JP7223622B2 - ポリプロピレン樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで本発明は、剛性および耐衝撃性にバランスよく優れた樹脂組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
[1]
(A)フィラー、(B)耐衝撃性改良剤、(C)核剤、および(D)ポリプロピレン樹脂を含み、
前記フィラー(A)の含有量が15~50質量%であり、
前記耐衝撃性改良剤(B)の含有量が10~40質量%であり、
前記核剤(C)の含有量が0.01~1.0質量%であり、
前記フィラー(A)が、
(A-1)D50L(D50Lは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径である。)が1.0μm以上15μm未満であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~300である板状フィラー、および
(A-2)D50Lが15μm以上100μm以下であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~3,000である板状フィラー
を(フィラー(A-1)/フィラー(A-2))=95/5~50/50の質量比で含む混合フィラーである
ポリプロピレン樹脂組成物。
D50Sは、ISO13317-3:2001に準拠してX線透過式沈降法粒度分布測定装置により測定される累積体積が50%となる粒子径である。〕
前記核剤(C)がロジン酸部分金属塩である前記[1]のポリプロピレン樹脂組成物。
[3]
一部または全部の前記フィラー(A-2)が炭素数10~50の脂肪酸により表面処理されている前記[1]または[2]のポリプロピレン樹脂組成物。
曲げ弾性率(JIS K7171に準拠)が3,250MPa以上であり、かつシャルピー衝撃強さ(JIS K7111に準拠、23℃、ノッチ付き)が20kJ/m2以上である前記[1]~[3]のいずれかのポリプロピレン樹脂組成物。
(A)フィラー、(B)耐衝撃性改良剤、(C)核剤、および(D)ポリプロピレン樹脂を含むポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、
前記フィラー(A)、前記耐衝撃性改良剤(B)、前記核剤(C)、および前記ポリプロピレン樹脂(D)を溶融混練する工程(I)を含み、
前記工程(I)において、
前記フィラー(A)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に15~50質量%となる割合で配合し、
前記耐衝撃性改良剤(B)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に10~40質量%となる割合で配合し、
前記核剤(C)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に0.01~1.0質量%となる割合で配合し、
前記フィラー(A)として、
(A-1)D50L(D50Lは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径である。)が1.0μm以上15μm未満であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~300である板状フィラー、および
(A-2)D50Lが15μm以上100μm以下であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~3,000である板状フィラー
を(フィラー(A-1)/フィラー(A-2))=95/5~50/50の質量比で配合する
ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法。
D50Sは、ISO13317-3:2001に準拠してX線透過式沈降法粒度分布測定装置により測定される累積体積が50%となる粒子径である。〕
前記工程(I)が同方向二軸押出機により実施され、
前記同方向二軸押出機は、上流の原料供給口、および前記上流の原料供給口よりも下流側に設けられた下流の原料供給口を備え、
前記下流の原料供給口から、前記ポリプロピレン樹脂(D)の一部と前記フィラー(A)との混合物を供給する
前記[5]の製造方法。
前記下流の原料供給口から供給される前記ポリプロピレン樹脂(D)の一部または全部がペレット状である前記[6]の製造方法。
前記混合物が、前記ポリプロピレン樹脂(D)および前記フィラー(A)を、(ポリプロピレン樹脂(D))/(フィラー(A))=95/5~5/95の質量比で含む前記[6]または[7]のいずれかの製造方法。
前記下流の原料供給口から供給される前記ポリプロピレン樹脂(D)が、最大フェレ径の平均値Lが1.0mm以上、10mm未満の粒子である、前記[6]~[8]のいずれかの製造方法。
前記核剤(C)がロジン酸部分金属塩である前記[5]~[9]のいずれかの製造方法。
一部または全部の前記フィラー(A-2)が炭素数10~50の脂肪酸により表面処理されている前記[5]~[10]のいずれかの製造方法。
また、本発明の製造方法によれば、剛性および耐衝撃性にバランスよく優れたポリプロピレン樹脂組成物を製造することができる。
なお、本発明において「x~y」で表される数値範囲は、特段の断りのない限り「x以上y以下」を意味する。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、(A)フィラー、(B)耐衝撃性改良剤、(C)核剤、および(D)ポリプロピレン樹脂を含んでいる。
前記フィラー(A)は、
(A-1)D50L(D50Lは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径である。)が1.0μm以上15μm未満であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~300である板状フィラー、および
(A-2)D50Lが15μm以上100μm以下であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~3,000である板状フィラー
を(フィラー(A-1)/フィラー(A-2))=95/5~50/50の質量比で含む混合フィラーである。
D50Sは、ISO13317-3:2001に準拠してX線透過式沈降法粒度分布測定装置により測定される累積体積が50%となる粒子径である。〕
また、フィラー(A-2)としては、表面処理されたマイカと焼成されたマイカとの混合物が好ましい。
フィラー(A-1)のアスペクト比θは100~300であり、好ましくは100~200であり、より好ましくは120~180である。
フィラー(A-2)のアスペクト比θは100~3000であり、好ましくは100~500であり、より好ましくは120~300である。
前記耐衝撃性改良剤(B)(以下「成分(B)」とも記載する。)としては、エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(B-a)、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B-b)、水素添加ブロック共重合体(B-c)、その他弾性重合体、およびこれらの混合物などが挙げられ、これらの中でも前記エチレン・α-オレフィンランダム共重合体(B-a)が好ましい。
前記エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B-b)の具体例としては、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)が挙げられる。
(XY)n ・・・(y)
前記式(x)または(y)のXで示される重合ブロックを構成するモノビニル置換芳香族炭化水素としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、クロロスチレン、低級アルキル置換スチレン、ビニルナフタレン等のスチレンまたはその誘導体などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
nは1~5の整数、好ましくは1または2である。
前記耐衝撃性改良剤(B)は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
核剤(C)としては、従来公知の核剤が挙げられ、ロジン酸部分金属塩が好ましい。
ロジン酸部分金属塩は、ロジン酸と金属化合物の反応生成物であり、ロジン酸金属塩と未反応のロジン酸との混合物、及び未反応のロジン酸を含まないロジン酸金属塩の両方を意味する。上記ロジン酸金属塩としては、ロジン酸ナトリウム塩、ロジン酸カリウム塩、ロジン酸マグネシウム塩等などが挙げられる。なお、ロジン酸と反応して金属塩を形成する金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの金属元素を有し、かつ前記ロジン酸と造塩する化合物が挙げられ、具体的には前記金属の塩化物、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、炭酸酸化物、水酸化物などが挙げられる。ロジン酸としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン、不均化ロジン、水素化ロジン、脱水素化ロジン、重合ロジン、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンなどの各種変性ロジン、前記天然ロジンの精製物、前記変性ロジンの精製物などが挙げられる。天然ロジンには、ピマル酸、サンダラコピマル酸、パラストリン酸、イソピマル酸、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、ジヒドロピマル酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸などの樹脂酸が、通常複数種含まれている。
フィラー(A)としてマイカを含むポリプロピレン樹脂組成物は、その耐衝撃性が低いことがあるが、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、核剤(C)、好ましくはロジン酸部分金属塩を含んでいるため、フィラー(A)としてマイカを含んでいても耐衝撃性に優れている。
前記ポリプロピレン樹脂(D)(以下「成分(D)」とも記載する。)の例としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・α-オレフィンランダム共重合体およびプロピレン系ブロック共重合体などのプロピレン系重合体が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物の製造方法においては、本発明の効果が損なわれない範囲で、必要に応じて、前記成分(A)~(D)以外の任意成分が配合されてもよい。
任意成分の例としては、樹脂組成物における従来公知の添加剤、たとえばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、発泡剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、軟化剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、剛性油、ワックスが挙げられる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物中に(ポリプロピレン樹脂組成物の量を100質量%とすると)、
前記フィラー(A)は、15~50質量%、好ましくは20~40質量%、より好ましくは25~35質量%の割合で含まれ、
前記耐衝撃性改良剤(B)は、10~40質量%、好ましくは15~35質量%、より好ましくは20~30質量%の割合で含まれ、
前記核剤(C)は、0.01~1.0質量%、好ましくは0.01~0.7質量%、より好ましくは0.03~0.5質量%の割合で含まれる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、剛性および耐衝撃性にバランスよく優れており、その曲げ弾性率(JIS K7171に準拠)およびシャルピー衝撃強さ(JIS K7111に準拠、23℃、ノッチ付き)は、好ましくはそれぞれ3,250MPa以上、かつ20kJ/m2以上、より好ましくはそれぞれ3,300MPa以上、かつ25kJ/m2以上である。曲げ弾性率の上限値は、たとえば3,600MPaであり、シャルピー衝撃強さの上限値は、たとえば40kJ/m2である。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物の製造方法は、
前記フィラー(A)、前記耐衝撃性改良剤(B)、前記核剤(C)、および前記ポリプロピレン樹脂(D)を含むポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、
前記フィラー(A)、前記耐衝撃性改良剤(B)、前記核剤(C)、および前記ポリプロピレン樹脂(D)、ならびに必要に応じて前記任意成分を溶融混練する工程(I)を含んでおり、
前記工程(I)において、
前記フィラー(A)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に15~50質量%、好ましくは20~40質量%、より好ましくは25~35質量%となる割合で配合し、
前記耐衝撃性改良剤(B)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に10~40質量%、好ましくは15~35質量%、より好ましくは20~30質量%となる割合で配合し、
前記核剤(C)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に0.01~1.0質量%、好ましくは0.01~0.7質量%、より好ましくは0.03~0.5質量%となる割合で配合し、
前記フィラー(A)として、前記板状フィラー(A-1)および前記板状フィラー(A-2)を(フィラー(A-1)/フィラー(A-2))=95/5~50/50(好ましくは95/5~60/40、より好ましくは90/10~70/30)の質量比で配合する製造方法である。この製造方法により、上述した本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物を製造することができる。
前記押出機としては、たとえば単軸押出機、同方向二軸押出機、異方向二軸押出機、同方向多軸押出機これらを組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、同方向二軸押出機が好ましい。
前記Lの値は、以下の方法またはこれと同等の方法により測定される値である。
前記ポリプロピレン樹脂(D2)の最大フェレ径の平均値Lは、粒子径測定装置として、ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製 Camsizer(登録商標)P4を使用して測定する。具体的には3~5gの粒子サンプルを秤量し、測定装置の試料台に載せ、試料台から少量ずつ落下させ、落下する粒子サンプルをCCDカメラで撮影し、撮影した粒子の画像を解析することで粒子形状を計測する。無作為に選んだ10~20個の粒子サンプルの画像から各粒子の最大フェレ径を求め、その算術平均値を、最大フェレ径の平均値Lとする。
前記ポリプロピレン樹脂(D2)の、ASTM D1238Eに準拠した230℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローレートは、好ましくは1~80g/10分、より好ましくは10~50g/10分である。
前記ポリプロピレン樹脂(D2)と前記フィラー(A)との混合物は、前記ポリプロピレン樹脂(D2)および前記フィラー(A)を、好ましくは(ポリプロピレン樹脂(D2))/(フィラー(A))=95/5~5/95の質量比で含んでいる。
(前記ポリプロピレン樹脂(D1)の質量)/(前記ポリプロピレン樹脂(D2)の質量)は、好ましくは90/10~10/90、より好ましくは70/30~30/70である。
本発明の製造方法によれば剛性および耐衝撃性にバランスよく優れた樹脂組成物を製造することができる。より具体的には、溶融混練の際に、上流の原料供給口から前記ポリプロピレン樹脂(D)の全部を供給するのではなく、上流の原料供給口から前記ポリプロピレン樹脂(D1)を、かつ下流の原料供給口から前記ポリプロピレン樹脂(D2)を供給することにより、剛性および耐衝撃性がバランスよく向上した樹脂組成物を製造することができる。特に、前記ポリプロピレン樹脂(D2)を下流側から供給することにより溶融樹脂成分のマトリックス樹脂成分の粘度増加が促進され、これにより溶融状態の耐衝撃改良剤(B)成分の分裂が促進され、その結果、耐衝撃改良剤(B)ドメインの粒径は小さくなり、樹脂組成物の耐衝撃性が向上すると推察される。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、剛性および耐衝撃性にバランスよく優れるため、この樹脂組成物の成形体は、自動車内外装部品、家電製品、機械部品、一般雑貨製品などとして好ましく用いることができ、自動車内外装部品、特に高い剛性と耐衝撃性のバランスが要求される垂直外板、水平外板材としてより好ましく用いることができる。
限定されない。
<物性測定用試験片作製>
樹脂組成物の物性測定用試験片は、JIS K6921-1に準拠した射出成形により作製した。具体的には射出成形機(東芝機械製 IS55FPB;型締め力:55トン、スクリュー直径:32mm)を使用し、成形温度200℃、金型温度40℃、射出1次圧力90MPa、2次圧力55MPa、射出速度180mm/秒、充填時間2.0秒、冷却時間10秒、可塑化時のスクリュー回転数140rpmの条件で作製した。金型は厚み4mmの引張りダンベル型試験片2本取り(AXXICON社製 AIM Insert ISO A)を使用した。試験片は、23℃、50%相対湿度の環境下で2日間状態調整を実施した。
各種物性の測定方法は、以下のとおりである。
(原料樹脂の物性)
[粒子形状(最大フェレ径の平均値L)]
ポリプロピレン樹脂(D)の粒子の最大フェレ径の平均値Lは粒子径測定装置(ヴァーダー・サイエンティフィック株式会社製 Camsizer(登録商標)P4)により計測した。
具体的には3~5gの粒子サンプルを秤量し、該測定装置の試料台に載せ、試料台から少量ずつ落下させ、落下する粒子サンプルをCCDカメラで撮影し、撮影した粒子の画像を解析することで粒子形状を計測した。無作為に選んだ10~20個の粒子サンプルの画像から各粒子の最大フェレ径を求め、その算術平均値を最大フェレ径の平均値Lとして採用した。
[d50 L (レーザー回折散乱法により測定される平均粒子径)]
フィラーの濃度が0.1質量%の水分散液を調製し、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折式粒子径分布測定装置(島津製作所社製、製品名「SALD-7100」)により粒子径分布(体積基準)を測定した。得られた粒子径分布において、累積体積が50%となる粒子径をd50Lとした。
フィラーの濃度が0.1質量%の水分散液を調製し、ISO13317-3:2001に準拠してX線透過式沈降法粒度分布測定装置(マイクロメリティックスジャパン合同会社製、製品名「SediGraphIII5120」)により粒子径分布(体積基準)を測定した。得られた粒子径分布において、累積体積が50%となる粒子径をd50Sとした。
フィラーのアスペクト比(θ)は、文献(Pabst, W., Berthold, Ch., Part. Part. Syst. Char., 24, 458-463 (2007)、Pabst, W., Berthold, Ch., Gregorova, E., J. Eur. Ceram. Soc., 27, 1759-1762 (2007))を参照し、上記D50L、D50Sに基づいて次式(1)により算出した。
[メルトフローレート(MFR)]
ASTM D1238Eに準拠し、230℃、2.16kg荷重の条件下でMFRを測定した。
JIS K7171に準拠して、下記の条件で曲げ弾性率を測定した。
《測定条件》
試験片:10mm(幅)×80mm(長さ)×4.0mm(厚さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
JIS K7111に準拠して、下記の条件でノッチ付きシャルピー衝撃強さを測定した。
《測定条件》
温度:-30℃および23℃
試験片:10mm(幅)×80mm(長さ)×4mm(厚さ)
ノッチは機械加工である。
以下の原料が使用された。
《(A)フィラー》
・表1に示すフィラー
・エチレン・1-ブテン共重合体(MFR(190℃、2.16kg):1.2g/10分、密度:0.863g/cm3、)(以下「EB」と記載する。)
《(C)核剤》
・ロジン酸部分金属塩(パインクリスタルKR-50M)(荒川化学工業(株)製)(以下「核剤」と記載する。)
・プロピレン共重合体(MFR(230℃、2.16kg):90g/10分)(以下「PP-1」と記載する。)
・プロピレン単独重合体(MFR(230℃、2.16kg):3.0g/10分)(以下「PP-2」と記載する。)を使用した。
・最大フェレ径の平均値Lが2.0mmであるプロピレン単独重合体(MFR(230℃、2.16kg):30g/10分)のペレット(以下「PP-3」と記載する。)
同方向二軸押出機(日本製鋼所 TEX30α)(スクリュー径:30mm、L/D=63)、上流の原料供給口-下流の原料供給口間距離:35D、下流の原料供給口-樹脂組成物の吐出口間距離:28D)に、上流の原料供給口から13.6質量部のPP-1、12質量部のPP-2及び22質量部のEBおよび0.7質量部の添加剤(0.1質量部のイルガノックス(登録商標)1010(BASF社)、0.1質量部のイルガフォス(登録商標)168(BASF社)、0.2質量部のステアリン酸マグネシウム(日本油脂(株)製)及び0.3質量部の核剤(C)(ロジン酸部分金属塩(パインクリスタルKR-50M(荒川化学工業(株)製)))のドライブレンド物を12kg/hの割合で供給し、さらに下流の原料供給口から23質量部のT-1(A-1)および4.0質量部のM-3(A-2)及び3.0質量部のM-4(A-2)ペレット状PP-3のドライブレンド物を13kg/hの割合で供給し、スクリュー回転数を300rpmとして溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。樹脂組成物から射出成型により試験片を作製し、2日間以上の状態調整後に物性評価を行った。評価結果を表3に示す。
上流の原料供給口に供給する原料、および下流の原料供給口に供給する原料を表2に記載のように変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、各樹脂組成物を得た。
さらに、実施例1~5及び比較例1~8で得られた樹脂組成物のシャルピー衝撃強さ(23℃)と曲げ弾性率の関係を図1に示す。
Claims (11)
- (A)フィラー、(B)耐衝撃性改良剤、(C)核剤、および(D)ポリプロピレン樹脂を含み、
前記フィラー(A)の含有量が15~50質量%であり、
前記耐衝撃性改良剤(B)の含有量が10~40質量%であり、
前記核剤(C)の含有量が0.01~1.0質量%であり、
前記フィラー(A)が、
(A-1)D50L(D50Lは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径である。)が1.0μm以上15μm未満であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~300である板状フィラー、および
(A-2)D50Lが15μm以上100μm以下であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~3,000である板状フィラー
を(フィラー(A-1)/フィラー(A-2))=95/5~50/50の質量比で含む混合フィラーである
ポリプロピレン樹脂組成物。
D50Sは、ISO13317-3:2001に準拠してX線透過式沈降法粒度分布測定装置により測定される累積体積が50%となる粒子径である。〕 - 前記核剤(C)がロジン酸部分金属塩である請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 一部または全部の前記フィラー(A-2)が炭素数10~50の脂肪酸により表面処理されている請求項1または2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 曲げ弾性率(JIS K7171に準拠)が3,250MPa以上であり、かつシャルピー衝撃強さ(JIS K7111に準拠、23℃、ノッチ付き)が20kJ/m2以上である請求項1~3のいずれか一項に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- (A)フィラー、(B)耐衝撃性改良剤、(C)核剤、および(D)ポリプロピレン樹脂を含むポリプロピレン樹脂組成物の製造方法であって、
前記フィラー(A)、前記耐衝撃性改良剤(B)、前記核剤(C)、および前記ポリプロピレン樹脂(D)を溶融混練する工程(I)を含み、
前記工程(I)において、
前記フィラー(A)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に15~50質量%となる割合で配合し、
前記耐衝撃性改良剤(B)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に10~40質量%となる割合で配合し、
前記核剤(C)を、前記ポリプロピレン樹脂組成物中に0.01~1.0質量%となる割合で配合し、
前記フィラー(A)として、
(A-1)D50L(D50Lは、JIS Z8825:2013に準拠してレーザー回折散乱法により測定される累積体積が50%となる粒子径である。)が1.0μm以上15μm未満であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~300である板状フィラー、および
(A-2)D50Lが15μm以上100μm以下であり、下記式(1)で表されるアスペクト比θが100~3,000である板状フィラー
を(フィラー(A-1)/フィラー(A-2))=95/5~50/50の質量比で配合する
ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法。
D50Sは、ISO13317-3:2001に準拠してX線透過式沈降法粒度分布測定装置により測定される累積体積が50%となる粒子径である。〕 - 前記工程(I)が同方向二軸押出機により実施され、
前記同方向二軸押出機は、上流の原料供給口、および前記上流の原料供給口よりも下流側に設けられた下流の原料供給口を備え、
前記下流の原料供給口から、前記ポリプロピレン樹脂(D)の一部と前記フィラー(A)との混合物を供給する
請求項5に記載の製造方法。 - 前記下流の原料供給口から供給される前記ポリプロピレン樹脂(D)の一部または全部がペレット状である請求項6に記載の製造方法。
- 前記混合物が、前記ポリプロピレン樹脂(D)および前記フィラー(A)を、(ポリプロピレン樹脂(D))/(フィラー(A))=95/5~5/95の質量比で含む請求項6または7に記載の製造方法。
- 前記下流の原料供給口から供給される前記ポリプロピレン樹脂(D)が、最大フェレ径の平均値Lが1.0mm以上、10mm未満の粒子である、請求項6~8のいずれか一項に記載の製造方法。
- 前記核剤(C)がロジン酸部分金属塩である請求項5~9のいずれか一項に記載の製造方法。
- 一部または全部の前記フィラー(A-2)が炭素数10~50の脂肪酸により表面処理されている請求項5~10のいずれか一項に記載の製造方法。
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