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JP7224560B1 - 半導体受光素子及び半導体受光素子の製造方法 - Google Patents

半導体受光素子及び半導体受光素子の製造方法 Download PDF

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JP7224560B1 JP2022568606A JP2022568606A JP7224560B1 JP 7224560 B1 JP7224560 B1 JP 7224560B1 JP 2022568606 A JP2022568606 A JP 2022568606A JP 2022568606 A JP2022568606 A JP 2022568606A JP 7224560 B1 JP7224560 B1 JP 7224560B1
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Abstract

本開示の半導体受光素子(100)は、半導体基板(2)と、半導体基板(2)上に形成され、単原子層のN倍(1≦N≦20)の層厚からなる第1半導体層(4a)、及び単原子層のM倍(1≦M≦20)の層厚からなり第1半導体層(4a)よりもバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層(4b)が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなり、フォトキャリアを増幅させる増倍層(4)と、増倍層(4)上に形成され、入射光を吸収してフォトキャリアを生成する光吸収層(6)と、増倍層(4)と光吸収層(6)との間に形成された電界緩和層(5)と、を備える。

Description

本開示は、半導体受光素子及び半導体受光素子の製造方法に関する。
近年、情報社会の発展とともにそのバッグボーンである光通信ネットワークの成長が著しい。特に大量のデータを扱うデータセンタの躍進、あるいは第5世代移動通信システムの展開により短距離及び長距離通信の双方に使用されている光通信は高速化及び大容量化が目覚ましい。光通信において、通信データの受信側では性能に優れるアバランシェフォトダイオード(APD:Avalanche Photodiode)が使用される。
APDはデータ通信時に受信した光信号から電子とホール対からなるキャリアを生成し、キャリア自体を増幅する作用を有するため、長距離伝送の受信側で主に使用される。また、APDの使用により通信機器の内部に、通常の受光素子を使用した場合では必要であった受信側の外部キャリア増幅器が不要となる。このため、例え短距離通信であっても受光素子としてAPDが使用される。
APDの動作原理にはいくつかの種類がある。その中でも、信号光を受光してキャリアを生成する層(キャリア生成層)と、発生したキャリアを増倍させる層(増倍層)が分離されたSACM型APD構造(Separate Absorption,Charge and Multiplication Avalanche Photodiode)が性能的に優れている。
光通信では主にInP基板上に信号光を受光する層(光吸収層)をInGaAs、発生したキャリアを増倍させる増倍層をAlInAsでそれぞれ形成し、電界緩和層(AlInAsなど)と呼ばれる層をAlInAs増倍層とInGaAs光吸収層との間に挿入して両者にかかる電界強度を緩和することにより、APDとしての動作を実現する。このような構成で作製したAPDに光が入射した場合、InGaAs光吸収層内で電子とホールからなるフォトキャリアが生成され、そのうち電子は逆バイアス化によってAlInAs増倍層内に伝導する。フォトキャリアである電子は、AlInAs増倍層内でアバランシェ増幅効果によって増倍されるため、受光した光信号を増幅させることが可能になる。
APDの性能は主にキャリア増倍時の雑音によって決定され、増倍層の構成材料に依存する。例えば、非特許文献1に開示されたSi-APDでは、シリコン(Si)基板上にゲルマニウム(Ge)光吸収層及びSi増倍層を用い、増倍層の構成材料として使用される化合物半導体であるAlInAsよりもAPDの低雑音化を可能としている。
また、非特許文献2には、化合物半導体からなるAlInAs増倍層を構成する2元化合物半導体(AlAs、InAs)、あるいは3元化合物半導体(AlIn1-xAs)に対して、原子層レベルで層厚を制御するデジタルアロイ(Digital Alloy)と呼ばれる技術を適用することにより、従来のAlInAsを用いたAPDよりも低雑音化が可能になることが開示されている。
非特許文献2に開示されたデジタルアロイ技術によって原子層レベルで層厚を制御した層を繰り返すことにより形成された増倍層は、特許文献1に開示されるような超格子構造からなる増倍層が奏する量子効果とは異なり、半導体材料の電子軌道自体を制御することで、従来の材料とは異なる新たな物性値を有する。特に、InP基板上に格子整合した従来のAlInAsに比べて、AlAsとInAsを原子層レベルで積層したデジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層は、アバランシェ増倍動作時に、非常に低雑音であることがすでに報告されている。
特許第2671569号公報 米国特許第6326650号明細書
M.Huang,et.al.,"Germanium on Silicon Avalanche Photodiode."IEEE Journal of Selected Topics In Quantum Electronics,Vol.24,No.2,3800911,2018. J.Zheng,et.al.,"Digital Alloy InAlAs Avalanche Photodopdes,"IEEE Journal of Lightwave Technology,Vol.36,No.17,pp.3580-3585,2018. D. C. Houghton, et.al.,"Comparison of chemical beam epitaxy and metalorganic chemical vapour deposition for highly strained multiple quantum well InGaAsP/InP 1.5μm lasers."J. Crystal Growth Vol.136,pp.56-63,1994.
特許文献2にはAPDの増倍層にデジタルアロイ型の増倍層を適用することが開示されている。しかしながら、特許文献2に記載のAPDは、フォトキャリアが発生する吸収層と、キャリアが増倍される増倍層が分離されていないため、雑音が大きくなり、かかる素子構造では受信感度は低下してしまう。
また、非特許文献1に開示されたSi-APDは、Si基板上に光吸収層としてGeを1μm程度、結晶成長する必要がある。しかしながら、GeはSi基板とは格子不整合であるため、結晶欠陥が発生しやすいので、層厚を厚く結晶成長することが困難である。また、結晶欠陥の影響で暗電流が大きくなる傾向があり、APDとして安定した素子特性を得ることは困難である。
APDを構成する半導体材料としてInPを使用した化合物半導体を基本に、APDの性能を向上させるためには、非特許文献1に開示されたデジタルアロイ技術を用いて、デジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層をSACM型APDに適用することが望ましい。しかしながら、デジタルアロイ構造からなる増倍層を構成するAlAsとInAsが、いずれも基板であるInPとは格子不整合であるため、増倍層の上面側に成長する電界緩和層及び光吸収層の結晶品質が著しく低下する恐れがあり、上述したSi-APDと同様、結晶欠陥に起因する暗電流の増加などによるAPDとしての素子特性の低下が懸念される。
さらに、デジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層は、増倍層の上面側、または下面側の層との間にバンドギャップ差が発生するため、光入射時に発生したフォトキャリアがデジタルアロイ構造からなる増倍層の基板面に対して上下方向に伝導する場合に、増倍層と上下各層の界面におけるバンドギャップ差が、APDとしての高速動作を阻害する可能性がある。
すなわち、APDの増倍層として、デジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層を単に適用するだけでは、APDとしての優れた特性、例えばキャリア応答性などが十分に発揮できるわけではなかった。
本開示は上記のような問題点を解消するためになされたもので、低雑音であって、かつ受信感度の高い半導体受光素子及びこの半導体受光素子の製造方法を得ることを目的とする。
本開示に係る半導体受光素子は、
半導体基板と、
前記半導体基板上に形成され、単原子層のN倍(1≦N≦20)の層厚からなる第1半導体層、及び単原子層のM倍(1≦M≦20)の層厚からなり前記第1半導体層よりもバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなり、フォトキャリアを増幅させる増倍層と、
前記増倍層上に形成され、入射光を吸収して前記フォトキャリアを生成する光吸収層と、
前記増倍層と前記光吸収層との間に形成された電界緩和層と、前記増倍層と前記電界緩和層との間に形成され、前記増倍層の歪を緩和する歪緩和層と、を備える。
本開示に係る半導体受光素子の製造方法は、
n型InP基板上に、n型AlInAsバッファ層と、単原子層のN倍(1≦N≦20)の層厚からなるAlAs層、及び単原子層のM倍(1≦M≦20)の層厚からなるInAs層が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層と、i型AlInAs歪緩和層と、p型AlInAs電界緩和層と、n型InGaAs光吸収層と、i型AlInAs窓層と、n型InP窓層と、p型InGaAsコンタクト層と、を順次エピタキシャル結晶成長する工程と、
前記n型InP窓層及びi型AlInAs窓層の一部にZn選択拡散領域を形成する工程と、を備える。
本開示に係る半導体受光素子及び半導体受光素子の製造方法によれば、低雑音であって、かつ受信感度の高い半導体受光素子が得られるという効果及びこの半導体受光素子を容易に製造することができるという効果を奏する。
実施の形態1に係る半導体受光素子の素子構造を表す断面図である。 実施の形態2に係る半導体受光素子の素子構造を表す断面図である。 実施の形態2に係る半導体受光素子における歪緩和層の有無によるデジタルアロイ構造の実効的ストレスを説明する図である。 実施の形態3に係る半導体受光素子の素子構造を表す断面図である。 実施の形態3に係る半導体受光素子のバンドギャップエネルギーの関係を説明する図であり、図5Aは、第1遷移層が無い場合、図5Bは第1遷移層が有る場合の図である。 実施の形態4に係る半導体受光素子の素子構造を表す断面図である。 実施の形態4に係る半導体受光素子のバンドギャップエネルギーの関係を説明する図であり、図7Aは、第2遷移層が無い場合、図7Bは第2遷移層が有る場合の図である。 実施の形態5に係る半導体受光素子の素子構造を表す断面図である。 基板に垂直方向における電界強度分布を表す図である。 デジタルアロイ構造からなるI型AlInAs増倍層の最表面層をAlAs層とした場合と、InAs層とした場合の最大電界強度EMAXを比較する図である。
実施の形態1.
<実施の形態1に係る半導体受光素子100の素子構造>
図1は、実施の形態1に係る半導体受光素子100の素子構造を表す断面図である。実施の形態1に係る半導体受光素子100の一例として、SACM型APDを挙げている。
実施の形態1に係る半導体受光素子100は、n型InP基板2上に順次形成されたキャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmであるn型AlInAsバッファ層3と、層厚が0.05~0.2μmでありi型AlAs層(一例として層厚2ML)とi型InAs層(一例として層厚2ML)とを交互に複数回積層したデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4と、キャリア濃度が0.5~1×1018cm-3であり層厚が0.05~0.15μmであるp型AlInAs電界緩和層5と、キャリア濃度が1~5×1015cm-3であり層厚が1~1.5μmであるn型InGaAs光吸収層6と、層厚が0.05~1μmであるi型AlInAs窓層7と、キャリア濃度が0.1~5×1015cm-3であり層厚が0.5~1μmであるn型InP窓層8と、キャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmである円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9と、で構成される。
実施の形態1に係る半導体受光素子100は、さらに、n型InP窓層8及びi型AlInAs窓層7の一部に設けられたZn選択拡散領域10と、Zn選択拡散領域10の表面を含むn型InP窓層8の表面に設けられたSiNx表面保護膜11と、n型InP基板2の裏面側に設けられたn型電極1と、円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9の表面に設けられたp型電極12と、を備える。
実施の形態1に係る半導体受光素子100は、増倍層をデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4とした点、及びi型AlInAs増倍層4とn型InGaAs光吸収層6との間にp型AlInAs電界緩和層5を設けた点に特徴がある。なお、各実施の形態の説明において、増倍層4を構成するAlInAsを除いて、各層を構成するAlInAsとInGaAsについては組成比を明示してないが、両者ともn型InP基板2と格子整合する組成比を有することが望ましい。
上述の説明では、SACM型APDの増倍層として、層厚が単原子層(ML)の2層分、つまり層厚が2MLであるi型AlAs層及び層厚が2MLであるi型InAs層が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4を一例として挙げた。i型AlAs層の層厚は、単原子層のN倍(1≦N≦20)の範囲内であればよく、i型InAs層の層厚は、単原子層のM倍(1≦M≦20)の範囲内であればよい。i型AlAs層の層厚が単原子層のN倍(1≦N≦5)の範囲内、i型InAs層の層厚が単原子層のM倍(1≦M≦5)の範囲内であれば、さらに好適である。デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4について、i型AlAs層とi型InAs層とを交互に複数回積層する場合の積層回数は、5回以上300回以下の範囲が好適である。
以下の説明では、デジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層を構成する半導体材料がそれぞれ異なる2層について、第1半導体層4a及び第2半導体層4bと呼ぶ場合がある。第1半導体層4aのバンドギャップエネルギーEgは、第2半導体層4bのバンドギャップエネルギーEgよりも大きい、つまり、Eg>Eg、の関係が成立するとする。上述の一例では、バンドギャップエネルギーが2.12eVであるAlAs層が第1半導体層4a、バンドギャップエネルギーが0.36eVであるInAs層が第2半導体層4bとなる。
<実施の形態1に係る半導体受光素子100の製造方法>
まず、実施の形態1に係る半導体受光素子100の一例であるSACM型APDの製造方法を、以下に説明する。
n型InP基板2の表面に、n型AlInAsバッファ層3と、i型AlAs(層厚2ML)とi型InAs(層厚2ML)を交互に複数回積層したデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4と、p型AlInAs電界緩和層5と、n型InGaAs光吸収層6と、i型AlInAs窓層7と、n型InP窓層8と、p型InGaAsコンタクト層9とを、有機金属気相成長法(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)、あるいは、分子線エピタキシャル成長法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)などのエピタキシャル結晶成長方法によって順次結晶成長する。
エピタキシャル結晶成長方法として、MOVPE法を用いる場合は、結晶成長温度は550℃程度が好適であるが、500℃以上600℃以下の温度範囲内でもよい。
上述のエピタキシャル結晶成長後のウエハプロセスにおいて、反応性イオンエッチング、CVD(CVD:Chemical Vapor Deposition)、蒸着などによる素子領域の加工と成膜、電極形成を実施し、SACM型APDとして機能するために必要な素子構造を形成する。
エピタキシャル結晶成長後のウエハ表面に、CVD法などによってSiOx膜を成膜する。SiOx膜は絶縁膜であり、拡散マスクとして機能する。
フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、直径40μmの円形パターンマスクを使用してパターニングして、SiOx膜に円形の開口部を設ける。SiOx膜を拡散マスクとして、開口部から半導体層の内部に、亜鉛(Zn)を拡散させるなどの方法によって、n型InP窓層8及びi型AlInAs窓層7の一部にZn選択拡散領域10を形成する。Zn選択拡散領域10の半導体層内部の先端部分は、i型AlInAs窓層7中に位置する。Zn選択拡散領域10は、p型導電領域として機能する。Zn選択拡散領域10の形成後、SiOx膜はウエットエッチングあるいはドライエッチングによって除去する。
次に、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、Zn選択拡散領域10上でp型InGaAsコンタクト層9が幅3.0~5.0μm程度の円環状に残るように、反応性イオンエッチングなどを用いて加工する。
その後、CVD法などによって、ウエハ表面にSiNx表面保護膜11を成膜する。続いて、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて、p型InGaAsコンタクト層9の表面のSiNx表面保護膜11のみを除去する。なお、SiNx表面保護膜11は、反射防止膜としての機能も有する。
p型InGaAsコンタクト層9の表面に、Ti/Auなどの金属材料を蒸着などにより成膜して、p型電極12を形成する。
最後に、n型InP基板2の裏面側を研削し、その後、AuGeNiなどの金属材料を蒸着などにより成膜して、n型電極1を形成する。
以上が、実施の形態1に係る半導体受光素子100の一例であるSACM型APDの製造方法である。
<実施の形態1に係る半導体受光素子100の動作>
上述の製造方法によって作製された実施の形態1に係る半導体受光素子100の一例であるSACM型APDの動作を、以下に説明する。
まず、SACM型APDのn型InP基板2の裏面側に設けられたn型電極1がプラス、表面側に設けられたp型電極12がマイナスとなるように、逆バイアス電圧を外部から印加した状態で保持する。なお、逆バイアス電圧は、アバランシェ増幅が十分に発生する電圧値に設定する。
逆バイアス電圧が印加されたSACM型APDに、p型電極12側からp型導電領域であるZn選択拡散領域10に光通信で使用される波長帯である波長1.3μmあるいは1.55μmの光を入射させると、n型InGaAs光吸収層6において光が吸収されフォトキャリア(電子-ホール対)が発生し、逆バイアス電圧が印加された状態では、電子はn型電極1側に、ホールはp型電極12側にそれぞれ移動する。
逆バイアス電圧が印加されたSACM型APDでは、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4内に電子が伝導した際にアバランシェ増幅が発生するように、p型AlInAs電界緩和層5によって、電界強度が制御されている。デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4内において、電子はイオン化して新たな電子-ホール対を生成し、さらに新たに生成された電子及びホールが共にイオン化を引き起こすことによって、電子及びホールが雪崩的に増幅、つまりアバランシェ増幅される。すなわち、フォトキャリアである電子は、i型AlInAs増倍層4内でアバランシェ増幅効果によって増倍されるため、受光した光信号を増幅させることが可能になる。
<実施の形態1に係る半導体受光素子の作用>
電子増倍型であるSACM型APD(半導体受光素子)では、n型InGaAs光吸収層内で生成されたフォトキャリアが増倍層内で増倍される際に、電子だけでなくホールも増倍されてAPD動作時の雑音要因となる。雑音の振幅をiNs、電子の素電荷をq、アバランシェ領域を流れる平均電流値をI、帯域をB、アバランシェ増倍率をM、過剰雑音係数をFとした場合、受信感度の性能を低下させる雑音成分は、以下の式(1)で表される。
Figure 0007224560000001

過剰雑音係数Fは、ホールと電子の増倍率比を示すイオン化率比kを用いて、以下の式(2)で表される。
Figure 0007224560000002
イオン化率比kは材料固有の値を取る。イオン化率比kが小さくなる場合は電子が増倍される比率が大きいため、過剰雑音係数Fが小さくなることにより、雑音の振幅iNsも小さくなる。したがって、APD動作時のS/N比において分母となる雑音成分Nが小さくなるため、APDは高感度な特性を得ることができる。
イオン化率比kは材料固有の値であるため、通常は、基板との格子整合を維持しつつ必要とする層厚が得られるまで結晶成長可能で、かつイオン化率比kがなるべく小さい半導体材料が、APDを構成する半導体材料として選択される。
増倍層を構成する半導体材料として、非特許文献1に開示されるような2元化合物半導体(AlAs、InAs)、あるいは3元化合物半導体(AlIn1-xAs)を用いて、原子層レベルで結晶成長することにより形成された多層構造のような場合は、通常の半導体材料よりも電子の増倍率を向上させる、あるいはホールの増倍を抑制することができるため、イオン化率比kの値をさらに小さくすることが可能となる。
以上より、デジタルアロイ構造からなる増倍層、例えばAlAsとInAsなどの2元化合物半導体材料を原子層レベルの層厚で積層したAlInAsをAPDの増倍層を構成する半導体材料として適用し、電界緩和層によって光吸収層にかかる電界よりも増倍層にかかる電界強度を大きくなるように制御したSACM型とすることで、低雑音で、かつ受信感度の高いSACM型APDを実現することができる。
実施の形態1では、SACM型APDの増倍層を構成する半導体材料の一例としてAlInAsを用いた場合を説明した。増倍層を構成する半導体材料としては、例えば、InGaAsP、AlGaInAs、AlAsSb、AlGaAsSb、AlInAsSb、AlGaInAsSbなどのIII族材料とV族材料とを組み合わせて結晶成長可能な半導体材料を、それぞれの中で構成されている2元、3元ないし4元の化合物半導体材料(InP、AlAs、InGaAs、AlInAs、GaAsSb、AlGaInAs、AlGaAsSbなど)を原子層レベルで積層した場合でも、SACM型APDの素子特性として同様な改善効果が得られる。
上述の一例では、デジタルアロイ構造を構成する各層の層厚として、2ML単位の積層構造を例示した。しかしながら、下地であるn型InP基板2に対して結晶欠陥を発生させることなく結晶成長可能な臨界膜厚、例えば5nmまでの層厚で必要な増倍層を構成する積層構造を結晶成長することが可能であれば、一例の組み合わせに限らず、どのような半導体材料の組み合わせでもよい。また、上述のi型AlInAs増倍層4はアンドープであるが、増倍層はアンドープに限定されるわけではない。すなわち、増倍層としてのデジタルアロイ構造自体にn型またはp型の不純物をドーピングしてもよい。
上述の説明では、Zn拡散によってp型導電領域を形成した場合を一例とした。しかしながら、n型InP窓層8及びi型AlInAs窓層7に対してp型の導電性を付与する原子であれば、Zn以外でもp型不純物となりうる、例えば、カドミウム(Cd)、ベリリウム(Be)などをp型ドーパントとして用いてもよい。Zn拡散方法は、酸化亜鉛(ZnO)を用いた固相拡散法、または結晶成長炉を使用したZn気相拡散法でもよく、あるいは、結晶成長によりp型コンタクト層を結晶成長してもよい。
上述の説明では、SACM型APDとして、p型電極12側からp型導電領域であるZn選択拡散領域10に検出しようとする光を入射させる表面入射型構造を一例として挙げた。しかしながら、本開示は表面入射型構造に限定されるわけではなく、逆にn型電極1を円形パターンで開口させ、n型InP基板2の裏面側から光を入射させる裏面入射型構造、あるいはn型光吸収層6の端面から光を入射させる端面入射型構造でも、SACM型APDとして同様の効果が期待できる。
<実施の形態1の効果>
以上、実施の形態1に係る半導体受光素子及び半導体受光素子の製造方法によれば、増倍層をデジタルアロイ構造とし、かつ増倍層と光吸収層との間に電界緩和層を設けたので、低雑音であり、かつ受信感度の高い半導体受光素子が安定に得られるという効果を奏する。
実施の形態2.
<実施の形態2に係る半導体受光素子110の素子構造>
図2は、実施の形態2に係る半導体受光素子110の素子構造を表す断面図である。実施の形態2に係る半導体受光素子110の一例として、SACM型APDを挙げている。
実施の形態2に係る半導体受光素子100は、n型InP基板2上に順次形成されたキャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmであるn型AlInAsバッファ層3と、層厚が0.05~0.2μmでありi型AlAs層(一例として層厚2ML)とi型InAs層(一例として層厚2ML)とを交互に複数回積層したデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4と、層厚が10~100nmであるi型AlInAs歪緩和層21と、キャリア濃度が0.5~1×1018cm-3であり層厚が0.05~0.15μmであるp型AlInAs電界緩和層5と、キャリア濃度が1~5×1015cm-3であり層厚が1~1.5μmであるn型InGaAs光吸収層6と、層厚が0.05~1μmであるi型AlInAs窓層7と、キャリア濃度が0.1~5×1015cm-3であり層厚が0.5~1μmであるn型InP窓層8と、キャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmである円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9と、で構成される。
実施の形態2に係る半導体受光素子100は、さらに、n型InP窓層8及びi型AlInAs窓層7の一部に設けられたZn選択拡散領域10と、Zn選択拡散領域10の表面を含むn型InP窓層8の表面に設けられたSiNx表面保護膜11と、n型InP基板2の裏面側に設けられたn型電極1と、円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9の表面に設けられたp型電極12と、を備える。
実施の形態2に係る半導体受光素子110は、増倍層をデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4とした点、及びi型AlInAs増倍層4とp型AlInAs電界緩和層5との間にi型AlInAs歪緩和層21を設けた点に特徴がある。
実施の形態2に係る半導体受光素子110の製造方法は、エピタキシャル結晶成長の際に、i型AlInAs増倍層4とp型AlInAs電界緩和層5との間にさらにi型AlInAs歪緩和層21を結晶成長する点のみが実施の形態1と異なるので、製造方法の詳細な説明は省略する。
<実施の形態2に係る半導体受光素子110の作用>
APDの素子構造では増倍層の上面側に電界緩和層から半導体層としての最表面に位置するp型コンタクト層まで、層厚として2μm程度の積層構造を結晶成長する必要がある。特に、APDとしての動作時に、活性層部分に相当する増倍層及び光吸収層は、結晶品質が悪化すると暗電流が増加し、暗電流に起因する雑音も増加する。したがって、APDの受信感度特性が悪化するほか、信頼性への懸念点ともなる。よって、増倍層の近傍での結晶欠陥の発生を防止するため、積層構造自体のストレス、つまり歪みを可能な限り低減することが、高性能かつ高信頼性のAPDを実現するに当たって重要となる。
デジタルアロイ構造からなる増倍層は、基板と格子定数が一致しない格子不整合である2元ないし3元化合物半導体材料を積層するため、圧縮歪と引張歪とを交互に繰り返しつつ積層していくことになる。このような場合、前述の非特許文献3に開示されている力学的平衡モデルによって、転位が発生する際の実効的ストレスτを計算することができる。すなわち、非特許文献3の図2に開示されるように、実効的ストレスτがゼロ以下になるように積層構造を構成し、デジタルアロイ構造を含む素子構造を結晶成長する際の材料、層厚、順序を制御すれば、転位が発生しない、つまり結晶欠陥が発生しない高品質な結晶成長が実現できるため、素子特性に優れたAPDを得ることが可能となる。
多重量子井戸構造のように、圧縮歪と引張歪とを交互に繰り返し積層する構造における実効的ストレスτは、非特許文献3によると、以下の式(3)及び各パラメータによって表される。
Figure 0007224560000003
Ψ : 界面とスリップ面のなす角度
λ : 転位線とバーガースペクトルのなす角
ν : ポアソン比
μ : 圧縮歪層のせん断係数
μ : 引張歪層のせん断係数
μxy : 繰り返し積層部分の平均せん断係数
b : バーガースペクトル
cosθ : 転位線とバーガースペクトルのなす角
β : コア係数(core parameter)
x : 圧縮歪層の歪量
h : 圧縮歪層の層厚
y : 引張歪層の歪量
H : 引張歪層の層厚
Z : 歪緩和層の層厚
N : 圧縮歪層の層数
L : Nh+(N-1)Hの計算値
InP基板上に圧縮歪層がInAs層、引張歪層がAlAs層で構成された層厚50nmのデジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層の上面側に位置する層厚50nmの歪緩和層の有無の両方の場合について、実効的ストレス値を式(3)に基づき計算した結果を図3に示す。なお、計算パラメータは非特許文献3を参照した。実施の形態2のデジタルアロイ構造を構成するInAs層は圧縮歪層、AlAs層は引張歪層として、それぞれの化合物半導体材料の物性値を用いた。
デジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層を結晶成長する際の実効的ストレスτは、InAs層が高圧縮歪であるため、素子構造全体にかかる実効的ストレスτが一気に上昇する。一方、InAs層の直後に結晶成長されるAlAs層が圧縮歪とは反対方向に作用する引張歪となるため、実効的ストレスτを緩和する方向に作用する。しかしながら、素子構造全体にかかる実効的ストレスτはInAs層及びAlAs層を交互に積層するにつれて徐々に上昇する。
SACM型APDの活性層部分に相当する電界緩和層及び光吸収層部分を結晶成長する際には、デジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層の形成において蓄積されたストレスをそのまま引き継ぐことになる。歪緩和層を適用しない場合は、2μm程度の層厚を必要とする素子構造の結晶成長を行う際に、実効的ストレスτがゼロを超えているため、転位が発生して結晶品質が悪くなりやすいことが計算結果よりわかる。
一方、実施の形態2に係る半導体受光素子110の一例であるSACM型APDのように、i型AlInAs増倍層4とp型AlInAs電界緩和層5との間にi型AlInAs歪緩和層21のような歪緩和層を挿入した場合は、歪緩和層と光吸収層の結晶成長の際に歪緩和層による歪緩和の効果によって、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4の結晶成長の際に上昇した実効的ストレスτを低減することが可能となる。つまり、歪緩和層の挿入によって、素子構造全体を結晶成長する際に、転位の発生が無い高品質な半導体結晶成長層からなるSACM型APDを作製することが可能となる。
実施の形態2では、歪緩和層の一例としてi型AlInAs層を用いた。しかしながら、使用する基板に格子整合する半導体材料であれば、半導体材料はAlInAsに限定されるわけでない。また、歪緩和層は上述のようなアンドープではなく、例えばp型またはn型の導電型となるように、不純物をドーピングしていてもよい。
素子構造全体として実効的ストレスτがゼロを越えないように制御できれば、歪緩和層自体に歪がかかっていても問題は無い。また、歪緩和層自体に歪がかかっていても、デジタルアロイ構造の平均歪みと逆になるように素子構造全体の歪を制御すれば、さらに優れた効果を奏する。
<実施の形態2の効果>
以上、実施の形態2に係る半導体受光素子によれば、AlInAs増倍層とAlInAs電界緩和層との間にAlInAs歪緩和層を設けたので、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層の形成によって発生するストレスを緩和できるので、高性能でかつ信頼性の高い半導体受光素子が得られるという効果を奏する。
実施の形態3.
<実施の形態3に係る半導体受光素子120の素子構造>
図4は、実施の形態3に係る半導体受光素子120の素子構造を表す断面図である。実施の形態3に係る半導体受光素子120の一例として、SACM型APDを挙げている。
実施の形態3に係る半導体受光素子120は、n型InP基板2上に順次形成されたキャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmであるn型AlInAsバッファ層3と、層厚が0.05~0.2μmでありi型AlAs層(一例として層厚2ML)とi型InAs層(一例として層厚2ML)とを交互に複数回積層したデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4と、層厚15nmのi型AlGaIn1-x-yAs(x=0.25,y=0.218)第1遷移層22と、キャリア濃度が0.5~1×1018cm-3であり層厚が0.05~0.15μmであるp型AlInAs電界緩和層5と、キャリア濃度が1~5×1015cm-3であり層厚が1~1.5μmであるn型InGaAs光吸収層6と、層厚が0.05~1μmであるi型AlInAs窓層7と、キャリア濃度が0.1~5×1015cm-3であり層厚が0.5~1μmであるn型InP窓層8と、キャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmである円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9と、で構成される。
実施の形態3に係る半導体受光素子120は、さらに、n型InP窓層8及びi型AlInAs窓層7の一部に設けられたZn選択拡散領域10と、Zn選択拡散領域10の表面を含むn型InP窓層8の表面に設けられたSiNx表面保護膜11と、n型InP基板2の裏面側に設けられたn型電極1と、円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9の表面に設けられたp型電極12と、を備える。
実施の形態3に係る半導体受光素子120は、増倍層をデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4とした点、及びi型AlInAs増倍層4とp型AlInAs電界緩和層5との間に、層厚15nmのi型AlGaIn1-x-yAs第1遷移層22を設けた点に特徴がある。
実施の形態3に係る半導体受光素子120の製造方法は、エピタキシャル結晶成長の際に、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4とp型AlInAs電界緩和層5との間にさらにi型AlGaIn1-x-yAs第1遷移層22を結晶成長する点のみが実施の形態1と異なるので、製造方法の詳細な説明は省略する。
<実施の形態3に係る半導体受光素子120の作用>
APDに光が入射して発生したフォトキャリア、つまり電子及びホールは、逆バイアスに印加された光吸収層内でそれぞれの極性とは逆の方向に移動する。光吸収層内で発生した電子は増倍層内に向けて伝導し、電界緩和層を通過した後に増倍層に到達して、増倍層内でアバランシェ増幅作用が発生する。デジタルアロイ構造からなる増倍層4を適用する場合、デジタルアロイ構造を構成する第1半導体層4a及び第2半導体層4bとして組み合わせる半導体材料によっては、増倍層自体のバンド構造が変化して、電界緩和層5よりも伝導帯の位置が高くなるため、電子がデジタルアロイ構造からなる増倍層4へと伝導する際の電子障壁ΔEcとなる場合がある。
このような状態では電子がデジタルアロイ構造からなる増倍層4に到達するためには、この電子障壁ΔEcを越えるためのエネルギーが必要となる。特に、低駆動電圧下での高速応答の際には、電子障壁ΔEcは電子の移動に対する障害となる可能性がある。したがって、図4に示すように、デジタルアロイ構造からなる増倍層4と電界緩和層5との間に、例えばデジタルアロイ構造からなる増倍層4のバンドギャップエネルギーEgと電界緩和層5のバンドギャップエネルギーEgとの間のバンドギャップエネルギーEgを有する化合物半導体材料である、層厚15nmのi型AlGaIn1-x-yAs(x=0.25,y=0.218)第1遷移層22を挿入することによって、電子がデジタルアロイ構造からなる増倍層4へ伝導する際の電子障壁ΔEcを小さくすることが可能となるため、高速応答が可能なSACM型APDを得ることができる。
図5は実施の形態3に係る半導体受光素子120の各層のバンドギャップエネルギーの関係を説明する図であり、図5Aは第1遷移層22が無い場合、図5Bは第1遷移層22が有る場合をそれぞれ表す図である。図5Aに示すように、電界緩和層5とデジタルアロイ構造からなる増倍層4が接している場合は、電界緩和層5からデジタルアロイ構造からなる増倍層4へと電子が移動するには、電子障壁ΔEcを越える必要があった。
一方、図5Bに示すように、電界緩和層5とデジタルアロイ構造からなる増倍層4の間に第1遷移層22を設けた場合は、電界緩和層5から第1遷移層22へと電子が移動するには電子障壁ΔEcより小さい電子障壁ΔEc1を越えればよく、また、第1遷移層22からデジタルアロイ構造からなる増倍層4へと電子が移動するには電子障壁ΔEcより小さい電子障壁ΔEc2を越えればよい。以上のように、電界緩和層5とデジタルアロイ構造からなる増倍層4の間に第1遷移層22を設けることにより、実効的な電子障壁は低減することが分かる。
すなわち、実施の形態3に係る半導体受光素子120は、デジタルアロイ構造からなる増倍層4と電界緩和層5との間に形成され、デジタルアロイ構造からなる増倍層4のバンドギャップエネルギーEgと電界緩和層5のバンドギャップエネルギーEgの間のバンドギャップエネルギーEgを有し、デジタルアロイ構造からなる増倍層4の歪を緩和する第1遷移層22を備える。
実施の形態3に係る半導体受光素子120では、第1遷移層22の一例としてi型AlGaIn1-x-yAs層を用いた。しかしながら、デジタルアロイ構造からなる増倍層4のバンドギャップエネルギーEgと電界緩和層5のバンドギャップエネルギーEgの間のバンドギャップエネルギー値を持つ半導体材料であれば、上述の一例で示したAlGaIn1-x-yAs層に限定されるわけではなく、他の半導体材料でもよい。また、第1遷移層22が、デジタルアロイ構造を構成する層と同一の組成の半導体層を組み合わせて構成されていると制御が容易となる。つまり、上述の一例のように、デジタルアロイ構造がAl、In、及びAsで構成されている場合は、第1遷移層22も同じく、Al、In、及びAsで構成すれば、結晶成長時の制御が容易となる。なお、第1遷移層22がアンドープでなく、例えばp型またはn型の導電型になるように、不純物がドーピングされていてもよい。
<実施の形態3の効果>
以上、実施の形態3に係る半導体受光素子によれば、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層とp型AlInAs電界緩和層との間にi型AlGaIn1-x-yAs第1遷移層を設けたので、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層と電界緩和層との間に発生する電子障壁が実効的に減少するので、キャリア伝導性が改善するため、高速動作が可能な半導体受光素子が得られるという効果を奏する。
実施の形態4.
<実施の形態4に係る半導体受光素子130の素子構造>
図6は、実施の形態4に係る半導体受光素子130の素子構造を表す断面図である。実施の形態4に係る半導体受光素子130の一例として、SACM型APDを挙げている。
実施の形態4に係る半導体受光素子130は、n型InP基板2上に順次形成されたキャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmであるn型AlInAsバッファ層3と、層厚15nmのi型AlGaIn1-x-yAs(x=0.25,y=0.218)第2遷移層23と、層厚が0.05~0.2μmでありi型AlAs層(一例として層厚2ML)とi型InAs層(一例として層厚2ML)とを交互に複数回積層したデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4と、キャリア濃度が0.5~1×1018cm-3であり層厚が0.05~0.15μmであるp型AlInAs電界緩和層5と、キャリア濃度が1~5×1015cm-3であり層厚が1~1.5μmであるn型InGaAs光吸収層6と、層厚が0.05~1μmであるi型AlInAs窓層7と、キャリア濃度が0.1~5×1015cm-3であり層厚が0.5~1μmであるn型InP窓層8と、キャリア濃度が1~5×1018cm-3であり層厚が0.1~0.5μmである円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9と、で構成される。
実施の形態4に係る半導体受光素子130は、さらに、n型InP窓層8及びi型AlInAs窓層7の一部に設けられたZn選択拡散領域10と、Zn選択拡散領域10の表面を含むn型InP窓層8の表面に設けられたSiNx表面保護膜11と、n型InP基板2の裏面側に設けられたn型電極1と、円環状を呈するp型InGaAsコンタクト層9の表面に設けられたp型電極12と、を備える。
実施の形態4に係る半導体受光素子130は、増倍層をデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4とした点、及びn型AlInAsバッファ層3とi型AlInAs増倍層4との間に、層厚15nmのi型AlGaIn1-x-yAs第2遷移層23を設けた点に特徴がある。
実施の形態4に係る半導体受光素子130の製造方法は、エピタキシャル結晶成長の際に、n型AlInAsバッファ層3とi型AlInAs増倍層4との間にさらにi型AlGaIn1-x-yAs第2遷移層23を結晶成長する点のみが実施の形態1と異なるので、製造方法の詳細な説明は省略する。
<実施の形態4に係る半導体受光素子130の作用>
実施の形態3に係る半導体受光素子120では、光がAPDに入射し、光吸収層で発生したフォトキャリアの電子が電界緩和層を通過して増倍層に到達する際の電子障壁ΔEcについての改善効果を示した。しかしながら、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4自体のバンド構造では、基板側のn型AlInAsバッファ層3、あるいは電界緩和層5よりも伝導帯の位置が低く、電子にとって障壁となる場合がある。
このような状態ではデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4内で増幅された電子がp型InGaAsコンタクト層9にキャリアとして伝導するまでに、n型AlInAsバッファ層3及びn型InP基板2との間に存在する電子障壁を越えるためのエネルギーが必要となり、特に、低電圧下でのSACM型APDの高速動作に対する障害となる可能性がある。
実施の形態4に係る半導体受光素子130の一例であるSACM型APDは、図6に示すように、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4とn型AlInAsバッファ層3との間に、例えばi型AlInAs増倍層4のバンドギャップエネルギーEgとn型AlInAsバッファ層3のバンドギャップエネルギーEgとの間のバンドギャップエネルギーEg、つまり、Eg>Eg>Egの関係となる半導体材料であるAlGaIn1-x-yAs(x=0.25、y=0.218)からなり層厚15nm程度の第2遷移層23として挿入することで、i型AlInAs増倍層4を通過した電子がp型InGaAsコンタクト層9へ伝導する際の電子障壁ΔEcを小さくすることができるため、高速動作が可能になるという効果を奏する。
図7は実施の形態4に係る半導体受光素子における各層のバンドギャップエネルギーの関係を説明する図であり、図7Aは、第2遷移層23が無い場合、図7Bは第2遷移層23が有る場合をそれぞれ表す図である。図7Aに示すように、デジタルアロイ構造からなる増倍層4とバッファ層3が接している場合は、デジタルアロイ構造からなる増倍層4からバッファ層3へと電子が移動するには電子障壁ΔEc’を越える必要がある。
一方、図7Bに示すように、デジタルアロイ構造からなる増倍層4とバッファ層3の間に第2遷移層23を設けた場合は、デジタルアロイ構造からなる増倍層4から第2遷移層23へと電子が移動するには電子障壁ΔEc’より小さい電子障壁ΔEc3を越えればよく、また、第2遷移層23からバッファ層3へと電子が移動するには電子障壁ΔEc’より小さい電子障壁ΔEc4を越えればよい。以上のように、デジタルアロイ構造からなる増倍層4とバッファ層3との間に第2遷移層23を設けることにより、実効的な電子障壁は低減することが分かる。
さらに、上述のi型AlGaIn1-x-yAs第2遷移層23の挿入によって、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4で蓄積されたストレスが低減するという効果も同様に奏する。
実施の形態4では、第2遷移層23を構成する半導体材料の一例としてi型AlGaIn1-x-yAs層を適用したが、第2遷移層23のバンドギャップエネルギーEg、i型AlInAs増倍層4のバンドギャップエネルギーEg、及びn型AlInAsバッファ層3のバンドギャップエネルギーEgとの間で、Eg>Eg>Egの関係が成立する半導体材料であれば同様に適用可能である。また、第2遷移層23が、デジタルアロイ構造を構成する層と同じ組成の層を組み合わせて構成されていると制御が容易となる。さらに、第2遷移層23が一例のようなアンドープでなく、例えばp型またはn型の導電型となるように、不純物をドーピングしていてもよい。
<実施の形態4の効果>
以上、実施の形態4に係る半導体受光素子によれば、デジタルアロイ構造からなる増倍層とn型バッファ層との間に第2遷移層を設けたので、デジタルアロイ構造からなる増倍層とn型バッファ層との間に発生する電子障壁が減少する結果、キャリア伝導性が改善するため、高速動作が可能な半導体受光素子が得られるという効果を奏する。
実施の形態5.
<実施の形態5に係る半導体受光素子140の素子構造>
図8は、実施の形態5に係る半導体受光素子140の素子構造を表す断面図である。実施の形態1に係る半導体受光素子140の一例として、SACM型APDを挙げている。
実施の形態5に係る半導体受光素子140の各層の構成は、実施の形態1に係る半導体受光素子100の各層の構成と基本的には同一であるが、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dの細部の構成が異なる。したがって、以下では、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dの構成のみを説明する。
デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dは、層厚が0.05~0.2μmであり、i型AlAs層(一例として層厚2ML)とi型InAs層(一例として層厚2ML)とを交互に複数回積層したものであるが、図8に示すように、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dとして最後に積層した層、つまり最表面側の層がi型AlAs層となる。かかる構成を適用するのは、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dを構成する2つの層であるi型AlAs層及びi型InAs層について、両者の中でバンドギャップエネルギーがより大きい方であるi型AlAs層を最表面側の層とするためである。
以下に、より一般的に説明する。
デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dを構成する、半導体材料がそれぞれ異なる2層が、第1半導体層4a及び第2半導体層4bであるとする。ここで、第1半導体層4aのバンドギャップエネルギーEgは、第2半導体層4bのバンドギャップエネルギーEgよりも大きい、つまり、Eg>Eg、とする。なお、上述の一例では、バンドギャップエネルギーEgが2.12eVであるAlAs層が第1半導体層4a、バンドギャップエネルギーEgが0.36eVであるInAs層が第2半導体層4bとなる。
デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dは、層厚が0.05~0.2μmであり、第1半導体層4aと第2半導体層4bとを交互に複数回積層したものであるが、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dとして最後に積層した層、つまり最表面側の層が第1半導体層4aとなる。すなわち、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dにおいてp型AlInAs電界緩和層5に対向する層は、第1半導体層4aとなる。
実施の形態5に係る半導体受光素子140の製造方法は、実施の形態1に係る半導体受光素子100の製造方法とほぼ同一なので、製造方法の詳細な説明は省略する。
<実施の形態5の作用>
n型InP基板2に垂直方向の電界強度分布を図9に示す。SACM型APDではキャリアがアバランシェ増倍されるように、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dにかかる電界強度を大きくする。一方、n型InGaAs光吸収層6においてはキャリアが増倍しないようにするため、n型InGaAs光吸収層6の電界強度を低減させるために、p型AlInAs電界緩和層5を用いて電界強度を制御する。この場合、i型AlInAs増倍層4dの最大電界強度Emaxは、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dのバンドギャップエネルギーEgと、以下の式(4)に表される関係にある。
Figure 0007224560000004
式(4)から、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dのバンドギャップエネルギーEgが大きいほど最大電界強度Emaxも大きくなるので、SACM型APDとして制御できる電圧を大きく取れることが分かる。例えば、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dを、InAs層とAlAs層の2元化合物半導体材料で構成する場合、バンドギャップエネルギーがより大きいAlAs層をデジタルアロイ構造の最表面層とすることで、素子全体における最大電界強度Emaxを大きくすることができる。
図10は、デジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dの最表面層をAlAs層とした場合と、InAs層とした場合の最大電界強度Emaxを比較したものである。図10から、最表面層をAlAs層とした場合の最大電界強度Emaxは4.4×10kV/cmであるのに対して、最表面層をInAs層とした場合の最大電界強度Emaxは3.8×10kV/cmであり、最表面層をAlAs層とする方が、より大きい最大電界強度Emaxが得られることが分かる。
また、バンドギャップエネルギーがより大きい半導体材料が増倍層の最表面に存在することで、局所的な電界が電界緩和層と増倍層との界面で発生した場合でも、電界に対する耐性が強くなり、さらに、キャリア伝導を阻害する電子障壁ΔEcも小さくすることが可能となる。
実施の形態5では、一例としてデジタルアロイ構造からなるi型AlInAs増倍層4dにおけるAlAs層を最表面層とする構成について説明した。しかしながら、デジタルアロイ構造からなる増倍層を構成する2種類の半導体層の中で、バンドギャップエネルギーがより大きい方の半導体層を最表面層にすれば同様の効果を奏する。また、半導体材料は限定しなくても、バンドギャップエネルギーの大小関係を満たせば、同様の効果を奏する。
デジタルアロイ構造からなる増倍層を構成する2種類の半導体層は、上述の一例で示したような2元化合物半導体材料に限定されるものではなく、例えば、AlIn1-xAsのような3元化合物半導体材料、あるいはAlGaIn1-x-yAsのような4元化合物半導体材料でもよい。さらに、増倍層は一例に示したようなアンドープでなく、例えばp型またはn型の導電型となるように不純物をドーピングしてもよい。
<実施の形態5の効果>
以上、実施の形態5に係る半導体受光素子によれば、デジタルアロイ構造からなる増倍層を構成する2種類の半導体層の中で、バンドギャップエネルギーが大きい方の半導体層を最表面層としたので、デジタルアロイ構造からなる増倍層内における最大電界強度が大きくなり、動作可能な電圧の制御幅を広げることができるため、高速動作が可能な半導体受光素子が得られるという効果を奏する。
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 n型電極、2 n型InP基板、3 n型AlInAsバッファ層、4、4d i型AlInAs増倍層、4a 第1半導体層、4b 第2半導体層、5 p型AlInAs電界緩和層、6 n型InGaAs光吸収層、7 i型AlInAs窓層、8 n型InP窓層、9 p型InGaAsコンタクト層、10 Zn選択拡散領域、11 SiNx表面保護膜、12 p型電極、21 i型AlInAs歪緩和層、22 i型AlGaIn1-x-yAs第1遷移層、23 i型AlGaIn1-x-yAs第2遷移層、100、110、120、130、140 半導体受光素子

Claims (17)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、単原子層のN倍(1≦N≦20)の層厚からなる第1半導体層、及び単原子層のM倍(1≦M≦20)の層厚からなり前記第1半導体層よりもバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなり、フォトキャリアを増幅させる増倍層と、
    前記増倍層上に形成され、入射光を吸収して前記フォトキャリアを生成する光吸収層と、
    前記増倍層と前記光吸収層との間に形成された電界緩和層と、
    前記増倍層と前記電界緩和層との間に形成され、前記増倍層の歪を緩和する歪緩和層と、
    を備える半導体受光素子。
  2. 前記歪緩和層は、前記増倍層を構成する半導体材料と同一の組成の半導体材料からなることを特徴とする請求項に記載の半導体受光素子。
  3. 前記歪緩和層は、AlInAsによって構成されることを特徴とする請求項に記載の半導体受光素子。
  4. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、単原子層のN倍(1≦N≦20)の層厚からなる第1半導体層、及び単原子層のM倍(1≦M≦20)の層厚からなり前記第1半導体層よりもバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなり、フォトキャリアを増幅させる増倍層と、
    前記増倍層上に形成され、入射光を吸収して前記フォトキャリアを生成する光吸収層と、
    前記増倍層と前記光吸収層との間に形成された電界緩和層と、
    前記増倍層と前記電界緩和層との間に形成され、前記増倍層のバンドギャップエネルギーと前記電界緩和層のバンドギャップエネルギーの間のバンドギャップエネルギー値を有し、前記増倍層の歪を緩和する第1遷移層と、
    を備える半導体受光素子。
  5. 前記第1遷移層は、AlGaInAsによって構成されることを特徴とする請求項に記載の半導体受光素子。
  6. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、単原子層のN倍(1≦N≦20)の層厚からなる第1半導体層、及び単原子層のM倍(1≦M≦20)の層厚からなり前記第1半導体層よりもバンドギャップエネルギーが小さい第2半導体層が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなり、フォトキャリアを増幅させる増倍層と、
    前記増倍層上に形成され、入射光を吸収して前記フォトキャリアを生成する光吸収層と、
    前記増倍層と前記光吸収層との間に形成された電界緩和層と、
    前記半導体基板と前記増倍層との間に形成されたバッファ層と、
    前記増倍層と前記バッファ層との間に、前記増倍層のバンドギャップエネルギーと前記バッファ層のバンドギャップエネルギーの間のバンドギャップエネルギー値を有し、前記増倍層の歪を緩和する第2遷移層と、
    を備える半導体受光素子。
  7. 前記第2遷移層は、AlGaInAsによって構成されることを特徴とする請求項に記載の半導体受光素子。
  8. 前記第1半導体層の層厚が単原子層のN倍(1≦N≦5)であり、前記第2半導体層の層厚が単原子層のM倍(1≦M≦5)の層厚であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体受光素子。
  9. 前記第1半導体層と前記第2半導体層とを交互に積層する積層回数が5回以上300回以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体受光素子。
  10. 前記第1半導体層及び前記第2半導体層は、それぞれAlAs層及びInAs層であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の半導体受光素子。
  11. 前記光吸収層は、InGaAsによって構成されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体受光素子。
  12. 前記増倍層において前記電界緩和層に対向する層は、前記第1半導体層であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の半導体受光素子。
  13. n型InP基板上に、n型AlInAsバッファ層と、単原子層のN倍(1≦N≦20)の層厚からなるAlAs層、及び単原子層のM倍(1≦M≦20)の層厚からなるInAs層が交互に複数回積層されたデジタルアロイ構造からなるAlInAs増倍層と、i型AlInAs歪緩和層と、p型AlInAs電界緩和層と、n型InGaAs光吸収層と、i型AlInAs窓層と、n型InP窓層と、p型InGaAsコンタクト層と、を順次エピタキシャル結晶成長する工程と、
    前記n型InP窓層及びi型AlInAs窓層の一部にZn選択拡散領域を形成する工程と、
    を備える半導体受光素子の製造方法。
  14. 前記エピタキシャル結晶成長はMOVPE法またはMBE法によって行われることを特徴とする請求項13に記載の半導体受光素子の製造方法。
  15. 前記エピタキシャル結晶成長はMOVPE法によって行われ、結晶成長温度は500℃以上600℃以下の範囲内であることを特徴とする請求項13に記載の半導体受光素子の製造方法。
  16. 前記AlAs層の層厚が単原子層のN倍(1≦N≦5)であり、前記InAs層の層厚が単原子層のM倍(1≦M≦5)の層厚であることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の半導体受光素子の製造方法。
  17. 前記AlAs層と前記InAs層とを交互に積層する積層回数が5回以上300回以下であることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の半導体受光素子の製造方法。
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