沿って摺動軸が上下方向に摺動して誘導部材の位置を退避位置に移動して変化させる。また、読取装置が開放された状態から閉塞される状態に移行する動作（閉塞動作）に連動して、第１回動軸を中心に回動すると共に、摺動案内部に沿って摺動軸が上下方向に摺動して誘導部材の位置を給紙トレイに向けて傾斜面が位置する誘導位置に移動して変化させる。
これにより、誘導部材は、誘導位置では、媒体を給紙トレイに適正に載置できることで、媒体を給紙口に適正にセットすることができ、媒体の給紙トレイへのセット性を向上させる。また、誘導部材は、退避位置では、他の構成部材に当接しない位置とすることができ、誘導部材をコンパクトに構成することができ、給紙装置の大型化を抑制することができる。

上記、記録装置は、前記給送ローラーを軸支して幅方向に掛け渡されて前記給送ローラーを回転させるローラー軸と、前記幅方向に掛け渡されて前記ローラー軸を覆うカバー部材と、前記誘導部材には、前記誘導板の前記幅方向の前記両端部に設置される前記第１回動軸と同軸で前記第１回動軸の間に設置される第２回動軸と、前記カバー部材には、前記第１回動軸を軸支する第１軸支部を備えると共に、前記第２回動軸を軸支する第２軸支部と、を備えることが好ましい。

この構成によれば、カバー部材に、第１回動軸を軸支する第１軸支部と、第２回動軸を軸支する第２軸支部とを設けることで、第２読取装置の摺動案内部、誘導部材、カバー部材において、摺動案内部と摺動軸との係合、第１回動軸と第１軸支部との係合、第２回動軸と第２軸支部との係合、などの作用により、幅方向に掛け渡されてローラー軸を覆うカバー部材の重力方向への撓みを防止する（剛性を向上させる）ことができる。そのため、カバー部材の剛性が不足して撓むことにより、ローラー軸に当接して回転に影響を与えることや異音を発生させることなどを防止することができる。また、この構成により、カバー部材をより軽量化することができる。

上記、記録装置において、前記給紙トレイと前記誘導板の下端部との間に前記媒体が挿入される挿入部が形成されることが好ましい。

この構成によれば、ユーザーは、媒体を給紙トレイに載置する際、媒体を誘導板に誘導させた後、挿入部を介して挿入することができるため、容易に給紙トレイに媒体を載置することができる。

上記、記録装置において、前記読取装置の前記給紙トレイ側には、前記読取装置の上面に載置された異物の前記給紙装置への侵入を防止する捕捉部を備え、前記捕捉部は、前記幅方向に延設されて前記異物を受ける受部材と、前記受部材に回動可能に接続すると共に、前記読取装置の前記上面に対して高さ方向に突出して、前記受部材の前記異物の捕捉を補助する補助部材と、前記受部材に対して前記補助部材を開放する方向に付勢するバネ部材と、を備えることが好ましい。

この構成によれば、読取装置の上面に対して高さ方向に突出して補助部材が備えられるため、上面に対して高さ方向に突出していない場合に比べて、読取装置が開放して傾いた場合に、上面の異物を捕捉しやすくなる。また、受部材に対して補助部材を開放する方向に付勢するバネ部材を備えるため、何かに当たって閉塞する方向に押された場合にも、開放する方向に常に付勢することで、その範囲で最大限に開放させることができ、異物を捕捉することができる。

上記、記録装置において、前記記録装置の本体に対して回動することに従動させて前記給紙トレイを回動させ、前記給紙口を塞ぐトレイ用カバーを備え、前記補助部材は、前記受部材に対して幅方向に軸方向を有する一対の回動軸を有し、前記受部材は、前記一対の回動軸を軸支する一対の軸支部を有し、前記バネ部材は、いずれかの前記回動軸を中心として前記補助部材と前記受部材とに掛け渡されて設置され、前記補助部材は、前記トレイ用カバーの回動に従動して前記給紙トレイが回動して前記給紙口を塞ぐ場合、回動する前記トレイ用カバーに当接され、前記バネ部材の付勢力に抗して前記受部材側に回動することが好ましい。

この構成によれば、異物の給紙装置への侵入を防止することができると共に、給紙口を閉塞する場合には、補助部材がバネ部材の付勢力に抗して受部材側に回動することにより、上面から外観上突出することを回避することを含めて、捕捉部をコンパクトに構成することができる。

１…記録装置、３…給紙装置、５…誘導部材、６…カバー部材、７…捕捉部、１１…第１読取装置、１２…第２読取装置、２０…記録装置の本体としての記録ユニット、２４…記録部、３０…給紙トレイ、３１Ａ…給紙口、３１Ｂ…挿入部、５０…誘導板、５１…第１回動軸、５２…第２回動軸、５５…摺動軸、６３…第１軸支部、６４…第２軸支部、７１…受部材、７２…補助部材、７３…バネ部材、９０…トレイ用カバー、１２６ｃ…読取装置の給紙トレイ側の側面、１２７…摺動案内部、１２７ａ…第１摺動案内部、１２７ｂ…第２摺動案内部、２２３…給送ローラーとしての第３給送ローラー、２２３Ａ…ローラー軸、１２５ｃ…読取装置の上面、７２１…捕捉部の回動軸としての補助用回動軸、Ｐ…異物、Ｓ…媒体としての用紙。

Claims (5)

1. 傾斜姿勢で媒体を載置する給紙トレイ、前記媒体を給送する給送ローラー、および前記給紙トレイと前記給送ローラーとの隙間に前記媒体がセットされる給紙口を有する給紙装置と、当該給紙装置から給紙された前記媒体に記録を行う記録部と、を備える記録装置であって、
   前記記録装置の本体の上部に配置されて原稿を読取る読取装置を有し、
   前記給紙トレイに前記媒体を載置する場合、前記読取装置が前記記録装置の本体に対して閉塞された状態で、前記読取装置の前記給紙トレイ側の側面から、水平より下方に前記給紙トレイに向けて傾斜面が位置し、前記媒体を前記給紙トレイにセットする際に誘導する誘導部材を備え、
   前記誘導部材は、
   前記給紙口が延びる方向となる幅方向の長さと同様の長さを有して矩形状に形成される誘導板と、
   前記誘導板の前記幅方向の両端部の下側に設置されて前記幅方向に軸方向を有する第１回動軸と、
   前記両端部の上側に設置されて前記幅方向に軸を有する摺動軸と、を備え、
   前記読取装置の前記給紙トレイ側には、上下方向に前記摺動軸を摺動させる摺動案内部を備え、
   前記誘導部材は、前記第１回動軸を中心に回動すると共に、前記摺動案内部に沿って前記摺動軸が摺動することにより、前記読取装置の開放動作に連動して退避位置に移動し、閉塞動作に連動して前記給紙トレイに向けて前記傾斜面が位置する誘導位置に移動することを特徴とする記録装置。
2. 請求項１に記載の記録装置であって、
   前記記録装置は、
   前記給送ローラーを軸支して幅方向に掛け渡されて前記給送ローラーを回転させるローラー軸と、
   前記幅方向に掛け渡されて前記ローラー軸を覆うカバー部材と、
   前記誘導部材には、前記誘導板の前記幅方向の前記両端部に設置される前記第１回動軸と同軸で前記第１回動軸の間に設置される第２回動軸と、
   前記カバー部材には、前記第１回動軸を軸支する第１軸支部を備えると共に、前記第２回動軸を軸支する第２軸支部と、を備えることを特徴とする記録装置。
3. 請求項１または請求項２に記載の記録装置であって、
   前記給紙トレイと前記誘導板の下端部との間に前記媒体が挿入される挿入部が形成されることを特徴とする記録装置。
4. 請求項１～請求項３のいずれか一項に記載の記録装置であって、
   前記読取装置の前記給紙トレイ側には、前記読取装置の上面に載置された異物の前記給紙装置への侵入を防止する捕捉部を備え、
   前記捕捉部は、
   前記幅方向に延設されて前記異物を受ける受部材と
   前記受部材に回動可能に接続すると共に、前記読取装置の前記上面に対して高さ方向に突出して、前記受部材の前記異物の捕捉を補助する補助部材と、
   前記受部材に対して前記補助部材を開放する方向に付勢するバネ部材と、を備えることを特徴とする記録装置。
5. 請求項４に記載の記録装置であって、
   前記記録装置の本体に対して回動することに従動させて前記給紙トレイを回動させ、前記給紙口を塞ぐトレイ用カバーを備え、
   前記補助部材は、前記受部材に対して幅方向に軸方向を有する一対の回動軸を有し、
   前記受部材は、前記一対の回動軸を軸支する一対の軸支部を有し、
   前記バネ部材は、いずれかの前記回動軸を中心として前記補助部材と前記受部材とに掛け渡されて設置され、
   前記補助部材は、前記トレイ用カバーの回動に従動して前記給紙トレイが回動して前記給紙口を塞ぐ場合、回動する前記トレイ用カバーに当接され、前記バネ部材の付勢力に抗して前記受部材側に回動することを特徴とする記録装置。

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