JP7364281B1 - カバー部材、ハンドユニット、カバー部材の取付方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、弁当を盛り付ける作業をロボットが行う場合、バット等の容器に蓄えられた具材をロボットがハンド(把持部材)で所定量把持し、弁当内の定められた領域に移送して、具材をハンドからリリースする動作が繰り返される。
ここで、具材をロボットハンドで取り分ける作業等を行う場合、ロボットのハンドには衛生の観点等からビニール製等のカバーが装着される。
なお、ロボットハンドにカバーを装着する技術は、例えば、特許文献1に記載されている。
一方、ハンドからカバーがずれ難い装着形態とした場合、具材を把持する動作においてずれが生じ難くなるものの、カバーを交換する作業に手間を要することとなる。
食品を取り扱う作業等においては、カバーを一定の頻度で交換する作業を要することから、カバーの交換は容易に行うことが望まれる。
なお、このような課題は、具材を把持する場合に限らず、練ったモルタル、コンクリート等、粘性あるいは粘着性を有する材料からなる対象物を把持する場合に共通するものである。
即ち、把持部材にカバーを装着して対象物を把持する技術において、作業時にはカバーの装着状態を維持し、交換作業は容易に行うという点で改善の余地があった。
把持対象物を把持する把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された係合部と、
前記係合部に形成され、前記把持部材側の突出部に係止される係止部と、
を備え、
前記係合部における前記係止部は、前記把持部材の前記先端とは反対側に形成された前記突出部に係止されることを特徴とするカバー部材。
把持対象物を把持する把持部材と、
前記把持対象物を覆うカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、
前記把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された係合部と、
前記係合部に形成され、前記把持部材側の突出部に係止される係止部と、
を備え、
前記係合部における前記係止部は、前記把持部材の前記先端とは反対側に形成された前記突出部に係止されることを特徴とする。
把持対象物を把持する把持部材に、前記把持対象物を覆うカバー部材を取り付けるためのカバー部材の取付方法であって、
前記カバー部材は、
前記把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された係合部と、
前記係合部に形成され、前記把持部材側の突出部に係止される係止部と、
を備え、
前記係合部における前記係止部を、前記把持部材の前記先端とは反対側に形成された前記突出部に係止すると共に、前記突出部にストッパを設置することにより、前記突出部から前記係合部が脱落することを妨げることを特徴とする。
[第1実施形態]
[構成]
図1及び図2は、本発明に係る取り分けシステム1全体の構成を示す模式図であり、図1は、取り分けシステム1が複数並べられた状態を示す斜視図、図2は、取り分けシステム1の主要部を拡大した斜視図である。
本実施形態における取り分けシステム1は、材料を取り分けるシステムに本発明を適用した例を示すものであり、以下の説明においては、取り分けシステム1が、弁当に盛り付けられる総菜(具材)を把持し、弁当の容器に取り分ける場合を例に挙げて説明する。なお、以下の説明において、盛り付けられる具材の量として、重量を例に挙げて説明するが、本発明は、重量以外であっても、体積、かさ、質量等、各種呼称の物理量を対象に適用することが可能である。
また、ハンドユニット31は、ロボットアーム先端に設置された脱着機構32aに脱着自在に取り付けられる。ロボットアーム32の脱着機構32aを保持する関節は、ロボットアーム32に対してハンドユニット31を捻り方向に回転させる軸を備えている。そのため、ハンドユニット31が具材を把持する際に、ハンドユニット31の向きを変化させることにより、ハンドユニット31が開閉する方向を調整することができる。これにより、ハンドユニット31が容器の内壁に達した際に、容器内壁と平行な方向にハンドユニット31が開閉するようにハンドユニット31の向きを変更することが可能となり、容器内壁近傍の具材を把持し易くなる。
また、図4は、ロボットアーム32の脱着機構32a及びハンドユニット31の脱着機構31aの部分拡大図である。なお、図3及び図4においては、一対で用いられる把持部材31Aの一方のみが示されている。
把持部材31Aの天面部には、ロボットアーム32の脱着機構32aと連結される脱着機構31aが設置されている。
また、図9に示すように、袋状とされたカバー100内(即ち、カバー本体100A内)に把持部材31Aを挿入し、係合部101~104を突起部316aに係合することにより、図10に示すように、カバー100がハンドユニット31に装着される。このとき、係合部101~104を1つの突起部316aに係合させることでカバー100を取り付けることができる。そのため、カバー100を取り付ける際の取り付け方にばらつきが生じることが抑制され、カバー100を交換した際に安定した取付状態とすることが容易となる。なお、係合部101~104を突起部316aに係合した後、突起部316aにはストッパ318aが装着され、ストッパ318aの磁力により、係合部101~104が固定される。
次に、本実施形態におけるカバー100を装着して作業を行う際の作用を説明する。
食品等の具材を取り分ける作業においては、主に、
(1)具材へのハンドユニット31の挿入動作
(2)具材の把持動作
(3)具材からのハンドユニット31の抜き出し動作
(4)開放(具材のリリース)動作
(5)具材表面を平坦化する動作
等が行われる。
なお、カバー100は、具材へのハンドユニット31の挿入時にカバー100に加わる力によっても破損しない程度の強度を有する材質及び厚みを選択されて構成されている。
(5)具材表面を平坦化する動作においては、ハンドユニット31の把持動作を固定し、ハンドユニット31全体をロボットアーム32が移動させることによって、ハンドユニット31の先端で具材供給部10内の具材表面が平坦化される。このとき、ハンドユニット31を把持方向と同じ方向に移動させる際には、把持動作の場合と同様に、具材の粘着性により、ハンドユニット31の移動方向とは逆方向に引っ張る力がカバー100に作用する。また、ハンドユニット31を把持方向と逆方向に移動させる際には、具材の粘着性により、ハンドユニット31の移動方向とは逆方向に引っ張る力がカバー100に作用する。具材を平坦化する動作においては、主に、把持部材31Aの外面側に位置する係合部104または係合部102が突起部316aに係合されている保持力によって、カバー100の脱落やずれが抑制される。なお、本実施形態において、制御装置40は、ハンドユニット31を具材と接触させた状態の動作において、ロッド321a,322aが延在する方向(y方向)にハンドユニット31を移動させないように制御する。ロッド321a,322aが延在する方向(y方向)は、他の方向に比べてハンドユニット31がロボットアーム32に保持される力が相対的に弱いところ、このように制御することで、ハンドユニット31がロボットアーム32から脱落することが抑制される。
そのため、カバー100に対して複数の方向から脱落させる力が作用しても、いずれかの係合部101~104が突起部316aに係合する作用によって、カバー100を脱落させる力に対抗することができる。
したがって、具材を取り分ける作業等において、より確実にハンドユニット31にカバー100が装着した状態を維持させることができる。
また、ハンドユニット31は、ロボットアーム32の脱着機構32aに設置されたロッド321a,322aが、ハンドユニット31の脱着機構31aにおける挿通穴311a,312aにそれぞれ挿通され、ロッド321a,322aの先端が挿通穴311a,312a内で磁石314a,315aに磁力で吸着されることにより、ロボットアーム32に保持されている。
そのため、ハンドユニット31は、ロッド321a,322aの方向に沿って引き抜く動作でロボットアーム32から取り外すことができると共に、ロッド321a,322aをハンドユニット31の挿通穴311a,312aに挿通する動作でロボットアーム32に取り付けることができる。
したがって、ハンドユニット31に装着されたカバー100を交換する作業をより容易に行うことができる。
また、カバー100は袋状の構造とされていると共に、袋状部分(カバー本体100A)の開口部周囲に備えられた係合部101~104を把持部材31Aの突起部316aに係合し、磁石を備えるストッパ318aによって磁力を用いて突起部316aからの脱落が防止される構成となっている。
そのため、ハンドユニット31にカバー100を取り付けたり、ハンドユニット31からカバー100を取り外したりする作業を容易に行うことができる。
即ち、本実施形態の取り分けシステム1においては、把持部材31Aにカバー100を装着して対象物を把持する技術において、作業時にはカバー100の装着状態をより確実に維持し、交換作業はより容易に行えるようになる。
上述の実施形態において、カバー100は、係合部101~104と、把持部材31Aの突起部316aに挿通される係止穴105~108とを備えるものとして説明したが、これに限られない。例えば、係合部101~104を、係止穴105~108を備えることなく、開口部から突出した帯状部101a~104aとして構成し、帯状部101a~104aを一箇所に重ねて磁石あるいはクリップ機構等によって押さえ込むことで、把持部材31Aに押さえ止めする構成としてもよい。
図11は、帯状部101a~104aを押さえ込むことで把持部材31Aにカバー100が装着される構成例を示す模式図である。
図11に示すように、帯状部101a~104aを押さえ込むことで把持部材31Aにカバー100を装着する場合、例えば、把持部材31Aの天面部における台座部317aの位置等に帯状部101a~104aを集合させて重ね合わせる。図11に示す構成例では、台座部317aに突起部316aは設置されておらず、平坦な台座として構成され、台座部317a内部には金属または磁石が設置されている。そして、台座部317aに帯状部101a~104aが重ね合わせられた状態で、磁石を備えるストッパ319aを台座部317aに吸着させる。
この結果、重ね合わせられた帯状部101a~104aがストッパ319aによって台座部317aに押さえ込まれ、カバー100が把持部材31Aに押さえ止められた状態となる。
このような構成とした場合、カバー100を把持部材31Aに装着する作業及びカバー100を把持部材31Aから取り外す作業をより容易に行うことができる。
なお、帯状部101a~104aを一箇所に重ねて押さえ込むことの他、複数箇所に分けて押さえ込む構成としてもよい。
カバー100は、カバー本体100Aと、係合部101~104と、係止穴105~108と、を備える。
カバー本体100Aは、把持対象物を把持する把持部材31Aを先端側から覆う袋状の構成を有する。
係合部101~104は、カバー本体100Aにおける開口部周囲に設置される。
係止穴105~108は、係合部101~104に形成され、把持部材31A側の突起部316aに係止される。
係合部101~104における係止穴105~108は、把持部材31Aの先端とは反対側に形成された突起部316aに係止される。
これにより、ハンドユニット31にカバー100を取り付けたり、ハンドユニット31からカバー100を取り外したりする作業を容易に行うことができる。
したがって、把持部材31Aにカバー100を装着して対象物を把持する技術において、作業時にはカバー100の装着状態をより確実に維持し、交換作業はより容易に行えるようになる。
複数の係合部101~104における係止穴105~108は、把持部材31Aにおける同一の突起部316aに係止される。
これにより、複数の係合部101~104をまとめて突起部316aに係合すればよいため、カバー100を把持部材31Aに取り付ける作業を容易に行うことができる。また、カバー100を取り付ける際の取り付け方にばらつきが生じることが抑制され、カバー100を交換した際に安定した取付状態とすることが容易となる。
把持部材31Aは、把持対象物を把持する。
カバー100は、把持対象物を覆う。
カバー100は、カバー本体100Aと、係合部101~104と、係止穴105~108と、を備える。
カバー本体100Aは、把持対象物を把持する把持部材31Aを先端側から覆う袋状の構成を有する。
係合部101~104は、カバー本体100Aにおける開口部周囲に設置される。
係止穴105~108は、係合部101~104に形成され、把持部材31A側の突起部316aに係止される。
係合部101~104における係止穴105~108は、把持部材31Aの先端とは反対側に形成された突起部316aに係止される。
これにより、ハンドユニット31にカバー100を取り付けたり、ハンドユニット31からカバー100を取り外したりする作業を容易に行うことができる。また、把持対象物を把持する作業において、ハンドユニット31からカバー100が脱落することが抑制される。
したがって、把持部材31Aにカバー100を装着して対象物を把持する技術において、作業時にはカバー100の装着状態をより確実に維持し、交換作業はより容易に行えるようになる。
ストッパ318aは、把持部材31Aの突起部316aに取り付けられ、磁力によって把持部材31Aに吸着する。
これにより、取り扱いが簡単で、低コストな部品を用いて、係合部101~104の脱落を抑制することができる。
これにより、万一、ストッパ318aが脱落したとしても、出荷前等に具材が金属探知機で検査されるタイミングで、ストッパ318aを検出することができる。
ストッパ318aは、把持部材31Aの突起部316aに嵌め込まれ、突起部316aに係合された係合部101~104の脱落を嵌合力によって妨げる。
これにより、樹脂製のキャップ等、低コストで効果的な部品を用いて、係合部101~104の脱落を抑制することができる。
カバー100は、カバー本体100Aと、帯状部101a~104aと、を備える。
カバー本体100Aは、把持対象物を把持する把持部材31Aを先端側から覆う袋状の構成を有する。
帯状部101a~104aは、カバー本体100Aにおける開口部周囲に設置される。
把持部材31Aは、把持部材31Aの先端とは反対側における所定位置に帯状部101a~104aを押さえ込む取付部材を備える。
これにより、ハンドユニット31にカバー100を取り付けたり、ハンドユニット31からカバー100を取り外したりする作業を容易に行うことができる。
したがって、把持部材31Aにカバー100を装着して対象物を把持する技術において、作業時にはカバー100の装着状態をより確実に維持し、交換作業はより容易に行えるようになる。
例えば、上述の実施形態及び変形例において、総菜を取り分ける取り分けシステムに本発明を適用する場合を例に挙げて説明したが、本発明は、種々の対象物を把持するシステムに適用することができる。例えば、練ったモルタル、コンクリート、漆喰、粘土等、粘性あるいは粘着性が高い材料を把持するシステムに本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態において、ストッパ318aは磁石を備え、磁力によって台座部317aに吸着することで、係合部101~104の脱落を抑制するものとしたが、これに限られない。例えば、ストッパ318aは、磁力を用いることなく、機械的な取付具として構成し、機械的な固定力で係合部101~104の脱落を抑制するものとしてもよい。一例として、ストッパ318aは、磁力を用いることなく、突起部316aに嵌合することにより、その嵌合力(嵌合を解除するために要する力)で脱落を抑制する構成とすることも可能である。また、ストッパ318aは、磁力を用いることなく、突起部316aに螺合(ねじ込み)することにより、その緊締力(ねじ止め力)で脱落を抑制する構成とすることも可能である。
この場合、より低コストな部品によって、効果的に係合部101~104の脱落を抑制することが可能となる。
また、上述の実施形態に記載された例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。
Claims (9)
- 把持対象物を把持する把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された係合部と、
前記係合部に形成され、前記把持部材側の突出部に係止される係止部と、
を備え、
前記係合部における前記係止部は、前記把持部材の前記先端とは反対側に形成された前記突出部に係止され、
前記把持部材に保持されることを特徴とするカバー部材。 - 前記係合部は、前記カバー本体部における開口部周囲において、複数箇所に設置され、
複数の前記係合部における前記係止部は、前記把持部材における同一の前記突出部に係止されることを特徴とする請求項1に記載のカバー部材。 - 把持対象物を把持する把持部材と、
前記把持部材を覆うカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、
前記把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された係合部と、
前記係合部に形成され、前記把持部材側の突出部に係止される係止部と、
を備え、
前記係合部における前記係止部は、前記把持部材の前記先端とは反対側に形成された前記突出部に係止され、
前記カバー部材は、前記把持部材に保持されることを特徴とするハンドユニット。 - 前記把持部材の前記突出部に取り付けられ、磁力によって前記把持部材に吸着するストッパを備えることを特徴とする請求項3に記載のハンドユニット。
- 当該ハンドユニットが設置されるロボットアームに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のハンドユニット。
- 把持対象物を把持する把持部材と、
前記把持部材を覆うカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材は、
前記把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された帯状部と、
を備え、
前記把持部材は、前記把持部材の前記先端とは反対側における所定位置に前記帯状部を押さえ込む取付部材を備え、
前記カバー部材は、前記把持部材に保持されることを特徴とするハンドユニット。 - 当該ハンドユニットが設置されるロボットアームに対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載のハンドユニット。
- 把持対象物を把持する把持部材に、前記把持部材を覆うカバー部材を取り付けるためのカバー部材の取付方法であって、
前記カバー部材は、
前記把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された係合部と、
前記係合部に形成され、前記把持部材側の突出部に係止される係止部と、
を備え、
前記係合部における前記係止部を、前記把持部材の前記先端とは反対側に形成された前記突出部に係止すると共に、前記突出部にストッパを設置することにより、前記突出部から前記係合部が脱落することを妨げ、前記カバー部材は、前記把持部材に保持されることを特徴とするカバー部材の取付方法。 - 把持対象物を把持する把持部材に、前記把持部材を覆うカバー部材を取り付けるためのカバー部材の取付方法であって、
前記カバー部材は、
前記把持部材を先端側から覆う袋状のカバー本体部と、
前記カバー本体部における開口部周囲に設置された帯状部と、
を備え、
前記把持部材の前記先端とは反対側における所定位置に取付部材によって前記帯状部を押さえ込むことにより、前記カバー部材が前記把持部材から脱落することを妨げ、前記カバー部材は、前記把持部材に保持されることを特徴とするカバー部材の取付方法。
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