<第1実施形態>
本発明の第1実施形態について図1から図13を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置1の説明図である。なお、図1は、電気光学装置1に対する信号伝送系の構成を示す。電気光学装置1は、電気光学パネル100と、ドライバーIC(Integrated Circuit)等の駆動用集積回路200と、フレキシブル回路基板300とを有する。電気光学パネル100は、駆動用集積回路200が搭載されるフレキシブル回路基板300に接続される。また、電気光学パネル100は、フレキシブル回路基板300および駆動用集積回路200を介して、図示しないホストCPU(Central Processing Unit)装置に接続される。駆動用集積回路200は、画像信号および駆動制御のための各種の制御信号をホストCPU装置からフレキシブル回路基板300を介して受信し、フレキシブル回路基板300を介して電気光学パネル100を駆動する装置である。
電気光学装置1は、液晶素子を用いて画像を表示する。例えば、電気光学装置1は、各画素の階調を指定する画像信号に基づくビデオ電圧を、信号線を介して各画素に供給することで、各画素が有する液晶の透過率をビデオ電圧に基づく透過率に制御する。この結果、各画素の階調は、画像信号で指定される階調に設定される。なお、電気光学装置1では、電気光学材料の電気的な劣化を防止するため、液晶素子に印加する電圧の極性を一定周期毎に反転する極性反転駆動が採用される。例えば、電気光学装置1は、信号線を介して画素に供給する画像信号のレベルを、画像信号の中心電圧に対して1垂直走査期間毎に反転する。なお、極性を反転させる周期は任意に設定することができ、例えば、垂直走査期間の自然数倍であってもよい。本明細書においては、画像信号の電圧が中心電圧等の所定電圧に対して高電圧となる場合を正極性とし、画像信号の電圧が所定電圧に対して低電圧となる場合を負極性とする。
図2は、第1実施形態に係る電気光学装置1の構成を示すブロック図である。電気光学装置1は、複数の走査線120と、複数の信号線122と、基準電位が与えられる容量線124と、複数の画素PXと、画像信号回路140と、プリチャージ回路160と、走査線駆動回路180と、制御回路280とを有する。例えば、図2に示すブロックのうち、制御回路280と、後述する信号線駆動回路240とプリチャージ電圧制御回路260とは、駆動用集積回路200に含まれる。また、図2に示すブロックのうち、制御回路280と信号線駆動回路240とプリチャージ電圧制御回路260とを除くブロックは、電気光学パネル100に含まれる。容量線124は、基準線の一例である。
複数の信号線122は、例えば、k個の信号線122を含む信号線群に分類される。但し、kは3以上の整数である。図2に示す例では、kは8であり、信号線122の総数は、4160個である。したがって、4160個の信号線122は、8個の信号線122を含む520個の信号線群に分類される。なお、kは、3以上の整数であれば、8に限定されない。また、信号線122の総数は、図2に示す例に限定されない。例えば、信号線122の総数は、k個でもよい。この場合、信号線群の数は1個である。
複数の画素PXの各々は、複数の走査線120と複数の信号線122との各交差に対応して配置される。図2に示す例では、画素PXは、縦2160行×横4160列の行列状に配置される。なお、画素PXの数は、図2に示す例に限定されない。また、各画素PXは、図3に示すように、容量線124に接続される保持容量Cstを有する。図2では、図の一番上側に記載された画素PXの行を1行目とし、図の一番左側に記載された画素PXの列を1列目とする。また、以下では、m行目の画素PXに接続される走査線120は、m行目の走査線120とも称され、n列目の画素PXに接続される信号線122は、n列目の信号線122とも称される。なお、図2に示す例では、mは、1以上2160以下の整数であり、nは、1以上4160以下の整数である。
走査線120には、走査信号Gが供給され、信号線122には、画像信号Sまたはプリチャージ信号PRCが供給される。走査信号Gの符号の末尾の数字は、行番号に対応する。また、画像信号S、後述する書き込みスイッチSWvおよびプリチャージスイッチSWpの符号の末尾の数字は、列番号に対応する。容量線124には、コモン電圧Vcomが供給される。コモン電圧Vcomにより与えられる容量線124の電位、すなわち、コモン電圧Vcomに基づく電位は、基準電位の一例である。
画像信号回路140は、水平走査期間において、各信号線群に含まれる8個の信号線122、すなわち、k個の信号線122の各々に画像信号Sを順番に供給する。水平走査期間は、各列の信号線122に供給される画像信号Sに基づくビデオ電圧を、1行の画素PXに書き込むための期間である。書き込み対象の行は、走査線駆動回路180から走査線120に供給される走査信号Gにより選択される。
画像信号回路140は、複数の信号線群にそれぞれ対応して設けられる複数の書き込み選択回路SUvと、画像信号Sを各書き込み選択回路SUvに出力する信号線駆動回路240とを有する。例えば、書き込み選択回路SUv1は、1列目から8列目までの8個の信号線122を含む信号線群に対応し、画像信号Sの供給対象の信号線122を1列目から8列目までの8個の信号線122から選択する。また、書き込み選択回路SUv520は、4153列目から4160列目までの8個の信号線122を含む信号線群に対応し、画像信号Sの供給対象の信号線122を4153列目から4160列目までの8個の信号線122から選択する。書き込み選択回路SUvにより選択される信号線122に画像信号Sが供給される。
各書き込み選択回路SUvは、対応する信号線群に含まれる8個の信号線122、すなわち、k個の信号線122にそれぞれ接続されるk個の書き込みスイッチSWvを有する。書き込みスイッチSWvは、例えば、TFT(thin film transistor)等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受ける書き込み選択信号SELのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、書き込みスイッチSWvは、Pチャネル型のトランジスターでもよいし、TFT以外のスイッチング素子でもよい。各書き込み選択回路SUvの構成は、書き込みスイッチSWvの制御端子以外の端子の接続先が書き込み選択回路SUv毎に異なることを除いて、互いに同一である。このため、以下では、書き込み選択回路SUv1の構成を中心に説明する。
例えば、書き込み選択回路SUv1は、8個の書き込みスイッチSWv1-SWv8を有する。書き込みスイッチSWv1-SWv8の各々の一端は、1列目から8列目までの8個の信号線122の各々にそれぞれに接続される。また、書き込みスイッチSWv1-SWv8の各々の他端は、互いに接続され、信号線駆動回路240から画像信号S1-S8を順番に受ける。そして、後述する制御回路280からの制御に応じて、書き込みスイッチSWv1-SWv8のうちで、導通状態に設定される書き込みスイッチSWvが、1水平走査期間において、順番に切り替わる。この結果、信号線駆動回路240から順番に出力される画像信号S1-S8が、対応する信号線122に順番に供給される。
例えば、書き込み選択信号SEL1がハイレベル等の選択電位に設定されることで、書き込み選択信号SEL1を受ける書き込みスイッチSWv1が導通状態に遷移する。この結果、画像信号S1が信号線駆動回路240から1列目の信号線122に供給され、1列目の信号線122は、画像信号S1に基づくビデオ電圧に充電される。なお、書き込み選択信号SEL1は、書き込み選択回路SUv1以外の各書き込み選択回路SUvにおいて、書き込みスイッチSWv1と同じ系列の書き込みスイッチSWv、例えば、書き込みスイッチSWv4153にも出力される。
図2に示す例では、書き込みスイッチSWvの符号の末尾の数字を8で除算した余りが互いに同じ値の書き込みスイッチSWvは、同系列の書き込みスイッチSWvであり、共通の書き込み選択信号SELを制御端子で受ける。例えば、書き込みスイッチSWv1は、書き込みスイッチSWv4153と同じ系列であり、書き込みスイッチSWv8は、書き込みスイッチSWv4160と同じ系列である。
以下では、書き込み選択信号SELiで制御される書き込みスイッチSWvは、第i系列の書き込みスイッチSWvとも称される。なお、iは、1以上8以下の整数、すなわち、1以上k以下の整数である。また、第i系列の書き込みスイッチSWvに接続される信号線122は、第i系列の信号線122とも称される。したがって、書き込み選択信号SELの符号の末尾の数字は、制御対象の信号線122の系列番号に対応する。同様に、後述するプリチャージ選択信号PSELの符号の末尾の数字も、制御対象の信号線122の系列番号に対応する。
信号線駆動回路240は、8画素分の画像信号S、すなわち、k画素分の画像信号Sを時系列的なシリアル信号として、各書き込み選択回路SUvに出力する。例えば、信号線駆動回路240は、画像信号S1-S8を書き込み選択回路SUv1に順番に出力するとともに、画像信号S4153-S4160を書き込み選択回路SUv520に順番に出力する。同じ系列の信号線122に供給される画像信号Sは、信号線駆動回路240から各書き込み選択回路SUvに並列に出力される。すなわち、信号線駆動回路240は、同じ系列の信号線122に供給するそれぞれの画像信号Sを、複数の信号線群の各々に並列に出力する。
プリチャージ回路160は、水平走査期間において、各信号線群に含まれるk個の信号線122のうちの画像信号回路140が画像信号Sを供給する前の信号線122にプリチャージ信号PRCを所定の順番で供給する。この結果、画像信号Sが供給される前の信号線122は、プリチャージ信号PRCに基づく所定のプリチャージ電圧に充電される。すなわち、プリチャージ回路160は、画像信号Sが供給される前の信号線122を所定のプリチャージ電圧に充電するプリチャージを実行する。なお、所定の順番は、予め決められるプリチャージの実行順であり、信号線122の配置順と同じ順番でもよいし、異なる順番でもよい。
例えば、プリチャージ回路160は、複数の信号線群にそれぞれ対応して設けられる複数のプリチャージ選択回路SUpと、プリチャージ信号PRCを各プリチャージ選択回路SUpに出力するプリチャージ電圧制御回路260とを有する。例えば、プリチャージ選択回路SUp1は、1列目から8列目までの8個の信号線122を含む信号線群に対応し、プリチャージ信号PRCの供給対象の信号線122を1列目から8列目までの8個の信号線122から選択する。また、プリチャージ選択回路SUp520は、4153列目から4160列目までの8個の信号線122を含む信号線群に対応し、プリチャージ信号PRCの供給対象の信号線122を4153列目から4160列目までの8個の信号線122から選択する。プリチャージ選択回路SUpにより選択される信号線122にプリチャージ信号PRCが供給される。
各プリチャージ選択回路SUpは、対応する信号線群に含まれる8個の信号線122、すなわち、k個の信号線122にそれぞれ接続されるk個のプリチャージスイッチSWpを有する。プリチャージスイッチSWpは、例えば、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、ゲート等の制御端子で受けるプリチャージ選択信号PSELのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。なお、プリチャージスイッチSWpは、Pチャネル型のトランジスターでもよいし、TFT以外のスイッチング素子でもよい。各プリチャージ選択回路SUpの構成は、プリチャージスイッチSWpに接続される信号線122がプリチャージ選択回路SUp毎に異なることを除いて、互いに同一である。このため、以下では、プリチャージ選択回路SUp1の構成を中心に説明する。
例えば、プリチャージ選択回路SUp1は、8個のプリチャージスイッチSWp1-SWv8を有する。プリチャージスイッチSWp1-SWp8の各々の一端は、1列目から8列目までの8個の信号線122の各々にそれぞれに接続される。また、プリチャージスイッチSWp1-SWp8の各々の他端は、互いに接続され、プリチャージ電圧制御回路260からプリチャージ信号PRCを受ける。そして、後述する制御回路280からの制御に応じて、プリチャージスイッチSWp1-SWp8のうちで、導通状態に設定されるプリチャージスイッチSWpが選択される。この結果、プリチャージ電圧制御回路260から出力されるプリチャージ信号PRCが、導通状態のプリチャージスイッチSWpに接続された信号線122に供給される。
例えば、プリチャージ選択信号PSEL1がハイレベル等の選択電位に設定されることで、プリチャージ選択信号PSEL1を受けるプリチャージスイッチSWp1等の第1系列のプリチャージスイッチSWpが導通状態に遷移する。この結果、プリチャージ信号PRCがプリチャージ電圧制御回路260から第1系列の信号線122に供給され、第1系列の信号線122は、プリチャージ信号PRCに基づくプリチャージ電圧に充電される。プリチャージ選択信号PSELが選択電位に維持されている期間は、信号線122にプリチャージ信号PRCを供給するプリチャージ期間の一例である。
なお、プリチャージスイッチSWp1-SWp8の各々の他端は、プリチャージ選択回路SUp1以外のプリチャージ選択回路SUpのプリチャージスイッチSWpの他端にも接続される。すなわち、プリチャージスイッチSWp1-SWp4160の他端は、互いに接続され、プリチャージ電圧制御回路260からプリチャージ信号PRCを受ける。
プリチャージ電圧制御回路260は、図示しない外部の設定値記憶手段等に格納されている設定値に基づいて、画像信号Sの極性に基づくプリチャージ電圧を信号線122に供給するためのプリチャージ信号PRCを複数のプリチャージスイッチSWpに出力する。
走査線駆動回路180は、画像信号Sの供給対象の行を選択する走査信号Gを複数の画素PXに行毎に順次出力する。例えば、走査線駆動回路180は、1行目の画素PXにビデオ電圧を書き込む第1水平走査期間に、走査信号G1の電位をハイレベル等の選択電位に遷移させる。
制御回路280は、図示しない外部のホストCPU装置から、垂直走査期間を規定する垂直同期信号、水平走査期間を規定する水平同期信号等の外部信号を受ける。そして、制御回路280は、ホストCPU装置から受ける信号に基づいて、走査線駆動回路180と画像信号回路140とプリチャージ回路160とを同期制御する。
例えば、制御回路280は、各信号線群に含まれる8個の信号線122、すなわち、k個の信号線122に画像信号Sを供給するタイミングを、書き込み選択信号SEL等を用いて制御する。制御回路280は、画像信号Sの供給対象の系列の信号線122を選択する書き込み選択信号SEL1-SEL8を各系列の書き込みスイッチSWvに出力する。例えば、制御回路280は、第1系列の信号線122に画像信号Sを供給する場合、書き込み選択信号SEL1の電位を選択電位に遷移させる。この結果、第1系列の書き込みスイッチSWvが導通状態に遷移し、信号線駆動回路240から出力される画像信号Sが第1系列の信号線122に供給される。
なお、制御回路280は、書き込み選択信号SELを選択電位に維持している期間を調整することにより、各系列の信号線122に対する画像信号Sの供給期間の長さを調整する。すなわち、制御回路280は、水平走査期間において、各信号線群に含まれる8個の信号線122、すなわち、k個の信号線122の各々に画像信号Sを順番に供給するk個の供給期間の長さを制御する。例えば、制御回路280は、k個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間の一方を、k個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を除く1または複数の所定の供給期間より長くする。
また、制御回路280は、プリチャージ信号PRCの供給対象の系列の信号線122を選択するプリチャージ選択信号PSEL1-PSEL8を各系列のプリチャージスイッチSWpに出力する。例えば、制御回路280は、第2系列の信号線122にプリチャージ信号PRCを供給する場合、プリチャージ選択信号PSEL2の電位を選択電位に遷移させる。この結果、第2系列の書き込みスイッチSWvが導通状態に遷移し、プリチャージ電圧制御回路260から出力されるプリチャージ信号PRCが第2系列の信号線122に供給される。書き込み選択信号SELおよびプリチャージ選択信号PSEL等の動作タイミングは、図5から図12で説明する。
図3は、画素PXの構成を示す回路図である。各画素PXは、液晶素子130と、容量線124に接続される保持容量Cstと、画素トランジスターTRhとを有する。液晶素子130は、互いに対向する画素電極132およびコモン電極134と、画素電極132およびコモン電極134間に配置される液晶136とを含む電気光学素子である。画素電極132とコモン電極134との間の印加電圧に応じて液晶136の透過率が変化することにより、表示階調が変化する。なお、コモン電極134には、図示しないコモン線を介して、一定の電圧であるコモン電圧Vcomが供給される。
保持容量Cstは、液晶素子130と並列に設けられている。保持容量Cstの一方の端子は、画素トランジスターTRhに接続され、他方の端子は、容量線124を介してコモン電極134に接続される。
画素トランジスターTRhは、例えば、TFT等で構成されるNチャネル型のトランジスターであり、液晶素子130と信号線122との間に設けられる。そして、画素トランジスターTRhは、ゲートに接続される走査線120に供給される走査信号Gのレベルに応じて、導通状態と非導通状態とのいずれかに設定される。すなわち、画素トランジスターTRhは、液晶素子130と信号線122との間の電気的な接続を制御する。例えば、走査信号Gmが選択電位に設定されることで、m行目の各画素PXにおける画素トランジスターTRhが同時またはほぼ同時に導通状態に遷移する。
画素トランジスターTRhが導通状態に制御されると、液晶素子130には、信号線122から供給される画像信号Sに基づくビデオ電圧が印加される。液晶136は、画像信号Sに基づくビデオ電圧が印加されることにより、画像信号Sに基づく透過率に設定される。また、図示しない光源が点灯状態になると、光源から出射される光は、画素PXが有する液晶素子130の液晶136を透過して、電気光学装置1の外部に出力される。すなわち、液晶素子130に画像信号Sに基づくビデオ電圧が印加され、かつ、光源が点灯状態となることで、画素PXは、画像信号Sに基づく階調を表示する。
また、液晶素子130と並列に設けられる保持容量Cstは、液晶素子130に印加されるビデオ電圧に充電される。すなわち、各画素PXは、画像信号Sに対応する電位を保持容量Cstに保持する。
なお、画素トランジスターTRhが導通状態に制御されると、保持容量Cstと信号線122とが電気的に接続される。このため、信号線122の電位E122の変動が保持容量Cstを介して容量線124に伝播する場合がある。また図示しない信号線122と容量線124との結合容量によっても信号線122の電位E122の変動が容量線124に伝播する。図2では行方向の容量線配置例を示したが、列方向すなわち信号線122と重なるように容量線124を配置する場合には特に顕著となる。この場合、容量線124の電位E124が不安定になる期間が発生する。次に、図4を用いて、信号線122の電位変動に伴う容量線124の電位変動を説明する。
図4は、信号線122の電位E122の動きと容量線124の電位E124の動きとの関係を示す図である。なお、図4は、正極性駆動でラスター表示を実行する場合の信号線122の電位E122の動きと容量線124の電位E124の動きとの関係を示す。電位E122[i]は、第i系列の信号線122の電位E122を示し、電位E122[j]は、第j系列の信号線122の電位E122を示す。図4に示す例では、第i系列の信号線122に画像信号Siが供給され、第j系列の信号線122にプリチャージ信号PRCが供給される。ビデオ電圧Vvidpは、正極性駆動時における画像信号Siに基づく電圧を示し、プリチャージ電圧Vprcpは、正極性駆動時におけるプリチャージ信号PRCに基づく電圧を示す。例えば、ビデオ電圧Vvidpは、12Vであり、プリチャージ電圧Vprcpは、4Vである。
ビデオ電圧Vvidpの印加対象となる第i系列の信号線122の電位E122[i]は、ビデオ電圧Vvidpを印加するための画像信号Siが供給されると、プリチャージ電圧Vprcpからビデオ電圧Vvidpに遷移する。この場合、容量線124の電位E124は、コモン電圧Vcomから上昇し、再びコモン電圧Vcomに戻る。
また、プリチャージの対象となる第j系列の信号線122の電位E122[j]は、プリチャージ電圧Vprcpを印加するためのプリチャージ信号PRCが供給されると、ビデオ電圧Vvidpからプリチャージ電圧Vprcpに遷移する。この場合、容量線124の電位E124は、コモン電圧Vcomから下降し、再びコモン電圧Vcomに戻る。
プリチャージ信号PRCの供給時では、容量線124の電位E124は、画像信号Siの供給時における容量線124の電位E124の変化と同じ量または同程度の量で反対に変化する。したがって、プリチャージ信号PRCの供給期間であるプリチャージ期間を画像信号Sの供給期間に重複させることにより、容量線124の電位変動、すなわち、容量線124に重畳されるノイズが相殺される。以下では、変動量が互いに同じまたは同程度で変動の向きが反対の電位変動を容量線124に与えることにより、容量線124に重畳されるノイズを相殺する効果を、カウンターノイズ効果とも称する。カウンターノイズ効果が得られる場合、カウンターノイズ効果が得られない場合に比べて、容量線124の電位変動が抑制され、容量線124の電位E124が早期に安定する。
なお、自然画等では、画像信号Siの供給時おける容量線124の電位変動とプリチャージ信号PRCの供給時における容量線124の電位変動との関係は、図4に示す例と異なり、カウンターノイズ効果が得られるとは限らない。しかしながら、自然画等では、全ての画素PXが同一の画素値であるベタ画像に比べて、ランダム要素が強い。このため、自然画等では、カウンターノイズ効果が得られない場合でも、カウンターノイズ効果が得られない場合のベタ画像に比べて、見た目上の違和感は少ない。
図5から図12は、正極性駆動でラスター表示を実行する場合の電気光学装置1の各水平走査期間Hの動作タイミングを示す。電位E122の符号のかぎ括弧内の数字は、信号線122の系列を示す。例えば、電位E122[1]は、第1系列の信号線122の電位E122を示し、電位E122[8]は、第8系列の信号線122の電位E122を示す。図5から図12に示す例では、画像信号回路140は、水平走査期間Hに含まれるk個の供給期間のそれぞれにおいて、k個の信号線122のうちの1個の信号線122に画像信号Sを供給する。また、プリチャージ回路160は、水平走査期間Hに含まれるk個の供給期間のうちの第1個目から第k-1個目の供給期間に対応するプリチャージ期間のそれぞれにおいて、k個の信号線122のうちの1個の信号線122にプリチャージ信号PRCを供給する。制御回路280は、水平走査期間Hに含まれるk個の供給期間うちの第1個目の供給期間および第k個目の供給期間を、k個の供給期間のうちの第1個目の供給期間および第k個目の供給期間を除く他の供給期間より長くする。
図5は、第1水平走査期間H1の動作タイミングを示す図である。第1水平走査期間H1は、1行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第1水平走査期間H1では、1行目の走査線120に供給される走査信号G1の電位がハイレベルに設定される。1行目以外の走査線120に供給される走査信号G2-G2160は、ローレベルに維持される。
書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL1-SEL8の順に切り替わる。すなわち、第1系列の信号線122から第8系列の信号線122までの各系列の信号線122に対して、供給期間が順番に割り当てられる。この結果、各系列の信号線122に画像信号Sが順番に供給される。
また、書き込み選択信号SEL1-SEL7の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL2-PSEL8の各々のハイレベル期間が切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL2は、書き込み選択信号SEL1がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL1は、ローレベルに維持される。
第1系列の供給期間、すなわち、書き込み選択信号SEL1がハイレベルの期間では、第1系列の信号線122に対するプリチャージが実行されないため、前水平走査期間Hの表示でビデオ電圧Vvidpに充電された第1系列の信号線122に対して、同じビデオ電圧Vvidpが再び印加される。このため、第1系列の信号線122の電位E122[1]は、ほとんど変動しない。したがって、第1系列の信号線122と容量線124との間の容量結合による容量線124の電位変動は、ほとんど発生しない。ところで各フレームの最初の水平走査期間Hでは信号線122の電位E122がほとんど変動しない状態を作り出すために、表示に見えないダミーの画素行を設けてラスター表示と同じ画像信号Sもしくはグレーレベルの信号を信号線122に書き込む。または各フレームの最初の水平走査期間Hが始まる前に、ラスター表示と同じ画像信号Sもしくはグレーレベルの信号を信号線122に書き込む、等の動作を行うことが好ましい。
また、第1系列の供給期間では、プリチャージ選択信号PSEL2がハイレベルに維持されている第2系列のプリチャージ期間に、第2系列の信号線122に対するプリチャージが実行される。すなわち、第2系列のプリチャージ期間に、第2系列の信号線122にプリチャージ信号PRCが供給される。このため、第2系列の信号線122の電位E122[2]は、図4で説明したように、ビデオ電圧Vvidpからプリチャージ電圧Vprcpに遷移する。そして、第2系列の信号線122と容量線124との間の容量結合によって、電位E122[2]の変動が容量線124に伝播し、容量線124に電位変動が発生する。図4で説明したように、容量線124の電位E124は、コモン電圧Vcomから下降し、再びコモン電圧Vcomに戻る。
第2系列の供給期間、すなわち、書き込み選択信号SEL2がハイレベルの期間では、プリチャージ電圧Vprcpに充電された第2系列の信号線122に対して、ビデオ電圧Vvidpが印加される。このため、第2系列の信号線122の電位E122[2]は、図4で説明したように、プリチャージ電圧Vprcpからビデオ電圧Vvidpに遷移する。そして、第2系列の信号線122と容量線124との間の容量結合によって、電位E122[2]の変動が容量線124に伝播し、容量線124に電位変動が発生する。
しかしながら、第2系列の供給期間では、第2系列の供給期間に重複する第3系列のプリチャージ期間に、第3系列の信号線122に対するプリチャージが実行される。このため、図4で説明したカウンターノイズ効果により、容量線124の電位E124の変動は、第1系列の供給期間に比べて抑制される。
例えば、第2系列の供給期間では、プリチャージ選択信号PSEL3がハイレベルの期間に、第3系列の信号線122に対するプリチャージが実行される。このため、第3系列の信号線122の電位E122[3]は、ビデオ電圧Vvidpからプリチャージ電圧Vprcpに遷移する。そして、第3系列の信号線122と容量線124との間の容量結合によって、電位E122[3]の変動が容量線124に伝播し、容量線124に電位変動が発生する。電位E122[2]の変動による容量線124の電位変動と、電位E122[2]の変動と逆向きの電位E122[3]の変動による容量線124の電位変動とが互いに重畳され、図4で説明したように、容量線124に発生するノイズが相殺される。
第2系列の供給期間では、第1系列の供給期間に比べて、容量線124の電位E124の変動が抑制されるため、容量線124の電位E124が早期に安定する。このため、第2系列の供給期間の長さT2を第1系列の供給期間の長さT1より短くすることができる。なお、容量線124の電位E124が安定する前、すなわち、容量線124の電位E124がコモン電圧Vcomに戻る前に供給期間が終了する場合、供給期間の終了後に容量線124の電位E124がコモン電圧Vcomに戻る。この場合、保持容量Cstに接続される画素電極132の電位も供給期間の終了後に変動する。すなわち、供給期間の終了後に、画素電極132の電位が、画像信号Sに基づくビデオ電圧Vvidpから変化する。この場合、画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができない。
したがって、第1系列の供給期間では、供給期間の長さT1を第2系列の供給期間の長さT2より長くすることにより、容量線124の電位E124が安定する前に供給期間が終了することを抑制する。この結果、第1系列の供給期間に画像信号Sが供給される第1系列の各画素PXにおいても、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。
第3系列の供給期間から第7系列の供給期間は、第2系列の供給期間と同様に、カウンターノイズ効果により、容量線124の電位E124の変動は、第1系列の供給期間に比べて抑制される。上述したように、第2系列から第7系列までの供給期間は、プリチャージ信号PRCが既に供給されている信号線122に画像信号Sを供給する供給期間であり、他の信号線122にプリチャージ信号PRCを供給するプリチャージ期間との重複期間を含む。
第8系列の供給期間、すなわち、書き込み選択信号SEL8がハイレベルの期間では、プリチャージ電圧Vprcpに充電された第8系列の信号線122に対して、ビデオ電圧Vvidpが印加される。このため、第8系列の信号線122の電位E122[8]は、プリチャージ電圧Vprcpからビデオ電圧Vvidpに遷移する。そして、第8系列の信号線122と容量線124との間の容量結合によって、電位E122[8]の変動が容量線124に伝播し、容量線124に電位変動が発生する。例えば、容量線124の電位E124は、コモン電圧Vcomから上昇し、再びコモン電圧Vcomに戻る。
なお、第8系列の供給期間では、他の系列の信号線122に対するプリチャージが実行されない。このため、第8系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。この結果、第8系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる第2系列から第7系列までの供給期間に比べて、容量線124の電位E124が安定するまでの時間が長くなる。したがって、第8系列の供給期間では、供給期間の長さT3を第2系列の供給期間の長さT2より長くすることにより、容量線124の電位E124が安定する前に供給期間が終了することを抑制する。この結果、第8系列の供給期間に画像信号Sが供給される第8系列の各画素PXにおいても、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。
すなわち、制御回路280は、第1系列の供給期間の長さT1および第8系列の供給期間の長さT3を、第2系列から第7系列までの供給期間の長さT2より長くする。なお、図5に示す例では、第1系列の供給期間は、8系列の信号線122の各系列に画像信号Sを順番に供給する8個の供給期間のうちの最初の供給期間であり、第8系列の供給期間は、8個の供給期間のうちの最後の供給期間である。第2系列から第7系列までの供給期間は、8個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を除く供給期間である。
すなわち、図5に示す例では、第1系列の供給期間は最初の供給期間の一例であり、第2系列から第7系列までの供給期間は、所定の供給期間の一例であり、第8系列の供給期間は最後の供給期間の一例である。したがって、制御回路280は、8個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間の両方の長さT1、T3を、8個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を除く所定の供給期間の長さT2より長くする。なお、制御回路280は、8個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間の一方の長さを、所定の供給期間の長さT2より長くしてもよい。
図6は、第2水平走査期間H2の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。第2水平走査期間H2は、2行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第2水平走査期間H2では、2行目の走査線120に供給される走査信号G2の電位がハイレベルに設定される。2行目以外の走査線120に供給される走査信号G1、G3-G2160は、ローレベルに維持される。
第2水平走査期間H2では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線122に画像信号Sを順番に供給する際の順番が第1水平走査期間H1と異なる。例えば、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL2-SEL8、SEL1の順に切り替わる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、第1水平走査期間H1と第2水平走査期間H2との2つの水平走査期間Hで異ならせる。また、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、第1水平走査期間H1と第2水平走査期間H2との2つの水平走査期間Hで異ならせる。
書き込み選択信号SEL2-SEL8の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL3-PSEL8、PSEL1の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL3は、書き込み選択信号SEL2がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL1は、書き込み選択信号SEL8がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL2は、ローレベルに維持される。
したがって、第2水平走査期間H2では、最初の供給期間である第2系列の供給期間および最後の供給期間である第1系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第3系列から第8系列までの供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第2系列の供給期間の長さT1および第1系列の供給期間の長さT3を、第3系列から第8系列までの供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図6に示す第3系列から第8系列までの供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を2つの水平走査期間Hで異ならせるため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、電気光学装置1は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を2つの水平走査期間Hで異ならせるため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
図5および図6に示した動作タイミングでは、制御回路280は、第2系列の信号線122に画像信号Sを供給する第2系列の供給期間を、第2水平走査期間H2では最初の供給期間に割り当て、第1水平走査期間H1では所定の供給期間に割り当てる。そして、制御回路280は、最初の供給期間の長さT1を所定の供給期間の長さT2より長くする。また、プリチャージ回路160は、第2水平走査期間H2では第2系列の信号線122に対してプリチャージ信号PRCを供給せず、第1水平走査期間H1では第2系列の信号線122に対してプリチャージ信号PRCを供給する。なお、図5および図6に示した例では、第2系列の信号線122は、k個の信号線122のうちの第1信号線122の一例であり、第2水平走査期間H2は、2つの水平走査期間Hの一方である第1の水平走査期間Hの一例であり、第1水平走査期間H1は、2つの水平走査期間Hの他方である第2の水平走査期間Hの一例である。
図7は、第3水平走査期間H3の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。第3水平走査期間H3は、3行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第3水平走査期間H3では、3行目の走査線120に供給される走査信号G3の電位がハイレベルに設定される。3行目以外の走査線120に供給される走査信号G1、G2、G4-G2160は、ローレベルに維持される。
第3水平走査期間H3では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線122に画像信号Sを順番に供給する際の順番が、第1水平走査期間H1および第2水平走査期間H2と異なる。例えば、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL3-SEL8、SEL1、SEL2の順に切り替わる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、3つの水平走査期間Hで異ならせる。また、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、3つの水平走査期間Hで異ならせる。
書き込み選択信号SEL3-SEL8、SEL1の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL4-PSEL8、PSEL1、PSEL2の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL4は、書き込み選択信号SEL3がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL2は、書き込み選択信号SEL1がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL3は、ローレベルに維持される。
したがって、第3水平走査期間H3では、最初の供給期間である第3系列の供給期間および最後の供給期間である第2系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第4系列から第8系列までの供給期間および第1系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第3系列の供給期間の長さT1および第2系列の供給期間の長さT3を、第4系列から第8系列までの供給期間および第1系列の供給期間の各供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図7に示す第4系列から第8系列までの供給期間および第1系列の供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を3つの水平走査期間Hで異ならせるため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、電気光学装置1は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を3つの水平走査期間Hで異ならせるため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
図8は、第4水平走査期間H4の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。第4水平走査期間H4は、4行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第4水平走査期間H4では、4行目の走査線120に供給される走査信号G4の電位がハイレベルに設定される。4行目以外の走査線120に供給される走査信号G1-G3、G5-G2160は、ローレベルに維持される。
第4水平走査期間H4では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線122に画像信号Sを順番に供給する際の順番が、第1水平走査期間H1から第3水平走査期間H3までの各水平走査期間Hと異なる。例えば、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL4-SEL8、SEL1-SEL3の順に切り替わる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、4つの水平走査期間Hで異ならせる。また、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、4つの水平走査期間Hで異ならせる。
書き込み選択信号SEL4-SEL8、SEL1-SEL2の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL5-PSEL8、PSEL1-PSEL3の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL5は、書き込み選択信号SEL4がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL3は、書き込み選択信号SEL2がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL4は、ローレベルに維持される。
したがって、第4水平走査期間H4では、最初の供給期間である第4系列の供給期間および最後の供給期間である第3系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第5系列から第8系列までの供給期間、第1系列の供給期間および第2系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第4系列の供給期間の長さT1および第3系列の供給期間の長さT3を、第5系列から第8系列までの供給期間、第1系列の供給期間および第2系列の供給期間の各供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図8に示す第5系列から第8系列までの供給期間、第1系列の供給期間および第2系列の供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を4つの水平走査期間Hで異ならせるため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、電気光学装置1は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を4つの水平走査期間Hで異ならせるため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
図9は、第5水平走査期間H5の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。第5水平走査期間H5は、5行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第5水平走査期間H5では、5行目の走査線120に供給される走査信号G5の電位がハイレベルに設定される。5行目以外の走査線120に供給される走査信号G1-G4、G6-G2160は、ローレベルに維持される。
第5水平走査期間H5では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線122に画像信号Sを順番に供給する際の順番が、第1水平走査期間H1から第4水平走査期間H4までの各水平走査期間Hと異なる。例えば、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL5-SEL8、SEL1-SEL4の順に切り替わる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、5つの水平走査期間Hで異ならせる。また、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、5つの水平走査期間Hで異ならせる。
書き込み選択信号SEL5-SEL8、SEL1-SEL3の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL6-PSEL8、PSEL1-PSEL4の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL6は、書き込み選択信号SEL5がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL4は、書き込み選択信号SEL3がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL5は、ローレベルに維持される。
したがって、第5水平走査期間H5では、最初の供給期間である第5系列の供給期間および最後の供給期間である第4系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第6系列から第8系列までの供給期間および第1系列から第3系列までの供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第5系列の供給期間の長さT1および第4系列の供給期間の長さT3を、第6系列から第8系列までの供給期間および第1系列から第3系列までの供給期間の各供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図9に示す第6系列から第8系列までの供給期間および第1系列から第3系列までの供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を5つの水平走査期間Hで異ならせるため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、電気光学装置1は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を5つの水平走査期間Hで異ならせるため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
図10は、第6水平走査期間H6の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。第6水平走査期間H6は、6行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第6水平走査期間H6では、6行目の走査線120に供給される走査信号G6の電位がハイレベルに設定される。6行目以外の走査線120に供給される走査信号G1-G5、G7-G2160は、ローレベルに維持される。
第6水平走査期間H6では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線122に画像信号Sを順番に供給する際の順番が、第1水平走査期間H1から第5水平走査期間H5までの各水平走査期間Hと異なる。例えば、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL6-SEL8、SEL1-SEL5の順に切り替わる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、6つの水平走査期間Hで異ならせる。また、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、6つの水平走査期間Hで異ならせる。
書き込み選択信号SEL6-SEL8、SEL1-SEL4の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL7、PSEL8、PSEL1-PSEL5の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL7は、書き込み選択信号SEL6がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL5は、書き込み選択信号SEL4がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL6は、ローレベルに維持される。
したがって、第6水平走査期間H6では、最初の供給期間である第6系列の供給期間および最後の供給期間である第5系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第7系列の供給期間、第8系列の供給期間および第1系列から第4系列までの供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第6系列の供給期間の長さT1および第5系列の供給期間の長さT3を、第7系列の供給期間、第8系列の供給期間および第1系列から第4系列までの供給期間の各供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図10に示す第7系列の供給期間、第8系列の供給期間および第1系列から第4系列までの供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を6つの水平走査期間Hで異ならせるため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、電気光学装置1は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を6つの水平走査期間Hで異ならせるため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
図11は、第7水平走査期間H7の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。第7水平走査期間H7は、7行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第7水平走査期間H7では、7行目の走査線120に供給される走査信号G7の電位がハイレベルに設定される。7行目以外の走査線120に供給される走査信号G1-G6、G8-G2160は、ローレベルに維持される。
第7水平走査期間H7では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線122に画像信号Sを順番に供給する際の順番が、第1水平走査期間H1から第6水平走査期間H6までの各水平走査期間Hと異なる。例えば、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL7、SEL8、SEL1-SEL6の順に切り替わる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、7つの水平走査期間Hで異ならせる。また、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、7つの水平走査期間Hで異ならせる。
書き込み選択信号SEL7、SEL8、SEL1-SEL5の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL8、PSEL1-PSEL6の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL8は、書き込み選択信号SEL7がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL6は、書き込み選択信号SEL5がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL7は、ローレベルに維持される。
したがって、第7水平走査期間H7では、最初の供給期間である第7系列の供給期間および最後の供給期間である第6系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第8系列の供給期間および第1系列から第5系列までの供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第7系列の供給期間の長さT1および第6系列の供給期間の長さT3を、第8系列の供給期間および第1系列から第5系列までの供給期間の各供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図11に示す第8系列の供給期間および第1系列から第5系列までの供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を7つの水平走査期間Hで異ならせるため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、電気光学装置1は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を7つの水平走査期間Hで異ならせるため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
図12は、第8水平走査期間H8の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。第8水平走査期間H8は、8行目の画素PXにビデオ電圧Vvidpを書き込むための水平走査期間Hである。第8水平走査期間H8では、8行目の走査線120に供給される走査信号G8の電位がハイレベルに設定される。8行目以外の走査線120に供給される走査信号G1-G7、G9-G2160は、ローレベルに維持される。
第8水平走査期間H8では、第1系列から第8系列までの各系列の信号線122に画像信号Sを順番に供給する際の順番が、第1水平走査期間H1から第7水平走査期間H7までの各水平走査期間Hと異なる。例えば、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL8、SEL1-SEL7の順に切り替わる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、8つの水平走査期間Hで異ならせる。また、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、8つの水平走査期間Hで異ならせる。すなわち、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、k個の水平走査期間Hで異ならせ、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、k個の水平走査期間Hで異ならせる。
書き込み選択信号SEL8、SEL1-SEL6の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL1-PSEL7の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。例えば、プリチャージ選択信号PSEL1は、書き込み選択信号SEL8がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL7は、書き込み選択信号SEL6がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL8は、ローレベルに維持される。
したがって、第8水平走査期間H8では、最初の供給期間である第8系列の供給期間および最後の供給期間である第7系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第1系列から第6系列までの供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第8系列の供給期間の長さT1および第7系列の供給期間の長さT3を、第1系列から第6系列までの供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図12に示す第1系列から第6系列までの供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、電気光学装置1は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を8つの水平走査期間Hで異ならせるため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、電気光学装置1は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を8つの水平走査期間Hで異ならせるため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
すなわち、図5から図12に示した動作タイミングでは、制御回路280は、プリチャージ信号PRCが既に供給されている系列の信号線122に画像信号Sを供給する供給期間のうち、プリチャージ期間との重複期間を含まない供給期間を、プリチャージ期間との重複期間を含む供給期間より長くする。また、制御回路280は、プリチャージ期間との重複期間を含む供給期間のうち、プリチャージ信号PRCが供給されていない系列の信号線122に画像信号Sを供給する供給期間を、プリチャージ信号PRCが既に供給されている列の信号線122に画像信号Sを供給する供給期間より長くする。
第1水平走査期間H1から第8水平走査期間H8までの水平走査期間H以外の水平走査期間Hは、ビデオ電圧Vvidpの書き込み対象の画素PXの行を選択する走査信号Gを除いて、図5から図12に示した動作タイミングのいずれかと同様である。なお、垂直走査期間は、図5から図12に示した動作タイミングと異なる動作タイミングで動作する水平走査期間H、例えば、プリチャージが実行されない水平走査期間Hを含んでもよい。
負極性駆動でラスター表示を実行する場合の電気光学装置1の各水平走査期間Hの動作タイミングは、図5から図12の説明において、ビデオ電圧Vvidpおよびプリチャージ電圧Vprcpを、負極性駆動時のビデオ電圧およびプリチャージ電圧にそれぞれ読み替えることにより説明される。負極性駆動時では、階調によっては、信号線122の電位E122は、ほとんど変動しない。
図13は、第1実施形態に係る電気光学装置1の動作の一例を示すフローチャートである。図13に示す動作は、電気光学装置1の駆動方法の一例である。なお、図13に示す動作は、各水平走査期間Hにおいて、8個の供給期間、すなわち、k個の供給期間の各々の長さを設定する際の電気光学装置1の駆動方法の一例である。電気光学装置1は、各水平走査期間Hにおいて、k個の供給期間の長さを全て設定するまで図13に示す動作を繰り返す。
先ず、ステップS100では、電気光学装置1は、駆動対象の信号線122の供給期間がk個の供給期間のうちの最初の供給期間かを判定する。駆動対象の信号線122の供給期間が最初の供給期間である場合、電気光学装置1は、ステップS200において、駆動対象の信号線122の供給期間を、長さT1に設定する。一方、駆動対象の信号線122の供給期間が最初の供給期間でない場合、電気光学装置1の動作は、ステップS120に移る。
ステップS120では、電気光学装置1は、駆動対象の信号線122の供給期間がk個の供給期間のうちの最後の供給期間かを判定する。駆動対象の信号線122の供給期間が最後の供給期間である場合、電気光学装置1は、ステップS220において、駆動対象の信号線122の供給期間を、長さT3に設定する。一方、駆動対象の信号線122の供給期間が最後の供給期間でない場合、電気光学装置1は、ステップS240において、駆動対象の信号線122の供給期間を、長さT1、T3より短い長さT2に設定する。
すなわち、電気光学装置1は、各水平走査期間Hにおいて、k個の信号線122の各々に画像信号Sを順番に供給するk個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を、k個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を除く1または複数の所定の供給期間より長くする。
なお、電気光学装置1の動作は、図13に示す例に限定されない。例えば、ステップS120、S220は、省かれてもよい。あるいは、ステップS100、S200は、省かれてもよい。すなわち、電気光学装置1は、各水平走査期間Hにおいて、k個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間の一方を、k個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を除く1または複数の所定の供給期間より長くしてもよい。
以上、第1実施形態では、制御回路280は、水平走査期間Hにおいて、k個の信号線122の各々に画像信号Sを順番に供給するk個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を、k個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を除く1または複数の所定の供給期間より長くする。
例えば、所定の供給期間は、プリチャージ信号PRCが既に供給されている信号線122に画像信号Sを供給する供給期間であり、他の信号線122にプリチャージ信号PRCを供給するプリチャージ期間との重複期間を含む。このため、所定の供給期間では、容量線124に重畳されるノイズを相殺するカウンターノイズ効果が得られる。
なお、カウンターノイズ効果が得られない最初の供給期間および最後の供給期間は、上述したように、カウンターノイズ効果が得られる所定の供給期間より長く設定される。この結果、電気光学装置1は、カウンターノイズ効果が得られない最初の供給期間および最後の供給期間が、容量線124が安定する前に終了することを抑制できる。したがって、最初の供給期間および最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXにおいても、画像信号Sの指定する階調を正確に表示できる。すなわち、電気光学装置1は、表示ムラの発生を抑制でき、表示品位を向上できる。
なお、最初の供給期間および最後の供給期間の一方を、k個の供給期間のうちの最初の供給期間および最後の供給期間を除く1または複数の所定の供給期間より長くする場合でも、供給期間の長さを調整しない場合に比べて、表示ムラの発生を抑制できる。すなわち、電気光学装置1の表示品位を向上させることができる。
また、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、2つの水平走査期間Hで異ならせる。このため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、2つの水平走査期間Hで異ならせる。このため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
また、制御回路280は、最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、k個の水平走査期間Hで異ならせる。このため、最初の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。同様に、制御回路280は、最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、k個の水平走査期間Hで異ならせる。このため、最後の供給期間に画像信号Sが供給される画素PXで階調が正確に表示されない場合でも、階調が正確に表示されない画素PXの列が固定されることを抑制できる。
<第2実施形態>
第2実施形態における電気光学装置1の構成および動作は、制御回路280がプリチャージ信号PRCを信号線122に供給するタイミングを除いて、上述した第1実施形態の電気光学装置1と同一である。
図14は、本発明の第2実施形態における第1水平走査期間H1の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
第1水平走査期間H1では、図5に示した動作タイミングと同様に、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL1-SEL8の順に切り替わる。また、書き込み選択信号SEL1-SEL7の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL2-PSEL8の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。図14に示す例では、プリチャージ選択信号PSEL2-PSEL8の各々のハイレベル期間が切り替わる順番は、図5に示した動作タイミングと同じであるが、切り替わるタイミングが図5に示した動作タイミングと異なる。
例えば、プリチャージ選択信号PSEL2は、図5に示した動作タイミングと同様に、書き込み選択信号SEL1に同期して変化する。但し、プリチャージ選択信号PSEL2は、書き込み選択信号SEL1がハイレベルに遷移する前に、ハイレベルに遷移する。そして、プリチャージ選択信号PSEL2は、書き込み選択信号SEL1がローレベルに遷移する前にローレベルに遷移する。
また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL8は、図5に示した動作タイミングと同様に、書き込み選択信号SEL7に同期して変化する。但し、プリチャージ選択信号PSEL8は、書き込み選択信号SEL6のローレベルへの遷移より後で、かつ、書き込み選択信号SEL7がハイレベルに遷移する前に、ハイレベルに遷移する。そして、プリチャージ選択信号PSEL8は、書き込み選択信号SEL7がローレベルに遷移する前にローレベルに遷移する。プリチャージ選択信号PSEL3-PSEL7の各々も、同期する書き込み選択信号SELに対して、プリチャージ選択信号PSEL8と同様のタイミングで変化する。
すなわち、第2実施形態では、制御回路280は、最初の供給期間に重複するプリチャージ期間を、最初の供給期間に重複する期間を残して、最初の供給期間に先行させる。また、制御回路280は、第2系列の供給期間等の所定の供給期間に重複するプリチャージ期間を、所定の供給期間に重複する期間を残して、所定の供給期間に先行させる。
プリチャージスイッチSWpの駆動能力が低いと、カウンターノイズ効果が充分に得られない場合がある。このため、第2実施形態では、プリチャージ期間を供給期間に先行させることにより、プリチャージ期間を供給期間に先行させない場合に比べて、容量線124の電位E124の変動が緩やかになるまでの時間を確保する。この結果、容量線124の電位E124が安定する前に供給期間が終了することを抑制することができる。したがって、各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
<変形例1>
図15および図16は、第1実施形態の変形例1における電気光学装置1の動作タイミングを示す図である。なお、図15および図16は、正極性駆動でラスター表示を実行する場合の電気光学装置1の動作タイミングを示す。変形例1では、1供給期間おきにプリチャージが実行される。すなわち、プリチャージは、k個の供給期間のうちの最後の供給期間を除く1または複数の所定の供給期間に合わせて実行されればよい。図15および図16に示す例では、プリチャージ回路160は、水平走査期間Hに含まれるk個の供給期間のうちの第1個目から第k-1個目の供給期間に対応するh個のプリチャージ期間のそれぞれにおいて、k個の信号線122のうちの1個の信号線122にプリチャージ信号PRCを供給する。但し、hは、2以上でk-1以下の整数である。また、制御回路280は、水平走査期間Hに含まれるk個の供給期間うちの第1個目のプリチャージ期間に対応する供給期間を、第2個目のプリチャージ期間に対応する供給期間より長くする。
図15は、第1実施形態の変形例1における第1水平走査期間H1の動作タイミングを示す図である。図5で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
第1水平走査期間H1では、図5に示した動作タイミングと同様に、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL1-SEL8の順に切り替わる。また、書き込み選択信号SEL1、SEL3、SEL5の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL3、PSEL5、PSEL7の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。すなわち、変形例1の第1水平走査期間H1では、奇数系列の信号線122にプリチャージ信号PRCが順番に供給される。
例えば、プリチャージ選択信号PSEL3は、書き込み選択信号SEL1がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL5は、書き込み選択信号SEL3がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL7は、書き込み選択信号SEL5がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL1、PSEL2、PSEL4、PSEL6、PSEL8は、ローレベルに維持される。
したがって、変形例1の第1水平走査期間H1では、最初の供給期間である第1系列の供給期間と、奇数系列における最後の供給期間である第7系列の供給期間とでは、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第3系列の供給期間および第5系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第1系列の供給期間の長さT1および第7系列の供給期間の長さT4を、第3系列の供給期間および第5系列の供給期間の各供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図15に示す第3系列の供給期間および第5系列の供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、ラスター表示の場合、変形例1の第1水平走査期間H1における偶数系列の供給期間では、信号線122の電位E122がほとんど変化しないため、容量線124の電位E124もほとんど変化しない。したがって、偶数系列の供給期間の長さ、例えば、最後の供給期間である第8系列の供給期間の長さT3は、第3系列の供給期間および第5系列の供給期間の各供給期間の長さT2と同じにしてもよい。
図16は、変形例1における第2水平走査期間H2の動作タイミングを示す図である。図5および図6で説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
第2水平走査期間H2では、図5に示した動作タイミングと同様に、書き込み選択信号SEL1-SEL8の各々のハイレベルの期間は、書き込み選択信号SEL1-SEL8の順に切り替わる。また、書き込み選択信号SEL2、SEL4、SEL6の各々のハイレベル期間の切り替わりに合わせて、プリチャージ選択信号PSEL4、PSEL6、PSEL8の各々のハイレベル期間が順番に切り替わる。すなわち、変形例1の第2水平走査期間H2では、偶数系列の信号線122にプリチャージ信号PRCが順番に供給される。
例えば、プリチャージ選択信号PSEL4は、書き込み選択信号SEL2がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL6は、書き込み選択信号SEL4がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。また、例えば、プリチャージ選択信号PSEL8は、書き込み選択信号SEL6がハイレベルに遷移するタイミングに同期してハイレベルに遷移し、所定時間経過後にローレベルに遷移する。なお、プリチャージ選択信号PSEL1、PSEL2、PSEL3、PSEL5、PSEL7は、ローレベルに維持される。
したがって、変形例1の第2水平走査期間H2では、偶数系列における最初の供給期間である第2系列の供給期間と、最後の供給期間である第8系列の供給期間とでは、カウンターノイズ効果が得られない。これに対し、第4系列の供給期間および第6系列の供給期間では、カウンターノイズ効果が得られる。このため、制御回路280は、第2系列の供給期間の長さT5および第8系列の供給期間の長さT3を、第4系列の供給期間および第6系列の供給期間の各供給期間の長さT2より長くする。この結果、各系列の各画素PXは、画像信号Sの指定する階調を正確に表示することができる。なお、図15に示す第4系列の供給期間および第6系列の供給期間は、所定の供給期間の一例である。
また、ラスター表示の場合、変形例1の第2水平走査期間H2における奇数系列の供給期間では、信号線122の電位E122がほとんど変化しないため、容量線124の電位E124もほとんど変化しない。したがって、奇数系列の供給期間の長さ、例えば、最初の供給期間である第1系列の供給期間の長さT1は、第4系列の供給期間および第6系列の供給期間の各供給期間の長さT2と同じにしてもよい。
変形例1においても、上述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。なお、変形例1を、上述した第2実施形態に適用してもよい。すなわち、変形例1においても、制御回路280は、プリチャージ期間を、同期する書き込み選択信号SELに対して、重複する期間を残して先行させてもよい。
また、変形例1においても、制御回路280は、奇数系列における最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、複数の水平走査期間Hで異ならせてもよい。また、制御回路280は、偶数系列における最初の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、複数の水平走査期間Hで異ならせてもよい。また、制御回路280は、奇数系列における最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、複数の水平走査期間Hで異ならせてもよい。また、制御回路280は、偶数系列における最後の供給期間に画像信号Sが供給される信号線122を、複数の水平走査期間Hで異ならせてもよい。
<変形例2>
上述した図2では、プリチャージスイッチSWp1-SWp4160の他端が互いに接続される例を示したが、プリチャージスイッチSWp1-SWp4160の他端の接続関係は、図2に示した例に限定されない。例えば、奇数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端が互いに接続され、偶数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端が互いに接続されてもよい。
この場合、プリチャージ電圧制御回路260は、電気光学装置1の通常動作時では、奇数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端と、偶数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端との両方にプリチャージ信号PRCを供給する。なお、電気光学装置1のテスト時では、例えば、図示しないテスト回路が、奇数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端を、偶数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端から電気的に絶縁する。そして、テスト回路は、奇数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端と、偶数番目の列の信号線122に接続されるプリチャージスイッチSWpの他端とに互いに異なるレベルのテスト信号を供給する。この場合、互いに隣り合う信号線122の短絡等を容易に検出することができる。
<変形例3>
上述した図2では、複数の信号線122がk個の信号線122を含む信号線群に分類される例を示したが、複数の信号線122は、複数の信号線群に分類されなくてもよい。例えば、電気光学装置1は、画像信号Sが順番に供給されるk個の信号線122を有していればよい。すなわち、図2に示したブロック図において、9列目から4160列目までの信号線122および画素PXと、書き込み選択回路SUv1以外の書き込み選択回路SUvと、プリチャージ選択回路SUp1以外のプリチャージ選択回路SUpとは、省かれてもよい。
<変形例4>
上述した第1実施形態および第2実施形態においては、電気光学装置として液晶を用いた装置を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、電気エネルギーによって光学特性が変化する電気光学材料を用いる電気光学装置であればよい。なお、電気光学材料とは、電流信号または電圧信号等の電気信号の供給によって透過率や輝度といった光学的特性が変化する材料である。例えば、有機EL(ElecTroLuminescent)、無機ELや発光ポリマーなどの発光素子を用いた表示パネルに対しても上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に本発明が適用され得る。
また、着色された液体と当該液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを電気光学材料として用いた電気泳動表示パネルに対しても上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に本発明が適用され得る。さらに、極性が相違する領域ごとに異なる色に塗り分けられたツイストボールを電気光学材料として用いたツイストボールディスプレイパネルに対しても上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に本発明が適用され得る。黒色トナーを電気光学材料として用いたトナーディスプレイパネルなど各種の電気光学装置に対しても上述した第1実施形態および第2実施形態と同様に本発明が適用され得る。
<変形例5>
本願発明の開発過程で、プリチャージスイッチSWpが導通状態から非導通状態に遷移する遷移動作に伴うノイズにより、信号線122及び容量線124が、該ノイズの影響を受けて、表示ムラとして視認されてしまう場合があることが分かっている。以下では、プリチャージスイッチSWpが導通状態から非導通状態に遷移する遷移動作は、プリチャージスイッチSWpのオフ動作とも称される。
変形例5では、この表示ムラの発生を抑制する方法について説明する。
上述した第1実施形態の図5において、第1系列の供給期間では、第2系列のプリチャージ期間に第2系列の信号線122に対するプリチャージが実行される。そして、第1系列の供給期間の終了時刻、すなわち、書き込み選択信号SEL1がローレベルに遷移した直後のタイミングは、第2系列のプリチャージ期間の終了時刻、すなわち、プリチャージ選択信号PSEL2がローレベルに遷移した直後のタイミングより遅い。一方で、第2系列の供給期間の終了時刻と第3系列のプリチャージ期間の終了時刻は、概ね一致している。
そして、本願の発明者は、第n系列の供給期間の終了時刻が、第n系列の供給期間と重複する期間に実行される第n+a系列のプリチャージ期間の終了時刻よりも遅い場合は、第n系列の供給期間の終了時刻が、第n系列の供給期間と重複して実行される第n+a系列のプリチャージ期間の終了時刻と一致している場合に比べて、プリチャージスイッチSWpのオフ動作に伴う信号線122及び容量線124へのノイズの影響が大きくなる、という知見を得た。但し、nは1以上の整数であり、aは1以上の整数である。尚、このプリチャージスイッチSWpのオフ動作に伴う信号線122及び容量線124へのノイズの影響は、第n系列の供給期間の終了時刻を、第n系列の供給期間と重複して実行される第n+a系列のプリチャージ期間の終了時刻よりも早くした場合でも、抑制されることが分かっている。
従って、プリチャージスイッチSWpのオフ動作に伴うノイズによる影響を抑制するために、図5において、第2系列のプリチャージ期間の終了時刻を第1系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。同様に、図6において、第3系列のプリチャージ期間の終了時刻を第2系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。同様に、図7において、第4系列のプリチャージ期間の終了時刻を第3系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。同様に、図8において、第5系列のプリチャージ期間の終了時刻を第4系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。同様に、図9において、第6系列のプリチャージ期間の終了時刻を第5系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。同様に、図10において、第7系列のプリチャージ期間の終了時刻を第6系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。同様に、図11において、第8系列のプリチャージ期間の終了時刻を第7系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。同様に、図12において、第1系列のプリチャージ期間の終了時刻を第8系列の供給期間の終了時刻に概ね一致させる構成としてもよい。
このようにある系列に対する供給期間の終了時刻と、期間が重複して実行されるプリチャージ期間の終了時刻との時間差を揃える構成、又は、供給期間の終了時刻を、期間が重複して実行されるプリチャージ期間の終了時刻よりも早くする構成にすることで表示ムラを抑制できる。
<応用例>
この発明は、各種の電子機器に利用され得る。図17から図19は、この発明の適用対象となる電子機器の具体的な形態を例示するものである。
図17は、電子機器の一例を示す説明図である。なお、図17は、電気光学装置1を採用した可搬型のパーソナルコンピューター2000の斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置1と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを有する。
図18は、電子機器の他の例を示す説明図である。なお、図18は、携帯電話機3000の斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置1とを有する。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールされる。
図19は、電子機器の他の例を示す説明図である。なお、図19は、電気光学装置1を採用した投射型表示装置4000の構成を示す模式図である。投射型表示装置4000は、例えば、3板式のプロジェクターである。図19に示す電気光学装置1Rは、赤色の表示色に対応する電気光学装置1であり、電気光学装置1Gは、緑の表示色に対応する電気光学装置1であり、電気光学装置1Bは、青色の表示色に対応する電気光学装置1である。
すなわち、投射型表示装置4000は、赤、緑および青の表示色に各々対応する3個の電気光学装置1R、1G、1Bを有する。照明光学系4001は、光源である照明装置4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1Rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1Gに供給し、青色成分bを電気光学装置1Bに供給する。各電気光学装置1R、1G、1Bは、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置1R、1G、1Bからの出射光を合成して投射面4004に投射する。すなわち、本発明は、液晶プロジェクターにも適用可能である。
なお、本発明が適用される電子機器としては、図1、および図17から図19に例示した機器のほか、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)が挙げられる。その他にも、デジタルスチルカメラ,テレビ,ビデオカメラ,カーナビゲーション装置,車載用の表示器(インパネ),電子手帳,電子ペーパー,電卓,ワードプロセッサー,ワークステーション,テレビ電話,POS端末が挙げられる。さらに、プリンター,スキャナー,複写機,ビデオプレーヤー,タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。