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JP7206505B2 - 発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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JP7206505B2 JP2020166498A JP2020166498A JP7206505B2 JP 7206505 B2 JP7206505 B2 JP 7206505B2 JP 2020166498 A JP2020166498 A JP 2020166498A JP 2020166498 A JP2020166498 A JP 2020166498A JP 7206505 B2 JP7206505 B2 JP 7206505B2
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Description

本開示は、発光装置及びその製造方法に関する。
発光装置には、薄型化及び光取り出し効率の向上が求められている。例えば特許文献1には、光取り出し効率を向上させることができる薄型の発光装置が記載されている。
特開2019-169557
本開示に係る実施形態は、光取り出し効率をさらに向上させることができる薄型の発光装置を提供することを課題とする。
実施形態に開示される発光装置は、基板と、前記基板上に配置された発光素子と、前記発光素子の下面と対向する領域を含む前記基板の上面に配置された光反射性の樹脂部材と、前記樹脂部材上に配置された光反射部材であって、前記樹脂部材と接する下面と、上面視において前記発光素子から離隔して前記発光素子を囲む内側面と、を有する前記光反射部材と、前記発光素子を覆う透光部材と、を備え、前記樹脂部材は、前記光反射部材の内側面と接する部分を有している。
また、実施形態に開示される発光装置の製造方法は、上面に発光素子が配置された基板を準備する工程と、前記基板の上面に、未硬化な液体状態の光反射性の樹脂部材を配置する工程と、前記樹脂部材の上面に、前記発光素子から離隔して前記発光素子を囲む内側面を有するように光反射部材を配置する工程と、前記樹脂部材を硬化する工程と、前記発光素子が覆われるように、前記光反射部材の内側面によって囲まれた領域に未硬化状態の透光部材を配置する工程と、前記透光部材を硬化する工程と、を含み、前記光反射部材を配置する工程は、前記光反射部材を前記樹脂部材に押圧し、前記樹脂部材を前記光反射部材の内側面に延在させる。
本開示の実施形態によれば、光取り出し効率をさらに向上させる薄型の発光装置を実現することができる。
実施形態に係る発光装置の模式斜視図である。 実施形態に係る発光装置の模式上面図である。 図1Bに示すIC-IC線における模式端面図である。 図1Bに示すID-ID線における模式端面図である。 実施形態に係る発光装置の図1Aと異なる向きの模式斜視図である。 実施形態に係る発光装置の製造方法のフローチャートである。 実施形態に係る発光装置の製造方法における模式上面図である。 図3Aに示すIIIB-IIIB線における模式端面図である。 実施形態に係る発光装置の製造方法における模式上面図である。 図4Aに示すIVB-IVB線における模式端面図である。 実施形態に係る発光装置の製造方法における模式上面図である。 図5Aに示すVB-VB線における模式端面図である。 実施形態に係る発光装置の製造方法における模式上面図である。 図6Aに示すVIB-VIB線における模式端面図である。 第1変形例に係る発光装置の模式端面図である。 第2変形例に係る発光装置の模式端面図である。
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示に係る技術的思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、発明を以下のものに限定しない。一つの実施形態において説明する内容は、他の実施形態及び変形例にも適用可能である。また、図面は実施形態を概略的に示すものであり、説明を明確にするため、各部材のスケールや間隔、位置関係等を誇張し、あるいは、部材の一部の図示を省略している場合がある。また、本開示における端面図とは、切断面のみを示す図である。各図において示す方向は、構成要素間の相対的な位置を示し、絶対的な位置を示すことを意図したものではない。なお、同一の名称、符号については、原則として、同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。
[実施形態]
実施形態に係る発光装置1を、図1A~図1Eを参照しながら説明する。
発光装置1は、基板10と、基板10上に配置された発光素子20と、発光素子20の下面と対向する領域を含む基板10の上面に配置された光反射性の樹脂部材40と、樹脂部材40上に配置された光反射部材であって、樹脂部材40と接する下面と、上面視において発光素子20から離隔して発光素子20を囲む内側面と、を有する光反射部材50と、発光素子20を覆う透光部材30と、を備え、樹脂部材40は、光反射部材50の内側面と接する部分を有している。以下、発光装置1の各構成について説明する。
(基板)
基板10は、発光素子20が配置される部材である。基板10は、基材11と配線12とを備え、基材11に設けられた貫通孔内に配置された導電性部材15を有している。なお、以下では、基板10の上面が矩形の場合、基板10の上面の長辺方向を長手方向D1、長手方向D1に直交する方向を短手方向D2とする。
基材11の材料は、エポキシ、ガラスエポキシ、ビスマレイミドトリアジン若しくはポリイミドなどの樹脂、又はセラミックス若しくはガラスなどの絶縁性部材を用いることができ、特に発光素子20の線膨張係数に近い物性を有する材料を用いることが好ましい。なお、基材11の厚さの下限値は、基材11の強度の観点から、0.05mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。また、基材11の厚さの上限値は、発光装置1の厚さの観点から、0.6mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることがより好ましく、0.4mm以下であることがさらにより好ましい。
配線12は、基板10の上面及び下面に配置され、発光素子20に電力を供給する経路となる。基板10の上面の配線と下面の配線とは導電性部材15を介して接続される。配線12は、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、チタン、パラジウム、ロジウム、銀、白金、金などの金属又はこれらの合金とすることができる。また、配線12は、これらの金属又は合金の単層でも多層でもよい。
導電性部材15の材料としては、例えば、配線12と同様の金属材料を用いることができる。導電性部材15は、基材11の貫通孔内の全体を占めていてもよいし、貫通孔内の一部、例えば貫通孔の表面上に配置された導電膜であってもよい。また、貫通孔の表面上に導電膜が配置される場合、貫通孔内の導電膜よりも内側の領域に、例えばエポキシ樹脂などの絶縁材料が充填されてもよい。
基板10の下面には、絶縁性の確保及び短絡の防止を図るために、絶縁膜70が配置されてもよい。絶縁膜70の材料は、公知の樹脂材料を用いることができ、例えば熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂等が挙げられる。
また、図1Eに一例を示すように、基板10の下面に外部の実装基板に固定するための窪み14を設け、配線12である電極を窪み14に沿って配置することができる。窪み14内の配線と外部の実装基板とは、例えば半田などの接合部材を介して電気的に接続することができる。
(発光素子)
発光素子20は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子であり、例えばLEDチップである。発光素子20は、少なくとも半導体積層体を備え、正負一対の素子電極26を有する。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の支持基板と、支持基板上に配置されるn型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。なお、半導体積層体は、支持基板が除去されたものを用いてもよい。また、発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体積層体としては、例えばInAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体積層体は、上述した発光色を発光可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光色が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光色が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光色が同じとは、使用上同じ発光色とみなせる範囲、例えば、主波長で数nm程度のばらつきがあってもよい。発光色の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などが挙げられる。
基板10上に配置される発光素子20は、1個でもよく複数でもよい。複数の発光素子を用いる場合、発光色が同じ発光素子を用いてもよいし、発光色が異なる発光素子を用いてもよい。実施形態に係る発光装置1は、図1Dに示すように、一例として、長手方向D1に並んで配置される2個の発光素子20を有している。複数の発光素子20が長手方向D1に並んで配置される場合、隣り合う2個の発光素子20の一方を第1発光素子21、他方を第2発光素子22と称する場合がある。
(透光部材)
透光部材30は、発光素子20の少なくとも上面及び側面を覆い、発光素子20を保護する部材である。
透光部材30は、透光性の母材31に波長変換物質32を含有させることができる。母材31の材料は、例えばシリコーン、エポキシ、フェノール、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂、又はガラスである。母材31は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛などのフィラーを含んでいてもよい。透光部材30は、これらの母材のうちの1種を単層で、又はこれらの母材のうちの2種以上を積層して構成することができる。
波長変換物質32は、発光素子20が発する一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光とは異なる波長の二次光を発する部材である。例えば、発光素子20が発する一次光と波長変換物質32が発する二次光とを混光することによって、白色光が得られるようにすることができる。波長変換物質32としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、M(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタニド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、CCA系蛍光体(例えば、(Ca,Sr)10(POCl:Eu)、又は、量子ドット蛍光体等を用いることができる。また、波長変換物質32は、これらの蛍光体のうちの1種を単体で、又はこれらの蛍光体のうち2種以上を組み合わせて用いることができる。
透光部材30は、発光素子20の下面の一部にも対面して配置される。図1Dに示すように、発光素子20の下面の素子電極26の間の領域において、透光部材30は、発光素子20の下面と後記する樹脂部材40の上面との間に配置されている。
(光反射部材)
光反射部材50は、基板10の上面側に配置されており、上面視において光反射部材50の内側面が発光素子20から離隔して発光素子20を囲む部材である。光反射部材50は、その内側面が発光素子20の側面と対向するように配置される。光反射部材50は、光反射性を有し、少なくとも発光素子20からの光を光反射部材50の内側面にて反射することができる。なお、光反射部材50は、基板10の上面に、後記する樹脂部材40を介して配置される。
光反射部材50の内側面と基板10の上面とは有底の孔部を規定し、有底の孔部内に発光素子20が配置される。このため、光反射部材50の高さは、発光素子20の高さよりも高い。即ち、光反射部材50の上面は、発光素子20の上面よりも高い位置にある。また、光反射部材50の断面形状は、基板10から高さ方向に離れるほど幅が狭くなっていることが好ましい。本実施形態における光反射部材50の内側面は、有底の孔部が開口する方向に広がるように傾斜した面である。また、光反射部材50の内側面は、基板10の上面に対して垂直な面としてもよい。さらに光反射部材50の内側面は、平面、曲面又はこれらを組み合わせた面を含んでもよい。
光反射部材50の反射率は、発光素子20の発光ピーク波長に対して70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。
また、光反射部材50は、白色であることが好ましく、光反射部材50の母材中に、例えば酸化チタン、酸化マグネシウムなどの白色顔料を含有してなることが好ましい。光反射部材50の母材は、例えばシリコーン、エポキシ、フェノール、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂又はこれらの変性樹脂が挙げられる。また、光反射部材50は、透光部材30の母材31と同様のフィラーを含んでもよい。
(樹脂部材)
樹脂部材40は、基板10の上面を覆い、少なくとも基板10と光反射部材50との間に配置される部材である。また、樹脂部材40は光反射性を有し、少なくとも発光素子20からの光が、基板10の上面に照射されて配線12等に吸収されるのを抑えるとともに、基板10と光反射部材50との間から発光装置1の外部に漏れるのを抑えることができる。
樹脂部材40の反射率は、発光素子20の発光ピーク波長に対して70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。
また、樹脂部材40は、白色であることが好ましく、樹脂部材40の母材中に、例えば酸化チタン、酸化マグネシウムなどの白色顔料を含有してなることが好ましい。樹脂部材40の母材は、例えばシリコーン、エポキシ、フェノール、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂又はこれらの変性樹脂が挙げられる。また、樹脂部材40は、透光部材30の母材31と同様のフィラーを含んでもよい。
樹脂部材40は、基板10の上面であって、発光素子20の素子電極26が接続される領域を除く領域に配置される。樹脂部材40は、基板10の上面と光反射部材50の下面との間に配置され、さらに発光素子20の下面と対向する領域にも配置される。
樹脂部材40は、基板10上に発光素子20が複数配置されている場合には、発光素子20同士の間の領域にも配置される。例えば、基板10の上面が矩形であり、発光素子20が、長手方向D1に並んで配置されている第1発光素子21及び第2発光素子22を含む場合、樹脂部材40は、第1発光素子21と第2発光素子22との間A1において、基板10の上面に配置される。
樹脂部材40の上面は、図1C、図1Dに示すように、基板10側に凹んだ曲面を含む。そして、樹脂部材40は、光反射部材50の内側面52と接する部分を有している。基板10の上面が矩形の場合には、樹脂部材40は、長手方向D1に平行な光反射部材50の内側面52に接する第1部分41と、短手方向D2に平行な光反射部材50の内側面52に接する第2部分42とを有する。そして、基板10の基材11の上面を基準として、第1部分41の上端の高さH1は、第2部分42の上端の高さH2よりも高い。
発光装置1は、光反射部材50の断面形状が、基板10から高さ方向に離れるほど幅が狭くなるように傾斜することで、発光素子20からの光を発光装置1の上面側に効率よく取り出すことができる。
また、発光装置1は、発光素子20の下面にも透光部材30が配置されている。これにより、発光素子20の下面から出射される光についても波長変換物質32による波長変換を行うことができる。なお、本実施形態における透光部材30は、発光素子20の下面と樹脂部材40の上面との間に配置されており、発光素子20の下面側に出射された光が樹脂部材40で反射され、配線12等に吸収される光を減らすことができる。
また、樹脂部材40が、光反射部材50の内側面52と接する部分である第1部分41及び第2部分42を有する。第1部分41及び第2部分42は、例えば、光反射部材50の内側面52を這い上がるように配置されている。これにより、少なくとも発光素子20からの光が、第1部分41及び第2部分42にて反射され、樹脂部材40と光反射部材50との間を伝搬しにくくすることができ、発光装置1の内部から外部に光が進むのを抑えることができる。
また、樹脂部材40が、光反射部材50の内側面52と接する部分である第1部分41及び第2部分42を有することにより、発光装置1の外部から内部に例えばフラックスや水分等が浸入するのを抑えることができるため、品質の劣化を抑えることができる。また、樹脂部材40が光反射部材50の内側面52と接する部分である第1部分41及び第2部分42を有することにより、樹脂部材40と光反射部材50とが接する面積が大きくなる。このため、光反射部材50が、樹脂部材40を介して、確実に基板10に固定される結果、光反射部材50が基板10から分離することを抑えることができる。
発光装置1は、光反射性の樹脂部材40が、発光素子20を囲む光反射部材50の内側面52と接する第1部分41、第2部分42を有することにより、発光装置1の側面、特に光反射部材50と基板10との隙間から漏れる光の量をさらに抑えることができる。すなわち、発光装置1は、薄さを維持しながら、光取り出し効率をさらに向上させることができる。
また、発光装置1は、その発光面(透光部材30の上面)が配線基板の実装面に対して垂直となる向きに実装してもよく、又は発光面(透光部材30の上面)と反対側の面が配線基板の実装面と対向する向きに実装してもよい。
[製造方法]
実施形態に係る発光装置1の製造方法について、図2~図6Bを参照して説明する。
発光装置1の製造方法は、図2に示すように、上面に発光素子20が配置された基板を準備する工程S1と、基板の上面に、未硬化な液体状態の光反射性の樹脂部材を配置する工程S2と、樹脂部材の上面に、発光素子から離隔して発光素子を囲む内側面を有するように光反射部材を配置する工程S3と、樹脂部材を硬化する工程S4と、発光素子が覆われるように、光反射部材の内側面によって囲まれた領域に未硬化状態の透光部材を配置する工程S5と、透光部材を硬化する工程S6と、を含む。そして、光反射部材を配置する工程S3は、光反射部材を樹脂部材に押圧し、樹脂部材を光反射部材の内側面に延在させる。
多数の発光装置1を製造する場合には、発光装置1を1つずつ製造するよりも、発光装置1を集合させて製造した後に、個片化工程S7を設けて個片化を行う方が効率よく製造することができる。以下では、発光装置1を集合させて製造する場合の各工程について説明する。このため、実施形態の製造方法において、個片化される前の基板を基板中間体と称し、個片化される前の光反射部材を光反射部材中間体と称する場合がある。
なお、図3A、4A、5A、6Aは、集合して製造される中間体の一部を拡大して示しており、各発光装置1に対応する部分を区画する境界P1を2点鎖線で示している。また、図3B、4B、5B、6Bは、1個の発光装置1に相当する部分の端面図を示している。
(基板を準備する工程)
基板を準備する工程S1は、基板中間体100上に、発光素子20を配置する工程である。発光素子20は、導電性接着部材を介して素子電極26が配線12に接合されるように、基板中間体100上に配置される。導電性接着部材としては、例えば、金、銀、銅等のバンプ、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属粉末と樹脂バインダとの混合物である導電性ペースト、または、錫-銀-銅(SAC)系もしくは錫-ビスマス(SnBi)系のはんだを用いることができる。基板中間体100の上面に位置する配線は、後述する光反射部材中間体500の下面と対向する領域に配置されていてもよいが、光反射部材中間体500の下面と対向する領域に配置されていないのが好ましく、基板中間体100と光反射部材中間体500と間に隙間を生じにくくすることができる。なお、図3Aにおいては、発光素子20の周囲に配置される配線等の図示を省略している。また、基板を準備する工程S1は、発光素子20が配置された基板中間体100を購入して準備してもよい。
(樹脂部材を配置する工程)
樹脂部材を配置する工程S2は、基板中間体100の上面に未硬化な液体状態(ペースト状態を含む)の樹脂部材40Aを、例えば、印刷、ポッティング、スプレー等の方法にて配置する。樹脂部材40Aは、発光素子20の下面よりも低くなる厚さで、基板中間体100の上面全体に配置する。樹脂部材40Aは、素子電極26のない領域であって、発光素子20の下面と対向する領域にも配置される。また、樹脂部材40Aは、第1発光素子21と第2発光素子22との間A1にも配置される。
(光反射部材を配置する工程)
光反射部材を配置する工程S3は、未硬化な液体状態の樹脂部材40Aの上面に、光反射部材中間体500を配置する。光反射部材中間体500は、境界P1に沿った内側面により規定される貫通孔が形成されており、上面視においてその内側面が発光素子20から離隔して発光素子20を囲むように配置される。この配置は、光反射部材中間体500の下面を樹脂部材40Aの上面に対面させ、さらに基板中間体100の上面に垂直な方向に光反射部材中間体500を押圧して行う。このような光反射部材中間体500は、予め成形されたものを用いる。そのため、光反射部材中間体500を樹脂部材40Aに押圧することにより、樹脂部材40が光反射部材中間体500の下面から発光素子20側に押し広げられる。光反射部材中間体500の内側面には押し広げられた樹脂部材40の一部が這い上がるとともに、発光素子20の下面側にも入り込む。このため、樹脂部材40Aの上面は、光反射部材中間体500の下面と、発光素子20の下面と、光反射部材中間体500の内側面とに亘って配置されることになる。
光反射部材中間体500の内側面は、境界P1の長手側における発光素子20との間隔G1が、短手側における発光素子20との間隔G2よりも小さくなるように配置されている。このため、樹脂部材40Aの上面は、長手側の内側面と接する部分の方が、短手側の内側面と接する部分よりも高い位置に押し上げられる。すなわち、図1C、1Dに示すように、基板10の基材11の上面を基準として、第1部分41の上端の高さH1は、第2部分42の上端の高さH2よりも高く形成される。なお、間隔G1、G2は、図5Bに間隔G1で例示するように、発光素子20の側面と光反射部材中間体500の内側面52の下端との距離である。
(樹脂部材を硬化する工程)
樹脂部材を硬化する工程S4は、未硬化な液体状態の樹脂部材40Aを140℃~160℃程度で加熱して硬化させる。樹脂部材40Aを硬化させることによって、光反射部材中間体500は、基板中間体100に対して固定される。
(透光部材を配置する工程)
透光部材を配置する工程S5は、光反射部材中間体500の内側面によって囲まれた領域に、発光素子20が覆われるように未硬化状態の透光部材30Aを配置する。透光部材30Aは、発光素子20の上面及び側面を覆うとともに、硬化した樹脂部材40の上面と発光素子20の下面との間にも配置される(図1D参照)。透光部材30Aは、例えばノズル注入によって配置される。透光部材30Aは、図6Bに示すように、光反射部材中間体500の上端の高さまで配置される。樹脂部材40が光反射部材中間体500の内側面に延在していることにより、樹脂部材40と光反射部材中間体500との間に透光部材30Aが浸入するのを抑えることができる。
(透光部材を硬化する工程)
透光部材を硬化する工程S6は、未硬化状態の透光部材30Aを140℃~160℃程度で加熱して硬化させる。透光部材30Aは、硬化に伴ってヒケが生じる。このため、硬化後の透光部材30Aの上面は、図1C、1Dに示すように、光反射部材中間体500と接する部分よりも中央部が低くなるように曲面状に形成される。
(個片化工程)
個片化工程S7は、発光装置1の集合体を各発光装置1に切断する。切断は、例えばブレードによって行うことができる。
発光装置1の製造方法は、樹脂部材40Aの硬化とともに光反射部材中間体500を固定できるため、光反射部材中間体500と基板中間体100とを接着剤等によって接着する工程を別途設ける必要がなく、工程の簡略化を図ることができる。
また、発光装置1の製造方法は、樹脂部材40Aの硬化後に未硬化状態の透光部材30Aを配置することで、硬化した樹脂部材40の上面と発光素子20の下面との間に、透光部材30Aを配置することができる。
また、発光装置1の製造方法は、樹脂部材40が光反射部材中間体500の内側面52と接する部分を有することで、樹脂部材40と光反射部材中間体500との間に未硬化状態の透光部材30Aが浸入するのを抑えることができる。
また、発光装置1の製造方法は、光取り出し面である透光部材30の上面が、光反射部材50と接する部分よりも中央部が低くなるように曲面状に形成される。このため、発光装置1は、透光部材30の上面側を外部の他の部品等と対面させて配置される場合でも、透光部材30の上面と外部の他の部品等との接触を回避することができ、発光装置1から取り出される光への影響を抑えることができる。
(変形例)
なお、発光装置は、図7A、図7Bに示すように、対面する光反射部材50の下面51と樹脂部材40の上面とに、互いに噛み合う凹部及び凸部を設けてもよい。光反射部材50の下面51と樹脂部材40の上面とが、互いに噛み合う凹部及び凸部を有することで、光反射部材50の基板10からの分離を抑えることができる。凹部及び凸部は、上面視において、光反射部材50の内側面に沿った環状に配置されているのが好ましく、光反射部材50の基板10からの分離をさらに抑えることができる。環状に配置された凹部及び凸部は、連続する1つの凹部及び凸部であってもよいし、断続的な複数の凹部及び凸部であってもよい。また、凹部及び凸部は、上面視において、光反射部材50の内側面よりも外側面に近い位置に配置されるのが好ましい。これにより、例えば、個片化工程で光反射部材50を切断するときにかかる応力によって光反射部材50が基板10から分離するのを抑えることができる。なお、光反射部材50に着目すると、光反射部材50の下面51は、凹部53Aを有してもよく(第1変形例)、凸部53Bを有してもよく(第2変形例)、凹部53A及び凸部53Bの両方を有してもよい。
1 発光装置
10 基板
11 基材
12 配線
15 導電性部材
20 発光素子
21 第1発光素子
22 第2発光素子
26 素子電極
30 透光部材
31 透光性の母材
32 波長変換物質
30A 未硬化の透光部材
40 樹脂部材
41 第1部分
42 第2部分
40A 未硬化の樹脂部材
50 光反射部材
51 下面
52 内側面
53A 凹部
53B 凸部
70 絶縁膜
100 基板中間体
500 光反射部材中間体
P1 境界
G1,G2 間隔

Claims (5)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置された発光素子と、
    前記発光素子の下面と対向する領域を含む前記基板の上面に配置された光反射性の樹脂部材と、
    前記樹脂部材上に配置された光反射部材であって、前記樹脂部材と接する下面と、上面視において前記発光素子から離隔して前記発光素子を囲む内側面と、を有する前記光反射部材と、
    前記発光素子を覆う透光部材と、を備え、
    前記樹脂部材は、前記光反射部材の内側面と接する部分を有し
    前記基板の上面は、長手方向と、前記長手方向に直交する短手方向を有する矩形であり、
    前記樹脂部材の前記光反射部材の内側面と接する部分は、前記長手方向に位置する第1部分と、前記短手方向に位置する第2部分と、を含み、
    前記第1部分の高さは、前記第2部分の高さよりも高い発光装置。
  2. 前記発光素子は、前記長手方向に並んで配置された第1発光素子および第2発光素子を含み、
    前記樹脂部材は、前記第1発光素子と前記第2発光素子との間において、前記基板の上面にも配置されている請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記光反射部材の下面は、凹部または凸部を有する請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記透光部材は、前記発光素子の上面及び側面を覆うと共に、前記発光素子の下面と前記樹脂部材の上面との間にも配置されている請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
  5. 上面に発光素子が配置された基板を準備する工程と、
    前記基板の上面に、未硬化な液体状態の光反射性の樹脂部材を配置する工程と、
    前記樹脂部材の上面に、前記発光素子から離隔して前記発光素子を囲む内側面を有するように光反射部材を配置する工程と、
    前記樹脂部材を硬化する工程と、
    前記発光素子が覆われるように、前記光反射部材の内側面によって囲まれた領域に未硬化状態の透光部材を配置する工程と、
    前記透光部材を硬化する工程と、
    を含み、
    前記光反射部材を配置する工程は、前記光反射部材を前記樹脂部材に押圧し、前記樹脂部材を前記光反射部材の内側面に延在させ
    前記基板の上面は、長手方向と、前記長手方向に直交する短手方向を有する矩形であり、
    前記樹脂部材の前記光反射部材の内側面と接する部分は、前記長手方向に位置する第1部分と、前記短手方向に位置する第2部分と、を含み、
    前記第1部分の高さは、前記第2部分の高さよりも高い発光装置の製造方法。
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