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JP7295487B2 - リベット継手の製造方法、リベット継手、自動車部品、及び通電加熱用リベット - Google Patents

リベット継手の製造方法、リベット継手、自動車部品、及び通電加熱用リベット Download PDF

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JP7295487B2 JP2022512135A JP2022512135A JP7295487B2 JP 7295487 B2 JP7295487 B2 JP 7295487B2 JP 2022512135 A JP2022512135 A JP 2022512135A JP 2022512135 A JP2022512135 A JP 2022512135A JP 7295487 B2 JP7295487 B2 JP 7295487B2
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Description

本発明は、リベット継手の製造方法、リベット継手、自動車部品、及び通電加熱用リベットに関する。
本願は、2020年3月30日に、日本に出願された特願2020-060158号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
自動車の軽量化、及び衝突安全性の向上を目的として、高強度鋼板の適用が進められている。しかしながら、高強度鋼板から構成されるスポット溶接継手には、母材鋼板の引張強さが780MPaを超えると十字引張強さ(Cross Tension Strength、CTS)が低下するという課題がある。また、鋼板の引張強さが1500MPaを超えると、十字引張強さのみならず引張せん断強さ(Tensile Shear Strength、TSS)も低下する傾向にある。
スポット溶接継手の強度が低下すると、非常に厳しい条件における衝突などにより部材が変形した時に、溶接部の破断が生じる恐れがある。従って、たとえ鋼板の強度を向上させたとしても、部材全体としての耐荷重が不足する恐れがある。そこで、高強度鋼板から構成される継手の強度を向上させる接合方法が求められている。
継手の十字引張強さを向上させる手段の一つとして、本発明者らはリベット接合に着目した。リベット接合とは、鋼板に貫通孔を形成し、この貫通孔に頭部と軸部とを有するリベットを挿通させ、リベットの軸部の先端を室温で塑性変形させて潰し、そしてリベットの頭部及び塑性変形部によって鋼板をかしめる接合法である。リベット接合によって得られた継手は、リベット継手と呼ばれる。
リベット継手の製造方法に関し、例えば以下のような技術が開示されている。
特許文献1には、締結具によって2個以上の構成部材を互いに結合させる方法であって、各構成部材は、穴を備えるとともに、前記構成部材は、前記穴が互いに重なり合って前記締結具を前記穴内において受けるように配置され、前記穴内に配置される前記締結具は、機械的に加圧および加熱されることで、前記締結具が変形させられて、以って前記構成部材が互いに結合させられる方法において、前記締結具は本質的に前記締結具の変形段階においてのみ加熱されて、前記締結具から結合させられる前記構成部材への熱伝達が最小限に抑えられ、結合は、前記締結具と前記構成部材とのいずれもが金属間合金群の材料に含まれる同一または同様の合金により製作されて行なわれることを特徴とする方法が開示されている。
特許文献2には、1対の電極の間にリベットの頭部と先端部分とをはさんで通電加熱すると共に押圧してリベッティングする方法において、リベットの頭部裏面と被リベット材との間に、断面積が小さく、且つ、リベット穴にリベットの軸部が十分密着充填すると共に、又は、それ以後に、頭部裏面と被リベット材とが接触するような高さを有する間座部を設けて、リベッティングすることを特徴とするリベッティング方法が開示されている。
特許文献3には、リベットを電極ではさみ、電気を通して抵抗熱により加熱し、加圧成形を行うリベットの締結方法において、通電加熱後一旦成形側頭部電極をリベットから話して、リベットの先端部まで加熱をゆきわたらせることを特徴とするリベットの締結方法が開示されている。
特許文献4には、結合されるべき少なくとも2部材に貫通して形成されるリベット穴を少なくとも一部テーパ状穴に形成し、このリベット穴にリベットを嵌合させ、通電かしめによりリベットの軸部をテーパ状穴に沿った形状に膨出変形させ、通電かしめ後のリベットの熱収縮によりリベットの軸部とテーパ状穴とを密着させ隙間なく結合させることを特徴とするリベットの通電かしめによる部材結合方法が開示されている。ここで、通電かしめ時のリベット温度は700~900℃であるとされている。
特許文献5には、複数のワークをリベットを用いて結合するリベット締め方法であって、複数のワークに挿通したリベットを1対の電極間に挟んで加圧した状態で通電し、通電によるリベット自体の抵抗発熱でリベットを軟化させて、リベットの端部をかしめる、ことを特徴とするリベット締め方法が開示されている。
日本国特表2006-507128号公報 日本国特開昭55-27456号公報 日本国特開昭53-78486号公報 日本国特開昭61-165247号公報 日本国特開平10-205510号公報
高強度の板材(特に高強度金属板又は鋼板)に対してリベット接合を適用した例を、本発明者らは確認することができなかった。高強度板材の強度に釣り合う程度の高強度材料からリベットを製造するためには、加工コストがかかる。また、リベットを用いて板材を接合すると、部品点数が増大して、継手の製造コストが増大する。その一方、高強度板材をリベット接合することのメリットは知られていなかった。以上の理由により、高強度板材の接合手段は専ら溶接(特にスポット溶接)とされており、リベット接合の適用例は皆無であった。例えば、特許文献1~5のいずれにおいても、その接合対象は低強度材料とされている。
しかし本発明者らは、高強度鋼板をリベット接合することにより得られる継手(リベット継手)の十字引張強さが、スポット溶接継手のそれよりも著しく高いことを知見した。鋼板を機械的に接合するリベット接合によれば、接合部の脆化が生じないので、高強度鋼板から構成される接合継手のCTSを高く保持可能であると考えられた。
一方、本発明者らは、リベット継手の引張せん断強さはスポット溶接継手のそれよりも劣ることを合わせて知見した。これは、リベットの軸部の引張せん断強さが低い理由はリベットの軸部の硬さがスポット溶接部より低いからであると考えられた。また、リベットと板材との間に隙間があるので、リベット継手におけるせん断応力がかかる領域の断面積が、スポット溶接継手のそれより小さいことも、引張せん断強さを低下させる一因であると考えられた。
例えば、特許文献1~5のいずれにおいても、TSSを向上させるための手段について何ら検討されていない。さらに、本発明者らが検討したところ、これらの技術を高強度鋼板に適用して得られるリベット継手の継手強度(TSS及びCTSなど)は十分ではなかった。
上述の事情に鑑みて、本発明は、十字引張強さ(CTS)及び引張せん断強さ(TSS)が高い接合部を製造可能なリベット継手の製造方法、並びに、CTS及びTSSが高い接合部を有するリベット継手及び自動車部品を提供することを課題とする。また、本発明は、CTS及びTSSが高い接合部を製造可能な通電加熱用リベットを提供することを課題とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)本発明の一態様に係るリベット継手の製造方法は、鋼製のリベットの軸部を、重ねられた複数の板材の貫通孔に通すこと、前記リベットを、前記リベットの軸方向に一対の電極の間に挟むこと、一対の前記電極で、前記リベットを加圧及び通電して、前記軸部の先端を潰すこと、及び、前記リベットを冷却し、冷却後の前記リベットの前記軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さを300HV以上600HV以下にすること、を備える。
(2)上記(1)に記載のリベット継手の製造方法では、複数の前記板材のうち1枚以上が、引張強さ980MPa以上の高強度鋼板であってもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載のリベット継手の製造方法は、スポット溶接、レーザ溶接、及びアーク溶接からなる群から選択される一種以上の溶接方法によって複数の前記板材を接合することをさらに有してもよい。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法は、複数の前記板材の間の、少なくとも前記貫通孔の周辺に接着剤を塗布して、次いで複数の前記板材を重ねることをさらに有してもよい。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法では、隣接する複数の前記板材における、前記貫通孔の直径の差が0.3mm~3mmの範囲内であってもよい。
(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法では、前記軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の前記箇所における最高到達温度が900℃超であってもよい。
(7)上記(1)~(6)のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法では、前記リベットの炭素量を0.08~0.32質量%とし、前記リベットの炭素当量を0.22~0.45質量%としてもよい。
(8)上記(1)~(7)のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法は、前記軸部を前記貫通孔に通す前に、前記リベットを加熱することをさらに備えてもよい。
(9)本発明の別の態様に係るリベット継手は、それぞれに貫通孔を備える、重ねられた複数の板材と、軸部が前記貫通孔を貫通し、前記複数の板材をかしめるリベットと、を備え、前記リベットの前記軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さが300HV以上600HV以下である。
(10)上記(9)に記載のリベット継手では、複数の前記板材のうち1枚以上が、引張強さ980MPa以上の高強度鋼板であってもよい。
(11)上記(9)又は(10)に記載のリベット継手は、スポット溶接部、レーザ溶接部、及びアーク溶接部からなる群から選択される一種以上の溶接部をさらに有してもよい。
(12)上記(9)~(11)のいずれか一項に記載のリベット継手は、複数の前記板材の間の、少なくとも前記貫通孔の周辺に配された接着剤をさらに有してもよい。
(13)上記(9)~(12)のいずれか一項に記載のリベット継手では、隣接する複数の前記板材における、前記貫通孔の直径の差が0.3mm~3mmの範囲内であってもよい。
(14)上記(9)~(13)のいずれか一項に記載のリベット継手では、前記リベットの炭素量が0.08~0.32質量%であり、前記リベットの炭素当量が0.22~0.45質量%であってもよい。
(15)上記(9)~(14)のいずれか一項に記載のリベット継手では、前記リベットが、前記軸部の両端に配された頭部及び変形部を有し、前記リベットの前記軸部の軸線に平行な断面視で、前記頭部及び/又は前記変形部の頂面が、前記軸部の前記軸線に沿った方向において、前記リベットの近傍の前記板材の面から、前記軸部から離れる側に向けて0.6mm離れた位置よりも、前記軸部側にあってもよい。
(16)本発明の別の態様に係る自動車部品は、上記(9)~(15)のいずれか一項に記載のリベット継手を備える。
(17)上記(16)に記載の自動車部品は、バンパー、又はBピラーであってもよい。
(18)本発明の別の態様に係る通電加熱用リベットは、重ねられた複数の板材の貫通孔に通され、その中央が焼き入れられ、且つ、その先端が潰される軸部を備える鋼製の通電加熱用リベットであって、炭素量が0.08~0.32質量%であり、炭素当量が0.22~0.45質量%である。
本発明は、十字引張強さ(CTS)及び引張せん断強さ(TSS)が高い接合部を製造可能なリベット継手の製造方法、並びに、CTS及びTSSが高い接合部を有するリベット継手及び自動車部品を提供することができる。また、本発明は、CTS及びTSSが高い接合部を製造可能な通電加熱用リベットを提供することができる。
本実施形態に係るリベット継手の製造方法を示す図である。 本実施形態に係るリベット継手の製造方法を示す図である。 本実施形態に係るリベット継手の製造方法を示す図である。 本実施形態に係るリベット継手の製造方法を示す図である。 本実施形態に係るリベット継手の一例を示す断面図である。 貫通孔の大きさが板材ごとに異なるリベット継手の一例を示す断面図である。 貫通孔の周辺に配された接着剤をさらに有するリベット継手を示す断面図である。 リベット継手と、他の接合手段とを併用したバンパーの斜視図である。 リベットと他の部品との干渉を防止するための手段の一例を示す断面図である。 リベットと他の部品との干渉を防止するための手段の一例を示す断面図である。 リベットと他の部品との干渉を防止するための手段の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る自動車部品の一例であるBピラーの断面図である。 本実施形態に係る自動車部品の一例であるバンパーの断面図である。
本発明者らは、接合強度(十字引張強さ(CTS)及び引張せん断強さ(TSS))が高い接合部を製造可能な接合方法について鋭意検討を重ねた。その結果、本発明者らは、高強度鋼板をリベット接合することにより得られる継手(リベット継手)の十字引張強さが、スポット溶接継手のそれよりも著しく高いことを知見した。鋼板を機械的に接合するリベット接合によれば、接合部の脆化が生じないので、高強度鋼板から構成される接合継手のCTSを高く保持可能であると考えられた。一方、本発明者らは、リベット継手のTSSがスポット溶接継手のそれよりも劣ることを合わせて知見した。
本発明者らは、リベット接合部のTSSを高める方法について、さらなる検討を重ねた。その結果、リベットの材質を鋼製とし、その軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所(以下、「軸部の中央」と称する場合がある)に焼き入れ部を形成することにより、リベット継手のTSSが飛躍的に高められることが知見された。なお、リベットの軸部とは、リベットの軸方向の中央部を含む、一定の大きさの径を備えた部分である。
通常のリベット接合方法は、母材となる複数の板材にリベットの軸部を通すことと、リベットに加圧して変形を生じさせ、これにより板材をかしめ接合することとを含む。ここで、リベットを加熱してもよいとされる。リベットを加熱して軟化させることにより、リベットの変形抵抗が低下し、かしめ接合が容易となるからである。また、リベットを加熱及び軟化させることにより、リベットと母材との間の隙間を減少させることもできる旨が報告されている。ただし、その加熱温度はリベットを構成する鋼のオーステナイト変態点(A変態点)よりはるかに低くされていた。
鋼の焼き入れは、鋼を加熱してその金属組織にオーステナイトを生じさせた後、鋼を急冷してオーステナイトをマルテンサイトに変態させる熱処理である。完全に焼き入れするためには、完全にオーステナイト相に変態するA変態点を超える温度まで、鋼を加熱することが望ましい。従来技術においては、リベットの軸部の中央に焼き入れ部が形成されることはなかった。これは、リベットを過剰に加熱した場合、板材に無用の熱履歴を与えて金属組織が変質するおそれが懸念されたりしたからであると推定される。例えば特許文献1には、締結具から構成部材への熱伝達が最小限に抑えられるべきである旨が記載されている。一方、リベットを過剰に加熱することの利点は何ら見いだされていなかった。
しかしながら本発明者らは、リベット接合の際にリベットを通常の範囲よりも高い温度域まで加熱し、その内部に焼き入れ部を形成させることにより、せん断応力に対するリベットの抵抗力が増し、リベット接合部のTSSが従来と比べて遥かに高められることを知見した。また、リベットを焼き入れするための加熱は特に母材となる板材の機械特性に悪影響を与えず、従ってCTSを低下させるような脆化を生じさせることもないことも、合わせて見いだされた。
以上の知見に基づいて得られた本発明の一態様に係るリベット継手の製造方法(以下、リベット接合方法と略す場合がある)は、図1A~図1Dに示されるように、
(S1)鋼製のリベット12(通電加熱用リベット)の軸部121を、重ねられた複数の板材11の貫通孔111に通すことと、
(S2)リベット12を、リベット12の軸方向に一対の電極の間に挟むことと、
(S3)一対の電極で、リベット12を加圧及び通電して、軸部121の先端を潰すことと、
(S4)リベット12を冷却し、冷却後のリベット12の軸方向の中心且つ径方向の中心の箇所のビッカース硬さを300HV以上600HV以下にすることと、
を備える。以下、この製造方法について詳細に説明する。
まず、図1Aに示されるように、鋼製のリベット12の軸部121を、重ねられた複数の板材の貫通孔111に通す。次に、図1Bに示されるように、リベット12の軸方向に一対の電極の間に、リベット12を挟む。板材11は、リベット継手1の母材となる。リベット12は、通常、軸部121及び頭部122を有し、この軸部121の先端は、リベッティングによって塑性変形されて変形部123を構成する。頭部122は、変形部123とともに板材11を挟持する(かしめる)働きを有する。なお、頭部122を有しないリベット12を貫通孔111に挿通させ、軸部121の両端を塑性変形させたとしても、板材11をかしめることが可能である。この場合、2つの変形部123のうち一方を頭部122とみなすことができる。
板材11の構成は特に限定されない。例えば、板材11を鋼板、特に高強度鋼板(例えば引張強さTSが約590MPa以上の鋼板)とした場合、リベット継手1の強度を向上させることができて好ましい。また、本実施形態に係るリベット接合方法は、CTS低下を招く脆化を高強度鋼板に生じさせない。従って本実施形態に係るリベット接合方法は、高強度鋼板の接合に適用された場合に、高いCTSを有するリベット継手1を提供することができる。高強度鋼板の引張強さが980MPa以上である場合、CTSに関し、本実施形態に係るリベット接合の優位性は、スポット溶接に対して一層顕著となる。より好適には、板材11の強度水準は、引張強さが1180MPa級以上、さらに最適には1500MPa以上である。板材11の引張強さの上限は特に限定されないが、例えば2700MPa以下としてもよい。
また、板材11をアルミ板、CFRP板、及びチタン板などとしてもよい。溶接による接合とは異なり、本実施形態に係るリベット接合では、板材11の材質を異ならせてもよい。例えば、鋼板とアルミ板との組み合わせ、又は鋼板とCFRP板との組み合わせでもよい。板材の配置には特に規定はないが、材質の異なる板材の場合、融点の低い板材をリベット頭部側に配置することが、融点の低い板材の溶融を避ける観点から望ましい。板材11に種々の表面処理がなされていてもよい。例えば、鋼板とアルミ板との組み合わせ、及び鋼板とCFRP板との組み合わせ等でもよい。例えば、板材11がGAめっき、GIめっき、EGめっき、Zn-Alめっき、Zn-Mgめっき、Zn-Niめっき、Zn-Al-Mgめっき、Alめっき、並びにホットスタンプによって母材金属と合金化されたZn系めっき(Zn-Fe、Zn-Ni-Fe)及びAl系めっき(Al-Fe-Si)等を有してもよい。
板材11の板厚にも特に限定はなく、例えば0.5mm~3.6mmとしてもよい。板材11の厚さを異ならせてもよい。板材11の枚数も特に限定されない。本実施形態に係るリベット接合の説明においては、板材11の枚数を2枚と仮定するが、枚数を3枚以上とすることも妨げられない。好適な組み合わせとして例えば、板厚が約1.6mmの板材と約2.3mmの板材との2枚重ね、又は板厚が0.75mmの板材と、1.8mmの板材と、1.2mmの板材との3枚重ねが挙げられる。板材の好適な組み合わせの範囲として例えば、板厚が約0.6mm~2.9mmの板材と、0.6mm~2.9mmの板材との2枚重ね、又は板厚が0.6mm~1.6mm板材と、0.6mm~2.9mmの板材と、0.6mm~2.9mmの板材との3枚重ねが挙げられる。板材は、冷間もしくは熱間でのプレス成形、冷間でのロール成形、又はハイドロフォーム成形された成形品であっても良い。また、板材はパイプ状に成形されていても良い。
リベット12を挿通させる貫通孔(通し穴)111の構成も特に限定されない。リベット12を貫通孔111に滞りなく通す観点からは、貫通孔111の径がリベット12の軸部の直径より大きいことが好ましい。
貫通孔111の形状は、例えば円形等とすることができる。一方、貫通孔111の形状が4角形、5角形、6角形、8角形など多角形であってもよい。これらの多角形の角部に曲率を持たせても良い。また、貫通孔111の形状が楕円、又は、円の一部に凸部あるいは凹部がある形状であっても良い。貫通孔111を円形状以外の形状とすることにより、リベット接合した板材が、貫通孔のリベットを中心に回転することを防止したり、接合部のガタつきを軽減したりすることができるので、さらに望ましい。
リベット12を通すための貫通孔111は、レーザ切断、金型を用いた打ち抜き、ドリルを用いた穿孔等の任意の手段で形成することができる。板材11がホットスタンプ鋼板である場合は、熱間での金型打ち抜き、あるいはレーザ切断によって貫通孔111を形成することが望ましい。
貫通孔111の大きさは板材11の深さ方向に一定であってもよい。一方、深さ方向に貫通孔111の大きさが相違する段形状、またはテーパ形状を、貫通孔111に適用してもよい。また、複数の被接合材間の貫通孔111の中心軸は一致していなくても良い。
複数の板材11における貫通孔111の直径(貫通孔111が円形でない場合は、円相当径)は、図2に示されるように同一であってもよいし、一方図3に示されるように相違してしてもよい。貫通孔111の大きさに差を設けることにより、応力緩和効果や、リベット12を通す作業の効率化が期待できる。貫通孔111の直径の相違の程度は特に限定されないが、例えば、隣接する板材11における貫通孔111の直径の差が0.3mm~3mmの範囲内であることが好ましい。リベット12を通す作業の容易化の観点では、リベットの入り口となる側(リベットの頭部がある側)とは逆側の板材の貫通孔の直径を大きくする方が好ましい。これにより、リベット12の先端が貫通孔111の中で詰まることを防止できる。
また、貫通孔111の直径の最小値は、挿通するリベットの軸部の直径の最大値よりも0.1mm~5mm大きいことが望ましい。0.1mmより小さいと挿通性が悪化し、5mmより大きいと貫通孔111の隙間を十分に充填させることが難しくなるためである。より望ましくは、0.3mm~3mmの範囲であり、最適には0.3mm~1.5mmの範囲である。また、複数の被接合材間の貫通孔111の中心軸のずれは1.5mm以内が望ましく、0.75mm以下がさらに望ましい。
リベット12は、その軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所(軸部の中央)に焼き入れ部を形成するために、鋼製とされる必要がある。例えば、リベット12の炭素量を0.08~0.32質量%とし、リベット12の炭素当量を0.22~0.45質量%とすることにより、焼き入れ部124を形成することが一層容易となる。なお、炭素当量とは以下の数式によって得られる値であり、炭素以外の合金元素を考慮した鋼材の焼き入れ性を示すものである。
炭素当量=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
ここで、上記元素名には、含有する質量%を代入する。含有していない場合は、ゼロを代入する。
リベット12のその他の構成は特に限定されず、母材となる板材11の厚さ及び機械特性、並びに貫通孔111の大きさなどに応じて適宜選択することができる。例えば、リベット12の軸部121の径(直径)(軸部121の断面が円形ではない場合は、軸部121の円相当径)は、継手強度を確保する観点から3mm以上としてもよい。また、軸部121の径が大きすぎると電流密度が低下しリベットが軟化しづらくなる。そのため、軸部121の径の上限は12mm以下としても良い。軸部121の長さ(リベット12の長さから、頭部122の厚さを除いた値)は、板材11の合計板厚より大きくする必要があり、リベット12が頭部122を有する場合、好ましくは、以下の範囲内とする。
板材の合計板厚+軸部の径×0.3≦軸部の長さ≦板材の合計板厚+軸部の径×2.0
リベット12の軸部121の長さを、板材11の合計板厚+軸部121の径×0.3より大きくすることにより、軸部121の先端を変形させた後のかしめ部(変形部123)の大きさを確保し、継手強度を一層高めることができる。軸部121の長さを板材11の合計板厚+軸部121の径×2.0以下とすることにより、製造効率を高めることができる。
また、頭部がないリベットの場合は、軸部121の長さ(即ちリベット12の長さ)は、好ましくは以下の範囲内とする。
板材の合計板厚+軸部の径×0.6≦軸部の長さ≦板材の合計板厚+軸部の径×4.0
頭部がないリベットを用いて接合する場合、リベットの両端を変形させる必要がある。そのため、頭部が無いリベットの軸部121の長さは、頭部があるリベットのそれより大きくすることが好ましい。
なお、軸部121の径は一定であってもよい。一方、軸部121の先端に向かって、軸部121の径が減少する形状(いわゆるテーパ形状)をリベット12が有してもよい。テーパ部が、軸部121の全体にわたって形成されていても、軸部121の先端付近にのみ形成されていてもよい。テーパ形状を有するリベット12は、貫通孔111に挿通させやすいので好ましい。また、軸部121の先端は平らであっても半球形であってもよい。軸部121の先端を半球状にすると、軸部121を貫通孔111に挿通させやすいので好ましい。
リベット12の頭部122の形状は、一般的なフランジ形状とすればよい。例えば頭部122の形状を、半球形(いわゆる丸頭)、円盤形(いわゆる平頭)、又は表面側が平らで根本が円錐形となる形状(いわゆる皿頭)とすることができる。頭部122の平面視での形状は、例えば円形、四角形、又は六角形などの多角形とすることができる。頭部122の電極側の中心部に、位置決め用の凹部が設けられていてもよい。また、頭部122の座部(被接合材と接触する面)に、軸部121を取り囲む凹部(いわゆる座部アンダーカット)が設けられていてもよい。このような凹部は、頭部122に弾性を付与し、これによりリベット12のかしめ力を一層増大させる。また、頭部122の座部(被接合材と接触する面)に、1つ以上の突起部が設けられていても良い。このような突起部は、リベッティング時に被接合材にめり込むこと、又は被接合材と接合部とを形成することにより、リベット12のかしめ力を一層増大させる。突起部の形状は、円状、多角形状、軸部を囲むリング状が挙げられる。
リベット12は、その頭部を用いて板材11をかしめる。そのため、頭部の直径は、貫通孔111の直径より1.5mm以上大きくすることが好ましい。また、頭部122の厚みは0.8mm~5mmとすることが好ましい。頭部122の厚みが0.8mm未満だと、継手強度が十分に得られない。一方、頭部122の厚みが5mm超であると頭部が大きすぎ、他部品との干渉がおきやすくなる。頭部のないリベットの場合、リベット接合後の変形されたリベット端(即ち、変形部123)の直径は、貫通孔111の直径より1.5mm以上大きいことが好ましい。また、変形されたリベット端の厚みは、0.8mm~5mmとすることが好ましい。
リベットは例えば、コイル線材を切断し、切削加工、もしくは冷間鍛造加工に供することによって製造されれば良い。生産性の観点では、切断されたコイルの加工方法は、冷間鍛造加工が望ましい。リベットは、加工ままで使用してもよいが、特に継手強度が必要な場合は、切削加工又は冷間鍛造加工後のリベットに焼き入れ、焼き戻しの熱処理をしても良い。この熱処理によりリベット頭部も含めたリベット全体の硬さを上げることで、継手強度がさらに向上する。
リベットは表面処理がされていないものでよいが、耐食性が必要な場合は、表面処理がなされていてもよい。例えばリベットに、亜鉛系めっき、アルミ系めっき、クロム系めっき、ニッケル系めっき、及びクロメート処理などがされても良い。
次に、図1Cに示されるように、一対の電極を介して、リベット12に加圧及び通電する。これにより、リベット12に抵抗発熱を生じさせ、リベット12を軟化させ、リベット12の軸部121の先端を潰す(いわゆるリベッティング)。
本実施形態に係るリベット接合では、電極Aを用いてリベット12に加圧した後で、リベット12に通電することが好ましい。加圧した状態で通電を開始すると、軸部121の軟化及び軸部121の先端の変形が生じる。この時、リベット12の内部に溶融部が生じても良い。この場合、リベット12を電極Aの間に挟み込み、リベット12を加圧し、リベット12に通電し、そしてリベット12を冷却するという手順で、接合が実施されることになる。しかしながら、リベット12への加熱の開始のタイミング、及びリベット12への加圧の開始のタイミングは、上述の好ましい例に限定されない。
また、通常のリベット接合ではリベット12の軸部121を板材11の貫通孔111に挿通する前にリベット12を加熱及び軟化させることが許容される。本実施形態に係るリベット継手の製造方法においても、リベット12を加熱し、次いでリベット12の軸部121を板材11の貫通孔に通してもよい。挿通後、一対の電極に通電し、リベット12に抵抗発熱を生じさせ、リベット12を軟化させ、リベットの軸部の先端を変形させ、リベットを冷却し、リベットの軸部中央に焼き入れ部を形成させる。挿通前において、リベットの軸部の直径が太い場合や、リベットが硬い場合などに、挿通前に軟化させると好ましい場合がある。
リベット12は、加圧及び通電に引き続いて冷却され、焼き入れされる。そのため、リベット12は焼き入れが可能な程度に通電される必要がある。ただし、焼き入れ実施に必要な温度はリベット12の成分(例えば炭素量及び炭素当量等)に応じて相違する。そのため、加熱温度はリベット12の成分に応じて適宜選択すればよい。例えば、リベット12の軸部121における最高到達温度を900℃超とすれば、鋼製のリベット12に焼き入れ部124を形成することが可能である。ただし、リベット12のA点が低ければ、軸部の最高到達温度を900℃未満としてもよい。また、リベットの頭部122については、焼き入れは必須ではないため、その最高到達温度が900℃以上でも900℃未満でも良い。なお、リベットの軸部の最高到達温度は、リベットの軸部121の断面の金属組織の観察によって、推定することができる。例えばリベットの材質が鉄合金であり、軸部にマルテンサイト組織が生成していれば、リベットの軸部の最高到達温度は約900℃以上であったと推定することができる。また、リベットの材質が鉄合金であり、軸部に溶融凝固部が生成していれば、リベットの軸部の最高到達温度は1530℃以上であったと推定することができる。
リベット12は、板材11が重ね合わされた後で、例えば、リベット供給装置により貫通孔111に挿入される。そして、例えばスポット溶接機を用いて、リベットに加圧しながらリベットに通電加熱を行う。リベット12を焼き入れ実施に必要な温度まで加熱するための具体的な通電条件(電流値、電圧値、及び通電時間等)、及びリベット12の加圧条件は特に限定されず、リベット12の形状及び材質に応じて適宜選択することができる。リベット12の焼き入れ部124の存在は、リベット12を切断し、切断面のビッカース硬さを測定することによって確認することができる。従って、当業者であれば、種々の条件でリベット12への加圧及び通電を実施することにより、リベット12の形状及び材質に応じた最適な加圧条件、及び通電条件を検討することができる。
リベット12への加圧及び通電は、一対の電極を用いて行うことが好ましい。一対の電極の構成は特に限定されない。例えば、スポット溶接用の電極は加圧及び通電を実施することが可能であるので、これを用いて本実施形態に係るリベット接合を行ってもよい。電極の形状は、リベット12の形状に合わせて適宜選択することができる。例えば電極は、フラット型電極、シングルR型、CF型、及びDR型等であっても良い。電極の材質の例としては、導電性に優れたクロム銅、アルミナ分散銅、及びクロムジルコニウム銅等が挙げられる。なお、一対の電極の片側には、磁石、機械式保持機構、もしくは真空引きなどにより、リベットの頭部を接合時まで保持する機構を有することが望ましい。電極の材質の例としては、導電性に優れたクロム銅、アルミナ分散銅、及びクロムジルコニウム銅等が挙げられる。また、一対の電極において形状、材質は異なっていてもよい。
溶接機の電源の例としては、単相交流、直流インバータ、及び交流インバータ等が挙げられる。ガンの形式の例としては、定置式もしくはC型、又はX型等が挙げられる。電極がリベットに印加する加圧力は、例えば150kgf~1000kgfである。加圧力は、好適には250kgf~600kgfである。加圧力の設定値は一定値で良いが、必要に応じて、通電中に加圧力を変化させても良い。電極によるリベットの加圧方向は、リベットの軸が伸びる方向に対して、10°以下の角度とすることが、良好な接合部を得る観点から望ましい。より望ましくは、加圧方向とリベットの軸方向とがなす角度は4°以下である。
通電時間は、例えば0.15秒~2秒である。通電時間は好適には0.2秒~1秒である。通電回数は1回でも良い(いわゆる単通電)が、必要に応じて2段通電、3段の多段通電を行っても良い。また、パルス通電や、電流を徐々に上げるアップスロープ、電流を徐々に下げるダウンスロープの通電でも良い。また、通電の前半に高い電流を流して急激にリベット加熱し、後半に電流を下げて変形させても良い。一方、上述のように、抵抗発熱以外の手段によってリベット12を加熱してもよく、この場合、リベット12に加圧してリベッティングする手段も、一対の電極に限定されない。
軟化されたリベット12を加圧し、その軸部121の先端を変形させた後で、リベット12を冷却する。これにより、複数の板材11がリベット12によってかしめられ、接合される。具体的には、リベット12の頭部122、及びリベット12の軸部121のつぶされた先端(即ち変形部123)によって、複数の板材11がかしめられる。さらに、リベット12の冷却により、リベット12の加熱時にリベット12の金属組織に生じたオーステナイトをマルテンサイト変態させる。これにより、その軸部121の中央に焼き入れ部124を形成し、冷却後のリベット12の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所(軸部121の中央)のビッカース硬さを300HV以上600HV以下にすることができる。
本発明者らは、通常より高い温度までリベット12を加熱して製造された種々のリベット継手の強度評価及び接合部断面観察を行った。その結果、リベット12の内部に焼き入れ部が形成され、軸部121の中央のビッカース硬さが上記範囲内にされたリベット継手のCTS及びTSSが、通常のリベット継手より著しく高いことが見いだされた。以上の実験結果に基づき、本実施形態に係るリベット接合では、リベット12の軸部121の中央を焼き入れして、その硬さを300HV以上600HV以下にすることができるように抵抗発熱を生じさせることとした。なお、板材の合わせ面が軸部121の中央と一致しないリベット継手においても、軸部121の中央のビッカース硬さが上記範囲内であれば、TSSを高めることができる。軸部121の中央のビッカース硬さが上記範囲内のリベット12においては、実質的には貫通孔111の中にある箇所の全ての領域のビッカース硬さが、300HV以上600HV以下であると推定されるからである。加熱時には、リベット12の軸部121がA変態点より高温に加熱される。軸部121の径は小さく、軸部121の横断面内での冷却速度の差が殆どないため、軸部121の横断面内での硬度のばらつきは小さい。このため、軸部121の中央の硬さが300HV以上600HV以下である場合、軸部121において硬さが300HV以上600HV以下になると推定される。
焼き入れ部124は、リベット12の軸部121の内部において形成される。そして、リベット12の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さは、300HV~600HVの範囲内とする。リベット12の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さを300HV以上とすることにより、TSSを一層高めることができる。一方、リベット12の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さを600HV以下とすることにより、過剰な硬化によるリベット12の脆化を一層抑制することができる。より好適には、リベット12の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さの下限は380HV、上限は560HVとしても良い。
リベット12の硬さの測定方法は以下の通りである。まず、リベット12を、リベット12の軸部121の軸に平行、且つ軸部121の軸を通る面で切断する。次いで、リベット12の切断面において、リベットの軸部121の軸方向の中心に沿って連続的に硬さ測定を行う。そして、リベット12の軸部121の径方向の中心付近の3箇所における硬さの平均値を、リベット12の軸部121の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さであるとみなす。なお、ビッカース硬さの測定荷重は0.5kgfとし、連続硬さ測定における測定間隔は500μmとする。ただし、ビッカース硬さ測定位置に、割れ、ブローホール等の欠陥があった場合は、欠陥から0.2mm以上離れた近傍の位置で測定する。
板材11の重ね合わせ面が、リベットの軸部121に対するせん断応力が発生する箇所となる。板材11の重ね合わせ面に沿った軸部121の領域の硬さが、TSSに密接に関係する。上述した通り、リベット12の加熱時にはリベット12の軸部121が全てA変態点より高温に加熱される。また、軸部121の冷却は軸方向の位置が異なってもあまり差は無い。従って、板材11の重ね合わせ面に沿った軸部121の領域の硬さと、リベットの軸部121の軸方向の中心を通る横断面に沿った領域の硬さとの間に、実質的な差は無い。すなわち、軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さが300HV以上600HV以下であれば、板材11の重ね合わせ面に沿った軸部121の領域の硬さも300HV以上600HV以下である。なお、リベットの頭部122および変形部123の、電極との接触面近傍の硬さは、引張りせん断強さには殆ど影響しないため、300HV以上であっても300HV未満であってよい。
リベット12の冷却条件は特に限定されないが、例えば、リベット12の800~500℃の間の冷却速度を50℃/秒以上、より好適には100℃/秒以上、最適には150℃/秒以上と規定してもよい。これにより、リベット12の軸部121の中央においてマルテンサイト変態を確実に生じさせることができる。
リベット12を冷却する手段も特に限定されない。通電終了後に、リベット12を大気中に放置して自然冷却させたとしても、十分な冷却速度が確保されると推定される。リベット12に生じた抵抗熱は、その周囲の板材11に速やかに移動するからである。また、溶接後、電極の保持時間を延長することで、加速冷却することは望ましい。電極の内部には冷媒が流通しており、通電後、電極をリベット12に接触させることなどにより、リベット12を加速冷却することができる。リベット12を加速冷却することにより、リベット12を焼き入れし、継手の接合強度を一層高めることができる。しかしながら、加速冷却をするための、電極とリベットとの接触状態を保持する時間(保持時間)が長すぎると生産性が低下する。そのため、保持時間は、通電が完了した後、3秒以下とすることが望ましい。保持時間は、より望ましくは0.01秒以上1.00秒以下である。保持時間は、最適には0.10秒以上0.80秒以下である。
本実施形態に係るリベット継手の製造方法では、他の接合手段を併用することも妨げられない。異なる2種以上の接合手段を組み合わせることにより、リベット継手の接合強度を一層高めることができる。
例えば、本実施形態に係るリベット接合方法が、スポット溶接、レーザ溶接、及びアーク溶接(例えばMAG溶接、MIG溶接、CO溶接、及びプラズマ溶接等)からなる群から選択される一種以上の溶接方法によって複数の板材11を接合することをさらに有してもよい。溶接は、リベット接合の前に行われても後に行われてもよい。部品の組立て精度向上の観点からは、溶接後にリベット接合をすることが望ましい。溶接が、スポット溶接の場合、スポット溶接後、リベット接合を行えばよい。あるいは、スポット溶接後、リベット接合を行い、その後、スポット溶接を行っても良い。
また、本実施形態に係るリベット接合方法が、複数の板材11の間の、少なくとも貫通孔111の周辺に接着剤13を塗布して、次いで複数の板材11を重ねることをさらに有してもよい。これにより、図4に示されるように、板材11が接着される。接着剤の厚みは特に規定はないが、0.03mm以上1.5mm以下としてもよい。薄すぎると接着不良が発生し、厚すぎると接着強度が低下する。接着剤13の塗布は、複数の板材11を重ね、リベット12を板材11に通す前に行う必要がある。熱硬化型接着剤の場合、接着剤13の硬化は、リベット接合後、電着塗装ラインでの塗装焼き付け用の加熱によって行なってもよい。反応硬化型の接着剤の場合は、接着剤13の硬化は、リベット接合後、時間が経過することにより行われる。なお、板材11のスポット溶接においては、爆飛を防止するために、接着剤13の塗布箇所とスポット溶接箇所とを離隔させる必要が生じることがある。しかし本実施形態に係るリベット接合方法では、爆飛が生じないので、接着剤13の塗布箇所が限定されないという利点がある。リベット12と接着剤13とを併用することで接合継手の剛性を一層向上できる利点が得られる。また、リベット12と接着剤13とを併用することで、異種金属の接合や金属とCFRPとの接合において、重ね面の接触腐食を防止することができる。接着剤13の他に、シーラーを板材11の間に塗布してもよい。シーラーはリベット継手1の耐水性及び耐食性を高める。さらに、異種金属の接合の場合や、金属とCFRPとの接合の場合は、少なくとも片側の金属板に、リベット接合前に化成処理と塗装を施してもよい。これにより、異種材料間の接触腐食についてもさらに強く抑制し、耐食性を高めることができる。
次に、本発明の別の実施形態に係るリベット継手について説明する。本実施形態に係るリベット継手1は、図2に示されるように、それぞれに貫通孔111を有する、重ねられた複数の板材11と、軸部121が貫通孔111を貫通し、複数の板材11をかしめるリベット12と、を備え、リベット12の軸部121の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さが300HV以上600HV以下である。
複数の板材11の構成は特に限定されない。また、板材11に形成され、リベット12が挿通される貫通孔111の構成も特に限定されない。これらの具体例は、本実施形態に係るリベット継手の製造方法の説明において詳述された通りである。
複数の板材11における貫通孔111の直径(貫通孔111が円形でない場合は、円相当径)は、同一であってもよいし、相違してしてもよい。貫通孔111の大きさに差を設けることにより、応力緩和効果や、リベット12を通す作業の効率化が期待できる。貫通孔111の直径の相違の程度は特に限定されないが、例えば、隣接する板材11における貫通孔111の直径の差が0.3mm~3mmの範囲内であることが好ましい。
リベット12は、その軸部121が貫通孔111を貫通し、且つ、複数の板材11をかしめる部材である。そのため、例えばリベット12は、軸部121の両端に設けられた頭部122及び変形部123を備えてもよい。軸部121は、複数の板材11の貫通孔111に挿通され、頭部122及び変形部123は複数の板材11を挟持し、これにより軸部121は複数の板材11をかしめ接合している。変形部123は、軸部121の先端が潰されることによって形成されている。一方、上述したようにリベット12が、軸部121と、軸部121の両端に設けられた2つの変形部123を有しており、これら変形部123が複数の板材11を挟持してもよい。
リベット12の構成(形状、材質及び表面処理など)の具体例は、本実施形態に係るリベット継手の製造方法の説明において詳述された通りである。即ち、リベット12の炭素量は好ましくは0.08~0.32質量%であり、リベットの炭素当量は好ましくは0.22~0.45質量%である。
リベット12は、その内部に、さらに焼き入れ部124を有する。これにより、リベット12において、軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さが300HV以上600HV以下とされる。このような焼き入れ部124を有するリベット12は、せん断応力に対する抵抗力が高く、従ってリベット継手1のTSSを飛躍的に高めることができる。
焼き入れ部124は、リベット12の軸部において形成される。リベット12の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さが300HV以上600HV以下とされる。リベット12における、軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さは300HV~600HVの範囲内である。軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さを300HV以上とすることにより、TSSを一層高めることができる。一方、軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さを600HV以下とすることにより、過剰な硬化によるリベット12の脆化を一層抑制することができる。
複数の板材11のうち1枚以上が鋼板であってもよい。特に、板材11及びリベット12が高強度鋼(例えば引張強さが980MPa以上の鋼)である場合、リベット継手1の強度を飛躍的に高めることができる。なお、スポット溶接部とは異なり、リベット12は鋼材を脆化させず、従ってCTSの低下を生じさせない。また、通常のリベットとは異なり、本実施形態に係るリベット継手のリベット12は高いTSSを有するので、高強度鋼板の接合に適する。
また、リベット継手1が、少なくとも複数の板材11の間の貫通孔111の周辺に配された接着剤13をさらに有してもよい。リベット継手1が、スポット溶接部、レーザ溶接部、及びアーク溶接部からなる群から選択される一種以上の溶接部をさらに有してもよい。上述したように、複数の接合手段を組み合わせることにより、リベット継手1の継手強度を一層高めることができる。リベット継手1が、複数の板材11の間に配されたシーラーをさらに有してもよい。これによりリベット継手1の耐水性及び耐食性が高められる。また、接着層として、アイオノマーなどの樹脂接着テープを用いても良い。また、リベットの頭部及び/又は変形部を覆うようにシーラーを塗布しても良い。これにより、リベットの頭部及び/又は変形部と、金属又はCFRPとの隙間からの水の侵入を、防ぐことができる。
リベット12と、その他の接合手段とを併用したリベット継手1の例(バンパー)を図5に示す。図5に示されるように、衝突時に負荷される応力が高くなると予想される部位に、本実施形態に係るリベット12(図5における黒丸部分)を用いた接合を行い、その他の箇所では別の接合手段(例えば安価なスポット溶接によって形成されるスポット溶接部2)(図5における白丸部分)を採用してもよい。
本実施形態に係るリベット継手1では、リベット12が、軸部121の両端に配された頭部122及び変形部123を有してもよい。ここで、図6~図8に示されるように、リベット12の軸部121の軸線に平行な断面視において、頭部122及び/又は変形部123の頂面が、軸部121の軸線に沿った方向において、リベット12の近傍の板材11の面から、軸部121から離れる側に向けて0.6mm離れた位置よりも、軸部121側にあってもよい。ここで、板材11の面(外面)とは、板材11において、他の板材と接していない面を意味する。これにより、頭部122及び/又は変形部123が板材11から突出することを抑制し(または、突出部の高さを0.6mm以内に抑制し)、頭部122及び/又は変形部123と、その他の部品との干渉を抑制することができる。
図6および図8の例では、リベット12の変形部123の頂面が、リベット12の近傍の板材の面112(外面)よりも、軸部121側にある。図7の例では、リベット12の頭部122および変形部123の双方の頂面が、リベット12の近傍の板材それぞれに対して、これらの板材の面112(外面)よりも軸部121側にある。ここで、板材の面112(外面)とは、それぞれの板材において、他の板材と接していない方の面を意味する。なお、図6~図8では、頭部122および/又は変形部123の頂面が、リベット12の近傍の板材の面112(外面)よりも軸部121側にあるが、頭部122および/又は変形部123の頂面が最大で0.6mmだけ板材の面112からはみ出していてもよい。即ち、図6~図8において、頭部122および/又は変形部123の頂面が、点線から0.6mm突出したとしても、他の部品との干渉を抑制する効果が得られる。
上述した手法により板材11を接合する前、あるいは、接合してから、板材11をプレス成形することで、頭部122および/又は変形部123の頂面が、軸部121の軸線に沿った方向において、リベット12の近傍の板材11の面112から0.6mm離れた位置よりも、軸部121側にあるようにしてもよい。図6の例では、2枚の板材11のうち変形部123側に配されたものが、リベット12の近傍において、変形部123の側へ変形されている。図7の例では、2つの板材のうち頭部122側にあるものが、リベット12の近傍において頭部122側へ変形され、かつ、2つの板材のうち変形部123側にあるものが、リベット12の近傍において、変形部123側へ変形されている。図8の例では、2枚の板材11のうち変形部123側に配されたものが、リベット12の近傍において変形部123の側へ変形され、かつ、2枚の板材11のうち頭部122側に配されたものが、リベット12の近傍において、他方の板材11に対応して変形されている。なお、図6~図8においては、上述した焼き入れ部124の記載は省略している。また、図6~図8に記載の破線は、板材の面112に一致する面を示す。
本発明の別の態様に係る自動車部品は、本実施形態に係るリベット継手を有する。これにより、本実施形態に係る自動車部品は、高い接合強度を有する。本実施形態に係る自動車部品とは、例えば、衝突安全性を確保するために重要な部材であるバンパー、及びBピラーである。図9に、本実施形態に係る自動車部品の一例であるBピラーの断面図を示す。図10に、本実施形態に係る自動車部品の一例であるバンパーの断面図を示す。また、Aピラー、サイドシル、フロアメンバー、フロントサイドメンバー、リアサイドメンバー、フロントサスタワー、トンネルリンフォース、ダッシュパネル、トルクボックス、シート骨格、シートレール、バッテリーケースのフレームおよびそれらのピラー同士の結合部(Bピラーとサイドシルの結合部、Bピラーとルーフレールの結合部、ルーフクロスメンバーとルーフレールの結合部)を、本実施形態に係る自動車部品としてもよい。
(実施例1)
表1に示す形状、及び表2に示す成分(質量%)を有する鋼製のリベットと、引張強さ2000MPa級のホットスタンプされた高強度鋼板(板厚1.6mm)とを用いて、表3に示された条件(電極の材質は、Cr-Cu合金である。)で種々のリベット継手を作製した。表1には、鋼板の貫通孔の径(下穴径)も合わせて記載した。リベットは、頭部の形が円板状であるものを、下板側に頭部がくるようにセットした。
Figure 0007295487000001
Figure 0007295487000002
Figure 0007295487000003
このようにして得られた種々のリベット継手に対して種々の評価を行った。具体的には、リベットの方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さ(軸硬さ)、リベット継手の引張せん断強さTSS(JIS Z 3136)、及びリベット継手の十字引張強さCTS(JIS Z 3137)を測定した。軸硬さの測定方法は上述した方法とした。TSS及びCTSの測定方法は、上述の規格に準じた。TSSが14.5kN以上であり、且つCTSが11.0kN以上であるリベット継手を、十字引張強さ(CTS)及び引張せん断強さ(TSS)が合格範囲内であるリベット継手と判断した。
また、各リベット継手の硬さも測定した。測定結果を下表に示す。発明範囲外の事項には下線を付した。
Figure 0007295487000004
リベットの軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さ(軸硬さ)を300HV以上600HV以下にした発明例においては、TSS及びCTSが十分に高いリベット継手を得ることができた。一方、軸硬さが不足した比較例B及び比較例Fによって得られたリベット継手においては、CTSがその他発明例と同等であったものの、十分に高いTSSが得られなかった。軸硬さが過剰であった比較例Dにおいては、CTSが、発明例よりも低い水準となった。
(実施例2)
表5に示す形状、及び表2に示す成分(質量%)を有するリベットと、引張強さ2000MPa級のホットスタンプされた高強度鋼板(板厚1.6mm)とを用いて、表3に示された条件で種々のリベット継手を作製した。表5には、鋼板の貫通孔の径(下穴径)も合わせて記載した。リベットは、頭部が円板形で、頭部が下板側にくるようにセットした。なお、番号10のリベットには、挿通作業の前に熱処理を行った。この事前熱処理は、リベット全体を950℃に加熱し、焼き入れし、その後200℃で焼き戻しを行うというものとした。挿通作業前のリベットの硬さを440~465HVとなるようにした。これにより、頭部も含めたリベット全体を硬化させた。
Figure 0007295487000005
このようにして得られた種々のリベット継手の引張せん断強さTSS(JIS Z 3136)、及び十字引張強さCTS(JIS Z 3137)を測定した。測定結果を下表に示す。なお、全てのリベット継手において、軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所の硬さ(軸硬さ)が300HV以上600HV以下の範囲内とされた。
Figure 0007295487000006
表6に示されるように、焼き入れ部が形成されたリベット継手のTSSは、リベットの形状にかかわらず、焼き入れ部を有しないリベット継手のTSSと比べて飛躍的に高められた。
本発明は、十字引張強さ(CTS)及び引張せん断強さ(TSS)が高い接合部を製造可能なリベット継手の製造方法、並びに、CTS及びTSSが高い接合部を有するリベット継手及び自動車部品を提供することができるので、高い産業上の利用可能性を有する。
1 リベット継手
11 板材
111 貫通孔
112 板材の面
12 リベット
121 軸部
122 頭部
123 変形部
124 焼き入れ部
13 接着剤
2 スポット溶接部
A 電極

Claims (18)

  1. 鋼製のリベットの軸部を、重ねられた複数の板材の貫通孔に通すこと、
    前記リベットを、前記リベットの軸方向に一対の電極の間に挟むこと、
    一対の前記電極で、前記リベットを加圧及び通電して、前記軸部の先端を潰すこと、及び、
    前記リベットを冷却し、冷却後の前記リベットの前記軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さを300HV以上600HV以下にすること、
    を備えるリベット継手の製造方法。
  2. 複数の前記板材のうち1枚以上が、引張強さ1180MPa級以上の高強度鋼板であることを特徴とする請求項1に記載のリベット継手の製造方法。
  3. スポット溶接、レーザ溶接、及びアーク溶接からなる群から選択される一種以上の溶接方法によって複数の前記板材を接合すること
    をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のリベット継手の製造方法。
  4. 複数の前記板材の間の、少なくとも前記貫通孔の周辺に接着剤を塗布して、次いで複数の前記板材を重ねること
    をさらに有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法。
  5. 隣接する複数の前記板材における、前記貫通孔の直径の差が0.3mm~3mmの範囲内であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法。
  6. 前記軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の前記箇所における最高到達温度が900℃超であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法。
  7. 前記リベットの炭素量を0.08~0.32質量%とし、
    前記リベットの炭素当量を0.22~0.45質量%とすることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法。
  8. 前記軸部を前記貫通孔に通す前に、前記リベットを加熱することをさらに備える請求項1~7のいずれか一項に記載のリベット継手の製造方法。
  9. それぞれに貫通孔を備える、重ねられた複数の板材と、
    軸部が前記貫通孔を貫通し、前記複数の板材をかしめるリベットと、
    を備え、
    前記リベットの前記軸部の軸方向の中心かつ径方向の中心の箇所のビッカース硬さが300HV以上600HV以下である
    リベット継手。
  10. 複数の前記板材のうち1枚以上が、引張強さ1180MPa級以上の高強度鋼板であることを特徴とする請求項9に記載のリベット継手。
  11. スポット溶接部、レーザ溶接部、及びアーク溶接部からなる群から選択される一種以上の溶接部をさらに有することを特徴とする請求項9又は10に記載のリベット継手。
  12. 複数の前記板材の間の、少なくとも前記貫通孔の周辺に配された接着剤をさらに有することを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載のリベット継手。
  13. 隣接する複数の前記板材における、前記貫通孔の直径の差が0.3mm~3mmの範囲内であることを特徴とする請求項9~12のいずれか一項に記載のリベット継手。
  14. 前記リベットの炭素量が0.08~0.32質量%であり、
    前記リベットの炭素当量が0.22~0.45質量%であることを特徴とする請求項9~13のいずれか一項に記載のリベット継手。
  15. 前記リベットが、前記軸部の両端に配された頭部及び変形部を有し、
    前記リベットの前記軸部の軸線に平行な断面視で、前記頭部及び/又は前記変形部の頂面が、前記軸部の前記軸線に沿った方向において、前記リベットの近傍の前記板材の面から、前記軸部から離れる側に向けて0.6mm離れた位置よりも、前記軸部側にある
    ことを特徴とする請求項9~14のいずれか一項に記載のリベット継手。
  16. 請求項9~15のいずれか一項に記載のリベット継手を備える自動車部品。
  17. バンパー、又はBピラーであることを特徴とする請求項16に記載の自動車部品。
  18. 重ねられた複数の板材の貫通孔に通され、その中央が焼き入れられ、且つ、その先端が潰される軸部を備える鋼製の通電加熱用リベットであって、
    炭素量が0.08~0.32質量%であり、
    炭素当量が0.22~0.45質量%である
    ことを特徴とする通電加熱用リベット。
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