[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP7373649B2 - 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7373649B2
JP7373649B2 JP2022509973A JP2022509973A JP7373649B2 JP 7373649 B2 JP7373649 B2 JP 7373649B2 JP 2022509973 A JP2022509973 A JP 2022509973A JP 2022509973 A JP2022509973 A JP 2022509973A JP 7373649 B2 JP7373649 B2 JP 7373649B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
active energy
mass
energy ray
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022509973A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021193230A1 (ja
JPWO2021193230A5 (ja
Inventor
健次郎 荒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2021193230A1 publication Critical patent/JPWO2021193230A1/ja
Publication of JPWO2021193230A5 publication Critical patent/JPWO2021193230A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7373649B2 publication Critical patent/JP7373649B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • C09D11/106Printing inks based on artificial resins containing macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C09D11/107Printing inks based on artificial resins containing macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds from unsaturated acids or derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/02Printing inks
    • C09D11/10Printing inks based on artificial resins
    • C09D11/101Inks specially adapted for printing processes involving curing by wave energy or particle radiation, e.g. with UV-curing following the printing
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M7/00After-treatment of prints, e.g. heating, irradiating, setting of the ink, protection of the printed stock
    • B41M7/0081After-treatment of prints, e.g. heating, irradiating, setting of the ink, protection of the printed stock using electromagnetic radiation or waves, e.g. ultraviolet radiation, electron beams
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/322Pigment inks
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

本開示は、活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法に関する。
画像記録方法の一種として、被記録媒体上にインクを付与し、付与されたインクに対し、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによりインクを硬化させて画像を得る画像記録方法が知られている。このような画像記録方法に用いられるインクは、活性エネルギー線硬化型インク等と称されている。
例えば、特許文献1には、高感度で、柔軟性の高く強固な塗膜を形成することができる活性光線硬化型インクジェットインクとして、光重合性化合物としてラジカル重合性モノマーを含有し、かつ、無機酸化物コロイドを含有する活性光線硬化型組成物が開示されている。また、上述した性能を有する活性光線硬化型インクジェットインクとして、光重合性化合物としてオキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物を含有し、かつ、光酸発生剤及び無機酸化物コロイドを含有する活性光線硬化型インクジェットインクも開示されている。
また、特許文献2には、シリカ粒子の凝集による沈降を抑制し、間欠吐出性および印字画像の色ムラを改善し、かつ塗膜硬度が高く耐摩耗性にも優れる活性エネルギー線硬化型組成物として、無機顔料およびシリカ粒子を含有する活性エネルギー線硬化型組成物において、シリカ粒子の体積平均粒子径が、無機顔料の体積平均粒子径の1/10~1/3であり、かつシリカ粒子の表面が、(メタ)アクリレート化合物により修飾されていることを特徴とする活性エネルギー線硬化型組成物が開示されている。
特許文献1:特開2006-152064号公報
特許文献2:特開2019-157062号公報
ところで、活性エネルギー線硬化型インクを用いて記録される画像は、光沢が強い場合がある。このため、上記画像は、レリーフ感を有する場合、目立ちやすい場合、等がある。
しかし、画像のレリーフ感を低減する観点、画像を目立ちにくくする観点等から、活性エネルギー線硬化型インクを用いて記録される画像の品質として、光沢が抑制されていることが求められる場合がある。
本開示の一態様の課題は、光沢が抑制された画像を記録できる活性エネルギー線硬化型インク、及び、上記活性エネルギー線硬化型インクを用いた画像記録方法を提供することである。
課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、光酸発生剤、及び光ラジカル重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インク。
<2> 無機酸化物粒子が、シリカ粒子及びアルミナ粒子の少なくとも一方を含む<1>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<3> 無機酸化物粒子の平均一次粒径が、0.1μm~3.0μmである<1>又は<2>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<4> 光酸発生剤が、スルホニウム塩である<1>~<3>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<5> 更に、光カチオン増感剤を含有する<1>~<4>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<6> 光カチオン増感剤が、アントラセン骨格を含む化合物である<5>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<7> 光カチオン増感剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.5質量%~5.0質量%である<5>又は<6>に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<8> 無機酸化物粒子の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.5質量%~15.0質量%である<1>~<7>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<9> 光酸発生剤の含有量に対する無機酸化物粒子の含有量の質量比が、0.2~15.0である<1>~<8>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<10> 無機酸化物粒子及び光酸発生剤の総含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、1.0質量%~17.5質量%である<1>~<9>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<11> 光ラジカル重合開始剤の含有量に対する、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、及び光酸発生剤の総含有量の質量比が、6.0~45.0である<1>~<10>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<12> ラジカル重合性モノマーが、単官能のラジカル重合性モノマー及び2官能のラジカル重合性モノマーの少なくとも一方を含み、
単官能のラジカル重合性モノマー及び2官能のラジカル重合性モノマーの総含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、50質量%以上である<1>~<11>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<13> 更に、炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物及び炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物からなる群から選択される少なくとも1種であるゲル化剤を含有する<1>~<12>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インク。
<14> 被記録媒体上に、<1>~<13>のいずれか1つに記載の活性エネルギー線硬化型インクを付与してインク膜を得る付与工程と、
インク膜に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
を含む画像記録方法。
<15> 照射工程は、インク膜に活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程を含む<14>に記載の画像記録方法。
本開示の一態様によれば、光沢が抑制された画像を記録できる活性エネルギー線硬化型インク、及び、上記活性エネルギー線硬化型インクを用いた画像記録方法が提供される。
本開示において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する上記複数の物質の合計量を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよく、また、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「光」は、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線等の活性エネルギー線を包含する概念である。
本開示においては、紫外線を、「UV(Ultra Violet)光」ということがある。
本開示において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリロイル基」はアクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する概念であり、「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸の両方を包含する概念である。
本開示において、「画像」とは、インクを用いて形成される膜全般を意味し、「画像記録」とは、画像(即ち、膜)の形成を意味する。
また、本開示における「画像」の概念には、ベタ画像(solid image)も包含される。
〔活性エネルギー線硬化型インク〕
本開示の活性エネルギー線硬化型インクは、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、光酸発生剤、及び光ラジカル重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクである。
以下、活性エネルギー線硬化型インクを、単に「インク」ともいう。
本開示のインクによれば、光沢が抑制された画像を記録できる。
上記効果が奏される理由には、インクに、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、光酸発生剤、及び光ラジカル重合開始剤が含有されていることが関係していると考えられる。
詳細には、上記効果が奏される理由は、以下のように推測される。
一般に、ラジカル重合性モノマー及び光ラジカル重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型のインクを用いた画像記録は、被記録媒体上にインクを付与し、基材上に付与されたインク(以下、「インク膜」ともいう)に光(即ち、活性エネルギー線。以下同じ。)を照射することによって行われる。この画像記録では、インク膜に光が照射された際、インク膜中に、光ラジカル重合開始剤の作用によってラジカルが発生し、発生したラジカルの作用によりラジカル重合性モノマーのラジカル重合が開始され、ラジカル重合性モノマーのラジカル重合が進行してインク膜が硬化する。その結果、硬化したインク膜である画像が得られる。
本開示のインクを画像記録に適用した場合には、インク膜に光が照射された際、インク膜中に、光ラジカル重合開始剤の作用によってラジカルが発生するだけでなく、光酸発生剤の作用によって酸も発生する。発生した酸によって、インク膜中の無機酸化物粒子同士が凝集し、凝集体が形成されると考えられる。形成された凝集体がマット剤として機能することにより、画像の光沢が抑制されると考えられる。
より詳細には、インク膜の表面は酸素に曝されるため、インク膜における表面側の領域(以下、「表面側領域」ともいう)は、インク膜における被記録媒体側の領域(以下、「被記録媒体側領域」ともいう)と比較して、酸素によるラジカル重合阻害を受けやすい領域である。このため、インク膜の膜厚方向全体の硬化が完了する前の段階では、インク膜における被記録媒体側領域の硬化は完了しているものの、インク膜における表面側領域の硬化がまだ完了していないと考えられる。この段階では、インクに含有されていた無機酸化物粒子が、インク膜における表面側領域に集まりやすいと考えられる。表面側領域に集まった無機酸化物粒子同士が、前述した酸の作用によって凝集し、凝集体が形成されると考えられる。インク膜における表面側領域に形成された凝集体が、上述したマット剤としての機能を効果的に発揮し、その結果、画像の光沢が抑制されると考えられる。
ところで、前述した特許文献1(特開2006-152064号公報)には、実質的に、光重合性化合物としてのラジカル重合性モノマーと、無機酸化物粒子と、光ラジカル重合開始剤と、を含有するインク(以下、ラジカル重合性インクR1とする)が開示されており、かつ、ラジカル重合性インクC1とは別に、光重合性化合物としてのオキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物と、無機酸化物粒子と、光酸発生剤と、を含有するインク(以下、カチオン重合性インクC1とする)が開示されている。
しかし、特許文献1には、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、光酸発生剤、及び光ラジカル重合開始剤の全てを含有するインク(即ち、本開示のインク)は開示されていない。
無機酸化物粒子を含有するが光酸発生剤を含有しないラジカル重合性インクR1では、酸によって無機酸化物粒子を凝集させることができない。無機酸化物粒子の平均一次粒径が小さいために、凝集体を形成していない無機酸化物粒子では、マット剤としての機能を果たさないと考えられる。従って、ラジカル重合性インクR1では、本開示のインクによって得られる程の光沢抑制の効果は得られないと考えられる。
また、無機酸化物粒子を含有するが光ラジカル重合開始剤を含有しないカチオン重合性インクC1では、光が照射された際に酸が発生するものの、そもそもカチオン重合系であるため、インク膜の表面側領域における酸素によるラジカル重合阻害という現象自体が存在しない。このため、インク膜の表面側領域に集中して無機酸化物粒子の凝集体が形成される効果が得られにくい。従って、カチオン重合性インクC1でも、本開示のインクによって得られる程の光沢抑制の効果は得られないと考えられる。
上述したとおり、本開示のインクによれば、光沢が抑制された画像を記録できる。
このため、本開示のインクによれば、被記録媒体との光沢差が抑制された画像が得られやすい。
従って、本開示のインクには、画像のレリーフ感を低減する効果が期待できる。
更に、本開示のインクには、画像を目立ちにくくする効果も期待できる。
従って、例えば、本開示のインクによって不可視画像を記録した場合には、不可視性により優れる不可視画像が得られることが期待できる。
以下、本開示のインクに含有され得る各成分について説明する。
<ラジカル重合性モノマー>
本開示のインクは、ラジカル重合性モノマーを少なくとも1種含有する。
ラジカル重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和基を含む化合物が好ましい。
エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、又はスチリル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基又はビニル基がより好ましい。
ラジカル重合性モノマーは、エチレン性不飽和基を1つのみ含んでもよいし2つ以上含んでもよい。
また、ラジカル重合性モノマーは、エチレン性不飽和基を1種のみ含んでもよいし2種以上含んでもよい。
ラジカル重合性モノマーの分子量としては、280~1500が好ましく、280~1000がより好ましく、280~800が更に好ましい。
本開示のインクにおけるラジカル重合性モノマーとしては、単官能のラジカル重合性モノマーであっても、2官能のラジカル重合性モノマーであっても、3官能以上のラジカル重合性モノマーであってもよい。また、これらのうちの2種以上を含む組み合わせであってもよい。
ここで、
単官能のラジカル重合性モノマーとは、エチレン性不飽和基を1つのみ含むラジカル重合性モノマーを意味し、
2官能のラジカル重合性モノマーとは、エチレン性不飽和基を2つのみ含むラジカル重合性モノマーを意味し、
3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、エチレン性不飽和基を3つ以上含むラジカル重合性モノマーを意味する。
以下では、単官能のラジカル重合性モノマー、2官能のラジカル重合性モノマー、及び3官能以上のラジカル重合性モノマーを、それぞれ、単官能モノマー、2官能モノマー、及び3官能以上のモノマーと称することがある。
本開示のインクにおけるラジカル重合性モノマーは、インクの粘度低減(例えば、インクジェットインクとして用いる場合のインクジェットヘッドからの吐出性(以下、単に「吐出性」ともいう))の観点から、単官能モノマー(即ち、単官能のラジカル重合性モノマー)及び2官能モノマー(即ち、2官能のラジカル重合性モノマー)の少なくとも一方を含むことが好ましい。
この場合、インクの全量に対する単官能モノマー及び2官能モノマーの総含有量は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、55質量%以上であることが更に好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。
インクの粘度低減の観点から、本開示のインクにおけるラジカル重合性モノマーの含有量は、インクの全量に対し、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることが更に好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
本開示のインクにおけるラジカル重合性モノマーは、インクの吐出性及び画像の耐擦性の観点から、
単官能モノマー及び2官能モノマーの少なくとも一方と、
3官能以上のモノマー(好ましくは、3官能のモノマー)と、
を含むことが好ましい。
この場合、インクの全量に対する、単官能モノマー、2官能モノマー、及び3官能以上のモノマーの総含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることが更に好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
-単官能モノマー-
単官能モノマーとしては、例えば、単官能(メタ)アクリレート、単官能(メタ)アクリルアミド、単官能芳香族ビニル化合物、単官能ビニルエーテル、単官能N-ビニル化合物、等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert-オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-n-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、ボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2-クロロエチル(メタ)アクリレート、4-ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、2-(2-メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2-テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H-パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、2-フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシヘキサヒドロフタル酸、2-メタクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下、EO変性とする)フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性(以下、PO変性とする)ノニルフェノール(メタ)アクリレート、EO変性-2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、(3-エチル-3-オキセタニルメチル)(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
単官能(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、等が挙げられる。
単官能芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン、3-プロピルスチレン、4-プロピルスチレン、3-ブチルスチレン、4-ブチルスチレン、3-ヘキシルスチレン、4-ヘキシルスチレン、3-オクチルスチレン、4-オクチルスチレン、3-(2-エチルヘキシル)スチレン、4-(2-エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4-t-ブトキシカルボニルスチレン、4-t-ブトキシスチレン、等が挙げられる。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4-メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2-ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、等が挙げられる。
単官能N-ビニル化合物としては、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルオキサゾリジノン、N-ビニル-5-メチルオキサゾリジノン、等が挙げられる。
単官能モノマーは、単官能(メタ)アクリレート及び単官能N-ビニル化合物の少なくとも一方を含むことが好ましく、脂環式構造を含む単官能(メタ)アクリレート及び単官能N-ビニル化合物の少なくとも一方を含むことがより好ましい。
脂環式構造を含む単官能(メタ)アクリレートとして、好ましくは、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、又はアダマンチル(メタ)アクリレートであり、より好ましくはイソボルニル(メタ)アクリレートである。
単官能モノマー中に占める単官能(メタ)アクリレート(好ましくは脂環式構造を含む単官能(メタ)アクリレート)及び単官能N-ビニル化合物の合計の割合は、50質量%~100質量%であることが好ましく、60質量%~100質量%であることがより好ましく、80質量%~100質量%であることが更に好ましい。
単官能モノマー中に占める単官能N-ビニル化合物の割合は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。
-2官能モノマー-
2官能モノマーとしては、例えば、2官能(メタ)アクリレート、2官能ビニルエーテル、ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを含む2官能モノマー、等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
2官能ビニルエーテルとしては、例えば、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、等が挙げられる。
ビニルエーテル基と(メタ)アクリロイル基とを含む2官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられる。
-3官能以上のモノマー-
3官能以上のモノマーとしては、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレート、3官能以上のビニルエーテル、等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、等が挙げられる。
3官能以上のビニルエーテルとしては、例えば、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、EO変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、PO変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、EO変性ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、PO変性ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、EO変性ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、PO変性ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、EO変性ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、PO変性ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、等が挙げられる。
-ウレタン(メタ)アクリレート-
上述した2官能モノマー及び3官能以上のモノマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、2官能イソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応物であるウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
2官能イソシアネート化合物としては、例えば、
メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、3-メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3-ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4-ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;
m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、2,6-ナフタレンジイソシアネート、2,7-ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;
等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
-エポキシ(メタ)アクリレート-
上述した2官能モノマー及び3官能以上のモノマーとしては、エポキシ(メタ)アクリレートも挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸とエポキシ樹脂との反応物が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、等が挙げられる。
<無機酸化物粒子>
本開示のインクは、無機酸化物粒子を少なくとも1種含有する。
無機酸化物粒子としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、チタニア粒子、等が挙げられる。
無機酸化物粒子は、画像の光沢抑制の効果をより向上させる観点から、シリカ粒子及びアルミナ粒子の少なくとも一方を含むことが好ましく、シリカ粒子を含むことがより好ましい。
シリカ粒子は、疎水化度50未満のシリカ粒子(即ち、親水性のシリカ粒子)であってもよいし、疎水化度50以上のシリカ粒子(即ち、疎水性のシリカ粒子)であってもよい。シリカ粒子として、好ましくは、疎水化度50未満のシリカ粒子である。
シリカ粒子の疎水化度は、以下の方法で測定される。
まず、インクに対して遠心分離を行い、シリカ粒子を抽出する。次に、イオン交換水50mL及び抽出したシリカ粒子0.2gをビーカーに入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながら、ここに、ビュレットからメタノールを滴下する。ビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれて、シリカ粒子は徐々に沈降していく。シリカ粒子の全量が沈んだ時点で、メタノールの滴下を終了する。メタノールの滴下終了時における、メタノールとイオン交換水との混合溶液中のメタノールの質量分率(質量%)を、疎水化度とする。
例えば、メタノールを75g滴下した時点でシリカ粒子が全量沈んだ場合のメタノールの質量分率は、
(75/(50+75))×100=60質量%
となり、シリカ粒子の疎水化度は60となる。
無機酸化物粒子の平均一次粒径は特に制限はないが、0.1μm~3.0μmであることが好ましい。
無機酸化物粒子の平均一次粒径が0.1μm以上である場合、画像の光沢抑制の効果がより効果的に発揮される。
無機酸化物粒子の平均一次粒径が3.0μm以下である場合、インクの吐出性の点で有利である。
また、無機酸化物粒子の平均一次粒径が3.0μm以下である場合、前述のとおり、無機酸化物粒子の単体ではマット剤の機能を発揮しにくい。しかし、本開示のインクは、酸発生剤を含有するので、前述の通り、インク膜における表面側において、無機酸化物粒子同士が凝集して凝集体が形成され、この凝集体がマット剤の機能を発揮する。その結果、画像の光沢が抑制される。
無機酸化物粒子の平均一次粒径は、0.1μm~2.0μmであることがより好ましく、0.1μm~1.0μmであることが更に好ましく、0.1μm~0.7μmであることが更に好ましい。
本開示において、無機酸化物粒子の平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定される値である。測定には、日本電子株式会社製の透過型電子顕微鏡1200EXを用いることができる。
具体的には、カーボン膜を貼り付けたCu200メッシュ(日本電子(株)製)に、1,000倍に希釈したインクを滴下し乾燥させた後、TEMで10万倍に拡大した画像から、重なっていない独立した粒子300個の円相当径を測定し、測定値を平均することにより、平均一次粒径を求める。
無機酸化物粒子としては、市販品を用いてもよい。
無機酸化物粒子のうち、シリカ粒子の市販品としては、例えば、
シーホスターKE-P30、シーホスターKE-P50、シーホスターKE-P100、シーホスターKE-P150、シーホスターKE-P250(以上、日本触媒社製)、
アエロジルシリーズ(Evonik社製)、
QSG-100、QSG-170(以上、信越化学工業社製)、
等が挙げられる。
無機酸化物粒子のうち、アルミナ粒子の市販品としては、例えば、SMM-22(日本軽金属社製)等が挙げられる。
インクの全量に対する無機酸化物粒子の含有量には特に制限はないが、0.2質量%~20.0質量%であることが好ましく、0.5質量%~15.0質量%であることがより好ましく、1.0質量%~10.0質量%であることが更に好ましく、1.5質量%~8.0質量%であることが更に好ましい。
無機酸化物粒子の含有量が0.2質量%以上であると、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れる。
無機酸化物粒子の含有量が20.0質量%以下であると、画像の耐擦性及びインクの吐出性により優れる。
<アミン系分散剤>
本開示のインクは、アミン系分散剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
これにより、インクの吐出性がより向上する。
かかる効果が得られる理由は、インクがアミン系分散剤を含有する場合には、インク中における無機酸化物粒子の分散性がより向上するためと考えられる。
アミン系分散剤としては、アミン系樹脂分散剤が好ましい。
アミン系分散剤としては市販品を用いてもよい。
アミン系分散剤の市販品としては、ソルスパース(SOLSPERSE)13940、17000、20000、24000、26000、28000、32000、35000、36000、39000等のソルスパースシリーズ(Noveon社製)、
DISPERBYK-108、109、161、162、163、164、167、168、180、182、184、185、2000、2001、2008、2009、2013、2022、2025、2026、2050、2055、2150、2155、2163、2164、9076、9077、DISPERBYK-9076等のDISPERBYKシリーズ(BYKケミー社製);
BYKJET-9150、9151等のBYKJETシリーズ(BYKケミー社製);
Efka PX4701、Efka PX4703、Efka PX4733、Efka PU4063等のEfkaシリーズ(BASF社製);
Dispex Ultra PX 4575(BASF社製);
等が挙げられる。
アミン系分散剤の含有量は、無機酸化物粒子の全量に対し、20.0質量%~80.0質量%が好ましく、30.0質量%~70.0質量%がより好ましく、40.0質量%~70.0質量%が更に好ましい。
<光酸発生剤>
本開示のインクは、光酸発生剤を少なくとも1種含有する。
光酸発生剤としては、光が照射された際に酸を発生する物質であれば特に制限はない。
光酸発生剤としては、画像の光沢抑制の効果により優れる観点から、
スルホニウム塩又はヨードニウム塩が好ましく、
スルホニウム塩がより好ましく、
1つのSに対して3つの芳香環が結合した構造を少なくとも1つ含むスルホニウム塩が更に好ましい。
光酸発生剤としてのスルホニウム塩は、下記式(1)~下記式(4)のいずれか1つで表される化合物であることが好ましい。
式(1)~式(4)中、RS1~RS17は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
は、アニオンを表す。
で表されるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I等)、B(C 、R18COO、R19SO 、SbF 、AsF 、PF 、BF 等が挙げられる。
18及びR19は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、又は、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
18及びR19における置換基としては、後述するRS1~RS17で表される置換基が挙げられる。
で表されるアニオンとしては、B(C 又はPF が好ましい。
S1~RS17で表される置換基としては、例えば;
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1~12のアルキル基;
メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等の炭素数1~12のアルコキシ基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、デシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、ベンゾイル基等の炭素数1~13のアシル基;
ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等の炭素数1~13のアシルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等の炭素数2~13のアルコキシカルボニル基;
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t-ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、フェニルチオ基等の炭素数1~12の炭化水素チオ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
シアノ基;
ニトロ基;
ヒドロキシル基;
等が挙げられる。
上記スルホニウム塩は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Vol.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
(ヨードニウム塩)
ヨードニウム塩としては、1つのIに対して2つの芳香環が結合した構造を少なくとも1つ含むヨードニウム塩が好ましい。
ヨードニウム塩は、下記式(I-1)で表される化合物であることがより好ましい。
式(I-1)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
は、アニオンを表す。
式(I-1)中、R及びR2で表される置換基の具体例は、式(1)~式(4)中のRS1~RS17で表される置換基の具体例と同様である。
式(I-1)中、Xで表されるアニオンの具体例は、式(1)~式(4)中のXで表されるアニオンの具体例と同様である。
ヨードニウム塩としては、市販品を用いてもよい。
ヨードニウム塩の市販品としては、例えば;
Omnicat 440(IGM Resins B.V.社製);
Irgacure 250(BASF社製)(BASF社製);
等が挙げられる。
光酸発生剤としては、光酸発生剤の市販品又は光酸発生剤を含有する組成物の市販品を用いてもよい。
光酸発生剤の市販品又は光酸発生剤を含有する組成物の市販品としては、例えば;
CPI-100P、CPI-101A、CPI-110P、CPI-200K、CPI-210S、CPI-310B、CPI-410S、及びIK-I(以上、サンアプロ社製);
Omnicat 250、Omnicat 270(以上、IGM Resins B.V.社製);
Irgacure 290、Irgacure PAG103(以上、BASF社製);
TS-91、TS-01(以上、日本カーバイド工業社製);
等が挙げられる。
光酸発生剤としては、例えば、特開2006-152064号公報の段落0012~0017及び0039~0048に記載の化合物を用いることができる。
インクの全量に対する光酸発生剤の含有量には特に制限はないが、0.1質量%~15.0質量%であることが好ましく、0.2質量%~15.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%~10.0質量%であることが更に好ましく、1.0質量%~9.0質量%であることが更に好ましく、1.5質量%~9.0質量%であることが更に好ましい。
光酸発生剤の含有量が0.1質量%以上である場合、画像の光沢抑制の効果により優れる。
光酸発生剤の含有量が15.0質量%以下である場合、ラジカル重合性モノマーの含有量をより多くすることができるので、画像の耐擦性により優れる。
光酸発生剤の含有量に対する無機酸化物粒子の含有量の質量比(以下、「(b)/(c)」ともいう)には特に制限はないが、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れる観点から、0.1~80.0であることが好ましく、0.2~15.0であることがより好ましく、0.5~10.0であることが更に好ましく、0.8~8.0であることが更に好ましい。
「(b)/(c)」を算出するにあたり、各成分(即ち、光酸発生剤及び無機酸化物粒子)の含有量は、それぞれ、インク全量に対するその成分の含有量を質量%の単位で表した数値であって、小数点以下1桁の数値を用いる。
例えば、インク全量に対する光酸発生剤の含有量が1.5質量%であり、かつ、インク全量に対する無機酸化物粒子の含有量が2.0質量%である場合、「(b)/(c)」を算出するにあたり、光酸発生剤の含有量(「(c)」に対応する)としては「1.5」を用い、無機酸化物粒子の含有量(「(b)」に対応する)としては「2.0」を用いる。
後述する、「(b)+(c)」、「(c)/(d)」、及び「((a)+(b)+(c))/(d)」の各々を算出する場合における各成分の含有量の取り扱いについても同様である。
「(b)/(c)」は、小数点以下1桁の値として算出する。
上述した例では、「(b)/(c)」は「1.3」として算出する。
インクの全量に対する無機酸化物粒子及び光酸発生剤の総含有量(以下、「(b)+(c)」ともいう)には特に制限はないが、0.3質量%~25.0質量%であることが好ましく、1.0質量%~17.5質量%であることがより好ましく、1.5質量%~10.0質量%であることが更に好ましく、2.0質量%~8.0質量%であることが更に好ましい。
「(b)+(c)」が0.3質量%以上である場合、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れる。
「(b)+(c)」が25.0質量%以下である場合、画像の耐擦性向上の効果及びインクの吐出性により優れる。
<光カチオン増感剤>
本開示のインクは、光カチオン増感剤を少なくとも1種含むことが好ましい。
光カチオン増感剤は、光酸発生剤に対する増感剤として機能し得る。
このため、本開示のインクが、光カチオン増感剤を含有する場合には、光酸発生剤による作用がより高められ、その結果、画像の光沢抑制の効果により優れる。
光カチオン増感剤としては、アントラセン骨格を含む化合物が好ましい。
アントラセン骨格を含む化合物としては、
アントラセン骨格の9位及び10位の両方に炭素数1~10(好ましくは炭素数1~6)のアルコキシ基が結合した化合物、又は、アントラセン骨格の9位及び10位の両方に炭素数1~20(好ましくは炭素数1~10)のアシルオキシ基が結合した化合物が好ましく、
9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、又は9,10-ジ(カプリロイルオキシ)アントラセン
がより好ましい。
光カチオン増感剤としては、市販品を用いてもよい。
市販品としては、
9,10-ジブトキシアントラセンの市販品であるアントラキュアーUVS1331(川崎化成社製)、
9,10-ジエトキシアントラセンの市販品であるアントラキュアーUVS1101、
9,10-ジ(カプリロイルオキシ)アントラセンの市販品であるアントラキュアーUVS581、
等が挙げられる。
インクの全量に対する光カチオン増感剤の含有量には特に制限はないが、0.2質量%~10.0質量%であることが好ましく、0.5質量%~5.0質量%であることがより好ましく、0.5質量%~4.0質量%であることが更に好ましい。
光カチオン増感剤の含有量が0.2質量%以上である場合、光酸発生剤による作用がより高められ、その結果、画像の光沢抑制の効果により優れる。
光カチオン増感剤の含有量が10.0質量%以下である場合、画像の耐擦性がより向上する。
<光ラジカル重合開始剤>
本開示のインクは、光ラジカル重合開始剤を少なくとも1種含有する。
光ラジカル重合開始剤としては;
ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、等のアルキルフェノン系光ラジカル重合開始剤;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン系光ラジカル重合開始剤;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系光ラジカル重合開始剤;
ベンジルグリオキシエステル;
メチルフェニルグリオキシエステル;
等が挙げられる。
これらの具体例は、低分子光ラジカル重合開始剤として有用である。
ここで、低分子光ラジカル重合開始剤とは、分子量が500未満である光重合開始剤を意味する。
光ラジカル重合開始剤は、高分子光ラジカル重合開始剤を含んでもよい。
ここで、高分子光ラジカル重合開始剤とは、分子量が500以上である光重合開始剤を意味する。
高分子光ラジカル重合開始剤の分子量は、好ましくは500~3000であり、より好ましくは700~2500であり、更に好ましくは900~2100である。
高分子光ラジカル重合開始剤については、特開2017-105902号公報(段落0038等)、特表2017-522364号公報(段落0017~0053)等の公知文献を参照できる。
光ラジカル重合開始剤としては、市販品を用いてもよい。
市販品としては、例えば、
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad TPO H」、
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad 819」、
2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノンの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad 369」、
2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オンの市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnirad 907」、
高分子光ラジカル重合開始剤の市販品であるIGM Resins B.V.社製「Omnipole 910」、
等が挙げられる。
インクの全量に対する光ラジカル重合開始剤の含有量は、1.0質量%~20.0質量%であることが好ましく、2.0質量%~15.0質量%であることがより好ましく、3.0質量%~10.0質量%であることが更に好ましく、3.0質量%~8.0質量%であることが更に好ましい。
光ラジカル重合開始剤の含有量は、1.0質量%~20.0質量%である場合には、画像の耐擦性がより向上する。
光ラジカル重合開始剤の含有量に対する光酸発生剤の含有量の質量比(以下、「(c)/(d)」ともいう)は、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れる観点から、0.01~2.50であることが好ましく、0.02~2.50であることが好ましく、0.03~2.00であることがより好ましく、0.04~1.50であることが更に好ましい。
「(c)/(d)」は、小数点以下2桁の値として算出する。
光ラジカル重合開始剤の含有量に対する、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、及び光酸発生剤の総含有量の質量比(以下、「((a)+(b)+(c))/(d)」ともいう)は、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れる観点から、5.0~90.0であることが好ましく、6.0~45.0であることがより好ましく、8.0~30.0であることが更に好ましく、8.0~20.0であることが更に好ましく、8.0~15.0であることが更に好ましい。
「((a)+(b)+(c))/(d)」は、小数点以下1桁の値として算出する。
<光ラジカル増感剤>
本開示のインクは、画像の耐擦性をより向上させる観点から、光ラジカル増感剤を少なくとも1種含有することが好ましい。
光ラジカル増感剤としては;
ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光ラジカル増感剤;
チオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-ドデシルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、1-メトキシカルボニルチオキサントン、2-エトキシカルボニルチオキサントン、3-(メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4-ブトキシカルボニルチオキサントン、3-ブトキシカルボニル-7-メチルチオキサントン、1-シクロ-3-クロロオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-クロロチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-エトキシチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-アミノチオキサントン、1-エトキシカルボニル-3-フェニルスルフリルチオキサントン、3,4-ジ[2-(メトキシエトキシ)エトキシカルボニル)]チオキサントン]、1-エトキシカルボニル-3-(1-メチル-1-モルホリノエチル)チオキサントン]、2-メチル-6-ジメトキシメチルチオキサントン、2-メチル-6-(1,1-ジメトキシベンジルチオキサントン、2-モルホリノメチルチオキサントン、2-メチル-6-モルホリノメチルチオキサントン、N-アリルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、N-オクチルチオキサントン-3,4-ジカルボキシイミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-チオキオサントン-3,4-ジカルボキシイミド、1-フェノキシチオキサントン、6-エトキシカルボニル-1-2-メトキシチオキオサントン、6-エトキシカルボニル-2-メチルチオキオサントン、チオキサントン-2-ポリエチレングリコールエステル、2-ヒドロキシ-3-(3,4-ジメチル-9-オキソ-9H-チオキサントン-2-イルオキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパナミニウムクロライド、n-ドデシル-7-メチル-チオキサントン-3-カルボキシレート、N,N-ジイソブチル-7-メチル-チオキサントン-3-カルバミド等のチオキサントン系光ラジカル増感剤;
等が挙げられる。
これらの具体例は、低分子光ラジカル増感剤として有用である。
ここで、低分子光ラジカル増感剤とは、分子量が500未満である増感剤を意味する。
光ラジカル増感剤は、高分子光ラジカル増感剤を含んでいてもよい。
ここで、高分子光ラジカル増感剤とは、分子量が500~5000である増感剤を意味する。
高分子光ラジカル増感剤の分子量は、好ましくは500~3000であり、より好ましくは800~2500であり、更に好ましくは900~2100である。
高分子光ラジカル増感剤については、例えば、特開2014-162828号公報の段落0035~0053の記載を参照することができる。
高分子光ラジカル増感剤の市販品としては、例えば;
Lambson社製のSpeedcure(登録商標) 7010(1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)]oxymethyl)propane、CAS No. 1003567-83-6);
IGM Resins B.V.社製のOMNIPOL(登録商標) TX(Polybutyleneglycol bis(9-oxo-9H-thioxanthenyloxy)acetate、CAS No. 813452-37-8);
IGM Resins B.V.社製のOMNIPOL BP(Polybutyleneglycol bis(4-benzoylphenoxy)acetate、CAS No. 515136-48-8)
RanA.G.社製のGenopo TX-2;
等が例示される。
本開示のインクが光ラジカル増感剤を含有する場合、光ラジカル増感剤の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは0.1質量%~15質量%であり、より好ましくは0.5質量%~10質量%であり、更に好ましくは1質量%~5質量%である。
<ゲル化剤>
本開示のインクは、ゲル化剤を含有してもよい。
本開示のインクに含有され得るゲル化剤としては、例えば、国際公開第2015/133605号の段落0018~段落0032等に記載されている、公知のゲル化剤を適用可能である。
本開示のインクに含有され得るゲル化剤として、好ましくは、炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物及び炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物からなる群から選択される少なくとも1種である。
炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物としては、下記式(G1)で表されるエステル化合物が好ましい。
炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物としては、下記式(G2)で表されるケトン化合物が好ましい。
-COO-R … 式(G1)
-CO-R … 式(G2)
式(G1)及び式(G2)中、R~Rは、それぞれ独立に、炭素数12以上の鎖状アルキル基を表す。
~Rで表されるアルキル基は、分岐部分を含んでいてもよい。
~Rで表されるアルキル基の炭素数は、好ましくは12~26である。
ゲル化剤の融点は、好ましくは40℃~90℃であり、より好ましくは50℃~80℃であり、更に好ましくは60℃~80℃である。
本開示のインクがゲル化剤を含有する場合、ゲル化剤の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは0.1質量%~5.0質量%であり、より好ましくは0.1質量%~4.0質量%であり、更に好ましくは0.5質量%~2.5質量%である。
<色材>
本開示のインクは、色材を少なくとも1種含有してもよいし、含有していなくてもよい。
色材は、可視色材であっても不可視色材であってもよい。
可視色材としては、濃度0.01質量%の溶液を調製した場合に、波長400nm~650nmの範囲での吸光度が、0.3超である色材が好ましい。
不可視色材とは、濃度0.01質量%の溶液を調製した場合に、波長400nm~650nmの範囲での吸光度が、0.3以下である色材が好ましい。
不可視色材は、赤外線吸収性を有することが好ましい。
ここで、赤外線吸収性を有するとは、濃度0.01質量%の溶液を調製した場合に、この溶液の波長650nm~1100nmにおける最も高い吸光度が、0.3以上である物質を意味する。
本開示のインクが色材を含有する場合、色材の含有量は、インクの全量に対し、好ましくは1質量%~20質量%であり、より好ましくは2質量%~10質量%である。
本開示のインクが、クリア画像を記録するためのクリアインクである場合、本開示のインクは、色材を実質的に含有しなくてもよい。この場合、色材の含有量は、インクの全量に対し、1質量%未満であってもよく、0.1質量%未満であってもよく、0質量%であってもよい。
ここで、クリア画像とは、波長400nm~700nmにおける透過率が80%以上である画像を意味する。
色材としては、特に制限はなく、顔料、染料等の公知の色材から任意に選択して使用することができる。
この中でも、耐候性の点から、顔料がより好ましい。
顔料としては、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料〔例えば、顔料を分散媒(例えば、ラジカル光重合性モノマー、有機溶剤等)に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等〕も挙げられる。
顔料としては、例えば、イエロー顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等の可視顔料が挙げられる。
顔料としては、赤外線吸収性を有する不可視顔料も挙げられる。
本開示のインクが、色材として顔料を含有する場合、本開示のインクは、更に、顔料分散剤を含有してもよい。
顔料及び顔料分散剤については、国際公開第2015/133605号の段落0060~段落0074、特開2011-225848号公報の段落0152~0158、特開2009-209352号公報の段落0132~0149、等の公知文献を適宜参照することができる。
赤外線吸収性を有する不可視顔料としては、シアニン骨格を有する赤外線吸収顔料、スクアリリウム顔料、フタロシアニン骨格を有する赤外線吸収顔料、等が挙げられる。
ここで、「シアニン骨格」とは、2つの含窒素複素環と、2つの含窒素複素環間に配置される複数のメチン基と、を含む骨格を意味する。
赤外線吸収性を有する不可視顔料としては、スクアリリウム顔料が特に好ましい。
(スクアリリウム顔料)
スクアリリウム顔料としては、体積平均粒子径が10nm~400nmであるスクアリリウム顔料が好ましい。
スクアリリウム顔料の体積平均粒子径が10nm以上である場合には、インク及び/又は画像の耐候性(特に、耐光性)を向上させることができる。スクアリリウム顔料の体積平均粒子径は、15nm以上が好ましく、20nm以上がより好ましく、50nm以上がさらに好ましい。
また、スクアリリウム顔料の平均粒子径が400nm以下であることで、インクの吐出性が確保される。スクアリリウム顔料の体積平均粒子径は、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
スクアリリウム顔料の体積平均粒子径は、測定装置としてナノトラックUPA粒度分析計(商品名「UPA-EX150」、日機装社製)を用いて動的光散乱法により測定することができる。測定は、スクアリリウム顔料分散体3mlを測定セルに入れ、あらかじめ定められた測定方法に従って行うことができる。なお、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度にはインクの粘度を、粒子の密度にはスクアリリウム顔料の密度を用いる。
スクアリリウム顔料の体積平均粒子径は、スクアリリウム顔料の分散条件、具体的には、分散剤の種類、スクアリリウム顔料の濃度、ラジカル重合性モノマーと分散剤との組み合わせ等の条件により調節することができる。
スクアリリウム顔料としては、式(SQ1)で表されるスクアリリウム色素の顔料が好ましい。
式(SQ1)において、環A及び環Bは、それぞれ独立に芳香環又は複素芳香環を表し、X及びXは、それぞれ独立に1価の置換基を表し、G及びGは、それぞれ独立に1価の置換基を表し、kAは0~nAの整数を表し、kBは0~nBの整数を表す。nAは、Gが環Aに置換可能な最大の整数を表し、nBは、Gが環Bに置換可能な最大の整数を表す。XとG、又はXとGは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよく、G及びGがそれぞれ複数存在する場合は、環Aに結合する複数のG、及び環Bに結合する複数のGは、それぞれ互いに結合して環構造を形成していてもよい。
及びGは、それぞれ独立に1価の置換基を表す。
1価の置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR10、-COR11、-COOR12、-OCOR13、-NR1415、-NHCOR16、-CONR1718、-NHCONR1920、-NHCOOR21、-SR22、-SO23、-SOOR24、-NHSO25及びSONR2627が挙げられる。
10~R27は、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を表す。
なお、-COOR12のR12が水素原子の場合(すなわちカルボキシ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわちカルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR24のR24が水素原子の場合(すなわちスルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわちスルホネート基)、塩の状態であってもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~15がより好ましく、1~8がさらに好ましい。アルキル基は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよく、直鎖又は分岐が好ましい。
アルケニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がより好ましく、2~8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよく、直鎖又は分岐が好ましい。
アルキニル基の炭素数は、2~40が好ましく、2~30がより好ましく、2~25が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよく、直鎖又は分岐が好ましい。
アリール基の炭素数は、6~30が好ましく、6~20がより好ましく、6~12がさらに好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7~40が好ましく、7~30がより好ましく、7~25がさらに好ましい。
ヘテロアリール基は、単環又は縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~8の縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~4の縮合環がより好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環又は6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がより好ましく、3~12がより好ましい。ヘテロアリール基の例には、ピリジン環、ピペリジン環、フラン環基、フルフラン環、チオフェン環、ピロール環、キノリン環、モルホリン環、インドール環、イミダゾール環、ピラゾール環、カルバゾール環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、インドリン環、チアゾール環、ピラジン環、チアジアジン環、ベンゾキノリン環及びチアジアゾール環が挙げられる。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。
置換基は、特開2018-154672号公報の段落番号0030に記載の置換基が挙げられる。好ましい置換基としては、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、芳香族ヘテロ環チオ基、スルホニル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる置換基であり、その中では、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、芳香族ヘテロ環チオ基、スルホニル基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、及びカルボキシ基からなる群より選ばれる置換基がより好ましい。
なお、置換基における「炭素数」とは、置換基の「総炭素数」を意味する。
また、各置換基の詳細は、特開2018-154672号公報の段落番号0031~0035に記載の置換基を参照することができる。
及びXは、それぞれ独立に1価の置換基を表す。
及びXにおける置換基は、活性水素を有する基が好ましく、-OH、-SH、-COOH、-SOH、-NRX1X2、-NHCORX1、-CONRX1X2、-NHCONRX1X2、-NHCOORX1、-NHSOX1、-B(OH)又はPO(OH)がより好ましく、-OH、-SH又はNRX1X2がさらに好ましい。
X1及びRX2は、それぞれ独立に水素原子又は1価の置換基を表す。置換基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及びヘテロアリール基が挙げられ、アルキル基が好ましい。アルキル基は直鎖又は分岐が好ましい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、及び、ヘテロアリール基の詳細については、G及びGで説明した範囲と同義である。
環A及び環Bは、それぞれ独立に、芳香環又は複素芳香環を表す。
芳香環及び複素芳香環は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。
芳香環及び複素芳香環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセタフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、及び、フェナジン環が挙げられ、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましい。
芳香族環は、無置換であってもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、G及びGで説明した置換基が挙げられる。
とG、XとGは互いに結合して環を形成してもよく、G及びGがそれぞれ複数存在する場合は、互いに結合して環を形成していてもよい。
環としては、5員環又は6員環が好ましい。環は単環であってもよく、複環であってもよい。
とG、XとG、G同士又はG同士が結合して環を形成する場合、これらが直接結合して環を形成してもよく、アルキレン基、-CO-、-O-、-NH-、-BR-及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる2価の連結基を介して結合して環を形成してもよい。XとG、XとG、G同士又はG同士が、-BR-を介して結合して環を形成することが好ましい。
Rは、水素原子又は1価の置換基を表す。置換基としては、G及びGで説明した置換基が挙げられ、アルキル基又はアリール基が好ましい。
kAは0~nAの整数を表し、kBは0~nBの整数を表し、nAは、A環に置換可能な最大の整数を表し、nBは、B環に置換可能な最大の整数を表す。
kA及びkBは、それぞれ独立に0~4が好ましく、0~2がより好ましく、0~1が特に好ましい。また、kA及びkBが同時に0(ゼロ)を表す場合を含まないことが好ましい。
式(SQ1)で表されるスクアリリウム色素の中でも、光に対する耐性の点で、下記式(SQ2)で表されるスクアリリウム色素が好ましい。
式(SQ2)中、R及びRは、それぞれ独立に、1価の置換基を表し、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又は、アルキル基を表す。
及びXは、それぞれ独立に、酸素原子、又は、-N(R)-を表し、X及びXは、それぞれ独立に、炭素原子、又は、ホウ素原子を表す。
tは、Xがホウ素原子である場合には1を表し、Xが炭素原子である場合には2を表す。Xが炭素原子であってtが2である場合、2つのRは、互いに結合して環を形成していてもよい。
uは、Xがホウ素原子である場合には1を表し、Xが炭素原子である場合には2を表す。Xが炭素原子であってuが2である場合、2つのRは、互いに結合して環を形成していてもよい。
は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、Y、Y、Y及びYは、それぞれ独立に、1価の置換基を表し、YとY、及び、YとYは、互いに結合して環を形成していてもよい。
、Y、Y及びYは、それぞれ複数存在する場合には、互いに結合して環を形成していてもよい。
p及びsは、それぞれ独立に0~3の整数を表し、q及びrは、それぞれ独立に0~2の整数を表す。
、R、Y、Y、Y及びYが表す置換基としては、G及びGで説明した置換基が同様に挙げられる。
及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。Rのアルキル基の炭素数は例えば1~4、好ましくは1又は2である。アルキル基は、直鎖であってもよく、分岐していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、及びイソブチル基が挙げられる。Rは、好ましくは水素原子、メチル基、又はエチル基であり、より好ましくは水素原子、又はメチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
及びXは、それぞれ独立に、酸素原子(-O-)、又は、-N(R)-を表す。XとXは同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
は、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
は、水素原子、アルキル基又はアリール基が好ましく、水素原子又はアルキル基がより好ましい。Rが表すアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、無置換であってもよく、1価の置換基を有していてもよい。1価の置換基としては、上述したG及びGで説明した1価の置換基が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~10がより好ましく、1~4がさらに好ましく、1~2が特に好ましい。アルキル基は、直鎖、及び分岐のいずれでもよい。
アリール基の炭素数は、6~20が好ましく、6~12がより好ましい。
ヘテロアリール基は、単環であっても多環であってもよい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がより好ましく、3~12がより好ましい。
上記の式(SQ1)又は式(SQ2)で表されるスクアリリウム色素の分子量としては、100~2,000の範囲が好ましく、150~1,000の範囲がより好ましい。
式(2)で表されるスクアリリウム色素については、特開2011-2080101号公報に詳細に記載されており、ここに記載の化合物は本開示におけるスクアリリウム色素として好適に用いることができる。
上記の式(SQ1)又は式(SQ2)で表されるスクアリリウム色素の具体例(具体例B-1~B-41)を以下に示す。但し、本開示においては、以下の化合物に制限されるものではない。式中、「Me」はメチル基を表し、「Ph」はフェニル基を表す。
上記の中では、より好ましい化合物として、具体例B-1、B-3、B-4、B-6、B-9、B-11、B-21、B-24、B-30、B-31、B-37、B-38、B-40、及びB-41を挙げることができる。
<重合禁止剤>
本開示のインクは、重合禁止剤を少なくとも1種含有していてもよい。
重合禁止剤としては、p-メトキシフェノール、キノン類(例えば、ハイドロキノン、ベンゾキノン、メトキシベンゾキノン等)、フェノチアジン、カテコール類、アルキルフェノール類(例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等)、アルキルビスフェノール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、ホスファイト類、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(TEMPO)、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-オキシル(TEMPOL)、トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩(別名:クペロンAl)などが挙げられる。
これらの中でも、p-メトキシフェノール、カテコール類、キノン類、アルキルフェノール類、TEMPO、TEMPOL、及びトリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく、p-メトキシフェノール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、BHT、TEMPO、TEMPOL、及びトリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
本開示のインクが重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の含有量は、インクの全量に対し、0.01質量%~2.0質量%が好ましく、0.02質量%~1.0質量%がより好ましく、0.03質量%~0.5質量%が特に好ましい。
<界面活性剤>
本開示のインクは、界面活性剤を含有してもよいが、界面活性剤を実質的に含有しなくてもよい。
具体的には、本開示のインクの全量に対する界面活性剤の含有量は、0.01質量%以下であってもよく、0.0001質量%以下であってもよく、0質量%であってもよい。
<有機溶剤>
本開示のインクは、上述した効果を損なわない範囲で、微量の有機溶剤を含有してもよい。
しかし、被記録媒体への影響をより低減する観点から、本開示のインクは、有機溶剤を含まないか、含む場合でも、有機溶剤の含有量が低減されていることが好ましい。
被記録媒体への影響をより低減する観点から、インクの全量に対する有機溶剤の含有量は、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
<水>
本開示のインクは、上述した効果を損なわない範囲で、微量の水を含有してもよい。
しかし、上述した効果をより効果的に得る観点から、本開示のインクは、水を含まないか、含む場合でも、水の含有量が低減されていることが好ましい。
インクの全量に対する水の含有量は、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
<カチオン重合性モノマー>
本開示のインクは、上述した効果を損なわない範囲で、カチオン重合性モノマーを含有してもよい。
カチオン重合性モノマーとしては、例えば、オキセタン環を有する化合物及びエポキシ化合物が挙げられる。これらの化合物については、例えば、特開2006-152064号公報を参照できる。
しかし、上述した効果をより効果的に得る観点から、本開示のインクは、カチオン重合性モノマーを含まないか、含む場合でも、カチオン重合性モノマーの含有量が低減されていることが好ましい。
インクの全量に対するカチオン重合性モノマーの含有量は、5質量%未満が好ましく、3質量%未満がより好ましく、1質量%未満が更に好ましい。
<その他の成分>
本開示のインクは、上述した成分以外のその他の成分を含有していてもよい。
その他の成分としては、抗菌剤、樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、等)等が挙げられる。
<インクジェットインク>
本開示のインクは、インクジェットインクであることが好ましい。
以下、本開示のインクがインクジェットインクである場合の好ましい物性について説明する。
本開示のインクの表面張力(即ち、25℃での表面張力)は、好ましくは20mN/m~50mN/mであり、より好ましくは28mN/m~50mN/mである。
インクの表面張力が20mN/m以上である場合には、インクの吐出性がより向上する。
インクの表面張力が50mN/m以下である場合には、画像の画質がより向上する。
本開示のインクは、25℃における粘度が、10mPa・s~50mPa・sであることが好ましく、10mPa・s~30mPa・sであることがより好ましく、10mPa・s~25mPa・sであることが更に好ましい。インクの粘度は、例えば、含有される各成分の組成比を調整することによって調整できる。
ここでいう粘度は、粘度計を用いて測定された値である。粘度計としては、例えば、VISCOMETER RE-85L(東機産業(株)製)を用いることができる。
インクの粘度が上記好ましい範囲であると、吐出安定性をより向上させることができる。
〔画像記録方法〕
本開示の画像記録方法は、
被記録媒体上に、上述した本開示のインクを付与してインク膜を得る工程(以下、「第1付与工程」ともいう)と、
インク膜に活性エネルギー線を照射する工程(以下、「第1照射工程」ともいう)と、
を含む。
本開示の画像記録方法は、必要に応じ、その他の工程を含んでいてもよい。
上述のとおり、本開示の画像記録方法は、本開示のインクを用いる。このため、本開示の画像記録方法によれば、本開示のインクと同様の効果が奏される。
<被記録媒体>
本開示の画像記録方法における被記録媒体としては特に限定はない。
被記録媒体としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等の金属の板)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl Chloride)樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリスチレン(PS:Polystyrene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂等のフィルム)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙、上述した金属がラミネートされ又は蒸着されたプラスチックフィルムなどが挙げられる。
<第1付与工程>
第1付与工程では、被記録媒体上に、上述した本開示のインクを付与してインク膜を得る。
インクの付与方法としては、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法が挙げられる。
インクの付与方法としては、インクジェット法が好ましい。言い換えれば、本開示のインクは、インクジェットインクであることが好ましい。
インクジェット法は、版を必要とせずデジタル画像のみで必要な箇所に必要な量だけ打滴できるという利点を有する。
インクジェット法によるインクの付与は、インクジェットヘッドのノズル(吐出孔)からインクを吐出して被記録媒体上に付与する公知の方法を適用でき、インクジェット記録装置を用いて行うことができる。
インクジェット記録装置としては特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置を用いることができる。
インクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、及び加熱手段を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インクが収容される元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1pL~100pL、より好ましくは1pL~60pLのマルチサイズドットを、好ましくは320dpi(dot per inch)×320dpi~4000dpi×4000dpi(dot per inch)、より好ましくは400dpi×400dpi~1600dpi×1600dpi、さらに好ましくは720dpi×720dpi~1600dpi×1600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。
なお、dpiとは、2.54cm(1inch)当たりのドット数を表す。
インクジェットヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5pL~10pLであることが好ましく、高精細の画像を形成するため
には、0.5pL~2.5pLであることがより好ましい。
インクジェット法によるインクの付与方式は、シングルパス方式及びスキャン方式のいずれでもよいが、画像記録速度の観点から、シングルパス方式が好ましい。
また、本開示のインク以外のインクをシングルパス方式によって付与する画像記録において、画像の光沢が顕著となる傾向がある。しかし、本開示のインクを用いた画像記録では、シングルパス方式によってインクを付与する場合においても、画像の光沢を効果的に抑制できる。
ここで、シングルパス方式とは、インクジェットヘッドとして、被記録媒体の1辺の全域に対応してノズルが配列されているラインヘッドを用い、ラインヘッドを固定配置し、被記録媒体を、ラインヘッドのノズルの配列方向に対して交差する方向に搬送しながら、搬送中の被記録媒体上にインクを付与する方式である。
これに対し、スキャン方式とは、インクジェットヘッドとして、短尺のシリアルヘッドを用い、被記録媒体に対し、短尺のシリアルヘッドを走査させてインクを付与する方式である。
被記録媒体の搬送速度は、好ましくは1m/s~120m/sであり、より好ましくは50m/s~120m/minである。
なお、第2工程以降における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲も、第1工程における被記録媒体の搬送速度の好ましい範囲と同様である。
本開示の画像記録方法では、全工程を通じ、被記録媒体の搬送速度を同一としてもよいし、少なくとも一部の工程において、被記録媒体の搬送速度を変化させてもよい。
<第1照射工程>
第1照射工程では、第1付与工程で得られたインク膜に、活性エネルギー線を照射する。
第1照射工程では、インク膜に活性エネルギー線を照射することにより、インク膜中のラジカル重合性モノマーの少なくとも一部を重合させて画像を得る。
第1照射工程において、インク膜中のラジカル重合性モノマーの一部のみを重合させる場合には、インク膜中のラジカル重合性モノマーの実質的に全部を重合させる場合と比較して、活性エネルギー線の照射エネルギーを小さくする。
本開示では、インク膜中のラジカル重合性モノマーの一部のみを重合させることを「仮硬化」ともいい、仮硬化のための活性エネルギー線の照射を「ピニング露光」ともいう。
本開示では、インク膜中のラジカル重合性モノマーの実質的に全部を重合させることを「本硬化」ともいい、本硬化のための活性エネルギー線の照射を「本露光」ともいう。
第1照射工程は、
インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程であってもよいし、
インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程であってもよいし、
インク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
第1照射工程が、インク膜に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程である場合、第1照射工程により、仮硬化されたインク膜である画像が得られる。
第1照射工程が、インク膜に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程、又は、インク膜に対してピニング露光及び本露光をこの順に施す工程である場合、第1照射工程により、本硬化されたインク膜である画像が得られる。
第1照射工程がピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程である場合の画像記録方法は、更に、後述する第2付与工程及び第2照射工程を含むことが好ましい。
ピニング露光(即ち、仮硬化)後におけるインク膜の反応率は、10%~80%が好ましい。
ここで、インク膜の反応率とは、高速液体クロマトグラフィーによって求められるインク膜中のラジカル重合性モノマーの重合率を意味する。
インク膜の反応率が10%以上であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)のドットの拡がり不足が抑制され、その結果、最終的に得られる画像(例えば、後述の多次色画像)の粒状性が向上する(即ち、画像のざらつきが低減される)。
また、インク膜の反応率が80%以下であることにより、このインク膜上に付与されるインク(例えば、後述の第2インク)の拡がりが過剰となることが抑制され、かつ、インクのドット同士の打滴干渉が抑制され、その結果、最終的に得られる画像の画質が向上する。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の粒状性をより向上させる観点から、15%以上であることが好ましい。
インク膜の反応率は、最終的に得られる画像の画質をより向上させる観点から、75%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが更に好ましい。
本露光(即ち、本硬化)後のインク膜の反応率は、80%超100%以下が好ましく、85%~100%がより好ましく、90%~100%が更に好ましい。
反応率が80%超である場合には、画像の密着性がより向上する。
インク膜の反応率は、以下の方法によって求める。
被記録媒体上のインク膜に対する活性エネルギー線の照射終了までの操作が施された被記録媒体を準備し、この被記録媒体のインク膜が存在する領域から20mm×50mmの大きさのサンプル片(以下、照射後サンプル片とする)を切り出し、切り出した照射後サンプル片を、10mLのTHF(テトラヒドロフラン)中に24時間浸漬し、インクが溶出した溶出液を得る。得られた溶出液について、高速液体クロマトグラフィーにより、ラジカル重合性モノマーの量(以下、「照射後モノマー量X1」とする)を求める。
別途、被記録媒体上のインク膜に対して活性エネルギー線を照射しないこと以外は上記と同じ操作を実施し、ラジカル重合性モノマーの量(以下、「未照射時モノマー量X1」とする)を求める。
照射後モノマー量X1及び未照射時モノマー量X1に基づき、下記式により、インクの反応率(%)を求める。
インクの反応率(%) = ((未照射時モノマー量X1-照射後モノマー量X1)/未照射時モノマー量X1)×100
照射工程における活性エネルギー線(即ち、ピニング露光及び/又は本露光のための活性エネルギー線。以下同じ。)として、好ましくはUV光(即ち、紫外光)であり、より好ましくは、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光である。
UV光源(即ち、UV光の光源)としては、照度及び照射時間の少なくとも一方が可変である公知のUV光源を用いることができる。
UV光源として、好ましくはLED(Light Emitting Diode)光源である。
照射工程における活性エネルギー線の照射は、酸素濃度が20体積%以下(より好ましくは20体積%未満、更に好ましくは5体積%以下)の環境下で行われてもよい。これにより、酸素による重合阻害が抑制され、被記録媒体との密着性により優れた画像が得られる。
酸素濃度20体積%未満の環境下としては、不活性ガス(例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス)の存在下が好適である。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照度は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは0.10W/cm~0.50W/cmであり、より好ましくは0.20W/cm~0.49W/cmであり、更に好ましくは0.20W/cm~0.45W/cmである。
ピニング露光のための活性エネルギー線の照射エネルギー(以下、「露光量」ともいう)は、上述したインクの反応率をより達成し易い観点から、好ましくは2mJ/cm~20mJ/cmであり、より好ましくは4mJ/cm~15mJ/cmである。
本露光のための活性エネルギー線の照度は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは1.0W/cm以上であり、より好ましくは2.0W/cm以上であり、更に好ましくは4.0W/cm以上である。
本露光のための活性エネルギー線の照度の上限には特に制限はないが、上限は、例えば10W/cmである。
本露光のための活性エネルギー線の照射エネルギー(即ち、露光量)は、被記録媒体と画像との密着性をより向上させる観点から、好ましくは20mJ/cm以上であり、より好ましくは80mJ/cm以上である。
本露光のための活性エネルギー線の照射エネルギーの上限には特に制限はないが、上限は、例えば240mJ/cmである。
<第2付与工程>
本開示の画像記録方法は、第1照射工程における活性エネルギー線が照射されたインク膜(以下、「第1インク膜」ともいう)上に、第2インクを付与し、上記第1インク膜に接する第2インク膜を得る第2付与工程を含んでいてもよい。
第2インクは、好ましくは、ラジカル重合性モノマー及び光重合開始剤を含有する活性エネルギー線硬化型インクであり、より好ましくは、本開示のインクである。
第2付与工程で付与される第2インクは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
第1付与工程において付与される本開示のインク(以下、第1インクともいう)と第2インクとは、色相が異なることが好ましい。
第1インク及び第2インクの色相が異なる場合には、多次色(例えば2次色)の画像を記録できる。
第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜上及び第1インク膜非形成領域上に跨って付与されてもよい。
また、第2付与工程において、第2インクは、第1インク膜の少なくとも一部の上に付与されればよく、必ずしも、第1インク膜の全体の上に付与される必要はない。
第2インクの付与方法としては、第1インクの付与方法と同様であり、好ましい態様も同様である。
第2付与工程を含む態様の本開示の画像記録方法によれば、光沢が抑制された多次色画像を記録できる。
<第2照射工程>
第2付与工程を含む態様の本開示の画像記録方法は、更に、第1インク膜及び第2インク膜の全体に対し、第2活性エネルギー線を照射する第2照射工程を含んでいてもよい。
第2照射工程は、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対してピニング露光(即ち、仮硬化)を施す工程であってもよいし、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対して本露光(即ち、本硬化)を施す工程であってもよいし、
第1インク膜及び第2インク膜の全体に対し、ピニング露光及び本露光をこの順に施す工程であってもよい。
第2活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様は、第1照射工程における活性エネルギー線及びその照射条件の好ましい態様と同様である。
例えば、第2照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件は、第1照射工程におけるピニング露光及び本露光の好ましい照射条件と同様である。
以下、本開示の実施例を示すが、本開示は以下の実施例には限定されない。
以下において、特に断りがない限り、「部」および「%」は質量基準である。
<顔料分散物の調製>
インクの調製に用いる顔料分散物として、マゼンタ顔料ミルベース(以下、「M顔料ミルベース」ともいう)及びスクアリリウム顔料ミルベース(以下、「SQ顔料ミルベース」ともいう)をそれぞれ調製した。
詳細には、各顔料ミルベースの組成中の各成分を、分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れ、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散させることにより、各顔料ミルベースを得た。
-M顔料ミルベースの組成-
・M顔料(マゼンタ顔料;CINQUASIA MAGENTA RT-355D(BASFジャパン社製)):30質量部
・SR9003(サートマー社製;PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートとしてのプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):50質量部
・SOLSPERSE 32000(Lubrizol社製;アミン系分散剤):20質量部
-SQ顔料ミルベースの組成-
・SQ顔料(スクアリリウム顔料;前述したスクアリリウム色素の具体例B-1の顔料:30質量部
・SR9003(サートマー社製;PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートとしてのプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート):50質量部
・SOLSPERSE 35000(Lubrizol社製;アミン系分散剤):20質量部
<インクの調製>
表1~表5に示す各成分を混合することにより、表1~表5に示す組成を有する各実施例用のインク及び各比較例用のインクをそれぞれ調製した。
<画像記録装置の準備>
被記録媒体を搬送するための搬送系と、被記録媒体の搬送方向上流側から順次配列された、ブラックインク用ヘッド、UV(Ultraviolet)光源、シアンインク用ヘッド、UV光源、マゼンタインク用ヘッド、UV光源、イエローインク用ヘッド、UV光源、ホワイトインク用ヘッド、及び窒素パージUV露光機と、を備える画像記録装置(詳細には、インクジェット記録装置)を準備した。搬送系は、シングルパス方式の枚葉印刷機の搬送系とした。
ブラックインク用ヘッド、シアンインク用ヘッド、マゼンタインク用ヘッド、及びイエローインク用ヘッドは、それぞれ、インクジェットノズル(以下、単に「ノズル」ともいう)を備えるピエゾ型のインクジェットヘッド(詳細には、ラインヘッド)である。各ノズルからは、1pL~60pLのマルチサイズドットを1,200×1,200dpiの解像度で射出できる。ここで、dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
このインクジェット記録装置のインク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、及びインクジェットヘッドによって構成されている。本実施例における画像記録では、上記インク供給系における、インク供給タンクからインクジェットヘッドまでの部分に対し、断熱及び加温を行った。また、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ温度センサーを設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。但し、ゲル化剤を含有するインクを用いた実施例のみ、ノズル部分が常に90℃±2℃となるよう、温度制御を行った。
マゼンタインク用ヘッドに繋がる元タンクに、各実施例用のインク及び各比較例用のインクのいずれか1つを収容した。
各インクジェットヘッドの直後の各UV光源及び窒素パージUV露光機におけるUV光源としては、それぞれ、385nm~410nmの波長域に最高照度を有するUV光を照射できるLED(Light Emitting Diode)ランプ((株)京セラ製、4cm幅、G4B、最大照度10W)を使用した。
これらの各UV光源は、UV光の照度及び照射時間を変更できるUV光源である。
本実施例における画像記録では、各ヘッドから吐出されたインクが被記録媒体上に着弾してから0.1秒後に、着弾したインクに対するUV光の照射が開始されるように、被記録媒体の搬送速度を調整した。
〔実施例1~41、比較例1~3〕
各インク、画像記録装置、及び被記録媒体(OKトップコート紙(84.9g/m、王子製紙社製))を用い、上記画像記録方法をベースとして各種の画像を記録し、各評価を実施した。
<画像記録>
上記した画像記録装置を用い、被記録媒体上に、インクを、網点面積率100%になるようにベタ状に付与し、付与されたインクに対し、0.40W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射し(ピニング露光)、次いで5.0W/cmの照度にてUV光を0.024秒照射(本露光)することにより、画像(詳細には、ベタ画像)を得た。
ここで、ピニング露光は、マゼンタインク用ヘッドの直後のUV光源により、大気(酸素濃度20%)雰囲気下で実施した。
本露光は、窒素パージUV露光機により、酸素濃度1%、窒素濃度99%の雰囲気下で実施した。
<評価>
上記画像及び上記インクについて、以下の評価を実施した。
結果を表1~表5に示す。
(画像の光沢抑制)
上記画像が記録される前の被記録媒体の光沢度、及び、上記画像の光沢度を、それぞれ、高光沢グロスチェッカ IG-410((株)HORIBA)により、60°光沢条件で測定した。
得られた結果に基づき、画像の光沢度から被記録媒体の光沢度(即ち、画像が記録される前の被記録媒体の光沢度)を差し引いた値(以下、「光沢差〔画像-被記録媒体〕」とする)を求め、得られた結果に基づき、下記評価基準に従い、画像の光沢抑制を評価した。
下記評価基準において、画像の光沢抑制の効果に最も優れている(即ち、画像の光沢が最も抑制されている)ランクは、「5」である。
-画像の光沢抑制の評価基準-
5:光沢差〔画像-被記録媒体〕が20未満であった。
4:光沢差〔画像-被記録媒体〕が20以上25未満であった。
3:光沢差〔画像-被記録媒体〕が25以上30未満であった。
2:光沢差〔画像-被記録媒体〕が30以上40未満であった。
1:光沢差〔画像-被記録媒体〕が40以上であった。
<画像の耐擦性>
上記画像上に150gの文鎮を置き、この状態で、画像上で文鎮を往復させる擦り操作を繰り返し実施した。文鎮1往復の擦り操作を擦り操作1回とし、以下の各回数の擦り操作を完了した段階で、画像に傷がついているかどうかを確認した。確認した結果に基づき、下記評価基準に従い、画像の耐擦性を評価した。
下記評価基準において、画像の耐擦性に最も優れるランクは「5」である。
但し、比較例については、本評価を省略し、表1の耐擦性の欄には「-」と記載した。
-画像の耐擦性の評価基準-
5:30回の擦り操作を完了した段階で、画像に傷がついていなかった。
4:30回の擦り操作を完了した段階では画像に傷がついていたが、20回の擦り操作を完了した段階では、画像に傷がついていなかった。
3:20回の擦り操作を完了した段階では画像に傷がついていたが、15回の擦り操作を完了した段階では、画像に傷がついていなかった。
2:15回の擦り操作を完了した段階では画像に傷がついていたが、5回の擦り操作を完了した段階では、画像に傷がついていなかった。
1:5回の擦り操作を完了した段階で、画像に傷がついていた。
<インクの吐出性>
上記した画像記録装置のマゼンタインク用ヘッドから上記インクを、1,200dpiのモードで5分間連続吐出し、この操作におけるノズル抜けの数を確認する評価を実施した。
以上の評価を6回実施し、得られた結果に基づき、下記評価基準により、インクの吐出性を評価した。
下記評価基準において、インクの吐出性に最も優れるランクは「5」である。
但し、比較例については、本評価を省略し、表1の吐出性の欄には「-」と記載した。
-インクの吐出性の評価基準-
5:6回の評価とも、ノズル抜けの発生が無かった。
4:1回の評価においてノズル抜けが1本のみ発生し、5回の評価ではノズル抜けの発生が無かった。
3:2回の評価の各々においてノズル抜けが1本のみ発生し、4回の評価ではノズル抜けの発生が無かった。
2:3回の評価の各々においてノズル抜けが1本のみ発生し、3回の評価ではノズル抜けの発生が無かった。
1:4回以上の評価の各々においてノズル抜けが1本のみ発生したこと、及び、1回以上の評価の各々においてノズル抜けが2本以上発生したことの少なくとも一方に該当した。
-表1~表5の説明-
各成分の欄における数値は、インク全量に対する含有量(質量%)を示し、空欄は、該当する成分を含有しないことを意味する。
「(b)/(c)」は、光酸発生剤の含有量に対する無機酸化物粒子の含有量の質量比を意味し、
「(b)+(c)」は、インク全量に対する光酸発生剤及び無機酸化物粒子の総含有量(質量%)を意味し、
「((a)+(b)+(c))/(d)」は、光ラジカル重合開始剤の含有量に対する、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、及び光酸発生剤の総含有量の質量比を意味する。
ラジカル重合性モノマーの略語の意味は以下のとおりである。
NVC … N-ビニルカプロラクタム。
IBOA … イソボルニルアクリレート。
TMPTA … トリメチロールプロパントリアクリレート。
SR454 … サートマー社製SR454。EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートとしてのエトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート。
SR9003 … サートマー社製SR9003。PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレートとしてのプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート。
光ラジカル重合開始剤、光ラジカル増感剤、重合禁止剤、無機酸化物粒子、ゲル化剤、及び界面活性剤の詳細は以下のとおりである。
TPO … IGM Resins B.V.社製「Omnirad TPO」。2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド。
819 … IGM Resins B.V.社製「Omnirad 819」。ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド。
ITX … 2-イソプロピルチオキサントン。
S7010 … Lambson社製のSpeedcure 7010(高分子光ラジカル増感剤。化合物名は前述したとおり)。
UV-12 … Kromachem社製「FLORSTAB UV12」。ニトロソ系重合禁止剤。トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩。
KE-P50 … 日本触媒社製「シーホスターKE-P50」(シリカ粒子、平均一次粒径0.5μm)。
KE-P100 … 日本触媒社製「シーホスターKE-P100」(シリカ粒子、平均一次粒径1.0μm)。
KE-P150 … 日本触媒社製「シーホスターKE-P150」(シリカ粒子、平均一次粒径1.5μm)。
KE-P250 … 日本触媒社製「シーホスターKE-P250」(シリカ粒子、平均一次粒径2.5μm)。
QSG-170 … 信越化学工業社製「QSG-170」(シリカ粒子、平均一次粒径0.17μm)。
SMM-22 … 日本軽金属社製「SMM-22」(アルミナ粒子、平均一次粒径0.5μm)。
SOLSPERSE 32000 … Lubrizol社製「SOLSPERSE 32000」。
DISPERBYK-108 … BYKケミー社製「DISPERBYK-108」。
DISPERBYK-2008 … BYKケミー社製「DISPERBYK-2008」。
CPI-110P … サンアプロ社製「CPI-110P」(スルホニウム塩(固形分)100質量%)。
Omnicat 250 … IGM Resins B.V.社製「Omnicat 250」(ヨードニウム塩(固形分)75質量%)。
UVS-1331 … 川崎化成工業社「アントラキュアーUVS-1331」(アントラセン骨格を含む化合物)。
ユニスターM-2222SL … 日油社製「ユニスター(登録商標)M-2222SL」。ベヘニン酸ベヘニル。
カオーワックスT1 … 花王社製「カオーワックスT1」。ジステアリルケトン。
ユニスターH-476 … 日油社製「ユニスター(登録商標)M-2222SL」。ペンタエリスリトールテトラステアレート。
表1~表5に示すように、インクが、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、光酸発生剤、及び光ラジカル重合開始剤を含有する実施例1~41では、画像の光沢抑制の効果に優れていた。
これに対し、インクが無機酸化物粒子を含有しない比較例1及び3、並びに、インクが光酸発生剤を含有しない比較例2では、画像の光沢抑制の効果に劣っていた。
実施例11及び12のうち、光酸発生剤がスルホニウム塩である実施例12では、画像の光沢抑制の効果により優れていた。
実施例35及び36のうち、インクが光カチオン増感剤を含有する実施例36では、画像の光沢抑制の効果により優れていた。
実施例36~38のうち、光カチオン増感剤の含有量が、インクの全量に対し、5.0質量%以下である実施例36及び37では、画像の耐擦性により優れていた。
実施例15~21のうち、無機酸化物粒子の含有量が、インクの全量に対し、0.5質量%以上である実施例16~21では、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れていた。
実施例16~22のうち、無機酸化物粒子の含有量が、インクの全量に対し、15.0質量%以下である実施例16~21では、インクの吐出性及び画像の耐擦性により優れていた。
実施例23~30のうち、光酸発生剤の含有量に対する無機酸化物粒子の含有量の質量比(「(b)/(c)」)が0.2~15.0である実施例24~29では、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れていた。
実施例15~21のうち、インクの全量に対する無機酸化物粒子及び光酸発生剤の総含有量(「(b)+(c)」)が1.0質量%以上である実施例16~21では、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れていた。
実施例16~22のうち、「(b)+(c)」が17.5質量%以下である実施例16~21では、インクの吐出性及び画像の耐擦性により優れていた。
実施例31~34のうち、光ラジカル重合開始剤の含有量に対する、ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、及び光酸発生剤の総含有量の質量比(「((a)+(b)+(c))/(d)」)が、6.0~45.0である実施例32及び33では、画像の光沢抑制の効果及び画像の耐擦性により優れていた。
実施例21及び22のうち、ラジカル重合性モノマーが、単官能モノマー及び2官能モノマーの少なくとも一方を含み、単官能モノマー及び2官能モノマーの総含有量が、インクの全量に対し、50質量%以上である実施例21では、インクの吐出性及び画像の耐擦性により優れていた。
以上、本開示のインクの実施例として、マゼンタインク、及び、不可視インクとしてのスクアリリウム顔料インクの実施例を示したが、マゼンタ以外の色のインク、スクアリリウム顔料インク以外の不可視インク、及びクリアインクを用いた場合においても、本開示のインクの条件を満足する限り、上述した実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、本開示のインクの実施例によって1色目のインク膜を形成してピニング露光を施し、次いで、1色目のインク膜の少なくとも一部に重なるようにして、ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤、及び着色剤を含有する2色目以降のインクを付与して2色目以降のインク膜を形成し、次いで、1色目のインク膜及び2色目以降のインク膜に本露光を施して多色画像を記録した場合にも、上述した実施例と同様の効果が得られることは言うまでもない。
2020年3月26日に出願された日本国特許出願2020-056584号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (13)

  1. ラジカル重合性モノマー、無機酸化物粒子、光酸発生剤、及び光ラジカル重合開始剤を含有し、
    前記無機酸化物粒子の平均一次粒径が、0.1μm~3.0μmであり、
    前記ラジカル重合性モノマーが、単官能のラジカル重合性モノマー及び2官能のラジカル重合性モノマーの少なくとも一方を含み、
    前記単官能のラジカル重合性モノマー及び前記2官能のラジカル重合性モノマーの総含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、50質量%以上であり、
    インクジェットインクである、
    活性エネルギー線硬化型インク。
  2. 前記無機酸化物粒子が、シリカ粒子及びアルミナ粒子の少なくとも一方を含む請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  3. 前記光酸発生剤が、スルホニウム塩である請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  4. 更に、光カチオン増感剤を含有する請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  5. 前記光カチオン増感剤が、アントラセン骨格を含む化合物である請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  6. 前記光カチオン増感剤の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.5質量%~5.0質量%である請求項4又は請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  7. 前記無機酸化物粒子の含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、0.5質量%~15.0質量%である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  8. 前記光酸発生剤の含有量に対する前記無機酸化物粒子の含有量の質量比が、0.2~15.0である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  9. 前記無機酸化物粒子及び前記光酸発生剤の総含有量が、活性エネルギー線硬化型インクの全量に対し、1.0質量%~17.5質量%である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  10. 前記光ラジカル重合開始剤の含有量に対する、前記ラジカル重合性モノマー、前記無機酸化物粒子、及び前記光酸発生剤の総含有量の質量比が、6.0~45.0である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  11. 更に、炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むエステル化合物及び炭素数12以上の鎖状アルキル基を含むケトン化合物からなる群から選択される少なくとも1種であるゲル化剤を含有する請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インク。
  12. 被記録媒体上に、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化型インクを付与してインク膜を得る付与工程と、
    前記インク膜に活性エネルギー線を照射する照射工程と、
    を含む画像記録方法。
  13. 前記照射工程は、前記インク膜に前記活性エネルギー線を、酸素濃度5体積%以下の雰囲気下で照射する工程を含む請求項12に記載の画像記録方法。
JP2022509973A 2020-03-26 2021-03-16 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法 Active JP7373649B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020056584 2020-03-26
JP2020056584 2020-03-26
PCT/JP2021/010581 WO2021193230A1 (ja) 2020-03-26 2021-03-16 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPWO2021193230A1 JPWO2021193230A1 (ja) 2021-09-30
JPWO2021193230A5 JPWO2021193230A5 (ja) 2022-08-30
JP7373649B2 true JP7373649B2 (ja) 2023-11-02

Family

ID=77892075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022509973A Active JP7373649B2 (ja) 2020-03-26 2021-03-16 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20230033614A1 (ja)
JP (1) JP7373649B2 (ja)
WO (1) WO2021193230A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2023074311A1 (ja) 2021-10-29 2023-05-04
WO2023120275A1 (ja) 2021-12-20 2023-06-29 富士フイルム株式会社 電子線硬化用インクジェットインク、インクセット、及び画像記録方法
DE102022123666A1 (de) * 2022-09-15 2024-03-21 Mankiewicz Gebr. & Co. (Gmbh & Co. Kg) Zusammensetzungen zur Herstellung mattglänzender Inkjet-Tinten und deren Verwendung in Inkjet-Druckverfahren

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003285424A (ja) 2002-03-27 2003-10-07 Konica Corp インクジェットプリンタ
JP2011221476A (ja) 2009-06-08 2011-11-04 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性組成物
JP2015209470A (ja) 2014-04-25 2015-11-24 株式会社Dnpファインケミカル インクジェット記録用白色インク組成物、及び隠蔽性硬化物
JP2016222854A (ja) 2015-06-02 2016-12-28 石原産業株式会社 高彩度組成物
JP2019104866A (ja) 2017-12-14 2019-06-27 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013225296A (ja) * 2012-03-23 2013-10-31 Fujifilm Corp 導電性部材、それを用いたタッチパネル、表示装置、及び入力装置
EP3144353A1 (en) * 2015-09-15 2017-03-22 Allnex Belgium, S.A. Radiation curable compositions for low gloss coatings
JP6739225B2 (ja) * 2016-05-09 2020-08-12 Dicグラフィックス株式会社 マット感を有する印刷物、及びその作製方法
JP6840964B2 (ja) * 2016-09-12 2021-03-10 富士ゼロックス株式会社 三次元造形物、三次元造形物の製造方法及びインクセット

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003285424A (ja) 2002-03-27 2003-10-07 Konica Corp インクジェットプリンタ
JP2011221476A (ja) 2009-06-08 2011-11-04 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性組成物
JP2015209470A (ja) 2014-04-25 2015-11-24 株式会社Dnpファインケミカル インクジェット記録用白色インク組成物、及び隠蔽性硬化物
JP2016222854A (ja) 2015-06-02 2016-12-28 石原産業株式会社 高彩度組成物
JP2019104866A (ja) 2017-12-14 2019-06-27 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェットインク

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2021193230A1 (ja) 2021-09-30
WO2021193230A1 (ja) 2021-09-30
US20230033614A1 (en) 2023-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7373649B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法
US10864753B2 (en) Electron beam curable inkjet formulations with improved chemical resistance
US11193028B2 (en) Active-energy-ray-curable composition, active-energy-ray-curable ink, composition stored container, two-dimensional or three-dimensional image forming method, two-dimensional or three-dimensional image forming apparatus, and processed product
JP2020015910A (ja) 感光性組成物、画像形成方法、膜形成方法、樹脂、画像、及び膜
CN115315490A (zh) 喷墨记录用油墨及图像记录方法
JP7367455B2 (ja) 顔料分散組成物、硬化型組成物、収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体
US20230203330A1 (en) Ink jet recording ink and ink jet recording method
US11795334B2 (en) Photo-curable ink composition and method for forming image
JP2023051761A (ja) インクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法
JP7455858B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法
JP7376692B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インク及び画像記録方法
JP6741221B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、組成物収容容器、2次元又は3次元の像の形成方法及び形成装置
JP7443552B2 (ja) インクジェットインク及び画像記録方法
US20220348779A1 (en) Ink set, image recording method, image recorded article, and three-dimensional article and method for producing the same
CN113557271A (zh) 光固化性油墨组合物及图像记录方法
EP3209736A1 (en) Printing ink
JP7416950B2 (ja) インクセット及び印刷物
US20230106861A1 (en) Ink set for security image recording, security image recording method, and article with recorded security image
WO2022225018A1 (ja) 飲料容器用活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクセット、及び画像記録方法
EP2997096B1 (en) A printing ink
JP7456147B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク組成物、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物、組成物収容容器、2次元又は3次元の像形成装置、2次元又は3次元の像形成方法、硬化物、及び加飾体
US20230365822A1 (en) Electron beam curable ink and image recording method
US20170321074A1 (en) Printing ink
JP2024118896A (ja) インクセット、及びインクジェット記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220526

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230926

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231023

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7373649

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150