JP7221020B2 - 太陽光選択吸収体 - Google Patents
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Description
かかる太陽光選択吸収体として、太陽光選択吸収層がβ‐FeSi2の層を備える形態に構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、600℃の基板上にFeSi2の層を成膜すると、当該FeSi2の層が、β‐FeSi2の層として成膜されることが記載されている。
つまり、大気の存在する環境下での使用とは、大気中や大気(酸素)が残存する真空中での使用を意味し、大気の存在する環境下で長時間に亘って使用できる太陽光選択吸収体が要望されている。
前記太陽光選択吸収層が、透明酸化物としての酸化アルミニウム、五酸化タンタル、二酸化ケイ素、五酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ハフニウムのいずれかにて形成される共鳴用透明酸化物層を前記太陽光選択吸収層と前記基板との積層方向に沿って並ぶ一対の白金層の間に位置させるMIM積層部を備える吸収制御部、及び、透明酸化物にて形成される入射用透明酸化物層の順に前記基板に近い側に位置させる形態で、前記吸収制御部及び前記入射用透明酸化物層を積層した状態に構成され、
前記共鳴用透明酸化物層の厚さが、4μm以下の波長を共鳴波長とする厚さである点にある。
そして、その発生した熱エネルギーにより、基板が高温状態に加熱されることになり、高温状態になった基板からの熱にて被加熱物を加熱することができる。
また、高温状態になる基板が輻射光を発することになるが、吸収制御部のMIM積層部における基板に隣接する白金層が、基板の輻射光を遮蔽して、基板の輻射光が吸収制御部の内部に透過すること(換言すれば放熱すること)を抑制することになる。
その結果、高温状態の大きな熱エネルギーを得ることができる太陽光を含む4μm以下の波長の光の吸収を促進して、高温状態の大きな熱エネルギーを適切に得られるのに対して、低温状態の熱エネルギーしか得ることができない4μmよりも大きな波長の光の吸収を抑えて、当該光の吸収による熱輻射(放熱)を抑制できる。
また、入射用透明酸化物層及び共鳴用透明酸化物層が、空気中の酸素が基板に向けて透過することを抑制するため、基板が酸化される材料にて形成される場合であっても、長時間に亘って、基板が酸化により劣化することが抑制されることになる。
したがって、太陽光選択吸収体は、大気の存在する環境下で長時間に亘って使用しても、光学特性を長時間維持できるものとなる。
つまり、太陽光選択吸収層と基板との積層方向に沿って3つ以上の白金層が設けられる場合には、隣接する白金層同士の間で太陽光を含む光を繰り返し反射させることに加えて、他の白金層を挟む形態で位置する白金層同士の間でも、太陽光を含む光を繰り返し反射させる作用が発揮されることになる。
但し、基板用密着層及び白金用密着層を形成するチタンは、全てが酸化チタンに変化するのではなく、白金層に密着する箇所のチタンは、酸化されることなく、白金層に密着するチタンの状態(金属状態)を継続することになる。
〔太陽光選択吸収体の基本構成〕
図1は太陽光選択吸収体Qの基本構成を示すものであって、太陽光選択吸収体Qは、太陽光選択吸収層Nが基板Kに積層された形態に構成されている。
太陽光選択吸収層Nが、吸収制御部Na及び透明酸化物にて形成される入射用透明酸化物層Nbの順に基板Kに近い側に位置させる形態で、吸収制御部Na及び入射用透明酸化物層Nbを積層した状態に構成されている。
共鳴用透明酸化物層Rの厚さが、4μm以下の波長を共鳴波長とする厚さに設定されている。
つまり、太陽光選択吸収体Qの基本構成においては、MIM積層部Mを構成する白金層P、共鳴用透明酸化物層R、及び、白金層P、並びに、入射用透明酸化物層Nbが、この記載順に、基板Kの上部に順次積層されている。
尚、以下の記載において、MIM積層部Mにおける基板Kに隣接する白金層Pを、第1白金層P1と呼称し、MIM積層部Mにおける入射用透明酸化物層Nbに隣接する白金層Pを、第2白金層P2と呼称する。
つまり、吸収制御部Naに入射された光のうちの4μm以下の波長の光が、太陽光選択吸収層Nと基板Kとの積層方向に沿って並ぶ一対の白金層P(第1白金層P1及び第2白金層P2)の間で繰り返し反射しながら、白金層P(第1白金層P1及び第2白金層P2)に繰り返し吸収されることになるため、4μm以下の狭帯域の波長の光の吸収率が増大することになる。
次に、太陽光選択吸収体Qの基本構成における構造例を説明する。以下に説明する構造例は、入射用透明酸化物層Nb及び共鳴用透明酸化物層Rを形成する透明酸化物がアルミナ(Al2O3)である。尚、基板Kは任意のものを使用できるが、基板Kの詳細は後述する。
さらに、層No5の入射用透明酸化物層Nbの膜厚(厚さ)が厚くなるほど、吸収率のスペクトルが長波長側に移動する傾向となる。
以下、第1白金層P1及び第2白金層P2の膜厚(厚さ)の好適範囲について説明を加える。
また、第1白金層P1の膜厚(厚さ)を厚くしていくと、だんだん輻射スペクトルが変化しなくなり、膜厚(厚さ)が60nmあたりから、ほぼ、輻射スペクトルが固定される。このように、第1白金層P1の膜厚(厚さ)の規定に上限は存在しない。
以上の結果により、第1白金層P1の膜厚(厚さ)の好適な範囲は、例えば、10nm以上である。
第2白金層P2の膜厚が、1.5nmよりも厚いと吸収率のピークが90%を超えるが、それより薄くなると、輻射率のピークが90%を超えなくなる。
第2白金層P2の膜厚が、19nmのときに吸収率のピークが90%となり、19nmよりも厚くなると、吸収率のピークが小さくなる。
以上の結果により、第2白金層P2の膜厚(厚さ)の好適範囲は、例えば、1.5nm以上18nm以下である。
以下、アルミナ(Al2O3)で形成される共鳴用透明酸化物層Rの厚さ(膜厚)の好適範囲について説明を加える。
この図14より、吸収率がピークとなる800nmの吸収率が90%以上となる共鳴用透明酸化物層Rの膜厚(厚さ)の下限は、60nmであることが分かる。
この図15より、共鳴用透明酸化物層Rの膜厚(厚さ)が1050nmよりも厚くなると、4000nmよりも長波域(遠赤外域)に吸収率のピークがでることが分かる。
以上の結果、4μm以下の波長を共鳴波長とする共鳴用透明酸化物層Rの厚さ(膜厚)の好適範囲は、透明酸化物がアルミナ(Al2O3)であるときには、60nm以上1050nm以下である。
好適範囲の下限は、
(材料毎の膜厚の下限(単位:nm))=-30.4n+108となる。なお、nは材料毎の屈折率である。
また、好適範囲の上限は、
(材料毎の膜厚の上限(単位:nm))=-600n+2030となる。なお、nは材料毎の屈折率である。
上述した基本構成においては、吸収制御部Naが、1つのMIM積層部Mを備える場合を例示したが、吸収制御部Naが、複数のMIM積層部Mを備えるようにしてもよい。
尚、複数のMIM積層部Mが備えられるとは、太陽光選択吸収層Nと基板Kとの積層方向に沿って並ぶ白金層Pを3つ以上設け、それら白金層Pにおける隣接するもの同士の間に、共鳴用透明酸化物層Rを位置させる形態を意味するものである。
構造5は、白金層Pとして、基板Kに隣接する第1白金層P1、入射用透明酸化物層Nbに隣接する第2白金層P2、及び、第1白金層P1と第2白金層P2の間に位置する第3白金層P3を備えている。
構造5は、入射用透明酸化物層Nb及び共鳴用透明酸化物層Rを形成する透明酸化物がアルミナ(Al2O3)である。尚、基板Kは任意のものを使用できるが、基板Kの詳細は後述する。
尚、図5には、上述した構造1の吸収スペクトルを併記する。
太陽光選択吸収体Qの上記基本構成及び基本構成の別形態においては、入射用透明酸化物層Nb及び共鳴用透明酸化物層Rを形成する透明酸化物がアルミナ(Al2O3)である場合を例示したが、透明酸化物としては、五酸化タンタル(Ta2O5)、二酸化ケイ素(SiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ハフニウム(HfO2)等を使用できる。
尚、アルミナ(Al2O3)及び酸化チタン(TiO2)は酸素拡散係数が小さいものであるから、放射用透明酸化物層Nb及び共鳴用透明酸化物層Rを形成する透明酸化物として特に好ましい。
太陽光選択吸収体Qの具体構成としては、図7に示すように、基板Kと吸収制御部Naにおける基板Kに隣接する白金層P(第1白金層P1)との間に、基板用密着層S1が積層され、また、MIM積層部Mにおける白金層P(第1白金層P1及び第2白金層P2)と共鳴用透明酸化物層Rとの間、及び、入射用透明酸化物層Nbと吸収制御部Naにおける入射用透明酸化物層Nbに隣接する白金層P(第2白金層P2)との間の夫々に、白金用密着層S2が積層されている構成である。
基板用密着層S1は高温状態になると、4μmよりも大きな波長(つまり、遠赤外光)の輻射光を放射することになるが、基板用密着層S1から放射される輻射光が、第1白金層P1によって遮蔽されるから、この点に関しては、基板用密着層S1の厚さ(膜厚)は厚くても問題ない。
但し、基板用密着層S1が厚すぎると、吸収制御部Naや基板Kが高温状態になった際に、チタン(Ti)が熱で動き回り、第1白金層P1の共鳴用透明酸化物層Rの存在側の表面に出てくる現象を発生する虞がある。このような現象が生じると、吸収制御部Naの熱輻射制御構造が崩れるので熱輻射の制御が難しくなる。
このような観点に鑑みると、基板用密着層S1の膜厚(チタンの膜厚)は、2nm以上15nm以下が望ましい。
白金用密着層S2の厚さ(膜厚)は、光学性および耐久性のふたつの観点で設定する必要がある。
すなわち、白金用密着層S2の厚さ(膜厚)が厚過ぎると光学的によくない。つまり、白金用密着層S2は高温状態になると、4μmよりも大きな波長(つまり、遠赤外光)の輻射光を放射することになるから、白金用密着層S2の厚さ(膜厚)が厚過ぎると、白金用密着層S2からの輻射光の強度が大きくなって、吸収制御部Naの吸収率が、4μmよりも大きな波長(つまり、遠赤外光)において、小さな吸収率となることに対して悪影響を与える。
但し、白金用密着層S2は、基板Kと薄膜とを密着させるのではなく、薄膜同士を密着させるものであるから、基板用密着層S1よりも薄くても密着効果が出る。
このような観点を鑑みると、白金用密着層S2の厚さ(膜厚)は、0.1nm以上10nm以下が望ましい。
尚、図9は、基板用密着層S1の厚さを7nm、第1白金層P1の厚さを150nm、共鳴用透明酸化物層Rの厚さを120nm、第2白金層P2の厚さを6nm、入射用透明酸化物層Nbの厚さを120nmとする場合において、白金用密着層S2の厚さ(膜厚)を変化させたものである。
この図9を考察すると、白金用密着層S2の厚さ(膜厚)が厚くなるほど、4μmよりも長波長側の遠赤外光の吸収率が増加することがわかる。
基板用密着層S1及び白金用密着層S2を形成するチタン(Ti)は、大気の存在する環境下における太陽光選択吸収体Qの使用によって、徐々に酸化されて酸化チタン(TiO2)に変化する可能性が高い。換言すれば、大気の存在する環境下において長時間に亘り太陽光選択吸収体Qが使用された状態においては、基板用密着層S1及び白金用密着層S2が、酸化チタン(TiO2)にて形成されていると見做すことができる。
図示は省略するが、基板用密着層S1を形成するチタンも、全てが酸化チタンに変化するのではなく、白金層P(第1白金層P1)に密着する箇所のチタンは、酸化されることなく、白金層P(第1白金層P1)に密着するチタンの状態(金属状態)を継続することになる。
尚、基板用密着層S1及び白金用密着層S2を形成する材料が酸化することを考慮すると、クロム(Cr)は酸化すると黒色になるので、酸化すると黒色になるクロムは、吸収制御の観点で密着層としては不適であり、酸化すると透明となる酸化チタン(TiO2)を形成するチタン(Ti)は吸収制御の観点で優れている。
従って、白金用密着層S2の厚さ(膜厚)はサブnm程度(1nm以下程度)にするのが望ましい。
図10は、実際に作製した太陽光選択吸収体Qを大気中で800℃に加熱して使用したときの吸収スペクトルの経時的変化を示すものである。
ちなみに、図10は、基板Kにサファイアを用い、基板用密着層S1の厚さを7nm、第1白金層P1の厚さを150nm、共鳴用透明酸化物層Rの厚さを120nm、第2白金層P2の厚さを6nm、入射用透明酸化物層Nbの厚さを120nmとし、白金用密着層S2の厚さを0.5nmとしたときの太陽光選択吸収体Qの吸収スペクトルを例示するものである。
成膜直後の吸収スペクトルと、24時間、120時間加熱後の吸収スペクトルとが異なるが、その理由は、加熱により、アルミナ(Al2O3)や白金(Pt)の結晶性が高まったことが原因と考えられる。
成膜直後の吸収スペクトルは、理論値(計算値)の吸収スペクトルと乖離しているが、加熱後の吸収スペクトルは、理論値(計算値)の吸収スペクトルと極めて近い値となっているので、加熱によって、アルミナ(Al2O3)や白金(Pt)の結晶性が高まることで、アルミナ(Al2O3)や白金(Pt)の光学定数が理論値に近づいたものと考えられる。
尚、本発明の太陽光選択吸収体Qの構成材料の融点は、白金(Pt)が、1768℃、アルミナ(Al2O3)が、2072℃、チタン(Ti)が、1668℃、酸化チタン(TiO2)が、1843℃であり、基板Kの融点にもよるが、本発明の太陽光選択吸収体Qの太陽光選択吸収層Nは、1400℃程度の温度まで耐久する。
高温状態になる基板Kの熱輻射光が、第1白金層P1にて遮蔽されて、吸収制御部Naへ透過しない点に鑑みると、基板Kの材料(母材)としては、石英(SiO2)、サファイア、ステンレス鋼(SUS)、カンタル、ニクロム、アルミニウム、シリコン等、様々な材料を用いることができる。
尚、基板Kにおける太陽光選択吸収層Nの存在側の表面は、乱反射しない程度の鏡面に形成されることになる。
基板用密着層S1は、上述の如く、チタン(Ti)にて構成されるが、基板Kを形成する材料の種類によって、その構成を少し変更する必要がある。
基板Kを形成する材料が、サファイアあるいはアルミナ(Al2O3)の場合には、基板用密着層S1は、上述の如く、チタン(Ti)のみにて構成する。
つまり、基板Kが金属や半導体の場合は、第1白金層P1/チタン(Ti)が基板Kと反応し、合金化して、輻射制御できなくなる虞がある。従って、合金化を防止する観点から酸化物の層を基板Kとチタン(Ti)の間に入れるのが良い。
図17に、構造5の太陽光選択吸収体Qの吸収スペクトルと太陽光スペクトルを示す。
この図から、構造5の太陽光選択吸収体Qは、太陽光スペクトルの全波長帯域に対して概ね80%以上の光吸収率を有することがわかる。
この図から、127℃、427℃、577℃における黒体の輻射スペクトルは、構造5の太陽光選択吸収体Qの吸収スペクトルのピーク波長付近の輻射率が低いことがわかる。なお、キルヒホッフの法則により、吸収率と輻射率は等しい。
加熱温度における利用可能な光吸収エネルギーPa(T)は、下記式(1)にて表すことができる。
Pa(T)=Ps‐Pr(T)・・・(1)
Psは、吸収した光エネルギー(太陽光を含む光のエネルギー)、Pr(T)は、加熱温度における太陽光選択吸収体Qからの熱輻射である。なお、大気中の温度計算は、外気温27℃、無風状態の仮定で行っている。
そして、Pa(T)=0となる加熱温度が平衡温度であり、図14の表2に示す加熱温度の値は、この平衡温度である。
また、本発明の太陽光選択吸収体Qは、大気中(大気の存在する環境下)において使用した場合も同様の効果を発揮する。尚、一般的な太陽光選択吸収材料は、高温に加熱されると酸化によって性能が劣化する。それに対し、本発明の太陽光選択吸収体Qは、先にも述べた通り酸化劣化しない。従って、本発明の太陽光選択吸収体Qは大気中(大気の存在する環境下)でも利用することができる。
この図からわかるように、低温時は、太陽光をすべて吸収できる黒体の方が太陽光選択吸収体Qよりも利用可能な光吸収エネルギーPaが大きい。つまり、太陽光選択吸収体Qは、黒体よりも太陽光スペクトルの吸収率が小さいために低温時は黒体の方が利用可能な光吸収エネルギーPaが大きい。
例えば太陽熱発電は、低温でも250℃、高温では、800℃という温度が求められる。このような高温で高い効率を得るには、黒体を用いる場合には、高い集光率が必要となる。本発明の太陽光選択吸収体Qの場合には、低い集光率で高い温度を得ることができる。
また、本発明の太陽光選択吸収体Qの場合には、水を加熱して蒸気を生成する際において、太陽光を含む光を集光せずとも大気中で100℃以上の蒸気をつくることもできる。
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記実施形態では、基板Kにおける太陽光選択吸収層Nが積層される側の面とは反対側の裏面が酸化しても、基板Kの厚さが厚ければ、太陽光選択吸収層Nに悪影響を与えることが無い点に鑑みて、基板Kにおける太陽光選択吸収層Nが積層される側の面とは反対側の裏面を、露出させる状態としたが、当該裏面に、酸化を抑制する酸化防止膜を積層するようにしてもよい。
N 太陽光選択吸収層
Na 吸収制御部
Nb 入射用透明酸化物層
M MIM積層部
P 白金層
R 共鳴用透明酸化物層
S1 基板用密着層
S2 白金用密着層
Claims (6)
- 太陽光選択吸収層が基板上に積層された太陽光選択吸収体であって、
前記太陽光選択吸収層が、透明酸化物としての酸化アルミニウム、五酸化タンタル、二酸化ケイ素、五酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ハフニウムのいずれかにて形成される共鳴用透明酸化物層を前記太陽光選択吸収層と前記基板との積層方向に沿って並ぶ一対の白金層の間に位置させるMIM積層部を備える吸収制御部、及び、透明酸化物にて形成される入射用透明酸化物層の順に前記基板に近い側に位置させる形態で、前記吸収制御部及び前記入射用透明酸化物層を積層した状態に構成され、
前記共鳴用透明酸化物層の厚さが、4μm以下の波長を共鳴波長とする厚さである太陽光選択吸収体。 - 前記吸収制御部が、前記MIM積層部を複数備える形態に構成されている請求項1に記載の太陽光選択吸収体。
- 前記基板と前記吸収制御部における前記基板に隣接する前記白金層との間に、基板用密着層が積層されている請求項1又は2に記載の太陽光選択吸収体。
- 前記MIM積層部における前記白金層と前記共鳴用透明酸化物層との間、及び、前記入射用透明酸化物層と前記吸収制御部における前記入射用透明酸化物層に隣接する前記白金層との間の夫々に、白金用密着層が積層されている請求項3に記載の太陽光選択吸収体。
- 前記基板用密着層及び前記白金用密着層が、チタンにて形成される請求項4に記載の太陽光選択吸収体。
- 前記共鳴用透明酸化物層及び前記入射用透明酸化物層を形成する透明酸化物が、酸化アルミニウム又は酸化チタンである請求項1~5のいずれか1項に記載の太陽光選択吸収体。
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