本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「CAPACITIVE COUPLED RETURN PATH PAD WITH SEPARABLE ARRAY ELEMENTS」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8542USNP/170755、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP/170760、
・「SYSTEMS FOR ADJUSTING END EFFECTOR PARAMETERS BASED ON PERIOPERATIVE INFORMATION」と題する米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP1/170760-1、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP2/170760-2、
・「SAFETY SYSTEMS FOR SMART POWERED SURGICAL STAPLING」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP3/170760-3、
・「SURGICAL SYSTEMS FOR DETECTING END EFFECTOR TISSUE DISTRIBUTION IRREGULARITIES」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP4/170760-4、
・「SYSTEMS FOR DETECTING PROXIMITY OF SURGICAL END EFFECTOR TO CANCEROUS TISSUE」と題する米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP5/170760-5、
・「SURGICAL INSTRUMENT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLIES」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP6/170760-6、
・「VARIABLE OUTPUT CARTRIDGE SENSOR ASSEMBLY」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8543USNP7/170760-7、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8544USNP/170761、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE CIRCUIT」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8544USNP1/170761-1、
・「SURGICAL INSTRUMENT WITH A TISSUE MARKING ASSEMBLY」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8544USNP2/170761-2、
・「SURGICAL SYSTEMS WITH PRIORITIZED DATA TRANSMISSION CAPABILITIES」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8544USNP3/170761-3、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8545USNP/170762、
・「SURGICAL EVACUATION SENSOR ARRANGEMENTS」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8545USNP1/170762-1、
・「SURGICAL EVACUATION FLOW PATHS」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8545USNP2/170762-2、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND GENERATOR CONTROL」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8545USNP3/170762-3、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8546USNP/170763、
・「SMOKE EVACUATION SYSTEM INCLUDING A SEGMENTED CONTROL CIRCUIT FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8546USNP1/170763-1
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8547USNP/170764、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する、米国特許出願第_______号、代理人整理番号、END8548USNP/170765。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年6月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「A METHOD OF USING REINFORCED FLEX CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS WITH ELECTROSURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/691,228号、
・「CONTROLLING A SURGICAL INSTRUMENT ACCORDING TO SENSED CLOSURE PARAMETERS」と題する米国仮特許出願第62/691,227号、
・「SURGICAL INSTRUMENT HAVING A FLEXIBLE ELECTRODE」と題する米国仮特許出願第62/691,230号、
・「SURGICAL EVACUATION SENSING AND MOTOR CONTROL」と題する米国仮特許出願第62/691,219号、
・「COMMUNICATION OF SMOKE EVACUATION SYSTEM PARAMETERS TO HUB OR CLOUD IN SMOKE EVACUATION MODULE FOR INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/691,257号、
・「SURGICAL EVACUATION SYSTEM WITH A COMMUNICATION CIRCUIT FOR COMMUNICATION BETWEEN A FILTER AND A SMOKE EVACUATION DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/691,262号、及び
・「DUAL IN-SERIES LARGE AND SMALL DROPLET FILTERS」と題する米国仮特許出願第62/691,251号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,641号、
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH CONDITION HANDLING OF DEVICES AND DATA CAPABILITIES」と題する米国特許出願第15/940,648号、
・「SURGICAL HUB COORDINATION OF CONTROL AND COMMUNICATION OF OPERATING ROOM DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,656号、
・「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題する米国特許出願第15/940,666号、
・「COOPERATIVE UTILIZATION OF DATA DERIVED FROM SECONDARY SOURCES BY INTELLIGENT SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,670号、
・「SURGICAL HUB CONTROL ARRANGEMENTS」と題する米国特許出願第15/940,677号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国特許出願第15/940,632号、
・「COMMUNICATION HUB AND STORAGE DEVICE FOR STORING PARAMETERS AND STATUS OF A SURGICAL DEVICE TO BE SHARED WITH CLOUD BASED ANALYTICS SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,640号、
・「SELF DESCRIBING DATA PACKETS GENERATED AT AN ISSUING INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/940,645号、
・「DATA PAIRING TO INTERCONNECT A DEVICE MEASURED PARAMETER WITH AN OUTCOME」と題する米国特許出願第15/940,649号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国特許出願第15/940,654号、
・「SURGICAL SYSTEM DISTRIBUTED PROCESSING」と題する米国特許出願第15/940,663号、
・「AGGREGATION AND REPORTING OF SURGICAL HUB DATA」と題する米国特許出願第15/940,668号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国特許出願第15/940,671号、
・「DISPLAY OF ALIGNMENT OF STAPLE CARTRIDGE TO PRIOR LINEAR STAPLE LINE」と題する米国特許出願第15/940,686号、
・「STERILE FIELD INTERACTIVE CONTROL DISPLAYS」と題する米国特許出願第15/940,700号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国特許出願第15/940,629号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国特許出願第15/940,704号、
・「CHARACTERIZATION OF TISSUE IRREGULARITIES THROUGH THE USE OF MONO-CHROMATIC LIGHT REFRACTIVITY」と題する米国特許出願第15/940,722号、及び
・「DUAL CMOS ARRAY IMAGING」と題する米国特許出願第15/940,742号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,636号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL HUBS」と題する米国特許出願第15/940,653号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国特許出願第15/940,660号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR LINKING OF LOCAL USAGE TRENDS WITH THE RESOURCE ACQUISITION BEHAVIORS OF LARGER DATA SET」と題する米国特許出願第15/940,679号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR MEDICAL FACILITY SEGMENTED INDIVIDUALIZATION OF INSTRUMENT FUNCTION」と題する米国特許出願第15/940,694号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国特許出願第15/940,634号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国特許出願第15/940,706号、及び
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国特許出願第15/940,675号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月29日出願の以下の米国特許出願を所有する。
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,627号、
・「COMMUNICATION ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,637号、
・「CONTROLS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,642号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,676号、
・「CONTROLLERS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,680号、
・「COOPERATIVE SURGICAL ACTIONS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,683号、
・「DISPLAY ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,690号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国特許出願第15/940,711号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月28日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS WITH ENCRYPTED COMMUNICATION CAPABILITIES」と題する米国仮特許出願第62/649,302号、
・「DATA STRIPPING METHOD TO INTERROGATE PATIENT RECORDS AND CREATE ANONYMIZED RECORD」と題する米国仮特許出願第62/649,294号、
・「SURGICAL HUB SITUATIONAL AWARENESS」と題する米国仮特許出願第62/649,300号、
・「SURGICAL HUB SPATIAL AWARENESS TO DETERMINE DEVICES IN OPERATING THEATER」と題する米国仮特許出願第62/649,309号、
・「COMPUTER IMPLEMENTED INTERACTIVE SURGICAL SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第62/649,310号、
・「USE OF LASER LIGHT AND RED-GREEN-BLUE COLORATION TO DETERMINE PROPERTIES OF BACK SCATTERED LIGHT」と題する米国仮特許出願第62/649,291号、
・「ADAPTIVE CONTROL PROGRAM UPDATES FOR SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,296号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR CUSTOMIZATION AND RECOMMENDATIONS TO A USER」と題する米国仮特許出願第62/649,333号、
・「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS FOR SECURITY AND AUTHENTICATION TRENDS AND REACTIVE MEASURES」と題する米国仮特許出願第62/649,327号、
・「DATA HANDLING AND PRIORITIZATION IN A CLOUD ANALYTICS NETWORK」と題する米国仮特許出願第62/649,315号、
・「CLOUD INTERFACE FOR COUPLED SURGICAL DEVICES」と題する米国仮特許出願第62/649,313号、
・「DRIVE ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,320号、
・「AUTOMATIC TOOL ADJUSTMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,307号、及び
・「SENSING ARRANGEMENTS FOR ROBOT-ASSISTED SURGICAL PLATFORMS」と題する米国仮特許出願第62/649,323号。
本願の出願人は、各開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2018年4月19日出願の以下の米国仮特許出願を所有する。
・「METHOD OF HUB COMMUNICATION」と題する米国仮特許出願第62/659,900号。
外科用装置及び発生器の様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の具現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
エネルギー装置及び排煙
本開示は、手術部位から煙並びに/又は他の流体及び/若しくは微粒子を排出するためのエネルギー装置及びインテリジェント外科用排出システムに関する。煙は、1つ以上のエネルギー装置を利用する外科処置中に発生することが多い。エネルギー装置は、エネルギーを使用して、組織に影響を及ぼす。エネルギー装置では、エネルギーは、発生器によって供給される。エネルギー装置としては、1つ以上の高周波(radio frequency、RF)電極を有する電気外科用装置などの組織接触電極を有する装置、及び超音波ブレードを有する超音波装置などの振動表面を有する装置が挙げられる。電気外科用装置に関して、発生器は、振動電流を発生させて、電極に通電するように構成されている。超音波装置に関して、発生器は、超音波振動を発生させて、超音波ブレードに通電するように構成されている。発生器については、本明細書で更に説明する。
超音波エネルギーは、凝固及び組織を切断するために利用することができる。超音波エネルギーは、組織と接触するエネルギー送達表面(例えば、超音波ブレード)を振動させることによって組織を凝固及び切断する。超音波ブレードは、振動エネルギーを超音波変換器から伝達する導波路に連結することができ、超音波変換器は、機械的振動を生成し、発生器によって電力供給される。高周波(例えば、毎秒55,500回)で振動することにより、超音波ブレードは、ブレードと組織との間、すなわち、組織内のタンパク質を変性させて粘着性の凝塊を形成する、ブレード-組織界面で、摩擦及び熱を発生させる。ブレード表面によって組織に及ぼされる圧力により、血管が崩壊され、凝塊が止血封止を形成することを可能にする。切断及び凝固の精度は、例えば、臨床医の技術によって、並びに電力レベル、ブレードの刃、組織牽引、及びブレード圧力を調整することによって制御することができる。
超音波外科用器具は、このような器具の特殊な性能特性によって、外科手技におけるますます広範囲にわたる用途が見出されている。特定の器具構成及び動作パラメータに応じて、超音波外科用器具は、組織の切断及び凝固による止血を実質的に同時にもたらすことができ、望ましくは、患者の外傷を最小限に抑えることができる。切断動作は、典型的には、超音波器具の遠位端においてエンドエフェクタ又はブレード先端によって実現される。超音波エンドエフェクタは、超音波エネルギーをエンドエフェクタと接触させた組織に伝達する。このような性質の超音波器具は、例えば、ロボット支援手術を含む開腹手術用途、腹腔鏡手術又は内視鏡手術用に構成することができる。
電気エネルギーもまた、凝固及び/又は切断のために利用することができる。電気外科用装置は、典型的には、ハンドピースと、遠位端に取り付けられたエンドエフェクタ(例えば、1つ以上の電極)を有する器具と、を含む。エンドエフェクタは、組織に電流が導入されるように組織に対して及び/又は隣接して配置することができる。電気外科手術は、広く使用され、凝固及び切断の両方のための単一の外科器具の使用を含む、多くの利点をもたらす。
電気外科用装置の電極又はチップは、焼灼によって組織を凝固させる及び/又は切断する外科的効果を生み出すために、高電流密度を有する高周波電流を発生させるように、患者との接触点においては小さいものとなっている。戻り電極は、同じ高周波信号を、患者を通過した後、電気外科用発生器に戻して搬送し、したがって、RF信号のための戻り経路を提供する。
電気外科用装置は、双極又は単極動作用に構成することができる。双極動作中、電流はそれぞれ、エンドエフェクタの作動電極によって組織に導入され、エンドエフェクタの戻り電極によって組織から戻される。単極動作中、電流は、エンドエフェクタの活性電極によって組織に導入され、患者の身体に又は身体に対して別個に位置する戻り電極(例えば、接地パッド)を介して戻される。組織を流れる電流によって生成される熱は、組織内及び/又は組織間の止血封止を形成する場合があり、したがって、例えば、血管を封止するために特に有用な場合がある。電気外科用装置のエンドエフェクタは、組織を離断するための、組織及び電極に対して移動可能な切断部材も含み得る。
印加中、電気外科用装置は、組織を通じて低周波数RF電流を伝達することができ、これはイオン撹拌又は摩擦(即ち抵抗加熱)を生じさせ、これによって組織の温度を上昇させる。罹患組織と周囲組織との間に境界が作り出されるため、臨床医は、隣接する非標的組織を犠牲にすることなく、高レベルの正確性及び制御で手術することができる。RFエネルギーの低動作温度は、軟組織を除去、収縮、又は成形しながら、同時に血管を封止するために有用である。RFエネルギーは、主にコラーゲンから構成されかつ熱に接触した際に収縮する、結合組織に対して特に良好に作用することができる。他の電気外科用器具として、限定はしないが、とりわけ、不可逆性及び/若しくは可逆性電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波技術が挙げられる。本明細書で開示する技術は、とりわけ、超音波、双極及び/若しくは単極のRF(電気外科的)、不可逆性及び/若しくは可逆性電気穿孔、並びに/又はマイクロ波に基づく外科用器具に適用可能である。
電気外科用装置によって印加された電気エネルギーは、発生器から器具に伝達することができる。発生器は、組織に影響を及ぼすために電極に伝達される振動電流からなる高周波波形に電気を変換するように構成されている。電流は、組織を通過して、組織を症灼(組織に対する電流アークが組織炭化を生成する凝固の形態)、乾燥(細胞の水を追い出す直接エネルギー印加)、及び/又は切断(細胞液を気化させて細胞爆発を引き起こす間接エネルギー印加)する。電流に対する組織の応答は、組織の抵抗、組織を通過する電流密度、電力出力、及び電流印加の持続時間の関数である。特定の例では、本明細書に更に記載されるように、電流波形は、異なる手術機能に影響を及ぼすように、及び/又は異なる特性の組織に適応するように調整することができる。例えば、異なる種類の組織-血管組織、神経組織、筋肉、皮膚、脂肪、及び/又は骨は、同じ波形に対して異なって反応することがある。
電気エネルギーは、EN60601-2-2:2009+A11:2011,Definition201.3.218-HIGH FREQUENCYに記載される周波数範囲内であり得るRFエネルギーの形態であってもよい。例えば、単極RF用途における周波数は、典型的には、高周波漏れ電流に関連する問題を最小限に抑えるために、5MHz未満に制限される。200kHz超の周波数は、典型的には、低周波数の電流の使用から生じる神経及び筋肉の不必要な刺激を避けるために、モノポーラ用途に使用され得る。
双極RF用途において、周波数は、ほぼどのような周波数であってもよい。リスク分析が、神経筋刺激の可能性が許容可能なレベルにまで緩和されたと示す場合などの特定の例では、より低い周波数を双極技術に使用することができる。一般に、10mAが、組織への熱効果の下側閾値であると認識されている。双極技術の場合には、より高い周波数を使用することもできる。
特定の例では、発生器は、デジタル的に出力波形を生成して、外科用装置に提供し、これにより、外科用装置が種々の組織効果のために波形を利用することができるように構成することができる。発生器は、単極発生器、双極発生器、及び/又は超音波発生器であってもよい。例えば、単一の発生器は、単極装置、双極装置、超音波装置、又は複合型電気外科/超音波装置にエネルギーを供給することができる。発生器は、波形整形を介して組織特異的効果を促進することができ、かつ/又はRFエネルギー及び超音波エネルギーを同時に及び/若しくは順次、単一の外科用器具若しくは複数の外科用器具に駆動することができる。
一例では、外科システムは、超音波外科用器具、RF電気外科用器具、及び複合型超音波/RF電気外科用器具を含む、発生器及びそれと共に使用可能な様々な外科用器具を含むことができる。発生器は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2016年9月14日出願の「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国特許出願第15/265,279号(現在は米国特許出願公開第2017/0086914号)に更に記載されているように、様々な外科用器具と共に使用するように構成可能であってもよい。
本明細書に記載されるように、組織を切断する及び/又は血管を焼灼する医療処置は、多くの場合、発生器によって生成され、臨床医によって操作される電極を介して患者の組織に伝達されるRF電気エネルギーを利用することによって行われる。電極は、電極に隣接した患者の身体の細胞質に放電を送達する。この放電が細胞質を加熱させて、組織を切断する、及び/又は血管を焼灼する。
電気外科手術に伴う高温は、電極に隣接した組織の熱壊死を引き起こし得る。電気外科手術に伴う高温に組織が曝露される時間がより長いと、組織が熱壊死を起こす可能性がより高くなる。特定の例では、組織の熱壊死は、組織を切断する速度を低下させ、切断部位から離れて位置する組織への熱損傷の発生率を増加させるだけでなく、術後の合併症、焼痂生成及び治癒時間を増加させる可能性がある。
RFエネルギー放電の集中は、電極が組織を切断することができる効率、及び切断部位から離れた組織損傷の可能性の両方に影響を及ぼす。標準的な電極形状では、RFエネルギーは、意図される切開部位に隣接する比較的大きい領域にわたって均一に分布する傾向がある。RFエネルギー放電の概ね均一な分布は、周囲組織への外来電荷損失の可能性を増加させ、これは、周囲組織における望ましくない組織損傷の可能性を増加させ得る。
典型的な電気外科用発生器は、様々な動作周波数のRF電気エネルギー及び出力電力レベルを生成する。発生器の特定の動作周波数及び電力出力は、使用される特定の電気外科用発生器及び電気外科処置中の医師の必要性に基づいて変動する。特定の動作周波数及び電力出力レベルは、臨床医又は他の手術室職員によって発生器上で手動で調整することができる。これらの種々の設定を適切に調整するには、臨床医又は他の職員の膨大な知識、スキル、及び注意を要する。臨床医が発生器上の様々な設定に対して所望の調整を行うと、発生器は、電気外科手術中にそれらの出力パラメータを維持することができる。一般に、電気外科手術に使用される波形発生器は、切断モードで1~300W及び凝固モードで1~120Wの範囲の出力電力、並びに300~600kHzの範囲の周波数を有するRF波を生成するように適合されている。典型的な波形発生器は、電気外科手術中に選択された設定を維持するように適合されている。例えば、臨床医が発生器の出力電力レベルを50Wに設定し、次いで電極を患者に接触させて電気外科手術を実施した場合、発生器の電力レベルは、急速に上昇し、50Wに維持されることになる。電力レベルを50Wなどの特定の設定に設定すると、臨床医が患者の組織を切断することを可能にすることになるが、そのような高電力レベルを維持することにより、患者の組織の熱壊死の可能性を増加させる。
いくつかの形態では、発生器は、RFエネルギー放電の集中を増加させる電極に関連して電気外科手術を効果的に実行するのに十分な電力を提供し、同時に望ましくない組織損傷を制限し、術後合併症を低減し、より迅速な治癒を促進するように構成されている。例えば、発生器からの波形は、外科処置全体にわたって制御回路によって最適化することができる。しかし、本明細書において特許請求される主題は、いずれかの不利益を解消する、又は上述したものなどの環境においてのみ動作する態様に限定されるものではない。むしろ、この背景技術は単に、本明細書に記載されるいくつかの態様が実施され得る、技術分野の一例を例示するために提示される。
本明細書で提供されるように、エネルギー装置は、組織を治療するために(例えば、標的組織内及び/又は標的組織付近で、組織を切断する、血管を焼灼する、及び/又は組織を凝固させるために)標的組織に機械的及び/又は電気エネルギーを送達する。組織の切断、焼灼、及び/又は凝固により、流体及び/又は微粒子が空気中に放出されることになり得る。外科処置中に放出されるそのような流体及び/又は微粒子は、例えば、空気中に浮遊する炭素粒子及び/又は他の粒子を含み得る、煙を構成することがある。換言すれば、流体は、煙及び/又は他の流体物質を含み得る。内視鏡及び切開手術の約90%は、なんらかのレベルの煙を発生させる。煙は、臨床医(単数又は複数)、助手(単数又は複数)、及び/又は患者(単数又は複数)の嗅覚にとって不快であることがあり、手術部位の臨床医(単数又は複数)の視界を遮る場合があり、特定の例では吸入すると健康に悪い場合がある。例えば、電気外科処置中に発生した煙は、アクロレイン、アセトニトリル、アクリロニトリル、アセチレン、アルキルベンゼン、ベンゼン、ブタジエン、ブテン、一酸化炭素、クレオソール、エタン、エチレン、ホルムアルデヒド、フリーラジカル、シアン化水素、イソブテン、メタン、フェノール、多環芳香族炭化水素、プロペン、プロピレン、ピリデン、ピロール、スチレン、トルエン、及びキシレン、並びに死んだ及び生きている細胞物質(血液断片を含む)、及びウイルスを含む、有毒化学物質を含有することがある。外科的煙中に特定されている特定の物質は、既知の発癌性物質として特定されている。電気外科処置中に焼灼された1グラムの組織は、フィルタの付いていないタバコ6本の毒性物質及び発癌性物質と同等であり得ることが推定される。加えて、電気外科処置中に放出された煙への曝露は、医療従事者に眼及び肺の炎症を引き起こすことが報告されている。
外科的煙中の物質に関連する毒性及び臭気に加えて、外科的煙中の粒子状物質のサイズは、臨床医(単数又は複数)、助手(単数又は複数)、及び/又は患者(単数又は複数)の呼吸器系に有害であり得る。特定の例では、微粒子は、非常に小さいことがある。特定の例では、非常に小さな粒子状物質の繰り返し吸入は、急性及び慢性の呼吸状態をまねく場合がある。
多くの電気外科システムは、外科処置から生じる煙を捕捉し、捕捉された煙をフィルタ及び排気ポートを介して臨床医(単数又は複数)及び/又は患者から離れる方向に向ける、外科用排出システムを用いる。例えば、排出システムは、電気外科処置中に発生する煙を排出するように構成することができる。読者は、そのような排出システムを「排煙システム」と呼ぶことができるが、そのような排出システムは、手術部位から煙のみを排出するのではないように構成することができることを理解するであろう。本開示全体をとおして、排出システムによって排出される「煙」は、単に煙に限定されない。むしろ、本明細書に開示される排煙システムは、液体、ガス、蒸気、煙、水蒸気、又はそれらの組み合わせを含む様々な流体を排出するために使用することができる。流体は、生物由来であってもよく、かつ/又は処置中に外部供給源から手術部位に導入することができる。流体としては、例えば、水、生理食塩水、リンパ液、血液、滲出液、及び/又は化膿性排出物を挙げることができる。更に、流体は、排出システムによって排出される微粒子又は他の物質(例えば、細胞質又は破片)を含むことができる。例えば、そのような微粒子は、流体中に浮遊することがある。
排出システムは、多くの場合、ポンプ及びフィルタを含む。ポンプは、フィルタの中へと煙を引き込む吸引を発生させる。例えば、吸引は、手術部位から導管開口部に、排出導管を通って、排出システムの排出器ハウジング内に煙を引き込むように構成することができる。外科用排出システム50000の排出器ハウジング50018を図1に示す。本開示の一態様では、ポンプ及びフィルタは、排出器ハウジング50018内に配置される。排出器ハウジング50018内に引き込まれた煙は、吸引導管50036を介してフィルタに移動し、有害な毒性物質及び不快な臭気は、フィルタを通って移動する際に煙から濾過される。吸引導管は、例えば、真空導管及び/若しくは排出導管並びに/又は真空管及び/若しくは排出管とも呼ばれることがある。次いで、濾過された空気は、排気として外科用排出システムを出ることができる。特定の例では、本明細書に開示される様々な排出システムはまた、手術部位などの所望の位置に流体を送達するように構成することができる。
ここで図2を参照すると、排出器ハウジング50018(図1)からの吸引導管50036は、ハンドピース50032などのハンドピースで終端してもよい。ハンドピース50032は、電極チップ50034と、電極チップ50034付近の及び/又は電極チップ50034に隣接する排出導管開口部とを含む電気外科用器具を備える。排出導管開口部は、外科処置中に放出される流体及び/又は微粒子を捕捉するように構成されている。そのような例では、排出システム50000は、電気外科用器具50032に一体化される。更に図2を参照すると、煙Sは、吸引導管50036内に引き込まれている。
特定の例では、排出システム50000は、導管開口部を備え、かつシステム内に煙を吸引するように構成された、別個の外科用ツールを含むことができる。更に他の例では、排出導管及び開口部を備えるツールは、図3に示すような電気外科用ツール上にスナップ嵌めすることができる。例えば、吸引導管51036の一部分は、電極チップ51034の周りに(又はそれに隣接して)配置されてもよい。一例では、吸引導管51036は、クリップ又は他の締結具を有する電極チップ51034を備える電気外科用ツールのハンドピース51032に解除可能に固定されてもよい。
排出器ハウジング50518の様々な内部構成要素を図4に示す。様々な例では、図4の内部構成要素はまた、図1の排出器ハウジング50018に組み込むことができる。主に図4を参照すると、排出システム50500は、排出器ハウジング50518と、フィルタ50502と、排気機構50520と、ポンプ50506と、を含む。排出システム50500は、入口ポート50522及び出口ポート50524を有する排出器ハウジング50518を通る流路50504を画定する。フィルタ50502、排気機構50520、及びポンプ50506は、入口ポート50522と出口ポート50524との間の排出器ハウジング50518を通って流路50504と一列に連続して配置される。入口ポート50522は、例えば、図1の吸引導管50036などの吸引導管に流体連結することができ、吸引導管は、手術部位に配置可能な遠位導管開口部を備えることができる。
ポンプ50506は、機械的動作によって流路50504内に圧力差を生成するように構成されている。圧力差は、手術部位から入口ポート50522内へ、かつ流路50504に沿って煙50508を引き込むように構成されている。煙50508がフィルタ50502を通って移動した後、煙50508は、濾過された煙又は空気50510であると考えることができ、これは、流路50504を通って進み続け、出口ポート50524を通って排出される。流路50504は、第1のゾーン50514と、第2のゾーン50516と、を含む。第1のゾーン50514は、ポンプ50506から上流にある。第2のゾーン50516は、ポンプ50506から下流にある。ポンプ50506は、第2のゾーン50516内の流体が第1のゾーン50514内の流体よりも高い圧力を有するように、流路50504内の流体を加圧するように構成されている。モータ50512がポンプ50506を駆動する。様々な好適なモータについては、本明細書で更に説明する。排気機構50520は、出口ポート50524で排出システム50500を出る濾過された煙50510の速度、方向、及び/又は他の特性を制御することができる機構である。
排出システム50500を通る流路50504は、流路50504を通って移動する流体を実質的に収容し、かつ/又は流路50504の外側の流体から分離する、管又は他の導管から構成することができる。例えば、流路50504の第1のゾーン50514は、流路50504がフィルタ50502とポンプ50506との間に延びる管を含んでもよい。流路50504の第2のゾーン50516も、流路50504がポンプ50506と排気機構50520との間に延びる管を含んでもよい。流路50504はまた、流路50504が入口ポート50522から出口ポート50524まで連続的に延びるように、フィルタ50502、ポンプ50506、及び排気機構50520を通って延びる。
動作中、煙50508は、入口ポート50522でフィルタ50502内に流入することができ、煙50508がフィルタ50502内に引き込まれるように、ポンプ50506によって流路50504を通ってポンプ圧送することができる。次いで、濾過された煙50510は、排気機構50520を通って、排出システム50500の出口ポート50524から外へポンプ圧送することができる。出口ポート50524で排出システム50500を出る濾過された煙50510は、排気であり、排出システム50500を通過した濾過されたガスからなることができる。
様々な例では、本明細書に開示される排出システム(例えば、排出システム50000及び排出システム50500)は、例えば、システム100(図39)又はシステム200(図47)などの、コンピュータ実装インタラクティブ外科システムに組み込むことができる。本開示の一態様では、例えば、コンピュータ実装外科システム100は、少なくとも1つのハブ106と、クラウド104とを含むことができる。主に図41を参照すると、ハブ106は、排煙モジュール126を含む。排煙モジュール126の動作は、その状況認識及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106によって制御することができる。コンピュータ実装外科システム100及び200、並びにそのための状況認識については、本明細書で更に説明する。
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信したデータから外科処置に関連する情報を判定又は推測するための、外科システムのいくつかの態様の能力を包含する。情報は、実行されている処置の種類、手術されている組織の種類、又は処置の対象である体腔を含むことができる。外科処置に関連するコンテキスト情報により、外科システムは、例えば、それに接続され、かつ外科処置の過程でコンテキスト化した情報又は提案を臨床医に提供するモジュール式装置(例えば、排煙システム)を制御する方法を改善することができる。状況認識については、本明細書、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号に更に記載されている。
様々な例では、本明細書に開示される外科システム及び/又は排出システムは、プロセッサを含むことができる。プロセッサは、例えば、感知及び/若しくは集約されたデータ並びに/又は1つ以上のユーザ入力に基づいて、外科システム及び/又は排出システムの1つ以上の動作パラメータを制御するようにプログラムすることができる。図5は、プロセッサ50308を含む電気外科システム50300の概略図である。電気外科システム50300は、120V又は240Vのいずれかの交流を提供するAC電源50302によって電力供給される。AC電源50302によって供給される電圧は、120V又は240Vの交流を360Vの直流に変換するAC/DC変換器50304に向けられる。次いで、360Vの直流は、電力変換器50306(例えば、バックコンバータ)に向けられる。電力変換器50306は、逓降DC/DC変換器である。電力変換器50306は、入力360Vを0~150Vの範囲内の所望のレベルまで逓減させるように適合されている。
プロセッサ50308は、電気外科システム50300の様々な様相、機能、及びパラメータを調整するようにプログラムすることができる。例えば、プロセッサ50308は、例えば、図2の電極チップ50034及び/又は図3の電極チップ51034と多くの点で類似し得る電極チップ50334における所望の出力電力レベルを判定し、所望の出力電力を提供するように、電圧を指定されたレベルまで逓減するように電力変換器50306に指示することができる。プロセッサ50308は、電気外科システム50300及び/又はそのサブシステムを動作させる機械実行可能命令を記憶するように構成されたメモリ50310に連結される。
プロセッサ50308と電力変換器50306との間には、デジタル-アナログ変換器(digital-to-analog converter、「DAC」)50312が接続されている。DAC50312は、プロセッサ50308によって生成されたデジタルコードをアナログ信号(電流、電圧、又は電荷)に変換するように適合されており、このアナログ信号は、電力変換器50306によって実行される電圧逓減を統制する。電力変換器50306が360Vをプロセッサ50308が判定したレベルまで逓減すると、所望の出力電力レベルを提供することになり、逓減した電圧は、患者の組織の電気外科処置を達成するために電極チップ50334に向けられ、次いで、戻り電極又は接地電極50335に向けられる。電圧センサ50314及び電流センサ50316は、電気外科用回路内に存在する電圧及び電流を検出し、検出されたパラメータをプロセッサ50308に通信するように適合されており、それにより、プロセッサ50308は、出力電力レベルを調整するかどうかを判定することができる。本明細書で言及したように、典型的な波形発生器は、電気外科処置全体にわたって選択された設定を維持するように適合されている。他の例では、発生器の動作パラメータは、本明細書に更に記載されるように、例えば、外科用ハブ、クラウド、及び/又は状況認識モジュールからの入力などの、プロセッサ5308への1つ以上の入力に基づいて、外科処置中に最適化することができる。
プロセッサ50308は、ネットワークを介して通信するために通信装置50318に連結される。通信装置は、物理的ワイヤを介して又は無線で通信するように構成された送受信機50320を含む。通信装置50318は、1つ以上の追加の送受信機を更に含んでもよい。送受信機としては、セルラーモデム、無線メッシュネットワーク送受信機、Wi-Fi(登録商標)送受信機、低電力ワイドエリア(low power wide area、LPWA)送受信機、及び/又は近距離通信送受信機(near field communications transceiver、NFC)を挙げることができるが、これらに限定されない。通信装置50318は、携帯電話、センサシステム(例えば、環境、位置、動きなど)及び/又はセンサネットワーク(有線及び/又は無線)、コンピューティングシステム(例えば、サーバ、ワークステーションコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(登録商標)、GalaxyTab(登録商標)など)、ウルトラポータブルコンピュータ、ウルトラモバイルコンピュータ、ネットブックコンピュータ、及び/又はサブノートコンピュータ、など)を含むことができる、又はこれらと通信するように構成することができる。本開示の少なくとも1つの態様では、これらの装置のうちの1つは、コーディネータノードであってもよい。
送受信機50320は、プロセッサ50308から対応するUARTを介してシリアル送信データを受信し、シリアル送信データをRF搬送波上に変調し、送信RF信号を生成し、送信RF信号を対応するアンテナを介して送信するように構成することができる。送受信機(単数又は複数)は、対応するアンテナを介してシリアル受信データで変調されたRF搬送波を含む受信RF信号を受信し、シリアル受信データを抽出するために受信RF信号を復調し、プロセッサに提供するためにシリアル受信データを対応するUARTに提供するように更に構成されている。各RF信号は、関連する搬送波周波数及び関連するチャネル帯域幅を有する。チャネル帯域幅は、搬送波周波数、送信データ、及び/又は受信データに関連付けられる。各RF搬送波周波数及びチャネル帯域幅は、送受信機(単数又は複数)50320の動作周波数範囲(単数又は複数)に関連する。各チャネル帯域幅は、送受信機(単数又は複数)50320が準拠し得る無線通信規格及び/又はプロトコルに更に関連する。換言すれば、各送受信機50320は、選択された無線通信規格及び/又はプロトコル、例えば、Wi-Fi(登録商標)用のIEEE802.11a/b/g/n及び/又はZigbeeルーティングを使用した無線メッシュネットワーク用のIEEE802.15.4の実装に対応することができる。
プロセッサ50308は、排煙器50326に連結された感知及びインテリジェント制御装置50324に連結される。排煙器50326は、1つ以上のセンサ50327を含むことができ、また、ポンプと、モータドライバ50328によって制御されるポンプモータとを含むことができる。モータドライバ50328は、プロセッサ50308、及び排煙器50326内のポンプモータに通信可能に連結される。感知及びインテリジェント制御装置50324は、排煙器50326と他の装置との間の通信を容易にして、それらの制御プログラムを適合させる、センサアルゴリズム50321及び通信アルゴリズム50322を含む。感知及びインテリジェント制御装置50324は、本明細書に更に記載されるように、例えば、排出導管50336を介して抽出された流体、微粒子、及びガスを評価して、煙抽出効率を改善する及び/又は装置の煙出力を低減するように構成されている。特定の例では、感知及びインテリジェント制御装置50324は、排煙器50326内の1つ以上のセンサ50327、1つ以上の内部センサ50330、及び/又は電気外科システム50300の1つ以上の外部センサ50332に通信可能に連結される。
特定の例では、プロセッサは、外科用排出システムの排出器ハウジング内に配置することができる。例えば、図6を参照すると、プロセッサ50408及びそのためのメモリ50410は、外科用排出システム50400の排出器ハウジング50440内に配置される。プロセッサ50408は、モータドライバ50428、様々な内部センサ50430、ディスプレイ50442、メモリ50410、及び通信装置50418と信号通信する。通信装置50418は、図5に関して上述した通信装置50318と多くの点で類似している。通信装置50418は、外科用排出システム50400内のプロセッサ50408が、外科システム内の他の装置と通信することを可能にすることができる。例えば、通信装置50418は、1つ以上の外部センサ50432、1つ以上の外科用装置50444、1つ以上のハブ50448、1つ以上のクラウド50446、並びに/又は1つ以上の追加の外科システム及び/若しくはツールへの有線及び/又は無線通信を可能にすることができる。特定の例では、図6の外科用排出システム50400は、図5の電気外科システム50300に組み込むことができることを、読者は容易に理解するであろう。外科用排出システム50400はまた、そのポンプモータ50451を含むポンプ50450と、排出導管50436と、排気口50452と、を含む。様々なポンプ、排出導管、及び排気口については、本明細書で更に説明する。外科用排出システム50400はまた、例えば、感知及びインテリジェント制御装置50324と多くの点で類似し得る、感知及びインテリジェント制御装置を含むことができる。例えば、そのような感知及びインテリジェント制御装置は、プロセッサ50408、並びに/又はセンサ50430及び/若しくは外部センサ50432のうちの1つ以上と信号通信することができる。
電気外科システム50300(図5)及び/又は外科用排出システム50400(図6)は、外科システムの1つ以上のパラメータを監視するようにプログラムすることができ、プロセッサ50308及び/又は50408と信号通信するメモリに記憶された1つ以上のアルゴリズムに基づいて、手術機能に影響を及ぼすことができる。本明細書に開示される様々な例示的態様は、例えば、そのようなアルゴリズムによって実施することができる。
本開示の一態様では、プロセッサ50308及び50408並びにそれらと通信する対応するセンサシステム(図5及び図6)などのプロセッサ及びセンサシステムは、例えば、排煙システム、並びに/又は電気外科システム、エネルギー装置、及び/若しくは発生器などの排煙システムと連携して使用される外部装置及び/若しくはシステムのパラメータを調整するために、真空源を通る空気流を感知するように構成されている。本開示の一態様では、センサシステムは、外科用排出システムの空気流経路に沿って配置された複数のセンサを含むことができる。センサは、センサの間にあるシステムの状態又は状況を検出するために、排出システム内の圧力差を測定することができる。例えば、2つのセンサ間のシステムは、フィルタであってもよく、圧力差を使用して、システムを通る流量を維持するために、フィルタを通る流れが低減された際にポンプモータの速度を増加させることができる。別の実施例として、システムは、排出システムの流体トラップであってもよく、排出システムを通る空気流経路を判定するために圧力差を使用することができる。更に別の実施例では、システムは、排出システムの入口及び出口(又は排気口)であってもよく、圧力差を使用して、最大吸引負荷を閾値未満に維持するために、排出システム内の最大吸引負荷を判定することができる。
本開示の一態様では、プロセッサ50308及び50408並びにそれらと通信する対応するセンサシステム(図5及び図6)などのプロセッサ及びセンサシステムは、手術部位から抽出された流体中のエアロゾル又は炭化微粒子、すなわち煙の比率を検出するように構成されている。例えば、感知システムは、排出システムを通る空気流経路を選択するために使用される、粒子のサイズ及び/又は組成を検出するセンサを含んでもよい。そのような例では、排出システムは、異なる特性を有することができる、第1の濾過経路又は第1の濾過状態、及び第2の濾過経路又は第2の濾過状態を含むことができる。一例では、第1の経路は、微粒子フィルタのみを含み、第2の経路は、流体フィルタ及び微粒子フィルタの両方を含む。特定の例では、第1の経路は、微粒子フィルタを含み、第2の経路は、直列に配置された微粒子フィルタ及びより細かい微粒子フィルタを含む。追加及び/又は代替の濾過経路もまた想定される。
本開示の一態様では、プロセッサ50308及び50408並びにそれらと通信する対応するセンサシステム(図5及び図6)などのプロセッサ及びセンサシステムは、患者の腹部空洞内から排出された粒子に対して化学分析を行うように構成されている。例えば、感知及びインテリジェント制御装置50324は、超音波ブレードを誘導してより少ない煙を発生させるために、超音波発生器の電力レベルを調整するために、粒子数及び種類を感知してもよい。別の実施例では、センサシステムは、排出された流体の粒子数、温度、流体含有量、及び/又は汚染の割合を検出するためのセンサを含んでもよく、発生器の出力を調整するために、検出された特性(単数又は複数)を発生器に通信することができる。例えば、排煙器50326及び/又はそのための感知及びインテリジェント制御装置50324は、排出流量及び/又はポンプのモータ速度を既定の微粒子レベルに調整するように構成されていてもよく、エンドエフェクタによって発生する煙を低減するように発生器の出力電力又は波形に動作可能に影響を及ぼしてもよい。
本開示の一態様では、プロセッサ50308及び50408並びにそれらの対応するセンサシステム(図5及び図6)などのプロセッサ及びセンサシステムは、周囲空気及び/又は排出器ハウジングからの排気中の1つ以上の特性を評価することによって、手術室における粒子数及び汚染を評価するように構成されている。粒子数及び/又は空気品質は、例えば、情報を臨床医に通信するために、及び/又は排煙システム及びそのフィルタ(単数又は複数)の有効性を確立するために、排出器ハウジング上などの排煙システム上に表示されてもよい。
本開示の一態様では、例えば、プロセッサ50308又はプロセッサ50408(図5及び図6)などのプロセッサは、相関を判定する及び/又はポンプの毎分回転数(revolutions-per-minute、RPM)の速度を調整するために、内視鏡から得られたサンプル速度画像を感知システム(例えば、感知及びインテリジェント制御装置50324)からの排出器の粒子数と比較するように構成されている。一例では、発生器の起動は、排煙器に通信されてもよく、それにより、予想される必要な排煙速度を実施することができる。発生器の起動は、例えば、外科用ハブ、クラウド通信システム、及び/又は直接接続を介して、外科用排出システムに通信されてもよい。
本開示の一態様では、排煙システム(例えば、図5及び図6を参照)のセンサシステム及びアルゴリズムは、排煙器を制御するように構成することができ、所与の時間における手術野の必要性に基づいて、排煙器の濾過効率を調整するために、そのモータパラメータを適合させることができる。一例では、排煙器の入口に入る及び/又は排煙器の出口若しくは排気口から出る感知された微粒子に基づいてモータポンプ速度を自動的に変更するための、適応空気流ポンプ速度アルゴリズムが提供される。例えば、感知及びインテリジェント制御装置50324(図5)は、例えば、ユーザ選択可能速度及び自動モード速度を含むことができる。自動モード速度では、排出システムを通る空気流は、排出システムに入る煙及び/又は排煙システムから出る濾過された粒子の欠如に基づいて、スケール変更可能であってもよい。特定の例では、自動モード速度は、腹腔鏡モードの自動感知及び補償を提供することができる。
本開示の一態様では、排出システムは、外科用ハブ及びクラウドとの双方向性を改善するために、データ収集及び通信機能を提供する電気及び通信アーキテクチャ(例えば、図5及び図6を参照)を含むことができる。一実施例では、外科用排出システム、並びに/又は、例えば、プロセッサ50308(図5)及びプロセッサ50408(図6)などのそのプロセッサは、システムのエラー、短絡、及び/又は安全チェックを確認するために段階的方法で通電されるセグメント化された制御回路を含むことができる。セグメント化された制御回路はまた、通電された部分と、通電された部分が第1の機能を実行するまで通電されない部分とを有するように構成することができる。セグメント化された制御回路は、ステータス更新を識別して、取り付けられた構成要素のユーザに表示するための回路素子を含むことができる。セグメント化された制御回路はまた、モータがユーザによって起動される第1の状態、及びモータがユーザによって起動されていないが、ポンプをより静かに、かつより遅い速度で動作させる第2の状態でモータを動作させるための回路素子を含む。セグメント化された制御回路は、例えば、排煙器を段階的に通電することを可能にすることができる。
排出システムの電気及び通信アーキテクチャ(例えば、図5及び図6を参照)はまた、相互作用並びにクラウドとのデータの通信のために、外科用ハブ内の他の構成要素との排煙器の相互接続性を提供することができる。外科用排出システムパラメータの外科用ハブ及び/又はクラウドへの通信は、他の取り付けられた装置の出力又は動作に影響を及ぼすために提供することができる。パラメータは、動作可能であってもよく、又は感知されてもよい。動作パラメータとしては、空気流、圧力差、及び空気品質が挙げられる。感知されるパラメータとしては、微粒子濃度、エアロゾルの割合、及び化学分析が挙げられる。
本開示の一態様では、例えば、外科用排出システム50400などの排出システムはまた、筐体と、交換可能な構成要素と、制御部と、ディスプレイとを含むことができる。そのような交換可能な構成要素間でセキュリティ識別(identification、ID)を通信するための回路素子が提供される。例えば、フィルタと排煙電子機器との間の通信は、構成要素の信頼性、残りの寿命を検証するために、構成要素内のパラメータを更新するために、エラーを記録するために、並びに/又はシステムによって識別することができる構成要素の数及び/若しくは種類を制限するために、提供することができる。様々な例では、通信回路は、構成パラメータを有効化及び/又は無効化するための特徴を認証することができる。通信回路は、構成要素と排煙電子機器との間のセキュリティ及び独自の関係を管理するために、暗号化及び/又はエラー処理スキームを採用することができる。使い捨て式/再使用可能な構成要素は、特定の例に含まれる。
本開示の一態様では、排出システムは、流体管理並びに抽出フィルタ及び空気流構成を提供することができる。例えば、流体捕捉機構を含む外科用排出システムが提供され、流体捕捉機構は、抽出又は空気流制御機構の第1及び第2の組を有し、これらは、互いに直列であり、大きい流体液滴及び小さい流体液滴それぞれを抽出する。特定の例では、空気流経路は、主流体管理チャンバの排気ポートの下流から一次リサーバに戻る再循環チャネル又は二次流体チャネルを含むことができる。
本開示の一態様では、高性能パッドを、電気外科システムに連結することができる。例えば、電気外科システム50300(図5)の接地電極50335は、容量結合を維持しながらパッドに一体化された局所的な感知を有する高性能パッドを含むことができる。例えば、容量結合性戻り経路パッドは、単極チップの神経束への近接を検出するために、選択した解剖学的位置の神経制御信号及び/又は移動を感知するために使用することができる、小さい分離可能なアレイ要素を有することができる。
電気外科システムは、信号発生器と、電気外科用器具と、戻り電極と、外科用排出システムとを含むことができる。発生器は、RF電気エネルギーを生成するRF波発生器であってもよい。電気外科用器具に接続されるのは、ユーティリティ導管である。ユーティリティ導管は、信号発生器から電気外科用器具に電気エネルギーを伝達するケーブルを含む。ユーティリティ導管はまた、捕捉/収集された煙及び/又は流体を手術部位から離れる方向に搬送する真空ホースを含む。そのような例示的電気外科システム50601を図7に示す。より具体的には、電気外科システム50601は、発生器50640と、電気外科用器具50630と、戻り電極50646と、排出システム50600とを含む。電気外科用器具50630は、ハンドル50632と、排出システム50600の吸引ホース50636に流体連結された遠位導管開口部50634とを含む。電気外科用器具50630はまた、発生器50640によって電力供給される電極を含む。第1の電気接続部50642、例えば、ワイヤは、電気外科用器具50630から発生器50640まで延びる。第2の電気接続部50644、例えば、ワイヤは、電気外科用器具50630から電極、すなわち戻り電極50646まで延びる。他の例では、電気外科用器具50630は、双極電気外科用器具であってもよい。電気外科用器具50630上の遠位導管開口部50634は、排出システム50600の排出器ハウジング50618内に設置されたフィルタのフィルタエンドキャップ50603に延びる吸引ホース50636に流体連結される。
他の例では、排出システム50600の遠位導管開口部50634は、電気外科用器具50630とは別個のハンドピース又はツール上にあってもよい。例えば、排出システム50600は、発生器50640に連結されていない、かつ/又は組織に通電する表面を含まない外科用ツールを含むことができる。特定の例では、排出システム50600の遠位導管開口部50634は、電気外科用ツールに解除可能に取り付けられてもよい。例えば、排出システム50600は、遠位導管開口部で終端するクリップオン又はスナップ式導管を含むことができ、これは外科用ツールに解除可能に取り付けられてもよい(例えば、図3を参照)。
電気外科用器具50630は、本明細書に記載されているように、組織を切断するために、並びに/又は標的組織の中及び/若しくは付近の血管を焼灼するために、患者の標的組織に電気エネルギーを送達するように構成されている。具体的には、電極チップに密着又は隣接した患者の細胞質の加熱を引き起こすために、放電が電極チップによって患者に提供される。組織の加熱は、電気外科用器具50630を使用して電気外科手術を実行することが可能となるように、適度に高い温度で生じる。回路を完成させ、かつ患者の身体に進入するエネルギーのための発生器50640への戻り電気経路を設けるために、戻り電極50646が(戻り電極のタイプに応じて)患者に適用される、又は患者に近接して配置されるのいずれかがなされる。
電極チップによる患者の細胞質の加熱、又は出血を防ぐための血管の焼灼は、多くの場合、本明細書に更に記載されるように、焼灼が行われるところで煙を放出させることになる。そのような例では、排出導管開口部50634が電極チップ付近にあるため、排出システム50600は、外科処置中に放出される煙を捕捉するように構成されている。真空吸引によって、煙は、電気外科用器具50630を介して導管開口部50634の中へ、また排出システム50600の排出器ハウジング50618に向かって吸引ホース50636の中へと引き込むことができる。
ここで図8を参照すると、排出システム50600(図7)の排出器ハウジング50618が示されている。排出器ハウジング50618は、フィルタを受容するように寸法決めされ構造化されたソケット50620を含む。排出器ハウジング50618は、排出器ハウジング50618の内部構成要素を完全に又は部分的に包囲することができる。ソケット50620は、第1のレセプタクル50622及び第2のレセプタクル50624を含む。遷移表面50626は、第1のレセプタクル50622と第2のレセプタクル50624との間に延びる。
ここで主に図9を参照すると、ソケット50620は、図8に示す断面平面に沿って描かれている。ソケット50620は、フィルタを受容するように開放された第1の端部50621と、排出器ハウジング50618を通る流路50699と連通する第2の端部50623とを含む。フィルタ50670(図10及び図11)は、ソケット50620と取り外し可能に配置されてもよい。例えば、フィルタ50670は、ソケット50620の第1の端部50621に挿入され、また第1の端部から取り外されてもよい。第2のレセプタクル50624は、フィルタ50670の接続ニップルを受容するように構成されている。
外科用排出システムは、多くの場合、フィルタを使用して、煙が排気として放出される前に煙から不要な汚染物質を除去する。特定の例では、フィルタは、交換可能であってもよい。図10及び図11に示すフィルタ50670は、本明細書に開示される様々な排出システムで使用することができることを、読者は理解するであろう。フィルタ50670は、交換可能な及び/又は使い捨て式フィルタであってもよい。
フィルタ50670は、前部キャップ50672と、後部キャップ50674と、それらの間に配置されたフィルタ本体50676と、を含む。前部キャップ50672は、特定の例では吸引ホース50636(図7)又は他の煙源から直接煙を受容するように構成されている、フィルタ入口50678を含む。本開示のいくつかの態様では、前部キャップ50672は、煙を煙源から直接向け、そこから流体の少なくとも一部分を除去した後、部分的に処理された煙を更に処理するためにフィルタ本体50676内に通す、流体トラップ(例えば、図14~図17に示す流体トラップ50760)によって置き換えることができる。例えば、フィルタ入口50678は、流体トラップ50760(図14~図17)のポート50766などの流体トラップの排気ポートを介して煙を受容して、部分的に処理された煙をフィルタ50670に伝達するように構成することができる。
煙がフィルタ50670に入ると、フィルタ本体50676内に収容された構成要素によって、煙を濾過することができる。次いで、濾過された煙は、フィルタ50670の後部キャップ50674内に画定されたフィルタ排気口50680を通ってフィルタ50670を出ることができる。フィルタ50670が排出システムに関連付けられている場合、排出システム50600の排出器ハウジング50618内で生成された吸引は、フィルタ排気口50680を介してフィルタ50670に伝達されて、フィルタ50670の内部濾過構成要素を介して煙を引き込むことができる。フィルタは、多くの場合、微粒子フィルタ及び炭フィルタを含む。微粒子フィルタは、例えば、高効率微粒子空気(high-efficiency particulate air、HEPA)フィルタ又は超低浸透空気(ultra-low penetration air、ULPA)フィルタとすることができる。ULPA濾過は、迷路と同様のデプスフィルタを利用する。微粒子は、以下の方法のうちの少なくとも1つを使用して濾過することができる:直接遮断(1.0ミクロンを越える粒子が、メディアフィルタの繊維を通過するのに大きすぎるために捕捉される)、慣性衝突(0.5~1.0ミクロンの粒子が繊維と衝突してそこに留まる)、及び拡散遮断(粒子が繊維を「探索」して線維に付着する際のブラウンランダム熱運動の影響によって0.5ミクロン未満の粒子が捕捉される)。
炭フィルタは、外科的煙によって発生した毒性ガス及び/又は臭気を除去するように構成されている。様々な例では、炭は、活性吸収部位を露出させるために加熱プロセスで処理されていることを意味する「活性化」されていてもよい。炭は、例えば、活性化された未使用の椰子殻からのものであってもよい。
ここで図11を参照すると、フィルタ50670は、粗いメディアフィルタ層50684、続いて細かな微粒子フィルタ層50686を含む。他の例では、フィルタ50670は、単一のタイプのフィルタからなってもよい。更に他の例では、フィルタ50670は、3つ以上のフィルタ層、及び/又は3つ以上の異なる種類のフィルタ層を含むことができる。粒子状物質がフィルタ層50684及び50686によって除去された後、煙は、例えば、揮発性有機化合物などの煙中のガス状汚染物質を除去するために、フィルタ50670内の炭素リザーバ50688を介して引き込まれる。様々な例では、炭素リザーバ50688は、炭フィルタを含むことができる。濾過された煙は、ここで粒子状物質及びガス状汚染物質を実質的に含まず、フィルタ排気口50680を通って、更なる処理及び/又は除去のために排出システム50600内に引き込まれる。
フィルタ50670は、フィルタ本体50676の構成要素間に複数のダムを含む。例えば、第1のダム50690は、例えば、フィルタ入口50678(図10)と粗いメディアフィルタ50684などの第1の微粒子フィルタとの中間に配置される。第2のダム50692は、例えば、細かい微粒子フィルタ50686などの第2の微粒子フィルタと炭素リザーバ50688との中間に配置される。加えて、第3のダム50694は、炭素リザーバ50688とフィルタ排気口50680との中間に配置される。ダム50690、50692、及び50694は、ガスケット又はOリングを含むことができ、これはフィルタ本体50676内の構成要素の移動を防止するように構成されている。様々な例では、ダム50690、50692、及び50694のサイズ及び形状は、印加された吸引の方向のフィルタ構成要素の膨張を防止するように選択することができる。
粗いメディアフィルタ50684は、例えば、10μmより大きい粒子状物質の大部分を除去するように構成された、ガラス繊維、ポリエステル、及び/又はプリーツ付きフィルタなどの低空気抵抗フィルタ材料を含むことができる。本開示のいくつかの態様では、これは、10μmより大きい粒子状物質の少なくとも85%、10μmより大きい粒子状物質の90%超、10μmより大きい粒子状物質の95%超、10μmより大きい粒子状物質の99%超、10μmより大きい粒子状物質の99.9%超、又は10μmより大きい粒子状物質の99.99%超を除去するフィルタを含む。
加えて又は代わりに、粗いメディアフィルタ50684は、1μmより大きい粒子状物質の大部分を除去する低空気抵抗フィルタを含むことができる。本開示のいくつかの態様では、これは、1μmより大きい粒子状物質の少なくとも85%、1μmより大きい粒子状物質の90%超、1μmより大きい粒子状物質の95%超、1μmより大きい粒子状物質の99%超、1μmより大きい粒子状物質の99.9%超、又は1μmより大きい粒子状物質の99.99%超を除去するフィルタを含む。
細かい微粒子フィルタ50686は、粗いメディアフィルタ50684よりも高い効率の任意のフィルタを含むことができる。これは、例えば、粗いメディアフィルタ50684と同じサイズの粒子のより高い割合を濾過することができ、かつ/又は粗いメディアフィルタ50684よりも小さいサイズの粒子を濾過することができるフィルタを含む。本開示のいくつかの態様では、細かい微粒子フィルタ50686は、HEPAフィルタ又はULPAフィルタを含むことができる。加えて又は代わりに、細かい微粒子フィルタ50686は、その表面積を増加させるためにプリーツが付いていてもよい。本開示のいくつかの態様では、粗いメディアフィルタ50684は、プリーツ付きHEPAフィルタを含み、細かい微粒子フィルタ50686は、プリーツ付きULPAフィルタを含む。
微粒子濾過後、煙は、炭素リザーバ50688を含むフィルタ50670の下流部分に入る。炭素リザーバ50688は、中間ダム50692と末端ダム50694それぞれとの間に配置された多孔質仕切り50696及び50698によって画定される。本開示のいくつかの態様では、多孔質仕切り50696及び50698は、剛性かつ/又は非可撓性であり、炭素リザーバ50688のための一定の空間容積を画定する。
炭素リザーバ50688は、ガス状汚染物質を除去するために、炭素粒子と累積的に、又は炭素粒子から独立して作用する、追加の吸着剤を含むことができる。追加の吸着剤としては、例えば、酸化マグネシウム及び/又は酸化銅などの吸着剤を挙げることができ、例えば、これは、例えば、一酸化炭素、エチレンオキシド、及び/又はオゾンなどのガス状汚染物質を吸着するように作用することができる。本開示のいくつかの態様では、追加の吸着剤は、リザーバ50688全体にわたって分散され、かつ/又はリザーバ50688の上方、下方、若しくは内部の別個の層に配置される。
再び図4を参照すると、排出システム50500は、排出器ハウジング50518内にポンプ50506を含む。同様に、図7に示す排出システム50600は、手術部位から吸引ホース50636を通って、及びフィルタ50670(図10及び図11)を通って煙を引き込む吸引を生成することができる、排出器ハウジング50618内に配置されたポンプを含むことができる。動作中、ポンプは、煙をフィルタ50670内に移動させ、かつ流路の出口で排気機構(例えば、図4の排気機構50520)から排出させる、排出器ハウジング50618内の圧力差を生成することができる。フィルタ50670は、煙から有害な、汚染した、又はそうでなければ不要な微粒子を抽出するように構成されている。
ポンプは、排出器ハウジング50618を通る流路と一列に配置されてもよく、それにより、排出器ハウジング50618を通って流れるガスは、一方の端部でポンプに入り、他方の端部でポンプを出る。ポンプは、封止された容積式流路を提供することができる。様々な例では、ポンプは、ガスがポンプを通って移動する際に、第1の体積のガスを捕捉(封止)し、かつその体積を第2のより小さい体積に減少させることによって、封止された容積式流路を生成することができる。捕捉されたガスの体積を減少させることにより、ガスの圧力が増加する。第2の加圧された体積のガスは、ポンプ出口でポンプから放出することができる。例えば、ポンプは、圧縮機であってもよい。より具体的には、ポンプは、ハイブリッド再生ブロワ、クローポンプ、ローブ圧縮機、及び/又はスクロール圧縮機を含んでもよい。容積式圧縮機は、排出システム50600によって生成される振動及び騒音を制限しながら、改善された圧縮比及び動作圧力を提供することができる。加えて又は代わりに、排出システム50600は、流体を移動させるためのファンを含むことができる。
容積式圧縮機、例えば、スクロール圧縮機ポンプ50650の一例を図12に示す。スクロール圧縮機ポンプ50650は、固定子スクロール50652と移動スクロール50654とを含む。固定子スクロール50652は、移動スクロール50654が偏心して周回している間、定位置に固定することができる。例えば、移動スクロール50654は、固定子スクロール50652の中心長手方向軸の周りを回転するように、偏心して周回することができる。図12に示すように、固定子スクロール50652及び移動スクロール50654の中心長手方向軸は、スクロール50652、50654の視野平面に対して垂直に延びる。固定子スクロール50652及び移動スクロール50654は、互いに交互配置されて、別個の封止された圧縮チャンバ50656を形成する。
使用中、ガスは、入口50658でスクロール圧縮機ポンプ50650に入ることができる。移動スクロール50654が固定子スクロール50652に対して周回すると、入口ガスは、最初に圧縮チャンバ50656内に捕捉される。圧縮チャンバ50656は、スクロール50652及び50654の螺旋形状に沿って、スクロール圧縮機ポンプ50650の中心に向かって別個の体積のガスを移動させるように構成されている。圧縮チャンバ50656は、ガスが存在する密閉空間を画定する。更に、移動スクロール50654が捕捉されたガスを固定子スクロール50652の中心に向かって移動させると、圧縮チャンバ50656は、容積が減少する。この容積の減少により、圧縮チャンバ50656内のガスの圧力を増加させる。封止された圧縮チャンバ50656内のガスは、容積が減少している間に捕捉され、したがって、ガスを加圧する。加圧されたガスがスクロール圧縮機ポンプ50650の中心に到達すると、加圧されたガスは、出口50659を通って放出される。
ここで図13を参照すると、排出システム50700の一部分が示されている。排出システム50700は、排出システム50600(図7)に多くの点で類似していてもよい。例えば、排出システム50700は、排出器ハウジング50618及び吸引ホース50636を含む。再び図7を参照すると、排出システム50600は、吸引を生成し、それによって吸引ホース50636の遠位端から、処理するために排出器ハウジング50618内に煙を引き込むように構成されている。特に、吸引ホース50636は、図13のフィルタエンドキャップ50603を介して排出器ハウジング50618に接続されていない。むしろ、吸引ホース50636は、流体トラップ50760を介して排出器ハウジング50618に接続される。フィルタ50670と同様のフィルタは、流体トラップ50760の背後の排出器ハウジング50618のソケット内に配置することができる。
流体トラップ50760は、更なる処理及び濾過のために部分的に処理された煙を排出システム50700に中継する前に、流体(例えば液体)の少なくとも一部分を煙から抽出して保持する第1の処理点である。排出システム50700は、本明細書に記載されるように、手術室(又は他の動作環境)における煙発生に関連する不快な臭気若しくは他の問題を低減又は除去するために、煙を処理、濾過、及び別の方法で清浄するように構成されている。特定の例では、排出システム50700によって更に処理される前に、煙から液滴及び/又はエアロゾルを抽出することによって、流体トラップ50760は、とりわけ、排出システム50700の効率を増加させ、かつ/又はそれと関連付けられたフィルタの寿命を増加させることができる。
主に図14~図17を参照すると、流体トラップ50760は、排出器ハウジング50618(図13)から取り外されて示されている。流体トラップ50760は、流体トラップ50760の前側カバー又は表面50764に画定された入口ポート50762を含む。入口ポート50762は、吸引ホース50636(図13)を解除可能に受容するように構成することができる。例えば、吸引ホース50636の端部は、入口ポート50762内に少なくとも部分的に挿入することができ、それらの間に締まり嵌めで固定することができる。様々な例では、締まり嵌めは、吸引ホース50636を通過する煙の実質的に全てが流体トラップ50760内に移送されるように、流体密及び/又は気密嵌合であってもよい。場合によっては、例えば、ラッチベースの圧縮嵌合、Oリング、吸引ホース50636を入口ポート50762とネジ止めにより連結すること、及び/又は他の連結機構などの吸引ホース50636を入口ポート50762に連結又は接合するための他の機構を用いることができる。
様々な例では、吸引ホース50636と流体トラップ50760との間の流体密及び/又は気密嵌合は、これらの構成要素の接合部又はその付近で排出された煙中の流体及び/又は他の物質が漏出するのを防ぐように構成されている。場合によっては、吸引ホース50636は、例えば、Oリング及び/又はアダプタなどの中間連結装置を介して入口ポート50762と関連付けられて、吸引ホース50636と流体トラップ50760との間の気密及び/又は流体密接続を更に確実にすることができる。
上述のように、流体トラップ50760は、排気ポート50766を含む。排気ポートは、流体トラップ50760の裏カバー又は表面50768から離れる方向に延びる。排気ポート50766は、流体トラップ50760の内部チャンバ50770と外部環境との間に開放チャネルを画定する。場合によっては、排気ポート50766は、外科用排出システム又はその構成要素と緊密に関連付けられるようなサイズにされ成形される。例えば、排気ポート50766は、流体トラップ50760から排出器ハウジング50618(図13)内に収容されたフィルタまでの少なくとも部分的に処理された煙に関連付けられ、かつこれを伝達するようなサイズにされ成形されてもよい。特定の例では、排気ポート50766は、流体トラップ50760の前部プレート、上面、又は側面から離れる方向に延びることができる。
特定の例では、排気ポート50766は、排気ポート50766を排出器ハウジング50618から離間させる膜を含む。そのような膜は、空気、水、及び/又は蒸気が排出器ハウジング50618内に自由に入ることを可能にしながら、流体トラップ50760内に収集された水又は他の液体が排気ポート50766を通過し排出器ハウジング50618内に入るのを防止するように作用することができる。例えば、高流量微孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、排気ポート50766の下流かつポンプの上流に配置して、排出システム50700のポンプ又は他の構成要素を損傷及び/又は汚染から保護することができる。
流体トラップ50760はまた、ユーザが流体トラップ50760を取り扱うのを、並びに/又は流体トラップ50760を吸引ホース50636及び/若しくは排出器ハウジング50618と接続するのを支援するように配置され寸法決めされた把持領域50772を含む。把持領域50772は、細長い凹部であるように描かれている。しかしながら、読者は、把持領域50772が、例えば、少なくとも1つの凹部、溝、突出部、タッセル、及び/又はリングを含んでもよく、これは、ユーザの指に対応するような、又は他の方法で把持面を提供するようなサイズにされ成形されてもよいことを容易に理解するであろう。
ここで主に図16及び図17を参照すると、流体トラップ50760の内部チャンバ50770が示されている。入口ポート50762及び排気ポート50766の相対的な配置は、煙が流体トラップ50760内に入るときの煙からの流体の抽出及び保持を促進するように構成されている。特定の例では、入口ポート50762は、ノッチ付き円筒形状を有することができ、これは、煙及び付随する流体を流体トラップ50760の流体リザーバ50774に向かって、又は別の方法で指向的に排気ポート50766から離れる方向に向けることができる。そのような流体の流れの例を、図17の矢印A、B、C、D、及びEで示す。
図示のように、煙は、入口ポート50762を通って流体トラップ50760に入り(矢印Aによって示される)、排気ポート50766を通って流体トラップ50760を出る(矢印Eによって示される)。入口ポートの幾何学的形状(例えば、より長い上側側壁50761及びより短い下側側壁50763)に少なくとも部分的に起因して、入口ポート50762に入る煙は、最初に流体トラップ50760の流体リザーバ50774内へと主に下向きに向けられる(矢印Bによって示される)。煙が矢印A及びBに沿って流体トラップ50760内へと下向きに引き込まれ続けるにつれて、最初に下向きに向けられた煙は、下向きに回転し、その供給源から横方向に離れる方向に向けられ、流体トラップ50760の上部に向かって、実質的に反対だが平行な経路で排気ポート50766の外へと移動する(矢印D及びEによって示される)。
流体トラップ50760を通る煙の方向的流れは、煙中の液体が流体トラップ50760の下部(例えば、流体リザーバ50774)内に抽出され保持されることを確実にすることができる。更に、流体トラップ50760が直立位置にあるときの入口ポート50762の垂直上方の排気ポート50766の相対的な配置は、流体トラップ50760の内外への流体の流れを実質的に妨げないと同時に、煙の流れによって排気ポート50766を介して液体が意図せず運ばれることを抑制するように構成されている。加えて、特定の例では、入口ポート50762及び出口ポート50766の構成、並びに/又は流体トラップ50760自体のサイズ及び形状は、流体トラップ50760が密封性であることを可能にすることができる。
様々な例では、排出システムは、例えば、図5及び図6に関して本明細書で更に説明するように、複数のセンサ及びインテリジェント制御部を含むことができる。本開示の一態様では、排出システムは、1つ以上の温度センサ、1つ以上の流体検出センサ、1つ以上の圧力センサ、1つ以上の粒子センサ、及び/又は1つ以上の化学センサを含むことができる。温度センサは、外科用排出システムを通って移動する、及び/又は外科用排出システムから手術室内に排出される、手術部位における流体の温度を検出するように配置することができる。圧力センサは、排出器ハウジング内などの排出システム内の圧力を検出するように配置することができる。例えば、圧力センサは、フィルタの上流、フィルタとポンプとの間、及び/又はポンプの下流に配置することができる。特定の例では、圧力センサは、排出システムの外側の周囲環境内の圧力を検出するように配置することができる。同様に、粒子センサは、排出器ハウジング内などの排出システム内の粒子を検出するように配置することができる。粒子センサは、例えば、フィルタの上流、フィルタとポンプとの間、及び/又はポンプの下流にあってもよい。様々な例では、粒子センサは、例えば、手術室内の空気品質を判定するために、周囲環境内の粒子を検出するように配置することができる。
排出システム50800の排出器ハウジング50818を、図18に概略的に示す。排出器ハウジング50818は、例えば、排出器ハウジング50018及び/又は50618と多くの点で類似していてもよく、かつ/又は本明細書に開示される様々な排出システムに組み込むことができる。排出器ハウジング50818は、本明細書で更に説明する多数のセンサを含む。特定の排出器ハウジングは、図18に示す各センサを含まなくてもよく、かつ/又は追加のセンサ(単数又は複数)を含んでもよいことを読者は理解するであろう。本明細書に開示される排出器ハウジング50018及び50618と同様に、図18の排出器ハウジング50818は、入口50822及び出口50824を含む。流体トラップ50860、フィルタ50870、及びポンプ50806は、入口50822と出口50824との間の排出器ハウジング50818を通る流路50804に沿って連続して整列される。
排出器ハウジングは、本明細書で更に説明するように、モジュール式及び/又は交換可能な構成要素を含むことができる。例えば、排出器ハウジングは、モジュール式流体トラップ及び/又は交換可能なフィルタを受容するように寸法決めされたソケット又はレセプタクル50871を含むことができる。特定の例では、図18に示すように、流体トラップ及びフィルタは、単一の交換式モジュール50859に組み込むことができる。より具体的には、流体トラップ50860及びフィルタ50870は、モジュール式及び/又は交換可能であり得る交換式モジュール50859を形成し、排出器ハウジング50818内のレセプタクル50871内に取り外し可能に設置することができる。他の例では、流体トラップ50860及びフィルタ50870は、分離した、かつ別個のモジュール式構成要素とすることができ、これは、排出器ハウジング50818内に一緒に組み立てる、及び/又は別個に設置することができる。
排出器ハウジング50818を更に参照すると、排出器ハウジング50818は、内部の様々なパラメータ及び/又は周囲環境のパラメータを検出するための複数のセンサを含む。加えて又は代わりに、排出器ハウジング50818内に設置された1つ以上のモジュール式構成要素は、1つ以上のセンサを含むことができる。例えば、図18を更に参照すると、交換式モジュール50859は、内部の様々なパラメータを検出するための複数のセンサを含む。
様々な例では、排出器ハウジング50818及び/又は排出器ハウジング50818と適合するモジュール式構成要素(単数又は複数)は、1つ以上のセンサからの入力を受信し、かつ/又は1つ以上のシステム及び/若しくはドライバに出力を通信するように構成されている、プロセッサ50308及び50408(それぞれ図5及び図6)などのプロセッサを含むことができる。排出器ハウジング50818と共に使用するための様々なプロセッサは、本明細書で更に説明する。
動作中、手術部位からの煙を、入口50822から流体トラップ50860を介して排出器ハウジング50818に引き込むことができる。図18の排出器ハウジング50818を通る流路50804は、様々な一列に並んだ構成要素の間に延びる封止された導管又は管50805を含むことができる。様々な例では、煙は、流体検出センサ50830及び化学センサ50832を通過して、本明細書に更に記載されるダイバータ弁50834に流れることができる。センサ50830などの流体検出センサは、煙中の流体粒子を検出することができる。一例では、流体検出センサ50830は、連続性センサとすることができる。例えば、流体検出センサ50830は、2つの離間した電極と、それらの間の連続性の程度を検出するためのセンサとを含むことができる。例えば、流体が存在しない場合、連続性は、ゼロ又は実質的にゼロであり得る。化学センサ50832は、煙の化学的特性を検出することができる。
ダイバータ弁50834において、流体を、流体トラップ50860の凝縮器50835内に向けることができ、煙は、フィルタ50870に向かって進み続けることができる。バッフル50864は、煙からの流体液滴の流体トラップ50860内のリザーバへの凝縮を促進するように、凝縮器50835内に配置される。流体検出センサ50836は、排出器ハウジング内の任意の流体が完全に、又は少なくとも実質的に流体トラップ50860内に捕捉されることを確実にすることができる。
更に図18を参照すると、煙は、その後、交換式モジュール50859のフィルタ50870に流入するように向けることができる。フィルタ50870への入口では、煙は、粒子センサ50838及び圧力センサ50840を通過して流れることができる。一形態では、粒子センサ50838は、本明細書で更に説明するように、レーザー粒子カウンタを含むことができる。煙は、図18に示すように、プリーツ付き超低浸透空気(ULPA)フィルタ50842及び炭フィルタ50844を介して濾過することができる。
フィルタを出ると、濾過された煙は、圧力センサ50846を通過して流れることができ、次いで、排出器ハウジング50818内の流路50804に沿ってポンプ50806に向かって進み続けることができる。ポンプ50806を通って移動すると、濾過された煙は、出口の粒子センサ50848及び圧力センサ50850を通過して排出器ハウジング50818に流れることができる。一形態では、粒子センサ50848は、本明細書で更に説明するように、レーザー粒子カウンタを含むことができる。図18の排出器ハウジング50818はまた、手術室内の環境などの周囲環境の様々な特性を検出するために、空気品質粒子センサ50852及び周囲圧力センサ50854を含む。少なくとも1つの形態では、空気品質粒子センサ又は外部/周囲空気粒子センサ50852は、レーザー粒子カウンタを含むことができる。図18に示す様々なセンサについては、本明細書で更に説明する。更に、様々な例では、代替的な感知手段を、本明細書に開示される排煙システムに利用することができる。例えば、粒子を計数するための、及び/又は流体中の微粒子濃度を判定するための代替的なセンサが、本明細書で更に開示される。
様々な例では、図18に示す流体トラップ50860は、捕捉された流体の流出及び/又は漏出を防止するように構成することができる。例えば、流体トラップ50860の幾何学的形状は、捕捉された流体が流出及び/又は漏出するのを防止するように選択されてもよい。特定の例では、流体トラップ50860は、捕捉された流体が流体トラップ50860から飛び散るのを防止するためのバッフル及び/又はスクリーン50862などのスプラッタスクリーンを含むことができる。1つ以上の例では、流体トラップ50860は、流体トラップ内の流体の体積を検出し、かつ/又は流体トラップ50860が容量まで充填されているかどうかを判定するためのセンサを含むことができる。流体トラップ50860は、流体をそこから空にするための弁を含んでもよい。読者は、様々な代替的な流体トラップ構成及び幾何学的形状を用いて、排出器ハウジング50818内に引き込まれた流体を捕捉することができることを容易に理解するであろう。
特定の例では、フィルタ50870は、追加の及び/又はより少ない濾過レベルを含むことができる。例えば、フィルタ50870は、粗いメディアフィルタ、細かいメディアフィルタ、及び吸着剤ベースのフィルタの群から選択される1つ以上の濾過層を含むことができる。粗いメディアフィルタは、例えば、ガラス繊維、ポリエステル、及び/又はプリーツフィルタで構成することができる低空気抵抗フィルタであってもよい。細かいメディアフィルタは、高効率微粒子空気(HEPA)フィルタ及び/又はULPAフィルタであってもよい。吸着剤ベースのフィルタは、例えば、活性炭フィルタであってもよい。読者は、様々な代替的フィルタ構成及び幾何学的形状を用いて、排出器ハウジング50818を通る流路に沿って引き込まれた煙を濾過することができることを容易に理解するであろう。
1つ以上の例では、図18に示すポンプ50806は、例えば、ハイブリッド再生ブロワ、クローポンプ、及び/又はローブ圧縮機などの、別の圧縮機及び/若しくはポンプに置き換える、かつ/又はこれらと組み合わせて使用することができる。読者は、様々な代替的なポンプ構成及び幾何学的形状を用いて、流路50804内に吸引を生成して、煙を排出器ハウジング50818内に引き込むことができることを容易に理解するであろう。
図18に示すセンサなどの排出システム内の様々なセンサは、プロセッサと通信することができる。プロセッサは、排出システムに組み込むことができ、かつ/又は別の外科用器具及び/若しくは外科用ハブの構成要素であってもよい。様々なプロセッサについては、本明細書で更に説明する。オンボードプロセッサは、センサ(単数又は複数)からの入力に基づいて、排出器システム(例えば、ポンプ50806のためのモータ)の1つ以上の動作パラメータを調整するように構成することができる。加えて又は代わりに、オンボードプロセッサは、センサ(単数又は複数)からの入力に基づいて、電気外科用ツール及び/又は撮像装置などの別の装置の1つ以上の動作パラメータを調整するように構成することができる。
ここで図19を参照すると、排出システム50900の別の排出器ハウジング50918が示されている。図19の排出器ハウジング50918は、図18の排出器ハウジング50818と多くの点で類似していてもよい。例えば、排出器ハウジング50918は、排出器ハウジング50918への入口50922と排出器ハウジング50918の出口50924との間の流路50904を画定する。入口50922と出口50924との中間に、流体トラップ50960と、フィルタ50970と、ポンプ50906とが連続して配置される。排出器ハウジング50918は、例えば、レセプタクル50871と同様に、モジュール式流体トラップ及び/又は交換可能なフィルタを受容するように寸法決めされたソケット又はレセプタクル50971を含むことができる。ダイバータ弁50934において、流体を、流体トラップ50960の凝縮器50935内に向けることができ、煙は、フィルタ50970に向かって進み続けることができる。特定の例では、流体トラップ50960は、例えば、捕捉された流体が流体トラップ50960から飛び散るのを防止するためのバッフル50964などのバッフル及び/又はスクリーン50962などのスプラッタスクリーンを含むことができる。フィルタ50970は、プリーツ付き超低浸透空気(ULPA)フィルタ50942及び炭フィルタ50944を含む。封止された導管又は管50905は、様々な一列に並んだ構成要素の間に延びる。排出器ハウジング50918はまた、本明細書で更に説明し、かつ図18及び図19に示す、センサ50830、50832、50836、50838、50840、50846、50848、50850、50852、及び50854を含む。
図19を更に参照すると、排出器ハウジング50918はまた、遠心ブロワ構成50980及び再循環弁50990を含む。再循環弁50990は、流体トラップ50960を通って流体を再循環させるために、選択的に開閉することができる。例えば、流体検出センサ50836が流体を検出した場合、流体がフィルタ50970から離れて戻って流体トラップ50960内に戻るように向けられるように、再循環弁50990を開放することができる。流体検出センサ50836が流体を検出しない場合、煙がフィルタ50970内に向けられるように、弁50990を閉じることができる。再循環弁50990を介して流体が再循環されるとき、流体は、再循環導管50982を通って引き込まれてもよい。遠心ブロワ構成50980は、再循環導管50982と係合して、再循環導管50982内に再循環吸引力を発生させる。より具体的には、再循環弁50990が開放され、ポンプ50906が起動されると、フィルタ50970の下流のポンプ50906によって生成された吸引力は、第1の遠心ブロワ又はかご形50984の回転を発生させることができ、これは、再循環弁50990を通って流体トラップ50960内に再循環される流体を引き込む、第2の遠心ブロワ又はかご形50986に伝達することができる。
本開示の様々な態様では、図5及び図6の制御部概略図は、図18及び図19の様々なセンサシステム及び排出器ハウジングと共に利用することができる。
手術部位から排出される煙は、液体、エアロゾル、及び/若しくはガスを含むことができ、並びに/又は、例えば、異なるサイズ及び/若しくは密度の粒子状物質及び粒子などの異なる化学的及び/若しくは物理的特性の物質を含むことができる。手術部位から排出される異なる種類の物質は、外科用排出システム及びそのポンプの効率に影響を及ぼし得る。更に、特定の種類の物質は、ポンプが過度の電力を引き込むことを必要とすることがあり、かつ/又はポンプのためのモータを損傷させる恐れがあり得る。
ポンプに供給される電力は、流路に沿った1つ以上のセンサからの入力に基づいて、排出システムを通る煙の流量を制御するように変調することができる。センサからの出力は、例えば、排煙システムの状態若しくは品質、並びに/又は、物質の種類(単数又は複数)及び比率、化学的特性、密度、及び/若しくは微粒子のサイズなどの排出された煙の1つ以上の特性を示すことができる。本開示の一態様では、排出システム内の2つの圧力センサ間の圧力差は、例えば、フィルタ、流体トラップ、及び/又はシステム全体の状態などの、それらの間の領域の状態を示すことができる。センサ入力に基づいて、モータ速度を変更するように構成されている、モータに供給される電流及び/又はデューティサイクルを変更することによって、ポンプのモータの動作パラメータを調整することができる。
本開示の一態様では、排出システムを通る煙の流量を調整することによって、フィルタの効率を改善することができ、及び/又はモータを焼損から保護することができる。
外科用排出システムは、煙中の微粒子のサイズ及び/又は濃度を検出するための1つ以上の粒子カウンタ又は粒子センサを含むことができる。再び図18及び図19を参照すると、粒子センサ50838及び50848が示されている。読者は、様々な粒子測定手段が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、粒子センサは、光学センサ、レーザーセンサ、光電センサ、イオン化センサ、静電センサ、及び/又はこれらの組み合わせであってもよい。様々な粒子センサについては、本明細書で更に説明する。
様々な例では、モータの速度、及びしたがって、ポンプの速度は、外科用排出システム内の1つ以上の粒子センサによって検出される微粒子濃度に基づいて調整されてもよい。例えば、粒子センサ(単数又は複数)が、流路内の煙の量の増加に対応することができる、流路内の粒子濃度の増加を検出すると、モータの速度を増加させて、ポンプの速度を増加させ、より多くの流体を手術部位から排煙システム内に引き込むことができる。同様に、粒子センサ(単数又は複数)が、流路内の煙の量の減少に対応することができる、流路内の粒子濃度の減少を検出すると、モータの速度を減少させて、ポンプの速度を減少させ、手術部位からの吸引を低減することができる。外科用排出システムのための追加の及び代替的な調整アルゴリズムについては、本明細書で更に説明する。更に、特定の例では、排煙システムからのセンサデータに基づいて、外科システム内の発生器は、本明細書に更に記載されるように、手術部位で発生した煙の量を調整するように制御されてもよい。
外科用排出システムの流路に沿って配置された粒子センサに加えて、システムは、周囲室、例えば、手術室又は手術室内の微粒子濃度を検出するための1つ以上のセンサを含むことができる。再び図18及び図19を参照すると、空気品質粒子センサ50852は、排出器ハウジング50818の外面上に設置されている。空気品質粒子センサ50852の代替的な位置も想定される。
少なくとも1つの例では、粒子センサは、フィルタの下流に配置することができ、特定の例では、フィルタの出口又はその付近に配置することができる。例えば、粒子センサ50848は、排煙システム50800内のフィルタ50870及びポンプ50806の下流に配置され、排煙システム50900内のフィルタ50970及びポンプ50906の下流に配置される。粒子センサ50848がフィルタ(単数又は複数)50870、50970の下流に配置されているため、粒子センサは、フィルタ(単数又は複数)50870、50970が煙から十分な微粒子を除去したことを確認するように構成されている。様々な例では、そのようなセンサは、排出器ハウジング50818、50918の排気出口50824、50924それぞれに隣接していてもよい。本開示の一態様では、静電粒子センサを利用することができる。例えば、排気出口50824、50924は、排気が濾過システムの下流を通過し、手術室内に排気される前に流れる、静電微粒子センサを含むことができる。
外科用排出システムの1つ以上のセンサによって検出される微粒子濃度は、多くの異なる方法で臨床医に通信されてもよい。例えば、排出器ハウジング50818、50918及び/又は排出装置(例えば、図2の電気外科用器具50032)は、1つ以上のライト及び/又はディスプレイスクリーンなどのインジケータを含むことができる。例えば、排出器ハウジング50818、50819上のLEDは、センサ(単数又は複数)によって検出された粒子の体積に応じて(例えば、青色から赤色へと)色を変更することができる。他の例では、インジケータは、例えば、触覚的、聴覚的、及び/又は視覚的であってもよい、アラーム又は警告を含むことができる。そのような例では、空気品質センサ(例えば、粒子センサ50852)によって検出された周囲空気中の微粒子濃度が閾値量を上回ると、手術室内の臨床医(単数又は複数)が、インジケータ(単数又は複数)によって通知され得る。
特定の例では、外科用排出システムは、光学センサを含んでもよい。光学センサは、光又は光の変化を電子信号にコバート(covert)する電子センサを含むことができる。光学センサは、煙中の粒子の濃度を判定するために、煙中の粒子を検出して計数する光散乱法を利用することができる。様々な例では、光は、レーザーに基づく。例えば、一例では、レーザー光源は、粒子が検出チャンバを通って移動する際に粒子を照明するように構成されている。粒子がレーザーのビームを通過するとき、光源は、覆い隠される、方向転換される、及び/又は吸収される。散乱光は、光検出器によって記録され、記録された光は、分析される。例えば、記録された光は、煙中の微粒子濃度に対応する粒子のサイズ及び量を示す電気信号に変換することができる。煙中の微粒子濃度は、例えば、レーザー光学センサによってリアルタイムで計算することができる。本開示の一態様では、粒子センサ50838、50848、50852のうちの少なくとも1つは、レーザー光学センサである。
煙中の粒子を検出するための光電センサは、通過型ビームセンサ、反射型センサ、又は拡散型センサであってもよい。反射型光電センサ51000を、図20に示す。図20を参照すると、反射型光電センサ51000は、光源51006からレンズ51012を通って放射された光ビーム51002が光検出器又はフォトセル51004からオフセットしている、光散乱センサである。例えば、図20の光検出器51004は、光源51006から90度オフセットしている。煙Sが光源51006と光キャッチャ51008との中間の光ビーム51002を覆い隠すと、光は反射され、反射光51010は、レンズ51014に向かって、及び光検出器51004上に散乱される。光検出器51004は、光を煙S中の微粒子濃度に対応する電気信号(電流)に変換する。出力信号は、図5及び図6にそれぞれ示すプロセッサ50308及び/又は50408と多くの点で類似していてもよいプロセッサ51016に提供することができ、プロセッサ51016は、電気信号及び対応する微粒子濃度に基づいてモータの動作パラメータに影響を及ぼすことができる。例えば、反射型光電センサ51000からの出力信号は、モータのための制御アルゴリズムへの入力及び/又は外科用ハブへの入力であってもよい。
通過型光電センサ51100を図21に示す。図21に示すように、光源51102と光検出器51104との間に見通し線が延びている。そのような例では、光検出器51104に到達する光の強度は、煙S中の微粒子濃度に対応する電気信号(電流)に変換することができる。出力信号は、図5及び図6に示すプロセッサ50308及び/又は50408と多くの点で類似していてもよい、24Vの直流電源に連結されたプロセッサ51106に提供することができる。プロセッサ51106は、電気信号及び対応する微粒子濃度に基づいてモータの動作パラメータに影響を及ぼすことができる。例えば、光電センサ51100からの出力信号は、モータのための制御アルゴリズムへの入力及び/又は外科用ハブへの入力であってもよい。
図20のセンサ51000及び/又は図21のセンサ51100などの外科用排出システムの光電センサでは、他の種類の煙を無視しながら、特定の種類の煙に対してセンサ51000を調整するように、光の波長を選択することができる。特定の例では、複数のセンサ及び/又は複数の波長を使用して、センサ51000を正しい組み合わせ(単数又は複数)に調整することができる。水蒸気、更に濃い水蒸気は、特定の波長の光を吸収する。例えば、水蒸気は、赤外光を反射する代わりに吸収する。水蒸気のこれらの吸収特性に起因して、赤外光は、水蒸気の存在下では、外科用排出システム内の流体中の粒子を正確に計数するために有用であり得る。
特定の例では、イオン化センサを使用して、煙中の粒子を検出することができる。イオン化センサは、2つの電極、並びに空気分子を陽イオン及び負イオンに変換する放射性物質を含む。陽イオンは負極に向かって移動し、負イオンは正極に向かって移動する。煙が電極間を通過すると、煙はイオンと結合し、これにより回路を遮断する。回路を通る電流の低下は、電極間を通過する煙の体積に対応する電気信号(電流)に変換することができる。
イオン化センサ51200を、図22に示す。イオン化センサ51200は、アメリシウム241を利用して、密閉区域内で空気をイオン化する。センサ51200は、離間した2つの電極51204を有する小型のイオン化チャンバ51202を含む。イオン化チャンバ51202は、例えば、ポリ塩化ビニル又はポリスチレンで作製することができ、電極51204は、例えば、イオン化チャンバ51202内で約1cm離間していることができる。アメリシウム241源51208は、イオン化チャンバ51202にアメリシウム241を提供することができる。約0.3μgのアメリシウム241は、例えば、銀バッキングとパラジウム積層体の2マイクロの厚さの層との間に挟まれた金箔マトリックス内に埋め込むことができる。アメリシウム241は、432年の半減期を有し、アルファ線51206を放射することによって減衰することができる。金箔マトリックスは、放射性物質を保持する一方で、依然としてアルファ線51206が通過することを可能にするように構成されている。様々な例では、アルファ線は、空気粒子を容易にイオン化し、低い透過能を有し、かつ容易に封じ込めることができるため、ベータ線及びガンマ波よりも好ましい。
イオン化中、電子が酸素分子及び窒素分子から叩き落され、これにより、荷電イオンを生成する。荷電イオンは、逆荷電電極に誘引され、したがって、チャンバ内に電流を形成する。煙微粒子51210は空気分子よりも大きいため、イオン化粒子は、煙微粒子と衝突し結合する。結合した粒子は、再結合中心として作用し、イオンを中和し、これにより、イオン化チャンバ51202内のイオン化粒子の量を低減させ、全体的な電流を低減させる。電流の低下は、電極51204間を通過する煙の体積に対応する電気信号に変換することができる。出力信号は、例えば、モータの動作パラメータに影響を及ぼすことができる、図5及び図6それぞれに示すプロセッサ50308及び/又はプロセッサ50408などのプロセッサに提供することができる。例えば、イオン化センサ51200からの出力信号は、本明細書で更に説明するように、モータのための制御アルゴリズムへの入力及び/又は外科用ハブへの入力であってもよい。
様々な例では、二重イオン化チャンバを使用することができる。感知チャンバとして作用する第1のチャンバは、大気に開放され、粒子状物質、湿度、及び大気圧によって影響を受けることがある。第2のチャンバは、煙及び粒子状物質から隔離することができる。第2のチャンバは、煙流路の外側に配置されているが、依然として湿度及び大気圧によって影響を受ける。2つのチャンバを使用することによって、両方のチャンバからの出力が等しく影響を受け、互いに相殺されるため、湿度及び大気圧の変化を最小限に抑えることができる。例えば、外科処置の種類、使用される外科用装置(単数又は複数)、及び遭遇する組織の種類に応じて、外科処置中に湿度及び圧力が著しく変化することがあるため、二重イオン化チャンバは、圧力及び湿度の変動を補償するために排煙システムにおいて有用であり得る。
特定の例では、煙中の微粒子濃度を判定するために組み合わせ手法を利用することができる。例えば、複数の異なる種類の煙検出器又はセンサを利用することができる。そのようなセンサは、流路と直列に一列に配置することができる。例えば、複数の粒子センサは、図18の流路50804及び/又は図19の流路50904に沿って配置することができる。様々なセンサは、本明細書に記載される様々な調整アルゴリズムなどのポンプモータ制御アルゴリズムへの入力を提供することができる。
特定の例では、外科用排出システムは、煙中の微粒子をより正確に検出するようにセンサパラメータを調整するように構成することができる。センサパラメータの調整は、外科用装置の種類、外科処置の種類、及び/又は組織の種類に依存し得る。外科用装置は、多くの場合、予測可能な種類の煙を生成する。例えば、特定の処置では、予測可能な種類の煙は、高い水蒸気含量を有する煙であり得る。そのような例では、赤外線は水蒸気によって実質的に吸収され、反射されないため、赤外線光電センサを用いることができる。加えて又は代わりに、予測可能な種類の煙は、特定のサイズ又は濃度の粒子を有する煙であり得る。粒子の予想されるサイズに基づいて、センサは、煙中の微粒子濃度をより正確に判定するように調整することができる。
特定の例では、状況認識は、センサパラメータの調整を容易にすることができる。状況認識に関連する情報は、臨床医、外科用排出システムと信号通信するインテリジェント電気外科用器具、ロボットシステム、ハブ、及び/又はクラウドによって、外科用排出システムに提供することができる。例えば、ハブは、例えば、排煙システムを含む、様々なセンサシステム及び/又は入力システムからのデータを集約することができる、状況認識モジュールを含むことができる。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム全体にわたるセンサ及び/又は入力を用いて、例えば、外科処置に利用される外科用装置、外科処置の種類及び/若しくは工程、並びに/又は組織の種類を判定及び/又は確認することができる。特定の例では、状況認識は、特定の時間に生じることになる煙の種類を予測することができる。例えば、状況認識モジュールは、どの種類の煙が発生する可能性が高いかを判定するために、外科処置の種類及びその中の工程を判定することができる。予想される煙の種類に基づいて、センサを調整することができる。
特定の例では、本明細書に開示される粒子センサのうちの1つ以上は、流体検出センサであり得る。例えば、粒子センサは、エアロゾル及び/又は液滴が排出された煙中に存在するかどうかを判定するように配置して構成することができる。本開示の一態様では、検出された粒子のサイズ及び/又は濃度は、エアロゾル、液滴、固体物質、及び/又はこれらの組み合わせに対応し得る。特定の例では、状況認識は、検出された粒子がエアロゾル又は固体物質であるかどうかを判定及び/又は確認することができる。例えば、プロセッサ(例えば、図5のプロセッサ50308及び/又は図6のプロセッサ50408)と信号通信する状況認識モジュールは、流体中の粒子の識別を通知することができる。
ここで図23を参照すると、例えば、外科用排出システム50400(図6)などの外科用排出システムの経時的な粒子数51300及びモータ速度51302のグラフ表示が示されている。目標モータ速度51304は、予め規定されており、モータと信号通信しているプロセッサのメモリ(例えば、図5及び図6を参照)に記憶されてもよい。様々な例では、プロセッサは、通常の動作条件下で目標モータ速度51304を維持するように構成することができる。例えば、目標モータ速度51304は、メモリ50410(図6)に記憶されてもよく、プロセッサ50408(図6)は、通常の動作条件下で目標モータ速度51304を維持するように構成することができる。そのような例では、外科用排出システム50400(図6)が起動されると、モータ50451は、目標モータ速度51304で動作することができ、1つ以上の条件が検出され、かつ/又はプロセッサ50408に通信されない限り、目標モータ速度51304で動作し続けることができる。
特定の例では、プロセッサ50408は、リアルタイムで吸気煙中の微粒子濃度を検出するように構成された粒子センサと信号通信することができる。レーザー粒子カウンタセンサなどの微粒子濃度センサの様々な例が、本明細書に記載される。本開示の一態様では、図18のフィルタ50870への入口及び図19のフィルタ50970への入口に配置された粒子センサ50838(図18及び図19)は、プロセッサ50408(図6)と信号通信することができる。例えば、レーザー粒子センサ50838は、図6のセンサ50430のうちの1つに対応することができる。
様々な例では、粒子センサ50838(図18及び図19)が、微粒子濃度(例えば、流体中の粒子状物質の百万分率)が閾値量51306を下回って低下していることを検出すると、プロセッサ50408は、モータ50451の速度を低減するようにモータドライバ50428に指示することができる。例えば、図23の時間t1では、粒子数又は微粒子濃度51300は、閾値量51306を下回って低下している。粒子数51300が閾値量51306を下回って低下しているため、モータ速度51302は、目標モータ速度51304を下回るまで低減されてもよい。その後、粒子数51300が時間t2などで閾値量51306を再び上回ることを粒子センサ50838(図18及び図19)が検出した場合、プロセッサ50408は、モータ50451の速度を増加させて目標モータ速度51304を再開するようにモータドライバ50428に指示することができる。微粒子濃度は、煙中の粒子のサイズに対応することができる。例えば、煙は、時間t1と時間t2との間により小さい粒子を含有し得る。モータ50451の速度を低減させることにより、ポンプ50450によって生成された吸引を低減することができ、これにより、より小さい粒子が外科用排出システム50400のフィルタを通して吸引されないことを確実にすることができる。例えば、モータ速度を低減させる、又はポンプの圧力を低減させることにより、濾過システムが微粒子を捕捉するのに適切な時間及び能力を有することを確実にし、かつ細かいメディアフィルタがより小さい粒子を捕捉することができることを確実にすることができる。換言すれば、より遅い速度により、外科用排出システム50400の濾過効率を改善することができる。
特定の例では、ポンプ50450を駆動するモータ50451の速度は、フィルタの下流に配置された粒子センサに基づいて調整することができる。例えば、図18及び図19を再び参照すると、粒子センサ50848は、図18のフィルタ50870の下流、及び図19のフィルタ50970の下流に配置されている。粒子センサ50848は、フィルタアセンブリの下流に配置されているため、粒子センサ50848は、例えば、外科用排出システム50800又は排出システム50900からの排気中の微粒子を検出するように構成されている。換言すれば、そのような粒子センサ50848は、排出器ハウジング50818、50918を通過して、周囲空気中に排出される微粒子を検出するように構成されている。粒子センサ50848は、排出器ハウジング50818、50918の出口50824、50924それぞれに隣接して配置される。一例では、排気中の微粒子濃度(例えば、粒子センサ50848によって検出された微粒子濃度)が既定の閾値量を上回ると、プロセッサ50308(図5)及び/又はプロセッサ50408(図6)は、ポンプに対する調整を実施することができる。例えば、再び図6を参照すると、モータ50451の速度を調整して、外科用排出システム50400の濾過効率を改善することができる。
モータ速度は、モータに供給される電流を制限すること、及び/又はモータのデューティサイクルを変更することによって調整することができる。例えば、パルス変調回路は、パルス幅変調及び/又はパルス周波数変調を用いて、パルスの長さ及び/又は周波数を調整することができる。
加えて又は代わりに、排気中の粒子数が、手術室内の操作者(単数又は複数)及び臨床医(単数又は複数)に危険又は有害であり得る既定の閾値量を上回る場合、排出された流体を、外科用排出システム内の1つ以上のフィルタを介して方向転換することができる。例えば、粒子センサ50838が、閾値量を上回る排気中の粒子数を検出した場合、プロセッサ50308(図5)及び/又はプロセッサ50408(図6)は、フィルタの下流の弁を開くことができ、これにより、排気を再循環し、再循環された排気をフィルタの上流で流路内に注入することができる。特定の例では、弁は、例えば、再循環された排気を1つ以上の追加の及び/又は異なるフィルタを含む代替の流路内に注入することができる。
特定の例では、外科用排出システムは、設定閾値を上回るにもかかわらず、排出システムが動作し続ける、かつ/又は既定の電力レベルで動作し続ける、オーバーライドオプションを含むことができる。例えば、オーバーライドモードでは、フィルタの下流の粒子センサが閾値量を上回る微粒子濃度を検出した場合であっても、外科用排出システムは、動作し続けて、粒子を排気することができる。手術室の操作者は、例えば、排出器ハウジング上のスイッチ、トグル、ボタン、若しくは他のアクチュエータを起動させることによって、及び/又は外科用ハブへの入力によって、オーバーライド機能又はオーバーライドモードを起動することができる。
ここで図27を参照すると、外科用排出システムの調整アルゴリズム52300を示すフローチャートが示されている。本明細書に開示される様々な外科用排出システムは、図27の調整アルゴリズム52300を利用することができる。更に、読者は、特定の例では、調整アルゴリズム52300を、本明細書に記載される1つ以上の追加の調整アルゴリズムと組み合わせることができることを容易に理解するであろう。外科用排出システムに対する調整は、排出器ポンプのモータと信号通信するプロセッサによって実施することができる(例えば、図5及び図6のプロセッサ及びポンプを参照)。例えば、プロセッサ50408は、調整アルゴリズム52300を実施することができる。そのようなプロセッサはまた、外科用排出システム内の1つ以上のセンサと信号通信することができる。
様々な例では、外科用排出システムは、最初に、図27に示すようにスタンバイモード52302で動作することができ、このモードでは、モータは、手術部位から流体をサンプリングするために、ブロック52310に示すように低電力で動作する。例えば、スタンバイモード52302では、少量の流体サンプルを外科用排出システムによって手術部位から排出することができる。スタンバイモード52302は、排出システムのデフォルトモードとすることができる。
フィルタの上流の粒子センサ(例えば、粒子センサ50838)が、ブロック52312に示すように閾値Xより大きい粒子数又は微粒子濃度を検出した場合、外科用排出システムは、自動排出モード52304になることができる。自動排出モード52304では、ブロック52314でモータ速度を増加させて、手術部位から追加の煙を引き込むことができる。例えば、粒子数又は微粒子濃度は、電気外科処置が開始されるときに、又は特定の電気外科用電力レベルが起動されたときに、閾値量Xを上回って増加し得る。特定の例では、検出された微粒子濃度に基づいて、自動排出モード52304中にモータの速度を調整することができる。例えば、粒子センサ50838によって検出される微粒子濃度が増加するにつれて、モータ速度は、それに応じて増加することができる。特定の例では、既定のモータ速度は、粒子センサ50838によって検出された微粒子濃度の既定の範囲に対応することができる。
更に図27を参照すると、フィルタの下流の粒子センサ(例えば、粒子センサ50848)がブロック52316で閾値量Y未満の粒子数又は微粒子濃度を検出した場合、モータは、ブロック52310で低電力モードを再開することができる、及び/又は本明細書で提供されるようにブロック52314で更に調整することができる。更に、下流の粒子センサ50848がブロック52318で閾値量Yよりも大きく、かつ閾値量Z未満の粒子数又は微粒子濃度を検出した場合、ブロック52320でモータ速度を減少させて、フィルタの効率を改善することができる。例えば、閾値YとZとの間の粒子センサ50848によって検出される微粒子濃度は、排煙システムのフィルタを通過する小さい粒子に対応することができる。
更に図27を参照すると、フィルタの下流の粒子センサ50848がブロック52318で閾値量Zよりも大きい粒子数を検出した場合、ブロック52322でモータをオフにして、排出処置を終了させることができ、外科用排出システムは、オーバーライドモード52306になることができる。例えば、閾値Zは、手術室内の臨床医及び/又は他の職員に対する空気品質リスクに対応することができる。特定の例では、操作者は、本明細書で更に提供されるように、シャットダウン機能を選択的にオーバーライドすることができ、それにより、モータは、ブロック52310で動作し続ける。例えば、外科用排出システムは、流体のサンプルが手術部位から排出され、外科用排出システムによって監視される、スタンバイモード52302に戻ることができる。
特定の例では、ポンプの電力レベルは、外科用排出システムの少なくとも一部分にわたる圧力差の関数であってもよい。例えば、外科用排出システムは、少なくとも2つの圧力センサを含むことができる。再び図18及び図19を参照すると、周囲圧力センサ50854は、周囲室内の圧力を検出するように構成されている。圧力センサ50840は、図18の流体トラップ50860とフィルタ又は濾過システム50870との中間の流路50804内の圧力を検出するように、かつ図19の流体トラップ50960とフィルタシステム50970との中間の流路50904内の圧力を検出するように構成されている。加えて、圧力センサ50846は、図18の濾過システム50870とポンプ50806との中間の流路50804及び図19の濾過システム50970とポンプ50906との中間の流路50904内の圧力を検出するように構成されている。最後に、圧力センサ50850は、排気ポート又は出口50824及び50924それぞれにおける流路50804及び50904内の圧力を検出するように構成されている。読者は、特定の排煙システムが、図18及び図19に示す4つの圧力センサ50840、50846、50850、及び50854よりも少ない又はそれよりも多い圧力センサを含むことができることを容易に理解するであろう。更に、圧力センサは、外科用排出システム全体にわたって代替的な位置に配置することができる。例えば、1つ以上の圧力センサは、例えば、排出器とハウジングとの間に延びる排出導管に沿って排煙器装置内に、及び流体トラップの上流及び/又は濾過システムの中間の異なる層などのハウジング内に配置することができる。
ここで図28を参照すると、外科用排出システムの調整アルゴリズム52400を示すフローチャートが示されている。様々な例では、本明細書に開示される外科用排出システムは、図28の調整アルゴリズムを利用することができる。更に、読者は、特定の例では、図28の調整アルゴリズム52400を、本明細書に記載される1つ以上の追加の調整アルゴリズムと組み合わせることができることを容易に理解するであろう。外科用排出システムに対する調整は、排出器ポンプのモータと信号通信するプロセッサによって実施することができる(例えば、図5及び図6のプロセッサ及びポンプを参照)。例えば、プロセッサ50408は、調整アルゴリズム52400を実施することができる。プロセッサはまた、外科用排出システム内の1つ以上の圧力センサと信号通信することができる。
様々な例では、プロセッサ50408は、ブロック52402で第1の圧力センサから圧力測定値P1を取得し、ブロック52404で第2の圧力センサから第2の圧力測定値P2を取得するように構成されている。第1及び第2の圧力センサは、例えば、図6のセンサ50430によって提供されてもよい。プロセッサ50408は、ブロック52406で測定値P1及びP2を比較して、第1の圧力センサと第2の圧力センサとの間の圧力差を判定するように構成されている。一例では、ブロック52408でなど、圧力差が閾値量X以下である場合、ポンプの速度を維持することができる。逆に、ブロック52410でなど、圧力差が閾値量Xよりも大きい場合、ポンプの速度を調整することができる。モータの動作パラメータに対する調整は、ポンプの速度を調整するように構成されている。調整アルゴリズム52400は、連続的に及び/又は規則的な間隔で繰り返すことができる。特定の例では、臨床医は、調整アルゴリズム52400の実施をトリガすることができる。
排出システムを通る煙の流量は、圧力差の関数であり得る。一例では、排出システムにわたる圧力差が著しく増加する場合、システムを通る流量も増加し得る。実際の流量は、圧力差及びモータ速度に基づいて予測することができる。したがって、圧力差を監視することによって、流量をより正確に判定することができる。
加えて、流路内の閉塞は、圧力差の増加に対応することができる。例えば、フィルタが煙から粒子を捕捉するにつれて、フィルタにわたる圧力差は、所与のポンプ速度に対して増加し得る。フィルタにわたる既定の圧力低下に応じて、モータの速度及び対応するポンプの速度を増加させて、フィルタ内の閉塞にもかかわらず、システムを通る煙の流量を維持することができる。例えば、図18及び図19を再び参照すると、第1の圧力センサ(例えば、圧力センサ50840)は、フィルタの上流に配置することができ、第2の圧力センサ(例えば、圧力センサ50846)は、フィルタの下流に配置することができる。圧力センサ50840と圧力センサ50846との間の圧力差は、フィルタにわたる圧力低下に対応することができる。フィルタが煙中の粒子を捕捉するにつれて、捕捉された粒子は、流路を閉塞することがあり、これにより、フィルタにわたる圧力差を増加させることがある。圧力差の増加に応じて、プロセッサは、システムにわたる流量を維持するためにモータの動作パラメータを調整することができる。例えば、モータの速度及び対応するポンプの速度は、流路内の部分的に閉塞されたフィルタを補償するために増加させることができる。
他の例では、既定の圧力低下は、排出導管内の閉塞に対応することができる。一実施例では、例えば、排出導管が組織で閉塞されたときに組織損傷を回避するために、モータの速度及び対応するポンプの速度を減少させることができる。そのような例でポンプの速度を減少させることは、潜在的な組織外傷を回避するように構成することができる。
別の例では、第1の圧力センサは、流体トラップの上流に配置することができ、第2の圧力センサは、流体トラップの下流に配置することができる(例えば、圧力センサ50840)。センサ間の圧力差は、流体トラップにわたる圧力低下に対応することができ、これは、流体トラップを通る流量及び/又は流路に対応することができる。流体トラップ全体にわたる圧力差はまた、流体排出システム内の他のセンサによって推定することができる。特定の例では、煙が下流のフィルタ(単数又は複数)及びポンプに入る前に煙からの液体の十分な除去を確実にするために、流体トラップを通る流量を低減することが望ましい。そのような例では、圧力差は、モータの速度及び対応するポンプの速度を低減することによって低減されてもよい。
更に他の例では、第1の圧力センサは、外科用排出システム又はその排出器ハウジングへの入口に配置することができ、第2の圧力センサは、外科用排出システムの出口に配置することができる(例えば、圧力センサ50850)。センサ間の圧力差は、外科用排出システムにわたる圧力低下に対応することができる。特定の例では、システムにわたる圧力低下を監視することによって、システムの最大吸引負荷を閾値未満に維持することができる。圧力低下が閾値量を上回ると、プロセッサは、圧力差を低減するために、モータの動作パラメータを調整する(例えば、モータを減速させる)ことができる。
一例では、化学センサ50832は、例えば、センサ50832上に飛び散った流体などの、センサと物理的に接触している物質のpHを検出することができる。本開示の一態様では、化学センサ50832は、流体中のグルコース含量及び/又は酸素含量を検出することができる。特定の例では、化学センサ50382は、癌性副生成物を検出するように構成することができる。癌性副生成物が検出された場合、そのような副生成物が手術室に入る可能性を低減するために、排出システムのパラメータを調整することができる。一例では、例えば、排出システム内のフィルタの効率を改善するために、ポンプ速度を低減することができる。他の例では、癌性副生成物が手術室内に排出されないことを確実にするために、排出システムの電源を切ることができる。
外科用排出システムによって手術部位から抽出された流体は、液体及び様々な微粒子を含んでもよい。排気された流体中の異なる種類及び/又は状態の物質の組み合わせは、排気された流体を濾過することを困難にすることがある。加えて又は代わりに、特定の種類及び/又は状態の物質は、特定のフィルタにとって有害であり得る。例えば、煙中の液滴の存在は、特定のフィルタを損傷する可能性があり、煙中のより大きな微粒子の存在は、特定の細かな微粒子フィルタを閉塞することがある。
センサは、排出システムを通って移動する流体のパラメータを検出するように構成することができる。センサ(単数又は複数)によって検出されたパラメータに基づいて、外科用排出システムは、排出された流体を適切な流路に沿って向けることができる。例えば、特定の閾値パラメータを上回る割合の液滴を含有する流体は、流体トラップを介して向けることができる。別の実施例として、閾値サイズを上回る微粒子を含有する流体は、粗いメディアフィルタを介して向けることができ、閾値サイズ未満の微粒子を含有する流体は、粗いメディアフィルタをバイパスして、細かいメディアフィルタに向けることができる。
外科用排出システムを通る代替的な流路を提供することにより、外科用排出システム及びそのフィルタ(単数又は複数)は、より効率的に動作し、損傷及び/又は閉塞をより受けにくくすることができる。フィルタの使用可能寿命もまた延長することができる。本明細書で提供されるように、フィルタは、1つ以上の濾過層を含むことができ、特定の例では、濾過システムは、1つ以上のフィルタを含むことができる。
外科用排出システムのダイバータ弁52934を、図24A及び図24Bに詳細に示す。本開示の一態様では、図18及び図19の外科用排出システム50800及び50900それぞれに示すダイバータ弁50834及び50934は、ダイバータ弁52934を含むことができる。ダイバータ弁52934は、入口経路52942から第1の経路52940又は第2の経路52938のいずれかに沿って流体を向けるように動作可能に構成されたボール弁52396を含む。様々な例では、ボール弁52396は、コントローラを備える電気作動式ボール弁であってもよい。例えば、プロセッサ50408(図6)などの外科用排出システムのプロセッサは、ボール弁コントローラに信号を送って、ボール弁52396の回転を開始して、煙の流路を変更することができる。ダイバータ弁52934が第1の位置(図24A)にあるときには、ダイバータ弁52934を介した煙の吸気は、第1の経路52940に沿って向けられる。ダイバータ弁52934が第2の位置(図24B)にあるときには、ダイバータ弁52934を介した煙の吸気は、第2の経路52938に沿って向けられる。
第1の経路52940は、煙中に液体が検出されていない場合の、又は検出された液ガス比又はエアロゾルの割合が閾値未満である場合の流路に対応することができる。第2の経路52938は、煙中に液体、例えば、エアロゾルが検出された場合の、又は検出された液ガス比又はエアロゾルの割合が閾値以上である場合の流路に対応することができる。本開示の特定の態様では、第1の経路52940は、流体トラップをバイパスすることができ、第2の経路52938は、煙がフィルタ内に向けられる前に煙から流体を捕捉するために、煙を流体トラップを通して向けることができる。エアロゾルの割合に基づいて流路を選択することにより、外科用排出システムの効率を改善することができる。
他の例では、ダイバータ弁52934は、3つ以上の流体経路出口を含むことができる。更に、流体経路は、流体の検出されたパラメータに応じて、流体トラップに対して流体をバイパス/再循環すること、かつ/又は流体トラップ、凝縮器、及び/若しくは微粒子フィルタの異なる構成を含む異なる濾過経路に沿って煙を向けることができる。
再び図18及び図19を参照すると、流体検出センサ50830は、煙中のエアロゾルの存在又は液ガス比を検出するように構成されている。例えば、図18の流体検出センサ50830は、排出器ハウジング50818の入口50822に配置される。他の例では、流体検出センサ50830は、入口50822付近に、並びに/又はフィルタ50870及び/若しくはフィルタ50870を受容するためのソケットの上流の位置に配置することができる。流体検出センサの例については、本明細書で更に説明する。例えば、流体検出センサ50830は、本明細書で更に開示される粒子センサのうちの1つ以上を含むことができる。加えて又は代わりに、本開示の一態様では、流体検出センサ50830は、連続性センサを含む。
一例では、流体検出センサ50830が閾値以上の液ガス比を検出した場合、吸気は、微粒子フィルタに入る前に、凝縮器に迂回させることができる。凝縮器は、流路内の小さな液滴を凝結するように構成することができる。様々な例では、凝縮器は、ハニカム構造を含むことができる。凝縮器は、液体が凝結するように構成されている、複数のバッフル又は他の構造体を含むことができる。煙が凝縮器を通過して流れると、液体は、内部のバッフル上で凝結することができ、流体リザーバ内に下方に滴下するように向けることができる。
主に図18を参照すると、内部のダイバータ弁50834は、煙がフィルタ50870に直接流れるように、凝縮器50835をバイパスするように煙の吸気を向けるように配置されている。凝縮器50835をバイパスする際、外科用排出システム50800は、ポンプを駆動するモータによる少ない電力を必要とすることができる(例えば、図6のモータ50451及びポンプ50450を参照)。ここで図19を参照すると、ダイバータ弁50934は、煙がフィルタ50970内に流れる前に、流体トラップ50960内の凝縮器50935内に煙を向けるように配置されている。逆に、流体検出センサ50830が閾値未満の液ガス比を検出した場合、吸気は、凝縮器50935をバイパスし、フィルタ50970に直接向けることができる。
様々な例では、流体検出センサ50830は、流路内の煙の存在を検出することができる。例えば、流体検出センサ50830は、粒子センサを含むことができる。粒子の検出、又は閾値を上回る微粒子濃度の検出は、煙が流路内に存在することを示すことができる。特定の例では、流体検出センサは、固体粒子(例えば、炭素)とエアロゾル粒子とを区別しない場合がある。他の例では、流体検出センサ50830はまた、エアロゾルの存在を検出することができる。例えば、流体検出センサは、例えば、検出された粒子がエアロゾルであるかどうかを判定することができる、本明細書に記載されるような、連続性センサを含むことができる。
様々な例では、外科用排出システムは、追加又は代替の流路を含むことができる。例えば、外科用排出システムは、高微粒子流路及び低微粒子流路を含むことができる。例えば、粒子センサ50838(図18及び図19)などの粒子センサが、閾値弁以上の微粒子濃度を検出した場合、吸気煙は、微粒子フィルタに迂回させることができる。逆に、レーザー粒子センサが閾値未満の微粒子濃度を検出した場合、吸気煙は、微粒子フィルタをバイパスすることができる。同様に、異なる流路は、異なるサイズ及び/又は種類の粒子に対応することができる。例えば、粒子センサ50838によってより大きい粒子が検出された場合、煙は、より小さい粒子が検出された場合とは異なる経路に沿って向けることができる。例えば、外科用排出システムは、異なる種類の微粒子フィルタ(例えば、大きいメディアフィルタ及び細かいメディアフィルタ)を含むことができ、粒子の検出されたサイズ(又はサイズ範囲)に基づいて、直接遮断、慣性衝突、及び拡散遮断などの異なる濾過方法を利用することができる。異なる流路は、モータに対する電力引き込み及び/又は応力を最小限に抑えながら、煙の流体抽出及び/又は微粒子濾過を最適化するように選択することができる。特定の例では、既定の流路は、より直接的な流路とすることができ、閾値限界を上回る流体パラメータを検出すると、流体は、より直接的でない流路に迂回させることができる。より直接的でない流路は、より多くの電力を必要とする場合がある。
様々な例では、外科用排出システムのモータは、吸気煙及び/又は外科用排出システム内に設置されたフィルタの特性に基づいて調整されてもよい。再び図6に示す概略図を参照すると、プロセッサ50408は、ポンプ50450のためのモータ50451に連結されたモータドライバ50428と信号通信する。プロセッサ50408は、煙及び/又は設置されたフィルタの特性に基づいてモータ50451を調整するように構成することができる。一例では、プロセッサ50408は、煙中に浮遊するエアロゾルの体積に対応する、及び/又は外科用排出システムの配管と接触している若しくはそこに静止している液滴の体積を含む流路内の液体体積に対応する入力を受信することができる。例えば、連続性センサなどの吸気煙の流体密度を検出するための様々なセンサについては、本明細書で更に説明する。
煙の液ガス比は、排煙ポンプの効率に影響を及ぼし得る。例えば、煙中の液体(単数又は複数)は、煙中のガスよりも圧縮性が低いことがあり、これにより、ポンプの効率に影響を及ぼし得る。加えて、異なる種類のポンプは、エアロゾルの存在下で異なって動作し得る。特定の例では、ポンプ速度を加速させることができ、他の例では、ポンプ速度を減速させることができる。それぞれの液ガス比に対してポンプの効率を最適化するために、プロセッサは、ポンプを駆動するモータを調整するように構成することができる。換言すれば、モータの制御プログラムは、流路内の検出された液ガス比に基づいてポンプ速度を動作可能に調整することができる。
特定のポンプは、ポンプの効率が同じままである又は増加するのいずれかのように、高い液ガス比を有する流体を効率的に処理することができる。例えば、特定のスクロールポンプは、煙経路内のエアロゾルを処理することができる。そのような例では、非圧縮性(又はより圧縮性の低い)流体により、ポンプの回転速度を減少させて、真空の空気処理を増加させてもよい。他のポンプは、高い液ガス比を有する流体に対してより敏感であることがあり、したがって、流体トラップを介した圧力差を制限するために減速させることができる。
様々な例では、センサは、外科用排出システムを通る流量を検出するように構成することができる。例えば、光学センサは、外科用排出システム内の粒子の流量を測定するように構成することができる。特定の例では、外科用排出システムを通る検出された流量を利用して、圧縮機の吸引速度を管理することができる。アルゴリズムは、流量及び/又は煙の1つ以上の検出されたパラメータ(例えば、微粒子濃度、液ガス比など)に基づいて、適切な吸引速度を判定することができる。例えば、高い液ガス比を有する煙が外科用排出システムに入ると、モータ速度を低減して、煙がポンプに入る前に煙からより多くの液体を抽出することができるように、その流体トラップを含む外科用排出システムを通る流量を低減することができる。液体は、特定のポンプを損傷する可能性がある。例えば、煙中の液体が入ることが可能になる場合、ローブポンプ及び再生ブロワは、損傷することがある。
図25は、外科用排出システム50800(図18)及び/又は50900(図19)などの外科用排出システムの経時的な空気流流体含有量及びデューティサイクルのグラフ表示を示す。流体含有量は、排出システム内のエアロゾル及び液滴を含むことができ、例えば、流体検出センサ50830及び50836(図18及び図19)によって検出することができる。図25を再び参照すると、処置の最初に、流体検出センサ50830及び50836は、煙中で、同じ又は実質的に同じ含有量を検出する。換言すれば、それぞれの流体トラップ50860、50960の上流の流体含有量は、それぞれの流体トラップ50860、50960の下流の流体含有量と同じ又は実質的に同じである。センサ50830及び50836の両方によって検出された流体含有量は、処置が継続するにつれて上昇し続ける。
時間t1において、センサ50830及び50836の両方によって検出された流体含有量は、流体含有量閾値(CT)52102を上回り、煙は、濾過システムへの損傷を防止するために、流体トラップ50860及び/又は50960などの流体トラップを介して方向転換される。流体含有量閾値CT52102は、濾過システムにとって有害となる体積又は流体及び/若しくはエアロゾルの割合に対応することができる。主に図19の排出システム50900を参照すると、再循環弁50990は、流体をフィルタ50970に入る前に流体トラップ50960の凝縮器50935内に戻って方向転換することができるように、(図19に示すように)開放することができる。流体を再循環させることによって、追加の液滴を流体から除去することができる。結果として、再び図25を参照すると、フィルタ50970の上流に配置された流体検出センサ50836によって検出される流体含有量は、流体含有量閾値CT52102を下回るまで減少させることができる。様々な例では、排出器ハウジングを通る空気流経路が時間t1で調整されることにより、図25に示すように、モータのデューティサイクルを維持することができる。
更に図25のグラフ表示を参照すると、エアロゾル及び/又は液滴の一部を補足する流体トラップを介して煙が再循環されると、下流の流体検出センサ50836は、煙中のより少ない液体含量を検出し始める。しかしながら、上流の流体検出センサ50830は、煙中の液体の量の増加を検出し続ける。更に、時間t2において、下流の流体検出センサ50836は、流体含有量閾値CT52102を上回る流体含有量を再び検出する。流体トラップを介した煙の再循環にもかかわらず増加する流体含有量に対処するために、煙がポンプに入る前により多くの液体を煙から抽出することができるように、ポンプモータのデューティサイクルは、時間t2で減少され、ポンプの速度を低減させる。ポンプが低減したデューティサイクルに調整されると、流体トラップは、煙中のエアロゾル及び/又は液滴をより効果的に捕捉することができ、流体検出センサ50836によって検出される流体含有量は、最終的に流体含有量閾値CT52102を下回るまで減少し始める。
特定の例では、流体トラップ内の流体の体積及び/又はハウジングの水平度を利用して、流出防止バッフル及び/又は微粒子フィルタへの流体トラップの出口ポートに到達したことに対応し得る閾値限界に内部の流体レベルが近づいているかどうかを判定することができる。液体は、本明細書に更に記載されるように、微粒子フィルタを損傷し、かつ/又はその効率を低下させることがある。液体が微粒子フィルタに入るのを防止するために、プロセッサは、微粒子フィルタに液体を引き込む可能性を最小限に抑えるように、モータを調整することができる。例えば、既定の体積の液体が流体トラップに入ったとき、及び/又は、トラップ内の液体が既定の安全レベルを上回るハウジング内の設定されたマーカー又はレベルに到達したとき、プロセッサは、減速するようにモータに指示することができる。
様々な例では、モータの制御プログラムは、外科用排出システム50900内の圧力センサ50840及び50846(図19)などの排出システム内の圧力センサ間の圧力差を使用することによって、更に影響を受けることがある。例えば、フィルタ50970にわたる圧力差及びポンプ50906のモータの速度に基づいて、外科用排出システム50900のプロセッサは、フィルタ50970を通る実際の流量を予測するように構成することができる。更に、流量を制限し、かつ流体が流体トラップ50960内のリザーバからフィルタ50970内に引き込まれる可能性を低減するために、(例えば、モータ速度を調整することによって)流量を調整することができる。
本明細書に記載されるように、外科用排出システムは、煙中のエアロゾルの存在(例えば、液ガス比)を検出するように構成された1つ以上のセンサと、煙中の炭化微粒子の存在(例えば、百万分率の測定値)を検出するように構成された1つ以上のセンサと、を含むことができる。抽出された流体が主に蒸気、主に煙、及び/又はそれぞれの対応する比率であるかどうかを判定することによって、外科用排出システムは、臨床医、インテリジェント電気外科用器具、ロボットシステム、ハブ、及び/又はクラウドに有益な情報を提供することができる。例えば、蒸気と煙との比は、組織溶着及び/又はコラーゲン焼灼の程度を示すことができる。様々な例では、電気外科用器具及びその発生器のエネルギーアルゴリズムは、蒸気と煙との比に基づいて調整することができる。
本開示の一態様では、抽出された流体が主に蒸気である又は高いエアロゾルの割合を有する場合、プロセッサは、発生器800(図58)などの超音波発生器の振幅及び/又は電力を調整することができる。例えば、排煙システムのプロセッサは、発生器800に通信可能に連結することができる。一例では、特定の外科的シナリオに対して電力が高すぎる場合、過剰な蒸気又はエアロゾルが生成されることがある。そのような例では、発生器の電力レベルを減少させて、エネルギーツールによる蒸気/エアロゾルの発生を低減することができる。他の例では、より高い粒子比に対して、プロセッサは、発生器の電力レベルを調整することができる。例えば、電力レベルは、閾値を上回る粒子比に対して減少させることができる。特定の例では、電圧を調整して、エネルギーツールによって生成される微粒子を低減することができる。
ここで図26を参照すると、外科用排出システムの調整アルゴリズム52200が示されている。本明細書に開示される様々な外科用排出システムは、調整アルゴリズム52200を利用することができる。更に、読者は、特定の例では、調整アルゴリズム52200を、本明細書に記載される1つ以上の追加の調整アルゴリズムと組み合わせることができることを容易に理解するであろう。外科用排出システムに対する調整は、排出器ポンプのモータと信号通信するプロセッサによって実施することができる(例えば、図5及び図6のプロセッサ及びポンプを参照)。例えば、調整アルゴリズム52200は、本明細書で更に説明するように、モータドライバ50428及び/又はダイバータ弁用のコントローラと信号通信するプロセッサ50408によって実施することができる。プロセッサは、様々なセンサを利用して排出された煙の特性を監視するように構成されている。本開示の一態様では、図26を参照すると、プロセッサは、吸気煙が閾値を上回る粒子及びエアロゾルを含むかどうかを判定するように構成されている。
調整アルゴリズム52200の最初に、ブロック52202において、標準流量を開始することができ、ブロック52204において、吸気煙の1つ以上の特性を監視することができる。ブロック52206で、センサは、流体中の粒子を確認するように構成することができる。センサによって粒子が検出されない場合、ブロック52202で、標準流量及び/又は電力レベルは、維持することができる。一例では、標準流量は、本明細書で更に説明するように、最小流量又はアイドル流量であってもよい。ブロック52206で粒子が検出され、かつブロック52208で粒子がエアロゾル粒子ではないと判定された場合、ブロック52210で、流量及び/又は電力レベルに対する第1の調整を実施することができる。例えば、流量及び電力レベルを増加させて、手術部位からの粒子、すなわち煙の排出を増加させることができる。特定の例では、ブロック52208で粒子がエアロゾル粒子であると判定された場合、又は粒子の一部分がエアロゾル粒子である場合、第2の調整を実施することができる。
本開示の一態様では、第2の調整は、煙中のエアロゾルの割合に依存し得る。例えば、エアロゾルの割合が、図26のブロック52212のX%などの第1の閾値量よりも大きいと判定された場合、ブロック52214で、煙を流体トラップに向けることができる。逆に、煙中のエアロゾル濃度が閾値量X%以下である場合、ブロック52216で、煙は、流体トラップをバイパスするように向けることができる。排煙システム内の流体の流れを向けるための導管及び弁については、本明細書で更に説明する。特定の例では、流量及び/又は電力レベルを調整して、例えば、流体トラップに向かって及び/又は流体トラップの周囲でなど、選択された流路に沿って流体を十分に引き込むことができる。本開示の一態様では、流体を流体トラップ内に引き込むために、追加の電力及び/又は吸引が必要とされてもよい。
更に図26を参照すると、流体トラップを出ると、ブロック52218でエアロゾル粒子が煙中に更に検出された場合、かつブロック52220でエアロゾル濃度が図26のY%などの第2の閾値量より大きい場合、ブロック52224で流量を減少させて、煙からのエアロゾルの適切な抽出を確実にすることができる。逆に、流体トラップの下流のエアロゾル濃度が第2の閾値量Y%以下である場合、ブロック52222で、流量を維持することができる。図26に示すように、調整アルゴリズム52200で流路を方向転換すると、並びに/又は流量を調整及び/若しくは維持すると、調整アルゴリズムは、ブロック52204に戻って、排煙システムの1つ以上のパラメータを監視し続けることができる。特定の例では、調整アルゴリズム52200は、煙特性が連続的に監視されるように、かつ/又はプロセッサにリアルタイム若しくはほぼリアルタイムで送信されるように、連続的に循環することができる。他の例では、調整アルゴリズム52200は、既定の時間及び/又は間隔を繰り返すことができる。
特定の例では、外科用排出システムは、化学センサ50832(図18及び図19)などの化学センサを更に含むことができる。化学センサ50832は、外科用排出システム50800の入口50822付近に、及び外科用排出システム50900の入口50922付近に位置する。化学センサ50832は、外科用排出システムによって排出された粒子の化学的特性を検出するように構成されている。例えば、化学センサ50832は、電気外科処置中に患者の腹部空洞から排出された煙中の粒子の化学組成を識別することができる。異なる種類の化学センサを利用して、外科用排出システムによって抽出された物質の種類を判定することができる。特定の例では、排煙システムは、化学センサ50832によって検出されているものによってなど、手術部位から抽出されているものに基づいて制御されてもよい。
抽出された流体及び/又は粒子の化学分析を利用して、発生器800(図58)の機能などの発生器機能を調整することができる。例えば、発生器機能は、化学センサ50832による癌性物質の検出に基づいて調整することができる。特定の例では、化学センサ50832によって癌性物質がもはや検出されない場合、全ての癌性物質が除去されたことを臨床医に警告することができる、及び/又は発生器は、エネルギー装置の動作を停止することができる。あるいは、化学センサ50832によって癌性物質が検出された場合、臨床医に警告することができ、発生器は、癌性物質を除去するためにエネルギー装置の動作を最適化することができる。
特定の例では、発生器機能は、外科システムによって検出された組織特性に基づいて調整されてもよい。主に図29を参照すると、外科システムの調整アルゴリズム52500を示すフローチャートが示されている。本明細書に開示される様々な外科システムは、調整アルゴリズム52500を利用することができる。更に、読者は、特定の例では、調整アルゴリズム52500を、本明細書に記載される1つ以上の追加の調整アルゴリズムと組み合わせることができることを容易に理解するであろう。外科システムに対する調整は、プロセッサ(例えば、図5のプロセッサ50308を参照)によって実施することができる。本開示の様々な態様では、組織の種類を判定するために、プロセッサ50308(図5)は、複数のソースから情報を受信するように構成することができる。
更に図29を参照すると、外科用排出システム内の1つ以上のセンサ52502は、プロセッサ50308(図5)に情報を提供することができる。更に図28を主に参照して、例えば、図18及び図19に示すセンサと同様であってもよい、外科用排出システムの粒子センサ(単数又は複数)52502a、化学センサ(単数又は複数)52502b、及び/又は流体検出センサ(単数又は複数)52502cは、組織の種類を示すデータをプロセッサ50308に提供することができる。加えて、外部センサ(単数又は複数)52504は、プロセッサ50308に情報を提供することができる。外部センサ52504は、外科用排出システムに対して遠隔であってもよいが、外科処置に関与する他の外科用装置上に配置されてもよい。例えば、1つ以上の外部センサ(単数又は複数)52504は、外科用器具、ロボットツール、及び/又は内視鏡上に配置することができる。特定の例では、内部センサ52502及び外部センサ52504は、状況認識モジュール又は外科用ハブに情報を提供することができ、それらは、様々なセンサ52502、52504に状況認識52506を提供することができる。更に、状況認識52506は、様々なセンサデータに関してプロセッサ50308に通知することができる。状況認識52506及びセンサ52502、52504からのデータに基づいて、ブロック52510で、プロセッサ50308(図5)によって組織の種類を究明することができる。
特定の例では、抽出された材料のエラスチンとコラーゲンとの比は、組織の種類から判定することができる。例えば、エラスチンは、第1の溶融温度に対応することができ、コラーゲンは、第1の溶融温度よりも高い第2の溶融温度に対応することができる。外部センサ52504がクランプアームの速度及び/又はクランプ速度に対応する電動モータのパラメータを検出するように構成されている場合、外部センサ52504は、組織の溶融温度、したがってエラスチンとコラーゲンとの比を示すことができる。エラスチン及びコラーゲンはまた、異なる屈折率及び吸収率を定義する。特定の例では、赤外分光計及び/又は屈折型カメラセンサを利用して、組織の種類を判定及び/又は確認することができる。
特定の例では、エネルギーモダリティは、検出された組織の種類(エラスチン、コラーゲン、及び/又はエラスチンとコラーゲンとの比)に基づいて調整することができる。例えば、特定のエネルギー装置は、エラスチンよりもコラーゲンを溶解することにより効率的であるが、エネルギーモダリティを調整することによって、エラスチンをより良好に溶解するように調整することができる。他の例では、コラーゲンを溶解し、エラスチンを保持することが望ましい場合がある。加えて又は代わりに、エラスチンとコラーゲンとの比は、静脈又は動脈などの物理的構造の種類を示すことができ、これは、システムの状況認識52506に通知することができる。例えば、ブロック52510でコラーゲンが検出された場合、ブロック52512でエネルギーモダリティAを実施することができる。他の例では、ブロック52510でエラスチンが検出された場合、ブロック52516でエネルギーモダリティCを実施することができる。更に他の例では、ブロック52510でコラーゲンと弾性との組み合わせが検出された場合、ブロック52514でエネルギーモダリティBを実施することができる。読者は、追加の及び/又は代替的なエネルギーモダリティが想定されることを容易に理解するであろう。例えば、エラスチンとコラーゲンとの特定の比に応じて、並びに/又は実行されている外科処置及び/若しくはその工程に基づいて、異なるモダリティを利用することができる。
組織を治療するためにエネルギー装置を用いる様々な外科処置において、流体及び/又は粒子が放出され、それによって、本明細書に更に記載されるように、手術部位内及び/又はその周囲の大気を汚染することがある。手術部位の大気の視認性を改善するために、例えば、汚染物質を排煙システムに引き込むことができる。更に、汚染物質が排煙システム内の空気流経路に沿って向けられると、浮遊する流体及び/又は粒子を濾過して、空気品質を改善することができる。排煙システムの効率並びに/又は電気外科用器具の起動後に発生する煙及び/若しくは汚染物質の量に応じて、煙は、手術部位内及び/又は周囲の大気中に蓄積することがある。そのような汚染物質の蓄積は、例えば、臨床医が手術部位を見ることができるのを妨げることがある。
本開示の一態様では、外科システムは、粒子センサ、電気外科用器具、及び発生器を含む排煙システムを備えることができる。そのような排煙システムは、外科処置中に電気外科用器具が組織にエネルギーを印加する際に、微粒子濃度を監視することができる。例えば、臨床医が電気外科用器具に電力を供給することを要求すると、発生器は、要求された電力を供給するように構成されている。外科システム内のプロセッサは、監視された微粒子濃度及び臨床医が発生器に要求した電力を分析するように構成されている。臨床医が要求した電力が所定の閾値を上回る微粒子濃度に至らせる汚染物質を生成する場合、プロセッサは、要求された電力を発生器が供給することを防止することができる。代わりに、そのような例では、発生器は、微粒子濃度を所定の閾値の下に戻すレベルで電力を供給することができる。
そのような例では、臨床医(単数又は複数)及び/又は助手(単数又は複数)は、微粒子濃度を個々に監視し、それに応じてエネルギーモダリティを調整する必要はない。代わりに、外科システムの器具及び装置は、それら自体の間で通信して、排煙システム内のセンサからの入力に基づいて特定の状況で特定の電力レベルを供給するように発生器に指示することができる。読者は、状況認識が発生器の意思決定プロセスに更に通知することができることを容易に理解するであろう。前述の監視プロセス及び/又は調整を実施する様々なアルゴリズムは、本明細書で更に開示されている。
外科システムは、電気外科用装置と、電気外科用装置に電力を供給するように構成された発生器と、排煙システムと、を含むことができる。排煙システムは、煙及び/又は吸気の排出導管内の微粒子のサイズ及び/又は濃度を監視するように構成されたセンサシステムを含むことができる。再び図18及び図19を参照すると、粒子センサ50838が示されている。粒子センサ50838は、流路50804(図18)及び流路50904(図19)に沿った位置に位置する内部センサである。様々な例では、粒子センサ50838は、フィルタシステム50870、50970それぞれによる濾過前の流路50804、50904上の点に配置される。しかしながら、内部粒子センサ50838は、手術部位から流入する汚染された空気を監視するために、流路50804、50904に沿った任意の好適な位置に配置することができる。様々な例では、排煙システム50800及び/又は50900は、流路50804及び/又は50904それぞれに沿った様々な位置に配置された2つ以上の内部粒子センサ50838を備えることができる。読者は、様々な粒子測定手段が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、微粒子濃度センサは、光学センサ、レーザーセンサ、光電センサ、イオン化センサ、静電センサ、及び/又はこれらの任意の好適な組み合わせであってもよい。様々なセンサについては、本明細書で更に説明する。
電気外科用発生器は、電気外科用波形を生成するため、電気外科用回路内の主要構成要素である。発生器は、電気を高周波波形に変換し、電気外科用電流の流れのための電圧を生成するように構成されている。様々な例では、発生器は、様々な波形を生成するように構成されており、各波形は、組織に対して異なる効果をもたらす。「切断電流」は、組織を切断するが、ほとんど止血を提供しない。「凝固電流」は、限定された組織切開による凝固を提供し、加熱の深さを増加させる。「ブレンド電流」は、切断電流と凝固電流との間の中間電流であるが、ブレンド電流は、一般に、切断電流と凝固電流との組み合わせではない。むしろ、ブレンド電流は、電流が実際に流れる時間が100パーセントから約50パーセントの時間まで低減される切断電流であってもよい。様々な例では、発生器は、組織の損傷を低減するために、組織インピーダンスを自動的に監視し、エネルギー装置への電力出力を調整して、可能な限り低い設定で効率的かつ正確な切断効果をもたらすことができる。
高度切断効果(Advanced Cutting Effect、ACE)として知られる電気外科切断の追加のモードは、熱壊死をほとんどからまったくもたらさず、かつ止血をもたらさない、メス状切断効果を臨床医に提供する。発生器がACEモードに置かれると、エンドエフェクタ上の電極の先端に一定の電圧が維持される。エンドエフェクタの端部上の活性電極は、発生器から手術部位にRF電流を送達する。ACEモードを利用することによって、臨床医は、皮膚上に電気外科用装置を使用して、多くの場合、外科用メス、針、及び/若しくは患者に創傷及び/若しくは穿刺を引き起こす可能性がある任意の外科用器具などの特定の外科用器具を使用することなく、並びに/又はそれらを取り扱う任意の職員なしに、同等の創傷治癒結果を達成する能力を有する。
本開示の様々な態様では、電気外科用装置は、ACE切断システムを備える。
外科処置の持続期間全体にわたって、汚染物質及び/又は煙が発生することがある。手術部位内及び/又はその周囲の大気が排煙システムによって効率的に濾過されない場合、汚染物質は、大気中に凝集し、臨床医及び/又は助手が手術部位を見ることが困難になる。手術室内の煙に関する更なる懸念については、本明細書に更に開示される。様々な例では、外科システム内のプロセッサは、臨床医が特定の持続時間の間に特定の外科用器具を使用するときに生成される煙及び/又は汚染物質の量に固有の情報をメモリに記憶することができる。そのような情報は、集中ハブ内、及び/又はクラウド内のプロセッサのメモリに直接記憶することができる。様々な例では、図5及び図6に示すプロセッサ及びメモリを用いて、そのような情報を記憶することができる。
様々な例では、電気外科用器具に供給される電力を制御するために、排煙システムと発生器との間に通信経路が確立される。そのような電力は、電気外科用器具を効果的に誘導して、より少ない煙を生成し、かつ/又はより少ない汚染物質を放出するため、並びに手術部位を効率的に濾過することを可能にするために制御される。様々な例では、外科システムの構成要素は、互いに直接通信することができる。様々な例では、外科システムの構成要素は、例えば、図39~図60に関して本明細書で更に説明するように、集中ハブを介して互いに通信する。読者は、任意の好適な通信経路を使用することができることを容易に理解するであろう。
外科処置が開始し、電気外科用器具が起動されると、排煙システム内のセンサは、空気品質に関するパラメータを監視するように構成されている。そのようなパラメータとしては、例えば、粒子数及び/又は濃度、温度、流体含有量、並びに/あるいは汚染の割合を挙げることができる。センサは、監視されたパラメータをプロセッサに通信するように構成されている。様々な例では、センサは、検出後に監視されたパラメータを自動的に通信する。様々な例では、センサは、センサが問い合わせされた後に、監視されたパラメータをプロセッサに通信する。しかしながら、読者は、監視された情報を通信する任意の好適な方法を使用することができることを理解するであろう。様々な例では、センサは、監視された情報をプロセッサに連続的に通信する。しかしながら、読者は、任意の好適なサンプル速度を使用することができることを理解するであろう。監視された情報は、例えば、リアルタイム又はほぼリアルタイムで通信することができる。
様々な例では、プロセッサは、所定の閾値に関する情報を記憶する。所定の閾値は、排煙システムのセンサによって監視されたパラメータに基づいて変動する。例えば、センサが粒子数及び/又は濃度を監視しているとき、そのような閾値は、手術部位内の臨床医の視野を事実上かつ/又は安全でなく遮る、手術部位の大気内の粒子のレベルを示すことができる。他の例では、閾値は、排出器ハウジング内の濾過システム及び粒子を適切に濾過するための濾過システムの能力に対応することができる。例えば、微粒子濃度が特定の閾値を上回る場合、濾過は、煙から微粒子を十分に濾過することができない場合があり、毒性物質は、排出システムを通過する、かつ/又はそのフィルタを閉塞する及び/若しくは詰まらせる場合がある。プロセッサが監視されたパラメータに関する情報を排煙システムのセンサ(単数又は複数)から受信すると、プロセッサは、監視されたパラメータ(単数又は複数)を所定の閾値(単数又は複数)と比較して、閾値(単数又は複数)を上回らなかったことを確実にするように構成されている。
様々な例では、プロセッサが所定の閾値を上回ったこと、かつ/又は上回るのに接近していることを認識した場合、プロセッサは、排煙システムの様々なモータ機能を制御することができる。プロセッサは、モータの速度を増加又は減少させることによって、排煙システムの流量を調整して、手術部位から汚染物質をより効率的に濾過することができる。例えば、粒子閾値に到達したことを示唆する情報をセンサがプロセッサに通信する場合、プロセッサは、モータの速度を増加させて、より多くの流体、及びおそらくより多くの汚染物質を手術部位から濾過のために排煙システム内に引き込むことができる。
様々な例では、プロセッサが所定の閾値を上回ったこと、かつ/又は上回るのに接近していることを認識した場合、プロセッサは、発生器によって電気外科用器具に供給される電力を変動させることができる。例えば、粒子閾値に到達したことを示唆する情報をセンサがプロセッサに通信する場合、プロセッサは、発生器が任意の追加の要求された電力をハンドヘルド式電気外科用器具に供給することを防止することになる。排煙システムが大気から汚染物質を粒子閾値の下に入るレベルまで濾過すると、プロセッサは、次いで、発生器がハンドヘルド式電気外科用器具に要求された電力を供給することを可能にすることができる。
図33は、外科処置中のある期間にわたる検出された粒子数と電力レベルとの間の相関のグラフ表示である。上部グラフ53300は、粒子及び汚染物質が手術部位から排煙システム50800及び/又は50900内に濾過される際の、内部粒子センサ50838(図18及び図19)によって検出された粒子数及び/又は微粒子濃度を表す。微粒子濃度CTは、排出された流体の体積中の所定の粒子数及び/又は濃度閾値を表す。下部グラフ53302は、臨床医によってハンドヘルド式電気外科用器具を介して要求された電力(破線)、及び外科システムの発生器によって実際に供給された電力(実線)を含む、外科処置中に到達した電力レベル(単数又は複数)を表す。電力レベル(単数又は複数)は、電気外科システムのRF電流と電圧との比として定義される。
時間t<t1での外科処置の開始前に、ベースライン微粒子濃度53304が検出される。時間t1で臨床医及び/又は助手が電気外科用器具を起動させると、臨床医及び/又は助手は、特定の機能を実行するために、特定の電力レベルを供給するように要求する。そのような機能としては、手術部位内の組織を切開及び/又は切断することが挙げられる。組織への電力の印加により、例えば、手術部位内の視認性を改善するために排煙システム内に向けることができる、煙及び/又は汚染物質が発生する。時間t1で、発生器は、要求された電力を供給する。検出された微粒子濃度は、閾値CT未満である。しかしながら、内部粒子センサ50838は、時間t1での電気外科用器具の起動後の時間t2に微粒子濃度の増加を検出し始める。
図33のグラフ表示では、臨床医は、時間t3まで追加の電力を要求しない。t1とt3との間の「オフ」時間53306により、例えば、組織を冷却してある程度の止血を生じさせることを可能にすることができる。図33に見ると分かるように、検出された微粒子濃度及び電力レベルは、時間t2と時間t3との間で減少する。時間t3で、臨床医は、発生器によって供給されると時間t4に微粒子濃度の増加を引き起こす、高い電力レベルを要求する。最終的に、臨床医は、時間t5で所定の閾値CT付近に上昇する微粒子濃度を引き起こす電力レベルを要求する。場合によっては、閾値CTを上回ることは、汚染物質及び/若しくは粒子の蓄積、非効率的な排煙システム、並びに/又は動作不能な排煙システムにより、手術部位内の視認性が低いことを示すことがある。
時間t5で微粒子濃度が粒子閾値CTを上回ったことに応じて、外科システムのプロセッサは、微粒子濃度を粒子閾値CT未満に戻すように、発生器の供給電力を調整するように構成されている。図33に示すように、発生器が供給した電力は、ハンドピースが要求した高い電力に起因して、粒子閾値CTに到達した及び/又はそれを上回ったときにハンドピースが要求した電力とは異なる。時間t6でなど、微粒子濃度が閾値CTに戻り、かつ/又は閾値CTを下回って低下すると、発生器は、ハンドヘルド式電気外科用器具によって要求されるような電力レベルを再び供給する。更に、時間t6の後にハンドピースが要求した電力が低下すると、粒子センサ50838によって検出される微粒子濃度も減少する。
図34は、例えば、図5及び図6のメモリなどの外科システムのメモリによって記憶された命令53400の表現を示す。様々な例では、本明細書に開示される外科システムは、命令53400を利用することができる。例えば、命令53400は、外科システムの調整アルゴリズムを含むことができる。更に、読者は、特定の例では、命令53400を本明細書に記載される1つ以上の追加のアルゴリズム及び/又は命令と組み合わせることができることを容易に理解するであろう。命令53400は、例えば、図5のプロセッサ50308などのプロセッサによって実施することができる。
命令53400のブロック53402で、プロセッサは、電力に対する電気外科用器具からの要求を受信することができる。例えば、電気外科用器具は、ハンドヘルド式装置及び/又はロボットツールを含むことができる。要求された電力は、例えば、制御部及び/又は制御コンソールを介してユーザが提供したものであってもよい。上述のように、センサは、排出システムを通過する流体に関連するパラメータを監視するように構成されている。そのようなパラメータとしては、例えば、粒径、温度、流体含有量、及び/又は汚染の割合を挙げることができる。プロセッサは、監視されたパラメータをセンサから受信するように構成されている。様々な例では、プロセッサは、ブロック53404に示すように、センサに問い合わせたことに応じて、そのような情報を受信する。様々な例では、センサは、検出時に情報を自動的に通信する。次いで、プロセッサは、ブロック53406で、受信した情報が所定の閾値を上回るかどうかを判定する。閾値を上回った場合、かつ/又は上回るのに接近している場合、プロセッサは、ブロック53408で、発生器が要求された電力のいずれか又は全てを電気外科用器具に供給することを防止するように構成されている。他の例では、生器波形は、本明細書に更に記載されるように、ブロック53410で、外科用装置によって生成される煙を低減するように調整することができる。
様々な例では、発生器は、閾値を上回らせないレベルで電力を供給することができる。閾値を上回らなかった場合、プロセッサは、ブロック53410で、発生器が要求された電力を電気外科用器具に供給することを可能にするように構成されている。様々な例では、プロセッサは、外科処置の持続時間全体にわたって、又は少なくともプロセッサが電力の送達に対する電気外科用器具からの要求を受信している限り、排煙システムのセンサから情報を受信するように構成されている。
様々な外科処置において、高周波(RF)電力を使用して、組織を切断し、出血を凝固させることができる。RF電力が組織を治療するために使用されるとき、流体及び/又は微粒子が放出され、それによって、手術部位内及び/又はその周囲の空気を汚染することがある。臨床医のために手術部位の視認性を改善するために、例えば、手術部位の内部の汚染された空気を、排煙システム内に引き込むことができる。汚染された空気が空気流経路に沿って向けられると、浮遊する流体及び/又は微粒子を、汚染された空気から濾過することができる。濾過された空気は、最終的に出口ポートを介して排出システムを出て、手術室の大気中に放出される。排煙システムの効率及び/又は有効性に応じて、濾過された空気は、手術室の大気中に放出されたときに流体及び/又は微粒子を依然として含んでいることがある。残りの汚染物質は、例えば、臨床医(単数又は複数)、助手(単数又は複数)、及び/又は患者(単数又は複数)の嗅覚にとって不快であることがあり、汚染物質は、特定の例では吸入すると健康に悪い場合がある。
排煙システムは、排出システムの外部及び排出システムの内部の位置を含む空気流経路に沿った様々な点で、空気中の微粒子の検出されたサイズ及び/又は濃度を監視するように構成されたセンサシステムを備えることができる。本開示の一態様では、排煙システムは、排出システムの外部と排出システムの内部との微粒子濃度を比較すること基づいて、及び/又は微粒子濃度を経時的に監視することによって、排出システムの効率を判定することができる。更に、排煙システムは、ディスプレイを介して、臨床医(単数又は複数)に手術室内の汚染された空気を警告することができる。
臨床医(単数又は複数)は、手術室の大気中に浮遊する流体及び/又は微粒子などの汚染物質のレベルを認識することができる。空気中の汚染物質のインジケーションは、手術室内の空気品質を示し、排煙システムが調整及び/又はメンテナンスを必要とすることを臨床医(単数又は複数)及び/又は助手(単数又は複数)に警告することができる。
排煙システムは、空気中の粒子のサイズ及び/又は濃度を監視するように構成されたセンサシステムを含むことができる。再び図18及び図19を参照すると、粒子センサ50838及び50852が示されている。粒子センサ50838は、流路に沿った位置に位置する内部センサである。様々な例では、粒子センサ50838は、濾過前の流路50804(図18)、50904(図19)上の点に配置される。しかしながら、内部粒子センサ50838は、手術部位から流入する汚染された空気を監視するために、それぞれの流路50804、50904に沿った任意の好適な位置に配置することができる。様々な例では、排煙システム50800、50900は、流路50804、50904それぞれに沿った様々な位置に配置された2つ以上の内部粒子センサ50838を含むことができる。
粒子センサ50852は、排煙システム50800(図18)、50900(図19)の外面上に配置された外部センサである。様々な例では、排煙システム50800、50900は、2つ以上の外部粒子センサ50852を含むことができる。様々な例では、外部粒子センサ50852は、排煙システム50800、50900のハウジングの凹部内に位置する。しかしながら、外部粒子センサ50852は、手術室内の空気品質を検出するために、任意の好適な表面上に配置することができる。様々な例では、外部粒子センサ50852は、濾過されていない空気が手術部位から手術室の大気中に漏出しないことを確実にするために、排煙システム50800、50900の入口50822(図18)、50922(図19)それぞれの付近に位置する。様々な例では、外部粒子センサ50852は、排煙システム50800、50900から流出する空気を分析するために、排煙システム50800、50900の出口ポート50824(図18)、50924(図19)それぞれの付近に位置する。
読者は、外部粒子センサ(単数又は複数)50852が手術室の大気を適切に監視するために任意の好適な位置に位置することができることを容易に理解するであろう。加えて、読者は、様々な粒子測定手段が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、粒子センサ50852は、光学センサ、レーザーセンサ、光電センサ、イオン化センサ、静電センサ、及び/又はこれらの任意の好適な組み合わせなどの任意の好適な微粒子濃度センサであってもよい。様々なセンサについては、本明細書で更に説明する。
様々な例では、排煙システムのセンサシステムは、手術室の汚染の粒径及び/又は濃度を評価し、検出された空気品質を表示するように構成されている。そのような情報の表示は、例えば、排煙システムの有効性を通信することができる。様々な例では、通信される情報は、排煙システム内のフィルタ(単数又は複数)に関する詳細な情報を含み、汚染された空気及び/又は煙が手術室の大気中に蓄積することを防止することができる。排煙システムは、本明細書に更に記載されるように、例えば、微粒子濃度、温度、流体含有量、及び/又は汚染の割合を感知し、それを発生器に通信して、その出力を調整するように構成することができる。本開示の一態様では、排煙システムは、その流量及び/又はモータ速度を調整し、既定の粒子レベルで、エンドエフェクタによって生成される煙の量を低減するように発生器の出力電力又は波形に動作可能に影響を及ぼすように構成することができる。
様々な例では、本明細書に記載されるセンサシステムを使用して、空気中の汚染物質及び/又は煙が、排煙システム内のフィルタ(単数又は複数)によって適切かつ効率的に除去されているかどうかを検出することができる。手術室の空気品質レベル(単数又は複数)を検出することにより、排煙システムは、高レベルの汚染が手術室の大気中に蓄積するのを防止するように構成されている。センサシステムによって監視されるパラメータを使用して、排煙システムが機能しているか、かつ/又はその意図された目的を実行しているか否かを臨床医に通知することができる。様々な例では、監視されたパラメータを臨床医及び/又は助手が使用して、排煙システム内のフィルタを修理及び/又は交換する必要があることを判定することができる。例えば、外部センサ50852(図18及び図19)が所定の閾値及び/又は許容可能な閾値を上回る汚染物質の粒径及び/又は濃度を検出した場合、臨床医は、排煙システム内のフィルタを修理及び/又は交換する必要があるかどうかを確認するように指示される。
様々な例では、上述のように、排煙システム内のプロセッサは、外部センサの検出されたパラメータを内部センサによって検出されたパラメータと比較する。様々な例では、排煙システムは、例えば、それぞれの個々のフィルタの後など、流路に沿った様々な点に位置する複数の内部センサを備える。読者は、内部センサをフィルタ効率に関する有意義な比較を提供するように流路全体にわたる任意の点に配置することができることを理解するであろう。この検出された情報を使用して、臨床医は、特定の位置にあるフィルタが空気から汚染物質及び/又は煙を効果的に除去することができていないと判定することができる。そのような例では、臨床医は、修理及び/又は交換のために注意を必要とするフィルタ(又は濾過層)の正確な位置を指示される。
様々な例では、センサシステムは、手術室の大気中の汚染物質及び/又は粒子の希釈を評価するように構成されている。本明細書で説明するように、内部センサ(単数又は複数)は、流路に沿った任意の好適な位置に位置することができる。内部センサが排煙システムの出口ポート付近かつフィルタ(単数又は複数)の下流に位置する場合、内部センサは、オペレーティングシステムの大気中に放出される粒子のサイズ及び/又は濃度を効果的に測定している。換言すれば、内部センサは、濾過プロセス中に捕捉されなかった粒子及び/又は汚染物質を検出するように構成されている。外部センサは、手術室の大気全体にわたって希釈された粒子の濃度及び/又はサイズを監視するように構成されている。内部センサと外部センサとの読み取り値間の差は、特定の手術室の空気品質を判定するために重要であり得る。
大気中に放出される粒子のサイズ及び/又は濃度は、例えば、手術室のサイズ及び/又は手術室内の換気などのパラメータに基づいて、手術室内の空気品質に様々な影響を与えることがある。一例では、放出される粒子のサイズ及び/又は濃度は、より小さい手術室内で放出された場合には、同じサイズ及び/又は濃度の粒子がより大きな手術室内に放出された場合よりも、空気品質により有害な影響を与えることがある。様々な例では、手術室内の換気システムの存在及び/又は効率は、排煙システムからの粒子の放出に応じて空気品質がどのように変動するかに影響を与えることがある。例えば、換気システムを有さない手術室又は非効率的な換気システムを有する手術室では、排煙システムからの放出された粒子は、潜在的に有害なレベルまでより迅速に蓄積して、手術室内の空気品質を不満足なものにすることがある。
様々な例では、センサシステムによって検出された情報を使用して、排煙システムの1つ以上のモータ機能を制御することができる。外科処置の開始前に、外部センサは、初期空気品質レベルを検出することができる。空気品質は、外科処置全体にわたって連続的に監視することができる。しかしながら、読者は、空気品質を任意の好適な速度で監視することができることを理解するであろう。外部センサは、検出された情報を排煙システムのプロセッサ(例えば、図5及び図6のプロセッサ50308及び50408それぞれ)に通信する。プロセッサは、初期空気品質レベルをベースラインとして使用して、連続的に検出された空気品質レベルと比較する。プロセッサが、外部センサ50852によって検出された空気品質レベル(単数又は複数)が手術室の大気中のより高い汚染物質の粒径及び/又は濃度の兆候を示すと判定する場合、プロセッサは、より高いレベルで動作するようにモータに指示する。モータが増加した速度で作動することにより、より多くの汚染された空気及び/又は煙が濾過のために手術部位から排煙システム50800、50900内に引き込まれる。様々な例では、プロセッサは、煙を発生させる焼灼装置及び/又は他の電気外科用装置がアクティブであると内部センサ50838が判定すると、処置中に排煙システム50800、50900内に向けられた汚染された空気及び/又は煙の流量を増加させる命令を記憶する。煙を発生させる外科用装置の起動を検出することにより、排煙システム50800、50900は、モータ制御部を介して手術室の大気中に高レベルの汚染が蓄積するのを防止する。
様々な例では、モータ速度レベルは、手術室の大気が許容できない空気品質レベルを有するとプロセッサが判定すると、自動的に制御される。様々な例では、モータ速度レベルは、煙を発生させる外科用装置が起動されたとプロセッサが判定すると、自動的に制御される。例えば、外部センサ50852が所定の閾値を上回る手術室の大気中の汚染レベルを検出すると、プロセッサは、より速い速度で動作するようにモータに自動的に指示することができる。次いで、外部センサ50852が所定の閾値を下回って低下する汚染レベルを検出すると、プロセッサは、モータの速度を自動的に減少させる。様々な例では、モータ速度レベルは、臨床医が許容できない空気品質レベルを通知された後に、手動で制御される。様々な例では、モータ速度レベルは、臨床医が煙を発生させる外科用装置を起動させた後に、手動で制御される。読者は、自動制御及び/又は手動制御の任意の好適な組み合わせを排煙システム50800、50900の制御アルゴリズムに実装する及び/又は組み込むことができることを理解するであろう。
様々な例では、排煙システムのプロセッサは、外部センサ50852が手術室の大気の許容できない、かつ/又は増加した汚染レベルを検出するときを認識することができる。そのような検出は、排煙システム50800、50900が非効率的であることを示す。検出された非効率性は、1つ以上のフィルタが機能していないこと、かつ/又は交換する必要があることを示すことができる。臨床医に機能していないフィルタが通知されると、臨床医は、交換フィルタが将来のメンテナンスのために在庫にあることを確実にして、遅延(単数又は複数)を防止することができる。
様々な例では、排煙システムを外科処置中にカメラスコープと組み合わせて使用して、手術部位からの汚染物質及び/又は煙の排出を効率的に管理することができる。例えば、排煙システム50800、50900は、撮像モジュール238及び内視鏡239(図47)と組み合わせて使用することができる。本開示の一態様では、ハブ206(図48)などの外科用ハブは、例えば、撮像モジュール238と排煙器226(図48)などの外科用排出システムとの間の通信を調整することができる。カメラスコープは、特定のサンプル速度で一連の画像をキャプチャすることによって、空気中の視覚的閉塞を監視するように構成されている。収集された画像は、評価のためにプロセッサ(例えば、図5及び図6のプロセッサ50308、50408それぞれ)に送信される。様々な例では、プロセッサはまた、本明細書に記載されるように、内部センサ50838及び/又は外部センサ50852を含むことができるセンサシステムから監視されたデータを受信するように構成されている。プロセッサは、カメラスコープから受信した画像とセンサシステムから受信した粒子数及び/又は濃度とを比較して、相関(単数又は複数)を判定し、手術部位及び/又は手術室の大気からの煙及び/又は汚染の排出効率を改善するように構成されている。
そのような例では、排煙システムのモータの速度に対して粒子数測定値を調和させるために、カメラスコープによって判定された視覚的閉塞、並びにセンサシステムによって判定された粒子数及び/又は濃度は、比較される。センサシステム及びカメラスコープから収集されたデータを比較すると、プロセッサは、多数の工程のうちのいずれかを行うことができる。例えば、比較に基づいて、プロセッサは、排煙システムをオンにすること、排煙システムのモータ速度を増加させること、排煙システムのモータ速度を減少させること、及び/又は排煙システムをオフにすることを決定することができる。様々な例では、比較は自動的に行われる。しかしながら、読者は、手動起動後にそのような比較を行うことができることを理解するであろう。
様々な例では、カメラスコープによってキャプチャされた画像、並びにセンサシステムによって検出された粒子数及び/又は濃度は、ベースライン比較としてメモリに記憶することができる。将来の外科処置では、臨床医及び/又は助手は、カメラスコープによって収集された画像を単独で使用して、煙及び/又は汚染物質の密度を確認することができる。そのような例では、カメラスコープによって検出された視覚的閉塞は、特定の粒子数及び/又は濃度に関連付けられる。プロセッサが空気を分析した後、プロセッサは、多数の工程のうちのいずれかを行うことができる。例えば、記憶されたベースライン比較を考慮して、カメラスコープによってキャプチャされた分析された画像に基づいて、プロセッサは、排煙システムをオンにすること、排煙システムのモータ速度を増加させること、排煙システムのモータ速度を減少させること、及び/又は排煙システムをオフにすることを決定することができる。
様々な例では、状況認識は、本明細書に記載される意思決定プロセスに更に通知することができる。例えば、スコープからの画像は、特定の外科処置及び/又はその工程の文脈において有意義であり得、これは、排煙システム及び/又はそれと通信するハブの状況認識に基づいて構成及び/又は判定することができる。例えば、特定の外科処置及び/若しくはその特定の工程の間、並びに/又は特定の種類の組織を治療する際に、より多くの煙が予想され得る。
様々な例では、排煙システムは、手術室内に位置する他の外科用装置及び/又はハブと無線通信して、外科処置中の排煙の効率を改善する。例えば、外科用装置の発生器の起動は、排煙システムに情報を転送する集中ハブに通信されてもよい。集中ハブは、排煙システムへの通信のために、外科用エネルギー装置を通る電流を検出すること、かつ/又は発生器の電力引き込みの変化を感知することができる。様々な例では、集中ハブは、外科処置及び/又は起動された外科用装置に関連する情報を記憶することができる。そのような情報としては、例えば、特定の外科処置中に発生する煙の予測される量を挙げることができ、特定の外科用装置及び/又は特定の患者の組織組成物に関連する情報を使用して、予測される量を判定することができる。そのような情報を受信することにより、排煙システムが特定の排煙速度を予測して、煙及び/又は汚染物質を手術部位からより効率的に移動させることを可能にすることができる。読者は、様々な外科用装置が排煙システムに直接、及び/又は集中ハブを介して間接的に情報を通信することができることを理解するであろう。集中ハブは、例えば、外科用ハブ206(図48)などの外科用ハブであってもよい。
様々な例では、排煙システムは、手術室内に位置する他の外科用装置及び/又はハブと有線通信して、外科処置中の排煙の効率を改善する。そのような有線通信は、発生器の起動の通信のために、発生器と排煙システムとの間のケーブル相互接続を介して確立することができる。例えば、起動インジケーション信号ケーブルが、外科用装置の発生器と排煙システムとの間に接続されてもよい。発生器が起動され、かつ信号が有線接続を介して受信されると、排煙システムは、自動的に起動する。
外科用装置の発生器及び/又は集中ハブ及び/又は排煙システム間の無線及び/又は有線通信は、起動された外科用装置に関する情報を含むことができる。そのような情報としては、例えば、外科用装置の現在の動作モード、並びに/又は特定のエネルギー設定及び/若しくは送達の強度に関する情報を挙げることができる。様々な例では、そのような情報が外科用装置から通信されると、集中ハブ及び/又は排煙システムのメモリは、将来の使用のためにそのような情報を記憶するように構成されている。例えば、集中ハブは、特定の処置中に使用される外科用装置に関する情報、並びに平均的な煙及び/若しくは汚染物質の数及び/又は濃度を記憶することができる。将来の外科処置では、同じ(又は類似の)外科用装置が同じ(又は類似の)種類の組織を治療する同じ(又は類似の)外科処置で起動されると、集中ハブは、煙及び/又は汚染物質の蓄積の前に、そのような情報を排煙システムに通信することができる。
様々な例では、排煙システムは、手術室の大気中の検出された汚染レベルを臨床医に通知するように構成されている。排煙システムは、センサシステムを利用して、第1の内部センサと第2の外部センサとによって検出された粒子の粒径及び/又は濃度の間の差を監視することができる。様々な例では、検出された汚染レベルが所定の閾値を上回る場合、センサシステムの監視されたパラメータを使用して、臨床医及び/又は助手に警告することができる。
様々な例では、プロセッサは、センサシステムによって監視されたパラメータを示すようにディスプレイに指示する。様々な例では、ディスプレイは、排煙システムのハウジングの外部に位置する。プロセッサはまた、監視されたパラメータを手術室内に位置する他の外科用器具及び/又はハブと通信して、インタラクティブ外科システムの状況認識を支援することができる。このようにして、他の外科用器具及び/又はハブを、より効率的に一緒に使用することができる。監視されたパラメータが手術室全体にわたって通信される状況では、臨床医及び/又は助手は、手術室の周囲の様々なディスプレイからの汚染警告を見ることができる。監視されたパラメータは、排煙システム上のディスプレイに加えて、手術室内の複数のモニタ上に表示することができる。読者は、ディスプレイの任意の好適な組み合わせを使用して、手術室内の検出された空気品質を通信することができることを理解するであろう。
図30は、手術室の大気の空気品質を監視して、検出された空気品質が所定の閾値を上回り、かつ/又は潜在的に有害になると、臨床医に警告するように構成された、排煙システム53000を示す。排煙システム53000は、多くの点で排煙システム50600(図7)に類似している。例えば、排煙システム53000は、発生器50640と、第1の電気接続部50642と、外科用器具50630と、吸引ホース50636と、を含む。図30に示すように、様々な例では、排煙システム53000は、ディスプレイ又は空気品質指標スクリーン53002を備える。空気品質指標スクリーン53002は、本明細書で更に説明し、かつ図18及び図19に示すセンサ50830、50832、50836、50838、50840、50846、50848、50850、50852のうちの1つ以上を含むセンサシステムなどのセンサシステムによって検出された情報を表示するように構成されている。プロセッサ50308及び/又は50408(図5及び図6)などのプロセッサは、センサシステム及び空気品質指標スクリーン53002と信号通信することができる。様々な例では、空気品質指標スクリーン53002は、汚染物質が有害なレベルで手術室の大気中に循環されていないことを検証するために、外部センサ50852によって監視された汚染物質粒子数を表示するように構成されている。
様々な例では、排煙システム53000は、排煙システム53000の排出器ハウジング内に収容されたフィルタを置き換える及び/又は交換するために臨床医がアクセス可能なラッチドア53004を備える。例えば、排煙システム53000を通る微粒子濃度を監視することによって、そのプロセッサは、1つ以上のフィルタが実質的に閉塞され、かつそれらの耐用年数の終了に接近している、したがって交換する必要があると判定することができる。そのような例では、臨床医は、ラッチドア53004を開いて、1つ以上のフィルタを交換することができる。本明細書で更に説明するように、排煙システム53000内の内部センサの相対的配置に基づいて、交換する必要のある特定のフィルタ及び/又はフィルタ(単数又は複数)を特定することができる。
様々な例では、プロセッサ50308及び/又は50408(図5及び図6)などのプロセッサは、検出された粒径及び/又は濃度などの煙パラメータをディスプレイ53002に通信するように構成されている。ディスプレイ53002は、そのような検出された情報を任意の好適な方法で表示するように構成されている。例えば、ディスプレイ53002は、センサシステム全体にわたって、内部及び外部のそれぞれのセンサによって検出された汚染レベルを示すことができる。様々な例では、ディスプレイ53002は、空気品質が所定の閾値を満たさない場合にのみ情報を表示するように構成されている。様々な例では、ディスプレイ53002は、どの情報を表示するか及び/又はその情報が表示される位置を臨床医が決定することを可能にするタッチスクリーンを含む。
様々な例では、ディスプレイ53002は、グラフィカルインターフェース、LCDスクリーン、及び/又はタッチスクリーンを含む。読者は、検出された情報及び/又はこれらの組み合わせを表示する任意の好適な手段を排煙システム53000で使用することができることを理解するであろう。例えば、ディスプレイ53002としてLED光を使用することができる。プロセッサ50308及び/又は50408(図5及び図6)が、許容できない空気品質が手術室内に存在すると判定すると、プロセッサ50308及び/又は50408は、LED光を起動させるように構成されている。
図31は、例えば、図5及び図6のメモリ50310及び50410などの外科用排出システムのメモリによって記憶された命令53100の表現を示す。様々な例では、本明細書に開示される外科用排出システムは、図31の命令53100を利用することができる。更に、読者は、特定の例では、図31の命令53100を本明細書に記載される1つ以上の追加のアルゴリズム及び/又は命令と組み合わせることができることを容易に理解するであろう。メモリに記憶された命令53100は、例えば、図5及び図6のプロセッサ50308及び/又は50408などのプロセッサによって実施することができる。
更に図31を参照すると、上述したように、センサ50838(図18及び図19)などの内部センサは、流体の粒径及び/又は濃度などの内部パラメータを監視するように構成されている。流体が流路を通って流れると、粒子及び/又は汚染物質は、流体が外科用排出システムを出る前に濾過される。外科用排出システムの外部ハウジング上に位置するセンサ50852(図18及び図19)などの外部センサは、濾過された流体が外科用排出システムを出る際の外部パラメータを監視するように構成されている。そのような外部パラメータとしては、例えば、手術室内の大気中の粒子の粒径及び/又は濃度が挙げられる。
命令53100のブロック53102で、プロセッサは、検出された内部パラメータ及び検出された外部パラメータに関して、それぞれ内部センサ及び外部センサに問い合わせるように構成されている。様々な例では、プロセッサは、この情報に関して内部センサ及び外部センサに連続的に問い合わせる。しかしながら、任意の好適なサンプル速度を使用することができる。次いで、プロセッサは、ブロック53104で、内部センサ及び外部センサから受信した情報を分析して、外科用排出システムの効率レベルを判定するように構成されている。外科用排出システムの効率レベルを判定した後、プロセッサは、ブロック53106で、ディスプレイ上に判定された効率レベルを表示するように構成されている。そのような表示としては、内部センサ及び外部センサから受信した生情報、プロセッサによって判定された効率レベル、及び/又は効率レベルが所定の閾値未満の場合の臨床医への警告を挙げることができる。所定の閾値未満であることは、例えば、フィルタを交換する必要があること、及び/又は粒子が効率的に濾過されておらず、手術室の大気中に蓄積していることを示すことができる。
図32は、図31に表されたものと同様の、外科用排出システムのメモリによって記憶された命令53200の表現を示す。様々な例では、本明細書に開示される外科用排出システムは、図32の命令を利用することができる。更に、読者は、特定の例では、図32の命令を本明細書に記載される1つ以上の追加のアルゴリズム及び/又は命令と組み合わせることができることを容易に理解するであろう。命令は、例えば、図5及び図6のメモリ50310及び/若しくは50410並びに/又はプロセッサ50308及び/若しくは50408などの、メモリに記憶して、プロセッサによって実行することができる。
更に図32を参照すると、ブロック53202で外科処置の開始前に、プロセッサは、ベースライン空気品質パラメータに関してセンサ50852(図18及び図19)などの外部センサに問い合わせるように構成されている。ベースライン空気品質パラメータは、外科処置前の手術室の空気品質を示す。ブロック53204で、プロセッサは、外科処置が進行中であることを認識するために、内部センサに連続的に問い合わせるように構成されている。外科処置が行われているとプロセッサが判定した後、プロセッサは、ブロック53206で、外部センサに連続的に問い合わせる。例えば、ブロック53208でなど、外部センサによって検出された空気品質が劣化しているとプロセッサが判定すると、プロセッサは、ブロック53210で、モータの速度を増加させて、より多くの流体を外科用排出システム内に向けるように構成されている。ブロック53212でなど、検出された空気品質がベースライン空気品質と同じである場合、プロセッサは、ブロック53214で、モータの速度を維持するように構成されている。例えば、ブロック53216でなど、検出された空気品質がベースライン空気品質から改善されている場合、プロセッサは、ブロック53218で、モータの速度を維持又減少させるように構成されている。様々な例では、プロセッサは、情報に関して内部センサ及び外部センサに連続的に問い合わせる。しかしながら、任意の好適なサンプル速度を使用することができる。
排煙システムは、手術室から有害な毒性物質及び/又は不快な臭気を除去することによって、電気外科システムにおいて重要な役割を果たす。しかしながら、特定の排煙システムの制御及び調整機能は、欠如していることがあり、これは、例えば、モータ寿命の低下及び/又はフィルタ寿命の劣化をもたらす可能性がある。
本開示の一態様では、センサは、排出システムの流路内の様々な点を通って移動する流体中の粒子の存在を検出するように配置して構成することができる。本開示のいくつかの態様では、制御回路を利用して、流路に沿った様々な点における検出された微粒子濃度に基づいて、排出システムのポンプを駆動するモータの速度を変更することができる。加えて又は代わりに、制御回路を利用して、流路内の様々な点における検出された圧力に基づいて、モータの速度を変更することができる。
排出システムのモータ速度の効率的な調整により、モータの寿命を増加させる、及び/又はフィルタ寿命を増加させることができる。更なる利点としては、例えば、潜在的なエネルギー節約及び手術室におけるノイズの低減が挙げられる。
本明細書で説明したように、電気外科用器具は、組織を切断するために、並びに/又は標的組織の中及び/若しくは付近の血管を焼灼するために、患者の標的組織にエネルギーを送達する。切断及び焼灼により、煙が空気中に放出されることになり得る。様々な例では、煙は、本明細書に更に記載されるように、不快であり、施術者の視界に対して妨げになり、かつ吸入すると健康に悪い場合がある。電気外科システムは、結果として生じる煙を捕捉して、捕捉された煙を1つ以上のフィルタを介して向けて、濾過された煙を排出する、排出システムを用いることができる。より具体的には、煙は、真空管を介して排出システムを通って移動することができる。有害な毒性物質及び不快な臭気は、煙が排出システム内のフィルタのうちの1つ以上を通って移動する際に、煙から濾過することができる。濾過された空気は、その後、排気ポートを介して排気として排出システムを出ることができる。
本開示の様々な態様では、排出システムは、フィルタレセプタクル又はソケットを含む。フィルタレセプタクルは、フィルタを受容するように構成されている。排出システムはまた、封止された容積式流路を有するポンプと、ポンプを駆動するモータとを含む。ポンプの封止された容積式流路は、ポンプ内の流体の1つ以上の循環経路を含むことができる。本開示の一態様では、ポンプは、第1の動作圧力及び第2の動作圧力を有する。特定の例では、ポンプは、本明細書に更に記載されるように、流入流体を圧縮して、流路に沿って圧力差を生成することができる。
図4に示すように、排出システム50500は、モータ50512に連結され、かつそれによって駆動されるポンプ50506を含む。本明細書に記載されるように、ポンプ50506は、例えば、容積式往復ポンプ、容積式回転ポンプ、又は容積式リニアポンプなどの容積式ポンプであってもよい。様々な例では、ポンプ50506は、例えば、ハイブリッド再生ブロワ、クローポンプ、ローブ圧縮機、又はスクロール圧縮機であってもよい。本開示の一態様では、モータ50512は、永久磁石同期直流(direct current、DC)モータであってもよい。いくつかの態様は、ブラシレスDCモータを含むことができる。
本開示の態様によれば、モータ50512は、例えば、流量を維持する、モータ効率を増加させる、モータ寿命を増加させる、ポンプ寿命を増加させる、フィルタ寿命を増加させる、及び/又はエネルギーを節約することを含む様々な理由のために、調整及び/又は制御することができる。排出システムの制御回路(例えば、図5及び図6の制御概略図を参照)が、例えば、流路内の閉塞、望ましくない圧力、及び/又は望ましくない粒子数などの特定の状態を認識すると、制御回路は、モータ50512を調整して、流量を調整又は維持することができ、これにより、例えば、モータ効率を増加させ、モータ寿命を増加させ、ポンプ寿命を増加させ、フィルタ寿命を増加させ、及び/又はエネルギーを節約することができる。
本開示の一態様では、図6を参照すると、プロセッサは、排出システムの内部にあってもよい。例えば、プロセッサ50408は、図7の排出器ハウジング50618の内部にあってもよい。本開示の他の態様では、プロセッサは、排出システム50600の外部付近であってもよい。例えば、外部プロセッサ50308は、図5に示されている。外部プロセッサは、外科用ハブのプロセッサであってもよい。更に別の態様では、内部プロセッサ及び外部プロセッサは、モータ50512を協働的に制御するように通信することができる。
本開示の一態様によれば、モータ50512は、モータ効率を増加させるために制御回路によって調整されてもよい。例えば、図18及び図19の排出システムを参照すると、流体検出センサ50830は、フィルタ(単数又は複数)及びフィルタレセプタクルの上流に配置される。様々な例では、流体検出センサ50830は、フィルタ(単数又は複数)の上流の流体を検出するように構成されている。例えば、流体検出センサ50830は、エアロゾル又は液滴が排出された煙中に存在するかどうかを検出するように構成されている。流体検出センサ50830からの出力に基づいて、制御回路は、例えば、弁及び/又はモータに対する電力を調整するなど、排煙システムの制御パラメータを調整することができる。
特定の例では、排出システムは、流体(例えば、煙)が流路内に存在するかどうかを検出することができる。特定の例では、例えば、電気外科用器具50630(図7)が発生器50640(図7)によって起動されるときなど、臨床医が電気外科用器具を使用して患者組織の治療を開始すると、流体検出センサ50830は、流体又は特定の種類の流体を自動的にスキャンすることができる。代替的に、又は流体検出センサ50830と組み合わせて、例えば、外科用器具のエンドエフェクタ又は撮像装置などの別個のセンサを、手術部位における流体(単数又は複数)を検出するように構成することができる。一例では、別個のセンサは、電気外科用器具50630の先端付近に配置されてもよい。流体検出センサ(単数又は複数)のうちの1つ以上で検出された流体が閾値未満のとき、制御回路は、流体又は特定の種類の流体の存在を監視するのに十分なレベルにポンプのモータ速度を調整することができる。そのような例におけるモータ速度は、流体検出センサ(単数又は複数)における正確な読み取りを可能にする最小モータ速度又はアイドルモータ速度であってもよい。あるいは、モータ速度は、ゼロに低減され、最小モータ速度又はアイドルモータ速度に周期的に増加されて、流体又は特定の種類の流体の存在を監視することができる。
流体検出センサによる流体、又は閾値を上回る流体レベルの検出時、制御回路は、手術部位から流体を完全に排出するのに十分なレベルまでモータ50512の速度を調整することができる。一実施例では、クラウド104(図39)及び/又はクラウド204(図46)などのクラウドは、同じ又は類似の外科処置に対して流体を効率的に排出するのに十分であるように確立されたモータ速度レベルを追跡及び/又は記憶することができる。そのような実施例では、制御回路は、その外科処置に対して適切なモータ速度レベルを設定するときに、クラウド内に記憶された履歴モータ速度レベルにアクセス及び/又は参照することができる。
加えて又は代わりに、モータの速度は、流路に沿って検出された微粒子濃度に基づいて調整することができる。例えば、図18及び図19を再び参照すると、排出システム50800及び50900は、それぞれの流路50804及び50904に沿ったレーザー粒子センサ50838及び50848を含んでいる。粒子センサ50838は、外科用排出システム50800内のフィルタ50842、50844、及びレセプタクル50871の上流に、並びに外科用排出システム50900内のフィルタ50942、50944、及びレセプタクル50971の上流に配置される。粒子センサ50838は、フィルタ(単数又は複数)の上流の粒子を検出及び/又は計数するように構成されている。粒子センサ50848は、外科用排出システム50800内のフィルタ(単数又は複数)50842、50844、及びレセプタクル50871の下流に、並びに外科用排出システム50900内のフィルタ(単数又は複数)50942、50944、及びレセプタクル50971の下流に配置される。粒子センサ50848は、フィルタ(単数又は複数)の下流の粒子を検出及び/又は計数するように構成されている。
そのような例では、排出システム50800、50900は、流体(例えば、粒子状物質を含む煙)が存在するかどうかを(例えば、レーザー粒子カウンタセンサを介して)検出することができる。例えば、センサ(単数又は複数)は、煙中の微粒子濃度を検出することができる。特定の例では、レーザー粒子カウンタセンサ(単数又は複数)は、例えば、電気外科用器具50630が発生器50640によって起動されるときなど、施術者が電気外科用器具を使用して患者組織を治療し始めるときに、粒子を自動的にスキャン及び計数することができる。
粒子センサ50838によって検出された微粒子濃度が閾値未満のとき、制御回路は、流路の微粒子濃度をサンプリングするのに十分なレベルにモータ速度を調整することができる。例えば、モータ速度は、センサにおける正確な読み取りを可能にする最小又はアイドルモータ速度に設定することができる。代替的な態様では、モータ速度は、ゼロに減速され、流体の存在(例えば、閾値を上回る煙中の微粒子濃度)を監視するのに十分な最小又はアイドルモータ速度レベルまで周期的に増加させることができる。そのような態様では、閾値を上回る微粒子濃度を検出すると、制御回路は、煙を完全に排出し、かつ手術部位から微粒子を濾過するのに十分なレベルにまでモータ50512(図4)の速度を調整することができる。この場合もやはり、クラウドは、センサによって検出された微粒子濃度に基づいて、同じ又は類似の外科処置に対して流体を効率的に排出するのに十分であるように確立されたモータ速度レベルを追跡及び/又は記憶することができる。そのような実施例では、制御回路は、その外科処置に対して適切なモータ速度レベルを設定するときに、そのような履歴モータ速度レベルにアクセス及び/又は参照することができる。
本開示の一態様では、モータ50512は、流体及び/又は閾値微粒子濃度が検出されない限り、オフ(すなわち、ゼロのモータ速度)である、又は所定の最小又はアイドル速度で動作している、のいずれかになることになるため、より効率的である。そのような例では、エネルギーを節約することができ、手術室内のノイズを最小限に抑えることができる。更に、流体及び/又は閾値微粒子濃度が検出された場合、モータ50512は、効率的なモータ速度、すなわち、履歴データに基づいて流体及び/又は粒子を効率的に排出するのに十分であるとして確立されたモータ速度で動作させることができる。これは、主観的評価(例えば、特定の臨床医の経験)に基づいてモータ速度レベルを設定する、並びに/又は単純に視覚的及び/若しくは嗅覚的キュー(例えば、煙を見ること及び/又は煙の臭いを嗅ぐこと)に基づいて、排出システムを調整する、及び/若しくはモータ速度レベルを増加させる、他の手動方法に対する改善である。
本開示の様々な態様によれば、例えば、モータの速度などのモータパラメータは、手術部位における必要性に基づいて、排出システム及びそのフィルタの効率を調整する(例えば、増加させる)ように適合可能である。本明細書に記載されるように、手術部位で検出された煙が閾値未満の場合、排出システムが空気の体積を不必要に濾過することは非効率的であり得る。そのような例では、モータ速度を減少する、ゼロに低減する、又はゼロに維持することができ、それにより、排出ボックスによって濾過される空気の体積が、それぞれ減少する、ゼロに低減する、又はゼロに維持される。排出システムの効率的な使用は、最終的に、排出システム及び/又はその構成要素(例えば、流体トラップ、フィルタ、モータ、ポンプなど)の耐用年数を延長し、排出システム及び/又はその構成要素の関連する修理及び/又は交換コストを低減する。モータを常に全速力又は十分な速度を上回って作動させることによって引き起こされる応力及び摩耗が回避される。更に、排出システム内でポンプを駆動するモータは、様々なレベルの作動ノイズ及び/又は振動ノイズを生成することがある。そのような作動ノイズ及び/又は振動ノイズは、例えば、手術スタッフ間の意思疎通を阻害する並びに/又は手術スタッフを苛立たせる及び/若しくは気を散らせることがあるため、手術室及び/又は環境において望ましくない場合がある。
特定の例では、モータ速度をゼロに低減することは望ましくない場合がある。例えば、永久磁石同期DCモータなどの電動モータは、本明細書に記載される様々なポンプと共に使用するために、完全停止状態からの大きな起動トルクを必要とする場合がある。ここで再び図4を参照すると、ポンプ50506は、ポンプ50506に入る流体とポンプ50506を出る流体との間に圧力差を生成する。ポンプ50506のこの圧力差又は圧縮比は、モータ50512を始動させてポンプ50506を回転させるために、モータ50512の高い起動トルクをもたらすことがある。一実施例では、ポンプ50506は、ブロワ(例えば、ハイブリッド再生ブロワ)を備えることができる。そのような態様では、ブロワは、例えば、約1.1~1.2の圧縮比で動作して、約1.5psig~1.72psigの動作圧力で(例えば、ファン又は圧縮機に対して)より大きな体積の流体を送達することができる。別の実施例では、ポンプ50506は、圧縮機(例えば、図12のスクロール圧縮機ポンプ50650)を備えることができる。そのような態様では、圧縮機は、例えば、約2より大きな圧縮比で動作して、約2.72psigより大きな動作圧力で(例えば、ファン又はブロワに対して)より小さい体積の流体を送達することができる。
本開示の態様は、フィルタアセンブリ寿命を改善するためのシステム及び方法を対象としている。フィルタアセンブリは、複数の濾過層を含むことができる。例えば、図11を再び参照すると、フィルタアセンブリは、粗いメディアフィルタ50684と、細かい微粒子フィルタ50686と、炭素リザーバ50688とを含んでいる。
本開示の様々な態様によれば、第1の圧力センサ(例えば、図18及び図19の圧力センサ50840)は、流路内でフィルタレセプタクルの上流に配置することができ、第2の圧力センサ(例えば、図18及び図19の圧力センサ50846)は、流路内でフィルタレセプタクルの下流に配置することができる。そのような例では、第1の圧力センサは、第1の圧力を検出し、第1の圧力を示す信号を制御回路に送信するように構成されている。同様に、第2の圧力センサは、第2の圧力を検出し、第2の圧力を示す信号を制御回路に送信するように構成されている。更に、第1の圧力を示す信号及び第2の圧力を示す信号を受信する制御回路は、第1の圧力センサと第2の圧力センサとの間の圧力差を計算するように構成されている。制御回路は、計算された圧力差を様々な方法で利用することができる。第1の例では、制御回路は、圧力差に基づいてモータ速度を調整することができる。第2の例では、制御回路は、圧力差に基づいてメンテナンスが必要であることを示すことができる。例えば、インジケータは、排出システムインターフェース及び/又は外科用ハブインターフェース上に表示されてもよい。制御回路は、連続的に、リアルタイムで、周期的に、又はシステム計算リソースが利用可能であるときに、圧力差を計算することができる。
再び図4を参照すると、特定の例では、排出システム50500の流路50504に入る粒子は、内部の閉塞を引き起こすことがある。例えば、粒子は、流路50504の一部分を少なくとも部分的に詰まらせる、かつ/又は閉塞することがある。一例では、フィルタ50502は、粒子で閉塞されることがある。閉塞は、排出システムが動作すると急激に又は経時的に発生することがある。排出システム50500内の閉塞は、流路50504内の圧力差を生じさせ、流れが妨げられるにつれて上昇させることがある。所望の流量を維持し、閉塞を補償するために、ポンプ50506及び/又はモータ50512は、より多くの電力及び/又は速度の増加を必要とすることがある。しかしながら、速度及び/又は電力の増加は、モータ50512及び/又はポンプ50506の効率を減少させることがある。更に、閉塞を補償するためにモータ50512及び/又はポンプ50506を増加した速度で動作させることにより、それらの寿命を減少させる場合がある。他の例では、閉塞を補償するために、制御回路は、本明細書に更に記載されるように、モータ50512を調整することができる。
本開示の一態様では、制御回路は、調整された電流をモータ50512に供給するように駆動信号を送信することができる。所望の電流の供給は、モータ50512への電気入力のパルス幅変調のデューティサイクルを変動させることによって達成することができる。そのような態様では、モータへの電流入力のデューティサイクルを増加させることにより、モータ速度を増加させることができ、モータへの電流入力のデューティサイクルを減少させることにより、モータ速度を減少させることができる。
本開示の一態様では、排出システムは、排出システム内の過剰な抵抗圧力を解放するために、流路内にリリーフ弁を備えることができる。リリーフ弁は、例えば、周囲環境と流体連通することができる。そのようなリリーフ弁による過剰な抵抗圧力の解放により、モータ50512が過剰な抵抗圧力を補償しなければならないこと、又は補償するように試みることを防止することができる。本開示の様々な態様では、そのようなリリーフ弁は、制御回路から信号を受信すると、動作する(例えば、開放する及び/又は閉鎖する)ように構成されている。
本開示の様々な態様では、制御回路は、排出システム内に配置されたセンサに基づいて、閉塞を認識することができる。例えば、図18及び図19を再び参照すると、圧力センサ50840は、1つ以上のフィルタ(単数又は複数)の上流の圧力を検出するように配置され構成されており、圧力センサ50846は、1つ以上のフィルタ(単数又は複数)の下流の圧力を検出するように配置され構成されている。圧力センサ50840は、検出された圧力を示す信号を制御回路に送信するように更に構成されている。同様に、圧力センサ50846は、検出された圧力を示す信号を制御回路に送信するように構成されている。そのような例では、制御回路は、50846で検出された圧力及び/又は50840と50846との間の計算された圧力差に基づいて、フィルタアセンブリの一部分が少なくとも部分的に閉塞されていると判定することができる。本開示の様々な態様では、制御回路は、例えば、(A)圧力センサ50846で検出された圧力が特定の閾値を上回る場合、(B)圧力センサ50840と圧力センサ50846との間の計算された圧力差が特定の閾値を上回る場合、(C)圧力センサ50846で検出された圧力がフィルタ(単数又は複数)に対して確立された特定の閾値を上回る場合、かつ/又は(D)圧力センサ50840と圧力センサ50846との間の計算された圧力差がフィルタ(単数又は複数)に対して確立された特定の閾値を上回る場合、フィルタアセンブリが閉塞されていると判定することができる。一例では、制御回路は、クラウド104(図39)及び/又はクラウド204(図46)などのクラウド内に記憶された履歴データに基づいて、フィルタ(単数又は複数)に対して予測される圧力にアクセス及び/又は参照するように構成されている。
再び図18及び図19を参照すると、圧力センサ50850は、排出システムの出口又はその付近の圧力を検出するように配置され構成されている。加えて、圧力センサ50850は、出口又はその付近で検出された圧力を示す信号を制御回路に送信するように構成されている。そのような例では、制御回路は、圧力センサ50846で検出された圧力及び/又は圧力センサ50846と圧力センサ50850との間の計算された圧力差に基づいて、フィルタ(単数又は複数)の下流の排出システムを通る流路が少なくとも部分的に閉塞されていると判定することができる。本開示の様々な態様では、制御回路は、例えば、圧力センサ50846で検出された圧力が特定の閾値を上回る場合、かつ/又は圧力センサ50846と圧力センサ50850との間の圧力差が特定の閾値を上回る場合、流路が閉塞されていると判定することができる。圧力センサ50846と圧力センサ50850との圧力差を比較するとき、ポンプによって生成される圧力差を考慮することができる。一例では、制御回路は、クラウド104(図39)及び/又はクラウド204(図46)などのクラウド内に記憶された履歴データに基づいて、流路に対して予測される圧力にアクセス及び/又は参照することができる。
モータ50512の速度は、モータ50512に供給されている電流に対応することができる。本開示の一態様では、制御回路は、モータ50512への電流入力のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)のデューティサイクルを減少させて、ポンプ50506の回転速度を減少させることができ、かつ/又はモータ50512への電流入力のPWMデューティサイクルを増加させて、ポンプ50506の回転速度を増加させることができる。本明細書に記載されるように、PWMデューティサイクルに対する調整は、流量を入口圧力(例えば、圧力センサ50840で測定される)の範囲、及び/又は出口圧力(例えば、圧力センサ50850で測定される)の範囲にわたって実質的に一定に維持するように構成することができる。
ここで図37を参照すると、制御回路は、上流の圧力センサ50840で検出された圧力と下流の圧力センサ50846で検出された圧力との比(上流と下流との圧力比)を経時的に追跡及び/又はプロットすることができる。例えば、プロセッサ50308及び/又は50408を含む制御回路(図5及び図6)は、圧力比を判定し、圧力比に基づいて外科用排出システムに様々な調整を実施することができる。
一例では、図37のグラフ表示54200を参照すると、上流圧力センサ50840と下流側圧力センサ50846との間の圧力差は、フィルタが閉塞されるにつれて増加し得る。本開示の一態様では、圧力センサ50846によって測定される下流圧力が減少する及び/又は圧力センサ50840によって測定される上流圧力が増加するにつれて、圧力比は増加し得る。圧力センサ50840における圧力は、手術部位(例えば、患者の体内)における圧力と等しい、又は実質的に等しくてもよい。圧力センサ50846における圧力は、ポンプによって引き込まれる圧力であり得る。圧力比の増加は、フィルタ(単数又は複数)内の閉塞などの、下流の圧力センサ50846と上流の圧力センサ50840との間の閉塞に対応することができる。例えば、フィルタが閉塞されるにつれて、圧力センサ50840における圧力は、同じ又は実質的に同じ(手術部位における圧力)のままであり得、圧力センサ50846における圧力は、ポンプが真空を引き続けると減少し得る。
上流と下流との圧力の比は、フィルタ寿命を示すことができる。例えば、低い比は、フィルタを交換する必要がないことを示すことができ、高い比は、フィルタを交換する必要があることを示すことができる。
時間t0における新しく、かつ閉塞されていないフィルタから、時間t2におけるほとんど閉塞されたフィルタへの進行が図37に示されている。図37に示すように、上流と下流との圧力(上流の圧力センサ50840における圧力と下流の圧力センサ50846における圧力と)の比は、非ゼロ比で開始し、これは、フィルタ構成要素及び材料を通る空気流からのベースライン圧力差に起因し得る。比は、時間t0から時間t1の直前まで比較的一定のままである。時間t1において、上流と下流との圧力比は、上流と下流との圧力比が交換比R’’に到達するまで、αの勾配で比較的一定速度で増加する。交換比R’’に到達する及び/又はそれを上回ると、フィルタは、実質的に閉塞されていると見なされ、例えば、モータ及び/又はポンプの損傷を回避するために交換されるべきである。一例では、制御回路は、クラウドを介して、排出システムのフィルタレセプタクルに設置又は配置された所与のフィルタに対する交換比R’’にアクセス及び/又は参照することができる。例えば、交換比R’’は、図6のプロセッサ50408がアクセス可能なメモリ50410に記憶されてもよい。あるいは、交換比R’’は、ユーザが定義してもよく、かつ/又はクラウド内のローカル及び/若しくはグローバル圧力データの履歴に基づいてもよい。本開示の様々な態様では、制御回路は、追跡された及び/又はプロットされた比を利用して、排出システム及び/又は外科用ハブのユーザインターフェース上にフィルタ寿命のメトリック(例えば、40%が残っている)を表示することができる。
更に図37を参照すると、制御回路は更に、排出システムのモータのパルス幅変調(PWM)のデューティサイクルを経時的に追跡及び/又はプロットすることができる。例えば、フィルタ(単数又は複数)が時間t0の後、時間t1の直前まで比較的新しいものと見なされる場合、モータのPWMデューティサイクルは、比較的低い一定のデューティサイクル又は割合に設定される。部分閉塞比R’に対応する時間t1において、制御回路は、α1の勾配で比較的一定速度でモータのPWMデューティサイクルを増加させるように構成されている。デューティサイクルの増加は、フィルタ閉塞を補償するように選択することができる。フィルタ内の閉塞が使用中に蓄積し続けるにつれて、デューティサイクルは、それに応じて増加させて、フィルタ閉塞を補償することができる。様々な例では、勾配α1は、図37に示すように、勾配αを追跡することができる。制御回路は、クラウド104(図39)及び/又はクラウド204(図46)などのクラウドを介して、排出システムのフィルタレセプタクル内に設置された所与のフィルタに関連付けられた部分閉塞比にアクセス及び/又は参照することができる。あるいは、部分閉塞比は、ユーザが定義してもよく、かつ/又はクラウド内のローカル及び/若しくはグローバル圧力データの履歴に基づいてもよい。
本開示の一態様では、モータのデューティサイクルを増加させることにより、ポンプが排出システムを介してより多くの空気を引き込むように、ポンプ速度を増加させることができる。換言すれば、フィルタにわたる圧力差の増加により、ポンプのためのモータのPWMデューティサイクルの対応する増加をトリガすることができる。
排出システムのポンプは、機械的動作によって流路に沿って流体を移送する又はその移動に影響を及ぼすように構成されている。動作中、ポンプは、流体が移動するにつれて、その流体の圧力を増加させることができる。ポンプは、2つ以上の動作圧力を有することができる。本開示の一態様では、ポンプは、流路を通る流体の第1の流量をもたらす第1の動作圧力で動作することができ、ポンプは、流路を通る流体の第2の流量をもたらす第2の動作圧力で動作することができる。流路を通る流体の第1及び第2の流量は、ポンプの第1の動作圧力と第2の動作圧力との差にかかわらず、同じ又は実質的に同様であってもよい。一例では、閉塞物が流路内に蓄積するにつれて、ポンプは、より高い動作圧力で動作して、一定の流量を維持することができる。
図37のグラフ表示54200を更に参照すると、制御回路は、モータのPWMデューティサイクルを増加させて、モータに供給される電流を増加させ、ポンプの動作圧力を増加させることができる。制御回路は、例えば、検出された圧力(単数又は複数)、圧力差(単数又は複数)、及び/又は検出された圧力の比に基づいて、デューティサイクルを調整することができる。増加した動作圧力は、流路を通る流体の一定の流量を維持しながら、図37の時間t1付近で始まるフィルタ内の閉塞などの閉塞を補償するように構成することができる。そのような例では、制御回路は、例えば、フィルタが粒子で閉塞されるにつれて、ポンプに対する負荷を制御することができる。
本開示の様々な態様では、制御回路は、モータに供給される電流を確立されたモータ電流閾値まで増加させることができる。一態様では、制御回路は、確立されたモータ電流閾値を増加させて、所望の流量を維持するために必要な圧力差を実現することができる。例えば、流路内の閉塞にもかかわらず、圧力差及び所望の流量を維持することができる。
本開示の別の態様では、制御回路は、様々な理由で確立されたモータ電流閾値を減少させることができる。例えば、制御回路は、確立されたモータ電流閾値を減少させて、手術部位における不注意な組織損傷を防ぐことができる。例えば、外科用ポートが患者組織によって閉塞されると、制御回路は、モータ電流を低減して、システム内の圧力及び組織に印加される吸引力を低減することができる。一例では、制御回路は、クラウド104(図39)及び/又はクラウド204(図46)などのクラウドを介して、確立されたモータ電流閾値にアクセス及び/又は参照することができる。あるいは、確立されたモータ電流閾値は、ユーザが定義してもよく、かつ/又はクラウド内のローカル及び/若しくはグローバルデータの履歴に基づいてもよい。
本開示の様々な態様では、制御回路は、圧力センサからのフィードバックに基づいて、限られた期間の間、増加した電力及び/又はモータ速度を提供することができる。この時間の間、圧力(単数又は複数)及び/又は閉塞のインジケーションは、例えば、手術室内のインターフェースを介してユーザに通信されてもよい。一例では、臨床医は、閉塞物を除去すること、及び/又はフィルタレセプタクル内の1つ以上のフィルタ(単数又は複数)を変更することによって、閉塞に対処することができる。限られた期間は、例えば、モータ及び/又はポンプの故障前の増加した電力レベル及び/又は速度における運転期間に関する履歴データなどの、クラウド内に記憶されたデータに基づいて決定することができる。限られた期間の後、閉塞が適切に対処されるまで、本明細書に更に記載されるように、電力及び/又は速度を低減することができる。
本開示の様々な態様によれば、排出システムの制御回路は、モータの速度及び/又はポンプの速度を調整するために、排出システムのモータに増加又は減少した電流を供給するように駆動信号を送信することができる。一例では、制御回路は、排出システムの起動時及び/又は電力レベル間の遷移時に、バースト速度を実現するように、駆動信号を送信することができる。例えば、バースト速度は、アクティブ排出モードの最初に、指定されたレベルまで排出システムを引き込むように構成することができる。指定されたレベルは、例えば、指定された流量及び/又は指定された圧力に対応することができる。様々な例では、バースト速度は、エネルギー効率の良い方法で、排出システムを指定されたレベルまで効率的に引き込むことができる。
一例では、制御回路により設定されるバースト速度は、制御回路により設定される一定の動作速度とは異なる。例えば、排出システムの初期起動後、及び/又は排出システムの増加した電力レベルを設定すると、制御回路は、モータに増加した電流を供給するように駆動信号を送信して、短期間の間モータ速度をバースト速度に増加させることができる。バースト速度は、例えば、所望の流量を実現するために必要な一定のモータ速度よりも少なくとも20%高いモータ速度であってもよい。本開示の一態様では、バースト速度は、所望の流量を実現するために必要とされる一定のモータ速度よりも少なくとも50%又は少なくとも100%高い。
ここで図38のグラフ表示54300を参照すると、外科用排出システムの経時的な空気流速及び粒子数が示されている。外科用排出システム50800及び50900(図18及び図19)の制御回路は、例えば、図38にグラフで示すように、空気流速を調整することができる。より具体的には、空気流速は、外科用排出システムのモータのためのバースト速度54302及び54304を含む。例えば、バースト速度は、短期間にわたって所望の空気流速よりも高い空気流速を実現するために必要なモータ速度であってもよい。図38に示すように、バースト速度54302は、時間t1と時間t2との間の期間の一部(例えば、1/5)にわたって、時間t1と時間t2との間の所望の空気流速V1よりも少なくとも20%高い空気流速を実現するために必要とされるモータ速度であってもよく、例えば、同様に、バースト速度54304は、時間t2と時間t3との間の期間の一部(例えば、1/4)にわたって、時間t2と時間t3との間の所望の空気流速V2よりも少なくとも20%高い空気流速を実現するために必要とされるモータ速度であってもよい。様々な例では、空気流速は、本明細書で更に説明するように、排出システム内の粒子数に依存し得る。
本開示の様々な態様によれば、第1の空気流量から第2の空気流量への排出システムの遷移は、遷移の直前又は直後に、及び第2の空気流量に対する調整の前に、空気流量の増加を伴うことができる。例えば、第1の空気流量及び第2の空気流量は、一定又は実質的に一定のモータ速度、及びそれに応じて一定又は実質的に一定の空気流速に対応することができる。再び図38のグラフ表示を参照すると、空気流速は、時間t1及び時間t2それぞれの直後のバースト速度54302及び54304を除いて、時間t1と時間t2との間、及び再び時間t2と時間t3との間で実質的に一定である。図38に示す実質的に一定の空気流速は、排出システムの対応する動作モードにおける対応する一定のモータ速度に対応することができる。
更に図38を参照すると、時間t0で、空気流速は、「静音」モード54310のモータ速度に対応することができる、V0~V1の非ゼロ値であってもよい。「静音」モード54310では、排出システムは、手術部位から流体をサンプリングするように構成することができる。サンプリングされた流体を利用して、例えば、排煙システム、エネルギー装置、及び/又は外科システムの別の構成要素の動作状態を判定することができる。時間t1において、排出システムは、「アクティブ」モード54312になることができる。特定の例では、「アクティブ」モード54312は、本明細書で更に説明するように、排出システム内の1つ以上のセンサによってトリガすることができる。時間t1における速度V1への及び/又は時間t2における速度V2への空気流速の増加は、新たな速度レベルへの遷移又は開始の直後の空気流速の更なる増加を伴うことができる。より具体的には、空気流速は、図38の時間t1の直後かつ時間t2でのその後の調整の前に、急上昇する。加えて、空気流速は、第2の「アクティブ」モード54314で空気流が速度v1から速度v2へと遷移するときに、時間t2の直後に急上昇する。
加えて又は代わりに、第1の空気流速から第2の空気流速への排出システムの電力レベルの低減は、低減の直前の空気流速の初期増加を伴うことができる。例えば、第1の一定又は実質的に一定のレベルから第2の一定又は実質的に一定のレベルまで空気流速を減少させるとき、空気流速は、図38に示すものと同様の空気流速スパイクに遭遇することができる。一例では、制御回路は、「アクティブモード」からの一定の「静音モード」モータ速度に戻る直前に、空気流速スパイクに影響を及ぼすことができる。様々な例では、静音モード前のバースト速度は、例えば、外科システム及び/又は排出システムの煙を流すことができる。
本開示の態様によれば、例えば、図18及び図19の粒子センサ50838及び50848などの様々な粒子センサは、排出システム50800及び50900を通って、かつ/又はその中を流れる粒子を計数するように配置して構成することができる。同様に、例えば、図18及び図19の粒子センサ50852などの空気品質粒子センサは、排出システム50800及び50900の周囲及び/又は手術室内の周囲空気中の粒子を計数するように配置して構成することができる。様々な粒子センサ(例えば、粒子センサ50838、50848、50852など)は、例えば、空気流速を調整するために、粒子濃度を示す信号を制御回路に送信するように更に構成することができる。
再び図38を参照すると、排出システムのモータは、時間t0と時間t1との間で一定の「静音」モード54310の速度で動作することができる。時間t0と時間t1との間で、少なくとも1つの粒子センサ(例えば、粒子センサ50838及び/又は50848)は、排出システムを通って流れる粒子を能動的に計数することができる。特定の例では、少なくとも1つの粒子センサ(例えば、粒子センサ50852)は、周囲空気中の粒子を能動的に計数することができる。少なくとも1つの例では、制御回路は、粒子センサ50838及び/又は粒子センサ50848で計数された粒子を粒子センサ50852で計数された粒子と比較することができる。制御回路は、例えば、粒子センサ50838及び/又は粒子センサ50848によって検出された微粒子濃度が図38の閾値C1などの第1の閾値を上回ることを判定することができる。閾値C1は、例えば、流路に沿った様々なセンサで計数された粒子の微粒子濃度レベル及び/又は比に対応することができる。第1の閾値C1を上回る粒子濃度に応じて、制御回路は、時間t1において、第1の非ゼロ空気流速に関連付けられた「静音」モード54310の速度から、第2のモータ速度、又は第2の空気流速(例えば、V1)に関連付けられた「アクティブ」モード54312へとモータ速度を増加させることができる。上述のように、空気流速の増加は、時間t1の直後の空気流速スパイク又はバースト54302を伴ってもよい。
更に図38を参照すると、制御回路は、時間t1から時間t2まで、空気流速V1に関連付けられたモータ速度を維持しながら、粒子センサ50838、50848、及び/又は50852のうちの少なくとも1つから微粒子濃度を検出し続けることができる。時間t2において、制御回路は、粒子センサ50838、50848、及び/又は50852のうちの少なくとも1つによって検出された粒子濃度及び/又は比が、図38の閾値C2などの第2の閾値を上回ると判定することができる。閾値C2は、第1の閾値C1より大きな、流路に沿った様々なセンサで計数された粒子の微粒子濃度レベル及び/又は比に対応することができる。時間t2で第2の閾値C2を上回ったことに応じて、制御回路は、空気流速V1又は第1の「アクティブ」モード54314に関連付けられたモータ速度から増加した空気流速V2又は第2の「アクティブ」モード54314に関連付けられたモータ速度までモータ速度を増加させるように構成されている。この場合もやはり、空気流速V1から空気流速V2への増加は、時間t2の直後の空気流速スパイク又はバースト54304を伴ってもよい。
様々な例では、制御回路は、例えば、時間t2と時間t3との間の空気流速V2に関連付けられたモータ速度を維持しながら、粒子センサ50838、50848、及び/又は50852によって微粒子濃度を示す入力を受信し続けることができる。時間t3において、制御回路は、粒子センサ50838、50848、及び/又は50852のうちの少なくとも1つによって検出された微粒子濃度及び/又は比が、第1の閾値C1を下回るまで減少したと判定することができる。これに応じて、制御回路は、空気流速V2に関連付けられたモータ速度から第1の非ゼロ空気流速に関連付けられた「静音」モード速度に戻して、モータ速度を減少させることができる。上述のように、特定の例では、空気流速V2から非ゼロ空気流速に戻る減少は、時間t3の直後の空気流速スパイクを伴うことができる。制御回路は、例えば、時間t3の後に「静音」モード速度を維持しながら、粒子センサ50838、50848、及び/又は50852によって検出された微粒子濃度を検出及び/又は比較し続けることができる。
本開示の様々な態様では、モータは、可変速度モータであってもよい。例えば、モータ50512(図4)は、可変速度モータであってもよい。そのような例では、モータの速度は、外部から測定されたパラメータに基づいて制御されてもよい。例えば、可変速度モータの速度は、排出システムの外部で測定されたパラメータに基づいて、増加、減少、又は維持されてもよい。
本開示の態様によれば、モータ50512(図4)は、モータ50512への電流の供給を変動させることによって調整することができる。例えば、モータ50512に第1の電流量を供給して、モータ50512を第1の動作レベルで動作させることができる。あるいは、モータ50512に第2の電流量を供給して、モータ50512を第2の動作レベルで動作させることができる。より具体的には、電流の供給を変更することは、モータ50512への電気入力のパルス幅変調(PWM)のデューティサイクルを変動させることによって達成されてもよい。他の態様では、電流は、モータに供給される電流の周波数を調整することによって変動され得る。本開示の様々な態様では、モータ50512は、モータ50512への電流入力のデューティサイクル又は周波数を減少させることにより、ポンプ50506の回転速度を減少させるように、回転機構又はポンプ50506(例えば、本明細書に記載されるような圧縮機、ブロワなど)に連結される。同様に、モータ50512への電流入力のデューティサイクル又は周波数を増加させることにより、ポンプ50506の回転速度を増加させることができる。
本開示の様々な態様では、モータ50512のより低い動作レベルは、排出及び/又は吸引が必要でないときにモータ50512を完全にオフにし、その後吸引が必要とされるときにモータ50512をオンに切り替えて戻すことよりも有利であり得る。例えば、臨床医は、長期間の手術中に吸引を断続的にしか使用する必要がない場合がある。そのような態様では、モータ50512を完全にオフにした状態からオンにすることは、モータ50512の静止慣性を克服するために、高い起動トルクを必要とする。このようにモータ50512を完全なオフモードから繰り返しオンにすることは、非効率的であり、モータ50512の寿命を減少させることがある。あるいは、より低い動作レベルを採用することにより、手術中の排出システムの断続的な使用中にモータ50512をオンのままにすることを可能にし、モータの静止慣性を克服するためにより高いトルクを必要とすることなく、より高い動作レベルへの調整(例えば、追加の吸引が必要とされるとき)が可能になる。
本開示の様々な態様では、変動範囲を、モータパラメータに対して確立又は予め決定することができる。一実施例では、モータ速度範囲は、可変速度モータに対して予め決定することができる。様々な態様では、上述のような制御回路は、1つ以上のセンサからのフィードバックに基づいて、特定の流量又は流量の増加若しくは減少が手術部位で必要とされることを判定することができる。例えば、制御回路内のプロセッサ50308及び/又は50408は、1つ以上のセンサから入力を受信し、センサ入力(単数又は複数)に少なくとも部分的に基づいて、流量に対する調整を実施するように構成することができる。調整は、リアルタイム又はほぼリアルタイムで判定することができる。
一態様では、制御回路は、流体(例えば、図18及び図19の流体検出センサ50830)及び/若しくは流体中の粒子(例えば、図18及び図19の粒子センサ50838及び/又は50848)を検出するように配置され構成された少なくとも1つのセンサ、並びに/又は手術部位/その付近に配置可能な電気外科用器具(例えば、図7の電気外科用器具50630)上の別個のセンサなど、外科システム内のセンサによって検出された測定値に基づいてモータに対する調整の必要性を判定することができる。判定された必要性に応じて、制御回路は、駆動電流をモータ50512(図4)に供給するように駆動信号を送信して、その速度を調整されたモータ速度に調整することができる。この調整されたモータ速度は、所望の特定の流量に対応することができる。
あるいは、判定された必要性に応じて、制御回路は、モータ50512に駆動電流を供給するように駆動信号を送信して、モータ速度を所定のモータ速度範囲内の速度に増加又は減少させることができる。そのような例では、制御回路は、可変速度モータの速度の増加又は減少を所定のモータ速度範囲内に制限する。この調整されたモータ速度は、所望の調整された流量に対応してもよく、又は対応しなくてもよい。例えば、所定のモータ速度範囲により、制御回路は、モータ速度を調整して所望の流量を実現することができない場合がある。
本開示の別の態様では、モータ速度は、モータが手動モードで動作しているときなど、手術室内の臨床医によって選択されてもよい。例えば、臨床医は、ユーザインターフェースを介して可変速度モータを所望のモータ速度に手動で変更することができる。ユーザインターフェースは、例えば、排出システムのハウジング及び/又は外科用ハブインターフェース上にあってもよい。様々な態様では、ユーザインターフェースは、外部から測定されたパラメータ(例えば、手術部位又はその付近のセンサを介して測定された煙及び/又は粒子の量)を臨床医に表示することができ、臨床医は、外部から測定されたパラメータに基づいてモータ速度を手動で設定することができる。そのような態様では、ユーザインターフェースは、駆動電流をモータに供給するように駆動信号を送信して、モータ速度を選択されたモータ速度に設定、増加、又は減少させることができる。
本開示の一態様では、制御回路は、排出システム内で検出及び/又は測定された圧力条件に基づいて、第1の駆動信号を第2の駆動信号に変更することができる。例えば、図18及び図19を再び参照すると、圧力センサ50840、50846、50850、及び50854は、それらの対応する圧力を制御回路に送信することができ、制御回路は、検出された圧力のうちの1つ以上に基づいて、第1の駆動信号を第2の駆動信号に変更することができる。特に、そのような態様では、実際のモータ速度は、ユーザインターフェースを介してユーザによって選択されたモータ速度に等しくなくてもよい。例えば、排出システム内で測定された圧力が閾値圧力を上回る場合、ユーザが選択したモータ速度に関連付けられた増加したモータ速度を許可することにより、モータ及び/又は排出システムの他の構成要素を損傷することがある。したがって、制御回路は、ユーザが選択したモータ速度をオーバーライドして、排出システム及びその構成要素への損傷を防止することができる。
本開示の別の態様では、モータ速度は、モータが自動モードで動作しているときなど、制御回路によって自動的に選択されてもよい。そのような態様では、制御回路は、外部から測定されたパラメータ(単数又は複数)(例えば、手術部位又はその付近で測定された煙及び/又は粒子の量)に基づいて、駆動電流をモータに供給するように駆動信号を送信して、モータ速度を適切なモータ速度に設定、増加、又は減少させることができる。代替的な態様では、制御回路は、内部の様々なセンサによって検出された圧力及び微粒子濃度のうちの少なくとも1つを含む排出システム内で測定されたパラメータに基づいて、駆動電流をモータに供給するように駆動信号を送信して、モータ速度を設定、増加、又は減少させることができる。一実施例では、圧力センサ50840、50846、50850、及び50854は、それらの対応する検出及び/又は測定された圧力を制御回路に送信することができる。加えて又は代わりに、粒子センサ50838、50848、及び50852は、それらの対応する検出及び/又は測定された粒子数を制御回路に送信することができる。
ここで図35を参照すると、外科用排出システムの調整アルゴリズム54000が示されている。本明細書に開示される様々な外科用排出システムは、図35の調整アルゴリズム54000を利用することができる。更に、読者は、特定の例では、調整アルゴリズム54000を、本明細書に記載される1つ以上の追加の調整アルゴリズムと組み合わせることができることを容易に理解するであろう。外科用排出システムに対する調整は、排出器ポンプのモータと信号通信するプロセッサによって実施することができる(例えば、図5及び図6のプロセッサ及びポンプを参照)。例えば、プロセッサ50408は、調整アルゴリズム54000を実施することができる。そのようなプロセッサはまた、外科用排出システム内の1つ以上のセンサと信号通信することができる。
一例では、制御回路54008は、図18及び図19の粒子センサ50838と類似していてもよく、かつブロック54002でその検出及び/又は測定された粒子数を含む第1の信号を送信することができる、第1の微粒子センサ54010に通信可能に連結されてもよい。加えて、制御回路54008は、図18及び図19の粒子センサ50848と多くの点で類似していてもよく、かつブロック54004でその検出及び/又は測定された粒子数を含む第2の信号を制御回路に送信することができる、第2の微粒子センサ54012に連結することができる。次いで、制御回路54008は、ブロック54006で、駆動信号を送信して、ブロック54016で、判定された駆動電流を排出システムのモータに印加することができる。例えば、制御回路54008は、図5及び図6の制御概略図と多くの点で類似していてもよく、メモリに通信可能に連結されたプロセッサを含むことができる。更に別の態様では、センサ50840、50846、50850、50854、50838、50848、及び50852(図18及び図19)の任意の組み合わせは、それらの対応する検出及び/又は測定されたパラメータを制御回路54008に送信することができる。そのような代替的な態様では、制御回路は、内部で測定されたパラメータに基づいて適切なモータ速度を判定することができる。いずれの場合も、様々な例では、ユーザインターフェースは、現在のモータ速度を表示することができる。
本開示の様々な態様では、適切なモータ速度は、クラウド104(図39)及び/又はクラウド204(図46)などのクラウド内に記憶された履歴データに基づいて判定される理想的なモータ速度であってもよい。理想的なモータ速度は、例えば、測定された外部及び/又は内部パラメータ(単数又は複数)を所与として、最も効率的な速度であってもよい。他の態様では、適切なモータ速度は、全ての測定された圧力が閾値圧力未満であるように判定された理想的なモータ速度であってもよい。換言すれば、排出システム構成要素への損傷を回避し、かつ、例えば、粒子センサ50848で測定された濃度などの微粒子濃度を最小化するためである。更なる態様では、制御回路によって自動的に選択されたモータ速度は、手動で調整することができる。そのような手動オーバーライドモードでは、ユーザは、自動的に選択されたモータ速度とは異なる所望のモータ速度を選択することができる。そのような態様では、ユーザインターフェースは、選択されたモータ速度を表示することができる。本開示の更なる態様では、ユーザインターフェースは、理想的なモータ速度及び/又は流量より低く(又は高く)設定及び/又は選択されていることがユーザに通知されるように、制御回路によって判定された理想的なモータ速度を表示することができる。
本開示の更に別の態様では、制御回路に供給される外部から測定されたパラメータは、図6の発生器50640によって電気外科用器具50630になど、発生器によって電気外科用器具に供給される電気外科信号の電力レベルを含むことができる。そのような態様では、制御回路は、電力レベルの増加に比例して、モータ速度を増加させることができる。例えば、様々な電力レベルの増加は、クラウドデータベース内の煙のレベルの増加と相関させることができる。同様に、制御回路は、電力レベルの減少に比例して、モータ速度を減少させることができる。ここで、代替的な態様では、モータ速度は、排出システムにおいて(例えば、本明細書に記載されるように自動的に及び/又は手動で)設定することができる。更に、そのような態様では、発生器50640で設定された電力レベルは、設定されたモータ速度に影響を及ぼすことができる。一態様では、手動で設定されたモータ速度は、発生器50640で設定された電力レベルに基づいて変更することができる。別の態様では、自動的に設定されたモータ速度は、発生器50640で設定された電力レベルに基づいて変更することができる。
図36は、例えば、排出システム50800及び50900などの外科用排出システムの粒子数、電力、電圧、及びモータ速度のグラフ表示54100を示す。排出システムの制御回路は、外部から測定されたパラメータ及び内部で測定されたパラメータに基づいて、モータ速度を調整するように構成されている。本開示の一態様では、図5及び図6の制御回路は、図示されたモータ速度調整を実施することができる。図36では、外部から測定されたパラメータは、外科処置で使用される発生器によって電気外科用器具(例えば、図7の発生器50640によって電気外科用器具50630)に供給される電気外科信号の電力レベルである。内部で測定されたパラメータは、例えば、図18及び図19のレーザー粒子数カウンタ50838などの排出システムによって検出される粒子数である。読者は、特定の例では、外部から測定されたパラメータ又は内部で測定されたパラメータのうちの1つに基づいてモータ速度を調整することができることを容易に理解するであろう。特定の例では、追加の内部又は外部パラメータを利用して、モータ速度を調整することができる。
時間t0において、モータ速度はゼロであり、電気外科用器具に供給される電力レベルはゼロであり、粒子センサ50838によって検出される粒子数はゼロである。時間t1において、第1の電力レベルが発生器によって電気外科用器具に供給される。一実施例では、第1の電力レベルは、凝固モードに対応することができる。時間t1での電力レベルの増加と並行して、又はその直後に、制御回路は、モータに起動電流を供給するように駆動信号を送信する。起動電流は、t1とt2との間でモータがベースライン(例えば、アイドル)モータ速度54104に整定する前に、モータ速度のバースト54102をもたらす。ベースラインモータ速度54104は、例えば、ポンプを回転させるのに必要な最小トルクに対応することができる。例えば、時間がt2に近づくと、モータ速度は、スリープモード又は静音モードに対応することができ、排煙器は、煙の発生を予測して電力供給される。時間t1において、粒子センサ50838は、モータ速度に影響を与えない。
時間t2において、粒子センサ50838は、排煙のための「アクティブ」モードに対応する最小閾値54110を上回って粒子数を増加させる、微粒子濃度の第1のスパイク54106を検出する。この第1のスパイク54106に応じて、時間t2の直後に、制御回路は、例えば、モータに増加した電流を供給するように第2の駆動信号を送信して、「静音」モードから「アクティブ」モードへと排出システムを通る流量を増加させる。流量の増加に応じて、粒子センサ50838によって計数された微粒子濃度は、時間t2と時間t3との間で低下し始める。制御回路は、粒子センサ50838からの出力を能動的に監視し、微粒子濃度が低下するため、粒子センサ50838によって検出された減少する微粒子濃度に比例して、モータ50512に低減された電流を供給するように第3の駆動信号を送信する。換言すれば、時間t2と時間t3との間のモータ速度は、粒子センサ50838によって検出される微粒子濃度に比例する。
時間t3において、時間t1とt3との間で比較的一定のままであった発生器50640によって供給される第1の電力レベルは、第1の電力レベル54112から第2の電力レベル54114まで増加される。一実施例では、第2の電力レベル54114は、切断モードに対応することができる。発生器の電力レベルの増加に応じて、時間t3の直後に、制御回路は、モータに増加した電流を供給するように第3の駆動信号を送信して、排出システムを通る流量をまた再び増加させる。例えば、モータ速度は、時間t3における波形の変化に応じて変更されてもよい。加えて、増加した電力レベルに起因して、粒子センサ50838は、計数された粒子の第2のスパイク54108を検出する。第3の駆動信号は、煙中の増加した微粒子濃度に対処することができる。モータ速度の増加に応じて、粒子センサ50838によって計数された粒子は、時間t3とt4との間で減少する。この場合もやはり、制御回路は、粒子センサ50838を能動的に監視し、粒子センサ50838によって検出された微粒子濃度の減少に比例して、モータに低減された電流を供給するように第4の駆動信号を送信する。
時間t4において、時間t3とt4との間で比較的一定のままであった発生器によって供給される第2の電力レベル54114は、時間t4とt5との間で一定の速度で減少する。これに応じて、時間t4の後、粒子センサ50838によって検出される微粒子濃度も減少する。実際には、微粒子濃度は、時間t4と時間t5との間で最小閾値54110をわずかに下回り、かつ停止閾値54118を上回るレベルまで低下し、時間t5まで停止閾値54118付近で比較的一定のままである。一例では、これは、手術部位からの残留煙の排出に対応することができる。制御回路は、時間t4とt5との間で粒子センサ50838を監視し続け、時間t4と時間t5との間で微粒子濃度の減少に比例して、モータへの電流を低減するように、後続の駆動信号を送信する。
時間t5において、再び最小閾値54110を上回って粒子数を増加させる微粒子濃度の第3のスパイク54116を粒子センサ50838によって検出することができる。一例では、外科処置中に発生して粒子センサ50838によって検出される追加の煙は、組織の状態の結果であり得る。例えば、処置中に組織が乾燥すると、追加の煙が発生することがある。時間t5での煙の増加に応じて、発生器波形は、煙を最小限に抑えるように自動的に調整される。例えば、発生器によって第3の電力レベルを供給することができる。更に、時間t1と時間t5との間で比較的一定の第1のレベルのままであった電圧は、時間t5の後、時間t6まで比較的一定の第2のレベルまで低下する。特定の例では、電力が増加し電圧が減少する時間t5での波形調整54122は、より少ない煙を発生させるように構成することができる。
時間t5での発生器への電力レベルの調整に応じて、粒子センサ50838によって検出された微粒子濃度は、時間t5とt6との間で着実に減少する。時間t6において、発生器の電力レベル及び電圧は、例えば、手術工程の完了時などの電源切断状態に対応するゼロまで減少する。更に、粒子センサ50838によって検出された微粒子濃度は、時間t6において停止閾値54118を下回って低下する。これに応じて、制御回路は、モータに低減された電流を供給するように駆動信号を送信し、モータ速度をスリープ又は静音モード54120まで低減する。
様々な例では、排出システムは、腹腔鏡の使用を自動的に感知して、補償することができる。例えば、排出システムは、外科システムの腹腔鏡モードを自動的に検出することができる。腹腔鏡手術では、患者の体腔にガス(例えば、二酸化炭素)を吹き込んで、体腔を膨張させ、外科処置中に施術者の作業空間及び/又は視野空間を作り出す。体腔を膨張させることにより、加圧された空洞を作り出す。そのような例では、本明細書に開示される排出システムは、加圧された空洞を感知し、加圧された空洞のパラメータに応じて、例えば、モータ速度などの排出システムパラメータのパラメータを調整するように構成することができる。
例えば、図18及び図19を再び参照すると、圧力センサ50840は、送気に従来利用されている圧力に対応し得る、特定の閾値圧力を上回る圧力を検出することができる。そのような例では、制御回路は、最初に、実行されている外科処置が腹腔鏡手術であるかどうかを判定することができる。特定の例では、排煙システムの制御回路(例えば、図5及び図6のプロセッサ50308及び/又は50408)は、通信可能に連結された外科用ハブ及び/又はクラウドに問い合わせて、腹腔鏡手術が実施されているかどうかを判定することができる。例えば、状況認識は、本明細書に更に記載されるように、腹腔鏡処置が実行されているかどうかを判定及び/又は確認することができる。
特定の例では、例えば、外科用ハブに関連付けられた制御回路などの外部制御回路は、通信可能に連結されたクラウドに問い合わせることができる。別の態様では、排出システムのユーザインターフェースは、施術者からの入力を受け取ることができる。制御回路は、実行されている外科処置が腹腔鏡手術であることを示す信号をユーザインターフェースから受信することができる。腹腔鏡手術ではない場合、制御回路は、本明細書に記載されるようにフィルタが詰まっているか、及び/又は部分的に詰まっているかを判定することができる。腹腔鏡手術である場合、制御回路は、圧力センサ50840で検出された圧力を所定の量だけ調整して、センサ50840での腹腔鏡法に調整した圧力を実現することができる。センサ50840でのこの腹腔鏡法に調整した圧力は、センサ50840で検出された実際の圧力の代わりに、本明細書に記載される様々な態様により、利用することができる。そのような態様では、これにより、フィルタが詰まっている及び/又は部分的に詰まっているという不適切かつ/又は時期尚早なインジケーションを回避することができる。更に、前述の調整は、不必要なモータ速度調整を回避することができる。
様々な態様によれば、排出システムは、実行されている外科処置が腹腔鏡手術であるとの判定に応じて、そのような加圧された空洞を更に感知し、排出システムパラメータ(例えば、モータ速度)を調整することができる。そのような態様では、例えば、圧力センサ50840などの圧力センサが加圧された環境内で排出システムが使用されていることを検出した後、制御回路は、モータの1つ以上の動作パラメータを腹腔鏡処置のための効果的な排出速度に変更するための駆動信号を送信することができる。一実施例では、(例えば、図7を参照、外科用器具50630の先端付近の遠位導管開口部50634及び吸引ホース50636を介して)加圧された空洞によって供給される加えられた圧力を補償するために、ベースライン(例えば、アイドル)モータ速度及び/又は上限モータ速度を調整して下げることができる。そのような例では、例えば、圧力センサ50840などの圧力センサが加圧された環境内で排出システムが使用されていることを検出した後、制御回路は、圧力センサにおける圧力損失に対して、二次閾値を設定する、かつ/又は確立された二次閾値を監視することができる。
圧力センサ50840で検出された圧力がそのような二次閾値を下回って低下する場合、排出システムは、手術部位の送気に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、モータ速度に対する調整は、圧力センサ50840での圧力を二次閾値を下回るまで低下させることがある。特定の例では、腹腔鏡手術中に加圧された空洞を最初に検出する、かつ/又は体腔内の圧力を監視するために、別個の圧力センサを電気外科用器具上に(すなわち、腹腔鏡処置中に体腔内にあるように)配置することができる。そのような態様では、そのような圧力センサは、本明細書に記載されるように、排出システムパラメータ(例えば、モータ速度)を適切に調整するように、制御回路に信号を送信することになる。
読者は、本明細書に記載される様々な外科用排出システム及び構成要素をコンピュータ実装インタラクティブ外科システム、外科用ハブ、及び/又はロボットシステムに組み込むことができることを容易に理解するであろう。例えば、外科用排出システムは、外科用ハブ、ロボットシステム、及び/又はコンピュータ実装インタラクティブ外科システムにデータを通信することができ、かつ/又は、外科用ハブ、ロボットシステム、及び/又はコンピュータ実装インタラクティブ外科システムからデータを受信することができる。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム、ロボットシステム、及び外科用ハブの様々な実施例を、以下に更に説明する。
コンピュータ実装インタラクティブ外科システム
図39を参照すると、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100は、1つ以上の外科システム102と、クラウドベースのシステム(例えば、ストレージ装置105に連結されたリモートサーバ113を含むことができるクラウド104)と、を含む。各外科システム102は、リモートサーバ113を含み得るクラウド104と通信する少なくとも1つの外科用ハブ106を含む。一実施例では、図39に示すように、外科システム102は、互いに、及び/又はハブ106と通信するように構成された、可視化システム108と、ロボットシステム110と、ハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含む。いくつかの態様では、外科システム102は、M個のハブ106と、N個の可視化システム108と、O個のロボットシステム110と、P個のハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と、を含んでもよく、ここでM、N、O、及びPは1以上の整数である。
図40は、外科手術室116内の手術台114上に横たわる患者に対して外科処置を実行するために使用される外科システム102の一例を示す。ロボットシステム110は、外科処置において外科システム102の一部として使用される。ロボットシステム110は、外科医のコンソール118と、患者側カート120(外科用ロボット)と、外科用ロボットハブ122と、を含む。患者側カート120は、患者の身体の低侵襲切開中に、外科医が外科医のコンソール118を介して手術部位を見る間、少なくとも1つの取り外し可能に連結された外科用ツール117を操作することができる。手術部位の画像は医療用撮像装置124によって得ることができ、医療用撮像装置124は撮像装置124を配向するために患者側カート120によって操作され得る。ロボットハブ122は、外科医のコンソール118を介して外科医に対するその後の表示のために、手術部位の画像を処理するために使用することができる。
他のタイプのロボットシステムを、外科システム102と共に使用するために容易に適合させることができる。本開示と共に使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「ROBOT ASSISTED SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,339号に記載されている。
クラウド104によって実施され、本開示と共に使用するのに好適なクラウドベース分析の様々な例は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年12月28日出願の「CLOUD-BASED MEDICAL ANALYTICS」と題する米国仮特許出願第62/611,340号に記載されている。
様々な態様では、撮像装置124は、少なくとも1つの画像センサと1つ以上の光学構成要素とを含む。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサが挙げられるが、これらに限定されない。
撮像装置124の光学構成要素は、1つ以上の照明光源及び/又は1つ以上のレンズを含んでもよい。1つ以上の照明光源は、手術野の一部を照明するように方向付けられてもよい。1つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、手術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
1つ以上の照明光源は、可視スペクトル及び不可視スペクトル内の電磁エネルギーを放射するように構成され得る。光学スペクトル又は発光スペクトルと呼ばれることもある可視スペクトルは、人間の目に可視の(すなわち、人間の目で検出可能な)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と呼ばれることがある。典型的な人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に反応する。
不可視スペクトル(すなわち、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する電磁スペクトルの一部分である(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長)。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(IR)、マイクロ波、及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線、及びガンマ線電磁放射線になる。
様々な態様では、撮像装置124は、低侵襲性手術で使用するように構成されている。本開示と共に使用するのに好適な撮像装置の例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
一態様では、撮像装置は、トポグラフィーと下層構造とを区別するためにマルチスペクトルモニタリングを用いる。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたって特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR及び紫外光を含む特定の波長からの光に感受性の器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像法は、人間の目がその赤色、緑色、及び青色の受容体で捕捉することのできない追加情報の抽出を可能にすることができる。マルチスペクトル撮像法の使用は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で詳細に説明されている。マルチスペクトルモニタリングは、1つの手術作業が完了し後に、処置された組織上で上述の試験の1つ以上を実行するために手術野を再配置するのに有用なツールであり得る。
いかなる外科手術においても手術室及び外科用器具の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術室(surgical theater)」、すなわち手術室(operating room)又は処置室(treatment room)に必要とされる厳格な衛生及び滅菌条件は、全ての医療装置及び機器の最大級の滅菌性を必要とする。その滅菌プロセスの一部は、撮像装置124並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性である。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの、微生物を含まないと見なされる特定の領域と見なされ得ること、又は滅菌野は、外科処置のために準備された患者のすぐ周囲の領域と見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにその領域内の全ての備品及び固定具を含み得る。
様々な態様では、可視化システム108は、図40に示すように、滅菌野に対して戦略的に配置された1つ以上の撮像センサと、1つ以上の画像処理ユニットと、1つ以上のストレージアレイと、1つ以上のディスプレイと、を含む。一態様では、可視化システム108は、HL7、PACS、及びEMRのインターフェースを含む。可視化システム108の様々な構成要素については、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる2017年12月28日出願の「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する米国仮特許出願第62/611,341号の「Advanced Imaging Acquisition Module」の項で説明されている。
図40に示すように、一次ディスプレイ119は、手術台114に位置する操作者に可視であるように、滅菌野内に配置される。加えて、可視化タワー111は、滅菌野の外に配置される。可視化タワー111は、互いに離れる方に面する第1の非滅菌ディスプレイ107及び第2の非滅菌ディスプレイ109を含む。ハブ106によって誘導される可視化システム108は、ディスプレイ107、109、及び119を使用して、滅菌野の内側及び外部の操作者に対する情報フローを調整するように構成されている。例えば、ハブ106は、可視化システム108に、一次ディスプレイ119上の手術部位のライブ映像を維持させながら、撮像装置124によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示させることができる。非滅菌ディスプレイ107又は109上のスナップショットは、例えば、非滅菌操作者が外科処置に関連する診断工程を実行することを可能にすることができる。
一態様では、ハブ106は、滅菌野内で、可視化タワー111に位置する非滅菌操作者によって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌領域内の一次ディスプレイ119に送り、これを手術台に位置する滅菌操作者が見ることができるようにも構成される。一実施例では、入力は、ハブ106によって一次ディスプレイ119に送ることのできる、非滅菌ディスプレイ107又は109上に表示されるスナップショットに対する修正の形態であってもよい。
図40を参照すると、外科用器具112は、外科処置において外科システム102の一部として使用されている。ハブ106はまた、外科用器具112のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成されている。例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号における。可視化タワー111の位置で非滅菌操作者によって入力される診断入力又はフィードバックは、滅菌野内でハブ106によって外科用器具ディスプレイ115に送られてもよく、ここで診断入力又はフィードバックは外科用器具112の操作者によって見られてもよい。外科システム102と共に用いるのに好適な例示的外科用器具については、例えば、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical Instrument Hardware」の項目、及び「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で説明されている。
ここで図41を参照すると、ハブ106が、可視化システム108、ロボットシステム110、及びハンドヘルド式インテリジェント外科用器具112と通信している状態で示されている。ハブ106は、ハブディスプレイ135、撮像モジュール138、発生器モジュール140、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、及びストレージアレイ134を含む。特定の態様では、図41に示すように、ハブ106は、排煙モジュール126及び/又は吸引/灌注モジュール128を更に含む。
外科処置中、封止及び/又は切断のため組織へのエネルギー印加は、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注を伴う。異なる供給源からの流体、電力、及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブのモジュール式筐体136は、電力、データ、及び流体ラインを管理するための統一環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。
本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科処置において使用するための外科用ハブを提示する。外科用ハブは、ハブ筐体と、ハブ筐体のドッキングステーション内に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールは、更に、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体、及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、遠隔手術部位から排煙構成要素まで延びる流体ラインと、を含む。
一態様では、流体ラインは第1の流体ラインであり、第2の流体ラインは、遠隔手術部位から、ハブ筐体内に摺動可能に受容される吸引及び灌注モジュールまで延びる。一態様では、ハブ筐体は、流体インターフェースを備える。
特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブのモジュール式筐体136が様々な発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブのモジュール式筐体136の利点の1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。
本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用筐体を提示する。モジュール式外科用筐体は、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
上記に加えて、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ及び電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を更に含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。
更に、モジュール式外科用筐体は、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成された、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを更に含む。
図41~図45を参照すると、発生器モジュール140と、排煙モジュール126と、吸引/灌注モジュール128と、のモジュール式統合を可能にするハブのモジュール式筐体136に関する本開示の態様が提示される。ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128間の双方向通信を更に促進する。図43に示すように、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット139内に支持される、一体化された単極、双極、及び超音波構成要素を備える発生器モジュールであってもよい。図42に示すように、発生器モジュール140は、単極装置146、双極装置147、及び超音波装置148に接続するように構成することができる。あるいは、発生器モジュール140は、ハブのモジュール式筐体136を介して相互作用する一連の単極、双極、及び/又は超音波発生器モジュールを備えてもよい。ハブのモジュール式筐体136は、複数の発生器が単一の発生器として機能するように、複数の発生器の挿入と、ハブのモジュール式筐体136にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成されてもよい。
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128の取り外し可能な取り付け及びそれらの間の双方向通信を可能にするために、外部及び無線通信ヘッダを備えるモジュール式電力及び通信バックプレーン149を備える。
一態様では、ハブのモジュール式筐体136は、モジュール140、126、128を摺動可能に受容するように構成された、本明細書ではドロアーとも称されるドッキングステーション又はドロアー151を含む。図43は、外科用ハブ筐体136、及び外科用ハブ筐体136のドッキングステーション151に摺動可能に受容可能な組み合わせ発生器モジュール145の部分斜視図を示す。組み合わせ発生器モジュール145の後側に電力及びデータ接点を有するドッキングポート152は、組み合わせ発生器モジュール145がハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151内の位置へと摺動されると、対応するドッキングポート150をハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の電力及びデータ接点と係合するように構成される。一態様では、組み合わせ発生器モジュール145は、図43に示すように、双極、超音波、及び単極モジュールと、単一のハウジングユニット139内に一緒に一体化された排煙モジュールと、を含む。
様々な態様では、排煙モジュール126は、捕捉/回収された煙及び/又は流体を手術部位から遠ざけて、例えば、排煙モジュール126へと搬送する流体ライン154を含む。排煙モジュール126から発生する真空吸引は、煙を手術部位のユーティリティ導管の開口部に引き込むことができる。流体ラインに連結されたユーティリティ導管は、排煙モジュール126で終端する可撓管の形態であってもよい。ユーティリティ導管及び流体ラインは、ハブ筐体136内に受容される排煙モジュール126に向かって延びる流体経路を画定する。
様々な態様では、吸引/灌注モジュール128は、吸い込み(aspiration)流体ライン及び吸引(suction)流体ラインを含む外科用ツールに連結される。一実施例では、吸い込み及び吸引流体ラインは、手術部位から吸引/灌注モジュール128に向かって延びる可撓管の形態である。1つ以上の駆動システムは、手術部位への、及び手術部位からの流体の灌注及び吸い込みを引き起こすように構成され得る。
一態様では、外科用ツールは、その遠位端にエンドエフェクタを有するシャフトと、エンドエフェクタに関連付けられた少なくとも1つのエネルギー処置部と、吸い込み管と、灌注管と、を含む。吸い込み管は、その遠位端に入口ポートを有することができ、吸い込み管はシャフトを通って延びる。同様に、灌注管はシャフトを通って延びることができ、かつ、エネルギー送達器具に近接した入口ポートを有することができる。エネルギー送達器具は、超音波及び/又はRFエネルギーを手術部位に送達するように構成され、最初にシャフトを通って延びるケーブルによって発生器モジュール140に連結される。
灌注管は流体源と流体連通することができ、吸い込み管は真空源と流体連通することができる。流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128内に収容され得る。一実施例では、流体源及び/又は真空源は、吸引/灌注モジュール128とは別にハブ筐体136内に収容され得る。このような実施例では、流体インターフェースは、吸引/灌注モジュール128を流体源及び/又は真空源に接続するように構成され得る。
一態様では、モジュール140、126、128及び/又はハブのモジュール式筐体136上のそれらの対応するドッキングステーションは、モジュールのドッキングポートを位置合わせして、ハブのモジュール式筐体136のドッキングステーション内でこれらの対応部品と係合させるように構成された位置合わせ機構を含み得る。例えば、図42に示すように、組み合わせ発生器モジュール145は、ハブのモジュール式筐体136の対応するドッキングステーション151の対応するブラケット156と摺動可能に係合するように構成された側部ブラケット155を含む。ブラケットは協働して、組み合わせ発生器モジュール145のドッキングポート接点をハブのモジュール式筐体136のドッキングポート接点と電気係合させるように誘導する。
いくつかの態様では、ハブのモジュール式筐体136のドロアー151はサイズが同じ又は実質的に同じであり、モジュールはドロアー151内に受容されるサイズに調整される。例えば、側部ブラケット155及び/又は156は、モジュールのサイズに応じてより大きくなっても小さくなってもよい。他の態様では、ドロアー151はサイズが異なり、それぞれ特定のモジュールを収容するように設計される。
更に、適合しない接点を備えるドロアーにモジュールを挿入することを避けるために、特定のモジュールの接点を、特定のドロアーの接点と係合するように鍵付きにしてもよい。
図43に示すように、1つのドロアー151のドッキングポート150は、通信リンク157を介して別のドロアー151のドッキングポート150に連結されて、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の双方向通信を容易にすることができる。あるいは又は更に、ハブのモジュール式筐体136のドッキングポート150は、ハブのモジュール式筐体136内に収容されたモジュール間の無線双方向通信を容易にしてもよい。例えば、Air Titan-Bluetoothなどの任意の好適な無線通信を用いてもよい。
図44は、外科用ハブ206の複数のモジュールを受容するように構成された横方向モジュール式ハウジング160の複数の横方向ドッキングポートの個々の電力バスアタッチメントを示す。横方向モジュール式ハウジング160は、モジュール161を横方向に受容して相互接続するように構成される。モジュール161は、モジュール161を相互接続するためのバックプレーンを含む横方向モジュール式ハウジング160のドッキングステーション162内に摺動可能に挿入される。図44に示すように、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング160内で横方向に配置される。あるいは、モジュール161は、横方向モジュール式ハウジング内で垂直方向に配置されてもよい。
図45は、外科用ハブ106の複数のモジュール165を受容するように構成された垂直モジュール式ハウジング164を示す。モジュール165は、モジュール165を相互接続するためのバックプレーンを含む垂直モジュール式ハウジング164のドッキングステーション又はドロアー167内に摺動可能に挿入される。垂直モジュール式ハウジング164のドロアー167は垂直方向に配置されているが、特定の場合では、垂直モジュール式ハウジング164は、横方向に配置されたドロアーを含んでもよい。更に、モジュール165は、垂直モジュール式ハウジング164のドッキングポートを介して互いに相互作用し得る。図45の実施例では、モジュール165の動作に関連するデータを表示するためのディスプレイ177が提供される。加えて、垂直モジュール式ハウジング164は、マスタモジュール178内に摺動可能に受容される複数のサブモジュールを収容するマスタモジュール178を含む。
様々な態様では、撮像モジュール138は、内蔵型のビデオプロセッサ及びモジュール式光源を備え、様々な撮像装置と共に使用するように適合されている。一態様では、撮像装置は、光源モジュール及びカメラモジュールと共に組み立てることが可能なモジュール式ハウジングで構成される。ハウジングは、使い捨て式ハウジングであってもよい。少なくとも1つの実施例では、使い捨て式ハウジングは、再利用可能なコントローラ、光源モジュール、及びカメラモジュールと取り外し可能に連結される。光源モジュール及び/又はカメラモジュールは、外科処置の種類に応じて選択的に選択することができる。一態様では、カメラモジュールはCCDセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールはCMOSセンサを含む。別の態様では、カメラモジュールは走査されたビームの撮像用に構成される。同様に、光源モジュールは、外科処置に応じて白色光又は異なる光を送達するように構成することができる。
外科処置中に、手術野から外科用装置を除去して異なるカメラ又は異なる光源を含む別の外科用装置と交換することは非効率的であり得る。手術野の視野を一時的に喪失することは、望ましからぬ結果をもたらし得る。本開示のモジュール撮像装置は、手術野から撮像装置を除去する必要なく、外科処置中に光源モジュール又はカメラモジュール中間体(midstream)の交換を可能にするように構成される。
一態様では、撮像装置は、複数のチャネルを含む管状ハウジングを備える。第1のチャネルは、第1のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得るカメラモジュールを摺動可能に受容するように構成されている。第2のチャネルは、第2のチャネルとスナップ嵌め係合するように構成され得る光源モジュールを摺動可能に受容するように構成されている。別の実施例では、カメラモジュール及び/又は光源モジュールは、これらの対応するチャネル内の最終位置へと回転させることができる。スナップ嵌め係合の代わりにねじ係合が採用されてもよい。
様々な実施例では、複数の撮像装置が、複数の視野を提供するために手術野内の様々な位置に配置される。撮像モジュール138は、最適な視野を提供するために撮像装置間を切り替えるように構成することができる。様々な態様では、撮像モジュール138は、異なる撮像装置からの画像を統合するように構成することができる。
本開示と共に使用するのに好適な様々な画像プロセッサ及び撮像装置は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「COMBINED SBI AND CONVENTIONAL IMAGE PROCESSOR」と題する2011年8月9日発行の米国特許第7,995,045号に記載されている。更に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SBI MOTION ARTIFACT REMOVAL APPARATUS AND METHOD」と題する2011年7月19日発行の米国特許第7,982,776号は、画像データからモーションアーチファクトを除去するための様々なシステムについて記載している。こうしたシステムは、撮像モジュール138と一体化され得る。更に、「CONTROLLABLE MAGNETIC SOURCE TO FIXTURE INTRACORPOREAL APPARATUS」と題する2011年12月15日公開の米国特許出願公開第2011/0306840号、及び「SYSTEM FOR PERFORMING A MINIMALLY INVASIVE SURGICAL PROCEDURE」と題する2014年8月28日公開の米国特許出願公開第2014/0243597号は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図46は、医療施設の1つ以上の手術室、又は外科処置のための専門設備を備えた医療施設内の任意の部屋に配置されたモジュール式装置をクラウドベースのシステム(例えばストレージ装置205に連結されたリモートサーバ213を含み得るクラウド204)に接続するように構成されたモジュール式通信ハブ203を備える外科用データネットワーク201を示す。一態様では、モジュール式通信ハブ203は、ネットワークルータと通信するネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209を備える。モジュール式通信ハブ203は更に、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供するために、ローカルコンピュータシステム210に連結することができる。外科用データネットワーク201は、受動的、インテリジェント、又は切替式として構成されてもよい。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つの装置(又はセグメント)から別の装置(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科用データネットワークは、トラフィックが監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ207又はネットワークスイッチ209内の各ポートを構成する追加の機構を含む。インテリジェント外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
手術室に配置されるモジュール式装置1a~1nは、モジュール式通信ハブ203に連結されてもよい。ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、ネットワークルータ211に連結されて、装置1a~1nをクラウド204又はローカルコンピュータシステム210に接続することができる。装置1a~1nに関連付けられたデータは、遠隔データ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。装置1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。同じ手術室に位置するモジュール式装置2a~2mもまた、ネットワークスイッチ209に連結されてもよい。ネットワークスイッチ209は、ネットワークハブ207及び/又はネットワークルータ211に連結されて、装置2a~2mをクラウド204に接続することができる。装置2a~2nに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ211を介してクラウド204に転送されてもよい。装置2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム210に転送されてもよい。
複数のネットワークハブ207及び/又は複数のネットワークスイッチ209を複数のネットワークルータ211と相互接続することによって、外科用データネットワーク201が拡張され得ることが理解されるであろう。モジュール式通信ハブ203は、複数の装置1a~1n/2a~2mを受容するように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム210もまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、ディスプレイ212に接続されて、例えば外科処置中に、装置1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示する。様々な態様では、装置1a~1n/2a~2mとしては、外科用データネットワーク201のモジュール式通信ハブ203に接続され得るモジュール式装置の中でもとりわけ、例えば、内視鏡に連結された撮像モジュール138、エネルギーベースの外科用装置に連結された発生器モジュール140、排煙モジュール126、吸引/灌注モジュール128、通信モジュール130、プロセッサモジュール132、ストレージアレイ134、ディスプレイに連結された外科用装置、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールが挙げられ得る。
一態様では、外科用データネットワーク201は、装置1a~1n/2a~2mをクラウドに接続する、ネットワークハブ(単数又は複数)、ネットワークスイッチ(単数又は複数)、及びネットワークルータ(単数又は複数)との組み合わせを含んでもよい。ネットワークハブ又はネットワークスイッチに連結された装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全ては、リアルタイムでデータを収集し、データ処理及び操作のためにデータをクラウドコンピュータに転送することができる。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナル装置を有するのではなく、共有コンピューティングリソースに依存することは理解されるであろう。用語「クラウド」は「インターネット」の隠喩として用いられ得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、用語「クラウドコンピューティング」は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングの一種」を指すために用いることができ、この場合、サーバ、ストレージ、及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術室(例えば、固定式、移動式、一時的、又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に、かつインターネットを介してモジュール式通信ハブ203及び/又はコンピュータシステム210に接続された装置に送達される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ以上の手術室内に位置する装置1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置によって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実行することができる。ハブハードウェアは、複数の装置又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科的成果の改善、コスト低減、及び患者満足度の改善を提供する。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織の試料の画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病状を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。これは、組織及び表現型の位置特定及びマージン確認を含む。撮像装置と一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像装置によってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、装置1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウド204若しくはローカルコンピュータシステム210又はその両方に転送されてもよい。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入、及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析することができる。こうしたデータ分析は、予後分析処理を更に採用してもよく、標準化されたアプローチを使用することは、外科治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供することができる。
一実装態様では、手術室装置1a~1nは、ネットワークハブに対する装置1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介してモジュール式通信ハブ203に接続されてもよい。ネットワークハブ207は、一態様では、開放型システム間相互接続(OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャスト装置として実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置する装置1a~1nに接続性を提供する。ネットワークハブ207は、パケット形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信する。ネットワークハブ207は、装置データを転送するための任意の媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(MAC/IP)は記憶しない。装置1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ207を介して一度にデータを送信することができる。ネットワークハブ207は、情報の送信先に関する経路選択テーブル又はインテリジェンスを有さず、全てのネットワークデータを各コネクション全体、及びクラウド204上のリモートサーバ213(図47)にブロードキャストする。ネットワークハブ207は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出することができるが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
別の実装形態では、手術室装置2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ209に接続されてもよい。ネットワークスイッチ209は、OSIモデルのデータリンク層内で機能する。ネットワークスイッチ209は、同じ手術室内に位置する装置2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャスト装置である。ネットワークスイッチ209は、フレームの形態のデータをネットワークルータ211に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置2a~2mは、ネットワークスイッチ209を介して同時にデータを送信することができる。ネットワークスイッチ209は、データを転送するために装置2a~2mのMACアドレスを記憶かつ使用する。
ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ209は、クラウド204に接続するためにネットワークルータ211に連結される。ネットワークルータ211は、OSIモデルのネットワーク層内で機能する。ネットワークルータ211は、装置1a~1n/2a~2mのいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを更に処理及び操作するために、ネットワークハブ207及び/又はネットワークスイッチ211から受信したデータパケットをクラウドベースのコンピュータリソースに送信するための経路を作成する。ネットワークルータ211は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に位置する異なるネットワークなどの、異なる位置に位置する2つ以上の異なるネットワークを接続するために用いられてもよい。ネットワークルータ211は、パケット形態のデータをクラウド204に送信し、全二重モードで機能する。複数の装置が同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ211は、データを転送するためにIPアドレスを使用する。
一実施例では、ネットワークハブ207は、複数のUSB装置をホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、装置をホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ207は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線又は無線能力を含むことができる。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置する装置1a~1nと装置2a~2mとの間の通信のために使用されてもよい。
他の実施例では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、固定及びモバイル装置から短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、かつパーソナルエリアネットワーク(PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。他の態様では、手術室装置1a~1n/2a~2mは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ203と通信することができる。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
モジュール式通信ハブ203は、手術室装置1a~1n/2a~2mの1つ又は全ての中央接続部として機能することができ、フレームとして知られるデータ型を取り扱う。フレームは、装置1a~1n/2a~2mによって生成されたデータを搬送する。フレームがモジュール式通信ハブ203によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ211へ送信され、ネットワークルータ211は本明細書に記載される数多くの無線又は有線通信規格又はプロトコルを使用することによってこのデータをクラウドコンピューティングリソースに転送する。
モジュール式通信ハブ203は、スタンドアロンの装置として使用されてもよく、又はより大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ及びネットワークスイッチに接続されてもよい。モジュール式通信ハブ203は、一般に据え付け、構成、及び維持が容易であるため、モジュール式通信ハブ203は手術室装置1a~1n/2a~2mをネットワーク接続するための良好な選択肢となる。
図47は、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200を示す。コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム100と類似している。例えば、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、多くの点で外科システム102と類似する1つ以上の外科システム202を含む。各外科システム202は、リモートサーバ213を含み得るクラウド204と通信する少なくとも1つの外科用ハブ206を含む。一態様では、コンピュータ実装インタラクティブ外科システム200は、例えば、インテリジェント外科用器具、ロボット、及び手術室内に位置する他のコンピュータ化装置などの複数の手術室装置に接続されたモジュール式制御タワー236を備える。図48に示すように、モジュール式制御タワー236は、コンピュータシステム210に連結されたモジュール式通信ハブ203を備える。図47の実施例に例示するように、モジュール式制御タワー236は、内視鏡239に連結された撮像モジュール238、エネルギー装置241に連結された発生器モジュール240、排煙器モジュール226、吸引/灌注モジュール228、通信モジュール230、プロセッサモジュール232、ストレージアレイ234、任意でディスプレイ237に連結されたスマート装置/器具235、及び非接触センサモジュール242に連結される。手術室装置は、モジュール式制御タワー236を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結される。ロボットハブ222もまた、モジュール式制御タワー236及びクラウドコンピューティングリソースに接続されてもよい。中でもとりわけ、装置/器具235、可視化システム208が、本明細書に記載される有線又は無線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式制御タワー236に連結されてもよい。モジュール式制御タワー236は、撮像モジュール、装置/器具ディスプレイ、及び/又は他の可視化システム208から受信した画像を表示及びオーバーレイするためにハブディスプレイ215(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されてもよい。ハブディスプレイはまた、画像及びオーバーレイ画像と共にモジュール式制御タワーに接続された装置から受信したデータを表示してもよい。
図48は、モジュール式制御タワー236に連結された複数のモジュールを備える外科用ハブ206を示す。モジュール式制御タワー236は、例えばネットワーク接続装置などのモジュール式通信ハブ203と、例えば局所処理、可視化、及び撮像を提供するためのコンピュータシステム210と、を備える。図48に示すように、モジュール式通信ハブ203は、モジュール式通信ハブ203に接続できるモジュール(例えば、装置)の数を拡張するために階層化構成で接続されて、モジュールに関連付けられたデータをコンピュータシステム210、クラウドコンピューティングリソース、又はその両方に転送することができる。図48に示すように、モジュール式通信ハブ203内のネットワークハブ/スイッチのそれぞれは、3つの下流ポート及び1つの上流ポートを含む。上流のネットワークハブ/スイッチは、クラウドコンピューティングリソース及びローカルディスプレイ217への通信接続を提供するためにプロセッサに接続される。クラウド204への通信は、有線又は無線通信チャネルのいずれかを介して行うことができる。
外科用ハブ206は、非接触センサモジュール242を使用して、手術室の寸法を測定し、また超音波又はレーザー型非接触測定装置のいずれかを使用して手術室のマップを生成する。その開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の項で説明されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査し、ここでセンサモジュールが、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成される。レーザーベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザー光パルスを送信し、手術室の外壁に反射するレーザー光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して、手術室のサイズを判定し、かつBluetoothペアリング距離限界を調整することによって手術室を走査する。
コンピュータシステム210は、プロセッサ244とネットワークインターフェース245とを備える。プロセッサ244は、システムバスを介して、通信モジュール247、ストレージ248、メモリ249、不揮発性メモリ250、及び入力/出力インターフェース251に連結される。システムバスは、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺装置相互接続(PCI)、USB、アドバンスドグラフィックスポート(AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(SCSI)、又は任意の他の独自バス(proprietary bus)が挙げられるがこれらに限定されない任意の様々なバスアーキテクチャを用いる、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造(単数又は複数)のうちのいずれかであっってもよい。
プロセッサ244は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、及び/又は、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、プロセッサ244は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
システムメモリとしては、揮発性メモリ及び不揮発性メモリが挙げられる。起動中などにコンピュータシステム内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリに記憶される。例えば、不揮発性メモリとしては、ROM、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、EEPROM、又はフラッシュメモリが挙げられ得る。揮発性メモリとしては、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(RAM)が挙げられる。更に、RAMは、SRAM、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンスドSDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、及びダイレクトランバスRAM(DRRAM)などの多くの形態で利用可能である。
コンピュータシステム210はまた、取り外し可能/取り外し不可能な揮発性/不揮発性コンピュータストレージ媒体、例えばディスクストレージなどを含む。ディスクストレージとしては、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-60ドライブ、フラッシュメモリカード、又はメモリスティックのようなデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、ディスクストレージは、ストレージ媒体を、独立して、又はコンパクトディスクROM装置(CD-ROM)、コンパクトディスク記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、コンパクトディスク書き換え可能ドライブ(CD-RWドライブ)、若しくはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスクドライブが挙げられるがこれらに限定されない他のストレージ媒体との組み合わせで含むことができる。ディスクストレージ装置のシステムバスへの接続を容易にするために、取り外し可能な又は取り外し不可能なインターフェースが用いられてもよい。
コンピュータシステム210は、好適な動作環境で説明されるユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含むことを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムが挙げられる。ディスクストレージ上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能する。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスクストレージ上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用する。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
ユーザは、I/Oインターフェース251に連結された入力装置(単数又は複数)を介してコンピュータシステム210にコマンド又は情報を入力する。入力装置としては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、サテライト・ディッシュ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の入力装置は、インターフェースポート(単数又は複数)を介し、システムバスを通してプロセッサに接続する。インターフェースポート(単数又は複数)としては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート、及びUSBが挙げられる。出力装置(単数又は複数)は、入力装置(単数又は複数)と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステムに入力を提供し、またコンピュータシステムからの情報を出力装置に出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とする出力装置の中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ、及びプリンタなどのいくつかの出力装置が存在することを示すために提供される。出力アダプタとしては、例示としてのものであり限定するものではないが、出力装置とシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードが挙げられる。遠隔コンピュータ(単数又は複数)などの他の装置及び/又は装置のシステムは、入力及び出力機能の両方を提供することに留意されたい。
コンピュータシステム210は、クラウドコンピュータ(単数又は複数)などの1つ以上の遠隔コンピュータ又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作することができる。遠隔クラウドコンピュータ(単数又は複数)は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピア装置、又は他の一般的なネットワークノードなどであり得、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、遠隔コンピュータ(単数又は複数)と共にメモリストレージ装置のみが示される。遠隔コンピュータ(単数又は複数)は、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続を介して物理的に接続される。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(LAN)及びワイドエリアネットワーク(WAN)などの通信ネットワークを包含する。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、銅線分散データインターフェース(CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などが挙げられる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク、並びにデジタル加入者回線(DSL)が挙げられるがこれらに限定されない。
様々な態様では、図48のコンピュータシステム210、図48の撮像モジュール238及び/若しくは可視化システム208、並びに/又は図47及び図48のプロセッサモジュール232は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理に使用される任意の専用デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を含んでもよい。画像プロセッサは、単一命令複数データ(SIMD)、又は複数命令複数データ(MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを使用して速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実行することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
通信接続(単数又は複数)とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために用いられるハードウェア/ソフトウェアを指す。例示の明瞭さのために通信接続はコンピュータシステム内部に示されているが、通信接続はコンピュータシステム210の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術が挙げられる。
図49は、本開示の一態様による、USBネットワークハブ300装置の一態様の機能ブロック図を示す。図示した態様では、USBネットワークハブ装置300は、Texas Instruments製TUSB2036集積回路ハブを採用する。USBネットワークハブ300は、USB2.0規格に準拠する、上流USB送受信ポート302及び最大3つの下流USB送受信ポート304、306、308を提供するCMOS装置である。上流USB送受信ポート302は、差動データプラス(DP0)入力とペアリングされた差動データマイナス(DM0)入力を含む差動ルートデータポートである。3つの下流USB送受信ポート304、306、308は、各ポートが差動データマイナス(DM1~DM3)出力とペアリングした差動データプラス(DP1~DP3)出力を含む差動データポートである。
USBネットワークハブ300装置は、マイクロコントローラの代わりにデジタル状態マシンを備えて実装され、ファームウェアのプログラミングを必要としない。完全準拠したUSB送受信機が、上流USB送受信ポート302及び全ての下流USB送受信ポート304、306、308の回路に統合される。下流USB送受信ポート304、306、308は、ポートに取り付けられた装置の速度に応じてスルーレートを自動的に設定することによって、最高速度及び低速の装置の両方をサポートする。USBネットワークハブ300装置は、バスパワーモード又はセルフパワーモードのいずれかで構成されてもよく、電力を管理するためのハブパワー論理312を含む。
USBネットワークハブ300装置は、シリアルインターフェースエンジン310(SIE)を含む。SIE310は、USBネットワークハブ300ハードウェアのフロントエンドであり、USB仕様書の第8章に記載されているプロトコルの大部分を取り扱う。SIE310は、典型的には、トランザクションレベルまでのシグナリングを理解する。これが取り扱う機能としては、パケット認識、トランザクションの並べ替え、SOP、EOP、RESET、及びRESUME信号の検出/生成、クロック/データ分離、非ゼロ復帰逆転(NRZI)データ符号化/復号及びビットスタッフィング、CRC生成及びチェック(トークン及びデータ)、パケットID(PID)の生成、及びチェック/復号、並びに/又はシリアル・パラレル/パラレル・シリアル変換が挙げられ得る。310はクロック入力314を受信し、ポート論理回路320、322、324を介して上流USB送受信ポート302と下流USB送受信ポート304、306、308との間の通信を制御するためにサスペンド/レジューム論理並びにフレームタイマー316回路及びハブリピータ回路318に連結される。SIE310は、シリアルEEPROMインターフェース330を介してシリアルEEPROMからコマンドを制御するためのインターフェース論理を介してコマンドデコーダ326に連結される。
様々な態様では、USBネットワークハブ300は、最大6つの論理層(階層)内に構成された127個の機能を単一のコンピュータに接続することができる。更に、USBネットワークハブ300は、通信及び電力分配の両方を提供する標準化された4本のワイヤケーブルを使用して全ての周辺機器に接続することができる。電力構成は、バスパワーモード及びセルフパワーモードである。USBネットワークハブ300は、個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるバスパワーハブ、及び個々のポート電力管理又は連動ポート電力管理のいずれかを備えるセルフパワーハブの、電力管理の4つのモードをサポートするように構成されてもよい。一態様では、USBケーブル、USBネットワークハブ300を使用して、上流USB送受信ポート302はUSBホストコントローラにプラグ接続され、下流USB送受信ポート304、306、308はUSBに互換性のある装置を接続するために露出される、といった具合である。
外科用器具のハードウェア
図50は、本開示の1つ以上の態様による、外科用器具又はツールの制御システム470の論理図を示す。システム470は制御回路を備える。制御回路は、プロセッサ462及びメモリ468を備えるマイクロコントローラ461を含む。例えば、センサ472、474、476のうちの1つ以上が、プロセッサ462にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ492によって駆動されるモータ482は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム480は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成されている。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を判定するようにプログラム又は構成することができるプロセッサ462に提供される。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖管の移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ473は、器具の様々な動作条件を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含んでもよい。ディスプレイ473上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイさせることができる。
一態様では、マイクロコントローラ461は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、マイクロコントローラ461は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
マイクロコントローラ461は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実行するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ461は、プロセッサ462及びメモリ468を含む。電動モータ482は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480で使用するために容易に置き換えることができる。絶対位置決めシステムの詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
マイクロコントローラ461は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされてもよい。マイクロコントローラ461は、マイクロコントローラ461のソフトウェア内で応答を計算するように構成されてもよい。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答が得られ、これが実際のフィードバックの判定に用いられる。観測された応答は、シミュレーションによる応答の滑らかで連続的な性質と、測定による応答とのバランスを取る好適な調整された値であり、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
一態様では、モータ482は、モータドライバ492によって制御されてもよく、外科用器具又はツールの発射システムによって使用され得る。様々な形態において、モータ482は、例えば、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。別の構成において、モータ482は、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッップモータ、又は任意の他の好適な電動モータを含んでよい。モータドライバ492は、例えば、電界効果トランジスタ(FET)を含むHブリッジドライバを備えてもよい。モータ482は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドルアセンブリ又はツールハウジングに解除可能に装着された電源アセンブリによって給電され得る。電源アセンブリは、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を含んでもよい。特定の状況下では、電源アセンブリの電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの実施例では、電池セルは、電源アセンブリに連結可能かつ電源アセンブリから分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
モータドライバ492は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941 492は、特にブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と共に使用するためのフルブリッジコントローラである。ドライバ492は、固有の電荷ポンプレギュレータを備え、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に提供し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を与えるために、ブートストラップコンデンサが用いられてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を用いて高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードにおいて、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、レジスタで調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護される。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を指示するものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバを、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム480で使用するために容易に置換することができる。
追跡システム480は、本開示の一態様による位置センサ472を備える制御されたモータ駆動回路構成を備える。絶対位置決めシステム用の位置センサ472は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を提供する。一態様では、変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。他の態様では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成され得る発射部材を表す。更に別の態様では、変位部材は、発射バー又はIビームを表し、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合及び構成されてもよい。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の可動部材を指すために使用される。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結される。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な他の態様では、変位部材は、直線変位を測定するのに好適な任意の位置センサ472に連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式又は非接触式変位センサを含んでよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformers、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducers、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線上に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線上に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
電動モータ482は、変位部材上の駆動歯のセット又はラックと噛合係合で装着されるギアアセンブリと動作可能にインターフェースする回転式シャフトを含んでもよい。センサ素子は、位置センサ472素子の1回転が、変位部材のいくらかの直線長手方向並進に対応するように、ギアアセンブリに動作可能に連結されてもよい。ギアリング及びセンサ機構を、ラックピニオン機構によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示することができる。変位部材は、ギア減速機アセンブリの対応する駆動ギアと噛合係合するために、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表す。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組合せを表す。
位置センサ472と関連付けられたセンサ素子の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当し、d1は、変位部材に連結されたセンサ素子の1回転後に、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する、長手方向の直線距離である。センサ機構は、位置センサ472が変位部材のフルストロークに対して1回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して接続されてもよい。位置センサ472は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了することができる。
位置センサ472の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1より大きい整数である)が、単独で用いられても、ギアの減速との組み合わせで用いられてもよい。スイッチの状態は、マイクロコントローラ461にフィードバックされ、マイクロコントローラ461は、論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ472の出力はマイクロコントローラ461に提供される。センサ機構の位置センサ472は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果素子のアレイを備えてもよい。
位置センサ472は、例えば、磁界の全磁界又はベクトル成分を測定するかどうかに基づいて分類される磁気センサなどの、任意の数の磁気感知素子を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために用いられる技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含んでいる。磁界の感知に用いられる技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサが挙げられる。
一態様では、絶対位置決めシステムを備える追跡システム480の位置センサ472は、磁気回転絶対位置決めシステムを備える。位置センサ472は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ472は、マイクロコントローラ461と連携して絶対位置決めシステムを提供する。位置センサ472は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置する位置センサ472の領域に、4つのホール効果素子を含む。更に、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラがチップ上に設けられている。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法(digit-by-digit method)及びボルダーアルゴリズム(Volder's algorithm)としても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(CORDIC)プロセッサが設けられる。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ461に伝送される。位置センサ472は、12ビット又は14ビットの解像度を提供する。位置センサ472は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
絶対位置決めシステムを備える追跡システム480は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、かつ/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源が、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ472によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサ(単数又は複数)が設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサ(単数又は複数)としては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ機構を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを用いて、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れる。
絶対位置決めシステムは、モータ482が単に前方又は後方に経たステップの数を計数して装置アクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダで必要となり得るような、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置へ後退又は前進させることなしに、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供する。
例えば歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ474は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができる、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅などのエンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成される。測定された歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。センサ474の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ476が、閉鎖駆動システムによってアンビルに加えられる閉鎖力を測定することができる。例えば、負荷センサなどのセンサ476は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にIビームに加えられる発射力を測定することができる。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭い切刃を含む。あるいは、モータ482によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ478を用いることができる。発射部材を前進させるために要する力は、例えば、電動モータ482によって引き出される電流に対応することができる。測定された力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供される。
一形態では、歪みゲージセンサ474を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。治療される組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に印加される力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ以上のパラメータを測定するように構成された微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ474を備える。一態様では、歪みゲージセンサ474は、把持動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は大きさを測定することができ、これは組織の圧縮を示すことができる。測定された歪みはデジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ461のプロセッサ462に提供される。負荷センサ476は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を操作するのに用いられる力を測定することができる。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために用いることができる。磁界センサの測定値もデジタル信号に変換されて、プロセッサ462に提供され得る。
センサ474、476によってそれぞれ測定される、組織の圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するのに必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ461によって使用することができる。一例では、メモリ468は、評価の際にマイクロコントローラ461によって用いることができる技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶することができる。
外科用器具又はツールの制御システム470はまた、図50に示すようにモジュール式通信ハブと通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。
図51は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された制御回路500を示す。制御回路500は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。制御回路500は、少なくとも1つのメモリ回路504に連結された1つ以上のプロセッサ502(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ)を備えるマイクロコントローラを備えることができる。メモリ回路504は、プロセッサ502によって実行されると、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するための機械命令をプロセッサ502に実施させる、機械実行可能命令を記憶する。プロセッサ502は、当該技術分野で既知の多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうち任意の1つであってもよい。メモリ回路504は、揮発性及び不揮発性のストレージ媒体を含むことができる。プロセッサ502は、命令処理ユニット506及び演算ユニット508を含んでもよい。命令処理ユニットは、本開示のメモリ回路504から命令を受信するように構成されてもよい。
図52は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された組み合わせ論理回路510を示す。組み合わせ論理回路510は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。組み合わせ論理回路510は、入力514で外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理512によってデータを処理し、出力516を提供するように構成された組み合わせ論理512を含む有限状態マシンを含み得る。
図53は、本開示の一態様による、外科用器具又はツールの態様を制御するように構成された順序論理回路520を示す。順序論理回路520又は組み合わせ論理522は、本明細書に記載される様々なプロセスを実装するように構成することができる。順序論理回路520は有限状態マシンを含んでもよい。順序論理回路520は、例えば、組み合わせ論理522、少なくとも1つのメモリ回路524、及びクロック529を含んでもよい。少なくとも1つのメモリ回路524は、有限状態マシンの現在の状態を記憶することができる。特定の例では、順序論理回路520は、同期式又は非同期式であってもよい。組み合わせ論理522は、入力526から外科用器具又はツールと関連付けられたデータを受信し、組み合わせ論理522によってデータを処理し、出力528を提供するように構成される。他の態様では、回路は、プロセッサ(例えば、図51のプロセッサ502)と、本明細書の様々なプロセスを実装する有限状態マシンと、の組み合わせを含んでもよい。他の態様では、有限状態マシンは、組み合わせ論理回路(例えば、図52の組み合わせ論理回路510)と順序論理回路520の組み合わせを含むことができる。
図54は、様々な機能を実行するために起動させることができる複数のモータを備える外科用器具又はツールを示す。特定の例では、第1のモータを起動させて第1の機能を実行することができ、第2のモータを起動させて第2の機能を実行することができ、第3のモータを起動させて第3の機能を実行することができ、第4のモータを起動させて第4の機能を実行することができる、といった具合である。特定の例では、ロボット外科用器具600の複数のモータは個々に起動されて、エンドエフェクタにおいて発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動を生じさせることができる。発射運動、閉鎖運動、及び/又は関節運動は、例えばシャフトアセンブリを介してエンドエフェクタに伝達することができる。
特定の例では、外科用器具システム又はツールは発射モータ602を含んでもよい。発射モータ602は、具体的にはIビーム要素を変位させるために、モータ602によって生成された発射運動をエンドエフェクタに伝達するように構成することができる、発射モータ駆動アセンブリ604に動作可能に連結されてもよい。特定の例では、モータ602によって生成される発射運動によって、例えば、ステープルをステープルカートリッジから、エンドエフェクタによって捕捉された組織内へと配備し、かつ/又はIビーム要素の切刃を前進させて、捕捉された組織を切断してもよい。Iビーム要素は、モータ602の方向を逆転させることによって後退させることができる。
特定の例では、外科用器具又はツールは閉鎖モータ603を含んでもよい。閉鎖モータ603は、具体的には閉鎖管を変位させてアンビルを閉鎖し、アンビルとステープルカートリッジとの間で組織を圧縮するためにモータ603によって生成された閉鎖運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、閉鎖モータ駆動アセンブリ605と動作可能に連結されてもよい。閉鎖運動によって、例えば、エンドエフェクタが開放構成から接近構成へと遷移して組織を捕捉することができる。エンドエフェクタは、モータ603の方向を逆転させることによって開放位置に遷移され得る。
特定の例では、外科用器具又はツールは、例えば、1つ以上の関節運動モータ606a、606bを含んでもよい。モータ606a、606bは、モータ606a、606bによって生成された関節運動をエンドエフェクタに伝達するように構成され得る、対応する関節運動モータ駆動アセンブリ608a、608bに動作可能に連結され得る。特定の例では、関節運動によって、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節運動することができる。
上述したように、外科用器具又はツールは、様々な独立した機能を実施するように構成され得る複数のモータを含んでもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、他のモータが停止した状態を維持している間に、独立して又は別個に起動させて、1つ以上の機能を実施することができる。例えば、関節運動モータ606a、606bを起動させて、発射モータ602が停止した状態を維持している間に、エンドエフェクタを関節運動させることができる。あるいは、発射モータ602を起動させて、関節運動モータ606が停止している間に、複数のステープルを発射させ、及び/又は刃先を前進させることができる。更に、閉鎖モータ603は、本明細書の以下でより詳細に説明されるように、閉鎖管及びIビーム要素を遠位に前進させるために、発射モータ602と同時に起動されてもよい。
特定の例では、外科用器具又はツールは、外科用器具又はツールの複数のモータと共に用いることができる、共通の制御モジュール610を含んでもよい。特定の例では、共通の制御モジュール610は、一度に複数のモータのうちの1つに対応することができる。例えば、共通の制御モジュール610は、ロボット外科用器具の複数のモータ対して個々に連結及び分離が可能であってもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610などの1つ以上の共通の制御モジュールを共有してもよい。特定の例では、外科用器具又はツールの複数のモータは、共通の制御モジュール610に独立してかつ選択的に係合することができる。特定の例では、共通の制御モジュール610は、外科用器具又はツールの複数のモータのうち一方との連携から、外科用器具又はツールの複数のモータのうちもう一方との連携へと選択的に切り替えることができる。
少なくとも1つの実施例では、共通の制御モジュール610は、関節運動モータ606a、606bとの動作可能な係合と、発射モータ602又は閉鎖モータ603のいずれかとの動作可能な係合と、の間で選択的に切り替えることができる。少なくとも1つの実施例では、図54に示すように、スイッチ614は、複数の位置及び/又は状態間を移動又は遷移させることができる。例えば、第1の位置616では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を発射モータ602と電気的に連結してもよく、第2の位置617では、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を閉鎖モータ603と電気的に連結してもよく、第3の位置618aでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第1の関節運動モータ606aと電気的に連結してもよく、第4の位置618bでは、スイッチ614は、共通の制御モジュール610を第2の関節運動モータ606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、同時に、別個の共通の制御モジュール610を、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bと電気的に連結してもよい。特定の例では、スイッチ614は、機械的スイッチ、電気機械的スイッチ、固体スイッチ、又は任意の好適な切り替え機構であってもよい。
モータ602、603、606a、606bのそれぞれは、モータのシャフト上の出力トルクを測定するためのトルクセンサを備えてもよい。エンドエフェクタ上の力は、ジョーの外側の力センサによって、又はジョーを作動させるモータのトルクセンサなどによって、任意の従来の方法で感知されてもよい。
様々な例では、図54に示すように、共通の制御モジュール610は、1つ以上のHブリッジFETを備えることができるモータドライバ626を備えてもよい。モータドライバ626は、例えば、マイクロコントローラ620(「コントローラ」)からの入力に基づいて、電源628から共通の制御モジュール610に連結されたモータへと伝達された電力を変調してもよい。特定の例では、上述したように、例えば、モータが共通の制御モジュール610に連結されている間にマイクロコントローラ620を用いて、モータによって引き込まれる電流を判定することができる。
特定の例では、マイクロコントローラ620は、マイクロプロセッサ622(「プロセッサ」)と、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体又はメモリユニット624(「メモリ」)と、を含んでもよい。特定の例では、メモリ624は、様々なプログラム命令を記憶することができ、それが実行されると、プロセッサ622に、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算を実行させることができる。特定の例では、メモリユニット624の1つ以上が、例えば、プロセッサ622に連結されてもよい。
特定の例では、電源628を用いて、例えばマイクロコントローラ620に電力を供給してもよい。特定の例では、電源628は、例えばリチウムイオン電池などの電池(又は「電池パック」若しくは「パワーパック」)を含んでもよい。特定の例では、電池パックは、外科用器具600に電力を供給するため、ハンドルに解除可能に装着されるように構成されてもよい。直列で接続された多数の電池セルを、電源628として使用してもよい。特定の例では、電源628は、例えば、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
様々な例では、プロセッサ622は、モータドライバ626を制御して、共通の制御モジュール610に連結されたモータの位置、回転方向、及び/又は速度を制御することができる。特定の例では、プロセッサ622は、モータドライバ626に信号伝達して、共通の制御モジュール610に連結されたモータを停止及び/又は使用不能にすることができる。用語「プロセッサ」は、本明細書で使用されるとき、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は、コンピュータの中央処理装置(CPU)の機能を1つの集積回路又は最大で数個の集積回路上で統合したその他の基本コンピューティング装置を含むと理解されるべきである。プロセッサは、デジタルデータを入力として受理し、メモリに記憶された命令に従ってそのデータを処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブルデバイスである。これは、内部メモリを有するので、逐次的デジタル論理の一例である。プロセッサは、二進数法で表される数字及び記号で動作する。
一例では、プロセッサ622は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。特定の例では、マイクロコントローラ620は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。少なくとも1つの実施例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、製品データシートで容易に利用可能な特性の中でもとりわけ、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ以上のPWMモジュール、1つ以上のQEIアナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットADCを含むARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、モジュール4410と共に使用するのに容易に代用されてもよい。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
特定の例では、メモリ624は、共通の制御モジュール610に連結可能な外科用器具600のモータをそれぞれ制御するためのプログラム命令を含んでもよい。例えば、メモリ624は、発射モータ602、閉鎖モータ603、及び関節運動モータ606a、606bを制御するためのプログラム命令を含んでもよい。このようなプログラム命令は、プロセッサ622に、外科用器具又はツールのアルゴリズム又は制御プログラムからの入力に従って、発射機能、閉鎖機能、及び関節運動機能を制御させることができる。
特定の例では、例えば、センサ630などの1つ以上の機構及び/又はセンサを用いて、特定の設定で使用すべきプログラム命令をプロセッサ622に警告することができる。例えば、センサ630は、エンドエフェクタの発射、閉鎖、及び関節運動に関連するプログラム命令を使用するようにプロセッサ622に警告することができる。特定の例では、センサ630は、例えば、スイッチ614の位置を感知するために用いることができる位置センサを備えてもよい。したがって、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第1の位置616にあることを検出すると、エンドエフェクタのIビームの発射と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第2の位置617にあることを検出すると、アンビルの閉鎖と関連付けられたプログラム命令を使用することができ、プロセッサ622は、例えば、センサ630を介してスイッチ614が第3の位置618a又は第4の位置618bにあることを検出すると、エンドエフェクタの関節運動と関連付けられたプログラム命令を使用することができる。
図55は、本開示の一態様による、本明細書に記載される外科用ツールを操作するように構成されたロボット外科用器具700の概略図である。ロボット外科用器具700は、単一又は複数の関節運動駆動連結部のいずれかを用いて、変位部材の遠位/近位並進、閉鎖管の遠位/近位変位、シャフトの回転、及び関節運動を制御するようにプログラム又は構成されてもよい。一態様では、外科用器具700は、発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、又は1つ以上の関節運動部材を個別に制御するようにプログラム又は構成することができる。外科用器具700は、モータ駆動式の発射部材、閉鎖部材、シャフト部材、又は1つ以上の関節運動部材を制御するように構成された制御回路710を備える。
一態様では、ロボット外科用器具700は、複数のモータ704a~704eを介して、エンドエフェクタ702のアンビル716及びIビーム714(鋭い切刃を含む)部分、取り外し可能なステープルカートリッジ718、シャフト740、並びに1つ以上の関節運動部材742a、742bを制御するように構成された制御回路710を備える。位置センサ734は、Iビーム714の位置フィードバックを制御回路710に提供するように構成することができる。他のセンサ738は、制御回路710にフィードバックを提供するように構成されてもよい。タイマー/カウンタ731は、制御回路710にタイミング及びカウント情報を提供する。モータ704a~704eを動作させるためにエネルギー源712が設けられてもよく、電流センサ736はモータ電流フィードバックを制御回路710に提供する。モータ704a~704eは、開ループ又は閉ループフィードバック制御において制御回路710によって個別に操作することができる。
一態様では、制御回路710は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はプロセッサ若しくは複数のプロセッサに1つ以上のタスクを実施させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ731は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路710に提供して、位置センサ734によって判定されたIビーム714の位置をタイマー/カウンタ731の出力と相関させ、その結果、制御回路710は、Iビーム714が開始位置に対して特定の位置にあるときの、開始位置又は時間(t)に対する特定の時間(t)におけるIビーム714の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ731は、経過時間を測定する、外部イベントを計数する、又は外部イベントの時間を測定するように構成することができる。
一態様では、制御回路710は、1つ以上の組織状態に基づいてエンドエフェクタ702の機能を制御するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、本明細書に記載されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路710は、組織状態に基づいて発射制御プログラム又は閉鎖制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路710は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。閉鎖制御プログラムは、アンビル716によって組織に加えられる閉鎖力を制御することができる。その他の制御プログラムは、シャフト740及び関節運動部材742a、742bの回転を制御する。
一態様では、制御回路710は、モータ設定点信号を生成することができる。モータ設定点信号は、様々なモータコントローラ708a~708eに提供されてもよい。モータコントローラ708a~708eは、本明細書で説明するように、モータ704a~704eにモータ駆動信号を提供してモータ704a~704eを駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ704a~704eの速度は、それぞれのモータ駆動信号に比例してもよい。いくつかの実施例では、モータ704a~704eはブラシレスDC電動モータであってもよく、それぞれのモータ駆動信号は、モータ704a~704eの1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ708a~708eは省略されてもよく、制御回路710がモータ駆動信号を直接生成してもよい。
一態様では、制御回路710は、最初に、モータ704a~704eのそれぞれを、変位部材のストロークの第1の開ループ部分では開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間のロボット外科用器具700の応答に基づいて、制御回路710は、閉ループ構成の発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ704a~704eのうちの1つに提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などが挙げられ得る。開ループ部分の後で、制御回路710は、変位部材ストロークの第2の部分に対して選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路710は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ704a~704eのうちの1つを閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。
一態様では、モータ704a~704eは、エネルギー源712から電力を受信することができる。エネルギー源712は、主交流電源、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源によって駆動されるDC電源であってもよい。モータ704a~704eは、それぞれの伝達機構706a~706eを介して、Iビーム714、アンビル716、シャフト740、関節運動742a、及び関節運動742bなどの個々の可動機械的要素に機械的に連結されてもよい。伝達機構706a~706eは、モータ704a~704eを可動機械的要素に連結するための1つ以上のギア又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ734は、Iビーム714の位置を感知することができる。位置センサ734は、Iビーム714の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ734は、Iビーム714が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路710に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路710は、パルスを追跡して、Iビーム714の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム714の運動を示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの実施例では、位置センサ734は省略されてもよい。モータ704a~704eのいずれかがステップモータである場合、制御回路710は、モータ704が実行するように命令されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム714の位置を追跡することができる。位置センサ734は、エンドエフェクタ702内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。モータ704a~704eのそれぞれの出力は、力を感知するためのトルクセンサ744a~744eを含み、駆動シャフトの回転を感知するエンコーダを有する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のIビーム714部分などの発射部材を駆動するように構成されている。制御回路710はモータ制御部708aにモータ設定値を提供し、モータ制御部708aはモータ704aに駆動信号を提供する。モータ704aの出力シャフトは、トルクセンサ744aに連結される。トルクセンサ744aは、Iビーム714に連結された伝達機構706aに連結される。伝達機構706aは、エンドエフェクタ702の長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向へのIビーム714の移動を制御するための回転要素及び発射部材などの可動機械的要素を備える。一態様では、モータ704aは、第1のナイフ駆動ギア及び第2のナイフ駆動ギアを含むナイフギア減速セットを含むナイフギアアセンブリに連結されてもよい。トルクセンサ744aは、制御回路710に発射力フィードバック信号を提供する。発射力信号は、Iビーム714を発射又は変位させるために必要な力を表す。位置センサ734は、発射ストロークに沿ったIビーム714の位置又は発射部材の位置を、フィードバック信号として制御回路710に提供するように構成することができる。エンドエフェクタ702は、制御回路710にフィードバック信号を提供するように構成された追加のセンサ738を含んでもよい。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708aに発射信号を提供することができる。発射信号に応答して、モータ704aは、発射部材をエンドエフェクタ702の長手方向軸線に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。発射部材が遠位に並進すると、遠位端に配置された切断要素を備えるIビーム714は、遠位に前進して、ステープルカートリッジ718とアンビル716との間に位置する組織を切断する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702のアンビル716部分などの閉鎖部材を駆動するように構成されている。制御回路710は、モータ704bに駆動信号を提供するモータ制御部708bにモータ設定点を提供する。モータ704bの出力シャフトは、トルクセンサ744bに連結される。トルクセンサ744bは、アンビル716に連結された伝達機構706bに連結される。伝達機構706bは、開放位置及び閉位置からのアンビル716の移動を制御するための回転要素及び閉鎖部材などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704bは、閉鎖スパーギアと噛合係合して支持される閉鎖減速ギアセットを含む閉鎖ギアアセンブリに連結される。トルクセンサ744bは、制御回路710に閉鎖力フィードバック信号を提供する。閉鎖力フィードバック信号は、アンビル716に加えられる閉鎖力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ702内の追加のセンサ738は、閉鎖力フィードバック信号を制御回路710に提供することができる。枢動可能なアンビル716は、ステープルカートリッジ718の反対側に配置される。使用準備が整うと、制御回路710は、モータ制御部708bに閉鎖信号を提供することができる。閉鎖信号に応じて、モータ704bは、閉鎖部材を前進させて、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で組織を把持する。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を回転させるためにシャフト740などのシャフト部材を回転させるように構成されている。制御回路710は、モータ704cに駆動信号を提供するモータ制御部708cにモータ設定点を提供する。モータ704cの出力シャフトは、トルクセンサ744cに連結される。トルクセンサ744cは、シャフト740に連結された伝達機構706cに連結される。伝達機構706cは、シャフト740の時計回り又は反時計回りの回転を360度まで及びそれを超えて制御するために回転要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704cは、ツール装着プレート上に動作可能に支持された回転ギアアセンブリによって動作可能に係合されるように、近位閉鎖管の近位端上に形成された(又はこれに取り付けられた)管状ギアセグメントを含む回転伝達機構アセンブリに連結される。トルクセンサ744cは、制御回路710に回転力フィードバック信号を提供する。回転力フィードバック信号は、シャフト740に加えられる回転力を表す。位置センサ734は、閉鎖部材の位置をフィードバック信号として制御回路710に提供するように構成されてもよい。シャフトエンコーダなどの追加のセンサ738が、シャフト740の回転位置を制御回路710に提供してもよい。
一態様では、制御回路710は、エンドエフェクタ702を関節運動させるように構成されている。制御回路710は、モータ704dに駆動信号を提供するモータ制御部708dにモータ設定点を提供する。モータ704dの出力シャフトは、トルクセンサ744dに連結される。トルクセンサ744dは、関節運動部材742aに連結された伝達機構706dに連結される。伝達機構706dは、エンドエフェクタ702の±65°の関節運動を制御するための関節運動要素などの可動機械的要素を含む。一態様では、モータ704dは、関節運動ナットに連結され、関節運動ナットは、遠位スパイン部分の近位端部分上で回転可能に軸支され、遠位スパイン部分の近位端部分上で関節運動ギアアセンブリによって回転可能に駆動される。トルクセンサ744dは、制御回路710に関節運動力フィードバック信号を提供する。関節運動力フィードバック信号は、エンドエフェクタ702に適用される関節運動力を表す。関節運動エンコーダなどのセンサ738は、エンドエフェクタ702の関節運動位置を制御回路710に提供してもよい。
別の態様では、ロボット外科システム700の関節運動機能は、2つの関節運動部材、又は連結部742a、742bを含んでもよい。これらの関節運動部材742a、742bは、2つのモータ708d、708eによって駆動されるロボットインターフェース(ラック)上の個別のディスクによって駆動される。個別の発射モータ704aが提供されると、ヘッドが運動していないときにヘッドに抵抗保持運動及び負荷を提供するために、かつヘッドが関節運動しているときに関節運動を提供するために、関節運動連結部742a、742bのそれぞれは他の連結部に対して拮抗的に駆動され得る。関節運動部材742a、742bは、ヘッドが回転するときに固定された半径でヘッドに取り付けられる。したがって、ヘッドが回転すると、プッシュプル連結部の機械効率は変化する。この機械効率の変化は、他の関節運動連結部の駆動システムでより顕著であり得る。
一態様では、1つ以上のモータ704a~704eは、ギアボックス、及び発射部材、閉鎖部材、又は関節運動部材への機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータを備えてもよい。別の実施例としては、変位部材、関節運動連結部、閉鎖管、及びシャフトなどの可動機械的要素を動作させる電動モータ704a~704eが挙げられる。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電動モータ704a~704eの1つに反して作用する障害(drag)と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
一態様では、位置センサ734は、絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。一態様では、位置センサ734は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備えてもよい。位置センサ734は、制御回路710と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
一態様では、制御回路710は、1つ以上のセンサ738と通信してもよい。センサ738は、エンドエフェクタ702上に配置され、ロボット外科用器具700と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ738は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、ロードセル、圧力センサ、力センサ、トルクセンサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ702の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ738は、1つ以上のセンサを含むことができる。センサ738は、分割された電極を使用して組織の位置を判定するために、ステープルカートリッジ718のデッキ上に配置されてもよい。トルクセンサ744a~744eは、とりわけ、発射力、閉鎖力、及び/又は関節運動力などの力を感知するように構成されてもよい。したがって、制御回路710は、(1)遠位閉鎖管によって経験される閉鎖負荷及びその位置、(2)ラックにある発射部材及びその位置、(3)ステープルカートリッジ718のどの部分がその上に組織を有しているか、並びに(4)両方の関節運動ロッド上の負荷及び位置を感知することができる。
一態様では、1つ以上のセンサ738は、把持状態の間のアンビル716における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ738は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
一態様では、センサ738は、とりわけ、1つ以上のリミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチとして実装されてもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ738は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
一態様では、センサ738は、閉鎖駆動システムによってアンビル716に及ぼされる力を測定するように構成することができる。例えば、1つ以上のセンサ738は、閉鎖管によってアンビル716に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル716との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル716に対して及ぼされる力は、アンビル716とステープルカートリッジ718との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ738を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル716に加えられる閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ738は、制御回路710のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路710は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル716に加えられる閉鎖力をリアルタイムで評価する。
一態様では、電流センサ736を用いて、モータ704a~704eのそれぞれによって引き込まれる電流を測定することができる。Iビーム714などの可動機械的要素のいずれかを前進させるのに必要な力は、モータ704a~704eのうちの1つによって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路710に提供される。制御回路710は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成することができる。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ702内のIビーム714を目標速度又はその付近で移動させることができる。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、線形二次(LQR)、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。ロボット外科用器具700は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月29日出願の「CLOSED LOOP VELOCITY CONTROL TECHNIQUES FOR ROBOTIC SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/636,829号に開示されている。
図56は、本開示の一態様による、変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた外科用器具750のブロック図を示す。一態様では、外科用器具750は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具750は、アンビル766、Iビーム764(鋭い切刃を含む)、及び取り外し可能なステープルカートリッジ768を備えることができるエンドエフェクタ752を備える。
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784によって測定することができる。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を使用して長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成することができる。制御回路760は、Iビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は、プロセッサ若しくは複数のプロセッサに記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
制御回路760は、モータ設定点信号772を生成してもよい。モータ設定点信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達機構756を介してIビーム764に機械的に連結されてもよい。伝達機構756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ以上の歯車又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知することができる。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡して、Iビーム764の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの実施例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータ754が実行するように命令されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ752内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
制御回路760は、1つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ752上に配置され、外科用器具750と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ752の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ788は、1つ以上のセンサを含むことができる。
1つ以上のセンサ788は、クランプ留め状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
センサ788は、閉鎖駆動システムによってアンビル766に及ぼされる力を測定するように構成することができる。例えば、1つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に対して及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル766に加えられる閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサによるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に加えられる閉鎖力をリアルタイムで評価する。
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
制御回路760は、器具の実際のシステムの応答をコントローラのソフトウェアでシミュレートするように構成することができる。変位部材を作動させて、エンドエフェクタ752内のIビーム764を目標速度又はその付近で移動させることができる。外科用器具750は、フィードバックコントローラを含むことができ、フィードバックコントローラは、例えば、PID、状態フィードバック、LQR、及び/又は適応コントローラが挙げられるがこれらに限定されない任意のフィードバックコントローラのうちのいずれか1つであってもよい。外科用器具750は、フィードバックコントローラからの信号を、例えば、ケース電圧、PWM電圧、周波数変調電圧、電流、トルク、及び/又は力などの物理的入力に変換するための電源を含むことができる。
外科用器具750の実際の駆動システムは、ギアボックス、並びに関節運動及び/又はナイフシステムへの機械的連結部を備えるブラシ付きDCモータによって、変位部材、切断部材、又はIビーム764を駆動するように構成されている。別の実施例は、交換式シャフトアセンブリの、例えば変位部材及び関節運動ドライバを動作させる電動モータ754である。外部影響とは、組織、周囲体、及び物理系上の摩擦などのものの、測定されていない予測不可能な影響である。こうした外部影響は、電動モータ754に反して作用する障害と呼ばれることがある。障害などの外部影響は、物理系の動作を物理系の所望の動作から逸脱させることがある。
様々な例示的態様は、モータ駆動の外科用ステープル留め及び切断手段を有するエンドエフェクタ752を備える外科用器具750を対象とする。例えば、モータ754は、エンドエフェクタ752の長手方向軸に沿って遠位方向及び近位方向に変位部材を駆動してもよい。エンドエフェクタ752は、枢動可能なアンビル766と、使用のために構成されている場合は、アンビル766の反対側に配置されたステープルカートリッジ768とを備えてもよい。臨床医は、本明細書に記載されるように、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に組織を把持してもよい。器具750を使用する準備が整うと、臨床医は、例えば器具750のトリガを押すことによって発射信号を提供することができる。発射信号に応じて、モータ754は、変位部材をエンドエフェクタ752の長手方向軸に沿って、近位のストローク開始位置からストローク開始位置の遠位にあるストローク終了位置まで遠位方向に駆動することができる。変位部材が遠位方向に並進するにつれて、遠位端に配置された切断要素を有するIビーム764は、ステープルカートリッジ768とアンビル766との間の組織を切断することができる。
様々な実施例では、外科用器具750は、1つ以上の組織状態に基づいて、例えば、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされた制御回路760を備えてもよい。制御回路760は、本明細書に記載されるように、直接的又は間接的のいずれかで厚さなどの組織状態を感知するようにプログラムされてもよい。制御回路760は、組織状態に基づいて発射制御プログラムを選択するようにプログラムされてもよい。発射制御プログラムは、変位部材の遠位運動を記述することができる。様々な組織状態をより良好に処理するために様々な発射制御プログラムを選択することができる。例えば、より厚い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより低速で、かつ/又はより低電力で並進させるようにプログラムされてもよい。より薄い組織が存在する場合、制御回路760は、変位部材をより高速で、かつ/又はより高電力で並進させるようにプログラムされてもよい。
いつくかの実施例では、制御回路760は、最初に、モータ754を、変位部材のストロークの第1の開ループ部分に対する開ループ構成で動作させてもよい。ストロークの開ループ部分の間の器具750の応答に基づいて、制御回路760は、発射制御プログラムを選択してもよい。器具の応答としては、開ループ部分の間の変位部材の並進距離、開ループ部分の間に経過する時間、開ループ部分の間にモータ754に提供されるエネルギー、モータ駆動信号のパルス幅の合計などを挙げることができる。開ループ部分の後、制御回路760は、変位部材ストロークの第2の部分に対して、選択された発射制御プログラムを実施してもよい。例えば、ストロークの閉ループ部分の間、制御回路760は、変位部材の位置を記述する並進データに基づいてモータ754を閉ループ式に変調して、変位部材を一定速度で並進させてもよい。更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月29日出願の「SYSTEM AND METHODS FOR CONTROLLING A DISPLAY OF A SURGICAL INSTRUMENT」と題する米国特許出願第15/720,852号に開示されている。
図57は、本開示の一態様による、様々な機能を制御するように構成された外科用器具790の概略図である。一態様では、外科用器具790は、Iビーム764などの変位部材の遠位並進を制御するようにプログラムされる。外科用器具790は、アンビル766と、Iビーム764と、RFカートリッジ796(破線で示す)と交換することができる着脱可能なステープルカートリッジ768と、を備えることができるエンドエフェクタ792を備える。
一態様では、センサ788は、とりわけ、リミットスイッチ、電気機械装置、固体スイッチ、ホール効果装置、MR装置、GMR装置、磁力計として実装されてもよい。他の実装形態では、センサ638は、とりわけ光センサ、IRセンサ、紫外線センサなどの光の影響下で動作する固体スイッチであってもよい。更に、スイッチは、トランジスタ(例えば、FET、接合FET、MOSFET、双極など)などの固体装置であってもよい。他の実装形態では、センサ788は、とりわけ、導電体非含有スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、及び慣性センサを含んでもよい。
一態様では、位置センサ784は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装される磁気回転絶対位置決めシステムを備える絶対位置決めシステムとして実装されてもよい。位置センサ784は、制御回路760と連係して絶対位置決めシステムを提供することができる。位置は、磁石の上方に位置し、加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔かつ効率的なアルゴリズムを実装するために設けられた、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られるCORDICプロセッサに連結された、複数のホール効果素子を含み得る。
一態様では、Iビーム764は、上に組織切断ブレードを動作可能に支持するナイフ本体を備えるナイフ部材として実装されてもよく、アンビル係合タブ又は特徴部及びチャネル係合特徴部又は足部を更に含んでよい。一態様では、ステープルカートリッジ768は、標準的な(機械的)外科用締結具カートリッジとして実装されてもよい。一態様では、RFカートリッジ796は、RFカートリッジとして実装されてもよい。これら、及び他のセンサ機構は、その全体が本明細書に参照により組み込まれる、2017年6月20日出願の、同一出願人の米国特許出願第15/628,175号(表題「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」)に記載されている。
Iビーム764などの直線変位部材の位置、移動、変位、及び/又は並進は、絶対位置決めシステム、センサ機構、及び位置センサ784として表される位置センサにより、測定可能である。Iビーム764が長手方向に移動可能な駆動部材に連結されているため、Iビーム764の位置は、位置センサ784を使用して長手方向に移動可能な駆動部材の位置を測定することによって判定することができる。したがって、以下の説明では、Iビーム764の位置、変位、及び/又は並進は、本明細書に記載される位置センサ784によって達成することができる。制御回路760は、本明細書に記載されるように、Iビーム764などの変位部材の並進を制御するようにプログラムされてもよい。いくつかの実施例では、制御回路760は、1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は、プロセッサ若しくは複数のプロセッサに記載される方法で変位部材、例えばIビーム764を制御させる命令を実行するための他の好適なプロセッサを備えてもよい。一態様では、タイマー/カウンタ781は、経過時間又はデジタルカウントなどの出力信号を制御回路760に提供して、位置センサ784によって判定されたIビーム764の位置をタイマー/カウンタ781の出力と相関させ、その結果、制御回路760は、開始位置に対する特定の時間(t)におけるIビーム764の位置を判定することができる。タイマー/カウンタ781は、経過時間を測定するか、外部イベントを計数するか、又は外部イベントの時間を測定するように構成されてよい。
制御回路760は、モータ設定点信号772を生成してもよい。モータ設定点信号772は、モータコントローラ758に提供されてもよい。モータコントローラ758は、本明細書で説明するように、モータ754にモータ駆動信号774を提供してモータ754を駆動するように構成された1つ以上の回路を備えてもよい。いくつかの実施例では、モータ754は、ブラシ付きDC電動モータであってもよい。例えば、モータ754の速度は、モータ駆動信号774に比例してもよい。いくつかの実施例では、モータ754はブラシレスDC電動モータであってもよく、モータ駆動信号774は、モータ754の1つ以上の固定子巻線に提供されるPWM信号を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、モータコントローラ758は省略されてもよく、制御回路760がモータ駆動信号774を直接生成してもよい。
モータ754は、エネルギー源762から電力を受信することができる。エネルギー源762は、電池、超コンデンサ、又は任意の他の好適なエネルギー源であってもよく、あるいはそれを含んでもよい。モータ754は、伝達機構756を介してIビーム764に機械的に連結されてもよい。伝達機構756は、モータ754をIビーム764に連結するための1つ以上の歯車又は他の連結構成要素を含んでもよい。位置センサ784は、Iビーム764の位置を感知することができる。位置センサ784は、Iビーム764の位置を示す位置データを生成することができる任意の種類のセンサであってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施例では、位置センサ784は、Iビーム764が遠位及び近位に並進すると一連のパルスを制御回路760に提供するように構成されたエンコーダを含んでもよい。制御回路760は、パルスを追跡して、Iビーム764の位置を判定してもよい。例えば近接センサを含む他の好適な位置センサが使用されてもよい。他の種類の位置センサは、Iビーム764の運動を示す他の信号を提供することができる。また、いくつかの実施例では、位置センサ784は省略されてもよい。モータ754がステップモータである場合、制御回路760は、モータが実行するように命令されたステップの数及び方向を合計することによって、Iビーム764の位置を追跡することができる。位置センサ784は、エンドエフェクタ792内、又は器具の任意の他の部分に位置することができる。
制御回路760は、1つ以上のセンサ788と通信することができる。センサ788は、エンドエフェクタ792上に配置され、外科用器具790と共に動作して、間隙距離対時間、組織圧縮対時間、及びアンビル歪み対時間などの様々な導出パラメータを測定するように適合されてもよい。センサ788は、磁気センサ、磁界センサ、歪みゲージ、圧力センサ、力センサ、渦電流センサなどの誘導センサ、抵抗センサ、容量センサ、光学センサ、及び/又はエンドエフェクタ792の1つ以上のパラメータを測定するための任意の他の好適なセンサを備えてもよい。センサ788は、1つ以上のセンサを含むことができる。
1つ以上のセンサ788は、クランプ留め状態の間のアンビル766における歪みの大きさを測定するように構成された、微小歪みゲージなどの歪みゲージを備えてもよい。歪みゲージは、歪みの大きさに伴って振幅が変動する電気信号を提供する。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間で圧縮された組織の存在によって生成された圧力を検出するように構成された圧力センサを備えてもよい。センサ788は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に位置する組織部分のインピーダンスを検出するように構成されてもよく、このインピーダンスは、それらの間に位置する組織の厚さ及び/又は充満度を示す。
センサ788は、閉鎖駆動システムにより、アンビル766に及ぼされる力を測定するように構成することができる。例えば、1つ以上のセンサ788は、閉鎖管によってアンビル766に加えられる閉鎖力を検出するために、閉鎖管とアンビル766との間の相互作用点に位置してもよい。アンビル766に対して及ぼされる力は、アンビル766とステープルカートリッジ768との間に捕捉された組織部分が経験する組織圧縮を表すものであり得る。1つ以上のセンサ788を、閉鎖駆動システムに沿って様々な相互作用点に配置して、閉鎖駆動システムによりアンビル766に加えられる閉鎖力を検出することができる。1つ以上のセンサ788は、制御回路760のプロセッサ部分によるクランプ動作中にリアルタイムでサンプリングされてもよい。制御回路760は、リアルタイムのサンプル測定値を受信して、時間ベースの情報を提供及び分析し、アンビル766に加えられる閉鎖力をリアルタイムで評価する。
モータ754によって引き込まれる電流を測定するために、電流センサ786を用いることができる。Iビーム764を前進させるのに必要な力は、モータ754によって引き込まれる電流に対応する。力はデジタル信号に変換されて、制御回路760に提供される。
RFエネルギー源794は、エンドエフェクタ792に連結され、RFカートリッジ796がステープルカートリッジ768の代わりにエンドエフェクタ792内に装填されると、RFカートリッジ796に加えられる。制御回路760は、RFエネルギーのRFカートリッジ796への送達を制御する。
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月28日出願の「SURGICAL SYSTEM COUPLABLE WITH STAPLE CARTRIDGE AND RADIO FREQUENCY CARTRIDGE,AND METHOD OF USING SAME」と題する米国特許出願第15/636,096号に開示されている。
発生器ハードウェア
図58は、他の利点の中でも、インダクタレス同調を提供するように構成された発生器800の簡略ブロック図である。発生器800の追加の詳細は、2015年6月23日出願の米国特許第9,060,775号、表題「SURGICAL GENERATOR FOR ULTRASONIC AND ELECTROSURGICAL DEVICES」に記載されており、同文献は、その全体が参考により本明細書に組み込まれる。発生器800は、電力変圧器806を介して非絶縁段階804と通信する患者絶縁段階802を含んでもよい。電力変圧器806の二次巻線808は、絶縁段階802内に収容され、例えば、超音波外科用器具、RF電気外科用器具、並びに単独又は同時に送達可能な超音波及びRFエネルギーモードを含む多機能型外科用器具などの様々な外科用器具に駆動信号を送達するために駆動信号出力部810a、810b、810cを画定するためのタップ構成(例えば、センタタップ又は非センタタップ構成)を備えることができる。具体的には、駆動信号出力部810a、810cは、超音波駆動信号(例えば、420Vの二乗平均根(root-mean-square、RMS)駆動信号)を超音波外科用器具に出力してもよく、駆動信号出力部810b、810cは、電力変圧器806のセンタタップに対応する駆動信号出力部810bにより、RF電気外科用駆動信号(例えば、100VのRMS駆動信号)をRF電気外科用器具に出力してもよい。
特定の形態では、超音波及び電気外科用の駆動信号は、別個の外科用器具に、及び/又は超音波エネルギー及び電気外科用エネルギーの両方を組織に送達する能力を有する多機能型外科用器具などの単一の外科用器具に、同時に供給されてもよい。専用の電気外科用器具及び/又は複合多機能超音波/電気外科用器具のどちらかへと提供される電気外科用信号は、治療用又は治療量以下のレベルの信号のどちらかであり、治療量以下の信号は、例えば、組織又は器具状態を監視して、発生器へとフィードバックを提供することに使用され得る、と理解されよう。例えば、超音波及びRF信号は、以下でより詳細に論じられるように、所望の出力信号を外科用器具に提供するために、単一の出力ポートを有する発生器から別個に又は同時に送達され得る。したがって、発生器は、超音波エネルギー及び電気外科用RFエネルギーを組み合わせて、複合エネルギーを多機能超音波/電気外科用器具に送達することができる。双極電極は、エンドエフェクタの一方又は両方のジョーの上に配置することができる。一方のジョーは、同時に働く、電気外科用RFエネルギーに加えて超音波エネルギーによって駆動されてもよい。超音波エネルギーが組織を切開するために用いられてもよい一方で、電気外科用RFエネルギーは、血管封止に用いられてもよい。
非絶縁段階804は、電力変圧器806の一次巻線814に接続された出力部を有する電力増幅器812を含むことができる。特定の形態では、電力増幅器812は、プッシュプル増幅器を含んでもよい。例えば、非絶縁段階804は、対応するアナログ信号を電力増幅器812の入力に続いて供給するデジタル-アナログ変換器(digital-to-analog converter、DAC)回路818に、デジタル出力を供給するための論理デバイス816を更に含んでもよい。特定の形態では、論理デバイス816は、例えば、他の論理回路の中でも、プログラマブルゲートアレイ(programmable gate array、PGA)、FPGA、プログラマブル論理デバイス(programmable logic device、PLD)を含んでもよい。したがって、論理デバイス816は、DAC回路818を介して電力増幅器812の入力を制御することにより、駆動信号出力部810a、810b、810cで出現する駆動信号の多くのパラメータ(例えば、周波数、波形、波形振幅)のうちのいずれかを制御することができる。特定の形態では、また以下で説明するように、論理デバイス816は、プロセッサ(例えば、以下で説明するDSP)と共に、多数のDSPベースの及び/又は他の制御アルゴリズムを実施して、発生器800によって出力される駆動信号のパラメータを制御することができる。
電力は、スイッチモードレギュレータ820、例えば、電力変換器によって、電力増幅器812の電力レールに供給されてもよい。特定の形態では、スイッチモードレギュレータ820は、例えば、調整可能なバックレギュレータを含んでもよい。非絶縁段階804は、第1のプロセッサ822を更に含んでもよく、この第1のプロセッサは、一形態では、例えば、Analog Devices(Norwood,MA)から入手可能なAnalog Devices ADSP-21469 SHARC DSPなどのDSPプロセッサを含んでもよいが、様々な形態において、任意の好適なプロセッサが使用されてもよい。特定の形態では、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812からDSPプロセッサ822がADC回路824を介して受信する電圧フィードバックデータに応じて、スイッチモードレギュレータ820の動作を制御してもよい。一形態では、例えば、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812によって増幅された信号(例えば、RF信号)の波形エンベロープを、ADC回路824を介して入力として受信してもよい。次いで、DSPプロセッサ822は、電力増幅器812に供給されるレール電圧が増幅された信号の波形エンベロープを追跡するように、(例えば、PWM出力を介して)スイッチモードレギュレータ820を制御してもよい。波形エンベロープに基づいて、電力増幅器812のレール電圧を動的に変調することにより、電力増幅器812の効率は、固定レール電圧増幅器スキームに対して顕著に改善することができる。
特定の形態では、論理デバイス816は、DSPプロセッサ822と共に、直接デジタルシンセサイザ制御スキームなどのデジタル合成回路を実装して、発生器800によって出力される駆動信号の波形形状、周波数、及び/又は振幅を制御してもよい。一形態では、例えば、論理デバイス816は、FPGA内に埋め込まれてもよいRAM LUTなどの、動的に更新されるルックアップテーブル(lookup table、LUT)内に記憶された波形サンプルを呼び出すことによって、DDS制御アルゴリズムを実施してもよい。この制御アルゴリズムは、超音波変換器などの超音波変換器をその共振周波数における明瞭な正弦波電流によって駆動することができる、超音波用途で特に有用である。他の周波数が寄生共振を励起し得るため、動作分岐電流の全歪みの最小化又は低減は、これに対応して望ましくない共振効果を最小化又は低減することができる。発生器800によって出力される駆動信号の波形形状が、出力駆動回路内に存在する歪みの様々な発生源(例えば、電力変圧器806、電力増幅器812)によって影響されるため、駆動信号に基づいた電圧及び電流のフィードバックデータを、DSPプロセッサ822によって実施される誤差制御アルゴリズムなどのアルゴリズムに入力することができ、これにより、動的、継続的に(例えば、リアルタイムで)、LUTに記憶された波形サンプルを好適に予め歪ませる又は修正することによって、歪みを補償する。一形態では、LUTサンプルに加えられる予歪みの量又は程度は、計算された動作分岐電流と所望の電流波形との間の誤差に基づいてもよく、誤差は、サンプル毎に決定される。このようにして、予め歪ませたLUTサンプルは、駆動回路により処理される場合、超音波変換器を最適に駆動するために、所望の波形形状(例えば、正弦波)を有する動作ブランチ駆動信号を生じ得る。そのような形態では、LUT波形サンプルは、したがって、駆動信号の所望の波形を表すのではなく、歪み効果を考慮した際の、動作分岐駆動信号の所望の波形を最終的に生成するために必要な波形を表す。
非絶縁段階804は、発生器800によって出力される駆動信号の電圧及び電流をそれぞれサンプリングするために、各絶縁変圧器830、832を介して電力変圧器806の出力部に連結された第1ADC回路826及び第2ADC回路828を更に備えてもよい。特定の形態では、ADC回路826、828は、駆動信号のオーバーサンプリングを可能にするために、高速(例えば、80メガサンプル/秒(mega samples per second、MSPS))でサンプリングするように構成することができる。一形態では、例えば、ADC回路826、828のサンプリング速度は、駆動信号のおよそ200x(周波数による)のオーバーサンプリングを可能にしてもよい。特定の形態では、ADC回路826、828のサンプリング動作は、双方向マルチプレクサを介し、入力電圧及び電流信号を受信する単一のADC回路によって実施されてもよい。発生器800の形態での高速サンプリングの使用は、とりわけ、動作ブランチを通って流れる複素電流の計算(これは、上述のDDSベースの波形形状制御を実施するために、特定の形態で使用されてもよい)、サンプリングされた信号の正確なデジタルフィルタリング、及び高精度での実電力消費の計算を可能にすることができる。ADC回路826、828によって出力される電圧及び電流フィードバックデータは、論理デバイス816によって受信して処理することができ(例えば、先着順処理方式(first-in-first-out、FIFO)バッファ、マルチプレクサ)、例えば、DSPプロセッサ822による以後の読み出しのために、データメモリに格納されてもよい。上記のように、電圧及び電流のフィードバックデータは、動的及び進行に応じたベースで、LUT波形サンプルを予め歪ませるか又は修正するための、アルゴリズムへの入力として使用され得る。特定の形態では、これは、電圧及び電流のフィードバックデータ対が得られる場合に、論理デバイス816によって出力された対応するLUTサンプルに基づき、又は別の方法でこれに関連して、記憶された各電圧及び電流のフィードバックデータ対がインデックス付けされることを必要とし得る。この方法によるLUTサンプルと電圧及び電流のフィードバックデータとの同期は、予歪みアルゴリズムの正確なタイミング及び安定性に寄与する。
特定の形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、駆動信号の周波数及び/又は振幅(例えば、電流振幅)を制御するために使用されてもよい。例えば、一形態では、電圧及び電流のフィードバックデータは、インピーダンス相を決定するために使用されてもよい。駆動信号の周波数はその後、判定されたインピーダンス相とインピーダンス相設定点(例えば、0°)との間の差を最小化又は低減するように制御されてもよく、したがって高調波歪みの効果を最小化又は低減し、これに対応してインピーダンス相測定正確性を向上させる。相インピーダンス及び周波数制御信号の判定は、例えば、DSPプロセッサ822に実装されてもよく、周波数制御信号は、論理デバイス816によって実装されるDDS制御アルゴリズムへの入力として供給される。
別の形態では、例えば、電流のフィードバックデータは、駆動信号の電流振幅を電流振幅設定点で維持するために監視されてもよい。電流振幅設定値は、直接指定されてもよく、又は指定された電圧振幅及び電力設定値に基づいて間接的に判定されてもよい。特定の形態では、電流振幅の制御は、例えば、DSPプロセッサ822内の比例-積分-微分(proportional-integral-derivative、PID)制御アルゴリズムなどの、制御アルゴリズムによって実施されてもよい。駆動信号の電流振幅を好適に制御するために、制御アルゴリズムにより制御される変数としては、例えば、論理デバイス816に格納されるLUT波形サンプルのスケーリング、及び/又はDAC回路834を介したDAC回路818(これは電力増幅器812に入力を供給する)のフルスケール出力電圧を挙げることができる。
非絶縁段階804は、とりわけユーザインターフェース(user interface、UI)機能を提供するために、第2のプロセッサ836を更に含んでもよい。一形態では、UIプロセッサ836は、例えば、Atmel Corporation(San Jose,California)から入手可能な、ARM 926EJ-Sコアを有するAtmel AT91SAM9263プロセッサを含んでもよい。UIプロセッサ836によってサポートされるUI機能の例としては、聴覚的及び視覚的なユーザフィードバック、周辺装置との通信(例えば、USBインターフェースを介して)、フットスイッチとの通信、入力装置(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)との通信、並びに出力装置(例えば、スピーカ)との通信を挙げることができる。UIプロセッサ836は、DSPプロセッサ822及び論理デバイス816と(例えば、SPIバスを介して)通信することができる。UIプロセッサ836は、UI機能を主にサポートしてもよいが、特定の形態では、また、DSPプロセッサ822と協調して、危険の緩和を実施してもよい。例えば、UIプロセッサ836は、ユーザ入力及び/又は他の入力(例えば、タッチスクリーン入力、フットスイッチ入力、温度センサ入力)の様々な様相を監視するようにプログラミングされてもよく、かつ誤った状態が検出されると、発生器800の駆動出力を無効化してもよい。
特定の形態では、DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836の両方は、例えば、発生器800の動作状態を判定し、監視してもよい。DSPプロセッサ822に関して、発生器800の動作状態は、例えば、どの制御及び/又は診断プロセスがDSPプロセッサ822によって実施されるかを表してもよい。UIプロセッサ836に関して、発生器800の動作状態は、例えば、UI(例えば、ディスプレイスクリーン、音)のどの要素がユーザに提示されるかを表してもよい。DSPプロセッサ822及びUIプロセッサ836はそれぞれ、発生器800の現在の動作状態を別個に維持し、現在の動作状態からの可能な遷移を、認識し評価してもよい。DSPプロセッサ822は、この関係におけるマスターとして機能し、動作状態間の遷移が生じるときを判定してもよい。UIプロセッサ836は、動作状態間の有効な遷移を認識してもよく、また特定の遷移が適切であるかを確認してもよい。例えば、DSPプロセッサ822が、UIプロセッサ836に特定の状態へと遷移するように命令すると、UIプロセッサ836は、要求される遷移が有効であることを検証してもよい。要求される状態間の遷移がUIプロセッサ836によって無効であると判定された場合、UIプロセッサ836は、発生器800を故障モードにしてもよい。
非絶縁段階804は、入力装置を監視するためのコントローラ838(例えば、発生器800をオン及びオフするために使用される静電容量式タッチセンサ、静電容量式タッチスクリーン)を更に含むことができる。特定の形態では、コントローラ838は、少なくとも1つのプロセッサ、及び/又はUIプロセッサ836と通信する他のコントローラデバイスを含んでもよい。一形態では、例えば、コントローラ838は、1つ以上の静電容量式タッチセンサを介して提供されるユーザ入力を監視するように構成されたプロセッサ(例えば、Atmelから入手可能なMeg168 8ビットコントローラ)を含むことができる。一形態では、コントローラ838は、静電容量式タッチスクリーンからのタッチデータの取得を制御及び管理するための、タッチスクリーンコントローラ(例えば、Atmelから入手可能なQT5480タッチスクリーンコントローラ)を含むことができる。
特定の形態では、発生器800が「電源オフ」状態にあるとき、コントローラ838は、(例えば、後述の電源854などの、発生器800の電源からのラインを介して)動作電力を受信し続けてもよい。このようにして、コントローラ838は、発生器800をオン及びオフするための入力装置(例えば、発生器800の前側パネルに配置された静電容量式タッチセンサ)を監視し続けることができる。発生器800が電源オフ状態にあるとき、コントローラ838は、ユーザによる「オン/オフ」入力装置の起動が検出された場合、電源を起動することができる(例えば、電源854の1つ以上のDC/DC電圧変換器856の動作を有効化する)。その結果、コントローラ838は、発生器800を「電源オン」状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。逆に、発生器800が電源オン状態にあるときに「オン/オフ」入力装置の起動が検出された場合、コントローラ838は、発生器800を電源オフ状態に遷移させるためのシーケンスを開始することができる。特定の形態では、例えば、コントローラ838は、「オン/オフ」入力装置の起動をUIプロセッサ836に報告することができ、その結果、発生器800を電力オフ状態へ遷移させるために必要なプロセスシーケンスを実施する。そのような形態では、コントローラ838は、発生器800の電源オン状態が確立された後に、発生器800から電力を排除するための別個の能力を有しないことがある。
特定の形態では、コントローラ838は、ユーザに電源オン又は電源オフシーケンスが開始されたことを警告するために、発生器800に可聴又は他の感覚的フィードバックを提供させてもよい。そのような警告は、電源オン又は電源オフシーケンスの開始時、及びシーケンスと関連する他のプロセスの開始前に提供されてもよい。
特定の形態では、絶縁段階802は、例えば、外科用器具の制御回路(例えば、ハンドピーススイッチを含む制御回路)と、例えば、論理デバイス816、DSPプロセッサ822、及び/又はUIプロセッサ836などの非絶縁段階804の構成要素との間の、通信インターフェースを提供するために、器具インターフェース回路840を含んでもよい。器具インターフェース回路840は、例えば、IRベースの通信リンクなどの、絶縁段階802と非絶縁段階804との間の好適な程度の電気的絶縁を維持する通信リンクを介して、非絶縁段階804の構成要素と情報を交換することができる。例えば、非絶縁段階804から駆動される絶縁変圧器によって電力供給される低ドロップアウト電圧レギュレータを使用して、器具インターフェース回路840に電力を供給することができる。
一形態では、器具インターフェース回路840は、信号調整回路844と通信している論理回路842(例えば、論理回路、プログラマブル論理回路、PGA、FPGA、PLD)を含むことができる。信号調整回路844は、同一の周波数を有する双極呼掛け信号を生成するために、論理回路842から周期信号(例えば、2kHz方形波)を受信するように構成することができる。呼掛け信号は、例えば、差動増幅器によって供給される双極電流源を使用して発生させることができる。呼掛け信号は、(例えば、発生器800を外科用器具に接続するケーブル内の導電ペアを使用することによって)外科用器具制御回路に通信され、制御回路の状態又は構成を判定するために監視されてもよい。制御回路は、多数のスイッチ、抵抗器、及び/又はダイオードを含んでもよく、制御回路の状態又は構成が1つ以上の特性に基づいて個別に識別可能であるように、呼掛け信号の1つ以上の特性(例えば、振幅、整流)を修正してもよい。一形態では、例えば、信号調整回路844は、呼掛け信号が通過する経路から生じる制御回路の入力にわたって出現する電圧信号のサンプルを生成するための、ADC回路を含むことができる。論理回路842(又は、非絶縁段階804の構成要素)は、次いで、ADC回路サンプルに基づいて、制御回路の状態又は構成を判定することができる。
一形態では、器具インターフェース回路840は、第1のデータ回路インターフェース846を含んで、論理回路842(又は器具インターフェース回路840のその他の要素)と、外科用器具内に配置される又は別の方法で関連付けられた第1のデータ回路と、の間の情報交換を可能にしてもよい。特定の形態では、例えば、第1のデータ回路は、発生器800を有する特定の外科用器具タイプ又はモデルとインターフェース接続させるために、外科用器具ハンドピースに一体的に取り付けられたケーブル内、又はアダプタ内に配置されてもよい。第1のデータ回路は、任意の好適な方法で実装されてもよく、例えば、第1のデータ回路に関して本明細書に記載されたものを含む任意の好適なプロトコルに従って、発生器と通信してもよい。特定の形態では、第1のデータ回路は、EEPROMデバイスなどの、不揮発性記憶デバイスを含み得る。特定の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842とは別個に実装されてもよく、好適な回路(例えば、別個の論理デバイス、プロセッサ)を含み、論理回路842と第1のデータ回路との間の通信を可能にしてもよい。その他の形態では、第1のデータ回路インターフェース846は、論理回路842と一体であってもよい。
特定の形態では、第1のデータ回路は、第1のデータ回路が関連している特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。この情報は、器具インターフェース回路840によって(例えば、論理回路842によって)読み出され、出力装置を介したユーザへの提示のため、及び/又は発生器800の機能若しくは動作の制御のために、非絶縁段階804の構成要素(例えば、論理デバイス816、DSPプロセッサ822、及び/又はUIプロセッサ836)に伝達されてもよい。加えて、任意の種類の情報が、第1のデータ回路インターフェース846を介して内部に記憶させるために、(例えば、論理回路842を使用して)第1のデータ回路に通信されてもよい。そのような情報は、例えば、外科用器具が使用された最新の手術数並びに/又はその使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。
上記のように、外科用器具は、器具の互換性及び/又は廃棄性を促進するために、ハンドピースから取り外し可能であってもよい(例えば、多機能型外科用器具は、ハンドピースから取り外し可能であってもよい)。そのような場合、従来の発生器は、使用されている特定の器具構成を認識し、これに対応して制御及び診断プロセスを最適化する能力が制限されている場合がある。しかし、この問題に対処するために、外科用器具に読み取り可能なデータ回路を追加することは、適合性の観点から問題がある。例えば、必要なデータ読み取り機能性を欠く発生器との後方互換性を保つように外科用器具を設計することは、例えば、異なる信号スキーム、設計複雑性及び費用のために、実用的でない場合がある。本明細書で論じられる器具の形態は、既存の外科用器具に実装されてもよいデータ回路を経済的に使用し、外科用器具と最新の発生器プラットフォームとの適合性を維持するための設計変更を最小限にすることによってこれらの懸念に対処する。
加えて、発生器800の形態は、器具ベースのデータ回路との通信を可能にしてもよい。例えば、発生器800は、器具(例えば、多機能型外科用器具)内に収容される第2のデータ回路と通信するように構成することができる。いくつかの形態では、第2のデータ回路は、本明細書に記載される第1のデータ回路のものと類似した多くのものに実装されてもよい。器具インターフェース回路840は、この通信を可能にする第2のデータ回路インターフェース848を含むことができる。一形態では、第2のデータ回路インターフェース848は、トライステートデジタルインターフェースを含んでもよいが、他のインターフェースも使用されてもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、一般にデータを送信及び/又は受信するための任意の回路であってもよい。一形態では、例えば、第2のデータ回路は、第2のデータ回路が関連付けられた特定の外科用器具に関する情報を記憶してもよい。そのような情報は、例えば、モデル番号、シリアル番号、外科用器具が使用された動作数、及び/又は任意の他のタイプの情報を含むことができる。
いくつかの形態では、第2のデータ回路は、関連する超音波変換器、エンドエフェクタ、又は超音波駆動システムの電気的及び/又は超音波的特性に関する情報を記憶してもよい。例えば、第1のデータ回路は、本明細書に記載されたように、バーンイン周波数スロープを示してもよい。加えて、又は代わりに、第2のデータ回路インターフェース848を介して内部に記憶させるために、第2のデータ回路に任意の種類の情報を通信してもよい(例えば、論理回路842を使用して)。そのような情報は例えば、器具が使用された最新の動作数、並びに/又は、その使用の日付及び/若しくは時間を含んでもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、1つ以上のセンサ(例えば、器具ベースの温度センサ)によって取得されたデータを送信してもよい。特定の形態では、第2のデータ回路は、発生器800からデータを受信し、受信したデータに基づいてユーザにインジケーション(例えば、発光ダイオードのインジケーション又はその他の可視インジケーション)を提供してもよい。
特定の形態では、第2のデータ回路及び第2のデータ回路インターフェース848は、論理回路842と第2のデータ回路との間の通信を、この目的のための追加的な導体(例えば、ハンドピースを発生器800に接続するケーブルの専用導体)の提供を必要とせずにもたらすことができるように、構成することができる。一形態では、例えば、使用される導体のうちの1つが、信号調整回路844からハンドピース内の制御回路へ呼掛け信号を送信するなど、既存のケーブル配線上に実装されたワンワイヤバス通信方式を使用して、第2のデータ回路との間で情報を通信することができる。このようにして、元来必要とされる場合がある外科用器具への設計変更又は修正は、最小化されるか又は低減される。更に、一般的な物理的チャネル上で実施される異なる種類の通信を周波数帯域分離することができるため、第2のデータ回路の存在は、必要なデータ読み取り機能を有しない発生器にとって「不可視」であり、したがって、外科用器具の後方互換性を可能にする。
特定の形態では、絶縁段階802は、直流電流が患者を通るのを防ぐために、駆動信号出力部810bに接続された、少なくとも1つのブロッキングコンデンサ850-1を含んでもよい。単一のブロッキングコンデンサは、例えば、医学的規制又は基準に準拠することが必要とされる場合がある。単一コンデンサ設計における故障は比較的稀であるが、それでもなおそのような故障は否定的な結果をもたらす恐れがある。一形態では、第2のブロッキングコンデンサ850-2は、ブロッキングコンデンサ850-1と直列で提供されてもよく、ブロッキングコンデンサ850-1と850-2との間の点からの電流漏洩が、例えば、漏れ電流により誘発される電圧をサンプリングするために、ADC回路852によって監視される。サンプルは、例えば、論理回路842によって受信されてもよい。(電圧サンプルによって示されるような)漏れ電流の変化に基づいて、発生器800は、ブロッキングコンデンサ850-1、850-2のうちの少なくとも1つが故障したときを判定して、したがって、単一の故障点を有する単一コンデンサ設計に勝る利点を提供することができる。
特定の形態では、非絶縁段階804は、好適な電圧及び電流でDC電力を送達するための電源854を含むことができる。電源は、例えば、48VDCシステム電圧を送達するための、400W電源を含み得る。電源854は、電源の出力を受信して発生器800の様々な構成要素によって必要とされる電圧及び電流でDC出力を生成するための1つ以上のDC/DC電圧変換器856を更に備えることができる。コントローラ838と関連して上述したように、DC/DC電圧変換器856のうちの1つ以上は、ユーザによる「オン/オフ」入力装置の起動がコントローラ838によって検出されたときにコントローラ838から入力を受信し、DC/DC電圧変換器856の動作を可能にする又はそれを起動させることができる。
図59は、発生器800(図58)の一形態である発生器900の一例を示す。発生器900は、複数のエネルギーモダリティを外科用器具に送達するように構成されている。発生器900は、エネルギーを外科用器具に送達するためのRF信号及び超音波信号を単独で又は同時にのいずれかで提供する。RF信号及び超音波信号は、単独で、又は組み合わせて提供されてもよく、また同時に提供されてもよい。上述したように、少なくとも1つの発生器出力部は、単一のポートを通して複数のエネルギーモダリティ(例えば、とりわけ超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギー)を送達することができ、これらの信号は、組織を治療するために個別に又は同時にエンドエフェクタに送達することができる。
発生器900は、波形発生器904に連結されたプロセッサ902を備える。プロセッサ902及び波形発生器904は、プロセッサ902に連結されたメモリに記憶された情報(開示を明瞭にするために示されず)に基づいて、様々な信号波形を発生するように構成されている。波形に関連するデジタル情報は、デジタル入力をアナログ出力に変換するために1つ以上のDAC回路を含む波形発生器904に提供される。アナログ出力は、信号調節及び増幅のために、増幅器1106に供給される。増幅器906の調節され増幅された出力は、電力変圧器908に連結される。信号は、電力変圧器908を横断して患者絶縁側にある二次側に連結される。第1のエネルギーモダリティの第1の信号は、ENERGY1及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。第2のエネルギーモダリティの第2の信号は、コンデンサ910にわたって連結され、ENERGY2及びRETURNとラベルされた端子間の外科用器具に提供される。3つ以上のエネルギーモダリティが出力されてもよく、したがって添え字「n」は、最大n個のENERGYn端子が提供され得ることを表示するために使用することができ、このnは、2以上の正の整数であることが理解されよう。最大「n」個のリターンパス(RETURNn)が、本開示の範囲から逸脱することなく提供されてもよいことも理解されよう。
第1の電圧感知回路912は、ENERGY1及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。第2の電圧感知回路924は、ENERGY2及びRETURNパスとラベルされた端子にわたって連結され、それらの間の出力電圧を測定する。電流感知回路914は、いずれかのエネルギーモダリティの出力電流を測定するために、図示される電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配設される。異なるリターンパスが各エネルギーモダリティに対して提供される場合、別個の電流感知回路が、各リターン区間で提供されねばならない。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力が対応の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器918に提供される。電力変圧器908の一次側(非患者絶縁側)上における絶縁変圧器916、928、922の出力は、1つ以上のADC回路926に提供される。ADC回路926のデジタル化された出力は、更なる処理及び計算のためにプロセッサ902に提供される。出力電圧及び出力電流のフィードバック情報は、外科用器具に提供される出力電圧及び電流を調整するために、またいくつかあるパラメータの中で出力インピーダンスを計算するために使用することができる。プロセッサ902と患者絶縁回路との間の入力/出力通信は、インターフェース回路920を介して提供される。センサもまた、インターフェース回路920を介してプロセッサ902と電気通信してもよい。
一態様では、インピーダンスは、ENERGY1/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第1の電圧感知回路912又はENERGY2/RETURNとラベルされた端子にわたって連結された第2の電圧感知回路924のいずれかの出力を、電力変圧器908の二次側のRETURN区間と直列に配置された電流感知回路914の出力で割ることによって、プロセッサ902により判定されてもよい。第1の電圧感知回路912及び第2の電圧感知回路924の出力は、個別の絶縁変圧器916、922に提供され、電流感知回路914の出力は、別の絶縁変圧器916に提供される。ADC回路926からのデジタル化された電圧及び電流感知測定値は、インピーダンスを計算するためにプロセッサ902に提供される。一例として、第1のエネルギーモダリティENERGY1は、超音波エネルギーであってもよく、第2のエネルギーモダリティENERGY2は、RFエネルギーであってもよい。それでも、超音波エネルギーモダリティ及び双極又は単極RFエネルギーモダリティに加えて、他のエネルギーモダリティには、数ある中でも不可逆並びに/又は可逆電気穿孔法及び/若しくはマイクロ波エネルギーが挙げられる。また、図59に例示された例は、単一の戻り経路RETURNが2つ以上のエネルギーモダリティに提供されてもよいことを示しているが、他の態様では、複数の戻り経路RETURNnが、各エネルギーモダリティENERGYnに提供されてもよい。したがって、本明細書に記載されるように、超音波変換器のインピーダンスは、第1の電圧感知回路912の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよく、組織のインピーダンスは、第2の電圧感知回路924の出力を電流感知回路914で割ることによって測定されてもよい。
図59に示すように、少なくとも1つの出力ポートを含む発生器900は、実行される組織の処置の種類に応じて、電力を、例えば、とりわけ、超音波、双極若しくは単極RF、不可逆及び/若しくは可逆電気穿孔法、並びに/又はマイクロ波エネルギーなどの1つ以上のエネルギーモダリティの形態でエンドエフェクタに提供するために単一の出力部を有し、かつ複数のタップを有する電力変圧器908を含むことができる。例えば、発生器900は、単極又は双極RF電気外科用電極のいずれかを用いて、超音波変換器を駆動するために高電圧かつ低電流で、組織封止のためのRF電極を駆動するために低電圧かつ高電流で、又はスポット凝固のための凝固波形で、エネルギーを送達することができる。発生器900からの出力波形は、周波数を外科用器具のエンドエフェクタに提供するために、誘導、切り替え、又はフィルタリングされ得る。超音波変換器の発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、図59に示したENERGY1とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。一実施例では、RF双極電極の発生器900の出力部への接続部は、好ましくは、ENERGY2とラベルされた出力部とRETURNとラベルされた出力部との間に位置するであろう。単極出力の場合、好ましい接続部は、ENERGY2出力部及びRETURN出力部に接続された好適なリターンパッドへの活性電極(例えば、ペンシル型又は他のプローブ)であろう。
更なる詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR OPERATING GENERATOR FOR DIGITALLY GENERATING ELECTRICAL SIGNAL WAVEFORMS AND SURGICAL INSTRUMENTS」と題する2017年3月30日公開の米国特許出願公開第2017/0086914号に開示されている。
本説明全体で使用される用語「無線」及びその派生語は、非固体媒体を介して変調電磁放射線の使用を通じてデータを通信し得る回路、装置、システム、方法、技術、通信チャネルなどを説明するために使用されてもよい。この用語は、関連する装置がいかなる有線も含まないことを意味するものではないが、一部の態様では、それらは存在しない可能性がある。通信モジュールは、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、これらのイーサネット派生物、のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降と指定される任意の他の無線及び有線プロトコルが挙げられるがこれらに限定されない多数の無線又は有線通信規格又はプロトコルのうちのいずれかを実装してもよい。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetoothなどの短距離無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DOなどの長距離無線通信専用であってもよい。
本明細書で使用するとき、プロセッサ又は処理ユニットは、いくつかの外部データソース、通常はメモリ又はなんらかの他のデータストリーム上で動作を実行する電子回路である。この用語は、本明細書では、多くの専用「プロセッサ」を組み合わせたシステム又はコンピュータシステム(特にシステムオンチップ(SoC))内の中央プロセッサ(中央処理ユニット)を指すために使用される。
本明細書で使用するとき、チップ上のシステム又はシステムオンチップ(SoC又はSOC)は、コンピュータ又は他の電子システムの全ての構成要素を統合する集積回路(「IC」又は「チップ」としても知られる)である。これは、デジタル、アナログ、混合信号、及び多くの場合は高周波数機能を、全て単一の基材上に含むことができる。SoCは、マイクロコントローラ(又はマイクロプロセッサ)を、グラフィックス処理ユニット(GPU)、Wi-Fiモジュール、又はコプロセッサなどの最新の周辺装置と統合する。SoCは、内蔵メモリを含んでもよく、含まなくてもよい。
本明細書で使用するとき、マイクロコントローラ又はコントローラは、マイクロプロセッサを周辺回路及びメモリと統合するシステムである。マイクロコントローラ(又はマイクロコントローラユニットのMCU)は、単一の集積回路上の小型コンピュータとして実装されてもよい。これはSoCと同様であってもよく、SoCは、その構成要素の1つとしてマイクロコントローラを含み得る。マイクロコントローラは、1つ以上のコア処理ユニット(CPU)と共にメモリ及びプログラム可能な入力/出力周辺機器を収容することができる。強誘電性のRAM、NORフラッシュ、又はOTP ROMの形態のプログラムメモリ、及び少量のRAMもまた、チップ上にしばしば含まれる。マイクロコントローラは、パーソナルコンピュータ又は様々な個別のチップで構成された他の汎用用途で使用されるマイクロプロセッサとは対照的に、組み込み型用途用に採用され得る。
本明細書で使用するとき、コントローラ又はマイクロコントローラという用語は、周辺装置とインターフェースするスタンドアロンIC又はチップ装置であってもよい。これは、その装置の動作(及び装置との接続)を管理する外部装置上のコンピュータ又はコントローラの2つの部分間の連結部であってもよい。
本明細書で説明されるプロセッサ又はマイクロコントローラはいずれも、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってもよい。一態様では、プロセッサは、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、1つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュール、1つ以上の直交エンコーダ入力(QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(ADC)を含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
一態様では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラ系ファミリーを含む安全コントローラを含んでもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性、及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全機構を提供するために、中でも特に、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
モジュール式装置は、外科用ハブ内に受容可能な(例えば図41及び図48に関連して説明される)モジュールと、対応する外科用ハブと接続又はペアリングするために様々なモジュールに接続することができる外科用装置又は器具と、を含む。モジュール式装置としては、例えば、インテリジェント外科用器具、医療用撮像装置、吸引/灌注装置、排煙器、エネルギー発生器、ベンチレータ、吸入器、及びディスプレイが挙げられる。本明細書に記載されるモジュール式装置は、制御アルゴリズムによって制御することができる。制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体上で、特定のモジュール式装置がペアリングされる外科用ハブ上で、又はモジュール式装置及び外科用ハブの両方の上で(例えば、分散コンピューティングアーキテクチャを介して)、実行され得る。いくつかの例示では、モジュール式装置の制御アルゴリズムは、モジュール式装置自体によって(すなわち、モジュール式装置内の、モジュール式装置上の、又はモジュール式装置に接続されたセンサによって)感知されたデータに基づいて装置を制御する。このデータは、手術中の患者(例えば、組織特性又は送気圧)又はモジュール式装置自体(例えば、前進するナイフの速度、モータ電流、又はエネルギーレベル)に関連し得る。例えば、外科用ステープル留め及び切断器具の制御アルゴリズムは、ナイフが前進する際にナイフが遭遇する抵抗に基づき、器具のモータが組織を貫いてそのナイフを駆動させる速度を制御することができる。
状況認識
状況認識は、データベース及び/又は器具から受信したデータから外科処置に関連する情報を判定又は推測するための、外科システムのいくつかの態様の能力である。情報は、実行されている処置の種類、手術されている組織の種類、又は処置の対象である体腔を含むことができる。外科処置に関連するコンテキスト情報により、外科システムは、例えば、それに接続され、かつ外科処置の過程でコンテキスト化した情報又は提案を外科医に提供するモジュール式装置(例えば、ロボットアーム及び/又はロボット外科用ツール)を制御する方法を改善することができる。
ここで図60を参照すると、例えば、外科用ハブ106又は206などのハブの状況認識を示す時間線5200が示されている。時間線5200は例示的な外科処置、及び外科用ハブ106、206が、外科処置の各工程でデータソースから受信したデータから導き出すことができるコンテキスト情報である。時間線5200は、手術室を設置することから開始し、患者を術後回復室に移送することで終了する肺区域切除手術の過程で、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって取られるであろう典型的な工程を示す。
状況認識外科用ハブ106、206は、外科処置の過程全体にわたって、医療関係者が外科用ハブ106、206とペアリングされたモジュール式装置を使用する度に生成されるデータを含むデータをデータソースから受信する。外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置及び他のデータソースからこのデータを受信して、任意の所与の時間に処置のどの工程が実行されているかなどの新しいデータが受信されると、進行中の処置に関する推定(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出することができる。外科用ハブ106、206の状況認識システムは、例えば、レポートを生成するために処置に関するデータを記録する、医療関係者によって取られている工程を検証する、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイスクリーンを介して)提供する、コンテキストに基づいてモジュール式装置を調節する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像装置の視界(FOV)を調節する、又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更するなど)、及び上記の任意の他のこうした動作を行うことが可能である。
この例示的な処置における第1の工程5202として、病院職員は、病院のEMRデータベースから患者の電子医療記録(Electronic Medical Record、EMR)を読み出す。EMRにおける選択された患者データに基づいて、外科用ハブ106、206は、実行される処置が胸郭処置であることを判定する。
第2の工程5204では、職員は、処置のために入来する医療用品をスキャンする。外科用ハブ106、206は、スキャンされた用品を様々な種類の処置で利用される用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせ(mix of supplies)が胸郭処置に対応することを確認する。更に、外科用ハブ106、206はまた、処置が楔形処置ではないと判定することができる(入来する用品が、胸郭楔形処置に必要な特定の用品を含まないか、又は別の点で胸郭楔形処置に対応していないかのいずれかであるため)。
第3の工程5206では、医療関係者は、外科用ハブ106、206に通信可能に接続されたスキャナを介して患者のバンドをスキャンする。続いて、外科用ハブ106、206は、スキャンされたデータに基づいて患者の識別情報を確認することができる。
第4の工程5208では、医療スタッフが補助装置をオンにする。利用される補助装置は、外科処置の種類及び外科医によって使用される技術に従って変わり得るが、この例示的な場合では、これらとしては、排煙器、吸入器、及び医療用撮像装置が挙げられる。起動されると、モジュール式装置である補助装置は、その初期化プロセスの一部として、モジュール式装置の特定の近傍内に位置する外科用ハブ106、206と自動的にペアリングすることができる。続いて、外科用ハブ106、206は、この術前又は初期化段階中にそれとペアリングされるモジュール式装置の種類を検出することによって、外科処置に関するコンテキスト情報を導出することができる。この特定の実施例では、外科用ハブ106、206は、ペアリングされたモジュール式装置のこの特定の組み合わせに基づいて、外科処置がVATS手術であると判定する。患者のEMRからのデータの組み合わせ、手術に用いられる医療用品のリスト、及びハブに接続するモジュール式装置の種類に基づいて、外科用ハブ106、206は、外科チームが実行する特定の処置を概ね推定することができる。外科用ハブ106、206が、何の特定の処置が実行されているかを知ると、続いて外科用ハブ106、206は、メモリから、又はクラウドからその処置の工程を読み出して、次に接続されたデータソース(例えば、モジュール式装置及び患者監視装置)からその後受信したデータを相互参照して、外科処置のどの工程を外科チームが実行しているかを推定することができる。
第5の工程5210では、職員は、EKG電極及び他の患者監視装置を患者に取り付ける。EKG電極及び他の患者監視装置は、外科用ハブ106、206とペアリングすることができる。外科用ハブ106、206が患者監視装置からデータの受信を開始すると、外科用ハブ106、206は患者が手術室にいることを確認する。
第6の工程5212では、医療関係者は患者に麻酔を誘発する。外科用ハブ106、206は、例えば、EKGデータ、血圧データ、ベンチレータデータ、又はこれらの組み合わせを含む、モジュール式装置及び/又は患者監視装置からのデータに基づいて、患者が麻酔下にあることを推定することができる。第6の工程5212が完了すると、肺区域切除手術の術前部分が完了し、手術部分が開始する。
第7の工程5214では、操作されている患者の肺が虚脱される(換気が対側肺に切り替えられる間に)。外科用ハブ106、206は、例えば、患者の肺が虚脱されたことをベンチレータデータから推定することができる。外科用ハブ106、206は、患者の肺が虚脱したのを検出したことを、処置の予期される工程(事前にアクセス又は読み出すことができる)と比較することができるため、処置の手術部分が開始したことを推定して、それによって肺を虚脱させることがこの特定の処置における第1の手術工程であると判定することができる。
第8の工程5216では、医療用撮像装置(例えば、スコープ)が挿入され、医療用撮像装置からのビデオ映像が開始される。外科用ハブ106、206は、医療用撮像装置への接続を通じて医療用撮像装置データ(すなわち、ビデオ又は画像データ)を受信する。医療用撮像装置データを受信すると、外科用ハブ106、206は、外科処置の腹腔鏡部分が開始したことを判定することができる。更に、外科用ハブ106、206は、実行されている特定の処置が、肺葉切除とは対照的に区域切除術であると判定することができる(処置の第2の工程5204で受信したデータに基づいて、楔形処置は外科用ハブ106、206によって既に割り引かれていることに留意されたい)。医療用撮像装置124(図40)からのデータは、患者の解剖学的構造の可視化に関して配向されている医療用撮像装置の角度を判定することによる、用いられている(すなわち、起動されており、外科用ハブ106、206とペアリングされている)数又は医療用撮像装置を監視することによる、及び用いられている可視化装置の種類を監視することによる、ことを含む多くの異なる方法の中から実行されている処置の種類に関するコンテキスト情報を判定するために用いられてもよい。例えば、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は、カメラを患者の胸腔の前下方角部の横隔膜上方に配置し、一方、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、カメラを、区域裂に対して前肋間位置に配置する。例えば、パターン認識又は機械学習技術を使用して、状況認識システムは、患者の解剖学的構造の可視化に基づいて、医療用撮像装置の位置を認識するように訓練され得る。別の実施例として、VATS肺葉切除術を実施するための1つの技術は単一の医療用撮像装置を利用するが、VATS区域切除術を実施するための別の技術は複数のカメラを利用する。更に別の実施例として、VATS区域切除術を実施するための1つの技術は、区域裂を可視化するために赤外線光源(可視化システムの一部として外科用ハブに通信可能に連結され得る)を使用し、これはVATS肺葉切除術では使用されない。医療用撮像装置からのこのデータのいずれか又は全てを追跡することによって、外科用ハブ106、206は、実行中の特定の種類の外科処置、及び/又は特定の種類の外科処置に使用されている技術を判定することができる。
第9の工程5218で、外科チームは、処置の切開工程を開始する。外科用ハブ106、206は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器からのデータを受信するため、外科医が患者の肺を切開して分離するプロセスにあると推定することができる。外科用ハブ106、206は、受信されたデータを外科処置の読み出しされた工程と相互参照して、プロセスのこの時点(すなわち、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定することができる。特定の例では、エネルギー器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられたエネルギーツールであり得る。
第10の工程5220で、外科チームは、処置の結紮工程に進む。外科用ハブ106、206は、器具が発射されていることを示す外科用ステープル留め及び切断器具からのデータを受信するため、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推定することができる。前工程と同様に、外科用ハブ106、206は、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、読み出しされたプロセス内の工程と相互参照することによって、この推定を導出することができる。特定の例では、外科用器具は、ロボット外科システムのロボットアームに取り付けられた外科用ツールであり得る。
第11の工程5222では、処置の区域切除部分が実行される。外科用ハブ106、206は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、外科医が実質組織を横切開していると推定することができる。カートリッジのデータは、例えば、器具によって発射されるステープルのサイズ又は種類に対応することができる。異なる種類のステープルが異なる種類の組織に利用されているため、カートリッジのデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織の種類を示すことができる。この場合、発射されるステープルの種類は実質組織(又は他の同様の組織種)に用いられ、これにより、外科用ハブ106、206は、処置の区域切除部分が実行されていると推定することができる。
続いて第12の工程5224で、結節切開工程が実行される。外科用ハブ106、206は、RF又は超音波器具が発射されていることを示す発生器から受信したデータに基づいて、外科チームが結節を切開し、漏れ試験を実施していると推定することができる。この特定の処置の場合、実質組織が横切開された後に用いられるRF又は超音波器具は結節切開工程に対応しており、この結節切開工程により外科用ハブ106、206がこの推定を行うことが可能となる。異なる器具が特定の作業に対してより良好に適合するため、外科医は、処置中の特定の工程に応じて、定期的に外科用ステープル留め/切断器具と外科用エネルギー(すなわち、RF又は超音波)器具との間で交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め/切断器具及び外科用エネルギー器具が使用される特定のシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実行中であるかを示すことができる。更に、特定の例では、外科処置中の1つ以上の工程にロボットツールを使用することができ、かつ/又は外科処置中の1つ以上の工程にハンドヘルド外科用器具を使用することができる。外科医(単数又は複数)は、例えば、ロボットツールとハンドヘルド外科用器具とを順に交代させることができ、かつ/又は、例えば、装置を同時に使用することができる。第12の工程5224が完了すると、切開部が閉鎖され、処置の術後部分が開始する。
第13の工程5226では、患者の麻酔が逆転される。外科用ハブ106、206は、例えば、ベンチレータデータに基づいて(すなわち、患者の呼吸速度が増加し始める)、患者が麻酔から覚醒しつつあると推定することができる。
最後に、第14の工程5228は、医療関係者が患者から様々な患者監視装置を除去することである。したがって、外科用ハブ106、206は、ハブがEKG、BP、及び患者監視装置からの他のデータを喪失したとき、患者が回復室に移送されていると推定することができる。この例示的な処置の説明から分かるように、外科用ハブ106、206と通信可能に連結された各種データソースから受信されたデータに基づいて、外科用ハブ106、206は、所与の外科処置の各工程が発生しているときを判定又は推定することができる。
状況認識については、その開示内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる、「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号で更に説明されている。特定の例では、例えば本明細書で開示される様々なロボット外科システムを含むロボット外科システムの動作は、その状況認識、及び/若しくはその構成要素からのフィードバックに基づいて、並びに/又はクラウド104からの情報に基づいて、ハブ106、206によって制御されてもよい。
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の番号付けされた実施例において説明される。
実施例1-ディスプレイを含むハウジングと、ポンプと、ポンプに動作可能に連結されたモータと、ポンプに流体連結された流路と、センサシステムと、を備える、外科用排出システム。センサシステムは、流路に沿って配置された内部センサを含む。内部センサは、流路を通って流れる流体の第1のパラメータを監視するように構成されている。センサシステムは、ハウジング上に配置された外部センサを更に含む。外部センサは、流路を出る流体の第2のパラメータを監視するように構成されている。外科用排出システムは、第1のパラメータに関して内部センサに、第2のパラメータに関して外部センサに問い合わせ、第1のパラメータ及び第2のパラメータを分析して、外科用排出システムの効率レベルを判定し、ディスプレイ上に判定された効率レベルを表示するように構成された、制御回路を更に備える。
実施例2-制御回路は、第1のパラメータと第2のパラメータとの間の差を判定するように構成されている、実施例1に記載の外科用排出システム。
実施例3-制御回路は、第2のパラメータが閾値を上回ると、ディスプレイ上に警告を表示するように構成されている、実施例1又は2に記載の外科用排出システム。
実施例4-ハウジングは、交換可能なフィルタを受容するように構成されたフィルタレセプタクルを更に含む、実施例1、2、又は3に記載の外科用排出システム。制御回路は、判定された効率レベルに基づいて交換可能なフィルタの状態を判定し、ディスプレイ上に交換可能なフィルタの状態を表示するように構成されている。
実施例5-交換可能なフィルタの状態は、交換可能なフィルタの残りの使用可能寿命を含む、実施例4に記載の外科用排出システム。
実施例6-交換可能なフィルタを更に備える、実施例4又は5に記載の外科用排出システム。
実施例7-フィルタレセプタクルを取り外し可能に覆うラッチドアを更に備える、実施例4、5、又は6に記載の外科用排出システム。
実施例8-内部センサは、フィルタレセプタクルの上流に第1の粒子カウンタを含み、外部センサは、フィルタレセプタクルの下流に第2の粒子カウンタを含む、実施例4、5、6、又は7に記載の外科用排出システム。
実施例9-制御回路は、プロセッサと、プロセッサに通信可能に連結されたメモリとを含む、実施例1、2、3、4、5、6、7、又は8に記載の外科用排出システム。メモリは、効率レベルを判定するように、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する。
実施例10-ハウジングを備える外科用排出システム。ハウジングは、モータと、流量を生成するように構成されたポンプとを含む。外科用排出システムは、ハウジングを通る流路と、ハウジング上に配置された外部センサを更に備える。外部センサは、流路を出る流体のパラメータを監視するように構成されている。外科用排出システムは、外部センサに経時的に問い合わせて、パラメータを判定し、パラメータを経時的に分析し、パラメータに基づいて流量を経時的に調整する、ように構成された、制御回路を更に備える。
実施例11-制御回路は、パラメータが閾値を上回ると、流量を増加させるように構成されている、実施例10に記載の外科用排出システム。
実施例12-制御回路は、パラメータが閾値に到達すると、ポンプを起動して、流量を生成するように構成されている、実施例10又は11に記載の外科用排出システム。
実施例13-制御回路に通信可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、制御回路は、状況認識モジュールからの入力に基づいてパラメータを予測するように構成されている、実施例10、11、又は12に記載の外科用排出システム。
実施例14-制御回路は、プロセッサと、プロセッサに通信可能に連結されたメモリとを含む、実施例10、11、12、又は13に記載の外科用排出システム。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する。
実施例15-パラメータは、微粒子濃度を含む、実施例10、11、12、13、又は14に記載の外科用排出システム。
実施例16-ディスプレイと、ポンプと、ポンプに動作可能に連結されたモータと、ポンプに流体連結された流路と、センサシステムと、を備える、外科用排出システム。センサシステムは、流路を出る流体のパラメータを監視するように構成されたセンサを含む。外科用排出システムは、パラメータに関してセンサに問い合わせ、パラメータが閾値を上回ると、警告を提供するように構成された、制御回路を更に備える。
実施例17-入口及び出口を含むハウジングを更に備え、流路は、入口と出口との間に延び、ディスプレイは、ハウジング上に配置されている、実施例16に記載の外科用排出システム。
実施例18-センサは、ハウジング上に配置されている、実施例17に記載の外科用排出システム。
実施例19-制御回路は、プロセッサと、プロセッサに通信可能に連結されたメモリとを含む、実施例16、17、又は18に記載の外科用排出システム。メモリは、閾値と、プロセッサによって実行可能な命令とを記憶する。
実施例20-パラメータが、手術室内の微粒子濃度を含む、実施例16、17、18、又は19に記載の外科用排出システム。
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多数の修正、変形、変化、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって行われる機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変化、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例を用いて装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台以上のコンピュータ上で稼働する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実現することができ、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。更に、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形式で1つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられる。
様々な開示された態様を実行するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって分配され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ、又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意の種類の有形機械可読媒体が挙げられる。
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用するとき、「制御回路」としては、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路、及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ若しくはデジタルの形式又はこれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを認識するであろう。
本明細書の任意の態様で使用される場合、用語「論理」は、前述の動作のいずれかを実行するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
本明細書の任意の態様で使用するとき、用語「構成要素」、「システム」、「モジュール」などは、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのどちらかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
本明細書の任意の態様で使用するとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、結合、比較、及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をなすことができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利なラベルである。
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体をつうじて、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「判定する」、「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
1つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
更に、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表わすあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンス(単数又は複数)で示されているが、様々な動作は、例示されたもの以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造、又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体をつうじて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」、及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参考として本明細書に組み込まれているあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されるその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されたものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
〔実施の態様〕
(1) 外科用排出システムであって、
ディスプレイを含むハウジングと、
ポンプと、
前記ポンプに動作可能に連結されたモータと、
前記ポンプに流体連結された流路と、
センサシステムであって、
前記流路に沿って配置された内部センサであって、前記内部センサは、前記流路を通って流れる流体の第1のパラメータを監視するように構成されている、内部センサと、
前記ハウジング上に配置された外部センサであって、前記流路を出る前記流体の第2のパラメータを監視するように構成されている、外部センサと、
を含む、センサシステムと、
制御回路であって、
前記第1のパラメータに関して前記内部センサに問い合わせ、前記第2のパラメータに関して前記外部センサに問い合わせ、
前記第1のパラメータ及び前記第2のパラメータを分析して、前記外科用排出システムの効率レベルを判定し、
前記ディスプレイ上に判定された前記効率レベルを表示する、
ように構成された、制御回路と、
を備える、外科用排出システム。
(2) 前記制御回路は、前記第1のパラメータと前記第2のパラメータとの間の差を判定するように構成されている、実施態様1に記載の外科用排出システム。
(3) 前記制御回路は、前記第2のパラメータが閾値を上回ると、前記ディスプレイ上に警告を表示するように構成されている、実施態様1に記載の外科用排出システム。
(4) 前記ハウジングは、交換可能なフィルタを受容するように構成されたフィルタレセプタクルを更に含み、前記制御回路は、
前記判定された効率レベルに基づいて前記交換可能なフィルタの状態を判定し、
前記ディスプレイ上に前記交換可能なフィルタの前記状態を表示する、
ように構成されている、
実施態様1に記載の外科用排出システム。
(5) 前記交換可能なフィルタの前記状態は、前記交換可能なフィルタの残りの使用可能寿命を含む、実施態様4に記載の外科用排出システム。
(6) 前記交換可能なフィルタを更に備える、実施態様4に記載の外科用排出システム。
(7) 前記フィルタレセプタクルを取り外し可能に覆うラッチドアを更に備える、実施態様4に記載の外科用排出システム。
(8) 前記内部センサは、前記フィルタレセプタクルの上流に第1の粒子カウンタを含み、前記外部センサは、前記フィルタレセプタクルの下流に第2の粒子カウンタを含む、実施態様4に記載の外科用排出システム。
(9) 前記制御回路は、
プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に結合されたメモリと、
を含み、前記メモリは、前記効率レベルを判定するように、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する、
実施態様1に記載の外科用排出システム。
(10) モータと、流量を生成するように構成されたポンプと、を含むハウジングと、
前記ハウジングを通る流路と、
前記ハウジング上に配置された外部センサであって、前記外部センサは、前記流路を出る流体のパラメータを監視するように構成されている、外部センサと、
制御回路であって、
前記外部センサに経時的に問い合わせて、前記パラメータを判定し、
前記パラメータを経時的に分析し、
前記パラメータに基づいて前記流量を経時的に調整する、
ように構成された、制御回路と、
を備える、外科用排出システム。
(11) 前記制御回路は、前記パラメータが閾値を上回ると、前記流量を増加させるように構成されている、実施態様10に記載の外科用排出システム。
(12) 前記制御回路は、前記パラメータが閾値に到達すると、前記ポンプを起動して、流量を生成するように構成されている、実施態様10に記載の外科用排出システム。
(13) 前記制御回路に通信可能に連結された状況認識モジュールを更に備え、前記制御回路は、前記状況認識モジュールからの入力に基づいて、前記パラメータを予測するように構成されている、実施態様10に記載の外科用排出システム。
(14) 前記制御回路は、
プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に結合されたメモリと、
を含み、前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する、
実施態様10に記載の外科用排出システム。
(15) 前記パラメータは、微粒子濃度を含む、実施態様10に記載の外科用排出システム。
(16) ディスプレイと、
ポンプと、
前記ポンプに動作可能に連結されたモータと、
前記ポンプに流体連結された流路と、
前記流路を出る流体のパラメータを監視するように構成されたセンサを含むセンサシステムと、
制御回路であって、
前記パラメータに関して前記センサに問い合わせ、
前記パラメータが閾値を上回ると、警告を提供する、
ように構成された、制御回路と、
を備える、外科用排出システム。
(17) 入口及び出口を含むハウジングを更に備え、前記流路は、前記入口と前記出口との間に延びており、前記ディスプレイは、前記ハウジング上に配置されている、実施態様16に記載の外科用排出システム。
(18) 前記センサは、前記ハウジング上に配置されている、実施態様17に記載の外科用排出システム。
(19) 前記制御回路は、
プロセッサと、
前記プロセッサに通信可能に結合されたメモリと、
を含み、前記メモリは、前記閾値と、前記プロセッサによって実行可能な命令とを記憶する、
実施態様16に記載の外科用排出システム。
(20) 前記パラメータは、手術室内の微粒子濃度を含む、実施態様16に記載の外科用排出システム。