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JP7277632B2 - ヒドロキシアルキル修飾デンプンを使用するプロセス - Google Patents

ヒドロキシアルキル修飾デンプンを使用するプロセス Download PDF

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JP7277632B2 JP2022032619A JP2022032619A JP7277632B2 JP 7277632 B2 JP7277632 B2 JP 7277632B2 JP 2022032619 A JP2022032619 A JP 2022032619A JP 2022032619 A JP2022032619 A JP 2022032619A JP 7277632 B2 JP7277632 B2 JP 7277632B2
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Description

本発明は、第1及び第2の組成物を含む一様でない組成物を調製するためのキットであって、第1の組成物が、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含む、キットに関する。また、本発明は、第1及び第2の組成物を含む一様でない組成物を調製するための方法にも関する。
DIY(Do It Yourself)動向が美容業界でもブームになり、多くの製品が過去数年間に発売された。その一方で、多くの消費者は、健康的で清潔、且つ安全な化粧料に向いている。そのため、いわゆる「自然化粧品」の動向は、DIYと、健康的で清潔且つ安全な化粧品とが交差する点で多くの可能性をもたらす。自ら行う化粧品の調製は、消費者に、化粧品の健康上の利益、清潔さ、及び安全性についてより大きな確信を与える。
消費者には、食用であるように見える化粧品を調製することが必要とされている。例えば、一部の消費者は、スムージーと同様に、一様でない、不均一である又は不均質である外観を有する化粧品を自ら調製することを望んでいる。スムージー様の様相は、気泡、粒子、小型凝集体、又はそれらのいずれかの組合せの存在によって説明することができる。スムージー様の様相は、健康的、清潔且つ安全な化粧品の概念を更に強化し得るが、その理由は、スムージーが、一般的な文化において、解毒、水和、活力増加等の多様な利益を有する健康飲料であることが周知であるためである。
米国特許第4,465,702号 米国特許第5,037,929号 米国特許第5,131,953号 米国特許第5,149,799号 米国特許第3,137,592号 欧州特許第0 542 669号 欧州特許第0 787 730号 欧州特許第0 787 731号 国際公開第96/08537号 米国特許第2,528,378号 米国特許第2,781,354号 米国特許第4,874,554号 米国特許第4,137,180号 US-A-5364633 US-A-5411744
Chapter XXII-「Production and Use of Pregelatinized Starch」、Starch: Chemistry and Technology, Vol. III-Industrial Aspects、R. L. Whistler及びE. F. Paschall、Editors, Acadmic Press、New York 1967 CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook、第15版、2014年 CTFA辞典、第3版、1982年 CTFA辞典、第5版、1993年 「Handbook of Surfactants」M.R.Porter著、Blackie & Son出版社(Glasgow及びLondon)、1991年、116~178頁
本発明の目的は、化粧料として有用である一様でない(すなわち、不均一な又は不均質な)組成物を消費者ら自身によって調製するための手段又はプロセスを提供することである。
上記の目的は、
第1の組成物を含む第1の容器と、
第2の組成物を含む第2の容器と
を含むキットであって、
第1の組成物が、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物が、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含み、
第1の組成物及び第2の組成物が、混合されることによって不均一な組成物を生成可能なキットによって達成され得る。
本発明によるキット中のヒドロキシアルキル修飾デンプンを、アルファ化してもよい。
本発明によるキット中のヒドロキシアルキル修飾デンプンは、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシエチルデンプンリン酸、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
本発明によるキットの第1の組成物は、粉末の形態とすることができる。
本発明によるキットの第1の組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの量は、組成物の総質量に対して0.01質量%から100質量%、好ましくは50質量%から99質量%、より好ましくは80質量%から90質量%であってもよい。
本発明によるキットの第2の組成物中の生理的に許容される媒体の量は、組成物の総質量に対して30質量%から100質量%、好ましくは50質量%から99質量%、より好ましくは70質量%から90質量%であってもよい。
本発明によるキットの第2の組成物は、25℃、大気圧下で液体の形態とすることができる。
また、本発明は、不均一な組成物を調製するための本発明によるキットの使用にも関し得る。
上記の目的は、
第1の組成物と第2の組成物とを混合して、不均一な組成物を調製する工程を含む、不均一な組成物の調製方法であって、
第1の組成物が、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物が、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む、方法によっても達成され得る。
本発明による方法において使用されるヒドロキシアルキル修飾デンプンは、アルファ化されていてもよい。
本発明による方法において使用されるヒドロキシアルキル修飾デンプンは、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシエチルデンプンリン酸、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
本発明による方法において使用される第1の組成物は、粉末の形態とすることができる。
本発明による方法において使用される第1の組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの量は、組成物の総質量に対して0.01質量%から100質量%、好ましくは50質量%から99質量%、より好ましくは80質量%から90質量%であってもよい。
本発明による方法において使用される第2の組成物中の生理的に許容される媒体の量は、組成物の総質量に対して30質量%から100質量%、好ましくは50質量%から99質量%、より好ましくは70質量%から90質量%であってもよい。
本発明による方法において使用される第2の組成物は、25℃、大気圧下で液体の形態とすることができる。
また、本発明は、
第1の組成物と第2の組成物とを混合して、不均一な組成物を調製する工程と、
不均一な組成物を、ケラチン物質上に適用する工程と
を含む、美容方法であって、
第1の組成物が、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物が、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む、方法にも関する。
鋭意検討の結果、本発明者らは、ヒドロキシアルキル修飾デンプン(ヒドロキシアルキル化デンプン)を使用することによって、パーソナルケア製品又は化粧料として有用である一様でない(すなわち、不均一な又は不均質な)組成物を消費者ら自身によって調製するための手段又は方法を提供できることを見出した。
そのため、本発明によるキットは、
第1の組成物を含む第1の容器と、
第2の組成物を含む第2の容器と
を含み、
第1の組成物は、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物は、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含み、
第1の組成物及び第2の組成物は、混合されることによって不均一な組成物を生成することができる。
また、不均一な組成物を調製する上で用いられる、本発明の方法は、
第1の組成物と第2の組成物とを混合して、不均一な組成物を調製する工程
を含み、
第1の組成物は、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物は、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む。
以下では、本発明を詳細に説明する。
[キット]
本発明の実施形態のうちの1つは、キットである。
本発明によるキットは、
第1の組成物を含む第1の容器と、
第2の組成物を含む第2の容器と
を含み、
第1の組成物は、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物は、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含み、
第1の組成物及び第2の組成物は、混合されることによって不均一な組成物を生成することができる。
当業者は、従来の包装技術に基づいて、本発明によるキットを調製することができる。本発明によるキットは、少なくとも第1及び第2の容器を含み、各容器は、それぞれ、第1及び第2の組成物を別個に含む。
第1及び第2の容器は、第1及び第2の組成物を第1及び第2の容器から分注する又は排出するための出口を有してよい。
キットは、第1及び第2の容器から、それぞれ、第1及び第2の組成物を除去することができる、ポンプ等の分注又は排出手段を備えてもよい。
必要に応じて、第1の容器及び/又は第2の容器は、少なくとも1種の噴射剤を含んでもよい。噴射剤は、第1及び/又は第2の容器から第1及び/又は第2の組成物へ圧力を加えることができ、第1及び/又は第2の組成物を分注又は排出しやすくすることができる。
噴射剤は、液化ガス、例えば、ジメチルエーテル(DME);少なくとも1種の塩素化及び/又はフッ素化炭化水素を任意選択で有する、n-ブタン、プロパン、イソブタン、及びこれらの混合物等の揮発性炭化水素、例えば、Dupont de Nemours社によりFreon(登録商標)及びDymel(登録商標)の商品名で販売されている化合物、具体的には、特に商品名DYMEL 152AでDUPONT社により販売されているモノフルオロトリクロロメタン、ジフルオロジクロロメタン、テトラフルオロジクロロエタン、及び1,1-ジフルオロエタンから選択してもよい。噴射剤は、二酸化炭素、亜酸化窒素、窒素及び/又は空気等の圧縮ガスであってもよい。
噴射剤は、第1又は第2の組成物に接触してもしなくてもよい。噴射剤が、第1又は第2の組成物に接触しない場合、第1又は第2の組成物をフィルム又はシートで噴射剤から単離することが可能である。例えば、第1又は第2の組成物は、第1又は第2の容器中に位置する軟質袋の中に含まれ得るが、一方で、噴射剤は、軟質袋と第1又は第2の容器との間に含まれ得る。
第1及び第2の容器から分注又は排出された第1の組成物及び第2の組成物を混合して、一様でない組成物が調製される。
第1の組成物と第2の組成物との間の混合比は、限定されない。例えば、混合される第1の組成物:第2の組成物の質量比は、0.1:99.9から99.9:0.1まで変動し得る。混合される第1の組成物:第2の組成物の質量比は、1:99から50:50、より好ましくは3:97から40:60、更により好ましくは5:95から30:70であることが好ましいことがある。
本発明によるキットは、静的ミキサー等のミキサーを少なくとも1つ含むことが好ましいことがある。ミキサーによって、第1及び第2の組成物を効果的に混合することができる。しかしながら、たとえ本発明によるキットがミキサーを含まなくても、キットの使用者は、例えば手で、第1及び第2の容器からそれぞれ排出又は分注された第1及び第2の組成物を混合して、一様でない(すなわち、不均一又は不均質な)組成物を調製することができる。或いは、使用者は、シェーカーを使用して第1及び第2の組成物を混合することができる。キットの使用者は、第1の容器から第1の組成物を、第2の組成物を含む第2の容器に移し、次いで振とうし、一様でない組成物を調製することができる。また、キットの使用者は、第2の容器から第2の組成物を、第1の組成物を含む第1の容器に移し、次いで振とうし、一様でない組成物を調製することができる。混合は、空気の存在下で実施することが好ましい。
一様でない(すなわち、不均一又は不均質な)組成物は、気泡、粒子、小型凝集体、又はそれらのいずれかの組合せの存在によって特徴付けられ得る。一様でない組成物の外観は、いわゆるスムージーのそれと同様であってもよい。
一様でない組成物は、少なくとも2mmから5mmのサイズを有する気泡を含み得る。また、気泡のサイズは、2mm未満、又は場合によっては最大5mmまであってもよい。存在する場合、泡は、幾つかの部分は他の部分より多くの泡を有し得るような不均質な分布を有する完全な塊で存在する。
一様でない組成物は、少なくとも1mmから2mmのサイズを有する粒子を含み得る。粒子のサイズは、1mm未満、又は場合によっては最大2mmまであってもよい。存在する場合、粒子は、均質な分布を有する完全な塊で存在し、スムージーやスラッシードリンクに近い霜のような外観を与える。
一様でない組成物は、少なくとも2mmから5mmのサイズを有する凝集体を含み得る。凝集体のサイズは、2mm未満、又は場合によっては最大5mmまであってもよい。存在する場合、凝集体は、幾つかの部分は他の部分より多くの凝集体を有し得るような不均質な分布を有する完全な塊で存在する。
(第1の組成物)
第1の組成物は、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含む。単一の種類のヒドロキシアルキル修飾デンプンを使用してもよいが、2つ以上の異なる種類のヒドロキシアルキル修飾デンプンを組み合わせて使用してもよい。
ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、粉末の形態であってもよい。言い換えると、ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、粒子の形態であってもよい。この場合、ヒドロキシアルキル修飾デンプンの粒径は限定されない。
ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、ベースデンプン(base starch)をベースとする。ベースデンプンは、本明細書において、いずれも本明細書における使用に適し得る、任意の天然源に由来するすべてのデンプンを含むことが意図される。天然デンプンは、本明細書において、自然界で見られるものである。更に好適なのは、交雑育種、転位、転置、形質転換を含めた標準的な育種技法、又はそれらの変形を含ませるための遺伝子工学又は染色体工学の任意の他の方法によって得られる植物由来のデンプンである。加えて、公知の標準的な方法である突然変異育種法によって生成され得る上記包括的なデンプンの人工的な突然変異及び変異から育成された植物に由来するデンプンもまた、本明細書において好適である。
典型的なデンプン源は、穀草、塊茎、根、さや及び実である。天然源は、トウモロコシ(メイズ)、エンドウ、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、オオムギ、小麦、コメ、オート麦、サゴ、アマランス、タピオカ(キャッサバ)、クズウコン、カンナ、及びモロコシのワックス状変種、並びにそれらの低アミロース及び高アミロースの変種とすることができる。本明細書において、用語「低アミロース」デンプンは、約10質量%以下、特に5質量%以下、より具体的には2質量%以下のアミロースを含有するデンプンを含むことが意図される。本明細書において、用語「高アミロース」デンプンは、少なくとも約50質量%、特に少なくとも約70質量%、より具体的には少なくとも約80質量%のアミロースを含有するデンプンを含むことが意図される。高アミロースデンプンが好ましいことがある。
ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、アルファ化されていてもよい。アルファ化及びアルファ化を達成するための技術は、当技術分野において公知であり、例えば米国特許第4,465,702号、同第5,037,929号、同第5,131,953号、及び同第5,149,799号で開示されている。また、Chapter XXII-「Production and Use of Pregelatinized Starch」、Starch: Chemistry and Technology, Vol. III-Industrial Aspects、R. L. Whistler及びE. F. Paschall、Editors, Acadmic Press、New York 1967も参照されたい。用語アルファ化は、偏光中に複屈折及び/又はマルタ十字が損失した、膨化デンプン粒子を意味することが意図される。このようなアルファ化デンプン誘導体は、加熱調理せずに冷水中に実質的に可溶性である。この関連では、「可溶性」は、必ずしも真の分子溶液の形成を意味するものではなく、コロイド状分散体も意味し得る。一実施形態において、デンプンは完全にアルファ化されている。
アルファ化ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、冷水中でも容易且つ迅速に溶解できる。
アルファ化は、非限定的に、ドラム乾燥、押出及び噴霧乾燥を含めた方法によって達成することができる。一実施形態において、デンプンの加熱調理及び乾燥を同時に行うために押出法を利用する(例えば、米国特許第3,137,592号を参照されたい)。この方法は、デンプンのゼラチン化をもたらす高温高圧下でデンプン/水の混合物を物理的処理、次いで、ノズルを出た後の、突然の水の蒸発を伴う膨張を利用する。
一実施形態において、アルファ化を完了させて、良好な溶解性を得て、組成物に不快な砂質の感触をもたらし得る溶解されていない粒子を除去する。
一実施形態において、デンプンは、自然のままのデンプン粒が大部分を占めている。大部分が自然のままの粒状構造を有するアルファ化デンプン誘導体の水性分散体は、典型的には、若干ざらついた感触を有し得る、粒状構造を有さないデンプンの水性分散体より一様で滑らかな質感を有する。自然のままの粒状構造を有するアルファ化デンプンの場合、水素結合の天然内部構造は破壊されるが、外形又は形態は維持される。
ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、架橋されていてもよい。デンプン鎖の架橋は、好適な架橋剤、すなわち、二官能性化合物によって達成することができる。一実施形態において、用いた架橋法は、リン酸化反応であり、該リン酸化反応において、デンプンをオキシ塩化リン、五酸化リン、及び/又はトリメタリン酸ナトリウムと反応させる。アニオン性P-O基によって2つのデンプン鎖が架橋される。架橋部位のアニオン性の特性は、本発明に従って使用されるデンプンのエマルション安定化作用を助ける。別の実施形態では、架橋法は、アジピン酸によって例示される、非限定的にC4~C8アルカンジカルボン酸を含めたC4~C18アルカン又はアルケンジカルボン酸を用いる。アルカン又はアルケンジカルボン酸は、エステル結合によって2つのデンプン鎖を連結する。これは、直鎖であっても分枝鎖の形態であってもよい。誘導体は、例えば、デンプンをジカルボン酸及び酢酸の混合無水物と反応させることによって得ることができる。一実施形態において、乾燥デンプンに基づいて0.1質量%未満の架橋剤が使用される。別の実施形態において、乾燥デンプンに基づいて約0.06から0.1質量%の架橋剤が使用される。
ヒドロキシアルキル修飾デンプンのアルキル部分は、2から6個の炭素原子、好ましくは3から5個の炭素原子、より好ましくは3又は4個の炭素原子を有し得る。
アルキル基中の2から6個の炭素原子等のアルキル基を介してデンプン主鎖に結合する、ヒドロキシル基の位置は重要ではなく、アルファからオメガ位であってもよい。好適な一実施形態では、ヒドロキシアルキル化の置換度は、約0.08から0.3である。置換度は、無水グルコース単位当たりのデンプン分子の置換OH基の平均数である。非限定的に、デンプンとプロピレンオキシドとの反応によるヒドロキシプロピル化のように、デンプンのヒドロキシアルキル化は、天然デンプンを、適当な数の炭素原子を有するアルキレンオキシドと反応させることによってもたらすことができる。また、本発明に従って使用されるデンプンは、アルキル基当たり複数のヒドロキシル基を含有することもできる。
本発明において使用されるヒドロキシアルキル修飾デンプンは、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシエチルデンプンリン酸、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、及びそれらの混合物からなる群から選択してもよい。
ヒドロキシアルキル修飾デンプンを調製するために使用される方法は、いずれの順序で行ってもよい。しかしながら、当業者は、特定の順序の利点を理解していると考えられる。例えば、ヒドロキシプロピル化は、典型的には、オキシ塩化リンを用いて、デンプンが架橋される場合、架橋の前に行われると考えられるが、その理由は、典型的なヒドロキシプロピル化のプロセスが、達成された架橋の一部を破壊すると考えられるためである。
本発明において使用されることが好ましいヒドロキシアルキル修飾デンプンの例として、以下を挙げることができる。
Akzo Nobel社によりStructure ZEA及びXLとして市販されている、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸(アルファ化されたコーンスターチ)、並びに
Akzo Nobel社によりAMAZEとして市販されている、修飾された(ヒドロキシプロピル化、アルファ化、高アミロース)コーンスターチ。
いかなる理論にも束縛されるものではないが、第1の組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの使用は、第1の組成物と、後に説明する第2の組成物とを混合することによって、一様でない最終組成物を生成する上で重要であると考えられるが、その理由は、第1及び第2の組成物を混合すると、ヒドロキシアルキル修飾デンプンが、最終組成物に空気を取り入れると考えられ、それが気泡等の形成を促進し、最終組成物をスムージーに類似した一様でない外観にすることができるためである。
本発明において使用される第1の組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更により好ましくは90質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明において使用される第1の組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの量は、組成物の総質量に対して100質量%以下、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更により好ましくは90質量%以下であってもよい。
本発明において使用される第1の組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの量は、組成物の総質量に対して0.01質量%から100質量%、好ましくは50質量%から99質量%、より好ましくは80質量%から90質量%の範囲であってもよい。
第1の組成物は、粉末の形態であることが好ましい。
例えば、ヒドロキシアルキル修飾デンプンが、粉末の形態であるとして、第1の組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの量が、組成物の総質量に対して100質量%である場合(すなわち、第1の組成物が、ヒドロキシアルキル修飾デンプンからなる場合)、第1の組成物は、必然的に粉末の形態である。
第1の組成物は、好ましくは粉末の形態のいずれかの任意選択の成分を含んでいてもよい。
粉末の形態の任意選択の成分は、フィラー及び顔料から選択することができる。
用語「フィラー」は、化粧用組成物の媒体中で不溶性であり且つ分散している形態にある、任意の形状の無色又は白色の固体粒子を意味すると理解されるべきである。無機性又は有機性のこれらの粒子は、化粧用組成物に量感又は剛性を付与し、且つ/又はメイクアップに柔らかさ及び均一性を付与することができる。
本発明による化粧用組成物中で使用されるフィラーは、ラメラ状、球形若しくは真球状の形態、繊維の形態、又はこれらの規定された形態の間の任意の他の中間形態にあってもよい。
本発明によるフィラーは、表面被覆されていてもされていなくてもよく、特に、それらは、シリコーン、アミノ酸、フルオロ誘導体、又は化粧用組成物中でのフィラーの分散性及び相溶性を促進させる任意の他の物質で表面処理されていてもよい。
挙げることができる無機フィラーの例には、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、ガラス又はセラミックマイクロカプセルが含まれる。
挙げることができる有機フィラーの例には、ポリエチレン粉末又はポリメチルメタクリレート粉末、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))粉末、ラウロイルリジン、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンコポリマー粉末(東色ピグメント株式会社からのPlastic Powder)、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えばGE東芝シリコーン株式会社からのTospearl)、天然又は合成微粉化ワックス、8~22個の炭素原子、好ましくは12~18個の炭素原子を含有する有機カルボン酸に由来する金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛又はミリスチン酸マグネシウム、及びポリウレタン粉末、特にトリメチロールヘキシルラクトンを含むコポリマーを含む架橋ポリウレタン粉末が含まれる。それは、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンポリマーであってもよい。そのような粒子は、とりわけ、例えば、東色ピグメント株式会社によりPlastic Powder D-400(登録商標)又はPlastic Powder D-800(登録商標)という名称で市販されているもの、及びそれらの混合物である。
本発明において使用される第1の組成物中のフィラーの量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.05質量%から10質量%、より好ましくは0.1質量%から5質量%であってもよい。
用語「顔料」は、白色又は有色の、無機性又は有機性の粒子を意味すると理解されるべきであり、これは水溶液に不溶性で、得られた膜を着色する且つ/又は不透明にするように意図されている。
本発明において使用することができる無機顔料として、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、更には酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー及びクロム水和物を挙げることができる。本発明の特定の一態様によれば、無機顔料は、酸化鉄及び酸化チタン、並びにそれらの混合物から選択されることになる。
また、それは、例えばセリサイト/褐色酸化鉄/二酸化チタン/シリカタイプであってもよい構造を有する顔料でもあってもよい。そのような顔料は、例えば、Chemicals and Catalysts社によりCoverleaf NS又はJSの参照名で販売されており、30の領域にコントラスト比を有する。
顔料は、例えば酸化鉄を含有するシリカミクロスフェア等のタイプであってもよい構造を有し得る。この構造を有する顔料の例は、三好化成株式会社から参照名PC Ball PC-LL-100 Pで販売されている製品であり、この顔料は、黄色の酸化鉄を含有するシリカミクロスフェアから構成されている。
本発明において使用できる有機顔料の中で、カーボンブラック、D&C型顔料、コチニールカルミンベース又はバリウム、ストロンチウム、カルシウム若しくはアルミニウムベースのレーキ、或いは文献欧州特許第0 542 669号、欧州特許第0 787 730号、欧州特許第0 787 731号及び国際公開第96/08537号に記載のジケトピロロピロール(DPP)を挙げることができる。
本発明において使用される第1の組成物中の顔料の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.05質量%から10質量%、より好ましくは0.1質量%から5質量%であってもよい。
一実施形態では、粉末の形態の任意選択の成分は、粉状美容有効成分から選択することができる。粉状美容有効成分は、デオドラント剤及び制汗剤から選択することができる。
デオドラント剤は、抗菌剤、キレート剤、臭気吸収剤、臭気化合物の形成の原因である酵素反応を妨げる物質、及びそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましいことがある。
制汗剤の例として、アルミニウム塩及びジルコニウム塩、並びに他の無機材料、例えばシリカ系無機材料を挙げることができる。
本発明による第1の組成物中の粉状美容有効成分の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~10質量%、好ましくは0.005質量%~5質量%、より好ましくは0.01質量%~1質量%であってもよい。
本発明の実施形態では、粉末の形態の任意選択の成分は、平均粒径が約10nmから約100nmの範囲のナノ粒子であってもよい。別の実施形態では、ナノ粒子は、約10nm~20nmから約100nm~200nmの範囲、別の実施形態では、約200nmから最大約1ミクロンのサイズを有していてもよい。本明細書に記載の範囲を含む実施形態では、記載される各下限値及び各上限値は、様々な下限値及び上限値の組合せを含むと理解すべきである。
別の実施形態では、粉末の形態の任意選択の成分は、平均粒径が約1ミクロン超から最大約500ミクロンまでの範囲の微粒子であってもよい。別の実施形態では、微粒子は、約10ミクロンから約500ミクロン、更に別の実施形態では、約100から約500ミクロンの範囲のサイズを有する。更に別の実施形態では、微粒子は、約1ミクロン超から約100ミクロン、別の実施形態では、約1ミクロン超から最大約10ミクロンまで、更に別の実施形態では、約10から約100ミクロンの範囲のサイズを有する。
本発明において使用される第1の組成物中の粉末の形態の任意選択の成分の量は、存在する場合、組成物の総質量に対して0.01質量%から20質量%、好ましくは0.5質量%から15質量%、より好ましくは1質量%から10質量%であってもよい。
第1の組成物は、粉末の形態でない可能性がある他のいずれかの任意選択の成分を含んでいてもよい。
他の任意選択の成分は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性ポリマー;アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性界面活性剤;親水性又は疎水性増粘剤;無機又は有機UV遮蔽剤;ペプチド及びその誘導体;タンパク質加水分解物;膨潤剤及び浸透剤;脱毛に有効な作用剤;ふけ防止剤;懸濁剤;金属イオン封鎖剤;乳白剤;染料;ビタミン又はプロビタミン;香料;保存剤、安定剤;並びにそれらの混合物からなる群から選択されてよい。
本発明において使用される第1の組成物は、上述の必須成分及び任意選択の成分を、従来の方法で混合することによって調製することができる。
(第2の組成物)
本発明において使用される第2の組成物は、油、水、及びこれらの混合物(組合せ)からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む。
用語「生理的に許容される」媒体は、第2の組成物又は第1及び第2の組成物を混合することによって調製される本発明による一様でない組成物を適用するのに特に適した媒体を意味することが意図される。
第2の組成物が、少なくとも1種の油を含む場合、単一の種類の油を使用してもよいが、2つ以上の異なる種類の油を組み合わせて使用してもよい。
本明細書において、「油」とは、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で、典型的には、液体又はペーストの形態である、脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。油として、化粧品に一般に使用されるものを、単独で又は組み合わせて使用することができる。これらの油は揮発性でも不揮発性でもよい。
油は、非極性油、例えば炭化水素油、シリコーン油等;極性油、例えば植物若しくは動物油及びエステル油若しくはエーテル油;又はそれらの混合物であってもよい。
油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油及び脂肪アルコールからなる群から選択することができる。
植物油の例として、例えば、亜麻仁油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、紅花油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、菜種油、ゴマ油、大豆油、ピーナッツ油、及びこれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、アルカン油、例えばイソドデカン及びイソヘキサデカン、エステル油、エーテル油、及び人工トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1~C26脂肪族モノアルコール又はポリアルコールとの液体エステルであり、エステルの炭素原子の総数は、10以上である。
好ましくは、モノアルコールのエステルについて、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸のうちの少なくとも1つは分枝状である。
一酸及びモノアルコールのモノエステルの中で、エチルパルミテート、エチルヘキシルパルミテート、イソプロピルパルミテート、ジカプリリルカーボネート、アルキルミリステート、例えばイソプロピルミリステート又はエチルミリステート、イソセチルステアレート、2-エチルヘキシルイソノナノエート、イソノニルイソノナノエート、イソデシルネオペンタノエート及びイソステアリルネオペンタノエートを挙げることができる。
C4~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸及びC1~C22アルコールのエステル、並びにモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸及び非糖C4~C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールのエステルを使用することもできる。
特に、ジエチルセバケート、イソプロピルラウロイルサルコシネート、ジイソプロピルセバケート、ビス(2-エチルヘキシル)セバケート、ジイソプロピルアジペート、ジ-n-プロピルアジペート、ジオクチルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)アジペート、ジイソステアリルアジペート、ビス(2-エチルヘキシル)マレエート、トリイソプロピルシトレート、トリイソセチルシトレート、トリイソステアリルシトレート、グリセリルトリラクテート、グリセリルトリオクタノエート、トリオクチルドデシルシトレート、トリオレイルシトレート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、ジエチレングリコールジイソノナノエートを挙げることができる。
エステル油としては、C6~C30、好ましくはC12~C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを使用することができる。用語「糖」は、いくつかのアルコール官能基を含み、アルデヒド官能基又はケトン官能基を含むか又は含まず、少なくとも4個の炭素原子を含む酸素含有炭化水素系化合物を意味することが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってもよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにこれらの誘導体、特にメチル誘導体等のアルキル誘導体、例えばメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、前述の糖と直鎖状若しくは分枝状、飽和若しくは不飽和C6~C30、好ましくはC12~C22の脂肪酸とのエステル又はエステルの混合物を含む群から特に選ぶことができる。これらの化合物は、不飽和である場合、1個から3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を有していてもよい。
この変形形態によるエステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル及びポリエステル、並びにこれらの混合物からも選択することができる。
これらのエステルは、例えば、オレエート、ラウレート、パルミテート、ミリステート、ベヘネート、ココエート、ステアレート、リノレエート、リノレネート、カプレート及びアラキドネート、又はこれらの混合物、例えば、特にオレオパルミテート、オレオステアレート、及びパルミトステアレート混合エステル、並びにペンタエリスリチルテトラエチルヘキサノエートであってもよい。
より具体的には、モノエステル及びジエステル、特にスクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノオレエート又はジオレエート、ステアレート、ベヘネート、オレオパルミテート、リノレエート、リノレネート及びオレオステアレートが使用される。
挙げることができる例には、Amerchol社によりGlucate(登録商標)DOという名称で販売されている製品があり、これはメチルグルコースジオレエートである。
好ましいエステル油の例として、例えば、ジイソプロピルアジペート、ジオクチルアジペート、2-エチルヘキシルヘキサノエート、エチルラウレート、セチルオクタノエート、オクチルドデシルオクタノエート、イソデシルネオペンタノエート、ミリスチルプロピオネート、2-エチルヘキシル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルオクタノエート、2-エチルヘキシルカプリレート/カプレート、メチルパルミテート、エチルパルミテート、イソプロピルパルミテート、ジカプリリルカーボネート、イソプロピルラウロイルサルコシネート、イソノニルイソノナノエート、エチルヘキシルパルミテート、イソヘキシルラウレート、ヘキシルラウレート、イソセチルステアレート、イソプロピルイソステアレート、イソプロピルミリステート、イソデシルオレエート、グリセリルトリ(2-エチルヘキサノエート)、ペンタエリスリチルテトラ(2-エチルヘキサノエート)、2-エチルヘキシルスクシネート、ジエチルセバケート、及びこれらの混合物を挙げることができる。
人工トリグリセリドの例として、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、グリセリルトリミリステート、グリセリルトリパルミテート、グリセリルトリリノレネート、グリセリルトリラウレート、グリセリルトリカプレート、グリセリルトリカプリレート、グリセリルトリ(カプレート/カプリレート)、及びグリセリルトリ(カプレート/カプリレート/リノレネート)を挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えば、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーン油は、液体ポリジアルキルシロキサン、特に液体ポリジメチルシロキサン(PDMS)、及び少なくとも1個のアリール基を含む液体ポリオルガノシロキサンから選ばれる。
これらのシリコーン油は、有機修飾されていてもよい。本発明により使用できる有機修飾シリコーンは、上に定義しているシリコーン油であり、それらの構造中に、炭化水素系基を介して結合されている1個又は複数の有機官能基を含むシリコーン油である。
オルガノポリシロキサンは、Walter Nollの「Chemistry and Technology of Silicones」(1968)、Academic Pressに更に詳しく定義されている。オルガノポリシロキサンは、揮発性でも不揮発性でもよい。
シリコーンは、揮発性である場合、より具体的には、沸点が60℃から260℃の間であるものから選ばれ、更により具体的には、以下のものから選ばれる:
(i)3個から7個、好ましくは4個から5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらには、例えば、特に、Union Carbide社によりVolatile Silicone(登録商標)7207という名称で、又はRhodia社によりSilbione(登録商標)70045 V2という名称で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社によりVolatile Silicone(登録商標)7158という名称で、Rhodia社によりSilbione(登録商標)70045 V5という名称で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社によりSilsoft 1217という名称で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにこれらの混合物がある。次式のジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンのような種類のシクロコポリマー、例えばUnion Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標)FZ 3109も挙げることもできる:
Figure 0007277632000001
環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物も挙げることができる。
(ii)2個から9個のケイ素原子を含有し、粘度が25℃で5×10-6m2/s以下である直鎖状揮発性ポリジアルキルシロキサン。例には、特にToray Silicone社によりSH 200という名称で販売されているデカメチルテトラシロキサンがある。このカテゴリーに属するシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、第91巻、1976年1月、27~32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsで公開されている記事にも記載されている。シリコーンの粘度は、ASTM規格445付録Cに従って25℃で測定される。
不揮発性ポリジアルキルシロキサンもまた、使用することができる。より具体的には、これらの不揮発性シリコーンはポリジアルキルシロキサンから選ばれ、その中で、トリメチルシリル末端基を含有するポリジメチルシロキサンを主に挙げることができる。
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、非限定的に、以下の市販製品を挙げることができる:
- Rhodia社により販売されているSilbione(登録商標)油の47及び70 047シリーズ又はMirasil(登録商標)油、例えば70 047 V 500 000油;
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油;
- Dow Corning社製の200シリーズの油、例えば粘度60000mm2/sのDC200;並びに
- General Electric社製Viscasil(登録商標)油及びGeneral Electric社製SFシリーズの特定の油(SF 96、SF 18)。
ジメチコノール(CTFA)の名称で知られている、ジメチルシラノール末端基を含有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社製48シリーズの油も挙げることができる。
アリール基を含有するシリコーンの中で、ポリジアリールシロキサン、特にポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルシリコーン油を挙げることができる。
フェニルシリコーン油は、次式のフェニルシリコーンから選ぶことができる:
Figure 0007277632000002
(式中、
R1からR10は、互いに独立に、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1~C30炭化水素系基、好ましくはC1~C12炭化水素系基、より好ましくはC1~C6炭化水素系基であり、具体的には、メチル、エチル、プロピル又はブチル基であり、
m、n、p及びqは、互いに独立に、0から900(0及び900を含む)、好ましくは0から500(上下値を含む)、より好ましくは0から100(上下値を含む)の整数であり、
但し、n+m+qの合計は0以外である)。
挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品が含まれる:
- Rhodia社製Silbione(登録商標)油の70 641シリーズ、
- Rhodia社製Rhodorsil(登録商標)70 633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社製Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluidの油、
- Bayer社製PKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20、
- General Electric社製SFシリーズの特定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
フェニルシリコーン油として、フェニルトリメチコン(上記の式中のR1~R10は、メチルであり;p、q、及びn=0であり;m=1である)が好ましい。
有機修飾液体シリコーンは、特に、ポリエチレンオキシ基及び/又はポリプロピレンオキシ基を含有していてもよい。そのため、信越化学工業株式会社によって提案されているシリコーンKF-6017、及びUnion Carbide社製のSilwet(登録商標)L722油及びL77油を挙げることができる。
炭化水素油は、以下から選ぶことができる:
- 直鎖状又は分枝状の、任意選択で環状のC6~C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、及びイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンが含まれる;並びに
- 16個を超える炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン、流動ワセリン、ポリデセン及び水素化ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、並びにスクアラン。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱油(例えば流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、ナフタレン等;水素化ポリイソブテン、イソエイコサン、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
脂肪アルコールにおける用語「脂肪」とは、比較的多数の炭素原子が含まれることを意味する。そのため、4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールが脂肪アルコールの範囲内に包含される。脂肪アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪アルコールは、直鎖状でも分枝状でもよい。
脂肪アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、4個から40個の炭素原子、好ましくは6個から30個の炭素原子、より好ましくは12個から20個の炭素原子を含有する、飽和及び不飽和の、直鎖状及び分枝状の基から選ばれる)を有してもよい。少なくとも一実施形態では、Rは、C12~C20アルキル基及びC12~C20アルケニル基から選ぶことができる。Rは少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。
脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、及びそれらの混合物を挙げることができる。
脂肪アルコールは、飽和脂肪アルコールであることが好ましい。
そのため、脂肪アルコールは、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6~C30アルコール、好ましくは直鎖状又は分枝状の、飽和C6~C30アルコール、より好ましくは、直鎖状若しくは分枝状の、飽和C12~C20アルコールから選択することができる。
用語「飽和脂肪アルコール」とは、本明細書において、長鎖の脂肪族飽和炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪アルコールは、任意の直鎖状又は分枝状の飽和C6~C30脂肪アルコールから選択されることが好ましい。直鎖状又は分枝状の、飽和C6~C30脂肪アルコールの中で、直鎖状又は分枝状の、飽和C12~C20脂肪アルコールを好ましくは使用することができる。任意の直鎖状又は分枝状の、飽和C16~C20脂肪アルコールをより好ましくは使用することができる。分枝状のC16~C20脂肪アルコールを更により好ましくは使用することができる。
飽和脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びそれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、又はそれらの混合物(例えば、セテアリルアルコール)及びベヘニルアルコールを、飽和脂肪アルコールとして使用することができる。
少なくとも一実施形態によれば、本発明による組成物中で使用される脂肪アルコールは、好ましくはセチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びそれらの混合物から選ばれる。
本発明で使用される第2の組成物中の油の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更により好ましくは10質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明で使用される第2の組成物中の油の量は、組成物の総質量に対して、99質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更により好ましくは85質量%以下であってもよい。
本発明で使用される第2の組成物中の油の量は、組成物の総質量に対して0.01質量%から99質量%、好ましくは0.1質量%から95質量%、より好ましくは1質量%から90質量%、更により好ましくは10質量%から85質量%の範囲であってもよい。
本発明において使用される第2の組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更により好ましくは10質量%以上であってもよい。
その一方で、本発明において使用される第2の組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、99質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更により好ましくは80質量%以下であってもよい。
本発明において使用される第2の組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~95質量%、好ましくは0.1質量%~90質量%、より好ましくは1質量%~85質量%、更により好ましくは10質量%~80質量%の範囲であってもよい。
第2の組成物中の油、水、及びそれらの混合物からなる群から選択される生理的に許容される媒体の量は、組成物の総質量に対して、30質量%から100質量%、好ましくは50質量%から99質量%、より好ましくは70質量%から90質量%であることが好ましいことがある。
本発明において使用される第2の組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を更に含んでもよい。
2種以上の界面活性剤を使用してもよい。このため、単一の種類の界面活性剤、又は異なる種類の界面活性剤の組合せを使用することができる。
任意の界面活性剤を、本発明のために使用することができる。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤からなる群から選択することができる。2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。このため、単一の種類の界面活性剤、又は異なる種類の界面活性剤の組合せを使用することができる。
本発明の一実施形態によれば、界面活性剤の量は、本発明で使用される第2の組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.05質量%から10質量%、より好ましくは0.1質量%から5質量%の範囲であってもよい。
(i)アニオン性界面活性剤
組成物は、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含むことができる。2種以上のアニオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
アニオン性界面活性剤は、(C6~C30)アルキル硫酸塩、(C6~C30)アルキルエーテル硫酸塩、(C6~C30)アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩;(C6~C30)アルキルスルホン酸塩、(C6~C30)アルキルアミドスルホン酸塩、(C6~C30)アルキルアリールスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩;(C6~C30)アルキルリン酸塩;(C6~C30)アルキルスルホコハク酸塩、(C6~C30)アルキルエーテルスルホコハク酸塩、(C6~C30)アルキルアミドスルホコハク酸塩;(C6~C30)アルキルスルホアセテート;(C6~C24)アシルサルコシネート;(C6~C24)アシルグルタメート;(C6~C30)アルキルポリグリコシドカルボキシルエーテル;(C6~C30)アルキルポリグリコシドスルホコハク酸塩;(C6~C30)アルキルスルホスクシナメート;(C6~C24)アシルイセチオネート;N-(C6~C24)アシルタウレート;C6~C30脂肪酸塩;ココナッツ油酸塩又は水素化ココナッツ油酸塩;(C8~C20)アシルラクチレート;(C6~C30)アルキル-D-ガラクトシドウロン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6~C30)アルキルエーテルカルボン酸塩;ポリオキシアルキレン化(C6~C30)アルキルアリールエーテルカルボン酸塩;及びポリオキシアルキレン化(C6~C30)アルキルアミドエーテルカルボン酸塩;並びに対応する酸の形態からなる群から選択されることが好ましい。
少なくとも一実施形態では、アニオン性界面活性剤は塩の形態であり、例えば、アルカリ金属(例えばナトリウム)の塩;アルカリ土類金属(例えばマグネシウム)の塩;アンモニウム塩;アミン塩;及びアミノアルコール塩等である。条件によっては、アニオン性界面活性剤は酸の形態にあってもよい。
アニオン性界面活性剤は、(C6~C30)アルキル硫酸塩の塩、(C6~C30)アルキルエーテル硫酸塩又は塩化されている若しくは塩化されていないポリオキシアルキレン化(C6~C30)アルキルエーテルカルボン酸から選択されることがより好ましい。
(ii)両性界面活性剤
組成物は、少なくとも1種の両性界面活性剤を含むことができる。2種以上の両性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
両性界面活性剤又は双性イオン界面活性剤は、例えば(非限定的に挙げると)、脂肪族第二級アミン又は脂肪族第三級アミン等のアミン誘導体、及び任意選択で第四級化されたアミンの誘導体とすることができるのであって、その脂肪族基は、8から22個の炭素原子を含んで、少なくとも1つの、水に可溶化させるアニオン基(例えばカルボン酸イオン、スルホン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン又はホスホン酸イオン)を含有している、直鎖状又は分枝状の鎖である。
両性界面活性剤は、好ましくは、ベタイン及びアミドアミンカルボキシル化誘導体からなる群から選択してもよい。
両性界面活性剤は、ベタイン型界面活性剤から選択されることが好ましい。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくは、アルキルベタイン、アルキルアミドアルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタイン及びアルキルアミドアルキルスルホベタイン、特に、(C8~C24)アルキルベタイン、(C8~C24)アルキルアミド(C1~C8)アルキルベタイン、スルホベタイン及び(C8~C24)アルキルアミド(C1~C8)アルキルスルホベタインからなる群から選択される。一実施形態において、ベタイン型の両性界面活性剤は、(C8~C24)アルキルベタイン、(C8~C24)アルキルアミド(C1~C8)アルキルスルホベタイン、スルホベタイン及びホスホベタインから選ばれる。
挙げることができる非限定的な例は、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary & Handbook、第15版、2014年において、ココベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン及びココスルタインという名称で分類されている化合物を、単独で又は混合物として含む。
ベタイン型両性界面活性剤は、好ましくはアルキルベタイン及びアルキルアミドアルキルベタイン、特にココベタイン及びココアミドプロピルベタインである。
アミドアミンカルボキシル化誘導体の中で、米国特許第2,528,378号及び同第2,781,354号に記載され、CTFA辞典、第3版、1982年(これらの開示は参照により本明細書に援用される)で分類される、名称Miranolで販売される製品、並びに名称アンホカルボキシグリシネート及びアンホカルボキシプロピオネートで販売される製品であって、下記のそれぞれの構造を有するものを挙げることができる:
R1-CONHCH2CH2-N+(R2)(R3)(CH2COO-) M+ X- (B1)
[式中、
R1は、加水分解ココナッツ油中に存在する酸R1-COOHのアルキル基、ヘプチル基、ノニル基又はウンデシル基を表し、
R2は、β-ヒドロキシエチル基を表し、
R3は、カルボキシメチル基を表し、
M+は、ナトリウム等のアルカリ金属に由来するカチオン性イオン;アンモニウムイオン;若しくは有機アミンに由来するイオンを表し;
X-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、アルキル(C1~C4)硫酸イオン、アルキル(C1~C4)-若しくはアルキル(C1~C4)アリール-スルホン酸イオン、特にメチル硫酸イオン及びエチル硫酸イオン等の有機若しくは無機のアニオン性イオンを表し;又はM+及びX-は存在しない];
R1'-CONHCH2CH2-N(B)(C) (B2)
[式中、
R1'は、ココナッツ油中若しくは加水分解亜麻仁油中に存在する酸R1'-COOHのアルキル基、C7、C9、C11若しくはC13アルキル基等のアルキル基、C17アルキル基及びそのイソ型、又は不飽和のC17基を表し、
Bは、-CH2CH2OX'を表し、
Cは、-(CH2)z-Y'を表し、z=1又は2であり、
X'は、-CH2-COOH基、-CH2-COOZ'、-CH2CH2-COOH、-CH2CH2-COOZ'又は水素原子を表し、
Y'は、-COOH,-COOZ'、-CH2-CHOH-SO3Z'、-CH2-CHOH-SO3H基又はCH2-CH(OH)-SO3-Z'基を表し、
Z'は、ナトリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属のイオン、有機アミンに由来するイオン、又はアンモニウムイオンを表す];
並びに
Ra''-NH-CH(Y'')-(CH2)n-C(O)-NH-(CH2)n'-N(Rd)(Re) (B'2)
[式中、
Y''は、-C(O)OH、-C(O)OZ''、-CH2-CH(OH)-SO3H又はCH2-CH(OH)-SO3-Z''(式中、Z''は、ナトリウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属に由来するカチオン性イオン、有機アミンに由来するイオン、又はアンモニウムイオンを表す)を表し;
Rd及びReは、C1~C4アルキル基又はC1~C4ヒドロキシアルキル基を表し;
Ra''は、酸からのC10~C30アルキル基又はアルケニル基を表し;
n及びn'は、それぞれ独立に、1から3の整数を表す]。
式B1及び式B2の両性界面活性剤は、(C8~C24)アルキルアンホアセテート、(C8~C24)アルキルアンホジアセテート、(C8~C24)アルキルアンホモノプロピオネート及び(C8~C24)アルキルアンホジプロピオネートから選択されることが好ましい。
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993年において、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウロアンホプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、ラウロアンホジプロピオン酸及びココアンホジプロピオン酸という名称で分類されている。
例として、商品名Miranol(登録商標)C2M concentrateでRhodia Chimie社により販売されているココアンホジアセテートを挙げることができる。
式(B'2)の化合物のうち、CHIMEX社がCHIMEXANE HBの商品名で市販しているナトリウムジエチルアミノプロピルココアスパルタミド(CTFA)を挙げることができる。
(iii)カチオン性界面活性剤
組成物は、少なくとも1種のカチオン性界面活性剤を含むことができる。2種以上のカチオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
カチオン性界面活性剤は、任意選択でポリオキシアルキレン化された第一級、第二級又は第三級脂肪アミン塩、第四級アンモニウム塩、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
第四級アンモニウム塩の例として挙げられるものには以下のものが含まれるが、これらに限定されない:
下記の一般式(B3)のもの:
Figure 0007277632000003
[式中、
R1、R2、R3及びR4は、同一であっても異なってもよく、1から30個の炭素原子並びに任意選択で酸素、窒素、硫黄及びハロゲン等のヘテロ原子を含む、直鎖状及び分枝状の脂肪族基から選ばれる。脂肪族基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、C2~C6ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、(C12~C22)アルキルアミド(C2~C6)アルキル基、(C12~C22)アルキルアセテート基及びヒドロキシアルキル基;並びに芳香族基、例えばアリール基及びアルキルアリール基から選択することができ;X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C2~C6)アルキル硫酸イオン、及びアルキルスルホン酸イオン又はアルキルアリールスルホン酸イオンから選択される];
イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例えば下記の式(B4)のもの:
Figure 0007277632000004
[式中、
R5は、8から30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基、例えば獣脂の、若しくはココナッツの脂肪酸誘導体から選ばれ;
R6は、水素、C1~C4アルキル基、並びに8個から30個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選ばれ;
R7は、C1~C4アルキル基から選ばれ;
R8は、水素及びC1~C4アルキル基から選ばれ;
X-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン及びアルキルアリールスルホン酸イオンから選ばれる。一実施形態では、R5及びR6は、例えば12から21個の炭素原子を含むアルケニル基及びアルキル基から選ばれる基の混合物、例えば獣脂の脂肪酸誘導体であり、R7はメチルであり、R8は水素である。このような製品の例には、Witco社により「Rewoquat(登録商標)」W75、W90、W75PG及びW75HPGの名称で販売されているクオタニウム-27(CTFA 1997年)及びクオタニウム-83(CTFA 1997年)が挙げられるが、これらに限定されない];
式(B5)のジ又はトリ第四級アンモニウム塩:
Figure 0007277632000005
[式中、
R9は、16から30個の炭素原子を含む脂肪族基から選ばれ;
R10は、水素、1から4個の炭素原子を含むアルキル基、又は(CH2)3(R16a)(R17a)(R18a)N+X-基から選ばれ;
R11、R12、R13、R14、R16a、R17a、及びR18aは、同一であっても異なってもよく、水素、及び1から4個の炭素原子を含むアルキル基から選ばれ;
X-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、エチル硫酸イオン及びメチル硫酸イオンから選ばれる]。
こうしたジ第四級アンモニウム塩の例には、FINETEX社のFINQUAT CT-P(クオタニウム-89)又はFINQUAT CT(クオタニウム-75);
並びに
少なくとも1つのエステル官能基を含む第四級アンモニウム塩、例えば下記の式(B6)のもの:
Figure 0007277632000006
[式中、
R22は、C1~C6アルキル基及びC1~C6ヒドロキシアルキル基及びジヒドロキシアルキル基から選ばれ;
R23は、
以下の基:
Figure 0007277632000007
直鎖状及び分枝状、飽和及び不飽和のC1~C22炭化水素系基R27、並びに水素から選択され、
R25は、
以下の基:
Figure 0007277632000008
直鎖状及び分枝状、飽和及び不飽和のC1~C6炭化水素系基R29、並びに水素から選択され、
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC7~C21炭化水素系基から選択され;
r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2から6の範囲の整数から選ばれ、
r1及びt1のそれぞれは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1であり、r2+r1=2rであり、t1+t2=2tであり;
yは、1から10の範囲の整数から選ばれ;
x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0から10の範囲の整数から選ばれ;
X-は、単体及び錯体の、有機及び無機のアニオンから選ばれ;但しx+y+zの和は1から15の範囲であり、但しxが0であるときR23はR27を表し、但しzが0であるときR25はR29を表す。R22は、直鎖及び分枝状アルキル基から選ぶことができる。一実施形態では、R22は、直鎖アルキル基から選ばれる。別の実施形態では、R22は、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基及びジヒドロキシプロピル基から選ばれ、例えば、メチル基及びエチル基から選ばれる。一実施形態では、x+y+zの和は、1から10の範囲である。R23が炭化水素系基R27であるとき、それは、長鎖で12から22個の炭素原子を含むものであってもよく、又は短鎖で1から3個の炭素原子を含むものであってもよい。R25が炭化水素系基R29であるとき、それは、例えば1から3個の炭素原子を含んでいてもよい。非限定的な例として、一実施形態では、R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11~C21炭化水素系基から選択され、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC11~C21アルキル基及びアルケニル基から選択される。別の実施形態では、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1である。一実施形態では、yは1に等しい。別の実施形態では、r、s及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2又は3に等しく、例えば2に等しい。アニオンX-は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン;並びにC1~C4アルキル硫酸イオン、例えばメチル硫酸イオンから選ぶことができる。しかし、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシルイオン;酢酸イオン及び乳酸イオン等の有機酸に由来するアニオン;並びにエステル官能基を含むアンモニウムに適合する任意の他のアニオンは、本発明に従って使用することができるアニオンの他の非限定的な例である。一実施形態において、アニオンX-は、塩化物イオン及びメチル硫酸イオンから選ばれる]
がある。
別の実施形態では、式(B6)のアンモニウム塩を使用することができ、式中、
R22は、メチル基及びエチル基から選ばれ、
x及びyは、1に等しく;
zは、0又は1に等しく;
r、s及びtは2に等しく;
R23は、
以下の基:
Figure 0007277632000009
メチル基、エチル基、及びC14~C22炭化水素系基、水素から選ばれ;
R25は、
以下の基:
Figure 0007277632000010
及び水素から選ばれ;
R24、R26及びR28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13~C17炭化水素系基から選ばれ、例えば、直鎖状及び分枝状の、飽和及び不飽和のC13~C17アルキル基及びアルケニル基から選ばれる。
一実施形態では、炭化水素系基は、直鎖状である。
挙げることができる式(B6)の化合物の非限定的な例には、塩、例えば、ジアシルオキシエチル-ジメチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、ジアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ジヒドロキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、トリアシルオキシエチル-メチルアンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、モノアシルオキシエチル-ヒドロキシエチル-ジメチル-アンモニウムの塩化物及びメチル硫酸塩、並びにこれらの混合物が含まれる。一実施形態では、アシル基は、14から18個の炭素原子を含んでもよく、例えば、植物油に、例としてはパーム油及びヒマワリ油等に由来してもよい。化合物がいくつかのアシル基を含む場合、これらの基は同一であっても異なっていてもよい。
これらの生成物は、例えば、任意選択でオキシアルキレン化されたトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン又はアルキルジイソプロパノールアミンを、脂肪酸に、又は植物起源若しくは動物起源の脂肪酸の混合物に、直接エステル化することによって、或いはそれらのメチルエステルをエステル交換することによって得ることができる。このエステル化の後に、アルキル化剤を使用して第四級化してもよく、該アルキル化剤は、ハロゲン化アルキル、例えば、ハロゲン化メチル及びハロゲン化エチル;硫酸ジアルキル、例えば硫酸ジメチル及び硫酸ジエチル;メタンスルホン酸メチル;パラ-トルエンスルホン酸メチル;グリコールクロロヒドリン;並びにグリセロールクロロヒドリンから選択される。
このような化合物は、例えば、Cognis社によりDehyquart(登録商標)の名称で、Stepan社によりStepanquat(登録商標)の名称で、Ceca社によりNoxamium(登録商標)の名称で、またRewo-Goldschmidt社により「Rewoquat(登録商標)WE 18」の名称で販売されている。
本発明による組成物に使用することができるアンモニウム塩の他の非限定的な例には、米国特許第4,874,554号及び同第4,137,180号に記載されている、少なくとも1個のエステル官能基を含むアンモニウム塩が含まれる。
本発明による組成物中に使用できる上述の第四級アンモニウム塩は、限定するものではないが、式(I)に相当するもの、例えば、テトラアルキルアンモニウムクロリド、例としてはジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びアルキルトリメチルアンモニウムクロリド(ここでアルキル基は約12から22個の炭素原子を含む)、例えばベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド及びベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド;パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド;並びにVan Dyk社により「Ceraphyl(登録商標)70」という名称で販売されているステアルアミドプロピルジメチル(酢酸ミリスチル)アンモニウムクロリドが挙げられる。
一実施形態によれば、本発明による組成物で使用できるカチオン性界面活性剤は、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、クオタニウム-83、クオタニウム-87、クオタニウム-22、ベヘニルアミドプロピル-2,3-ジヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、及びステアラミドプロピルジメチルアミンから選ばれる。
(iv)非イオン性界面活性剤
組成物は、少なくとも1種の非イオン性界面活性剤を含む。2種以上の非イオン界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
非イオン性界面活性剤は、元来よく知られている化合物である(例えばこの点に関しては、「Handbook of Surfactants」M.R.Porter著、Blackie & Son出版社(Glasgow及びLondon)、1991年、116~178頁を参照されたい)。そのため、非イオン界面活性剤は、例えば、アルコール、アルファ-ジオール、アルキルフェノール及び脂肪酸のエステルから選択されてよく、これらの化合物はエトキシル化、プロポキシル化又はグリセロール化されており、例えば8から30個の炭素原子を含む少なくとも1つの脂肪鎖を有し、エチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数を2から50の範囲とすること、及びグリセロール基の数を1から30の範囲とすることが可能である。マルトース誘導体を挙げることもできる。非限定的であるが、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと、脂肪アルコールとの縮合物;例えば2molから30molのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪アミド;例えば1.5から5個の、1.5から4個等のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド;2molから30molのエチレンオキシドを含む、ソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物由来のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C6~C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸モノエステル又はジエステル;N-(C6~C24)アルキルグルカミン誘導体;(C10~C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10~C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシド等のアミンオキシド;シリコーン界面活性剤;並びにそれらの混合物もまた挙げることができる。
非イオン性界面活性剤は、好ましくは、モノオキシアルキレン化、ポリオキシアルキレン化、モノグリセロール化又はポリグリセロール化された非イオン性界面活性剤から選ぶことができる。オキシアルキレン単位は、より具体的には、オキシエチレン単位若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組合せであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
挙げることのできるモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化された非イオン性界面活性剤の例には、
モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化(C8~C24)アルキルフェノール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8~C30アルコール、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化C8~C30アミド、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8~C30酸及びポリアルキレングリコールのエステル、
飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8~C30酸及びソルビトールのモノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化エステル、
飽和又は不飽和の、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化植物油、
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドの縮合物、特に、単独又は混合物としてのものが含まれる。
界面活性剤は好ましくは、1から100の間、最も好ましくは2から50の間のモル数のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含む。本発明の実施形態のうちの1つによれば、ポリオキシアルキレン化非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン化脂肪アルコール(脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル)及びポリオキシエチレン化脂肪エステル(脂肪酸のポリエチレングリコールエステル)から選ばれる。
挙げられるポリオキシエチレン化飽和脂肪アルコール(又はC8~C30アルコール)の例には、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9から50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より具体的には10から12個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではラウレス-10からラウレス-12);ベヘニルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ9から50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではベヘネス-9からベヘネス-50);セテアリルアルコール(セチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物)のエチレンオキシド付加物、とりわけ10から30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテアレス-10からセテアレス-30)、セチルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10から30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではセテス-10からセテス-30);ステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10から30個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではステアレス-10からステアレス-30)、イソステアリルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ10から50個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではイソステアレス-10からイソステアレス-50)、及びそれらの混合物が含まれる。
挙げられるポリオキシエチレン化不飽和脂肪アルコール(又はC8~C30アルコール)の例には、オレイルアルコールのエチレンオキシド付加物、とりわけ2から50個のオキシエチレン単位を含有するもの、より具体的には10から40個のオキシエチレン単位を含有するもの(CTFA名ではオレス-10からオレス-40);及びそれらの混合物が含まれる。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤の例として、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8~C40アルコールが好ましくは使用される。
特に、モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8~C40アルコールは、次式
RO-[CH2-CH(CH2OH)-O]m-H又はRO-[CH(CH2OH)-CH2O]m-H
(式中、Rは、直鎖状又は分枝状C8~C40、好ましくはC8~C30アルキル基又はアルケニル基を表し、mは、1から30、好ましくは1.5から10の範囲の数を表す)
に相当する。
本発明との関連で適する化合物の例として、4molのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5molのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6molのグリセロールを含有するオレオセチルアルコール及び6molのグリセロールを含有するオクタデカノールを挙げることができる。
mの値が統計値を表すのと同様に、アルコールは、アルコールの混合物を表してもよく、このことは、市販品において、複数種のポリグリセロール化脂肪アルコールが混合物の形態で共存してもよいことを意味する。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化されたアルコールの中で、1molのグリセロールを含有するC8/C10アルコール、1molのグリセロールを含有するC10/C12アルコール、及び1.5molのグリセロールを含有するC12アルコールを使用することが好ましい。
モノグリセロール化又はポリグリセロール化C8~C40脂肪エステルは、次式
R'O-[CH2-CH(CH2OR''')-O]m-R''又はR'O-[CH(CH2OR''')-CH2O]m-R''
(式中、R'、R''及びR'''のそれぞれは、独立して、水素原子、又は直鎖状若しくは分枝状のC8~C40、好ましくはC8~C30アルキル-CO-若しくはアルケニル-CO-基を表し、但しR'、R''及びR'''のうちの少なくとも1つは水素原子ではなく、mは、1から30、好ましくは1.5から10の範囲の数を表す)
に相当し得る。
挙げられるポリオキシエチレン化脂肪エステルの例には、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸のエステルのエチレンオキシド付加物、及びそれらの混合物、特に9から100個のオキシエチレン単位を含有するもの、例えば、PEG-9からPEG-50ラウレート(CTFA名:PEG-9ラウレートからPEG-50ラウレート);PEG-9からPEG-50パルミテート(CTFA名:PEG-9パルミテートからPEG-50パルミテート);PEG-9からPEG-50ステアレート(CTFA名:PEG-9ステアレートからPEG-50ステアレート);PEG-9からPEG-50パルミトステアレート;PEG-9からPEG-50ベヘネート(CTFA名:PEG-9ベヘネートからPEG-50ベヘネート);ポリエチレングリコール100 EOモノステアレート(CTFA名:PEG-100ステアレート);及びそれらの混合物が含まれる。
本発明の実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、ポリオールと、例えば8から24個の炭素原子、好ましくは12から22個の炭素原子を有する飽和又は不飽和の鎖を有する脂肪酸とのエステル、及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体、例えば、C8~C24の、好ましくはC12~C22の脂肪酸のグリセリルエステル、及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;C8~C24、好ましくはC12~C22の脂肪酸のソルビトールエステル、及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;C8~C24、好ましくはC12~C22の脂肪酸の糖(スクロース、マルトース、グルコース、フルクトース及び/又はアルキルグリコース)エステル及び好ましくは10から200個、より好ましくは10から100個のオキシアルキレン単位を有するそのポリオキシアルキレン化誘導体;脂肪アルコールのエーテル;糖と、C8~C24、好ましくはC12~C22の脂肪アルコールとのエーテル;並びにそれらの混合物から選択することができる。
脂肪酸のグリセリルエステルとして、グリセリルステアレート(グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリステアレート)(CTFA名:グリセリルステアレート)、グリセリルラウレート又はグリセリルリシノレエート、並びにそれらの混合物を引用することができ、それらのポリオキシアルキレン化誘導体として、脂肪酸とポリオキシアルキレン化グリセロールとの、モノ-、ジ-又はトリエステル(脂肪酸と、グリセロールのポリアルキレングリコールエーテルとの、モノ-、ジ-又はトリエステル)、好ましくはポリオキシエチレン化グリセリルステアレート(モノ-、ジ-及び/又はトリステアレート)、例えばPEG-20グリセリルステアレート(モノ-、ジ-及び/又はトリステアレート)を引用することができる。
これらの界面活性剤の混合物、例えばARLACEL 165の名称でUniqema社によって市販されているグリセリルステアレート及びPEG-100ステアレートを含有する製品、並びにTEGINの名称でGoldschmidt社によって市販されているグリセリルステアレート(グリセリルのモノステアレート及びジステアレート)及びステアリン酸カリウムを含有する製品(CTFA名:グリセリルステアレートSE)等もまた使用することができる。
C8~C24脂肪酸のソルビトールエステル及びそのポリオキシアルキレン化誘導体は、ソルビタンパルミテート、ソルビタンイソステアレート、ソルビタントリオレエート;並びに脂肪酸と、例えば20から100個のEOを含有するアルコキシル化ソルビタンとのエステル、例えばICI社によりSpan 60という名称で販売されているソルビタンモノステアレート(CTFA名:ソルビタンステアレート)、ICI社によりSpan 40という名称で販売されているソルビタンモノパルミテート(CTFA名:ソルビタンパルミテート)、及びICI社によりTween 65という名称で販売されているソルビタントリステアレート20 EO(CTFA名:ポリソルベート65)、ポリエチレンソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、又はUniqema社によりTween 20若しくはTween 60という商品名で市販されている化合物から選択することができる。
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエステルとしては、グルコースパルミテート、アルキルグルコースセスキステアレート、例えばメチルグルコースセスキステアレート、アルキルグルコースパルミテート、例えばメチルグルコース又はエチルグルコースパルミテート、メチルグルコシド脂肪エステル、メチルグルコシド及びオレイン酸のジエステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート)、メチルグルコシド及びオレイン酸/ヒドロキシステアリン酸の混合物の混合エステル(CTFA名:メチルグルコースジオレエート/ヒドロキシステアレート)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースイソステアレート)、メチルグルコシド及びラウリン酸のエステル(CTFA名:メチルグルコースラウレート)、メチルグルコシド及びイソステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキ-イソステアレート)、メチルグルコシド及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物(CTFA名:メチルグルコースセスキステアレート)、並びに特に名称Glucate SSでAMERCHOL社によって市販されている製品、並びにそれらの混合物を引用することができる。
脂肪酸及びグルコース又はアルキルグルコースのエトキシル化エーテルとしては、脂肪酸及びメチルグルコースのエトキシル化エーテル、並びに特に約20モルのエチレンオキシドを有するメチルグルコース及びステアリン酸のジエステルのポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースジステアレート)、例えば名称Glucam E-20ジステアレートでAMERCHOL社によって市販されている製品、約20モルのエチレンオキシドを有するメチル-グルコース及びステアリン酸のモノエステル及びジエステルの混合物のポリエチレングリコールエーテル(CTFA名:PEG-20メチルグルコースセスキステアレート)、並びに特に名称Glucamate SSE-20でAMERCHOL社によって市販されている製品、及び名称Grillocose PSE-20でGOLDSCHMIDT社によって市販されている製品、並びにそれらの混合物を例えば引用することができる。
スクロースエステルとして、サッカロースパルミト-ステアレート、サッカロースステアレート及びサッカロースモノラウレートを、例えば引用することができる。
糖エーテルとして、アルキルポリグルコシドを使用することができ、例えば、MYDOL 10の名称で花王株式会社によって市販されている製品、PLANTAREN 2000の名称でHenkel社によって市販されている製品、及びORAMIX NS 10の名称でSeppic社によって市販されている製品等のデシルグルコシド、ORAMIX CG 110の名称でSeppic社によって、又はLUTENSOL GD 70の名称でBASF社によって市販されている製品等のカプリリル/カプリルグルコシド、PLANTAREN 1200 N及びPLANTACARE 1200の名称でHenkel社によって市販されている製品等のラウリルグルコシド、PLANTACARE 818/UPの名称でHenkel社によって市販されている製品等のココ-グルコシド、場合によってはセトステアリルアルコールと混合されているセトステアリルグルコシドで、例えばMONTANOV 68の名称でSeppic社によって、TEGO-CARE CG90の名称でGoldschmidt社によって、及びEMULGADE KE3302の名称でHenkel社によって市販されているもの、アラキジルグルコシド、例えばアラキジルとベヘニルアルコールとアラキジルグルコシドとの混合物の形態でMONTANOV 202の名称でSeppic社によって市販されているもの、ココイルエチルグルコシド、例えばセチルとステアリルアルコールとの混合物(35/65)の形態でMONTANOV 82の名称でSeppic社によって市販されているもの、並びにそれらの混合物を、特に引用することができる。
アルコキシル化植物油のグリセリドの混合物、例えばエトキシル化(200 EO)パーム及びコプラ(7 EO)グリセリドの混合物もまた、引用することができる。
本発明による非イオン性界面活性剤は、アルケニル又は分枝状のC12~C22アシル鎖、例えばオレイル基又はイソステアリル基を好ましくは含有する。より好ましくは、本発明による非イオン性界面活性剤は、PEG-20グリセリルトリイソステアレートである。
本発明の実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、特に次式
HO(C2H4O)a(C3H6O)b(C2H4O)cH
(式中、a、b及びcは、a+cが2から100までの範囲であり、bが14から60までの範囲であるような整数である)
のコポリマー、並びにそれらの混合物から選択することができる。
本発明の実施形態のうちの1つによれば、非イオン性界面活性剤は、シリコーン界面活性剤から選択することができる。非限定的に挙げられるのは、US-A-5364633及びUS-A-5411744に開示されているものである。
シリコーン界面活性剤は、好ましくは、次式(I)
Figure 0007277632000011
[式中、
R1、R2及びR3は、互いに独立に、C1~C6アルキル基又は-(CH2)x-(OCH2CH2)y-(OCH2CH2CH2)z-OR4基を表し、R1、R2又はR3の少なくとも1つの基はアルキル基ではなく、R4は、水素、アルキル基又はアシル基であり;
Aは、0から200の範囲の整数であり;
Bは、0から50の範囲の整数であり;但しAとBとが同時に0に等しいことはなく;
xは、1から6の範囲の整数であり;
yは、1から30の範囲の整数であり、
zは、0から5の範囲の整数である]
の化合物であってもよい。
本発明の好ましい一実施形態によれば、式(I)の化合物中で、アルキル基はメチル基であり、xは、2から6の範囲の整数であり、yは、4から30の範囲の整数である。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として挙げられるのは、次式(II)
Figure 0007277632000012
(式中、Aは20から105の範囲の整数であり、Bは2から10の範囲の整数であり、yは10から20の範囲の整数である)
の化合物である。
式(I)のシリコーン界面活性剤の例として同様に挙げられるのは、式(III)
H-(OCH2CH2)y-(CH2)3-[(CH3)2SiO]A'-(CH2)3-(OCH2CH2)y-OH (III)
(式中、A'及びyは、10から20の範囲の整数である)
の化合物である。
使用できる本発明の化合物には、Dow Corning社により名称DC5329、DC7439-146、DC2-5695及びQ4-3667で販売されているものがある。化合物DC5329、DC7439-146及びDC2-5695は、式(II)の化合物であり、それぞれ、Aは22、Bは2、yは12であり;Aは103、Bは10、yは12であり;Aは27、Bは3、yは12である。
化合物Q4-3667は、式(III)の化合物であり、式中Aが15であり、yが13である。
本発明で使用される第2の組成物は、少なくとも1種の増粘剤を含んでいてもよい。
単一の種類の増粘剤を使用してもよいが、2つ以上の異なる種類の増粘剤を組み合わせて使用してもよい。
増粘剤は、親水性であってもよい。
親水性増粘剤は、本発明による第2の組成物の水性相又は水(存在する場合)を増粘化することができる。
親水性増粘剤は、合成親水性増粘剤であることが好ましいことがある。
親水性増粘剤は、非架橋の合成親水性増粘剤であることがより好ましいことがある。
挙げることができる親水性増粘剤には、カルボキシビニルポリマー、例えばCarbopol製品(carbomer)及びPemulen製品(アクリレート/C10~C30-アルキルアクリレートコポリマー);ポリアクリルアミド、例えば、SEPPIC社により名称Sepigel 305で販売されているもの(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13~C14イソパラフィン/ラウレス7);アクリロイルジメチルタウレートコポリマー、例えば、SEPPIC社により販売されているSimulgel FL(CTFA名:ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/ポリソルベート60)、Simulgel 800(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンナトリウム/ポリソルベート80/ソルビタンオレエート)又はSimulgel 600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベート80);任意選択で中和された、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のポリマー及びコポリマー、例えば、Clariant社により商品名Hostacerin AMPSで販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(CTFA名:ポリアクリロイルジメチルタウリンアンモニウム)2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー、例えばSEPPIC社により販売されているSimulgel NS及びSepinov EMT 10;セルロース誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース、並びにこれらの混合物が含まれる。アクリロイルジメチルタウレートコポリマー、例えばSimulgel FL、Simulgel 800及びSimulgel 600は、バルク実現性、皮膚への付着力及び持続効果の観点から好ましい。
増粘剤は、親油性であってもよい。
用語「親油性増粘剤」は、存在する場合、第2の組成物の油をゲル化させることができる、無機又は有機の、微粒子の形態にある又はない、作用剤を意味する。
親油性増粘剤は、粒子の形態であってもよい。
本発明による親油性増粘剤は、以下から選択することができる:
- 有機変性クレイ、特に第四級アミン及び第三級アミンから選択される化合物で処理されたクレイ。挙げることができる有機変性クレイには、有機変性ベントナイト、例えばRheox社により名称Bentone 34で販売されている製品、及び有機変性ヘクトライト、例えばRheox社により名称Bentone 27及びBentone 38で販売されている製品が含まれる。特に挙げることができるのは、変性クレイ、例えば変性シリル化マグネシウム[Rheox社からのBentone gel(登録商標)VS38]、C10~C22脂肪酸塩化アンモニウムで変性されたヘクトライト等の変性ヘクトライト、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト(ジステアルジモニウムヘクトライト)、例えばElementis社により名称Bentone 38VCGで販売されている製品、又はRheox社により名称Bentone 38 CEで販売されている製品、又はElementis社により名称Bentone Gel(登録商標)V5 5Vで販売されている製品、又はElementis社により名称Bentone gel(登録商標)ISD Vで販売されている製品である;
- 疎水性ヒュームドシリカ、これはシラノール基の数を減少させる化学反応を介してシリカの表面を変性することにより得ることができ、シラノール基は場合により、特に疎水性基によって置換されている。疎水性基は、トリメチルシロキシル基とすることができ、これは、特にヘキサメチルジシラザンの存在下でヒュームドシリカを処理することによって得られる。このように処理されたシリカは、CTFA辞典(第6版、1995年)により、「シリル化シリカ」として公知である。これらは、例えば、Degussa社により参照名Aerosil R812(登録商標)で、及びCabot社により参照名Cab-O-Sil TS-530(登録商標)で販売されている。疎水性基は、ジメチルシリルオキシル基又はポリジメチルシロキサン基であってもよく、これらは、特に、ポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下でヒュームドシリカを処理することによって得られる。このように処理されたシリカは、CTFA辞典(第6版、1995年)により、「ジメチルシリル化シリカ」として公知である。これらは、例えば、Degussa社により参照名Aerosil R972(登録商標)及びAerosil R974(登録商標)で、並びにCabot社によりCab-O-Sil TS-610(登録商標)及びCab-O-Sil TS-720(登録商標)で販売されている;
- 疎水性シリカエアロゲル、例えばDow Corning社により名称VM-2260(INCI名:シリル化シリカ)で販売されている製品。その粒子は、約1000ミクロンの平均サイズを有し、600から800m2/gの範囲の質量単位当たりの比表面積を有し、Cabot社により参照名Aerogel TLD 201、Aerogel OGD 201、Aerogel TLD 203、Enova(登録商標) Aerogel MT 1 100、Enova Aerogel MT 1200で販売されているエアロゲルも挙げることができる;
- 並びにこれらの混合物。
特に、親油性増粘剤は、有機変性クレイ、具体的には有機変性ベントナイト及び有機変性ヘクトライト並びにこれらの混合物から選択してもよい。有機変性クレイとして、ジステアルジモニウムヘクトライトを挙げることができる。
親油性増粘剤は、第四級アミン又は第三級アミンで変性された有機変性クレイであることが好ましいことがある。
本発明の一実施形態によれば、増粘剤の量は、本発明において使用される第2の組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.05質量%から10質量%、より好ましくは0.1質量%から5質量%の範囲であってもよい。
また、本発明において使用される第2の組成物は、いずれかの他の任意選択の又は追加の成分も含んでもよい。
他の任意選択の成分は、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性ポリマー;フィラー;顔料;無機又は有機UV遮蔽剤;ペプチド及びその誘導体;タンパク質加水分解物;膨潤剤及び浸透剤;脱毛に有効な作用剤;ふけ防止剤;懸濁剤;金属イオン封鎖剤;乳白剤;染料;ビタミン又はプロビタミン;香料;保存剤、安定剤;並びにこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
本発明において使用される第2の組成物は、アルコール、特に一価アルコール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール;ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、及びブチレングリコール;他のポリオール、例えばグリセロール、糖及びβ類;並びにエーテル、例えばエチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、並びにブチレングリコールモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテルであってもよい、1種以上の美容的に許容される有機溶媒を含んでもよい。
有機溶媒は、第2の組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.1質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%の濃度で存在していてもよい。
[形態]
第2の組成物は、25℃及び大気圧(760mmHg)下で液体の形態であることが好ましい。
本発明において使用される第2の組成物は、溶液、分散体、エマルション、ジェル、及びペースト等の任意の形態であってもよい。本発明において使用される第2の組成物が少なくとも1種の油及び水を含む場合、第2の組成物は、W/O、O/W、W/O/W及びO/W/O等のエマルション、好ましくはO/Wエマルションの形態であってもよい。
本発明において使用される第2の組成物は、上述の必須成分及び任意選択の成分を、従来の方法で混合することによって調製することができる。
[方法]
また、本発明は、第1の組成物と第2の組成物とを混合して、不均一な組成物を調製する工程を含む、不均一な組成物を調製するための方法であって、
第1の組成物が、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物が、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む、方法にも関する。
本発明によるキット用の、第1及び第2の組成物、並びにヒドロキシアルキル修飾デンプン、及び生理的に許容される媒体に関する上記の説明も、本発明によるプロセスに適用することができる。
第1の組成物と第2の組成物との間の混合比は、限定されない。例えば、混合される第1の組成物:第2の組成物の質量比は、0.1:99.9から99.9:0.1まで変動し得る。混合される第1の組成物:第2の組成物の質量比は、1:99から50:50、より好ましくは3:97から40:60、更により好ましくは5:95から30:70であることが好ましいことがある。
不均一な組成物中のヒドロキシアルキル修飾デンプンの量は、不均一な組成物の総質量に対して、1質量%から50質量%、より好ましくは3質量%から40質量%、更により好ましくは5質量%から30質量%であることが好ましいことがある。これも、本発明によるキットに適用することができる。
第1及び第2の組成物は、不均一な組成物を生成する直前に混合することが好ましいことがある。言い換えると、不均一な組成物は、直接、第1及び第2の組成物を混合することによって調製される、又は第1及び第2の組成物を混合する工程と不均一な組成物を生成する工程との間に中間工程を含まないことが好ましいことがある。
第1及び第2の組成物は、例えばシェーカーを介して手で(一定でない混合能力で)混合して、こうして得られた混合物が、スムージーの外観のような一様でない外観を有して生成されることが好ましいことがある。例えば、工業生産プロセス中に、第1及び第2の組成物を手作業によらずに混合した場合(典型的には一定した混合能力を有する混合機を用いて混合した場合)、こうして得られた混合物の外観は不均一にはならないことがある。
[美容的使用]
本発明による第1及び第2の組成物を混合することによって調製された不均一な組成物は、美容目的に使用することができる。そのため、本発明によるキット又はプロセスによって調製された不均一な組成物は、化粧用組成物であってもよい。
例えば、不均一な組成物を、不均一な組成物をケラチン物質上に適用する工程を含む、ケラチン物質のための美容方法に使用することができる。
本発明による美容方法は、
第1の組成物と第2の組成物とを混合して、不均一な組成物を調製する工程と、
不均一な組成物を、ケラチン物質上に適用する工程と
を含んでもよく、
第1の組成物は、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
第2の組成物は、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む。
また、本発明の目的は、本発明による美容方法によって達成することもできる。
ケラチン物質としては、皮膚、頭皮、毛髪、唇等の粘膜、及び爪を挙げることができる。不均一な組成物は、好ましくは、皮膚、頭皮、及び/又は唇等のケラチン物質、好ましくは皮膚への適用を目的としたものでよい。
ケラチン物質は、不均一な組成物の適用前に、乾燥状態又は湿潤状態にあることができる。不均一な組成物のケラチン物質への適用に後続して、ケラチン物質のすすぎを行っても行わなくてもよい。
化粧用組成物としての不均一な組成物は、例えば、ローション、ミルクローション、クリーム、ジェル、ペースト、セラム、フォーム、又はスプレーの形態の局所用の化粧用組成物として使用することができる。
本発明によるキット又はプロセスは、第1及び第2の組成物を混合することによって、消費者の特定的ニーズを満たす個人向け化粧料の消費者による調製を可能にすることができ、第1及び第2の組成物中の任意選択の成分は、特定的ニーズに応じて変更してもよい。
本発明に基づいて、消費者は、スムージー様の様相を有する化粧料を一様でない組成物として自分たちで調製することができる。これは、スキンケア製品(フェイスマスク、化粧落とし等)、ヘアケア製品(シャンプー、ヘアトリートメント等)又はあらゆる種類のパーソナルケア製品に該当し得る。本明細書に記載の一様でない組成物の使用による利益には、皮膚の保湿、より均一な肌の色合い、皮膚又は毛髪の自然な外観の改善、皮膚又は頭皮の紫外線保護、皮膚又は頭皮の油分制御等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明することにする。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。以下の実施例は、本発明の技術分野における非限定的な例示として提示される。
(実施例1~3及び比較例1~5)
実施例1~3及び比較例1~5による第1及び第2の組成物を、それぞれ、第1及び第2の容器に充填した。次いで第1及び第2の組成物を、表1に示すように6:94の質量比でシェーカーに充填し、手で振って混合した。第2の組成物は、O/Wエマルションの形態であった。第2の組成物の処方を表2に示す。表2に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
Figure 0007277632000013
Figure 0007277632000014
(評価)
実施例1~3及び比較例1~5による第1及び第2の組成物を手で混合することによって得られた混合物の様相を目視観察した。結果を表3に示す。
Figure 0007277632000015
一様でない: 外観が一様でなかった(不均一だった)
一様: 外観が一様であった(均一だった)
上で実証したように、ヒドロキシアルキル修飾デンプンを使用した実施例1~3は、一様でない組成物を生成することができたが、一方で、非修飾デンプンを使用した(比較例1~3)又はカルボキシ修飾デンプンを使用した(比較例4及び5)比較例1~5は、一様でない組成物を生成することができなかった。
(実施例4)
実施例4による第1及び第2の組成物を、それぞれ、第1及び第2の容器に充填した。次いで第1及び第2の組成物を、表4に示すように18:82の質量比でシェーカーに充填し、手で振って混合した。第2の組成物の配合を表5に示す。表5に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
Figure 0007277632000016
Figure 0007277632000017
(評価)
実施例4による第1及び第2の組成物を手で混合することによって得られた混合物の様相を目視観察し、一様でない(均一でない)ことが判明した。
上で実証したように、ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、増粘剤で増粘化された水を含む組成物と混合すると、一様でない組成物を生成することができた。
(実施例5)
実施例5による第1及び第2の組成物を、それぞれ、第1及び第2の容器に充填した。次いで第1及び第2の組成物を、表6に示すように28:72の質量比でシェーカーに充填し、手で振って混合した。第2の組成物の配合を表7に示す。表7に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
Figure 0007277632000018
Figure 0007277632000019
(評価)
実施例5による第1及び第2の組成物を手で混合することによって得られた混合物の様相を目視観察し、一様でない(均一でない)ことが判明した。
上で実証したように、ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、油を含む組成物と混合すると、一様でない組成物を生成することができた。
(実施例6)
実施例6による第1及び第2の組成物を、それぞれ、第1及び第2の容器に充填した。次いで第1及び第2の組成物を、表8に示すように13:87の質量比でシェーカーに充填し、手で振って混合した。第2の組成物の配合を表9に示す。表9に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。
Figure 0007277632000020
Figure 0007277632000021
(評価)
実施例6による第1及び第2の組成物を手で混合することによって得られた混合物の様相を目視観察し、一様でない(均一でない)ことが判明した。
上で実証したように、ヒドロキシアルキル修飾デンプンは、ジェルクリームの形態の組成物と混合すると、一様でない組成物を生成することができた。
実施例1~6は、ヒドロキシアルキル修飾デンプンが、油及び/又は水を含むいろいろな組成物と混合すると、一様でない組成物を生成できることを実証する。

Claims (7)

  1. 少なくとも気泡の不均質な分布を含む不均一な化粧用組成物の調製方法であって、
    前記化粧用組成物の使用者が第1の組成物と第2の組成物とを手作業で混合する工程を含み、
    前記第1の組成物が、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
    前記第2の組成物が、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む、方法。
  2. 前記ヒドロキシアルキル修飾デンプンが、アルファ化されている、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヒドロキシアルキル修飾デンプンが、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシエチルデンプンリン酸、ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第1の組成物が、粉末の形態である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記第1の組成物中の前記ヒドロキシアルキル修飾デンプンの量が、前記組成物の総質量に対して0.01質量%から100質量%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第2の組成物が、25℃、大気圧下で液体の形態である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第1の組成物と第2の組成物とを混合して、少なくとも気泡の不均質な分布を含む不均一な化粧用組成物を該化粧用組成物の使用者が手作業で調製する工程と、
    前記不均一な化粧用組成物を、前記使用者がケラチン物質上に適用する工程と
    を含む、美容方法であって、
    前記第1の組成物が、少なくとも1種のヒドロキシアルキル修飾デンプンを含み、
    前記第2の組成物が、油、水、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の生理的に許容される媒体を含む、方法。
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