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JP7292120B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Description

本開示は、基板処理方法および基板処理装置に関する。
洗浄処理後の基板を乾燥させる手法として、基板の表面に揮発性液体を供給することによって基板上に残存する液体を揮発性液体に置換した後、揮発性液体を揮発させることによって基板を乾燥させる手法が知られている。
特開2015-213105号公報
本開示は、基板に付着するパーティクルの量を低減することができる技術を提供する。
本開示の一態様による基板処理方法は、処理液供給工程と、2液供給工程と、第1移動工程と、第2移動工程とを含む。処理液供給工程は、基板に処理液を供給する。2液供給工程は、処理液供給工程後、基板に処理液を供給しつつ、処理液よりも揮発性が高い乾燥用液体を基板に供給する。第1移動工程は、2液供給工程において、処理液の吐出位置を基板の外周部へ向けて移動させる。第2移動工程は、第1移動工程後であって、乾燥用液体の基板への供給が開始されてから予め設定された時間が経過した後、乾燥用液体の吐出位置を基板の外周部へ向けて移動させる。
本開示によれば、基板に付着するパーティクルの量を低減することができる。
図1は、実施形態に係る基板処理システムの構成を示す図である。 図2は、実施形態に係る処理ユニットの構成を示す図である。 図3は、処理ユニットが実行する基板処理の処理手順を示すフローチャートである。 図4は、置換処理の動作例を示す図である。 図5は、置換処理の動作例を示す図である。 図6は、置換処理の動作例を示す図である。 図7は、置換処理の動作例を示す図である。 図8は、置換処理の動作例を示す図である。 図9は、置換処理の動作例を示す図である。 図10は、変形例に係る第2移動ステップの動作例を示す図である。
以下に、本開示による基板処理方法および基板処理装置を実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示による基板処理方法および基板処理装置が限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
また、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする直交座標系を示す場合がある。また、鉛直軸を回転中心とする回転方向をθ方向と呼ぶ場合がある。
<基板処理システムの構成>
図1は、実施形態に係る基板処理システムの構成を示す図である。図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置台11と、搬送部12とを備える。キャリア載置台11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウェハ(以下ウェハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
キャリア載置台11には、複数のロードポートが搬送部12に隣接するように並べて配置されており、複数のロードポートのそれぞれにキャリアCが1つずつ載置される。
搬送部12は、キャリア載置台11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウェハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウェハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置台11に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウェハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置台11のキャリアCへ戻される。
<処理ユニットの構成>
次に、処理ユニット16について図2を参照し説明する。図2は、実施形態に係る処理ユニット16の構成を示す図である。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、第1供給部40と、第2供給部50と、回収カップ60とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30、第1供給部40、第2供給部50および回収カップ60を収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウェハWを水平に保持する。具体的には、保持部31は、複数の把持部31aを備えており、複数の把持部31aを用いてウェハWの周縁部を把持する。支柱部32は、鉛直方向に延在し、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウェハWを回転させる。
第1供給部40は、リンス液ノズル41と、薬液ノズル42と、リンス液ノズル41および薬液ノズル42を支持する第1アーム43と、第1アーム43を移動させる第1移動機構44とを備える。
リンス液ノズル41は、供給ライン467に接続される。供給ライン467は、リンス液ノズル41とリンス液供給源46とを接続する。リンス液供給源46は、供給ライン467を介してリンス液ノズル41にリンス液を供給する。ここでは、リンス液としてDIW(脱イオン水)が用いられる。供給ライン467には、バルブ45が設けられる。バルブ45は、供給ライン467を開閉することによってリンス液ノズル41からウェハWへのDIWの吐出および非吐出を切り替える。
薬液ノズル42は、供給ライン487に接続される。供給ライン487は、薬液ノズル42と薬液供給源48とを接続する。薬液供給源48は、供給ライン487を介して薬液ノズル42に薬液を供給する。薬液の種類は特に限定されないが、たとえば、HF(フッ酸)、SC1(アンモニア/過酸化水素/水の混合液)などが用いられる。供給ライン487には、バルブ47が設けられる。バルブ47は、供給ライン487を開閉することによって薬液ノズル42からウェハWへの薬液の吐出および非吐出を切り替える。
第2供給部50は、乾燥用液体ノズル51と、乾燥用液体ノズル51を支持する第2アーム53と、第2アーム53を移動させる第2移動機構54とを備える。
乾燥用液体ノズル51は、供給ライン567に接続される。供給ライン567は、乾燥用液体ノズル51と乾燥用液体供給源56とを接続する。乾燥用液体供給源56は、供給ライン567を介して乾燥用液体ノズル51に乾燥用液体を供給する。ここでは、乾燥用液体としてIPA(イソプロピルアルコール)が用いられる。なお、乾燥用液体は、たとえばアセトンなどのIPA以外の揮発性溶剤であってもよい。その他、乾燥用液体は、リンス液(ここではDIW)よりも揮発性の高い液体であればよい。供給ライン567には、バルブ55が設けられる。バルブ55は、供給ライン567を開閉することによって乾燥用液体ノズル51からウェハWへのIPAの吐出および非吐出を切り替える。
乾燥用液体供給源56は、IPAを貯留するタンク561と、タンク561から出てタンク561に戻る循環ライン562とを有している。循環ライン562にはポンプ563が設けられている。ポンプ563は、タンク561から出て循環ライン562を通りタンク561に戻る循環流を形成する。また、循環ライン562には、ヒータ564およびフィルタ565がポンプ563よりも下流側に設けられる。ヒータ564は、循環ライン562を流れるIPAを加熱する。たとえば、IPAは、ヒータ564によって65~75℃程度に加熱される。フィルタ565は、IPAに含まれるパーティクル等の異物を除去する。
また、循環ライン562には、複数の供給ライン567が接続されている。各供給ライン567は、循環ライン562を流れる処理液を対応する処理ユニット16に供給する。各循環ライン562には、必要に応じて、流量制御弁等の流量調整機構、フィルタ等を設けることができる。また、循環ライン562には、複数の供給ライン567よりも下流側に、循環ライン562を開閉するバルブ566が設けられている。
タンク561には、IPAを補充する補充部568が接続される。また、タンク561には、タンク561内のIPAを廃棄するためのドレン部569が設けられている。
なお、薬液ノズル42は、第2供給部50に設けられてもよい。また、処理ユニット16は、第1アーム43、第2アーム53、第1移動機構44および第2移動機構54の他に、薬液ノズル42を支持する第3アームと、この第3アームを移動させる第3移動機構を備えていてもよい。
回収カップ60は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウェハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ60の底部には、排液口61が形成されており、回収カップ60によって捕集された処理液は、かかる排液口61から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ60の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口62が形成される。
<処理ユニットの具体的動作>
次に、処理ユニット16が実行する基板洗浄処理の内容について図3を参照して説明する。図3は、処理ユニット16が実行する基板処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図3に示す処理手順は、制御装置4の記憶部19に格納されているプログラムを制御部18が読み出すとともに、読み出した命令に基づいて処理ユニット16等を制御することにより実行される。
図3に示すように、まず、薬液処理が行われる(ステップS101)。薬液処理では、ウェハWを保持した保持部31が回転される。また、薬液ノズル42がウェハWの中央上方に配置される。その後、バルブ47が予め設定された時間開放されることにより、回転するウェハWの中央部に対し、薬液ノズル42から薬液が吐出される。ウェハWの中央部に供給された薬液は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの上面全体に広がる。これにより、ウェハWの上面が処理される。たとえば、ウェハWのデバイス面である上面が洗浄される。
つづいて、リンス処理が行われる(ステップS102)。リンス処理では、ウェハWの中央上方にリンス液ノズル41が配置される。その後、バルブ45が予め設定された時間開放されることにより、回転するウェハWの中央部に対し、リンス液ノズル41からリンス液であるDIWが吐出される。ウェハWの中央部に供給されたDIWは、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの上面全体に広がる。これにより、ウェハWの上面に残存する薬液がDIWによって洗い流される。
つづいて、置換処理が行われる(ステップS103)。置換処理は、ウェハW上に残存するDIWを、DIWよりも揮発性の高いIPAに置換する処理である。ここで、ウェハWに対するDIWの供給が停止された後で、ウェハWに対するIPAの供給を開始すると、DIWの供給が停止されてからIPAが供給されるまでの間にウェハWが乾く、言い換えれば、ウェハWの上面が液膜から露出するおそれがある。ウェハWが乾くことにより、ウェハWの上面にウォーターマークが発生したり、ウェハWの上面に残存するパーティクルの量が増加したりするおそれがある。
そこで、置換処理では、リンス処理に引き続きリンス液ノズル41からウェハWの上面にDIWを供給しながら、乾燥用液体ノズル51からウェハWの上面にIPAを供給する。すなわち、DIWおよびIPAの2液をウェハWに対して同時に供給する。その後、リンス液ノズル41をウェハWの外周部へ向けて移動させる。これにより、IPAの液膜を広げつつ、未だIPAが到達していないウェハW上の領域をDIWの液膜で覆うことができる。したがって、ウェハWの乾燥を抑制することができる。置換処理の詳細については後述する。
つづいて、乾燥処理が行われる(ステップS104)。乾燥処理では、保持部31の回転数が増加される。これにより、ウェハWに残存するIPAが振り切られてウェハWが乾燥する。乾燥処理が終了すると、保持部31の回転が停止される。その後、ウェハWは、基板搬送装置17(図1参照)によって処理ユニット16から搬出される。これにより、1枚のウェハWについての一連の基板処理が完了する。
ところで、乾燥用液体ノズル51から吐出されるIPAには、バルブ55から生じた異物が混入するおそれがある。この異物は、たとえば、バルブ55の開閉動作においてバルブ55の可動部(ピストン)がバルブ55の固定部(シリンダー)と擦れ合うことによって生じる金属粉等の微粒子である。特に、本実施形態のように加熱されたIPAを用いる場合、加熱されたIPAによってバルブ55が熱膨張することで、可動部と固定部との間の摩擦力が増大する結果、異物の発生量が増大するおそれがある。また、本実施形態のようにDIWおよびIPAの同時出しを行う場合、異物を含んだIPAとDIWとがウェハW上で混ざると、ウェハW上で異物が固着することによってパーティクルが増加するおそれがある。
そこで、実施形態に係る処理ユニット16では、バルブ55から生じた異物をウェハW上に残存しにくくするべく、置換処理における第2供給部50等の動作を制御することとした。以下、置換処理における処理ユニット16の具体的動作について図4~図9を参照して説明する。図4~図9は、置換処理の動作例を示す図である。
なお、図4~図6は、置換処理における2液供給ステップの動作例を示す図である。また、図5および図6は、置換処理における第1移動ステップの動作例を示す図である。また、図8は、置換処理における第2移動ステップ、維持ステップ、回転数変更ステップおよび流量変更ステップの動作例を示す図である。また、図9は、置換処理における第3移動ステップの動作例を示す図である。
まず、図4に示すように、リンス処理に引き続き、すなわち、リンス処理の終了後、リンス液ノズル41からのDIWの吐出を停止させることなく、ウェハWの中央上方に配置されたリンス液ノズル41から回転するウェハWに対してDIWが供給される。また、乾燥用液体ノズル51が第2移動機構54(図2参照)によってウェハWの外方からウェハWの中央部へ向けて移動を開始する。
ここで、異物Mは、バルブ55が閉じるときにより多く生じる。このため、図4に示すように、供給ライン567には、前回の置換処理においてバルブ55を閉じたときに生じた異物Mが残存している。ここでは、異物Mがバルブ55よりも下流側の供給ライン567に残存している例を示しているが、異物Mは、バルブ55よりも上流側の供給ライン567やバルブ55内にも残存している場合がある。
つづいて、図5に示すように、リンス液ノズル41が第1移動機構44(図2参照)によってウェハWの中央部から外周部へ向けて移動を開始する。また、乾燥用液体ノズル51がウェハWの中央上方に到達した後、バルブ55が開かれることによって、乾燥用液体ノズル51からウェハWの中央部に対してIPAが供給される。図6に示すように、IPAの液膜は、リンス液ノズル41の移動に伴って拡大する。
つづいて、図7に示すように、リンス液ノズル41がウェハWの外周部へ到達した後、バルブ45が閉じられることによって、リンス液ノズル41からウェハWへのDIWの供給が停止される。これにより、ウェハWの乾燥を抑制しつつ、ウェハWの上面全体にIPAの液膜を形成することができる。
図5~図7に示すように、処理ユニット16では、バルブ55周辺に残存する異物Mが、DIWの供給が停止される前に乾燥用液体ノズル51から吐出されないように、バルブ55よりも下流側の供給ライン567の容積およびIPAの流量が設定される。これにより、異物Mを含んだIPAとDIWとが混ざることが抑制されるため、パーティクルの増加を抑制することができる。なお、これに限らず、少なくともウェハWの上面全体にIPAの液膜が形成された後で、異物Mを含んだIPAが乾燥用液体ノズル51から吐出されるように、バルブ55よりも下流側の供給ライン567の容積およびIPAの流量が設定されればよい。異物Mを含んでいないIPAによってウェハWの上面全体を覆うことで、異物MのウェハWへの付着を抑制することができる。
つづいて、IPAのウェハWへの供給が開始されてから(図5参照)予め設定された時間(第1設定時間)が経過すると、乾燥用液体ノズル51がウェハWの外周部へ向かって移動を開始する。
第1設定時間は、バルブ55よりも下流側の供給ライン567の容積、IPAの流量、乾燥用液体ノズル51の移動速度等に基づき、バルブ55が開かれた後、異物Mが乾燥用液体ノズル51から吐出されるまでに要する時間よりも短い時間に設定される。「バルブ55が開かれた後、異物Mが乾燥用液体ノズル51から吐出されるまでに要する時間」は、事前の実験あるいはシミュレーション等により決定される。
これにより、図8に示すように、乾燥用液体ノズル51がウェハWの外周部に到達した後で、異物Mを含んだIPAがウェハWの外周部に吐出されるようになる。このように、異物Mを含んだIPAをウェハWの外周部に吐出するようにすることで、異物Mを含んだIPAをウェハWの中央部に吐出した場合と比較して、異物MのウェハWへの付着量を抑制することができる。
乾燥用液体ノズル51の位置は、乾燥用液体ノズル51がウェハWの外周部に到達した後、予め設定された時間(第2設定時間)が経過するまで、ウェハWの外周部に維持される。第2設定時間は、異物Mを含んだIPAが乾燥用液体ノズル51から吐出されてから吐出し終わるまでに要する時間以上の時間に設定される。これにより、たとえば後段の第3移動ステップにおいて異物Mを含んだIAがウェハWの外周部よりも径方向内側に吐出されることを抑制することができる。
また、図8に示すように、乾燥用液体ノズル51がウェハWの外周部に到達した後、第2設定時間が経過するまで、保持部31の回転数が増加される。すなわち、ウェハWがより高速で回転される。これにより、ウェハWの外周部に吐出された異物Mを早急にウェハWの外方へ排出することができる。すなわち、異物Mの排出性能を高めることができる。第2設定時間が経過した後、保持部31の回転数は元の回転数に戻される。
また、乾燥用液体ノズル51がウェハWの外周部に到達した後、第2設定時間が経過するまで、乾燥用液体ノズル51から吐出されるIPAの流量が増加される。これにより、異物Mを含んだIPAを低流量で吐出した場合と比べて、異物Mを含んだIPAがウェハW上に残存しにくくなるため、異物Mの排出性能を高めることができる。第2設定時間が経過した後、IPAの流量は元の流量に戻される。
つづいて、第2設定時間が経過すると、図9に示すように、乾燥用液体ノズル51がウェハWの外周部から中央部へ向けて移動を開始する。そして、乾燥用液体ノズル51がウェハWの中央部に到達した後、予め設定された時間(第3設定時間)が経過するまで、乾燥用液体ノズル51からウェハWの中央部に対してIPAが供給される。その後、第3設定時間が経過すると、バルブ55が閉じられることによって乾燥用液体ノズル51からウェハWへのIPAの供給が停止される。
なお、上述したように、異物Mはバルブ55が閉じるときにより多く生じる。ここで、本願発明者は、バルブ55の閉速度を遅くするほど、ウェハW上のパーティクル量が減少することを見出した。この知見に基づき、バルブ55は、開速度よりも閉速度の方が低く設定されてもよい。このように設定されることで、次回の置換処理においてウェハW上に吐出される異物Mの量を低減することができる。たとえばバルブ55が単動式のノーマルクローズバルブである場合、バルブ55の閉速度は、バルブ55を開くための空気圧を調整するスピードコントローラを用いて調整することができる。なお、バルブ55は復動式であってもよい。バルブ55として復動式のバルブを用いることにより、単動式のバルブよりも閉速度をより遅く設定することが可能である。
<第2移動ステップの変形例>
次に、上述した第2移動ステップの変形例について図10を参照して説明する。図10は、変形例に係る第2移動ステップの動作例を示す図である。
図10に示すように、第2移動ステップにおいて、乾燥用液体ノズル51は、ウェハWの外周部を通り過ぎて、ウェハWの外方まで移動される。この場合、異物Mを含んだIPAは、ウェハWの外方に吐出される。このため、ウェハWの上面に異物Mが付着することをより確実に抑制することができる。なお、異物Mを含んだIPAが把持部31a(図2参照)に付着することを抑制するために、保持部31に代えて、たとえばバキュームチャックなどのウェハWの下面を吸着保持する保持部を用いることとしてもよい。
上述してきたように、実施形態に係る基板処理方法は、処理液供給工程(一例として、リンス処理)と、2液供給工程(一例として、置換処理における2液供給ステップ)と、第1移動工程(一例として、置換処理における第1移動ステップ)と、第2移動工程(一例として、置換処理における第2移動ステップ)とを含む。処理液供給工程は、基板(一例として、ウェハW)に処理液(一例として、DIW)を供給する。2液供給工程は、処理液供給工程後、基板に処理液を供給しつつ、処理液よりも揮発性が高い乾燥用液体(一例として、IPA)を基板に供給する。第1移動工程は、2液供給工程において、処理液の吐出位置を基板の外周部へ向けて移動させる。第2移動工程は、第1移動工程後であって、乾燥用液体の基板への供給が開始されてから予め設定された時間(一例として、第1設定時間)が経過した後、乾燥用液体の吐出位置を基板の外周部へ向けて移動させる。
これにより、たとえば、異物を含んだ乾燥用液体を基板の外周部に吐出することができる。このため、異物を含んだ乾燥用液体を基板の中央部に吐出する場合と比べて基板への異物の付着量を抑えることができる。したがって、基板に付着するパーティクルの量を低減することができる。また、たとえば、乾燥用液体の吐出を開始する前にダミーディスペンスを行って異物を排出する場合と比べて、乾燥用液体の消費量を抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、2液供給工程において乾燥用液体を基板の中央部に吐出した後、第2移動工程において、乾燥用液体の吐出位置を基板の外周部へ向けて移動させる場合の例について説明した。しかし、第2移動工程前における乾燥用液体の吐出位置は、必ずしも基板の中央部であることを要せず、基板の外周部よりも径方向内側であればよい。
また、上述した実施形態では、第2移動工程において、乾燥用液体を吐出させながら乾燥用液体の吐出位置を移動させる場合の例について説明した。これに限らず、たとえば、第2移動工程が完了するまでの間、乾燥用液体の吐出を停止させてもよい。
また、上述した実施形態では、第1移動工程において、処理液の吐出位置が基板の外周部に到達した後、処理液の吐出を停止させる場合の例について説明した。これに限らず、処理液は、基板の外周部において吐出され続けてもよい。
予め設定された時間は、乾燥用液体が流通する配管(一例として、供給ライン567)のうち乾燥用液体の吐出および非吐出を切り替えるバルブ(一例として、バルブ55)よりも下流側に位置する部分の容積と、配管を流通する乾燥用液体の流量とに基づいて決定されてもよい。
たとえば処理液が水である場合、基板上で異物と水とが接触することで異物が基板に固着して、基板上のパーティクル量が増加するおそれがある。これに対し、予め設定された時間を上記のように設定することで、異物と水とが混ざることが抑制されるため、パーティクルの増加を抑制することができる。
予め設定された時間は、バルブが開かれた後、バルブから生じた異物(一例として、異物M)が乾燥用液体とともに吐出されるまでに要する時間よりも短い時間に設定されてもよい。これにより、たとえば処理液が水である場合に、異物と水とが混ざることが抑制されるため、パーティクルの増加を抑制することができる。
実施形態に係る基板処理方法は、第3移動工程(一例として、置換処理における第3移動ステップ)をさらに含んでいてもよい。第3移動工程は、第2移動工程後、乾燥用液体の吐出位置を基板の中央部へ向けて移動させる。これにより、乾燥用液体とともに吐出される異物の基板への付着を抑制しつつ、基板に乾燥用液体の液膜を形成することができる。
実施形態に係る基板処理方法は、維持工程(一例として、置換処理における維持ステップ)をさらに含んでいてもよい。維持工程は、第2移動工程後、第3移動工程の前に、乾燥用液体の吐出位置を基板の外周部に維持する。これにより、たとえば異物を含んだ乾燥用液体が外周部以外の基板上に吐出されることを抑制することができる。したがって、異物の基板への付着量をより確実に抑制することができる。
実施形態に係る基板処理方法は、回転数変更工程(一例として、置換処理における回転数変更ステップ)をさらに含んでいてもよい。回転数変更工程は、維持工程において基板の回転数を増加させる。これにより、たとえば基板の外周部に吐出された異物を早急に基板の外方へ排出することができる。
実施形態に係る基板処理方法は、流量変更工程(一例として、置換処理における流量変更ステップ)をさらに含んでいてもよい。流量変更工程は、維持工程において、乾燥用液体の流量を増加させる。これにより、異物を含んだ乾燥用液体を低流量で吐出した場合と比べて、異物を含んだ乾燥用液体が基板上に残存しにくくなるため、異物の排出性能を高めることができる。
第2移動工程は、乾燥用液体の吐出位置を基板の外方まで移動させてもよい。この場合、異物を含んだ乾燥用液体は、基板の外方に吐出される。このため、基板に異物が付着することをより確実に抑制することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(一例として、処理ユニット16)は、保持部(一例として、基板保持機構30)と、第1供給部(一例として、第1供給部40)と、第2供給部(一例として、第2供給部50)と、制御部(一例として、制御部18)とを備える。保持部は、基板(一例として、ウェハW)を回転可能に保持する。第1供給部は、保持部に保持された基板に対して処理液(一例として、DIW)を供給する第1ノズル(一例として、リンス液ノズル41)と、第1ノズルを移動させる第1移動機構(一例として、第1移動機構44)とを含む。第2供給部は、保持部に保持された基板に対し、処理液よりも揮発性が高い乾燥用液体(一例として、IPA)を供給する第2ノズル(一例として、乾燥用液体ノズル51)と、第2ノズルを移動させる第2移動機構(一例として、第2移動機構54)とを含む。制御部は、第1供給部および第2供給部を制御することにより、処理液供給処理と、2液供給処理と、第1移動処理と、第2移動処理とを実行させる。処理液供給処理は、基板に処理液を供給する。2液供給処理は、処理液供給処理後、基板に処理液を供給しつつ、乾燥用液体を前記基板に供給する。第1移動処理は、2液供給処理において、処理液の吐出位置を基板の外周部へ向けて移動させる。第2移動処理は、第1移動処理後であって、乾燥用液体の基板への供給が開始されてから予め設定された時間が経過した後、乾燥用液体の吐出位置を基板の外周部へ向けて移動させる。これにより、基板に付着するパーティクルの量を低減することができる。
第2供給部は、乾燥用液体を第2ノズルに供給する配管と、配管に設けられ、配管を開閉することによって乾燥用液体の吐出および非吐出を切り替えるバルブとをさらに備える。バルブは、開速度よりも閉速度の方が低く設定されてもよい。これにより、バルブから生じる異物の量を少なくすることができる。したがって、基板に付着するパーティクルの量を低減することができる。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の請求の範囲およびその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
W ウェハ
1 基板処理システム
2 搬入出ステーション
3 処理ステーション
4 制御装置
16 処理ユニット
18 制御部
19 記憶部
20 チャンバ
30 基板保持機構
31 保持部
32 支柱部
33 駆動部
40 第1供給部
41 リンス液ノズル
42 薬液ノズル
43 第1アーム
44 第1移動機構
45 バルブ
46 リンス液供給源
47 バルブ
48 薬液供給源
50 第2供給部
51 乾燥用液体ノズル
53 第2アーム
54 第2移動機構
55 バルブ
56 乾燥用液体供給源
467,487,567 供給ライン

Claims (9)

  1. 基板に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記処理液供給工程後、前記基板に前記処理液を供給しつつ、前記処理液よりも揮発性が高い乾燥用液体を前記基板に供給する2液供給工程と、
    前記2液供給工程において、前記処理液の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第1移動工程と、
    前記第1移動工程後であって、前記乾燥用液体の前記基板への供給が開始されてから予め設定された時間が経過した後、前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第2移動工程と
    を含み、
    前記予め設定された時間は、
    前記乾燥用液体が流通する配管のうち前記乾燥用液体の吐出および非吐出を切り替えるバルブよりも下流側に位置する部分の容積と、前記配管を流通する前記乾燥用液体の流量とに基づいて決定される、基板処理方法。
  2. 基板に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記処理液供給工程後、前記基板に前記処理液を供給しつつ、前記処理液よりも揮発性が高い乾燥用液体を前記基板に供給する2液供給工程と、
    前記2液供給工程において、前記処理液の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第1移動工程と、
    前記第1移動工程後であって、前記乾燥用液体の前記基板への供給が開始されてから予め設定された時間が経過した後、前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第2移動工程と
    を含み、
    前記予め設定された時間は、
    前記乾燥用液体が流通する配管に設けられ、前記乾燥用液体の吐出および非吐出を切り替えるバルブが開かれた後、前記バルブから生じた異物が前記乾燥用液体とともに吐出されるまでに要する時間よりも短い時間に設定される、基板処理方法。
  3. 基板に処理液を供給する処理液供給工程と、
    前記処理液供給工程後、前記基板に前記処理液を供給しつつ、前記処理液よりも揮発性が高い乾燥用液体を前記基板に供給する2液供給工程と、
    前記2液供給工程において、前記処理液の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第1移動工程と、
    前記第1移動工程後であって、前記乾燥用液体の前記基板への供給が開始されてから予め設定された時間が経過した後、前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第2移動工程と
    前記第2移動工程後、前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の中央部へ向けて移動させる第3移動工程と
    を含む、基板処理方法。
  4. 前記第2移動工程後、前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の中央部へ向けて移動させる第3移動工程
    をさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  5. 前記第2移動工程後、前記第3移動工程の前に、前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の外周部に維持する維持工程
    をさらに含む、請求項3または4に記載の基板処理方法。
  6. 前記維持工程において、前記基板の回転数を増加させる回転数変更工程
    をさらに含む、請求項5に記載の基板処理方法。
  7. 前記維持工程において、前記乾燥用液体の流量を増加させる流量変更工程
    をさらに含む、請求項5または6に記載の基板処理方法。
  8. 前記第2移動工程は、
    前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の外方まで移動させる、請求項1~4の何れか一つに記載の基板処理方法。
  9. 基板を回転可能に保持する保持部と、
    前記保持部に保持された前記基板に対して処理液を供給する第1ノズルと、前記第1ノズルを移動させる第1移動機構とを含む第1供給部と、
    前記保持部に保持された前記基板に対し、前記処理液よりも揮発性が高い乾燥用液体を供給する第2ノズルと、前記第2ノズルを移動させる第2移動機構とを含む第2供給部と、
    前記第1供給部および前記第2供給部を制御することにより、前記基板に処理液を供給する処理液供給処理と、前記処理液供給処理後、前記基板に前記処理液を供給しつつ、前記乾燥用液体を前記基板に供給する2液供給処理と、前記2液供給処理において、前記処理液の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第1移動処理と、前記第1移動処理後であって、前記乾燥用液体の前記基板への供給が開始されてから予め設定された時間が経過した後、前記乾燥用液体の吐出位置を前記基板の外周部へ向けて移動させる第2移動処理とを実行させる制御部と
    を備え
    前記第2供給部は、
    前記乾燥用液体を前記第2ノズルに供給する配管と、
    前記配管に設けられ、前記配管を開閉することによって前記乾燥用液体の吐出および非吐出を切り替えるバルブと
    をさらに備え、
    前記バルブは、開速度よりも閉速度の方が低く設定される、基板処理装置。
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