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JP7293647B2 - 炭化タンタル材の製造方法 - Google Patents

炭化タンタル材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭化タンタル材の製造方法に関する。
炭化タンタルは、TaC、TaC等の組成式で表されるタンタルの炭化物であり、その硬度が極めて高いことから、様々な製品や部材の被覆材料として用いられている。
従来、タンタル板をコーティングする方法として、黒鉛製ルツボの内壁にタンタル板を配置し、該タンタル板と接触するように炭素粉末を充填してタンタル板を覆い、その状態で黒鉛製ルツボを加熱してタンタルを炭化させることで、均一な炭化タンタルでタンタル板をコーティングする方法が提案されている(特許文献1)。
また、耐熱黒鉛部材を製造する方法として、炭化タンタル粒子を含むスラリーを等方性黒鉛からなる黒鉛基材の表面に塗布し、スラリーが塗布された黒鉛基材を加熱して炭化タンタル粒子が焼結してなる炭化タンタル膜を形成する方法が提案されている(特許文献2)。
また、SiCやGaNなどの化合物半導体の単結晶形成装置では、1800℃以上の高温を要する昇華法やHTCVD法(高温CVD法)などがしばしば用いられる。また、キャリアガスや原料ガスとして水素、アンモニア、炭化水素ガスなどが一般的に使用される。よって、炭化タンタル被覆炭素材料を上記のような単結晶形成装置の部材として使用した場合、高温化の還元性ガスの影響に因って、炭化タンタル膜を構成する炭化タンタルの結晶構造や結晶性が変化し、クラックや剥離が生じることがある。これを解消するために、炭素基材と、該炭素基材上に形成された炭化タンタルからなる被覆膜とを、1600~2400℃の熱処理に供して被覆膜の炭化タンタルの結晶性を向上させる方法が提案されている(特許文献3)。
更に、タンタル若しくはタンタル合金表面と炭素基板表面とをそれぞれ片面又は両面を重ね合わせた状態で真空熱処理炉内に設置し、タンタル若しくはタンタル合金表面に形成されているTa25を除去した後、真空熱処理炉の炉内温度を更に上昇させて、タンタル若しくはタンタル合金表面と炭素基板表面とを固相拡散分子結合する方法が提案されている(特許文献4)。
特開平11-116399号公報 特開2017-75075号公報 特開2008-308701号公報 特開2008-81362号公報
しかしながら、上記特許文献1~4の技術では、炭化タンタル材の変形が生じる場合があり、炭化タンタル材の平坦性が十分とは言えない。また、一対の黒鉛ガイド部材で挟持されたタンタル材を加熱して炭化タンタル材を得る場合、タンタル膜と一対の黒鉛板との密着性にばらつきが生じることがある。このとき、タンタル材と黒鉛ガイド部材の接触不良箇所で炭化が不十分となり、炭化ムラが生じる結果、炭化タンタル材における炭化タンタルの分布が不均一となる。一方、炭化ムラを防止するために、一対の黒鉛ガイド部材でタンタル材を強く挟持すると接触不良に起因した炭化ムラは抑制できるが圧力によって炭化タンタル材に割れが発生することがある。
本発明の目的は、上記問題に鑑みてなされたものであり、良好な平坦性を実現しつつ、炭化タンタルの分布が均一で、割れが生じ難い炭化タンタル材の製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究の結果、炭素源となる一対の黒鉛ガイド部材でタンタル材を挟持しつつ、他の炭素源を含む炭素源含有ガスの雰囲気下で上記タンタル材を加熱すると、炭化タンタル材の良好な平坦性が得られると共に、炭素源含有ガスに含まれる炭素がタンタル材と黒鉛ガイド部材の接触不良箇所に供給され、当該箇所で炭化が十分に進行し、これにより炭化ムラが抑制されて、炭化タンタル材における炭化タンタルの分布を均一化できることを見出した。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下の通りである。
[1]一対の黒鉛ガイド部材で挟持されたタンタル材を、炭素源含有ガスの雰囲気下で、1500℃以上、0.5時間以上で加熱する、炭化タンタル材の製造方法。
[2]前記一対の黒鉛ガイド部材で挟持された前記タンタル材を準備する工程と、
前記一対の黒鉛ガイド部材で挟持された前記タンタル材と、炭化水素ガス源とを、容器内に設置する工程と、
前記容器内を閉空間とした状態で、前記炭化水素ガス源を加熱して前記炭素源含有ガスを生成すると共に、前記炭素源含有ガスの雰囲気下で前記タンタル材を加熱して、炭化タンタル材を得る工程と、
を有する、上記[1]に記載の炭化タンタル材の製造方法。
[3]前記炭化水素ガス源は、炭化水素を含み、
前記炭化水素は、芳香族炭化水素および脂肪族炭化水素のいずれか又は双方を含む、上記[2]に記載の炭化タンタル材の製造方法。
[4]前記タンタル材の厚さは、0.1mm以上3.0mm以下である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の炭化タンタル膜の製造方法。
[5]前記一対の黒鉛ガイド部材は、一対の黒鉛板である、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の炭化タンタル材の製造方法。
本発明によれば、良好な平坦性を実現しつつ、炭化タンタルの分布が均一で、割れが生じ難い炭化タンタル材を製造することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る炭化タンタル材の製造方法の一例を説明する模式図である。 図2は、本実施形態に係る炭化タンタル材の製造方法を実現する炭化タンタル材の製造装置の一例を示す図である。 図3は、炭化タンタル材の炭化度のばらつきの一例を示すグラフである。 図4は、炭化水素および黒鉛粉を含む混合物の加熱前後におけるトータルイオンクロマトグラム(TIC)の一例を示す図である。 図5は、図4の実施例のうち、質量電荷比(m/z)=91(芳香族炭化水素類)のイオン強度を取り出したマスクロマトグラムを示す図である。 図6は、図4の実施例のうち、質量電荷比(m/z)=41(脂肪族炭化水素類)のイオン強度を取り出したマスクロマトグラムを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る炭化タンタル材の製造方法の一例を説明する模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る炭化タンタル材の製造方法は、一対の黒鉛ガイド部材2,3で挟持されたタンタル材1を、例えばアルゴンガス及び黒鉛紛から得られる炭素源含有ガス4の雰囲気下で、1500℃以上、0.5時間以上で加熱する。
具体的には、先ず、一対の黒鉛ガイド部材2,3で挟持されたタンタル材1を準備する。例えば、黒鉛ガイド部材2、タンタル材および黒鉛ガイド部材3をこの順に平置きして重ね合わせ、上部から錘を設置することで、タンタル材1を一対の黒鉛ガイド部材2,3で挟持することができる。
タンタル材1の厚さは、0.1mm以上3.0mm以下である。厚さが0.1mm未満であるとタンタル材自体の膜の均一性を保つことが難しく、クラックが発生しやすくなり、3.0mmを超えると、厚さ方向に関して炭化タンタル材5の全体を炭化し難くなる。タンタル材1は、膜状体であってもよいし、基板などの板状体であってもよい。タンタル材1は、タンタル(Ta、TaC、TaC)またはタンタル合金で構成される。
一対の黒鉛ガイド部材2,3は、主面2a,3aを有しており、主面2a,3aによってタンタル材1を両側から挟持する。一対の黒鉛ガイド部材2,3の形状は、特に制限は無いが、例えば一対の黒鉛板である。一対の黒鉛板でタンタル材1を両側から挟持するこことで、タンタル材1の平坦性がより良好となる。一対の黒鉛ガイド部材2,3が一対の黒鉛板である場合、黒鉛板の板厚は、1.0mm以上である。また、一対の黒鉛ガイド部材2,3は、等方性黒鉛で構成されるのが好ましい。
一対の黒鉛ガイド部材2,3でタンタル材1を挟持する際、タンタル材1に付加される圧力は、例えば1.0×10N/m以上1.0×10N/m以下である。タンタル材1に付加される圧力が1.0×10N/m未満であると、タンタル材1が炭化により変形しやすくなり、1.0×10N/mを超えると、炭化タンタル材1あるいは後述する炭化タンタル材に割れが生じ易くなる。
次に、一対の黒鉛ガイド部材2,3で挟持されたタンタル材1と、炭化水素ガス源とを、容器内に設置する。
容器は、黒鉛、炭化タンタル(TaC)、炭化ニオブ(NbC)および炭化タングステン(WC)から選択される1または複数の材料で構成されるのが好ましく、例えば黒鉛坩堝である。容器は、例えば容器本体と蓋部とを有し、上記容器本体の開口部を上記蓋部で閉塞あるいは密閉することで、その内部空間を閉空間とすることが可能に構成される。
上記炭化水素ガス源は、炭化水素を含んでいるのが好ましい。炭化水素ガス源は、加熱によって炭化水素ガスを発生し、更には炭素源含有ガスを発生する物質である。
炭化水素は、芳香族炭化水素および脂肪族炭化水素のいずれか又は双方を含むのが好ましい。芳香族炭化水素としては、例えば、ビフェニルやベンゼンなどが挙げられる。脂肪族炭化水素としては、例えば、メタンやノナデカンなどが挙げられる。この炭化水素は、上記黒鉛粉に付着した状態で容器内に設置されてもよいし、黒鉛粉に付着していない状態で容器内に設置されてもよい。
上記炭化水素ガス源は、黒鉛紛を含んで構成されるのが好ましい。黒鉛粉の一次粒径は、特に制限は無いが、例えば100nm以上100μm以下である。また、黒鉛紛の形状も、特に制限は無く、球状、フレーク状、ランダム形状またはこれらの混合物など、様々な形状をとりうる。
次に、上記容器内を閉空間とした状態でアルゴンガスを容器内に導入し、上記炭化水素ガス源を加熱して炭素源含有ガス4を生成すると共に、炭素源含有ガス4の雰囲気下でタンタル材1を加熱して、炭化タンタル材5を得る。このとき、5×10-3g/cm以上の黒鉛紛を用いることが好ましい。
加熱条件としては、1500℃以上、0.5時間以上であるのが好ましく、例えば2000℃、1時間である。加熱方法としては、誘導加熱や抵抗加熱等が挙げられる。また、加熱時の容器内圧力は、1Torr以上700Torr以下であるのが好ましい。容器内圧力を減圧することで炭化水素ガスの発生が促進される。この加熱により、一対の黒鉛ガイド部材2,3内の炭素が、タンタル材1と黒鉛ガイド部材2,3との接触箇所に供給される。また、混合物を構成する炭化水素および黒鉛粉のうちの少なくとも炭化水素がガス化し、容器の閉空間内で炭素源含有ガス4が生成される。この炭素源含有ガス4に含まれる炭素が、一対の黒鉛ガイド部材2,3とタンタル材1とのそれぞれの界面に供給され、特に、タンタル材1と黒鉛ガイド部材2,3との接触不良箇所に供給される。その結果、炭化タンタル材5の一方の主面5aの面内方向において炭化タンタルの分布を均一にすることができ、また、他方の主面5bの面内方向においても炭化タンタルの分布を均一にすることができる。更には、炭化タンタル材5の内部にも炭化ムラが生じ難くなり、炭化タンタル材5の全体を炭化タンタルで構成することができる。
炭素源含有ガス4を生成する工程は、タンタル材1を加熱する工程と同じタイミングで行われるのが好ましいが、炭素源含有ガス4を生成する工程の後、タンタル材1を加熱する工程が行われてもよい。また、炭素源含有ガス4が生成される容器は、タンタル材1が加熱される容器と同じであるのが好ましいが、異なっていてもよい。すなわち、炭素源含有ガス4を他の容器で生成した後、タンタル材1が加熱される容器に炭素源含有ガス4を導入してもよい。
上記製造方法によって得られる炭化タンタル材5の厚さは、0.1mm以上3mm以下である。炭化タンタル材5の炭化度(炭化タンタルにおけるタンタルと炭素の比率)は、例えば1:0.5~1である。炭化タンタル材5は、膜状体であるが、基板などの板状体であってもよい。この炭化タンタル材5は、SiC単結晶製造装置の構成部材として用いることができ、例えば、原料を充填する黒鉛ルツボやヒーターの保護材として用いることができる。あるいは、炭化タンタル材5は、基板のコーティング材に用いることもできる。
図2は、本実施形態に係る炭化タンタル材の製造方法を実現する炭化タンタル材の製造装置の一例を示す図である。
図2において、炭化タンタル材の製造装置10は、例えば、一対の黒鉛ガイド部材2,3で挟持されたタンタル材1と黒鉛紛4aとを収容する坩堝11と、一対の黒鉛ガイド部材2,3およびタンタル材1で構成される積層体6上に載置される錘12と、坩堝11の側方に配置されたヒーター13と、坩堝11およびヒーター13を覆って外装された断熱部材14と、断熱部材14に外装されたチャンバー15とを備える。
坩堝11は、例えば黒鉛坩堝であり、錘12は、例えば黒鉛塊である。また、ヒーター13は、例えば黒鉛ヒーター、断熱部材14は、例えばカーボン断熱材である。この製造装置10では、外部からアルゴンガスなどの不活性ガスを坩堝11内に供給することができると共に、坩堝11の内部空間を閉空間とすることが可能に構成されている。
このような製造装置を用いてタンタル板材を加熱することで、一対の黒鉛ガイド部材2,3で挟持されたタンタル材1を、炭素源含有ガスの雰囲気下で、所定の温度条件で加熱することが可能となる。
図3は、炭化タンタル材の炭化度のばらつきの一例を示すグラフである。実施例として、φ250mmの黒鉛坩堝内に、厚み2mmの一対の黒鉛板で挟まれた面積0.01mのタンタル板材を設置し、一対の黒鉛板およびタンタル板材で構成される積層体に、約200gの黒鉛製の錘を載置した。次いで、黒鉛坩堝内に100gの黒鉛紛を設置し、抵抗加熱炉を用いて、2300℃以下で約2時間、加熱した。炉内圧力は、アルゴン雰囲気下で100Torr以上とした。また、比較例として、黒鉛坩堝内に100gの黒鉛紛を設置しなかったこと以外は、実施例と同様の条件でタンタル板材を加熱した。
その結果、図3に示すように、炭化水素および黒鉛粉を含む混合物を容器内に設置した状態でタンタル材を加熱した場合、加熱後の炭化タンタル材の質量をGc、加熱前のタンタル材の質量をGtとしたとき、重量増加率{(Gc-Gt)/Gt×100}が1.8%~2.3%の範囲内にほぼ収まっている。これはタンタル材が取り込んだ炭素の量が安定していることを示唆している。一方、比較例として、上記混合物を容器内に設置せずにタンタル材を加熱した場合、重量増加率が1%~2.1%の広範囲に及んでおり、ばらつきが大きいことを示唆している。このことから、炭化水素および黒鉛粉を含む混合物を容器内に設置した状態でタンタル材を加熱した場合、炭化タンタル材の重量増加率のばらつきが小さい傾向にあり、タンタル材と一対の黒鉛ガイド部材との接触状態の影響が小さく、タンタル材の炭化がほぼ一様に行われたと推察される。
上記混合物を構成する黒鉛粉がタンタル材の炭化あるいは炭化ムラの抑制に寄与しているか否かは明らかでないが、黒鉛粉が昇華している状態であれば、黒鉛粉から生じる炭素ガスが炭素源となり、タンタル材の炭化あるいは炭化ムラの抑制に直接的に寄与しうると推察される。また、黒鉛紛が昇華していない状態であれば、炭化水素が付着した黒鉛紛が容器内で対流することで、炭化水素からの炭素源含有ガスの発生が促進されることから、タンタル材の炭化あるいは炭化ムラの抑制に間接的に寄与しうると推察される。
図4は、炭化水素および黒鉛粉を含む混合物の加熱前後におけるトータルイオンクロマトグラム(TIC)の一例を示す図である。図4では、実施例として、10mgの黒鉛紛を、50℃から1000℃まで、45分間で加熱した場合を示す。分析には、マルチショット・パイロライザー(フロンティア・ラボ社製、製品名「PY-3030D」)を用いた。
図4に示すように、混合物を1000℃まで加熱することによって得られたピーク強度は、混合物を加熱する前のピーク強度に比べて格段に小さいことが分かる。この結果から、タンタル材を上記加熱条件で加熱した際には、混合物を構成する炭化水素および黒鉛粉のうち、少なくとも炭化水素がガス化し、混合物から分離していると考えられる。
図5は、図4の実施例のうち、質量電荷比(m/z)=91(芳香族炭化水素類)のイオン強度を取り出したマスクロマトグラムを示す図である。
図5に示すように、質量電荷比(m/z)=91のピークから、混合物を構成する炭化水素には芳香族炭化水素が含まれており、また、混合物の加熱後のイオン強度は、混合物の加熱前のイオン強度に比べて格段に小さいことが分かる。この結果から、混合物とタンタル材を上記加熱条件で加熱した際には、混合物を構成する炭化水素のうち、芳香族炭化水素が炭素含有ガスとなって混合物から分離していると推察される。複数の化合物が含まれていたため化合物の種類を特定することはできなかったが、類似度の高いものとして2,2’,5,5’-テトラメチルビフェニル、3,5,3’,5’-テトラメチルビフェニルが挙げられた。
図6は、図4の実施例のうち、質量電荷比(m/z)=41(脂肪族炭化水素類)のイオン強度を取り出したマスクロマトグラムを示す図である。
図6に示すように、質量電荷比(m/z)=41のピークから、混合物を構成する炭化水素には脂肪族炭化水素が含まれており、また、混合物の加熱後のイオン強度は、混合物の加熱前のイオン強度に比べて格段に小さいことが分かる。この結果から、脂肪族炭化水素も、芳香族炭化水素と同様、炭素含有ガスとなって混合物から分離していると推察することができる。こちらも複数の化合物が含まれていたため化合物の種類を特定することはできなかったが、類似度の高いものとしてノナデカン、1-ヨード-2-メチルウンデカンが挙げられた。
上述したように、本実施形態によれば、一対の黒鉛ガイド部材で挟持されたタンタル材を、炭素源含有ガスの雰囲気下で、1500℃以上、0.5時間以上で加熱するので、一対の黒鉛ガイド部材から炭素が供給されると共に、炭素源含有ガスから炭素が供給される。これにより、タンタル材と黒鉛ガイド部材の接触箇所と接触不良箇所の双方でタンタル材を炭化することができ、炭化タンタル材の面内方向に関して炭化タンタルの分布を均一にすることができる。また、一対の黒鉛ガイド部材で挟持しながら加熱するので、タンタル材が平坦化される。よって、良好な平坦性を実現しつつ、炭化タンタルの分布が均一で、割れが生じ難い炭化タンタル材を製造することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 タンタル材
2 黒鉛ガイド部材
2a 主面
3 黒鉛ガイド部材
3a 主面
4 炭素源含有ガス
4a 黒鉛紛
5 炭化タンタル材
5a 主面
5b 主面
6 積層体
11 坩堝
12 錘
13 ヒーター
14 断熱部材
15 チャンバー

Claims (5)

  1. 一対の黒鉛ガイド部材で挟持されたタンタル材を、炭素源含有ガスの雰囲気下で、1500℃以上、0.5時間以上で加熱して、前記タンタル材の全体を炭化させる、炭化タンタル材の製造方法。
  2. 前記一対の黒鉛ガイド部材で挟持された前記タンタル材を準備する工程と、
    前記一対の黒鉛ガイド部材で挟持された前記タンタル材と、炭化水素ガス源とを、容器内に設置する工程と、
    前記容器内を閉空間とした状態で、前記炭化水素ガス源を加熱して前記炭素源含有ガスを生成すると共に、前記炭素源含有ガスの雰囲気下で前記タンタル材を加熱して、炭化タンタル材を得る工程と、
    を有する、請求項1に記載の炭化タンタル材の製造方法。
  3. 前記炭化水素ガス源は、炭化水素を含み、
    前記炭化水素は、芳香族炭化水素および脂肪族炭化水素のいずれか又は双方を含む、請求項2に記載の炭化タンタル材の製造方法。
  4. 前記タンタル材の厚さは、0.1mm以上3.0mm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の炭化タンタル材の製造方法。
  5. 前記一対の黒鉛ガイド部材は、一対の黒鉛板である、請求項1~4のいずれか1項に記載の炭化タンタル材の製造方法。
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