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JP7296970B2 - インドール誘導体の結晶形とその調製方法および使用 - Google Patents

インドール誘導体の結晶形とその調製方法および使用 Download PDF

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JP7296970B2 JP2020539286A JP2020539286A JP7296970B2 JP 7296970 B2 JP7296970 B2 JP 7296970B2 JP 2020539286 A JP2020539286 A JP 2020539286A JP 2020539286 A JP2020539286 A JP 2020539286A JP 7296970 B2 JP7296970 B2 JP 7296970B2
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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2018年1月19日に中国国家知的財産局に出願された出願番号がCN201810052775.1である中国特許出願に基づく優先権および利益を主張し、当該中国特許出願の内容の全てを本明細書に援用する。
本発明はインドール誘導体の結晶形とその調製方法に関し、さらに前記結晶形がCRTH2受容体に関連する疾患または障害を治療するための医薬の製造における使用に関する。
CRTH2(DP2またはGPR44)は、Gタンパク質共役受容体であり、プロスタグランジン(Prostaglandin)(PGD2)と組み合わせた後、それはTh2リンパ球、好酸球および好塩基球の活性化および走化性に関与し、Th2リンパ球のアポトーシスを阻害し、そしてIL4、IL5およびIL13の産生を刺激する。これらのインターロイキンは、好酸球の動員および生存、粘液分泌、気道過敏症、ならびに免疫グロブリンE(IgE)産生を含む重要な生物学的反応に関与している。
ラマトロバン(Ramatroban)は、TP受容体(thromboxane-type prostanoid receptor:トロンボキサン型プロスタノイド受容体)拮抗剤であり、非常に強力な血管および気管支平滑筋収縮、ならびに血小板活性化の作用を持っている。ラマトロバンは、比較的弱いCRTH2受容体拮抗剤である。ラマトロバンは、アレルギー性鼻炎の治療薬として日本で承認されている。
WO2005044260は化合物OC459を報告しており、且つ、WO2005123731は化合物QAW-039を報告している。
Figure 0007296970000001
一態様によれば、本発明は、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ角12.78±0.2°、15.43±0.2°、および21.25±0.2°に回折ピークを有する、化合物1の結晶形Aを提供する。
Figure 0007296970000002
他の一態様によれば、本発明は、化合物1をアルコール系溶剤に添加して再結晶または叩解により(再結晶化またはスラリー化することにより)結晶形Aが得られることを含む、化合物1の結晶形Aの調製方法を提供する。
他の一態様によれば、本発明は、化合物1の結晶形Aが前記結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める結晶組成物を提供する。
別の一態様によれば、本発明は、治療有効量の化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物を含む医薬組成物を提供する。
さらなる一態様によれば、本発明は、化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物または上記医薬組成物の、CRTH2媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用を提供する。
他の一態様によれば、本発明は、治療有効量の化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物または上記医薬組成物を、それを必要とする哺乳類、好ましくはヒトに投与することを含むCRTH2受容体媒介性疾患の治療方法を提供する。
他の一態様によれば、本発明は、CRTH2受容体媒介性疾患の治療に使用するための化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物または上記医薬組成物を提供する。
〔発明の詳細な説明〕
一態様によれば、本発明は、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ角12.78±0.2°、15.43±0.2°、および21.25±0.2°に回折ピークを有する、化合物1の結晶形Aを提供する。
Figure 0007296970000003
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形Aの粉末X線回折スペクトルは2θ角7.12±0.2°、12.25±0.2°、12.78±0.2°、15.43±0.2°、18.76±0.2°、20.02±0.2°、20.77±0.2°、および21.25±0.2°に回折ピークを有する。
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形Aの粉末X線回折スペクトルにおける回折ピークは、以下のような特徴を有する。
Figure 0007296970000004
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形Aの粉末X線回折(XRPD)パターンは、実質的に図1に示す通りである。
本発明の粉末X線回折は、Cu-Kα放射線を使用する。本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形Aの示差走査熱量測定(DSC)曲線は、278.41℃±5℃に吸熱ピークの開始点を有する。
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形AのDSCパターンは実質的に図2に示す通りである。
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形Aの熱重量分析(TGA)パターンは実質的に図3に示す通りである。
他の一態様によれば、本発明は、上記化合物1をアルコール系溶剤に添加して再結晶または叩解により(再結晶化またはスラリー化することにより)結晶形Aが得られることを含む、化合物1の結晶形Aの調製方法をさらに提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、上記アルコール系溶剤はメタノール、エタノール、およびイソプロパノールからなる群より選ばれる1つ以上である。
本発明のいくつかの実施形態において、上記アルコール系溶剤はエタノールである。
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形Aの調製方法は、ろ過および/または乾燥をさらに含む。
本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形A調製方法の叩解温度は70~90℃である。本発明のいくつかの実施形態において、上記化合物1の結晶形A調製方法の叩解温度は80℃である。
他の一態様によれば、本発明は、化合物1の結晶形Aが前記結晶組成物の重量の50%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上を占める結晶組成物を提供する。
他の一態様によれば、本発明は上記化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物を含む医薬組成物をさらに提供する。いくつかの実施形態において、本発明に係る医薬組成物は、薬学的に許容され得る補助剤をさらに含む。
さらなる一態様によれば、本発明は、上記化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物または上記医薬組成物の、CRTH2媒介性疾患を治療するための医薬の製造における使用をさらに提供する。
他の一態様によれば、本発明は、治療有効量の化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物または上記医薬組成物を、それを必要とする哺乳類に投与することを含むCRTH2受容体媒介性疾患の治療方法を提供する。好ましくは、哺乳類はヒトである。
他の一態様によれば、本発明は、CRTH2受容体媒介性疾患の治療に使用するための化合物1の結晶形Aまたは上記結晶組成物または上記医薬組成物を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、上記CRTH2受容体媒介性疾患は喘息である(他の疾患の種類を補充することができる)。本発明に係る化合物1の結晶形Aは安定性がよく、医薬形成が容易であり、CRTH2受容体に対するその阻害効果は明らかであり、オバルブミン(OVA)および水酸化アルミニウム(Al(OH))によって誘発されるマウス慢性/急性喘息モデルにおいて、化合物1の結晶形Aは好酸球の数を大幅に低減することができる。
定義及び説明
特に断らない限り、本発明における下記の用語およびフレーズは、次の意味を有する。ある1つの特定の用語やフレーズは、特に定義されない場合、不確定または不明確とが認定されておらず、一般的な意味とが理解されるべきである。本明細書では、商品名が記載される場合、その対応の商品又はその活性成分を示すことである。
用語「薬学的に許容される」とは、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形に対して信頼性を有する医学的判断の範囲においてヒトおよび動物の組織とを接触して使用することに適用するが、過剰な毒性、刺激性、アレルギー性の反応、または他の問題や合併症がなく、合理的なベネフィット・リスク比に見合うことを意味する。
用語「補助剤」は、通常、有効な医薬組成物の調製に必要な担体、希釈剤及び/又は媒体を意味する。
「薬学的に許容される担体」は、ヒトや家畜に用いられることが国家薬品管理機関により許可された補助剤、賦形剤、流動促進剤、甘味剤、希釈剤、防腐剤、染剤/着色剤、香味剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張化剤、溶剤および/または乳化剤を含むが、これらに限られない。
「治療」とは、本発明の前記化合物又は製剤を投与して疾患又は前記疾患関連の1つ以上の症状を予防・改善したり、解消したりすることを意味し、且つ
(i) 哺乳類において疾患または疾患状態の発生を予防し、特に、当該哺乳類が前記疾患状態に罹りやすいが、そのような疾患状態にすでに罹患していることがまだ診断されていない場合、予防することと、
(ii) 疾患または疾患状態を阻害し、すなわちその発生・進行を阻害することと、
(iii) 疾患または疾患状態を緩和し、すなわち疾患または疾患状態を減退させることとを含む。
薬物または薬理活性剤について、用語「治療有効量」は、無毒なのに望ましい効果を達成可能な薬物・薬剤の十分な投与量を意味する。有効量の決定は、個人差があり、受験者の年齢および一般的な状況に依存し、具体的な活性物質にも依存して変化し、個別のケースに適合な有効量は、当業者により通常の実験に基づいて決定される。
なお、X線回折スペクトル(スペクトル)において、結晶化合物から得られる回折スペクトルは、特定の結晶形に関して特徴的なものである場合が多いが、スペクトル帯(特に低角度において)の相対強度は、結晶条件、粒径及びその他の測定条件の相違により生じる優位配向効果(preferential orientation effects)によって変化する可能性がある。したがって、回折ピークの相対強度は、相応の結晶形に対して特徴的ではなく、既知の結晶形と同じか否かを判断する際に、ピークの相対強度ではなくピークの相対位置をさらに注意すべきである。また、いかなる所定の結晶形に対して、ピークの位置に少しの誤差が存在する可能性があることは、結晶学分野に周知である。例えば、サンプルを分析する際の温度の変化、サンプルの移動、または計器の較正等により、ピークの位置が移動することができ、2θ値の測定誤差は、約±0.2°となる場合がある。そのため、それぞれの結晶形の構造を同定する場合、このような誤差を考慮すべきである。XRDパターンによく用いられる2θ角度又は格子面間隔dは、ピーク位置を示し、両者の間に、簡単な換算関係:d=λ/2sinθ(式中、dが格子面間隔、λが入射X線の波長、θが回折角度を示す)を持っている。同種の化合物の同種の結晶形には、それらのXRDパターンのピーク位置が全体的に類似性を有し、相対強度の誤差は比較的大きい可能性がある。なお、混合物の同定において、含有量の低下等の要因により、一部の回折線が欠失することがあるが、この場合、高純度試料において観察された全てのスペクトル帯に頼る必要がなく、1本のスペクトル帯だけでもが所定の結晶に対して特徴的なものである場合もある。
なお、DSCでは、結晶がその結晶構造に変化を生じたり、結晶が熔融により熱を吸収又は放出したりする際の転移温度を測定する。同種の化合物の同種の結晶形には、連続的な分析において、熱転移温度及び融点の誤差は、典型的に約5℃以内にあり、ある化合物がある所定のDSCピーク又は融点を有すると言われる場合、それは該DSCピーク又は融点が±5℃であることを意味する。DSCは異なる結晶形を判別するための補助方法を提供する。異なる結晶形は、それらの異なる転移温度の特徴によって識別することができる。
本発明の中間体化合物は、下記に記載の具体的な実施形態およびその他の化学合成方法との組合せてなった実施形態、並びに当業者にとってよく知られた均等物との置換形態を含む、当業者にとってよく知られている多種類の合成方法により調製することができる。好ましい実施形態には本発明の実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる全ての溶剤は、市販品であり、さらなる精製の必要がないままで使用することができる。
本発明は以下の略語を使用する。DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを表し、MsOHはメタンスルホン酸を表し、EtOHはエタノールを表し、NaOHは水酸化ナトリウムを表す。
市販の化合物には、販売元のカタログ名称が使用される。
本発明の粉末X線回折(X-ray powder diffractometer:XRPD)方法
XRPDパラメータは次の通りである。
ライトパイプ:Cu、kα、(λ=1.54056Å)。
ライトパイプ電圧:40kV、ライトパイプ電流:40mA
発散スリット:0.60mm
検出器スリット:10.50mm
散乱防止スリット:7.10mm
スキャン範囲:5-40deg
刻み幅:0.02deg
ステップ長さ:0.12秒
サンプル盤の回転速度:15rpm
本発明の示差熱分析(Differential Scanning Calorimeter:DSC)方法
検出方法:サンプル(0.5~1mg)を取ってDSCアルミニウム皿に入れて検出し、50mL/min Nの条件下で10℃/minの昇温速度で室温から300℃までサンプルを加熱する。
本発明の熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer:TGA)方法
検出方法:サンプル(2~5mg)を取ってTGAプラチナポットに入れて検出し、25mL/min Nの条件下で10℃/minの昇温速度で室温から300℃までサンプルを加熱する。
化合物1の結晶形AのXRPDパターンである。 化合物1の結晶形AのDSCパターンである。 化合物1の結晶形AのTGAパターンである。
〔発明の詳細な説明〕
以下、本発明の内容をよりよく理解するために、具体的な実施例を挙げてさらに説明するが、特定の実施形態は本発明の内容を限定するものではない。
実施例1
Figure 0007296970000005
第1のステップ
化合物1a(10.0g、41.13mmol)をメタノール(60mL)に溶解し、そしてN、N-ジメチルホルムアミド(20mL)、トリエチルアミン(20mL)、および[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(3.01g、4.11mmol)を添加した。反応液を一酸化炭素雰囲気(50psi)下で80℃で10時間撹拌し、ろ過し、減圧下で濃縮した後、酢酸エチル100mLと水50mLで希釈し、そして酢酸エチル(60mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(60mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過して濃縮乾固した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100~0%)により精製して化合物1b(7.80g)を得る。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.75(s, 1H), 8.03-8.00 (dd, J = 6.0 Hz, J = 8.0 Hz, 1H), 7.37-7.35 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.93(s, 3H), 3.32-3.28 (m, 2H), 3.04-3.00 (m, 2H).
第2のステップ
化合物1b(7.00g、31.49mmol)を、ビス(2-メトキシエチル)アミノの三フッ化硫黄溶液(35mL)にバッチで徐々に添加した。得られた反応液を90℃で4時間撹拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ジクロロメタン(40mL)で希釈し、得られた反応液を0℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)に徐々に添加して反応をクエンチした。得られた混合物をジクロロメタン(50mL×2)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(100mL×1)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100~0%)で分離精製して化合物1c(5.80g)を得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.38(s, 1H), 7.94-7.91 (m, 1H), 7.25-7.23 (m, 1H), 3.93(s, 3H), 3.22-3.19 (m, 2H), 2.65-2.54 (m, 2H).
第3のステップ
化合物1c(5.56g、22.93mmol)をジクロロメタン(60mL)に溶解し、m-クロロペルオキシ安息香酸(9.31g、45.85mmol、85%)を0℃で添加した。得られた反応液を25℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応液をろ過し、ろ液にチオ硫酸ナトリウムの飽和溶液(20mL)を添加して反応をクエンチした。有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100~0%)で分離精製して化合物1d(4.40g)を得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 8.47(s, 1H), 8.36-8.34 (m,1H), 8.05-8.03 (m,1H), 4.00(s, 3H), 3.65-3.62 (m, 2H), 3.12-3.06 (m, 2H).
第4のステップ
0℃で、化合物1d(4.4g、15.93mmol)のテトラヒドロフラン溶液50mLに、水素化ジイソブチルアルミニウム(1M、23.89mL)を徐々に滴下した。反応液をこの温度で2時間反応させた。酒石酸カリウムナトリウム飽和水溶液50mLで反応をクエンチし、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、粗化合物1e(4.10g)を得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ : 7.95-7.93(m, 1H), 7.82-7.82 (m,1H), 7.72-7.70 (m,1H), 4.85(s, 2H), 3.61-3.58 (m, 2H),3.10-3.03 (m, 2H).
第5のステップ
化合物1e(4.10g、16.52mmol)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、活性二酸化マンガン(10.05g、115.61mmol)を添加し、得られた反応液を室温で2時間撹拌した後、ろ過し、ろ液を直接濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100~0%)により分離精製して化合物1f(3.70g)を得た。
H NMR (400 MHz, CDCl) δ 10.14(s, 1H), 8.31(s, 1H), 8.23-8.21 (m,1H), 8.15-8.13 (m,1H), 3.68-3.64 (m,2H),3.12-3.06 (m, 2H).
第6のステップ
窒素雰囲気下で、化合物1f(3.70g、15.02mmol)および化合物1g(2.24g、15.02mmol)の1,2-ジクロロエタン溶液50mLに、トリフルオロ酢酸(5.14g、45.05mmol)およびトリエチルシラン(8.73g、75.08mmol)を順次添加した。得られた混合液を60℃で2時間撹拌した。反応終了後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液90mLを添加し、ジクロロメタン(30mL×3)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗生成物1h(5.9g)を得た。
第7のステップ
窒素保護下で、化合物1h(5.70g、15.02mmol)をN、N-ジメチルホルムアミド(80mL)に溶解し、炭酸セシウム(9.79g、30.05mmol)を添加し、撹拌しながらブロモ酢酸エチル(2.76g、18.03mmol)を徐々に滴下した。反応液を25℃で2時間撹拌した後、水(60mL)に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラム(石油エーテル/酢酸エチル=100~0%)で精製して化合物1i(5.1g)を得た。
第8のステップ
化合物1i(5.20g、11.52mmol)をテトラヒドロフラン(80mL)と水(20mL)の混合溶剤に溶解した。次に、窒素雰囲気下で水酸化リチウム一水和物(1.93g、46.07mmol)を添加した。得られた反応液を50℃に昇温し、1時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフランの大部分を減圧下で留去し、水50mLを添加した。得られた混合物を1mol/L希塩酸でpH4に調整し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮し、得られた生成物をエタノール20mLに分散させ、80℃に昇温して30分間撹拌を続けた後、室温まで冷却してろ過した。得られた粗生成物を分取HPLCで分離精製し、化合物1(2.75g)を得た。
H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 13.02(s,1H), 7.84-7.82 (m, 1H), 7.71-7.70 (m, 1H),7.64-7.61 (m, 1H), 7.38-7.37 (m, 1H), 7.22-7.19 (m, 1H), 6.90-6.86 (m, 1H), 4.98 (s, 2H), 4.20 (s, 2H), 3.81-3.78 (m, 2H), 3.02-2.94 (m, 2H), 2.32 (s, 3H). MS-ESI算出値[M + H] 438、実測値438。
実施例2
結晶形Aの調製
エタノール(400mL)で化合物1(100.0g)を80℃で48時間スラリー化(叩解)した。得られた混合物を室温に冷却し、吸引ろ過して白色固体を得、45℃で24時間真空乾燥させて化合物1の結晶形Aを得た。
得られた化合物1の結晶形AのXRPDスペクトルを図1に示し、得られた化合物1の結晶形AのDSCスペクトルを図2に示し、得られた化合物1の結晶形AのTGAスペクトルを図3に示す。
実験例1
PathHunter(登録商標)のCHO-K1 CRTH2 β-arrestin細胞(DiscoverX、カタログ番号93-0291C2)を標準条件下で増殖させ、5,000細胞/ウェルの密度で白壁384ウェルマイクロプレートに接種した。各ウェルに20μLのCell Plating Reagent 1を使用した。試験前に、細胞を37℃/5%COで一晩インキュベートした。被検化合物を3倍の希釈率でDMSO中に連続希釈して8つの濃度の被検化合物を得た。試験直前に、段階希釈した被検化合物を試験緩衝液でさらに試験濃度の5倍に希釈した。さらに希釈した被検化合物5μLを細胞に添加し、細胞を37℃で30分間インキュベートした。溶媒濃度は1%であった。さらに6X EC80アゴニスト(PGD2)緩衝液5μLを細胞に添加し、そして細胞を37℃で90分間インキュベートした。測定されたシグナルは、PathHunter検出混合試薬15μL(50%v / v)を一括して添加し、続いて1時間インキュベートして生成された。PerkinElmer EnvisionTM(商標)リーダー機器の化学発光シグナルを通してマイクロプレートを読み取った。被検化合物の生物学的活性を、CBISデータ分析スイート(ChemInnovation、CA)によって分析し、そしてIC50値として表した。実験結果を表2に示した。
Figure 0007296970000006
結論: 化合物1は、CRTH2受容体に対して強い拮抗作用を有する。
実験例2
血漿薬物動態学実験では、雌のC57 BL/6マウス12匹を使用し、ランダムに2つの群に分け、各群に6匹の動物を入れた。第1群の動物には1mg/kgの試験薬物を静脈内注射し、第2群には5mg/kgの試験薬物を強制経口投与した。製剤溶媒は、HPbCDと共溶媒(補助溶剤)(Solutol(商標))を含む配合処方を使用しており、得られた静脈内投与または強制経口投与製剤はすべて澄み溶液である。静脈内投与群と強制経口投与群では、投与後0.0833、0.25、0.5、1、2、4、8、24時間に伏在静脈から採血し、各時点で3つのサンプルを採取した。強制経口投与群から採取した血漿サンプルは、-80℃で凍結し、LC-MS/MSサンプル分析の前に解凍した。解凍した血漿サンプルに、一定の比率で内部標準を含むアセトニトリルを添加してタンパク質を沈殿させ、遠心分離し、得られた上清をサンプルとしてLC-MS/MSに注入した。分析機器はAPI4000または5500を使用し、クロマトグラフィーカラムはACQUITY UPLC BEH C18(2.1×50mm、1.7μm)を使用し、化合物イオン化の検出にはESI正または負イオン源を使用した。各分析バッチには8つの濃度の標準サンプルがあり、内部標準(IS)のピーク面積に対する被検化合物のピーク面積の比率はYとし、血漿サンプル中の被検化合物の濃度はXとし、1/xは重み付け係数として線形回帰を行い、応答と濃度を測定する回帰方程式を取得した。各分析バッチには、対応する品質管理サンプルも含まれている。データ処理には、Phoenix 6.3 WinNonlin(商標)を使用し、対応するPKパラメータを取得した。試験結果を表3に示す。
Figure 0007296970000007
結論:化合物1結晶形Aは、マウスで良好な薬物動態学的特性を示している。
実験例3
中国薬局方の2015年版、第4部9001『原材料および製剤の安定性試験の指針』に従って、化合物1の結晶形Aの安定性への影響要因試験をした。
化合物1の結晶形A15mgを秤量し、ガラスバイアルの底に入れて広げ、薄層を形成した。高温高湿下に置かれたサンプルはアルミホイル紙で密封され、サンプルが周囲の空気と完全に接触できるようにアルミホイル紙にいくつかの小さな穴が開けられ、強い光の条件下に置かれたサンプルは、スクリューキャップで密封された。試験果を以下の表4~6に示した。
Figure 0007296970000008
Figure 0007296970000009
Figure 0007296970000010

Claims (14)

  1. 粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ角12.78±0.2°、15.43±0.2°、および21.25±0.2°に回折ピークを有する、化合物1の結晶形A。
    Figure 0007296970000011
  2. 粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ角7.12±0.2°、12.25±0.2°、12.78±0.2°、15.43±0.2°、18.76±0.2°、20.02±0.2°、20.77±0.2°、および21.25±0.2°に回折ピークを有する、請求項1に記載の化合物1の結晶形A。
  3. 粉末X線回折スペクトルにおける回折ピークは次に示す通りである、請求項1に記載の化合物1の結晶形A。
    Figure 0007296970000012
  4. 示差走査熱量測定曲線は278.41℃±5℃に吸熱ピークの開始点を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物1の結晶形A。
  5. 化合物1をアルコール系溶剤に添加して再結晶または叩解により結晶形Aが得られることを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の化合物1の結晶形Aの調製方法。
  6. 前記アルコール系溶剤はメタノール、エタノール、およびイソプロパノールからなる群より選ばれる1つ以上である、請求項に記載の調製方法。
  7. 前記アルコール系溶剤はエタノールである、請求項に記載の調製方法。
  8. 前記叩解の温度は70~90℃である、請求項またはに記載の調製方法。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の化合物1の結晶形Aが結晶組成物重量の50%以上を占める、結晶組成物。
  10. 請求項1~のいずれか1項に記載の化合物1の結晶形Aが前記結晶組成物重量の80%以上を占める、結晶組成物。
  11. 請求項1~のいずれか1項に記載の化合物1の結晶形Aが前記結晶組成物重量の95%以上を占める、結晶組成物。
  12. 請求項1~のいずれか1項に記載の化合物1の結晶形A、または請求項11のいずれか1項に記載の結晶組成物を含む、医薬組成物。
  13. CRTH2媒介性疾患の治療に使用するための、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前記CRTH2媒介性疾患は喘息である、請求項13に記載の医薬組成物。
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