JP7268521B2 - 軟磁性粉末、磁心および電子部品 - Google Patents
軟磁性粉末、磁心および電子部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7268521B2 JP7268521B2 JP2019137298A JP2019137298A JP7268521B2 JP 7268521 B2 JP7268521 B2 JP 7268521B2 JP 2019137298 A JP2019137298 A JP 2019137298A JP 2019137298 A JP2019137298 A JP 2019137298A JP 7268521 B2 JP7268521 B2 JP 7268521B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- soft magnetic
- powder
- coating
- covering portion
- diameter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Description
表面が無機絶縁被膜により覆われている軟磁性金属粒子を含み、
前記無機絶縁被膜は、前記軟磁性金属粒子の表面に接している第1被覆部と、前記第1被覆部の外側に形成してある第2被覆部と、を有し、
前記第1被覆部は、リンおよび酸素を含み、
前記第2被覆部は、ケイ素および酸素を含んでいる。
前記第2被覆部の厚み(T2)と、前記第1被覆部および前記第2被覆部の厚みの和(T1+T2)との比率が、20%≦T2/(T1+T2)≦90%、より好ましくは50%≦T2/(T1+T2)≦80%である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るインダクタ素子100は、コイル120と圧粉磁心110とで構成され、圧粉磁心110の内部にコイル120が埋設してある構成を有する。
図2に示すように、本実施形態に係る軟磁性粉末1は、軟磁性金属粒子4の表面に無機絶縁被膜10が形成された被覆粒子2を複数含んでいる。軟磁性粉末1には、被覆粒子2以外の粒子が混在していてもよく、軟磁性粉末1に含まれる全ての粒子の質量割合を100%とした場合、被覆粒子2の質量割合が5%以上であることが好ましい。なお、軟磁性金属粒子2の形状は特に制限されないが、通常は、球体である。
次に、軟磁性金属粒子4の表面を覆う無機絶縁被膜10について説明する。この無機絶縁被膜10は、軟磁性金属粒子4の表面の少なくとも一部を覆っていればよく、表面の全部を覆っていてもよい。すなわち、軟磁性金属粒子4の表面に対する無機絶縁被膜10の被覆率は、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上である。なお、無機絶縁被膜10は、軟磁性金属粒子4の表面を連続的に覆っていてもよいし、断続的に覆っていてもよい。
まず、軟磁性粉末1を構成する複数の軟磁性金属粒子4を作製する。軟磁性金属粒子4は、公知の粉末製造方法により作製できるが、たとえば、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、回転ディスク法、カルボニル法等を用いて製造することができる。また、単ロール法により得られる薄帯を機械的に粉砕して製造しても良い。これらの中では、所望の磁気特性を有する軟磁性金属粒子が得られやすいという観点から、カルボニル法を用いることが好ましい。なお、得られた軟磁性金属粒子4の粒子径については、篩分級、気流分級等により粒度調整が可能である。
次に、上記の軟磁性粉末1を用いて圧粉磁心を製造する。具体的な製造方法は、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。たとえば、図1に示す圧粉磁心110は、以下に示す方法で作製できる。
本実施形態では、軟磁性粉末1に含まれる軟磁性金属粒子4の表面を、リン酸化合物系の第1被覆部12と、Si酸化物系の第2被覆部14とを含む多層構造の無機絶縁被膜10で覆うことにより、軟磁性粉末1の耐熱性を向上させることができる。本実施形態において、耐熱性が向上するとは、軟磁性粉末1を高温環境下(150℃以上)に長時間(2000h以上)曝した後においても、軟磁性粉末1の絶縁抵抗が低下し難く、高い絶縁性を維持できることを意味する。
以下、図5に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態における第1実施形態と共通の構成に関しては、説明を省略し、同じ符号を使用する。
まず、軟磁性粉末の原料として、小径粉と大径粉の2種類の粉末を準備した。具体的に、小径粉としては、材質が純鉄で、メディアン径(D50)が5μmである粉末を準備し、大径粉としては、材質が93.5Fe-6.5Siで、メディアン径(D50)が25μmである粉末を準備した。
圧粉磁心試料に含まれる無機絶縁被膜の確認は、TEM観察により行った。TEM観察では、小径粉のコア粒子表面に形成してある無機絶縁被膜について、少なくとも10箇所以上でEDSによる線分析を行い、無機絶縁被膜中の成分および各層の膜厚を測定した。本実験の全ての実施例において、狙い値どおり小径粉のコア粒子表面に第1被覆部と第2被覆部とが形成されていることが確認できた。各実施例における第1被覆部と第2被覆部の厚みを、表1に示す。なお、本実験では、実施例1~11のいずれにおいても、第1被覆部と第2被覆部との間に中間層は形成されていなかった。
各実施例の圧粉磁心試料について、初透磁率μiを測定した。初透磁率μiは、圧粉磁心にワイヤを50ターン巻きつけた後、LCRメータ(HP社LCR428A)によって測定した。各実施例の測定結果を表1に示す。なお、初透磁率μiについては、20以上を良好と判断する。
また、各実施例の圧粉磁心試料について、耐熱試験を行った。耐熱試験では、圧粉磁心試料を、155℃、の高温環境下に、2000時間曝した後、絶縁抵抗を測定した。絶縁抵抗は、トロイダル両側にIn-Gaペーストを塗って端子電極を形成した後、HP社のハイレジスタンスメータ4339Bにより測定した。各実施例の耐熱試験後の絶縁抵抗を表1に示す。
比較例1では、小径粉のコア粒子の表面に、リン酸化合物系の被膜のみを形成した。これ以外の実験条件は、実施例1~11と同様にして、比較例1の圧粉磁心試料を作製した。
比較例2では、小径粉のコア粒子の表面に、Si系酸化物被膜のみを形成した。これ以外の実験条件は、実施例1~11と同様にして、比較例2の圧粉磁心試料を作製した。
実験例2では、T2/(T1+T2)を60%で固定したうえで、第1被覆部と第2被覆部との厚みの和(T1+T2)の水準を振って、8種の小径粉を作製した。これ以外の実験条件は、実験1と同様にして、実施例21~28の圧粉磁心試料を作製した。各実施例21~28における膜厚と、評価結果を表2に示す。
実験例3では、リン酸塩処理をする際に、添加元素αもしくは添加元素βを含むリン酸塩溶液を使用して第1被覆部を形成し、小径粉を得た。具体的に実施例31~46では、小径粉の第1被覆部に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属から選ばれる添加元素αが含まれている。各実施例31~46における添加元素αとその含有比率(α/P)を表3に示す。また、実施例51~61では、小径粉の第1被覆部に、ZnまたはAlから選ばれる添加元素βが含まれている。各実施例51~61における添加元素βとその含有比率を表4に示す。
1a … 小径粉
2 … 被覆粒子
4 … 軟磁性金属粒子
6 … 大径粉
10 … 無機絶縁被膜
12 … 第1被覆部
14 … 第2被覆部
16 … 中間層
20 … 樹脂
100 … インダクタ素子
110,111 … 圧粉磁心
120 … コイル
Claims (7)
- 15μm以上の粒径を有する大径粉と、15μm未満の粒径を有する小径粉と、を含み、
前記小径粉が、表面が無機絶縁被膜により覆われている軟磁性金属粒子を含み、
前記無機絶縁被膜は、前記軟磁性金属粒子の表面に接している第1被覆部と、前記第1被覆部の外側に形成してある第2被覆部と、を有し、
前記第1被覆部は、リンおよび酸素を含むリン酸化合物の被膜であり、
前記第2被覆部は、ケイ素および酸素を含むSi酸化物の被膜である軟磁性粉末。 - 前記第1被覆部の厚み(T1)と前記第2被覆部の厚み(T2)の和が、10nm≦T1+T2≦150nmであり、
前記第2被覆部の厚み(T2)と、前記第1被覆部および前記第2被覆部の厚みの和(T1+T2)との比率が、20%≦T2/(T1+T2)≦90%である請求項1に記載の軟磁性粉末。 - 前記第2被覆部の厚み(T2)と、前記第1被覆部および前記第2被覆部の厚みの和(T1+T2)との比率が、50%≦T2/(T1+T2)≦80%である請求項2に記載の軟磁性粉末。
- 前記第1被覆部は、Li,Na,K,Rb,Cs,Mg,Ca,Sr,Baから選ばれる1種以上の元素(α)を含み、
前記第1被覆部における前記元素(α)とリン(P)との含有比率α/Pが、モル分率で、0.05≦α/P≦0.5である請求項1~3のいずれかに記載の軟磁性粉末。 - 前記第1被覆部は、ZnおよびAlから選ばれる1種以上の元素(β)を含み、
前記第1被覆部における前記元素(β)とリン(P)との含有比率β/Pが、モル分率で、0.5≦β/P≦0.8である請求項1~3のいずれかに記載の軟磁性粉末。 - 請求項1~5のいずれかに記載の軟磁性粉末を含む磁心。
- 請求項6に記載の磁心を備える電子部品。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019137298A JP7268521B2 (ja) | 2019-07-25 | 2019-07-25 | 軟磁性粉末、磁心および電子部品 |
KR1020237044342A KR20240005980A (ko) | 2019-07-25 | 2020-07-21 | 연자성 분말, 자심 및 전자 부품 |
KR1020227002146A KR102647243B1 (ko) | 2019-07-25 | 2020-07-21 | 연자성 분말, 자심 및 전자 부품 |
US17/628,815 US20220254553A1 (en) | 2019-07-25 | 2020-07-21 | Soft magnetic powder, magnetic core, and electronic component |
CN202080052571.3A CN114144852A (zh) | 2019-07-25 | 2020-07-21 | 软磁性粉末、磁芯和电子部件 |
PCT/JP2020/028323 WO2021015206A1 (ja) | 2019-07-25 | 2020-07-21 | 軟磁性粉末、磁心および電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019137298A JP7268521B2 (ja) | 2019-07-25 | 2019-07-25 | 軟磁性粉末、磁心および電子部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021022625A JP2021022625A (ja) | 2021-02-18 |
JP7268521B2 true JP7268521B2 (ja) | 2023-05-08 |
Family
ID=74574421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019137298A Active JP7268521B2 (ja) | 2019-07-25 | 2019-07-25 | 軟磁性粉末、磁心および電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7268521B2 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006128663A (ja) | 2004-09-30 | 2006-05-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 軟磁性材料、圧粉磁心、および軟磁性材料の製造方法 |
JP2008063651A (ja) | 2006-09-11 | 2008-03-21 | Kobe Steel Ltd | 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心 |
JP2009228107A (ja) | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Kobe Steel Ltd | 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心 |
JP2009266973A (ja) | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Toda Kogyo Corp | 軟磁性粒子粉末及びその製造法、該軟磁性粒子粉末を含む圧粉磁心 |
JP2010236020A (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Mitsubishi Materials Corp | 複合軟磁性材料及びその製造方法と電磁気回路部品 |
WO2017018264A1 (ja) | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 住友電気工業株式会社 | 圧粉磁心、電磁部品、及び圧粉磁心の製造方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6824207B2 (ja) * | 2018-02-14 | 2021-02-03 | 株式会社豊田自動織機 | パネル装置 |
-
2019
- 2019-07-25 JP JP2019137298A patent/JP7268521B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006128663A (ja) | 2004-09-30 | 2006-05-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 軟磁性材料、圧粉磁心、および軟磁性材料の製造方法 |
JP2008063651A (ja) | 2006-09-11 | 2008-03-21 | Kobe Steel Ltd | 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心 |
JP2009228107A (ja) | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Kobe Steel Ltd | 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心 |
JP2009266973A (ja) | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Toda Kogyo Corp | 軟磁性粒子粉末及びその製造法、該軟磁性粒子粉末を含む圧粉磁心 |
JP2010236020A (ja) | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Mitsubishi Materials Corp | 複合軟磁性材料及びその製造方法と電磁気回路部品 |
WO2017018264A1 (ja) | 2015-07-27 | 2017-02-02 | 住友電気工業株式会社 | 圧粉磁心、電磁部品、及び圧粉磁心の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021022625A (ja) | 2021-02-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN110246653B (zh) | 软磁性金属粉末、压粉磁芯及磁性部件 | |
JP6504287B1 (ja) | 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 | |
CN107799279B (zh) | 压粉磁芯 | |
KR102229115B1 (ko) | 연자성 금속 분말, 압분 자심 및 자성 부품 | |
JP7128439B2 (ja) | 圧粉磁芯およびインダクタ素子 | |
KR102647243B1 (ko) | 연자성 분말, 자심 및 전자 부품 | |
JP6504289B1 (ja) | 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 | |
JP2021174936A (ja) | 複合粒子、コアおよび電子部品 | |
JP7133381B2 (ja) | 圧粉磁心 | |
JP6429056B1 (ja) | 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 | |
JP7268522B2 (ja) | 軟磁性粉末、磁心および電子部品 | |
JP6429055B1 (ja) | 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および磁性部品 | |
JP2019096747A (ja) | 圧粉磁心 | |
JP7268521B2 (ja) | 軟磁性粉末、磁心および電子部品 | |
JP7510809B2 (ja) | 軟磁性粉末、磁心および電子部品 | |
JP7128438B2 (ja) | 圧粉磁芯およびインダクタ素子 | |
JP6790584B2 (ja) | 軟磁性金属粉末および圧粉磁心 | |
JP7415340B2 (ja) | 金属磁性複合材料の熱硬化体 | |
JP2024093911A (ja) | 軟磁性金属粉末、圧粉磁心および電子部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220225 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221220 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230322 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230404 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7268521 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |