1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機PY1は、当該パチンコ遊技機PY1の外郭を構成する遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、図2に示すように、外枠22と内枠21と前扉(前枠)23とを備えている。外枠22は、パチンコ遊技機PY1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、外枠22の内側に配置されていて、後述の遊技盤1を取付ける縦長方形状の枠体である。前扉23は、外枠22及び内枠21の前面側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。前扉23は、遊技者に正対する部分であり、種々の飾り付けがなされている。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えて構成されている。このヒンジ部24により、前扉23は、外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は、外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。前扉23の中央には開口部23aが形成されていて、遊技者が後述の遊技領域6を視認できるように透明の透明板23tが開口部23aに取付けられている。開口部23aに取付けられた透明板23tのうち開口部23aの内側に位置する部分を、窓部23m(図1参照)と称する。透明板23tは、本形態ではガラス板であるが、透明な合成樹脂板であってもよい。すなわち、透明板23tは、前方から遊技領域6を視認可能なものであればよい。
図1、図3、及び図4に示すように、前扉23は、上側装飾ユニット200と、左側装飾ユニット210と、右側装飾ユニット220と、操作機構ユニット230とを備えている。なお、これらの各ユニットは、前扉23のベース枠23w(図2参照)の前面側に取付けられている。
操作機構ユニット230は、前扉23の下側に配されるものである。操作機構ユニット230は、右下部に、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル72k(発射操作部)を備えている。また操作機構ユニット230の上側部38には、遊技球(貸球や賞球)を貯留する上皿34が設けられているとともに、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る入力部(演出ボタン)40kやセレクトボタン(十字キー)42kが設けられている。更に、操作機構ユニット230の上側部38のうち、入力部40kの右側には、展開解除ボタン44kが設けられている。展開解除ボタン44kの機能については後述する。また操作機構ユニット230の下側には、上皿34に収容しきれない遊技球を貯留する下皿35が設けられている。
また操作機構ユニット230の上側部38の左前部には、左下装飾部231が設けられている。左下装飾部231は、透光可能な合成樹脂部材からなり、内蔵されている後述の枠ランプ212が放つ光を透過させる。また操作機構ユニット230の上側部38の右前方には、右下装飾部233が設けられている。右下装飾部233は、透光可能な合成樹脂部材からなり、内蔵されている後述の枠ランプ212が放つ光を透過させる。
左側装飾ユニット210は、前扉23における窓部23mの左側に配されるものである。左側装飾ユニット210は、透光可能な合成樹脂部材からなる左中装飾部211と、左中装飾部211に後方から光を入射させる枠ランプ212を備えている。左中装飾部211は、前扉23における窓部23mの左側を上下方向に沿って装飾している。なお、左側装飾ユニット210の下部には、左中装飾部211と比べて後方に奥まっている逃げ部219(左中装飾部211よりも前方に突出していない部分)が設けられている。この逃げ部219は、上皿34に遊技球を供給するためにホールに設置される装置(「象の鼻」と通称される装置)を配するスペースを確保するためのものである。
右側装飾ユニット220は、前扉23における窓部23mの右側に配されるものである。右側装飾ユニット220は、透光可能な合成樹脂部材からなる右中装飾部221と、右中装飾部221に後方から光を入射させる枠ランプ212を備えている。右中装飾部221は、前扉23における窓部23mの右側を上下方向に沿って装飾している。
上側装飾ユニット200は、前扉23の上側に配されており、左側装飾ユニット210、右側装飾ユニット220、操作機構ユニット230よりも前方に突出している(図4参照)。上側装飾ユニット200は、左右方向中央に配された中央上部ユニット400と、中央上部ユニット400の左方に配された左上部ユニット500と、中央上部ユニット400の右方に配された右上部ユニット550とを有している。
左上部ユニット500の前方部分には、透光可能な合成樹脂部材からなる左上装飾部525が設けられていて、左上装飾部525に後方から光を入射させる枠ランプ212が設けられている。また、右上部ユニット550の前方部分には、透光可能な合成樹脂部材からなる右上装飾部575が設けられていて、右上装飾部575に後方から光を入射させる枠ランプ212が設けられている。
各種の枠ランプ212(特定駆動手段)を発光させると、前扉23の右上から右下までの上下のライン(詳細には、上下方向の中央が上端や下端よりも後方に位置するように湾曲したライン、図4参照)と、前扉23の左上から左下までの上下のライン(逃げ部219を除く)が強調されて発光する。なお、逃げ部219を設けることなく、左側の各装飾部が形状的に繋がるように構成してもよい。
遊技機枠2には、図5に示す遊技盤1が取付けられている。図5に示すように、遊技盤1には、ハンドル72kの操作により発射された遊技球が流下する遊技領域6が、レール部材62で囲まれて形成されている。また遊技盤1には、後述の盤ランプ54(特定駆動手段)が多数設けられている。また遊技領域6には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。なお遊技盤1は、前方側にて遊技領域6を形成する板状部材と、この板状部材の後方にて各種制御基板や後述する画像表示装置50等がユニット化された裏ユニットとを備えて構成されている。
また遊技領域6の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置50(演出表示手段)が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置50の表示画面50a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄EZ(装飾図柄)の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄EZを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの演出図柄表示領域からなる。左演出図柄表示領域には左演出図柄EZ1が表示され、中演出図柄表示領域には中演出図柄EZ2が表示され、右演出図柄表示領域には右演出図柄EZ3が表示される。演出図柄EZはそれぞれ、例えば「1」~「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置50は、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3の組み合わせによって、後述の第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bにて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特図表示器81aや第2特図表示器81bにより把握するのではなく、画像表示装置50にて把握する。なお、演出図柄表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZを用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄EZのほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄EZ以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置50の表示画面50aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて保留アイコンHA(演出保留画像)を表示する保留アイコン表示領域がある。保留アイコンHAの表示により、後述の第1特図保留表示器83aにて表示される第1特図保留の記憶数や、後述の第2特図保留表示器83bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域6の中央付近であって画像表示装置50の前方には、センター枠(内側壁部)61が配されている。センター枠61の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口11へと誘導可能なステージ61sが形成されている。またセンター枠61の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ61sへ遊技球を流出させるワープ61wが設けられている。
またセンター枠61の上部には、上下方向に移動可能なキャラ可動体55kが設けられている。キャラ可動体55kは、本パチンコ遊技機PY1のキャラクタを模した演出可動体であり、表示画面の50aの上部に位置する待機位置(図5参照)と、表示画面50aの中央と前後方向に重なる駆動位置(図6の二点鎖線参照)との間で移動可能である。またセンター枠61の右下部には、左右方向且つ上下方向に移動可能なボール可動体56kが設けられている。ボール可動体56kは、サッカーボールを模した演出可動体であり、表示画面50aよりも右下で遊技者から視認不可能な退避位置(図5参照)から、左方且つ上方に移動可能である(図6の二点鎖線参照)。なおボール可動体56kが退避位置から移動して遊技者が視認可能になっている任意の位置を、「露出位置」と呼ぶことにする。
ここで図6は、キャラ可動体55k及びボール可動体56kを移動可能に取付ける機構板1Aを示す図である。なお機構板1Aは、遊技盤1のうち前方側に配置されている板状部材を取外すと視認できるようになっていて、裏ユニットのうち画像表示装置50よりも前方に配置されている。図6に示すように、機構板1Aは、上下移動機構51と、XY移動機構52とを備えている。
上下移動機構51は、キャラ可動体55kを上下方向に移動可能にするための機構である。上下移動機構51は、キャラ可動体55kを保持するホルダ53と、ホルダ53の左側を上下方向に移動可能に支持する左側駆動軸57Lと、ホルダ53の右側を上下方向に移動可能に支持する右側駆動軸57Rと、左側駆動軸57Lと右側駆動軸57Rとをそれぞれ回転可能にするキャラ移動モータ58とを備えている。キャラ移動モータ58は、機構板1Aの左右両側で且つ下側にそれぞれ設けられていて、左側駆動軸57Lと右側駆動軸57Rとをそれぞれ回転させることで、ホルダ53の左右両側を上下方向に移動させるものである。
こうして上下移動機構51では、図6に示す状態から各キャラ移動モータ58が駆動すると、ホルダ53が下方向に移動して、キャラ可動体55kは待機位置から図6の二点鎖線で示す駆動位置へ移動可能である。その後、キャラ移動モータ58が上記と反対に駆動すると、ホルダ53が上方向に移動して、キャラ可動体55kは図6の二点鎖線で示す駆動位置から待機位置へ移動(復帰)可能である。
XY移動機構52は、ボール可動体56kを上下方向且つ左右方向に移動可能にするための機構である。XY移動機構52は、ボール可動体56kを左右方向に移動(スライド)可能にするラックピニオン機構91と、ボール可動体56kに取付けられているボール左右移動モータ92とを備えている。ラックピニオン機構91では、左右方向に延びるラック91aと、ボール左右移動モータ92の回転軸に取付けられているピニオン(図示省略)とが噛合している。そのため、ボール左右移動モータ92が駆動すると、ボール可動体56kは、ラック91aに沿って左右方向に移動可能である。
またXY移動機構52は、ラックピニオン機構91の左側を上下方向に移動可能に支持する左側回転軸93Lと、ラックピニオン機構91の右側を上下方向に移動可能に支持する右側回転軸93Rと、左側回転軸93Lと右側回転軸93Rとをそれぞれ回転可能にするボール上下移動モータ94とを備えている。ボール上下移動モータ94は、機構板1Aの左下部に設けられていて、左側回転軸93Lに連結していると共に、機構板1Aの下側に設けられている回転連係機構95を介して右側回転軸93Rに連結している。よって、ボール上下移動モータ94は、左側回転軸93Lと右側回転軸93Rとをそれぞれ回転させることで、ラックピニオン機構91及びボール可動体56kを一体的に上下方向に移動可能である。
こうして上下移動機構51では、図6に示す状態から各ボール左右移動モータ92が駆動すると共に、ボール上下移動モータ94が駆動すると、ボール可動体56kは退避位置から例えば図6の二点鎖線で示す露出位置へ移動可能である。その後、ボール可動体56kは、各ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94が上記と反対に駆動すると、退避位置へ移動(復帰)可能である。なお本形態では、各ボール左右移動モータ92の駆動力及びボール上下移動モータ94の駆動力を調整することで、ボール可動体56kを図6の二点鎖線で示す露出位置以外にも、様々な位置(露出位置)へ移動させることが可能である。またボール可動体56kは、各ボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の何れか一方だけが駆動すれば、上下方向又は左右方向の何れか一方向だけに移動可能である。
図5の説明に戻る。図5に示すように、遊技領域6における画像表示装置50の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口11を備える第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動口11を、第1入球口や、固定入球口、第1始動入賞口、第1始動領域ともいう。また第1始動入賞装置11Dを、第1入球手段や、固定入球手段、第1始動入賞装置ともいう。第1始動口11への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー12Dは、開状態と閉状態とをとる電チュー開閉部材12k(入球口開閉部材)を備え、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12を開閉するものである。電チュー開閉部材12kは、後述の電チューソレノイド12sにより駆動される。電チュー開閉部材12kが開状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が可能となり、閉状態にあるときには、第2始動口12への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口12は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、電チュー開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域6における第1始動口11の右方には、大入賞口14を備えた大入賞装置(特別電動役物)14Dが設けられている。大入賞口14を、特別入賞口ともいう。また大入賞装置14Dを、アタッカー(AT)や、特別入賞手段、特別可変入賞装置ともいう。大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材14k(特別入賞口開閉部材)を備え、AT開閉部材14kの作動により大入賞口14を開閉するものである。AT開閉部材14kは、後述のATソレノイド14sにより駆動される。大入賞口14は、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、センター枠61の右方には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。ゲート13を、通過口や通過領域ともいう。ゲート13への遊技球の通過は、電チュー12Dを開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域6の下部には、複数の一般入賞口10が設けられている。また遊技領域6の最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6外へ排出するアウト口19が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域6には、左右方向の中央より左側の左遊技領域6L(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6R(第2遊技領域)とがある。左遊技領域6Lを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域6Rを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機PY1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口11への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲートは配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー12Dが開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート13と、大入賞装置14Dと、電チュー12Dと、アウト口19とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート13への通過や、第2始動口12及び大入賞口14への入賞を狙うことができる。
また図5に示すように、遊技盤1の右下部には表示器類8が配置されている。表示器類8には、図7に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特図表示器81a、第2特別図柄を可変表示する第2特図表示器81b、及び、普通図柄(普図)を可変表示する普図表示器82が含まれている。第1特別図柄を、第1特図又は特図1ともいい、第2特別図柄を第2特図又は特図2ともいう。また、普通図柄を普図ともいう。
また表示器類8には、第1特図表示器81aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器83a、第2特図表示器81bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器83b、および普図表示器82の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器84が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81bを総称して特図表示器81(図柄表示手段)ということがある。また、第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83bを総称して特図保留表示器83ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特図表示器81では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報、判定用情報)は、後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。詳細には、第1始動口11への入賞であれば第1特図保留として、後述の第1特図保留記憶部105aに記憶され、第2始動口12への入賞であれば第2特図保留として、後述の第2特図保留記憶部105bに記憶される。各々の特図保留記憶部105に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器83に表示される。具体的には特図保留表示器83はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート13への遊技球の通過を契機として行われる。普図表示器82では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口12の開放パターンについては後述する。
具体的には普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており(図7参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、後述の普図保留記憶部106に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
普図保留記憶部106に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機PY1では、ゲート13への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器84に表示される。具体的には普図保留表示器84は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示する。
2.上側装飾ユニットの構成
次に図3及び図8~図13に基づいて、上側装飾ユニット200の構成を説明する。図8に示すように、上側装飾ユニット200は、前扉23のベース枠23wの上部に取付けられている。上側装飾ユニット200は、昇降ユニット300と、中央上部ユニット400と、左上部ユニット500と、右上部ユニット550とを備えている。中央上部ユニット400、左上部ユニット500、右上部ユニット550は、昇降ユニット300の前面側に配された取付ベース331に組付けられている。
昇降ユニット300は、上側装飾ユニット200の昇降動作を行うものである(図3及び図9参照)。左上部ユニット500および右上部ユニット550は、開閉動作を行うものである(図9及び図12参照)。なお以下では、左上部ユニット500及び右上部ユニット550をまとめて説明する場合には、「開閉ユニット600」ということがある。開閉ユニット600は、中央上部ユニット400に対して組付けられている。
先ず、上側装飾ユニット200での昇降動作について説明する。上側装飾ユニット200のうち可動側である中央上部ユニット400及び開閉ユニット600は、昇降ユニット300により、図3に示す下降位置(原点位置)から図9に示す上昇位置(動作位置)へ上昇(移動)することが可能である。なお側面図において、中央上部ユニット400及び開閉ユニット600は、図10(A)に示す下降位置から図10(B)に示す上昇位置へ移動することが可能である。勿論、中央上部ユニット400及び開閉ユニット600は、下降位置へ下降(移動)できるようになっている。
昇降ユニット300は、図11(A)(B)に示すように、ステッピングモータである昇降モータ310(二点鎖線参照)と、第1ギヤ311と、第2ギヤ312と、第3ギヤ313とを備えている。そのため、昇降モータ310が駆動すると、第1ギヤ311、第2ギヤ312、第3ギヤ313が順番に回転する。また昇降ユニット300には、上下方向に長く伸びる円弧状の長孔314(二点鎖線参照)が形成されている。長孔314には、後述するスライド部材410の軸ピン411が上下方向にスライド可能に挿通されている。
中央上部ユニット400は、図3に示すように、中央に演出可動物として中央可動体401(可動体,駆動手段)を備え、図11(A)(B)に示すように、後方の左右両側に、スライド部材410を備えている。スライド部材410の下端には、上述した長孔314に挿通される軸ピン411が設けられている。また中央上部ユニット400には、リンク機構420が設けられている。リンク機構420は、スライド部材410を組付けていて、上述した第3ギヤ313が回転することで、スライド部材410を長孔314に沿って移動させることが可能になっている。
こうして、中央上部ユニット400(中央可動体401)及び開閉ユニット600が、図3に示す下降位置にあるときに、昇降モータ310が駆動すると、第1ギヤ311と第2ギヤ312と第3ギヤ313とが回転する。これによりリンク機構420が作動して、スライド部材410の軸ピン411が図11(A)に示す位置から図11(B)に示す位置まで、長孔314に沿って上方にスライドする。その結果、スライド部材410を組付けている中央上部ユニット400(中央可動体401)と、開閉ユニット600とが、図9に示す上昇位置へ上昇するようになっている。
ここで図3及び図9に示すように、中央可動体401の正面側には、環状のタッチ電極430が取付けられている。タッチ電極430は、中央可動体401の内部に設けられているタッチセンサ431(図3及び図8では不図示)に電気的に接続されている。タッチセンサ431は、タッチ電極430に対する人体(遊技者等)の接触を検出するものであり、具体的には高周波発振回路を利用する静電容量式のタッチセンサである。つまり、人体がタッチ電極430に接触すると、人体の大地に対する静電容量(人体容量)に基づいて、高周波発振回路が発振する高周波正弦波電圧が減少する。タッチセンサ431は、この高周波正弦波電圧の減少を検知することにより、人体がタッチ電極430に接触したことを検出するようになっている。なおタッチセンサ431は、設定で感度を調整することにより、タッチ電極430に対する人体の接触だけでなく、タッチ電極430に対する人体の接近も検出可能である。
本形態では、タッチセンサ431による検出がなされると、中央可動体401(中央上部ユニット400)を停止させることが可能である。従って、中央可動体401の移動中に、人体(遊技者等)がタッチ電極430に接触すると、中央可動体401を停止させることが可能である。これにより、移動中の中央可動体401とその他の演出物との間で、人体が挟み込まれるのを回避することが可能である。なお人体がタッチ電極430に接触していれば、待機位置にある中央可動体401が駆動位置へ駆動し始めるタイミングであっても、中央可動体401は待機位置で停止し続けることになる。また人体がタッチ電極430に接触していれば、駆動位置にある中央可動体401が待機位置へ駆動し始めるタイミングであっても、中央可動体401は駆動位置で停止し続けることになる。
また図3及び図9に示すように、中央可動体401のうちタッチ電極430の上方には、接触用報知ランプ432が設けられている。接触用報知ランプ432は、タッチセンサ431による検出がなされているときに、発光可能なものである。従って遊技者がタッチ電極430に接触したときに、接触用報知ランプ432が発光することで、タッチ電極430に接触しない方が良いこと(中央可動体401によって人体が挟み込まれるおそがあること)を遊技者に把握させ易くすることが可能である。
次に、上側装飾ユニット200での開閉動作について説明する。開閉ユニット600(具体的には後述する左側可動体510及び右側可動体560)は、図9に示す閉鎖位置(原点位置)から図12に示す開放位置(動作位置)へ開く(移動する)ことが可能である。なお開閉ユニット600は、中央上部ユニット400に対して開閉するものである。そのため、図9及び図12では、中央上部ユニット400が上昇位置にあるときに開閉ユニット600の開閉動作が示されているが、中央上部ユニット400が下降位置にあっても開閉ユニット600は開閉動作可能である。左上部ユニット500と右上部ユニット550は、左右対称の形状をしており、構成要素は同じである。よって以下では、左上部ユニット500について説明し、右上部ユニット550については詳細な説明を省略する。
図13に示すように、左上部ユニット500は、左側可動体510(可動体,駆動手段)と、左側可動体510を駆動させるための開閉駆動部530とを備えている。開閉駆動部530は、ステッピングモータである左上部モータ531と、左上部モータ531の回転軸に取付けられた駆動ギヤ532と、駆動ギヤ532と噛み合っている従動ギヤ533と、従動ギヤ533と噛み合っている扇形ギヤ部534とを備えている。扇形ギヤ部534は、左側可動体510に固定されている。よって、左上部モータ531が駆動すると、駆動ギヤ532、従動ギヤ533、扇形ギヤ部534が連動し、左側可動体510は、軸部材511を回転中心として回転する。
左側可動体510は、閉鎖位置(図9参照)にあるときに遊技者に視認されない内側部材512と、閉鎖位置にあるときに遊技者に視認される外側部材520とが組合わされたものである。内側部材512は、円形状の内側レンズ部513と、内側レンズ部513を囲う内側本体部515とを備えており、外側部材520は、円形状の外側レンズ部521(図9参照)と、外側レンズ部521を囲う外側本体部523とを備えている。内側本体部515および外側本体部523は、透光性を有する合成樹脂からなる。
右上部ユニット550については、左側可動体510に対応する構成を右側可動体560(可動体,駆動手段)と称し、左上部モータ531に対応する構成を右上部モータ581と称し、残りの構成を左上部ユニット500における構成と同様の名称および符号とする。なお本形態では、左側可動体510と右側可動体560とが同時に開閉動作を行ったり、何れか一方だけ開閉動作を行うことがある。更に、左側可動体510の開放動作(閉鎖位置から開放位置への移動)⇒右側可動体560の開放動作⇒左側可動体510の閉鎖動作(開放位置から閉鎖位置への移動)⇒右側可動体560の閉鎖動作の順番に左側可動体510と右側可動体560とが動作することもある。
ここで展開解除ボタン44kの機能について説明する。本形態では、後述するSPリーチの中でも特に当選期待度が高いSPリーチ(強SPリーチ)の実行中において、中央上部ユニット400及び開閉ユニット600による展開駆動演出が実行され得る。展開駆動演出が実行される場合、先ず中央可動体401(中央上部ユニット400)が、図3に示す下降位置から図9に示す上昇位置へ移動する。その後、左側可動体510及び右側可動体560が、図9に示す閉鎖位置から図12に示す開放位置へ移動する。こうして展開駆動演出が実行されることにより、当選期待度が高い演出としての演出効果を一層高めることが可能である。
しかしながら、展開駆動演出が実行されると、図12に示すように、遊技者にとってパチンコ遊技機PY1よりも上方が見え難くなる。具体的には、パチンコ遊技機PY1よりも上方にて大きく展開している中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560とが邪魔になって、パチンコ遊技機PY1よりも上方に配置されているデータカウンタ等が見え難くなるおそれがある。そこで本形態では、展開解除ボタン44kを押下操作することで、左側可動体510及び右側可動体560(開閉ユニット600)を閉鎖位置へ移動(復帰)させると共に、中央可動体401(中央上部ユニット400)を下降位置へ移動させることが可能である。これにより遊技者は、展開駆動演出の実行中であっても、展開解除ボタン44kを押下操作することで、パチンコ遊技機PY1よりも上方(データカウンタ等)を見え易くすることが可能である。
なお中央可動体401が下降位置にいない状態であれば、左側可動体510及び右側可動体560がどの位置にあっても、展開解除ボタン44kを押下操作することで、中央可動体401を下降位置へ移動させると共に、左側可動体510及び右側可動体560を閉鎖位置へ移動させることが可能である。また中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560の何れか1つでも移動中であるときに、展開解除ボタン44kを押下操作すれば、中央可動体401を下降位置へ移動させることが可能であると共に、左側可動体510及び右側可動体560を閉鎖位置へ移動させることが可能である。
3.遊技機の電気的構成
次に図14~図16に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図14及び図15に示すようにパチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100(主制御基板)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120(サブ制御基板)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板170等を備えている。なお、遊技制御基板100は、メイン制御部を構成し、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御基板161、及びサブドライブ基板162とともにサブ制御部を構成する。
なお、サブ制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50やスピーカ610、盤ランプ54、枠ランプ212、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56k等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM(Random Access Memory)104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
図14に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート118が含まれている。遊技用RAM104には、上述した特図保留記憶部105(第1特図保留記憶部105aおよび第2特図保留記憶部105b)と普図保留記憶部106とが設けられている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技制御基板100には、中継基板110を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、および一般入賞口センサ10aが接続されている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ13aは、ゲート13内に設けられてゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10内に設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動するものである。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図表示器81(第1特図表示器81aおよび第2特図表示器81b)、普図表示器82、特図保留表示器83(第1特図保留表示器83aおよび第2特図保留表示器83b)、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドや信号を送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
なお遊技者による発射装置72のハンドル72k(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図15に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また図15に示すように、演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161(音声制御回路)が接続されている。画像制御基板140には画像表示装置50が接続され、音声制御基板161にはスピーカ610が接続されている。また図15及び図16に示すように、演出制御基板120には、サブドライブ基板162(サブドライブ回路)が接続されている。
サブドライブ基板162には、図16に示すように、枠ランプ212、盤ランプ54、キャラ移動モータ58(キャラ可動体55k)、ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94(ボール可動体56k)が接続されている。またサブドライブ基板162には、枠上中継基板180を介して、昇降ユニット300に設けられている昇降モータ310と、中央可動体401に設けられている接触用報知ランプ432及びタッチセンサ431に接続されている。更にサブドライブ基板162には、枠上中継基板180を介して、左上部ユニット500の左上部モータ531と、右上部ユニット550の右上部モータ581に接続されている。
図15に示すように、演出制御基板120の演出制御用マイコン121(演出制御手段)は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の制御を行わせる。画像制御基板140は、画像表示等の制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。なお、画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ610から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ610から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ610を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
また図15および図16に示すように、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162、枠上中継基板180を介して、各種の枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプ駆動データともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432は、具体的には、回路基板に実装されているLEDのことである。これら枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432は、回路基板のLED回路に流れる駆動電流の大きさに応じて発光可能である。即ち、回路基板のLED回路に流れる駆動電流が大きいほど、枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432は、明るく発光できるようになっている。本形態では、演出制御用マイコン121が、サブドライブ基板162に送信するランプデータに基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54の回路基板のLED回路に流れる駆動電流の大きさを調整可能になっている。なおLED回路では、LEDの色を変化させずに明るさを変更するため、PWM(Pulse Width Modulation)信号に基づくPWM制御(パルス幅変調制御)が実行される。
ここで本形態では、タッチセンサ431がタッチ電極430に対する人体の接触を検出すると、タッチセンサ431から検出信号が枠上中継基板180とサブドライブ基板162とを介して演出制御基板120に入力される。このとき演出制御用マイコン121は、接触報知ランプデータをサブドライブ基板162に送信する。これにより、接触報知ランプデータを受信したサブドライブ基板162は、枠上中継基板180を介して接触用報知ランプ432を発光させるようになっている。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブドライブ基板162を介してキャラ可動体55k及びボール可動体56kの駆動制御を行うと共に、サブドライブ基板162及び枠上中継基板180を介して中央可動体401、左側可動体510、及び右側可動体560の駆動制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動体の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581の駆動制御を行う。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
本形態では、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94は、ステッピングモータであり、演出制御用マイコン121によるステップ数の管理によって駆動する。そのため演出制御用マイコン121は、ステップ数の管理によって、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94をどのくらい回転駆動させたかを把握している。つまり、演出制御用マイコン121は、ステップ数の管理によって、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、及びボール可動体56kが現在どの位置にいるのかを把握できるようになっている。
また本パチンコ遊技機PY1では、安全性を高めるため、中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560の位置を検出するフォトセンサをそれぞれ設けている。即ち、図示を省略するが、中央可動体401の下降位置を検出するフォトセンサ、中央可動体401の上昇位置を検出するフォトセンサ、左側可動体510の閉鎖位置を検出するフォトセンサ、左側可動体510の開放位置を検出するフォトセンサ、右側可動体560の閉鎖位置を検出するフォトセンサ、右側可動体560の開放位置を検出するフォトセンサが設けられている。こうして演出制御用マイコン121は、ステップ数の管理以外に、フォトセンサによっても、中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560の位置を把握することが可能である。
なお、サブドライブ基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や、可動体の駆動制御を行わせてもよい。さらにこの場合、サブドライブ基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また演出制御基板120には、図15に示すように、入力部検知センサ40a(演出ボタン検知センサ)、セレクトボタン検知センサ42a、展開解除ボタン検知センサ44aが接続されている。入力部検知センサ40aは、入力部40k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。入力部40kが押下操作されると入力部検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42k(図1参照)が押下操作されたことを検知するものである。セレクトボタン42kが押下操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
展開解除ボタン検知センサ44aは、展開解除ボタン44k(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。展開解除ボタン44kが押下操作されると展開解除ボタン検知センサ44aから演出制御基板120に対して検出信号が出力される。これにより演出制御用マイコン121は、上述したように、下降位置にいない中央可動体401を下降位置へ移動させると共に、閉鎖位置にいない左側可動体510及び右側可動体560を閉鎖位置へ移動させることが可能である。
なお図14~図16は、あくまで本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図14~図16に示す基板だけが設けられているわけではない。遊技制御基板100を除いて、図14~図16に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図14~図16に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
ところで本形態において、昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94は、従来から演出用モータとして一般的に用いられているユニポーラ型のステッピングモータではなく、バイポーラ型のステッピングモータになっている。
ここでバイポーラ型のステッピングモータの機能を、図17(A)に基づいて概略的に説明する。図17(A)に示すように、バイポーラ型のステッピングモータでは、2組のコイルA及びコイルBが設けられている。そしてコイルAには、φ1端子とφ2端子とが設けられている。またコイルBには、φ3端子とφ4端子とが設けられている。このバイポーラ型のステッピングモータを駆動させる場合、図17(A)の(1)⇒(2)⇒(3)⇒(4)に示すように、コイルAとコイルBに流す電流の向きを交互に切替えるようになっている。
即ち、先ず図17(A)の(1)に示すように、コイルAのφ1端子からφ2端子へ電流を流す。次に図17(A)の(2)に示すように、コイルBのφ3端子からφ4端子へ電流を流す。続いて図17(A)の(3)に示すように、コイルAのφ2端子からφ1端子へ電流を流す。最後に図17(A)の(4)に示すように、コイルBのφ4端子からφ3端子へ電流を流す。以後、上記(1)(2)(3)(4)を繰り返すことにより、回転軸を、発生した磁力で引き付けるように回転させる。こうしてバイポーラ型のステッピングモータでは、各端子に流れる電流の向きが切替わることが特徴になる。
これに対して、従来から演出用モータとして一般的に用いられているユニポーラ型のステッピングモータの機能を、図17(B)に基づいて概略的に説明する。図17(B)に示すように、ユニポーラ型のステッピングモータでも、2組のコイルA及びコイルBが設けられている。そしてコイルAには、φ1端子とφ2端子とが設けられていて、コイルAの中間にタップTPが設けられている。またコイルBには、φ3端子とφ4端子とが設けられていて、コイルBの中間にタップTPが設けられている。タップTPには、常に+電源(DC)が接続されている。このユニポーラ型のステッピングモータを駆動させる場合、図17(B)の(1)⇒(2)⇒(3)⇒(4)に示すように、タップTPから各端子へ電流を一方向へ流すようになっている。
即ち、先ず図17(B)の(1)に示すように、コイルAのタップTPからφ1端子へ電流を流す。次に図17(B)の(2)に示すように、コイルBのタップTPからφ3端子へ電流を流す。続いて図17(B)の(3)に示すように、コイルAのタップTPからφ2端子へ電流を流す。最後に図17(B)の(4)に示すように、コイルBのタップTPからφ4端子へ電流を流す。以後、上記(1)(2)(3)(4)を繰り返すことにより、回転軸を、発生した磁力で引き付けるように回転させる。こうしてユニポーラ型のステッピングモータでは、各端子に流れる電流の向きが常に一定であることが特徴になる。
以上、図17(B)に示すユニポーラ型のステッピングモータでは、回転時の各フェーズ((1)(2)(3)(4)の何れかの時点)のコイルA,Bにおいて、半分のコイル(巻線)でしか電流が流れていない状態になる。これに対して、図17(A)に示すバイポーラ型のステッピングモータでは、回転時の各フェーズのコイルA,Bにおいて、電流の向きが切替わるものの、コイル全体に電流が流れている状態になる。即ち常にコイルが機能することになる。従って、本形態のようにバイポーラ型のステッピングモータを用いる場合には、従来のようにユニポーラ型のステッピングモータを用いる場合に比べて、同じ巻き数のコイルであれば、コイルの利用効率が高くなる。その結果、モータを効率良く回転させることが可能であり、低速回転時の出力トルクを高くすることが可能である。
こうして本形態では、バイポーラ型のステッピングモータである昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94を用いることで、ユニポーラ型のステッピングモータを用いる場合に比べて、低速回転時の出力トルクを高くすることが可能である。しかしながら、低速回転時の出力トルクが高くなる反面、ユニポーラ型のステッピングモータに比べて、消費電流(電力)が大きくなるというデメリットはある。
また本形態では、バイポーラ型のステッピングモータが可動体(中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、及びボール可動体56k)を移動させる場合の励磁方式として、2相励磁を用いている。2相励磁は、図18(A)に示すように、パルスを付与する次の相に対して1パルス分だけずらしながら、2相ずつ同時に励磁する方式である。この2相励磁に対して例えば、1相励磁がある。1相励磁は、図18(B)に示すように、パルスを付与する度に1相ずつ励磁する方式である。本形態の2相励磁であれば、1相励磁に比べて、回転を安定させることが可能であり、高速回転に有利である。更に、出力トルクを大きくできるというメリットがある。但し、1相励磁に比べて、消費電流(電力)が2倍程度になるというデメリットがある。
4.枠ランプ及び盤ランプへの電流制限
次に、本形態の特徴である枠ランプ212及び盤ランプ54への電流制限について説明する。そこで先ず電流制限する事情について説明する。電源基板190(図14及び図15参照)では、外部から供給される24Vの交流電源から様々な電圧の電源(電力)を作り出している。具体的に、電源基板190(電力供給手段)は、24Vの交流電源から整流回路と平滑回路とDC-DCコンバータ等を用いてDC37Vの電源を生成する。更に、DC37Vの電源の一部から、DC12Vの電源、DC5Vの電源、DC18Vの電源、DC24Vの電源を生成するようになっている。
これらの電源のうち、例えばDC24Vの電源は、演出用モータ(昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94)の電源として使用される。またDC18Vの電源は、各種LED(枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432)の電源として使用される。またDC5Vの電源は、各種の集積回路(IC)の電源として使用される。またDC12Vの電源は、メイン制御部(遊技制御基板100、払出制御基板170)の電源や、遊技の進行に関与する各種センサ及び各種ソレノイドの電源として使用され、演出用モータの電源として使用される場合もある。
ところで近年の遊技機では、多くの可動体やLED(駆動手段)が設けられているため、電源基板によって供給可能な電流の上限値(ピーク電流)を超えるおそれがあると共に、電源基板によって定まる許容損失を超えるおそれがある。なお許容損失とは、電源基板の性能を維持できる温度を超えないように許容できる消費電力のことである。本形態のパチンコ遊技機PY1では、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560という比較的大きな枠可動体が複数あって、ボール可動体及びボール可動体56kという盤可動体も複数ある。そして上述したように、演出用モータとしてバイポーラ型のステッピングモータを用いて、且つ励磁方式として2相励磁を用いている。以上により、パチンコ遊技機PY1全体として消費電力(電流)が大きくなっていて、電源基板190による性能を超えるおそれがあった。
ここで設計開発において、電源基板190による性能を超えないように、本形態では電源基板190の許容損失を280Wに設定している。また各種電源の起源となるDC37Vのピーク電流(瞬間的に最も大きくなる値となる電流値)が11A以下になるように設定している。その上で、許容損失やDC37Vのピーク電流が上記した基準値(280W,11A)を超えないように、更に各種電源のピーク電流もそれぞれ所定の基準値以下になるように設定されている。そこで本形態では、演出用モータ(昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94)の電源のピーク電流が4A未満となるように設定している。但し、遊技中の状況によっては、演出用モータの電源のピーク電流が4A以下であっても、電源基板190の負担が大きくなり過ぎるおそれがあるため、演出用モータの電源のピーク電流は基本的に3A(3000mA)未満であることが望ましい。
以上の事情に鑑みて、本形態では、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況において、以下のように対処している。即ち、演出制御用マイコン121が、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満である状況と、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況とを判断できるようにしている。具体的には、演出用ROM123に図19に示す電流制限判定テーブルが記憶されている。これにより演出制御用マイコン121は、図19に示す電流制限判定テーブルを演出用ROM123から読み出して、この電流制限判定テーブルを用いて、現時点での演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であるか否かを判断できるようにしている。
その結果、演出制御用マイコン121が、演出用モータの電源のピーク電流(電力供給手段の供給電力に基づく特定値)が3000mA(所定値)以上であると判定すれば、枠ランプ212及び盤ランプ54(枠ランプ212及び盤ランプ54の回路基板上のLED回路)に供給される電流が25%の大きさの電流(小電流)になるように制御する。つまり、通常であればその時点で枠ランプ212及び盤ランプ54にX電流(通常電流)が供給されるところ、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であると判定されれば、枠ランプ212及び盤ランプ54にX電流の25%分だけが供給される。
これにより、枠ランプ212及び盤ランプ54(発光手段)に供給される電流が小さくなって、枠ランプ212及び盤ランプ54での消費電流を抑えることが可能である。そのため、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であっても、パチンコ遊技機PY1全体としての消費電流を抑えることが可能である。従って、電源基板190の負担を軽減することができて、電源基板190の許容損失が280Wを超えたり、DC37Vのピーク電流が11Aを超えるのを防ぐことが可能である。
なお枠ランプ212及び盤ランプ54に供給される電流を通常電流(枠ランプデータに基づく電流、盤ランプデータに基づく電流)の25%の大きさの電流にする場合、枠ランプ212及び盤ランプ54が通常時と比べて暗い発光態様で発光する。しかしながら、枠ランプ212や盤ランプ54は、当選期待度の示唆に大きく関与する演出手段ではなく、その他の演出手段に比べて遊技者が注目する度合いが低いものである。従って、一時的に、枠ランプ212及び盤ランプ54が通常時と比べて暗い発光態様で発光しても、その他の演出手段が駆動しない場合(例えば可動体が移動しない場合)に比べて、遊技者に与える違和感を軽減することが可能である。
ここでパチンコ遊技機PY1には、枠ランプ212及び盤ランプ54が、非常に多く設けられていて、パチンコ遊技機PY1に電源が投入されている間は基本的に発光し続けている。その上で、遊技中に当選期待度が高い演出(SPリーチ等)が実行されているときには、枠ランプ212及び盤ランプ54が特に明るい発光態様で発光する。このように非常に多くの枠ランプ212及び盤ランプ54がSPリーチ等によって特に明るい発光態様で発光した場合の消費電流が、電源基板190の負担の増加につながるものであった。
そこで本形態では、当選期待度の高い演出(SPリーチ等)の実行中において、演出用モータは通常通りに駆動させるものの、枠ランプ212及び盤ランプ54については電流制限によって特に明るい発光態様で発光させないようにしている。その結果、演出用モータを多く駆動させるような当選期待度の高い演出(SPリーチ等)の実行中に限り、枠ランプ212及び盤ランプ54での消費電流を抑えることができる。つまり、電源基板190に対する負担が大きくなる状況に合わせて、パチンコ遊技機PY1としての消費電流を効果的に抑えることが可能である。こうして枠ランプ212及び盤ランプ54に対して電流制限を行う場合、特に明るい発光態様で枠ランプ212及び盤ランプ54を発光させる際の電流を基準に、25%の電流の大きさに制御するため、枠ランプ212及び盤ランプ54が非常に暗くなるというものではない。
一方、演出制御用マイコン121が、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満であると判定すれば、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給される電流が通常電流(予め定められた通常の大きさの電流)になるように制御し、通常電流の25%の大きさの電流に制限することはない。そのためこの場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54が通常の発光態様(発光度合い,明るさ)で発光することになる。
ここで図19に示す電流制限テーブルについて説明する。図19に示すように、電流制限テーブルには、各種可動体(中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、及びボール可動体56k)の駆動状況、即ち各種モータ(昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94)の駆動状況に応じた駆動パターン1~63が設けられている。そして、各駆動パターン1~63に応じて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であるか、又は3000mA未満であるかが予め設計開発者によって算出されていて、電流制限テーブルには、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であるか否かの情報が示されている。
こうして演出制御用マイコン121は、例えば駆動パターン1となる状況(昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94の全てが駆動する状況)と判断する場合、図19に示す電流制限テーブルにより、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上と判定することができる。これにより、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給される電流が25%の大きさの電流になる低電流駆動に制御する。
また演出制御用マイコン121は、例えば駆動パターン2となる状況(昇降モータ310が駆動しないものの、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94が駆動する状況)と判断する場合、図19に示す電流制限テーブルにより、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満と判定することができる。これにより、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給される電流が通常電流になる通常電流駆動に制御する。
ところで本パチンコ遊技機PY1では、可動体の動作として設計開発者が想定し難いものがある。具体的に、本形態で設計開発者が想定し難い事態として、以下の3つのイレギュラーな事態がある。
第1のイレギュラーな事態は、展開解除ボタン44k(操作手段)が押下操作されて、下降位置にいない中央可動体401を下降位置へ移動させる(第2駆動手段の駆動態様を復帰態様に変更する)と共に、閉鎖位置にいない左側可動体510及び右側可動体560を閉鎖位置へ移動させる場合である。この場合には、設計開発者が想定したタイミングではなく、遊技者の意思に基づくタイミングで中央可動体401、左側可動体510、及び右側可動体560が移動(復帰)することになる。そのため設計開発者にとっては、意図しない複数のモータが同時に駆動している状況になりかねず、演出用モータの電源のピーク電流がどのような値になるのかの予測がし難い。
第2のイレギュラーな事態は、タッチセンサ431(検出手段)による検出に基づいて、移動しようとする中央可動体401を停止させる(第2駆動手段の駆動態様を停止態様に変更する)場合である。この場合には、設計開発者が想定したタイミングではなく、遊技者等が不注意等によってタッチ電極430に接触したタイミングで、移動しようとする中央可動体401(昇降モータ310)が停止することになる。特に移動中の可動体(中央可動体401)を急に停止させる場合には、モータ(昇降モータ310)に逆起電力による大きな負荷がかかり、消費電流が瞬間的に大きくなり易い。そのため設計開発者にとっては、演出用モータの電源のピーク電流がどのような値になるのかの予測がし難い。
第3のイレギュラーな事態は、特別図柄(図柄)の変動表示の開始時点で、原点位置にいない可動体を原点位置に移動(復帰)させる場合である。一般的にパチンコ遊技機では、遊技者に1回ずつの特別図柄の抽選結果を違和感なく把握できるように、特別図柄の変動表示が終了するまでに演出を初期状態に戻すようにしている。しかしながら、モータの不具合や瞬間的な停電等によって、特別図柄の変動表示が終了するまでに可動体が原点位置までに復帰していない場合が稀にあり得る。そこで本パチンコ遊技機PY1では、特別図柄の変動表示の開始時点で、可動体(中央可動体401,左側可動体510,右側可動体560,キャラ可動体55k,ボール可動体56k)が原点位置(下降位置,閉鎖位置,待機位置、退避位置)にいない場合、可動体を原点位置へ復帰させるようにしている。しかしながら、特別図柄の変動表示の開始時点で、原点位置にいない可動体を原点位置に復帰させることは、設計開発者にとっても極めてイレギュラーな事態であり、モータの不具合等も考慮すると演出用モータの電源のピーク電流がどのような値になるのかの予測がし難い。
以上により、上記した3つのイレギュラーな事態が生じた場合、電源基板190による負担が瞬間的に大きくなり過ぎる可能性を完全に否定できるものではなかった。即ち、仮に上記した3つのイレギュラーな事態が生じたとしても、最悪の事態として電源基板190の許容損失が280Wを超えたり、DC37Vのピーク電流が11Aを超えるのを確実に回避できるように対処する必要があった。
そこで本形態では、上記問題点に対処すべく、演出制御用マイコン121が以下のように対処している。即ち、演出制御用マイコン121は、上記した3つのイレギュラーな事態が生じた場合であって、図19に示す電流制限判定テーブルを用いて演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であると判定すれば、枠ランプ212及び盤ランプ54(枠ランプ212及び盤ランプ54の回路基板上のLED回路)に電流が供給されないように制御する。即ち、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しなくなるように制御する。これにより、枠ランプ212及び盤ランプ54での消費電流を無くすことが可能である。その結果、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であり、且つ上記した3つのイレギュラーな事態が生じても、パチンコ遊技機PY1全体としての消費電流を抑えることが可能である。よって、電源基板190の負担が瞬間的に大きくなり過ぎるのを回避することができて、電源基板190の許容損失が280Wを超えたり、DC37Vのピーク電流が11Aを超えるのを確実に防ぐことが可能である。
5.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技を特別遊技ともいう。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図20に示す通りである。図20に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。確変大当たりと通常大当たりである。確変大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する高確率状態に制御する大当たりである。通常大当たりは、大当たり遊技後の遊技状態を後述する通常確率状態(低確率状態)に制御する大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから8Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから16Rまでは大入賞口14を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。これらの大当たりでは9Rから16Rまでは、大入賞口14の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、特図1の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第1特図表示器81aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な確変大当たり及び通常大当たりは、1Rから16Rまで大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、これらの大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。特図2の抽選によって「確変大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_確変図柄」が停止表示され、「通常大当たり」に当選した場合には、第2特図表示器81bに「特図2_通常図柄」が停止表示される。
いずれの大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技後には後述する電サポ制御状態(高ベース状態)に制御される。電サポ制御状態は、高確率状態に伴って制御される場合には次回の大当たり当選まで継続する。一方、通常確率状態(低確率状態)に伴って制御される場合には、電サポ回数(時短回数)が100回に設定される。電サポ回数とは、電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお図20に示すように、特図1の抽選および特図2の抽選における大当たりの振分率は、共に確変大当たりが65%、通常大当たりが35%となっている。但し、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が8ラウンドの大当たり遊技が実行される一方、特図2の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には実質的なラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行される点で、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図21(A)に示すように、大当たり乱数は0~65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面50a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。また、ゲート13への通過に基づいて取得される乱数には、図21(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
6.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図22(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図23参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図22(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では7秒であるが、時短状態では1秒である(図22(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図24参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図24参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、確変大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では10000回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。つまり本形態では、高確高ベース状態は実質的に次回の大当たり当選まで継続する。なお、高確高ベース状態の終了条件を、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることだけとしてもよい。
また、通常大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することとする。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6R(図5参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6L(図5参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
7.パチンコ遊技機の制御動作
次に、図25に基づいて遊技制御用マイコン101の動作について説明し、図26~図43に基づいて演出制御用マイコン121の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン101の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン101は、図25に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。全ての乱数をハードウェア乱数とする場合、ソフトウェアによる乱数の更新処理は必要ない。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、パチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、一般入賞口センサ10a(図14参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。また入力処理(S102)では、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11a又は第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、入賞検知のあった始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、当たり種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図21(A)参照))を取得する。また、ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、普図保留が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図21(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を所定の判定テーブル(図20,図22(A)(B),図23参照)を用いて判定する。そして、大当たり抽選の結果を示すための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。特別図柄の変動表示の開始時(開始直前)には変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時(開始直前)には変動停止コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図23に示す特図変動パターン判定テーブルを用いて決定される。図23に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。
図23の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。ここでSPリーチの中には、弱SPリーチA、弱SPリーチB、強SPリーチという種類が設けられている。弱SPリーチA⇒弱SPリーチB⇒強SPリーチの順番に、大当たりへの当選期待度が高くなるように、各種の変動パターンの振分率が設定されている。そして強SPリーチの実行を示す変動パターンが選択された場合に、中央上部ユニット400及び開閉ユニット600による展開駆動演出(図12参照)が実行され得るようになっている。
大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、大当たりの種別に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図20参照)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。この大当たり遊技の開始に際して、当選した大当たり図柄の種別の情報を含むオープニングコマンドを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。なおオープニングコマンドは、オープニングの開始を示すコマンドである。また大当たり遊技が開始された後、ラウンド遊技の開始時にはラウンド指定コマンドを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットし、エンディングの開始時にはエンディングコマンドを遊技用RAM104の所定の記憶領域にセットする。なお特別動作処理(S104)において、大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、演出制御用マイコン121に客待ち演出を実行させるための客待ち待機コマンドをセットする。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数を普通図柄当たり判定テーブル(図22(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図24参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン101は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を演出制御基板120等に出力する出力処理(S106)を行う。
以上の遊技制御用マイコン101における処理と並行して、演出制御用マイコン121は図26~図43に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン121の動作について説明する。
[サブ側1msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、図26に示すサブ側1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン121は、サブ側1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するようにサブ側10msタイマ割り込み処理(図40参照)を実行するようになっている。図26に示すように、サブ側1msタイマ割り込み処理ではまず、入力処理を行う(S201)。入力処理(S201)では、入力部検知センサ40a、セレクトボタン検知センサ42a、展開解除ボタン検知センサ44a(図15参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、後述する駆動制御処理を行う(S202)。駆動制御処理(S202)は、各種モータ(昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、ボール上下移動モータ94)の駆動を制御して、各種可動体(中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56k)を移動させるための処理である。次いで、後述するランプデータ出力処理を行う(S203)。ランプデータ出力処理(S203)は、枠ランプ212、盤ランプ54、接触用報知ランプ432を発光させるためのランプデータを出力する処理である。なおランプデータは、電源投入時に客待ち用として演出用RAM124にセットされたり、変動演出パターンに応じて演出用RAM124にセットされるようになっている。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S204)を行って、本処理を終える。
[駆動制御処理]図27に示すように、駆動制御処理(S202)では、演出制御用マイコン121は、後述する中央可動体駆動制御処理(S301)、左側可動体駆動制御処理(S302)、右側可動体駆動制御処理(S303)、キャラ可動体駆動制御処理(S304)、ボール可動体駆動制御処理(S305)を実行する。
[中央可動体駆動制御処理]図28に示すように、中央可動体駆動制御処理(S301)では、演出制御用マイコン121はまず、演出用RAM124に、中央可動体401を移動させるための中央可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S401)。セットされていなければ(S401でNO)、昇降モータ310の駆動制御を行う必要がないため、本処理を終える(図29参照)。一方、セットされていれば(S401でYES)、中央可動体駆動データに基づいて中央可動体401を移動させるタイミングであるか否かを判定する(S402)。移動させるタイミングでなければ(S402でNO)、ステップS408に進む。これに対して、移動させるタイミングであれば(S402でYES)、図19に示す電流制限判定テーブルを参照する(S403)。
そして、電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S404)。例えば演出制御用マイコン121は、中央可動体401を移動(昇降モータ310を駆動)させる状況であって、左上部モータ531と右上部モータ581とキャラ移動モータ58とボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94とが既に駆動している状況であれば、駆動パターン1であると判断する。そして、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、駆動パターン1であれば、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になると判定するようになっている。
演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である状況と判定すれば(S404でYES)、第1低電流駆動フラグをONにして(S405)、ステップS406に進む。第1低電流駆動フラグは、中央可動体401の移動(昇降モータ310の駆動)に基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になることを示すフラグである。即ち、第1低電流駆動フラグは、中央可動体401の移動によって、枠ランプ212及び盤ランプ54への供給電流を小さくすることを示すフラグである。ここで本形態では、枠ランプ212と盤ランプ54が「特定駆動手段」又は「第1駆動手段」に相当し、中央可動体401と昇降モータが「他の駆動手段」又は「第2駆動手段」に相当する。ステップS406では、昇降モータ310の駆動の開始を僅かに遅らせる遅延駆動処理を実行して、ステップS408に進む。
ここで遅延駆動処理(S406)とは、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始した後に、中央可動体駆動データに基づいて中央可動体401を移動させるための処理である。つまり、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始する前に、中央可動体401の移動(昇降モータ310の駆動)を開始してしまうと、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況が生じかねない。そこで本形態では、昇降モータ310の駆動の開始を僅かに(例えば100ms)遅らせることで、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始する前に、中央可動体401の移動(昇降モータ310の駆動)が開始されてしまうのを防ぐことが可能である。
一方、ステップS404において演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満である状況と判定すれば(S404でNO)、中央可動体駆動データに基づいて中央可動体401を移動させるための駆動処理を実行して(S407)、ステップS408に進む。即ち、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満であれば、遅延駆動処理(S406)を実行することなく、昇降モータ310の駆動を直ちに開始する。
ステップS408では、中央可動体401が下降位置にあるか否かを判定する。下降位置にいれば(S408でYES)、図29に示すステップS413に進む。一方、下降位置にいなければ(S408でNO)、続いて展開解除ボタン検知センサがONであるか否かを判定する(S409)。ONでなければ(S409でNO)、展開解除ボタン44kが押下操作されていないことになり、図29に示すステップS413に進む。これに対して、ONであれば(S409でYES)、下降位置にいない中央可動体401を下降位置に復帰させる下降駆動処理を実行する(S410)。つまり、中央可動体401が下降位置に復帰するように、昇降モータ310を駆動させる。
続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S411)。このとき中央可動体401が下降位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、中央可動体401が移動(昇降モータ310が駆動)するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS411において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S411でNO)、図29に示すステップS413に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S411でYES)、第1無電流フラグをONにして(S412)、図29に示すステップS413に進む。第1無電流フラグは、中央可動体401の移動(昇降モータ310の駆動)に基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しなくなることを示すフラグである。こうして、上記第1のイレギュラーな事態(展開解除ボタン44kが押下操作されて中央可動体401が下降位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
図29に示すように、ステップS413では、タッチセンサ431がONであるか否かを判定する。即ち、タッチ電極430に人体が接触した状況か否かを判定する。ONでなければ(S413でNO)、ステップS418に進む。一方、ONであれば(S413でYES)、中央可動体401を移動させないようにする停止駆動処理を実行して(S414)、ステップS415に進む。つまり、昇降モータ310が駆動しないように制御する。
そして、中央可動体401が下降位置から上昇位置へ移動中、又は上昇位置から下降位置へ移動中であったか否かを判定する(S415)。中央可動体401が移動中でなければ(S415でNO)、ステップS418に進む。これに対して、中央可動体401が移動中であれば(S415でYES)、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S416)。このとき中央可動体401が移動している状態から急に停止されることになるため、昇降モータ310には大きな負荷をかけることになる。よって、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、昇降モータ310が駆動するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS416において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S416でNO)、ステップS418に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S416でYES)、第1無電流フラグをONにして(S417)、ステップS418に進む。こうして、上記第2のイレギュラーな事態(タッチ電極430に接触して中央可動体401が停止する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
ステップS418では、中央可動体強制復帰フラグがONであるか否かを判定する。中央可動体強制復帰フラグは、特別図柄の変動表示の開始時に中央可動体401が下降位置にいないことにより、中央可動体401を強制的に下降位置へ復帰させることを示すフラグである。なお中央可動体強制復帰フラグは、後述するステップS1302(図43参照)でONされるものである。中央可動体強制復帰フラグがONでなければ(S418でNO)、ステップS423に進む。
一方、中央可動体強制復帰フラグがONであれば(S418でYES)、下降位置にいない中央可動体401を下降位置に復帰させる強制復帰処理を実行する(S419)。つまり、中央可動体401が下降位置に復帰するように、昇降モータ310を駆動させる。そして中央可動体強制復帰フラグをOFFにする(S420)。続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S421)。このとき中央可動体401が下降位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、中央可動体401が移動(昇降モータ310が駆動)するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS421において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S421でNO)、ステップS423に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S421でYES)、第1無電流フラグをONにして(S422)、ステップS423に進む。こうして、上記第3のイレギュラーな事態(変動開始時に中央可動体401が下降位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
ステップS423では、中央可動体401が下降位置へ復帰した状況か否かを判定する。下降位置へ復帰した状況でなければ(S423でNO)、本処理を終える。一方、下降位置へ復帰した状況であれば(S423でYES)、演出用RAM124にセットされていた中央可動体駆動データをリセットする(S424)。続いて、第1低電流駆動フラグをOFFすると共に(S425)、第1無電流フラグをOFFして(S426)、本処理を終える。
[左側可動体駆動制御処理]図30に示すように、左側可動体駆動制御処理(S302)では、演出制御用マイコン121はまず、演出用RAM124に、左側可動体510を移動させるための左側可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S501)。セットされていなければ(S501でNO)、左上部モータ531の駆動制御を行う必要がないため、本処理を終える(図31参照)。一方、セットされていれば(S501でYES)、左側可動体駆動データに基づいて左側可動体510を移動させるタイミングであるか否かを判定する(S502)。移動させるタイミングでなければ(S502でNO)、ステップS508に進む。これに対して、移動させるタイミングであれば(S502でYES)、図19に示す電流制限判定テーブルを参照する(S503)。
そして、電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S504)。例えば演出制御用マイコン121は、左側可動体510を移動(左上部モータ531を駆動)させる状況であって、右上部モータ581とキャラ移動モータ58とボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94とが既に駆動している状況であれば、駆動パターン2であると判断する。そして、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、駆動パターン2であれば、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満になると判定するようになっている。
演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である状況と判定すれば(S504でYES)、第2低電流駆動フラグをONにして(S505)、ステップS506に進む。第2低電流駆動フラグは、左側可動体510の移動(左上部モータ531の駆動)に基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になることを示すフラグである。即ち、第2低電流駆動フラグは、左側可動体510の移動によって、枠ランプ212及び盤ランプ54への供給電流を小さくすることを示すフラグである。
ステップS506では、左上部モータ531の駆動の開始を僅かに遅らせる遅延駆動処理を実行して、ステップS508に進む。この遅延駆動処理(S506)は、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始した後に、左側可動体駆動データに基づいて左側可動体510を移動させるための処理である。こうして本形態では、左上部モータ531の駆動の開始を僅かに(例えば100ms)遅らせることで、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始する前に、左側可動体510の移動(左上部モータ531の駆動)が開始されてしまい、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になるのを回避することが可能である。
一方、ステップS504において演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満である状況と判定すれば(S504でNO)、左側可動体駆動データに基づいて左側可動体510を移動させるための駆動処理を実行して(S507)、ステップS508に進む。即ち、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満であれば、遅延駆動処理(S506)を実行することなく、左上部モータ531の駆動を直ちに開始する。
ステップS508では、左側可動体510が閉鎖位置にあるか否かを判定する。閉鎖位置にいれば(S508でYES)、図31に示すステップS513に進む。一方、閉鎖位置にいなければ(S508でNO)、続いて展開解除ボタン検知センサがONであるか否かを判定する(S509)。ONでなければ(S509でNO)、展開解除ボタン44kが押下操作されていないことになり、図31に示すステップS513に進む。これに対して、ONであれば(S509でYES)、閉鎖位置にいない左側可動体510を閉鎖位置に復帰させる閉鎖駆動処理を実行する(S510)。つまり、左側可動体510が閉鎖位置に復帰するように、左上部モータ531を駆動させる。
続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S511)。このとき左側可動体510が閉鎖位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、左側可動体510が移動(左上部モータ531が駆動)するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS511において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S511でNO)、図31に示すステップS513に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S511でYES)、第2無電流フラグをONにして(S512)、図31に示すステップS513に進む。第2無電流フラグは、左側可動体510の移動(左上部モータ531の駆動)に基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しなくなることを示すフラグである。こうして、上記第1のイレギュラーな事態(展開解除ボタン44kが押下操作されて左側可動体510が閉鎖位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
図31に示すように、ステップS513では、左側可動体強制復帰フラグがONであるか否かを判定する。左側可動体強制復帰フラグは、特別図柄の変動表示の開始時に左側可動体510が閉鎖位置にいないことにより、左側可動体510を強制的に閉鎖位置へ復帰させることを示すフラグである。なお左側可動体強制復帰フラグは、後述するステップS1304(図43参照)でONされるものである。左側可動体強制復帰フラグがONでなければ(S513でNO)、ステップS518に進む。
一方、左側可動体強制復帰フラグがONであれば(S513でYES)、閉鎖位置にいない左側可動体510を閉鎖位置に復帰させる強制復帰処理を実行する(S514)。つまり、左側可動体510が閉鎖位置に復帰するように、左上部モータ531を駆動させる。そして左側可動体強制復帰フラグをOFFにする(S515)。続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S516)。このとき左側可動体510が閉鎖位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、左側可動体510が移動(左上部モータ531が駆動)するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS516において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S516でNO)、ステップS518に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S516でYES)、第2無電流フラグをONにして(S517)、ステップS518に進む。こうして、上記第3のイレギュラーな事態(変動開始時に左側可動体510が閉鎖位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
ステップS518では、左側可動体510が閉鎖位置へ復帰した状況か否かを判定する。閉鎖位置へ復帰した状況でなければ(S518でNO)、本処理を終える。一方、閉鎖位置へ復帰した状況であれば(S518でYES)、演出用RAM124にセットされていた左側可動体駆動データをリセットする(S519)。続いて、第2低電流駆動フラグをOFFすると共に(S520)、第2無電流フラグをOFFして(S521)、本処理を終える。
[右側可動体駆動制御処理]図32に示すように、右側可動体駆動制御処理(S303)では、演出制御用マイコン121はまず、演出用RAM124に、右側可動体560を移動させるための右側可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S601)。セットされていなければ(S601でNO)、右上部モータ581の駆動制御を行う必要がないため、本処理を終える(図33参照)。一方、セットされていれば(S601でYES)、右側可動体駆動データに基づいて右側可動体560を移動させるタイミングであるか否かを判定する(S602)。移動させるタイミングでなければ(S602でNO)、ステップS608に進む。これに対して、移動させるタイミングであれば(S602でYES)、図19に示す電流制限判定テーブルを参照する(S603)。
そして、電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S604)。例えば演出制御用マイコン121は、右側可動体560を移動(右上部モータ581を駆動)させる状況であって、昇降モータ310とキャラ移動モータ58とボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94とが既に駆動している状況であれば、駆動パターン3であると判断する。そして、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、駆動パターン3であれば、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になると判定するようになっている。
演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である状況と判定すれば(S604でYES)、第3低電流駆動フラグをONにして(S605)、ステップS606に進む。第3低電流駆動フラグは、右側可動体560の移動(右上部モータ581の駆動)に基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になることを示すフラグである。即ち、第3低電流駆動フラグは、右側可動体560の移動によって、枠ランプ212及び盤ランプ54への供給電流を小さくすることを示すフラグである。
ステップS606では、右上部モータ581の駆動の開始を僅かに遅らせる遅延駆動処理を実行して、ステップS608に進む。この遅延駆動処理(S606)は、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始した後に、右側可動体駆動データに基づいて右側可動体560を移動させるための処理である。こうして本形態では、右上部モータ581の駆動の開始を僅かに(例えば100ms)遅らせることで、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始する前に、右側可動体560の移動(右上部モータ581の駆動)が開始されてしまい、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になるのを回避することが可能である。
一方、ステップS604において演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満である状況と判定すれば(S604でNO)、右側可動体駆動データに基づいて右側可動体560を移動させるための駆動処理を実行して(S607)、ステップS608に進む。即ち、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満であれば、遅延駆動処理(S606)を実行することなく、右上部モータ581の駆動を直ちに開始する。
ステップS608では、右側可動体560が閉鎖位置にあるか否かを判定する。閉鎖位置にいれば(S608でYES)、図33に示すステップS613に進む。一方、閉鎖位置にいなければ(S608でNO)、続いて展開解除ボタン検知センサがONであるか否かを判定する(S609)。ONでなければ(S609でNO)、展開解除ボタン44kが押下操作されていないことになり、図33に示すステップS613に進む。これに対して、ONであれば(S609でYES)、閉鎖位置にいない右側可動体560を閉鎖位置に復帰させる閉鎖駆動処理を実行する(S610)。つまり、右側可動体560が閉鎖位置に復帰するように、右上部モータ581を駆動させる。
続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S611)。このとき右側可動体560が閉鎖位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、右側可動体560が移動(右上部モータ581が駆動)するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS611において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S611でNO)、図33に示すステップS613に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S611でYES)、第3無電流フラグをONにして(S612)、図33に示すステップS613に進む。第3無電流フラグは、右側可動体560の移動(右上部モータ581の駆動)に基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しなくなることを示すフラグである。こうして、上記第1のイレギュラーな事態(展開解除ボタン44kが押下操作されて右側可動体560が閉鎖位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
図33に示すように、ステップS613では、右側可動体強制復帰フラグがONであるか否かを判定する。左側可動体強制復帰フラグは、特別図柄の変動表示の開始時に右側可動体560が閉鎖位置にいないことにより、右側可動体560を強制的に閉鎖位置へ復帰させることを示すフラグである。なお右側可動体強制復帰フラグは、後述するステップS1306(図43参照)でONされるものである。右側可動体強制復帰フラグがONでなければ(S613でNO)、ステップS618に進む。
一方、右側可動体強制復帰フラグがONであれば(S613でYES)、閉鎖位置にいない右側可動体560を閉鎖位置に復帰させる強制復帰処理を実行する(S614)。つまり、右側可動体560が閉鎖位置に復帰するように、右上部モータ581を駆動させる。そして右側可動体強制復帰フラグをOFFにする(S615)。続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S616)。このとき右側可動体560が閉鎖位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、右側可動体560が移動(右上部モータ581が駆動)するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS616において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S616でNO)、ステップS618に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S616でYES)、第3無電流フラグをONにして(S617)、ステップS618に進む。こうして、上記第3のイレギュラーな事態(変動開始時に右側可動体560が閉鎖位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
ステップS618では、右側可動体560が閉鎖位置へ復帰した状況か否かを判定する。閉鎖位置へ復帰した状況でなければ(S618でNO)、本処理を終える。一方、閉鎖位置へ復帰した状況であれば(S618でYES)、演出用RAM124にセットされていた右側可動体駆動データをリセットする(S619)。続いて、第3低電流駆動フラグをOFFすると共に(S620)、第3無電流フラグをOFFして(S621)、本処理を終える。
[キャラ可動体駆動制御処理]図34に示すように、キャラ可動体駆動制御処理(S304)では、演出制御用マイコン121はまず、演出用RAM124に、キャラ可動体55kを移動させるためのキャラ可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S701)。セットされていなければ(S701でNO)、キャラ移動モータ58の駆動制御を行う必要がないため、本処理を終える(図35参照)。一方、セットされていれば(S701でYES)、キャラ可動体駆動データに基づいてキャラ可動体55kを移動させるタイミングであるか否かを判定する(S702)。移動させるタイミングでなければ(S702でNO)、図35に示すステップS708に進む。これに対して、移動させるタイミングであれば(S702でYES)、図19に示す電流制限判定テーブルを参照する(S703)。
そして、電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S704)。例えば演出制御用マイコン121は、キャラ可動体55kを移動(キャラ移動モータ58を駆動)させる状況であって、昇降モータ310と左上部モータ531とボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94とが既に駆動している状況であれば、駆動パターン4であると判断する。そして、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、駆動パターン4であれば、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になると判定するようになっている。
演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である状況と判定すれば(S704でYES)、第4低電流駆動フラグをONにして(S705)、ステップS706に進む。第4低電流駆動フラグは、キャラ可動体55kの移動(キャラ移動モータ58の駆動)に基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になることを示すフラグである。即ち、第4低電流駆動フラグは、キャラ可動体55kの移動によって、枠ランプ212及び盤ランプ54への供給電流を小さくすることを示すフラグである。
ステップS706では、キャラ移動モータ58の駆動の開始を僅かに遅らせる遅延駆動処理を実行して、図35に示すステップS708に進む。この遅延駆動処理(S706)は、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始した後に、キャラ可動体駆動データに基づいてキャラ可動体55kを移動させるための処理である。こうして本形態では、キャラ移動モータ58の駆動の開始を僅かに(例えば100ms)遅らせることで、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始する前に、キャラ可動体55kの移動(キャラ移動モータ58の駆動)が開始されてしまい、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になるのを回避することが可能である。
一方、ステップS704において演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満である状況と判定すれば(S704でNO)、キャラ可動体駆動データに基づいてキャラ可動体55kを移動させるための駆動処理を実行して(S707)、図35に示すステップS708に進む。即ち、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満であれば、遅延駆動処理(S706)を実行することなく、キャラ移動モータ58の駆動を直ちに開始する。
図35に示すように、ステップS708では、キャラ可動体強制復帰フラグがONであるか否かを判定する。キャラ可動体強制復帰フラグは、特別図柄の変動表示の開始時にキャラ可動体55kが待機位置にいないことにより、キャラ可動体55kを強制的に待機位置へ復帰させることを示すフラグである。なおキャラ可動体強制復帰フラグは、後述するステップS1308(図43参照)でONされるものである。キャラ可動体強制復帰フラグがONでなければ(S708でNO)、ステップS713に進む。
一方、キャラ可動体強制復帰フラグがONであれば(S708でYES)、待機位置にいないキャラ可動体55kを待機位置に復帰させる強制復帰処理を実行する(S709)。つまり、キャラ可動体55kが待機位置に復帰するように、キャラ移動モータ58を駆動させる。そしてキャラ可動体強制復帰フラグをOFFにする(S710)。続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S711)。このときキャラ可動体55kが待機位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、キャラ可動体55kが移動(キャラ移動モータ58が駆動)するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS711において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S711でNO)、ステップS713に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S711でYES)、第4無電流フラグをONにして(S712)、ステップS713に進む。第4無電流フラグは、キャラ可動体55kの移動(キャラ移動モータ58の駆動)に基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しなくなることを示すフラグである。こうして、上記第3のイレギュラーな事態(変動開始時にキャラ可動体55kが待機位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
ステップS713では、キャラ可動体55kが待機位置へ復帰した状況か否かを判定する。待機位置へ復帰した状況でなければ(S713でNO)、本処理を終える。一方、待機位置へ復帰した状況であれば(S713でYES)、演出用RAM124にセットされていたキャラ可動体駆動データをリセットする(S714)。続いて、第4低電流駆動フラグをOFFすると共に(S715)、第4無電流フラグをOFFして(S716)、本処理を終える。
[ボール可動体駆動制御処理]図36に示すように、ボール可動体駆動制御処理(S305)では、演出制御用マイコン121はまず、演出用RAM124に、ボール可動体56kを移動させるためのボール可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S801)。セットされていなければ(S801でNO)、ボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の何れも駆動制御を行う必要がないため、本処理を終える(図37参照)。一方、セットされていれば(S801でYES)、ボール可動体駆動データに基づいてボール可動体56kを移動させるタイミングであるか否かを判定する(S802)。移動させるタイミングでなければ(S802でNO)、図37に示すステップS808に進む。これに対して、移動させるタイミングであれば(S802でYES)、図19に示す電流制限判定テーブルを参照する(S803)。
そして、電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S804)。例えば演出制御用マイコン121は、ボール可動体56kを移動(ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94の両方を駆動)させる状況であって、昇降モータ310と左上部モータ531と右上部モータ581とが既に駆動している状況であれば、駆動パターン5であると判断する。そして、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、駆動パターン5であれば、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になると判定するようになっている。
演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である状況と判定すれば(S804でYES)、第5低電流駆動フラグをONにして(S805)、ステップS806に進む。第5低電流駆動フラグは、ボール可動体56kの移動(ボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の少なくとも一方の駆動)に基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になることを示すフラグである。即ち、第5低電流駆動フラグは、ボール可動体56kの移動によって、枠ランプ212及び盤ランプ54への供給電流を小さくすることを示すフラグである。
ステップS806では、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94の駆動の開始を僅かに遅らせる遅延駆動処理を実行して、図37に示すステップS808に進む。この遅延駆動処理(S806)は、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始した後に、ボール可動体駆動データに基づいてボール可動体56kを移動させるための処理である。こうして本形態では、ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94の駆動の開始を僅かに(例えば100ms)遅らせることで、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限を開始する前に、ボール可動体56kの移動(ボール左右移動モータ92とボール上下移動モータ94の駆動)が開始されてしまい、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になるのを回避することが可能である。
一方、ステップS804において演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満である状況と判定すれば(S804でNO)、ボール可動体駆動データに基づいてボール可動体56kを移動させるための駆動処理を実行して(S807)、図37に示すステップS808に進む。即ち、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA未満であれば、遅延駆動処理(S806)を実行することなく、ボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94の両方、又はボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の何れか一方の駆動を直ちに開始する。
図37に示すように、ステップS808では、ボール可動体強制復帰フラグがONであるか否かを判定する。ボール可動体強制復帰フラグは、特別図柄の変動表示の開始時にボール可動体56kが退避位置にいないことにより、ボール可動体56kを強制的に退避位置へ復帰させることを示すフラグである。なおボール可動体強制復帰フラグは、後述するステップS1310(図43参照)でONされるものである。ボール可動体強制復帰フラグがONでなければ(S808でNO)、ステップS813に進む。
一方、ボール可動体強制復帰フラグがONであれば(S808でYES)、退避位置にいないボール可動体56kを退避位置に復帰させる強制復帰処理を実行する(S809)。つまり、ボール可動体56kが退避位置に復帰するように、ボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の少なくとも一方を駆動させる。そしてボール可動体強制復帰フラグをOFFにする(S810)。続いて、図19に示す電流制限判定テーブルに基づいて、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況か否かを判定する(S811)。このときボール可動体56kが退避位置に復帰する状況であるため、図19に示す電流制限判定テーブルにおいて、ボール可動体56kを移動させる方向に応じてボール左右移動モータ92及びボール上下移動モータ94の両方が駆動、又はボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の一方が駆動するものとして、駆動パターンを判断する。
ステップS811において、3000mA以上になる状況と判定しなければ(S811でNO)、ステップS813に進む。これに対して、3000mA以上になる状況と判定すれば(S811でYES)、第5無電流フラグをONにして(S812)、ステップS813に進む。第5無電流フラグは、ボール可動体56kの移動(ボール左右移動モータ92又はボール上下移動モータ94の少なくとも一方の駆動)に基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しなくなることを示すフラグである。こうして、上記第3のイレギュラーな事態(変動開始時にボール可動体56kが退避位置へ復帰する状況)が生じて、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御することが可能である。
ステップS813では、ボール可動体56kが退避位置へ復帰した状況か否かを判定する。退避位置へ復帰した状況でなければ(S813でNO)、本処理を終える。一方、退避位置へ復帰した状況であれば(S813でYES)、演出用RAM124にセットされていたボール可動体駆動データをリセットする(S814)。続いて、第5低電流駆動フラグをOFFすると共に(S815)、第5無電流フラグをOFFして(S816)、本処理を終える。
[ランプデータ出力処理]図38に示すように、ランプデータ出力処理(S203)では、演出制御用マイコン121は、枠ランプデータが演出用RAM124にセットされていることに基づいて、その枠ランプデータをサブドライブ基板162に出力するタイミングであるか否かを判断する。なお枠ランプデータは、枠ランプ212を発光させるためのデータである。ステップS901の判定結果がNOであれば、ステップS907に進む。一方、ステップS901の判定結果がYESであれば、続いて無電流フラグが全てOFFであるか否かを判定する(S902)。即ち、第1無電流フラグと第2無電流フラグと第3無電流フラグと第4無電流フラグと第5無電流フラグの全てがOFFであるか否かを判定する。無電流フラグが全てOFFでない(S902でNO)、即ち、第1無電流フラグ、第2無電流フラグ、第3無電流フラグ、第4無電流フラグ、第5無電流フラグの何れか1つでもONであれば、ステップS906に進む。
ステップS906では、枠ランプ212(LED基板のLED回路)に電流が供給されなくなる枠ランプ無電流処理を実行して(S906)、ステップS907に進む。枠ランプ無電流処理(S906)では具体的に、演出制御用マイコン121は演出用RAM124に枠ランプデータがセットされているにも拘わらず、サブドライブ基板162に枠ランプデータを出力しない。そして、サブドライブ基板162に駆動停止信号を出力する。これにより、サブドライブ基板162は、枠ランプ212(LED)が実装されているLED基板のLED回路に電流が供給されないように制御することになる。こうして、上記第1~第3のイレギュラーの事態が生じた場合で、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況において、枠ランプ無電流処理(S906)により枠ランプ212による消費電流を無くすことができて、電源基板190の負担を大幅に減らすことが可能である。
またステップS902において、無電流フラグが全てOFFであれば(S902でYES)、続いて、低電流駆動フラグが全てOFFであるか否かを判定する(S903)。即ち、第1低電流駆動フラグと第2低電流駆動フラグと第3低電流駆動フラグと第4低電流駆動フラグと第5低電流駆動フラグの全てがOFFであるか否かを判定する。低電流駆動フラグが全てOFFでない(S903でNO)、即ち、第1低電流駆動フラグ、第2低電流駆動フラグ、第3低電流駆動フラグ、第4低電流駆動フラグ、第5低電流駆動フラグの何れか1つでもONであれば、ステップS905に進む。
ステップS905では、枠ランプ212に供給する電流を25%の大きさの電流にする低電流用枠ランプデータの出力処理を実行して(S905)、ステップS907に進む。具体的に、低電流用枠ランプデータの出力処理(S905)では、演出用RAM124にセットされている枠ランプデータに基づいて、低電流用枠ランプデータを生成する。このときに生成する低電流用枠ランプデータは、枠ランプ212に供給する電流を、演出用RAM124にセットされている枠ランプデータに基づく電流(通常電流)の25%の大きさの電流にするものである。こうして生成した低電流用枠ランプデータを、演出制御用マイコン121は、サブドライブ基板162に出力する。これにより、サブドライブ基板162は、低電流用枠ランプデータに基づいて枠ランプ212(LED)が実装されているLED基板のLED回路に供給する電流が25%になるように制御することになる。こうして、上記第1~第3のイレギュラーの事態が生じていないが、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況において、低電流用枠ランプデータの出力処理(S905)により枠ランプ212による消費電流を減らすことができて、電源基板190の負担を減らすことが可能である。
またステップS903において、低電流駆動フラグが全てOFFであれば(S903でYES)、枠ランプデータの出力処理を実行して(S904)、ステップS907に進む。具体的に、枠ランプデータの出力処理(S904)では、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124にセットされている枠ランプデータを通常通りにサブドライブ基板162に出力する。これによりサブドライブ基板162は、枠ランプデータに基づいて枠ランプ212(LED)が実装されているLED基板のLED回路に電流を供給して、枠ランプ212を通常通りに発光させることが可能である。
ステップS907では、演出制御用マイコン121は、盤ランプデータが演出用RAM124にセットされていることに基づいて、その盤ランプデータをサブドライブ基板162に出力するタイミングであるか否かを判断する。なお盤ランプデータは、盤ランプ54を発光させるためのデータである。ステップS907の判定結果がNOであれば、図39に示すステップS913に進む。一方、ステップS907の判定結果がYESであれば、続いて無電流フラグが全てOFFであるか否かを判定する(S908)。無電流フラグが全てOFFでない(S908でNO)、即ち、第1無電流フラグ、第2無電流フラグ、第3無電流フラグ、第4無電流フラグ、第5無電流フラグの何れか1つでもONであれば、ステップS912に進む。
ステップS912では、盤ランプ54(LED基板のLED回路)に電流が供給されなくなる盤ランプ無電流処理を実行して(S912)、図39に示すステップS913に進む。盤ランプ無電流処理(S912)では具体的に、演出制御用マイコン121は演出用RAM124に盤ランプデータがセットされているにも拘わらず、サブドライブ基板162に盤ランプデータを出力しない。そして、サブドライブ基板162に駆動停止信号を出力する。これにより、サブドライブ基板162は、盤ランプ54(LED)が実装されているLED基板のLED回路に電流が供給されないように制御することになる。こうして、上記第1~第3のイレギュラーの事態が生じた場合で、且つ演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況において、盤ランプ無電流処理(S912)により盤ランプ54による消費電流を無くすことができて、電源基板190の負担を大幅に減らすことが可能である。
またステップS907において、無電流フラグが全てOFFであれば(S908でYES)、続いて、低電流駆動フラグが全てOFFであるか否かを判定する(S909)。低電流駆動フラグが全てOFFでない(S909でNO)、即ち、第1低電流駆動フラグ、第2低電流駆動フラグ、第3低電流駆動フラグ、第4低電流駆動フラグ、第5低電流駆動フラグの何れか1つでもONであれば、ステップS911に進む。
ステップS911では、盤ランプ54に供給する電流を25%の大きさの電流にする低電流用盤ランプデータの出力処理を実行して(S911)、図39に示すステップS913に進む。具体的に、低電流用盤ランプデータの出力処理(S911)では、演出用RAM124にセットされている盤ランプデータに基づいて、低電流用盤ランプデータを生成する。このときに生成する低電流用盤ランプデータは、盤ランプ54に供給する電流を、演出用RAM124にセットされている盤ランプデータに基づく電流(通常電流)の25%の大きさの電流にするものである。こうして生成した低電流用盤ランプデータを、演出制御用マイコン121は、サブドライブ基板162に出力する。これにより、サブドライブ基板162は、低電流用盤ランプデータに基づいて盤ランプ54(LED)が実装されているLED基板のLED回路に供給する電流が25%になるように制御することになる。こうして、上記第1~第3のイレギュラーの事態が生じていないが、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上になる状況において、低電流用盤ランプデータの出力処理(S911)により盤ランプ54による消費電流を減らすことができて、電源基板190の負担を減らすことが可能である。
またステップS909において、低電流駆動フラグが全てOFFであれば(S909でYES)、盤ランプデータの出力処理を実行して(S910)、図39に示すステップS913に進む。具体的に、盤ランプデータの出力処理(S910)では、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124にセットされている盤ランプデータを通常通りにサブドライブ基板162に出力する。これによりサブドライブ基板162は、盤ランプデータに基づいて盤ランプ54(LED)が実装されているLED基板のLED回路に電流を供給して、盤ランプ54を通常通りに発光させることが可能である。
図39に示すように、ステップS913では、タッチセンサ431がONであるか否かを判定する。即ち、人体がタッチ電極430に接触した状況か否かを判定する。タッチセンサ431がONでなければ(S913でNO)、本処理を終える。一方、タッチセンサがONであれば(S914でYES)、接触報知ランプデータの出力処理を実行して(S914)、本処理を終える。具体的に、接触報知ランプデータの出力処理(S914)では、演出制御用マイコン121は、演出用ROM123から接触報知ランプデータを読み出して、サブドライブ基板162に出力する。これによりサブドライブ基板162は、接触報知ランプデータに基づいて接触用報知ランプ432を特定の発光態様にて発光させることが可能である。
こうして、接触用報知ランプ432が特定の発光態様で発光することで、遊技者等にタッチ電極430に接触していることをより気付かせ易くすることが可能である。ここで接触用報知ランプ432については、人体がタッチ電極430に接触している限り、常に特定の発光態様で発光し、特定の発光態様よりも暗い発光態様で発光したり、消灯することはない。即ち、接触用報知ランプ432については、枠ランプ212や盤ランプ54の場合と異なり、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であっても、電流が制限されることはない。
これは、接触用報知ランプ432が、枠ランプ212や盤ランプ54に比べてLEDの数が非常に少ないものであり、接触用報知ランプ432に対して電流制限を行っても、電源基板190に対する負担の軽減が小さいためである。以上により本形態では、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であっても、全てのランプに対して電流制限を行っているわけではなく、パチンコ遊技機PY1の中でもLEDの数が多いランプ(枠ランプ212及び盤ランプ54)に対してのみ電流制限を行うようにしている。
ところで本形態では、上記第1のイレギュラーな事態が生じた場合(展開解除ボタン44kが押下操作されて、中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560がそれぞれの原点位置(下降位置,閉鎖位置)に復帰する場合)、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されずに、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しなくなる。しかしながら、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しない状態が長い間続くわけではない。即ち、中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560がそれぞれの原点位置(下降位置,閉鎖位置)に復帰すれば、第1無電流フラグと第2無電流フラグと第3無電流フラグとがOFFにされる(ステップS426,S521,S621参照)と共に、第1低電流駆動フラグと第2低電流駆動フラグと第3低電流駆動フラグとがOFFにされる(ステップS425,S520,S620参照)。これにより、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限が解除されて(ステップS902,S903,S908,S909でYESと判定されて)、枠ランプ212及び盤ランプ54を通常通りに発光させることが可能(ステップS904,S910を実行可能)である。こうして、上記第1のイレギュラーな事態が生じても、中央可動体401と左側可動体510と右側可動体560とが原点位置に復帰するとすぐに、枠ランプ212及び盤ランプ54の発光態様を通常通りに戻すことが可能である。その結果、遊技者には枠ランプ212及び盤ランプ54が暗くなることによる違和感をできるだけ与えないようにすることが可能である。
また、上記第2のイレギュラーな事態が生じた場合(タッチ電極430に接触して中央可動体401が停止する場合)、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されずに、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しなくなる。しかしながら、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しない状態が長い間続くわけではない。即ち、停止している中央可動体401が原点位置(下降位置)に復帰すれば、第1無電流フラグがOFFにされる(ステップS426参照)と共に、第1低電流駆動フラグがOFFにされる(ステップS425参照)。これにより、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限が解除されて(ステップS902,S903,S908,S909でYESと判定されて)、枠ランプ212及び盤ランプ54を通常通りに発光させることが可能(ステップS904,S910を実行可能)である。こうして、上記第2のイレギュラーな事態が生じても、中央可動体401が原点位置(下降位置)に復帰するとすぐに、枠ランプ212及び盤ランプ54の発光態様を通常通りに戻すことが可能である。その結果、遊技者には枠ランプ212及び盤ランプ54が暗くなることによる違和感をできるだけ与えないようにすることが可能である。
また、上記第3のイレギュラーな事態が生じた場合(変動開始時に中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56kがそれぞれの原点位置(下降位置,閉鎖位置,待機位置,退避位置)に復帰する場合)、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されずに、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しなくなる。しかしながら、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しない状態が長い間続くわけではない。即ち、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56kがそれぞれの原点位置(下降位置,閉鎖位置,待機位置,退避位置)に復帰すれば、各無電流フラグがOFFにされる(ステップS426,S521,S621,S716,S816参照)と共に、各低電流駆動フラグがOFFにされる(ステップS425,S520,S620,S715,S815参照)。これにより、枠ランプ212及び盤ランプ54に対する電流制限が解除されて(ステップS902,S903,S908,S909でYESと判定されて)、枠ランプ212及び盤ランプ54を通常通りに発光させることが可能(ステップS904,S910を実行可能)である。こうして、上記第3のイレギュラーな事態が生じても、中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56kが原点位置に復帰するとすぐに、枠ランプ212及び盤ランプ54の発光態様を通常通りに戻すことが可能である。その結果、遊技者には枠ランプ212及び盤ランプ54が暗くなることによる違和感をできるだけ与えないようにすることが可能である。
[サブ側10msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、図40に示すサブ側10msタイマ割り込み処理を10msecといった短時間毎に繰り返す。図40に示すように、サブ側10msタイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S1001)。次いで、サブ側1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして演出用RAM124に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S1002)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて画像表示装置50の表示画面50aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S1003)。
続いて、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S1004)。音声制御処理(S1004)では、音声データ(スピーカ610から音声を出力するためのデータ)の作成、音声制御基板161への音声データの出力、及び音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ610から出力される。なおスピーカ610は、上側装飾ユニット200(昇降ユニット300)のうち後方の下側に設けられている。その後、客待ち用のランプデータを作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S1005)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図41に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)ではまず、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S1101)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S1102)。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S1103)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S1104)。変動演出終了処理(S1104)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のオープニングの実行開始を示すオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S1105)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S1106)。オープニング演出選択処理(S1106)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のラウンド遊技の実行開始を示すラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S1107)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S1108)。ラウンド演出選択処理(S1108)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から大当たり遊技のエンディングの実行開始を示すエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S1109)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S1110)。エンディング演出選択処理(S1110)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、その他の処理(S1111)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(客待ち演出を実行するための処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S1001)を終える。
[変動演出開始処理]図42に示すように、変動演出開始処理(S1102)ではまず、演出制御用マイコン121は、変動開始コマンドを解析する(S1201)。変動開始コマンドには、変動パターン(図23参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン121は、後述する変動開始時強制復帰判定処理を実行する(S1202)。変動開始時強制復帰判定処理(S1202)は、特別図柄の変動表示の開始時に、各可動体(中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56k)を各原点位置(下降位置、閉鎖位置、待機位置、退避位置)に復帰させるか否かを判定する処理である。
続いて演出制御用マイコン121は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄EZの選択を行う(S1203)。そして、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択する(S1204)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。各種の変動演出パターンの中には、可動体開放演出を実行する変動演出パターンが含まれている。
続いて演出制御用マイコン121は、予告演出の選択を行う(S1205)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。次いで、選択した変動演出パターンに応じて駆動データを設定するための駆動データ設定処理を実行する(S1206)。この駆動データ設定処理(S1206)により、当選期待度が高い演出(SPリーチ等)を実行する変動演出パターンが選択された場合には、上述した中央可動体駆動データ、左側可動体駆動データ、右側可動体駆動データ、キャラ可動体駆動データ、ボール可動体駆動データが演出用RAM124にセットされ得るようになっている。また強SPリーチの実行を示す変動演出パターンが選択された場合には、展開駆動演出を実行すべく、中央可動体駆動データと左側可動体駆動データと右側可動体駆動データが演出用RAM124にセットされ得るようになっている。
そして、選択した変動演出パターンに応じてランプデータを設定するためのランプデータ設定処理を実行する(S1207)。このランプデータ設定処理(S1207)により、客待ち用のランプデータと異なる枠ランプデータ、盤ランプデータが演出用RAM124にセットされ得るようになっている。特に、当選期待度が高い演出(SPリーチ等)を実行する変動演出パターンが選択された場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54を特に明るい発光態様で発光させるための枠ランプデータ、盤ランプデータが演出用RAM124にセットされることになる。
その後、演出制御用マイコン121は、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットして(S1208)、変動演出開始処理(S1102)を終了する。ステップS1208でセットされた変動演出開始コマンドが、画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、所定の演出画像を画像用ROM142から読み出して、画像表示装置50の表示画面50aにて変動演出を行う。
[変動開始時強制復帰判定処理]図43に示すように、変動開始時強制復帰判定処理(S1202)では、演出制御用マイコン121は、中央可動体401が下降位置にあるか否かを判定する(S1301)。下降位置にいれば(S1301でYES)、ステップS1303に進む。一方、下降位置にいなければ(S1301でNO)、中央可動体強制復帰フラグをONにして(S1302)、ステップS1303に進む。これにより、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば(S421でYES)、第1無電流フラグがONになって(S422)、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないようにすることが可能である。
ステップS1303では、左側可動体510が閉鎖位置にあるか否かを判定する。閉鎖位置にいれば(S1303でYES)、ステップS1305に進む。一方、閉鎖位置にいなければ(S1303でNO)、左側可動体強制復帰フラグをONにして(S1304)、ステップS1305に進む。これにより、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば(S516でYES)、第2無電流フラグがONになって(S517)、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないようにすることが可能である。
ステップS1305では、右側可動体560が閉鎖位置にあるか否かを判定する。閉鎖位置にいれば(S1305でYES)、ステップS1307に進む。一方、閉鎖位置にいなければ(S1305でNO)、右側可動体強制復帰フラグをONにして(S1306)、ステップS1307に進む。これにより、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば(S616でYES)、第3無電流フラグがONになって(S617)、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないようにすることが可能である。
ステップS1307では、キャラ可動体55kが待機位置にあるか否かを判定する。待機位置にいれば(S1307でYES)、ステップS1309に進む。一方、待機位置にいなければ(S1307でNO)、キャラ可動体強制復帰フラグをONにして(S1308)、ステップS1309に進む。これにより、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば(S711でYES)、第4無電流フラグがONになって(S712)、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないようにすることが可能である。
ステップS1309では、ボール可動体56kが退避位置にあるか否かを判定する。退避位置にいれば(S1309でYES)、本処理を終える。一方、退避位置にいなければ(S1309でNO)、ボール可動体強制復帰フラグをONにして(S1310)、本処理を終える。これにより、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば(S811でYES)、第5無電流フラグがONになって(S812)、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないようにすることが可能である。
8.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本パチンコ遊技機PY1によれば、枠ランプ212は、枠ランプデータに基づく通常電流が供給されることで、通常通りの発光態様で発光することが可能である。また盤ランプ54は、盤ランプデータに基づく通常電流が供給されることで、通常通りの発光態様で発光することが可能である。これらに対して枠ランプ212は、低電流用枠ランプデータに基づいて、上述した通常電流の25%の大きさである小電流が供給されることで、通常通りの発光態様よりも暗い発光態様で発光することが可能である。また盤ランプ54も、低電流用盤ランプデータに基づいて、上述した通常電流の25%の大きさである小電流が供給されることで、通常通りの発光態様よりも暗い発光態様で発光することが可能である。こうして、枠ランプ212及び盤ランプ54に対して、通常電流の供給又は小電流の供給を切替えることで、パチンコ遊技機PY1全体としての消費電流を抑えることが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、演出用モータの電源のピーク電流(電力供給手段の供給電力に基づく特定値)が3000mA未満であれば、枠ランプ212及び盤ランプ54には上述した通常電流が供給されて、枠ランプ212及び盤ランプ54が通常通りの発光態様で発光することが可能である。一方、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であれば、枠ランプ212及び盤ランプ54には上述した小電流が供給されて、枠ランプ212及び盤ランプ54での消費電流を抑えつつ発光させることが可能である。こうして、電源基板190が供給する電源(演出用モータの電源)の状況に応じて、ソフト的に(演出制御用マイコン121による制御で)、枠ランプ212及び盤ランプ54への供給電流を切替えることができて、電源基板190が過負荷になるのを未然に防ぐことが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であって、例えば駆動中の中央可動体401の駆動態様を変更する場合(中央可動体駆動データとは無関係に、下降位置にいない中央可動体401を下降位置に復帰させたり、移動中の中央可動体を下降位置に復帰させる場合)には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されずに、発光しなくなる。こうして、枠ランプ212及び盤ランプ54での消費電流を完全に無くすことで、中央可動体401の移動(復帰)を確保しつつ、電源基板190の過負荷を防ぐことが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、枠ランプ212及び盤ランプ54は、上述した通常電流が供給されることにより、通常通りに発光することが可能である。一方、枠ランプ212及び盤ランプ54は、各可動体(中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56k)の駆動態様(図19参照)に基づいて、通常電流の25%の大きさである小電流が供給されることにより発光したり、電流が供給されないことにより発光しない。こうして、各可動体の駆動態様に応じて、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給する電流を切替えることで、パチンコ遊技機PY1全体としての消費電流を抑えることが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、例えば中央可動体駆動データに基づいて中央可動体401の駆動中にも拘わらず、遊技者による動作に基づいて、中央可動体401の駆動態様が変更し得る。具体的には、中央可動体401が下降位置にいないときに、展開解除ボタン44kが押下操作されると、中央可動体401が下降位置に復帰する。又は、中央可動体401の移動中にタッチ電極430に接触すると、中央可動体401が停止する。このような中央可動体401の駆動態様の変更は、設計開発者にとってイレギュラーになり得るため、消費電流が予測に反して大きくなり過ぎるおそれがある。そこで、遊技者による動作に基づいて、中央可動体401の駆動態様が変更した場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないようにすることが可能である。その結果、設計開発者にとって上記したイレギュラーな事態が生じても、パチンコ遊技機PY1全体としての消費電流を抑えることが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、特別図柄の変動表示の開始時に可動体(中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560、キャラ可動体55k、ボール可動体56k)が原点位置(下降位置、閉鎖位置、待機位置、退避位置)にいない場合には、可動体を原点位置に強制的に復帰させることが可能である。この場合の可動体の復帰は、設計開発者にとってイレギュラーになり得るため、消費電流が予測に反して大きくなり過ぎるおそれがある。そこでこの場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないようにすることが可能である。その結果、設計開発者にとって上記したイレギュラーな事態が生じても、パチンコ遊技機PY1全体としての消費電流を抑えることが可能である。
また本パチンコ遊技機PY1によれば、上述したように原点位置にいない可動体を原点位置に復帰させる際に、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しない場合には、可動体が原点位置に復帰した直後に枠ランプ212及び盤ランプ54に通常電流を供給する。こうしてイレギュラーな事態が終了した後には、枠ランプ212及び盤ランプ54を通常通りに発光させることが可能である。よって長い間、枠ランプ212及び盤ランプ54が発光しないわけではないため、遊技者に与える違和感を軽減することが可能である。
9.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上である場合には、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給する電流が、通常電流(枠ランプデータに基づく電流、盤ランプデータに基づく電流)の25%の小電流になるように制御した。しかしながら、上記した小電流の大きさは適宜変更可能であり、通常電流の25%を超える小電流や、通常電流の25%未満の小電流にしても良い。但し、パチンコ遊技機PY1での消費電流を抑えるという観点により、通常電流の50%以下の小電流になるように制御することが好ましい。
また上記形態では、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA(特定値)以上であるか否かに基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給する電流を通常電流又は小電流にする、或いは枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないように制御した。しかしながら、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以外の値、例えば3500mAや2500mAであるか否かに基づいて、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給する電流を通常電流又は小電流にする、或いは枠ランプ212及び盤ランプ54に電流を供給しないように制御しても良い。
また上記形態では、通常電流が供給される、又は通常電流よりも小さい小電流が供給される、或いは電流が供給されなくなる対象の駆動手段(特定駆動手段、第1駆動手段)が、枠ランプ212及び盤ランプ54であった。しかしながら、上記した駆動手段は、接触用報知ランプ432を含めた全ての発光手段としたり、枠ランプ212又は盤ランプ54の何れか一方としても良く、更に枠ランプ212の一部や、盤ランプ54の一部であっても良い。また上記した駆動手段は、発光手段に限られるものではなく、例えばキャラ可動体55k及びキャラ移動モータ58のような遊技盤1に設けられている盤用の駆動手段、中央可動体401及び昇降モータ310のような遊技機枠2に設けられている枠用の駆動手段、演出ボタン(入力部40k)のような遊技者が操作可能な駆動手段、スピーカ610のような音発生手段、画像表示装置50のバックライト、その他、各種ソレノイドやセンサ類(電子機器)のような駆動手段であっても良い。なお、小電流が供給される駆動手段(特定駆動手段、第1駆動手段)を可動体とした場合、小電流によって可動体で生じるトルクが小さくなる。そこで、小さなトルクでも可動体が動くように、可動体を動かすスピードを遅くしたり、可動体を動かす範囲を制限すると良い。
上記形態では、枠ランプ212及び盤ランプ54に通常電流よりも小さい小電流(通常電流の25%の電流)を供給する場合、枠ランプ212及び盤ランプ54の全体を通常態様よりも暗い発光態様で発光させるようにした。しかしながら、枠ランプ212及び盤ランプ54全体のうち25%の部分に対して、通常電流を供給して、通常態様と同じ発光態様で発光させる。その一方で、枠ランプ212及び盤ランプ54全体のうち75%の部分に対して、電流を供給しないで消灯させるようにしても良い。
また上記形態では、枠ランプ212及び盤ランプ54に通常電流又は小電流を供給するか否かは、演出用モータの電源(DC24Vの電源)のピーク電流(電力供給手段の供給電力に基づく特定値)に基づいていた。しかしながら、通常電流又は小電流を供給するか否かは、各種電源の起源となるDC37Vの電源のピーク電流、各種LEDの電源であるDC12V等、その他の電源のピーク電流に基づいていても良い。またピーク電流に限られず、電力値(電流×電圧の値)や、電源基板190の許容損失(W)に基づいていても良い。以上、通常電流又は小電流を供給するか否かは、電源基板190の供給電力に関係する値、即ち電源基板190の負担を指し示す値に基づいていれば、適宜変更可能である。
また上記形態では、枠ランプ212及び盤ランプ54に通常電流又は小電流を供給するか否かを、電源基板190(電力供給手段)の供給電力に基づく特定値(具体的には演出用モータの電源のピーク電流)に基づくこととした。しかしながら、電源基板190の供給電力に基づく特定値に関係なく、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給する電流を、通常電流又は小電流に切替えるようにしても良い。例えば、遊技機枠2の開放を検出する枠開放検出センサが検出している間、又は磁気センサや振動センサ等の不正検知のためのセンサが検出している間、或いは特定の時間帯(例えば午前中)であること、若しくは、演出ボタン(入力部40k)に対して特定の操作を行っている間、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給する電流を、通常電流から小電流に切替えるようにしても良い。また上記第1~第3の何れかのイレギュラーな事態が生じた場合(第2駆動手段の駆動態様を変更した場合)に、枠ランプ212及び盤ランプ54に供給する電流を、通常電流から小電流に切替えるようにしても良い
また上記形態では、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御する場合、駆動中の中央可動体401(他の駆動手段)、左側可動体510、右側可動体560の駆動態様が変更することを条件としていた。具体的には、展開解除ボタン44kが押下操作されて中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560が原点位置(下降位置、閉鎖位置)へ復帰する場合、又はタッチ電極430に接触して中央可動体401が停止する場合を条件としていた。しかしながら、展開解除ボタン44kが押下操作されて中央可動体401、左側可動体510、右側可動体560が原点位置(下降位置、閉鎖位置)へ復帰する場合、又はタッチ電極430に接触して中央可動体401が停止する場合の何れか一方だけを条件としても良い。また駆動中の中央可動体401(他の駆動手段)、左側可動体510、右側可動体560の駆動態様が変更することを条件としないで、その他を条件としても良い。例えば、遊技機枠2の開放を検出する枠開放検出センサが検出すること、又は磁気センサや振動センサ等の不正検知のためのセンサが検出すること、或いは特定の時間帯(例えば午前中)であること、演出ボタン(入力部40k)に対して特定の操作を行うこと等を条件としても良い。
また上記形態では、演出用モータの電源のピーク電流が3000mA以上であり、且つ上記第1~第3のイレギュラーな事態が生じた場合(展開解除ボタン44kが押下操作されて可動体が原点位置に復帰する場合、タッチ電極430に接触して可動体が停止する場合、特別図柄の変動表示の開始時に可動体が原点位置に復帰する場合)に、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御した。しかしながら、演出用モータの電源のピーク電流に関係なく、上記第1~第3のイレギュラーな事態が生じた場合だけを条件として、枠ランプ212及び盤ランプ54に電流が供給されないように制御しても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン121が、演出用モータの電源のピーク電流や上記第1~第3のイレギュラーな事態が生じているか否かに応じて、枠ランプ212及び盤ランプ54に対して通常電流が供給される場合と小電流が供給される場合と電流が供給されない場合とを切替えるようにした。しかしながら、演出制御用マイコン121が、枠ランプ212及び盤ランプ54に対して通常電流が供給される場合と小電流が供給される場合とだけに切替えるようにしても良い。又は、枠ランプ212及び盤ランプ54に対して通常電流が供給される場合と電流が供給されない場合とだけに切替えるようにしても良い。また例えば、演出制御用マイコン121が、演出用モータの電源のピーク電流や上記第1~第3のイレギュラーな事態が生じているか否かに応じて、枠ランプ212及び盤ランプ54に対して通常電流が供給される場合と、通常電流の25%である小電流が供給される場合と、上記した小電流よりも更に小さい極小電流(例えば通常電流の10%)が供給される場合とを切替えるようにしても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン121(演出制御手段)が、駆動手段としての枠ランプ212及び盤ランプ54(特定駆動手段、第1駆動手段)に対して供給される電流を切替えるように制御した。しかしながら、演出制御用マイコン121以外の制御手段、例えばサブドライブ基板162に実装されているCPUや、音声制御基板161に実装されているCPUが、図19に示すような電流制限テーブルに基づいて駆動手段に対して供給される電流を切替えるように制御しても良い。なお図19に示す電流制限テーブルは、あくまで一例として示すテーブルであって、その内容は適宜変更可能である。
また上記形態では、演出用モータ(昇降モータ310、左上部モータ531、右上部モータ581、キャラ移動モータ58、ボール左右移動モータ92、及びボール上下移動モータ94)として、バイポーラ型のステッピングモータ(図17(A)参照)を用いた。しかしながら、演出用モータとして、ユニポーラ型のステッピングモータ(図17(B)参照)を用いたり、直流モータを用いるようにしても良い。また演出用モータの励磁方式として、2相励磁(図18(A)参照)を用いたが、1相励磁(図18(B)参照)を用いたり、パルスを付与する次の相に対して1パルス分と2パルス分を交互にずらすことで、1相だけ励磁する状態と2相ずつ同時に励磁する状態とを交互に作り出す1-2相励磁を用いるようにしても良い。
また上記形態では、展開解除ボタン44k(操作手段)への押下操作に基づいて、中央可動体401(第2駆動手段)、左側可動体510、右側可動体560がそれぞれの原点位置(下降位置、閉鎖位置)へ復帰した。しかしながら、その他の操作手段への操作に基づいて、キャラ可動体55kやボール可動体のような盤可動体を、それぞれの原点位置(待機位置、退避位置)へ復帰させても良い。また演出ボタン(入力部40k)のような操作手段が移動する場合には、その操作手段が原点位置に復帰するようにしても良い。そしてこれら変形例において、盤可動体や操作手段を原点位置に復帰させる場合に、第1駆動手段(枠ランプ212及び盤ランプ)への電流を制限すると良い。
また上記形態では、タッチセンサ431(検出手段)による検出に基づいて、移動中の中央可動体401(第2駆動手段)を停止させるようにした。しかしながら、その他のセンサによる検出に基づいて、キャラ可動体55kやボール可動体のような盤可動体を停止させても良い。また演出ボタン(入力部40k)のような操作手段が移動する場合には、その操作手段を停止させるようにしても良い。そしてこれら変形例において、盤可動体や操作手段を停止させる場合において、第1駆動手段(枠ランプ212及び盤ランプ)への電流を制限すると良い。
また上記形態では、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成したが、いわゆるV確機(特定領域の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成しても良い。大入賞装置として大入賞装置14Dのみが設けられていたが、2つの大入賞装置を設けるようにしても良い。
また上記形態では、小当たり遊技(大入賞口の総開放時間が所定時間(例えば1.8秒)以下と短い特別遊技)を実行しないパチンコ遊技機PY1であったが、小当たり遊技を実行し得るパチンコ遊技機としても良い。なお小当たり遊技の実行中の状態を、小当たり遊技状態という。
また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成しても良い。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域を遊技用RAM104に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
本明細書における「所定の制御条件の成立」とは、上記形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
10.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
駆動可能な特定駆動手段(枠ランプ212、盤ランプ54)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定駆動手段に所定の通常電流(枠ランプデータに基づく電流、盤ランプデータに基づく電流)を供給することにより、前記特定駆動手段を駆動させることが可能であり、
前記特定駆動手段に前記通常電流よりも小さい小電流(通常電流の25%の電流,低電流用の枠ランプデータに基づく電流、低電流用の盤ランプデータに基づく電流)を供給することにより、前記特定駆動手段を駆動させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定駆動手段は、通常電流が供給されることで、通常通りに駆動することが可能である。また特定駆動手段は、通常電流よりも小さい小電流が供給されることでも駆動することが可能である。こうして、特定駆動手段に対して通常電流の供給又は小電流の供給を切替えることで、消費電流を抑えることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
電力を供給可能な電力供給手段(電源基板190)を備え、
前記演出制御手段は、
前記電力供給手段の供給電力に基づく特定値(演出用モータの電源のピーク電流)が所定値(3000mA)未満である(ステップS903,S909でYES)と判断する場合には、前記特定駆動手段に前記通常電流を供給することにより、前記特定駆動手段を駆動させることが可能であり、
前記電力供給手段の供給電力に基づく特定値が前記所定値(3000mA)以上である(ステップS903,S909でNO)と判断する場合には、前記特定駆動手段に前記小電流を供給することにより、前記特定駆動手段を駆動させることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給手段の供給電力に基づく特定値が所定値未満であれば、特定駆動手段に通常電流が供給されて、特定駆動手段が通常通りに駆動することが可能である。一方、電力供給手段の供給電力に基づく特定値が所定値以上であれば、特定駆動手段に小電流が供給されて、特定駆動手段での消費電流を抑えつつ駆動することが可能である。こうして、電力供給手段の供給電力の状況に応じて、ソフト的に(演出制御手段による制御で)特定駆動手段への供給電流を切替えることができて、電力供給手段が過負荷になるのを未然に防ぐことが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
駆動可能な他の駆動手段(中央可動体401及び昇降モータ310)を備え、
前記演出制御手段は、
前記電力供給手段の供給電力に基づく特定値が前記所定値以上であると判断し、且つ前記他の駆動手段の駆動中に当該他の駆動手段の駆動態様を変更する場合(展開解除ボタン44kが押下操作されて中央可動体401が下降位置へ復帰する場合、タッチ電極430に接触して中央可動体401が停止する場合)には、前記特定駆動手段に電流を供給しないことにより、前記特定駆動手段を駆動させない(ステップS412,S417を実行する)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給手段の供給電力に基づく特定値が所定値以上であって、更に駆動中の他の駆動手段の駆動態様が変更する場合には、特定駆動手段に電流が供給されずに駆動しない。こうして、特定駆動手段での消費電流を完全に無くすことで、他の駆動手段の駆動を確保しつつ、電力供給手段の過負荷を防ぐことが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記特定駆動手段は、発光可能な発光手段(枠ランプ212、盤ランプ54)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、発光手段に対して通常電流よりも小さい小電流が供給されることで、発光手段の発光態様が目立ち難くなる場合がある。しかしながら、ほとんどの遊技者は発光手段の発光態様にあまり注目していないため、発光手段の発光態様が目立ち難くなっても、遊技者に与える違和感を軽減することが可能である。
ところで、上記したA1~A4に係る発明は、特開2003-290453号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、特定駆動手段に所定の通常電流を供給することにより、特定駆動手段を駆動させることが可能であり、特定駆動手段に通常電流よりも小さい小電流を供給することにより、特定駆動手段を駆動させることが可能であるという点で相違している。これにより、消費電流を抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて遊技者に有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)と、
駆動可能な第1駆動手段(枠ランプ212、盤ランプ54)と、
駆動可能な第2駆動手段(中央可動体401及び昇降モータ310)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記第1駆動手段に所定の通常電流(枠ランプデータに基づく電流、盤ランプデータに基づく電流)を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させることが可能であり、
前記第2駆動手段の駆動態様(図19に示す電流制限判定テーブル)に基づいて、前記第1駆動手段に前記通常電流よりも小さい小電流(通常電流の25%の電流,低電流用の枠ランプデータに基づく電流、低電流用の盤ランプデータに基づく電流)を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させる、又は前記第1駆動手段に電流を供給しないことにより前記第1駆動手段を駆動させないことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1駆動手段は通常電流が供給されることにより、通常通りに駆動することが可能である。一方、第1駆動手段は、第2駆動手段の駆動態様に基づいて、通常電流よりも小さい小電流が供給されることにより駆動したり、電流が供給されないことにより完全に駆動しない。こうして、第2駆動手段の駆動態様に応じて、第1駆動手段に供給する電流を切替えることで、消費電流を抑えることが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第2駆動手段の駆動中に遊技者による動作(展開解除ボタン44kへの押下操作、タッチ電極430への接触)に基づいて前記第2駆動手段の駆動態様を変更(下降位置にいない中央可動体401を下降位置へ復帰、タッチ電極430に接触して移動中の中央可動体401を停止)可能であり、
前記第2駆動手段の駆動態様を変更した場合には、前記第1駆動手段に前記通常電流よりも小さい小電流を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させる、又は前記第1駆動手段に電流を供給しないことにより前記第1駆動手段を駆動させない(ステップS412,S417を実行する)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2駆動手段の駆動中にも拘わらず、遊技者による動作に基づいて、当該第2駆動手段の駆動態様が変更し得る。しかしながら、この第2駆動手段の駆動態様の変更は、設計開発者にとってイレギュラーになり得るため、消費電流が予測に反して大きくなり過ぎるおそれがある。そこで、遊技者による動作に基づいて、第2駆動手段の駆動態様を変更した場合には、第1駆動手段に小電流を供給する又は電流を供給しない。その結果、消費電流を抑えることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
遊技者による接触又は接近を検出可能な検出手段(タッチセンサ431)を備え、
前記演出制御手段は、
前記検出手段による検出(タッチセンサ431による検出)に基づいて前記第2駆動手段の駆動態様を停止態様に変更した場合(移動中の中央可動体401が停止する場合)には、前記第1駆動手段に前記通常電流よりも小さい小電流を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させる、又は前記第1駆動手段に電流を供給しないことにより前記第1駆動手段を駆動させない(ステップS417を実行する)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、検出手段が遊技者による接触又は接近を検出することで、第2駆動手段の駆動態様が停止態様になり、安全性を高めることが可能である。しかしながら、第2駆動手段の駆動を急に停止させるため、イレギュラーな事態として消費電流が大きくなり過ぎるおそれがある。そこでこの場合には、第1駆動手段に小電流を供給する又は電流を供給しないことにより、消費電流を抑えることが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
遊技者による操作が可能な操作手段(展開解除ボタン44k)を備え、
前記第2駆動手段は、所定の原点位置(下降位置)又は動作位置(上昇位置)に移動可能なものであり(図3,図9参照)、
前記演出制御手段は、
前記操作手段への操作に基づいて前記第2駆動手段の駆動態様を、当該第2駆動手段が前記原点位置へ復帰する復帰態様に変更(ステップS410を実行)した場合には、前記第1駆動手段に前記通常電流よりも小さい小電流を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させる、又は前記第1駆動手段に電流を供給しないことにより前記第1駆動手段を駆動させない(ステップS412を実行する)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者が操作手段を操作することで、第2駆動手段の駆動態様が原点位置へ復帰する復帰態様になり、第2駆動手段が邪魔にならないようにすることが可能である。しかしながら、第2駆動手段に対する本来の駆動パターンではなく、第2駆動手段を強制的に原点位置へ復帰させるため、イレギュラーな事態として消費電流が大きくなり過ぎるおそれがある。そこでこの場合には、第1駆動手段に小電流を供給する又は電流を供給しないことにより、消費電流を抑えることが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B4に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第2駆動手段の駆動態様を当該第2駆動手段が前記原点位置へ復帰する復帰態様に変更した場合には、前記第2駆動手段が前記原点位置へ移動した後に(ステップS423でYESと判定して、ステップS426で第1無電流フラグをOFFした後に)、前記第1駆動手段に前記通常電流を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させる(ステップS904,S910を実行する)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、原点位置にない第2駆動手段を原点位置へ移動させた後には、第1駆動手段への電流の抑制を解除して、第1駆動手段に通常電流を供給する。こうしてイレギュラーな事態が終了した後には、第1駆動手段を通常通りに駆動させることが可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記第2駆動手段は、所定の原点位置(図3に示す下降位置)又は動作位置(図9に示す上昇位置)に移動可能なものであり、
所定の開始条件の成立に基づいて、図柄(特別図柄)を変動表示したあと停止表示させる図柄表示手段(特図表示器81)を備え、
前記演出制御手段は、
前記図柄の変動表示が開始されるときに前記原点位置にいない前記第2駆動手段を前記原点位置へ移動させる(ステップS419を実行する)場合には、前記第1駆動手段に前記通常電流よりも小さい小電流を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させる、又は前記第1駆動手段に電流を供給しないことにより前記第1駆動手段を駆動させない(ステップS422を実行する)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、図柄の変動表示が開始されるときに、第2駆動手段が原点位置にいない場合、第2駆動手段は原点位置に強制的に移動させられる。しかしながらこの場合、イレギュラーな事態として第2駆動手段を移動させるため、消費電流が大きくなり過ぎるおそれがある。そこでこの場合には、第1駆動手段に小電流を供給する又は電流を供給しないことにより、消費電流を抑えることが可能である。
手段B7に係る発明は、
手段B6に記載の遊技機において、
前記図柄の変動表示が開始されるときに前記原点位置にいない前記第2駆動手段を前記原点位置へ移動させる場合には、前記第2駆動手段が前記原点位置へ移動した後に(ステップS423でYESと判定して、ステップS426で第1無電流フラグをOFFした後に)、前記第1駆動手段に前記通常電流を供給することにより前記第1駆動手段を駆動させる(ステップS904,S910を実行する)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、図柄の変動表示が開始されるときに原点位置にない第2駆動手段を原点位置へ移動させた後には、第1駆動手段への供給電流の制限を解除して、第1駆動手段に通常電流を供給する。こうしてイレギュラーな事態が終了した後には、第1駆動手段を通常通りに駆動させることが可能である。
手段B8に係る発明は、
手段B1乃至手段7の何れかに記載の遊技機において、
前記第1駆動手段は、発光可能な発光手段(枠ランプ212、盤ランプ54)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、発光手段に対して小電流が供給される、又は電流が供給されないことで、発光手段の発光態様が目立ち難くなる場合がある。しかしながら、ほとんどの遊技者は発光手段の発光態様にあまり注目していないため、発光手段の発光態様が目立ち難くなっても、遊技者に与える違和感を軽減することが可能である。
ところで、上記したB1~B8に係る発明は、特開2003-290453号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、第1駆動手段に所定の通常電流を供給することにより第1駆動手段を駆動させることが可能であり、第2駆動手段の駆動態様に基づいて、第1駆動手段に通常電流よりも小さい小電流を供給することにより第1駆動手段を駆動させる、又は第1駆動手段に電流を供給させないことにより第1駆動手段を駆動させないことが可能であるという点で相違している。これにより、消費電流を抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。