JP7234593B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
化粧シートは積層体であるが、特に建物外装や浴室等では、端部から化粧シート内部に水分が浸入し層間剥離を起こすといった問題が生じてしまう。
一般的に積層体を貼りあわせる時、接着層を設けることがあり、接着層は一般的にアクリル樹脂やポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が用いられることが多い(例えば、特許文献1)。
3<(X+Y+Z)/N<50 …(式1)
0.1<X/Y<10 …………(式2)
Z/(X+Y+Z+N)<0.5…(式3)
また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1に示すように、本発明に係る実施形態(以下、本実施形態)の化粧シート10は、基材層11と、絵柄層12と、接着層13と、透明樹脂層14と、表面保護層15と、がこの順で積層されている。
基材層11はポリオレフィンないしポリエステルが好適に用いられ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレートなどの既存材料から任意に選択可能である。
基材層11は隣接層との密着性を補うため、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、電子線処理、紫外線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。
絵柄層12は、基材層11に対してインキを用いて施された絵柄印刷である。絵柄層12の形成に用いられるインキはバインダを含んでいてもよく、例えば、硝化綿、セルロース、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系などの単独もしくは各変性物の中から適宜選定して用いることができる。また、それらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでもよい。
絵柄層12の形成に用いられるインキを硬化させる方法としては、紫外線や電子線などの照射によりインキを硬化させる方法が挙げられる。中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキを用いるもので、ポリイソシアネートによって硬化させる方法である。
絵柄層12を形成する方法は特に限定されるものではなく、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、インキジェット印刷など通常の印刷方法を用いることができる。
接着層13は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコール、ポリイソシアネートを構成要素としたウレタン樹脂を含み、例えば、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコートなど通常の塗布方法を用いて形成される。
接着層13に含まれるウレタン樹脂は、公知技術(ポリオールとポリイソシアネートの付加重合反応)により合成できる。すなわち、ウレタン樹脂の末端を水酸基とし、これにイソシアネートなどの硬化剤を適量配合することで接着層を硬化させることができる。
ウレタン樹脂の構成要素であるポリアルキレングリコールは、ポリエーテル構造を有し、ポリカプロラクトンポリオールに対し耐加水分解性に劣るが柔軟性に優れる。本実施形態では同材料をポリカプロラクトンポリオールと併用することで、基材層11との密着性と加工性を両立させている。
また、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを用いることができるが、疎水性が大きいポリテトラメチレングリコールが耐湿熱性の観点から好適である。
ウレタン樹脂の構成要素として使用されるポリカプロラクトンポリオール及びポリアルキレングリコールは、市販の各種材料から分子量などの観点より適宜選択して用いることができる。
また、ウレタン樹脂の構成要素として使用されるポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びその水添物などを用いることができるが、イソホロンジイソシアネートが耐湿熱性の観点から好適である。
3<(X+Y+Z)/N<50 …(式1)
0.1<X/Y<10 …………(式2)
Z/(X+Y+Z+N)<0.5…(式3)
また、本実施形態のウレタン樹脂の硬化に用いる硬化剤は特に限定されるものではく、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びその水添物、ジフェニルメタンジイソシアネート及びその水添物などを含む市販の硬化剤から適宜選択して用いることができる。
そして、絵柄層12を積層した基材層11に透明樹脂層14を接合する方法は、接着層13を介していれば良く、熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート、サンドラミネートなどの各種ラミネート手法を用いることができる。
透明樹脂層14は、ポリオレフィンが好適に用いられ、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンや、各種αオレフィンコポリマ(プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどの共重合体)が用いられる。
透明樹脂層14は、必要に応じて紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤及び艶調整剤等の各種添加剤を配合してもよい。
透明樹脂層14の形成方法は特に限定されるものではなく、カレンダー成膜や押出成膜など通常の方法を用いることができる。
透明樹脂層14は、意匠性を付与するために表面凹凸を設けてもよい。凹凸を設ける方法としては、例えば透明樹脂層14を押出成形した後に熱エンボス加工を施す方法、押出形成時に凹凸を設けた冷却ロールを用い押出し成形と同時にエンボス加工を施す方法がある。
表面保護層15は、化粧シート10に、耐候性、耐傷性、耐汚染性、意匠性などの機能を付与するために設けられる層である。表面保護層15を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ウレタン系、アクリル系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系などの樹脂材料から適宜選択して用いることができる。
表面保護層15は、必要に応じて、例えば、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、触媒捕捉剤、着色剤、光散乱剤及び艶調整剤などの各種添加剤を配合してもよい。
表面保護層15の形成方法は特に限定されるものではなく、前述の材料を塗液化したものを、例えば、グラビアコート、マイクログラビアコート、コンマコート、ナイフコート、ダイコートなど通常の方法で塗布した後、熱硬化、紫外線硬化など材料に適合した方法で硬化させることで表面保護層15を形成してもよい。
この表面保護層15は、基材層11に設けた絵柄層12に接着層13を介して透明樹脂層14と接合した後に設けてもよい。
基材層11は、印刷作業性、コストなどを考慮して20μm~150μm、絵柄層12は、0.5~10μm、接着層13は、1μm~20μm、透明樹脂層14は、20μm~200μm、表面保護層15は、3μm~20μmとすることが望ましい。また、化粧シート10の総厚は、45μm~250μmの範囲内とすることが好適である。
次に、本実施形態の化粧シート10の効果について述べる。
化粧シート10の接着層13は、耐加水分解性に優れるポリカプロラクトンポリオールと、基材層11との密着性及び加工性を両立させるポリアルキレングリコールと、ポリイソシアネートとを構成要素としたウレタン樹脂を含有しているので、接着層13に割れや白化が生じにくくなり、化粧シート10の加工性を良好とすることができる。
また、接着層13のウレタン樹脂の構成要素としてネオペンチルグリコールを含むことで、化粧シート10の耐湿熱性を向上させることができる。
また、接着層13のウレタン樹脂の構成要素であるポリイソシアネートをイソホロンジイソシアネートとすることで、さらに耐湿熱性にも優れた化粧シート10を得ることができる。
さらに、透明樹脂層14がポリオレフィン樹脂で形成されていることから、化粧シート10の廃棄時に燃焼してもダイオキシンが発生せず、環境負荷を抑制することができる。
さらにまた、透明樹脂層14に表面保護層15が積層されていることで、化粧シート10に耐候性、耐傷性、耐汚染性、意匠性の機能を付与することができる。
<実施例1>
ポリオールとして(ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール)、ポリイソシアネートとしてイソホロンジイソシアネートを用い、公知の付加重合法により、数平均分子量が1.0×105の水酸基末端のウレタン樹脂を合成した。当該ウレタン樹脂に硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体)を適量配合し、接着剤を調整した。
実施例1において、ポリオール成分としてネオペンチルグリコールを使用しない点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例2の化粧シート10を得た。
<実施例3>
実施例1において、ポリオール成分としてポリテトラメチレングリコールをポリプロピレングリコールに置き換えた点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例3の化粧シート10を得た。
実施例1において、ポリイソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネートをキシリレンジイソシアネートに置き換えた点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例4の化粧シート10を得た。
<実施例5>
実施例1において、ポリオール成分としてネオペンチルグリコールを使用しない点と、ポリイソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネートをキシリレンジイソシアネートに置き換えた点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例5の化粧シート10を得た。
実施例1において、ポリオール成分としてポリテトラメチレングリコールをポリプロピレングリコールに置き換えた点と、ネオペンチルグリコールを使用しない点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例6の化粧シート10を得た。
<実施例7>
実施例1において、ポリオール成分としてポリテトラメチレングリコールをポリプロピレングリコールに置き換えた点と、ネオペンチルグリコールを使用しない点、ポリイソシアネート成分としてイソホロンジイソシアネートをキシリレンジイソシアネートに置き換えた点を除いては実施例1と同様の方法で、実施例7の化粧シート10を得た。
実施例1において、ポリオール成分としてポリカプロラクトンポリオールを使用しない点を除いては実施例1と同様の方法で、比較例1の化粧シート10を得た。
<比較例2>
実施例1において、ポリオール成分としてポリアルキレングリコールを使用しない点を除いては実施例1と同様の方法で、比較例2の化粧シート10を得た。
上述した実施例1~7、比較例1,2の化粧シート10について、以下の方法で加工性と耐湿熱性を評価した。評価結果を表1に示す。
(a)加工性
建材用接着剤(ノーテープ工業、No5211)を用いアルミ板(厚み0.4mm)に化粧シートを貼り付けた試料を、環境温度5℃にて90°曲げ加工し、曲げ部分の外観を目視観察した。
評価基準
○:絵柄層に割れが認められない
×:絵柄層に割れが認められる
化粧シート10の湿熱処理をHASTチャンバーで実施し(105℃100%RH,192時間)、その後、透明樹脂層14と基材層11間のT字剥離強度を測定した(試料幅:25mm、引張り速度:5mm/sec)。
評価基準
◎:剥離界面ができずに基材が破断
〇〇:基材変形が生じながら剥離面生成
〇:基材変形なく剥離面が生成
×:試料ハンドリング時に剥離が生じ測定不可
11 基材層
12 絵柄層
13 接着層
14 透明樹脂層
15 表面保護層
Claims (5)
- 基材層と、絵柄層と、接着層と、透明樹脂層とがこの順で積層されており、
前記接着層が、ポリカプロラクトンポリオール、ポリアルキレングリコール、ポリイソシアネート及びネオペンチルグリコールを構成要素としたウレタン樹脂を含有しており、
前記ポリカプロラクトンポリオールの物質量をX、前記ポリアルキレングリコールの物質量をY、前記ポリイソシアネートの物質量をZ、前記ネオペンチルグリコールの物質量をNとしたときに、以下の式1~式3の関係式になるようにしたことを特徴とする化粧シート。
3<(X+Y+Z)/N<50 …(式1)
0.1<X/Y<10 …………(式2)
Z/(X+Y+Z+N)<0.5…(式3) - 前記ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
- 前記ポリイソシアネートがイソホロンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧シート。
- 前記透明樹脂層がポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の化粧シート。
- 前記透明樹脂層に表面保護層が積層されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の化粧シート。
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JP2012201687A (ja) | 2011-03-23 | 2012-10-22 | Dic Corp | 湿気硬化性ポリウレタンホットメルト接着剤およびそれを用いた造作部材 |
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