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JP7234069B2 - 検知システム及び検知方法 - Google Patents

検知システム及び検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、検知システム及び検知方法に関する。
従来より、表示装置に近接検知装置(例えば、赤外線LED(Light Emitting Diode)と赤外線PD(Photo Detector))を内蔵させ、赤外線の投受光を制御することで、表示装置に対する操作を検知する検知システムが知られている。当該検知システムでは、表示装置の操作領域に赤外線を投光し、該操作領域からの反射光を受光することで生成される受光信号を用いて、表示装置に対する操作の有無を判定する。
特開2009-216888号公報 特開2013-218549号公報
一方で、赤外線LED等の投光器の場合、光軸中心方向の照射光強度が高いという照射特性がある。このため、複数の赤外線LEDを配列した場合、配列方向の各照射位置での照射光強度が均一にならず、例えば、表示装置に対してスワイプ操作等が行われた場合に、照射光強度の低い照射位置での操作を安定して検知することができないといった問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、表示装置に対する操作を検知する検知システムにおいて、投光器の照射特性の影響を低減することを目的とする。
一態様によれば、検知システムは以下のような構成を備える。即ち、
表示装置の操作領域に投光する複数の投光器と、該操作領域からの反射光を受光する受光器と、を有する検知システムであって、
前記複数の投光器のうち、隣接する第1の投光器と第2の投光器とが異なる投光タイミングで投光することで第1の受光信号を取得する取得部と、
前記複数の投光器のうち、隣接する前記第1の投光器と第2の投光器とが投光した場合に取得される受光信号に基づき、第2の受光信号を生成する生成部と、
前記第1の受光信号及び第2の受光信号それぞれに基づき、前記操作領域に対する操作の有無を判定する判定部とを有する。
表示装置に対する操作を検知する検知システムにおいて、投光器の照射特性の影響を低減することができる。
表示装置における近接検知装置の配置例及び赤外線の投光例を示す図である。 検知システムのシステム構成及び制御装置の機能構成の一例を示す第1の図である。 制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 第1の投光タイミング及び第1の受光信号の一例を示す図である。 第2の投光タイミング及び第2の受光信号の一例を示す図である。 検知システムによる検知処理の概要を説明するための図である。 検知システムによる検知処理の流れを示す第1のフローチャートである。 検知システムによる検知処理の効果の一例を示す図である。 検知システムのシステム構成及び制御装置の機能構成の一例を示す第2の図である。 検知システムによる検知処理の流れを示す第2のフローチャートである。
以下の各実施形態では、光軸中心方向の照射光強度が高い照射特性を有する投光器が、複数配列された検知システムにおいて、2種類の受光信号を用いて、表示装置に対する操作の有無を判定する。これにより、照射光強度の低い照射位置での操作についても、安定して検知することができるようになり、投光器の照射特性の影響を低減することができる。
このうち、第1の実施形態では、
・隣接する投光器が、第1の投光タイミングで投光(照射光強度が均一にならない投光)を行い、当該投光により取得される第1の受光信号を用いて、操作の有無を判定するとともに、
・隣接する投光器が、第2の投光タイミングで投光(照射光強度が低下する照射位置での照射光強度を上げた投光)を行い、当該投光により取得される受光信号に基づいて生成した第2の受光信号を用いて、操作の有無を判定する。
また、第2の実施形態では、
・隣接する投光器が、第1の投光タイミングで投光(照射光強度が均一にならない投光)を行い、当該投光により取得される第1の受光信号を用いて、操作の有無を判定するとともに、
・第1の受光信号に対して、照射光強度が低下する照射位置からの反射光の強度を上げる演算を施すことで第2の受光信号を生成し、生成した第2の受光信号を用いて、操作の有無を判定する。
このように、互いに補完する2種類の受光信号を用いて操作の有無を判定することで、第1及び第2の実施形態によれば、照射光強度の低い照射位置での操作についても、安定して検知することができる。この結果、投光器の照射特性の影響を低減することができる。
以下、各実施形態の詳細について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
[第1の実施形態]
<表示装置における近接検知装置の配置例及び赤外線の投光例>
はじめに、第1の実施形態に係る検知システムが適用される表示装置における、近接検知装置の配置例及び照射光(赤外線)の投光例について説明する。図1は、表示装置における近接検知装置の配置例及び赤外線の投光例を示す図である。
図1(a)に示すように、表示装置100は、操作領域110と非操作領域120とを有する。このうち、操作領域110は、画像が表示される領域であって、かつ、操作者による操作が行われる領域である。一方、非操作領域120は、操作領域110の外周領域に位置し、近接検知装置130が配置される領域である。
図1(a)に示すように、近接検知装置130は、投光器の一例である第1の赤外線LED(Light Emitting Diode)131~第4の赤外線LED134を有する。更に、近接検知装置130は、受光器の一例であるPD(Photo Detector)140を有する。なお、以下では、第1の赤外線LED~第4の赤外線LEDを、単に、第1LED~第4LEDと略して記載する。
第1LED131~第4LED134は、表示装置100に対する操作を検知するための赤外線を操作領域110に投光する。第1LED131~第4LED134は、表示装置100の幅方向に概ね等間隔で配列される。
なお、図1(a)の例では、表示装置100の幅方向に4個のLED(第1LED131~第4LED134)が配列される場合について示したが、表示装置100に配列されるLEDの数は4個に限定されない。
PD140は、操作領域110に赤外線が投光された場合に、操作領域110からの反射光を受光する。具体的には、操作者が操作領域110に対して操作を行うことで、操作領域110に投光された赤外線の一部が、当該操作者の手に反射した場合において、PD140では、当該操作者の手に反射した反射光を受光する。また、PD140では、反射光を受光することで生成した受光信号を出力する。
なお、図1(a)の例では、PD140を1個配置する場合について示したが、表示装置100に配置するPDの数は1個に限定されない。また、図1(a)の例では、PD140を、表示装置100の幅方向の中央位置に配置する場合について示したが、PD140を配置する位置は、表示装置100の幅方向の中央位置に限定されない。
図1(b)は、第1LED131~第4LED134それぞれが赤外線を投光することで照射される、操作領域110内の照射範囲の一例を示している(破線参照)。図1(b)に示すように、第1LED131~第4LED134それぞれが、破線で示す照射範囲に赤外線を投光することで、操作領域110内のほぼ全範囲を検知範囲としてカバーすることができる。
ただし、第1LED131~第4LED134は、いずれも、光軸中心方向の照射光強度が高いという照射特性を有する。このため、操作領域110の幅方向の各照射位置(例えば、破線150上の各照射位置)において、赤外線の照射光強度は不均一となる。例えば、第1LED131より投光される赤外線の各照射位置(矢印160参照)のうち、矢印の中央付近は、赤外線の照射光強度が高く、矢印の端部付近は、赤外線の照射光強度が低くなる。
<検知システムのシステム構成及び制御装置の機能構成>
次に、近接検知装置130を含む検知システムのシステム構成及び該検知システムが有する制御装置の機能構成について説明する。図2は、検知システムのシステム構成及び制御装置の機能構成の一例を示す第1の図である。図2に示すように、検知システム200は、表示装置100の一部として構成され、近接検知装置130と制御装置210とを有する。
また、制御装置210は、投光制御部220と検知部230とを有する。投光制御部220は、更に、第1制御部221、第2制御部222を有し、第1LED131~第4LED134による赤外線の投光を制御する制御信号を出力する。このうち、第1制御部221では、第1LED131~第4LED134が、互いに異なる投光タイミング(第1の投光タイミング)で赤外線を投光するよう、制御信号を出力する。具体的には、第1制御部221は、
・第1LED131、
・第2LED132、
・第3LED133、
・第4LED134、
の順に赤外線を投光するよう制御する。
一方、第2制御部222は、隣接する2つのLEDが同じ投光タイミング(第2の投光タイミング)で赤外線を投光するよう、制御信号を出力する。具体的には、第2制御部222は、
・第1LED131+第2LED132、
・第2LED132+第3LED133、
・第3LED133+第4LED134、
の順に赤外線を投光するよう制御する。
検知部230は、更に、第1取得部231、第2取得部232、判定部233を有する。このうち、第1取得部231は、第1LED131~第4LED134が、第1の投光タイミングで赤外線を投光した際の反射光を、PD140が受光することで生成した第1の受光信号を取得する。また、第2取得部232は、第2の投光タイミングで赤外線を投光した際の反射光を、PD140が受光することで生成した受光信号を取得し、第2の受光信号を生成する。
判定部233は、第1の受光信号及び第2の受光信号を用いて、操作領域110に対する操作の有無を判定する。
<制御装置のハードウェア構成>
次に、制御装置210のハードウェア構成について説明する。図3は、制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示すように、制御装置210は、演算装置301、記憶装置302、出力装置303、入力装置304を有する。なお、制御装置210を構成する各ハードウェアは、バス305を介して相互に接続されている。
演算装置301は、投光制御部220及び検知部230として機能する集積回路である。記憶装置302は、演算装置301が投光制御部220及び検知部230として機能する際に処理される情報(例えば、第1の受光信号、第2の受光信号、操作の有無の判定に用いられる閾値等)を格納するメモリである。
出力装置303は、演算装置301からの制御信号を第1LED131~第4LED134に出力する出力デバイスである。入力装置304は、PD140より出力された受光信号を受信し、演算装置301に入力する入力デバイスである。
<第1の投光タイミング及び第1の受光信号の説明>
次に、第1LED131~第4LED134が第1の投光タイミングで赤外線を投光する場合に、投光制御部220の第1制御部221が出力する制御信号について説明する。また、第1の投光タイミングで赤外線を投光した際の反射光を、PD140が受光することで、検知部230の第1取得部231が取得する第1の受光信号について説明する。
図4は、第1の投光タイミング及び第1の受光信号の一例を示す図である。このうち、図4(a)は、投光制御部220の第1制御部221が第1LED131~第4LED134に対して出力する制御信号の、出力タイミングを表している。なお、図4(a)では、PD140が反射光を受光することで検知部230の第1取得部231が取得する受光信号の、取得タイミングもあわせて示している。
図4(a)において横軸は時間であり、縦軸は、制御信号の出力のON/OFF(または受光信号の取得のON/OFF)を表している。図4(a)に示すように、投光制御部220の第1制御部221は、第1LED131~第4LED134が互いに異なるタイミングで赤外線を投光するよう、第1LED131~第4LED134に対して、互いに異なるタイミングで制御信号を出力する。なお、投光制御部220の第1制御部221が第1LED131~第4LED134に対して当該制御信号を出力する周期は、例えば、操作の有無の判定に十分な頻度(毎秒100回)で測定を行うための時間である、10[msec]である。
また、図4(a)に示すように、検知部230の第1取得部231が受光信号を取得するタイミングは、第1LED131~第4LED134が赤外線を投光するそれぞれのタイミングと同期している。
一方、図4(b)は、操作領域110の幅方向の各照射位置に反射物があった場合に、第1LED131~第4LED134が第1の投光タイミングで赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示している。つまり、図4(b)において、横軸は操作領域110の幅方向の照射位置を表しており、縦軸は反射光の強度を表している。なお、以下では、
・第1LED131が赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示す信号を第1の受光信号A1、
・第2LED132が赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示す信号を第1の受光信号A2、
・第3LED133が赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示す信号を第1の受光信号A3、
・第4LED134が赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示す信号を第1の受光信号A4、
と称す。
図4(b)に示すように、第1の受光信号A1は、第1LED131が赤外線を投光する操作領域110の幅方向の各照射位置(矢印160参照)に対応する位置に出現する。ただし、照射光強度は均一ではないため、反射光の強度も一定にはならず、各照射位置(矢印160参照)の中央付近において最も強度が高く、端部付近において強度が低くなる。
同様に、第1の受光信号A2は、第2LED132が赤外線を投光する操作領域110の幅方向の各照射位置に対応する位置に出現する。ただし、照射光強度は均一ではないため、反射光の強度も一定にならず、各照射位置の中央付近において最も強度が高く、端部付近において強度が低くなる。
以下、同様に、第1の受光信号A3~A4も、第3LED133~第4LED134がそれぞれ赤外線を投光する操作領域110の幅方向の各照射位置に対応する位置に出現する。そして、それぞれの反射光の強度は、各照射位置の中央付近において最も強度が高く、端部付近において強度が低くなる。
図4(c)は、第1の受光信号A1~A4を重ね合わせることで生成される図である。図4(c)は、操作領域110の幅方向の各照射位置の反射物にて赤外線が反射した場合に、反射光がどの程度の強度を有するかを操作領域110の幅方向全体について示したものである。図4(c)において、点線400は、反射物の有無の判定に用いられる閾値を表している。
図4(c)の場合、符号401で示す照射位置の反射物については、第1LED131が赤外線を投光した場合であっても、第2LED132が赤外線を投光した場合であっても、反射光の強度が低く、点線400を超えない。
同様に、符号402で示す照射位置の反射物については、第2LED132が赤外線を投光した場合であっても、第3LED133が赤外線を投光した場合であっても、反射光の強度が低く、点線400を超えない。
同様に、符号403で示す照射位置の反射物については、第3LED133が赤外線を投光した場合であっても、第4LED134が赤外線を投光した場合であっても反射光の強度が低く、点線400を超えない。
このように、第1の受光信号A1~A4の場合、操作領域110の幅方向の各照射位置の中に、反射物からの反射光の強度が閾値を超えない位置(つまり、反射物を検知することができない位置)が含まれる。
そこで、第1の実施形態では、第2の投光タイミングで投光(照射光強度が低下する照射位置での照射光強度を上げた投光)を行い、第2の受光信号を生成することで、第1の受光信号A1~A4では、検知することができない照射位置における反射物を検知する。以下、第2の投光タイミングで投光を行うことで生成される第2の受光信号について説明する。
<第2の投光タイミング及び第2の受光信号の説明>
はじめに、第1LED131~第4LED134が第2の投光タイミングで赤外線を投光する場合に、投光制御部220の第2制御部222が出力する制御信号について説明する。また、第2の投光タイミングで赤外線を投光した際の反射光を、PD140が受光することで検知部230の第2取得部232が生成する第2の受光信号について説明する。
図5は、第2の投光タイミング及び第2の受光信号の一例を示す図である。このうち、図5(a)は、投光制御部220の第2制御部222が第1LED131~第4LED134に対して出力する制御信号の、出力タイミングを表している。なお、図5(a)では、PD140が反射光を受光することで検知部230の第2取得部232が取得する受光信号の取得タイミングもあわせて示している。
図5(a)において横軸は時間であり、縦軸は、制御信号の出力のON/OFF(または受光信号の取得のON/OFF)を表している。図5(a)に示すように、投光制御部220の第2制御部222は、隣接する第1LED131と第2LED132とが同じタイミングで赤外線を投光するよう、第1LED131と第2LED132に対して、同じタイミングで制御信号を出力する。
続いて、投光制御部220の第2制御部222は、隣接する第2LED132と第3LED133とが同じタイミングで赤外線を投光するよう、第2LED132と第3LED133に対して、同じタイミングで制御信号を出力する。
続いて、投光制御部220の第2制御部222は、隣接する第3LED133と第4LED134とが同じタイミングで赤外線を投光するよう、第3LED133と第4LED134に対して、同じタイミングで制御信号を出力する。
なお、投光制御部220の第2制御部222がこれらの制御信号を繰り返し出力する周期は、例えば、10[msec]である。
また、図5(a)に示すように、検知部230の第2取得部232が受光信号を取得するタイミングは、隣接する2つのLEDが赤外線を投光するそれぞれのタイミングと同期している。
一方、図5(b)は、第1LED131~第4LED134が第2の投光タイミングで赤外線を投光することで、各照射位置の反射物から受光した反射光の強度を示している。つまり、図5(b)において、横軸は操作領域110の幅方向の照射位置を表しており、縦軸は反射光の強度を表している。なお、以下では、
・第1LED131と第2LED132が赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示す信号を第2の受光信号B1、
・第2LED132と第3LED133が赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示す信号を第2の受光信号B2、
・第3LED133と第4LED134が赤外線を投光した際の、各照射位置の反射物からの反射光の強度を示す信号を第2の受光信号B3、
と称す。
図5(b)に示すように、第2の受光信号B1は、第1LED131と第2LED132が赤外線を投光する操作領域110の幅方向の各照射位置に対応する位置に出現する。また、反射光の強度は、第1の受光信号A1と第1の受光信号A2とを合成した強度となる。
同様に、図5(b)には示していないが、第2の受光信号B2は、第2LED132と第3LED133が赤外線を投光する操作領域110の幅方向の各照射位置に対応する位置に出現する。また、反射光の強度は、第1の受光信号A2と第1の受光信号A3とを合成した強度となる。
同様に、図5(b)に示すように、第2の受光信号B3は、第3LED133と第4LED134が赤外線を投光する操作領域110の幅方向の各照射位置に対応する位置に出現する。また、反射光の強度は、第1の受光信号A3と第1の受光信号A4とを合成した強度となる。
図5(c)は、第2の受光信号B1~B3を重ね合わせることで生成される図である。また、図5(d)は、図5(c)の反射光の強度の最大値が、図4(c)の反射光の強度の最大値と等しくなるように、第2の受光信号B1~B3を補正することで生成した、第2の受光信号B1'~B3'を示す図である。
換言すると、図5(d)は、操作領域110の幅方向の各照射位置の反射物にて赤外線が反射した場合に、反射光がどの程度の強度を有するかを、正規化して、操作領域110の幅方向全体について示したものである。図5(d)において、点線400は、反射物の有無の判定に用いられる閾値を表している。
図5(d)の場合、符号401で示す照射位置の反射物については、第1LED131と第2LED132とが同時に赤外線を投光したことで、反射光の強度が高くなっており、点線400を超えている。
同様に、符号402で示す照射位置の反射物については、第2LED132と第3LED133とが同時に赤外線を投光したことで、反射光の強度が高くなっており、点線400を超えている。同様に、符号403で示す照射位置の反射物については、第3LED133と第4LED134とが同時に赤外線を投光したことで、反射光の強度が高くなっており、点線400を超えている。
このように、第2の投光タイミングで投光(照射光強度が低下する照射位置での照射光強度を上げた投光)を行い、第2の受光信号B1'~B3'を生成することで、第1の受光信号A1~A4では検知することができない位置の反射物を検知することができる。
<検知システムによる検知処理の概要>
次に、検知システム200による検知処理の概要について説明する。図6は、検知システムによる検知処理の概要を説明するための図である。投光制御部220の第1制御部221は、まず、第1LED131~第4LED134が、第1の投光タイミングで赤外線を投光するように、図6(a)左側に示す制御信号を出力する。続いて、検知部230の第1取得部231は、図6(b)に示す第1の受光信号A1~A4を取得する(ここでは、説明の便宜上、各照射位置に反射物がある場合の受光信号を示している)。
続いて、投光制御部220の第2制御部222は、第1LED131~第4LED134が、第2の投光タイミングで赤外線を投光するように、図6(a)右側に示す制御信号を出力する。続いて、検知部230の第2取得部232は、図6(c)に示す第2の受光信号B1'~B3'を生成する(ここでも、説明の便宜上、各照射位置に反射物がある場合の受光信号に基づいて生成した受光信号を示している)。
続いて、検知部230の判定部233は、第1の受光信号A1~A4に基づいて、操作領域110に対する操作の有無を判定する。更に、検知部230の判定部233は、第2の受光信号B1'~B3'に基づいて、操作領域110に対する操作の有無を判定する。
図6(d)に示すように、操作領域110の幅方向の各照射位置のいずれの位置にある反射物についても、点線400で示す閾値を超える強度を有する受光信号に基づいて、反射物の有無を判定することができる。
つまり、第1の受光信号A1~A4及び第2の受光信号B1'~B3'を用いて検知処理を実行することで、操作領域110の幅方向の各照射位置のいずれの位置にある反射物も検知することができる。
<検知システムによる検知処理の流れ>
次に、検知システム200による検知処理の流れについて説明する。図7は、検知システムによる検知処理の流れを示すフローチャートである。ステップS701において、投光制御部220の第1制御部221は、第1LED131~第4LED134が第1の投光タイミングで赤外線の投光を行うよう制御する。また、検知部230の第1取得部231は、第1の受光信号A1~A4を取得する。
ステップS702において、検知部230の判定部233は、取得した第1の受光信号A1~A4のいずれかの反射光の強度が、閾値以上であるか否かを判定する。ステップS702において、いずれかの反射光の強度が、閾値以上であると判定した場合には(ステップS702においてYesの場合には)、ステップS705に進む。ステップS705において、判定部233は、表示装置100の操作領域110に対する操作があったと判定する。
一方、ステップS702において、いずれの反射光の強度も、閾値以上でないと判定した場合には(ステップS702においてNoの場合には)、ステップS703に進む。ステップS703において、投光制御部220の第2制御部222は、第1LED131~第4LED134が、第2の投光タイミングで赤外線の投光を行うよう制御する。また、検知部230の第2取得部232は、第2の受光信号B1'~B3'を生成する。
ステップS704において、検知部230の判定部233は、生成した第2の受光信号B1'~B3'のいずれかの反射光の強度が、閾値以上であるか否かを判定する。ステップS704において、いずれかの反射光の強度が、閾値以上であると判定した場合には(ステップS704においてYesの場合には)、ステップS705に進む。ステップS705において、検知部230の判定部233は、表示装置100の操作領域110に対する操作があったと判定する。
一方、ステップS704において、いずれの反射光の強度も、閾値以上でないと判定した場合には(ステップS704においてNoの場合には)、ステップS706に進む。ステップS706において、投光制御部220は、検知処理を終了するか否かを判定する。
ステップS706において、検知処理を終了しないと判定した場合には(ステップS706においてNoの場合には)、ステップS701に戻る。一方、ステップS706において検知処理を終了すると判定した場合には(ステップS706においてYesの場合には)、検知処理を終了する。
<検知処理の効果>
次に、検知システム200による検知処理の効果について説明する。図8は、検知システムによる検知処理の効果の一例を示す図である。このうち、図8(a)は、比較例として、第1の投光タイミングで赤外線を投光することで取得される第1の受光信号A1~A4を用いて、操作領域110に対する操作の有無を判定した様子を示している。ここでは、操作者がスワイプ操作を行う場合を示している。
図8(a)に示すように、第1の投光タイミングで赤外線を投光することで取得される第1の受光信号A1~A4の場合、操作領域110の幅方向の各照射位置の中に、反射光の強度が十分でない位置(操作者の手を検知することができない位置)が含まれる。このため、図8(a)に示すスワイプ操作を行った場合、図8(a)内の"×"印の位置で、操作者の手を検知することができない(つまり、スワイプ操作を安定して検知することができない)。
一方、図8(b)は、第1の受光信号A1~A4に加えて、第2の投光タイミングで赤外線を投光することで生成される第2の受光信号B1'~B3'を用いて、操作領域110に対する操作の有無を判定した様子を示している。
図8(b)に示すように、第2の投光タイミングで赤外線を投光することで生成される第2の受光信号B1'~B3'の場合、第1の受光信号A1~A4では、検知することができない照射位置にある、操作者の手を検知することができる。このため、図8(b)に示すスワイプ操作を行った場合、全ての位置で操作者の手を検知することができる(図8(b)の場合、"×"印がなくなり、スワイプ操作を安定して検知することができる)。
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係る検知システムは、
・表示装置の操作領域に赤外線を投光する第1LED~第4LEDと、操作領域からの反射光を受光するPDとを有する。
・第1LED~第4LEDのうち、隣接するLEDが異なるタイミングで赤外線を投光することで第1の受光信号を取得する。
・第1LED~第4LEDのうち、隣接するLEDが同じタイミングで赤外線を投光した場合に取得される受光信号に基づき、第2の受光信号を生成する。
・第1の受光信号及び第2の受光信号それぞれに基づき、操作領域に対する操作の有無を判定する。
このように、互いに補完する2種類の受光信号を用いて、操作の有無を判定することで、第1の実施形態によれば、照射光強度の低い照射位置での操作についても、安定して検知することができる。
この結果、第1の実施形態によれば、表示装置に対する操作を検知する検知システムにおいて、投光器の照射特性の影響を低減することができる。
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、第1の投光タイミングと第2の投光タイミングとで、それぞれ赤外線の投光を行うことで、第1の受光信号を取得し、第2の受光信号を生成する構成とした。
これに対して、第2の実施形態では、第1の投光タイミングで赤外線の投光を行うことで第1の受光信号を取得し、取得した第1の受光信号に基づいて、第2の受光信号を生成する。以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
<検知システムのシステム構成及び制御装置の機能構成>
はじめに、第2の実施形態に係る検知システム200のシステム構成及び検知システム200が有する制御装置210の機能構成について説明する。図9は、検知システムのシステム構成及び制御装置の機能構成の一例を示す第2の図である。図2で示した制御装置210の機能構成との相違点は、図9の制御装置210の場合、投光制御部910が、第1制御部221を有し、第2制御部222を有していない点である。また、図9の制御装置210の場合、検知部920が、第2取得部232に代えて、生成部921を有している点である。
なお、図9に示す第1制御部221、第1取得部231、判定部233については、図2において説明済みであるため、ここでは説明を省略する。生成部921は、第1取得部231により取得された第1の受光信号A1~A4に対して、照射光強度が低下する照射位置からの反射光の強度を上げる演算を施し、第2の受光信号B1'~B3'を生成する。
具体的には、生成部921は、第1取得部231により取得された第1の受光信号A1とA2とを足し合わせることで、第2の受光信号B1(第2の投光タイミングで赤外線を投光した場合に取得される受光信号)を演算する。また、生成部921は、演算した第2の受光信号B1を補正することで、第2の受光信号B1'を生成する。
同様に、生成部921は、第1取得部231により取得された第1の受光信号A2とA3とを足し合わせることで、第2の受光信号B2(第2の投光タイミングで赤外線を投光した場合に取得される受光信号)を演算する。また、生成部921は、演算した第2の受光信号B2を補正することで、第2の受光信号B2'を生成する。
同様に、生成部921は、第1取得部231により取得された第1の受光信号A3とA4とを足し合わせることで、第2の受光信号B3(第2の投光タイミングで赤外線を投光した場合に取得される受光信号)を演算する。また、生成部921は、演算した第2の受光信号B3を補正することで、第2の受光信号B3'を生成する。
<検知システムによる検知処理の流れ>
次に、第2の実施形態に係る検知システム200による検知処理の流れについて説明する。図10は、検知システムによる検知処理の流れを示す第2のフローチャートである。ステップS1001において、投光制御部910の第1制御部221は、第1LED131~第4LED134が第1の投光タイミングで赤外線の投光を行うよう制御する。また、検知部920の第1取得部231は、第1の受光信号A1~A4を取得する。
ステップS1002において、検知部920の判定部233は、取得した第1の受光信号A1~A4のいずれかの反射光の強度が、閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1002において、いずれかの反射光の強度が、閾値以上であると判定した場合には(ステップS1002においてYesの場合には)、ステップS1005に進む。ステップS1005において、判定部233は、表示装置100の操作領域110に対する操作があったと判定する。
一方、ステップS1002において、いずれの反射光の強度も、閾値以上でないと判定した場合には(ステップS1002においてNoの場合には)、ステップS1003に進む。ステップS1003において、検知部920の生成部921は、第1の受光信号A1~A4から、第2の受光信号B1'~B3'を生成する。
ステップS1004において、検知部920の判定部233は、生成した第2の受光信号B1'~B3'のいずれかの反射光の強度が、閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1004において、いずれかの反射光の強度が、閾値以上であると判定した場合には(ステップS1004においてYesの場合には)、ステップS1005に進む。ステップS1005において、判定部233は、表示装置100の操作領域110に対する操作があったと判定する。
一方、ステップS1004において、いずれの反射光の強度も、閾値以上でないと判定した場合には(ステップS1004においてNoの場合には)、ステップS1006に進む。ステップS1006において、投光制御部910は、検知処理を終了するか否かを判定する。
ステップS1006において、検知処理を終了しないと判定した場合には(ステップS1006においてNoの場合には)、ステップS1001に戻る。一方、ステップS1006において検知処理を終了すると判定した場合には(ステップS1006においてYesの場合には)、検知処理を終了する。
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係る検知システムは、
・表示装置の操作領域に赤外線を投光する第1LED~第4LEDと、操作領域からの反射光を受光するPDとを有する。
・第1LED~第4LEDのうち、隣接するLEDが異なるタイミングで赤外線を投光することで第1の受光信号を取得する。
・第1LED~第4LEDのうち、第1の受光信号における隣接するLEDの受光信号を演算した結果に基づいて第2の受光信号を生成する。
・第1の受光信号及び第2の受光信号それぞれに基づき、操作領域に対する操作の有無を判定する。
このように、互いに補完する2種類の受光信号を用いて、操作の有無を判定することで、第2の実施形態によれば、照射光強度の低い照射位置での操作についても、安定して検知することができる。
この結果、第2の実施形態によれば、表示装置に対する操作を検知する検知システムにおいて、投光器の照射特性の影響を低減することができる。
[その他の実施形態]
上記第2の実施形態では、第2の受光信号B1'~B3'を生成するにあたり、第1の受光信号A1とA2、A2とA3、A3とA4をそれぞれ足し合わせる構成とした。しかしながら、第2の受光信号B1'~B3'の生成方法はこれに限定されず、第1の受光信号について他の演算方法により相関をとることで、第2の受光信号B1'~B3'を生成してもよい。
例えば、第1の受光信号A1と第1の受光信号A2との加重平均、及び/または相乗平均、及び/または調和平均、及び/またはこれらの演算結果より、第2の受光信号B1'を生成してもよい。同様に、第1の受光信号A2と第1の受光信号A3との加重平均、及び/または相乗平均、及び/または調和平均、及び/またはこれらの演算結果より、第2の受光信号B2'を生成してもよい。同様に、第1の受光信号A3と第1の受光信号A4との加重平均、及び/または相乗平均、及び/または調和平均、及び/またはこれらの演算結果より、第2の受光信号B3'を生成してもよい。
また、上記第1及び第2の実施形態では、一周期ごとに、表示装置に対して操作が行われたか否かを判定する構成としたが、表示装置に対して操作が行われたか否かの判定方法はこれに限定されない。例えば、複数周期分の受光信号に基づいて、表示装置に対して操作が行われたか否かを、総合的に判定するように構成してもよい。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
100 :表示装置
110 :操作領域
120 :非操作領域
130 :近接検知装置
131~134 :第1~第4の赤外線LED
140 :PD
200 :検知システム
210 :制御装置
220 :投光制御部
221 :第1制御部
222 :第2制御部
230 :検知部
231 :第1取得部
232 :第2取得部
233 :判定部
910 :投光制御部
920 :検知部
921 :生成部

Claims (7)

  1. 表示装置の操作領域に投光する複数の投光器と、該操作領域からの反射光を受光する受光器と、を有する検知システムであって、
    前記複数の投光器のうち、隣接する第1の投光器と第2の投光器とが異なる投光タイミングで投光することで第1の受光信号を取得する取得部と、
    前記複数の投光器のうち、隣接する前記第1の投光器と第2の投光器とが投光した場合に取得される受光信号に基づき、第2の受光信号を生成する生成部と、
    前記第1の受光信号及び第2の受光信号それぞれに基づき、前記操作領域に対する操作の有無を判定する判定部と
    を有する検知システム。
  2. 前記複数の投光器のうち、隣接する前記第1の投光器と第2の投光器とが異なる投光タイミングで投光するよう制御する第1制御部と、
    前記複数の投光器のうち、隣接する前記第1の投光器と第2の投光器とが同じ投光タイミングで投光するよう制御する第2制御部と
    を更に有する、請求項1に記載の検知システム。
  3. 前記取得部は、前記異なる投光タイミングで投光された際の反射光を受光することで、前記第1の受光信号を取得し、
    前記生成部は、前記同じ投光タイミングで投光された際の反射光を受光することで取得される受光信号に基づき、前記第2の受光信号を生成する、請求項2に記載の検知システム。
  4. 前記生成部は、
    前記同じ投光タイミングで投光された際の反射光を受光することで取得される受光信号を、前記第1の受光信号の最大値に基づいて補正することで、前記第2の受光信号を生成する、請求項3に記載の検知システム。
  5. 前記複数の投光器のうち、隣接する前記第1の投光器と第2の投光器とが異なる投光タイミングで投光するよう制御する制御部を更に有する、請求項1に記載の検知システム。
  6. 前記取得部は、前記異なる投光タイミングで投光された際の反射光を受光することで、前記第1の受光信号を取得し、
    前記生成部は、前記第1の投光器が投光することで取得される前記第1の受光信号と、前記第2の投光器が投光することで取得される前記第1の受光信号とを演算した結果に基づいて、前記第2の受光信号を生成する、請求項5に記載の検知システム。
  7. 表示装置の操作領域に投光する複数の投光器と、該操作領域からの反射光を受光する受光器と、を有する検知システムにおける検知方法であって、
    前記複数の投光器のうち、隣接する第1の投光器と第2の投光器とが異なる投光タイミングで投光することで第1の受光信号を取得する取得工程と、
    前記複数の投光器のうち、隣接する前記第1の投光器と第2の投光器とが投光した場合に取得される受光信号に基づき、第2の受光信号を生成する生成工程と、
    前記第1の受光信号及び第2の受光信号それぞれに基づき、前記操作領域に対する操作の有無を判定する判定工程と
    を有する検知方法。
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