JP7223079B2 - 画像処理装置およびその制御方法、ならびに撮像装置 - Google Patents
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Description
(撮像装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100の機能構成例を示すブロック図である。デジタルカメラ100は動画および静止画の撮影ならびに記録が可能である。デジタルカメラ100内の各機能ブロックは、バス160を介して互いに通信可能に接続されている。デジタルカメラ100の動作は、主制御部151(中央演算処理装置)がプログラムを実行して各機能ブロックを制御することにより実現される。
ズーム制御部113は、ズームレンズ111を駆動するズームモータ112の動作を制御し、撮影レンズ101の焦点距離(画角)を変更する。
図2は、撮像素子141における画素の配置例を模式的に示す図であり、水平方向に4画素、垂直方向に4画素の16画素からなる領域を代表的に示している。撮像素子141の各画素には1つのマイクロレンズ210と、マイクロレンズ210を介して受光する2つの光電変換素子201、202とが設けられている。図2の例では水平方向に2つの光電変換素子201、202が配置されているため、各画素は撮影レンズ101の瞳領域を水平方向に分割する機能を有する。
表示部150は、RAM154のVRAM領域から表示用の画像データを読み出し、例えばLCDや有機ELディスプレイなどの表示装置に表示する。
また、デジタルカメラ100は、静止画撮影を行った場合、撮影結果をユーザが確認できるように、直前に撮影した静止画を一定時間表示部150に表示する。これらの表示動作についても、主制御部151の制御によって実現される。
記憶部155は、主制御部151が実行するプログラム、プログラムの実行に必要な設定値、GUIデータ、ユーザ設定値などを記憶する。例えば操作部156の操作により電源OFF状態から電源ON状態への移行が指示されると、記憶部155に格納されたプログラムがRAM154の一部に読み込まれ、主制御部151がプログラムを実行する。
図3は、追跡部161の機能構成例を示すブロック図である。追跡部161は照合部1610と、特徴抽出部1620と、距離マップ生成部1630とを有する。追跡部161は、指定された位置から追跡を行う画像領域(被写体領域)を特定し、被写体領域から特徴量を抽出する。そして、供給される個々の撮像画像内で、抽出した特徴量を用いて、前フレームの被写体領域と類似度の高い領域を被写体領域として探索する。また、追跡部161は1対の視差画像から距離情報を取得し、被写体領域の特定に利用する。
テンプレートマッチングは、画素パターンをテンプレートとして設定し、テンプレートとの類似度が最も高い領域を画像内で探索する技術である。テンプレートと画像領域との類似度として、対応画素間の差分絶対値和のような相関量を用いることができる。
T(i, j) = {T(0, 0), T(1, 0), ..., T(W-1, H-1)} (1)
S(i, j) = {S(0, 0), S(1, 0), ..., S(W-1, H-1)} (2)
図5(a)は被写体領域401とそのヒストグラム402の例を示す。ヒストグラムマッチングを行う場合、特徴抽出部1620からは色ヒストグラムに利用する色(色相)の情報が特徴量として照合部1610に供給される。色ヒストグラムのビン数をM(Mは2以上の整数)とすると、照合部1620が生成する色ヒストグラムp(m)402は以下の式(4)で表現できる。
p(m) = {p(0), p(1), ..., p(M-1)} (4)
なお、p(m)は正規化ヒストグラムであるものとする。この色ヒストグラムp(m)は、特徴量に含まれる色に対応するビンのみを有する。つまりビン数がMであるならば、特徴量として供給された色の数もMである。
q(m) = {q(0), q(1), ..., q(M-1)} (5)
なお、q(m)は正規化ヒストグラムであるものとする。また、この色ヒストグラムq(m)も、特徴量に含まれる色に対応するビンのみを有するヒストグラムである。
被写体追跡を実行する場合、一般には追跡の実行開始前に、ユーザに追跡対象となる画像中の位置を指定させる。例えば、撮影スタンバイ状態において、表示部150に表示されている画像内の位置を操作部156を通じてユーザに指定させることができる。例えば主制御部151は、表示部150がタッチディスプレイであればタップ操作された座標や、操作部156の操作を通じて画像上を移動可能なカーソルによって指定された位置の座標を取得する。特徴抽出部1620には主制御部151から指定位置の情報が入力される。
I(a) = -log2(Hin(a) / Hout(a)) (7)
ここでaはビンの番号を示す整数である。情報量I(a)の絶対値は、参照領域に含まれるそのビンに対応する色の画素数に対する、仮の被写体領域に含まれるそのビンに対応する色の画素数の割合が大きいほど小さくなる。すなわち、この情報量I(a)の値が小さいほど、この情報量I(a)に対応する色は、参照領域に含まれる割合よりも、仮の被写体領域に含まれる割合が大きく、仮の被写体領域の特徴的な色である可能性が高いと考えられる。特徴抽出部1620は全てのビンについて情報量I(a)を算出する。
図8および図9のフローチャートを用いて、本実施形態のデジタルカメラ100による、被写体追跡処理を伴う動画撮影動作に関して説明する。動画撮影動作は、撮影スタンバイ時や動画記録時に実行される。なお、撮影スタンバイ時と動画記録時とでは取り扱う画像(フレーム)の解像度など、細部において異なるが、被写体追跡に係る処理の内容は基本的に同様であるため、以下では特に区別せずに説明する。
S802で主制御部151は各部を制御し、1フレーム分の撮像処理を実行して処理をS803に進める。なお、ここでは1組の視差画像と、1画面分の撮像画像とが生成され、RAM154に格納される。
次に、図9のフローチャートを用いて、S803における被写体追跡処理の詳細について説明する。
S901で追跡部161は、被写体追跡の開始指示が検出されたか否かを判定し、開始指示があったと判定されればS902へ、判定されなければS906へ、処理を進める。なお、開始指示は例えば操作部156からの追跡位置の指定入力であってよい。指定された位置の情報は主制御部151から通知される。この時点では、指定された位置の距離情報が得られていなかったり、指定された位置が非合焦のため距離情報の信頼性が低かったりする可能性が高い。そのため、指定された位置について焦点検出処理が行われた後とは処理内容を異ならせている。
追跡された被写体領域のデフォーカス量が所定の閾値以下になれば、被写体領域について信頼性の高い距離情報が取得できる。このような場合は、S901、S906、S907、S908、S905の手順で処理される。
色情報だけでなく、信頼性の高い距離情報も用いて被写体領域が特定されるようになったら被写体領域および特徴量を更新し、以後の追跡処理においては更新した特徴量を用いる。この場合は、S901、S906、S905の手順で処理される。
第1の実施形態では、信頼性が高い距離情報と色情報に基づいて特定した被写体領域から特徴量を抽出できた場合、特徴量を更新しない。これにより、ドリフトの蓄積を回避できたり、オクルージョンに強い被写体追跡が実現できる。一方で、例えば、被写体の存在する環境が変化した場合など、被写体の輝度や色相が特徴量を抽出したときから変化した場合に被写体の追跡精度が低下することがある。
図10の、S1001~S1003およびS1005~S1006は、図8のS801~S805と同じである。本実施形態では、S1003で被写体追跡処理を行った後、S1004で特徴量更新処理を行う点が第1の実施形態と異なる。
S1101で、追跡部161(特徴抽出部1620)は、照合処理(S905)で探索された被写体領域と、得られている距離情報とから、被写体領域とその周辺領域の距離情報の差異が大きいか否かを判定する。
T(i, j) = Tpre(i, j)×α + Tnow(i, j)×(1-α) , 0 ≦α≦1 (8)
ここで、Tpre (i,j)が照合処理に用いた特徴量、Tnow (i,j)が新たな特徴量、T(i, j)が更新後の特徴量である。
p(m) = ppre(m)×α + pnow(m)×(1-α) , 0 ≦α≦1 (9)
ここで、ppre (m)が照合処理に用いた特徴量、pnow (m)が新たな特徴量、p(m)が更新後の特徴量を示す。
なお、上述の実施形態では撮影時に被写体追跡を行う場合について説明したが、距離情報が取得可能であれば、動画像の再生時においても同様の被写体追跡を行うことが可能である。この場合、動画像のフレームに記録されている距離情報を取得してもよいし、各フレームが1組の視差画像の形式で記録されていれば、視差画像から距離情報を生成し、視差画像を合成して再生用の動画フレームを生成すればよい。もちろん、他の方法で距離情報を取得してもよい。
Claims (8)
- 画像領域から特徴量を抽出する抽出手段と、
前記特徴量を用いて、前記画像領域と類似する領域を時系列的な複数の画像内で探索する探索手段と、を有し、
前記抽出手段は、
前記画像領域と類似する領域の周辺領域における距離情報のうち、前記画像領域と類似する領域における距離情報との差が近距離側および遠距離側において所定の範囲内である距離情報を有する領域が前記周辺領域に占める割合が閾値以上でない場合に、前記探索手段が探索に用いる前記特徴量を更新し、
前記割合が前記閾値以上の場合に、前記探索手段が探索に用いる前記特徴量を更新しないことを特徴とする画像処理装置。 - 前記抽出手段は、前記周辺領域における、前記画像領域と類似する領域における距離情報との差が近距離側および遠距離側において所定の範囲内である距離情報を有する領域の割合に応じて、前記探索手段が探索に用いる前記特徴量を更新する度合いを変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記抽出手段は、
前記割合が前記閾値以上でない場合に、前記探索手段が探索に用いた前記特徴量と、前記画像領域と類似する領域から抽出した特徴量との類似度を判定し、
前記類似度が低いと判定された場合に、前記探索手段が探索に用いる前記特徴量を更新し、
前記類似度が低いと判定されない場合に、前記探索手段が探索に用いる前記特徴量を更新しないことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置と、
前記探索手段が探索した、前記画像領域と類似する領域を含んだ領域について焦点検出を行う焦点検出手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。 - 合焦距離または露出を確定する操作が検出された場合、前記探索手段が探索に用いる前記特徴量が更新されやすくなるように、前記閾値を変更することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
- 撮影レンズの瞳領域を分割する機能を有する撮像素子と、
前記撮像素子から得られる視差画像から、前記距離情報を生成する生成手段と、
をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 抽出手段が、画像領域から特徴量を抽出する抽出工程と、
探索手段が、前記特徴量を用いて、前記画像領域と類似する領域を時系列的な複数の画像内で探索する探索工程と、を有し、
前記抽出工程では、
前記画像領域と類似する領域の周辺領域における距離情報のうち、前記画像領域と類似する領域における距離情報との差が近距離側および遠距離側において所定の範囲内である距離情報を有する領域が前記周辺領域に占める割合が閾値以上でない場合に、前記探索工程での探索に用いる前記特徴量を更新し、
前記割合が前記閾値以上の場合に、前記探索手段が探索に用いる前記特徴量を更新しないことを特徴とする画像処理装置の制御方法。 - コンピュータを、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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