以下、本発明の実施形態に係る生産計画作成装置及び部品実装システムについて、図面に基づいて説明する。
[部品実装システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る生産計画作成装置4が適用された部品実装システム1の構成を示すブロック図である。部品実装システム1は、実装機2と、実装制御装置3と、生産計画作成装置4とを備える。部品実装システム1においては、実装機2と実装制御装置3とがデータ通信可能に接続され、実装制御装置3と生産計画作成装置4とがデータ通信可能に接続される。図1では、部品実装システム1に1台の実装機2が備えられる例が示されているが、複数の実装機2が配列されてもよい。
部品実装システム1は、プリント基板(以下、「基板」と称する)上に電子部品(以下、「部品」と称する)が搭載された部品搭載基板を生産するシステムである。部品実装システム1では、生産計画作成装置4により部品搭載基板の生産計画が作成され、その生産計画に基づいて実装制御装置3の制御のもと、実装機2によって部品搭載基板が生産される。
<実装機の構成>
まず、図2~図4を参照して実装機2の構成を説明する。図2は、実装機2の構成を示す平面図である。図3は、実装機2のヘッドユニット25の部分を拡大して示す図である。図4は、一括交換台車24Dの概略を示す図である。なお、以下では、方向関係については水平面上において互いに直交するXY直交座標を用いて説明する。
実装機2は、基板PPに部品を搭載して部品搭載基板を生産する装置である。実装機2による部品の搭載前において基板PPには、半田ペーストのパターンが印刷されている。つまり、実装機2は、パターン形成装置により半田ペーストのパターンが印刷された基板PPに部品を搭載する。実装機2は、本体フレーム21と、コンベア23と、部品供給部24と、ヘッドユニット25と、基板支持装置28とを備える。
本体フレーム21は、実装機2を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向(鉛直方向)から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア23は、X軸方向に延び、本体フレーム21に配置される。コンベア23は、基板PPをX軸方向に搬送する。コンベア23上を搬送される基板PPは、所定の作業位置(基板PP上に部品が搭載される部品搭載位置)に、基板支持装置28によって位置決めされるようになっている。基板支持装置28は、バックアップピンにより基板PPを支持することにより、当該基板PPを位置決めする。
部品供給部24は、本体フレーム21におけるY軸方向の一方側及び他方側のそれぞれの領域部分に、コンベア23を挟んで配置される。各部品供給部24には、部品を供給する複数のフィーダー24FがX軸方向に並ぶように配列される。フィーダー24Fは、複数の部品を保持し、その保持した部品をフィーダー内に設定された所定の部品供給位置に供給できるものであれば特に限定されず、例えばテープフィーダーである。テープフィーダーは、部品を所定間隔おきに収納した部品収納テープが巻回されたリールを備え、そのリールから部品収納テープを送出することにより、部品を供給するように構成されたフィーダーである。
ヘッドユニット25は、図2に示すように、移動フレーム27に保持されている。本体フレーム21上には、Y軸方向に延びる固定レール261と、Y軸サーボモータ263により回転駆動されるボールねじ軸262とが配設されている。移動フレーム27は固定レール261上に配置され、この移動フレーム27に設けられたナット部分271がボールねじ軸262に螺合している。また、移動フレーム27には、X軸方向に延びるガイド部材272と、X軸サーボモータ274により駆動されるボールねじ軸273とが配設されている。このガイド部材272にヘッドユニット25が移動可能に保持され、このヘッドユニット25に設けられたナット部分がボールねじ軸273に螺合している。そして、Y軸サーボモータ263の作動により移動フレーム27がY軸方向に移動すると共に、X軸サーボモータ274の作動によりヘッドユニット25が移動フレーム27に対してX軸方向に移動するようになっている。すなわち、ヘッドユニット25は、移動フレーム27の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム27に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット25は、部品供給部24とコンベア23により搬送された基板PPの所定の作業位置とにわたって移動可能である。
ヘッドユニット25は、図3に示すように、複数の実装ヘッド251を備えている。図3では、X軸方向に等間隔で一列に並ぶ8本の実装ヘッド251を備えたヘッドユニット25が示されている。各実装ヘッド251は、部品供給部24から部品を取り出すと共に、その取り出した部品を基板PP上に搭載(実装)する搭載動作を行う。各実装ヘッド251は、それぞれヘッドユニット25のフレームに対して鉛直方向(Z軸方向)の移動及びノズル中心軸(R軸)回りの回転が可能とされ、サーボモータを駆動源とする昇降駆動部及び回転駆動部により駆動されるようになっている。また、実装ヘッド251には、その先端(下端)に吸着ノズル2511が装着されている。吸着ノズル2511は、部品供給部24に配列されたフィーダー24Fにより供給された部品を吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル2511は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル2511に負圧が供給されることで当該吸着ノズル2511による部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
基板PPには、1枚の基板当たりに複数種の部品が搭載される。更に、基板PPの種類毎に搭載される部品の種類が異なる。このため、実装機2において、複数種の基板PPに対応して部品搭載基板を生産するためには、その生産に使用される部品種に対応した数のフィーダー24Fが必要となる。複数のフィーダー24Fは、部品供給部24に直接的に配置されてもよいし、図2に示すように部品供給ユニット24Uを使用して部品供給部24に配置されてもよい。
複数のフィーダー24Fが部品供給部24に直接的に配置される場合には、当該複数のフィーダー24Fの各々は、部品供給部24に対して個々の着脱が可能であり、部品供給部24内での配置を自由に設定し得るようになっている。一方、図2の例のように複数のフィーダー24Fが部品供給ユニット24Uを使用して部品供給部24に配置される場合を想定する。この場合、コンベア23を挟んでY軸方向の一方側及び他方側に設けられた2つの部品供給部24の各々に、2個の部品供給ユニット24UがX軸方向に並列に設けられている。複数のフィーダー24Fが各部品供給ユニット24Uに配列された状態で、部品供給部24に配設される。これにより、複数のフィーダー24Fが部品供給部24に配列された状態となる。複数のフィーダー24Fの各々は、部品供給ユニット24Uに対して個々の着脱が可能であり、部品供給ユニット24U内での配置を自由に設定し得るようになっている。各部品供給ユニット24Uは、それぞれ個別に図4に示す一括交換台車24Dに搭載されている。一括交換台車24Dは、その上端部に、部品供給ユニット24Uの支持部24D1を有すると共に、下端部にキャスター24D2を有し、部品供給ユニット24Uを支持した状態で自由に移動可能になっている。一括台車24Dは、部品供給部24に対して部品供給ユニット24Uに配列されたフィーダー24Fを一括交換する場合に用いられる。
実装機2において複数種の基板PPに対応して部品搭載基板を生産するときには、基板PPに搭載される部品を供給するフィーダー24Fを準備する段取りを行う段取り作業が必要となる。段取り作業は、オペレーター又は作業ロボットによって行われる。段取り作業は、実装機2に対して行われる内段取り作業と、実装機2の外側で行われる外段取り作業とに大別される。実装機2に対して内段取り作業が行われているときには、その内段取り作業が完了するまで、実装機2による部品搭載基板の生産が一時的に待機状態となる。一方、外段取り作業は実装機2の外側で行われる作業であるので、外段取り作業の作業中においても実装機2による部品搭載基板の生産の継続が可能である。内段取り作業としては、複数のフィーダー24Fを部品供給部24に対して直接的に配列させる作業と、複数のフィーダー24Fが配列された部品供給ユニット24Uを、一括台車24Dを用いて部品供給部24に配設する作業と、を挙げることができる。外段取り作業としては、部品供給部24に配設されずに、実装機2の外側に配置された、一括台車24Dに支持された部品供給ユニット24Uに対し、複数のフィーダー24Fを配列させる作業を挙げることができる。
<実装制御装置の構成>
次に、図1を参照して実装制御装置3について説明する。実装制御装置3は、実装機2による基板PPに対して部品を搭載する搭載動作の制御を行う装置である。実装制御装置3は、例えばマイクロコンピュータからなり、後述の生産計画作成装置4により作成された生産計画に基づいて、実装機2の搭載動作を制御する。なお、実装制御装置3は、実装機2の一部に組み入れられた構成であってもよい。
実装制御装置3は、データ通信部31と、実装制御部32と、実装記憶部33とを備える。データ通信部31は、生産計画作成装置4とのデータ通信を実現するインターフェイス回路である。データ通信部31は、詳細については後述するが、実装機2において生産が要求される基板PPの種類や生産数を示す生産要求情報PRIを生産計画作成装置4に送信する。また、データ通信部31は、前記生産要求情報PRIに応じて生産計画作成装置4が作成した生産計画を示す生産計画情報PPIを受信する。
データ通信部31によって受信された前記生産計画情報PPIは、実装記憶部33に記憶される。実装制御部32は、実装記憶部33から前記生産計画情報PPIを読み出して、実装機2の動作を制御する。すなわち、実装制御部32は、前記生産計画情報PPIに基づいて、コンベア23による基板PPの搬送動作、部品供給部24に配列された複数のフィーダー24Fによる部品の供給動作、及び実装ヘッド251による基板PPに対する部品の搭載動作を制御する。
<生産計画作成装置の構成>
次に、図1を参照して生産計画作成装置4について説明する。生産計画作成装置4は、実装機2において複数種の基板PPに対応して部品搭載基板を生産するときの生産計画を作成する装置である。生産計画作成装置4は、データ通信部41と、入力部42と、出力部43と、登録データ記憶部44と、制御部45とを備える。
登録データ記憶部44は、予め登録済みの各種データを記憶する記憶部である。登録データ記憶部44は、グループデータベース441と評価値データベース442とを含む。
グループデータベース441は、図5に示す事前登録グループ情報RGIを記憶する。事前登録グループ情報RGIは、複数種の基板PPのグループを示す予め登録済みの複数の事前登録グループに関する情報である。事前登録グループ情報RGIに登録される事前登録グループにおいては、部品供給部24におけるフィーダー24Fの配列が同一の基板PPが同一グループとされている。複数種の基板PPについて、搭載される部品の種類の共通度が高いほうが同一のフィーダー配列とした場合に生産効率が有利となるため、部品の種類の共通度が高い基板PPを同一の事前登録グループにするのが好ましい。例えば、搭載される部品の種類の共通度が所定値を超えて高い基板PPを同一の事前登録グループとしてもよい。
事前登録グループ情報RGIは、グループ種情報RG1と、登録基板種情報RG2と、実装プログラムRG3と、評価要素情報RG4とが関連付けられた情報である。グループ種情報RG1は、グループデータベース441に予め登録されて記憶される事前登録グループの種別を示す情報である。グループ種情報RG1は、例えば「グループG1」、「グループG2」、「グループG3」、「グループG4」、「グループG5」等のグループ番号で示される。登録基板種情報RG2は、事前登録グループに属する基板の種類を示す情報である。図5に示す例では、登録基板種情報RG2で示される「基板A」、「基板B」、「基板C」、及び「基板D」が、グループ種情報RG1で示される「グループG1」に属するとされている。同様に、登録基板種情報RG2で示される「基板A」、「基板B」、「基板C」、及び「基板D」が、グループ種情報RG1で示される「グループG2」に属するとされている。また、登録基板種情報RG2で示される「基板O」、「基板P」、「基板Q」、及び「基板R」が、グループ種情報RG1で示される「グループG3」に属するとされている。また、登録基板種情報RG2で示される「基板O」が、グループ種情報RG1で示される「グループG4」に属するとされている。また、登録基板種情報RG2で示される「基板R」が、グループ種情報RG1で示される「グループG5」に属するとされている。このように、同じ種類の基板が異なるグループに属する状態があり得る。但し、このような場合には、グループ種情報RG1に関連付けられた実装プログラムRG3及び評価要素情報RG4が異なっている。
実装プログラムRG3は、実装機2において、登録基板種情報RG2で示される基板に部品を搭載するときに用いられる実装プログラムを示し、グループ種情報RG1で示される事前登録グループに属する、登録基板種情報RG2で示される基板毎に設定される。登録基板種情報RG2で示される基板が同じであっても、グループ種情報RG1で示されるグループ種が異なる場合には、実装プログラムRG3で示されるプログラムの内容は異なる。図5を参照して説明すると、登録基板種情報RG2で示される「基板A」、「基板B」、「基板C」、及び「基板D」に関する実装プログラムについて、グループ種情報RG1で示される「グループG1」に関連付けられた実装プログラムRG3で示される「PGA1」、「PGB1」、「PGC1」、及び「PGD1」と、「グループG2」に関連付けられた「PGA2」、「PGB2」、「PGC2」、及び「PGD2」とでは、プログラムの内容が異なる。同様に、登録基板種情報RG2で示される「基板O」及び「基板R」に関する実装プログラムについて、グループ種情報RG1で示される「グループG3」に関連付けられた実装プログラムRG3で示される「PGO3」及び「PGR3」と、「グループG4」に関連付けられた「PGO4」及び「グループG5」に関連付けられた「PGR5」とでは、プログラムの内容が異なる。
実装プログラムRG3で示される実装プログラムには、基板に対する部品の搭載時の制御に関する情報が記録されている。その制御に関する情報としては、例えば、基板上における各部品の搭載位置、基板に搭載される各部品を供給するフィーダー24Fの部品供給部24内での配置位置、基板に対する部品の搭載時に使用されるヘッドユニット25における実装ヘッド251の配置、実装ヘッド251による部品の搭載順序、などの情報が挙げられる。
実装機2において、複数の実装ヘッド251を備えたヘッドユニット25による部品搭載動作は、実装プログラムRG3で示される実装プログラムに従って実行される。グループ種情報RG1で示される「グループG1」に属する、登録基板種情報RG2で示される「基板A」に対する部品の搭載動作について、実装プログラムRG3で示される「PGA1」に従った動作を例にして説明すると、次の通りである。コンベア23により「基板A」が搬送されると、ヘッドユニット25における各実装ヘッド251が、部品供給部24に配列される複数のフィーダー24Fから部品を同時に若しくは連続的に吸着する。その後、ヘッドユニット25が「基板A」上に移動して順次部品を搭載するという動作が、「基板A」に対して全部品を搭載するまで、実装プログラム「PGA1」で示される部品の搭載順序に従って繰り返される。
評価要素情報RG4は、後記の生産計画作成部453が評価値を算出するための評価要素を示す情報である。評価要素情報RG4は、サイクルタイム情報RG41とフィーダー配列情報RG42とを含む。
サイクルタイム情報RG41は、1枚の基板に対応して部品搭載基板を生産するのに要する時間となるサイクルタイム(秒/枚)を示す情報である。サイクルタイム情報RG41は、グループ種情報RG1で示される事前登録グループに属する、登録基板種情報RG2で示される基板毎に設定される。登録基板種情報RG2で示される基板が同じであっても、グループ種情報RG1で示されるグループ種が異なる場合には、サイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムは異なる場合がある。図5を参照して説明すると、登録基板種情報RG2で示される「基板A」、「基板B」、「基板C」、及び「基板D」に関するサイクルタイムについて、グループ種情報RG1で示される「グループG1」に関連付けられたサイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが「30」、「40」、「50」及び「60」であるのに対し、「グループG2」に関連付けられたサイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムは「60」、「50」、「40」及び「30」である。この場合、「グループG1」では「基板A」、「基板B」、「基板C」及び「基板D」のサイクルタイムがこの順で大きくなるように設定されているから、「グループG1」内においては、サイクルタイムとは逆の順で生産効率が高くなる。すなわち、「グループG1」は、「基板A」の生産効率が最重視された事前登録グループであると言える。一方、「グループG2」では「基板A」、「基板B」、「基板C」及び「基板D」のサイクルタイムがこの順で小さくなるように設定されているから、「グループG2」内においては、サイクルタイムと同じ順で生産効率が高くなる。すなわち、「グループG2」は、「基板D」の生産効率が最重視された事前登録グループであると言える。
同様に、登録基板種情報RG2で示される「基板O」及び「基板R」に関するサイクルタイムについて、グループ種情報RG1で示される「グループG3」に関連付けられたサイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが「30」及び「60」であるのに対し、「グループG4」に関連付けられたサイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが「20」であり、「グループG5」に関連付けられたサイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが「30」である。
フィーダー配列情報RG42は、事前登録グループに属する基板に搭載される部品を供給するフィーダー24Fの、部品供給部24における配列となるフィーダー配列を示す情報である。フィーダー配列情報RG42で示されるフィーダー配列は、グループ種情報RG1で示される事前登録グループ毎に設定される。フィーダー配列情報RG42で示されるフィーダー配列は、登録基板種情報RG2で示される各基板に関連付けられた、サイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが満足されるように、実装プログラムRG3で示される実装プログラムが最適化された配列とされる。なお、フィーダー24Fは、保持する部品が同じである限り、例えばテープフィーダーの場合は同じ部品種の部品を収納した部品収納テープが巻回されたリールを装着している限り、同じ種類の部品を供給するものとなる。フィーダー配列情報RG42で示されるフィーダー配列は、部品供給部24におけるフィーダー24Fの設置位置毎の部品種を示すデータによって特定される。
図5を参照して説明すると、グループ種情報RG1で示される「グループG1」に関連付けられたフィーダー配列情報RG42で示される「配列1」は、「基板A」のサイクルタイム「30」、「基板B」のサイクルタイム「40」、「基板C」のサイクルタイム「50」、及び「基板D」のサイクルタイム「60」が満足されるようなフィーダー配列とされる。同様に、グループ種情報RG1で示される「グループG2」に関連付けられたフィーダー配列情報RG42で示される「配列2」は、「基板A」のサイクルタイム「60」、「基板B」のサイクルタイム「50」、「基板C」のサイクルタイム「40」、及び「基板D」のサイクルタイム「30」が満足されるようなフィーダー配列とされる。また、グループ種情報RG1で示される「グループG3」に関連付けられたフィーダー配列情報RG42で示される「配列3」は、「基板O」のサイクルタイム「30」、「基板P」のサイクルタイム「40」、「基板Q」のサイクルタイム「50」、及び「基板R」のサイクルタイム「60」が満足されるようなフィーダー配列とされる。また、グループ種情報RG1で示される「グループG4」に関連付けられたフィーダー配列情報RG42で示される「配列4」は、「基板O」のサイクルタイム「20」が満足されるようなフィーダー配列とされる。また、グループ種情報RG1で示される「グループG5」に関連付けられたフィーダー配列情報RG42で示される「配列5」は、「基板R」のサイクルタイム「30」が満足されるようなフィーダー配列とされる。グループ種情報RG1で示される事前登録グループにおいて同一グループに属する各基板には、同一のフィーダー配列を示すフィーダー配列情報RG42が関連付けられている。このため、同一の事前登録グループ内では、部品の搭載対象の基板種が変更になってもフィーダー配列の変更をする必要がない。
なお、評価要素情報RG4を構成するサイクルタイム情報RG41及びフィーダー配列情報RG42の各々で示される情報は、実装プログラムRG3で示される実装プログラムのプログラム内容に反映されている。すなわち、ヘッドユニット25による部品搭載動作が実装プログラムRG3で示される実装プログラムに従って実行されると、フィーダー配列情報RG42で示されるフィーダー配列とされた各フィーダー24Fから供給された部品を実装ヘッド251で取り出し、それを基板に搭載する。このような、フィーダー配列情報RG42で示されるフィーダー配列とされた状態での、実装プログラムRG3で示される実装プログラムに従った部品搭載動作によって、サイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが実現されるようになっている。
登録データ記憶部44の評価値データベース442は、図6に示す評価値情報EIを記憶する。評価値情報EIは、実装機2において部品搭載基板を生産する際の生産効率に関する評価値を示す情報である。評価値情報EIで示される評価値は、後記の生産計画作成部453が生産計画を作成するときに参照される。評価値情報EIで示される評価値は、実装機稼働時間OTと、内段取り作業時間ST1及び外段取り作業時間ST2からなる段取り作業時間STと、段取り回数SNと、総生産時間TPTと、生産指標値PIと、を含む。
実装機稼働時間OTは、実装制御装置3から生産計画作成装置4に対して送信される生産要求情報PRIに含まれる、後記の生産要求基板種情報PR1(図7A等)で示される生産要求基板の全てに対応した部品搭載基板の生産時に、実装機2が稼働する時間を示す。段取り作業時間STは、前記生産要求基板の全てに対応した部品搭載基板の生産時に必要となる、部品供給部24にフィーダー24Fを配列させる段取り作業の合計作業時間を示す。段取り作業時間STのうち、内段取り作業時間ST1は、実装機2に対して行われる前記内段取り作業の合計作業時間である。段取り作業時間STのうち、外段取り作業時間ST2は、実装機2の外側で行われる前記外段取り作業の合計作業時間である。段取り回数SNは、前記生産要求基板の全てに対応した部品搭載基板の生産時に行われる前記内段取り作業の回数を示す。総生産時間TPTは、前記実装機稼働時間OTと前記段取り作業時間STとを加算した時間を示す。生産指標値PIは、前記実装機稼働時間OT、前記段取り作業時間ST、前記段取り回数SN、及び前記総生産時間TPTの各々に重み値を与えて重み付けされた指標値を示す。
次に、生産計画作成装置4に備えられるデータ通信部41は、図1に示すように、実装制御装置3とのデータ通信を実現するインターフェイス回路である。データ通信部41は、実装制御装置3からの生産要求情報PRIを受信し、制御部45の後記の生産計画作成部453により作成された生産計画情報PPIを実装制御装置3に送信する。
データ通信部41により受信される生産要求情報PRIについて、図7Aを参照して説明する。生産要求情報PRIは、生産要求基板種情報PR1と、生産数情報PR2と、部品種情報PR3と、部品数情報PR4とが関連付けられた情報である。
生産要求基板種情報PR1は、生産が要求される基板を示す生産要求基板の種類に関する情報である。図7Aに示す例では、生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板として、「基板A」、「基板B」、「基板D」、「基板O」及び「基板R」が挙げられている。なお、図7Aの生産要求基板種情報PR1で示される「基板A」、「基板B」、「基板D」、「基板O」及び「基板R」は、前述のグループデータベース441に記憶された事前登録グループ情報RGIの登録基板種情報RG2に予め登録済みである。すなわち、図5を参照して説明すると、図7Aの生産要求基板種情報PR1で示される「基板A」、「基板B」及び「基板D」は、事前登録グループ情報RGIのグループ種情報RG1で示される「グループG1」又は「グループG2」に属する基板として予め登録されている。同様に、図7Aの生産要求基板種情報PR1で示される「基板O」は、事前登録グループ情報RGIのグループ種情報RG1で示される「グループG3」又は「グループG4」に属する基板として予め登録され、「基板R」は、「グループG3」又は「グループG5」に属する基板として予め登録されている。
生産数情報PR2は、前記生産要求基板毎の生産数に関する情報である。図7Aに示す例では、「基板A」に対応した部品搭載基板の生産数が「10」枚であることが示され、「基板B」が「20」枚であり、「基板D」が「100」枚、「基板O」が「20」枚、「基板R」が「20」枚である。部品種情報PR3は、生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板に搭載される全ての部品の種類を示す情報である。部品数情報PR4は、1枚の生産要求基板に搭載される部品の数を、部品種情報PR3で示される部品種毎に示す情報である。
生産要求情報PRIは、生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板の種類が同じであっても、生産数情報PR2で示される生産数が異なる場合がある。この場合の生産要求情報PRIが図7Bに示されている。図7Bに示す生産要求情報PRIは、図7Aの場合と比較して、生産数情報PR2で示される生産数が異なっている。具体的には、図7Bに示す例では、「基板A」に対応した部品搭載基板の生産数が「100」枚であることが示され、「基板B」が「20」枚であり、「基板D」が「10」枚、「基板O」が「200」枚、「基板R」が「200」枚である。
また、生産要求情報PRIは、生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板として、グループデータベース441に記憶された事前登録グループ情報RGIの登録基板種情報RG2に登録されていない新規の基板が示される場合がある。この場合の生産要求情報PRIが図7Cに示されている。図7Cに示す生産要求情報PRIは、生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板の中に、登録基板種情報RG2に登録されていない新規の基板として「基板S」、「基板T」及び「基板U」が示されている。
次に、生産計画作成装置4に備えられる入力部42は、図1に示すように、オペレーターによる各種指令の入力操作を受け付ける操作部として機能する。例えば、入力部42は、生産計画作成装置4を用いて生産計画を作成する際の、生産効率に関する前記評価値として重視する項目を選択する評価値選択指令SCが入力される。評価値選択指令SCは、図6に示す評価値情報EIで示される実装機稼働時間OT、段取り作業時間ST、段取り回数SN、総生産時間TPT及び生産指標値PIの中から、生産計画作成時に重視する評価値を選択する指令である。オペレーターは、入力部42に評価値選択指令SCを入力することにより、生産効率に関する評価値を、実装機稼働時間OT、段取り作業時間ST、段取り回数SN、総生産時間TPT、及び生産指標値PIの中から選択することができる。
生産計画作成装置4に備えられる出力部43は、各種情報をオペレーター等に向けて出力する表示部として機能する。例えば、出力部43は、後記の生産計画作成部453により作成される生産計画をオペレーター等に向けて出力する。これにより、オペレーターは、生産計画を把握することができる。
次に、生産計画作成装置4に備えられる制御部45は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部45は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することによりデータ通信部41、入力部42及び出力部43を制御するとともに、登録データ記憶部44に記憶された情報を参照しつつ実装機2において部品搭載基板を生産するときの生産計画を作成する。制御部45は、図1に示すように、通信制御部451と、生産要求取得部452と、生産計画作成部453と、出力制御部454と、を含む。
通信制御部451は、データ通信部41による実装制御装置3とのデータ通信を制御する。出力制御部454は、出力部43による各種情報の出力動作を制御する。
生産要求取得部452は、通信制御部451の制御によってデータ通信部41が受信した実装制御装置3からの生産要求情報PRIを取得する。生産要求取得部452によって取得される生産要求情報PRIは、前述の図7A、図7B及び図7Cに示した通りである。
生産計画作成部453は、グループデータベース441に記憶された事前登録グループ情報RGIと、評価値データベース442に記憶された評価値情報EIとに基づいて、生産要求取得部452によって取得された生産要求情報PRIに対応した生産計画を作成する。生産計画作成部453は、事前登録グループ情報RGIの登録基板種情報RG2と、生産要求情報PRIの生産要求基板種情報PR1とを参照し、生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板に対応した全ての基板種が含まれるような事前登録グループの組み合わせパターンを作成する。そして、生産計画作成部453は、当該組み合わせパターンの中から、生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板に対応して部品搭載基板を生産する際の生産効率に関する評価値が所定の条件を満たす組み合わせパターンを、注目組み合わせパターンとして選定することにより、生産計画を作成する。
具体的には、生産計画作成部453は、グループ種情報RG1で示される事前登録グループ毎の登録基板種情報RG2と生産要求基板種情報PR1とに基づいて、前記組み合わせパターンを作成する。そして、生産計画作成部453は、前記組み合わせパターンを構成する事前登録グループの評価要素情報RG4と、生産要求情報PRIに含まれる生産数情報PR2とに基づいて、前記組み合わせパターン毎に前記評価値を算出する。生産計画作成部453は、その算出した評価値が前記所定の条件を満たす組み合わせパターンを前記注目組み合わせパターンとして選定することにより、生産計画を作成する。
より詳しく説明すると、生産計画作成部453は、生産要求取得部452が生産要求情報PRIを取得した場合に、グループデータベース441から事前登録グループ情報RGIを読み出して、生産要求情報PRIに対応した生産計画を作成する。この際、生産計画作成部453は、事前登録グループ情報RGIの評価要素情報RG4に含まれるサイクルタイム情報RG41及びフィーダー配列情報RG42の少なくとも何れかの情報と、生産要求情報PRIに含まれる生産数情報PR2とに基づいて、入力部42に入力された評価値選択指令SCで示される実装機稼働時間OT、段取り作業時間ST、段取り回数SN、総生産時間TPT及び生産指標値PIの何れかを、前記組み合わせパターン毎の評価値として算出する。そして、生産計画作成部453は、その算出した評価値が所定の条件を満たして最小となる組み合わせパターンを前記注目組み合わせパターンとして選定することにより、生産計画を作成する。
生産計画作成部453は、前記組み合わせパターン毎の評価値として実装機稼働時間OTを算出する場合、前記組み合わせパターンを構成する各事前登録グループに属する基板毎のサイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムと、生産数情報PR2で示される生産数とを乗算し、その基板毎の乗算値の合計値を実装機稼働時間OTで示される評価値として算出する。
また、生産計画作成部453は、前記組み合わせパターン毎の評価値として段取り作業時間STを算出する場合、前記組み合わせパターンを構成する各事前登録グループに関連付けられたフィーダー配列情報RG42で示されるフィーダー配列と、オペレーターの段取り作業の作業能率等とに基づいて、段取り作業時間STで示される評価値を算出する。
また、生産計画作成部453は、前記組み合わせパターンを構成する事前登録グループの数を、段取り回数SNで示される評価値として算出する。また、生産計画作成部453は、実装機稼働時間OTと段取り作業時間STとを加算することにより、総生産時間TPTで示される評価値を算出する。また、生産計画作成部453は、前記実装機稼働時間OT、前記段取り作業時間ST、前記段取り回数SN、及び前記総生産時間TPTの各々に重み値を与えて重み付けの処理を行うことにより、生産指標値PIで示される評価値を算出する。
生産計画作成部453による生産計画の作成処理について、図8A、図8B及び図8Cを参照して具体的に説明する。図8Aは、図7Aの生産要求情報PRIに対応した生産計画を作成する場合における、生産計画作成部453による事前登録グループの組み合わせパターンの作成と、注目組み合わせパターンの選定の手順を説明する図である。同様に、図8Bは図7Bの生産要求情報PRIに対応した生産計画の作成手順を示し、図8Cは図7Cの生産要求情報PRIに対応した生産計画の作成手順を示す。
まず、図8Aを参照して、図7Aの生産要求情報PRIに対応した生産計画の作成手順を説明する。生産要求取得部452が図7Aの生産要求情報PRIを取得した場合、生産計画作成部453は、グループデータベース441から図5の事前登録グループ情報RGIを読み出す。そして、生産計画作成部453は、生産要求基板種情報PR1で示される「基板A」、「基板B」、「基板D」、「基板O」及び「基板R」の全てが含まれるようなグループ種情報RG1で示される事前登録グループの組み合わせパターンを、登録基板種情報RG2に基づいて作成する。図8Aに示す例では、生産計画作成部453は、事前登録グループの組み合わせパターンとして、「グループG1」と「グループG3」との組み合わせからなる第1組み合わせパターンCP1と、「グループG1」と「グループG4」と「グループG5」との組み合わせからなる第2組み合わせパターンCP2と、「グループG2」と「グループG3」との組み合わせからなる第3組み合わせパターンCP3と、「グループG2」と「グループG4」と「グループG5」との組み合わせからなる第4組み合わせパターンCP4と、を作成する。
第1~第4組み合わせパターンCP1~CP4の作成が完了すると、生産計画作成部453は、事前登録グループ情報RGIの評価要素情報RG4と生産要求情報PRIの生産数情報PR2とに基づいて、組み合わせパターンCP1~CP4毎に前記評価値を算出する。そして、生産計画作成部453は、算出した前記評価値が最小となる組み合わせパターンを、注目組み合わせパターンACPとして選定する。
例えば、前記評価値が総生産時間TPTの場合を想定する。図7Aの生産要求情報PRIにおいては、生産要求基板種情報PR1で示される「基板A」、「基板B」及び「基板D」の中では、「基板A」の生産数が「10」と最小であり、「基板D」の生産数が「100」と極めて多い。このため、「基板A」、「基板B」及び「基板D」が属する事前登録グループとしての「グループG1」と「グループG2」とを比較すると、サイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが生産数の多い「基板D」で最小となって、この「基板D」の生産効率が最重視された「グループG2」が、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとして選択される。一方、図7Aの生産要求情報PRIにおいては、生産要求基板種情報PR1で示される「基板O」及び「基板R」の生産数は共に「20」とそれほど多くはない。このため、「基板O」及び「基板R」が属する事前登録グループとしての「グループG3」と、「グループG4」及び「グループG5」の組み合わせとを比較すると、「基板O」及び「基板R」が同一グループとされることに伴って段取り回数SNが少なく、段取り作業時間STが小さくなるような「グループG3」が、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとして選択される。従って、生産計画作成部453は、図7Aの生産要求情報PRIに対応して、「グループG2」と「グループG3」との組み合わせからなる第3組み合わせパターンCP3を、注目組み合わせパターンACPとして選定する。
図7Aの生産要求情報PRIに対応して、図8Aの注目組み合わせパターンACPの選定が完了すると、生産計画作成部453は、生産計画を示す図9の生産計画情報PPIを作成する。生産計画情報PPIは、生産順情報PP1と、基板種情報PP2と、生産数情報PP3と、実装プログラムPP4と、フィーダー配列情報PP5と、評価値算出結果情報PP6と、が関連付けられた情報である。
生産順情報PP1は、実装機2における生産順を示す情報である。基板種情報PP2は、生産要求情報PRIの生産要求基板種情報PR1で示される生産要求基板に対応した基板種を示す情報である。生産計画情報PPIにおいては、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループで同一グループに属する基板が、生産順情報PP1で示される生産順で連続するように設定される。具体的には、図8Aの注目組み合わせパターンACPを構成する「グループG2」に属する「基板A」、「基板B」及び「基板D」の生産順が「1」、「2」及び「3」と連続し、「グループG3」に属する「基板O」及び「基板R」の生産順が「4」、「5」と連続するように設定される。
生産計画情報PPIにおいて、生産数情報PP3は生産要求情報PRIの生産数情報PR2に対応した情報であり、実装プログラムPP4は事前登録グループ情報RGIの実装プログラムRG3に対応した情報であり、フィーダー配列情報PP5は事前登録グループ情報RGIのフィーダー配列情報RG42に対応した情報である。そして、生産計画情報PPIにおいて、評価値算出結果情報PP6は、注目組み合わせパターンACPに対応して生産計画作成部453で算出された評価値を示す情報である。
生産計画作成部453によって作成された生産計画情報PPIは、出力部43で出力(表示)されると共に、データ通信部41を介して実装制御装置3へ送信される。実装制御装置3は、生産計画情報PPIを受信すると、当該生産計画情報PPIに基づいて実装機2における部品搭載基板の生産に関する動作を制御する。
次に、図8Bを参照して、図7Bの生産要求情報PRIに対応した生産計画の作成手順を説明する。生産要求取得部452が図7Bの生産要求情報PRIを取得した場合、生産計画作成部453は、グループデータベース441から図5の事前登録グループ情報RGIを読み出す。そして、生産計画作成部453は、生産要求基板種情報PR1で示される「基板A」、「基板B」、「基板D」、「基板O」及び「基板R」の全てが含まれるようなグループ種情報RG1で示される事前登録グループの組み合わせパターンを、登録基板種情報RG2に基づいて作成する。図8Bに示す例では、生産計画作成部453は、事前登録グループの組み合わせパターンとして、「グループG1」と「グループG3」との組み合わせからなる第1組み合わせパターンCP1と、「グループG1」と「グループG4」と「グループG5」との組み合わせからなる第2組み合わせパターンCP2と、「グループG2」と「グループG3」との組み合わせからなる第3組み合わせパターンCP3と、「グループG2」と「グループG4」と「グループG5」との組み合わせからなる第4組み合わせパターンCP4と、を作成する。
第1~第4組み合わせパターンCP1~CP4の作成が完了すると、生産計画作成部453は、事前登録グループ情報RGIの評価要素情報RG4と生産要求情報PRIの生産数情報PR2とに基づいて、組み合わせパターンCP1~CP4毎に前記評価値を算出する。そして、生産計画作成部453は、算出した前記評価値が最小となる組み合わせパターンを、注目組み合わせパターンACPとして選定する。
例えば、前記評価値が総生産時間TPTの場合を想定する。図7Bの生産要求情報PRIにおいては、生産要求基板種情報PR1で示される「基板A」、「基板B」及び「基板D」の中では、「基板D」の生産数が「10」と最小であり、「基板A」の生産数が「100」と極めて多い。このため、「基板A」、「基板B」及び「基板D」が属する事前登録グループとしての「グループG1」と「グループG2」とを比較すると、サイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが生産数の多い「基板A」で最小となって、この「基板A」の生産効率が最重視された「グループG1」が、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとして選択される。一方、図7Bの生産要求情報PRIにおいては、生産要求基板種情報PR1で示される「基板O」及び「基板R」の生産数は共に「200」と極めて多い。このため、「基板O」及び「基板R」が属する事前登録グループとしての「グループG3」と、「グループG4」及び「グループG5」の組み合わせとを比較すると、段取り作業時間STよりもサイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが優先される。すなわち、サイクルタイムが生産数の多い「基板O」及び「基板R」で小さくなる「グループG4」及び「グループG5」の組み合わせが、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとして選択される。従って、生産計画作成部453は、図7Bの生産要求情報PRIに対応して、「グループG1」と「グループG4」と「グループG5」との組み合わせからなる第2組み合わせパターンCP2を、注目組み合わせパターンACPとして選定する。
図7Bの生産要求情報PRIに対応して、図8Bの注目組み合わせパターンACPの選定が完了すると、生産計画作成部453は、生産計画を示す図10の生産計画情報PPIを作成する。図10の生産計画情報PPIでは、図8Bの注目組み合わせパターンACPを構成する「グループG1」に属する「基板A」、「基板B」及び「基板D」の生産順が「1」、「2」及び「3」と連続し、「グループG4」に属する「基板O」の生産順が「4」となり「グループG5」に属する「基板R」の生産順が「5」となるように設定される。生産計画作成部453によって作成された生産計画情報PPIは、出力部43で出力(表示)されると共に、データ通信部41を介して実装制御装置3へ送信される。実装制御装置3は、生産計画情報PPIを受信すると、当該生産計画情報PPIに基づいて実装機2における部品搭載基板の生産に関する動作を制御する。
次に、図8Cを参照して、図7Cの生産要求情報PRIに対応した生産計画の作成手順を説明する。生産要求取得部452が図7Cの生産要求情報PRIを取得した場合、生産計画作成部453は、グループデータベース441から図5の事前登録グループ情報RGIを読み出す。そして、生産計画作成部453は、生産要求基板種情報PR1と登録基板種情報RG2とに基づいて、登録基板種情報RG2に登録されていない新規の基板が存在するか否かを判断する。図7Cの生産要求情報PRIの生産要求基板種情報PR1には、登録基板種情報RG2に登録されていない「基板S」、「基板T」及び「基板U」が含まれているので、この場合には、生産計画作成部453は、これらの「基板S」、「基板T」及び「基板U」を新規の基板として把握する。
そして、生産計画作成部453は、生産要求基板種情報PR1で示される、新規の基板を除く「基板A」、「基板B」、「基板D」、「基板O」及び「基板R」の全てが含まれるようなグループ種情報RG1で示される事前登録グループの組み合わせパターンを、登録基板種情報RG2に基づいて作成する。図8Cに示す例では、生産計画作成部453は、事前登録グループの組み合わせパターンとして、「グループG1」と「グループG3」との組み合わせからなる第1組み合わせパターンCP1と、「グループG1」と「グループG4」と「グループG5」との組み合わせからなる第2組み合わせパターンCP2と、「グループG2」と「グループG3」との組み合わせからなる第3組み合わせパターンCP3と、「グループG2」と「グループG4」と「グループG5」との組み合わせからなる第4組み合わせパターンCP4と、を作成する。
第1~第4組み合わせパターンCP1~CP4の作成が完了すると、生産計画作成部453は、事前登録グループ情報RGIの評価要素情報RG4と生産要求情報PRIの生産数情報PR2とに基づいて、組み合わせパターンCP1~CP4毎に前記評価値を算出する。そして、生産計画作成部453は、算出した前記評価値が最小となる組み合わせパターンを、注目組み合わせパターンACPとして選定する。
例えば、前記評価値が総生産時間TPTの場合を想定する。図7Cの生産要求情報PRIにおいては、生産要求基板種情報PR1で示される「基板A」、「基板B」及び「基板D」の中では、「基板A」の生産数が「10」と最小であり、「基板D」の生産数が「100」と極めて多い。このため、「基板A」、「基板B」及び「基板D」が属する事前登録グループとしての「グループG1」と「グループG2」とを比較すると、サイクルタイム情報RG41で示されるサイクルタイムが生産数の多い「基板D」で最小となって、この「基板D」の生産効率が最重視された「グループG2」が、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとして選択される。一方、図7Cの生産要求情報PRIにおいては、生産要求基板種情報PR1で示される「基板O」及び「基板R」の生産数は共に「20」とそれほど多くはない。このため、「基板O」及び「基板R」が属する事前登録グループとしての「グループG3」と、「グループG4」及び「グループG5」の組み合わせとを比較すると、「基板O」及び「基板R」が同一グループとされることに伴って段取り回数SNが少なく、段取り作業時間STが小さくなるような「グループG3」が、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとして選択される。従って、生産計画作成部453は、図7Cの生産要求情報PRIに対応して、「グループG2」と「グループG3」との組み合わせからなる第3組み合わせパターンCP3を、注目組み合わせパターンACPとして選定する。
図7Cの生産要求情報PRIに対応して、図8Cの注目組み合わせパターンACPの選定が完了すると、生産計画作成部453は、新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」についてのグルーピング処理を実行する。このグルーピング処理において、生産計画作成部453は、生産要求情報PRIに含まれる部品種情報PR3を参照する。そして、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとしての「グループG2」又は「グループG3」に属する基板に搭載される部品と比較して、新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」に搭載される部品の共通度が高い新規基板については、「グループG2」又は「グループG3」と同一グループとされる。図8Cには、新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」に搭載される部品について、「グループG2」に属する基板に搭載される部品との共通度が高いと判断された例が示されている。この場合、生産計画作成部453は、新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」を「グループG2」に属する基板であると判断し、その新規基板を含んだ新たな「グループG2A」を作成する。生産計画作成部453は、新たな「グループG2A」についての事前登録グループ情報RGIを作成する。この際、事前登録グループ情報RGIに含まれる実装プログラムRG3、サイクルタイム情報RG41及びフィーダー配列情報RG42については、生産計画作成部453は、「グループG2」に属していた基板に関するデータについては変化させずに固定データとし、新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」に関するデータを付加する。
一方、注目組み合わせパターンACPを構成する事前登録グループとしての「グループG2」又は「グループG3」に属する基板に搭載される部品と比較して、新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」に搭載される部品の共通度が低い場合には、新規基板のみを対象としたグループの作成が行われる。図8Cには、新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」が同一グループとされ、新たな「グループGN」が作成された例が示されている。生産計画作成部453は、新たな「グループGN」についての事前登録グループ情報RGIを作成する。
図7Cの生産要求情報PRIに対応して、図8Cの注目組み合わせパターンACPの選定が完了し、更に新規基板のグルーピング処理が完了すると、生産計画作成部453は、生産計画を示す図11の生産計画情報PPIを作成する。
図11(A)は、上記の「グループG2A」が作成された場合の生産計画情報PPIを示す。図11(A)の生産計画情報PPIでは、図8Cの注目組み合わせパターンACPを構成する「グループG2」に属する「基板A」、「基板B」及び「基板D」の生産順が「1」、「2」及び「3」と連続し、それに続いて、「グループG2A」に属する新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」の生産順が「4」、「5」及び「6」となるように設定される。そして、図8Cの注目組み合わせパターンACPを構成する「グループG3」に属する「基板O」及び「基板R」の生産順が「7」及び「8」となるように設定される。
図11(B)は、上記の「グループGN」が作成された場合の生産計画情報PPIを示す。図11(B)の生産計画情報PPIでは、図8Cの注目組み合わせパターンACPを構成する「グループG2」に属する「基板A」、「基板B」及び「基板D」の生産順が「1」、「2」及び「3」と連続し、「グループG3」に属する「基板O」及び「基板R」の生産順が「4」及び「5」と連続するように設定される。それに続いて、「グループGN」に属する新規の「基板S」、「基板T」及び「基板U」の生産順が「6」、「7」及び「8」となるように設定される。
生産計画作成部453によって作成された生産計画情報PPIは、出力部43で出力(表示)されると共に、データ通信部41を介して実装制御装置3へ送信される。実装制御装置3は、生産計画情報PPIを受信すると、当該生産計画情報PPIに基づいて実装機2における部品搭載基板の生産に関する動作を制御する。
次に、図12のフローチャートを参照して、生産計画作成装置4の動作を説明する。まず、データ通信部41によって生産要求情報PRIが受信されると、生産要求取得部452は、当該生産要求情報PRIを取得する(ステップs1)。次に、生産計画作成部453は、入力部42を介して入力された生産計画作成時の条件設定に関する指令に基づいて、探索制限条件及び探索継続条件を設定する(ステップs2)。探索制限条件は、事前登録グループの組み合わせパターンの作成数の制限を示す条件である。探索継続条件は、組み合わせパターンの作成数が前記探索制限条件に達した後に、組み合わせパターンの作成を継続する場合の条件を示す。探索継続条件としては、評価値算出合計時間、最大探索試行回数、評価値目標達成度などが挙げられる。評価値算出合計時間は、前記探索制限条件を満たすように作成された全ての組み合わせパターンについて、評価値の算出時間の合計時間を示す。最大探索試行回数は、前記探索制限条件を満たす組み合わせパターンの作成を1組とし、その1組の探索の繰り返し回数の許容最大値を示す。評価値目標達成度は、前記探索制限条件を満たすように作成された全ての組み合わせパターンの評価値の目標値に対する達成度を示す。
生産要求取得部452によって生産要求情報PRIが取得されると、生産計画作成部453は、グループデータベース441から事前登録グループ情報RGIを読み出す。そして、生産計画作成部453は、生産要求基板種情報PR1で示される基板の全てが含まれるようなグループ種情報RG1で示される事前登録グループの組み合わせパターンを、登録基板種情報RG2に基づいて作成する(ステップs3)。この際、生産計画作成部453は、前記探索制限条件で示されるN個の組み合わせパターンを作成する。
前記探索制限条件に基づくN個の組み合わせパターンの作成が完了すると、生産計画作成部453は、事前登録グループ情報RGIの評価要素情報RG4と生産要求情報PRIの生産数情報PR2とに基づいて、組み合わせパターンの前記評価値を順次算出する(ステップs4)。生産計画作成部453は、一の組み合わせパターンの前記評価値が改善された場合(ステップs5でYESの場合)、すなわち、一の組み合わせパターンの評価値がそれよりも前の組み合わせパターンの評価値よりも小さい場合、当該一の組み合わせパターンを注目組み合わせパターンACPとして選定し(ステップs6)、その後ステップs7に処理を移行する。一方、一の組み合わせパターンの前記評価値が改善されなかった場合(ステップs5でNOの場合)、生産計画作成部453は、ステップs6をスキップし、ステップs7に処理を移行する。
ステップs7において、生産計画作成部453は、前記探索制限条件で示されるN個の組み合わせパターンの評価値の算出が完了したか否かを判定する。N個の組み合わせパターンの評価値の算出が完了していない場合(ステップs7でNOの場合)には、ステップs4からステップs6までの各処理が繰り返される。一方、N個の組み合わせパターンの評価値の算出が完了した場合(ステップs7でYESの場合)、生産計画作成部453は、前記探索継続条件に基づいて、探索を継続するか否かを判定する(ステップs8)。例えば、前記探索継続条件としての前記評価値算出合計時間、前記最大探索試行回数、及び前記評価値目標達成度の少なくとも何れかが目標値に達していない場合には、生産計画作成部453は、探索を継続すると判定し、ステップs3からステップs7までの各処理を繰り返す。探索を継続しないと判定した場合(ステップs8でNOの場合)には、生産計画作成部453は、生産要求情報PRIの生産要求基板種情報PR1に新規基板が含まれているか否かを判定する(ステップs9)。生産要求基板種情報PR1に新規基板が含まれていない場合、生産計画作成部453は、ステップs10に処理を移行する。生産要求基板種情報PR1に新規基板が含まれている場合には、生産計画作成部453は、当該新規基板についてのグルーピング処理を実行し(ステップs91)、その後ステップs10に処理を移行する。
ステップs10において、生産計画作成部453は、ステップs6の処理で選定された注目組み合わせパターンACPに基づいて、生産要求情報PRIに対応した生産計画を示す生産計画情報PPIを作成する。生産計画作成部453によって作成された生産計画情報PPIは、データ通信部41を介して実装制御装置3へ送信される。実装制御装置3は、生産計画情報PPIを受信すると、当該生産計画情報PPIに基づいて実装機2における部品搭載基板の生産に関する動作を制御する。
以上の説明の通り、本実施形態に係る生産計画作成装置4によれば、生産が要求される基板に関する生産要求基板種情報PR1と生産数情報PR2とを含む生産要求情報PRIが生産要求取得部452によって取得される。そして、生産計画作成部453は、複数種の基板のグループを示す事前登録グループに関する事前登録グループ情報RGIに基づいて、前記生産要求情報PRIに対応した生産計画を作成する。この際、生産計画作成部453は、事前登録グループ情報RGIで示される事前登録グループの組み合わせパターンの中から、実装機2における生産効率に関する評価値が所定の条件を満たす組み合わせパターンを注目組み合わせパターンACPとして選定することにより、生産計画を示す生産計画情報PPIを作成する。すなわち、生産計画作成部453は、従来技術のように、複数種の基板のグループを作成し、そのグループ毎にフィーダー配列等の最適化を解析するような演算処理を実行するのではない。生産計画作成部453は、予め登録済みの事前登録グループ情報RGIをそのまま利用して、事前登録グループの組み合わせパターンを作成する演算と、その組み合わせパターンの中から注目組み合わせパターンACPを選定する演算とを含む演算処理を実行するに止まる。このため、生産計画作成部453の演算処理は、グループ毎にフィーダー配列等の最適化を解析するような演算処理と比較して、その処理時間が大幅に短縮されたものとなる。これにより、複数種の基板に対応して部品搭載基板を生産する実装機2において、生産計画作成装置4の演算処理に要する時間の短縮を含めた総合的な生産効率の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態に係る部品実装システム1は、上記の生産計画作成装置4を備えている。この部品実装システム1によれば、複数種の基板に対応して部品搭載基板を生産する実装機2において、生産計画作成装置4の演算処理に要する時間の短縮を含めた総合的な生産効率の向上を図ることが可能である。