[第1の実施形態]
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
実施形態では、コンテンツ被表示部と、表示装置と、画像処理装置とを有する表示シテムを一例として説明する。
<第1の実施形態に係る表示システムの構成>
図1は、本実施形態に係る表示システムの構成の一例を説明する図である。表示システム100は、ウィンドウガラス1と、表示装置10と、コンピュータ5とを備える。また、表示装置10は、プロジェクタ2と、第1遮蔽部3と、第2遮蔽部4とを備える。
コンテンツ被表示部の一例としてのウィンドウガラス1は、店舗等に設けられるウィンドウガラスである。ガラスの表面と裏面の何れか一方に、光を拡散させるための微細構造が形成されている。プロジェクタ2からウィンドウガラス1に向けて、コンテンツが投射されると、ウィンドウガラス1の微細構造により光が拡散し、この拡散面にコンテンツが表示される。
ウィンドウガラス1は、一例として、屈折率及び光拡散性が高いナノダイヤモンド等を微細構造の一部とすることができる。但し、これに限定されるものではなく、例えば、ウィンドウガラス1に、光透過性と光拡散性を備えるフィルムを張ってもよいし、他の構造を備えてもよい。
ウィンドウガラス1は光透過性を有するため、拡散面に投射された文字や画像又は映像を含むコンテンツは、ウィンドウガラス1の表面側(第1面の一例)と裏面側(第2面の一例)の両側から視認可能となる。例えば、ウィンドウガラス1の表面側を店舗の内側とし、裏面側を店舗の外側として、店舗の内側に設けられたプロジェクタ2からコンテンツが投射されると、店舗の内側にいる人と外側にいる人の両方が、このコンテンツを視認することができる。
ここで、コンテンツは、集客や広告等のための文字や画像又は映像を含む画像や映像である。このようなウィンドウガラス等のガラスをコンテンツ被表示部とする表示システムは、ガラスサイネージと呼ばれる。なお、以下では、店舗の外側にいる人が白抜き矢印の方向にコンテンツを見る視点を視点Aと称し、店舗の内側にいる人が黒太矢印の方向にコンテンツを見る視点を視点Bと称する場合がある。
投射部の一例としてのプロジェクタ2は、ウィンドウガラス1の表面側(店舗の内側)に、表面側にコンテンツを投射する。図1では、プロジェクタ2は、天井(図示を省略)から吊り下げられて固定された天吊り式のプロジェクタである。
ウィンドウガラス1は光透過性を有しているため、表面からプロジェクタ2によってコンテンツを投射すると、店舗の内側と外側の両側からコンテンツを視認することができる。
本実施形態では、第1遮蔽部3と第2遮蔽部4を用いて、左右反転した文字や画像又は映像を遮蔽することで、表面側の人と裏面側の人に対してコンテンツを適切に提供できるようにする。また、第1遮蔽部3により、表面側の人と裏面側の人に対して異なるコンテンツを提供できるようにする。
図1では、一点鎖線で囲った部分1Bには、コンテンツのうちの一部が裏面側から視認することができる。第1遮蔽部3は、店舗の内側にいる人50bが視点Bから見た場合に部分1Bを視認できないように遮蔽する。
また、図1では、二点鎖線で囲った部分1Aには、コンテンツのうちの一部が表面側から視認することができる。第2遮蔽部4は、店舗の外側にいる人50aが視点Aから見た場合に、部分1Aを視認できないように遮蔽する。
コンテンツや第1遮蔽部3や第2遮蔽部4については、別途、図2を用いて詳述する。
画像処理装置の一例としてのコンピュータ5は、プロジェクタ2と無線、又は有線により、通信可能に接続されている。コンピュータ5は、外部装置から入力された文字データ及び画像又は映像データに基づいて生成したコンテンツデータに対し、表示システムの管理者等の操作者による指示に応じて、所定の画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータをプロジェクタ2に送信する。プロジェクタ2は、受信したコンテンツデータに基づき、ウィンドウガラス1にコンテンツを投射することができる。
なお、コンピュータ5は、文字データ及び画像データ又は映像データを、外部装置から入力するだけでなく、内部で生成しても良い。また、画像処理装置はコンピュータ5に限定されるものではなく、スマートフォンやタブレット等で構成されても良い。
<コンテンツの例>
次に、本実施形態に係る表示システム100が表示するコンテンツについて説明する。図2は、コンテンツの一例を説明する図である。
図2(a)は、視点Aで視認されるコンテンツの一例を示す図である。図2(b)は、第2遮蔽部4によって反転文字が遮蔽された(a)のコンテンツを視点Aから視認した場合の一例を示す図である。
また、図2(c)は、視点Bで視認されるコンテンツを示す一例を示す図である。図2(d)は、第1遮蔽部3により反転文字が遮蔽された(c)のコンテンツを視点Bから視認した場合の一例を示す図である。
図2(a)において、部分1Bには、文字が正しい方向で表示されている。これに対し、部分1Aには、文字が左右反転して表示されている。
一方、図2(b)では、部分1Aには第2遮蔽部4による影1Cが出来ており、左右反転した文字が見えなくなっている。このように、左右反転した文字を見えなくすることで、店舗の外側にいる人50a(図1参照)が、左右反転した文字に注意を奪われることを防ぐことができコンテンツの提供を適切に行うことができる。
また、図2(c)において、部分1Aには、文字が正しい方向で表示されている。これに対し、部分1Bには、文字が左右反転して表示されている。
一方、図2(d)では、部分1Bには第1遮蔽部3による影1Dが出来ており、左右反転した文字が見えなくなっている。このように、左右反転した文字を見えなくすることで、店舗の内側にいる人50b(図1参照)が左右反転した文字に注意を奪われることを防ぐことができ、コンテンツの提供を適切に行うことができる。
次に、図3は、コンテンツの一例を説明する図であり、図3(a)は、視点Aで視認されるコンテンツの一例を示す図である。図3(b)は、視点Bで視認されるコンテンツの一例を示す図である。図3(a)において、部分1Bには、「新型車登場!!店内にて試乗可能!!ご来店頂くと特別なプレゼントがもらえます!!」という文字が正しい方向に表示されている。このような情報は、店舗の外側にいる人50aの興味を惹きつけ、店舗内に入ってもらうために有用な情報となる。また、部分1Aは、第2遮蔽部4による影で見えなくなっている。
一方、図3(b)では、部分1Aには、「特別イベント無料参加チケットをプレゼント!!」という文字が正しい方向に表示されている。このような情報は、店舗の外から店舗内に入ってきた店舗の内側にいる人50bにとって、有用な情報である。また、部分1Bは、第1遮蔽部3による影で見えなくなっている。
このように、部分1Aと部分1Bとに対応する領域で視認できるコンテンツの内容を異ならせ、店舗の外側にいる人50aと、店舗の外側にいる人50aに対して、それぞれ有用な情報を提供することができ、目的に適した情報を提供することができる。また、その場合に、左右反転された文字等の情報を見えなくすることで、店舗の内側にいる人50b、及び店舗の外側にいる人50aが、左右反転した文字に注意を奪われることを防ぐことができる。
また、第1遮蔽部3のみを用いて、店舗の内側にいる人50bと、店舗の外側にいる人50aに提供するコンテンツの内容を異ならせることができる。
図3(c)は、第1遮蔽部3のみを用いた場合に、視点Aから、プロジェクタ2がウィンドウガラス1に投射したコンテンツを視認した場合の一例を示す図である。
図3(d)は、第1遮蔽部3のみを用いた場合に、視点Bから、プロジェクタ2がウィンドウガラス1に投射したコンテンツを視認した場合の一例を示す図である。
図3(c)に示したように、視点Aからコンテンツを見ると、コンテンツの内容をすべて確認することができる。一方で、図3(d)に示したように、視点Bからコンテンツを見ると、コンテンツの内容の一部を視認することができる。例えば、店の内側にいる人には、図3(d)に示したように、コンテンツの一部のみを提供し、店の外側にいる人には、図3(c)に示したように、コンテンツの全てを提供することができる。
このように、第1遮蔽部のみを用いると、店舗の外側にいる人と、店舗の内側にいる人に対して、それぞれ異なる情報を提供することができる。
本実施形態では、図3(c)及び(d)において、文字が投影されている領域をコンテンツの第1の領域、画像が投影されている領域をコンテンツの第2の領域とする。なお、第1の領域と第2の領域はこれに限られず、店舗の内側にいる人が第1遮蔽部3により視認することができない領域をコンテンツの第1の領域、店舗の内側にいる人が視認できる領域を第2の領域とすればよい。店舗の外側にいる人は第1の領域と第2の領域を視認することができる。
<第1の実施形態に係るプロジェクタの構成>
次に、本実施形態に係るプロジェクタ2の構成について説明する。図4は、プロジェクタ2の構成の一例を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。プロジェクタ2は、コンテンツの投射画像を生成する光学エンジンが内部に設けられ、出射窓21(出射面の一例)と、外部機器接続I/F(Interface)818とを備える。
プロジェクタ2は、外部機器接続I/F818に無線、又は有線で接続されるコンピュータ5からコンテンツデータが送信されると、送信されたコンテンツデータに基づいて光学エンジンがコンテンツを生成する。そして、図4(b)に示すように、出射窓21からウィンドウガラス1に向けてコンテンツを投射する。一例として、プロジェクタ2は、投射距離が1~2mで60~80インチのサイズの画像を投射し、ウィンドウガラス1に対して近距離からの投射が可能である。
図5は、プロジェクタ2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、プロジェクタ2は、CPU(Central Processing Unit)801と、ROM(Read Only Memory)802と、RAM(Random Access Memory)803と、メディアI/F807と、操作部808と、電源スイッチ809と、バスライン810とを備える。また、プロジェクタ2は、ネットワークI/F811と、LED(Light Emitting Diode)駆動回路814と、LED光源815と、投射デバイス816と、投射レンズ817と、外部機器接続I/F818と、ファン駆動回路819と、冷却ファン820とを備える。
これらのうち、CPU801は、プロジェクタ2全体の動作を制御する。ROM802は、CPU801の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される。
メディアI/F807は、フラッシュメモリ等の記録メディア806に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。操作部808は、種々のキー、ボタン及びLED等が配設されており、ユーザによるプロジェクタ2の電源のON/OFF以外の各種操作を行うのに使用される。例えば、操作部808は、投写画像の大きさの調整操作、色調の調整操作、ピント調整操作、キーストン調整操作等の指示操作を受け付けて、受け付けた操作内容をCPU801に出力する。
電源スイッチ809は、プロジェクタ2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。バスライン810は、図5に示されているCPU801等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
ネットワークI/F811は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。LED駆動回路814は、CPU801の制御下で、LED光源815の点灯及び消灯を制御する。LED光源815は、LED駆動回路814の制御によって点灯されると、投射光を投射デバイス816に照射する。
投射デバイス816は、外部機器接続I/F818等を介して与えられたコンテンツデータに基づいて、空間光変調方式によりLED光源815からの投射光を変調して得た変調光を、投射レンズ817を通して、ウィンドウガラス1にコンテンツとして投射する。投射デバイス816としては、例えば、液晶パネルまたはDMD(Digital Micromirror Device)等が用いられている。LED駆動回路814、LED光源815、投射デバイス816及び投射レンズ817は、全体として、コンテンツデータに基づいて、ウィンドウガラス1にコンテンツを投射する投射光学部として機能している。
外部機器接続I/F818は、外部機器接続I/F818に無線、又は有線で接続されるコンピュータ5からコンテンツデータを取得し、また、プロジェクタ2を操作する操作信号を取得することができる。
ファン駆動回路819は、CPU801及び冷却ファン820に接続されており、CPU801からの制御信号に基づいて、冷却ファン820の駆動/駆動停止を行う。冷却ファン820は、回転することで、プロジェクタ2内部の空気を排気して、プロジェクタ2内部を冷却する。
CPU801は、電源電力が供給されると、ROM802に予め記憶されている制御プログラムに従って起動し、LED駆動回路814に制御信号を与えてLED光源815を点灯させるとともに、ファン駆動回路819に制御信号を与えて冷却ファン820を所定の定格回転数で回転させる。また、プロジェクタ2は、電源回路からの電源電力の供給が開始されると、投射デバイス816が画像表示可能状態になり、更に、他の種々の構成要素へ電源回路から電力が供給される。
また、プロジェクタ2は、電源スイッチ809がOFF操作されると、電源スイッチ809から電源OFF信号がCPU801に送られ、CPU801は、電源OFF信号を検知すると、LED駆動回路814へ制御信号を与えてLED光源815を消灯させる。CPU801は、その後、所定時間が経過すると、ファン駆動回路819へ制御信号を与えて冷却ファン820を停止させるとともに、自身で自身の制御処理を終了させ、最後に電源回路へ指示を与えて電源電力の供給を停止させる。
<実施形態に係る第1遮蔽部、及び第2遮蔽部の構成>
次に、実施形態に係る第1遮蔽部3、及び第2遮蔽部4の構成について説明する。
図6Aは、ウィンドウガラス1と、プロジェクタ2と、第1遮蔽部3との位置関係を説明する図であり、(a)はプロジェクタ2の出射窓21上のコンテンツの第1の領域と第2の境界22と、ウィンドウガラス1上のコンテンツの第1の領域と第2の領域の境界23について説明する図、(b)はプロジェクタの出射窓21上のコンテンツの第1の領域と第2の領域の境界22と、ウィンドウガラス1上のコンテンツの第1の領域と第2の領域の境界23とを含む面24について説明する図である。
第1遮蔽部3は、可視光に対して遮光性(不透明性)を有する板状部材である。第1遮蔽部3は天井(図示を省略)から吊り下げられ、プロジェクタ2とウィンドウガラス1との間に所定の角度で固定される。第1遮蔽部3の材質として、発砲スチロールや不透明なアクリル樹脂等を用いることができる。但し、これらに限定されるものではなく、可視光に対して遮光性があれば、金属や布等の材質を用いても良い。また、透明なガラスや樹脂に遮光性を有するフィルムを貼りつけたり、塗料を塗ったりして、第1遮蔽部3を製作しても良い。また、第1遮蔽部3は、板状部材に限定されるものでもなく、フィルム等であっても良い。
発砲スチロールや樹脂を材質にすると、第1遮蔽部3を軽量化でき、好適である。また、フィルム等の柔軟性のある部材を用いると、後述するように、ロールスクリーンと一体にして巻き取ることが可能となり、持ち運びが容易になるとともに、設置も容易になって好適である。
図6A(a)では、プロジェクタ2を用いてウィンドウガラス1にコンテンツを投射する場合、プロジェクタ2から出力されるコンテンツは、出射窓21にも投射されることになる。
図6A(b)では、ウィンドウガラス1上の境界23上で、可能な限り任意の点A、B、C・・・を取り、出射窓21上の境界の22上に、点A、B、Cにそれぞれ対応するA'、B'、C'・・・を取りそれぞれを直線で結んで形成される面を、境界22と境界23を含む面24とする。
図6Bは、ウィンドウガラス1と、プロジェクタ2と、第1遮蔽部3との位置関係を説明する図であり、(a)ウィンドウガラス1と、プロジェクタ2と、第1遮蔽部3との位置の一例を示す図、(b)ウィンドウガラス1と、プロジェクタ2と、第1遮蔽部3との位置の一例を示す図である。
図6B(a)では、第1遮蔽部3は、境界22と境界23を含む面24の一部を含むように配置されている。このように、第1遮蔽部3の少なくとも一部を面24上に配置することで、視点Bからコンテンツを視認すると、第1遮蔽部3により第1領域が視認できなり、一方で、コンテンツの第2の領域は視認することができる。
図6B(b)では、第1遮蔽部3は、境界22と境界23を含む面24上に配置されている。このように、第1遮蔽部3を面24上に配置することで、視点Bからコンテンツを視認すると、第1遮蔽部3により第1領域が視認できなり、一方で、コンテンツの第2の領域は視認することができる。さらに、図6B(b)のように第1遮蔽部3を配置すると、A視点からコンテンツを視認した際に、図6B(a)と比べ、影の影響を抑えることができる。
次に、図7は、第1遮蔽部3の構成の一例を説明する図(その2)であり、(a)は実施形態に係る第1遮蔽部の構成の一例を示す図、(b)変形例に係る第1遮蔽部の構成の一例を示す図である。
図7(a)における第1遮蔽部3は、図7(b)に示す第1遮蔽部32との比較のために示したものであり、図6B(b)で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図7(b)において、変形例に係る第1遮蔽部32は、境界22と境界23上に配置されており、ウィンドウガラス1からプロジェクタ2に向かうにつれてテーパ状になっている。このようにすることで、A視点からコンテンツを視認した際に、第1遮蔽部32による影の長さd3を、第1遮蔽部3による影の長さd1と比較して、更に短くでき、視点Aから見た時の不要な影の面積を更に小さくすることができる。
次に、第2遮蔽部4について説明する。第2遮蔽部4は、図1で示したように、ウィンドウガラス1の裏面側に設けられた板状部材である。材質として、発砲スチロールや不透明なアクリル樹脂等を用いることができるが、可視光に対して遮光性があれば、金属や布等の材質を用いても良い。また、板状部材に限定されるものではなく、ブロック状部材やフィルム状部材等を用いても良い。第2遮蔽部4の材質は、上述した第1遮蔽部3と同様であるため、さらに詳細な説明は省略する。
第2遮蔽部4は、天井から吊るしたり、床置きしたりして固定することができる。第1遮蔽部3と異なり、第2遮蔽部4の平面部がウィンドウガラス1の平面部と平行になるように設置することができるため、第2遮蔽部4としての板状部材やフィルム状部材を、ウィンドウガラス1の裏面側に貼り付けて第2遮蔽部4を設けることも可能である。また、図1では、第2遮蔽部4をウィンドウガラス1の下部に配置した例を示したが、第2遮蔽部4は、ウィンドウガラス1の裏面側の任意の位置に配置しても良い。
<実施形態に係るコンピュータの構成>
次に、実施形態に係るコンピュータの構成について説明する。
図8は、コンピュータ5のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、コンピュータ5は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、HD504と、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505と、ディスプレイ506と、外部機器接続I/F(Interface)508とを備える。また、コンピュータ5は、ネットワークI/F509と、データバス510と、キーボード511と、ポインティングデバイス512と、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514と、メディアI/F516とを備える。
これらのうち、CPU501は、コンピュータ5全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、図8に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等のメディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
次に、図9は、実施形態に係るコンピュータの機能構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、コンピュータ5は、文字データ取得部51と、画像データ取得部52と、コンテンツデータ生成部53と、配置テンプレート記憶部54とを備える。また、コンピュータ5は、コンテンツデータ表示部55と、指示受付部56と、反転処理部57と、位置変更処理部58と、サイズ変更処理部59と、送信部60とを備える。
ここで、文字データ取得部51は、図8のキーボード511等により実現され、画像データ取得部52は、図8の外部機器接続I/F508やメディア515等により実現される。この場合の外部機器は、外部のコンピュータやデジタルカメラ、USBメモリ等である。配置テンプレート記憶部54は、図8のHD504等により実現される。
また、コンテンツデータ表示部55は、図8のディスプレイ506等により実現され、指示受付部56は、図8のキーボード511、又はポインティングデバイス512等により実現される。送信部60は、図8の外部機器接続I/F508により実現される。この場合の外部機器はプロジェクタ2である。
さらに、コンテンツデータ生成部53、反転処理部57、位置変更処理部58、及びサイズ変更処理部59は、図8のCPU501が所定のプログラムを実行することにより実現される。
文字データ取得部51は、表示システム100の管理者等の操作がキーボード511等を用いて入力した文字データを取得し、コンテンツデータ生成部53に出力する。
画像データ取得部52は、外部のコンピュータやデジタルカメラ、USBメモリ等の外部機器、メディア515等から画像又は映像データを取得し、コンテンツデータ生成部53に出力する。画像又は映像は、上述したように、集客や広告等のための情報を提供する画像である。画像データ取得部52は、外部のコンピュータにより予め生成された画像ファイル、或いはデジタルカメラで撮影された画像ファイル等を、外部機器接続I/F508等を介して取得することができる。
コンテンツデータ生成部53は、配置テンプレート記憶部54に記憶されたテンプレートに従って、入力した文字データ、画像データ又は映像データを配置し、コンテンツデータを生成する。テンプレートは、用途に応じたものが予め作成され、配置テンプレート記憶部54に記憶されている。テンプレートに沿って生成されたコンテンツデータに対し、操作者の指示に応じて反転処理、位置変更処理、及びサイズ変更処理の画像処理が実行され、コンテンツデータの編集が行われる。コンテンツデータ生成部53は、生成したコンテンツデータをコンテンツデータ表示部55及び反転処理部57に出力する。
コンテンツデータ表示部55は、入力したコンテンツデータをディスプレイ506等に表示する。操作者は、コンテンツデータ表示部55が表示するコンテンツデータを視認しながら、コンテンツデータにおける文字データ、画像データ又は映像データの反転、位置変更、及びサイズ変更の指示を、ポインティングデバイス512等を用いて行う。指示受付部56は、これらの指示を受け付け、指示内容を示すデータを反転処理部57、位置変更処理部58、及びサイズ変更処理部59にそれぞれ出力する。
反転処理部57は、入力した指示に応じて、コンテンツデータにおける文字データ、画像データ、又は映像データの少なくとも一方を左右反転させる画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータを位置変更処理部58に出力する。
位置変更処理部58は、入力した指示に応じて、反転処理部57から入力したコンテンツデータにおける文字データ、画像データ又は映像データの少なくとも一方の位置を変更させる画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータをサイズ変更処理部59に出力する。
サイズ変更処理部59は、入力した指示に応じて、位置変更処理部58から入力したコンテンツデータにおける文字データ、画像データ又は映像データの少なくとも一方のサイズを変更させる画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータを送信部60に出力する。
送信部60は、サイズ変更処理部59から入力した処理後のコンテンツデータを、外部機器接続I/F508を介してプロジェクタ2に出力する。
なお、反転処理部57、位置変更処理部58、及びサイズ変更処理部59による処理の順番は適宜変更可能である。
<実施形態に係るコンピュータによる処理>
次に、実施形態に係るコンピュータによる処理について説明する。
図10は、コンピュータ5による処理の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS101において、文字データ取得部51は、表示システム100の管理者等の操作がキーボード511等を用いて入力した文字データを取得し、コンテンツデータ生成部53に出力する。
続いて、ステップS102において、画像データ取得部52は、外部のコンピュータやデジタルカメラ、USBメモリ等の外部機器、メディア515等から画像データ又は映像データを取得し、コンテンツデータ生成部53に出力する。
なお、ステップS101~S102の処理は適宜順番が変更されても良い。また、両方の処理が並行して実行されても良い。
続いて、ステップS103において、コンテンツデータ生成部53は、配置テンプレート記憶部54に記憶されたテンプレートに従って、入力した文字データ、画像データ又は映像データを配置し、コンテンツデータを生成する。そして、生成したコンテンツデータをコンテンツデータ表示部55及び反転処理部57に出力する。
続いて、ステップS104において、コンテンツデータ表示部55は、入力したコンテンツデータをディスプレイ506等に表示する。操作者は、コンテンツデータ表示部55が表示するコンテンツデータを視認しながら、コンテンツデータにおける文字データ、画像データ又は映像データの反転、位置変更、及びサイズ変更の指示を、ポインティングデバイス512等を用いて行うことができる。
続いて、ステップS105において、指示受付部56は、操作者による指示を受け付け、指示内容を示すデータを反転処理部57、位置変更処理部58、及びサイズ変更処理部59にそれぞれ出力する。
続いて、ステップS106において、反転処理部57は、入力した指示に基づき、反転処理の指示があったか否かを判定する。反転処理の指示があったと判定された場合(ステップS106、Yes)、ステップS107に移行し、反転処理部57は、入力した指示に応じて、コンテンツデータにおける文字データ、画像データ又は映像データの少なくとも一方を左右反転させる画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータを位置変更処理部58に出力する。
一方、ステップS106において、反転処理の指示がなかったと判定された場合(ステップS106、No)、ステップS108に移行する。
続いて、ステップS108において、位置変更処理部58は、入力した指示に基づき、位置変更処理の指示があったか否かを判定する。位置変更処理の指示があったと判定された場合(ステップS108、Yes)、ステップS109に移行し、位置変更処理部58は、入力した指示に応じて、コンテンツデータにおける文字データ、画像データ又は映像データの少なくとも一方の位置を変更させる画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータをサイズ変更処理部59に出力する。
一方、ステップS108において、位置変更処理の指示がなかったと判定された場合(ステップS108、No)、ステップS110に移行する。
続いて、ステップS110において、サイズ変更処理部59は、入力した指示に基づき、サイズ変更処理の指示があったか否かを判定する。サイズ変更処理の指示があったと判定された場合(ステップS110、Yes)、ステップS111に移行し、サイズ変更処理部59は、入力した指示に応じて、コンテンツデータにおける文字データ、画像データ又は映像データの少なくとも一方のサイズを変更させる画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータを送信部60に出力する。
一方、ステップS110において、サイズ変更処理の指示がなかったと判定された場合(ステップS110、No)、ステップS112に移行する。
なお、反転処理(ステップS106~S107)と、位置変更処理(ステップS108~S109)と、サイズ変更処理(ステップS110~S111)の処理の順番は、適宜変更可能である。
続いて、ステップS112において、送信部60は、サイズ変更処理部59から入力した処理後のコンテンツデータを、外部機器接続I/F508を介してプロジェクタ2に出力する。
このようにして、コンピュータ5は、表示システム100の管理者等の操作者による指示に応じて、外部装置から入力された文字データ、画像データ又は映像データに基づいて生成したコンテンツデータに所定の画像処理を実行する。そして、処理後のコンテンツデータをプロジェクタ2に送信することができる。これにより、表示システム100は、操作者の要求に応じて文字や画像又は映像の向き、位置、及びサイズが編集されたコンテンツをウィンドウガラス1に表示させることができる。
<コンテンツデータ表示部が表示するコンテンツデータの例>
次に、コンテンツデータ表示部55がコンピュータ5のディスプレイ506(図8)等に表示させるコンテンツデータの例を図11~図14を参照して説明する。図11~図14は、何れもディスプレイ506に表示された画面を示している。なお、図11~14のコンテンツデータは、ウィンドウガラス1の表面側に投射されるコンテンツを示すものである。
図11は、コンテンツデータの一例を示す図(その1)である。図11では、画面551の上部に文字データ領域551aが表示され、下部に文字データ領域551cが表示され、中央に画像データ領域551bが表示されている。文字データ領域551aを第1遮蔽部3によりB視点からコンテンツを視認したときに視認できないようにする場合、操作者は、画面551を見ながら、文字データ領域551aを「裏面側に投影する部分画像領域」として左右反転させる指示を行う。文字データ領域551cを第1遮蔽部3によりB視点からコンテンツを視認したときに視認できないようにする場合、操作者は、文字データ領域551cを「裏面側に投影する部分画像領域」として左右反転させる指示を行う。
ここで、「裏面側に投影する部分画像領域」とは、ウィンドウガラス1に投影されたコンテンツにおいて、B視点から投影されたコンテンツを視認した際に、第1遮蔽部3によりB視点からは視認できないように遮蔽される領域である。
また、操作者は、画面551を見ながら、文字、画像又は映像を表示させたい位置に応じて、各領域の位置を変更する指示を行うことができる。さらに、文字データ領域551a及び551cにおける文字の量や、画像データ領域551bに表示させる画像又は映像データのサイズ等に応じて、各領域のサイズを変更する指示を行うことができる。
図12は、コンテンツデータの一例を示す図(その2)である。図12では、画面552の上部に画像データ領域552aが表示され、下部に画像データ領域552cが表示され、中央に文字データ領域552bが表示されている。文字データ領域552bを第1遮蔽部3によりB視点からコンテンツを視認できないようにする場合、操作者は、画面552を見ながら、文字データ領域552bを「裏面側に投影する部分画像領域」として左右反転させる指示を行う。文字データ領域552bを第2遮蔽部4で見えなくする場合は、操作者は、文字データ領域552bを左右反転させない。
各領域の位置、及びサイズの変更については、図11で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図13は、コンテンツデータの一例を示す図(その3)である。図13では、画面552の左部に文字データ領域553aが表示され、右部に文字データ領域553cが表示され、中央に画像データ領域553bが表示されている。文字データ領域553aを第1遮蔽部3によりB視点からコンテンツを視認できないようにする場合、操作者は、画面553を見ながら、文字データ領域553aを「裏面側に投影する部分画像領域」として左右反転させる指示を行う。また、文字データ領域553cを第1遮蔽部3によりB視点からコンテンツを視認できないようにする場合は、操作者は、文字データ領域553cを「裏面側に投影する部分画像領域」として左右反転させる指示を行う。
各領域の位置、及びサイズの変更については、図11で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
図14は、コンテンツデータの一例を示す図(その4)である。図14では、画面554の左部に画像データ領域554aが表示され、右部に画像データ領域554cが表示され、中央に文字データ領域554bが表示されている。文字データ領域554bを第1遮蔽部3によりB視点からコンテンツを視認したときに視認できないようにする場合、操作者は、画面554を見ながら、文字データ領域554bを「裏面側に投影する部分画像領域」として左右反転させる指示を行う。文字データ領域554bを第2遮蔽部4によりA視点からコンテンツを視認できないようにする場合は、操作者は、文字データ領域554bを左右反転させない。
各領域の位置、及びサイズの変更については、図11で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
このようにして、操作者は、ディスプレイ506等に表示されたコンテンツデータを見ながら、左右反転、位置変更、及びサイズ変更の指示を行うことができる。なお、図11~14を用いて説明した指示は一例であり、操作者は上述したもの以外の左右反転、位置変更、及びサイズ変更の指示を行うことも可能である。
<効果>
以上説明してきたように、本実施形態に係る表示システム100では、ウィンドウガラス1等のコンテンツ被表示部の表面側に投射したコンテンツのうち、視点Aから視認時に左右反転して見える文字や画像又は映像を第2遮蔽部4により遮蔽し、視点Bから視認した時に左右反転して見える文字や画像又は映像を第1遮蔽部3で遮蔽して、それぞれ視認できないようにすることができる。これにより、視点A及び視点Bからコンテンツを視認した人が、左右反転した文字に注意を奪われることを防ぎ、正しい方向に表示された文字や画像又は映像による情報を適切に提供することができる。
また、表示システム100では、プロジェクタ2と無線、又は有線により、通信可能に接続されたコンピュータ5を備え、コンピュータ5からコンテンツデータをプロジェクタ2に送信することができる。
さらに、コンピュータ5は、文字データ、画像データ又は映像データに基づいて生成したコンテンツデータに対し、表示システムの管理者等の操作者による指示に応じて、所定の画像処理を実行することができる。これにより、操作者の要求に応じて文字や画像又は映像の向き、位置、及びサイズが編集されたコンテンツを、ウィンドウガラス1に表示させることができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る表示システムを説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の構成部についての説明は省略する。
図15は、本実施形態に係る表示システムの構成の一例を説明する図である。図15に示すように、表示システム100aは、第1の実施形態におけるウィンドウガラス1に代え、コンテンツ被表示部としてロールスクリーン1aを備える。ロールスクリーン1aは天井200に設けられた固定部に着脱可能に吊り下げられている。ここで、ロールスクリーン1aは「巻き取り式表示面」の一例である。
ロールスクリーン1aは、筒状の収納部11aと、薄い樹脂や布等の可撓性部材で構成されたスクリーン12aとを備える。収容部11aは、収納部11a内に設けられた軸に巻き付けるようにしてスクリーン12aを収納する。収納部11a内に設けられた軸は、巻取部の一例である。スクリーン12aは、収納時には収納部11aに巻き取られて収納される。また、スクリーンとして使用する時には収納部11aが破線の矢印に引き下ろされ、スクリーン12aが収納部11aから引き出される。引き出されたスクリーン12aは、コンテンツが投射される平面部を構成する。なお、図15は、引き出す途中のスクリーン12aを示している。
スクリーン12aは、光拡散性と光透過性を有する。平面部にプロジェクタ2からコンテンツが投射されると、コンテンツを表示し、表面側(B視点側)と裏面側(A視点側)の両側から視認させることができる。
ロールスクリーン1aは天井200から着脱可能で、また、収納部11aにスクリーン12aを収納すると小型化できるため、容易に持ち運ぶことができ、店舗の内部の天井等の任意の場所に設置することができる。
図16は、ロールスクリーン1aの構成の一例を更に詳細に説明する図である。(a)はスクリーン12aを引き出す前の状態を示す図、(b)はスクリーン12aを引き出した後の状態を示す図である。
図16(a)において、スクリーン12aは、収納部11a内に収納され、収納部11aは天井200に近い位置まで引き上げられている。この状態から、収納部11aを破線の矢印で示す方向に引き下ろすと、スクリーン12aが収納部11aから引き出され、図16(b)に示すように、コンテンツが投射させる平面部が構成される。
また、図16(b)に示すように、ロールスクリーン1aでは、収納部11aから引き出されると、スクリーン12aの上部(天井200付近)に第1遮蔽部3aが配置され、また、スクリーン12aの下部には第2遮蔽部4aが配置されるようになっている。
第1遮蔽部3aは、遮光性と可撓性を有するフィルムや布で構成され、図16に示すように、一端が天井200に設けられた固定部に着脱可能に固定され、他端はスクリーン12aの一部に固定されている。可撓性を有するため、スクリーン12aが収納部11aに巻き取られた状態では、スクリーン12aと一体にして巻き取られ、収納部11a内に収納される。収納部11aが引き下ろされると、スクリーン12aと共に収納部11aから引き出され、スクリーン12aとプロジェクタ2との間に配置されて、「裏面側に投影する部分画像領域」をB視点からコンテンツを視認したときに視認できないように遮蔽可能な状態になる。
第2遮蔽部4aは、同様に、遮光性と可撓性を有するフィルムや布で構成され、スクリーン12aの下部の裏面側に貼り付けられている。可撓性を有するため、スクリーン12aが収納部11aに巻き取られた状態では、スクリーン12aと一体にして巻き取られ、収納部11a内に収納される。収納部11aが引き下ろされると、スクリーン12aと共に収納部11aから引き出され、「表面側に表示させる部分画像」をA視点からコンテンツを視認したときに視認できないように遮蔽可能な状態になる。
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、コンテンツ被表示部としてロールスクリーン1aを備える。ロールスクリーン1aは容易に持ち運ぶことができるため、ウィンドウガラス1のように限られた場所だけでなく、店舗や展示会の会場等における任意の場所に、表示システム100aを構築することが可能となる。
また、第1遮蔽部3aと第2遮蔽部4aを、スクリーン12aと一体にして収納部11a内に収納可能にすることで、第1遮蔽部3aと第2遮蔽部4aをロールスクリーン1aと一体にして持ち運ぶことができ、取扱いが容易になる。また、第1遮蔽部3aと第2遮蔽部4aを設置する作業を簡略化し、表示システム100aを構築(設営)する作業を簡略化することができる。
なお、上記以外の効果は、第1の実施形態で説明したものと同様である。この点は、以下で説明する第3の実施形態と第4の実施形態においても同様である。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態に係る表示システムを説明する。
図17は、本実施形態に係る表示システム100bの構成の一例を説明する図である。図17に示すように、本実施形態では、プロジェクタ2を床置きの状態にして、プロジェクタ2からウィンドウガラス1にコンテンツを投射する。
この場合、第1遮蔽部3bは、ウィンドウガラス1の下部に配置される。また、第2遮蔽部4bを配置する位置は、ウィンドウガラス1の裏面側の任意の位置で良いが、図17の例では、ウィンドウガラス1の上部に配置されている。
プロジェクタ2を床置きの状態にすることで、プロジェクタ2を天井から吊り下げる場合や、設置台等の上に設置する場合と比較して、プロジェクタ2の設置位置をより柔軟に決定し、また、変更することができる。
図18は、実施形態の変形例に係る表示システム100cの構成の一例を説明する図である。図17と同様に、プロジェクタ2は床置きの状態であり、また、第1遮蔽部3bは、ウィンドウガラス1の下部に配置されている。一方、第2遮蔽部4cは、板状部材と比較して厚みのあるブロック状部材であり、ウィンドウガラス1の裏面側の中央に配置されている。
図19は、表示システム100cによるコンテンツの一例を説明する図である。(a)は遮蔽されていない状態のコンテンツの一例を示す図、(b)は視点Aから見た時の反転文字及び画像又は映像が遮蔽された(a)のコンテンツを示す図、(c)は視点Bから見た時の反転文字及び画像又は映像が遮蔽された(a)のコンテンツを示す図である。
図19(a)は、視点Aから見たときのコンテンツであり、遮蔽されていない状態であるため、中央部に左右反転された文字及び画像又は映像が含まれている。
図19(b)では、視点Aから見たときのコンテンツの左右反転された文字及び画像又は映像が、第2遮蔽部4cで遮蔽されている。ここで、第2遮蔽部4cの平面部には、ウィンドウガラス1の裏面側に情報を表示させる情報表示部が含まれている。図19(b)の例では、情報表示部に「A社広告」の文字が表示されている。
このように、第2遮蔽部4cの平面部を利用することで、表面側と裏面側とで投影するコンテンツにおいて異なる情報を表示させることができる。なお、第2遮蔽部4cがブロック状部材で構成された例を示したが、これに限定されるものではなく、板状部材、フィルム状部材等で構成しても良い。
図19(c)は、視点Bから見たときのコンテンツであり、コンテンツの下部において、左右反転された文字及び画像又は映像が遮蔽されている。
<効果>
以上説明したように、本実施形態では、プロジェクタ2を床置きの状態にすることで、プロジェクタ2を天井から吊り下げる場合や、設置台等の上に設置する場合と比較して、プロジェクタ2の設置位置をより柔軟に決定し、また、変更することができる。
また、第2遮蔽部4cの平面部を利用して、情報表示部を設けることで、表面側と裏面側とで投影するコンテンツにおいて異なる情報を表示させることができる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態に係る表示システムを説明する。
図20は、本実施形態に係る表示システム100dの構成の一例を説明する図である。図20に示すように、表示システム100dは、プロジェクタ2dを備える。
プロジェクタ2dは、出射窓21dと、外部機器接続I/F818を備え、コンテンツの投射画像を生成する光学エンジンが内部に設けられている。プロジェクタ2dは、例えば外部機器接続I/F818に接続されるパソコンやデジタルカメラからコンテンツデータが送信されると、光学エンジンが送信されたコンテンツデータに基づいて投射されるコンテンツを生成し、図20に示されているように、出射窓21dからウィンドウガラス1にコンテンツを投射する。プロジェクタ2dのハードウェア構成は、図5を用いて説明したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
プロジェクタ2dは、投射光学系を短焦点化し、また、投射光学系に含まれる曲面ミラーで反射されたコンテンツ光を投射する。これにより、プロジェクタ2dは、ウィンドウガラス1の至近距離からコンテンツを投射することができ、プロジェクタ2dとウィンドウガラス1との間隔を狭めることで、表示システム100dの全体のサイズを小型化することができる。
以上、実施形態を説明したが、本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
また、実施形態は、表示方法も含む。例えば、表示方法は、第1面と第2面とを有するコンテンツ被表示部の前記表面に、第1の領域と第2の領域を含む画像又は映像であるコンテンツを投射する投射工程と、投射された前記コンテンツを前記第2面から見た際に前記第1の領域と前記第2の領域に投射された該コンテンツを視認することができ、投射された前記コンテンツを前記第1面から見た際に前記第1領域に投射された該コンテンツを視認できないように、前記コンテンツ被表示部と前記投射部の間に配置された第1遮蔽工程と、を含む。このような表示方法により、上述の表示システム及び表示装置と同様の効果を得ることができる。
さらに、実施形態は、プログラムも含む。例えば、プログラムは、画像処理装置を、操作者の指示を受け付ける指示受付部、入力された文字データ及びコンテンツ画像データを含むコンテンツデータを生成するコンテンツデータ生成部、前記コンテンツデータを表示するコンテンツデータ表示部、前記指示に応じて、前記コンテンツデータにおける前記文字データ、画像データ、又は映像データの少なくとも一方を左右反転させる反転処理部、及び処理後の前記コンテンツデータを送信する送信部として機能させる。このようなプログラムにより、上述の表示システム及び表示装置と同様の効果を得ることができる。
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。