以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「本実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
〔1.本実施形態に係る情報処理の一例〕
以下、図1および図2を用いて、本実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1および図2は、本実施形態に係る情報処理の概要を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システムSYSは、事業者XシステムSYS-1と、A銀行システムSYS-2と、B銀行システムSYS-3と、事業者YシステムSYS-4とを含む。なお、図1は、本実施形態に係る情報処理システムSYSの一例を示しており、図1には示されていない他の事業者が運営および管理する事業管理システムが含まれていてもよい。
以下の説明において、事業者XシステムSYS-1を事業者Xと記載し、A銀行システムSYS-2を「A銀行」と記載し、B銀行システムSYS-3を「B銀行」と記載して説明する場合がある。
事業者XシステムSYS-1、A銀行システムSYS-2、B銀行システムSYS-3、及び事業者YシステムSYS-4は、ネットワークN-1(たとえば、図3参照)に接続される。事業者XシステムSYS-1、A銀行システムSYS-2、B銀行システムSYS-3、及び事業者YシステムSYS-4は、ネットワークN-1を通じて、相互に通信できる。
事業者XシステムSYS-1は、たとえば、所定の事業を営む事業者Xにより運営および管理される事業管理システムである。事業者XシステムSYS-1は、たとえば、単独のサーバ装置やワークステーション、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現される。なお、事業者Xは、事業者XシステムSYS-1の代わりに、たとえば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)や、ウェアラブル端末などの情報処理装置を利用してもよい。
また、事業者XシステムSYS-1は、所定の情報処理を実現する制御情報を事業者YシステムSYS-4から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語、Java(登録商標)等のプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語などにより記述される。なお、本実施形態では、事業者YシステムSYS-4から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
A銀行システムSYS-2は、事業者Xの取引銀行の1つであるA銀行により運営および管理される銀行システムである。A銀行システムSYS-2は、たとえば、単独のサーバ装置やワークステーション、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現される。
B銀行システムSYS-3は、後述する事業者Yの取引銀行の1つであるB銀行により運営および管理される銀行システムである。B銀行システムSYS-3は、たとえば、単独のサーバ装置やワークステーション、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現される。
たとえば、A銀行システムSYS-2およびB銀行システムSYS-3は、銀行口座の利用履歴として、各カード会社や、各種サービスの提供者による銀行口座からの引き落としに関する情報(たとえば、引き落とした金額や、引き落とした日時など)や、現在の口座情報(口座残高など)などを、銀行利用者に対応付けて管理する。なお、銀行利用者は、事業者Yにより提供されるデジタルマネーに関する各種サービスのサービス利用者である場合があり得る。
事業者YシステムSYS-4は、デジタルマネーに関する各種サービスを提供する事業を営む事業者Yにより運営および管理される事業管理システムである。事業者YシステムSYS-4は、デジタルマネーの残高を管理する管理システム100と、デジタルマネーのチャージ処理を実行するチャージシステム200と、本実施形態に係る情報処理装置の一例であるサービス提供装置300とを含む。なお、図1は、事業者YシステムSYS-4の一例を示しており、説明は省略するが、決済手段や決済サービスにおける決済処理を実行する決済システム(たとえば、サーバ装置)などが含まれていてもよい。
管理システム100、チャージシステム200、及びサービス提供装置300は、単独のサーバ装置やワークステーション、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現される。
管理システム100は、事業者Yが提供する電子決済サービスを利用するために、各サービス利用者が所有するデジタルマネーの口座(以下、「マネー口座」と称する。)に対する入出金を管理する。サービス利用者には、取引対象の提供者である事業者などのビジネスユーザや、事業者などから取引対象の提供を受ける一般消費者などの個人ユーザが含まれ得る。
チャージシステム200は、サービス利用者からのチャージ指示に従って、マネー口座間においてデジタルマネーの移動を行うことで、マネーチャージを実現する。なお、デジタルマネーとは、たとえば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨などであってもよく、日本円やドルなどの国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
サービス提供装置300は、上述した管理システム100及びチャージシステム200と連携して、事業者Yがサービス利用者に提供するデジタルマネー(たとえば、電子マネー)に関する各種サービスに関する処理を実行する。
上述した各種サービスは、決済手段や決済サービスのように、商品の購入や役務の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものに限定されるものではない。たとえば、上述した各種サービスは、複数の利用者が有する口座間の送金に関する機能を有していてもよい。すなわち、上述した各種サービスは、サービス利用者や店舗など、デジタルマネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間におけるデジタルマネーの送受信を制御するサービスを含んでよい。すなわち、本実施形態に係る各種サービスは、デジタルマネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、サービス提供装置300は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現するサーバ装置などの情報処理装置であってもよい。
また、事業者Yが提供するデジタルマネーに関する各種サービスには、サービス利用者に対して、事業者Yが保有する口座と1対1に紐付く法人アカウントを提供する法人アカウントサービスと、デジタルマネーを所定のアカウントにチャージするマネーチャージサービスとが含まれる。これらのサービスは、一体不可分の組合せで提供される。
法人アカウントには、サービス利用者に付与される法人アカウントに紐付くメインウォレットとサブウォレットとが含まれている。メインウォレットは、デジタルマネーの入金(残高の加算)と、デジタルマネーの出金(残高の払出)を受け付ける。サブウォレットは、サービス利用者からのチャージ指示に応じたチャージ指示取引に充当するチャージ予定額の割り当てを受け付ける。なお、チャージ指示取引に対する充当は、たとえば、取引単位で行われる。チャージ取引単位は、法人アカウントにおけるサブウォレットに紐付くマネーチャージサービスの単位を意味する。具体的には、チャージ指示は、サブウォレットの接続先になっているサービスシステム側(たとえば、サブウォレットに紐付くマネーチャージサービスを提供するサービスシステム側)に向かって行うことが想定される。つまり、サービスシステム側がチャージ指示を受け取り、そのチャージ指示取引の充当をサブウォレット内で行うことが想定される。よって、このアクション(サブウォレット内でチャージ指示取引の充当を行うアクション)の前段で、対象金額(チャージ指示において指定された金額)がメインウォレットからサブウォレットに移動される(割り当てられる)ことになる。これに伴い、チャージ指示取引に充当するための原資の入金指示についてもチャージ取引単位で行われる。
マネーチャージサービスには、サービス利用者が従業員に対して給与をデジタルマネーで支払うサービスや、サービス利用者が従業員に対して出張費用や飲食代などの経費をデジタルマネーで支払うサービスなどの各種マネーチャージサービスが準備されている。サービス利用者は、各種マネーチャージサービスを適宜選択して利用できる。サービス利用者が選択したマネーチャージサービスは、サービス利用者に提供される法人アカウントに紐付けられる。
以下、事業者Xが、事業者Yにより提供されるサービスのサービス利用者である場合を題材として、事業者YシステムSYS-4により実行される情報処理について事例を交えつつ説明する。
図1に示すように、事業者Xは、事業者XシステムSYS-1を操作し、チャージ指示を事業者YシステムSYS-4に送信する(ステップS1)。
事業者Xにより送信されるチャージ指示は、「チャージ先ID」の項目と、「予定額」の項目と、「予定日」の項目と、「名目」の項目とで構成される。「チャージ先ID」の項目には、チャージ先のアカウントを示す情報が記録される。「予定額」の項目には、チャージ先へのチャージ予定額を示す情報が記録される。「予定日」の項目には、チャージ先へのチャージ予定日を示す情報が記録される。「名目」の項目には、チャージの名目を示す情報が記録される。
図1に例示されるチャージ指示には、3つのチャージ指示が含まれている。たとえば、1つ目のチャージ指示は、アカウント:「U#001」をチャージ先として、「給与」というチャージの名目で、チャージ予定日を「2021(年)/9(月)/27(日)」に指定し、チャージ予定額を「300,000円」に指定したチャージ指示である。また、2つの目のチャージ指示は、アカウント:「U#002」をチャージ先として、「給与」というチャージの名目で、チャージ予定日を「2021(年)/9(月)/27(日)」に指定し、チャージ予定額を「300,000円」に指定したチャージ指示である。また、3つ目のチャージ指示は、アカウント:「U#003」をチャージ先として、「経費」というチャージの名目で、チャージ予定日を「2021(年)/9(月)/30(日)」に指定し、チャージ予定額を「400,000円」に指定したチャージ指示である。なお、図1では、事業者Xが1つのチャージ指示で複数の名目のマネーチャージを依頼する例を示しているが、事業者Xは名目ごとに個別にマネーチャージを依頼してもよい。
一方、サービス提供装置300は、事業者Xからチャージ指示を受信すると、受信したチャージ指示をチャージシステム200に登録する(ステップS2)。サービス提供装置300は、事業者Xのチャージ指示がチャージシステム200により処理されるまでの間、このチャージ指示を一時的に保有できる。
また、サービス提供装置300(事業者Y)は、チャージ指示の受信に応じて、チャージ指示取引に充当するための原資の入金先として、事業者YがB銀行から貸し出しを受けたワンタイム口座の情報(口座番号)をチャージ指示の送信元である事業者Xに通知する。このとき、サービス提供装置300(事業者Y)は、ワンタイム口座の口座番号と、事業者Xのメインウォレットとを予め紐付けておく。なお、ワンタイム口座は、事業者Y名義で契約している事業者Yの仮想的な口座である。このワンタイム口座を用いることにより、チャージ指示取引に充当するための原資となる残高を銀行振込でデポジットすることができる。また、ワンタイム口座を利用する結果、事業者Yは、チャージ指示に対応する原資の入金を容易に特定でき、消込作業を効率化できる。なお、事業者Yは、チャージ指示において指定されたチャージ予定額の総額をマネーチャージに必要な入金額として事業者Xに通知するための電子的な請求書に発行し、発行した請求書の中にワンタイム口座の情報を含めてもよい。また、事業者Yは、B銀行から複数のワンタイム口座の貸し出しを受けることが可能である場合、チャージ指示に含まれる名目ごとに異なるワンタイム口座の情報を事業者Xに通知してもよい。このとき、事業者Yは、チャージ指示に含まれる所定の名目(たとえば、給与)と、それ以外の項目とで、チャージ指示取引に充当するための原資の入金先とするワンタイム口座を使い分け、それぞれ異なる口座の情報を通知してもよい。ここで、サービス提供装置300は、サービスごとにワンタイム口座とサブウォレットの使い分けを行う。たとえば、サービス提供装置300は、チャージ指示の名目が給与である場合(給与チャージサービスを利用する場合)、ワンタイム口座AC-1とサブウォレットWR-1を使用し、チャージ指示の名目が給与以外の目的Qである場合、ワンタイム口座AC-2とサブウォレットWR-2を使用し、チャージ指示の名目が給与以外の目的Rである場合、ワンタイム口座AC-2とサブウォレットWR-3を使用する。つまり、チャージ指示の名目が給与以外の目的である場合、同一のワンタイム口座AC-2が利用される。
一方、事業者Xは、チャージ指示の送信後、事業者XシステムSYS-1を通じて、A銀行システムSYS-2に対し、チャージ指示取引に充当するための原資の入金指示を送信する(ステップS3)。入金指示には、事業者Yから入金先として通知されたB銀行のワンタイム口座を特定するための口座番号(たとえば、「OBAC#111」)と、入金額(たとえば、「1,000,000円」)の情報とが含まれる。図1では、事業者Xは、チャージ指示取引に充当するための原資(チャージ予定額の総額)として、チャージ指示に含まれる複数の名目に対応するチャージ予定額の総額を一括して入金するための入金指示が送信される例を示している。なお、事業者Xは、チャージの名目ごとにチャージ指示を行う場合、チャージ指示ごとにチャージ指示取引に充当するための原資(チャージ予定額の総額)を逐次入金してもよい。たとえば、事業者Xは、給与を名目とするチャージ指示を行った後、給与を名目とするチャージ指示取引に充当するための原資(たとえば、「600,000円」)を入金するための入金指示を送信してもよい。また、たとえば、事業者Xは、給与を名目とするチャージ指示とは別に、経費を名目とするチャージ指示を行い、経費を名目とするチャージ指示を行った後、経費を名目とするチャージ指示取引に充当するための原資(たとえば、「400,000円」)を入金するための入金指示を送信してもよい。
また、事業者Yは、事業者Xを含む各サービス利用者に対して、マネーチャージサービスを利用する際、チャージ指示(ステップS1)→入金指示(ステップS3)の手続き手順を遵守させるように契約を交わしてもよいし、利用規約を定めて各サービス利用者の承諾を得てもよい。これにより、後述するように、事業者Xにより入金された原資に対応するデジタルマネーの残高が事業者YシステムSYS-4において管理されたときに、このデジタルマネーの残高の使途を明確にできる。
一方、A銀行のA銀行システムSYS-2は、事業者Xから受信した入金指示に従って、入金指示において指定された金額(たとえば、「1,000,000円」)を、入金指示において指定されたワンタイム口座(たとえば、「OBAC#111」)へ入金する(ステップS4)。
一方、B銀行のB銀行システムSYS-3は、事業者Yに対して貸し出したワンタイム口座番号に対して、事業者Xを振込元とする入金を確認すると、入金があった旨を事業者Yに通知するための入金通知を事業者YシステムSYS-4に送信する(ステップS5)。
また、B銀行は、事業者Yに対して、チャージ指示取引に充当するための原資の入金先として、事業者Yに貸し出すワンタイム口座以外にも、事業者Y名義の口座を貸し出す。また、B銀行が事業者Yに対して貸し出す口座の中には、根質権が設定されるものがある。これは、B銀行が、事業者Yが倒産した際、給与を名目として事業者Xの口座に預け入れられた資金に根質権を設定することにより、サービス利用者Uの給与を補償するための措置である。B銀行は、給与を名目とする(給与を名目とするチャージ指示取引に対応する)ワンタイム口座への入金を確認すると、事業者Yに入金通知を行った後、このワンタイム口座の残高を根質権が設定されている事業者Y名義の口座に自動的に振り替えて管理する。また、B銀行は、給与以外を名目とする(給与以外を名目とするチャージ指示取引に対応する)ワンタイム口座への入金を確認すると、事業者Yに通知を行った後、このワンタイム口座の残高を根質権が設定されていない事業者Y名義の口座に自動的に振り替えて管理する。これにより、サービス提供装置300は、事業者Xが所定の名目(たとえば、給与)で事業者Y名義の口座に預け入れた預金を間接的に保護しつつ、安定したサービスを提供できる。この結果、事業者Xのサービス利用に対する心理的なハードルを下げることができ、デジタルマネーに関するサービスの利用を促進できる。
一方、管理システム100は、B銀行から入金通知を受信すると、事業者Xのメインウォレットに対して、入金通知により通知された金額に相当する所定の残高を加算する(ステップS6)。たとえば、管理システム100は、口座番号が「OBAC#111」のワンタイム口座に対して「1,000,000円」の入金があった旨の入金通知があった場合、ワンタイム口座に紐付くメインウォレットを特定し、特定したメインウォレットに対して「1,000,000円」の残高を加算(記帳)する。また、管理システム100は、メインウォレットに紐付くマネー口座に対して、「1,000,000円」相当のデジタルマネーの残高を加算する。なお、管理システム100は、メインウォレットに対する残高の加算(記帳)が完了した旨をサービス提供装置300に通知してもよい。
一方、サービス提供装置300は、事業者Xからチャージ指示が受け付けられた後、チャージ指示取引に充当するための原資の入金が確認されることを条件に、サブウォレットに対してチャージ予定額の割当を実行する(ステップS7)。たとえば、サービス提供装置300は、チャージ指示において指定されるチャージの名目に対応するサブウォレットに対して、チャージ指示において指定されたチャージ予定額を、メインウォレットに加算された所定の残高から割り当てて、サブウォレットに移動する。サブウォレットは、事業者Xが利用するマネーチャージサービスに対応して個別に設けられる。
具体的には、サービス提供装置300は、入金通知があったワンタイム口座に紐付くメインウォレットに対して、前述の原資に相当する所定の残高がメインウォレットに加算(記帳)されることを条件に、前述のサブウォレットに対し、前述のチャージ予定額を、所定の残高から割り当てる。具体的には、図1に示す例において、サービス提供装置300は、メインウォレットに加算された「1,000,000円」の残高から、給与マネーチャージ用のサブウォレットに対して「600,000円」相当を割り当てるとともに、経費マネーチャージ用のサブウォレットに対して「400,000円」相当を割り当てる。このように、サービス提供装置300は、チャージ指示が受け付けられた後の残高を取り扱うことにより、サブウォレットに割り当てるマネーの使途の明確性を担保できる。
一方、チャージシステム200は、予め規定されている所定の周期T1でサブウォレットを参照し、サブウォレットへの割当が確認できれば、サブウォレットに割り当てられているチャージ予定額をチャージ指示取引に充当する(ステップS8)。具体的には、チャージシステム200は、チャージ指示のうちチャージ予定日が近いものから順に、メインウォレットの残高をチャージ予定額に充当していく。
たとえば、図1に示す例では、チャージシステム200は、チャージ予定日が「2021(年)/9(月)/27(日)」である給与を名目とするチャージ指示に対して、チャージ予定額の充当を先に行うことになる。ここで、チャージシステム200は、仮に、メインウォレットの残高がチャージ予定額に満たないことが判明した場合、チャージ指示への充当を保留して、メインウォレットの残高が不足している旨を事業者Xに通知できる。また、チャージシステム200は、チャージ指示にチャージ予定額を充当した後、メインウォレットに紐づくマネー口座のデジタルマネーの残高のうちチャージ予定額に対応する金額をロックし、チャージ実行まで移動不可能な状態にする。
また、チャージシステム200は、事業者Xのチャージ指示に従って、チャージを実行する(ステップS9)。具体的には、チャージシステム200は、管理システム100において管理されているマネー口座の中から、チャージ先のアカウントに紐づくマネー口座を特定し、特定したマネー口座に対して、事業者Xの法人アカウントに紐づくマネー口座からチャージ予定額に対応するデジタルマネーを移動する。
たとえば、チャージシステム200は、チャージ予定日である「2021(年)/9(月)/27(日)」に、チャージ先のアカウント:「U#001」に紐づくマネー口座に対して、チャージ元である事業者Xのマネー口座からチャージ予定額:「200,000円」分のデジタルマネーを移動させる。また、チャージシステム200は、チャージ予定日である「2021(年)/9(月)/30(日)」に、チャージ先のアカウント:「U#002」に紐づくマネー口座に対して、チャージ元である事業者Xのマネー口座からチャージ予定額:「250,000円」分のデジタルマネーを移動させる。
サービス提供装置300は、チャージ指示取引に充当されなかったメインウォレットの残高を、法令(たとえば、資金決済法)に定められている滞留規制を順守可能な範囲内で予め規定される払出サイクルに従って事業者Xに払い出す(ステップS10)。たとえば、サービス提供装置300は、チャージ指示取引に充当するためのデジタルマネーの原資としてメインウォレットに加算された所定の残高のうち、チャージ指示取引に充当されずに残された残高を事業者Xに払い戻す。
具体的には、サービス提供装置300は、予め規定される所定の周期T2で事業者Xの払出サイクルについて確認を行い、払出サイクルへの到達を確認できると、続いて、事業者Xのメインウォレットに紐づくマネー口座の残高を確認する。そして、サービス提供装置300は、チャージ指示取引に充当されずに残された未充当の残高がマネー口座に存在する場合、B銀行に対して、事業者Xのマネー口座の残高に相当する金額の入金指示を送信する。入金指示には、残高の払出先を示す口座情報(口座番号)と、入金額の情報(残高に対応する金額の情報)とが含まれる。また、サービス提供装置300は、管理システム100に対して、事業者Xのマネー口座のデジタルマネーの残高を「0円」に更新するように更新指示を送信する。
B銀行は、事業者Yからの入金指示に従って、入金指示において指定された口座情報(口座番号)を入金先として、入金指示において指定された金額(たとえば、残高に対応する金額)を入金する。B銀行は、入金が完了した旨の通知を事業者YシステムSYS-4に送信してもよい。
また、管理システム100は、サービス提供装置300からの更新指示に従って、事業者Xのマネー口座のデジタルマネーの残高を更新する。このようにして、事業者YシステムSYS-4は、チャージ指示取引に充当されずにメインウォレットに残された残高を事業者Xに対して払い出す。
上述してきたように、事業者YシステムSYS-4において、本実施形態に係る情報処理装置の一例であるサービス提供装置300は、チャージ指示取引に充当されずにメインウォレットに残された残高を事業者Xに対して払い出す。これにより、サービス提供装置300は、滞留規制を順守しつつ、デジタルマネーに関する各種サービスをサービス利用者に提供でき、デジタルマネーに関するサービスの利用を促進できる。
また、事業者YシステムSYS-4は、サービス利用者からの要求に応じて、チャージ指示に応じて実行したデジタルマネーのチャージに関わる詳細情報を提供できる。
たとえば、図2に示すように、マネーチャージサービスを利用した事業者Xは、事業者YシステムSYS-4に対して、チャージに係る詳細情報を要求するためのチャージ明細要求を送信する(ステップS11)。図2では、事業者Xが「2021(年)/9(月)/23(日)」のチャージ指示に対応する明細情報を要求する例を示しているが、日付だけではなく、所望の期間の明細情報を一括して要求することもできる。
事業者YシステムSYS-4のサービス提供装置300は、事業者Xからチャージ明細要求を受信すると、チャージ明細要求に含まれるユーザIDに基づいて、チャージ明細要求に対応する明細情報を取得する(ステップS12)。そして、サービス提供装置300は、取得した明細情報を事業者XシステムSYS-1に送信し、明細情報を提供する(ステップS13)。
図2に示すように、事業者Xに提供される明細情報は、たとえば、明細情報J1、明細情報J2、及び明細情報J3の3つの明細情報で構成されている。明細情報J1には、チャージ指示に対応する原資の入金から、チャージ指示取引に充当されなかった残高の払出までの情報が記録されている。
たとえば、図2に示すように、明細情報J1には、チャージ指示取引に充当するための原資がB銀行に入金された入金日や、原資の入金額や、残高の払出日や、残高の払出金額の情報が含まれている。図2に示す場合、払出金額が0円であるので、払出日に記録された日付である「2021(年)/10(月)/1(日)」は、メインウォレットの残高を確認する処理が行われた日付に該当することとなる。
また、たとえば、図2に示すように、明細情報J2には、メインウォレットに加算された所定の残高からチャージ予定額がサブウォレットに割り当てられた割当日や、チャージ予定額を示す割当金額や、チャージの名目の情報が含まれている。
また、たとえば、図2に示すように、明細情報J3には、サブウォレットに割り当てられたチャージ予定額がチャージ指示取引に充当された充当日や、チャージが実行されたチャージ実行日の情報が含まれている。
このように、事業者Yは、チャージ指示に関わる入出金の流れを詳細に把握可能な明細情報をサービス利用者である事業者Xに提供できる。この結果、デジタルマネーに関するサービスの利用の促進を図ることができる。
以下、図3を用いて、給与チャージサービスを利用して、デジタルマネーによりサービス利用者に振り込まれた給与に対応する給与残高を保証するための仕組みの一例について説明する。図3は、本実施形態に係る給与残高の保証の仕組みの一例を説明するための説明図である。
(システム構成の一例)
図3に示す情報処理システムSYSには、サービス提供装置300の連携先のシステムとして、たとえば、上述の事業者XシステムSYS-1、及びB銀行システムSYS-3に加えて、ATMサービス事業者システムSYS-ASや、保証サービス事業者システムSYS-Gが含まれる。これらの装置及びシステムは、有線または無線により、ネットワークN-1(たとえば、図4参照)に接続される。これらの装置及びシステムは、ネットワークN-1を通じて、相互に通信できる。
ATMサービス事業者システムSYS-ASは、たとえば、ATM(Automatic Teller Machine)を通じて、給与として振り込まれたデジタルマネーなどを自由に引き出すためのサービスを、サービス利用者Uに提供する事業者ASにより運営および管理される情報処理システムである。ATMサービス事業者システムSYS-ASは、たとえば、サーバ装置などにより実現される。たとえば、ATMは、サービス利用者Uによる操作に従って、サービス利用者Uが指定する現金を払い出す。
保証サービス事業者システムSYS-Gは、デジタルマネーによりサービス利用者Uに振り込まれた給与に対応する給与残高を保証するための保証サービスを提供する事業者Gにより運営および管理される情報処理システムである。保証サービス事業者システムSYS-Gは、たとえば、サーバ装置などにより実現される。保証サービス事業者システムSYS-Gは、たとえば、給与チャージサービスを提供する事業者Yが破綻した場合、サービス利用者Uに対して給与残高に相当する保証金を送金する送金処理を実行する。
(契約関係について)
図3に示す場合、サービス提供装置300を管理する事業者Yは、サービス利用者Uとの間で、サービス利用契約への同意を条件とする給与チャージに関する契約を締結する。また、事業者Yは、サービス利用者Uとの間で、ATM出金に関する規約への同意を取得する。また、事業者Yは、サービス利用者Uと事業者Gとの間の給与残高の保証サービスの利用契約の取次を行う。なお、事業者Yと事業者Gは同一の事業者であってもよい。たとえば、事業者Gが銀行などの金融機関であり、保証サービスを提供する事業者Gを兼ねていてもよい。サービス利用者Uは、事業者Yを窓口として、事業者Gにより提供される保証サービスの利用契約を締結できる。
また、事業者Yは、保証サービスの利用要求をサービス利用者から受け付けた場合、保証サービスを提供する事業者Gに対して、保証サービスの利用契約に必要となる利用者情報を提供できる。事業者Yが事業者Gに提供する利用者情報には、給与残高に相当する保証金の振込先として、保証サービスの利用者により予め設定された金融機関の口座情報が含まれる。
また、事業者Yは、B銀行との間で、サービス利用者Uに対してデジタルマネーでチャージする給与の原資を入金するためのワンタイム口座の利用契約を締結する。また、事業者Yは、保証サービスを提供する事業者Gとの間で、給与残高の保証サービス取次の契約を締結する。事業者Yは、この契約に従って、保証サービスを提供する事業者Gに対し、保証サービスの利用に係る手数料(保証料)を支払う。また、締結に際して、保証の原資とする資金が入金される口座番号が事業者Yから事業者Gに共有されることで、事業者Gは事業者Yが破綻した際の原資とする口座の口座番号を保有することとなる。
また、図3に示す場合、サービス提供装置300を管理する事業者Yは、ATMサービス事業者システムSYS-ASを運営・管理する事業者ASとの間で、出金サービス利用の契約を締結する。この契約に従って、事業者Yは、事業者ASに対し、ATM出金分の手数料を支払う。
なお、図3に示す例において、B銀行と、事業者Gとは協業関係にあることを前提とするが、B銀行と事業者Gとが同一の事業者であってもよい。すなわち、B銀行が、保証サービスを提供する事業者Gを兼ねていてもよい。この場合、B銀行が、以下に説明する給与チャージのための原資が入金される事業者Y名義の入金集約口座の残高に対する根質権の設定が可能となる。
(資金の流れについて)
上記で説明したように、サービス提供装置300は、事業者Xの法人アカウントを通じて、事業者Xから給与を名目とするチャージ依頼分の入金を受け付ける。事業者Xからのチャージ依頼分の入金は、B銀行システムSYS-3の入金集約口座であるワンタイム口座の親口座(たとえば、図1に示す事業者Y名義口座(根質権))に入る。また、サービス提供装置300は、事業者Xからのチャージ依頼があると、事業者Xの親口座への着金に伴う入金通知に応じて、サービス利用者Uのユーザアカウントに紐付けて給与残高のチャージ(給与マネーチャージ)を実行する。また、上記で説明したように、サービス提供装置300は、事業者Xの法人アカウントを通じて、事業者Xに対し、滞留残高の払い戻しを実行する。
保証サービス事業者システムSYS-Gは、事業者Yとの間で、給与残高の保証サービス取次の契約を締結した際、B銀行に対して、入金集約口座であるワンタイム口座の親口座に対して根質権の設定を依頼する。親口座の口座番号は、事業者Yから共有され、事業者Yと関連付けてシステム内に記憶されている口座番号を用いる。また、保証サービス事業者システムSYS-Gを運営する事業者Gは、B銀行により根質権が設定された親口座の残高を担保として、保証サービスを実行する。
サービス提供装置300は、保証サービスの開始に伴い、サービス利用者Uに給与に対応するデジタルマネー残高である給与残高などの情報を保証する保証サービスを提供する事業者Gに対して、保証対象となる給与残高の情報を所定のタイミングで提供する。たとえば、サービス提供装置300は、バッチ処理などにより、所定のタイミングで各サービス利用者の給与残高を集計し、集計した残高情報を保証サービス事業者システムSYS-Gに送信する。
保証サービス事業者システムSYS-Gは、給与に対応するデジタルマネー残高である給与残高を保証する保証サービスの利用者であるサービス利用者Uにより予め登録された金融機関の口座に対して、給与残高に相当する保証金を送金する処理を実行する。たとえば、保証サービス事業者システムSYS-Gは、サービス提供装置300から定期的に提供される残高情報を最新の状態で管理する。また、たとえば、保証サービス事業者システムSYS-Gは、給与残高の保証を行う際、残高情報に基づいて、サービス利用者Uごとに給与残高を特定する。また、たとえば、保証サービス事業者システムSYS-Gは、予め給与に対応する資金が蓄えられている金融機関の口座であって、根質権が設定されている口座(たとえば、図1に示す事業者Y名義口座(根質権))から、各サービス利用者Uに支払う保証金の原資を取得し、取得した原資に基づいて、各サービス利用者Uに対し、給与残高に相当する保証金を送金する。
なお、上述の例では、事業者Xの法人アカウントを通じて、事業者Xから給与を名目とするチャージ依頼分の入金を受け付けて、受け付けた資金を保証サービスのための原資とする場合を説明した。この例には、特に限定される必要はなく、たとえば、サービス利用者Uに紐付くバーチャル口座(仮想口座)を通じて事業者Xから送金された資金が集約される入金集約口座の残高を保証サービスのための原資として利用してもよい。この場合、事業者Xが、たとえば、従業員であるサービス利用者Uに紐付くバーチャル口座に対して給与を入金する。事業者Yは、ワンタイム口座に対する入金通知を検知すると、それをトリガーとして、ワンタイム口座へ入金された金額を、給与として、ワンタイム口座に紐づく従業員のユーザアカウントに対応する残高を加算(チャージ)する。なお、事業者Xが給与としてワンタイム口座に入金した資金は、根質権が設定されている入金集約口座に集約され、管理される。
図3に示す場合、事業者Y名義の入金集約口座(親口座)に対して、事業者Xから入金された現金は、入金集約口座に対する根質権の設定により、事業者Xが自由に引き出して利用するとはできず、入金集約口座に蓄積されたままの状態となる。入金集約口座に対する根質権の設定は、サービス利用者Uの給与として給与マネーチャージされたデジタルマネー(以下、「給与マネー」と称する。)の保証を目的として、事業者Xの破綻に備えるためのものであるが、入金集約口座には保証不要の残高も含まれることになる。事業者Xによっては、事業運営のためのキャッシュフローなどを確保するため、入金集約口座に蓄積されたままの現金の資金利用を望む場合も十分に想定される。そこで、以下では、入金集約口座に集約される現金の流動性について改善するための情報処理の一例を説明する。
(保証対象特定処理(その1))
まず、図4を用いて、本実施形態に係る保証対象特定処理(その1)の概要について説明する。図4に、本実施形態に係る保証対象特定処理(その1)の一例を示す。図4に示す保証対象特定処理(その1)は、サービス提供装置300を処理主体として実行される。
図4に示すように、サービス提供装置300は、各サービス利用者の給与マネーの総額を示す情報を取得する(ステップS21)。また、サービス提供装置300は、B銀行から提供される所定のAPI(Application Programming Interface)を用いて、B銀行において事業者Yが所有する銀行口座であって、根質権が設定されている入金集約口座の残高を示す情報を取得する(ステップS22)。サービス提供装置300は、予め設定される一定期間(たとえば、月末ごと)に、上述のステップS21およびステップS22を実行できる。
また、サービス提供装置300は、給与マネーの総額を示す情報と、根質権が設定されている入金集約口座の残高を示す情報とに基づいて、入金集約口座の残高のうちの移動可能額(引出可能額)を算出する(ステップS23)。たとえば、サービス提供装置300は、給与マネーの総額に対して、予め設定された定数を乗算した値を用いて、移動可能額を算出する。具体的には、サービス提供装置300は、以下の式(1)を用いて、移動可能額を算出できる。
移動可能額=入金集約口座の残高-(給与マネーの総額×所定の定数)・・・(1)
上述の式(1)における「所定の定数」は、決済後に決済取り消しとなって給与マネーへ戻る返金額や、保証サービスを運営する事業者Gへ支払う必要のある保証料を、移動可能額から控除しておくための値である。「所定の定数」は、事業者Yにより任意に決定される。
移動可能額を算出後、サービス提供装置300は、算出した移動可能額を示す情報を、事業者Yにより予め登録されている連絡先へ通知し(ステップS24)、保証対象特定処理(その1)を終了する。たとえば、連絡先としてメールアドレスが登録されている場合、サービス提供装置300は、登録されているメールアドレスを送信先アドレスとし、本文に移動可能額の情報を記載した電子メールを作成し、送信する。なお、サービス提供装置300は、移動可能額を示す情報をシステム内部に保存しておき、システム管理ツールなどを通じて事業者Yから送信された移動可能額を示す情報の表示要求に応じて、システム管理ツールの画面上に表示させてもよい。
また、サービス提供装置300は、移動可能額を示す情報を表示するシステム管理ツールの画面を通じて、移動可能額の引出を要求する引出要求を事業者Yから取得できる。たとえば、システム管理ツールの画面に、B銀行システムSYS-3に対する移動可能額の引出要求を実施するための機能や、移動可能額の送金先とする銀行口座の指定を受け付けるための機能などを予め割り付けておくことができる。そして、この場合、サービス提供装置300は、システム管理ツールの画面を通じて、事業者Yからの引出要求を受け付けると、この操作に連動して送金先とする銀行口座の指定を事業者Yに対して要求する。なお、送金先の口座として、事業者Yにより予め送金先として登録されている銀行口座が自動的に設定されてもよい。そして、サービス提供装置300は、システム管理ツールの画面を通じて、事業者Yにより送金先とする銀行口座が指定されると、事業者Yの要求に応じた移動可能額の引出を実施するため、事業者Yにより指定された銀行口座を送金先とする送金要求をB銀行システムSYS-3に送信する。この送金要求には、移動可能額を示す情報と送金先の銀行口座を示す情報とが含まれる。なお、サービス提供装置300は、システム管理ツールの画面を通じて、事業者Yから、移動可能額を上限として、送金を要求する金額の指定を事業者Yから受け付けてもよい。また、サービス提供装置300は、B銀行が予め用意する移動可能額の引出用のAPIの提供を受けてもよい。この場合、サービス提供装置300は、送金要求をB銀行システムSYS-3に送信する代わりに、B銀行が予め用意する移動可能額の引出用のAPIを用いて、移動可能額の引出を実施できる。
また、保証対象特定処理(その1)において、サービス提供装置300は、B銀行システムSYS-3から、入金集約口座から引き出された金額の履歴を示す引出履歴を取得し、取得した引出履歴を管理してもよい。この場合、サービス提供装置300は、システム管理ツールなどを通じて事業者Yから送信された引出履歴の表示要求に応じて、システム管理ツールの画面上に表示させることにより、引出履歴の情報を提供してもよい。
また、保証対象特定処理(その1)において、サービス提供装置300は、各サービス利用者の給与マネーの利用実績に基づいて、給与マネーの現在の総額を推定し、推定した推定額に基づいて、移動可能額を算出してもよい。この場合、サービス提供装置300は、入金集約口座の残高から、上述の推定額に所定の定数を掛け合わせた値を減算することにより、移動可能額を算出する。
また、保証対象特定処理(その1)において、サービス提供装置300は、引出履歴に基づいて、ユーザにより指定された日時における移動可能額を予測してもよい。この場合、サービス提供装置300は、システム管理ツールなどを通じて、任意のタイミングで、予測した移動可能額を示す情報を提供してもよい。
(保証対象特定処理(その2))
次に、図5を用いて、本実施形態に係る保証対象特定処理(その2)の概要について説明する。図5に、本実施形態に係る保証対象特定処理(その2)の一例を示す。図5に示す保証対象特定処理(その2)は、B銀行システムSYS-3を処理主体として実行される。
図5に示すように、B銀行システムSYS-3は、入金集約口座の残高を示す情報を取得する(ステップS31)。また、B銀行システムSYS-3は、サービス提供装置300から、各サービス利用者の給与マネーの総額を示す情報を取得する(ステップS32)。B銀行システムSYS-3は、予め設定される一定期間(たとえば、月末ごと)に、上述のステップS31およびステップS32を実行できる。
たとえば、B銀行システムSYS-3は、情報処理システムSYSに設けられたデータ共有サーバ50が有する所定の共有フォルダから給与マネーの総額を示す情報を取得する。データ共有サーバ50は、B銀行システムSYS-3とサービス提供装置300との間でデータを共有するために設けられる。データ共有サーバ50は、サービス提供装置300から所定の共有フォルダにアップロードされた給与マネーの総額を示す情報を管理する。また、B銀行システムSYS-3は、サービス提供装置300とのデータ連携により、給与マネーの総額を示す情報を取得してもよい。B銀行システムSYS-3は、予め設定される一定期間(たとえば、月末ごと)に、上述のステップS31およびステップS32を実行できる。
また、B銀行システムSYS-3は、給与マネーの総額を示す情報と、入金集約口座の残高を示す情報とに基づいて、入金集約口座の残高のうちの移動可能額(引出可能額)を算出する(ステップS33)。たとえば、B銀行システムSYS-3は、上述の式(1)を用いて、給与マネーの総額に対して、予め設定された定数を乗算した値を用いて、移動可能額を算出する。B銀行システムSYS-3は、図4に示す例と同様に、上述の式(1)を用いて、移動可能額を算出できる。
移動可能額を算出後、B銀行システムSYS-3は、入金集約口座から、事業者Yにより予め設定された口座に対して、移動可能額の振替を実行する(ステップS34)。
そして、B銀行システムSYS-3は、事業者Yに対して、移動可能額の振替が完了した旨を通知して(ステップS35)、保証対象特定処理(その2)を終了する。たとえば、B銀行システムSYS-3は、事業者Yにより連絡先として登録されているメールアドレスを送信先アドレスとし、本文に移動可能額の振替が完了した旨の電子メールを作成し、送信する。また、たとえば、B銀行システムSYS-3は、事業者Yに提供するオンラインバンキングのプッシュ通知を用いて、移動可能額の振替が完了した旨を事業者Yに通知することもできる。
また、保証対象特定処理(その2)において、B銀行システムSYS-3は、事業者Yに提供するオンラインバンキングのウェブページを通じて、事業者Yに対して移動可能額を提供してもよい。たとえば、B銀行システムSYS-3は、オンラインバンキングのウェブに対する事業者Yの操作に従って、ウェブページ上に移動可能額を示す情報を表示する。また、B銀行システムSYS-3は、オンラインバンキングを通じた事業者Yの指示に従って、任意の口座に対し、移動可能額の資金移動(送金)を実行してもよい。
また、保証対象特定処理(その2)において、B銀行システムSYS-3は、サービス提供装置300から、各サービス利用者の給与マネーの利用実績に基づく給与マネーの現在の総額の推定結果を取得し、推定した推定額に基づいて、移動可能額を算出してもよい。この場合、B銀行システムSYS-3は、入金集約口座の残高から、上述の推定額に所定の定数を掛け合わせた値を減算することにより、移動可能額を算出する。
また、保証対象特定処理(その2)において、B銀行システムSYS-3は、事業者Yによる入金集約口座からの引出履歴を管理し、オンラインバンキングのウェブページを通じて、引出履歴の情報を事業者Yに提供してもよい。
また、B銀行システムSYS-3は、引出履歴の情報に基づいて、事業者Yにより指定された日時における移動可能額を予測してもよい。B銀行システムSYS-3は、予測した移動可能額を示す情報を、オンラインバンキングのウェブページに表示することにより、事業者Yに提供してもよい。
上述した保証対象特定処理(その1)および保証対象特定処理(その2)は、各サービス利用者の給与マネーの原資が集約される入金集約口座の残高から移動可能額を算出し、事業者Yに提供する場合に限られず、サービス利用者について保証が必要なデジタルマネーに対応する原資が銀行口座に蓄積される場合も同様に適用できる。たとえば、サービス提供装置300は、各サービス利用者のユーザアカウントに紐付けらているデジタルマネーの残高が保証対象であるか否かをサービス利用者ごとに記憶して管理しておく。そして、サービス提供装置300は、保証が必要なデジタルマネーの残高と、保証が必要なデジタルマネーに対応する原資が蓄積されている銀行口座の残高とに基づいて、銀行口座の残高からの移動可能額を算出し、算出した移動可能額を示す情報を事業者Yに提供する。なお、サービス利用者のユーザアカウントに紐付けらているデジタルマネーの残高が保証対象となるか否かは、保証サービス事業者と、サービス利用者とが利用契約を締結しているか否かにより決定される事項である。たとえば、サービス提供装置300は、サービス利用者の許諾を受けて、保証サービスを運営する事業者Gからサービス利用者の利用契約に関する情報を取得することにより、サービス利用者のユーザアカウントに紐付けられているデジタルマネーの残高が保証対象となるか否かを判断できる。また、サービス提供装置300は、サービス利用者から直接、保証サービスを運営する事業者Gとの利用契約に関する情報を取得してもよい。
〔2.装置構成例〕
以下、本実施形態に係る事業者YシステムSYS-4の構成について説明する。図6は、本実施形態に係る事業者Yシステムの構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、事業者YシステムSYS-4は、管理システム100と、チャージシステム200と、サービス提供装置300とを含む。
事業者YシステムSYS-4は、ネットワークN-1に接続される。事業者YシステムSYS-4は、ネットワークN-1を介して、事業者XシステムSYS-1や、A銀行システムSYS-2や、B銀行システムSYS-3や、ATMサービス事業者システムSYS-ASや、保証サービス事業者システムSYS-Gなどと相互に通信できる。ネットワークN-1は、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、ネットワークN-1は、たとえば、LAN(Local Area Network)、電話網(たとえば、携帯電話網や固定電話網など)、地域IP(Internet Protocol)網などの通信ネットワークを含んでもよい。ネットワークN-1には、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
(保証サービス事業者システムSYS-Gについて)
図7を用いて、本実施形態に係る保証サービス事業者システムSYS-Gについて説明する。図7は、本実施形態に係る保証サービス事業者システムSYS-Gの構成例を示す図である。
図7に示す保証サービス事業者システムSYS-Gは、通信部F-1と、記憶部F-2と、制御部F-3とを有する。
通信部F-1は、有線又は無線により、ネットワークN-1に接続される。通信部F-1は、ネットワークN-1を介して、事業者XシステムSYS-1や、B銀行システムSYS-3などとの間で情報の送受信を行う。通信部F-1は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
記憶部F-2は、制御部F-3による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部F-2は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。図7に示すように、記憶部F-2は、利用者情報記憶部F-21と、残高情報記憶部F-22とを有する。
利用者情報記憶部F-21は、保証サービスを利用するサービス利用者に関する利用者情報を記憶する。利用者情報には、給与残高に相当する保証金の振込先として、保証サービスの利用者により予め設定された金融機関の口座情報が含まれる。残高情報記憶部F-22は、保証対象となる給与残高の情報をサービス利用者ごとに記憶する。
制御部F-3は、保証サービス事業者システムSYS-Gの制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部F-3の各部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、保証サービス事業者システムSYS-Gの内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部F-3は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)などの集積回路により実現される。
図7に示すように、制御部F-3は、登録処理部F-31と、送金処理部F-32とを有する。制御部F-3は、図7に示す各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、説明は省略するが、制御部F-3の内部構成は、図7に示す各部に限られず、保証サービスに関するその他の機能や作用を実現または実行する各部を有していてもよい。
登録処理部F-31は、保証サービスを利用するサービス利用者に関する利用者情報の登録処理を実行する。たとえば、登録処理部F-31は、サービス提供装置300から送信される利用者情報を通信部F-1から取得し、取得した利用者情報をサービス利用者ごとに利用者情報記憶部F-21に登録する。利用者情報には、給与残高に相当する保証金の振込先として、保証サービスの利用者により予め設定された金融機関の口座情報が含まれる。その他、利用者情報には、サービス提供装置が定めている利用者のアカウントを識別する識別子が含まれていても良い。
また、登録処理部F-31は、保証対象となる給与残高の情報の登録処理を実行する。たとえば、登録処理部F-31は、サービス提供装置300から定期的に送信される残高情報を通信部F-1から取得し、取得した残高情報をサービス利用者ごとに残高情報記憶部F-22に登録する。また、登録処理部F-31は、サービス提供装置300から残高情報を取得すると、その都度、残高情報記憶部F-22に記憶されている残高情報を更新して、最新の状態で管理する。
送金処理部F-32は、給与に対応するデジタルマネー残高である給与残高を保証する保証サービスの利用者により予め登録された金融機関の口座に対して、給与残高に相当する保証金を送金する処理を実行する。たとえば、送金処理部F-32は、給与残高の保証を行う際、残高情報記憶部F-22に記憶されている残高情報に基づいて、サービス利用者ごとに給与残高を特定する。また、たとえば、送金処理部F-32は、給与に対応する資金が蓄えられている金融機関の口座であって、予め根質権が設定されている口座(たとえば、図1に示す事業者Y名義口座(根質権))から、各サービス利用者に支払う保証金の原資を取得する。そして、送金処理部F-32は、取得した原資に基づいて、各サービス利用者に対し、通信部F-1を通じて、給与残高に相当する保証金を送金する。
(管理システム100について)
管理システム100は、事業者Yが提供する電子決済サービスを利用するために、各サービス利用者が所有するマネー口座に対する入出金を管理する。サービス利用者には、取引対象の提供者である事業者などのビジネスユーザや、事業者などから取引対象の提供を受ける一般消費者などの個人ユーザが含まれ得る。管理システム100は、ビジネスユーザや個人ユーザなどが所有するマネー口座に関する口座情報を管理する。図8は、本実施形態に係る口座情報の概要を示す図である。
図8に示すように、管理システム100が管理する口座情報は、「口座ID」の項目や、「メインウォレットID」の項目や、「所有者ID」の項目や、「総残高」の項目などの複数の項目を有する。口座情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
「口座ID」の項目には、マネー口座を識別するために口座ごとに固有に割り振られる口座ID(識別情報)が記憶される。「メインウォレットID」の項目には、法人アカウントサービスにおいてサービス利用者に提供されるメインウォレットを特定するための識別情報が記憶される。
「所有者ID」の項目には、口座IDに紐付けられたマネー口座を所有する所有者を識別するために所有者ごとに個別に割り振られる所有者ID(識別情報)が記憶される。一例として、所有者IDには、電子決済サービスを利用する際にサービス利用者ごとに個別に割り振られるユーザIDがそのまま利用される場合が考えられる。「総残高」の項目には、マネー口座に保有されているデジタルマネーの総残高を示す情報が記憶される。
たとえば、図8に示す例によれば、口座ID:「AC#1」に紐づくマネー口座の所有者は、所有者ID:「U#001」が割り振られているサービス利用者であり、「50,000円」に相当する額のデジタルマネーがマネー口座に保有されることが示されている。
なお、「総残高」の項目は、デジタルマネーの管理方法に応じて、さらに細かく区分けされていてもよい。たとえば、「総残高」の項目を、「給与」の項目および「給与以外」の項目に区分けしてもよい。この場合、「給与」の項目は、「総残高」項目に記憶された総残高のうち、給与として入金されたデジタルマネーの残高を示す情報を記憶する。そして、「給与以外」の項目は、「総残高」項目に記憶された総残高のうち、給与以外の名目で入金されたデジタルマネーの残高を示す情報を記憶する。
また、「給与以外」の項目を、「通常」の項目および「利益」の項目などの項目にさらに区分けしてもよい。この場合、「通常」の項目は、マネー口座の所有者が自らチャージしたデジタルマネーの残高を示す情報を記憶する。たとえば、「通常」の項目に記憶される情報には、マネー口座に紐付けられたクレジットカードまたは銀行口座から入金されたデジタルマネーの残高を示す情報などが考えられる。また、たとえば、「利益」の項目に記憶される情報には、事業者Yがサービス利用者に提供する電子決済サービスを利用した際に決済金額に対してキャッシュバックされたデジタルマネーの残高を示す情報などが考えられる。
また、管理システム100は、サービス利用者(たとえば、事業者X)の入金指示に応じて実行された入金通知をB銀行システムSYS-3から受信すると、入金通知の内容に従い、サービス利用者(たとえば、事業者X)のメインウォレットに紐づくマネー口座に対して、所定の残高を加算する。たとえば、管理システム100は、B銀行から1,000,000円の入金があった旨の入金通知があった場合、メインウォレットに紐付くマネー口座に対して、1,000,000円相当のデジタルマネーの残高を加算する。そして、管理システム100は、チャージ指示の送信元であるサービス利用者のメインウォレットに対応する残高情報を更新する。
(チャージシステム200について)
チャージシステム200は、サービス利用者からのチャージ指示に従って、マネー口座間においてデジタルマネーの移動を行うことで、マネーチャージを実行する。チャージシステム200は、サービス利用者から取得されるチャージ指示情報を管理する。図9は、本実施形態に係るチャージ指示情報の概要を示す図である。
図9に示すように、チャージシステム200が管理するチャージ指示情報は、「チャージ元ID」の項目と、「チャージ先ID」の項目と、「予定額」の項目と、「予定日」の項目と、「名目」の項目とを有する。チャージ指示情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
「チャージ元ID」の項目には、チャージ指示の送信元であるサービス利用者のアカウント情報が記憶される。図9に示す例では、たとえば、チャージ指示の送信元を示すアカウント情報として、チャージ指示の送信元であるサービス利用者を識別するためにサービス利用者ごとに個別に割り振られているユーザID(識別情報)が用いられている。
「チャージ先ID」の項目には、チャージ指示によりデジタルマネーのチャージ先として指定されるサービス利用者のアカウント情報が記憶される。図9に示す例では、たとえば、チャージ先を示すアカウント情報として、チャージ先のサービス利用者に割り振られているユーザIDが用いられている。
「予定額」の項目には、チャージ指示により指定されたチャージ予定額の情報が記憶される。「予定日」の項目には、チャージ指示により指定されたチャージ予定額の情報が記憶される。「名目」の項目には、チャージ指示により指定されたチャージの名目(目的,使途)を示す情報が記憶される。
たとえば、図9に示す例によれば、「U#111」で識別されるチャージ元のアカウントから、「U#001」、「U#002」または「U#003」で識別される各アカウントをチャージ先とするチャージ指示が示されている。具体的には、「U#001」で識別されるアカウントをチャージ先として、「給与」の名目で、「2021(年)/9(月)/27(日)」を予定日とする「300,000円」分のデジタルマネーのチャージ指示と、「U#002」で識別されるアカウントをチャージ先として、「給与」の名目で、「2021(年)/9(月)/27(日)」を予定日とする「300,000円」分のデジタルマネーのチャージ指示と、「U#003」で識別されるアカウントをチャージ先として、「経費」の名目で、「2021(年)/9(月)/30(日)」を予定日とする「400,000円」分のデジタルマネーのチャージ指示が示されている。
また、チャージシステム200は、予め規定されている所定の周期(たとえば、図1に示す周期T1)でサブウォレットに割り当てられているチャージ予定額をチャージ指示取引に充当する。具体的には、チャージシステム200は、チャージ指示のうちチャージ予定日が近いものから順に、メインウォレットの残高からチャージ予定額を充当していく。
たとえば、図9に示す場合、チャージシステム200は、事業者Xの2つのチャージ指示のうち、チャージ予定日が「2021(年)/9(月)/27(日)」である給与を名目とするチャージ指示に対して、先にチャージ予定額の充当を行うことになる。ここで、チャージシステム200は、仮に、メインウォレットの残高がチャージ予定額に満たないことが判明した場合、チャージ指示への充当を保留して、メインウォレットの残高が不足している旨を事業者Xに通知できる。また、チャージシステム200は、チャージ指示にチャージ予定額を充当した後、メインウォレットに紐づくマネー口座のデジタルマネーの残高のうちチャージ予定額に対応する金額をロックし、チャージ実行まで移動不可能な状態にする。
また、チャージシステム200は、事業者Xのチャージ指示に従って、チャージを実行する。具体的には、チャージシステム200は、管理システム100において管理されているマネー口座の中から、チャージ先のアカウントに紐づくマネー口座を特定し、特定したマネー口座に対して、事業者Xの法人アカウントに紐づくマネー口座からチャージ予定額に対応するデジタルマネーを移動する。
たとえば、チャージシステム200は、チャージ予定日である「2021(年)/9(月)/27(日)」に、チャージ先のアカウント:「U#001」に紐づくマネー口座に対して、チャージ元である事業者Xのマネー口座からチャージ予定額:「300,000円」分のデジタルマネーを移動させる。また、たとえば、チャージシステム200は、チャージ予定日である「2021(年)/9(月)/27(日)」に、チャージ先のアカウント:「U#002」に紐づくマネー口座に対して、チャージ元である事業者Xのマネー口座からチャージ予定額:「300,000円」分のデジタルマネーを移動させる。また、たとえば、チャージシステム200は、チャージ予定日である「2021(年)/9(月)/30(日)」に、チャージ先のアカウント:「U#003」に紐づくマネー口座に対して、チャージ元である事業者Xのマネー口座からチャージ予定額:「400,000円」分のデジタルマネーを移動させる。
(サービス提供装置300について)
サービス提供装置300は、管理システム100及びチャージシステム200と連携して、事業者Yがサービス利用者に提供するデジタルマネーに関する各種サービスに関する処理を実行する。図6に示すように、サービス提供装置300は、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを有する。
(通信部310について)
通信部310は、有線又は無線により、ネットワークN-1又はネットワークN-2に接続される。通信部310は、ネットワークN-1を介して、事業者XシステムSYS-1や、A銀行システムSYS-2や、B銀行システムSYS-3などとの間で情報の送受信を行う。また、通信部310は、ネットワークN-2を介して、管理システム100やチャージシステム200との間で情報の送受信を行う。通信部310は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
(記憶部320について)
記憶部320は、制御部330による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部320は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。図6に示すように、記憶部320は、アカウント情報記憶部321と、チャージ履歴記憶部322とを有する。
(アカウント情報記憶部321について)
アカウント情報記憶部321は、法人アカウントサービスを利用するサービス利用者に提供される法人アカウントに関するアカウント情報を記憶する。以下に説明するように、法人アカウントサービスでは、マネーチャージサービスに利用されるメインウォレットとサブウォレットとが提供される。図10は、本実施形態に係るアカウント情報記憶部に記憶されるアカウント情報の概要を示す図である。なお、図10は、本実施形態に係るアカウント情報の一例を示すものであり、図10に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
図10に示すように、アカウント情報記憶部321に記憶されるアカウント情報は、「ユーザID」の項目や、「メインウォレット」の項目や、「サブウォレット」の項目や、「払出サイクル」の項目や、「払出先」の項目や、「ワンタイム口座」の項目などの複数の項目を有する。アカウント情報が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
「ユーザID」の項目には、事業者Yが提供する電子決済サービスの利用登録の際にサービス利用者として事業者Xなどの法人に対して個別に割り振られたユーザID(識別情報)が記憶される。
「メインウォレット」の項目には、メインウォレットを特定するための識別情報であるメインウォレットIDと、メインウォレットに紐付くマネー口座の残高を示す情報が記憶される。
「サブウォレット」の項目には、サブウォレットを特定するための識別情報であるサブウォレットIDと、メインウォレットの残高からサブウォレットに割り当てられている割当額を示す情報が記憶される。サブウォレットは、チャージ指示に含まれ得るチャージの名目ごとに予め個別に設けられる。割当額は、サービス利用者からのチャージ指示に基づいて設定される。
「払出サイクル」の項目には、チャージ指示取引に充当されなかったデジタルマネーの残高を、法令(たとえば、資金決済法)に定められている滞留規制を順守可能な範囲内で予め規定される払出サイクルの情報が記憶される。たとえば、払出サイクルは、メインウォレットに残高が加算された日を初日として算出される。「払出先」の項目には、サービス利用者がデジタルマネーの残高に対応する金額の払出先として指定した金融機関の口座情報(口座番号)が記憶される。
「ワンタイム口座」の項目には、メインウォレットに紐付けられるワンタイム口座の口座情報(口座番号)が記憶される。ワンタイム口座は、チャージ指示取引に充当するための原資の入金先として、事業者YがB銀行から貸し出しを受ける振込専用口座である。たとえば、ワンタイム口座の口座情報(口座番号)は、事業者Y(サービス提供装置300)から、チャージ指示の送信元である事業者Xに対して通知される。
図10に示す例によれば、ユーザID:「U#111」で特定されるサービス利用者のメインウォレットの残高は「0円」で、給与チャージサービスに対応するサブウォレットへの割当額が「600,0000円」で、経費チャージサービスに対応するサブウォレットへの割当額が「400,0000円」で、払出サイクルが「7日」で、払出先が「A銀行の普通口座(口座番号123456)」で、サービス利用者が銀行(たとえば、銀行B)から貸し出されたワンタイム口座の口座番号が「OBAC#111」あることが示されている。
(チャージ履歴記憶部322について)
チャージ履歴記憶部322は、法人アカウントサービスを利用するサービス利用者のチャージ指示に基づいて実行されたチャージ履歴に関する情報を記憶する。図11は、本実施形態に係るチャージ履歴記憶部に記憶されるチャージ履歴の概要を示す図である。なお、図11は、本実施形態に係るチャージ履歴の一例を示すものであり、図11に示す例とは異なる形態で構成されていてもよい。
図11に示すように、チャージ履歴記憶部322に記憶されるチャージ履歴は、「ユーザID」の項目や、「チャージ指示受付日」の項目や、「メインウォレット残高加算日」の項目や、「加算額」の項目や、「払出日」の項目や、「払出金額」の項目や、「サブウォレット割当日」の項目や、「割当金額(名目)」の項目や、「チャージ充当日」の項目や、「チャージ実行日」の項目などの複数の項目を有する。チャージ履歴が有するこれらの項目は相互に対応付けられている。
「ユーザID」の項目には、上述したアカウント情報(たとえば、図10参照)が有する「ユーザID」の項目に記憶される情報と同一の情報が記憶される。すなわち、「ユーザID」の項目には、事業者Yが提供する電子決済サービスの利用登録の際にサービス利用者として事業者Xなどの法人に対して個別に割り振られたユーザID(識別情報)が記憶される。
「チャージ指示受付日」の項目には、サービス利用者からチャージ指示が受け付けられた日付を示す情報が記憶される。なお、「チャージ指示受付日」の項目には、時刻を含む日時情報が記憶されてもよい。
「メインウォレット残高加算日」の項目には、管理システム100により、メインウォレットに紐づくマネー口座に対して残高の加算が実行された日付を示す情報が記憶される。なお、「メインウォレット残高加算日」の項目には、時刻を含む日時情報が記憶されてもよい。
「加算額」の項目には、メインウォレットに紐づくマネー口座に対して加算された残高を示す情報が記憶される。
「払出日」の項目には、メインウォレットに紐づくマネー口座から、チャージ指示取引に充当されなかったデジタルマネーの残高がチャージ指示の送信元に払い出された日付を示す情報が記憶される。なお、「払出日」の項目には、時刻を含む日時情報が記憶されてもよい。
「払出金額」の項目には、メインウォレットに紐づくマネー口座からチャージ指示の送信元に払い出された残高を示す情報が記憶される。
「サブウォレット割当日」の項目には、チャージ指示におけるチャージの名目に対応するサブウォレットに対し、メインウォレットに加算された所定の残高からチャージ予定額の割当が行われた日付を示す情報が記憶される。なお、「サブウォレット割当日」の項目には、時刻を含む日時情報が記憶されてもよい。
「割当金額(名目)」の項目には、サブウォレットに対して割り当てられたチャージ予定額(割当金額)を示す情報と、チャージの名目を示す情報とが記憶される。
「チャージ充当日」の項目には、チャージシステム200により、メインウォレットの残高を、サブウォレットに割り当てられているチャージ予定額に充当した日付を示す情報が記憶される。なお、「チャージ充当日」の項目には、時刻を含む日時情報が記憶されてもよい。
「チャージ実行日」の項目には、メインウォレットに紐づくマネー口座から、チャージ先のアカウントに紐づくマネー口座に対して、チャージ予定額を移動した日付を示す情報が記憶される。なお、「チャージ実行日」の項目には、時刻を含む日時情報が記憶されてもよい。
図11に示す例によれば、メインウォレットに対して所定の残高が加算された日時(B銀行入金日)や、メインウォレットへの残高の加算額や、メインウォレットの残高の払出が行われた日時や、払出金額などの情報を特定できる。また、図11に示す例によれば、サブウォレットに対してチャージ予定額の割当が行われた日時や割当金額、チャージの名目などの情報を特定できる。また、図11に示す例によれば、メインウォレットの残高をチャージ予定額に充当した日時や、チャージが実行された日時などの情報を特定できる。
また、記憶部320は、入金集約口座から引き出された金額の履歴を示す引出履歴を記憶してもよい。引出履歴は、後述する管理部337により、B銀行システムSYS-3から取得される。
(制御部330について)
制御部330は、サービス提供装置300の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部330の各部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、サービス提供装置300の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部330は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)などの集積回路により実現される。
図6に示すように、制御部330は、受付部331と、割当部332と、払出部333と、提供部334と、取得部335と、算出部336と、管理部337とを有する。制御部330は、図6に示す各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、説明は省略するが、制御部330の内部構成は、図6に示す各部に限られず、デジタルマネーの総残高のうち少なくとも給与残高を分けて管理するための情報処理の機能や作用を実現または実行する各部を有していてもよい。
(受付部331について)
受付部331は、デジタルマネーのチャージ指示をサービス利用者から受け付ける。たとえば、受付部331は、通信部310を通じて、サービス利用者(たとえば、事業者X)から送信されたチャージ指示を受け付ける。受付部331は、チャージシステム200に対して、チャージ指示を登録する。
(割当部332について)
割当部332は、受付部331によりチャージ指示が受け付けられた後、チャージ指示取引に充当するための原資の入金が確認されることを条件に、チャージ指示において指定されたチャージ予定額の割当を実行する。
たとえば、割当部332は、アカウント情報記憶部321に記憶されているアカウント情報を参照して、チャージ指示取引に充当するための原資が入金される口座に紐付くメインウォレットに対し、原資に相当する所定の残高が加算されているかどうかを確認する。割当部332は、メインウォレットに対して所定の残高が加算されていることを確認できた場合、メインウォレットに加算された残高からチャージ予定額の割当を実行する。
具体的には、割当部332は、サービス利用者の操作に応じて、チャージ指示において指定されるチャージの名目に対応するサブウォレットに対して、同じくチャージ指示において指定されるチャージ予定額を割り当てる。たとえば、割当部332は、チャージの名目が給与である場合、給与チャージサービスに対応するサブウォレットに対し、メインウォレットの残高からチャージ予定額を割り当てる。そして、割当部332は、チャージ指示の送信元であるサービス利用者(ユーザID)に関連付けて、サブウォレットに割り当てたチャージ予定額(割当額)の情報をチャージ履歴記憶部322に記録する。
なお、チャージ指示取引に充当するための原資は、チャージ指示において指定された名目が所定の名目に該当する場合、サービス利用者(たとえば、事業者Y)がB銀行から貸し出しを受ける口座のうち、前述の原資を担保物件とするための質権(根質権)が設定された口座に入金される。たとえば、チャージの名目が給与である場合、質権(根質権)が設定されたサービス利用者名義の口座に入金される。
(払出部333について)
払出部333は、チャージ指示に応じて実行されるチャージ指示取引に充当されなかったデジタルマネーの残高を、予め規定される払出サイクルに従ってサービス利用者に払い出す。たとえば、払出部333は、チャージ指示取引に充当するためのデジタルマネーの原資としてメインウォレットに加算された所定の残高のうち、チャージ指示取引に充当されなかった残高をサービス利用者に対して払い出す。
具体的には、払出部333は、アカウント情報記憶部321に記憶されているアカウント情報を参照して、チャージ指示の送信元である事業者Xについて、チャージ指示取引に充当されなかった残高の払出サイクルに到達しているかどうかを確認する。払出サイクルは、法令(たとえば、資金決済法)に定められている滞留規制を順守可能な範囲内で予め規定される。そして、払出部33は、払出サイクルに到達していることを確認できた場合、管理システム100にアクセスして、事業者Xのメインウォレットに紐づくマネー口座の残高を確認する。次に、払出部333は、事業者Xのマネー口座に残高が存在する場合、B銀行に対して、事業者Xのマネー口座の残高に相当する金額の入金指示を送信する。入金指示には、残高の払出先を示す口座情報(口座番号)と、入金額の情報(残高に対応する金額の情報)とが含まれる。また、払出部333は、管理システム100に対して、事業者Xのマネー口座のデジタルマネーの残高を「0円」に更新するように更新指示を送信する。
(提供部334について)
提供部334は、サービス利用者からの要求に応じて、チャージ指示に応じて実行したデジタルマネーのチャージに関わる詳細情報である明細情報(たとえば、図2参照)を提供する。
たとえば、提供部334は、通信部310を通じて、サービス利用者から送信されたチャージ明細要求を取得する。そして、提供部334チャージ明細要求に含まれるユーザIDに基づいて、チャージ履歴記憶部322に記憶されているチャージ履歴からチャージ明細要求に対応する明細情報を取得する。なお、チャージ明細要求には、明細情報の提供を希望する日付や期間が指定されていてもよい。
たとえば、提供部334は、チャージ指示に対応する原資の入金から、チャージ指示取引に充当されなかった残高の払出までの各種情報を取得できる。提供部334がチャージ履歴から取得できる情報には、チャージ指示取引に充当するための原資がB銀行に入金された入金日や、原資の入金額や、残高の払出日や、残高の払出額の情報が含まれる。また、提供部334がチャージ履歴から取得できる情報には、メインウォレットに加算された所定の残高からチャージ予定額がサブウォレットに割り当てられた割当日や、チャージ予定額を示す割当金額や、チャージの名目の情報が含まれる。また、提供部334がチャージ履歴から取得できる情報には、サブウォレットに割り当てられたチャージ予定額がチャージ指示取引に充当された充当日や、チャージが実行されたチャージ実行日の情報が含まれる。
提供部334は、これらの情報を所定の手続きごとに取りまとめた複数の明細情報としてサービス利用者に提供できる。たとえば、提供部334は、チャージ指示取引に充当するための原資がB銀行に入金された入金日や、原資の入金額や、残高の払出日や、残高の払出額の情報を取りまとめた明細情報(たとえば、図2に示す明細情報J1)をサービス利用者に提供できる。また、たとえば、提供部334は、メインウォレットに加算された所定の残高からチャージ予定額がサブウォレットに割り当てられた割当日や、チャージ予定額を示す割当金額や、チャージの名目の情報を取りまとめた明細情報(たとえば、図2に示す明細情報J2)を提供できる。また、たとえば、提供部334は、サブウォレットに割り当てられたチャージ予定額がチャージ指示取引に充当された充当日や、チャージが実行されたチャージ実行日の情報を取りまとめた明細情報(たとえば、図2に示す明細情報J3)を提供できる。
また、提供部334は、利用者に給与に対応するデジタルマネー残高である給与残高を保証する保証サービスを提供する事業者に対して、保証対象となる給与残高の情報を所定のタイミングで提供する。たとえば、提供部334は、バッチ処理などにより、所定のタイミングで各サービス利用者の給与残高を集計し、集計した残高情報を保証サービス事業者システムSYS-Gに送信する。
また、提供部334は、保証サービスの利用要求をサービス利用者(たとえば、決済サービスの利用者)から受け付けた場合、保証サービスを提供する事業者に対して、保証サービスの利用契約に必要となる利用者情報を提供する。たとえば、提供部334は、保証サービスの利用要求元であるサービス利用者から、給与残高に相当する保証金の振込先とする金融機関の口座の設定を受け付ける。そして、提供部334は、サービス利用者に対応付けた金融機関の口座情報を含む利用者情報を、通信部F-1を通じて保証サービス事業者システムSYS-Gに送信する。
また、提供部334は、後述する算出部336により算出された移動可能額を示す情報を、事業者Yにより予め登録されている連絡先へ通知する。たとえば、提供部334は、連絡先として事業者Yのメールアドレスが登録されている場合、登録されているメールアドレスを送信先アドレスとし、本文に移動可能額の情報を記載した電子メールを作成し、通信部110を通じて送信する。
また、提供部334は、事業者Yからの要求に応じて、後述する管理部337により予測された移動可能額を示す情報を事業者Yに提供する。
(取得部335について)
取得部335は、各サービス利用者の給与に対応するデジタルマネーの原資が集約される入金集約口座の残高を示す情報と、各サービス利用者の給与マネーの総額を示す情報とを取得する。たとえば、取得部335は、B銀行システムSYS-3から提供されるAPIなどにより、B銀行システムSYS-3から入金集約口座の残高を示す情報を取得する。また、取得部335は、アカウント情報記憶部321から、各サービス利用者の給与マネーの総額を示す情報を取得する。取得部335は、入金集約口座の残高を示す情報、及び各サービス利用者の給与マネーの総額を示す情報を算出部336に受け渡す。
(算出部336について)
算出部336は、取得部335により取得された入金集約口座の残高を示す情報と、給与マネーの総額を示す情報とに基づいて、入金集約口座の残高のうちの移動可能額(引出可能額)を算出する。たとえば、算出部336は、給与マネーの総額に対して、予め設定された所定の定数を乗算した値を用いて、移動可能額を算出する。具体的には、算出部336は、上述の式(1)を用いて、移動可能額を算出できる。算出部336は、算出した移動可能額を示す情報を、提供部334に受け渡す。
また、算出部336は、各サービス利用者の給与マネーの利用実績に基づいて、給与マネーの現在の総額を推定し、推定した推定額に基づいて、移動可能残高を算出してもよい。この場合、算出部336は、入金集約口座の残高から、上述の推定額に所定の定数を掛け合わせた値を減算することにより、移動可能額を算出する。
(管理部337について)
管理部337は、B銀行システムSYS-3から、入金集約口座からの引出履歴を取得し、取得した引出履歴を管理する。たとえば、管理部337は、B銀行システムSYS-3から取得した引出履歴を記憶部320に格納する。
また、管理部337は、B銀行システムSYS-3から取得した引出履歴に基づいて、事業者Yにより指定された日時における移動可能額を予測してもよい。管理部337は、予測した移動可能額を示す情報を提供部334に受け渡す。
上述した制御部330が有する各部は、各サービス利用者について保証が必要なデジタルマネーの原資が銀行口座に蓄積される場合に、この原資の中から移動可能額を算出し、算出した移動可能額を示す情報を提供する処理を実行するための機能を提供できる。たとえば、記憶部320は、サービス利用者ごとに、サービス利用者のユーザアカウントに紐付けられているデジタルマネーの残高が保証対象であるか否かを示す情報を記憶する。取得部335は、記憶部320を参照して、処理対象となるサービス利用者のユーザアカウントに紐付けらているデジタルマネーの残高が保証対象であるか否かを判定する。取得部335は、処理対象となるサービス利用者のユーザアカウントに紐付けらているデジタルマネーの残高が保証対象であると判定した場合、保証が必要なデジタルマネーの残高を示す情報と、保証が必要なデジタルマネーに対応する原資が蓄積されている銀行口座の残高を示す情報とを取得する。算出部336は、保証が必要なデジタルマネーの残高と、保証が必要なデジタルマネーに対応する原資が蓄積されている銀行口座の残高とに基づいて、銀行口座の残高からの移動可能額を算出する。提供部334は、算出部336により算出された移動可能額を示す情報を事業者Yに提供する。
(B銀行システムSYS-3について)
図12を用いて、本実施形態に係るB銀行システムSYS-3について説明する。図12は、本実施形態に係るB銀行システムSYS-3の構成例を示す図である。
図12に示すB銀行システムSYS-3は、通信部F-4と、記憶部F-5と、制御部F-6とを有する。
通信部F-4は、有線又は無線により、ネットワークN-1に接続される。通信部F-4は、ネットワークN-1を介して、事業者XシステムSYS-1や、保証サービス事業者システムSYS-Gや、事業者YシステムSYS-1のサービス提供装置300などとの間で情報の送受信を行う。通信部F-4は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
記憶部F-5は、制御部F-6による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。記憶部F-5は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。記憶部F-5は、たとえば、入金集約口座の残高に関する情報や、移動可能額の振替先(送金先)として事業者Yにより予め指定された口座の情報などを記憶できる。また、記憶部F-5は、サービス提供装置300から取得される各サービス利用者の給与マネーの総額を示す情報や、各サービス利用者の給与マネーの利用実績などを記憶できる。
制御部F-6は、B銀行システムSYS-3の制御や演算を実行するコントローラ(controller)である。制御部F-6の各部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、保証サービス事業者システムSYS-Gの内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部F-6は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)などの集積回路により実現される。
図12に示すように、制御部F-6は、取得部F-61と、算出部F-62と、提供部F-63と、管理部F-64とを有する。制御部F-6は、図12に示す各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、説明は省略するが、制御部F-6の内部構成は、図12に示す各部に限られず、B銀行の業務に関するその他の機能や作用を実現または実行する各部を有していてもよい。
取得部F-61は、入金集約口座の残高を示す情報と、各サービス利用者の給与マネーの総額を示す情報とを取得する。たとえば、取得部F-61は、情報処理システムSYSに設けられたデータ共有サーバ500が有する所定の共有フォルダから給与マネーの総額を示す情報を取得する。また、たとえば、取得部F-61は、サービス提供装置300とのデータ連携により、給与マネーの総額を示す情報を取得してもよい。
算出部F-62は、給与マネーの総額を示す情報と、入金集約口座の残高を示す情報とに基づいて、入金集約口座の残高のうちの移動可能額(引出可能額)を算出する。たとえば、算出部F-62は、給与マネーの総額に対して、予め設定された所定の定数を乗算した値を用いて、移動可能額を算出する。具体的には、算出部F-62は、上述の式(1)を用いて、移動可能額を算出できる。算出部F-62は、算出した移動可能額を示す情報を、提供部F-63に受け渡す。
また、算出部F-62は、サービス提供装置300から、各サービス利用者の給与マネーの利用実績に基づく給与マネーの現在の総額の推定結果を取得し、推定した推定額に基づいて、移動可能額を算出してもよい。この場合、B銀行システムSYS-3は、入金集約口座の残高から、上述の推定額に所定の定数を掛け合わせた値を減算することにより、移動可能額を算出する。
提供部F-63は、算出部F-62から移動可能額を示す情報を受け取ると、入金集約口座から、事業者Yにより予め設定された口座に対して、移動可能額の振替を実行する。そして、提供部F-63は、事業者Yに対して、移動可能額の振替が完了した旨を通知する。たとえば、提供部F-63は、事業者Yにより連絡先として登録されているメールアドレスを送信先アドレスとし、本文に移動可能額の振替が完了した旨の電子メールを作成し、送信する。また、たとえば、B銀行システムSYS-3は、事業者Yに提供するオンラインバンキングのプッシュ通知を通じて、移動可能額の振替が完了した旨を通知することもできる。
また、提供部F-63は、事業者Yに提供するオンラインバンキングのウェブページを通じて、事業者Yに対して移動可能額を提供してもよい。たとえば、提供部F-63は、オンラインバンキングのウェブに対する事業者Yの操作に従って、ウェブページ上に移動可能額を示す情報を表示する。また、提供部F-63は、オンラインバンキングを通じた事業者Yの指示に従って、任意の口座に対し、移動可能額の資金移動(送金)を実行してもよい。
また、提供部F-63は、管理部F-64により予測された移動可能額を示す情報を、事業者Yに提供するオンラインバンキングのウェブページを通じて、事業者Yに提供してもよい。
管理部F-64は、事業者Yによる入金集約口座からの引出履歴を管理する。たとえば、管理部F-64は、事業者Yにより入金集約口座から引き出された金額を示す情報を取引ごとに時系列に沿って記録部F-5に格納し、引出履歴として管理する。
また、管理部F-64は、管理する引出履歴に基づいて、事業者Yにより指定された日時における移動可能額を予測してもよい。管理部337は、予測した移動可能額を示す情報を提供部334に受け渡す。
〔3.処理手順〕
(3-1.全体の処理)
以下、図13を用いて、本実施形態に係る情報処理システムSYSにおける全体的な処理の流れを説明する。図13は、本実施形態に係る情報処理システムにおける全体的な処理の流れを示すシーケンス図である。
図13に示すように、事業者XシステムSYS-1は、事業者Xによる操作に従い、事業者YシステムSYS-4に対してチャージ指示を送信する(ステップS101)。
事業者YシステムSYS-4のサービス提供装置300は、事業者XシステムSYS-1からチャージ指示を受信すると、チャージシステム200に対してチャージ指示を登録する(ステップS102)。
また、事業者XシステムSYS-1は、事業者Xによる操作に従い、A銀行システムSYS-2に対して、チャージ指示取引に充当するための原資の入金指示を送信する(ステップS103)。
A銀行システムSYS-2は、事業者Xから受信した入金指示に従って、入金指示において指定された金額を、入金指示において指定されたワンタイム口座へ入金する(ステップS104)。
B銀行システムSYS-3は、A銀行からの入金を確認すると、入金があった旨を事業者Yに通知するための入金通知を事業者YシステムSYS-4に送信する(ステップS105)。
事業者YシステムSYS-4の管理システム100は、B銀行システムSYS-3から入金通知を受信すると、事業者Xのメインウォレットに、入金通知により通知された金額に相当する所定の残高を加算する(ステップS106)。
事業者YシステムSYS-4のサービス提供装置300は、事業者Xのメインウォレットに対する残高の加算を確認すると、事業者Xのサブウォレットに、チャージ指示において指定されたチャージ予定額を割り当てる(ステップS107)。
事業者YシステムSYS-4のチャージシステム200は、予め規定されている所定の周期(たとえば、図1に示す周期T1)でサブウォレットを参照し、サブウォレットへの割当が確認できれば、サブウォレットに割り当てられているチャージ予定額をチャージ指示取引に充当する(ステップS108)。
また、チャージシステム200は、事業者Xのチャージ指示に従って、チャージを実行する(ステップS109)。
一方、事業者YシステムSYS-4のサービス提供装置300は、チャージ指示取引に充当されなかったメインウォレットの残高を、予め規定される払出サイクルで事業者Xに払い出す(ステップS110)。以上で、図13に示す処理が終了する。
(3-2.サービス提供装置の処理)
次に、図14を用いて、本実施形態に係るサービス提供装置300による処理手順について説明する。図14は、本実施形態に係るサービス提供装置の処理手順例を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、サービス提供装置300が有する制御部330により繰り返し実行される。
図14に示すように、受付部331は、サービス利用者から受け付けたチャージ指示をチャージシステム200に登録する(ステップS201)。また、割当部332は、チャージ指示の送信元であるサービス利用者のメインウォレットの残高を確認する(ステップS202)。
割当部332は、メインウォレットに所定の残高が加算されていることを確認できた場合(ステップS202;Yes)、チャージ指示において指定されるチャージの名目に対応するサブウォレットに対して、同じくチャージ指示において指定されるチャージ予定額を割り当てる(ステップS203)。
また、払出部333は、アカウント情報記憶部321に記憶されているアカウント情報を参照して、チャージ指示の送信元であるサービス利用者について、チャージ指示取引に充当されなかった残高の払出サイクルに到達しているかどうかを確認する(ステップS204)。
払出部333は、払出サイクルに到達していることを確認できた場合(ステップS204;Yes)、管理システム100にアクセスして、サービス利用者のメインウォレットに紐づくマネー口座の残高を確認する(ステップS205)。
払出部333は、サービス利用者のメインウォレットに紐づくマネー口座に、チャージ指示取引に充当されることなく残された未充当の残高が存在する場合(ステップS205;Yes)、サービス利用者に対して、メインウォレットの残高(メインウォレットに紐付くマネー口座の残高)の払出を行い(ステップS206)、図14に示す処理手順を終了する。
一方、払出部333は、サービス利用者のメインウォレットに紐づくマネー口座に、チャージ指示取引に充当されることなく残された未充当の残高が存在しない場合(ステップS204;No)、図14に示す処理手順を終了する。
上述のステップS204において、払出サイクルに到達していないことを確認できた場合(ステップS204;No)、所定の周期でステップS204の確認手順を繰り返す。
上述のステップS202において、割当部332は、メインウォレットに所定の残高が加算されていないことを確認できた場合(ステップS202;No)、チャージ指示の実行猶予期間内(たとえば、指示受付から7日間)であるかどうかを判定する(ステップS207)。
割当部332は、チャージ指示の実行猶予期間内であると判定した場合(ステップS207;Yes)、上述のステップS202の確認手順に戻る。
一方、割当部332は、チャージ指示の実行猶予期間内ではないと判定した場合(ステップS207;No)、サービス利用者から受け付けたチャージ指示を破棄し(ステップS208)。そして、割当部332は、チャージ指示の送信元であるサービス利用者に対し、チャージ指示を破棄した旨と通知して(ステップS209)、図14に示す処理手順を終了する。
〔4.変形例〕
上述してきた本実施形態は、本実施形態に係る情報処理の一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。事業者YシステムSYS-4は、任意の単位で物理的または機能的に分散または統合されていてもよい。たとえば、管理システム100およびチャージシステム200の処理機能をサービス提供装置300に集約し、サービス提供装置300が管理システム100およびチャージシステム200を実行してもよい。以下、この場合のサービス提供装置400の構成例について説明する。図15は、変形例に係るサービス提供装置の構成例を示す図である。なお、図15では、変形例に係るサービス提供装置400が、上述の実施形態に係る保証対象特定処理(たとえば、図4、図5参照)に対応する各機能部(図6に示す取得部335、算出部336、管理部337)を有していない場合を例示しているが、保証対象特定処理(たとえば、図4、図5参照)に対応する各機能部を有していてもよい。
図15に示すように、変形例に係るサービス提供装置400は、通信部410と、記憶部420と、制御部430とを有する。
通信部410は、サービス提供装置300が有する通信部310に対応する。通信部410は、ネットワークN-1を介して、事業者XシステムSYS-1や、A銀行システムSYS-2や、B銀行システムSYS-3や、ATMサービス事業者システムSYS-ASや、保証サービス事業者システムSYS-Gなどとの間で情報の送受信を行う。
記憶部420は、サービス提供装置300が有する記憶部320に対応し、制御部430による制御及び演算に用いられるプログラム及びデータを記憶する。図15に示すように、記憶部420は、アカウント情報記憶部421と、口座情報記憶部422と、チャージ指示情報記憶部423と、チャージ履歴記憶部424とを有する。
アカウント情報記憶部421は、上述の記憶部320が有するアカウント情報記憶部321に対応し、法人アカウントサービスを利用するサービス利用者に提供される法人アカウントに関するアカウント情報を記憶する。
口座情報記憶部422は、事業者Yが提供する電子決済サービスを利用するために、ビジネスユーザや個人ユーザなどのサービス利用者が所有するマネー口座に関する口座情報を記憶する。口座情報記憶部422に記憶される口座情報は、上述の管理システム100により管理される口座情報(図8参照)に対応する。
チャージ指示情報記憶部423は、サービス利用者から取得されるチャージ指示情報を記憶する。チャージ指示情報記憶部423に記憶されるチャージ指示情報は、上述のチャージシステム200により管理されるチャージ指示情報(図9参照)に対応する。
チャージ履歴記憶部424は、上述の記憶部320が有するチャージ履歴記憶部322に対応し、法人アカウントサービスを利用するサービス利用者のチャージ指示に基づいて実行されたチャージ履歴に関する情報を記憶する。
制御部430は、サービス提供装置300が有する制御部330に対応しており、サービス提供装置400の制御や演算を実行するコントローラである。図15に示すように、制御部430は、受付部431と、管理部432と、割当部433と、チャージ部434と、払出部435と、提供部436とを有する。
受付部431は、上述の制御部330が有する受付部331に対応しており、デジタルマネーのチャージ指示をサービス利用者から受け付ける。受付部431は、サービスから受け付けたチャージ指示に関する情報をチャージ指示情報記憶部423に登録する。
管理部432は、上述の管理システム100により実行される処理機能を担い、事業者Yが提供する電子決済サービスを利用するために、各サービス利用者が所有するマネー口座に対する入出金を管理する。
たとえば、管理部432は、通信部410を通じて、サービス利用者(たとえば、事業者X)の入金指示に応じて実行された入金通知をB銀行システムSYS-3から取得する。そして、管理部432は、取得した入金通知の内容に従って、サービス利用者(たとえば、事業者X)のメインウォレットに紐づくデジタルマネーの残高を加算する。たとえば、管理部432は、B銀行から450,000円の入金があった旨の入金通知があった場合、メインウォレットに紐付くマネー口座に対して、450,000円相当のデジタルマネーの残高を加算する。また、管理部432は、アカウント情報記憶部421に記憶されているアカウント情報のうち、チャージ指示の送信元であるサービス利用者のメインウォレットの残高情報を更新する。
割当部433は、上述の制御部330が有する割当部332に対応しており、割当部433は、受付部431によりチャージ指示が受け付けられた後、チャージ指示取引に充当するための原資の入金が確認されることを条件に、チャージ指示において指定されたチャージ予定額の割当を実行する。
チャージ部434は、上述のチャージシステム200により実行される処理機能を担い、サービス利用者からのチャージ指示に従って、マネー口座間においてデジタルマネーの移動を行うことで、マネーチャージを実行する。
たとえば、チャージ部434は、予め規定されている所定の周期(たとえば、図1に示す周期T1)でサブウォレットに割り当てられているチャージ予定額をチャージ指示取引に充当する。具体的には、チャージ部434は、チャージ指示のうちチャージ予定日が近いものから順に、メインウォレットの残高からチャージ予定額を充当していく。
また、たとえば、チャージ部434は、サービス利用者(たとえば、事業者X)のチャージ指示に従って、チャージを実行する。具体的には、チャージ部434は、口座情報記憶部422に記憶されている口座情報を参照し、チャージ指示において指定されたチャージ先のアカウントに紐づくマネー口座を特定する。そして、チャージ部434は、特定したマネー口座に対して、サービス利用者の法人アカウントに紐づくマネー口座からチャージ予定額に対応するデジタルマネーを移動することにより、マネーチャージを実行する。
払出部435は、上述の制御部330が有する払出部333に対応しており、チャージ指示取引に充当されなかったデジタルマネーの残高を、予め規定される払出サイクルに従ってサービス利用者に払い出す。
提供部436は、上述の制御部330が有する提供部334に対応しており、サービス利用者からの要求に応じて、チャージ指示に応じて実行したデジタルマネーのチャージに関わる詳細情報である明細情報(たとえば、図2参照)を提供する。
このように、上述の本実施形態に係る事業者YシステムSYS-4の各部を集約し、サービス提供装置400に物理的および機能的に統合することにより、各種サービスに関する情報を一元管理でき、効率的な処理を実現できる。また、上述の本実施形態に係る事業者YシステムSYS-4の各部を通信可能に接続するネットワークN-2の配備が不要となり、サービスの提供におけるネットワークN-2の通信障害の影響を排除できる。
〔5.ハードウェア構成〕
また、上述してきた本実施形態に係るサービス提供装置300、変形例に係るサービス提供装置400、又は本実施形態に係るB銀行システムSYS-3は、たとえば、図16に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図16は、本実施形態または変形例に係るサービス提供装置またはB銀行システムの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
たとえば、コンピュータ1000が本実施形態に係る情報処理装置の一例であるサービス提供装置300として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部330と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、本実施形態に係るサービス提供装置300による処理を実現する。
また、コンピュータ1000が変形例に係る情報処理装置の一例に係るサービス提供装置400として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部430と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、変形例に係るサービス提供装置400による処理を実現する。
〔6.効果〕
上述してきたように、本実施形態に係る情報処理装置の一例であるサービス提供装置300は、取得部335と、算出部336と、提出部334とを有する。取得部335は、各サービス利用者(「各利用者」の一例)の給与マネー(「給与に対応するデジタルマネー」の一例)の原資が集約される入金集約口座(「金融機関の口座」の一例)の残高を示す情報と、各利用者サービスの給与マネーの総額を示す情報とを取得する。算出部336は、入金集約口座の残高を示す情報と、給与マネーの総額を示す情報とに基づいて、入金集約口座の残高のうちの移動可能額を算出する。提供部334は、算出部336により算出された移動可能額を示す情報を提供する。
また、取得部335は、各サービス利用者の給与マネーの原資が集約される入金集約口座の残高を示す情報を、B銀行により管理されるB銀行システムSYS-3(「金融機関により管理される金融機関システム」の一例)から取得する。
また、算出部336は、給与マネーの総額に対して、予め設定された所定の定数を乗算した値を用いて、移動可能額を算出する。
また、算出部336は、各サービス利用者の給与マネーの利用実績に基づいて、給与マネーの現在の総額を推定し、推定した推定額に基づいて、移動可能額を算出する。
また、サービス提供装置300は、入金集約口座からの引出履歴を管理する管理部337をさらに有する。提供部334は、事業者Y(「ユーザ」の一例)からの要求に応じて、引出履歴を提供する。
また、管理部337は、引出履歴に基づいて、事業者Yにより指定された日時における移動可能額を予測する。提供部334は、管理部337により予測された移動可能額を示す情報を事業者Yに提供する。
このようにして、本実施形態に係るサービス提供装置300は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、根質権が設定される口座である入金集約口座に集約される現金の流動性を改善できる。
また、本実施形態に係る情報処理装置の一例であるB銀行システムSYS-3は、取得部F-61と、算出部F-62と、提出部F-63とを有する。取得部F-61は、各サービス利用者の給与マネーの原資が集約される入金集約口座の残高を示す情報と、各利用者サービスの給与マネーの総額を示す情報とを取得する。算出部F-62は、入金集約口座の残高を示す情報と、給与マネーの総額を示す情報とに基づいて、入金集約口座の残高のうちの移動可能額を算出する。提供部F-63は、算出部F-62により算出された移動可能額を示す情報を提供する。
また、取得部F-61は、各サービス利用者の給与として管理されている給与マネーの総額を、電子決済サービスを各サービス利用者に提供するサービス提供装置300から取得する。
また、算出部F-62は、給与マネーの総額に対して、予め設定された所定の定数を乗算した値を用いて、移動可能額を算出する。
また、算出部F-62は、各サービス利用者の給与マネーの利用実績に基づいて、給与マネーの現在の総額を推定し、推定した推定額に基づいて、移動可能額を算出する。
また、B銀行システムSYS-3は、入金集約口座からの引出履歴を管理する管理部F-64をさらに有する。提供部F-63は、事業者Yからの要求に応じて、引出履歴を提供する。
また、管理部F-64は、引出履歴に基づいて、事業者Yにより指定された日時における移動可能額を予測する。提供部F-63は、管理部F-64により予測された移動可能額を示す情報を事業者Yに提供する。
このようにして、本実施形態に係るB銀行システムSYS-3は、上述した各部により実行される処理、又は各部のうちのいずれかの組合せにより、根質権が設定される口座である入金集約口座に集約される現金の流動性を改善できる。
〔7.その他〕
以上、本実施形態および変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、上述したサービス提供装置300、又はサービス提供装置400は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、その構成を柔軟に変更できる。
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
また、本願の実施形態に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本願の実施形態は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、実施形態の記載から当業者にとって明らかな他の効果を奏しうる。