JP7368830B2 - 発泡性入浴剤 - Google Patents
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[1]発泡性入浴剤100質量%中に、有機酸(A)30~65質量%、炭酸塩(B)30~65質量%、無機塩(C)0.1~20質量%及びα化デンプン(D)0.1~3質量%を含む発泡性入浴剤。
[2]さらに、油剤(E)を0.1~5質量%含む[1]の発泡性入浴剤。
[3]さらに、滑沢剤(F)を0.1~10質量%含む[1]又は[2]に記載の発泡性入浴剤。
[4]40℃の水中での発泡持続時間が85秒以下である[1]~[3]のいずれかに記載の発泡性入浴剤。
[5]ブリケット剤である[1]~[4]のいずれかに記載の発泡性入浴剤。
(A)有機酸
有機酸としては、室温で固体のものが挙げられ、例えば、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、ピロリドンカルボン酸、クエン酸一ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、グルタル酸、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、ピルビン酸など等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、リンゴ酸、フマル酸及びコハク酸からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、リンゴ酸、フマル酸及びコハク酸の3種類を併用することがより好ましい。リンゴ酸の立体異性体については、特に制限はなく、いずれであってもよい。
炭酸塩としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手の容易さ等の観点から、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの2種類を併用することがより好ましい。
無機塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、硫酸鉄リン酸ナトリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム、チオ硫酸ナトリウム、塩化カリウム、硫化カリウム、ミョウバン、メタケイ酸、無水ケイ酸等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
α化デンプンにおけるα化されるデンプンとしては、特に制限はないが、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン等が挙げられる。α化は、デンプンを全てα化したもの及び一部をα化したものが挙げられるが、全てα化したものが好ましい。
本発明の発泡性入浴剤には、上記必須成分(A)~(D)に加え、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で更に任意成分を配合することができる。この任意成分としては、油剤、滑沢剤、非イオン界面活性剤、アミノ酸類、生薬及び/又はそのエキス類、水溶性高分子、保湿剤、色素、酸化チタン等の白濁剤等が挙げられる。
油剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、スクワレン、ブリスタン等の炭化水素類;パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、オレイン酸デシル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソトリデシル等の脂肪酸エステル;ラウリルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、コレステロール、ヘキシルドデカノール等の高級アルコール;レモン油、ゆず油、ばら油、ベルガモット油、ショウブ油、ラベンダー油、オレンジ油、グレープフルーツ油、マンダリン油、ゼラニウム油、セージ油、ユーカリ油、ネロリ油、パチュリ油、クローブ油、ナツメグ油、セダーウッド油、ペパーミント油、スペアミント油、ジュニパベリー油、アルモアーズ油、カモミール油、エレミ油、ベチバー油、ショウノウ油、ライム油、ハッカ油、ジャスミン油、ヒノキ油、テレビン油、ヒバ油、ラバンジン油、クローブ油、タイム油、ローズマリー油、パイン油、などの天然香料;α-ピネン、β-ピネン、d-リモネン、カンフェン、テルピネン、などのテルペン系香料;青葉アルコール、サンダロール、エバノール、アンブリノール、アンバーコア、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロール、テトラヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、エチルリナロール、イソプレゴール、メントール、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、ファルネソール、サンタロール、ベチベロール、β-フェニルエチルアルコール、バクダノール、などのアルコール系香料;等のアルコール系香料アルデヒドC-8、アルデヒドC-9、アルデヒドC-10、アルデヒドC-11、アルデヒドC-12、青葉アルデヒド、シトロネラール、シトラール、α-メチレンシトロネラール、イソシクロシトラール、ジメチルテトラヒドロベンズアルデヒド、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α-アミルシンナミックアルデヒド、α-ヘキシルシンナミックアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピン、ヘリオナール、cis-ジャスモン、ジヒドロジャスモン、ネクタリル、ダマスコン、ヨノン、イソ・イー・スーパー、カロン、l-カルボン、メントン、などのアルデヒド・ケトン系香料等の合成香料;前記天然香料および合成香料を任意に組み合わせた調合香料;大豆油、ホホバ油、米ぬか油、オリーブ油、ヤシ油、シア脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド等のグリセリド類;メチルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、各種変性シリコーン等のシリコーン油類;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
滑沢剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル;モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンヒマシ油;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;ポリオキシエチレンアルキルアミン;自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル等のポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール, エチレンジアミンテトラポリオキシエチレンポリオキシプロピレン等のプルロニック系界面活性剤等が挙げられる。
本発明の発泡性入浴剤の製造にあたっては、まず、上記必須成分(A)ないし(D)と、必要に応じて添加される任意成分とをヘンシェルミキサー、ハイスピードミキサー、万能混合機、SVミキサー、バーチカルグラニュレーター、リボコーンミキサー等を用いて、混合、粉砕して調合バルクを調製する。その後、固形状の製剤とする。
入浴剤の剤型としては、特に制限されないが、顆粒剤、タブレット剤、ブリケット剤、フレーク剤、錠剤等が挙げられるが、発泡状態が良好な点から、ブリケット剤が好ましい。
ブリケット剤は、ピロー状、レンズ状、アーモンド状、プリズム状、棒状、フィンガー状などの形状に成型されるが、その長径が15~25mm、厚さが8~13mmのものが好ましく、長径が18~23mm、厚さが9~11mmであるものがより好ましい。ここで、ブリケット剤の長径とは、シート状一次成形体の水平方向における、ブリケット粒子の長さの最大値を意味し、ブリケットの厚さとは、シート状一次成形体の垂直方向におけるブリケット粒子の長さの最大値を意味する。このような大きさとすることにより、溶存炭酸ガスの量を高めることができるため、入浴剤として利用する場合には、非常に優れた温浴効果が得られる。上記形状のうち、ピロー状、アーモンド状等が成型性の観点から好ましい。
木屋式硬度計を使用し、発泡性入浴剤を台に乗せ、ポケット合わせ面より垂直方向から先端φ5mm棒を発泡性入浴剤に押し当てながら下降させ、発泡性入浴剤が破損した時の荷重値を測定した。
本発明の発泡性入浴剤は、40℃での水中の発泡持続時間が、85秒以下が好ましく、75秒以下がより好ましく、60秒以下がさらに好ましい。本明細書において、「発泡持続時間」とは、発泡性入浴剤50gを40℃の水に投入した時点から、発泡を伴う製剤の溶解が完全に終了するまでに要する時間をいう。発泡終了後に製剤が溶解するのに要した時間は含まない。発泡持続時間が、上記範囲より長いと、発泡の勢いが弱いと感じる。上記範囲であると、発泡の勢いが強いと感じることができる。
ポリエチレングリコール6000: PEG6000(東邦化学工業株式会社)
ポリビニルピロリドン:クリージャス(登録商標) K90(第一工業製薬株式会社)
色素:黄色5号(癸巳化成株式会社)
香料:ゆず(高砂香料工業株式会社)
α化デンプン(バレイショ由来):アルファ化デンプン バレイショ由来(松谷化学工業株式会社)
α化デンプン(トウモロコシ由来):アルファ化デンプン トウモロコシ由来(松谷化学工業株式会社)
α化デンプン(コムギ由来):アルファ化デンプン コムギ由来(松谷化学工業株式会社)
(1)発泡持続時間(秒)
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入し、投入時点から、発泡を伴う製剤の溶解が完全に終了するまでに要する時間を測定した。
40℃200Lの浴湯中に50gの製剤を投入し、発泡の勢いをモニター10人が目視により以下の基準で評価し、モニター全員の平均点に基づき評価を決定した。
3点:非常に発泡が強い
2点:やや発泡が強い
1点:やや発泡が弱い
0点:非常に発泡が弱い
モニターの点数の平均による評価の決定は以下のとおりである
◎:2点超え3点以下
○:1点超2点以下
△:0点超1点以下
×:0点
ブリケット100個中、割れ欠けがなく、完全な形状を保持したブリケット粒の割合を求めた。
入浴剤製剤(50g)中のアルカリ金属塩と有機酸の反応により発生した炭酸ガスの全量が、200Lの浴湯に溶解したと仮定した時の、入浴剤製剤による浴湯の炭酸ガス濃度の増加分を溶存炭素ガス理論値とした。
40℃200L浴湯中に50gの製剤を投入した浴湯に、モニター10人が10分間入浴し、浴後の疲労回復感について、以下の基準で評価し、モニター全員の平均点に基づき評価を決定した。
3点:非常に疲れがとれた
2点:やや疲れがとれた
1点:あまり疲れがとれなかった
0点:全く疲れがとれなかった
モニターの点数の平均による評価の決定は以下のとおりである。
◎:2点超え3点以下
○:1点超2点以下
△:0点超1点以下
×:0点
表1に示す配合処方合計20kgをリボコーンミキサーにて均一になるまで混合しバルクを調合し、ブリケッティングマシンに供給した。この際、長径20mm、深さ3.5mmのラウンドコーナーピロー状のポケットを持つロールを用い、ロール間のクリアランスの大きさやフィードスクリューの押圧力などを調整して、ロール間の線圧を20kN/cmとした。ブリケット剤を成型した後、振動ふるいにより解砕し長径20mm、厚さ9.4mmの発泡性ブリケット剤を得た。
上記評価を行った結果を表1に示す。
実施例1~7によれば、α化デンプン(D)を添加した例では、発泡の持続時間が短くなるとともに、発泡の勢いが強く、また十分な疲労回復感が得られることがわかる。特に実施例3~7では、より短時間で勢いよく発泡が生じている。
比較例1は、α化デンプン(D)を添加しなかった例であるが、実施例に比べて発泡時間が長く、発泡の勢いも弱いため、十分な疲労回復感が得られていない。
比較例2~6は、α化デンプン(D)の代わりにいわゆる崩壊剤とされている成分を加えた例である。いずれの崩壊剤を加えた例においても、実施例に比べて発泡時間が長く、発泡の勢いも弱いため、十分な疲労回復感が得られていない。
比較例7~9は、無機塩(C)の量が多い例であるが、発泡時間が長い上に、発泡の勢いも極めて弱く、さらには、浴湯中に溶存する炭素ガス量も少ないため、疲労回復感も劣ることがわかる。さらには、ブリケット剤の割れ欠けの生じる割合も高いことがわかる。
Claims (7)
- 発泡性入浴剤100質量%中に、有機酸(A)30~65質量%、炭酸塩(B)30~65質量%、無機塩(C)0.1~20質量%及びα化デンプン(D)0.1~3質量%を含む発泡性入浴剤。
- さらに、油剤(E)を0.1~5質量%含む請求項1に記載の発泡性入浴剤。
- さらに、滑沢剤(F)を0.1~10質量%含む請求項1又は2に記載の発泡性入浴剤。
- 前記α化デンプン(D)を0.1~2質量%含む請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡性入浴剤。
- イソシアヌル酸ナトリウムを含まない請求項1~4のいずれか1項に記載の発泡性入浴剤。
- 40℃の水中での発泡持続時間が85秒以下である請求項1~5のいずれか1項に記載の発泡性入浴剤。
- ブリケット剤である請求項1~6のいずれか1項に記載の発泡性入浴剤。
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