JP7286184B2 - 血管内皮機能改善用組成物 - Google Patents
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Description
[1]松樹皮由来のプロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有することを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
[2]松樹皮由来のプロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、血流依存性血管拡張機能改善作用を有することを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
[3]松樹皮由来のプロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、血流依存性血管拡張機能改善作用を有することを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
[4]錠状であることを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の組成物。
[5]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、そのプロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が1.5以下であることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
[6]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有し、そのプロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が1.5以下であることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
[7]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有することを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
[8]プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が0.76以下であることを特徴とする[5]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[9]プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の含有比がプロシアニジンB1に対してプロシアニジンB3が0.60以下であることを特徴とする[5]~[7]のいずれかに記載の組成物。
[10]プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3が松樹皮由来であることを特徴とする[5]~[9]のいずれかに記載の組成物。
[11]錠状であることを特徴とする[5]~[10]のいずれかに記載の組成物。
(1)被験者と試験デザイン
倫理的配慮により試験開始前に同意が得られた40歳以上、65歳未満の健常な成人男女35名で、BMIが30未満の人を被験者として選定した。被験者を無作為の2群(実施例群:18名、比較例群:17名)に分け、二重盲検法による並行群間比較試験をした。1日摂取目安量である1袋(錠剤0.25g×2粒)の試験食品を1日1回、水またはぬるま湯とともに摂取させ、8週間摂取後に検査を行った。
実施例1には、熱水で抽出されたフランス海岸松の松樹皮抽出物に、粉末還元麦芽糖水飴、微結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル、微粒二酸化ケイ素を混合し、打錠した錠剤を使用した。比較例1には、外観で実施例との区別がつかないようにするため、実施例中の松樹皮抽出物をカラメル色素に置き換えたものを使用した。実施例1及び比較例1ともに1日摂取目安量(0.25g×2粒)を無地アルミ個包装し、被験者及び介入実施者への盲検性を確保した。試験食品の1日摂取目安量あたりの熱量及び栄養成分の分析結果を表1に示す。
PB1及びPB3量を以下の方法により測定した。松樹皮抽出物の重量を精密に測り、10%エタノールを加えてメスアップし、口径0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試験溶液を得た。下記の条件でHPLCに供し、PB1、PB3の定量を行った。松樹皮抽出物に含まれるPB1及びPB3を測定し、実施例1(0.25g×2粒中;1日摂取目安量)に含まれるPB1及びPB3を算定した。実施例1に含まれるPB1は1.7mgであり、PB3は0.7mgであり、PB1とPB3の合計は2.4mgであった。PB1に対するPB3の比率は、0.41であった。
(HPLC条件)
・分析カラム:L-Column ODS 3μm、4.6×250mm(一般財団法人化学物質評価研究機構製)
・カラム温度:40℃
・注入量 :10μL
・流速 :1.0ml/min
・測定波長 :280nm
・移動相 :(A液)0.1M酢酸水溶液
(B液)0.1M酢酸アセトニトリル溶液
・グラジエントプログラム:表2参照
血流依存性血管拡張機能は、超音波検査機器を用いたFMD(flow-mediated dilation)により有効性評価をした。具体的には上腕部の安静時動脈血管径を計測した後、前腕部をカフで5分間圧迫し、駆血解放後の最大動脈血管径を計測した。FMD値は最大動脈血管径と安静時動脈血管径の差を、安静時動脈血管径で除し、百分率で算出した。結果を表3に示す。
本試験では、酸化ストレス下での活性酸素種(ROS)産生量について評価した。酸化ストレスによって増加したROSはNOを酸化し、酸化されたNOは生理活性を低下させる。酸化ストレス下でのROS産生量の抑制は、NOの酸化による生理活性の低下を防ぎ、NO利用能の改善につながるため、血管内皮機能改善、血管柔軟性向上、血流依存性血管拡張機能改善が期待できる。以上より、酸化ストレス下でのROS産生量を評価することで、血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用及び、血流依存性血管拡張改善作用の評価ができる。
PB1及びPB3の量が表4の割合となるように、熱水で抽出されたフランス海岸松の松樹皮抽出物をDMSOで溶解し、添加濃度でDMSOが0.5%になるようにEndothelial Cell Growth Medium 2(EGM-2)培地(LONZA製)で希釈することで、実施例及び比較例の被験物質を調製した。なお、PB1及びPB3の量は、「試験1(3)PB1及びPB3含有量の分析」に記載される方法と同様の方法で測定した。
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をコラーゲンコートされた96ウェルのブラックプレート(ROS産生量測定用)とクリアプレート(細胞増殖試験用)に8.0×103cells/wellとなるように播種し、37℃、5%CO2インキュベーター内で、24時間培養した。培地を除去後、被験物質含有培地を100μL/well添加し、37℃、5%CO2インキュベーター内で22時間培養した。その後、過酸化水素(ナカライテスク製)を終濃度が100μMとなるように添加することで、酸化ストレスを与えた。その後、37℃、5%CO2インキュベーター内で、2時間培養した後に、ROS産生量の測定と細胞増殖試験を行った。
ブラックプレート(ROS産生量測定用)に関して、培地を除去後、無血清DMEM培地で2回洗浄し、10μMのDCFH-DA試薬を50μL/well 添加し、37℃、5%CO2インキュベーター内で30分間培養した。培地を除去後、無血清DMEM培地で2回洗浄し、PBSを200μl/well添加した。485nmで励起したときの530nmにおける蛍光強度をプレートリーダー(Molecular Devices製)測定し、ROS産生量を算出した。
クリアプレート(細胞増殖試験用)に関して、培地を除去後、無血清DMEM培地で2回洗浄し、Cell counting kit-8溶液を150μL/well添加した。インキュベーター内で適度に発色させ、450nmにおける吸光度をプレートリーダー(Molecular Devices製)で測定した。
ROS産生量を細胞増殖率で割り戻すことで、細胞数当たりのROS産生量を算出し、酸化ストレスを与え、被験物質を投与しなかった群(比較例2)の細胞数当たりのROS産生量を100とした場合の、相対的なROS産生量を算出した。結果を図1に示す。
本試験では、NO合成酵素遺伝子発現量について評価した。血管内皮でNO合成酵素(eNOS)によりNOが産生し、拡散されて血管平滑筋に届くと、筋肉が弛緩されて血管が拡張する。NO合成酵素遺伝子発現量が増加すると、NO合成酵素量が増加し、NO産生量が増加するため、血管内皮機能改善、血管柔軟性向上、血流依存性血管拡張機能改善が期待できる。以上より、NO合成酵素遺伝子発現量を評価することで、血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用及び、血流依存性血管拡張改善作用の評価ができる。
PB1及びPB3の量が表5の割合となるように、熱水で抽出されたフランス海岸松の松樹皮抽出物をDMSOで溶解し、添加濃度でDMSOが0.5%になるようにEndothelial Cell Growth Medium 2(EGM-2)培地(LONZA製)で希釈することで、実施例及び比較例の被験物質を調製した。なお、PB1及びPB3の量は、「試験1(3)PB1及びPB3含有量の分析」に記載される方法と同様の方法で測定した。
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)をコラーゲンコートされた24ウェルのプレートに5.0×104cells/wellとなるように播種し、37℃、5%CO2インキュベーター内で24時間培養した。培地を除去後、被験物質含有培地を500μL/well添加し、37℃、5%CO2インキュベーター内で24時間培養した。
培地を除去後、PBSで2回洗浄した。RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(登録商標) qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(TOYOBO製)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型として、eNOS遺伝子のプライマー(TAKARA製)を用いて、Rotor-Gene SYBR Green PCR Kit(QIAGEN製)により定量リアルタイムPCRを行い、eNOS遺伝子のmRNA発現量を測定した。内在性コントロールとして、βActinのプライマー(QIAGEN製)を用いて、βActinのmRNA発現量を測定した。
被験物質を投与しなかった群(比較例4)の発現量を1とした場合の、NO合成酵素遺伝子発現量の相対値を算出した。結果を図2に示す。
健康食品(錠剤)
松樹皮抽出物 30g
(PB1とPB3を合計して、5質量%含む。PB1:PB3=1:0.6)
結晶セルロース 10g
ショ糖脂肪酸エステル 5g
二酸化ケイ素 2g
還元麦芽糖 53g
を混合・撹拌して均一に調整し、打錠し、1錠250mgである錠剤を製造した。得られた錠剤を1日2回、1回当たり2粒摂取することで、優れた血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用が得られる。
健康食品(カプセル剤)
松樹皮抽出物 3mg
(PB1とPB3を合計して、80質量%含む。PB1:PB3=1:0.76)
ココナッツミルク末 60mg
イソマルトオリゴ糖 60mg
麦芽糖 60mg
二酸化ケイ素 10mg
ナイアシン 1mg
マグネシウム 1mg
を混合・撹拌して均一に調整し、ハードカプセルに封入し、カプセル剤を製造した。得られたカプセル剤を1日1回、1回当たり1粒摂取することで、優れた血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用が得られる。
健康食品(顆粒剤)
松樹皮抽出物 5g
(PB1とPB3を合計して、8質量%含む。PB1:PB3=1:1.40)
大麦若葉末 50g
フラクトオリゴ糖 10g
イソマルトオリゴ糖 10g
還元麦芽糖 30g
ショ糖脂肪酸エステル 3g
二酸化ケイ素 2g
を混合・撹拌して均一に調整し、顆粒剤を製造した。得られた顆粒剤2gを100gの水に溶解し、1日1回摂取することで、優れた血管内皮機能改善作用、血管柔軟性向上作用、及び血流依存性血管拡張機能改善作用が得られる。
Claims (7)
- プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
- プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
- プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
- プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であり、プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の合計摂取量が1日当たり2~10mgであることを特徴とする血流依存性血管拡張機能改善用組成物。
- プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であり、プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の合計摂取量が1日当たり2~10mgであることを特徴とする血管内皮機能改善用組成物。
- プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を含有するフランス海岸松樹皮熱水抽出物を含有し、前記プロシアニジンB1及びプロシアニジンB3を有効成分とすることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物であって、プロシアニジンB1に対するプロシアニジンB3の比率が0.36以上1.73以下であり、プロシアニジンB1とプロシアニジンB3の合計摂取量が1日当たり2~10mgであることを特徴とする血管柔軟性向上用組成物。
- 錠状であることを特徴とする請求項1~6に記載の組成物。
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