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JP7223310B2 - 保持部材、転写部材、転写部材の製造方法及び発光基板の製造方法 - Google Patents

保持部材、転写部材、転写部材の製造方法及び発光基板の製造方法 Download PDF

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JP7223310B2 JP2018137978A JP2018137978A JP7223310B2 JP 7223310 B2 JP7223310 B2 JP 7223310B2 JP 2018137978 A JP2018137978 A JP 2018137978A JP 2018137978 A JP2018137978 A JP 2018137978A JP 7223310 B2 JP7223310 B2 JP 7223310B2
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Description

本発明は、保持部材、保持部材を有する転写部材、転写部材の製造方法、及び転写部材を用いた発光基板の製造方法に関する。
近年、回路を有する回路基板に複数のマイクロ発光ダイオード(LED)チップを配置した発光基板を用いた表示装置、いわゆるマイクロLEDディスプレイが開発されている。マイクロLEDディスプレイは、液晶ディスプレイ等に比べて、輝度、消費電力、応答速度、信頼性等の面で優れており、次世代の軽量且つ薄型のディスプレイとして注目されている。
従来、マイクロLEDディスプレイに用いられる発光基板を製造する際に、ウエハをダイシングして形成された複数のマイクロ発光ダイオードチップを、ピックアンドプレイス工程により、1つずつ回路基板に配置していた。このような発光基板の製造方法では、ピックアンドプレイス工程を数百万回以上繰り返すことになるため、回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを配置する工程に時間がかかり、それに伴って製造コストが上昇してしまう。すなわち、低い生産性でしか発光基板を製造することができない。
そこで、特許文献1のように、粘着スタンプによって、ウエハから回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを配置することが考えられた。特許文献1の粘着スタンプは、複数のマイクロ発光ダイオードチップを保持することができるため、1回のピックアンドプレイス工程で複数のマイクロ発光ダイオードチップを回路基板に配置することができる。したがって、回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを配置する工程に要する時間を短縮し、製造コストを削減することができる。
特表2017-531915号公報
ところで、特許文献1の粘着スタンプは、ピックアンドプレイス工程を繰り返し行うと、粘着力が低下してしまう。粘着スタンプの粘着力が低下すると、ピックアンドプレイス工程を行う際に粘着スタンプがマイクロ発光ダイオードチップを保持する確実性が低下してしまう。このため、粘着スタンプに粘着力を付与する工程や、粘着スタンプを交換する工程を要することになり、発光基板の製造の生産性を高めにくい。
そこで、本件発明者らは検討を行い、ピックアンドプレイス工程を繰り返し行うことなく、ウエハから回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを配置することを可能とする、さらには回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを一括で配置することを可能とする、マイクロ発光ダイオードチップを保持する保持部材、当該保持部材を有するマイクロ発光ダイオードチップの転写部材、当該転写部材の製造方法、及び当該転写部材を用いた発光基板の製造方法を知見した。すなわち、本発明は、複数のマイクロ発光ダイオードチップが配置された発光基板の生産性を高めることを目的とする。
本発明の保持部材は、複数の発光ダイオードチップを保持する保持部材であって、
基材と、
前記基材の一方の面上に規則的に二次元配列された複数の突出部と、
前記突出部の先端に設けられた粘着性を有する粘着層と、を備える。
本発明の保持部材において、前記基材の平面視における面積は、176cm以上であってもよい。
本発明の保持部材において、前記基材は、透明であってもよい。
本発明の保持部材において、前記基材は、位置決めマークを有してもよい。
本発明の保持部材において、前記基材の線膨張係数は、10×10-5/K以下であってもよい。
本発明の保持部材において、前記突出部のヤング率は、10GPa以下であってもよい。
本発明の保持部材において、前記粘着層の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって低下してもよい。
本発明の転写部材は、
上述したいずれかの記載の保持部材と、
各突出部に前記粘着層を介して保持された複数の発光ダイオードチップと、を備える。
本発明の転写部材の製造方法は、
ダイシングされた発光ダイオードチップを有するチップ基板を上述したいずれかの保持部材に接触させて、複数の前記発光ダイオードチップを前記保持部材の第1領域内の複数の突出部上に保持させる工程と、
前記チップ基板に対して前記保持部材を相対移動させる工程と、
前記チップ基板を前記保持部材に接触させて、前記複数の前記発光ダイオードチップとは異なる他の複数の前記発光ダイオードチップを前記保持部材の前記第1領域とは異なる第2領域内の複数の突出部上に保持させる工程と、を備える。
本発明の転写部材の製造方法において、前記チップ基板に対して前記保持部材を相対移動させる工程において、前記保持部材を相対移動させる位置は、前記チップ基板及び前記保持部材の少なくとも一方が有する位置決めマークに基づいて決定されてもよい。
本発明の転写部材の製造方法において、前記保持部材の複数の前記突出部の配列のピッチは、前記チップ基板のダイシングされた前記発光ダイオードチップの配列のピッチの整数倍であってもよい。
本発明の発光基板の製造方法は、上述した転写部材の前記発光ダイオードチップが、回路基板の回路に電気的に接続するようにして、複数の前記発光ダイオードチップを前記転写部材の前記保持部材から前記回路基板に一括で転写する工程を備える。
本発明の発光基板の製造方法において、
前記転写部材から前記回路基板に前記発光ダイオードチップを転写する工程は、
前記転写部材を前記回路基板に押圧して、前記発光ダイオードチップを前記回路に電気的に接続させる工程と、
前記発光ダイオードチップを前記粘着層から剥離させる工程と、を含んでもよい。
本発明の発光基板の製造方法において、前記転写部材から前記回路基板に前記発光ダイオードチップを転写する工程は、前記発光ダイオードチップを前記粘着層から剥離させる工程の前に、前記粘着層の粘着性を低下させる工程をさらに含んでもよい。
本発明によれば、複数の発光ダイオードチップが配置された発光基板の生産性を高めることができる。
図1は、マイクロ発光ダイオードチップを有する発光基板を用いた表示装置を示す分解斜視図である。 図2は、マイクロ発光ダイオードチップを有する発光基板の平面図である。 図3は、図2の発光基板の一部を拡大して示す図である。 図4は、マイクロ発光ダイオードチップを有する発光基板の縦断面図である。 図5は、転写部材の縦断面図である。 図6は、保持部材の縦断面図である。 図7は、保持部材の平面図である。 図8は、ダイシングされたマイクロ発光ダイオードチップを有するチップ基板を示す平面図である。 図9は、保持部材にマイクロ発光ダイオードチップを保持させる工程を説明するための図である。 図10は、保持部材にマイクロ発光ダイオードチップを保持させる工程を説明するための図である。 図11は、保持部材にマイクロ発光ダイオードチップを保持させる工程を説明するための図である。 図12は、保持部材にマイクロ発光ダイオードチップを保持させる工程を説明するための図である。 図13は、保持部材にマイクロ発光ダイオードチップを保持させる工程を説明するための図である。 図14は、保持部材にマイクロ発光ダイオードチップを保持させる工程を説明するための図である。 図15は、保持部材にマイクロ発光ダイオードチップを保持させる工程を説明するための図である。 図16は、転写部材から回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを転写する工程を説明するための図である。 図17は、転写部材から回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを転写する工程を説明するための図である。 図18は、転写部材から回路基板にマイクロ発光ダイオードチップを転写する工程を説明するための図である。 図19は、保持部材の一変形例を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
また、「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1は、表示装置1を概略的に示す分解斜視図である。表示装置1は、表示面5に画像等を表示する。図1に示された例において、表示装置1は、発光基板10と、発光基板10に対向して配置された拡散層7と、を有している。拡散層7の発光基板10に対向する側とは逆側の面が、表示装置1の表示面5となっている。表示装置1は、1つ又は複数の発光ダイオードから発光した光を1つの画素として用いている、いわゆるマイクロLEDディスプレイである。図示された例において、発光基板10で発光した光を拡散層7で拡散している。ただし、拡散層7は省略することができる。
発光基板10は、表示面5に表示する画像を形成する光を発光する。図2は、発光基板10の一部を示す平面図であり、図3は、図2の発光基板10の一部を拡大して示す平面図であり、図4は、発光基板10の一部を示す縦断面図である。図2に示すように、発光基板10は、回路基板11と、回路基板11上に規則的に二次元配列された複数のマイクロ発光ダイオードチップ(単に「発光ダイオードチップ」とも呼ぶ)50と、を有している。回路基板11は、後述する転写部材20からマイクロ発光ダイオードチップ50を転写される工程において、マイクロ発光ダイオードチップ50を有する転写部材20と位置決めするための位置決め手段を有している。図2に示す例では、位置決め手段は、十字型の複数の位置決めマークM1である。ただし、十字型の位置決めマークM1は例示に過ぎず、例えば四角形、三角形、丸等の種々の位置決めマークM1を用いることができる。また、図3に示すように、回路基板11は、回路13を有している。さらに、図4に示すように、各マイクロ発光ダイオードチップ50は、2つの電極51を有している。マイクロ発光ダイオードチップ50は、電極51を介して、回路13に電気的に接続している。回路13に流れる電流を制御して2つの電極51の間に電圧を印加することで、任意のマイクロ発光ダイオードチップ50を発光させることができる。マイクロ発光ダイオードチップ50の発光の組み合わせにより、表示装置1が表示する画像を形成することができる。
マイクロ発光ダイオードチップ50から発光する光の波長は、マイクロ発光ダイオードチップ50を構成する半導体材料等によって決定される。マイクロ発光ダイオードチップ50は、例えばGaAs系化合物半導体、InP系化合物半導体、GaN系化合物半導体等を含んでいる。平面視におけるマイクロ発光ダイオードチップ50の寸法は、例えば1辺が3μm以上1000μm以下の矩形形状とすることができ、マイクロ発光ダイオードチップ50の厚さは、例えば10μm以上500μm以下とすることができる。
図示された例では、マイクロ発光ダイオードチップ50は、波長域620nm~680nmの赤色の光を発光する第1発光ダイオードチップ50Rと、波長域530nm~570nmの緑色の光を発光する第2発光ダイオードチップ50Gと、波長域440nm~480nmの青色の光を発光する第3発光ダイオードチップ50Bと、を含んでいる。互いの近傍に配置された第1発光ダイオードチップ50R、第2発光ダイオードチップ50G及び第3発光ダイオードチップ50Bが、表示装置1の1つの画素を形成している。このため、発光基板10は、フルカラーで表示する画像を形成する光を発光することができる。
発光基板10は、回路基板11の回路13が形成された位置にマイクロ発光ダイオードチップ50を配置することで製造される。複数のマイクロ発光ダイオードチップ50が配置された発光基板10を高い生産性で製造するために、図5に示すような保持部材30、及び保持部材30を有する転写部材20が用いられる。
以下、保持部材30及び保持部材を有する転写部材20の一実施の形態について、図5乃至図7を参照しつつ説明する。
図5は、転写部材20の一部を示す縦断面図である。転写部材20は、複数のマイクロ発光ダイオードチップ50を一括で回路基板11に転写することを可能にする部材である。1回の転写のみで回路基板11の全体にマイクロ発光ダイオードチップ50を配置することができるよう、転写部材20の平面視における寸法は、回路基板11の平面視における寸法以上であることが好ましい。
転写部材20は、保持部材30と、保持部材30に保持された複数のマイクロ発光ダイオードチップ50と、を有している。複数のマイクロ発光ダイオードチップ50は、転写部材20において、当該マイクロ発光ダイオードチップ50が転写される回路基板11のマイクロ発光ダイオードチップ50が配置される位置に対応した位置に保持されるよう、配置されている。言い換えると、複数のマイクロ発光ダイオードチップ50の転写部材20における配列間隔および配列パターンは、当該複数のマイクロ発光ダイオードチップ50が回路基板11上で配列されるべき配列間隔および配列パターンと同一となっている。また、図示された例では、マイクロ発光ダイオードチップ50として、第1発光ダイオードチップ50Rが、保持部材30に保持されている。
保持部材30は、複数のマイクロ発光ダイオードチップ50を保持することができる部材である。図6は、本発明の保持部材30の一部を示す縦断面図であり、図7は、保持部材30の一部を示す平面図である。図6及び図7に示すように、保持部材30は、基材31と、基材31の一方の面上に設けられた突出部33と、各突出部33の先端に設けられた粘着層35と、を有している。
基材31は、複数の突出部33を適切に支持する部材である。基材31は、後述する保持部材30にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させる工程において、マイクロ発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40と保持部材30との位置決めするための位置決め手段を有している。図2に示す例では、位置決め手段は、十字型の位置決めマークM2である。ただし、十字型の位置決めマークM2は例示に過ぎず、例えば四角形、三角形、丸等の種々の位置決めマークM2を用いることができる。位置決めマークM2は、保持部材30を一定の間隔で区画する領域ごとに基材31の一方の面上に複数設けられている。また、位置決めマークM2の観察を容易にするために、基材31は、透明であることが好ましい。
なお、透明とは、当該基材を介して当該基材の一方の側から他方の側を透視し得る程度の透明性を有していることを意味しており、例えば、30%以上、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有していることを意味する。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm~780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
基材31の平面視における面積は、後述する複数のマイクロ発光ダイオードチップ50を有するチップ基板40より大きくなっている。具体的には、基材31の平面視における面積は、176cm以上となっていることが好ましい。また、転写部材20の平面視における寸法が回路基板11の平面視における寸法以上となるよう、基材31の平面視における寸法は、回路基板11の平面視における寸法以上であることが好ましい。
基材31の厚さは、透明性や、突出部33の適切な支持性等を考慮すると、0.5mm以上3mm以下の厚みを有していることが好ましい。また、後述する発光基板10の製造工程において基材31の変形を防止するために、基材31の剛性が高いことが好ましい。また、基材31は、熱によって変形しにくいことが好ましい。具体的には、基材31の線膨張係数が10×10-5/K以下であることが好ましく、5×10-5/K以下であることがより好ましい。このような基材31の材料としては、例えばアクリル樹脂やガラスを挙げることができる。
突出部33は、後述する粘着層35を介して、マイクロ発光ダイオードチップ50を保持する部分である。突出部33は、基材31上において保持部材30がマイクロ発光ダイオードチップ50を保持する位置に設けられている。すなわち、突出部33は、回路基板11のマイクロ発光ダイオードチップ50が配置される位置に対応した位置に設けられている。突出部33の平面視における寸法は、マイクロ発光ダイオードチップ50の寸法以下であることが好ましい。図示された例では、突出部33の平面視における寸法は、マイクロ発光ダイオードチップ50の寸法に等しくなっている。
突出部33は、基材31の一方の面上に、規則的に二次元配列されている。突出部33の規則的な二次元配列は、回路基板11上に規則的に二次元配列される複数のマイクロ発光ダイオードチップ50に対応している。言い換えると、突出部33の配列間隔および配列パターンは、回路基板11上で配列されるべき複数のマイクロ発光ダイオードチップ50の配列間隔および配列パターンと同一となっている。突出部33は、第1方向d1にピッチp1xで配列されており、第1方向d1に非平行な第2方向d2にピッチp1yで配列されている。なお、図示された例において、第1方向d1と第2方向d2は、互いに直交している。ピッチp1x、p1yは、例えば50μm以上870μm以下である。
突出部33は、基材31の板面の法線方向に突出している。突出部33が基材31から突出している長さLは、マイクロ発光ダイオードチップ50の厚さより大きいことが好ましく、例えば0.1μm以上100μm以下である。また、突出部33は、柔軟性を有している。具体的には、突出部33のヤング率は、10GPa以下であることが好ましく、5GPa以下であることがより好ましい。このような突出部33は、例えばアクリル樹脂からなり、フォトリソグラフィ技術やインプリント技術を利用して、形成することができる。
粘着層35は、突出部33にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができるよう、突出部33の先端に設けられている。粘着層35は、粘着性を有している。粘着層35の粘着性は、例えば加熱、冷却又は紫外線照射によって、低下させることができる。なお、本明細書において、粘着性とは、粘り着く性質のことであり、接着性と区別しない。粘着層35の材料としては、例えばアクリル系粘着剤が用いられる。粘着層35の厚さは、例えば0.1μm以上100μm以下である。
次に、保持部材30にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させる方法、すなわち転写部材20の製造方法について、図8乃至図15を参照しつつ説明する。以下の説明では、一例として、保持部材30に第1発光ダイオードチップ50Rを保持させる方法について説明する。
まず、図8に示すように、一方の面上にダイシングされた複数のマイクロ発光ダイオードチップ50(第1発光ダイオードチップ50R)を有するチップ基板40を用意する。チップ基板40は、ダイシングされたウエハ自体であってもよいし、ダイシングされたウエハからマイクロ発光ダイオードチップ50を仮転写した基板であってもよい。チップ基板40は、チップ基材41と、チップ基材41上に配置された複数のマイクロ発光ダイオードチップ50と、を有している。また、チップ基板40は、保持部材30との位置決めするための位置決め手段を有している。図8に示す例では、位置決め手段は、十字型の複数の位置決めマークM3である。ただし、十字型の位置決めマークM3は例示に過ぎず、例えば四角形、三角形、丸等の種々の位置決めマークM3を用いることができる。
各マイクロ発光ダイオードチップ50は、チップ基材41の側に設けられた2つの電極51を有している。また、マイクロ発光ダイオードチップ50は、チップ基材41上において、第1方向d1にピッチp2xで配列されており、第1方向d1に非平行な第2方向d2にピッチp2yで配列されている。すなわち、マイクロ発光ダイオードチップ50は、ウエハを第1方向d1及び第2方向d2にダイシングすることで形成されている。なお、図示された例において、第1方向d1と第2方向d2は、互いに直交している。ピッチp2x、p2yは、例えば5μm以上200μm以下である。
ここで、チップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50の第1方向d1における配列のピッチp2xの整数倍が、保持部材30の複数の突出部33の第1方向d1における配列のピッチp1xとなっている。同様に、チップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50の第2方向d2における配列のピッチp2yの整数倍が、保持部材30の複数の突出部33の第2方向d2における配列のピッチp1yとなっている。突出部33の配列間隔および配列パターンが回路基板11上で配列される複数のマイクロ発光ダイオードチップ50の配列間隔および配列パターンと同一となっているため、チップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50の第1方向d1における配列のピッチp2xの整数倍が、回路基板11のあるマイクロ発光ダイオードチップ50(第1発光ダイオードチップ50R)の第1方向d1における配列のピッチの整数倍となっており、第2方向d2における配列のピッチp2yの整数倍が、回路基板11のあるマイクロ発光ダイオードチップ50(第1発光ダイオードチップ50R)の第2方向d2における配列のピッチの整数倍となっている。
次に、図9に示すように、チップ基板40のチップ基材41のマイクロ発光ダイオードチップ50が配置された側の面と、保持部材30の基材31の突出部33が配列された面と、を対面させる。その後、チップ基板40と保持部材30との位置決めを行う。位置決めは、保持部材30の基材31が有する位置決め手段と、チップ基板40が有する位置決め手段と、に基づいて行われる。具体的な例として、保持部材30の第1領域R1において基材31が有する位置決めマークM2と、チップ基板40が有する位置決めマークM3とを一致させることで、位置決めが行われる。位置決めマークM2とM3とが一致していることは、例えば、保持部材30の突出部33が配列された面とは逆側に配置されたカメラ80によって、確認することができる。基材31が透明であるため、保持部材30の突出部33が配列された面とは逆側から、基材31を介して、位置決めマークM2及びM3を確認することが可能である。
なお、チップ基板40と保持部材30との位置決めは、保持部材30の基材31が有する位置決め手段及びチップ基板40が有する位置決め手段のいずれか一方のみによって行われてもよい。
次に、図10に示すように、チップ基板40と保持部材30とを接近させて、チップ基板40を保持部材30に接触させる。チップ基板40が保持部材30に接触すると、チップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50が、保持部材30の第1領域R1内の複数の突出部33の先端に設けられた粘着層35に接触する。マイクロ発光ダイオードチップ50が粘着層35に粘着されることで、複数の突出部33が粘着層35を介してマイクロ発光ダイオードチップ50を保持する。すなわち、マイクロ発光ダイオードチップ50が、チップ基板40から保持部材30の第1領域R1内の複数の突出部33上に保持される。
ここで、突出部33が柔軟性を有しているため、具体的には突出部33のヤング率が10GPa以下、より好ましくは5GPa以下であるため、チップ基板40が保持部材30に接触すると、保持部材30の突出部33がチップ基板40と突出部33との接触面に垂直な方向に変形し得る。このため、チップ基板40を突出部33に接触させる接触圧力は、チップ基板40と接触している各突出部33に均一にかかる。言い換えると、突出部33の一部が高い接触圧力でチップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50と接触することを回避することができる。突出部33の一部が高い接触圧力でマイクロ発光ダイオードチップ50と接触すると、当該突出部33とマイクロ発光ダイオードチップ50との粘着力が、他の突出部33と他のマイクロ発光ダイオードチップ50との粘着力と異なるようになり、製造される転写部材20の取り扱いに不具合が生じたり、高い接触圧力によってマイクロ発光ダイオードチップ50が破壊されたりし得る。このため、突出部33の一部が高い接触圧力でマイクロ発光ダイオードチップ50と接触することは、回避されていることが好ましい。
図11は、図10に示すチップ基板40を保持部材30の第1領域R1内の複数の突出部33に接触させている状態を示す平面図である。チップ基板40と保持部材30とが位置決めされていること、及び突出部33の平面視における寸法がマイクロ発光ダイオードチップ50の寸法に等しくなっていることで、第1領域R1内の1つの突出部33に対して1つのマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができる。さらに、図11に示すように、保持部材30の複数の突出部33の第1方向d1における配列のピッチp1xがチップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50の第1方向d1における配列のピッチp2xの整数倍(図示された例では5倍)であることから、第1方向d1において第1領域R1内の全ての突出部33に対して1つのマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができる。同様に、保持部材30の複数の突出部33の第2方向d2における配列のピッチp1yがチップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50の第2方向d2における配列のピッチp2yの整数倍(図示された例では2倍)であることから、第2方向d2において第1領域R1内の全ての突出部33に対してそれぞれ1つのマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができる。
その後、図12に示すように、チップ基板40と保持部材30とを離間させた後、チップ基板40に対して保持部材30を相対移動させる。チップ基板40に対して保持部材30を相対移動させた後の位置は、基材31が有する位置決め手段及びチップ基板40が有する位置決め手段によって決定される。例えば、保持部材の第2領域R2において基材31が有する位置決めマークM2とチップ基板40が有する位置決めマークM3とを一致させることで、位置決めが行われる。なお、保持部材30の第2領域R2は、第1領域R1とは異なる領域であり、図示された例では、第1方向d1において第1領域R1に隣り合う領域である。
次に、図13に示すように、チップ基板40と保持部材30とを接近させて、チップ基板40を保持部材30に接触させる。チップ基板40保持部材30に接触すると、チップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50が、保持部材30の第2領域R2内の複数の突出部33の先端に設けられた粘着層35に接触する。第2領域R2内の粘着層35に接触するマイクロ発光ダイオードチップ50は、第1領域R1内の粘着層35に接触したマイクロ発光ダイオードチップ50とは異なる。複数の突出部33が粘着層35を介して複数のマイクロ発光ダイオードチップ50を保持する。すなわち、マイクロ発光ダイオードチップ50が、チップ基板40から保持部材30の第2領域R2内の複数の突出部33上に保持される。
図14は、図13に示すチップ基板40を保持部材30の第2領域R2内の複数の突出部33に接触させている状態を示す平面図である。チップ基板40と保持部材30とが位置決めされていること、突出部33の平面視における寸法がマイクロ発光ダイオードチップ50の寸法に等しくなっていること、及び保持部材30の突出部33の配列のピッチp1x、p1yがチップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50の配列のピッチp2x、p2yの整数倍であることから、第2領域R2内の全ての突出部33に対してそれぞれ1つのマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができる。
以上のように、チップ基板40に対して保持部材30を相対移動させる工程と、ある領域の突出部33にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させる工程と、を繰り返すことで、保持部材30の複数の領域の各突出部33に粘着層35を介してマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができる。図15に示すように、チップ基板40に対して保持部材30を、第1方向d1及び第2方向d2に相対移動させることで、保持部材30の全領域に亘って突出部33にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができる。以上の工程により、図5に示すような、保持部材30と複数のマイクロ発光ダイオードチップ50とを有する転写部材20が製造される。
上述した例では、マイクロ発光ダイオードチップ50として、第1発光ダイオードチップ50Rを保持部材30に保持させる方法について説明したが、第2発光ダイオードチップ50G及び第3発光ダイオードチップ50Bも、同様の工程によってそれぞれ別の保持部材30に保持させることができる。
次に、転写部材20を用いて回路基板11にマイクロ発光ダイオードチップ50を配置する方法、すなわち発光基板10の製造方法について、図16乃至図18を参照しつつ説明する。以下の説明では、一例として、第1発光ダイオードチップ50Rを回路基板11に配置する方法について説明する。
まず、図16に示すように、回路基板11の回路13が形成された側の面と、転写部材20のマイクロ発光ダイオードチップ50が保持された側の面と、を対面させる。その後、回路基板11と転写部材20との位置決めを行う。位置決めは、例えば回路基板11が有する位置決め手段と、転写部材20が有する位置決め手段と、に基づいて行われる。具体的な一例として、位置決めは、回路基板11が有する位置決めマークM1と、転写部材20の基材31が有する位置決めマークM2とを一致させることで、行われる。位置決めマークM1,M2が一致していることは、転写部材20のマイクロ発光ダイオードチップ50が保持された面とは逆側に配置されたカメラ90によって、確認することができる。基材31が透明であるため、転写部材20のマイクロ発光ダイオードチップ50が保持された面とは逆側から、基材31を介して、位置決めマークM1,M2を確認することができる。
なお、回路基板11と転写部材20との位置決めに用いられる基材31が有する位置決めマークM2は、チップ基板40と保持部材30との位置決めに用いられた位置決めマークと同一であってもよいし、チップ基板40と保持部材30との位置決めに用いられた位置決めマークとは異なる位置決めマークであってもよい。
次に、図17に示すように、転写部材20を回路基板11に押圧する。回路基板11と転写部材20とが位置決めされているため、回路基板11の回路13が設けられた位置にマイクロ発光ダイオードチップ50を押圧して、回路基板11の回路13にマイクロ発光ダイオードチップ50を電気的に接続させることができる。回路基板11のマイクロ発光ダイオードチップ50が配置される位置には、マイクロ発光ダイオードチップ50を回路基板11に接着するための異方性導電性接着層(図示せず)が形成されている。
ここで、突出部33が柔軟性を有しているため、具体的には突出部33のヤング率が10GPa以下、より好ましくは5GPa以下であるため、転写部材20を回路基板11に押圧すると、保持部材30の突出部33が回路基板11と突出部33との押圧面に垂直な方向に変形し得る。このため、転写部材20を回路基板11に押圧する圧力は、回路基板11に押圧されている各突出部33に均一にかかる。言い換えると、突出部33の一部に保持されたマイクロ発光ダイオードチップ50が高い圧力で回路基板11に押圧されることを回避することができる。突出部33の一部に保持されたマイクロ発光ダイオードチップ50が高い圧力で回路基板11に押圧されると、高い圧力によってマイクロ発光ダイオードチップ50が破壊されたりし得る。このため、突出部33の一部に保持されたマイクロ発光ダイオードチップ50が高い圧力で回路基板11に押圧されることは、回避されていることが好ましい。
転写部材20を回路基板11に押圧している状態で、異方性導電性接着層を加熱する。異方性導電性接着層が加熱されることで、回路基板11とマイクロ発光ダイオードチップ50とが接着される。また、異方性導電性接着層によれば、押圧方向に導電性を発現することができる。したがって、マイクロ発光ダイオードチップ50の各電極51を、押圧方向に対向する回路13と電気的に接続することができる。
ここで、転写部材20の基材31が熱によって変形しにくいため、具体的には基材31の線膨張率が10×10-5/K以下、より好ましくは5×10-5/K以下であるため、異方性導電性接着層が加熱される際に転写部材20が加熱されたとしても、回路基板11と転写部材20との位置決めがずれにくい。すなわち、転写部材20から回路基板11へマイクロ発光ダイオードチップ50を精度よく転写することができる。
また、転写部材20を回路基板11に押圧している状態で、粘着層35の粘着性を低下させる。すなわち、粘着層35に加熱する、冷却する又は紫外線を照射する。なお、加熱により粘着層35の粘着性を低下させる場合、上述した異方性導電性接着層を加熱する際の熱を利用してもよい。粘着層35の粘着性を低下させることで、マイクロ発光ダイオードチップ50を粘着層35から容易に剥離させることができる。
その後、図18に示すように、保持部材30を回路基板11から離間させて、保持部材30を除去する。以上の工程によって、転写部材20の保持部材30が保持する複数のマイクロ発光ダイオードチップ50が、回路基板11の回路13に電気的に接続するようにして、転写部材20の保持部材30から回路基板11に一括で転写、すなわちまとめて転写される。
上述した例では、マイクロ発光ダイオードチップ50として、第1発光ダイオードチップ50Rを回路基板11に一括で転写する方法について説明した。この工程と同様の工程を、第2発光ダイオードチップ50Gを保持する別の保持部材30及び第3発光ダイオードチップ50Bを保持するさらに別の保持部材30についても行うことで、回路基板11に3種のマイクロ発光ダイオードチップ50を配置された発光基板10が製造される。すなわち、フルカラーで発光することができる発光基板10を得ることができる。
なお、保持部材30の突出部33の突出している長さLがマイクロ発光ダイオードチップ50の厚さより大きくなっている。このため、転写部材20を用いて、例えば第1発光ダイオードチップ50Rを回路基板11に一括で転写した後に第2発光ダイオードチップ50Gを回路基板11に転写する場合でも、第2発光ダイオードチップ50Gの転写は、回路基板11に転写されている第1発光ダイオードチップ50Rによって阻害されにくい。
ところで、上述したように、特許文献1の粘着スタンプは、発光基板の製造工程において、ウエハから回路基板へのピックアンドプレイス工程に繰り返し使用されることで、粘着力が低下してしまうため、マイクロ発光ダイオードチップを回路基板に配置して発光基板を製造する生産性を高めにくい。一方、本実施の形態の保持部材30によれば、ウエハ自体又はウエハからマイクロ発光ダイオードチップを仮転写した基板であるチップ基板40から、保持部材30の複数の領域に、マイクロ発光ダイオードチップ50を保持させることができる。そして、保持部材30にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させた転写部材20を回路基板11に押圧することで、回路基板11にマイクロ発光ダイオードチップ50を転写することができる。このように、発光基板10の製造工程において、保持部材の粘着層35を介したマイクロ発光ダイオードチップ50の保持及び剥離は、1回のみ行われる。このため、粘着層35の粘着力が発光基板の製造中に低下することにはならないため、高い生産性で発光基板10を製造することができる。さらには、回路基板11にマイクロ発光ダイオードチップ50を一括で転写することができるため、発光基板10を簡易に製造することができ、発光基板10の生産性を高めることができる。
また、特許文献1の粘着スタンプを用いてピックアンドプレイス工程を繰り返すことは、粘着スタンプをウエハと回路基板との間で往復させることになるため、発光基板の生産に時間がかかり、生産性が低くなってしまう。一方、本実施の形態の転写部材20の製造方法及び発光基板10の製造方法によれば、チップ基板40に対して保持部材30を相対移動させることによって保持部材30にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させ、マイクロ発光ダイオードチップ50を保持した転写部材20を回路基板11に押圧することで、発光基板10を製造することができる。チップ基板40に対する保持部材30の相対移動は、粘着スタンプのウエハと回路基板との間の往復に比べて微小である。したがって、本実施の形態の転写部材20の製造方法及び発光基板10の製造方法によれば、発光基板10を製造する時間を短くすることができる。すなわち、高い生産性で発光基板10を製造することができる。
さらに、本実施の形態の保持部材30において、基材31は、位置決めマークM2を有している。この位置決めマークM2とチップ基板40が有する位置決めマークM3とによって、保持部材30へマイクロ発光ダイオードチップ50を高精度で保持させることができる。また、位置決めマークM2と回路基板11が有する位置決めマークM1とによって、転写部材20から回路基板11へマイクロ発光ダイオードチップ50を高精度で転写することができる。すなわち、高い生産性で発光基板10を製造することができる。
また、本実施の形態では、保持部材30の突出部33の配列のピッチp1x、p1yが基板のマイクロ発光ダイオードチップ50の配列のピッチp2x、p2yの整数倍となっている。このため、チップ基板40と保持部材30とが位置決めされることで、保持部材30の各突出部33に1つのマイクロ発光ダイオードチップ50を高精度で配置した転写部材20を製造することができる。この転写部材20を用いることで、高い生産性で発光基板10を製造することができる。
さらに、本実施の形態の保持部材30において、基材31の線膨張率が10×10-5/K以下、より好ましくは5×10-5/K以下である。基材31に熱による変形が生じにくいため、発光基板10の製造工程において、転写部材20が加熱されたとしても、回路基板11と転写部材20との位置決めがずれにくい。転写部材20から回路基板11へマイクロ発光ダイオードチップ50を精度よく転写することができる。すなわち、高い生産性で発光基板10を製造することができる。
また、本実施の形態の保持部材30において、突出部のヤング率が10GPa以下、より好ましくは5GPa以下である。突出部33が柔軟性を有しているため、転写部材20の製造工程においてチップ基板40が突出部33に接触する際、突出部33の一部が高い接触圧力でマイクロ発光ダイオードチップ50と接触してしまい、マイクロ発光ダイオードチップ50が破壊されることを回避することができる。また、発光基板10の製造工程において転写部材20を回路基板11に押圧する際、突出部33の一部が高い圧力でマイクロ発光ダイオードチップ50に押圧されてしまい、マイクロ発光ダイオードチップ50が破壊されることを回避することができる。すなわち、高い生産性で転写部材20及び発光基板10を製造することができる。
以上のように、本実施の形態の保持部材30は、複数のマイクロ発光ダイオードチップ50を保持する保持部材であって、基材31と、基材31の一方の面上に規則的に二次元配列された複数の突出部33と、突出部33の先端に設けられた粘着性を有する粘着層35と、を備える。このような保持部材30によれば、転写部材20の製造工程において、各突出部33に設けられた粘着層35は、マイクロ発光ダイオードチップ50を1回のみ保持する。また、発光基板10の製造工程において、各突出部33に設けられた粘着層35は、マイクロ発光ダイオードチップ50を1回のみ剥離される。このため、粘着層35の粘着力が転写部材20の製造時及び発光基板10の製造中に低下して、転写部材20の生産性及び発光基板10の生産性を低下させることになりにくい。すなわち、保持部材30にマイクロ発光ダイオードチップ50を配置された転写部材20を高い生産性で製造することができ、さらに、回路基板11にマイクロ発光ダイオードチップ50を配置された発光基板10を高い生産性で製造することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
例えば、図19に示すように、突出部33は、基部33aと、基部33a上に支持された複数の微細延出部33bと、を含んでいてもよい。図示されているように、各微細延出部33bは、基部33aより微細になっている。微細延出部33bは、基部33a上に二次元配列されている。各微細延出部33bが屈曲することができるため、微細延出部33bは、基部33aより高い柔軟性を有している。突出部33がこのような構成を有するmことで、突出部33は、より高い柔軟性を有することができる。このため、保持部材30にマイクロ発光ダイオードチップ50を保持させる際に、突出部33の一部が高い接触圧力でチップ基板40のマイクロ発光ダイオードチップ50と接触することを、より効果的に回避することができる。また、転写部材20を用いて回路基板11にマイクロ発光ダイオードチップ50を配置する際に、突出部33の一部に保持されたマイクロ発光ダイオードチップ50が高い圧力で回路基板11に押圧されることを、より効果的に回避することができる。すなわち、マイクロ発光ダイオードチップ50が破壊されることが、より効果的に回避される。
また、上述した実施の形態では、突出部33は、基材31上にフォトリソグラフィ技術やインプリント技術を利用して、形成されていた。しかしながら、突出部33は、基材31と一体的に形成されていてもよい。突出部33は、基材31を形成する材料をドライエッチングすることや、基材31と同一の材料で基材31上にインプリントすることで、基材31と一体的に形成することができる。突出部33が基材31と一体的に形成される場合、突出部33と基材31との間に界面が形成されないため、突出部33と基材31との剥離を効果的に抑制することができる。また、突出部33を基材31と一括で形成することができるため、突出部33を形成するコストを削減することができる。
さらに、突出部33は、粘着性を有していてもよい。突出部33が粘着性を有することで、突出部33の先端に設けられる粘着層35を省略することができる。したがって、粘着層35を設けるコストを削減することができる。
また、粘着層35は、突出部33の先端のみでなく、突出部33の間にも設けられていてもよい。さらには、粘着層35は、保持部材30の突出部33が形成された側の面の全体に設けられていてもよい。この場合、例えば保持部材30の突出部33が形成された側の面にコーティングすることによって、粘着層35を容易に設けることができる。
なお、上述した発光基板10は、表示装置1以外にも、例えば照明装置に用いられてもよい。
1 表示装置
5 表示面
7 拡散層
10 発光基板
11 回路基板
13 回路
20 転写部材
30 保持部材
31 基材
33 突出部
35 粘着層
40 チップ基板
50 マイクロ発光ダイオードチップ
50R 第1発光ダイオードチップ
50G 第2発光ダイオードチップ
50B 第3発光ダイオードチップ
51 電極
R1 第1領域
R2 第2領域
R3 第3領域
M1,M2,M3 位置決めマーク
P1x、P1y、P2x、P2y ピッチ

Claims (14)

  1. 複数の発光ダイオードチップを保持する保持部材であって、
    基材と、
    前記基材の一方の面上に規則的に二次元配列された複数の突出部と、
    前記突出部の先端に設けられた粘着性を有する粘着層と、を備え、
    前記突出部が前記基材から突出している長さは、当該保持部材が保持する前記発光ダイオードチップの厚さより大きく、
    前記突出部は、基部と、前記基部上に支持された複数の微細延出部と、を含んでいる、保持部材。
  2. 前記基材の平面視における面積は、176cm以上である、請求項1に記載の保持部材。
  3. 前記基材は、透明である、請求項1または2に記載の保持部材。
  4. 前記基材は、位置決めマークを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の保持部材。
  5. 前記基材の線膨張係数は、10×10-5/K以下である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の保持部材。
  6. 前記突出部のヤング率は、10GPa以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の保持部材。
  7. 前記粘着層の粘着性は、加熱、冷却又は紫外線照射によって低下する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の保持部材。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の保持部材と、
    各突出部に前記粘着層を介して保持された複数の発光ダイオードチップと、を備える、転写部材。
  9. ダイシングされた発光ダイオードチップを有するチップ基板を請求項1乃至7のいずれか一項に記載の保持部材に接触させて、複数の前記発光ダイオードチップを前記保持部材の第1領域内の複数の突出部上に保持させる工程と、
    前記チップ基板に対して前記保持部材を相対移動させる工程と、
    前記チップ基板を前記保持部材に接触させて、前記複数の前記発光ダイオードチップとは異なる他の複数の前記発光ダイオードチップを前記保持部材の前記第1領域とは異なる第2領域内の複数の突出部上に保持させる工程と、を備える、転写部材の製造方法。
  10. 前記チップ基板に対して前記保持部材を相対移動させる工程において、前記保持部材を相対移動させる位置は、前記チップ基板及び前記保持部材の少なくとも一方が有する位置決めマークに基づいて決定される、請求項9に記載の転写部材の製造方法。
  11. 前記保持部材の複数の前記突出部の配列のピッチは、前記チップ基板のダイシングされた前記発光ダイオードチップの配列のピッチの整数倍である、請求項9または10に記載の転写部材の製造方法。
  12. 請求項8に記載の転写部材の前記発光ダイオードチップが、回路基板の回路に電気的に接続するようにして、複数の前記発光ダイオードチップを前記転写部材の前記保持部材から前記回路基板に一括で転写する工程を備える、発光基板の製造方法。
  13. 前記転写部材から前記回路基板に前記発光ダイオードチップを転写する工程は、
    前記転写部材を前記回路基板に押圧して、前記発光ダイオードチップを前記回路に電気的に接続させる工程と、
    前記発光ダイオードチップを前記粘着層から剥離させる工程と、を含む、請求項12に記載の発光基板の製造方法。
  14. 前記転写部材から前記回路基板に前記発光ダイオードチップを転写する工程は、前記発光ダイオードチップを前記粘着層から剥離させる工程の前に、前記粘着層の粘着性を低下させる工程をさらに含む、請求項13に記載の発光基板の製造方法。
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